JPH08504029A - 銃器の光学照準装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 赤点照準器といわれる、銃器の光学照準装置は、透明の光学素子（５）と、前記光学素子の、銃器の使用者に対面する放物面状に凹んだ側の焦点に位置する発光手段（３）とを備えている。光学素子（５）はレンズ保持具（６）内に配置されており、このレンズ保持具がばね（１１）の作用によって低位の非作動位置と高位の作動位置との間で回動可能である。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 銃器の光学照準装置説明 技術分野 この発明は、透明な光学素子と、銃器の使用者が対面するこの素子の放物面状 に凹んだ側の焦点に位置する発光手段とから構成された、銃器の光学照準装置に 関する。本発明の背景 上記のように規定される型の照準器は、赤点照準器と言われているものであっ て、通常は発光ダイオード（ＬＥＤ）のような、発光手段から光学素子上に赤点 を投写し、この光学素子の特性に基づいて、銃器の使用者に対してこの赤点を目 標とともに呈示して、この目標に命中させるべく赤点を目標に重ねるのである。 通常、光学素子とＬＥＤとを筐体内に組み込んで、この筐体の一方の端に光学 素子を配置し、他方の端に保護用の窓を設け、これにより封入され、保護される 照準器が得られる。しかしそのデザインは、その体裁が劣り、またその高さ、体 積および重さの点で不都合があった。 このような筐体は、ある種の銃器では省かれており、光学素子が銃器の上部に 突出する形態で配置されている。そのような構成であると、その銃器が使用され ないときも、照準装置が保護されておらず、損傷を受け易い。本発明 筐体を有しない後者の型の構造において、本発明により光学素子が低位の非作 動位置と高位の作動位置との間で移動可能にすれば、顕著な改善が図られる。 光学素子は使用されない場合に、それが装着された銃器に対して折り畳まれる から、光学素子が保護されるだけでなく、不必要に銃器の高さや体積を増大させ ない。 実際的な実施例では、光学素子はレンズ保持具内に配置されており、このレン ズ保持具が銃器に回動可能に取り付けられ、ばねの作用によって低位の位置から 高位の位置へと移動可能である。レンズ保持具は、低位の位置に留められた状態 から解放するだけで、即座に立ち上がって使用可能な作動位置に移行する。 このような構成の利点は、容易に想像できる通りであって、たとえば、警察官 がそのような照準器を備えた拳銃をそのケース（ホルスタ）から引き抜くと、た とえば自動的にレンズ要素が立ち上がって、素速く高精度の武器として使用でき る。 第１の実施例では、照準器の精度のために極めて重要なことであるが、レンズ 保持具を高位の作動位置に精度良く位置決めするために、銃器に接続され略その 軸方向に沿って延長形成された傾斜面が、レンズ保持具の傾斜面とその作動位置 において協同するように構成されている。 好ましくは、銃器に接続された、傾斜面がばね鋼でできたＵ字状部材の両脚部 の、外側／上側に配置され、この２つの脚部には引き離す方向に所定のばね付勢 力が加えられている。これらの傾斜面は銃器の軸線の垂直方向に対し、たとえば ４５゜の 角度をなすものであるか、しかしこれは他の角度であっても良い。 この発明には一つの重要な側面として、レンズ要素が低位の位置において保護 される点がある。このレンズ保護につき一層の改善のため、レンズ保持具には回 動可能に取り付けられた蓋が備えられ、レンズ保持具が高位の位置にあるときは 、この蓋が開放された状態となるようにばねで付勢され、レンズ保持具が低位の 位置にあるとき、この蓋が折畳まれて光学素子を覆い、それを保護するように構 成される。 この発明の第２の実施例では、光学素子がレンズ保持具の基底円筒部の上に配 置され、該円筒部が照準装置内に回動可能に取り付けられ、この円筒部が円筒の 幾何学的な中心軸から偏位したピボットビンを有し、この幾何学的な中心軸に向 かう方向にばね力が作用している。 好ましくは、ビンは基底円筒部の幾何学的な中心軸よりも垂直方向下側に配置 されるとともに、この基底円筒部には縦方向の溝部が両側に形成され、また、Ｕ 字状のばねはその両脚部が基底円筒部の各溝部に配置され、その基部が照準装置 内に固定されている。 この結果、光学素子はいずれの方向にも回動可能となって、ばね力によってそ の正確な作動位置に復帰する。 赤点照準器を作動させるためには、発光手段に電流を供給しなくてはいけない 。この発明では、光学素子がその低位の位置にあるときは、発光手段のスイッチ をオフする手段が設けられている。発光手段は、光学素子が立ち上がったときに 自動的に スイッチオンとなる。 この発明の照準装置を構成する各部品が筐体に組み付けられていて、照準器を 一つのユニットとして配送し、或いは装着し得るのが好ましい。図面 以下、添付した図面を参照して、この発明の実施例を説明する。 図１は、この発明の第１の照準装置を示す側面図であり、光学素子を含むレン ズ保持具が起上がった状態、即ちその作動位置にある状態を示す。図２は、同装 置が低位の非作動位置にある状態を示す上面図である。図３は、図２の一部のみ を、やや詳細に示す上面図である。図４は、レンズ保持具をその作動位置に立ち 上げた状態で、図３と同一の部分を示す正面図である。図５は、この発明の第２ の照準装置を示す側面図であり、光学素子を含むレンズ保持具が起上がった状態 、即ちその作動位置にある状態を示す。図６は、この発明の第２の装置のレンズ 保持具を示す斜視図である。図７は、図６のレンズ保持具を構成する２つの部品 を示す部分断面図である。図８は、図７の２つの部品を組み立てた状態で示す部 分断面図である。図９は、図６のレンズ保持具の一部の構成を示す上面図である 。詳細な説明 この発明の銃器の光学照準装置は、銃器、例えばカービン、ライフル、拳銃、 あるいはその他のあらゆる型の武器に装着されるものである。ここには記載され ていない手段により、武器それ自体を改造することなしに、現存する銃器に装着 できるも のである。 第１の実施例の照準装置は、図示しない銃器に正確に位置決めして装着するた めの穴２を有する枠体１を備えている。 発光ダイオード（ＬＥＤ）３、あるいは他の発光手段は、後述するように、枠 体の所定位置に設けられている。ＬＥＤ３はカバー４で保護されている。 光学素子５は、後述するように、レンズ保持具６に設けられている。レンズ保 持具６は、枠体の上面の取付部材７に軸８によって回動可能に取り付けられてい る。図１ではレンズ保持具６はその高位の、作動位置が実線により示されており 、破線によって低位の、非作動位置が示されている。図２では、低位の、非作動 位置だけが示されている。 低位の、非作動位置にある光学素子５を保護するために、レンズ保持具６には その軸８から離間した端部にばねで付勢された蓋９が取り付けられている。この 蓋９は折畳んで図２に示すように、光学素子５と重ねることが可能となっている 。変形例として、図１の蓋９が左側ではなくて、図の右側、ないしは後側に開く 構造として、光学照準装置を装備した銃器を実際に使用するとき、木の枝などに よる損傷を受けにくくすることもできる。 回動可能な留め部材１０は、蓋９とともにレンズ保持具６を図２の非作動状態 に保持しておくために、枠体１内に設けられている。この留め部材１０を外すと 、レンズ保持具６と蓋９は、後に説明する機構の働きによって、図１に示す位置 に立ち上がる。 この発明が適用されるいわゆる赤点型の光学照準装置は、それ自体は周知のも のである。ＬＥＤ３は光学素子５の放物面状に凹んだ側の焦点に位置するもので あるが、ここに図示した光学素子５は、２枚のレンズを一体に組み合わせて構成 されている。この光学素子５の光学特性に基づいて、照準器の前方、即ち図１、 図２の左側にある物の像が直進して、ＬＥＤ３からの赤点とともに、図１、図２ の右側に位置する射撃手の目に達する。この赤点を単に目標物に重ね合せればよ い。 ねじりばね１１は、レンズ保持具６を図１に示す作動位置まで立ち上げるため のものであり、ここでは単純化のために図３、図４にのみ示されている。このば ね１１は、取付部材７の凹み内で軸８に巻回されており、レンズ保持具６と係合 する腕部を備えている。その他のばね手段を用いることもできる。 ここで最も重要なことは、レンズ保持具が作動位置までばね１１の作用で、図 １に示すように跳ね上げられたとき、そのレンズ保持具６を正確に定められた場 所に位置決めすることである。レンズ保持具６とばね鋼からなるＵ字状のばね部 材１２とが組み合わせられて、この位置決めが実現できる。このばね部材１２は 枠体１上の取付部材７の周囲を囲むように配置され、そのＵ字の２つの脚の部分 に形成された穴に軸８が挿入され、所定の位置に保持される。休止した位置にあ っては、このばね部材の２つの脚部はやや外側を向いているから、レンズ保持具 ６と一緒に装着された後は、これらの脚部から所定のばね力がレンズ保持具に作 用する。このばね部材の脚部の外側の上面は、望ましくは４５゜に傾斜している か、或いはそのような傾斜面 １２′が形成され、レンズ保持具６はこれらに対応した面６′（図３）を有して 、これらが協同してレンズ保持具の位置を決めている。 レンズ保持具６が跳ね上げられたとき、２組の互いに協同する傾斜面６′と１ ２′とが係合し合うことによって、レンズ保持具６はその望ましい位置に固定さ れる。ばね部材１２の脚部のばね付勢力は、レンズ保持具６を正しい位置に位置 決めした後、そこに固定しておく力としても作用する。 図５に示すように、第２の実施例の光学照準装置では、図示しない銃器に正確 に位置決めして装着するための穴２２を有する枠体２１を備えている。 発光ダイオード（ＬＥＤ）２３、あるいは他の発光手段は、後述ずるように、 枠体の所定位置に設けられている。ＬＥＤ２３はカバー２４で保護されている。 光学素子２５は、後述するように、レンズ保持具２６に設けられている。レン ズ保持具２６は、基底円筒部２６′の両端面のピン２７を備え、これによって枠 体２１の上面に形成された凹み２１′の両側の壁に回動可能に取り付けられてい る。 光学素子２５を有するレンズ保持具２６は、以下に説明するように、図５に示 す作動位置の方向に付勢されている。 この発明が適用されるいわゆる赤点型の光学照準装置は、それ自体は周知のも のである。ＬＥＤ２３は光学素子２５の放物面状に凹んだ側の焦点に位置するも のである。この光学素子２５の光学特性に基づいて、照準器の前方、即ち図５の 左側にある物の像が直進して、ＬＥＤ３からの赤点とともに、図５の右 側に位置する射撃手の目に達する。この赤点を単に目標物に重ね合せればよい。 略直立した作動位置にレンズ保持具２６を付勢するための手段は、Ｕ字状のば ね２８である。図７及び図９に最も良く示されているように、ばね２８の２本の 脚部は、レンズ保持具２６の基底円筒部２６′内にあって、その平たい凹みに係 合している。枠体２１に組み付けられたとき、ばね２８のＵ字の底辺部は枠体２ １内の所定の切り欠（ノッチ）により、図５に示すような垂直位置で静止した状 態に保持され、一方その両脚部は横方向に自由に変形する。 基底円筒部２６′の回動中心となるピン２７は、基底円筒部２６′の幾何学的 な中心軸からずれた位置、すなわち好ましい例としては、幾何学的な中心軸より 下の位置に設けられている。これによって、もしレンズ保持具２６がその直立し た図示の位置から回動するとき（枝などの外部の障害物がぶつかったような場合 に回動する）、Ｕ字状のばね２８の脚部、特にレンズ保持具を回転させる横方向 の脚は、外側に変形し、基底円筒部の中心軸に向かう方向のばね力が作用する。 したがってレンズ保持具２６は、その図示した作動位置に正確に復帰する。この 復帰動作が、この光学照準装置に固有の動作として最も重要である。 基底円筒部２６′の２つの凹みと、ばね２８のＵ字の２本の脚部という、二重 の特徴を備えた構成のために、レンズ保持具２６は回転方向がどちらであるかに 拘らず、図示した作動位置へと正確に復帰するのである。 各請求項に記載した範囲内で、第２の実施例につき種々の変形が可能である。 特に、ばねの形状や構造は、上述したものと異なるものであってもよい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 透明の光学素子（５；２５）と、前記光学素子の、銃器の使用者に対面す る放物面状に凹んだ側の焦点に位置する発光手段（３；２３）とを備えた銃器の 光学照準装置において、 前記光学素子（５；２５）は低位の非作動位置と高位の作動位置との間で移動 可能であることを特徴とする銃器の光学照準装置。 ２． 請求項１の装置であって、前記光学素子（５；２５）がレンズ保持具（６ ；２６）内に配置されており、このレンズ保持具が銃器に回動可能に取り付けら れ、ばね（１１；２８）の作用によって低位の位置から高位の位置へと移動可能 であることを特徴とする装置。 ３． 請求項２の装置であって、前記レンズ保持具（６）を高位の作動位置で正 確に位置決めするために、レンズ保持具の傾斜面（６′）がその作動位置におい て協同するように、銃器に接続され、略その軸方向に延びた傾斜面（１２′）が 形成されていることを特徴とする装置。 ４． 請求項３の装置であって、銃器に接続された前記傾斜面（１２′）がばね 鋼でできたＵ字状部材（１２）の両脚部の外側／上側に配置され、この２つの脚 部には互いに離隔する方向に所定のばね付勢力が加えられていることを特徴とす る装置。 ５． 請求項４の装置であって、前記傾斜面（１２′）が銃器の軸線に対する法 線方向に対して４５゜の角度をなしていることを特徴とする装置。 ６． 請求項２の装置であって、レンズ保持具（６）は回動可能の蓋（９）を備 え、レンズ保持具が高位の位置にあるときに、この蓋が開放された状態となるよ うにばねで付勢され、レンズ保持具が低位の位置にあるときは、この蓋が折畳ま れて前記光学素子を覆い、それを保護することを特徴とする装置。 ７． 請求項２の装置であって、前記光学素子（２５）がレンズ保持具（２６） の基底円筒部（２６′）の上に配置され、該円筒部を照準装置内に回動可能に取 り付けるため、この円筒部が円筒の幾何学的な中心軸から偏位したピン（２７） を有し、前記幾何学的な中心軸に向かう方向にばね力が作用していることを特徴 とする装置。 ８． 請求項７の装置であって、前記ピン（２７）は基底円筒部（２６′）の幾 何学的な中心軸よりも垂直方向下側に配置され、この基底円筒部には縦方向の溝 部が両側に形成され、Ｕ字状のばね（２８）はその両脚部が基底円筒部の各溝部 に配置され、その基部が照準装置内に固定されていることを特徴とする装置。 ９． 請求項１の装置であって、光学素子（５；２５）がその低位の位置にある ときは、前記光発射手段（３；２３）がスイッチオフする手段が設けられている ことを特徴とする装置。 １０． 請求項１の装置であって、フレーム（１；２１）に取付けられ、一体と して銃器に装着されることを特徴とする装置。