JPH08338336A - 分配型燃料噴射ポンプ - Google Patents

分配型燃料噴射ポンプ

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JPH08338336A
JPH08338336A JP14193495A JP14193495A JPH08338336A JP H08338336 A JPH08338336 A JP H08338336A JP 14193495 A JP14193495 A JP 14193495A JP 14193495 A JP14193495 A JP 14193495A JP H08338336 A JPH08338336 A JP H08338336A
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JP
Japan
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fuel
overflow
passage
cylinder
overflow valve
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Application number
JP14193495A
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English (en)
Inventor
Koichi Nagatani
康一 永谷
Masahiro Okajima
正博 岡嶋
Katsuya Nomoto
勝哉 野本
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料溢流時の部品損傷を低減するとともに、
加圧室に十分量の燃料を充填する分配型燃料噴射ポンプ
を提供する。 【構成】 溢流通路31は、シリンダ12を径方向に直
線的に貫通してポンプハウジング11に達し、折曲部3
2で折曲がって燃料溜まり14に連通している。ダンピ
ングチャンバ41は連通路33を介して溢流通路31と
連通している。圧送行程中に溢流弁50が開弁して高圧
燃料が溢流通路31に溢流すると、溢流弁50直下の溢
流通路31に圧力波が発生する。ダンピングチャンバ4
1に伝搬した圧力波は位相が180°反転して折曲部3
2に反射するので、燃料溜まり14側に伝搬する圧力波
と合成されることにより、圧力波が緩衝され振幅が小さ
くなる。これにより、吸入行程で燃料溜まり14から加
圧室21に十分量の燃料が安定して吸入される。また、
燃料フィード系の部品に作用する圧力波の振幅が小さい
ので部品の損傷が低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関(以下、「内
燃機関」をエンジンという)用の分配型燃料噴射ポンプ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のインナカム式の分配型燃料噴射ポ
ンプは、シリンダ内壁に摺接しながら回転する分配ロー
タ周囲に形成された燃料溜まりにフィードポンプから低
圧燃料を供給し、分配ロータの内壁と分配ロータの径方
向に往復移動可能に支持されたプランジャとにより区画
形成された加圧室に燃料溜まりから燃料を吸入してい
る。そして、分配ロータの外周に配設したカムリングの
カム面に沿って往復移動するプランジャにより加圧室内
の燃料を加圧および圧送し、分配通路を介してデリバリ
バルブからエンジン各気筒のインジェクタに供給される
ようになっている。
【0003】このような分配型燃料噴射ポンプでは、圧
送される燃料を燃料溜まりに還流可能な溢流通路にこの
溢流通路を断続可能な溢流弁を設け、この溢流弁を開弁
することにより圧送される燃料を溢流させ低圧側の燃料
溜まりに還流させている。これによりインジェクタに供
給する燃料圧力が低下し燃料噴射が終了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな燃料溜まりに溢流燃料を還流させる従来のインナカ
ム式の分配型燃料噴射ポンプでは、溢流弁が開弁すると
高圧の溢流燃料により大きな圧力波が発生し、この圧力
波が燃料溜まりからフィードポンプ側に設けられた調圧
弁やその他の燃料フィード系部品に作用してこれらの部
品に損傷を与える恐れがある。また、燃料溢流時に発生
する圧力波により燃料溜まりに大きな圧力脈動が発生
し、この圧力脈動により加圧室への燃料充填が妨げら
れ、十分量の燃料が加圧室に充填されない場合がある。
プランジャは加圧室の圧力と分配ロータの回転に伴う遠
心力とにより径方向外側に移動して燃料を吸入し、プラ
ンジャの外周側に配設されたカムリングに形成されたカ
ム山により径方向内側に移動して燃料を加圧するので、
加圧室に十分量の燃料が吸入されず加圧室内の圧力が所
定値にまで上昇しないとプランジャの径方向外側への移
動量が減少することがある。すると、インジェクタに供
給される燃料量が不足するとともに燃料供給圧が低下す
ることにより噴射時期がずれる等の噴射不良が発生する
という問題がある。
【0005】この問題を解決するために、溢流通路にピ
ストン型のアキュムレータを設け圧力脈動に応じてアキ
ュムレータを駆動することにより圧力波を緩衝すること
も考えられるが、圧力脈動を緩衝する応答周波数および
アキュムレータ自体の信頼性が高くないことに加え、製
造コストも増加するという問題がある。本発明は、この
ような問題を解決するためになされたものであり、燃料
溢流時の部品損傷を低減するとともに、加圧室に十分量
の燃料を充填する分配型燃料噴射ポンプを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の請求項1記載の分配型燃料噴射ポンプは、カ
ム面に沿って往復移動するプランジャにより、燃料溜ま
りから加圧室に吸入した燃料を加圧圧送する分配型燃料
噴射ポンプであって、前記プランジャを径方向に往復移
動可能に支持するとともに回転運動する分配ロータであ
って、前記プランジャの径方向内側端面と前記分配ロー
タの内壁とにより前記加圧室を形成する分配ロータと、
前記分配ロータを回転可能に支持するシリンダと、前記
シリンダを収容し、前記燃料溜まりを内周壁に設けたポ
ンプハウジングと、前記ポンプハウジングに取付けられ
る溢流弁であって、前記加圧室と前記溢流弁の一方の開
口側とを連通するとともに、前記溢流弁の他方の開口側
と前記燃料溜まりとを連通する溢流通路を断続可能な溢
流弁とを備え、前記溢流通路は、前記溢流弁の前記他方
の開口側から前記シリンダを径方向に貫通してから折れ
曲がり、前記シリンダの軸方向に沿って前記燃料溜まり
に連通するように前記ハウジングに形成され、前記溢流
弁の前記他方の開口側から前記シリンダを径方向に貫通
する前記溢流通路の延長上に緩衝室を設けることを特徴
とする。
【0007】本発明の請求項2記載の分配型燃料噴射ポ
ンプは、カム面に沿って往復移動するプランジャによ
り、燃料溜まりから加圧室に吸入した燃料を加圧圧送す
る分配型燃料噴射ポンプであって、前記プランジャを径
方向に往復移動可能に支持するとともに回転運動する分
配ロータであって、前記プランジャの径方向内側端面と
前記分配ロータの内壁とにより前記加圧室を形成する分
配ロータと、前記分配ロータを回転可能に支持するシリ
ンダと、前記シリンダを収容し、前記燃料溜まりを内周
壁に設けたポンプハウジングと、前記ポンプハウジング
に取付けられる溢流弁であって、前記加圧室と前記溢流
弁の一方の開口側とを連通するとともに、前記溢流弁の
他方の開口側と前記燃料溜まりとを連通する溢流通路を
断続可能な溢流弁とを備え、前記溢流通路は、前記溢流
弁の前記他方の開口側から前記シリンダを径方向に貫通
してから折れ曲がり、前記シリンダの軸方向に沿って前
記燃料溜まりに連通するように前記ハウジングに形成さ
れ、前記シリンダの反分配ロータ側の軸方向端面と前記
ハウジングの内壁とにより緩衝室を区画形成し、前記緩
衝室は前記溢流通路に連通することを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3記載の分配型燃料噴射ポ
ンプは、カム面に沿って往復移動するプランジャによ
り、燃料溜まりから加圧室に吸入した燃料を加圧圧送す
る分配型燃料噴射ポンプであって、前記プランジャを径
方向に往復移動可能に支持するとともに回転運動する分
配ロータであって、前記プランジャの径方向内側端面と
前記分配ロータの内壁とにより前記加圧室を形成する分
配ロータと、前記分配ロータを回転可能に支持するシリ
ンダと、前記シリンダを収容し、前記燃料溜まりを内周
壁に設けたポンプハウジングと、前記ポンプハウジング
に取付けられる溢流弁であって、前記加圧室と前記溢流
弁の一方の開口側とを連通するとともに、前記溢流弁の
他方の開口側と前記燃料溜まりとを連通する溢流通路を
断続可能な溢流弁とを備え、前記溢流通路は、前記溢流
弁の前記他方の開口側から前記シリンダの軸方向に沿っ
て前記燃料溜まりに連通するように前記ハウジングに形
成され、前記シリンダの外周壁に形成された凹部により
緩衝室を形成し、前記緩衝室は前記溢流弁の前記他方の
開口側と対向するとともに前記溢流通路と連通すること
を特徴とする。
【0009】本発明の請求項4記載の分配型燃料噴射ポ
ンプは、請求項3記載の分配型燃料噴射ポンプにおい
て、前記凹部は前記シリンダの外周壁に環状に形成され
ることを特徴とする。本発明の請求項5記載の分配型燃
料噴射ポンプは、請求項1から4のいずれか一項記載の
分配型燃料噴射ポンプにおいて、前記溢流通路との連通
方向と垂直な前記緩衝室の断面積は前記溢流通路の流路
断面積よりも大きいことを特徴とする。
【0010】
【作用および発明の効果】本発明の分配型燃料噴射ポン
プによると、溢流弁の他方の開口側と燃料溜まりとを連
通する溢流通路に連通する緩衝室を設けることにより、
溢流弁の開弁時、溢流する高圧燃料により発生する圧力
波が緩衝室からの反射波により緩衝されて振幅が低減さ
れる。このため、圧力波が伝搬することにより発生する
燃料溜まりの圧力脈動が低減されるので、燃料溜まりか
ら加圧室に十分量の燃料を安定して吸入することができ
る。また、燃料溜まりに燃料を供給する燃料フィード系
の部品に振幅の大きな圧力波が伝搬することを防ぐの
で、これらの部品が損傷することを防止できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例)本発明の第1実施例による分配型燃料噴
射ポンプを図1および図2に示す。図1に示すように、
噴射ンプ10のポンプハウジング11の内壁にシリンダ
12が固定され、このシリンダ12の内壁に分配ロータ
13が摺接して回転可能に支持されている。分配ロータ
13はエンジンのクランクシャフトに同期して回転する
図示しない駆動軸と軸方向に連結され、この駆動軸とと
もに回転する。燃料溜まり14はポンプハウジング11
の内壁にシリンダ12を囲むように環状に形成されてお
り、図示しないフィードポンプから燃料通路200を通
って燃料が供給される。
【0012】シリンダ12には、燃料溜まり14に連通
する複数の吸入通路15、エンジンの各気筒に燃料を供
給するための複数の分配通路16および溢流通路17が
形成されている。各分配通路16はポンプハウジング1
1に設けた分配通路30を介してエンジンの各気筒に燃
料を供給するためのデリバリバルブ61に接続されてい
る。
【0013】分配ロータ13には互いに直交する一対の
摺動孔13aが形成され、各摺動孔13aを形成する分
配ロータ13の内壁にそれぞれ一対のプランジャ20が
油密状態で摺動可能に支持されており、各プランジャ2
0の内端面と各摺動孔13aを形成する分配ロータ13
の内壁により加圧室21が画成されている。各プランジ
ャ20の外側端部には図示しないローラが回転自在に保
持されている。ローラの外側には内周面に複数のカム山
を有するカム面の形成された図示しないインナーカムリ
ングが配置されており、分配ロータ13の回転に基づい
てローラがインナーカムリング内周面のカム面に摺動す
ることにより、ローラはカム面に沿ってインナーカムリ
ングの径方向に往復移動し、この往復移動がプランジャ
20に伝達される。そしてプランジャ20が分配ロータ
13の径方向外側に移動することにより加圧室21の容
積が増加し、加圧室21に燃料が吸入される。プランジ
ャ20が分配ロータ13の径方向内側に移動することに
より加圧室21の容積が減少し、燃料が加圧される。イ
ンナーカムリングは、図示しないタイマ装置により回転
角を調節可能である。
【0014】分配ロータ13には、吸入通路15から燃
料を吸入し加圧室21に燃料を充填する吸入通路22、
吸入通路22に連通する燃料通路23、分配ロータ13
の外周壁に環状に形成され燃料通路23に連通する燃料
通路24、この燃料通路24に連通する連通口25が設
けられている。燃料通路24は常に溢流通路17と連通
している。分配ロータ13の回転に伴い、吸入通路22
は吸入通路15と連通可能であり、連通口25は分配通
路16と連通可能である。
【0015】溢流弁50は、ポンプハウジング11に組
付けられ溢流通路17の先端に配設される電磁弁であ
る。弁部材51はバルブボディ55に往復移動可能に支
持され、弁部材51周囲のバルブボディ55内壁により
形成される高圧室52は溢流通路53により溢流通路1
7と連通している。圧縮コイルスプリング54は高圧室
52と後述する溢流通路31とが連通する開弁方向に弁
部材51およびアーマチャ57を付勢している。コイル
56はケーシング58に収容され、通電することにより
圧縮コイルスプリング54の付勢力に抗してアーマチャ
57を閉弁方向に吸引する。すると弁部材51が下降
し、高圧室52と溢流通路31との連通が遮断される。
溢流弁50は、燃料の圧送行程中において開弁し、加圧
室21から圧送される高圧燃料を溢流させ圧送行程を終
了させる。
【0016】溢流通路31は高圧室52と連通可能であ
り、シリンダ12を径方向に直線的に貫通してポンプハ
ウジング11に達し、折曲部32で折曲がって燃料溜ま
り14に連通している。高圧室52側から直線的に延び
る溢流通路31の延長上に溢流通路31と同一径の連通
路33が形成されている。円形状の凹部11aがポンプ
ハウジング11の外壁に形成され、この凹部11aに密
封部材40がねじ結合している。凹部11aと密封部材
40とにより区画形成される緩衝室であるダンピングチ
ャンバ41は連通路33により高圧室52側から延びる
溢流通路31と直線的に連通している。連通路33との
連通方向と垂直なダンピングチャンバ41の断面積は連
通路33の流路断面積よりも大きくなるように形成され
ている。
【0017】電子制御装置(ECU)100は、エンジ
ン回転数、エンジン負荷等の情報を入力し、これらエン
ジン運転情報より判断されるエンジン運転状況に応じ最
適な燃料噴射時期および燃料噴射量を演算しコイル56
に励磁電流を供給する。コイル56に励磁電流が供給さ
れると弁部材51が圧縮コイルスプリング54の付勢力
に抗して下降し溢流弁50は閉弁する。また、コイル5
6への励磁電流の供給を遮断すると、弁部材51は圧縮
コイルスプリング54の付勢力によりリフトし溢流弁5
0は開弁する。溢流弁50が開弁すると高圧室52から
燃料が溢流通路31に溢流する。この溢流燃料は折曲部
32で折曲がり燃料溜まり14に還流される。燃料溜ま
り14に還流された溢流燃料は加圧室21に再吸入でき
る。
【0018】オーバフローバルブ62は、溢流弁50の
開弁時、燃料通路62aが環状ギャラリ59、燃料通路
60を介して高圧室52と連通することにより、溢流燃
料の一部を減圧して燃料タンクに還流するために設けら
れている。以下、(1) 吸入行程、(2) 圧送行程、(3) 溢
流行程に分け燃料噴射ポンプ10の作動を説明する。
【0019】(1) 吸入行程 インナーカムリングのカム山とプランジャ20の外周側
に設けられたローラとが係合していない状態では、各プ
ランジャ20は加圧室21の圧力により径方向外側に受
ける力と分配ロータ13の回転に伴う遠心力とにより分
配ロータ13の径方向外側に移動する。すると、加圧室
21の容積が増大するので加圧室21の圧力が低下す
る。ここで、分配ロータ13の吸入通路22がいずれか
の吸入通路15に連通すると、燃料溜まり14に充填さ
れていた燃料が加圧室21内に吸入される。吸入通路1
5および分配通路16の分配ロータ側開口部は、分配ロ
ータ13の回転方向に互いに位相をずらして形成されて
いるので、連通口25はシリンダ12の内壁により閉塞
されている。
【0020】(2) 圧送行程 分配ロータ13の回転により、吸入通路22と吸入通路
15とが遮断される一方、連通口25がいずれかの分配
通路16に連通する。そして、インナーカムリングのカ
ム山とローラとが係合すると、各プランジャ20が分配
ロータ13の径方向内側に移動することにより加圧室2
1の容積が減少するので加圧室21の圧力が増大する。
加圧室21で加圧された燃料が一定圧以上になると、燃
料通路23、燃料通路24、連通口25、分配通路1
6、分配通路30を経てデリバリバルブ61からエンジ
ンの各気筒に設置されたインジェクタに高圧燃料が供給
される。
【0021】(3) 溢流行程 圧送行程中に溢流弁50が開弁すると、加圧室21内の
高圧燃料が燃料通路23、燃料通路24、溢流通路1
7、溢流通路53、高圧室52から溢流通路31に溢流
し、この溢流燃料が燃料溜まり14に還流される。一部
の溢流燃料は余剰燃料としてオーバフローバルブ62か
ら燃料タンクに排出される。連通口25は分配通路16
に連通しているが、燃料が溢流しているためデリバルバ
ルブ61の燃料上流側は燃料下流側より低圧になるので
デリバリバルブ61は閉弁し、圧送行程が終了する。吸
入通路22はシリンダ12の内壁により閉塞された状態
である。
【0022】高圧燃料が溢流通路31に溢流すると、図
3に示すように溢流弁50直下の溢流通路31に圧力波
が発生する。図2に示すように、この圧力波は折曲部3
2で燃料溜まり14側とダンピングチャンバ41側とに
同位相で分岐される。溢流通路31から連通路33を介
してダンピングチャンバ41に伝搬した圧力波は連通路
33とダンピングチャンバ41との断面積の違いによ
り、図3に示すように位相が180°反転して折曲部3
2に反射する。そして折曲部32で燃料溜まり14側に
伝搬する圧力波と合成されることにより、圧力波が緩衝
され振幅が小さくなる。このため、溢流弁50の開弁時
に発生する圧力波はダンピングチャンバ41の緩衝作用
により振幅を低減され、燃料溜まり14には大きな圧力
変動となって伝搬しない。
【0023】これにより、フィードポンプから供給され
る燃料とともに溢流燃料が燃料溜まり14に良好に充填
されるとともに次の吸入行程で燃料溜まり14から加圧
室21に十分量の燃料が安定して吸入される。また、燃
料フィード系の部品に作用する圧力脈動の振幅が小さい
ので部品の損傷が低減する。 (第2実施例)本発明の第2実施例を図4に示す。第1
実施例と実質的に同一構成部分については同一符号を付
す。
【0024】第2実施例では、第1実施例のポンプハウ
ジング11に形成したダンピングチャンバ41に代え
て、シリンダ72の分配ロータ収容側と軸方向反対側の
端面と噴射ポンプ70のポンプハウジング71の内壁と
でダンピングチャンバ74が区画形成されている。シリ
ンダ72の軸長は、第1実施例のシリンダ12の軸長よ
りも短い。溢流弁80の高圧室52と連通可能な溢流通
路73は、シリンダ72を径方向に貫通し、さらにポン
プハウジング71内で燃料溜まり14に向けて折曲がり
燃料溜まり14に連通している。溢流通路73は連通路
75によりダンピングチャンバ74と連通している。
【0025】溢流弁80が開弁すると、高圧の溢流燃料
が高圧室52から溢流通路73に溢流し燃料溜まり14
に還流される。溢流弁80の開弁直後、高圧の溢流燃料
により圧力波が発生する。この圧力波の圧力は溢流通路
73と連通路75との連通地点で燃料溜まり14側とダ
ンピングチャンバ74側とに分岐される。連通路75か
らダンピングチャンバ74に伝搬した圧力波は連通路7
5とダンピングチャンバ74との断面積の違いにより位
相が180°反転する。そして連通路75を介して再び
溢流通路73に反射し、燃料溜まり14に向けて伝搬す
る圧力波と合成されることにより、圧力波が緩衝され振
幅が小さくなる。
【0026】第2実施例では、ダンピングチャンバを形
成するための凹部をポンプハウジング71に形成する必
要がなく、シリンダ72の軸長を短縮するだけでダンピ
ングチャンバ74を形成することができるのでポンプハ
ウジングの加工が容易になる。 (第3実施例)本発明の第3実施例を図5および図6に
示す。第1実施例と実質的に同一構成部分については同
一符号を付す。
【0027】第3実施例では、噴射ポンプ90のシリン
ダ92の外周壁に環状に形成した帯状の凹部94とポン
プハウジング90の内壁、および溢流弁50のバルブボ
ディ55によりダンピングチャンバ94aが形成されて
いる。図5に示す17aは、溢流通路53と連通する溢
流通路17の開口部である。溢流通路93はポンプハウ
ジング91に形成され、環状ギャラリ59と環状ギャラ
リ59に近接する燃料溜まり14とを連通している。高
圧室52とダンピングチャンバ94aとを連通可能な連
通路63、および連通路63と環状ギャラリ59とを連
通する燃料通路60は圧送燃料を燃料溜まり14に還流
させる溢流通路を兼ねている。
【0028】溢流弁50が開弁すると、高圧の溢流燃料
が高圧室52からダンピングチャンバ94aに向けて高
圧室52直下の連通路63に溢流する。溢流燃料は燃料
通路60にも分流し、環状ギャラリ59から溢流通路9
3を経て燃料溜まり14に還流する。溢流弁50を開弁
すると高圧の溢流燃料により圧力波が発生する。この圧
力波はダンピングチャンバ94a側と燃料通路60側と
に分岐して伝搬する。ダンピングチャンバ94aに向け
て伝搬する圧力波は連通路63とダンピングチャンバ9
4aとの断面積の差によりダンピングチャンバ94a入
口で位相を180°反転して反射し、燃料通路60に分
岐する圧力波と合成されることにより、圧力波が緩衝さ
れ振幅が小さくなる。
【0029】第3実施例では、還流ギャラリ59と燃料
溜まり14とを連通する溢流通路93は途中で折曲がっ
ておらず直線状に形成できるので、ポンプハウジング9
1の加工が容易になる。また、環状ギャラリ59に燃料
を溢流させる燃料通路60の出口側近傍にオーバフロー
バルブ62を配設したことにより、溢流弁50の開弁時
に溢流される高温の溢流燃料がオーバフローバルブ62
から排出され易くなるので、燃料溜まり14にリターン
される高温の溢流燃料量が減少する。
【0030】(第4実施例)本発明の第4実施例を図7
に示す。第4実施例は、第3実施例でシリンダ92に環
状に形成した凹部94に代えて、溢流弁の燃料溢流側の
開口部と対向するシリンダ95の外壁の一部に凹部96
を形成することによりダンピングチャンバを形成してい
る。ダンピングチャンバの容積は第3実施例よりも小さ
くなるが、第3実施例と同様に圧力波を緩衝することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プを示す縦断面図である。
【図2】図1の主要部分を示す縦断面図である。
【図3】第1実施例の圧力波の緩衝作動を示すタイムチ
ャートである。
【図4】本発明の第2実施例による分配型燃料噴射ポン
プを示す縦断面図である。
【図5】本発明の第3実施例による分配型燃料噴射ポン
プのシリンダを示す斜視図である。
【図6】本発明の第3実施例による分配型燃料噴射ポン
プを示す縦断面図である。
【図7】本発明の第4実施例による分配型燃料噴射ポン
プのシリンダを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 噴射ポンプ(分配型燃料噴射ポンプ) 11 ポンプハウジング 12 シリンダ 13 分配ロータ 14 燃料溜まり 15 吸入通路 16 分配通路 17 溢流通路 20 プランジャ 21 加圧室 22 吸入通路 31 溢流通路 33 連通路 41 ダンピングチャンバ(緩衝室) 50 溢流弁 70、90 噴射ポンプ(分配型燃料噴射ポンプ) 71、91 ポンプハウジング 72、92、95 シリンダ 73、93a 溢流通路 74、94 ダンピングチャンバ(緩衝室) 93、96 凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カム面に沿って往復移動するプランジャ
    により、燃料溜まりから加圧室に吸入した燃料を加圧圧
    送する分配型燃料噴射ポンプであって、 前記プランジャを径方向に往復移動可能に支持するとと
    もに回転運動する分配ロータであって、前記プランジャ
    の径方向内側端面と前記分配ロータの内壁とにより前記
    加圧室を形成する分配ロータと、 前記分配ロータを回転可能に支持するシリンダと、 前記シリンダを収容し、前記燃料溜まりを内周壁に設け
    たポンプハウジングと、 前記ポンプハウジングに取付けられる溢流弁であって、
    前記加圧室と前記溢流弁の一方の開口側とを連通すると
    ともに、前記溢流弁の他方の開口側と前記燃料溜まりと
    を連通する溢流通路を断続可能な溢流弁とを備え、 前記溢流通路は、前記溢流弁の前記他方の開口側から前
    記シリンダを径方向に貫通してから折れ曲がり、前記シ
    リンダの軸方向に沿って前記燃料溜まりに連通するよう
    に前記ハウジングに形成され、 前記溢流弁の前記他方の開口側から前記シリンダを径方
    向に貫通する前記溢流通路の延長上に緩衝室を設けるこ
    とを特徴とする分配型燃料噴射ポンプ。
  2. 【請求項2】 カム面に沿って往復移動するプランジャ
    により、燃料溜まりから加圧室に吸入した燃料を加圧圧
    送する分配型燃料噴射ポンプであって、 前記プランジャを径方向に往復移動可能に支持するとと
    もに回転運動する分配ロータであって、前記プランジャ
    の径方向内側端面と前記分配ロータの内壁とにより前記
    加圧室を形成する分配ロータと、 前記分配ロータを回転可能に支持するシリンダと、 前記シリンダを収容し、前記燃料溜まりを内周壁に設け
    たポンプハウジングと、 前記ポンプハウジングに取付けられる溢流弁であって、
    前記加圧室と前記溢流弁の一方の開口側とを連通すると
    ともに、前記溢流弁の他方の開口側と前記燃料溜まりと
    を連通する溢流通路を断続可能な溢流弁とを備え、 前記溢流通路は、前記溢流弁の前記他方の開口側から前
    記シリンダを径方向に貫通してから折れ曲がり、前記シ
    リンダの軸方向に沿って前記燃料溜まりに連通するよう
    に前記ハウジングに形成され、 前記シリンダの反分配ロータ側の軸方向端面と前記ハウ
    ジングの内壁とにより緩衝室を区画形成し、前記緩衝室
    は前記溢流通路に連通することを特徴とする分配型燃料
    噴射ポンプ。
  3. 【請求項3】 カム面に沿って往復移動するプランジャ
    により、燃料溜まりから加圧室に吸入した燃料を加圧圧
    送する分配型燃料噴射ポンプであって、 前記プランジャを径方向に往復移動可能に支持するとと
    もに回転運動する分配ロータであって、前記プランジャ
    の径方向内側端面と前記分配ロータの内壁とにより前記
    加圧室を形成する分配ロータと、 前記分配ロータを回転可能に支持するシリンダと、 前記シリンダを収容し、前記燃料溜まりを内周壁に設け
    たポンプハウジングと、 前記ポンプハウジングに取付けられる溢流弁であって、
    前記加圧室と前記溢流弁の一方の開口側とを連通すると
    ともに、前記溢流弁の他方の開口側と前記燃料溜まりと
    を連通する溢流通路を断続可能な溢流弁とを備え、 前記溢流通路は、前記溢流弁の前記他方の開口側から前
    記シリンダの軸方向に沿って前記燃料溜まりに連通する
    ように前記ハウジングに形成され、 前記シリンダの外周壁に形成された凹部により緩衝室を
    形成し、前記緩衝室は前記溢流弁の前記他方の開口側と
    対向するとともに前記溢流通路と連通することを特徴と
    する分配型燃料噴射ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記凹部は前記シリンダの外周壁に環状
    に形成されることを特徴とする請求項3記載の分配型燃
    料噴射ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記溢流通路との連通方向と垂直な前記
    緩衝室の断面積は前記溢流通路の流路断面積よりも大き
    いことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載
    の分配型燃料噴射ポンプ。
JP14193495A 1995-06-08 1995-06-08 分配型燃料噴射ポンプ Pending JPH08338336A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0961023A3 (en) * 1998-05-28 2000-08-02 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha High pressure fuel injection pump

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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