JPH0836154A - 三次元画像表示装置、画像偏向装置、および画像偏向方向の制御方法 - Google Patents

三次元画像表示装置、画像偏向装置、および画像偏向方向の制御方法

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JPH0836154A
JPH0836154A JP6169396A JP16939694A JPH0836154A JP H0836154 A JPH0836154 A JP H0836154A JP 6169396 A JP6169396 A JP 6169396A JP 16939694 A JP16939694 A JP 16939694A JP H0836154 A JPH0836154 A JP H0836154A
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昭文 荻原
Yukio Tanaka
幸生 田中
Koji Akiyama
浩二 秋山
Kuni Ogawa
久仁 小川
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 眼鏡を用いることなく、かつ広い視野角で明
るい大画面な立体画像を自然に観察できる三次元画像表
示装置の提供すること。 【構成】 三次元画像表示装置は、画像表示装置106
で順次時分割表示した複数の画像を空間光変調素子10
4により画像の強度変調を行い、画像偏向装置108に
よって複数の方向に偏向し、三次元画像の表示を行う。
画像表示装置106で表示する画像は、予め順次時分割
され、画像偏向装置108によって表示と同期して複数
の方向に偏向できるため、装置構成が簡単化でき、リア
ルタイムでの表示が可能となる。また、空間光変調素子
104で画像強度の増幅が可能なため、明るい大画面の
自然な立体画像を眼鏡等を用いることなく広い視野角で
表示できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立体画像を映し出す三
次元画像表示装置、画像偏向装置、および画像偏向方向
の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】立体画像を映し出す三次元画像表示装置
としては、従来より2色または互いに直交する偏光特性
を持つ眼鏡を用いるものが知られている。これらの方式
のものは、眼鏡の左右眼部の光学的特性の違いを利用し
て、観察者の左右の目にそれぞれ別々の画像を認識さ
せ、両眼視差と呼ばれる、人間の脳の生理的機能により
立体感を感じさせるものである。
【0003】また、最近眼鏡等を必要としない方式も提
案されてきた。その代表的なものとしては、例えばレン
ティキュラレンズシートにより、両眼の水平方向の間隔
による結像位置のずれを利用して、左右の目に別々の画
像を見せ、立体視を行うものである。この方式の表示画
像の撮像方法としては、三次元物体を2台以上の撮像装
置を用いて多方向から同時に撮像を行っている。
【0004】上述したもの以外の方式としては、例えば
レーザ光を用いて物体の反射光と参照光との干渉縞を記
録し、この干渉縞からの回折で三次元波面を再生するホ
ログラフィ技術を用いた立体表示の方式がある。この方
式によれば、元の物体と全く同様の立体画像を再生する
ことが可能である。
【0005】図12、図13にホログラフィ技術の中の
ホログラフィックステレオグラムと呼ばれる方式の一例
を示す。この方式は観察位置が少しずつ異なる多数枚の
普通の写真を撮り、この写真列を基にして一枚のホログ
ラムを合成するものである。作製方法としては、まず図
12(a)に示すように立体表示したい三次元物体12
01の平面写真列をカメラ1202によって次々と狭い
間隔で撮っていき原画1207を作製する。
【0006】次にこの原画1207の一コマを図12
(b)に示す光学系で拡散透過スクリーン1205上に
一コマ、一コマ投影し、それを順次ホログラムプレート
1203に記録する。このとき、記録材料の直前に垂直
方向に細長いスリット1204をかけ、それぞれの原画
1207を作った時の視点位置に対応するホログラムプ
レート1203の部分だけ露光するようにスリット12
04の位置を順次移動して各要素ホログラムを記録す
る。
【0007】このようにして作られたホログラムを人が
両目で観察する場合、まず観察者がホログラムに顔をく
っつけて再生像を観察する場合は図13(a)に示すよ
うに左右それぞれの眼で観察される像は拡散透過スクリ
ーン1205の位置に表示される平面画像であるが、左
右で視差のある画像を見ることになる。その結果ステレ
オ写真の原理で両眼視差の効果が働き、観察者にはスク
リーン位置の前後に膨らんだ立体像として見える。
【0008】次にホログラム面から離れて再生像を観察
する場合は、図13(b)に示すように、左右それぞれ
の眼で観察される像は、一つの要素ホログラムからの再
生像ではなく、いくつかの要素ホログラムから再生され
る像を部分的に接続して見ることになる。それぞれの要
素ホログラムからの再生像のどの部分が観察されるか
は、観察者の眼の位置によって決まり実物体をその位置
に眼をおいて観察されるであろう像と同じ像がこのホロ
グラムを通して観察されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
従来の構成では、眼鏡等を使用して立体視を行う場合、
特別な眼鏡を使用しなければならないため煩わしいとい
う課題がある。また、レンティキュラレンズシートを用
いた方式では、眼鏡を用いなくても良いものの、立体画
像を見ることができる視野角は、レンティキュラレンズ
のピッチで制限される課題がある。但し、この視野角
は、レンティキュラレンズのピッチを小さくすることに
より原理的に広げることが可能であるが、同時に画像表
示部分の分解能も向上する必要が生じる。
【0010】現在、画像表示に用いられているCRTや
液晶パネルは、分解能を上げると表示する画像の輝度が
低下してしまい画質を劣化させてしまう問題が生じる。
更には、レンティキュラレンズシートと画像表示面との
位置合わせが困難であるという問題もあり、通常得るこ
とができる視野角は、僅か5度程度と小さいという課題
がある。
【0011】また、レンティキュラレンズシートを通し
て観察する場合、観察位置によって右目と左目にそれぞ
れにはいる画像が逆転する領域が存在し、この領域に観
察者がいる場合には、物体の凹凸が逆になるという不自
然な逆視像を認識してしまう問題もある。
【0012】レーザホログラフィ技術を用いた方式で
は、記録時にレーザ光のようなコヒーレントな光源を照
明光として用い、被写体からのレーザの反射光によって
記録を行う。このため、低反射率のものの記録が困難で
あり、記録できる被写体が限られる欠点がある。
【0013】ホログラフィックステレオグラム方式によ
れば、太陽光や蛍光灯のような通常照明の基で撮像を行
うことができるため、被写体に対する制限は受けない。
しかしながら、被写体の撮像記録とホログラムの作製と
いう2つの行程を経なければならず処理が煩雑になる。
このため、三次元像の再生までに多大な時間を要し、実
時間での記録再生が困難であるという問題は他のホログ
ラフィ方式と同様である。
【0014】本発明の目的は、被写体や被写体を照らす
光源に制約を持たず、眼鏡を用いること無く、かつ広い
視野角で、明るい大画面での自然な立体画像を実時間で
観察することができる三次元画像表示装置、画像偏向装
置、および画像偏向方向の制御方法を提供することであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、本発明に係る三次元画像表示装置は、複数の
画像を時分割表示する手段と、前記画像を強度変調する
手段と前記強度変調された画像を複数の方向に偏向する
手段とを具備するように構成されている。
【0016】また、上記構成において、複数の画像を時
分割表示する手段の表示は、1/60秒以下の表示速度
で行われることが好ましい。また、画像を強度変調する
光変調手段の強度変調は、強誘電性液晶と光導電層を有
する光書き込み型の空間光変調素子によって行われるこ
とが好ましい。また、空間光変調素子の光導電層は、量
子効率が概ね1の光電流を流すもので有ることが好まし
い。また、空間光変調素子は、書き込まれた微弱な強度
の画像を高輝度な画像に変換する画像強度増幅作用を有
することが好ましい。
【0017】本発明に係る画像偏向装置は、光の透過媒
体を封入したプリズム状のセルを2つ組み合わせ、前記
2つのプリズム状のセルに周波数の異なった信号電圧を
印加し、セルに封入された光の透過媒体の屈折率をそれ
ぞれ変化することによって画像の偏向を行うように構成
されている。
【0018】上記構成において、平面構造を有する小片
のセルに光の透過媒体を封入し、前記セルを複数組み合
わせ、プリズム状のセルを構成し、前記プリズム状のセ
ルに周波数、位相、または、振幅の異なった信号電圧を
印加し、セルに封入された光の透過媒体の屈折率をそれ
ぞれ変化することによって画像の偏向を行うことが好ま
しい。
【0019】本発明に係る他の画像偏向装置は、平面構
造を有するセルに複数の分割した透明画素電極を形成
し、前記セルに光の透過媒体を封入し、前記セルの透明
電極の各画素に印加する信号電圧波形を変化することに
よって得られた光の透過媒体の屈折率分布によって画像
の偏向を行うように構成されている。また、上記画像偏
向装置の構成において、光の透過媒体に液晶を含むこと
が好ましい。
【0020】本発明に係る画像偏向方向の制御方法は、
偏向された複数の画像を表示するスクリーンの透過特性
が前記スクリーンの散乱特性よりも大きくなるように構
成されている。
【0021】本発明に係る他の画像偏向方向の制御方法
は、偏向された複数の画像の数がNであるとき、この偏
向された画像の重複の割合によって分類された領域が最
大で(2Nー1)となるように画像の偏向方向が設定さ
れている。
【0022】上記制御方法においては、重複された画像
の数が最大でNである領域を含むことが望ましい。ま
た、偏向されたN個の画像の重複度の割合により分類さ
れた領域が、それぞれ概ね等しい面積を有していること
が好ましい。また、複数の画像を偏向する方向が前記複
数の画像を各々撮像した方向であることが好ましい。
【0023】
【作用】本発明における三次元画像表示装置は、画像偏
向装置および画像偏向方向制御方法により、画像表示装
置に表示された画像を任意の方向に偏向できる機能を有
している。このような構成のため、人間の目による残像
効果の作用により観察者は複数の画像を同時に認識す
る。そのため、両眼視差の作用が働き、立体像を知覚す
ることができる。すなわち、例えば観察者が左右に位置
を移動した場合は、移動に対応した画像が認識されるた
め、運動視差の効果が生じる。
【0024】また、複数の画像をそれぞれ異なった方向
に偏向して表示することは、空間的な表示領域を拡大す
ることになり、画枠が観察者の中心視に入ることが少な
くなる。その結果、観察者は表示面までの距離や位置を
感じ難くなる。
【0025】このため、空間スクリーン的な効果が生
じ、表示されている画像が、二次元画像であるとの意識
が弱められ、表示空間に奥行き方向の広がりを感じるこ
とができるようになる。
【0026】さらに、時分割表示する画像の数を増すと
共に、画像の偏向方向も細分化することにより、これら
の効果をより高めることができる。すなわち、多角形の
辺の数を増していくと、多角形が次第に滑らかな円に近
づいて見えるように、表示される画像の数を増やすにつ
れ、観察者が観察する像は不連続な個々の平面画像では
なく、いくつかの画像が連続的に結合されて作り出され
る滑らかな曲面を持った、より自然な立体像となる。
【0027】また、本発明の三次元画像表示装置は、時
分割表示された画像を強度変調する手段を有しているた
め、明るい大画面での表示を行うことができる。
【0028】上述のように、本発明の三次元画像表示装
置は、立体視の要因としての両眼視差、運動視差、空間
スクリーン効果、三次元的波面再生効果の4つの要因を
同時に満足している。従って、これらのうちのただ一つ
の立体視の要因に頼っていた従来の眼鏡方式やレンティ
キュラレンズシート方式に比べて、本当の被写体を観察
しているようなより自然な三次元画像を知覚でき、さら
に、明るい大画面での三次元画像として実時間での観察
が可能である。
【0029】また、本発明の画像偏向装置は、光の透過
媒体を封入したセルに周波数、振幅または位相の異なっ
た信号電圧波形を印加するため、入力光である画像を所
望する任意の方向に偏向する。
【0030】また、本発明の画像偏向方向の制御方法
は、透過特性が大きいスクリーンを使用し、偏向される
画像の重複の割合によって分類された領域が最大となる
ように偏向方向を決定するため、ホログラフィ技術と同
様な三次元波面の再生を有効に行う。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。図1に本発明の三次元画像表示装置
の一実施例を示す。図1では、例えば従来のCRTや液
晶テレビのように二次元画像を表示する画像表示装置1
06によって時分割表示された画像を表示する。画像表
示装置106に表示される画像は、例えば、三次元物体
を撮像装置によって多方向から撮像された画像が用いら
れる。書き込みレンズ105によって空間光変調素子1
04の一方の面に結像する。空間光変調素子104は、
光書き込み側と読みだし側が分離されて構成されてい
る。また、書き込まれた画像を強度変調して読みだし側
に転送する機能を有している。
【0032】光源101からの光をコンデンサレンズ1
02によって集光し、ビームスプリッタ103を通して
空間光変調素子104の片方の面に照射する。これから
の反射光を再びビームスプリッタ103によって反射さ
せ投写レンズ107を通して画像偏向装置108へと投
射する。
【0033】空間光変調素子104は、光書き込み層と
光読みだし層を分離して構成されている。いま、画像表
示装置106に高精細な表示素子を用い、光源101に
高輝度なものを使用すれば、空間光変調素子104を通
して画像偏向装置108に投射された画像は、高精細且
つ高輝度な画像が得られていることになる。このように
空間光変調素子104を画像の強度変調手段に用いるこ
とによって、従来困難とされてきた高精細化と高輝度化
を両立することが可能になる。このため、例えば投射レ
ンズ107によって拡大して投射された画像に対しても
画質の劣化は生じず、鮮明な画像を実現することができ
る。
【0034】次に、画像偏向装置108は、投射された
画像を任意の方向に偏向できる機能を持つものである。
いま仮に、ある三次元の被写体を撮像装置によって、4
つの方向から撮像する。これらの画像を画像表示装置1
06上に順次時分割表示し、これによる時分割表示され
た画像が画像偏向装置108上に投射されているとす
る。散乱透過スクリーン109の後方からこの状態を観
察した場合、観察者は、両目で順次時分割表示された画
像を見ることになり、人間の持つ残像効果により被写体
が回転しているような二次元画像を知覚するだけで三次
元画像は知覚できない。
【0035】次に、図2に示すように、画像表示装置1
06に時分割表示された画像に対して、画像偏向装置1
08を用いて、その画像が撮像された方向に合わせて偏
向し表示した場合について説明する。この図はスクリー
ン後方において、偏向された各画像に対する視域の範囲
をモデル化して示したものである。図中の記号1〜4は
被写体が撮像された4つの方向に対応して表示された出
力像の方向を示している。
【0036】視域としてはスクリーン後方において、各
偏向された画像の全領域が観察される範囲とし、ひし形
と仮定して、4つの領域を設けた。視域としてひし形の
領域を仮定したのは、各画像が偏向された方向に対して
スクリーンからある程度離れた位置において画像全体が
認識され始め、この位置より後方にいくにつれて画像が
認識される範囲が左右に広がって行く。また、ある程度
遠ざかった場合は、画像の強度が次第に低下するため、
逆に左右の範囲が狭まって収束していくものと考えられ
るからである。
【0037】記号a〜gは各画像の視域の重複の割合に
よって分類されたそれぞれの領域を示している。aの領
域では出力像1の画像のみが観察され、bの領域では出
力像1と出力像2の視域が重複しているため、出力像1
と出力像2の両方が観察者には認識される。また、dの
領域では出力像1〜出力像4までの画像が重複して認識
されることになる。図2のようなモデルにおいて三次元
画像がどのように認識されるかを以下に説明する。
【0038】図2において、観察者がスクリーンに顔を
近づけて観察した場合、スクリーン近傍においては偏向
された各画像は重複しておらず互いに独立しているため
左右の目はそれぞれ視差を持った別々の画像を観察する
ことになり、両眼視差の効果により立体像を知覚するこ
とができる。また、図2のように画像を複数の方向に偏
向して表示することは、空間的な表示領域を拡大するこ
とになり、画枠が観察者の中心視に入ることが少なくな
り、観察者は、表示面までの距離や位置を感じ難くな
る。その結果、空間スクリーン的な効果が生じ、表示さ
れている画像が二次元画像であるとの意識がより弱めら
れ、表示空間に奥行き方向の広がりを感じることができ
るようになる。
【0039】次にスクリーン面からある程度離れた位置
において観察する場合は、観察者の目の位置に応じて偏
向された各画像が重複して観察されることになり、さら
に観察者の位置の移動に対応して左右の目には重複され
た割合がそれぞれ異なった画像が認識されることにな
る。このため、運動視差の効果が働くことになる。
【0040】また、このとき、偏向して表示されている
各画像の持つ視差の量が大きすぎなければ観察者には画
像の不連続性は感じられず、重複しているいくつかの画
像が連続的に結合されて作り出される滑らかな曲面を持
った自然な立体像として知覚されることになる。さらに
この効果は、三次元物体を撮像する画像の数を増やして
順次時分割表示する画像の数を増すと共に、画像の偏向
方向も細分化することによりさらに高められる。
【0041】つまり、例えば多角形の辺の数を増してい
くと、多角形が次第に滑らかな円に近づいていくよう
に、表示される画像の数が増えるにつれ、観察者によっ
て観察される像は不連続な個々の平面画像ではなく、い
くつかの画像が連続的に結合されて作り出される滑らか
な曲面を持った、より自然な立体像となる。これは従来
例で示したホログラフィックステレオグラムの立体像の
再生と類似の作用として考えることができ、スクリーン
後方の広い範囲において立体像の観察が可能となる。
【0042】上述のように本発明の三次元表示装置は、
1)両眼視差;「左右眼での物体像の視差(ずれ量)に
より立体像を知覚する」2)運動視差;「観察位置の移
動に対応した情報が表示される」3)空間スクリーン効
果;「空間的な表示領域を拡大することにより、表示面
の存在を目立たなくし奥行き感を得る」4)ホログラフ
ィ的な波面再生効果;「平面画像の連続的な結合による
三次元的像再生」のような立体視の成立のための要因を
同時に満足することができるため、例えば従来の眼鏡方
式やレンティキュラレンズシート方式等のように、これ
らのうちのただ1つの立体視の要因に頼っていた方式に
比べて、あたかも本当の被写体を観察しているようなよ
り自然な三次元画像を知覚認識することができる。ここ
では、図1の説明における画像偏向装置108の後に散
乱透過スクリーン109が配置された構成において説明
を行ったが、画像偏向装置108の前側に散乱透過スク
リーン109を配置した構成においても上述したような
三次元表示を行うことができる。
【0043】次に、上記のような自然な三次元画像を得
るために必要となる画像偏向方向の制御方法についての
詳しい説明を行う。図2で示す4つの画像が偏向されて
出力された方向に対して持つひし形で示したような視域
の範囲を持つためには、散乱透過スクリーン109は、
スクリーンの持つ透過特性がスクリーンの散乱特性より
も大きいことが望ましい。仮に、散乱透過スクリーン1
09の散乱特性が透過特性に比べて大きい場合、画像偏
向装置108によって偏向されて出力された画像は、ス
クリーンの後方において等方的に広い範囲に散乱され
る。
【0044】このときは、図2における4つの画像が偏
向された方向に対してもつひし形で示した視域の範囲が
得られず、各画像の視域はこれら全体の範囲をまとめた
1つの領域のみとなる。従って、スクリーン後方からこ
れらの画像を観察しても、上述したような立体視の要因
が成り立たず、各画像が重なりあっただけの二次元画像
としか知覚されない。観察位置を変化しても、観察され
る画像は変化せず、重複した二次元画像が見られるだけ
である。
【0045】次に、画像偏向方向の別の制御方法とし
て、偏向された画像の重複の割合によって分類された領
域が最大となるような画像の偏向方向の設定について説
明する。図2は、4つの画像をそれらが撮像された方向
に対応した方向に偏向して出力した場合の一例を示した
ものである。まず、各画像の偏向を行わずに出力した場
合は、スクリーンの後方において各画像の視域は完全に
重なり1つに一致する。
【0046】次に、各画像をそれらが撮像された方向に
対応して偏向して表示した場合は、図2で示す4つの方
向に出力され、また、各画像の重複の度合いに応じて記
号a〜gで示したような7つの領域に分けられる。中央
の記号dで示した領域では画像の数が最大で4つ重複し
ていることになる。尚、c,eは3つ重複していること
になる。
【0047】各画像を偏向する方向をこれより大きくし
ていくと、最大で4つの画像が重複していたdの領域か
ら両端の出力像1と4が外れていく。このため、重複さ
れた画像の数が最も多い領域としては、中央部分の領域
の両端の出力画像1〜3までが重なった部分と出力画像
2〜4が重なった部分となる。
【0048】画像の出力する偏向方向をさらに大きくし
ていくと、最終的に出力画像それぞれの視域の重複した
領域が存在しなくなり、各画像の視域範囲が独立した4
つの領域が存在するのみになる。
【0049】以上、出力画像が4つの場合の画像偏向方
向に対応したスクリーン後方での視域領域の変化につい
て説明した。一般に、出力される画像の数がNであり、
これらのN個の画像が偏向されて出力される場合、各画
像の重複の割合に応じて分類された領域は最大で(2N
ー1)となる。上記の出力画像が4つの場合(N=4)
は、分類される領域は7つである。また、N個の画像が
重なりあった部分が最も重複度が高い領域となる(先の
例では重複度は4つが最も高くなる)。
【0050】本発明の三次元画像表示装置において自然
な立体感を生む重要な要因となっているホログラフィ的
な波面再生効果を有効に働かせるには、表示するための
N個の画像に対し、各画像の重複度の割合に応じた(2
Nー1)の領域に分けられるように画像の偏向方向を設
定することが望ましく、重複された領域の中に、N個の
画像が重複された部分を含んでいることが好ましい。
【0051】これは、図2に示すように出力された画像
をスクリーン後方のある程度離れた距離から観察した場
合、観察者の目の位置に応じて偏向された各画像が重複
して観察され、左右の目には、重複された割合がそれぞ
れ異なって認識される。この結果、観察者には、重複し
ているいくつかの画像が連続的に結合されて作り出され
る滑らかな曲面を持った立体像として知覚される。この
とき、重複された領域の中に表示された画像の最大数が
重ね合わさっている領域が存在すれば、波面再生の効果
はより有効であり自然な立体像の観察が可能である。ま
た、各画像の重複度の割合に応じて分類された領域がそ
れぞれ概ね等しい面積を有していれば、観察者が目の位
置を変化させた場合、観察者が、位置に対応した画像情
報を連続的に違和感無く知覚することができ、運動視差
の効果を有効に利用することができる。
【0052】しかしながら、偏向された各画像の方向が
上述したような重複度の割合によって分類された領域が
(2Nー1)となるように設定されていないと、観察者
の目には波面の再生効果が有効に作用しないため、画像
の不連続性が強く二次元画像がダブったような像として
認識され、立体像として観察することが困難になる。図
1の画像表示装置106は、複数の2次元画像を時分割
表示できる装置であれば何れでも適用でき、例えば陰極
線管(以下CRTと略記する)、プラズマディスプレ
イ、液晶表示素子等が挙げられる。
【0053】画像表示装置106に表示される画像は、
例えば、三次元のある被写体を複数の撮像装置または単
体の撮像装置を移動させながら、多方向から撮像したも
のである。なおこの時、被写体を照らす照明は、一般的
に太陽光や電球、蛍光灯等の自然光が適用されるが、そ
の他特殊な場合では例えば単波長の光源であってもよ
い。また、図1の画像偏向装置108は、これらの画像
を複数の方向に偏向する機能を有する。
【0054】次に、撮像された複数の画像を、複数の方
向に偏向する図1の画像偏向装置108の詳細な説明を
行う。図3は、光の透過媒体の屈折率変化によって画像
を複数の方向に偏向する一例を示す。透過媒体の屈折率
変化を起こす方法としては、例えば電気信号の入力によ
って屈折率変化を引き起こす電気光学効果、または音波
を入力とする音響光学効果をはじめ、光の照射によって
屈折率変化を引き起こす光学的効果などが利用できる。
【0055】図3では、光の透過媒体として液晶を用
い、電気信号の入力による屈折率変化を引き起こす方式
の一例について説明する。液晶としては、ネマティック
液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、動的散乱モード
液晶、ポリマー分散液晶等が使用できる。まず、ガラス
基板とスペーサを用いて、図3(a)に示すようなプリ
ズム状の透明なセル301と305を構成した。プリズ
ム状のセルの2つ面には、透明電極(例えば、ITO)
302〜304を全面に形成した。これらのプリズム状
セル301と305を組み合わせて長方形の構造とし、
画像偏向装置を構成した。
【0056】上記の画像偏向装置に印加する信号として
は、周波数、位相、または、振幅の異なった1組の電圧
波形が利用できる。図3(b)に、位相が互いに180
度異なった三角波形の印加電圧信号の一例を示す。透明
電極303を共通電極とし、透明電極302に図3
(b)の1で示す信号電圧を印加し、透明電極304に
は図3(b)の2の信号電圧を印加する。いま、透明電
極302側から入力光が入射しているとする。
【0057】図3(b)の時間T0では、透明電極30
2には電圧が印加されておらず、透明電極304に電圧
が印加された状態となる。このとき、プリズム状セル3
01は、電圧が印加されていないため、液晶の屈折率に
は変化はない。一方、プリズム状セル305は、電圧印
加により異常光の屈折率(ne)から常光屈折率(n
o)へと屈折率が減少する。その結果、プリズム状セル
301と305の屈折率差のため、入力光は図2におけ
る出力像1の方向に偏向される。
【0058】時間T1では、プリズム状セル301と3
05に等しい電圧が印加されており、液晶の屈折率は等
しいため、入力光は、入射された方向と同じ方向にプリ
ズム状セル301と305を透過する。
【0059】次に、時間T2では、プリズム状セル30
1に電圧が印加され、プリズム状セル305には電圧が
印加されていない状態となる。つまり、時間T0と逆の
状態となるため、入力光は、図2における出力像4の方
向に偏向される。
【0060】これらの中間の時間では、図2の出力像1
〜4の間の任意の方向に画像が偏向されることになる。
つまり、図3(a)に示したプリズム状セル301と3
05に図3(b)で示した信号電圧を印加することによ
って、入力された画像を図2で示す任意の方向に偏向す
ることができる。
【0061】図4は、平面構造を有する小片のセル40
1〜406に液晶を封入し、これを組み合わせて画像偏
向装置を構成したものである。透明電極413〜418
を共通電極とし、透明電極407、409、および41
1に図3(a)の1で示す信号電圧を印加する。また、
透明電極408、410、および412には、図3
(a)の2で示す信号電圧を印加し、先の図3の画像偏
向装置と同様に信号電圧の印加による屈折率差によって
画像の偏向を行うものである。
【0062】小片のセル401、403、および405
の長さを順番に短くして組み合わせた構造とすることに
よって図3のプリズム状セル301と類似の形状を構成
している。このように平面構造の小片セルを用いること
によってセル厚が一定となり、信号電圧を印加した場
合、電界強度が一定となるため、上記のプリズム状のセ
ルを用いた場合に比べ屈折率変化の均一性を向上させる
ことができる。さらに、通常の液晶パネルと同様の組立
工程を用いることが可能であり、製造を簡易化でき液晶
の配向方向の制御性も図3の構成に比べて向上すること
ができる。
【0063】小片セルの厚さを薄くし、組み合わせる数
を増やすことによって、プリズム状の形状により近づけ
ることができ、画像の偏向を精度良く行うことが可能と
なる。
【0064】図5は、画像偏向装置の別の構成例を示し
たものである。長方形状の液晶封入セル501に全面ベ
タの透明電極502と短冊状の透明電極503〜514
を形成し、このセル内に液晶を封入した構造である。
【0065】上記のような構成の画像偏向装置の透明電
極503〜514に図5(b)で示す鋸波状の信号電圧
波形を印加する。このとき液晶封入セル501内部で
は、電圧波形に対応した屈折率分布が生じ、位相回折格
子と同様の機能により画像の偏向を行うことができる。
つまり、入射光である画像は、鋸波の形状に応じてある
角度方向へ偏向される。偏向角は、印加する信号電圧の
振幅または周波数を変化することによって所望する任意
の方向に設定することが可能である。図5に示す画像偏
向装置は、1つの液晶封入セルを用いて構成することが
できるため、作製が簡単であり、製造コストも低減する
ことができる。
【0066】上述のように、本発明の三次元画像表示装
置は、立体視の要因としての両眼視差、運動視差、空間
スクリーン効果、三次元的波面再生効果の4つの要因を
同時に満足している。従って、例えば従来の眼鏡方式や
レンティキュラレンズシ−ト方式等のように、これらの
うちのただ1つの立体視の要因に頼っていた方式に比べ
て、あたかも本当の被写体を観察しているようなより自
然な三次元画像を知覚認識することができる。
【0067】また、本発明の画像偏向装置は、光の透過
媒体を封入したプリズム状のセルまたは平面構造を有す
る小片のセルを複数組み合わせ、屈折率変化によって偏
向を行うことができる。そのため、入力光である画像を
所望する任意の方向に偏向することができる。
【0068】また、別の発明である画像偏向装置は、短
冊状の透明電極を複数形成し、これに鋸波状の電圧波形
を印加し、位相回折格子の機能を持たせることによって
画像の偏向を行うことができる。そのため、入力光であ
る画像を所望する任意の方向に偏向することができると
同時に、画像偏向装置の作製が簡単に行え、製造コスト
を低減することができる。
【0069】また、本発明の画像偏向方向の制御方法
は、スクリーンの透過特性が散乱特性よりも大きいこと
を特徴とする、または、偏向された画像の重複の割合に
よって分類された領域が最大となるように偏向方向を決
定するため、何れかの方法であっても三次元的な波面再
生を効果的に行うことができる。そのため、ホログラフ
ィ技術と同様の自然な立体画像を実現することができ
る。
【0070】特に、複数の画像を時分割表示する手段
と、この画像を強度変調および複数の方向に偏向する手
段とを備えた本発明の三次元画像表示装置に、上述した
画像偏向装置と制御方法を適用すると、明るい高精細な
大画面の自然な立体映像をリアルタイムに実現すること
ができるため、その効果は大である。以下に具体的な実
施例について説明する。
【0071】(実施例1)以下図6に示す光学システム
を用いて、本発明の三次元画像表示装置の一実施例にお
ける立体視について説明する。図6において、まず、三
次元物体601を多方向から撮像するため、4台のCC
Dカメラ606〜609を三次元物体601から80c
mの等距離に8度毎の間隔で円弧状に配置した。多方向
から撮像した画像を順次時分割して表示した場合の立体
感の効果を調べるためCCDカメラ606〜609の前
面に強誘電性液晶からなる液晶シャッタ602〜605
を配置した。
【0072】また、投射系としては対角6インチのCR
T610〜613を4台用い、散乱透過スクリーン10
9から120cmの等距離に撮像系に対応するように8
度毎の間隔で配置した。また、焦点距離300mm、直
径82mmのレンズ614〜617を各CRTの手前5
0cmの位置に4つ置き、散乱透過スクリーン109上
において各CRTに表示された画像が結像されるように
調整を行った。散乱透過スクリーン109としては対角
12インチの大きさのものを使用した。CCDカメラ6
06〜609によって対称となる三次元物体を異なる角
度方向から撮像した画像は、それらの画像をCRT61
0〜613にそれぞれ直接入力することによってディス
プレイ上に表示した。
【0073】液晶シャッタ602〜605は、印加する
電圧の極性によって液晶分子の挙動が変化し、この作用
によって光の透過率を変化してシャッタの役割をするも
のである。液晶シャッタの駆動のためには、パルスジェ
ネレータ618〜621を4台用い外部トリガによって
同期をとり、それぞれをカスケードに接続した。
【0074】まず、立体視の要因としての両眼視差の効
果を実際の実験によって調べるために図7で示すような
ランダムドットステレオグラムを使用した。これは白と
黒のランダムドットから構成されており右眼(Righ
t eye)用パターンは左眼(Left eye)用パ
ターンの複製であるが中央の正方形の領域がわずかにず
らして作られている。従って、このランダムドットパタ
ーンに対し、左眼で左眼用パターンを右眼で右眼用パタ
ーンをそれぞれ正しく認識した場合は両眼視差の作用に
よってパターン中央部に正方形の窓が観察されることに
なり、経験的な立体視要因を除去した両眼視差のみの効
果を調べることができる。
【0075】具体的な実験として、図7で示す左眼用、
右眼用のランダムパターンを図6におけるCRT610
〜613のうちの2つに同時に表示し、これらの画像を
散乱透過スクリーン109後方から観察し正方形の窓が
正しく知覚される観察位置を調べた。CRT610〜6
13に表示したランダムドットパターンと両眼視差の効
果として正方形の窓部分が観察された範囲の結果につい
て、以下にまとめて示す。 1)CRT1に右眼用パターン、CRT4に左眼用パタ
ーンの場合、観察位置はスクリーン中心位置より後方1
0cm〜45cm、左右は±2cmであった。 2)CRT1に右眼用パターン、CRT3に左眼用パタ
ーンの場合、観察位置はスクリーン中心位置より後方1
0cm〜40cm、左右は±2cmであった。 3)CRT2に右眼用パターン、CRT3に左眼用パタ
ーンの場合、正方形の窓は観察されなかった。 4)CRT1に右眼用パターン、CRT4に左眼用パタ
ーン、CRT2に左眼用パターンの場合、正方形の窓は
観察されなかった。
【0076】以上の結果から、1)の場合は、2つの画
像間の偏向方向の差が大きく、これに対応してスクリー
ンの後方において2つの画像が重複せず独立して左右の
眼に認識される領域が広く生じる。
【0077】これに対し、2)の場合は1)に比べて2
つの画像間の偏向方向の差が小さいため、2つの画像を
独立して見ることができる領域は1)に比べ小さくな
る。つまり、2つのランダムドットパターンより正方形
の窓が観察されるためには左右それぞれの眼に2つのパ
ターンが独立してはいることが必要であり、1)と2)
の結果における観察位置の範囲の違いはこのことに対応
していると考えられる。
【0078】また3)の場合は1)と2)の場合に比べ
て2つの画像間の偏向方向の差がより小さくなっている
ため、2つの画像が左右それぞれの眼によって独立に認
識される領域がほとんど存在しなかったと考えられる。
【0079】4)の結果は、1)の場合に正方形の窓が
観察された範囲においてCRT2に画像を表示したこと
によって窓の像が観察されなくなっており、CRT2に
よる画像の重複の影響と考えられる。
【0080】図2において偏向されて出力された画像に
対して、視域としてひし形で示した領域を仮定し、立体
視の要因として両眼視差の効果が得られることを説明し
た。実際の実験によって、両眼視差が生じる観察位置が
存在することが確認され、また、偏向して出力された画
像に対し視域が重複する領域が存在することもことも判
明した。これらの実験結果によって、偏向角と視域の関
係のモデルの妥当性が証明された。
【0081】(実施例2)図6の光学システムにおいて
三次元物体601として大きさが15cm程度の人形を
用い、これを4つの方向からCCDカメラ606〜60
9によって撮像し、投射系を用いて散乱透過スクリーン
109上に像を形成した。散乱透過スクリーン109に
表示した像に対し、立体感及び観察位置を変化した場合
の画像の連続性などの効果について調べた。
【0082】図6の散乱透過スクリーン109は、スク
リーンの透過特性が散乱特性よりも大きいものの一例と
して、ポリエチレンシートを使用した。図8に、スクリ
ーン中心位置より後方65cmの位置において、カメラ
によって撮像した再生像を示す。実施例1において両眼
視差の効果が確認された領域では、腕の部分が突き出て
いるような立体感が感じられた。また、それより後方に
おいて観察位置を左右に動かすとそれに対応した側面の
情報が連続的に得られ運動視差の効果を確認することが
できた。
【0083】(実施例3)次に、散乱透過スクリーン1
09は、スクリーンの持つ散乱特性が透過特性よりも大
きいものの一例として、トレーシングペーパーを使用し
た。三次元物体601として人形を用い、実施例2と同
様な撮像および投射を行うことにより散乱透過スクリー
ン109上に像を形成した。この再生像の一例を図9に
示す。このような再生像に対し、スクリーン後方から観
察した場合、立体像は認識されず各平面画像が重なり合
って写ったような像が知覚されただけであった。また、
観察位置を左右に動かしても位置に対応した像の変化は
得られなかった。
【0084】これはトレーシングペーパーの散乱効果が
ポリエチレンのシートに比べ大きいため、スクリーンの
後方のほぼ全域に等方的に画像が拡散されてしまい、図
2のモデルによって示した各画像が偏向された方向に対
して持つひし形で示したような視域の範囲が得られなか
ったためと考えられる。実施例2および実施例3の実験
結果から、散乱透過スクリーン109の透過特性が散乱
特性よりも大きいことが必要であることが実証された。
【0085】(実施例4)図6の光学システムにおい
て、三次元物体601としてプリズム台を用い、三次元
物体601を通常の撮像位置よりも10cm程度CCD
カメラ側に近付け、また、散乱透過スクリーンを通常の
位置よりも20cmCRT側に近付けて撮像および投射
を行った。散乱透過スクリーン109としては、実施例
2で使用したポリエチレンのシートを用いた。
【0086】このとき、散乱透過スクリーン109上に
形成された像をスクリーンの後方65cmの位置におい
てカメラで撮像した一例を図10に示す。図10に示さ
れているように、4つの画像がダブったような不連続な
像であり、立体としては知覚できなかった。これは、三
次元物体601および散乱透過スクリーン109を通常
の位置よりずらして設定しているため、撮像された各画
像の方向と投射される各画像の方向が対応していない。
また、各画像による波面再生効果が有効に作用する偏向
方向についても満足していないことなどに起因している
と考えられる。このように、三次元物体に対する画像偏
向方向の制御方法が再生像の立体感に重要な影響を与え
ることが実際の実験によって実証された。
【0087】(実施例5)次に、図6に示すCCDカメ
ラ606〜CCDカメラ609の画像を順次時分割して
表示した場合の立体感の効果を調べるため、強誘電性液
晶からなる液晶シャッタ602〜605によって時分割
してシャッタのON、OFFを行った。液晶シャッタ6
02〜605に印加する駆動パルスとしては±5V、デ
ューテイ比が4:1の電圧を使い、+5Vの電圧が印加
されている時間、液晶シャッタはON(開状態)とな
り、CCDカメラが撮像可能となる。図6に示したよう
に、この駆動パルスのタイミングをパルスジェネレータ
の時間オフセットによって順次ずらしてCCDカメラ6
06〜609の前に置かれた4枚の液晶シャッタ602
〜605に印加する。
【0088】液晶シャッタのコントラスト特性としては
10:1程度のものを使用し、図6に示すパルスのタイ
ミングチャートにおいて+5Vのパルス電圧が印加され
る時間、つまり液晶シャッタがONとなる時間間隔とし
ては32msと16msの2つの場合について行った。
撮像のために用いるCCDカメラ606〜609および
投射のために用いるCRT610〜613は、実施例1
と同様に撮像方向と投射方向を対応させるように配置設
定した。また、散乱透過スクリーン109としては、ポ
リエチレンのシートを使用した。
【0089】このようにして、三次元物体を異なった方
向から撮像した画像は順次時分割してCRT610〜6
13に表示され、これらの画像によってスクリーン上に
形成された像の観察を行い時分割表示を行った場合の立
体感の効果について調べた。液晶シャッタがONとなる
時間間隔をCCDカメラの1フレームの撮像時間に対応
させて32msとして、順次時分割表示を行った場合
は、図6の散乱透過スクリーン109上で観察した画像
はチラツキが強く感じられ立体感は得られなかった。
【0090】次にシャッタのON時の時間を16msと
して周波数を倍にして、時分割表示を行った場合は、画
像のチラツキはかなり軽減され、被写体として人形を用
いた場合の実施例2において得られた結果と同程度の立
体感を感じることができ、時分割表示を行った場合にお
いても立体視の機能が保たれることが確認できた。
【0091】(実施例6)図1に示すような構成で三次
元画像表示装置の試作を行った。まず、本発明にかかわ
る空間光変調素子104の一実施例を図11に示す。こ
れは透明な基板1101(例えばガラス)上に透明電極
1102(例えばITO、ZnO、SnO 2 など)を形
成し、整流性を持つ光導電層(あるいは受光層)110
6を構成し、その上に微小形状に分離された金属反射膜
1107(例えばAl、Ti、Cr、Agなどの金属、
あるいは2種以上の金属を積層したもの)を形成し、液
晶を配向させるための配向膜1108(例えばポリイミ
ド等の高分子薄膜)をその上から形成したものである。
そして、もう一方の基板1112(例えばガラス)上に
も透明電極1111(例えばITO、ZnO、SnO2
など)を形成し、その上から配向膜1110(例えばポ
リイミド等の高分子薄膜)を塗布し、最後にこれらをあ
る間隙をもたせて張り合わせて、間隙部分に強誘電性液
晶1109を注入したものである。
【0092】光導電層1106に使用する材料は、例え
ば、CdS,CdTe,CdSe,ZnS,ZnSe,
GaAs,GaN,GaP,GaAlAs,InP等の
化合物半導体、Se,SeTe,AsSe等の非晶質半
導体、Si,Ge,Si1-xx,Si1-xGex,Ge
1-xx(0<x<1)の多結晶または非晶質半導体、ま
た、(1)フタロシアニン顔料(Pcと略す)、例えば
無金属Pc,XPc(X=Cu,Ni,Co,TiO,
Mg,Si(OH)2等),AlClPcCl,TiO
ClPcCl,InClPcCl,InClPc,In
BrPcBr等、(2)モノアゾ色素,ジスアゾ色素な
どのアゾ系色素、(3)ペニレン酸無水化物およびペニ
レン酸イミドなどのペニレン系顔料、(4)インジゴイ
ド染料、(5)キナクリドン顔料、(6)アントラキノ
ン類、ピレンキノン類などの多環キノン類、(7)シア
ニン色素、(8)キサンテン染料、(9)PVK/TN
Fなどの電荷移動錯体、(10)ビリリウム塩染料とポ
リカーボネイト樹脂から形成される共晶錯体、(11)
アズレニウム塩化合物など有機半導体がある。
【0093】また、非晶質のSi,Ge,Si1-xx
Si1-xGex,Ge1-xx(以下、a−Si,a−G
e,a−Si1-xx,a−Si1-xGex,a−Ge1-x
xのように略す)を光導電層1106に使用する場
合、水素またはハロゲン元素を含めてもよく、誘電率を
小さくするおよび抵抗率の増加のため酸素または窒素を
含めてもよい。抵抗率の制御にはp型不純物であるB,
Al,Gaなどの元素を、またはn型不純物であるP,
As,Sbなどの元素を添加してもよい。このように不
純物を添加した非晶質材料を積層してp/n,p/i,
i/n、p/i/nなどの接合を形成し、光導電層11
06内に空乏層を形成するようにして誘電率および暗抵
抗あるいは動作電圧極性を制御してもよい。このような
非晶質材料だけでなく、上記の材料を2種類以上積層し
てヘテロ接合を形成して光導電層1106内に空乏層を
形成してもよい。また、光導電層1106の膜厚は0.
1〜10μmが望ましい。
【0094】なお、光導電層1106の受光感度を上げ
るために、例えばp/i/nのフォトダイオード構造に
おいて、i層を以上の各材料のうちの2つ以上を交互に
積層した超格子構造にして量子効率が1を越える光電流
を発生させるようにすることが望ましい。
【0095】この素子の具体的な作成方法の一例につい
て述べる。まず、ガラスの基板1101(40mm×4
0mm×0.3mm)上に蒸着法により透明電極110
2としてのITO薄膜を堆積する。ITO膜の厚さは1
000Åとした。そして、光導電層1106としてpi
n構造のアモルファスシリコン(a−Si:H)をプラ
ズマCVD法により堆積する。このときのp層110
3、i層1104、n層1105の厚みはそれぞれ10
00Å、14500Å、4500Åであり、合計で2μ
mになるようにした。p層1103には不純物としてB
(ホウ素)を400ppm、n層1105にはP(燐)
を40ppm添加した。i層1104は無添加である。
【0096】次に金属反射膜1107を作成するために
真空蒸着法により全面にCrを形成した。その後フォト
リソグラフィーを用いて微小形状に分割した。このとき
の金属反射膜1107の大きさは20μm×20μmで
あり、画素間の幅は5μmとした。また、画素数は10
6 (1000×1000)とした。この上からスピンコ
ート法によりポリアミック酸を塗布し、熱硬化を行って
ポリイミド配向膜1108を形成した。このときのポリ
イミドの厚みは100Åとした。配向処理はナイロン布
で配向膜1108上を一方向に擦ることにより行った。
もう一方の基板1112(ガラス)上にも同様にしてI
TO透明電極1111を形成し、ポリイミド配向膜11
10を形成して配向処理を行った。
【0097】次にこの基板1112上に直径1μmのビ
ーズを分布させてもう一方の基板1101を張り合わせ
ることにより両基板間に1μmのギャップを形成した。
最後にこのギャップに強誘電性液晶1109を注入して
熱処理を行うことにより空間光変調素子104が完成し
た。
【0098】次に画像偏向装置108としては、図3に
示す構成を用いた。画像偏向装置108の具体的な作製
法の一例について述べる。対角10インチのガラス基板
に、透明電極302〜304としてITOを蒸着法によ
り形成した。このガラス基板と厚さ10μm〜100μm
範囲のスペーサを用いて、プリズム状セル301と30
5を作製した。。
【0099】図3には示していないが、透明電極302
〜304上には、空間光変調素子を作製したときと同様
のポリイミド膜による配向処理がなされている。
【0100】配向方法としては、透明電極302と30
4の配向方向が平行となるホモジニアス配向とした。こ
れは、プリズム状セル301と305に封入する液晶の
一例として用いたネマティック液晶に信号電圧を印加し
たとき、電圧印加によって入力された画像の強度には変
調を与えず、入力画像の光路のみが変化するよう調整す
るためである。
【0101】印加する信号電圧としては、図3(b)に
示すような三角波の信号波形を用い、振幅は5V、周波
数は8Hzとし、波形1と2では、180度位相をずら
して使用した。
【0102】画像表示装置106としては、対角6イン
チのCRTを用いた。このCRT106には、図6の4
台のCCDカメラ606〜609によって三次元物体6
01を4方向から撮像した画像を一端フレームメモリに
記憶し、これを16ms毎に時分割表示し、空間光変調
素子104の光導電層に書き込みを行った。
【0103】光源101からの読みだし光をコンデンサ
レンズ102によって集光し、空間光変調素子104の
液晶層側に入射し、これからの反射光をビームスプリッ
タ103によって反射し、投射レンズ107を通して画
像偏向装置108上に画像を投射した。散乱透過スクリ
ーン109は、対角12インチのプラスチック板にポリ
エチレンのシートを張り合わせ、これを画像偏向装置1
08に密着させて使用した。
【0104】三次元物体として、実施例2と同じ人形を
用い、ここで試作した三次元画像表示装置を動作させ、
得られた画像を観察したところ実施例2で得られたのと
同様の自然な立体像が、明るい画像として観察された。
【0105】(実施例7)実施例6で作製した三次元表
示装置において、ここでは、画像偏向装置108を図4
のような構成とした。図4で示す画像偏向装置の具体的
な作製方法の一例について以下に述べる。
【0106】対角10インチのガラス基板にITOの透
明電極を全面ベタで蒸着法を用いて形成した。そして、
これの右側から、2.5インチの位置にITOをエッチ
ングすることによって10μm〜100μm幅の短冊状の
溝を形成し、ITOを2つの部分に分離した。このガラ
ス基板を2枚組み合わせて10μm〜100μm厚のパネ
ルを構成することによって、図4に示す長方形状セル4
01と402を組み合わせたものと同様の作用を行わせ
た。次に、ITOをエッチングする位置を右側から5イ
ンチとし、図4の中央のぱねるを作製する。同様に、I
TOのエッチング位置を右側から7.5インチとしてパ
ネルを作製し、これらの3枚のパネルを組み合わせて図
4に示すような画像偏向装置を構成した。
【0107】配向処理は、実施例6と同様ホモジニアス
配向とし、ネマティック液晶を使用した。透明電極41
3〜418を共通電極とし、透明電極407、409、
および411に図3(a)の1で示す信号電圧を印加
し、また、透明電極408、410、および412に
は、図3(a)の2で示す信号電圧を印加した。信号電
圧波形は、実施例6と同じとした。
【0108】実施例6と同様に三次元表示装置を動作さ
せて見たところ、明るい立体像を観察することができ
た。また、画像偏向装置108を平面構造のパネルによ
り構成したことによって、画像の輪郭部分まで鮮明な画
像を得ることができた。
【0109】(実施例8)画像偏向装置108を図5の
ような構成として、三次元画像表示装置を作製した。図
5で示す画像偏向装置の具体的な作製方法の一例につい
て以下に述べる。まず、対角10インチのガラス基板に
全面ベタのITOを蒸着により形成した。同様にITO
を全面形成したガラス基板をもう1枚作製し、短冊状の
溝部を幅5μm〜50μmエッチングし、透明画素電極5
03〜514を形成した。これら2枚のガラス基板を組
み合わせて、セル厚10μm〜100μmの液晶封入セル
501を作製した。また、配向処理は、実施例6と同様
ホモジニアス配向とし、ネマティック液晶を使用した。
【0110】印加する電圧としては、図5(b)に示す
ような鋸波状の信号波形またはこれを反転させた信号
を、1つの波形に対して4つの透明画素電極を用い、0
〜10Vの振幅範囲で加えた。これにより、液晶の屈折
率分布を液晶封入セル501内に生じさせ位相回折格子
の作用により左右任意の方向に画像の偏向を行った。
【0111】上記で作製した画像偏向装置108を用い
て、実施例6のように三次元画像表示装置を動作させた
ところ、明るい立体像が観察され、観察位置を変化した
ときに認識される画像の連続性は、実施例6または7よ
りも滑らかであった。
【0112】
【発明の効果】本発明は、複数の画像を時分割表示する
手段と、前記画像を強度変調する手段と画像を複数の方
向に偏向する手段とを備えたことにより、被写体や被写
体を照らす光源に制約を持たず、眼鏡を用いること無
く、かつ広い視野角で、明るい大画面での自然な立体画
像を実時間で観察することができる三次元画像表示装置
を実現できる。
【0113】また、本発明の画像偏向装置は、光の透過
媒体を封入したセルに周波数、振幅または位相の異なっ
た信号電圧波形を印加するため、入力光である画像を所
望する任意の方向に偏向することができる。
【0114】また、本発明の画像偏向方向の制御方法
は、透過特性が大きいスクリーンを使用し、偏向される
画像の重複の割合によって分類された領域が最大となる
ように偏向方向を決定するため、ホログラフィ技術と同
様な三次元波面の再生を有効に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の三次元画像表示装置の一実施例の構成
【図2】本実施例で使用した画像偏向角と視域の関係を
示す図
【図3】(a)は本発明の画像偏向装置の一実施例の構
成図 (b)は位相が互いに180度異なった三角波形の印加
電圧信号の波形図
【図4】本発明の画像偏向装置の他の実施例の構成図
【図5】(a)は本発明の画像偏向装置の別の実施例の
構成図 (b)は透明電極に印加する鋸波状の信号電圧波形を示
す波形図
【図6】本発明の一実施例における三次元画像表示装置
の光学システムの構成を示す図
【図7】本実施例で使用したランダムドットパターンの
一例を示す図
【図8】本発明の三次元画像表示装置の一実施例で得ら
れた再生像の一例を示す図
【図9】本発明の三次元画像表示装置の他の実施例で得
られた再生像の一例を示す図
【図10】本発明の三次元画像表示装置の別の実施例で
得られた再生像の一例を示す図
【図11】本発明の三次元画像表示装置の一実施例に用
いた空間光変調素子の構成図
【図12】(a),(b)は三次元画像表示装置の従来
例で使用したホログラフィックステレオグラムを示す図
【図13】(a),(b)は三次元画像表示装置の従来
例で使用したホログラフィックステレオグラムを示す図
【符号の説明】
101 光源 102 コンデンサレンズ 103 ビームスプリッタ 104 空間光変調素子 105 書き込みレンズ 106 画像表示装置 107 投射レンズ 108 画像偏向装置 109 散乱透過スクリーン 301、305 プリズム状セル 302〜304 透明電極 401〜406 長方形状セル 407〜418 透明電極 501 液晶封入セル 502〜514 透明電極 601 三次元物体 602〜605 液晶シャッタ 606〜609 CCDカメラ 610〜613 CRT 614〜617 レンズ 618〜621 パルスジェネレータ 701〜702 ランダムドットパターン 1101、1112 基板 1102、1111 透明電極 1103 p層 1104 i層 1105 n層 1106 光導電層 1107 金属反射膜 1108、1110 配向膜 1109 強誘電性液晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 久仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の画像を時分割表示する手段と、前記
    画像を強度変調する手段と前記強度変調された画像を複
    数の方向に偏向する手段とを具備したことを特徴とする
    三次元画像表示装置。
  2. 【請求項2】複数の画像を時分割表示する手段の表示
    は、1/60秒以下の表示速度で行われることを特徴と
    する請求項1記載の三次元画像表示装置。
  3. 【請求項3】画像を強度変調する手段の強度変調は、強
    誘電性液晶と光導電層を有する光書き込み型の空間光変
    調素子によって行われることを特徴とする請求項1記載
    の三次元画像表示装置。
  4. 【請求項4】空間光変調素子の光導電層は、量子効率が
    概ね1の光電流を流すものであることを特徴とする請求
    項3記載の三次元画像表示装置。
  5. 【請求項5】空間光変調素子は、書き込まれた微弱な強
    度の画像を高輝度な画像に変換する画像強度増幅作用を
    有することを特徴とする請求項3または4記載の三次元
    画像表示装置。
  6. 【請求項6】光の透過媒体を封入したプリズム状のセル
    を2つ組み合わせ、前記2つのプリズム状のセルに周波
    数、位相、または、振幅の異なった信号電圧を印加し、
    セルに封入された光の透過媒体の屈折率をそれぞれ変化
    することによって画像の偏向を行うことを特徴とする画
    像偏向装置。
  7. 【請求項7】平面構造を有する小片のセルに光の透過媒
    体を封入し、前記セルを複数組み合わせ、プリズム状の
    セルを構成し、前記プリズム状のセルに周波数、位相、
    または、振幅の異なった信号電圧を印加し、セルに封入
    された光の透過媒体の屈折率をそれぞれ変化することに
    よって画像の偏向を行うことを特徴とする請求項6記載
    の画像偏向装置。
  8. 【請求項8】平面構造を有するセルに複数の分割した透
    明画素電極を形成し、前記セルに光の透過媒体を封入
    し、前記セルの透明電極の各画素に印加する信号電圧波
    形を変化することによって得られた光の透過媒体の屈折
    率分布によって、画像の偏向を行うことを特徴とする画
    像偏向装置。
  9. 【請求項9】光の透過媒体に液晶を含むことを特徴とす
    る請求項6または8記載の画像偏向装置。
  10. 【請求項10】偏向された複数の画像を表示するスクリ
    ーンの透過特性が前記スクリーンの散乱特性よりも大き
    いことを特徴とする画像偏向方向の制御方法。
  11. 【請求項11】偏向された複数の画像の数がNであると
    き、この偏向された画像の重複の割合によって分類され
    た領域が最大で(2Nー1)となるように画像の偏向方
    向を設定することを特徴とする画像偏向方向の制御方
    法。
  12. 【請求項12】重複された画像の数が最大でNである領
    域を含むことを特徴とする請求項11記載の画像偏向方
    向の制御方法。
  13. 【請求項13】偏向されたN個の画像の重複度の割合に
    より分類された領域が、それぞれ概ね等しい面積を有し
    ていることを特徴とする請求項11記載の画像偏向方向
    の制御方法。
  14. 【請求項14】複数の画像を偏向する方向が前記複数の
    画像を各々撮像した方向であることを特徴とする請求項
    10または11記載の画像偏向方向の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005223727A (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Ricoh Co Ltd 立体画像表示方法、立体画像表示装置および光偏向素子
CN100417974C (zh) * 2003-02-27 2008-09-10 日本电气株式会社 图像显示设备、便携终端设备以及显示板

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