JPH08504105A - 硬膜外用カニューレ - Google Patents

硬膜外用カニューレ

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JPH08504105A JP3517675A JP51767591A JPH08504105A JP H08504105 A JPH08504105 A JP H08504105A JP 3517675 A JP3517675 A JP 3517675A JP 51767591 A JP51767591 A JP 51767591A JP H08504105 A JPH08504105 A JP H08504105A
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バスケーニヒ,ヴイルヘルム
ロデイエラ・オリーブ,ヨゼ・ジャビール
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バスケーニヒ,ヴイルヘルム
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Abstract

(57)【要約】 特に腰椎穿剌又は局所麻酔用の硬膜外用カニューレであって、好ましくは側部開口(14)とマイクロセクションを有するカニューレ尖頭部(12,40)と、好ましくはシリンダ形状の中央のカニューレ本体(16,42)とを備えている。その硬膜外用カニューレの使用に際して、該開口が黄色靭帯(18)と硬膜(20)との間に確実に位置付けられるように構成され、該カニューレ本体(16,42)はカニューレ尖頭部(12,40)に対して離間して横断面形状拡大部(28,44)を有し、該硬膜外用カニューレ(10,38)上にカニューレ尖頭部(12,40)の方向に力が作用する場合に、該拡大部が黄色靭帯(18)内へ押し込まれるときに該カニューレの前進方向の運動を制動し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 硬膜外用カニューレ 本発明は、特に腰椎穿剌及び局所麻酔のための硬膜外用カニューレに係り、好 ましくは側部開口ないしはマイクロセクションを有するカニューレ尖頭部と、好 ましくはシリンダ形状の中央のカニューレ本体とを備え、その本体のカニューレ 尖頭部と反対の側の端部が例えばホルダーに接続可能となっており、該硬膜外用 カニューレの使用に際して、開口を有する該尖頭部が黄色靭帯(骨膜)と硬膜と の間に位置付けられる構成の硬膜外用カニューレに関するものである。 該硬膜外用カニューレによる麻酔ないし穿剌に際して、骨膜(黄色靭帯)と硬 膜との間に、尖頭部及び開口が位置しなければならない。慣用の針を用いた場合 にはカニューレ尖頭部が骨膜を剌通した瞬間に剌通時に必要とした力が急激に弱 められる。そうしないと硬膜を不用意に穿孔させる危険が増す。これを避けるた めに、該硬膜外用カニューレを挿人する医者は熟練ならびに経験を必要とする。 本発明は、上記問題に鑑み、上述した構成の硬膜外用カニューレを改善し、よ り安全性が高く、硬膜を不用意に穿孔させることを防止するとともに、カニュー レ尖頭部に対して離間した開口を有するカニューレ尖頭部を硬膜外腔内に位置付 けて麻酔及び穿剌を確実に行なう ことができるようにした硬膜外用カニューレを提供するにある。 上記問題は、本発明に係る以下の構成により解決される。すなわち、カニュー レ本体がカニューレ尖頭部に対して離間して横断面形状拡大部を有し、該硬膜外 用カニューレ上にその長手方向に沿って力が加わる場合において、該拡大部が黄 色靭帯に入り込んだときに、その前進方向運動を制動可能である構成である。 本発明によれば、好ましくは急激な横断面形状変更によって、該拡大部が黄色 靭帯に接するか、又は進入する際に、運動方向とは反対方向の抵抗が得られる。 前記横断面形状変更は必須ではないが、カニューレ本体の長手軸に対して、その まわりに、ないしは対称的に構成される。針を更に前進させるために必要な力は 挿人に応じて徐々に増大するので、公知の硬膜外用カニューレに比し、骨膜が剌 通される場合に何等、負荷の減少が生じない。従って、硬膜への刺通が殆ど解消 される。 カニューレの長手軸に沿って直径を異にした構成のカニューレ(例えば、欧州 特許0359987A2又は米国特許3,540,447)が、たとえ公知であ るとしても、これによっては、硬膜の剌通を防止しようとする本発明の問題の解 消がなされるのではなく、その選択された形状構成により硬膜の剌通の場合の合 併症が減少するということである。従って、上述のカニューレでは硬膜が剌通さ れ、同時に髄液漏洩症候群を広範に回避 するのを確実にしようとするものである。 特に、該拡大部はその断面形において硬膜外用カニューレの長手軸に対して、 角度αがα>30゜の関係で形成されたカニューレ本体壁部によって構成される ことである。このカニューレ本体壁部は異なる直径のカニューレ本体の部分の間 に境界部で構成し得、この場合、勿論尖頭部側の境界部はそれと反対の側の境界 部より、より径が小さい。本発明によるこの構成において、該境界部は好ましく は截頭円錐形状を有する。 本発明の更なる構成において、該拡大部はカニューレ本体の膨出体状の膨らみ によって構成され、該ふくらみは少なくとも1つのカニューレ尖頭部側の領域を 有し、該領域は硬膜外用カニューレ長手軸に対して角度αがα〉30゜をなす。 該ふくらみ自体はカニューレ本体の横断面に関して対称形を成しているが、これ は必須の要件ではない。 急激な横断面形状変更を得るために、硬膜外用カニューレ長手軸に対して黄色 靭帯の剌通に際して抵抗を生じさせる壁の角度は、α>30゜の角度aを有する 。そして、好ましくは、該角度aは30゜から60゜の間、特に45゜の領域に あることである。 この外形の変更により、黄色靭帯を剌通する際に所要の力の上昇を導く比較的 急激な横断面形状変更が得られる。 本発明の更に挙げるべき特徴としては、カニューレ 尖頭部の自由な前端と硬膜外用カニューレ本体の横断面形状変更の開始部分との 間の間隔が、黄色靭帯と腰椎レベルにおける硬膜との間の間隔に対応しているこ とである。ここに言う間隔に関して、該間隔は黄色靭帯と硬膜との間の自然の間 隔のみを必ずしも指すのでなく、又、カニューレ尖頭部が硬膜に当り、又これに 接触して押し広げるような場合、但し硬膜を剌通することない状態における間隔 も含み得る。膨出体状の拡大形状部の構成の場合に、その硬膜外用カニューレの 長手軸方向の長さは、黄色靭帯の厚さに等しいか、それより小さく、従って、カ ニューレのマイクロセクションが硬膜外腔内にあるとき、該膨出体状部分は完全 に黄色靭帯内に位置し得る。これにより、硬膜外用カニューレ上に不用意に押圧 力又は引張力が加わっても位置の変更を引き起こすことがない。 拡大部の前側の硬膜外用カニューレの直径と拡大形状部の直径との差は、最大 2ゲージ、望ましくは1ゲージが良い。このような横断面形状変更により本発明 の目的が達成され、該横断面形状変更部分による制動効果が明白であり、該硬膜 外用カニューレの更なる前進に際して、硬膜を剌通する危険及びそれに付随する 合併症を回避することができる。 更なる利点は、硬膜外用カニューレの開口がその拡大部側の領域において、こ れに対して黄色靭帯の厚さに略等しい間隔を有する場合である。 カニューレ尖頭部自体は、ヒューステッド(Hustead)又はソーイ(Tuohy)型 などの公知のマイクロセクション(Schliffe)を設けることができる。 該拡大部が全周にわたって形成されない場合でも、その周方向に沿う拡大部は カニューレ本体の全周の2/3以上にわたって形成される。更なる本発明の詳細 、利点及び特徴は、請求の範囲、これを記載する特徴部分ないしその組合せから のみならず、図面を参照してなされる好ましい実施例の以下の説明からも看取さ れる。 図において、図1は硬膜外用カニューレの第1の実施例の長手方向に沿う断面 図、図2は硬膜外用カニューレの第2の実施例の長手方向に沿う断面図、図3は 黄色靭帯と硬膜との間におかれたカニューレ開口を備えた態様で示す図1の硬膜 外用カニューレ、図4は黄色靭帯と硬膜との間におかれたカニューレ開口を備え た態様の図2で示された硬膜外用カニューレを示すものである。 図1において、硬膜外用カニューレ(10)の第1の実施例の原理的構成が示 されており、該カニューレは側部開口ないしは平滑面(14)を有するカニュー レ尖頭部(12)と、図示されていないホルダーにより支持されるカニューレ本 体(16)とを有する。この構成に関する限り、基本的には公知のカニューレで ある。 本発明においては、カニューレ本体(16)とカニューレ尖頭部(12)との 間に横断面形状変更部が あり、該形状変更部が黄色靭帯(18)(図3)への押し込みに際して硬膜外用 カニューレ(10)を制動するように導く。これにより、黄色靭帯(18)内へ 更に押し進めた場合に、実質的に漸増する力の変化が引き起こされる。従って、 硬膜(20)への不用意な剌通や穿孔が防止され、これがない場合に生じ得るよ く知られた髄液漏洩症候群の発生がない。 換言すれば、横断面の形状変更によって、開口(14)を有するカニューレ尖 頭部(12)が明らかに硬膜外腔(22)内に位置付けられ、ここにおいて麻酔 や穿剌を行なうことができる。 図1には該横断面形状変更が互いに異なる直径D2 及びD1によって原理的に示されている。互いに異なる直径の境界部、即ち直径 D2を有するカニューレ尖頭部(12)の領域(24)と直径D1を有するカニュ ーレ本体(16)の領域(26)との間の境界部は図1に明示するように一定状 態で、しかも急激に変化している。 この境界部に参照番号(28)が付され、該境界部(28)は截頭円錐形状を有 する。 カニューレ本体壁部分、すなわち境界部(28)は、硬膜外用カニューレ本体 の長手軸(30)に対して角度αを有し、該角度が好ましくは30゜と60゜の 間の範囲にあり、望ましくは45゜である。これによって、十分な制動効果が得 られる。これは境界部(28)、すなわち横断面形状拡大部が黄色靭帯(18) に対して 当接した際に生じる。そして、更にこれはカニューレ尖頭部(12)が黄色靭帯 (18)に突き通される際も継続される。従って、カニューレ平滑面の基端点( 32)から横断面形状拡大部に続く点(34)までの間隔Bは黄色靭帯(18) の幅におおむね等しくなっている。 図2において、カニューレ尖頭部(40)及びカニューレ本体(42)を同様 に有する硬膜外用針(38)が示されている。ここにおいて、尖頭部領域の直径 D2は、カニューレ本体のまわりに膨出体状に形成された拡大部(44)を除く 他のカニューレ本体(42)の領域にも与えられている。この拡大部(44)が 横断面変更を生じさせており、これは、図1に示すもの(参照番号28)と機能 が対応する。 膨出体状の拡大部(44)又は膨らみは、実施例において横断面(46)に対 して対称の形状で示してあるが、カニューレ尖頭部(44)側の部分(48)は 少なくとも部分的に傾斜を有し、該傾斜は硬膜外用カニューレ長手軸(50)に 対して角度αをなし、該角度は硬膜外用カニューレ(10)のそれに対応する。 硬膜外用カニューレ(38)の長手方向における横断面形状拡大部(44)の 延出長さは、カニューレ尖頭部(40)の平滑面の基端の点(52)と該尖頭部 と反対の側の端部(54)との間において間隔Bが存在するように選択される。 該間隔は黄色靭帯(18)の厚さに 等しい。これにより、カニューレ尖頭部(40)のマイクロセクション、従って 又、開口が硬膜外腔(22)内にある場合に、該拡大部(44)が黄色靭帯(1 8)内に完全に位置固定されるので、不用意な押圧作用や引張作用が硬膜外用カ ニューレ(38)に及ぶことがなく、何等、位置ずれが生じない。 硬膜外用カニューレ(10,38)のマイクロセクションについては、ヒュー ステッド又はソーイ型などの慣用のものでよい。 本発明に係る硬膜外用カニューレ(10,38)の寸法については以下の通り である。 平滑面の基端の点(32,52)から横断面形状変更部(28,44)の始ま り部分間の間隔は、2mm程度である。 一方においてカニューレ尖頭部(12,40)領域において、他方において拡 大部(26,44)の領域において、横断面の比率に関しては、最大2ゲージ、 好ましくは1ゲージの相違がある。ここにおいて、直径D2は好ましくは19な いし18ゲージ(1.00mmないし1.20mm)及び直径D1は18ないし17 ゲージ(1.2mmないし1.4mm)である。
【手続補正書】特許法第184条の7第1項 【提出日】1992年4月24日 【補正内容】 請求の範囲 1.特に腰椎穿剌及び局所麻酔のための硬膜外用カニューレ(10,38)であ って、好ましくは側部開口(14)ないしはマイクロセクションを有するカニュ ーレ尖頭部と、好ましくはシリンダ形状の中央のカニューレ本体(16,42) とを備え、その本体のカニューレ尖頭部と反対の側の端部が例えばホルダーに接 続可能であり、該硬膜外用カニューレの使用に際して、開口を有する該尖頭部が 黄色靭帯(18)と硬膜(20)との間に位置付けられ得るものにおいて、 該カニューレ本体(16,42)がカニューレ尖頭部(12,40)に対して離 間して横断面形状拡大部(28,44)を有し、カニューレ尖頭部の方向に沿っ て硬膜外用カニューレ(10,38)上に力が作用した場合において、該拡大部 が黄色靭帯(18)に押し込まれるときに該前進方向の運動を制動可能にしてな り、該拡大部(28,44)が、少なくとも部分的に硬膜外用カニューレ(30 )の長手軸(30,50)に対して角度αがα>30゜の関係をもって形成され たカニューレ本体壁部(28)によって構成されることを特徴とする硬膜外用カ ニューレ。 2.カニューレ本体壁部(28)は、カニューレ本体の部分(24,26)の間 で異なる直径(D2,D1)を 有する境界部よりなることを特徴とする請求項1記載の硬膜外用カニューレ。 3.該境界部(28)が截頭円錐形状を有することを特徴とする請求項1又は2 記載の硬膜外用カニューレ。 4.該拡大部(44)がカニューレ本体(42)の膨出体状の膨らみで構成され ることを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニューレ。 5.該拡大部(44)は、カニューレ尖頭部(40)側の少なくとも1つの領域 (48)を有し、該領域は硬膜外用カニューレの長手軸(50)に対して角度α がα>30゜の角度を有することを特徴とする請求項4記載の硬膜外用カニュー レ。 6.該拡大部(40)は、横断面(46)に関して対称に構成されることを特徴 とする請求項4又は5記載の硬膜外用カニューレ。 7.該角度αが、30゜と60゜の間の角度、好ましくは40゜と50゜の間で 、望ましくは45゜であることを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の 硬膜外用カニューレ。 8.カニューレ尖頭部(12,40)の自由な前端部(36)と拡大部(28, 44)の開始部(34)との間隔は、黄色靭帯(18)と腰椎レベルにおける硬 膜(20)との間隔に等しいか、又はそれより小さいことを特徴とする上記請求 項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニューレ。 9.カニューレのマイクロセクションの基端の点(32,52)と拡大部(28 ,44)との間隔は、黄色靭帯(18)の厚さに等しいか、又は略等しいことを 特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニューレ。 10.カニューレのマイクロセクションの基端の点(52)と、カニューレ尖頭 部と反対の側の膨出体状の膨らみ(44)の端部との間隔は黄色靭帯(18)の 厚さに略等しいことを特徴とする少なくとも請求項4記載の硬膜外用カニューレ 。 11.拡大部(28,44)の前側の硬膜外用カニューレ(10,38)の直径 (D2)と、該拡大部自体との差は、最大2ゲージ、好ましくは1ゲージである ことを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニューレ。 12.該拡大部(28,44)は、少なくとも部分的に周囲に形成され、その周 方向の延出範囲はカニューレ本体(16,42)の周の好ましくは3分の2以上 にわたっていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カ ニューレ。 13.該カニューレ尖頭部(12,40)は好ましくはヒューステッド又はソー イ型であることを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニュ ーレ。 14.該硬膜外用カニューレ(10,38)は、その尖頭部(12,40)の領 域において、好ましくは17ゲージの直径を有するとともに、該拡大部(26, 44)が好ましくは18ゲージないし19ゲージの最大直径を有することを特徴 とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニューレ。 15.特に腰椎穿剌又は局所麻酔のための硬膜外用カニューレであって、側部開 口(40)及びカニューレのマイクロセクションを有するカニューレ尖頭部と、 好ましくはシリンダ形状の中央のカニューレ本体(16,42)とを備え、該本 体の尖頭部と反対の側の端部がホルダーに接続可能であり、該硬膜外用カニュー レの使用に際して該開口が黄色靭帯(18)と硬膜(20)の間 に位置付けられ得るものにおいて、 該カニューレ本体(16,42)がカニューレ尖頭部(12,40)に対して離 間して横断面形状拡大部(28,44)を有し、該拡大部は少なくとも部分的に 硬膜外用カニューレ(30)の長手軸(30,50)に対する角度αがα>30 ゜の関係で形成されたカニューレ本体壁部によって構成され、カニューレのマイ クロセクションの基端の点(32,52)と拡大部(28,44)との間隔が黄 色靭帯(18)の厚さに等しいか、又は略等しいことを特徴とする硬膜外用カニ ューレ。 16.特に腰椎穿剌又は局所麻酔のための硬膜外用カニューレであって、その領 域に設けられた開口(40)を有するカニューレ尖頭部と、好ましくはシリンダ 形状の中央のカニューレ本体(16,42)とを備え、該本体の尖頭部と反対の 側の端部がホルダーに接続可能であり、該硬膜外用カニューレの使用に際して該 開口が黄色靭帯(18)と硬膜(20)の間に位置付けられ得るものにおいて、 該カニューレ本体(16,42)がカニューレ尖頭部(12,40)に対して離 間して、膨出体状の横断面形状拡大部(28,44)を有し、該拡大部が少なく とも1つのカニューレ尖頭部(40)側の領域(48)を有し、該領域が硬膜外 用カニューレの長手軸(50)に対する角度αがα>30゜となる角度を有し、 カニュー レのマイクロセクションの基端の点(32,52)と、カニューレ尖頭部(40 )の反対の側の膨出体状の拡大部(44)の端部との間隔が黄色靭帯(18)の 厚さに略等しいことを特徴とする硬膜外用カニューレ。 17.カニューレ尖頭部(12,40)の自由な前端部(36)と拡大部(28 ,44)の開始部(34)との間隔は、黄色靭帯(18)と、腰椎レベルにおけ る硬膜(20)との間隔と等しいか、又はそれより小さいことを特徴とする請求 項15又は16に記載の硬膜外用カニューレ。 【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1992年10月19日 【補正内容】 明細書 硬膜外用カニューレ 本発明は、添付した請求の範囲の前提概念部分に係る麻酔のための硬膜外用カ ニューレに関する。 硬膜外麻酔の場合に、骨膜(黄色靭帯)と硬膜の間にその尖頭部及び開口が位 置しなければならない。通常の、一様の横断面を有する針(例えば、米国特許2 ,922,420参照)の場合には、挿人の際に、カニューレ尖頭部が骨膜を剌 通する瞬間に挿入に必要な力が急激に弱められる。従って、硬膜を不用意に穿孔 する危険が増大する。これを防止するために、硬膜外用カニューレを挿入する医 者は熟練と経験が必要となる。 米国特許3,081,770より、手術用のカニューレが公知である。このカ ニューレ本体はカニューレ尖頭部に対して離間した位置に横断面変更部を有する 。該横断面変更部と、中央の開口を有するカニューレ尖頭部との間の領域は横断 面形状にして四角形状又は楕円形状である。 本発明は、上記課題に鑑み、上述した構成の硬膜外用カニューレを改善し、よ り安全性が高く、硬膜を不用意に穿孔させることを防止するとともに、カニュー レ尖頭部に対して離間した開口を有するカニューレ尖頭部を硬膜外腔内に位置付 けて麻酔及び穿剌を確実に行なうことができるようにした硬膜外用カニューレを 提供するにある。 該課題は本発明において添付した請求の範囲記載の構成により解決される。こ れは、一方においては、該カニューレ本体がカニューレ尖頭部に対して離間して 膨出体状の拡大形状をなす横断面形状拡大部を有し、該拡大部がカニューレ尖頭 部側の少なくとも1つの領域を有し、該領域が硬膜外用カニューレの長手軸に沿 って見てカニューレ尖頭部方向に角度aがα〉30゜となる角度を有し、更に、 カニューレのマイクロセクションの基端の点と、カニューレ尖頭部とは反対の側 の膨出体状の拡大部の端部との間の間隔は黄色靭帯の厚さにおおむね等しくした 構成により明らかである。他方において、該カニューレ本体はカニューレ尖頭部 に対し離間して横断面形状拡大部を有し、硬膜外用カニューレに対してカニュー レ尖頭部の方向に力が作用した状態で該拡大部が黄色靭帯に押し込まれた際に、 その前進方向運動を制動し得、該拡大部が少なくとも部分的に、硬膜外用カニュ ーレの長手軸に沿って見てカニューレ尖頭部の方向に、角度αがα〉30゜をな すカニューレ本体壁部によって構成され、更にカニューレ尖頭部の自由な前端部 と、拡大部の開始部との間隔が黄色靭帯と腰椎レベルにおける硬膜との間隔と等 しいか、又はそれより小さくなっている。該構成は従属の請求の範囲に記載され ている。 本発明によれば、好ましくは急激な横断面形状変更部により該拡大部が黄色靭 帯に接したり、あるいはこれを 剌通しようとする際に、運動とは反対方向の抵抗が形成される。該形状変更部は カニューレ本体の長手軸に対して、必要な範囲、周方向ないしは対称になってい なければならない。針を更に前方に駆動させるに必要な力は剌通に伴って徐々に 増大するので、公知の硬膜外用カニューレに比して、骨膜を剌通する際に力を弱 める必要がなく、従って、硬膜を剌通することが殆どない。 カニューレの長手軸に沿って直径を異にした構成のカニューレ(例えば、欧州 特許0359987,米国特許3,081,770,米国特許3,540,44 7)が、たとえ公知であるとしても、これによっては、硬膜の剌通を防止しよう とする本発明の問題の解消がなされるのではなく、その選択された形状構成によ り硬膜の剌通の場合の合併症が減少するということである。 従って、上述のカニューレでは硬膜が剌通され、同時に髄液漏洩症候群を広範に 回避するのを確実にしようとするものである。 黄色靭帯と硬膜との間に硬膜外用カニューレの側部開口を明確に位置付けるた めに、カニューレ尖頭部の自由な前端部と硬膜外用カニューレ本体の横断面形状 拡大部の開始部との間隔は黄色靭帯と腰椎レベルにおける硬膜との間隔に対応し ている。 ここに言う間隔に関して、該間隔は黄色靭帯と硬膜との間の自然の間隔のみを 必ずしも指すのでなく、又、カニューレ尖頭部が硬膜に当り、又これに接触して 押し 広げるような場合、但し硬膜を剌通することない状態における間隔も含み得る。 膨出体状の拡大形状部の構成の場合に、その硬膜外用カニューレの長手軸方向の 長さは、黄色靭帯の厚さに等しいか、それより小さく、従って、カニューレのマ イクロセクションが硬膜外腔内にあるとき、該膨出体状部分は完全に黄色靭帯内 に位置し得る。これにより、硬膜外用カニューレ上に不用意に押圧力又は引張力 が加わっても位置の変更を引き起こすことがない。 図1において、硬膜外用カニューレ(10)の第1の実施例の原理的構成が示 されており、該カニューレは側部開口ないしは平滑面(14)を有するカニュー レ尖頭部(12)と、図示されていないホルダーにより支持されるカニューレ本 体(16)とを有する。この構成に関する限り、基本的には公知のカニューレで ある。 本発明においては、カニューレ本体(16)とカニューレ尖頭部(12)との 間に横断面形状変更部があり、該形状変更部が黄色靭帯(18)(図3)への押 し込みに際して硬膜外用カニューレ(10)を制動するように導く。これにより 、黄色靭帯(18)内へ更に押し進めた場合に、実質的に漸増する力の変化が引 き起こされる。従って、硬膜(20)への不用意な剌通や穿孔が防止され、これ がない場合に生じ得るよく知られた髄液漏洩症候群の発生がない。 換言すれば、横断面の形状変更によって、開口(14)を有するカニューレ尖 頭部(12)が明らかに硬膜外腔(22)内に位置付けられ、ここにおいて麻酔 を行なうことができる。 図1には該横断面形状変更が互いに異なる直径D2 及びD1によって原理的に示されている。互いに異なる直径の境界部、即ち直径 D2を有するカニューレ尖頭部(12)の領域(24)と直径D1を有するカニュ ーレ本体(16)の領域(26)との間の境界部は図1に明示するように一定状 態で、しかも急激に変化している。 この境界部に参照番号(28)が付され、該境界部(28)は截頭円錐形状を有 する。 カニューレ本体壁部分、すなわち境界部(28)は、硬膜外用カニューレ本体 の長手軸(30)に対して角度αを有し、該角度が好ましくは30゜と60゜の 間の範囲にあり、望ましくは45゜である。これによって、十分な制動効果が得 られる。これは境界部(28)、すなわち横断面形状拡大部が黄色靭帯(18) に対して当接した際に生じる。そして、更にこれはカニューレ尖頭部(12)が 黄色靭帯(18)に突き通される際も継続される。 請求の範囲 1.麻酔のための硬膜外用カニューレ(38)であって、カニューレのマイクロ セクションを有するカニューレ尖頭部(40)を備え、該尖頭部が該領域に設け られた開口(40)ならびに、好ましくはシリンダ状の中央のカニューレ本体( 42)とを有し、その本体のカニューレ尖頭部と反対の側の端部がホルダーに接 続可能であり、該硬膜外用カニューレの使用に際して、該開口が黄色靭帯(18 )と硬膜(20)との間に位置付けられ得るものにおいて、 該カニューレ本体(42)がカニューレ尖頭部(40)に対して離間して膨出体 状の横断面形状拡大部(44)を有し、該拡大部がカニューレ尖頭部(40)側 の少なくとも1つの領域(48)を有し、該領域は硬膜外用カニューレの長手軸 に沿って見てカニューレ尖頭部の方向に、角度(α)がα>30゜をなす角度を 有し、カニューレのマイクロセクションの基端の点(52)と、カニューレ尖頭 部(40)とは反対の側の膨出体状の拡大部(44)の端部(54)との間隔( B)が黄色靭帯(18)の厚さにおおむね等しいことを特徴とする硬膜外用カニ ューレ。 2.膨出休状の該拡大部は、横断面(46)に関して対称に構成されることを特 徴とする請求項1記載の硬膜 外用カニューレ。 3.該硬膜外用カニューレ(38)はその尖頭部(40)の領域において、好ま しくは17ゲージの直径を有し、該拡大部(44)は、好ましくは1.2mm(1 8ゲージ)ないし1.00mm(19ゲージ)の最大直径を有することを特徴とす る請求項1または2記載の硬膜外用カニューレ。 4.カニューレ尖頭部(40)の自由な前端部(36)と拡大部(44)の開始 部との間隔は、黄色靭帯(18)と腰椎レベルにおける硬膜(20)との間隔に 等しいか、又はそれより小さいことを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記 載の硬膜外用カニューレ。 5.麻酔のための硬膜外用カニューレ(10,38)であって、側部開口(14 )とカニューレのマイクロセクションとを有するカニューレ尖頭部(12,40 )と、好ましくはシリンダ状の中央のカニューレ本休(16,42)とを備え、 そのカニューレ尖頭部とは反対の側の端部がホルダーに接続可能であり、硬膜外 用カニューレの使用の場合に、開口を有する該尖頭部が黄色靭帯(18)と硬膜 (20)の間に位置付けられるものにおいて、該カニューレ本体(16,42) がカニューレ尖頭部(12,40)に対し離間して横断面形状拡大部 (28,44)を有し、これによって、カニューレ尖頭部の方向に硬膜外用カニ ューレ(10,38)上に力が作用した状態において、該拡大部が黄色靭帯(1 8)に押し込まれた際にその前進方向の運動を制動し得、該拡大部(28,44 )が、少なくとも部分的に硬膜外用カニューレ(30)の長手軸(30,50) に沿って見てカニューレ本体の方向に角度aがα>30゜を成すカニューレ本体 壁部(28)によって構成され、カニューレ尖頭部(12,40)の自由な前端 部(36)と拡大部(28,44)の開始部(34)の間隔が、黄色靭帯(18 )と、腰椎レベルにおける硬膜(20)の間隔に等しいか、又はそれより小さい ことを特徴とする硬膜外用カニューレ。 6.拡大部(28,44)の前側の硬膜外用カニューレ(10,38)の直径( D2)と、該拡大部自体との差は、最大0.4mm(2ゲージ)、好ましくは0. 2mm(1ゲージ)であることを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬 膜外用カニューレ。 7.該拡大部(28,44)は、少なくとも部分的に周囲に形成され、その周方 向の延出範囲はカニューレ本体(16,42)の周の好ましくは3分の2以上に わたっていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニ ューレ。 8.該カニューレ尖頭部(12,40)は好ましくはヒューステッド又はソーイ 型であることを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニュー レ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.特に腰椎穿剌及び局所麻酔のための硬膜外用カニューレ(10,38)であ って、好ましくは側部開口(14)ないしはマイクロセクションを有するカニュ ーレ尖頭部と、好ましくはシリンダ形状の中央のカニューレ本体(16,42) とを備え、その本体のカニューレ尖頭部と反対の側の端部が例えばホルダーに接 続可能であり、該硬膜外用カニューレの使用に際して、開口を有する該尖頭部が 黄色靭帯(18)と硬膜(20)との間に位置付けられ得るものにおいて、 該カニューレ本体(16,42)がカニューレ尖頭部(12,40)に対して離 間して横断面形状拡大部(28,44)を有し、カニューレ尖頭部の方向に沿っ て硬膜外用カニューレ(10,38)上に力が作用した場合において、該拡大部 が黄色靭帯(18)に押し込まれるときに該前進方向の運動を制動可能にしたこ とを特徴とする硬膜外用カニューレ。 2.該拡大部(28,44)が、少なくとも部分的に硬膜外用カニューレ(30 )の長手軸(30,50)に対して角度αがα>30゜の関係をもって形成され たカニューレ本体壁部(28)によって構成されることを特徴とする請求項1記 載の硬膜外用カニューレ。 3.カニューレ本体壁部(28)は、カニューレ本体の部分(24,26)の間 で異なる直径(D2,D1)を有する境界部よりなることを特徴とする請求項1又 は2記載の硬膜外用カニューレ。 4.該境界部(28)が截頭円錐形状を有することを特徴とする請求項2記載の 硬膜外用カニューレ。 5.該拡大部(44)がカニューレ本体(42)の膨出体状の膨らみで構成され ることを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニューレ。 6.該拡大部(44)は、カニューレ尖頭部(40)側の少なくとも1つの領域 (48)を有し、該領域は硬膜外用カニューレの長手軸(50)に対して角度α がa>30゜の角度を有することを特徴とする請求項5記載の硬膜外用カニュー レ。 7.該拡大部(40)は、横断面(46)に関して対称に構成されることを特徴 とする請求項5又は6記載の硬膜外用カニューレ。 8.該角度αが、30゜と60゜の間の角度、好ましくは40゜と50゜の間で 、望ましくは45゜であることを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の 硬膜外 用カニューレ。 9.カニューレ尖頭部(12,40)の自由な前端部(36)と拡大部(28, 44)の開始部(34)との間隔は、黄色靭帯(18)と腰椎レベルにおける硬 膜(20)との間隔に等しいか、又はそれより小さいことを特徴とする上記請求 項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニューレ。 10.カニューレのマイクロセクションの基端の点(32,52)と拡大部(2 8,44)との間隔は、黄色靭帯(18)の厚さに等しいか、又は略等しいこと を特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニューレ。 11.カニューレのマイクロセクションの基端の点(52)と、カニューレ尖頭 部と反対の側の膨出体状の膨らみ(44)の端部との間隔は黄色靭帯(18)の 厚さに略等しいことを特徴とする少なくとも請求項5記載の硬膜外用カニューレ 。 12.拡大部(28,44)の前側の硬膜外用カニューレ(10,38)の直径 (D2)と、該拡大部自体との差は、最大2ゲージ、好ましくは1ゲージである ことを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜 外用カニューレ。 13.該拡大部(28,44)は、少なくとも部分的に周囲に形成され、その周 方向の延出範囲はカニューレ本体(16,42)の周の好ましくは3分の2以上 にわたっていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カ ニューレ。 14.該カニューレ尖頭部(12,40)は好ましくはヒューステッド又はソー イ型であることを特徴とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニュ ーレ。 15.該硬膜外用カニューレ(10,38)は、その尖頭部(12,40)の領 域において、好ましくは17ゲージの直径を有するとともに、該拡大部(26, 44)が好ましくは18ゲージないし19ゲージの最大直径を有することを特徴 とする上記請求項の少なくとも1に記載の硬膜外用カニューレ。 16.特に腰椎穿剌又は局所麻酔のための硬膜外用カニューレであって、その領 域に設けられた開口(40)を有するカニューレ尖頭部と、好ましくはシリンダ 形状の中央のカニューレ本体(16,42)とを備え、該本体の尖頭部と反対の 側の端部がホルダーに 接続可能であり、該硬膜外用カニューレの使用に際して該開口が黄色靭帯(18 )と硬膜(20)の間に位置付けられ得るものにおいて、 該カニューレ本体(16,42)がカニューレ尖頭部(12,40)に対して離 間して横断面形状拡大部(28,44)を有し、該拡大部は少なくとも部分的に 硬膜外用カニューレ(30)の長手軸(30,50)に対する角度αがα>30 ゜の関係で形成されたカニューレ本体壁部によって構成され、カニューレのマイ クロセクションの基端の点(32,52)と拡大部(28,44)との間隔が黄 色靭帯(18)の厚さに等しいか、又は略等しいことを特徴とする硬膜外用カニ ューレ。 17.特に腰椎穿剌又は局所麻酔のための硬膜外用カニューレであって、その領 域に設けられた開口(40)を有するカニューレ尖頭部と、好ましくはシリンダ 形状の中央のカニューレ本体(16,42)とを備え、該本体の尖頭部と反対の 側の端部かホルダーに接続可能であり、該硬膜外用カニューレの使用に際して該 開口が黄色靭帯(18)と硬膜(20)の間に位置付けられ得るものにおいて、 該カニューレ本体(16,42)がカニューレ尖頭部(12,40)に対して離 間して、膨出体状の横断面形状拡大部(28,44)を有し、該拡大部が少なく とも1つのカニューレ尖頭部(40)側の領域(48)を 有し、該領域が硬膜外用カニューレの長手軸(50)に対する角度αがα>30 ゜となる角度を有し、カニューレのマイクロセクションの基端の点(32,52 )と、カニューレ尖頭部(40)の反対の側の膨出体状の拡大部(44)の端部 との間隔が黄色靭帯(18)の厚さに略等しいことを特徴とする硬膜外用カニュ ーレ。 18.カニューレ尖頭部(12,40)の自由な前端部(36)と拡大部(28 ,44)の開始部(34)との間隔は、黄色靭帯(18)と、腰椎レベルにおけ る硬膜(20)との間隔と等しいか、又はそれより小さいことを特徴とする請求 項16又は17に記載の硬膜外用カニューレ。
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