JPH0840416A - アスパラガス等の長尺青果物結束時における根元側端面を揃えて送り出す方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アスパラガス等の長尺青果物につき、その根
元側端面を揃えた状態で所望量だけ結束するため、所定
箇所までの長尺青果物搬送工程を簡易迅速化し、かつ、
自動化を安価に実現可能とする。 【構成】 予め同一長さにカットした長尺青果物６‥‥
‥は、根元側端面６ａを下向きとして、前後に往復揺動
する傾倒筒体１２内に長手方向へ指向して投入され、上
記の揺動により根元側端面６ａをシャッター１６上に載
置して引き揃えの状態とする。次にシャッター１６を開
動し、傾倒筒体１２内の長尺青果物６‥‥‥を受け皿７
上まで落動し、この状態で受け皿７を下降してこの長尺
青果物６は、結束工程機構におけるハンドアーム１９等
との連装箇所まで搬送される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アスパラガスや長葱の
ような長尺青果物を自動結束するに際し、当該長尺青果
物の根元側端面を揃えた状態として、次工程へ送り出す
ための方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、アスパラガス等の長尺青果物
を、その産地から市場へ出荷するに当たっては、これを
集荷場に集めた後、選別し、さらに同長となるようカッ
トするなど、所定の前処理工程を施したならば、当該長
尺青果物を一定量毎に結束し、これを所定の箱体（段ボ
ール箱）に定量だけ詰めて出荷する方式が採られてい
る。

【０００３】この場合、アスパラガス等は、同一長さに
カットされたものを一定量単位で、その根元側端面が揃
えられて自動結束機の結束工程機構へ搬送されることで
結束するようにしている。

【０００４】従来、長尺青果物の自動結束機としては、
各種構造のものが知られているが、前記結束工程機構投
入口に対し、ベルトコンベア等により、その搬送方向に
対して当該長尺青果物が直交状となるよう横向きに配装
し、この状態にて長尺青果物を投入するようにしたもの
が多い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の如き投
入方式にあっては、作業者が長尺青果物の根元側端面を
揃えた上で、同上投入口へ供与しなければならないの
で、手間がかかって結束、出荷に要する費用がかさみ、
また、長尺青果物の自動結束機に対する自動投入機構も
複雑な構造となり、従って、その製造コストも高価につ
くこととなる。

【０００６】本発明は、上記従来技術の有するこのよう
な問題点に鑑み、予め同一長さにカットされた長尺青果
物を、その根元側を下向きとして縦方向にて傾倒筒体内
に投入し、この投入された長尺青果物に振動を与えて当
該各長尺青果物の根元側端面を揃え、この状態で、シャ
ッターの開動を行うことで受け皿上に落動させ、当該受
け皿の下降により、当該長尺青果物を所定位置まで降下
搬送することによって、作業者やベルトコンベア等によ
って、端面を他律的に揃えることなしに、長尺青果物を
前記の投入口へ供与でき、かつ自動結束機の自動投入ラ
インに対する連装も簡易になし得るようにするのが、そ
の目的である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、予め同一長さにカットされた長尺青果物
を、その根元側を下にして縦方向にて傾倒筒体内に投入
し、この傾倒筒体により、投入した長尺青果物に振動を
与えて、当該各長尺青果物の根元側端面を当該筒体下部
のシャッター上に当接させることで揃えるようにし、所
望時間後、上記のシャッターを開動して、定量の上記長
尺青果物をシャッター下部の昇降動自在な受け皿上に落
動載置し、この状態で当該長尺青果物を次工程のための
所定位置まで下降搬送するようにしたことを特徴とする
アスパラガス等の長尺青果物結束時における根元側端面
を揃えて送り出す方法を提供しようとしている。

【０００８】

【作用】所望角度で傾斜立設されている縦長の傾倒筒体
内に、その下端開口部をシャッターにて閉じた状態で、
予め同一長さにカットされている長尺青果物を、その根
元側端面を下向きとして縦方向に投入する。

【０００９】上記傾倒筒体に対し、長尺青果物は作業
者、またはベルトコンベア等によって投入されるが、ベ
ルトコンベアによるときは、長尺青果物の長手方向へ搬
送し、かつ、この際根元側端面が前向きなるようにす
る。

【００１０】同上傾倒筒体内に、所定量の長尺青果物を
投入した後は、当該傾倒筒体の揺動により、長尺青果物
に振動が与えられ、これによって、当該長尺青果物は縦
向きで平行に揃えられると共に、根元側端面はシャッタ
ー上面によって同一平面上に揃えられる。

【００１１】シャッターの開動により、当該シャッター
の下部に上昇待機されている受け皿上に、上記定量の長
尺青果物が落動し、落動時に不揃えとなったものは、当
該受け皿上面にて再度揃えられる。次に受け皿の下降に
より、当該定量の長尺青果物は所定位置まで降下搬送さ
れる。従って、受け皿の上昇限および下降限の間に自動
結束機における長尺青果物受け取り用のハンドアーム等
が挿入されるようにすれば、根元側端面を揃えた定量の
長尺青果物を、当該ハンドアーム等によって、自動結束
機の結束工程機構へと搬送することが可能となる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明に係る方法の実施例につき図１
ないし図３に示した装置を用いる場合につき以下説明す
る。同上図中、１は縦長の揺動枠で、その下端はフレー
ム２に固定された側面略Ｖ字形状とした板バネ３に対し
て、ゴム等の弾性体４を介して固設され、このことで、
図１、図２に矢印ａ、ａ′で示した前後方向へ揺動可能
にして、かつ上端後方から下端前方へ任意の角度で下降
するように、傾斜立設されている。

【００１３】上記揺動枠１の上部背面側（図１において
左側）にはシリンダ５が上下方向へ長く添装固定され、
その下向きに突設されたシリンダ軸５ａには、長尺青果
物６‥‥‥の受け皿７が、当該シリンダ軸５ａと直交状
に固定され、その先端部分７ａは、前方（図１〜図３に
おいて右方側）へ延出されている。

【００１４】フレーム２にあって、上記したシリンダ５
の背部側には、正面略小判形状等としたカム状のローラ
８が、モータ９により回転自在に軸支され、当該ローラ
８に、上記した揺動枠１の背部に固設のローラ受け１０
が突き合わせてある。このことによって、上記ローラ８
が回転して上記ローラ受け１０を叩くことにより、当該
ローラ８が、その二軸方向の直径差分だけ、揺動枠１を
図１、図２に矢印ａ、ａ′にて示されている前後方向へ
揺動することとなる。

【００１５】上記揺動枠１の前面側にあって、その上部
には、連結金具１１を介して縦長の傾倒筒体１２が固定
され、当該傾倒筒体１２の下方部には、長尺青果物６‥
‥‥の受け部材１３が連結金具１４を介して固定してあ
る。上記の傾倒筒体１２、受け部材１３、受け皿７の先
端部分７ａは、同一軸線上にあって上記揺動枠１に併設
されている。

【００１６】上記傾倒筒体１２は、略樋形状とした二つ
の部材１２ａ、１２ｂを、対向して摺動自在なるよう嵌
合させることで、上端に広い投入口１２ｃを、下端に小
さい開口部１２ｄを夫々形成したもので、部材１２ａの
方は上記揺動枠１に、他部材１２ｂは上記フレーム２に
取付金具１５を介して各々固定してあり、これによっ
て、揺動枠１の揺動により、部材１２ａが部材１２ｂに
対して前後方向へ摺動することになる。

【００１７】上記受け部材１３は、傾倒筒体１２の下端
開口部１２ｄの大きさに対応して横断面略半円筒に前方
を開口部１３ａとし、かつ短尺に形成されている。一
方、上記受け皿７の先端部分７ａは、上記受け部材１３
に対応して平面略半円形で、かつ、前方を開口部７ｂと
した凹部７ｃに形成されている。

【００１８】また、上記傾倒筒体１２の下端と、上記受
け部材１３の上端との間には、シャッター１６が、前後
方向の摺動によって傾倒筒体１２の下端における開口部
１２ｄを開閉動可能となるよう配設され、当該シャッタ
ー１６には、上記揺動枠１に固設したシリンダ１７のロ
ッド１７ａが固定されることで、当該シリンダ１７によ
り開閉動自在である。

【００１９】図１において、Ｓ₁ は傾倒筒体１２の下部
に配設した透過型の光センサー、Ｓ₂ はシリンダ１７に
配設したシャッター閉じセンサー、Ｓ₃ は受け部材１３
に配設した透過型の光センサー、Ｓ₄ 、Ｓ₅ はシリンダ
ー５の上部と下部とに配設した受け皿上昇センサーと受
け皿下降センサーを各々示している。

【００２０】尚、図３は自動結束機Ａの長尺青果物投入
ラインに、上記の装置を連装した状態を示しており、同
図において、１８は長尺青果物６‥‥‥の搬送コンベ
ア、１９は定量の長尺青果物を掴持して、結束工程機構
２０へ搬送するためのハンドアーム、２１は長尺青果物
６‥‥‥が既述傾倒筒体１２内に確実に投入されるよ
う、当該傾倒筒体１２の上端に固設した案内カバーを各
々示している。

【００２１】上記の装置により、本発明を実施しようと
するときは、予め選別され、同一長さにカットされた長
尺青果物６‥‥‥が、その根元側端面６ａを先行させる
ようにして、図３の如く搬送コンベア１８によって、長
手方向へ搬送され、その下流端から当該長尺青果物６‥
‥‥が傾倒筒体１２に投入される。

【００２２】傾倒筒体１２内に長尺青果物６‥‥‥が投
入されるときは、図１に実線で示した如く、シャッター
１６は閉動させておき、受け皿７は前記の上昇位置に保
持しておく。従って、長尺青果物６‥‥‥は、その根元
側端面６ａがシャッター１６上面に指向することで傾倒
筒体１２内に一時傾倒状態となって保持されるようにな
るが、ここで、前記カム状のローラ８によって傾倒筒体
１２内が前後に揺動され、このことで、傾倒筒体１２内
の長尺青果物６‥‥‥に振動が与えられる結果、傾倒筒
体１２内における定量の長尺青果物６‥‥‥は、その根
元側端面６ａが同一平面上に揃えられると共に、長さ方
向に引き揃への状態となる。

【００２３】傾倒筒体１２内に長尺青果物６‥‥‥が投
入されて所定時間後に、光りセンサーＳ₁ が一定の投入
量であることを検知すると、この検知信号によりシリン
ダ１７が作動し、シャッター１６を開動する。この際、
図示の装置例では傾倒筒体１２の部材１２ａが左右動す
ることと、光りセンサーＳ₁ への入光が、長尺青果物６
‥‥‥によって遮蔽されるに至ることで、その定量が規
制されることになる。これによって、傾倒筒体１２内の
定量である長尺青果物６‥‥‥は、上昇位置にある受け
皿７における凹部７ｃに落動し、当該長尺青果物６‥‥
‥は、傾倒筒体１２の下部と受け部材１３および受け皿
７上に一旦保持される。

【００２４】次いで、受け部材１３に配設の光りセンサ
ーＳ₃ により、受け皿７上にあって、定量の長尺青果物
６‥‥‥が供給されたことの検知がなされると、この検
知信号が受け皿下降センサーＳ₅ に送信されることでシ
リンダ５が作動し、受け皿７を所定位置まで下降させて
停止する。

【００２５】受け皿７の下降位置では、その凹部７ｃの
底面によって、定量の長尺青果物６における根元側端面
６ａが揃えられている状態で、当該長尺青果物６は受け
皿７と受け部材１３とによって、下端部と上端部が夫々
支持されていることとなる。この際、もちろん当該長尺
青果物６が受け皿７だけに支持されて下降可能であれ
ば、受け部材１３を設けなくとも、本発明の方法は実施
可能である。

【００２６】従って、受け皿７の上昇限と下降限との間
にあって、前記ハンドアーム１９が出入りするように、
当該装置を自動結束機Ａに連装しておくことで、根元側
端面６ａ‥‥‥を揃えた長尺青果物６を、上記ハンドア
ーム１９により掴持して、図３に示した結束工程機構２
０へ搬送することができる。このようにして長尺青果物
６が搬送され、受け部材１３内が空になると、これを光
りセンサーＳ₃ が検知して、検知信号が受け皿上昇セン
サーＳ₄ に送信されるので、シリンダ５が上述とは反対
方向に作動して、受け皿７を上昇させ、その位置に停止
保持することで次回の長尺青果物揃えと、その搬送に備
えることになる。

【００２７】

【発明の効果】本発明は、以上説明したようにして実施
されるものであるから、作業者は、長尺青果物の根元側
端面を揃えることに留意することなく、根元側を下にし
て縦方向に無造作に投入できることから、当該投入作業
を簡易化できると共に、既存のベルトコンベア等による
自動投入ラインの連装により、本発明の目的を達するこ
とができる。

【００２８】さらに、根元側を下向きとして縦方向に投
入し、その根元側端面を揃え、その状態のままで下降し
て所定位置まで搬送するので、例えばアスパラガス等に
あっては、先端の軟かい部分を傷つけることなしに、端
面の揃えおよび搬送を行うことができる上、当該方法を
実施するための装置も構造的に簡潔にして、安価に提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るアスパラガス等の長尺青果物結束
時における根元側端面を揃えて送り出す方法を実施する
のに用い得る一装置例の使用状態縦断側面図である。

【図２】同上装置における揺動枠揺動機構を示す側面図
である。

【図３】同上装置を自動結束機に連装した状態を示す側
面図である。

【符号の説明】

６ 長尺青果物 ６ａ 長尺青果物の根元側端面 ７ 受け皿 １２ 傾倒筒体 １６ シャッター

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 予め同一長さにカットされた長尺青果物
   を、その根元側を下にして縦方向にて傾倒筒体内に投入
   し、この傾倒筒体により、投入した長尺青果物に振動を
   与えて、当該各長尺青果物の根元側端面を当該筒体下部
   のシャッター上に当接させることで揃えるようにし、所
   望時間後、上記のシャッターを開動して、定量の上記長
   尺青果物をシャッター下部の昇降動自在な受け皿上に落
   動載置し、この状態で当該長尺青果物を次工程のための
   所定位置まで下降搬送するようにしたことを特徴とする
   アスパラガス等の長尺青果物結束時における根元側端面
   を揃えて送り出す方法。