JPH08501554A - 慢性関節リウマチの治療剤および治療方法 - Google Patents

慢性関節リウマチの治療剤および治療方法

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JPH08501554A JP6508239A JP50823994A JPH08501554A JP H08501554 A JPH08501554 A JP H08501554A JP 6508239 A JP6508239 A JP 6508239A JP 50823994 A JP50823994 A JP 50823994A JP H08501554 A JPH08501554 A JP H08501554A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、慢性関節リウマチを治療するための剤および方法に関する。MHCHLA DQw2に対する抗体を、慢性関節リウマチに発病したDQw2患者に投与する。別法として、これらの患者のT-リンパ球に提示される自己ペプチドに似せたペプチドが開発される。これらのペプチドは、DQw2自体であって、且つ、これらの患者の増殖したT細胞上にその発現が見い出される対立遺伝子であるVα12.1由来の自己ぺプチド、および、他の自己抗原によって刺激されたT細胞の活性化を阻害する。

Description

【発明の詳細な説明】 慢性関節リウマチの治療剤および治療方法 発明の背景 発明の分野 本発明は自己免疫疾患のごとき免疫関連病を予防、抑制、または治療できる薬 剤に指向される。特に、本発明は、主要組織適合性複合体HLA分子、T細胞受 容体、および慢性関節リウマチにおける自己免疫の原因である他の自己抗原に由 来するペプチドに指向される。また、本発明は、MHC抗原提示分子に向けられ る抗体に関する。 背景技術の記載 ヒト主要組織適合性HLA複合体 抗原のHLA系は、主要組織適合性複合体(MHC)領域において、第6染色 体の短腕に位置する遺伝子によって制御される。該領域は、マウス、イヌ、ウマ 、ブタ、ラットおよびモルモットのごとき他の哺乳動物において、十分明確とな った対応領域を有する。該HLA抗原は2つの主要なクラス:クラスIおよびク ラスIIからなる。クラスIおよびクラスII抗原は、その生化学、細胞分布、発現 および機能が異なる。これらの特徴の詳細な調査については、ドルフ,エム・イ ー(Dorf,M. E.)編、免疫生物学における主要組織適合性複合体の役割(The Ro le of the Major Histocompatibility Complex in Immunobiology)、ニューヨ ーク;ガーランド・エスティピイエム・プレス (Garland STPM Press)、19 81;スリバン,ケイ・エイ (Sullivan,K.A.)ら、HLA系およびその検出 (The HLA System and Its Detction), ローズ,エヌ・アール (Rose,N. R. )編、臨床的実験「および免疫学のマニュアル (Manual of Clinical Laborato ry and Immunology)」、835−846頁、ワシントン・ディ・シィ、アメリ カン・ソサイェティ・フォー・マイクロバイオロジー(American Soc. for Micr obiology)、1986を参照されたい。 クラスIおよびクラスII分子間の主要な差異は以下の通りである。クラスI分 子は11,700kdの分子量を持つβ−2−ミクログロブリンに非共有結合し た44,000kdの重鎖からなる。一方、クラスII分子は、比較的変異しない 33,000kdのα鎖および多形のほとんどの原因となる29,000kdの β鎖からなる。クラスI分子は広く分布して、細胞の表面に出現するのに対し、 クラスII分子はB−リンパ球、単球、マクロファージ、樹状細胞、皮膚のランゲ ルハンス細胞、および活性化されたT細胞に限定される。クラスI分子はゴルジ 装置を介してウイルス抗原のごとき内因性抗原を細胞表面まで輸送し、一方、ク ラスII分子はリソソーム/エンドソーム系を介して、菌抗原のごときエンドサイ トーシスにより取り込まれた外因性抗原を輸送する。クラスI分子は、第一義的 には、細胞毒性(CD8+)T−細胞と相互反応し、他方、クラスII分子はヘル パー(CD4+)T−リンパ球と相互反応する(ビヨルクマン,ピイ・ジェイ(B jorkman, P. J.)ら、アニュアル・レビュー・オブ・バイオケミストリー(Ann. Rev. Biochem.)、59:253−288(1990))。 第10回国際組織適合性テスティング・ワークショップ(10th International Histocompatibility Testing Workshop)、シュプリンゲル−フェアラーク(Sp ringer-Verlag)、ニューヨーク(1987);ボドマー,ダブリュー・イー(B odmer,W. E.)ら、ブレチン(Bulletin)WHO(1987)によって最近定義 されたHLA領域の遺伝的下部構造を図1に示す。HLA DQ抗原をコードす るクラスII遺伝子は本発明に適する。というのは、ここに提示する自己免疫疾患 との関係はこのHLA抗原に関係するものだからである。第6染色体の短腕上の HLA D領域はDR、DQおよびDPを含めたいくつかの亜領域に分けられて いる。該再分は、血清学的および細胞タイプ分け方法によって定義分類され、最 近、生化学的および分子的分析によって定義されている。 各遺伝子座において、遺伝子のいくつかの修正(対立遺伝子)のうちの1つが 見い出されている。各遺伝子座において公に認められている対立遺伝子は、遺伝 子座および番号によって命名されており、かくして、HLA−A1はHLA−A 座における対立遺伝子である。所与の遺伝子座に暫定的に割り当てられてはいる が、未だ公には認められていない対立遺伝子は、(「ワークショップ」のために は)番号の前に「w」を置くことによって命名されている。例えば、HLA−D Qw2である。公式な認定の結果、「w」が削除される(例えば、HLA−DQ 1)。 HLA系は極度に多形であり、知られた各遺伝子座において多くの異なる対立 遺伝子を有する。例えば、HLA−A座では少なくとも23の区別される対立遺 伝子があり、HLA−B座においては少なくとも47の区別される対立遺伝子が ある。各対立遺伝子は産生物を決定する。HLA−A、−B、−C、−D、−D R、−DQおよび−DP対立遺伝子の産物は抗原決定基を有する細胞表面分子で ある。 その密接な連鎖のため、単一の染色体上の各遺伝子座における対立遺伝子の組 合せは通常単位として受け継がれる。この単位はハプロタイプという。1の染色 体は各親から受け継ぐので、2つのHLAハプロタイプがある。すべてのHLA 遺伝子は共優性であるので、与所のHLA座において両対立遺伝子が発現され、 HLA抗原の2つの完全体セットが細胞で検出できる。個体のHLAタイプは通 常表現型として与えられ、個体が保有するすべてのHLA抗原を命名する。例え ば、HLA−A1、−A2、−B7、−B12、−Cw1、−Cw2、−Dw2 、−Dw3、−DR2、−DR3、−DQw1、−DQw2、−DRw52、− DPw1、および−DPw2。 DQαおよびβ鎖は、各々、234個および229個のアミノ酸を有する。D R分子とは対照的に、該DQαおよびβ両鎖は高度に変異する。DQゲノム亜領 域は2つのα鎖遺伝子およびβ鎖遺伝子を含む。 T細胞受容体 胸腺由来リンパ球(T細胞)は2つの一般的なタイプの免疫学的機能:エフェ クターおよび調節を媒介する。エフェクター機能は、遅延過敏症、移植片拒絶、 腫瘍免疫、および移植片−宿主の反応性を含む。これらのエフェクター機能は、 リンホカインと呼ばれるタンパク質を分泌するTリンパ球の能力および他の細胞 を殺す能力(「細胞毒性」という)を反映する。T細胞の調節機能は、他のT細 胞による細胞−媒介細胞毒性およびB細胞による免疫グロブリン生産を増幅する その能力によって表される。 T細胞は抗原特異的である。該特異性は抗原を認識できる受容体分子の結果で ある。該受容体は2つの鎖:酸性α鎖(分子量45,000−55,000)お よびより塩基性のβ鎖(分子量40,000−50,000)からなり、これら は、T細胞表面にあるジスルフィド結合によって連結されている。αおよびβ両 鎖は細胞膜内膜タンパク質である。 両鎖は可変および定常領域ドメインに分けられる。該可変領域は抗原と反応し 、かくして、異なる抗原特異的T−細胞クローンの可変領域のアミノ酸配列は異 なる。これらの同一クローンからの定常領域のアミノ酸配列は同じである。この 一般的な構造は、免疫グロブリン分子につき注目される可変および定常領域ドメ インに類似である。 T細胞受容体をコードする遺伝子座は以下の領域に分けられる:可変領域遺伝 子(V)、多様性セグメント遺伝子(D)、結合領域遺伝子(J)、および定常 領域遺伝子(C)。該V、DおよびJ領域は遺伝子クラスターをなしている。β 鎖につき少なくとも2つのD領域遺伝子がある。β鎖につき少なくともD領域遺 伝子がある。α鎖につき100前後のJ領域遺伝子があり、β鎖につき13のJ 領域遺伝子がある。α鎖につきほぼ100の異なるV領域遺伝子があり、また、 β鎖につき80前後の異なるV領域がある。α鎖につき1つのC領域遺伝子があ り、β鎖につき2つのC領域遺伝子がある。免疫グロブリン遺伝子につき証明さ れているとの同様に、再発列がこれらの遺伝子の間で起こる。これにより、各個 体に100万を超える区別されるT細胞クローンが存在することを説明する多様 性が供され、その各々は異なる抗原特異性を有する。 α/βT細胞抗原受容体ヘテロダイマーは単独の可溶性抗原を認識しない。抗 原受容体はMHC遺伝子の産物と組み合わされて抗原を認識する。可溶性抗原の 場合、認識はクラスII分子との組合せで起こる。ウイルス抗原については、認識 はクラスI分子との組合せである。さらに、大きな可溶性抗原は、マクロファー ジまたは樹状細胞のごとき適当なアクセサリー細胞によって加工される。 抗原のT細胞認識に関与する事象の順序は以下の通りである。抗原は抗原提示 細胞によって貧食され、取り込まれ、加工され、次いで、ペプチドはクラスIま たはクラスIIMHC分子と組み合わせて細胞表面で示される。次いで、T細胞抗 原受容体ヘテロダイマーは抗原+MHC遺伝子産物を認識する。抗原単独または MHC遺伝子産物単独の認識は、T細胞の活性化に信号を送るのに十分でない。 複合体のみが、T細胞抗原受容体へテロダイマーによって適当に認識できる。 T細胞活性化に必要な事象は以下の通りである。T細胞上の抗原受容体複合体 と抗原+アクセサリー細胞上のMHC遺伝子産物との間の相互作用により、生物 学的に活性な代謝産物が膜イノシトールから生成する。インターロイキン−1に よって開始されるもう1つのシグナルが時々必要である。(T細胞増殖によって 測定される)T細胞活性化が完全に進行するためには、インタ-ロイキン−2の 分泌が起こらなければならず、また、インターロイキン−2についての受容体の 増強された発現も起こらなければならない。インターロイキン−2は、特定のT 細胞クローンを増殖させるので、オートコイド(autocoid)として作用する。T細 胞が一旦抗原特異的活性化に要するシグナルによって活性化されると、それはリ ンホカインを放出できる。これらのリンホカインは、単核細胞の他の集団に対し て抗原非特異的に作用する。 自己免疫 免疫学のセントラルドグマは、免疫系は通常は自己に対しては反応しないとい うことであった。もともとエーリッヒ(Ehrlich)によって記載されたこの現象 は、今日では、健康について明白な必要性、自己の成分に対する免疫学的トレラ ンスとして受け入れられている。従って、自己免疫は、自己に対する天然の非応 答性またはトレランスが終了する状態であると定義される。その結果、抗体また は細胞は自己成分と反応し、それにより、病気を引き起こす。 種々の自己免疫疾患の起源および病因を説明する確立された統一概念はまだな い。実験動物における研究は、自己免疫疾患は、個体間で異なる遺伝的および免 疫学的異常性の広いスペクトルの結果であり、また、各々、多くの加えられた外 因性または内因性加速因子の存在または不存在に応じて、人生において初期また は後期にそれ自身で発現するという意見を指示する。該病気のプロセスは、とり わけ、感作Tリンパ球によって引き起こされるようである。このリンパ球は、破 壊的リンホカインの放出に関与し得る、または他の炎症性細胞を病巣へと誘導す るという十分には理解されていない機構によって組織の病巣を生じる。自己免疫 の総括については、テオフィロポロス,エイ・エヌ(Theofilopoulos,A.N.)、 基礎的および臨床的免疫学(Basic and Clinical Immunology)、第II章、スタ イテス,ディ・ピイ(Stites,D.P.)ら、第6版、アプルトン・アンド・ラング (Appleton & Lang)、1987を参照されたい。 主要な自己免疫疾患である慢性関節リウマチはIgGの7Fc部に向けられる 自己抗体の血清の存在によって特徴付けられる。通常はIgMまたはIgGイソ タイプのかかる自己抗体はIgGと一緒になって免疫複合体を形成し、これは、 補体カスケードの活性化およびその沈積の部位への多形核細胞の誘引を介して関 連する滑膜炎および脈管炎に関与する。いくつかのリウマチ因子はDNA、ヒス トンおよび細胞骨格要素のごとき他の自己抗原と交差反応する。 慢性関節リウマチにおいて、組織負傷の局所的部位は関節である。炎症および 関節破壊によって特徴避けられる関節病理学は、細胞事象(炎症細胞、免疫コン ピテント細胞、および滑液ラインニング(lining)細胞)および分泌された産物 の複合体相互反応の結果である(ツバイフラー(Zvaifler)、アメリカン・ジャ ーナル・オブ・メディシン(Am. J. Med.)75:3(1983))。慢性関節 リウマチにおける滑液組織(バンヌス)は、支配的なリンパ球がT細胞(これは 、滑液組織リンパ球の80%をなす)である細胞過多リンパ様器官の外観を有す る(バンクフルスト(Bankhurst)ら、アースリティス・アンド・リューマティ ズム(Arthritis and Rheumatism)19:555(1976);クロサカ(Kuro saka)、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン(J. Exp. Med.) 158:1191(1983))。 滑液パンヌスにおけるT細胞の重要性およびin vivoで活性化されるこれらの T細胞数の増加に加え、T細胞機能の欠損および割合についての証拠が記載され ている。重要なことには、合計結節性リンパ様全刺激のごときT細胞機能を変化 させる治療的測定は、臨床的疾患症状を有意に改良するが、顕著な毒性に関連し ている(コツィン(Kotzin)ら、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メデ ィシン(N.Engl. J. Med.)305:969(1981))。 自己免疫およびMHC HLA分子およびT細胞レポーターは、胸腺で起こる選択プロセスを通じて、 免疫系をして自己を外来性抗原から区別させる(ドルフ,エム・イー(Dorf,M.E .)、「免疫生物学における主要組織適合性複合体の役割(The Role of the Maj or Histocompatibility Complex in Immunobiology)」、ガーランド(Garland )STPMプレス、1981;スリバン,ケイ・エイ(Sullivan,K.A.)ら、「 HLA系およびその検出(The HLA System and Its Detection)」、ローズ,エ ヌ・アール(Rose,N. R.)ら編、「臨床的実験および免疫学のマニュアル(Manu al of Clinical Laboratory and Immunology)」、835−846頁、ワシント ン・ディ・シィ(Washington,DC)、アメリカン・ソサイェティ・シォー・マイ クロバイオロジー(Amerocan Soc. for Microbiology)、1986;ブラウン, ダブリュー・イー(Braun,W.E.)、クリニカル・バイオケミストリー(Clin. Bi ochem. )25:187−191 (1992))。HLA分子のアミノ酸配列にお ける相違、ヘリカル間の溝中の異なるペプチド抗原に結合する異なる能力、これ らの抗原をT細胞受容体のレペルトワ(repertoire)に提示しそれと相互反応す る能力、ならびに異常発現は、自己免疫疾患の出現に影響し得るようである(ブ ラウン,ダブリュー・イー(Braun,W. E.)、クリニカル・バイオケミストリー (Clin. Biochem.)25:187−191(1992))。 HLA対立遺伝子は多数の病気にかなり関連付けられてきた(ブラウン,ダブ リュー・ィー(Braun,W. E.),「HLAおよび病気(HLA and Disease)」:包括 的レビュー (A Comprehensive Review)、ボカ・ラトン(Boca Raton)、FL、 シイアールシイ・プレス(CRC Press)、1979;ティワリ,ジェイ・エル(T iwari, J. L.)ら、HLAおよび病気(HLA and Disease)、ニューヨーク、シ ュプリンゲル−フェアラーク(Springer-Verlag)、1985)。これらは、ナ ルコ レプシーにおけるHLA−DR2、強直性脊椎炎におけるHLA−B27、なら びに血清陰性関節症および糖尿病における−DR4と共にのHLA−DR3を含 む。 クラスII構造多形が病気罹患を媒介し得る3つの一般的方法が記載されている (ネポム,ジィ・ティ(Nepom,G. T.)ら、アニュアル・レビューズ・オブ・イ ミュノロジー(Ann. Rev. Immunol.)9:493−525(1991))。クラ スII分子における多形残基は推定自己抗原ペプチドに区別的に結合するらしく、 それを応答するTリンパ球に提示する。また、発現されたT細胞受容体のスペク トルは、異なるクラスII遺伝子型をもつ個体では異なるであろう。自己抗原クラ スII複合体を認識できる自己反応性T細胞受容体は、非罹患性クラスII抗原を発 現した胸腺上皮によって選択される蓋然性が高い。HLA病関係を説明するため に提唱されている第3の免疫学的機構は分子擬制である(タワリ,ジェイ・エル (Tawari,J.L.)、HLAおよび病気(HLA and Disease)、ニューヨーク、シュ プリンゲル−フェアラーク(Springer-Verlag)、1985)。菌抗原に共有さ れているクラスI残基またはウイルス病因に共有されているクラスII残基の存在 の結果、かかる微生物エピトープに対するトレランスが生じ、免疫応答の変化に 導かれる(ネポム,ジイ・ピイ(Nepom,G.P.)ら、アニュアル・レビューズ・オ ブ・イミュノロジー(Ann.Rev.Immunol.)9:493−525(1991))。 別法として、カカル相同領域は、関係するクラス(Iまたは)II産物を発現する 自己細胞の攻撃に導く (菌または) ウイルスに対する免疫反応にて自己抗原標的 として働く (ネポム,ジイ・ティ(Nepom,G.T.)、アニュアル・レビューズ・ イミュノロジー(Ann.Rev. Immunol.)9:493−525(1991))。 MHCおよび慢性関節リウマチ 慢性関節リウマチの相対的リスクは、ある種の組織適合性複合体遺伝子を受け 継いだ個体で高い。この遺伝的疾病素因の分子的基礎は知られていないが、MH Cの主要機能はTリンパ球に対して加工抗原を提示することにあるので、周囲の 抗原または感染が慢性関節リウマチにおいてT細胞によって少なくとも最初は媒 介されるMHC−限定免疫応答を開始すると仮定されてきた。慢性関節リウマチ はクラスII抗原、ホモ接合タイプの細胞(HTC)によって定義されたDw4、 および血清学的に定義されたDR4と大いに関係している。初期の研究は、Dw 4は、5.25の相対的危険率にて対照111人のうち丁度14%であるのと比 較して、慢性関節リウマチを持つ患者119人のうち48%に存在したことを示 している。多数の研究から、DR4を持つ個体のすべてが慢性関節リウマチには 罹ってはおらず、また、慢性関節リウマチの約20−35%はDR4を有しない ことは公知であった(ネポム,ジイ・ティ(Nepom, G. T.)ら、アニュアル・レ ビューズ・オブ・イミュノロジー(Ann. Rev. Immunol.)9:493−525 1991));ティワリ,ジェイ・エル(Tiwari, J. L.)ら、HLAおよび病 気(HLA and Disease)、ニューヨーク、シュブリンゲル-フェアラーク(Spring er-Verlag)、1985)。HTCによる5つのDR4サブタイプ(Dw4、D w10N Dw13、Dw14およびDw15)の同定の後、Dw4およびDw 14は慢性関節リウマチに関連する主要なサブタイプであることが明らかになっ た。血清陽性慢性関節リウマチを持つDR4陽性白人成人において、約50%が DR4およびを有し、約35%がDR4のDw14サブタイプを有していた(ビ アシュ,ジェイ・エム(Biash, J. M.)ら、ニュー・イングランド・ジャーナル ・オブ・メディシン(N. Engl. J. Med.)322:1836−41(1990) )。これらの知見は以下のように要約される。慢性関節リウマチにおいて、DR 4および/またはDR1は、慢性関節リウマチ患者の93%で起こる。DR4の 5つのサブタイプのうち、2つのみ(Dw4および14)が、慢性関節リウマチ で起こる。慢性関節リウマチに対してDQの寄与はない。何故ならば、例えば、 DQw7およびDQw8は、慢性関節リウマチと同程度の頻度で対照で起こるか らである。DR1のDRβ鎖のアミノ酸70−74(Dw1)、DR4(Dw4 )、DR14(Dw14)、およびDR15(Dw15)は、本質的には、(7 1位におけるリシンの代わりにアルギニンで重要でない置換をすることを除き) エプスタン−バール・ウイルスのgp110タンパク質のセグメントと同一であ る(ブラウン,ダブリュー・イー(Braun,W.E.)、HLAおよび病気(HLA and Disease):包括的レ ビュー(A Comprehensive Review)、ボカ・ラ一トン(Boca Raton)、FL、シ イアールシイ・プレス(CRC Press)、1979)。 これらの理由で、慢性関節リウマチについて研究している研究者は、当該病気 に関連する免疫調節不全は主要組織適合性複合体の特異的遺伝子に関係するらし いと仮定している。また、これらの理由で、当該病気は、末梢αβT細胞抗原受 容体レペルトワ(repertoire)の歪みとして検出可能なT細胞のクローン増殖に 関連しているであろうと仮定されている。米国特許第4,886,783号は、 例えば、慢性関節リウマチ患者におけるTリンパ球の全集団でのVβ遺伝子の使 用の拡張に基づき、慢性関節リウマチを含めた自己免疫疾患を診断する方法を記 載している。 多くの免疫関連病の診断および治療で用いることができるT細胞抗原受容体上 のエピトープと反応するモノクローナル抗体を広くカバーする国際出願国際公開 番号90/06758は、慢性関節リウマチを、患者試料においてVλ1、Vβ 3、Vβ9、またはVβ10T細胞受容体の可変領域を発現するT細胞の増加パ ーセントと関連付けている。これらの遺伝子産物に特異的なモノクローナル抗体 を持つ慢性関節リウマチ患者を診断および治療する方法が記載されている。 同時係属出願07/750986号は、抗原に対するT細胞受容体のα鎖の可 変領域内の唯一の配列、特に、Vα12.1につき特異性を有する試薬を用い、 慢性関節リウマチに罹った個体のサブセットの検出を記載している。当該出願は 、免疫異常を有しない正常で健康な対象のCD8+リンパ球上のVα12.1の 発現と比較した、慢性関節リウマチ患者のサブセットにおいて増殖されたCD8+ リンパ球上のVα12.1遺伝子産物の発現を開示している。それにより、こ の発現は、Vα12.1配列に特異的に結合する試薬で患者のこのサブセットを 検出ことを可能とする。従って、その出願はヒトTリンパ球上のα鎖可変領域の エピトープと反応するモノクローナル抗体に向けられている。 これらのおよび他の自己免疫疾患は、そのT細胞受容体がMHC/自己抗原( または非自己抗原)複合体に結合することによって刺激されたT細胞の作用に関 連するので、MHC/抗原複合体およびTCRの間の相互作用を破壊すること に基づいた予防および/または治療戦術が提案されている(ライス,ディ・シィ (Wraith,D. C.)ら、セル(Cell)57:709−715(1989))。この 原理に基づいたアプローチは、全T細胞でのワクチン接種、TCRに結合する抗 体を用いた受動遮断、当該複合体のMHC部分に結合する抗体を用いた受動遮断 、T細胞マーカー(例えば、CD4+、CD8+)と反応する抗体の投与、および 注目する抗原を模倣し、MHCまたはTCR分子への結合につき競合するペプチ ドの使用を含む。 TCRαβヘテロダイマーを発現するT細胞は、T細胞の機能を調節できるイ ディオタイプのかつV遺伝子ファミリー特異的な抗体を含むことができる(オー ワシ,エム(Owhashi, M.)ら、前掲;ガスコーニュ,エヌ・アール・ジェイ(G ascoigne,N.R.J.)ら、プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アタデミー・ オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acd.Sci.)USA 84:2936(1987 );カップラー,ジェイ・ダブリュー(Kappler,J.W.)ら、ネイチャー (Natur e)332:35(988):40(1988);カップラー,ジェイ・ダブリ ュー(Kappler,J.W.)ら、セル(Cell)49:263(1987);マクドナル ド,エイチ・アール(MacDona1d,H.R.)ら、ネイチャー(Nature)332:40 (1988))。例えば、TCR4Vα8配列を認識する抗体は、マウスおよび ラットにおいて、自己免疫の予防および治療で有効であった(オーワシ,エム( Owhashi,M.)ら、前掲;アカ−オーベア,エイチ(Acha-Orbea,H.)ら、セル(C ell)、54:263−273(1988);アーバン,ジェイ(Urban,J.)ら 、セル(Cell)54:577−592(1988))。V領域遺伝子産物につき 選択的なかかる抗体を得るのは、関連するV遺伝子ファミリーによってコードさ れたTCRを発現するT細胞クローンの利用性に依存し、特異性を確立するのに 全細胞を用いる実験室的スクリーニング方法を要する。 抗体がMHC分子およびCD4分子に向けられた抗体療法が、一般に、自己免 疫のいくつかの動物モデルで成功したのに対し、T細胞の70%がCD4+マー カーを有しているので、また、すべてのT細胞媒介応答およびほとんどの抗体応 答がMHC−関連抗原提示を要するので、これらのアプローチは余りにも非特 異的で可能性として過度に抑制的である。 アイ・アール・コーエン(I.R.Cohen)の実験室は、EAE、実験的自己免疫 甲状腺炎(EAT)、および実験的関節炎を治療または予防するのにワクチンと して全生細胞または全弱毒Tリンパ球を利用する自己免疫の免疫特異的治療に対 するアプローチを開発した。このアプローチは、コーエン,ジェイ・アール(Co hen,I.R.)[イミュノロジカル・レビューズ(Immunol.Rev.)94:5−21( 1986)]に総括されており、それは、自己免疫疾患のいくつかの動物モデル を検討しており、そこでは、病気特異的Tリンパ球でのワクチン接種が予防的ま たは治療的効果を生じさせるのに使用されている。ワクチン接種の微妙な特異性 は、T細胞認識の微妙な特異性によって指示され、これは、恐らくは、TCRに 関係あることを示す。例えば、各々がMBPの異なるエピトープと反応する、2 つの異なる抗−MBP T細胞系は、特定のエピトープによって特異的に誘導さ れるEAEに対してワクチン接種となることが判明し、これは、抗−イディオタ イプ免疫のいくつかの形態を示す。しかしながら、非クローン細胞系からMBP −特異的 もしくは(甲状腺炎モデルにおける)チログロブリン−特異的T細胞 のクローンを単離しようとする試みがなされた場合、耐性ではなく病気を生じる クローンのみが得られた。これは、静水圧または化学的架橋いずれかによって、 細胞膜の適当な凝集または強固化により、より一貫して保護を誘導できる細胞が 得られるという知見に導く。同様に、低用量(脳炎誘発性下用量)のMBPに特 異的な細胞もまた致死EAEに対する耐性を誘導できた。該保護状態は、「カウ ンター自己免疫(counter-autoimmunuty)」と呼ばれる。この状態は、ワクチン 接種T細胞に応答して特異的に増殖でき、(恐らくは、抑制的リンホカインの放 出を通じて、非特異的に)in vitroにてエフェクタークローンを抑制でき、かつ in vivoにてカウンター−自己免疫を養子移行できるT細胞クローンを含む。か かるカウンター自己免疫には、特異的エピトープに応答する遅延過敏症(DH) 応答および臨床病の予防または緩解が伴う。 前記したアプローチの主要な困難は、十分に明確な治療剤からなるものではな い複合体の生物製剤の使用を要することである。かかる製剤は、複合体の生産お よび維持の要件(例えば、滅菌性ならびに多数の「ワクチン」T細胞の生産用の 大量の培地)、およびバッチ間の再現性の欠如に問題がある。ヒトで有用なT細 胞「ワクチン」製剤は自己由来であって個体特異的でなければならない。すなわ ち、各患者につき特別に仕立てられたものでなければならない。さらに、かかる T細胞の表面上にさらに抗原が存在する結果、所望のT細胞クローンに限定され ない広範で、恐らくは、有害な免疫応答が起こる(オフィサー,エイチ(Office r,H.)ら、ジャーナル・オブ・ニューロイミュノロジー(J.Neuroimmunol.)2 1:13−22 (1989))。 従って、標的の自己免疫応答についての特異性の性質、その選択の予測性、調 製の便宜および再現性、および用量の正確な制御の十分な明確性を有する薬剤お よび医薬組成物に対する大きな要求がある。 発明の概要 本発明は、慢性関節リウマチ患者のサブセットはVα12.1担持CD8+T 細胞の顕著な増殖を有し、また、これらの患者は高頻度で拡大されたHLA D Qw2ハプロタイプを有するという出願人の発見に基づくものである。Vα12 .1上昇がある3人の関係ない患者の各々におけるT細胞受容体の分子分析によ り、抗原由来クローンの増殖が明らかとされた。慢性関節リウマチ患者のVα1 2.1上昇群のうち、HLA DQw2の頻度は86%であった。従って、本発 明は、T細胞受容体、特にVα12.1再配列物を有するT細胞受容体とHLA DQw2抗原との正常な相互反応を遮断する薬剤、ならびに該薬剤の使用方法 に指向される。 本発明の方法は、DQw2抗体をDQw2慢性関節リウマチ患者、特に、Vα 12.1再配列物を含有するT細胞受容体を持つ慢性関節リウマチ患者に投与す ることに指向される。本発明のさらに好ましい具体例において、本発明の方法は DQw2抗原に対するモノクローナル抗体を使用する。 本発明の他の薬剤は、慢性関節リウマチにおける自己免疫に偶然に関係する正 常に加工された内因性抗原の改変を表す、好ましくは8−24個のアミノ酸のペ プチドを包含する。これらのペプチドは、「非自己」抗原として認識され、エフ ェクター細胞上のMHC分子としてDQw2自体によって、あるいはもう1つの MHC抗原提示分子によって提示されるDQw2分子自体に由来することができ る。別法として、該ペプチドは、T細胞受容体Vα12.1遺伝子産物に由来す るものであってもよい。 自己抗原がDQw2自体の一部として確立されると、この部分は、それば抗原 提示細胞上のDQw2によって認識され、毒性の自己抗原を置き換え、該毒性自 己抗原とで抗原提示細胞上に存在するDQw2とのさらなる結合を妨げるか、あ るいはT細胞の活性化に干渉するように変化される。この競合または置換は、か くして、不都合な自己抗原に特異的なT細胞のさらなる活性化を妨げる。別法し て、該ペプチドはVα12.1に由来するものであってよく、実質的に同一の目 的で用いることができる。 本発明の別の具体例において、不都合な自己抗原は回収できて、該ペプチドは 配列決定される。この結果、関連する自己抗原ペプチドの変化した配列変異体を 調製して真性の内因性の不都合な自己抗原を置き換えるか、あるいはそれと競合 させることができる。 かく調製されたペプチドを、次いで、リウマチ疾患、特に慢性関節リウマチを 持つDQw2患者における慢性関節リウマチの症状を軽減する治療剤して使用で きる。 さらに、本発明は、該ペプチドが治療的に有用な十分な量で生産されるように 、適当な発明ベクターにクローンできる本発明のペプチド対応する核酸配列に指 向される。また、該ペプチドは、標準的な化学合成法によって合成できる。 図面の簡単な記載 図1 主要組織適合性複合体HLA遺伝子 図2 慢性関節リウマチ患者におけるVα12担持T細胞の増殖 (A) フローサイトメトリー分析は直接に連結した抗体を用いて行った。ヘパ リン処理した血液は個体から得たものであり、PBMCはFicoll-Hypaque(ファ ルマシア・フアイン・ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)、ウップサラ( Uppsala)、スウェーデン)を用いて単離し、連結したmAbの飽和量を含有す る染色緩衝液(0.02% NaN3を含むPBS/5%ヒト血清)に懸濁し、F ascanフローサイトメトリー(ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson) によって分析した。CD4+およびCD8+T細胞上のVα12発現の2色免疫蛍 光の分析を、FASCAN(ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー( Becton Dickinson and Co.)、マウンティンビュー(Mountainview)、カリフォ ルニア州)を使用し、OKT4(抗−CD4)またはOKTB(抗−CD8)F ITC連結mAbおよび抗−Vα12mAb(6D6−PE)を用い、末梢血液 単核細胞で行った。前方および側方散乱プロフィールのベースにリンパ球を入れ (示さず)、対数スケールで蛍光強度につき分析した。ヨウ化プロピジウムを排 除するリンパ球にゲートすることによって1万の可視細胞が分析された。該デー タは、ドットプロットを4つに分け、未染色細胞(左下、3番目)、FITC単 独で染色された細胞(OKT4またはOKT8)(右下、4番目)、FE単独で 染色された細胞(6D6)(左上、1番目)、およびFITCおよびPEによっ て同時染色された細胞(右上、2番目)。(B)成人慢性関節リウマチ患者から のCD4+およびCD8+T細胞上でのVα12発現は、Aにおけるごとく染色し た個体末梢血液試料で得られたデータを用いて決定された。各個体についてのC D4+およびCD8+サブセットの発現は線で結ぶ。以下の式を用いてVα12発 現についてのパーセント値を計算した:%Vα12+/CD4+(またはCD8+ )細胞={抗−CD4(または抗−CD8)(2番目)で同時染色されたVα1 2+細胞/CD4+(またはCD8+であったT細胞%}×100 図3 Vα12含有転写体を含有する予測アミノ酸配列。Vα12.1含有転写体の ヌクレオチド配列は、ダイレクト(Vα12.1−特異的)によって、またはi PCR(すべてのVα)によって生成され、M13ベクターにクローン化した。 CD4+およびCD8+T細胞の分離は、Ficoll-Paque(ファルマシア・ファイン ・ ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)、ウプサラ(Uppsala)、スウェーデ ン)で単離したPMBCで行い、5×105/mlで5%FCSを含有するRP MI−1640に懸濁して、飽和量の抗−CD4(OKT4)または抗−CD8 (OKT8および89.2)mAbと混合した。最初の選択は4℃で1時間回転 させることによって行い、1ないし2倍過剰のヤギ抗−マウスIg連結Dynabead s(ダイナビーズ(Dynabeads)M−450、ダイナル(Dynal)、オスロ(Oslo )、ノルウェー)を添加する前に、RPMI/5% FCSで遊離抗体を洗って 除き、ビーズに結合した細胞を取り出し、RNA溶解緩衝液に溶解させる前に十 分に洗浄した。これらの条件下、CD4+またはCD8+T細胞は、FACSによ り陰性選択された集団(すなわち、OKT4またはOKT8枯渇細胞集団)を染 色することによってルーチン的に示されるごとく、98%よりも豊富となった。 抗−Vα12.1(mAb 6D6)での染色の第2工程は、Vα12.1/C D8+T細胞を単離してRNAを作成し、iPCR法で用いるために、CD4− 枯渇(CD8−豊富)細胞で行った。CD8+またはVα12.1+/CD8+T 細胞からのRNAの精製は、チョムズンスキィー(Chomczynski)ら[アナリィ ティカル・バイオケミストリー(Anal. Biochem.)162:156(1987) ]に準じて行った。全RNAを定量し、1%アガロース・ミニゲルで分割するこ とによって完全性につき分析し、EtBrで染色することによって可視化した。 ダイレクトPCR法のための相補的DNA(cDNA)は、500gのオリゴ− (dT)12-18プライマーを開始点とし、逆転写酵素および1−5μgの合計R NAを用いて、逆転写反応で合成した。Vα12.1+/CD8+T細胞に存在す るVβ、VαおよびJα遺伝子セグメントのすべては、増幅すべくDNAの両末 端についての先行配列情報を要しない第2の方法によって同定した。この技術に より、独立して、ダイレクトPCR法によって得られた知見が確認され、Vα、 Jαおよび鎖の用法についての新しい配列情報が提供された。インバースPCR (iPCR)は、まず、ゲノミックDNAの所与の制限断片内の公知の配列のフ ランキング領域を増幅するために確立された。最近、この方法はTCRαおよび β遺伝子の全長cDNAの増幅に適用できることが示された。 第1鎖cDNAは、RNase H活性を欠くモロニー(Moloney)マウス白 血病ウイルス由来逆転写酵素を用い、オリゴ−(dT)12-18マーを起点とするこ とによって、Tリンパ球のRNAから合成した。第2鎖cDNA合成については 、RNAseHを用いてRNA/DNAハイブリッドのmRNA鎖に切れ目を入 れ、イー・コリ(E.coli.)DNAポリメラーゼIおよびイー・コリ(E.coli.) DNAリガーゼで第2鎖DNAを合成するのに働く一連のRNAプライマーを得 た。T4 DNAポリメラーゼの3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を用い、二 本鎖cDNAを平滑末端とし、次いで、T4 DNAリガーゼを用いて、該DN Aを環状化した。この環状cDNAは、相互に外向きに配位した一対のCαまた はCβプライマーを用いることによるiPCR増幅用の鋳型として用いた。この 方法により、TCRα鎖についてはほぼ700bpのPCR産物が生成し、TC Rβ鎖については、予期されるVDJCβおよびDJCβ転写体長に対応する主 たる鎖(700bp)および従たる鎖(ほぼ400bp)のPCR産物が得られ た。この方法により、合計1μgと少ないRNAで出発して2×106までのプ ライマー特異的cDNAクローンが得られた。(ウエマツ(Uematus)、イミュ ノゲン(Immunogen)、34:174(1991))。ライブラリーは、2×1 04と少ない新鮮な末梢T細胞から単離したRNAからのTCRαまたはcDN A産物から得ることができる。2つのプライマーうち1つは人工のSalI部位 を含有し、他のプライマーはNot I部位を含有し、これはDNAクローニン グと配列決定とを容易とした。PCRプライマーにおける制限部位を用いて、ク ローニング用の粘着末端を生成させた。適当なサイズとしたDNA産物を、低融 点(LMP)アガロースゲル(BRl、ガイセルスブルグ(Gaithersburg)、マ ディソン州)から単離し、クローニング部位を持つベクターに結んだ。クローニ ングおよび配列決定は、修飾されたT7ポリメラーゼ(セケナーゼ(Sequenase );ユナイテッド・ステイツ・バイオケミカル・コーポレイション(United Sta tes Biochemical Corp.)、クリーブランド、オハイオ州)を用いてジデオキシ 鎖停止法によって行った。配列決定産物はポリアクリルアミドゲルで分割し、オ ートラジオグラフィーは標準的な方法によって行った。 iPCRで用いたプライマー Cα−順方向(配列番号1) Cα−逆方向(配列番号2) Cβ−順方向(配列番号3) Cβ−逆方向(配列番号4) iPCRによってVα12.1+/CD8+T細胞からクローンし、配列決定し たすべてのα−鎖は現実にVα12.1遺伝子セグメントを含有していた。 図4 慢性関節リエマチにおける増殖したVα12+T細胞は予め活性化した。DR 、IL−2Rαおよびβ鎖、CD45RO、HLA−1およびトランスフェリン 受容体の細胞表面発現は、図2に記載するごとく免疫蛍光染色によって分析した 。グラフは、CD3+、CD4+、CD8+およびVα12+T細胞の中での相対的 発現を表す。mAb LB3.1(抗−HLADR)、84.19.9(抗−I L−2Rα)、Tu27(抗−IL−2Rβ)、UCHL1(抗−CD45RO )、TS2/7(抗−VAL−1)、5E9 (抗−トランスフェリン受容体) は、FITCまたはPEを連結させた第2抗体(ヤギ抗−マウス免疫グロブリン )での1/100腹水希釈にて用いた。また、以下の式を用いて、Vα12.1+ T細胞に対する各活性化抗原についてのパーセント値を計算した:LB3.1 (または他の活性化抗原)/Vα12+(またはCD4+、またはCD8+)細胞 =(抗−Vα12(または抗−CD4または抗−CD8)で同時染色したLB3 .1細胞 (2番目)/Vα12+(またはCD4+またはCD8+))であったT細胞%) )×100 図5 BWH HLA実験を行った患者の「α12」群についての血清学的なHLA 型判定 通常のクラスIはこの群と特異的に関連するものはないことが判明した。他方 、HLA DQw2対立遺伝子はこの群からの6人の患者のうち5人で同定され た一方、このVα12増殖群からの1人の患者のみがHLA DQw2対立遺伝 子を欠いた。(B)合計26人の患者を血清学的にHLA型判定し、DQw2陽 性またはDQw3陰性パネルに分けた。HLA DQw2対立遺伝子を持つ13 人の患者のうち5人が、T細胞のCD8サブセット内で顕著なVα12増殖を有 していた一方、HLA DQw2対立遺伝子を欠く13人の患者のうち1人のみ が増殖したVα12T細胞を有していた。 好ましい具体例の詳細な記載 今回、自己免疫疾患を持つ患者のサブセットにおいて、Vα12.IT細胞受 容体可変領域の存在と自己免疫疾患である慢性関節リウマチについての傾向との 間には相関があることが判明した。さらに、このT細胞可変領域受容体の再配列 物を発現する宿主において、抗原提示細胞は、抗原提示分子としてMHC DQ w2ハプロタイプを担持している。この予期せぬ相関に鑑みると、本発明は慢性 関節リウマチに罹ったヒトを治療するための、ヒトT細胞受容体Vα12.1再 配列物およびDQw2ハプロタイプに基づく試薬および方法に指向される。従っ て、本発明の目的は、慢性関節リウマチに罹ったヒトを治療するのに有用な組成 物、医薬処方、および方法を提供することにある。本発明のさらなる目的は、慢 性関節リウマチの臨床的症候を予防または軽減するのに有用な組成物、医薬処方 、および方法を提供することにある。 従って、本発明は、MHC−担持抗原提示細胞によって、慢性関節リウマチ患 者において、Tリンパ球に対して提示されるアミノ酸配列(II)に類似するアミ ノ酸配列(I)よりなり、アミノ酸配列IIがDQw2タンパク質に由来するペプ チドに指向される。 本発明の目的では、「アミノ酸配列(I)」は、抗原提示細胞上の主要組織適 合性抗原によって認識され、それに結合する配列を意味する。本発明の目的では 、慢性関節リウマチ患者において、アミノ酸配列(II)は、非自己抗原として患 者の免疫系によって処理され、加工され、MHC担持抗原提示細胞によって外来 性抗原としてTリンパ球に提示される、これらの患者における天然に生じるタン パク質に由来する加工ペプチドである。かくして、この提示により、特異的Tリ ンパ球が活性化され、患者自身のタンパク質に対する免疫反応を完成させる。従 って、本発明の目的では、アミノ酸配列Iは、抗原提示細胞上に存在する主要組 織適合性抗原に結合し、加工された自己のペプチドを置き換え、または該加工さ れた自己のペプチドの主要組織適合性分子への結合を妨げるように設計される。 別の具体例において、本発明のペプチドは、持続的なウイルス感染の結果であ るウイルス抗原を含めた持続性外来性抗原に由来するが、それに限定されるもの ではない。従って、本発明の目的では、アミノ酸配列Iは、抗原提示細胞上に存 在する主要組織適合性抗原に結合し、外来性抗原を置き換えるか、あるいは外来 性抗原の主要組織適合性分子への結合またはT−細胞との機能的相互反応を妨げ るように設計される。 また、該ペプチドは、MHC分子に結合するが、関連Tリンパ球の活性化およ びクローン増殖を妨げるように、該Tリンパ球とMHC/抗原複合体との相互反 応を妨げるように設計される。MHC結合抗原のアミノ酸配列における改変は、 該複合体のT細胞受容体への結合を妨げるか、あるいは受容体の結合は可能とす るが、さらなる活性化を妨げるように設計される。 本発明のペプチドからなるアミノ酸配列は単独で、あるいより長いペプチドの 配列に結合させて、あるいはその中に含有させて用い得ることが理解されるべき である。より長いペプチドは、注目するアミノ酸配列のMHC抗原への結合を増 強させ、あるいは該複合体とTリンパ球との相互反応を増強させるために使用さ れる担体のごとき無関係なペプチドの配列を担持させることができる。 従って、本発明の1の具体例において、該ペプチドはMHC HLA DQw 2 タンパク質に由来するアミノ酸配列(I)を含有する。このタンパク質は、Vα 12.1再発列物を担持するT細胞のクローン増殖を持つ慢性関節リウマチのサ ブセットで発現されるので、本発明は、特に、Vα12.1クローン増殖を持つ 患者におけるアミノ配列Iに由来するDQw2の使用に指向される。しかしなが ら、該ペプチドの使用はかかる患者に限定されるものではなく、DQw2ハプロ タイプを担ういずれの慢性関節リウマチをも治療するのに効果的であると推定さ れる。 本発明のある具体例において、MHCタンパク質はMHC HLA DQw2 自体である。これらの具体例において、DQw2ペプチドは、抗原提示細胞上に 存在するMHC HLA DQw2によってTリンパ球に提示される。本発明に よると、DQw2に由来するアミノ酸配列IIは、かくして、DQw2 MHCタ ンパク質によって提示される。従って、このペプチドのアナログは、DQw2に 結合し、かくして、DQw2自体によってDQw2ペプチドと共に提示されたT 細胞の活性化を妨げるか、あるいはその活性化をブロックするように設計される 。本発明の別の具体例において、MHCタンパク質はDQw2以外であり、抗原 提示細胞上に見い出され、その機能は加工されたDQw2抗原をTリンパ球に提 示するものである他の関連主要組織適合性タンパク質のいずれであってもよい。 本発明の特別の具体例において、該ペプチドはHLA DQw2に結合し、そ のペプチドはVα12.1担持T細胞を刺激する。このペプチドは、もしそれが Vα12.1担持T細胞を刺激する特性を有するならば、いずれの自己もしくは 外来性タンパク質に由来するものであってもよい。 本発明のさらなる具体例において、該ペプチドは、Vα12.1再配列物を担 持するT細胞受容体のα鎖におけるアミノ酸配列ら類似するアミノ酸配列を含有 する。 本発明のなおさらなる具体例において、病気を引き起こすペプチドは改変を要 しない。事実、抗原提示細胞上の主要組織適合性複合体抗原によって提示される ペプチドの一部は適当なタンパク質に由来するが、アミノ酸配列は改変されてい ない。事実、該ペプチドは、T細胞活性の減少をもたらすトレランスを誘導する ように、適当な用量で投与される。 従って、本発明は、広く、慢性関節リウマチの予防、緩和または治療に十分な 量の前記いずれかのペプチドを投与することによって、慢性関節リウマチを予防 、緩和または治療する方法に指向される。本発明の方法で使用する場合、本発明 の試薬は、多数のレベルで作用し得る。従って、該試薬の効果は、抗原提示を予 防し、T細胞の活性化を予防し、あるいはT細胞集団においてアネルギー状態を 誘導することを含むが、これらに限定されるものではない。 かくして、本発明は、抗原提示を予防するのに十分な量の前記いずれかのペプ チドを投与することよりなり、該患者はMHC HLA DQw2対立遺伝子を 発現するところの、慢性関節リウマチを持つ患者において抗原提示を妨げる方法 に指向される。さらに、本発明は、T細胞活性化を予防するのに十分な量の前記 いずれかのペプチドを投与することよりなる、MHC HLA DQw2対立遺 伝子を発現する患者において該活性化を予防する方法に指向される。また、本発 明の方法は、広く、慢性関節リウマチを持ち、MHC HLA DQw2対立遺 伝子を発現する患者において、慢性炎症性反応を予防または緩和するのに有用で あり、該反応は、MHC−担持抗原提示細胞によるTリンパ球の持続性活性化の 結果であり、特に、該MHCはDQw2遺伝子産物である。該方法は、慢性炎症 性反応を予防するのに十分な量の前記いずれかのペプチドを投与することよりな る。また、本発明の試薬および方法は、T細胞活性の減少をもたらすトレランス を誘導するのに有用である。該トレランスは、適当な抗原に由来するが、不都合 なタンパク質とは異なるアミノ酸配列における改変がないペプチドを投与するこ とからなる。このトレランスは、適当な抗原に由来するが、不都合なタンパク質 とは異なるアミノ酸配列において変化を有しないペプチドの投与によって誘導さ れる。そうするにおいて、受容体T細胞が抗原に反応できないアネルギーが誘導 される。該アネルギーは、当該受容体の特定の抗原に対するトレランス化の結果 であり、これは、過剰量の抗原の投与によって誘導される。 また、当該ペプチドは、Vα12.1再配列物を有するT細胞受容体のα鎖に 由来するアミノ酸配列Iを含有する。この具体例において、ペプチドは、MHC −担持抗原提示細胞によってMHC抗原によりTリンバ球に提示されるVα12 .1の一部に類似するペプチドを調製する。該MHC分子はDQw2またはTリ ンバ球に対して抗原を提示するよう働くいずれの他の組織適合性抗原であっても よい。本発明は、特に、Vα12.1再配列物を持つ受容体を含有するT細胞の クローン増殖を持つ患者のサブセットにおけるかかるペプチドの使用に指向され る。かくして、本発明は、当該ペプチドがVα12.1再配列物に由来するアミ ノ酸配列Iよりなる、前期したすべての方法に指向される。 しかし、DQw2に由来する本発明のペプチドでの治療は、Vα12.1クロ ーン増殖を持つ慢性関節リウマチを持つ患者に限定されないことを理解すべきで ある。DQw2の抗原としてのTリンパ球への提示は、Tリンパ球がVα12. 1再配列物を必ずしも担持しないが、非自己としてTリンパ球によって認識され るDQw2が、該リンパ球のクローンが増殖となるように、Vα12.1再配列 物を持つリンパ球以外のTリンパ球によって認識され得る場合に起こる。 また、本発明は、一般に、抗体がDQw2タンパク質自体に対して生起される 、当該抗体の試薬の使用方法に指向される。従って、本発明は、MHC HLA DQw2対立遺伝子を発現する患者であって、慢性関節リウマチを持つ患者に おいて、抗原提示を予防する方法に指向され、該方法はMHC HLA DQw 2タンパク質に対する抗体を投与することよりなり、これは、DQw2−担持抗 原提示細胞とTリンパ球との相互反応をブロックするのに効果的である。かくし て、本発明は、前記方法の使用によって、Tリンパ球の活性化を予防する方法に 指向され、該方法は、慢性関節リウマチを持ち、かつMHC HLA DQw2 対立遺伝子を発現する患者における慢性炎症性反応を予防または改善する方法で あり、その反応は、前記方法の適用によって、MHC−担持抗原提示細胞による Tリンパ球の持続性活性化の結果である。より一般には、該方法は、これらの患 者においてり慢性関節リウマチを治療する方法である。 該抗体は、抗原提示細胞上で見い出される抗原担持MHCとして機能する場合 、DQw2分子に結合するよう用いることができるか、あるいは、提示された抗 原として機能するDQw2ペプチドに対して生起させることができる。第1の場 合、 DQw2は、内因性タンパク質のプロセッシングに由来し、かつ外来物としてT −リンパ球によって認識されるペプチドを提示するよう機能する。この場合、該 抗体は、抗体によって結合されると、関連Tリンパ球との相互反応を防止するD Qw2のいずれれかの部分に対して向けることができ、該相互反応はそのTリン パ球の引き続いての活性化に必要である。該抗体が、抗原として提示されるDQ w2の特異的領域に対して生起される場合、該抗体は、外来性抗原として認識さ れるに至ったDQw2ペプチドと、関連Tリンパ球との相互反応を防止するよう 機能するようである。この場合、DQw2ペプチドは、抗原提示細胞上のMHC 分子によって加工される。このMHC分子は、DQw2自体であるか、あるいは 正常な免疫応答のために関連抗原をTリンパ球に提示するよう機能する他の組織 適合性抗原の1つであってもよい。 前記方法は、可変のα鎖再配列物Vα12.1タンパク質を発現するTリンパ 球のクローン増殖を持つ患者において実施できる。しかしながら、該方法は、こ の再配列物を持つT細胞を担持する患者に限定されない。かくして、該方法は、 DQw2ハプロタイプを発現する、慢性関節リウマチを持ついずれの患者におい ても実施される。 また、本発明は、本発明の抗体を患者に投与することを含み、そこで.は、非 自己として認識される加工ペプチドはDQw2およびVα12.1以外の種々の 自己抗原のいずれであってもよい。これらの具体例において、本発明の目的では 、この自己抗原は、DQw2座のタンパク質産物を担持する抗原提示細胞によっ て提示される。 本発明の方法は、ポリクローナルもしくはモノクローナル抗体にて実施できる 。 本明細書で用いる「治療」なる語は、慢性関節リウマチの臨床的症候(または その臨床的気候の発現)を有する自己免疫疾患(またはその臨床的症候の発現) を防止するための予防的処置、ならびに治療的処置、すなわち、慢性関節リウマ チを表す疾患の開始後における1またはそれ以上の症候のいずれかの抑制または 測定可能な軽減を含む。 「自己抗原」なる語は、本発明の目的では、異常な状況において、哺乳動物の リンパ球または抗体によって当該哺乳動物自体の一部としてはもはや認識されず 、従って、それがあたかも外来性物質であるかのごとく、免疫調節系によって攻 撃される、当該哺乳動物内で見い出されるいずれの物質をもいう。 「MHC」または「主要組織適合性複合体」なる語は、活性化されたT細胞、 マクロファージおよび他の免疫細胞の表面に存在する哺乳動物細胞表面タンパク 質の複合体シリーズを意味する。該MHCは、組織適合性(または移植)抗原を 提示するにおいて、および通常の(外来性)抗原に対する免疫応答を調節するに おいて、免疫の多くの態様において中心的役割を演ずる。ヒトMHC遺伝子はヒ トの第6染色体に位置し、マウスMHC遺伝子はマウス第17染色体のH−2遺 伝子座に位置する。本発明の目的では、関連MHC発現産物は、慢性関節リウマ チ患者における、抗原提示MHC分子としてのDQw2発現産物における存在D Qw2ペプチドである。 「クラスII MHC分子」は、MHCの一部を形成する膜糖タンパク質である 。クラスII MHC分子は、主として、B細胞、マクロファージ、脳星状膠細胞 、表皮ランゲルハンス細胞、樹状細胞、胸腺上皮、およびヘルパー細胞を含めた 免疫系の細胞上に見い出される。クラスII MHC分子は、組織移植片拒絶、抗 体産生の刺激、移植片−宿主反応の間に免疫応答に関与し、また、他の現象の内 、自己(または自己由来)抗原の認識に関与する。 「T細胞」または「Tリンパ球」なる語は、造血(すなわち、血液形成)組織 内に位置する幹細胞に由来する免疫系細胞を意味する。T細胞の3つの広い範疇 :ヘルパー、サプレッサー、および細胞毒性がある。T細胞は、その細胞表面上 に、CD抗原(従って、CD4+T細胞と呼ばれる)またはCD8抗原(その場 合、CD8+T細胞と呼ばれる)を発現する。末梢(循環)T細胞によるCD4 およびCD8抗原の発現は、T細胞の機能および特異性に相関する。 「T細胞受容体」または「TCR」なる語は、T細胞表面上に存在する抗原認 識受容体を意味する。従って、TCRは、免疫系が抗原として(該分子は外来性 もしくは自己のものであり、後者は自己免疫疾患のケースである)認識し提示す る分子が結合する受容体である。T細胞の大部分がジスルフィド結合ならびに1 本の αおよびβ鎖を含むヘテロダイマー・タンパク質よりなるTCRを発現している 一方、T細胞のうち少数は2つの異なった鎖(γおよびδ)を発現している。T CRは、各々可変領域および定常領域よりなるαおよびβ鎖から構成されている 。該可変領域もまた、可変セグメント、多様性セグメントおよび結合セグメント よりなる。可変セグメント、多様性セグメントおよび結合セグメント内の結合部 位が、T細胞による抗原認識部位であると推察されている。 単核貧食細胞(マクロファージ、単球)、ランゲルハンス細胞、および樹状細 胞のごとき抗原提示細胞(APC)がそのポリペプチドの抗原性断片をまず取り 込み、加工(分解)し、(そのMHCと一緒に)その細胞表面に提示された場合 に、T細胞が免疫反応を開始する。タンパク質が加工され、クラスIIMHC分子 を発現するAPCによりそのペプチド断片が提示された場合に、CD4+T細胞 が抗原分子を排他的に認識する。 抗原のT細胞認識は、TCR、MHC分子、およびクラスIIMHC分子の三次 元構造中の割れ目もしくはポケットを介してAPCにより加工されたペプチドの 3分子間の相互作用を反映している(ビヨルクマン,ピイ・ジェイ(Bjorkman, P.J.)ら、ネイチャー(Nature)第329巻:506頁およびネイチャー(Natu re)第329巻:512頁(1987年))。 本発明の目的では、本発明に適するT細胞受容体は、限定するものではないが 、Vα12.1α可変領域再配列物(rearrangement)を発現している受容体と することができる。本発明の目的とするT細胞受容体は、慢性関節リウマチ患者 のサブセットにおいてクローン増殖している。従って、本発明は、本明細書中の 例示物質に従いT細胞受容体cDNAの配列決定により同定され、かつ、そのク ローン増殖か自己の抗原(自己抗原)との相互作用の結果生じたクローン増殖し たT細胞集合に関する。 「MHC HLA DQw2」、「HLA DQw2」もしくは「DQw2」 なる語は、本明細書中の図1に関する主要組織適合性複合体遺伝子中のDQ領域 によりコードされているタンパク質の対立遺伝子を意味する。DQ遺伝子座の3 つの対立遺伝子が存在することが現在知られている。これら3つの多形性対立遺 伝子の中で、 2番目のものが暫定的にDQw2と命名されている。 「アミノ酸配列(I)」なる語は、その配列が天然に存在するタンパク質由来 の配列に類似している配列アナログを意味する。該アミノ酸配列(I)は、長さ にして約8-24個のアミノ酸とすることができる。このアミノ酸配列の重要性 は、それが、体内で正常に見い出され、かつ、MHCによってTリンパ球に提示 されるアミノ酸配列のアナログであるという点にある。本発明の特有の目的では 、該アミノ酸配列は、MHCにより提示され、かつ、慢性関節リウマチに関連す るT細胞性炎症反応の原因である、慢性関節リウマチ患者における配列に類似し ている。 「アミノ酸配列II」なる語は、慢性関節リウマチ患者におけるTリンパ球に提 示され、かつ、慢性関節リウマチの炎症反応病徴の原因である、慢性関節リウマ チ患者においてTリンパ球に提示される天然に存在するペプチドである。DQw 2MHCハプロタイプを有する慢性関節リウマチ患者においては、アミノ酸配列 IIは、MHCによってTリンパ球に提示されるDQw2タンパク質配列の一部分 である。特異的なT細胞受容体再配列物、特にVα12.1再配列物を有するT リンパ球のクローン増殖が起こっている慢性関節リウマチ患者においては、アミ ノ酸配列IIは、MHC抗原、特にDQw2 MHC抗原によってTリンパ球に提 示される受容体配列の一部分である。 「アナログ」または「類似」とは、本発明の目的では、第2のアミノ酸配列に 類似するが、第1のアミノ酸配列の機能を変えるアミノ酸配列を意味する。例え ば、提示される抗原としてのDQw2変異体は、MHCに結合するであろうが、 T細胞受容体の結合を妨げるか、あるいは結合を妨げないものの、T細胞の活性 化に導く引き続いての過程を妨げることによって、真性のDQw2配列を認識す るTリンパ球の活性化を阻害するように配列を変化させたものである。このよう に、DQw2を外来性抗原として正常に認識するTリンパ球は、活性化ならびに それに続く増殖および細胞毒性効果が禁止される。 抗体の調製 可溶性のDQw2、抗原とのDQw2複合体、もしくは抗原提示細胞/MHC/ 抗原複合体の一部分としての抗原とのDQw2複合体に対して抗体を調製するこ とができる。別法として、DQw2ペプチドと該ペプチドを免疫原性とする試薬 との複合体に対して抗体を調製することができる。該DQw2対立遺伝子のアミ ノ酸配列は、当該分野で知られている(出典明示して本明細書の一部とみなす、 図3、ウー(Wu)ら、ヒューマン・イムノロジー(Human Immunol.)第27巻 :305−322頁(1990年)参照)。 抗体は、慣用技術、特に、例えば米国特許第4,690,893号;4,71 3,325号;4,714,681号;4,716,111号;および4,72 0,459号に記載されているごときモノクローナル抗体技術を用いて調製する ことができる。 特定のモノクローナル抗体または抗血清に結合するT細胞受容体の存在を同定 するには、多くの技術のいずれを用いることができる。検出用の広範な標識には 、粒子、酵素、発色団、蛍光団、化学ルミネセンス物等のごときものを用いるこ とができる。用いるいずれの特定の標識または技術は、本発明に重要ではなく、 いずれの慣用技術も用いることができる。該技術は、サンドイッチ法を含めた、 競合的または非競合的な方法論であってもよい。通常、慣用技術により該細胞は 溶解されて、無膜(membrane-free)タンパク質が得られる。細胞夾雑物を除去 し、タンパク質を抽出し、採取することもできる。別法として、完全な細胞を用 いて、蛍光活性化細胞ソーティング等により検出することができる。 治療の目的では、ヒト抗体を用いることに興味があろう。通常は、目的蛋白質 もしくはその断片でヒト宿主を免疫して、目的の配列につき特異的なT細胞を活 性化することは不可能ではなかろう。しかしながら、マウスもしくは他の下等哺 乳動物を免疫し、目的の領域に特異的な抗体の可変領域をコードする遺伝子を単 離し、適当なヒト定常領域につなげることにより操作し、所望により、該相補性 決定領域(complementarity determing region)を用いて、遺伝子工学によりヒ ト抗体の相補性決定領域を置換することができるという別の方法がある。次いで 、下等哺乳動物の可変領域もしくはCDRとヒトの定常領域とからなる得られた キメラ構築体を取り出して、微生物もしくは哺乳動物宿主の培養細胞、特に、リ ンパ球に移入し、ハイブリッド抗体を発現させることができる。ある種の例にお いては、トレランスが達成できるか、または、ある程度の免疫抑制を包含できる マ ウス抗体を用いれば満足できるであろう。 全抗体またはFab断片もしくはFv領域のみでさえ投与することができる。定 常領域の全体もしくは一部分を除去することにより、該免疫反応を軽減すること ができる。治療目的のためには、該抗体を慣用的な医薬上または薬理上許容され る(簡便には注射による)投与用のビヒクルで製剤化できる。ビヒクルは、脱イ オン水、生理食塩水、リン酸緩衝液セーライン、リンゲル(Ringer's)溶液、デ キストロース溶液、ハンクス(Hank's)溶液等を含有する。他の添加物としては 、等張性、緩衝性、保存性等を供する添加物が包含できる。該抗体は、ボーラス として、非経口的、典型的には静脈内的もしくは筋肉内的に、間隔を空けたもし くは連続した様式にて投与することができる。成人のヒトに対する典型的な用量 は、約1ng-100mg/kg体重の範囲であろう。好ましい用量範囲は、約1 0ng-約10mg/kgであって、最も好ましい用量範囲は100ng-1mg/ kgである。子供または他の動物種に対する用量は、相対体重に基づく成人のヒ トの用量から推定できる。 ペプチドの合成 ランダムなセットの重複するペプチドは、Vα12.1の可変ドメインから合 成する。DQw2ペプチドの合成に関しては、ランダムなセットの重複するペプ チドは以下の各ドメイン:α1、α2、β1およびβ2から合成する。DQw2 で示される今日まで未知のペプチドの配列を同定するために、クラスIペプチド の放出で用いる酸溶出法または他の変性測定法によるごとく、慢性関節リウマチ 患者のDQw2細胞からかかるペプチドを放出させることによってそれを同定す る。該ペプチドを高速液体クロマトグラフィーにより分離し、アミノ酸配列決定 用のミクロシークエンシングに付す。これらの方法は、当業者に知られている。 例えば、ラデンスキー(Rudensky)ら、ネイチャー(Nature)第353巻:62 2頁(1991年)参照。 合成すべき該ペプチド配列は、自己免疫疾患に関連する目的免疫原の配列の一 部である。本出願に関しては、該ペプチド配列は、Tリンパ球の活性化を誘導す るために主要組織適合性抗原によってTリンパ球に提示される配列である。主題 のペプチドよりなる該オリゴヌクレオチドは、より長い配列を用いることもでき るが、免疫原配列のいずれの部位からのものであってもよく、すなわち、N末端 もしくはC末端の隣接部または中央部であってもよく、ここに、該オリゴペプチ ド配列は通常は免疫原配列の約8-24個のアミノ酸に実質的に相同なものとな ろう。通常、天然の配列と使用されるオリゴペプチドとの間の相同性の相違は、 挿入、欠失または同類もしくは非同類置換であり得る3個以下の変異、通常は1 個以下の変異であろう。 本発明の組成物は、通常、主題のペプチドを含めた少なくとも1種の目的免疫 原配列を包含し、また、免疫原中に存在する提示アミノ酸配列数に依存して、免 疫原に存在する約8-24個のアミノ酸の配列を含有する2もしくはそれを超え るオリゴペプチド配列を包含する。従って、免疫原中に複数のこれら配列が存在 する場合、全てもしくは全てではないがそれより少ない該配列を単一の組成で使 用することができる。 主題の組成物の調製においては、患者の自己免疫に特有の病徴に関連する免疫 原を選択することとなろう。例えば、Vα12.1再配列およびクローン増殖( clonal expansion)を有する患者においては、このタンパク質生成物から該免疫 原が選択されるであろう。同様にして、DQw2陽性の慢性関節リウマチ患者に おいては、DQw2分子から該免疫原が選択されるであろう。また、特異的なT 細胞受容体再配列物を含むTリンパ球のクローン増殖を有するDQw2陽性の慢 性関節リウマチ患者においては、該免疫原は、該再配列物を含む該T細胞受容体 鎖であろう。また、目的免疫原は、これら2種類のタンパク質以外であるがVα 12.1陽性のTリンパ球もしくは他のリンパ球に対してDQw2のMHCもし くは他のMHCにより提示される、DQw2陽性またはVα12.1陽性の患者 中のペプチドであってもよい。 主題のオリゴペプチドは、それら自体または種々の添加物と組み合わせて、種 々の方法で投与することができる。水、アルコール、生理食塩水、リン酸緩衝液 セーライン、糖類、鉱油等の生理学上許容される種々の担体を使用することがで きる。また、他の添加物も、安定化剤、界面活性剤、賦香剤、増粘剤等として含 有させることができる。投与する有効成分量は、特定の組成、特定の宿主、投与 の回数および頻度、投与様式、年齢、健康状態等に依存して大きく変化するであ ろう。 DQw2、Vα12.1の配列に基づくペプチド、または、他のクローン増殖 したT細胞再配列物および慢性関節リウマチ患者でかかるクローン増殖T細胞を 誘起させる自己ペプチドは、良く知られている固相法(メリフィールド,アール ・ビー(Merrifield,R.B.)、フェド・プロク・ソク・エクスプ・バイオル( Fed.Proc.Am.Soc.Exp.Biol.)第21巻:412頁(1962年)および ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.So c.)第85巻:2149頁(1963年);ミッチェル,エイ・アール(Mitch el,A.R.)ら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー( J.Am.Chem.Soc.)第98巻:7357頁(1976年);タム,ジェイ(T am,J.)ら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J. Am.Chem.Soc.)第105巻:6442頁(1983年))を用いて合成でき る。別法として、かかるペプチドは、今や当該分野で良く知られている組換えD NA技術(マニアティス(Maniatis)ら、「モレキュラー・クローニング:研 究室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」コールド・ スプリング・ハーバー研究所(Cold Spring Harbor Laboratories)、ニュ ー・ヨーク(NewYork)(1982年)51-54頁および412-30頁参照 )により合成できる。例えば、これらのペプチドは、該免疫原(またはその断片 もしくはアナログ)をコードするDNA配列を発現ベクターに組み込み、所望の ペプチドを個々に、または、融合ペプチドもしくはタンパク質の一部として発現 するであろう適当な真核生物または原核生物宿主にかかるベクターを導入した後 の発現生成物として得ることができる。 ペプチド・アナログは、以下に開示する目的遺伝子によりコードされている既 知のアミノ酸配列を用いて、前記の合成もしくは組換え技術および、例えば、ア ドブ・エクスプ・メド・バイオル(Adv.Exp.Med.Biol.)第98巻:259- 281頁(1978年)に記載のエイラー,イー・エイチ(Eyler,E.H.)の 方法を用いて設計することができる。例えば、DQw2またはVα12.1のア ミノ酸配 列に基づく配列を有するペプチドは、前記の技術を用いて化学的に合成できる。 例えば、ハウエル,エム・ディ(Howell,M.D.)ら、サイエンス(Science) 第246巻:668頁(1989年)またはバンダーバーク,エイ・エイ(Vam derbark,A.A.)ら、ナヒレ(Nahire)第341巻:541頁(1989年) の実験プロトコルを用いて、哺乳動物に投与した場合の疾患抑制活性につき該ペ プチドを試験できる。 別法として、該ペプチドのアミノ酸変異物は、合成ペプチドをコードするDN A中の突然変異により調製することができる。かかる変異としては、例えば、該 アミノ酸配列内の残基の欠失または挿入および置換が含まれる。欠失、挿入およ び置換のいずれの組合せを作製しても最終構築物に到達できるが、該最終構築物 は所望の活性を有するものとする。 遺伝子レベルにおいては、これらの変異体は、通常、ペプチド分子をコードす るDNA中におけるヌクレオチドの部位特異的突然変異により当該変異体をコー ドするDNAを作製し、その後に組換え細胞培養において該DNAを発現させる ことによって調製する。典型的には、該変異体は非変異体ペプチドと同質の生物 学的活性を示す。 本発明のペプチド変異体の調製は、好ましくは、関連タンパク質もしくはペプ チドの既に調製した変異体もしくは非変異体バージョンをコードするDNAの部 位特異的突然変異により達成できる。部位特異的突然変異によって、所望の突然 変異DNA配列をコードする特定のオリゴヌクレオチド配列、ならびに、十分な 数の隣接スクレオチドを用いて横切るべき欠失結合部の両側に安定な二重鎖を形 成するのに十分な大きさおよび配列複雑性のプライマー配列を得ることにより、 ペプチド変異体を作成できる。部位特異的突然変異技術は、アデルマン(Adelm an)ら、ディー・エヌ・エイ(DNA)第2巻:183頁(1983年)に例示 されるよう、当該分野で良く知られている。部位特異的突然変異に有用な典型的 なベクターとしては、例えば、メッシング(Messing)ら、「巨大分子および組 換えDNAに関する第3回クリーブランド・シンポジウム(Third Cleaveland Symposium on Macromolecules and Recombinant DNA)」、ワルトン,エ イ(Walton, A.)編、エルセビア,アムステルダム(Elsevier,Amsterdam)(1981年 )に開示されているM13ファージのごときベクターを含む。これらのファージ は容易に購入でき、一般的にそれらの使用は当業者によく知られている。別法と して、一本鎖ファージの複製開始点を含有するプラスミドベクター(ベリア(V eria)ら、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Meth.Enzymol.)第153巻 :3頁(1987年))を用いて一本鎖DNAを得ることができる。 一般的に、本発明の部位特異的突然変異誘発は、最初に関連ペプチドをコード するDNA配列をその配列中に含む一本鎖ベクターを得ることによって行う。所 望の突然変異配列を有するオリゴヌクレオチド・プライマーは、例えば、クレア (Crea)ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ イエンシーズ・イン・ユーエスエイ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)第75 巻:5765頁(1978年)の方法により、一般に合成的に調製する。次いで 、このプライマーを、一本鎖のタンパク質配列を含有するベクターとアニールさ せ、イー・コリ(E.coli)のポリメラーゼI・クレノー断片のごときDNA-重 合酵素に付し、突然変異を含む鎖の合成を完了する。従って、突然変異配列およ び第2の鎖は所望の突然変異を有している。次いで、このヘテロ二本鎖ベクター を用いて適当な細胞を形質転換させ、突然変異配列の再配列を有する組換えベク ターを包含するクローンを選抜する。突然変異させたタンパク質領域を取り出し 、一般的には、適当な宿主の形質転換に用いられ得る型の発現ベクターである、 タンパク質産生用の適当なベクター中に入れることができる。 末端挿入の例としては、宿主細胞に対して異種もしくは同種を問わず、単一配 列を、該ペプチド分子のN-末端に融合させて、組換え宿主からの成熟ペプチド 分子の分泌を容易ならしめることを包含する。 もう1つの群の変異体は、ペプチド分子中の少なくとも1個、好ましくは1個 のみのアミノ酸残基が除去され、その部位に異なった残基が挿入されているもの である。ペプチド分子の特性を微妙に改変することが望まれる場合には、かかる 置換は、好ましくは、以下のリストにより行う。 上記リストの保存性が悪い置換を選択することにより、すなわち、(a)例え ば、ートもしくはヘリカル構造としての、置換領域のペプチド骨格構造;(b) 標的部位における該分子の電荷もしくは疎水性;または(c)側鎖の大きさ、を 維持することに対するこれらの効果が非常に異なった残基を選択することにより 、機能的または免疫原的な特性における実質的な変化を作製する。一般的に予想 される置換は、(a)グリシンおよび/またはプロリンを、他のアミノ酸で置換 するか、または、欠失させもしくは挿入する;(b)親水性残基、例えば、セリ ルもしくはスレオニルを(または、セリルもしくはスレオニルヘ)疎水性残基、 例えば、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルもしくはアラニル で置換する;(c)システイン残基を(または、システイン残基に)他のいずれ かの残基に(または、いずれかの残基を)置換する;(d)電気的に陽性の側鎖 を有する残基、例えば、リジル、アルギニルもしくはヒスチジルを(または、リ ジル、アルギニルもしくはヒスチジルに)、電気的に陰性の電荷を有する残基、 例えば、グルタミルもしくはアスパラチルに(または、グルタミルもしくはアス パラチルを)置換する;あるいは(e)バルキーな側鎖を有する残基、例えば、 フェニルアラニンを(または、フェニルアラニンに)、かかる側鎖を有しないも の、例えば、グリシンに(ま たは、グリシンを)置換することである。 ほとんどの欠失および挿入ならびに特に置換が該ペプチド分子の特性に作出す る基の変化は予想できない。しかしながら、置換、欠失もしくは挿入の正確な効 果を、それを行うに先立って予想することが困難な場合、当業者なら、ルーチン のスクリーニング・アッセイにより評価されるであろう効果を認識できよう。例 えば、典型的には、ペプチド分子をコードする核酸の部位特異的突然変異誘発、 組換え細胞培養における変異体核酸の発現、および、所望により、例えば、(少 なくとも1個のエピトープへの結合により該変異体を吸着させる)抗-ペプチド 抗体カラム上のイムノアフィニティー吸着による細胞からの精製により、変異型 を作製する。 実施例1 CD4+およびCD8+のサブセットにおけるVα12.1-特異的mAb 6 D6を用いて、2重染色法およびフローサイトメトリーにより、慢性関節リウマ チ患者のおけるTCR Vα12.1+T細胞の相対パーセンテージを測定する 第1群の患者(Vα12.1-正常)は、正常な対象において見い出されたもの と同等のパーセンテージのTCR Vα12.1+、CD8+T細胞を含有してい た(平均値3.6%、1.0%ないし7.0%の範囲)(図2)(デル、シモニ アン(Der Simonian)ら、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシ ン(J.Exp.Med.)第174巻:639頁(1991年))。しかしながら、第 2群の患者(Vα12.1-上昇)がCD8+団において非常に高いパーセンテー ジのVα12.1+T細胞(平均値22%、8.0%ないし43%の範囲)を有 するごとく、分布は双峰型二つは、であった。この群の患者は、7.5%を超え るVα12.1を有するCD8+T細胞(Vα-正常および健全な対照の平均値( 3.6%)からの2つの標準偏差(7.3%))を含有していた。このVα12. 1-上昇群における9人の患者は、各々、43%、28%、26%、22%、2 1%、20%、18%、12%、10%および8.5%のVα12.1を有する CD8+T細胞を含有していた。患者における高いパーセンテージのVα12. 1+T細胞は、1年または2年の期間にわたる試験が一定レベルを示したごとく 、比較的安定な現象であった。例えば、患者# 3(MG)におけるVα12.1パーセンテージは、26.5%(10/89) 、22.5%(5/91)および28.5%(6/91)であり、患者#4(AL )においては、26.5%(6/91)および19%(11/91)であった。慢 性関節リウマチにおけるVα12.1+T細胞増殖の基礎への洞察を得るため、陽 性と選択したCD8+T細胞からのVα12.1転写体をクローン化し配列決定し た。分析した3人の患者の各々において、機能的TCR a−鎖転写体に対応す る物を含有する異なった、繰り返しのVα12.1を同定した。例えば、43% のCD8+T細胞がVα12.1+であった患者1においては、分析した15個の 全てのDNAクローンが同一の配列を有していた。同様にして、16個中の9個 (56%)のVα12.1含有DNAクローンが、26%のCOB’T細胞がV α12.1+である患者#2において同一であった。28%のCD8+T細胞がV α12.1+である患者3においては、繰り返されている2個の異なった配列が同 定された。1個の配列は23個のDNAクローン中のうち16個(70%)にお いて示され、第2の繰り返し配列は23個のDNAクローン中のうち4個(17 %)において同定された。配列決定した残りの3個のクローンでは、一度だけ示 されていた。結合配列が異なるのに拘らず、これら2個のVα12.1コード配 列は同一のJαA6遺伝子セグメントを用いていた(図3)。さらに、インバー スPCR(inverse PCR)法,(iPCR)を用いた第2の独立した方法により、 CD4が欠損し、かつ、Vα12.1+と選択されたT細胞からの転写体を含有す るVαをクローン化し、配列決定した。これにより、Vα12.1+/CD8選択 性T細胞に存在する全てのTCR Vα転写体の増幅が可能となった。ダイレク トPCR(directPCR)法により予想されたごとく、患者1における9個のα -鎖DNAクローン中の9個は同一であったが、患者3からの27個のDNA中 の21個(78%)において見い出された繰り返し配列とは異なっていた。これ らの配列は、各々、ダイレクトPCR法により生成させた繰り返し配列と正確に 一致する。さらに、(ダイレクトPCR法により)患者3において認められたV α12.1の第2クローン集団からJαA6組換えも、独立して、iPCR法に より確認され(ウエマツ(Uematsu)ら、プロシーディングス・オブ・ナショナ ル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・イ ン・ユーエスエイ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)第88巻:8534頁(199 1年))、27個のDNAクローン中のうち5個(19%)が同一であることが 判明した。かくして、TCR Vα特異的PCR生成物を生成させる2つの独立 した方法により、各アプローチが有効であることが判明し、慢性関節リウマチに おけるVα12.1増殖のオリゴクローン性が確認される。 注目すべきは、分析した3人の患者における繰り返しVα12.1+T細胞再配 列のすべては、Jα遺伝子セグメントの3'末端の独特な配列を各々コードする JαA1(患者#1)、JαA12(患者#2)またはJαA6(患者#3)の いずれかを使用している。共有された残基(pro-tyr)のこの短いストレッチは 、第3相補性決定領域(CDR3)に(または、すぐ近隣に)寄与すると予想さ れ、従って、抗原もしくはMHC認識において役割を果しているかも知れない。 興味深いことには、80個の既知Jα遺伝子セグメントのうち6個だけがこの2 個のアミノ酸配列ストレッチをコードしている。これらの患者において見い出さ れた繰り返し配列の驚くべき出現は、同様に分析した正常の対象においては認め られず(データは示さず)、これは、患者の末梢血液におけるVα12.1+T細 胞の相当するクローン性を示唆した。慢性関節リウマチ患者におけるVα12. 1+/CD8+末梢T細胞の明らかなクローン性質の情報をさらに得るため、iP CRを用いてα-鎖転写体を分析し、Vα12.1+/CD8+T細胞と関連する全 てのVβを検討した(図3脚注参照)。Vα12.1+/CD8+T細胞中に存在す る全てのTCRVα転写体を増幅させた。患者1においては、18個のVβ含有 クローン中の18個が同一であった。同様にして、患者2においては、20個中 12個が同一であったが、これらは異なったVβセグメントであった。例えば、 各々、患者1はVβ5.1のDβ1.1/β2.7への再配列を用いた一方、患者2 ではVβBをDβ1.1/Jβ.2に再配列させていた(図3B)。患者3におけ る末梢CD8+T細胞上のVα12.1およびVβ8の細胞表面共発現(co-expre ssion)を確認するために、Vα12.1およびVβ8に特異的mAbである16 GBを用いて、CD4欠損PBLにつき2重染色を行った。ほとんど75%のV α12.1+T細胞が、Vβ8-特異的mAbで共染色された(図3C)ことによ り、分子クローニ ングによりその配列が判明している同一の遺伝子セグメントの機能的な共発現が 確認された。 IL-2R、HLA-DRおよびCD45ROを含む、幾つかの活性化マーカー の表面発現を、FACSにより分析した(図4)。全CD8+T細胞の染色プロ フィールと同様に、Vα12.1T細胞はほとんどのIL-2Rのβ鎖を発現して いた。新たに単離したVα12.1+Tリンパ球の少数のみが、「高アフィニティ ー」IL-2R ad-鎖を発現していた。また、Vα12.1+T細胞上のトランス フェリン受容体の発現も分析した。しかしながら、検出可能なレベルは見い出さ れなかった。CD45ROは、記憶表現型を示す大部分のVα12.1+T細胞上 に発現していた。少なくとも分析した3人の患者において循環するVα12.1+ 細胞の大部分は、急速に活性化されるものではなく、以前に剌激されていたかも 知れないことを、これらの結果は示唆した。この仮説のさらなる支持は、これら の細胞の分画が活性化途中であることを示す、HLA-1およびHLA-DRを発 現する実質的なVα12.1+T細胞(10%ないし30%)から生じている。 さらに、Vα12.1-上昇群に存在するMHC対立遺伝子を検査し、Vα12 .1を有するT細胞の増殖性を欠く慢性関節リウマチ患者の群と比較した(図5 )。Vα12.1-上昇およびVα12.1-正常の両群は、成人慢性関節リウマチ で予想されたごとく、HLA-DR1および-DR4対立遺伝子を発現していた。 しかしながら、慢性関節リウマチ患者のVα12.1-上昇群の中では、7人の患 者中の6人(86%)において見い出されたごとく、HLA DQw2の頻度が 上昇していた(図5)。一般的に、DR3-(DQA1/0501)およびDR7-( DQA1/0201)拡大ハプロタイプと連鎖するDQw2(DQB/0201) をコードする対立遺伝子の頻度は、(人種のバックグラウンドに依存するが)お よそ3人のうち1人であって、3人のVα12.1-正常群のうち1人未満がDQ w2陽性であった。しかしながら、正常慢性関節リウマチ患者を含め今まで同定 した全てのVα12-上昇患者を実験した場合に、患者におけるHLA-DQw2 と上昇したVα12.1+/CD8+T細胞との相関には高い有意性(p=0.00 1)があった。 Vα12.1遺伝子セグメント再配列物ないしpro-tvrジペプチドを含有するJ 11遺伝子によりコードされている、慢性関節リウマチ患者のT細胞クローン集 団の増殖につき、ここに証拠を提供する。これらの集団は、比較的多数の対象を 検定できる、mAb染色およびフローサイトメトリーの簡単なスクリーニング技 術を用いて容易に検出できた。見い出された該増殖は、6人の患者のうちおよそ 1人(19%)において存在し、(末梢血液)T細胞のCD811+集団におい てのみ存在していた。慢性関節リウマチの臨床的な診断は少なくとも幾つかの特 定の疾患を包含できると、広く仮定されている。従って、慢性関節リウマチ患者 のVα12.1-上昇群は、免疫原的な異常、Vα12.1を有するCDB T細 胞の増殖およびHLA DQw2ハプロタイプとの関連性の上昇により定義され るサブセットを示すことを、これは示唆している。この患者群は、しかしながら 、R3患者のVα12.1-正常群から、(ESR、PCVのごとき)それらの臨 床パラメーターにおいて、異なっていなかった。 慢性関節リウマチ患者のこのサブセットにおけるVα12.1+T細胞のクロー ン増殖の原因となる機構は判明していない。しかしながら、無関係な患者におけ る限定されたVα/Jαの使用、および、細胞によるCD45RO発現は、高特 異的抗原の増殖についての裏付けを提供する。限定されたVβ、vαおよびJα の使用の幾つかの例が報告され、チトクロームc(ウィノト(Winoto)ら、ネ イチャー(Nature)第324巻:679頁(1986年);ソージャー(Srog er)ら、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン(J.Exp.Med.) 第165巻:279頁(1987年));ラムダ(I)リプレッサーcIンパク 質8およびLCMV糖タンパク質のごときMHCバックグラウンドの組み立てに おける特異的な外来性抗原に反応するT細胞を特徴付けている。同様に制限され た生殖系列での使用が、MOPに反応するEAEのごとき自己免疫疾患動物モデ ルにおいて注目されている。顕著ないし持続性の反応は、結局は、選択された抗 原により活性化されたT細胞クローンの増殖につながり、それは循環する細胞の クローン集団として最終的には優勢となる可能性がある。特に患者のVα12. 1-上昇群におけるHLA DQw2の高頻度は、結果として、該過程におけるこ のクラスII分子を意味する。しかしながら、増殖したCDB’T細胞がMHCク ラスII(DQw2) 制限されるか、あるいは、MHCクラスI分子に関連して認識されるDQw2由 来ペプチド(または他のクラスIIペプチド)恐らくは反応するかは判明していな い。興味深いことには、COB’T細胞の増殖におけるHLA-00分子の役割 は、サルガメ(Salgame)ら、プロシーディング・オブ・ナショナル・アカデミ ー・オブ・サイエンシーズ・イン・ユーエスエイ(Proc.Natl.Acad.Sci.U SA)第88巻:2598頁(1991年)により異なった系で証明されたごと く、自己免疫調節またはイムノグロブリン産生において重要であろう。該Vα1 2.2+T細胞集団またはそれに反応する抗原が慢性関節リウマチの過程に非常に 重要であるか否かは、決定すべきまま残っている。しかしながら、慢性関節リウ マチに発病した患者群の末梢におけるCD8 T細胞の1/5ないし1/2近くに 見積もられる強烈なクローン増殖化のこの発見は、慢性関節リウマチの診断に非 常に適し、疾患過程の生理学への洞察を供する。 ここに一般的に記載した本発明は、当業者に明らかなよう意図されている、種 々の変形および使用を有する。 配列表 (1)一般情報: (i)出願人:ブレンナー,マイケル・ビィ(Brenner,Michael B.) ダーシモニアン,ハールート(Dersimonian, Harout) (ii)発明の名称:慢性関節リウマチの治療に有用な試薬 (iii)配列数:17 (iv)現住所: (A)住所:ステルン,ケスラー,ゴールドシュタイン・アンド・フォック ス (Stern,Kessler,Goldstein & Fox) (B)通り:エヌ・ダブリュ、コネチカット・アベニュー1225番 (1125 Connecticut Avenue,N.W.) (C)都市:ワシントン(Washington) (D)州:ワシントン・ディー・シー(D.C.) (E)国:合衆国(USA) (F)郵便番号:20036 (v)コンピューター判読形態: (A)媒体形態:フロッピー・ディスク (B)コンピューター:IBM・PC・コンパチブル(IBM PC Compa tible) (C)オペレーティング・システム:PC-DOS/MS-DOS (D)ソフトウェア:パテントイン・リリース(Patent In Release) #1.0、バージョン#1.25 (vi)最新出願人データ: (A)出願番号:米国特許出願07/943,418 (B)出願日:1992年9月14日 (C)分類: (viii)代理人/代理事務所情報: (A)氏名:ブラウン,アン・アール(Brown,Anne R.) (B)登録番号:P−36,463 (C)参照/ファイル番号:0627.3280000 (ix)電気通信情報: (A)電話番号:(202)466-0800 (B)ファックス番号:(202)833-8716 (C)テレックス番号:248636 SSK (2)配列番号:1に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:28塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:1: (2)配列番号:2に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:31塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:2: (2)配列番号:3に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:28塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:3: (2)配列番号:4に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:30塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:4: (2)配列番号:5に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:20アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:5: (2)配列番号:6に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:22アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:6: (2)配列番号:7に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:23アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:7: (2)配列番号:8に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:21アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:8: (2)配列番号:9に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:20アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:9: (2)配列番号:10に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:20アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:10: (2)配列番号:11に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:19アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:11: (2)配列番号:12に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:22アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:12: (2)配列番号:13に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:21アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:13: (2)配列番号:14に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:21アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:14: (2)配列番号:15に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:23アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:15: (2)配列番号:16に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:23アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:16: (2)配列番号:17に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:21アミノ酸残基 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:両形態 (xi)配列:配列番号:17:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 39/395 D 9284−4C C07K 7/08 16/28 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BG,BR,CA,CZ,FI, HU,JP,KR,MN,NO,NZ,PL,RU,S K

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.慢性関節リウマチ患者において、MHCタンパク質を有する抗原提示細胞 により、Tリンパ球に提示されるアミノ酸配列(II)に類似するアミノ酸配列( I)よりなり、ここに該アミノ酸配列(II)がDQw2由来であることを特徴と するペプチト。 2.慢性関節リウマチ患者において、MHCタンパク質を有する抗原提示細胞 により、Tリンパ球に提示されるアミノ酸配列(II)に類似するアミノ酸配列( I)よりなり、ここに該アミノ酸配列(II)がVアルファ12.1由来のもので、 ここに該患者がVアルファ12.1再配列物を有するT-細胞受容体を発現して いることを特徴とするペプチド。 3.該MHCタンパク質がMHC HLA DQw2である請求項1または2 に記載のペプチド。 4.抗原提示細胞上のMHC HLA DQw2によって、慢性関節リウマチ 患者においてイン・ビボ(in vivo)に提示され、且つ、Vα12.1 T細胞受 容体の再配列物を有するTリンパ球を剌激することを特徴とするペプチド配列。 5.T細胞の活性化を予防するのに十分な量の請求項1-4のいずれかに記載 のペプチドを投与することを特徴とする、MHC HLA DQw2対立遺伝子 を発現する慢性関節リウマチ患者におけるT細胞の活性化の予防する方法。 6.抗原提示を予防するのに十分な量の請求項1-4のいずれかに記載のペプ チドを投与することを特徴とする、MHC HLA DQw2対立遺伝子を発現 する慢性関節リウマチ患者における抗原提示を予防する方法。 7.抗原提示を予防するのに十分な量の請求項2もしくは4記載のペプチドを 投与することを特徴とする、Vアルファ12.1の再配列物を有するT細胞受容 体を発現する慢性関節リウマチを発病した患者において抗原提示を予防する方法 。 8.Tリンパ球と、DQw2を有する抗原提示細胞との相互作用を遮断するに 有効であり、かつ、MHC HLA DQw2タンパク質に対する抗体を投与す ることを特徴とする、MHC HLA DQw2対立遺伝子を発現する慢性関節 リウ マチを発病した患者における抗原提示を予防する方法。 9.Tリンパ球と、DQw2を有する抗原提示細胞との相互作用によるTリン パ球の活性化を予防するのに有効であり、かつ、MHC HLA DQw2タン パク質に対する抗体を投与することを特徴とする、MHC HLA DQw2対 立遺伝子を発現する慢性関節リウマチを発病した患者において抗原によるTリン パ球の活性化を予防する方法。 10.Tリンパ球とDQw2を有する抗原提示細胞との相互作用による持続性T リンパ球活性によって引き起こされる慢性炎症を予防するのに効果的であるMH C HLA DQw2タンパク質を投与することを特徴とする、慢性関節リウマ チに罹ったMHC HLA DQw2対立遺伝子を発現する患者において、DQ w2を有する抗原提示細胞によるTリンパ球の持続性活性化に由来する慢性炎症 反応を予防または緩和する方法。 11.該抗体がモノクローナル抗体である請求項8、9または10のいずれか1 つに記載の方法。 12.該Tリンパ球が可変アルファ鎖再配列物であるVアルファ12.1タンパ ク質を発現する請求項8、9または10のいずれか1つに記載の方法。 13.該抗原提示細胞が、マクロファージ、単球、樹状細胞、ランゲルハンス細 胞およびB細胞よりなる群から選択される請求項8、9または10のいずれか1 つに記載の方法。 14.該抗原が自己抗原である請求項8、9または10のいずれか1つに記載の 方法。 15.該自己抗原が、DQw2およびVアルファ12.1よりなる群から選択さ れる請求項14記載の方法。
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