JPH0834710B2 - ブラシレス直流モータの制御方式およびそれを用いた磁気ディスク装置 - Google Patents

ブラシレス直流モータの制御方式およびそれを用いた磁気ディスク装置

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JPH0834710B2
JPH0834710B2 JP2021607A JP2160790A JPH0834710B2 JP H0834710 B2 JPH0834710 B2 JP H0834710B2 JP 2021607 A JP2021607 A JP 2021607A JP 2160790 A JP2160790 A JP 2160790A JP H0834710 B2 JPH0834710 B2 JP H0834710B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ブラシレス直流モータの制御技術およびそ
れを用いた磁気ディスク装置に関し、特に、回転位置の
検出に特別な磁気センサなどを用いないブラシレス直流
モータに適用して有効な技術に関する。
〔従来の技術〕
たとえば、ステータ側の複数の極の各々に巻回された
巻線に対する通電順序を順次変化(転流)させて個々の
極を配列方向に順次励磁し、これらに対向するように配
置された複数の磁極を有するロータを同期して回転させ
るようにした、いわゆるブラシレス直流モータは、効率
が高く、しかもブラシなどの摩耗部もないため、保守が
不要で信頼性も高いことから、ビデオ・テープ・レコー
ダ(VTR)の回転ヘッドの駆動や、磁気ディスク装置な
どにおける磁気ディスクの駆動などの種々の分野に広く
用いられている。
通常、このようなブラシレス直流モータにおいては、
前述の転流のタイミングなどを決定するためにロータの
回転位置を知る必要があり、ホール素子などの磁気セン
サをモータの一部に付加していた。
ところで、磁気ディスク装置などにおいては、利用者
の要請に呼応して、単位装置当たりの記憶容量の増大や
小型化および消費電力の低減などが一層促進されつつあ
る。
このため、磁気ディスクの駆動に用いられるブラシレ
ス直流モータにおいては、たとえば特開昭63−69489号
公報に開示される技術のように、磁気センサなどの余分
な部品を用いることなくロータの回転位置を検出するよ
うにして、モータの小型化などを図る技術が提案されて
いる。
すなわち、モータの回転中に、ステータ側の複数の巻
き線に短い電流パルスを形成する高周波電流を流し、こ
の電流の振幅値のピークを検出することにより、ステー
タに対するロータの回転位置を検出して転流のタイミン
グを決定するようにしたものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のような従来技術では、磁気センサなどの余分な
部品を省略できるという効果はあるものの、個々の巻線
に流れる電流の振幅値のピークが電源電圧の変動に応じ
て変化するという点について配慮されておらず、当該ピ
ークを検出する際の閾値が一定であるため、極限られた
範囲の電源電圧においてしか正確なロータの位置検出が
できないという問題がある。
また、前記従来技術では、定常回転中におけるモータ
の消費電力を抑制するため、駆動電流に対して一定の制
限値を設定しているが、駆動電流を制限した状態におけ
るロータの駆動トルクが電源電圧の変動に影響されると
いう点が考慮されておらず、たとえば電源電圧が低下す
るとロータのトルクが不足し、外乱などの影響でロータ
の回転数が所定の値から逸脱する、いわゆる脱調を生じ
やすいという問題もある。
そこで、本発明の目的は、電源電圧の変動に影響され
ることなく、回転制御の安定性を向上させることが可能
なブラシレス直流モータの制御技術を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、回転制御の安定性を損なうこと
なく、消費電力を減少させることが可能なブラシレス直
流モータの制御方式を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、電源電圧の変動などに影
響されることなく、磁気ディスクを安定に回転させて、
動作の信頼性を向上させた磁気ディスク装置を提供する
ことにある。
本発明のさらに他の目的は、磁気ディスクの安定な回
転による動作の信頼性を損なうことなく、消費電力を低
減することが可能な磁気ディスク装置を提供することに
ある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、
本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろ
う。
〔課題を解決するための手段〕
本願において開示される発明のうち、代表的なものの
概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、請求項1記載の本発明になるブラシレス直
流モータの制御方式は、周方向に配列される複数の第1
の極を持つ磁石からなるロータと、第1の極に対向し、
それぞれに巻回された複数の巻線の各々に駆動電流を通
電することによって独立に励磁される複数の第2の極を
有するステータとからなり、個々の巻線に対する駆動電
流の印加を順次切り換える転流によってロータを同期し
て回転させるとともに、第1の極と第2の極との相対的
な位置関係に応じて変化する駆動電流の単位時間当たり
の変化量を所望の閾値と比較して転流のタイミングを制
御するブラシレス直流モータであって、起動から定常回
転に至る間に、駆動電流を供給する電源の電圧を測定
し、当該電圧に応じて閾値を変化させるようにしたもの
である。
また、請求項2記載の本発明になるブラシレス直流モ
ータの制御方式は、周方向に配列される複数の第1の極
を持つ磁石からなるロータと、第1の極に対向し、それ
ぞれに巻回された複数の巻線の各々に駆動電流を通電す
ることによって独立に励磁される複数の第2の極を有す
るステータとからなり、個々の巻線に対する駆動電流の
印加を順次切り換える転流によってロータを同期して回
転させるブラシレス直流モータであって、起動から定常
回転に至る間に、駆動電流を供給する電源の電圧を測定
し、当該電圧に応じて、定常回転における駆動電流の制
限値を設定するようにしたものである。
また、本発明になる磁気ディスク装置は、情報の記憶
媒体として機能する磁気ディスクと、この磁気ディスク
を回転させるブラシレス直流モータと、磁気ディスクに
対する情報の記録/再生動作を行う磁気ヘッドと、この
磁気ヘッドの磁気ディスクに対する位置決めを制御する
ヘッド駆動機構とからなる磁気ディスク装置であって、
ブラシレス直流モータの制御が、請求項1,2または3記
載のブラシレス直流モータの制御方式により行われるよ
うにしたものである。
〔作用〕
ステータ側の複数の第2の極の各々に巻回された巻線
に駆動電流を流すと当該第2の極はS磁極またはN磁極
になる。いま、ステータ側のある第2の極がN磁極にな
った時、この第2の極と対向するロータ側の第1の極が
同じN極であったり極間の部分では、第2の極に流れる
駆動電流の立ち上がりが一定電流値になるまで、たとえ
ば約200μsかかり、同様に第1の極が逆のS極の場合
には約50μsとなる。すなわち第1の極と第2の極との
位置関係の変化に応じて、立ち上がり時における単位時
間当たりの駆動電流の変化量(差分)は変動する。
そして、電源電圧が高くなるにつれて、駆動電流の立
ち上がり時間は速くなる傾向があり、すなわち単位時間
当たりの駆動電流の変化量が大きくなることが知られて
いる。
このため、単位時間当たりの駆動電流の変化量を、電
源電圧に関わりなく固定的に設定された閾値と比較する
ことにより、ロータ側の第1の極とステータ側の第2の
極との位置関係を検出する場合には、電源電圧の変動に
起因するロータの位置検出誤差を生じることとなる。
ところが、上記した請求項1記載の本発明のブラシレ
ス直流モータの制御方式の場合には、電源電圧の変動に
応じて、適宜、ロータ側の第1の極とステータ側の第2
の極との位置関係を検出するための閾値を変化させるの
で、たとえば、電源電圧の変動に関わり無く当該閾値を
一律に設定する場合に比較して、ステータに対するロー
タの相対的な回転位置をより正確に把握することがで
き、電源電圧の変動などに影響されることなく、回転制
御の安定性を向上させることが可能となる。
また、消費電力を低減するなどの目的で、定常回転時
における駆動電流を所望の制限値に一律に規制すると、
電源電圧が低い状態ではロータのトルクが不足すること
となり、外乱などによってロータが目的の回転数から逸
脱する脱調などが懸念されるが、請求項2記載の本発明
のブラシレス直流モータの制御方式では、電源電圧の変
動に応じて、定常回転時における駆動電流の制限値を適
切に決定することができるので、ロータの回転制御の安
定性を損なうことなく、消費電力を減少させることが可
能となる。
また、本発明になる磁気ディスク装置によれば、請求
項1〜3記載のブラシレス直流モータの制御方式を用い
て、記憶媒体である磁気ディスクを駆動するブラシレス
直流モータの制御を行うので、電源電圧の変動などに影
響されることなく、磁気ディスクを安定に回転させて、
動作の信頼性を向上させることができるとともに、磁気
ディスクの安定な回転による動作の信頼性を損なうこと
なく、消費電力を低減することが可能となる。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施例である
ブラシレス直流モータの制御方式およびそれを用いた磁
気ディスク装置の一例について詳細に説明する。
第1図は、本発明の一実施例である磁気ディスク装置
およびそれに付随してブラシレス直流モータの制御を行
う回路などの構成の一例を模式的に示したブロック図で
ある。
記憶媒体として機能する磁気ディスク17は、たとえば
第2図に示されるように、ステータ161およびロータ162
などからなるモータ16のロータ162に支持されることに
よって、所望の速度で回転される構造となっている。
また、回転する磁気ディスク17表面には、磁気ヘッド
18が所望の間隙をなして対向するように配置されてお
り、アクチュエータ18aによって磁気ディスク17の径方
向における位置決めが行われるようになっている。
そして、磁気ディスク17の回転と、磁気ヘッド18の径
方向における変位とを組み合わせることにより、当該磁
気ディスク17の任意の領域に対する磁気ヘッド18を介し
た情報の記録/再生動作が行われるものである。
本実施例の磁気ディスク装置に装着されたモータ16
は、第2図に示されるように、永久磁石などからなり、
異なる極性の磁極162aを周方向に交互に配置して構成さ
れた筒状のロータ162と、このロータ162の内部に位置
し、図示しない巻線がそれぞれ巻回された6つの極161a
を、ロータ162の磁極162aに対向するように周方向に等
角度に配置したステータ161とで構成されている。
ステータ161を構成する6つの極161aの、互いに180度
をなす極同士が巻線への通電によって同時にN極にな
る、いわゆる6ポール3相方式である。
ここで、ステータ161の一つの相に通電する際に、当
該相に対向するロータ162の側の磁極162aの位置に応じ
て駆動電流1dの立ち上がり時間Trが変動することを示し
たものが第3図および第4図である。
すなわち、ステータ161の各相に流される駆動電流Id
が所定の規定電流Inに達するまで要する立ち上がり時間
Trは、ロータ162の側の対向する磁極162aが異極(この
場合S極)の時が最小となり、この位置から離れるにつ
れて長くなる。
また、この立ち上がり時間Trは、駆動電流Idを供給す
る電源19の電圧によっても変動し、当該電圧が高くなる
ほど立ち上がり時間Trは回転位置の全域において短くな
る。
そして、ロータ162の回転とともにステータ161の各相
に対する駆動電流Idの印加を順次切り換える転流によっ
て、ロータ162を同期して回転させるとともに、起動時
から定常回転までの転流のタイミングは、立ち上がり時
間Trがロータ162とステータ161との位置関係を反映する
ことを利用し、後述のようにして制御するものである。
次に、このようなモータ16に供給される駆動電流Idを
制御する構成の一例について説明する。
すなわち、モータ16には、たとえば公称電圧12Vの電
源19からステータ161に供給される駆動電流Idの転流を
行う転流回路13と、ステータ161に流れる駆動電流Idの
上限を必要に応じて規制する電流制限回路14と、当該駆
動電流Idの値を測定する電流検出回路15とが接続されて
いる。
さらに、転流回路13には、発振器4aおよび分周器4bな
どからなり定常回転時における転流のタイミングを与え
る発振回路4と、計時回路6および計算回路7などから
なり、前記の電流検出回路15からの情報に基づいて、後
述のようにしてロータ162の回転位置を検出する位置検
出器5と、ロータ162の回転が定常状態か否かを判定す
る状態制御回路9,位置検出器5からの指令に基づいて転
流回路13に転流を指示する転流指示回路10,駆動電流指
示回路11などからなるサーボ回路8とが接続されてい
る。
発振回路4と転流回路13との間には、信号選択回路12
が介設されており、状態制御回路9から得られる、ロー
タ162の回転状態が定常状態か否かの情報に応じて、当
該発振回路4から転流指令を転流回路13に伝達するか否
かを制御している。
この場合、駆動電流Idを供給する電源19には、電圧検
出回路1と、当該電圧検出回路1から得られる電源19の
電圧値の大小に応じて、位置検出器5の計算回路7にお
ける転流のタイミングの決定に用いられる後述のような
種々の位置検出規定レベルThN,位置検出規定レベルThH,
位置検出規定レベルThLなどを設定する位置検出レベル
判定回路2と、同じく、電源19における電圧の大小に応
じて、定常回転時における種々の電流制限値IpN,電流制
限値IpH,電流制限値IpLを、サーボ回路8の駆動電流指
示回路11に設定する定常電流値判定回路3とが設けられ
ている。
以下、これら各部の連携した動作の一例を説明する。
まず、始動時などに、電圧検出回路1は、電源19の電
圧を測定し、測定結果を位置検出レベル判定回路2およ
び定常電流値判定回路3に送出する。
位置検出レベル判定回路2は、測定された電圧の大小
に応じて、最適な位置検出規定レベルThN,位置検出規定
レベルThH,位置検出規定レベルThLの一つを選択し、位
置検出器5の計算回路7に記憶させる。
計算回路7では、電源19の電圧値に最適の位置検出規
定レベルThN(位置検出規定レベルThHまたは位置検出規
定レベルThL)と、第5図に示されるような2つの時刻
における駆動電流Idの測定値の差から得られた差分ΔI
とを比較し、ロータ162の位置検出を行う。
一方、定常電流値判定回路3は、電圧検出回路1にお
いて測定された電圧に最適な電流制限値IpN(電流制限
値IpH,電流制限値IpL)を選択して駆動電流指示回路11
に設定し、定常回転到達後、当該駆動電流指示回路11
は、設定されている現在の電圧に最適な電流制限値IpN
(電流制限値IpH,電流制限値IpL)に駆動電流Idの上限
を規制するように電流制限回路14に指示する。
電源19からモータ16のステータ161に供給される駆動
電流Idは、電流検出回路15で測定されて位置検出器5に
送出され、当該位置検出器5の計算回路7は、通電時間
を計算し、さらに、ロータ162の回転位置が転流すべき
位置にあるか否かを位置検出規定レベルThN(位置検出
規定レベルThHまたは位置検出規定レベルThL)に基づい
て判定し、転流のタイミングであった場合には、転流指
示回路10を経て転流回路13に指令を送り、モータ16のス
テータ161における励磁相を1つ進める。
ここで、計算回路7において算出される通電時間と
は、一つの相を励磁している時間のことで、たとえば、
これまで、ある一つの相に通電していた時間と、次相に
通電する転流のタイミングを検出していた時間とを加算
した結果の80%の時間である。
さらに、通電時間は位置検出器5の計時回路6によっ
て計測され、通電時間経過後、電流検出回路15で駆動電
流Idを測定して、前述の位置検出動作を再び行う。
こうして、モータ16のロータ162が所定の定常回転数
に到達すると、これを検知した状態制御回路9は、信号
選択回路12に指令を出し、これまでの転流指示回路10の
代わりに、発振回路4からの転流のタイミング指令が転
流回路13に与えられるようにする。
同時に、状態制御回路9は、駆動電流指示回路11に設
定されている、現在の電源19の電圧に最適な電流制限値
IpN(電流制限値IpN,電流制限値IpL)を電流制限回路14
に指示し、電流制限回路14は、駆動電流Idの上限を当該
電流制限値IpN(電流制限値IpN,電流制限値IpL)にする
ような制御を行う。
第5図は、位置検出器5の計算回路7における駆動電
流Idの立ち上がりを評価する方法の一例を示す図であ
る。
本実施例の場合には、たとえば位置検出器5に設けら
れたタイマ5aからの測定指令5bを契機として、立ち上が
りの開始時点から時間T1が経過した時点、およびそれか
らさらに時間T2が経過した時点の2点において駆動電流
Idの値を測定し、その差分ΔIに基づいて立ち上がり時
間Trを評価している。
第6図は、任意の一つの相に駆動電流Idを流した時の
差分ΔIと、ロータ162の回転位置との関係の一例を示
したものである。
同図に示されるように、差分ΔIのピーク値はロータ
162の回転数とともに高くなる。
加速時における転流のタイミングは、たとえばロータ
162とステータ161の異極同士が対向する手前約30度が望
ましく、この転流ポイントPを知るためには、当該転流
ポイントPで検出されるべき差分ΔIの値が位置検出規
定レベルThを超えたか否かを調べればよい。
第7図は、電源19の電圧が通常の12.0Vの場合と、そ
れよりも高い13.2Vおよび、それよりも低い10.8Vの各々
の場合における差分ΔIとロータ162の回転位置との関
係の一例を示したものである。
すなわち、公称値よりも高い13.2Vの場合には、立ち
上がり時間Trが短いため曲線22のようになり、通常の1
2.0Vの場合の曲線21よりも全体に上方にシフトした状態
となり、逆に10.8Vの場合には曲線23のように全体に下
方にシフトした状態となる。
このため、従来のように、公称値12.0Vの電圧に対応
した固定的な位置検出規定レベルThNを基準とした場合
には、より高い電圧13.2Vの場合の曲線22の領域22aが当
該位置検出規定レベルThNを超えてしまうので、ロータ1
62の回転位置を電圧12.0Vの場合よりも手前側で検出し
てしまうことになり、転流の適切な制御ができなくな
る。
また、電圧13.2Vの場合の曲線22において、最も高い
ピークの間に生じる比較的低いピークの領域22bが位置
検出規定レベルThNに達していた場合には、完全な誤検
出となり、これに基づく転流を行った場合には脱調して
しまう。
同様に、通常の12.0Vよりも低い電圧10.8Vの場合に
は、ロータ162の回転位置が目標から後方に逸れた位置
で検出されることとなる。
そこで、本実施例の場合には、前述のように、位置検
出レベル判定回路2が、電圧検出回路1を介して測定さ
れた電源19の実際の電圧に基づいて、たとえば測定電圧
が公称値12.0Vよりも高い場合には、位置検出規定レベ
ルThとして、より大きな位置検出規定レベルThHを設定
し、逆に低い場合には、より小さな位置検出規定レベル
ThLを位置検出器5の計算回路7に設定して、上述のよ
うなロータ162の位置の誤検出を回避し、的確な転流を
行わせるようにしている。
これにより、電源19の電圧の変動に影響されることな
く、モータ16の起動から定常回転までの回転制御を安定
に行うことが可能となる。
この結果、電源電圧の変動などに影響されることな
く、当該モータ16によって駆動される磁気ディスク17を
備えた磁気ディスク装置における起動操作などが円滑に
なり、磁気ディスク装置における動作の信頼性が向上す
る。
また、ロータ162が所定の定常回転数に到達した後
は、当該定常状態を維持するためにそれほど大きなトル
クを必要としないので、消費電力を低減させるなどの観
点から駆動電流Idの最大値を抑制する電流制限が行わ
れ、この電流制限の前後における駆動電流Idの波形の一
例を示したものが第8図(a)である。
そして、電源19の電圧が変動した場合、同図(b)に
示されるように、低電圧の場合には駆動電流Idの立ち上
がりが遅くなるため、波形33のようになり、公称値12.0
Vの場合の時の波形31の場合よりもトルク不足となる。
このため、定常回転状態が外部からの衝撃などの影響
を受けやすくなり、回転振動や脱調などの好ましくない
現象を生じる一因となる。
逆に電圧が高い場合には、波形32のようになり、必要
以上にトルクが大きくなって外乱には強いものの、消費
電力を低減できる余地があることになる。
そこで、本実施例の場合には、前述のように、定常電
流値判定回路3が、電圧検出回路1による電源19の電圧
の測定値の大小に応じて、たとえば、同図(c)に示さ
れるように、電圧が12.0Vの場合には0.4A(IpN)にし、
それより高電圧の場合には0.5A(IpH)に、また低い場
合には0.3A(IpL)に電流制限値Ipの値を加減して駆動
電流指示回路11に与える。
これにより、定常回転状態において、電源電圧が変動
しても電流制限値Ipを過不足なく適切に設定できる結
果、モータ16の安定な回転制御を損なうことなく、消費
電力の削減を実現することができる。
この結果、磁気ディスク17の安定な回転による動作の
信頼性を損なうことなく、磁気ディスク装置における消
費電力を低減することが可能となる。
このような一連の制御動作の一例を流れ図にして例示
したものが第9図である。
すなわち、まず電源19の電圧を検出し(ステップ20
1)、その値が公称値12.0V+5%以上か否かを判定する
(ステップ202)。
そして、電源電圧が12.0V+5%以上である場合に
は、ロータ162の位置検出の基準となる位置検出規定レ
ベルThとしてThNよりも大きなThHを設定し(ステップ20
3)、さらに、定常回転時における電流制限値Ipとして
0.3Aを設定する。
また、電源電圧が12.0V+5%以上でない場合には、
さらに電源電圧が12.0V−5%以下か否かを調べる(ス
テップ205)。
そして、電源電圧が12.0V−5%以下であると判明し
た場合には、位置検出規定レベルThとして、公称値の場
合よりも小さな位置検出規定レベルThLを設定し、さら
に電流制限値Ipとして、公称値の場合の0.4Aよりも大き
な0.5Aを設定する。
それ以外の場合、すなわち、電源電圧が公称値12.0V
±5%以内の場合には、位置検出規定レベルThとして、
位置検出規定レベルThNを設定し(ステップ208)、さら
に、電流制限値Ipとして0.4Aを設定する。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき
具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可
能であることはいうまでもない。
たとえば、ロータの回転位置を検出する基準となる位
置検出規定レベルや、電流制限値の値は、前述の実施例
中において例示したように3段階に設定することに限ら
ず、それ以上にきめ細かく設定してもよいことはいうま
でもない。
また、モータの回転制御動作を行う回路や磁気ディス
ク装置の構成は、第1図に例示したものに限定されな
い。
〔発明の効果〕
本願において開示される発明のうち、代表的なものに
よって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおり
である。
すなわち、本発明になるブラシレス直流モータの制御
方式によれば、周方向に配列される複数の第1の極を持
つ磁石からなるロータと、前記第1の極に対向し、それ
ぞれに巻回された複数の巻線の各々に駆動電流を通電す
ることによって独立に励磁される複数の第2の極を有す
るステータとからなり、個々の前記巻線に対する前記駆
動電流の印加を順次切り換える転流によって前記ロータ
を同期して回転させるとともに、前記第1の極と第2の
極との相対的な位置関係に応じて変化する前記駆動電流
の単位時間当たりの変化量を所望の閾値と比較して前記
転流のタイミングを制御するブラシレス直流モータであ
って、起動から定常回転に至る間に、前記駆動電流を供
給する電源の電圧を測定し、当該電圧に応じて前記閾値
を変化させるので、たとえば、電源電圧の変動に関わり
なく当該閾値を一律に設定する場合に比較して、ステー
タに対するロータの相対的な回転位置をより正確に把握
することができ、電源電圧の変動などに影響されること
なく、回転制御の安定性を向上させることが可能とな
る。
また、本発明になるブラシレス直流モータの制御方式
によれば、周方向に配列される複数の第1の極を持つ磁
石からなるロータと、前記第1の極に対向し、それぞれ
に巻回された複数の巻線の各々に駆動電流を通電するこ
とによって独立に励磁される複数の第2の極を有するス
テータとからなり、個々の前記巻線に対する前記駆動電
流の印加を順次切り換える転流によって前記ロータを同
期して回転させるブラシレス直流モータであって、起動
から定常回転に至る間に、前記駆動電流を供給する電源
の電圧を測定し、当該電圧に応じて、定常回転における
前記駆動電流の制限値を設定するので、たとえば、定常
回転時における駆動電流を所望の制限値に一律に規制す
る場合のように電源電圧の変動に起因するロータのトル
クの過不足を生じることがなくなり、ロータの回転制御
の安定性を損なうことなく、消費電力を減少させること
が可能となる。
また、本発明になる磁気ディスク装置によれば、請求
項1〜3記載のブラシレス直流モータの制御方式を用い
て、記憶媒体である磁気ディスクを駆動するブラシレス
直流モータの制御を行うので、電源電圧の変動などに影
響されることなく、磁気ディスクを安定に回転させて、
動作の信頼性を向上させることができるとともに、磁気
ディスクの安定な回転による動作の信頼性を損なうこと
なく、消費電力を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例である磁気ディスク装置お
よびそれに付随してブラシレス直流モータの制御を行う
回路などの構成の一例を模式的に示したブロック図、 第2図は、本発明の一実施例である磁気ディスク装置に
装着されているモータの構成の一例を模式的に示す説明
図、 第3図は、電源電圧の変動による駆動電流の立ち上がり
時間の変化の一例を示す線図、 第4図は、転流時における駆動電流の波形の一例を示す
線図、 第5図は、駆動電流の立ち上がりにおける差分の測定方
法の一例を説明する線図、 第6図は、駆動電流の差分と、ロータの回転位置との関
係の一例を示す線図、 第7図は、駆動電流の差分とロータの回転位置との関係
を、種々の電源電圧の場合について例示した線図、 第8図(a)〜(c)は、電流制限時における駆動電流
の波形の一例を示す線図、 第9図は、本発明の一実施例であるブラシレス直流モー
タの制御方式の一例を示す流れ図である。 1……電圧検出回路、2……位置検出レベル判定回路、
3……定常電流値判定回路、4……発振回路、4a……発
振器、4b……分周器、5……位置検出器、5a……タイ
マ、5b……測定指令、6……計時回路、7……計算回
路、8……サーボ回路、9……状態制御回路、10……転
流指示回路、11……駆動電流指示回路、12……信号選択
回路、13……転流回路、14……電流制限回路、15……電
流検出回路、16……モータ、161……ステータ、161a…
…極、162……ロータ、162a……磁極、17……磁気ディ
スク、18……磁気ヘッド、18a……アクチュエータ、19
……電源、21……通常の電源電圧値における駆動電流の
立ち上がりにおける差分の一例を示す曲線、22……電源
電圧が通常の値よりも大きい場合の駆動電流の立ち上が
りにおける差分の一例を示す曲線、22a,22b……領域、2
3……電源電圧が通常の値よりも小さい場合の駆動電流
の立ち上がりにおける差分の一例を示す曲線、31……通
常の電源電圧における電流制限時の駆動電流の波形、32
……電源電圧が通常の値よりも高い場合の電流制限時に
おける駆動電流の波形、33……電源電圧が通常の値より
も低い場合の電流制限時における駆動電流の波形、201
〜208……回転制御の手順の一例を示すステップ、Id…
…駆動電流、In……規定電流、P……転流ポイント、Th
……位置検出規定レベル、ThH……電源電圧が通常より
高い場合の位置検出規定レベル、ThL……電源電圧が通
常より低い場合の位置検出規定レベル、ThN……通常の
電源電圧における位置検出規定レベル、Tr……駆動電流
の立ち上がり時間、ΔI……駆動電流の差分、Ip……電
流制限値、IpH……電源電圧が通常より高い場合の電流
制限値、IpL……電源電圧が通常より低い場合の電流制
限値、IpN……通常の電源電圧における電流制限値。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周方向に配列される複数の第1の極を持つ
    磁石からなるロータと、前記第1の極に対向し、それぞ
    れに巻回された複数の巻線の各々に駆動電流を通電する
    ことによって独立に励磁される複数の第2の極を有する
    ステータとからなり、個々の前記巻線に対する前記駆動
    電流の印加を順次切り換える転流によって前記ロータを
    同期して回転させるとともに、前記第1の極と第2の極
    との相対的な位置関係に応じて変化する前記駆動電流の
    単位時間当たりの変化量を所望の閾値と比較して前記転
    流のタイミングを制御するブラシレス直流モータであっ
    て、起動から定常回転に至る間に、前記駆動電流を供給
    する電源の電圧を測定し、当該電圧に応じて前記閾値を
    変化させることを特徴とするブラシレス直流モータの制
    御方式。
  2. 【請求項2】周方向に配列される複数の第1の極を持つ
    磁石からなるロータと、前記第1の極に対向し、それぞ
    れに巻回された複数の巻線の各々に駆動電流を通電する
    ことによって独立に励磁される複数の第2の極を有する
    ステータとからなり、個々の前記巻線に対する前記駆動
    電流の印加を順次切り換える転流によって前記ロータを
    同期して回転させるブラシレス直流モータであって、起
    動から定常回転に至る間に、前記駆動電流を供給する電
    源の電圧を測定し、当該電圧に応じて、定常回転におけ
    る前記駆動電流の制限値を設定することを特徴とするブ
    ラシレス直流モータの制御方式。
  3. 【請求項3】請求項1および請求項2記載の制御動作を
    組み合わせたことを特徴とするブラシレス直流モータの
    制御方式。
  4. 【請求項4】情報の記憶媒体として機能する磁気ディス
    クと、この磁気ディスクを回転させるブラシレス直流モ
    ータと、前記磁気ディスクに対する前記情報の記録/再
    生動作を行う磁気ヘッドと、この磁気ヘッドの前記磁気
    ディスクに対する位置決めを制御するヘッド駆動機構と
    からなる磁気ディスク装置であって、前記ブラシレス直
    流モータの制御が、請求項1,2または3記載のブラシレ
    ス直流モータの制御方式により行われるようにした磁気
    ディスク装置。
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