JPH08334513A - インターフェロン療法後のc型慢性肝炎の予後判定 - Google Patents
インターフェロン療法後のc型慢性肝炎の予後判定Info
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- JPH08334513A JPH08334513A JP14175195A JP14175195A JPH08334513A JP H08334513 A JPH08334513 A JP H08334513A JP 14175195 A JP14175195 A JP 14175195A JP 14175195 A JP14175195 A JP 14175195A JP H08334513 A JPH08334513 A JP H08334513A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 IFN療法施行後のC型慢性肝炎患者の予後
判定を正確かつ簡便に実施する方法を提供する。 【構成】 ヒトIV型コラーゲンに対するモノクローナル
抗体を固定化した担体と、ヒトIV型コラーゲンに対する
標識されたポリクローナル抗体とを用いて血清中のIV型
コラーゲン濃度を免疫測定することを特徴とする、C型
慢性肝炎患者におけるインターフェロン療法施行後の予
後判定方法。
判定を正確かつ簡便に実施する方法を提供する。 【構成】 ヒトIV型コラーゲンに対するモノクローナル
抗体を固定化した担体と、ヒトIV型コラーゲンに対する
標識されたポリクローナル抗体とを用いて血清中のIV型
コラーゲン濃度を免疫測定することを特徴とする、C型
慢性肝炎患者におけるインターフェロン療法施行後の予
後判定方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は免疫診断の分野に関し、
さらに詳しくは血清中のIV型コラーゲン濃度を免疫測定
することを特徴とする、C型慢性肝炎患者におけるイン
ターフェロン(IFN)療法施行後の予後判定方法なら
びにこの方法に使用するキットに関する。
さらに詳しくは血清中のIV型コラーゲン濃度を免疫測定
することを特徴とする、C型慢性肝炎患者におけるイン
ターフェロン(IFN)療法施行後の予後判定方法なら
びにこの方法に使用するキットに関する。
【0002】
【従来の技術】日本では、肝炎発症のほとんどがC型肝
炎ウイルスによるものであり、C型肝炎はA型、B型と
は異なり、その半数以上が慢性化することが知られてい
る。慢性肝炎のうち、門脈域の炎症が実質域にまで及ん
だ状態である慢性活動性肝炎については、IFNを投与
してC型肝炎ウイルスを除去することで症状が緩和する
ことが可能であることが明らかとなって、1992年よ
りIFN療法が盛んに行われるようになった。このIF
N療法は慢性活動性肝炎についてのみ保険適用が認めら
れており、IFN療法を行う前には確認のための肝生検
が行われることとなっている。また、IFN療法後の効
果の判定には、GPTの低下とウイルスの有無が基準と
なっているが、肝組織側からその組織像の回復を調べる
には、肝生検を行うしか方法がない。しかしながら、肝
生検には熟練した技術が必要であり、患者を拘束すると
ともに苦痛を伴う。またサンプリングエラーなどの危険
性も含んでいる。そのため、現在ではIFN療法後の効
果の判定に肝生検をほとんど行っておらず、IFN療法
後の予後判定を正確に行うことは困難な状況にある。
炎ウイルスによるものであり、C型肝炎はA型、B型と
は異なり、その半数以上が慢性化することが知られてい
る。慢性肝炎のうち、門脈域の炎症が実質域にまで及ん
だ状態である慢性活動性肝炎については、IFNを投与
してC型肝炎ウイルスを除去することで症状が緩和する
ことが可能であることが明らかとなって、1992年よ
りIFN療法が盛んに行われるようになった。このIF
N療法は慢性活動性肝炎についてのみ保険適用が認めら
れており、IFN療法を行う前には確認のための肝生検
が行われることとなっている。また、IFN療法後の効
果の判定には、GPTの低下とウイルスの有無が基準と
なっているが、肝組織側からその組織像の回復を調べる
には、肝生検を行うしか方法がない。しかしながら、肝
生検には熟練した技術が必要であり、患者を拘束すると
ともに苦痛を伴う。またサンプリングエラーなどの危険
性も含んでいる。そのため、現在ではIFN療法後の効
果の判定に肝生検をほとんど行っておらず、IFN療法
後の予後判定を正確に行うことは困難な状況にある。
【0003】一方、肝炎から肝硬変に至る過程におい
て、肝機能の急激な低下とその原因でもある肝線維化が
生じることが組織学的検討から明らかにされている。近
年、肝線維化マーカーが肝硬変などの臨床診断に応用さ
れるようになり、肝生検によらず非侵襲的に、また苦痛
を伴わないため、経時的に複数回検査することが可能と
なってきている。
て、肝機能の急激な低下とその原因でもある肝線維化が
生じることが組織学的検討から明らかにされている。近
年、肝線維化マーカーが肝硬変などの臨床診断に応用さ
れるようになり、肝生検によらず非侵襲的に、また苦痛
を伴わないため、経時的に複数回検査することが可能と
なってきている。
【0004】肝線維化マーカーとしては、細胞外マトリ
ックスが主要なものであり、それに関連する各種酵素や
分解物が線維化の動態を示すマーカーとなると考えられ
る。中でもIV型コラーゲンは肝障害の早期より肝伊東細
胞を中心に内皮細胞、肝細胞により産生され、線維の主
成分となるため、その産生の増減が肝線維化を反映する
とされている。さらに、肝臓で産生されたIV型コラーゲ
ンはその一部が血管内に入るので、血清中のIV型コラー
ゲンが肝線維化の指標として有効である。とくに慢性肝
炎のように、長期間にわたって肝臓の状態のモニタリン
グが必要な病態においては、肝生検と異なり経時的に複
数回検査することが可能な血清IV型コラーゲン測定が特
に有用であると考えられる。
ックスが主要なものであり、それに関連する各種酵素や
分解物が線維化の動態を示すマーカーとなると考えられ
る。中でもIV型コラーゲンは肝障害の早期より肝伊東細
胞を中心に内皮細胞、肝細胞により産生され、線維の主
成分となるため、その産生の増減が肝線維化を反映する
とされている。さらに、肝臓で産生されたIV型コラーゲ
ンはその一部が血管内に入るので、血清中のIV型コラー
ゲンが肝線維化の指標として有効である。とくに慢性肝
炎のように、長期間にわたって肝臓の状態のモニタリン
グが必要な病態においては、肝生検と異なり経時的に複
数回検査することが可能な血清IV型コラーゲン測定が特
に有用であると考えられる。
【0005】
【発明が解決すべき課題】したがって、C型慢性肝炎患
者におけるIFN療法後の効果の判定において、肝生検
によらずに非侵襲的に、かつ経時的に複数回測定がで
き、しかも確実、迅速な結果の得られる予後判定方法が
求められている。本発明の目的はこのような予後判定方
法を提供することである。
者におけるIFN療法後の効果の判定において、肝生検
によらずに非侵襲的に、かつ経時的に複数回測定がで
き、しかも確実、迅速な結果の得られる予後判定方法が
求められている。本発明の目的はこのような予後判定方
法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
鋭意研究した結果、本発明者らは血清中のコラーゲン濃
度を免疫測定的に定量することにより精度よく予後の判
定を行い得ることを発見して本発明を完成した。
鋭意研究した結果、本発明者らは血清中のコラーゲン濃
度を免疫測定的に定量することにより精度よく予後の判
定を行い得ることを発見して本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、ヒトIV型コラーゲン
に対するモノクローナル抗体を固定化した担体と、ヒト
IV型コラーゲンに対する標識されたポリクローナル抗体
とを用いて血清中のIV型コラーゲン濃度を免疫測定する
ことを特徴とする、C型慢性肝炎患者におけるインター
フェロン療法施行後の予後判定方法を提供する。
に対するモノクローナル抗体を固定化した担体と、ヒト
IV型コラーゲンに対する標識されたポリクローナル抗体
とを用いて血清中のIV型コラーゲン濃度を免疫測定する
ことを特徴とする、C型慢性肝炎患者におけるインター
フェロン療法施行後の予後判定方法を提供する。
【0008】本発明において使用できるモノクローナル
抗体は本発明者らによる先の出願特願平6−23796
2に記載のものが好ましい。すなわち、本発明で使用す
る好適なヒトIV型コラーゲンに対するモノクローナル抗
体は、次の性質: (1)ヒトIV型コラーゲンのペプシン加水分解物に対し
て生じたものである; (2)ヒトIV型コラーゲンの7Sドメインに結合するが
他のドメインには結合しない: (3)ヒトI、IIIおよびV型コラーゲンとは結合しな
い; (4)還元型SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により測定した場合、ヘビー(H)鎖の分子量が約5
1,000であり、ライト(L)鎖の分子量が約28,
000である; (5)IgG1κタイプである; を有するモノクローナル抗体である。特に、工業技術院
生命工学工業技術研究所にFERM P−14561の
受託番号で寄託されたハイブリドーマCOL IV−67
によって産生されるモノクローナル抗体(以下におい
て、モノクローナル抗体67という)が好ましい。
抗体は本発明者らによる先の出願特願平6−23796
2に記載のものが好ましい。すなわち、本発明で使用す
る好適なヒトIV型コラーゲンに対するモノクローナル抗
体は、次の性質: (1)ヒトIV型コラーゲンのペプシン加水分解物に対し
て生じたものである; (2)ヒトIV型コラーゲンの7Sドメインに結合するが
他のドメインには結合しない: (3)ヒトI、IIIおよびV型コラーゲンとは結合しな
い; (4)還元型SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により測定した場合、ヘビー(H)鎖の分子量が約5
1,000であり、ライト(L)鎖の分子量が約28,
000である; (5)IgG1κタイプである; を有するモノクローナル抗体である。特に、工業技術院
生命工学工業技術研究所にFERM P−14561の
受託番号で寄託されたハイブリドーマCOL IV−67
によって産生されるモノクローナル抗体(以下におい
て、モノクローナル抗体67という)が好ましい。
【0009】また、本発明で使用する別の好適なヒトIV
型コラーゲンに対するモノクローナル抗体は、次の性
質: (1)ヒトIV型コラーゲンのペプシン加水分解物に対し
て生じたものである; (2)ヒトIV型コラーゲンの7Sドメイン以外の部分に
結合し、7Sドメインとは結合しない: (3)ヒトI、IIIおよびV型コラーゲンとは結合しな
い; (4)還元型SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により測定した場合、ヘビー(H)鎖の分子量が約5
0,000であり、ライト(L)鎖の分子量が約27,
000である; (5)IgG2κタイプである; を有するモノクローナル抗体である。特に、工業技術院
生命工学工業技術研究所にFERM P−14560の
受託番号で寄託されたハイブリドーマCOL IV−23
8によって産生されるモノクローナル抗体(以下におい
て、モノクローナル抗体238という)が好ましい。
型コラーゲンに対するモノクローナル抗体は、次の性
質: (1)ヒトIV型コラーゲンのペプシン加水分解物に対し
て生じたものである; (2)ヒトIV型コラーゲンの7Sドメイン以外の部分に
結合し、7Sドメインとは結合しない: (3)ヒトI、IIIおよびV型コラーゲンとは結合しな
い; (4)還元型SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により測定した場合、ヘビー(H)鎖の分子量が約5
0,000であり、ライト(L)鎖の分子量が約27,
000である; (5)IgG2κタイプである; を有するモノクローナル抗体である。特に、工業技術院
生命工学工業技術研究所にFERM P−14560の
受託番号で寄託されたハイブリドーマCOL IV−23
8によって産生されるモノクローナル抗体(以下におい
て、モノクローナル抗体238という)が好ましい。
【0010】また、本発明において使用する好ましいヒ
トIV型コラーゲンに対するポリクローナル抗体は、ヒト
IV型コラーゲンのペプシン加水分解物に対する抗体であ
る。
トIV型コラーゲンに対するポリクローナル抗体は、ヒト
IV型コラーゲンのペプシン加水分解物に対する抗体であ
る。
【0011】本発明のモノクローナル抗体およびポリク
ローナル抗体は常法に従って調製することができる。具
体的な方法の1例は上述した特許出願明細書に記載され
ている。
ローナル抗体は常法に従って調製することができる。具
体的な方法の1例は上述した特許出願明細書に記載され
ている。
【0012】本発明の方法においては、IFN療法施行
前後のC型慢性肝炎患者の血清中のIV型コラーゲン濃度
を経時的に免疫測定する。免疫測定においては、まず、
ヒトIV型コラーゲンの7Sドメインに対して特異的なモ
ノクローナル抗体を一次抗体として担体に固定化する。
担体としては固体担体が好ましく、例えば固体担体とし
て免疫測定において常用される任意のものが使用でき、
例えば任意の大きさ、形状に成型されたスチレンやポリ
スチレンなどの高分子担体などの他、これらの適当な材
料で成型した反応容器の内壁などが挙げられる。
前後のC型慢性肝炎患者の血清中のIV型コラーゲン濃度
を経時的に免疫測定する。免疫測定においては、まず、
ヒトIV型コラーゲンの7Sドメインに対して特異的なモ
ノクローナル抗体を一次抗体として担体に固定化する。
担体としては固体担体が好ましく、例えば固体担体とし
て免疫測定において常用される任意のものが使用でき、
例えば任意の大きさ、形状に成型されたスチレンやポリ
スチレンなどの高分子担体などの他、これらの適当な材
料で成型した反応容器の内壁などが挙げられる。
【0013】モノクローナル抗体の担体への固定化は常
法により行うことができ、例えばモノクローナル抗体
を、緩衝液、例えば、ホウ酸緩衝液などに溶解して担体
に吸着させることなどにより固定化することができる。
また例えば、まず使用するモノクローナル抗体に対する
抗体を担体に固定化し、これをモノクローナル抗体と接
触させるなどしても良い。一次抗体として使用するモノ
クローナル抗体としては、ヒトIV型コラーゲンの7Sド
メインと特異的に結合する抗体が好ましく、具体的には
上述したモノクローナル抗体67が好ましい。
法により行うことができ、例えばモノクローナル抗体
を、緩衝液、例えば、ホウ酸緩衝液などに溶解して担体
に吸着させることなどにより固定化することができる。
また例えば、まず使用するモノクローナル抗体に対する
抗体を担体に固定化し、これをモノクローナル抗体と接
触させるなどしても良い。一次抗体として使用するモノ
クローナル抗体としては、ヒトIV型コラーゲンの7Sド
メインと特異的に結合する抗体が好ましく、具体的には
上述したモノクローナル抗体67が好ましい。
【0014】他方、二次抗体としてのヒトIV型コラーゲ
ンに対するポリクローナル抗体を、標識、好ましくは非
放射性標識により標識する。非放射性標識としては、酵
素標識、蛍光標識、発光標識などの光学標識などを用い
ることができる。酵素標識が好ましく、例えば標識用酵
素としてアルカリ性フォスファターゼ(ALP)、β−
D−ガラクトシダーゼ、ホースラディッシュパーオキシ
ダーゼなどを用いることができる。
ンに対するポリクローナル抗体を、標識、好ましくは非
放射性標識により標識する。非放射性標識としては、酵
素標識、蛍光標識、発光標識などの光学標識などを用い
ることができる。酵素標識が好ましく、例えば標識用酵
素としてアルカリ性フォスファターゼ(ALP)、β−
D−ガラクトシダーゼ、ホースラディッシュパーオキシ
ダーゼなどを用いることができる。
【0015】これらの酵素の検出には、それぞれの酵素
基質であるそれぞれ、4−メチルウンベリフェリルリン
酸(4−MUP)、2−ニトロフェニル−β−D−ガラ
クトシド、過酸化水素と3,3’,5,5’−テトラメ
チルベンチジンの組み合わせ、などを用いることができ
る。これらの酵素基質は、酵素の作用を受けて変化(例
えば開裂)することにより変色または発色し、検出され
うる。
基質であるそれぞれ、4−メチルウンベリフェリルリン
酸(4−MUP)、2−ニトロフェニル−β−D−ガラ
クトシド、過酸化水素と3,3’,5,5’−テトラメ
チルベンチジンの組み合わせ、などを用いることができ
る。これらの酵素基質は、酵素の作用を受けて変化(例
えば開裂)することにより変色または発色し、検出され
うる。
【0016】二次抗体と酵素標識を結合させるには、常
法を用いることができ、例えば標識物質と抗体のそれぞ
れに市販のチオール基導入試薬を用いてチオール基を導
入し、これらをS−S結合により結合させることにより
両者を結合させることができる。
法を用いることができ、例えば標識物質と抗体のそれぞ
れに市販のチオール基導入試薬を用いてチオール基を導
入し、これらをS−S結合により結合させることにより
両者を結合させることができる。
【0017】本発明により1ステップでC型慢性肝炎患
者の血清中のIV型コラーゲン濃度を免疫測定するには、
前記の一次モノクローナル抗体を固定した担体、前記の
標識した二次ポリクローナル抗体、および被験試料(C
型慢性肝炎患者の血清)を混合し、インキュベートする
ことにより、担体に固定化された一次モノクローナル抗
体に被験試料中のヒトIV型コラーゲン分子を結合せし
め、このコラーゲン分子に標識した二次ポリクローナル
抗体を結合せしめる。
者の血清中のIV型コラーゲン濃度を免疫測定するには、
前記の一次モノクローナル抗体を固定した担体、前記の
標識した二次ポリクローナル抗体、および被験試料(C
型慢性肝炎患者の血清)を混合し、インキュベートする
ことにより、担体に固定化された一次モノクローナル抗
体に被験試料中のヒトIV型コラーゲン分子を結合せし
め、このコラーゲン分子に標識した二次ポリクローナル
抗体を結合せしめる。
【0018】こうして、標識した二次ポリクローナル抗
体は、試料中のIV型コラーゲンの量を反映した量におい
て、担体に固定化された一次抗体と試料に由来するIV型
コラーゲンを介して担体上に固定化される。
体は、試料中のIV型コラーゲンの量を反映した量におい
て、担体に固定化された一次抗体と試料に由来するIV型
コラーゲンを介して担体上に固定化される。
【0019】上記の反応は、好ましくは緩衝液、例えば
トリス塩酸、リン酸緩衝液中で、10〜120分間、好
ましくは10〜40分間、15〜40℃、好ましくは2
0〜37℃、例えば室温でインキュベートすることによ
り実施できる。
トリス塩酸、リン酸緩衝液中で、10〜120分間、好
ましくは10〜40分間、15〜40℃、好ましくは2
0〜37℃、例えば室温でインキュベートすることによ
り実施できる。
【0020】次に、結合した標識化担体と未結合の標識
化担体とを分離する。担体が固体担体である場合、この
分離は固液分離により容易に行うことができる。一定の
既知量の(過剰量の)標識化抗体(二次抗体)を用いた
場合、担体に結合した標識もしくは未結合の標識または
この両者を測定することができる。他方、任意の(未知
量かつ過剰量の)標識化抗体を用いた場合、担体に結合
した標識を検出、測定する。担体に結合した標識を検出
するには、好ましくは担体を洗浄液、例えば界面活性剤
などを含む蒸留水や適当な緩衝液により洗浄して未結合
標識化抗体を除去した後に検出反応を行う。検出は標識
の種類により常法により行うことができる。
化担体とを分離する。担体が固体担体である場合、この
分離は固液分離により容易に行うことができる。一定の
既知量の(過剰量の)標識化抗体(二次抗体)を用いた
場合、担体に結合した標識もしくは未結合の標識または
この両者を測定することができる。他方、任意の(未知
量かつ過剰量の)標識化抗体を用いた場合、担体に結合
した標識を検出、測定する。担体に結合した標識を検出
するには、好ましくは担体を洗浄液、例えば界面活性剤
などを含む蒸留水や適当な緩衝液により洗浄して未結合
標識化抗体を除去した後に検出反応を行う。検出は標識
の種類により常法により行うことができる。
【0021】本発明はまた、C型慢性肝炎患者における
インターフェロン療法施行後の予後判定用キットを提供
する。このキットは少なくとも、(1)ヒトIV型コラー
ゲンに対するモノクローナル抗体を固定化した担体また
は該モノクローナル抗体とその固定化用担体;および
(2)ヒトIV型コラーゲンに対する標識されたポリクロ
ーナル抗体、を含む。これらのモノクローナル抗体固定
化担体、および標識されたポリクローナル抗体は前に詳
細に説明したものである。このキットにはさらに、検量
線、ヒトIV型コラーゲンの標準溶液取り扱い指示書など
を含めることもできる。
インターフェロン療法施行後の予後判定用キットを提供
する。このキットは少なくとも、(1)ヒトIV型コラー
ゲンに対するモノクローナル抗体を固定化した担体また
は該モノクローナル抗体とその固定化用担体;および
(2)ヒトIV型コラーゲンに対する標識されたポリクロ
ーナル抗体、を含む。これらのモノクローナル抗体固定
化担体、および標識されたポリクローナル抗体は前に詳
細に説明したものである。このキットにはさらに、検量
線、ヒトIV型コラーゲンの標準溶液取り扱い指示書など
を含めることもできる。
【0022】本発明の方法では、上述した方法によりC
型慢性肝炎患者の血清中のヒトIV型コラーゲン濃度を、
インターフェロン療法施行前、施行中、および施行後に
経時的に複数回測定する。測定は市販の全自動免疫装置
(例えば、AIA−1200、東ソー(株)製)を用い
て行うことができる。
型慢性肝炎患者の血清中のヒトIV型コラーゲン濃度を、
インターフェロン療法施行前、施行中、および施行後に
経時的に複数回測定する。測定は市販の全自動免疫装置
(例えば、AIA−1200、東ソー(株)製)を用い
て行うことができる。
【0023】本発明の方法の効果を、IFN療法を施行
したC型慢性肝炎患者84例(このうちIFN投与終了
6カ月後において、厚生省難治性肝炎研究班の判定基準
に準じた判定による完全著効例は38例、無効例が46
例)について検討した。すなわち、同一患者につき、I
FN療法前、IFN療法直後、およびIFN療法6カ月
後の血清を採取して冷凍保存し、IV型コラーゲン濃度測
定を行った。また、比較のために、市販のIV型コラーゲ
ン測定キットとして、IV型コラーゲン測定コラーゲン・
7Sキット(日本DPCコーポレーション(株)製)を
用いた測定を同時に行った。なお、有意差検定は有意水
準5%のt検定で行った。この結果、本発明の方法、特
にモノクローナル抗体67を固定化した固定化ビーズを
用いて血清中IV型コラーゲンを測定した場合に、IFN
著効例と無効例との間に有意な差が観察されただけでな
く、IFN著効例の群においては、IFN療法開始前、
IFN療法終了直後に比べて、IFN療法6カ月後、つ
まり完全著効が判明した時において、IV型コラーゲン濃
度が有意に低下しており、肝組織からみた治療効果を値
の推移に反映していることが示された。
したC型慢性肝炎患者84例(このうちIFN投与終了
6カ月後において、厚生省難治性肝炎研究班の判定基準
に準じた判定による完全著効例は38例、無効例が46
例)について検討した。すなわち、同一患者につき、I
FN療法前、IFN療法直後、およびIFN療法6カ月
後の血清を採取して冷凍保存し、IV型コラーゲン濃度測
定を行った。また、比較のために、市販のIV型コラーゲ
ン測定キットとして、IV型コラーゲン測定コラーゲン・
7Sキット(日本DPCコーポレーション(株)製)を
用いた測定を同時に行った。なお、有意差検定は有意水
準5%のt検定で行った。この結果、本発明の方法、特
にモノクローナル抗体67を固定化した固定化ビーズを
用いて血清中IV型コラーゲンを測定した場合に、IFN
著効例と無効例との間に有意な差が観察されただけでな
く、IFN著効例の群においては、IFN療法開始前、
IFN療法終了直後に比べて、IFN療法6カ月後、つ
まり完全著効が判明した時において、IV型コラーゲン濃
度が有意に低下しており、肝組織からみた治療効果を値
の推移に反映していることが示された。
【0024】したがって、他の測定系と比較して、本発
明の方法を用いる血清中のIV型コラーゲン濃度の測定値
がIFN療法による肝機能の回復をよりよく反映してい
ることが明らかとなった。
明の方法を用いる血清中のIV型コラーゲン濃度の測定値
がIFN療法による肝機能の回復をよりよく反映してい
ることが明らかとなった。
【0025】本発明の方法を用いることにより、肝生検
を行うことなく、IFN療法を施行後のC型慢性肝炎患
者の病態を経時的に正確に反映した結果が得られ、予後
判定を簡便に行うことができる。また、検体試料の量が
少量ですみ、自動化で測定が可能であり、反応時間が4
0分間と短いなどの利点を有しており、多数の患者の試
料を測定するのに適している。
を行うことなく、IFN療法を施行後のC型慢性肝炎患
者の病態を経時的に正確に反映した結果が得られ、予後
判定を簡便に行うことができる。また、検体試料の量が
少量ですみ、自動化で測定が可能であり、反応時間が4
0分間と短いなどの利点を有しており、多数の患者の試
料を測定するのに適している。
【0026】
【実施例】本発明の方法およびキットを以下の実施例に
おいて詳しく説明するが、本発明の範囲はこれに限定さ
れない。
おいて詳しく説明するが、本発明の範囲はこれに限定さ
れない。
【0027】なお、以下の実施例で使用した抗ヒトIV型
コラーゲン特異抗体(ポリクローナル抗体)、2種の抗
ヒトIV型コラーゲンモノクローナル抗体は特願平6−2
37962に記載の方法によって調製した。2種のモノ
クローナル抗体(モノクローナル67およびモノクロー
ナル抗体238)はそれぞれ以下の性質を有する。
コラーゲン特異抗体(ポリクローナル抗体)、2種の抗
ヒトIV型コラーゲンモノクローナル抗体は特願平6−2
37962に記載の方法によって調製した。2種のモノ
クローナル抗体(モノクローナル67およびモノクロー
ナル抗体238)はそれぞれ以下の性質を有する。
【0028】モノクローナル抗体67 (1)ヒトIV型コラーゲンのペプシン加水分解物に対し
て生じたものである; (2)ヒトIV型コラーゲンの7Sドメインに結合するが
他のドメインには結合しない: (3)ヒトI、IIIおよびV型コラーゲンとは結合しな
い; (4)還元型SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により測定した場合、ヘビー(H)鎖の分子量が約5
1,000であり、ライト(L)鎖の分子量が約28,
000である; (5)IgG1κタイプである。
て生じたものである; (2)ヒトIV型コラーゲンの7Sドメインに結合するが
他のドメインには結合しない: (3)ヒトI、IIIおよびV型コラーゲンとは結合しな
い; (4)還元型SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により測定した場合、ヘビー(H)鎖の分子量が約5
1,000であり、ライト(L)鎖の分子量が約28,
000である; (5)IgG1κタイプである。
【0029】モノクローナル抗体238 (1)ヒトIV型コラーゲンのペプシン加水分解物に対し
て生じたものである; (2)ヒトIV型コラーゲンの7Sドメイン以外の部分に
結合し、7Sドメインとは結合しない: (3)ヒトI、IIIおよびV型コラーゲンとは結合しな
い; (4)還元型SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により測定した場合、ヘビー(H)鎖の分子量が約5
0,000であり、ライト(L)鎖の分子量が約27,
000である; (5)IgG2κタイプである。
て生じたものである; (2)ヒトIV型コラーゲンの7Sドメイン以外の部分に
結合し、7Sドメインとは結合しない: (3)ヒトI、IIIおよびV型コラーゲンとは結合しな
い; (4)還元型SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により測定した場合、ヘビー(H)鎖の分子量が約5
0,000であり、ライト(L)鎖の分子量が約27,
000である; (5)IgG2κタイプである。
【0030】すなわち、モノクローナル抗体67はヒト
IV型コラーゲンの7Sドメインを、モノクローナル抗体
238は7Sドメイン以外の部位を認識する。
IV型コラーゲンの7Sドメインを、モノクローナル抗体
238は7Sドメイン以外の部位を認識する。
【0031】これらの抗体を以下の方法を用いてポリス
チレンビーズに固定化した。平均直径1.2mmのポリ
スチレンビーズ1000個に、モノクローナル抗体67
または238を62.5μg/mlで含む硼酸緩衝液
(50mM硼酸、0.15MNaCl、pH8.5)2
mlを加え、室温にて一昼夜ゆるやかに撹拌して、抗体
をビーズ表面に固定化した。トリス塩酸緩衝液(pH
8.0)により洗浄した後、0.5%のウシ血清アルブ
ミン(BSA)を含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)
を接触せしめ、53℃にて3時間加温してブロッキング
処理を行った。PBSにより洗浄した後、使用に供し
た。
チレンビーズに固定化した。平均直径1.2mmのポリ
スチレンビーズ1000個に、モノクローナル抗体67
または238を62.5μg/mlで含む硼酸緩衝液
(50mM硼酸、0.15MNaCl、pH8.5)2
mlを加え、室温にて一昼夜ゆるやかに撹拌して、抗体
をビーズ表面に固定化した。トリス塩酸緩衝液(pH
8.0)により洗浄した後、0.5%のウシ血清アルブ
ミン(BSA)を含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)
を接触せしめ、53℃にて3時間加温してブロッキング
処理を行った。PBSにより洗浄した後、使用に供し
た。
【0032】標識ポリクローナル抗体は、特願平6−2
37962に記載の方法により調製したポリクローナル
抗体6mgと市販のウシ小腸アルカリ性ホスファターゼ
(ALP)(バイオザイム製)6mgを用い、これらを
S−S結合により結合させ、ゲル濾過(カラム:G30
00SW、東ソー(株)製;溶出:150mM NaC
lを含む50mMリン酸緩衝液(pH7)を行って酵素
−抗体結合体を単離した(石川栄治ら編集、酵素免疫測
定法第3版、医学書院、117頁〜)。
37962に記載の方法により調製したポリクローナル
抗体6mgと市販のウシ小腸アルカリ性ホスファターゼ
(ALP)(バイオザイム製)6mgを用い、これらを
S−S結合により結合させ、ゲル濾過(カラム:G30
00SW、東ソー(株)製;溶出:150mM NaC
lを含む50mMリン酸緩衝液(pH7)を行って酵素
−抗体結合体を単離した(石川栄治ら編集、酵素免疫測
定法第3版、医学書院、117頁〜)。
【0033】標準コラーゲン溶液ならびに検量線も特願
平6−237962に記載の方法により調製したものを
使用した。
平6−237962に記載の方法により調製したものを
使用した。
【0034】実施例1:免疫測定法によるIFN療法後
の予後判定 GOT、GPTなどの検査結果より慢性肝炎と診断さ
れ、さらに肝生検により診断が確定し、IFN療法を施
行したC型慢性肝炎患者84例を対象とした。IFN投
与後の効果の判定は、IFN投与終了6カ月において、
厚生省難治性肝炎研究班の判定基準に準じて行い、上記
84例のうち、完全著効例は38例、無効例が46例で
あった。同一患者につき、IFN療法前、IFN療法直
後、IFN療法6カ月後の血清を採取して冷凍保存し、
IV型コラーゲン濃度の免疫測定に供した。
の予後判定 GOT、GPTなどの検査結果より慢性肝炎と診断さ
れ、さらに肝生検により診断が確定し、IFN療法を施
行したC型慢性肝炎患者84例を対象とした。IFN投
与後の効果の判定は、IFN投与終了6カ月において、
厚生省難治性肝炎研究班の判定基準に準じて行い、上記
84例のうち、完全著効例は38例、無効例が46例で
あった。同一患者につき、IFN療法前、IFN療法直
後、IFN療法6カ月後の血清を採取して冷凍保存し、
IV型コラーゲン濃度の免疫測定に供した。
【0035】完全著効例血清中のIV型コラーゲン濃度の
測定は、上記モノクローナル抗体67(MoA67)ま
たは238(MoA238)を固相化した抗体固定化ビ
ーズとアルカリホスファターゼ標識ポリクローナル抗体
を用い、市販の全自動免疫測定装置(AIA−120
0、東ソー(株)製)で測定した。また、比較のため、
市販のIV型コラーゲン測定キットとして、IV型コラーゲ
ン・7Sキット(日本DPCコーポレーション(株)
製)(以下において7Sと称する)を用いた測定を同時
に行い、結果を比較した。7Sによる測定はキットに添
付されている取り扱い説明書によって行った。
測定は、上記モノクローナル抗体67(MoA67)ま
たは238(MoA238)を固相化した抗体固定化ビ
ーズとアルカリホスファターゼ標識ポリクローナル抗体
を用い、市販の全自動免疫測定装置(AIA−120
0、東ソー(株)製)で測定した。また、比較のため、
市販のIV型コラーゲン測定キットとして、IV型コラーゲ
ン・7Sキット(日本DPCコーポレーション(株)
製)(以下において7Sと称する)を用いた測定を同時
に行い、結果を比較した。7Sによる測定はキットに添
付されている取り扱い説明書によって行った。
【0036】完全著効例におけるIFN療法前の測定結
果を表1に、IFN療法直後の測定結果を表2に、IF
N療法6カ月後の測定結果を表3に示す。また無効例に
おけるIFN療法前の測定結果を表4に、IFN療法直
後の測定結果を表5に、IFN療法6カ月後の測定結果
を表6に示す。なお、単位はng/mlである。
果を表1に、IFN療法直後の測定結果を表2に、IF
N療法6カ月後の測定結果を表3に示す。また無効例に
おけるIFN療法前の測定結果を表4に、IFN療法直
後の測定結果を表5に、IFN療法6カ月後の測定結果
を表6に示す。なお、単位はng/mlである。
【0037】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】 IFN著効例におけるIFN療法前のIV型コラーゲン測
定値は、モノクローナル抗体67、モノクローナル抗体
238、および7Sの各測定系でそれぞれ15.44±
4.61ng/ml、99.28±30.83ng/m
l、および4.96±0.86ng/mlであった。
定値は、モノクローナル抗体67、モノクローナル抗体
238、および7Sの各測定系でそれぞれ15.44±
4.61ng/ml、99.28±30.83ng/m
l、および4.96±0.86ng/mlであった。
【0038】一方、IFN無効例におけるIFN療法前
の各測定系の測定値は、それぞれ19.45±9.32
ng/ml、118.67±49.33ng/ml、お
よび6.12±1.99ng/mlと、IFN著効例に
比べ高値を示した。
の各測定系の測定値は、それぞれ19.45±9.32
ng/ml、118.67±49.33ng/ml、お
よび6.12±1.99ng/mlと、IFN著効例に
比べ高値を示した。
【0039】それぞれの測定値について、IFN著効例
とIFN無効例の2群で有意水準5%でt検定を行っ
た。なお検定に際しては、両群の測定結果に有意差がな
いと仮定した。
とIFN無効例の2群で有意水準5%でt検定を行っ
た。なお検定に際しては、両群の測定結果に有意差がな
いと仮定した。
【0040】結果を表7〜9に示す。表7は測定系とし
て7Sを用いた場合、表8は測定系としてモノクローナ
ル抗体67を用いた本発明の測定系、表9は測定系とし
てモノクローナル抗体238を用いた本発明の測定系の
結果をそれぞれ示す。
て7Sを用いた場合、表8は測定系としてモノクローナ
ル抗体67を用いた本発明の測定系、表9は測定系とし
てモノクローナル抗体238を用いた本発明の測定系の
結果をそれぞれ示す。
【0041】
【表7】
【表8】
【表9】 いずれの測定系においても、tの絶対値がt境界値より
大きく、両群の測定結果に有意差がないという仮定は棄
却され、有意差があるという結果になった。この結果よ
り、IFN療法前においてIFN療法が効果的か否かを
見極めるには、本発明の方法によるIV型コラーゲンの測
定が有効であることが示された。
大きく、両群の測定結果に有意差がないという仮定は棄
却され、有意差があるという結果になった。この結果よ
り、IFN療法前においてIFN療法が効果的か否かを
見極めるには、本発明の方法によるIV型コラーゲンの測
定が有効であることが示された。
【0042】次に、IFN療法終了6カ月後の各測定系
の測定値が、IFN著効群と無効群の2群で有意差を示
すか否かについて検定を行った。検定は有意水準5%の
t検定を用い、両群の測定値の間に有意差がないと仮定
した。
の測定値が、IFN著効群と無効群の2群で有意差を示
すか否かについて検定を行った。検定は有意水準5%の
t検定を用い、両群の測定値の間に有意差がないと仮定
した。
【0043】結果を表10〜12に示す。表10は測定
系として7Sを用いた場合、表11はモノクローナル抗
体67を用いた本発明の測定系、表12は測定系として
モノクローナル抗体238を用いた本発明の測定系の結
果をそれぞれ示す。
系として7Sを用いた場合、表11はモノクローナル抗
体67を用いた本発明の測定系、表12は測定系として
モノクローナル抗体238を用いた本発明の測定系の結
果をそれぞれ示す。
【0044】
【表10】
【表11】
【表12】 これらの結果から、モノクローナル抗体67を用いる本
発明の方法およびモノクローナル抗体238を用いる本
発明の方法による測定の場合のみ、IFN療法6カ月後
の完全著効例の測定値が無効例の測定値より有意に低値
であることが示された。完全著効例においては肝組織の
修復が考えられることから、本発明によるIV型コラーゲ
ン測定は肝組織の回復度を反映し、肝生検を行うことな
く、血清の免疫診断によりIFNの効果を評価しうるこ
とを示している。
発明の方法およびモノクローナル抗体238を用いる本
発明の方法による測定の場合のみ、IFN療法6カ月後
の完全著効例の測定値が無効例の測定値より有意に低値
であることが示された。完全著効例においては肝組織の
修復が考えられることから、本発明によるIV型コラーゲ
ン測定は肝組織の回復度を反映し、肝生検を行うことな
く、血清の免疫診断によりIFNの効果を評価しうるこ
とを示している。
【0045】さらに、IFN完全著効例においてIFN
療法前とIFN療法6カ月後における各測定系の測定結
果について有意水準5%でt検定を行い、両群の測定結
果が有意差を示すか否かについて検定を行った。
療法前とIFN療法6カ月後における各測定系の測定結
果について有意水準5%でt検定を行い、両群の測定結
果が有意差を示すか否かについて検定を行った。
【0046】結果を表13〜15に示す。表13は測定
系として7Sを用いた場合、表14はモノクローナル抗
体67を用いた本発明の測定系、表15は測定系として
モノクローナル抗体238を用いた本発明の測定系の結
果をそれぞれ示す。
系として7Sを用いた場合、表14はモノクローナル抗
体67を用いた本発明の測定系、表15は測定系として
モノクローナル抗体238を用いた本発明の測定系の結
果をそれぞれ示す。
【0047】
【表13】
【表14】
【表15】 IFN完全著効例における分析の結果、モノクローナル
抗体67を用いる本発明の方法においてのみ、IFN療
法前とIFN療法6カ月後の2群に有意差が認められ、
IFN療法6カ月後に有意に低値を示すことが明らかと
なった。
抗体67を用いる本発明の方法においてのみ、IFN療
法前とIFN療法6カ月後の2群に有意差が認められ、
IFN療法6カ月後に有意に低値を示すことが明らかと
なった。
【0048】これより、モノクローナル抗体67を用い
た本発明の方法により得られる結果はより良く治療後の
肝組織の回復を反映しており、肝生検を行うことなしに
IFN療法の予後を推定し、IFNの効果を確認しうる
ことが明らかである。
た本発明の方法により得られる結果はより良く治療後の
肝組織の回復を反映しており、肝生検を行うことなしに
IFN療法の予後を推定し、IFNの効果を確認しうる
ことが明らかである。
【0049】以上の分析の結果から、本発明の方法は、
IFN治療の効果を事前に予知し、また治療後の肝組織
の回復を肝生検に頼らず判定し、予後を推定する方法を
与えることが明らかである。
IFN治療の効果を事前に予知し、また治療後の肝組織
の回復を肝生検に頼らず判定し、予後を推定する方法を
与えることが明らかである。
【0050】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより、苦痛
や危険を伴う肝生検を行うことなく、IFN療法を施行
後のC型慢性肝炎患者の病態を経時的に正確に反映した
結果が得られ、予後判定を簡便に行うことができる。ま
た、検体試料の量が少量ですみ、自動化で測定が可能で
あり、反応時間が40分間と短いなどの利点を有してお
り、多数の患者の試料を短時間で測定するのに適してい
る。
や危険を伴う肝生検を行うことなく、IFN療法を施行
後のC型慢性肝炎患者の病態を経時的に正確に反映した
結果が得られ、予後判定を簡便に行うことができる。ま
た、検体試料の量が少量ですみ、自動化で測定が可能で
あり、反応時間が40分間と短いなどの利点を有してお
り、多数の患者の試料を短時間で測定するのに適してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07K 16/18 C07K 16/18 (72)発明者 高橋 俊雄 神奈川県横浜市泉区和泉町6212−3 グリ ーンハイムいずみ野8−304 (72)発明者 亀井 優徳 神奈川県横浜市鶴見区東寺尾3−24−45− 304 (72)発明者 丸尾 直子 東京都町田市原町田6−29−7
Claims (9)
- 【請求項1】 ヒトIV型コラーゲンに対するモノクロー
ナル抗体を固定化した担体と、ヒトIV型コラーゲンに対
する標識されたポリクローナル抗体とを用いて血清中の
IV型コラーゲン濃度を免疫測定することを特徴とする、
C型慢性肝炎患者におけるインターフェロン療法施行後
の予後判定方法。 - 【請求項2】 モノクローナル抗体が次の性質: (1)ヒトIV型コラーゲンのペプシン加水分解物に対し
て生じたものである; (2)ヒトIV型コラーゲンの7Sドメインに結合するが
他のドメインには結合しない: (3)ヒトI、IIIおよびV型コラーゲンとは結合しな
い; (4)還元型SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により測定した場合、ヘビー(H)鎖の分子量が約5
1,000であり、ライト(L)鎖の分子量が約28,
000である; (5)IgG1κタイプである;を有する請求項1記載
の方法。 - 【請求項3】 モノクローナル抗体が次の性質: (1)ヒトIV型コラーゲンのペプシン加水分解物に対し
て生じたものである; (2)ヒトIV型コラーゲンの7Sドメイン以外の部分に
結合し、7Sドメインとは結合しない: (3)ヒトI、IIIおよびV型コラーゲンとは結合しな
い; (4)還元型SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により測定した場合、ヘビー(H)鎖の分子量が約5
0,000であり、ライト(L)鎖の分子量が約27,
000である; (5)IgG2κタイプである;を有する請求項1記載
の方法。 - 【請求項4】 モノクローナル抗体が、工業技術院生命
工学工業技術研究所にFERM P−14561の受託
番号で寄託されたハイブリドーマCOL IV−67によ
って産生される、請求項2記載の方法。 - 【請求項5】 モノクローナル抗体が、工業技術院生命
工学工業技術研究所にFERM P−14560の受託
番号で寄託されたハイブリドーマCOL IV−238に
よって産生される、請求項3記載の方法。 - 【請求項6】 ポリクローナル抗体が、ヒトIV型コラー
ゲンのペプシン加水分解物に対する抗体である、請求項
1記載の方法。 - 【請求項7】 担体が固体担体である請求項1記載の方
法。 - 【請求項8】 標識が酵素であり、前記の測定を、該酵
素の基質に対する該酵素の作用により行う、請求項1記
載の方法。 - 【請求項9】 C型慢性肝炎患者におけるインターフェ
ロン療法施行後の予後判定用キットであって、 (1)ヒトIV型コラーゲンに対するモノクローナル抗体
を固定化した担体または該モノクローナル抗体とその固
定化用担体;および(2)ヒトIV型コラーゲンに対する
標識されたポリクローナル抗体、を含むキット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14175195A JPH08334513A (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | インターフェロン療法後のc型慢性肝炎の予後判定 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14175195A JPH08334513A (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | インターフェロン療法後のc型慢性肝炎の予後判定 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08334513A true JPH08334513A (ja) | 1996-12-17 |
Family
ID=15299356
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14175195A Pending JPH08334513A (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | インターフェロン療法後のc型慢性肝炎の予後判定 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08334513A (ja) |
-
1995
- 1995-06-08 JP JP14175195A patent/JPH08334513A/ja active Pending
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