JPH08338795A - 3次元複合材の特性解析法および解析装置 - Google Patents

3次元複合材の特性解析法および解析装置

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JPH08338795A
JPH08338795A JP16922795A JP16922795A JPH08338795A JP H08338795 A JPH08338795 A JP H08338795A JP 16922795 A JP16922795 A JP 16922795A JP 16922795 A JP16922795 A JP 16922795A JP H08338795 A JPH08338795 A JP H08338795A
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JP
Japan
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composite material
unit
poisson
ratio
dimensional composite
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JP16922795A
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English (en)
Inventor
Tadashi Natsumura
匡 夏村
Yasuhiro Otake
泰弘 大竹
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Publication date
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  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 3次元繊維強化複合材であっても簡単にモデ
ル化して短時間に機械的特性を得ることができ、大型コ
ンピュータや解析ソフトを必要とせず低コストな3次元
複合材の特性解析装置を提供することにある。 【構成】 入力キーボード部11で入力された情報に基
づき、演算部12で縦弾性係数Eや横弾性係数Gあるい
はポアソン比νをモデル化して得た複合則を用いた式で
それぞれ演算し、その結果を記憶部13に保存し、表示
部14で表示するようにしている。これにより、簡単な
モデル化による複合則を適用した解析ができ、パーソナ
ルコンピュータなどで簡単かつ短時間に演算でき、コス
トも安くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、3次元繊維強化複合
材の機械的特性を簡単に解析できるようにした3次元複
合材の特性解析法および解析装置に関し、複合則を用い
て簡単に縦弾性係数、横弾性係数およびポアソン比を求
めることができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】複合材料の研究開発の進展にともない高
性能な複合材料が開発され、金属の代替材料としても注
目されつつある。その中でも繊維を立体的に織りあげた
3次元繊維強化複合材料は、これまでの積層型の複合材
料に比べ層間強度が高く、耐衝撃性などにも優れている
ことから、各種構造部材への適用も期待されている。
【0003】このような3次元複合材料を構造部材に適
用しようとする場合には、材料の成形技術とともに、個
々の部品に求められる剛性や強度特性に合わせた強化用
の繊維の織り方等の形態やマトリックスを選定する技術
を確立しなければならない。
【0004】このような3次元複合材の機械的特性につ
いても一部で研究が行われており、ユニットセルと呼ば
れる複合材構成繊維の微小繰返し単位についてミクロ的
な解析を行い、その結果を利用して構造全体のマクロ的
な解析を行う手法を用いているものがほとんどである。
【0005】そして、ユニットセルの解析には、2次元
積層理論を応用したやり方や力学的構造モデルを構築す
る方法が提案されている。
【0006】また、力学的構造モデルをトラスやラーメ
構造とすることで、ユニットセル内の繊維組成およびマ
トリックス領域を忠実に表現できるようにする方法も提
案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のこれ
らの解析方法を実施するためには、大型コンピュータや
有限要素法解析ソフトを必要とするなど解析コストが非
常に高いという問題がある。
【0008】また、3次元繊維強化複合材料の構造が変
わるたびに、技術者自身がモデル化しなければならず、
このモデル化に多大な時間がかかるという問題もある。
【0009】この発明はかかる従来技術の課題に鑑みて
なされたもので、3次元繊維強化複合材であっても簡単
にモデル化して短時間に機械的特性を得ることができる
とともに、大型コンピュータや解析ソフトを必要とせず
低コストな3次元複合材の特性解析法および解析装置を
提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明の請求項1記載の3次元複合材の特性解析
法は、直交するi,j,kの3方向の強化用繊維とマト
リックスとでなる3次元複合材からの単位立方体を半分
にしてこの1つをi方向の繊維のみからなる単位要素a
とし、残りをさらに半分にした一方をj方向およびk方
向の両方向の繊維のみからなる単位要素bとするととも
に、他方をマトリックスのみからなる単位要素cとした
モデルを仮定し、i方向については、単位要素b,cが
直列関係にあるとして単位要素b,c全体の等価弾性率
を演算した後、これら単位要素b,cと単位要素aとは
並列関係にあるとして3次元複合材全体の等価弾性率を
求めるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】また、この発明の請求項2記載の3次元複
合材の特性解析法は、請求項1記載の構成に代え、前記
モデルのうち単位要素cについてはi−j平面内では等
方性であると仮定して横弾性係数を求めるとともに、こ
の横弾性係数に対するi,j直交方向に強化用繊維があ
る場合に対しても一方向強化材の複合則が適用できると
仮定して3次元複合材全体の横弾性係数を求めるように
したことを特徴とするものである。
【0012】さらに、この発明の請求項3記載の3次元
複合材の特性解析法は、請求項1記載の構成に代え、前
記3つの単位要素a,b,cにi,j,k方向の強化用
繊維およびマトリックスをそれぞれ分配するとともに、
各方向の強化用繊維を含む各単位要素a,b,cに占め
るマトリックスの体積含有率が3次元複合材全体のマト
リックス体積含有率に等しいモデルを仮定し、単位要素
cはi−j平面内で等方性があり、単位要素aは一方向
材の複合則によりポアソン比を求めるとともに単位要素
bのj方向についても同様にしてポアソン比を求めたの
ち、単位要素b,cに複合則を適用してまずj方向のポ
アソン比を求め、これを相反定理を用いてi方向に変換
し、最後にi方向繊維を含む単位要素aを加えてポアソ
ン比を求めるようにしたことを特徴とするものである。
【0013】また、この発明の請求項4記載の3次元複
合材の特性解析装置は、3次元複合材の強化用繊維およ
びマトリックス単体のそれぞれの特性,強化用繊維の体
積含有率,強化用繊維の直交する3方向i,j,k方向
の比率を入力する入力手段と、この入力手段からの入力
データに基づき前記請求項1〜3のいずれかの解析法に
より縦弾性係数,横弾性係数,ポアソン比のいずれかを
演算する演算手段と、この演算手段による演算結果を記
憶し表示する記憶表示手段とでなることを特徴とするも
のである。
【0014】
【作用】この発明の請求項1記載の3次元複合材の特性
解析法によれば、縦弾性係数を求める際に、単位立方体
を3つの単位要素a,b,cに分割し、単位要素aはi
方向の繊維のみとし、単位要素bはj,k方向の繊維の
みとし、残りの単位要素cはマトリックスのみとしたモ
デルを用い、単位要素bと単位要素cとの直列関係と、
単位要素b,cと単位要素aとの並列関係の複合則を用
いて縦弾性係数を求めるようにしており、簡単にモデル
化して縦弾性係数を求めることができるようになる。
【0015】また、この発明の請求項2記載の3次元複
合材の特性解析法によれば、横弾性係数を求める際に、
上記請求項1と同一のモデルを用い、単位要素cについ
てはi−j平面内では等方性があると仮定して横弾性係
数を求め、この横弾性係数に対する一方向強化材の複合
則がi,j直交方向に繊維がある場合に対しても適用で
きると仮定するようにしており、横弾性係数についても
簡単にモデル化して求めることができるようになる。
【0016】さらに、この発明の請求項3記載の3次元
複合材の特性解析法によれば、ポアソン比を求める際
に、上記請求項1と同一の3つに分割した単位要素a,
b,cで、各単位要素a,b,cにそれぞれi,j,k
方向の繊維及びマトリックスを分配したモデルを用い、
各方向i,j,kの強化繊維に占めるマトリックスが全
体のマトリックス体積含有率に等しいと仮定するように
しており、単位要素cはi−j平面内で等方性があり、
単位要素aは一方向材の複合則によってポアソン比を求
めるともに、単位要素bのj方向についても同様に一方
向材の複合則を適用してポアソン比を求めたのち、単位
要素b,cに複合則を適用し、まずj方向のポアソン比
を求め、これを相反定理を用いてi方向に変換し、最後
にi方向繊維を含む単位要素aを加えてポアソン比を求
めるようにしており、簡単にモデル化してポアソン比を
求めることができるようになる。
【0017】また、この発明の請求項4記載の3次元複
合材の特性解析装置によれば、入力手段で入力された情
報に基づき、演算手段で縦弾性係数の場合には請求項1
記載の解析法により、横弾性係数の場合には請求項2記
載の解析法により、ポアソン比の場合には請求項3記載
の解析法により、それぞれ演算し、その結果を記憶表示
手段で保存したり表示するようにしており、簡単なモデ
ル化による複合則を適用した解析ができるようになり、
パーソナルコンピュータなどで簡単かつ短時間に演算で
き、コストも安くなっている。
【0018】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照しな
がら詳細に説明する。この発明の3次元複合材の特性解
析法では、強化用の繊維が、例えば図2(a)に示すよ
うに、直交する3軸方向のx糸、y糸、z糸で構成され
て織られ、繊維の絡みが外表のみの直交織り(Orthogon
al Nonwoven )材とされたもので、これとマトリックス
とで構成された3次元複合材が解析対象とされ、特性と
して縦弾性係数E、横弾性係数Gおよびポアソン比νを
求める。
【0019】この3次元複合材の特性解析法では、3次
元複合材をモデル化して複合則を独自に作成し、これに
より特性としての縦弾性係数E、横弾性係数Gおよびポ
アソン比νを求めるものである。
【0020】そこで、縦弾性係数Eおよび横弾性係数G
の定式化のための3次元複合材のモデル化は、図2
(b)に示すように、3次元複合材の単位立方体で直交
3軸(i,j,k)方向の各繊維:i繊維、j繊維、k
繊維を含む単位要素(a,b,c)に分割する。
【0021】すなわち、単位要素aは単位立方体をk方
向に2分割したものの一方でi繊維のみからなり、単位
要素bは2分割した他方をさらにi方向に2分割したも
のの一方でj繊維とk繊維のみからなり、単位要素cは
残りの単位立方体の1/4部分でマトリックスのみから
なるものである。
【0022】このようなモデル化した3次元複合材から
次のようにして縦弾性係数Eおよび横弾性係数Gが求め
られる。
【0023】A. 縦弾性係数Eの定式化 縦弾性係数Ei の定式化は、図3にそのフローチャート
を示すように、図2(b)でモデル化した単位要素a,
b,cを独自の複合則を用いて行うものである。
【0024】まず、i方向について考えると、単位要素
bと単位要素cは直列関係にあり、これら単位要素b,
c全体の等価弾性率:Ei(bc) は、直列関係の複合則に
より次の数式1で表わすことができる。
【0025】
【数1】
【0026】次に、単位要素b,c全体と単位要素aは
並列関係にあるため、並列関係の複合則をこれらに適用
することで、3次元複合材全体のi方向の等価弾性係数
Eiは、i方向のみの体積含有率をVfiとして次の数式
2で表わすことができる。
【0027】
【数2】
【0028】この数式2のEi(bc) に上記で求めた数式
1のEi(bc) を代入してまとめると次の数式3が得ら
れ、この数式3によって3次元複合材のi方向の縦弾性
係数Ei を求めることができる。
【0029】
【数3】
【0030】したがって、この数式3に基づいて、直交
する3軸(i,j,k)のi〜kを順次3次元複合材の
3つの繊維が直交する3軸(x,y,z)に置き換えて
計算を行うことで、それぞれの方向の縦弾性係数Ex ,
Ey ,Ez を求めることができる。
【0031】B. 横弾性係数Gの定式化 横弾性係数Gijの定式化は、図4にそのフローチャート
を示すように、図2(b)でモデル化した単位要素a,
b,cを独自の複合則を用いて行うものであ。
【0032】まず、単位要素cについては、強化繊維が
なくマトリックスのみで構成されており、縦弾性係数E
i(c)とEj(c)が等しいため、i−j面内には、等方性と
考えて良く、この単位要素cの横弾性係数Gij(c) およ
び縦弾性係数Ei(c)は次の数式4で表わすことができ
る。
【0033】
【数4】
【0034】ここで、νi(c)は単位要素cのi方向のポ
アソン比 Vf(c)は単位要素cに占める繊維体積含有率 Vm(c)は単位要素cに占めるマトリックス体積含有率 そして、これらの数式4をまとめると、次の数式5を得
ることができる。
【0035】
【数5】
【0036】次に、横弾性係数Gijに対する一方向強化
材の複合則がi,j直交方向に繊維がある場合に対して
も適用できると仮定し、繊維単体の横弾性係数をGf と
すると、求める横弾性係数Gijは次の数式6で表わすこ
とができる。
【0037】
【数6】
【0038】なお、この数式6の横弾性係数Gij(c) は
数式5で与えられる。また、概略検討では、繊維単体及
び単位要素cは等方性と考えることができ、繊維単体の
横弾性係数Gf は、弾性係数間の一般的な関係から繊維
単体の縦弾性係数Ef と繊維単体のポアソン比νf を用
いて次式のように表わすことができるとともに、ポアソ
ン比の間にνf =νij(c) の関係が成り立ち、その値が
0.2〜0.3とすることができる。 Gf =Ef /(2(1+νf)) νf =νij(c) =0.2〜0.3 したがって、直交する3軸(i,j,k)のi〜kを順
次3次元複合材の3つの繊維が直交する3軸(x,y,
z)に置き換えて計算を行うことで、それぞれの横弾性
係数Gxy,Gyz,Gzxを求めることができる。
【0039】C. ポアソン比νijの定式化 ポアソン比νijの定式化は、図5にそのフローチャート
を示すように、図2(c)のようにモデル化した単位要
素a,b,cに独自の複合則を用いて行うものである。
【0040】このポアソン比νijの定式化の場合には、
ポアソン比νijとポアソン比νjiとが等しくないことか
らその効果を加えるため、3次元複合材を図2(c)に
示すようにモデル化する。
【0041】すなわち、単位要素aは単位立方体をk方
向に2分割したものの一方でi繊維とマトリックスから
なり、単位要素bは2分割した他方をさらにi方向に2
分割したものの一方でj繊維とマトリックスからなり、
単位要素cは残りの単位立方体の1/4部分でk繊維と
マトリックスからなるもので、各単位要素a,b,cに
占めるマトリックスの体積含有率Vm(a),Vm(b),Vm
(c)が3次元複合材全体での体積含有率Vm に等しいと
する。 Vm(a)=Vm(b)=Vm(c)=Vm このようなモデル化した3次元複合材から次のようにし
てポアソン比νijが求められる。まず、各単位要素a,
b,cのポアソン比については、次に示す関係が与えら
れる。
【0042】単位要素cはi−j面内には、等方性と見
なして、次式の関係がある。 νij(c) =νji(c) また、単位要素aは一方向材に対する複合則より、次式
の関係がある。 νij(a) =Vf(a)νf +Vm(a)νm さらに、単位要素bのj方向についても同様に一方向材
に対する複合則より、次式の関係がある。 νji(b) =Vf(b)νf +Vm(b)νm 次に、単位要素bcに複合則を適用する。この場合に
は、一方向材に対する複合則は強化用繊維方向に対して
成立するため、まず、j方向のポアソン比νji(bc)を求
めると、次の数式7で表わすことができる。
【0043】
【数7】
【0044】こうして得られた単位要素bcのj方向の
ポアソン比をi方向に変換するため相反定理を用いる
と、単位要素bcのi方向のポアソン比νij(bc)は次の
数式8で表わすことができる。
【0045】
【数8】
【0046】最後に、単位要素bcにi方向繊維を含む
単位要素aを加えて3次元複合材全体のポアソン比νij
(= νij(abc) )を求めると、次の数式9で表すことが
でき、この数式9のνij(bc)に数式7および数式8を代
入して数式10を得ることができる。
【0047】
【数9】
【0048】
【数10】
【0049】したがって、直交する3軸(i,j,k)
のi〜kを順次3次元複合材の3つの繊維が直交する3
軸(x,y,z)に置き換えて計算を行うことで、それ
ぞれのポアソン比νxy,νyz,νzxを求めることができ
る。
【0050】以上のように、3次元複合材の縦弾性係数
E、横弾性係数Gおよびポアソン比νをそれぞれ定式化
することができ、これらによってx繊維、y繊維、z繊
維及びマトリックスそれぞれの単体の特性(縦弾性係数
E、横弾性係数Gおよびポアソン比ν等)、3次元複合
材全体の強化用繊維の体積含有率Vf 、3次元複合材の
角繊維比率;X:Y:Zを入力することで、簡単に3次
元複合材の縦弾性係数E、横弾性係数Gおよびポアソン
比νを求めることができる。
【0051】このような3次元複合材の特性解析装置と
しては、例えば図1(a),(b)に示すように、パー
ソナルコンピュータ10で構成され、入力手段としての
入力キーボード部11と、この入力手段としての入力キ
ーボード部11からの入力データに基づき既に説明した
3次元複合材の縦弾性係数E、横弾性係数Gおよびポア
ソン比νの定式により縦弾性係数,横弾性係数,ポアソ
ン比をそれぞれ演算する演算手段としてのCPUで構成
された演算部12と、この演算手段としての演算部12
による演算結果を記憶し表示する記憶表示手段としての
メモリで構成された記憶部13およびテレビモニタで構
成された表示部14とを備えている。
【0052】このような3次元複合材の特性解析装置1
0を用い、演算部12で既に説明した3次元複合材の特
性である縦弾性係数E、横弾性係数Gおよびポアソン比
νの複合則による数式3,6,10などを用いて計算を
行った結果を表1に示す。
【0053】この計算に用いた3次元複合材は、文献と
して発表されているものでカーボン繊維とエポキシ樹脂
との3次元複合材であり、これら文献値と比較した。
【0054】
【表1】
【0055】ここで、 文献(1) ;森 顕伸,“三次元複合材料の弾性定数と強
度”,日本複合材料学会誌,19−1(1993),PP.8-14 文献(2) ;長井謙宏,横山敦士,“三次元強化繊維複合
材料解析手法の研究”,日本機械学会論文集(A)編60
巻570 号(1994),PP224-229他 この表1から明らかなように、各軸方向の縦弾性係数E
i については、文献に示されている解析結果及び試験結
果と良好に一致していることが分かる。
【0056】特に、文献(2) との比較では、4種の繊維
比率について全て誤差が±10%以内で一致している。
【0057】また、横弾性係数Gijやポアソン比νijに
ついては、解析結果や試験結果の文献値などは少ない
が、この発明の定式化した複合則により有効な値を求め
ることができる。
【0058】さらに、現在開発が進められているSiC
繊維とSiCセラミックとで構成される3次元複合材の
特性解析にも適用でき、解析結果が試験結果に良く一致
していることを確認している。
【0059】
【発明の効果】以上、一実施例とともに具体的に説明し
たようにこの発明の請求項1記載の3次元複合材の特性
解析法によれば、縦弾性係数を求める際に、単位立方体
を3つの単位要素a,b,cに分割し、単位要素aはi
方向の繊維のみとし、単位要素bはj,k方向の繊維の
みとし、残りの単位要素cはマトリックスのみとしたモ
デルを用い、単位要素bと単位要素cとの直列関係と、
単位要素b,cと単位要素aとの並列関係の複合則を用
いて縦弾性係数を求めるようにしたので、簡単にモデル
化して縦弾性係数を求めることができ、モデル化が容易
であり、大型コンピュータを用いること無く、パーソナ
ルコンピュータで簡単かつ短時間に縦弾性係数を求める
ことができる。
【0060】また、この発明の請求項2記載の3次元複
合材の特性解析法によれば、横弾性係数を求める際に、
上記請求項1の発明と同一のモデルを用い、単位要素c
についてはi−j平面内では等方性があると仮定して横
弾性係数を求め、この横弾性係数に対する一方向強化材
の複合則がi,j直交方向に繊維がある場合に対しても
適用できると仮定するようにしたので、横弾性係数につ
いても簡単にモデル化して求めることができ、モデル化
が容易であり、大型コンピュータを用いること無く、パ
ーソナルコンピュータで簡単かつ短時間に横弾性係数を
求めることができる。
【0061】さらに、この発明の請求項3記載の3次元
複合材の特性解析法によれば、ポアソン比を求める際
に、上記請求項1の発明と同一の3つに分割した単位要
素a,b,cで、各単位要素a,b,cにそれぞれi,
j,k方向の繊維及びマトリックスを分配したモデルを
用い、各方向i,j,kの強化繊維に占めるマトリック
スが全体のマトリックス体積含有率に等しいと仮定する
ようにし、単位要素cはi−j平面内で等方性があり、
単位要素aは一方向材の複合則によってポアソン比を求
めるともに、単位要素bのj方向についても同様に一方
向材の複合則を適用してポアソン比を求めたのち、単位
要素b,cに複合則を適用し、まずj方向のポアソン比
を求め、これを相反定理を用いてi方向に変換し、最後
にi方向繊維を含む単位要素aを加えてポアソン比を求
めるようにしたので、簡単にモデル化してポアソン比を
求めることができ、モデル化が容易であり、大型コンピ
ュータを用いること無く、パーソナルコンピュータで簡
単かつ短時間にポアソン比を求めることができる。
【0062】また、この発明の請求項4記載の3次元複
合材の特性解析装置によれば、入力手段で入力された情
報に基づき、演算手段で縦弾性係数の場合には請求項1
記載の解析法により、横弾性係数の場合には請求項2記
載の解析法により、ポアソン比の場合には請求項3記載
の解析法により、それぞれ演算し、その結果を記憶表示
手段で保存したり表示するようにしたので、簡単なモデ
ル化による複合則を適用した解析ができるようになり、
パーソナルコンピュータなどで簡単かつ短時間に演算で
き、コストも安くなる。
【0063】したがって、3次元複合材の機械的特性を
簡単かつ短時間に解析して求めることができ、3次元複
合材料自体の研究開発や3次元複合材料の各種構造部材
への適用が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の3次元複合材の特性解析装置の一実
施例にかかる斜視図及びブロック図である。
【図2】この発明の3次元複合材の特性解析法の一実施
例にかかる3次元複合材の強化用繊維の斜視図およびモ
デル化した斜視図である。
【図3】この発明の3次元複合材の特性解析法の一実施
例にかかる縦弾性係数を解析する場合のフローチャート
である。
【図4】この発明の3次元複合材の特性解析法の一実施
例にかかる横弾性係数を解析する場合のフローチャート
である。
【図5】この発明の3次元複合材の特性解析法の一実施
例にかかるポアソン比を解析する場合のフローチャート
である。
【符号の説明】
10 3次元複合材の特性解析装置 11 入力キーボード部 12 演算部 13 記憶部 14 表示部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交するi,j,kの3方向の強化用繊
    維とマトリックスとでなる3次元複合材からの単位立方
    体を半分にしてこの1つをi方向の繊維のみからなる単
    位要素aとし、残りをさらに半分にして一方をj方向お
    よびk方向の両方向の繊維のみからなる単位要素bとす
    るとともに、他方をマトリックスのみからなる単位要素
    cとしたモデルを仮定し、i方向については、単位要素
    b,cが直列関係にあるとして単位要素b,c全体の等
    価弾性率を演算した後、これら単位要素b,cと単位要
    素aとは並列関係にあるとして3次元複合材全体の等価
    弾性率を求めるようにしたことを特徴とする3次元複合
    材の特性解析法。
  2. 【請求項2】 前記モデルのうち単位要素cについては
    i−j平面内では等方性であると仮定して横弾性係数を
    求めるとともに、この横弾性係数に対するi,j直交方
    向に強化用繊維がある場合に対しても一方向強化材の複
    合則が適用できると仮定して3次元複合材全体の横弾性
    係数を求めるようにしたことを特徴とする請求項1記載
    の3次元複合材の特性解析法。
  3. 【請求項3】 前記3つの単位要素a,b,cにi,
    j,k方向の強化用繊維およびマトリックスをそれぞれ
    分配するとともに、各方向の強化用繊維を含む各単位要
    素a,b,cに占めるマトリックスの体積含有率が3次
    元複合材全体のマトリックス体積含有率に等しいモデル
    を仮定し、単位要素cはi−j平面内で等方性があり、
    単位要素aは一方向材の複合則によりポアソン比を求め
    るとともに単位要素bのj方向についても同様にしてポ
    アソン比を求めたのち、単位要素b,cに複合則を適用
    してまずj方向のポアソン比を求め、これを相反定理を
    用いてi方向に変換し、最後にi方向繊維を含む単位要
    素aを加えてポアソン比を求めるようにしたことを特徴
    とする請求項1記載の3次元複合材の特性解析法。
  4. 【請求項4】 3次元複合材の強化用繊維およびマトリ
    ックス単体のそれぞれの特性,強化用繊維の体積含有
    率,強化用繊維の直交する3方向i,j,k方向の比率
    を入力する入力手段と、この入力手段からの入力データ
    に基づき前記いずれかの解析法により縦弾性係数,横弾
    性係数,ポアソン比のいずれかを演算する演算手段と、
    この演算手段による演算結果を記憶し表示する記憶表示
    手段とでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の3次元複合材の特性解析装置。
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