JPH08334297A - 防弾装置と射撃訓練場 - Google Patents

防弾装置と射撃訓練場

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JPH08334297A
JPH08334297A JP14222095A JP14222095A JPH08334297A JP H08334297 A JPH08334297 A JP H08334297A JP 14222095 A JP14222095 A JP 14222095A JP 14222095 A JP14222095 A JP 14222095A JP H08334297 A JPH08334297 A JP H08334297A
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JP
Japan
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bullet
absorbing member
bulletproof
shock absorbing
elastic
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Application number
JP14222095A
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English (en)
Inventor
Toru Matsumura
徹 松村
Yoshio Matsuo
宣雄 松尾
Hidetoshi Imaide
英俊 今出
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F41WEAPONS
    • F41JTARGETS; TARGET RANGES; BULLET CATCHERS
    • F41J13/00Bullet catchers
    • F41J13/02Bullet catchers combined with targets

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Aiming, Guidance, Guns With A Light Source, Armor, Camouflage, And Targets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 標的の後方に防弾装置を設置することで弾丸
自身の粉砕・飛散による鉛害の発生を防止して弾丸の回
収を容易にし、跳弾による危険性を無くすとともに耐久
性を大幅に向上させた防弾装置を提供すること。 【構成】 射撃手1側である前面に少なくとも一つの弾
粘性部材11を具備し、該弾粘性部材11の背面に隙間
をあけて衝撃吸収部材13を配置した構成または、少な
くとも一つの弾粘性部材11を具備し、該弾粘性部材1
1の背面に隙間をあけて射撃手側から順に高張力部材
(図示せず)と衝撃吸収部材13を積層状に配置した構
成を備えた防弾装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防弾装置と射撃訓練場に
関し、例えば警察官、海上保安官または自衛官の拳銃ま
たは小銃による実弾射撃訓練(以下、射撃訓練と言う)
のために使用される射撃訓練システムにおける防弾装置
と射撃訓練場に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている実弾での射撃訓
練場を図12ないし図13に示す。また、一般的な射撃
訓練場の配置図を図10、図11に示す。図10、図1
1に示すように射撃手1は標的2に弾丸を発砲する訓練
をするが、標的2の前方には停弾堤5が、後方には停弾
部材9がそれぞれ配置されている。図10、図11に示
す射撃訓練場の違いは、図10の場合には停弾部材9が
地面に対して垂直に立っており、床8に弾丸回収用の溝
8aを設けていないのに対して、図11の場合には停弾
部材9が前方(射撃手1側)に傾斜しており、また、床
8に弾丸回収用の溝8aが設けられている。
【0003】また、図12に示すように、射撃手1は床
8において標的2からの距離L1の位置に立って、標的
2に向かって拳銃または小銃3を用いて弾丸6を発砲す
るが、その距離L1は拳銃射撃の場合、通常5mから5
0mの範囲である。また、射撃訓練では瞬時の射撃判断
能力を向上させる目的で、標的2に隠顕動作を行わせる
ことがある。この隠顕動作とは図9に示すように標的2
を矢印Aの方向に回転させ、射撃手に標的2の面を見せ
たり隠したりする動作を言う。この隠顕動作をさせるた
め、標的2の下方に標的支持部材20を介して隠顕動作
駆動装置4が設置されている。また、標的2の下部には
着弾位置計測装置7が設けられている場合もある。
【0004】また、図12などに示すように弾丸6の被
弾により破損するのを防ぐために、隠顕動作駆動装置4
の前方には停弾堤5が設けられている。この停弾堤5は
射撃手1が誤って隠顕動作駆動装置4の方向へ弾丸6を
発砲したとき、矢印Bで示すように弾丸6を跳ね返すこ
とで、隠顕動作駆動装置4を弾丸6から保護している。
この停弾堤5には一般的に弾丸6を貫通させない厚さ及
び剛性を有する鋼板が用いられている。また、図12の
停弾堤5の代わりに図13に示すように土のう(土を入
れた袋)10が積み重ねて配置されることもある。この
土のう10は射撃手1が誤って隠顕動作駆動装置4の方
向へ弾丸6を発砲したとき、矢印Bで示すように弾丸6
を土のう10中にとどめることで隠顕動作駆動装置4を
弾丸6から保護している。
【0005】標的2の後方には停弾装置9が設置されて
いることが多いが、停弾装置9には一般的に停弾堤5と
同様に鋼板または十分な厚みを有するグラスウールを塗
布したものが使用されいる。さらに、一般的に射撃訓練
場の配置である図10、図11の場合において、射撃訓
練場の側壁面16はコンクリ-ト面かまたはコンクリ-ト
面に防音材としてのグラスウ-ルを塗布したものが使用
されている。従来は停弾堤5や土のう10を設置するこ
とにより、隠顕動作駆動装置4などを保護して機器の破
損を防止していたが、着弾位置計測装置7については保
護する装置が存在していなかった。また、標的2の背面
での弾丸6の停止に鋼板やコンクリートを使用し、側壁
面16についてはコンクリートやコンクリートにグラス
ウールを塗布したものが使用されているだけであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、停
弾堤5や土のう10を設置することにより、隠顕動作駆
動装置4などを保護して機器の破損を防止していたが、
着弾位置計測装置7については保護する装置が存在して
いなかった。また、上記従来技術は弾丸6の跳弾からの
射撃手1の安全確保や跳弾によって広い範囲に飛散した
弾丸6の回収等については考慮されていなかった。ま
た、上記従来技術では停弾部材9に弾丸6が衝突するこ
とによって弾丸6自身が粉砕し、それによって発生する
鉛粉による鉛毒の発生については考慮されておらず、弾
丸の回収についても粉砕した弾丸を回収することは非常
に困難であった。さらに跳弾による危険性、及び停弾部
材9自身の耐久性に問題があった。
【0007】また射撃訓練場の側壁面16については、
事実上防弾については何の対策もなされておらず、他の
部材と同様に跳弾による危険性、壁面の耐久性に問題が
あり、側壁面16を弾丸が当たる可能性のある、1人の
射撃手1が複数の標的2を同時に射撃するといったよう
な応用射撃訓練が実施できなかった。
【0008】さらに通常の拳銃による射撃訓練の外に高
性能拳銃による射撃訓練があるが、側壁面16の損傷へ
の危険性から屋内射撃場では、このような訓練が実施で
きない状態であった。
【0009】さらに、標的2を、例えば前後移動標的と
して使用する場合には停弾堤5も一緒に移動させなけれ
ばならいが、停弾堤5は一般に鋼板でできているため、
かなりの重量となり、前記標的2とともに移動させるの
は困難であり、移動標的を使用する場合は隠顕動作駆動
装置4の保護はできなかった。
【0010】さらに、停弾堤5の場合は、矢印B(図1
2)で示すように弾丸6が標的2からの距離L2まで跳
ね返る可能性がある。その距離L2はピストル射撃の場
合、通常最大11mから15mの範囲である。射撃手1
に跳弾が当たらないようにするためには、標的2から射
撃手1までの距離L1は、L1>L2としなければならな
い。跳弾防止のために、停弾堤5前面にゴムの跳弾防止
材を設置することもあるが、停弾堤5での弾丸自身の粉
砕を防止するだけの弾丸の運動エネルギーを前記跳弾防
止材で奪うことができないため、停弾堤5自身の耐久性
を低下させていた。
【0011】また、着弾位置計測装置7の保護について
は、跳弾発生の危険性があるため、その保護材として鋼
板など使用することができなく、着弾位置計測装置7の
保護についての考慮がなされていなかった。
【0012】また、図13に示す停弾用の土のう10を
用いる場合は跳弾の可能性がなくなり、至近距離からの
射撃ができるが、弾丸6が土のう10の中に土の抵抗に
よりとどまるため、射撃訓練終了後に行う土のう10の
中にある弾丸6の回収作業や袋の修復作業に時間を要す
るなどの問題があった。また、土のう10内から土が飛
散するなど、屋内射撃訓練場には不向きであった。
【0013】さらに、標的2の後方に設置されている停
弾部材9についても弾丸6自身の粉砕、飛散による鉛害
の発生および粉砕した弾丸6の回収の困難性や跳弾によ
る危険性や耐久性などに問題があった。
【0014】また、射撃訓練の側壁面16について、防
弾対策は特になされておらず、跳弾による危険性や壁面
の耐久性などに問題があり、側壁面16に弾丸6が当た
る機会の多い応用射撃訓練が実施できなかった。さら
に、高性能拳銃は側壁面16の損傷の危険性があるた
め、屋内射撃場では実施できなかった。
【0015】本発明の目的は、簡易な手段で弾丸の貫通
を阻止して隱顕動作駆動装置および着弾計測装置などの
標的付属装置を保護する防弾装置を提供することであ
る。また、本発明の目的は、停弾堤や背面からの跳弾を
効果的に防止し、射撃手の安全性を確保すると共に至近
距離からの射撃を可能にする防弾装置を提供することで
ある。
【0016】さらに、本発明の目的は、連続使用を可能
にし、弾丸の回収、清掃が効率的に行える防弾装置を提
供することである。また、本発明の目的は、標的装置の
後方に防弾装置を設置することで弾丸自身の粉砕・飛散
による鉛害の発生を防止して弾丸の回収を容易にし、跳
弾による危険性を無くすとともに耐久性を大幅に向上さ
せた射撃訓練場を提供することである。
【0017】さらに、本発明の目的は、屋内射撃場の側
壁面において、跳弾による危険性を無くすると共に、通
常の拳銃だけでなく高性能の拳銃を用いる射撃訓練、さ
らに応用射撃訓練をも屋内射撃場において実施できる防
弾装置を備えた射撃訓練場を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。すなわち、射撃手側である前
面に少なくとも一つの弾粘性部材を具備し、該弾粘性部
材の背面に隙間をあけて衝撃吸収部材を配置した構成を
備えた防弾装置(第一発明)、または、射撃手側である
前面に少なくとも一つの弾粘性部材を具備し、該弾粘性
部材の背面に隙間をあけて射撃手側から順に高張力部材
と衝撃吸収部材を積層状に配置した構成を備えた防弾装
置(第二発明)である。
【0019】本発明の上記防弾装置は弾粘性部材を保護
すべき装置または射撃場の後壁または側壁の前方に隙間
をあけて配置するか、前記装置または射撃場の後壁また
は側壁の表面に隙間をあけずに配置する構成を採用でき
る。
【0020】前記衝撃吸収部材と弾粘性部材との間また
は高張力部材と衝撃吸収部材との積層体と弾粘性部材と
の間に隙間を設ける場合は弾丸がその方向を変えること
ができるだけの幅以上とすることが望ましく、例えば弾
丸の長さ以上あればよい。
【0021】それに対して、弾粘性部材と衝撃吸収部材
との隙間が無いまたは狭い場合は、弾丸が方向を変える
前に衝撃吸収部材に突入するため弾の運動エネルギが集
中し好ましくない。
【0022】本発明で用いられる弾粘性部材には、例え
ば、耐熱性や耐摩耗性に優れたコンベアゴムをベースに
高張力繊維または化学繊維または金属繊維のいずれかを
複数層織り込んだもので、厚さ5〜10mm程度のもの
を使用する。衝撃吸収部材を後方に置いた場合、弾粘性
部材は150kgf/cm以上の強度を有するものを使
用すれば一枚で十分であるが、複数枚置いてもよい。衝
撃吸収部材を後方に弾粘性部材を置いた場合には禅粘性
部材の枚数は誤射撃の頻度、経済性、許容スペースの広
さ、許容重量、メンテナンス性、顧客ニーズ(射撃訓練
内容)などから決められる。また、弾粘性部材の枚数は
例えば38口径拳銃など比較的衝突力の弱い銃を使用し
た場合には一枚で十分であり、9mm弾など比較的衝突
力の強い高性能拳銃を使用した場合には複数枚を必要と
する。また、衝撃吸収部材には、例えば、ガラス強化繊
維を凝固硬化させた部材または高分子化学繊維を積層圧
縮した部材を使用する。
【0023】衝撃吸収部材での弾丸の停止状況は使用さ
れる拳銃の性能により異なってくる。すなわち例えば3
8口径拳銃など比較的衝突力の弱い銃を使用した場合に
は弾丸は弾粘性部材を貫通し隙間部で方向が変わった
後、衝撃吸収部材に衝突した際、該衝撃吸収部材の前面
側の組織を破るだけの運動エネルギを有しておらず弾丸
はその前面に落下する。これに対し9mm弾など比較的
衝突力の強い高性能拳銃を使用した場合には弾丸は弾粘
性部材を貫通し隙間部で方向が変わった後、衝撃吸収部
材に衝突した際、該衝撃吸収部材の前面側の組織を破る
だけの運動エネルギを有しており、弾丸は貫通はしない
が衝撃吸収部材の中に没し停止する。
【0024】本発明の上記第一発明において、衝撃吸収
部材の代わりに塑性変形部材を使用する場合は、衝撃吸
収部材に比べて耐久性が劣るため、ほとんどの弾丸が衝
突する射撃場の後壁や比較的衝突頻度が高い側壁面には
使用できず、比較的衝突頻度が低い標的下部の装置部分
に使用が限られる。
【0025】本発明は上記第一発明または第二発明の防
弾装置を保護すべき装置または射撃場の後壁または側壁
の前方に隙間をあけて、または隙間をあけずに配置し構
成からなる防弾装置としても良い。
【0026】例えば、第一発明で衝撃吸収部材を保護す
べき各装置または射撃場の後壁または側壁面の前表面
(外表面)に設置する場合、弾丸が衝撃吸収部材に突入
した際に保護すべき各装置または射撃場の後壁または側
壁面の前表面方向へのたわみが発生しないため、それら
の間に逃げ空間としての隙間を取る必要がない。
【0027】本発明の第二発明で高張力部材と衝撃吸収
部材の積層体を備えた防弾装置に用いる高張力部材には
例えば、ポリアミド繊維またはガラス繊維またはカーボ
ン繊維のいずれかを複数層織成したもので、20gf/
D(デニール)以上の引張り強度を有するものを使用す
る。この場合、高張力部材と衝撃吸収部材を組合せて使
用することで弾丸の運動エネルギの拡散、吸収を効果的
に行うことができる。また、上記第二発明において、弾
粘性部材の枚数を2枚とした場合には、高張力部材、例
えばポリアミド繊維は、その織成数は3層以下にするこ
とができる。
【0028】上記第二発明の構成において、衝撃吸収部
材を使用しない場合、高張力部材で停弾させるためには
弾粘性部材の枚数を複数枚使用する必要があり、その組
合せには下記のようなものがある。 弾粘性部材を隙間をあけて2枚配置し、最後方に高張
力部材を配置する。この場合は高張力部材である、例え
ばポリアミド繊維の織成数を4層以上、特に高性能拳銃
を使用する場合にはそれ以上に織成する必要があり経済
的ではないのが欠点である。但し、高張力部材は衝撃吸
収部材と比較して軽量であり特に屋内での交換作業が容
易であるという長所もある。
【0029】弾粘性部材を隙間をあけて3枚以上配置
し、最後方に高張力部材を配置する。この場合は高張力
部材、例えばポリアミド繊維の織成数を3層以下にする
ことができるという経済的効果がある。但し、設置スペ
ースを広く取る必要があるため屋内での適用には実用的
ではない。
【0030】また、第二発明の構成のうち、衝撃吸収部
材の代わりに塑性変形部材を使用する場合は衝撃吸収部
材に対して耐久性が劣るため、ほとんどの弾丸が衝突す
る後壁や比較的衝突頻度が高い側壁には使用できず、比
較的衝突頻度が低い標的下部の使用に限られる。
【0031】また、本発明は上記防弾装置を備えた標的
と射撃訓練用の標的付属装置を走行可能な構成とする防
弾装置も含まれる。また、本発明は上記各種の防弾装置
を備えた射撃訓練場も本発明の範囲内のものである。
【0032】本発明で応用射撃訓練とは、例えば射撃手
がレーンの中央付近で、各前後移動標的が射撃手を取り
囲む位置に立ち、周囲の標的に射撃するもの。また例え
ば、射撃手が斜め方向に複数の標的に射撃する訓練を言
う。
【0033】また、本発明で高性能拳銃とは、マグナム
などの9mm弾拳銃で弾丸の速度や威力が大きなもので
あり、正確性を期するために装置側で精巧な工作がなさ
れている拳銃を言う。
【0034】このような応用射撃訓練や高性能拳銃を使
用した射撃訓練の場合、特に今まで問題とはならなかっ
た射撃場の側壁面の損傷防止が必要になってくる。本発
明が提案されるまでは、屋内での前記訓練が実施できな
かった。
【0035】また、標的射撃に関する限り、誤射撃の頻
度は高くないことから、本発明の第一発明、第二発明の
構成部材である衝撃吸収部材の代わりに耐久性には劣る
が軽量である塑性変形部材を使用することもできる。
【0036】前記塑性変形部材には、例えば、各種の合
成樹脂板のうち適正な弾性と塑性と硬度を有するものを
使用する。例えば厚さ10mmの超高分子ポリエチレン
(商品名MEPUHMW、三ツ星ベルト(株)製)など
を使用する。
【0037】
【作用】本発明は拳銃から発射される弾丸速度を効果的
に低減できる弾粘性部材(弾粘性弾速低減部材)および
衝撃吸収部材を弾丸の残りの運動エネルギを確実に吸収
することができ、弾丸を破損することなく停止すること
ができる衝撃吸収部材を見い出したことにより完成され
た。また、本発明の衝撃吸収部材は跳弾も防止できる。
【0038】本発明の第一発明によると、弾丸は弾粘性
部材を貫通後、弾粘性部材と衝撃吸収部材との隙間部に
おいてその方向が変わることができるので、衝撃吸収部
材への突入力が分散され弾丸の運動エネルギの吸収が容
易になる。すなわち、弾粘性部材とその後方の衝撃吸収
部材との隙間部は射撃された弾丸が弾粘性部材に当たっ
てから突き抜けるまでの間に弾丸の有する運動エネルギ
を効果的にかなり奪い弾丸の方向を変えることができる
ので、後方の保護すべき各装置または射撃場の後壁また
は側壁の前表面(外表面)に設置された衝撃吸収部材にお
いて、弾丸の残りの運動エネルギを確実に吸収すること
ができ、弾丸を破損することなく停止させることができ
る。さらに衝撃吸収部材は弾粘性部材との組合せによっ
てその耐久性を大幅に向上できる。
【0039】また、上記第二発明により弾粘性部材とそ
の後方の衝撃吸収部材との隙間部は射撃された弾丸が弾
粘性部材に当たってからこれを突き抜けるまでの間に弾
丸の有する運動エネルギを効果的に奪い弾丸の方向を変
えることができる。さらに後方の保護すべき各装置また
は後壁または側壁の前表面に順番に設置された高張力部
材と衝撃吸収部材において、弾丸の残りの運動エネルギ
は高張力部材で拡散されるので衝撃吸収部材での吸収を
容易に行うことができ、弾丸を破損することなく停止さ
せることができる。
【0040】第二発明は第一発明と違って高張力部材を
衝撃吸収部材の前方に積層させて置いたので、弾丸が突
入した際に保護すべき各装置または射撃場の後壁または
側壁の前表面方向へのたわみが発生するためそれらの間
に逃げ空間としての隙間を設ける必要があり、上方から
の吊り下げ手段のない標的下部への使用には不向きであ
る。
【0041】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。なお、図10〜図13に示した従来の技術と同一
部分については同一符号を記すこととする。まず、弾粘
性部材と衝撃吸収部材との組み合わせからなる本発明の
防弾装置の実施例1〜5を説明する。
【0042】実施例1 本発明の実施例1の防弾装置の斜視図を図1(a)に示
し、断面図を図1(b)(図1(a)のB−B線、また
はC−C線断面図)に示す。図1には標的2の駆動機構
は示していない。本実施例の防弾装置は標的2の後方背
面に設置し、高張力繊維または化学繊維または金属繊維
を複数層織込んだベルト(商品名:多層式普通ベルト、
三ツ星ベルト(株)製)からなる弾粘性弾速低減部材
(弾粘性部材)11を設け、さらに、この弾粘性部材1
1の内側に隙間を設け、厚さ7mmのガラス強化設置を
凝固硬化させた衝撃吸収部材13(商品名:G1ass Rein
forced Prastics Board、英国MEGGIT COMPOSITES社製ま
たは商品名Spectra Shield、Allid Signal社製を配置し
ている。
【0043】着弾位置計測装置7は標的下方の筺体内に
置かれ、隠顕動作駆動装置4は標的支持部材20を介し
て標的2の下方の筺体内に置かれ、それぞれの筺体は衝
撃吸収部材13で外表面が覆われている。したがって、
前記各筐体の少なくとも前方には弾粘性部材11が内側
と隙間22をもって置かれ、各筺体の少なくとも前表面
には衝撃吸収部材13が置かれている。
【0044】標的2を通過した弾丸6は1枚以上の弾粘
性部材11を通過することで相当の運動エネルギーを奪
われ、弾速がかなり落ちるので、後方の衝撃吸収部材1
3に弾丸6が衝突した際には衝撃を発生する運動エネル
ギーはごくわずかとなっており、弾丸が衝撃吸収部材1
3に衝突することによる衝撃は殆ど発生しない。このこ
とで衝撃吸収部材13の弾丸6による損傷は殆どなく、
非常に耐久性にもすぐれているので弾数が非常に多い標
的2の背面に設置が可能となり、今までの必要であった
鋼板等の弾丸6を粉砕、飛散させて鉛害を発生させる停
弾部材等が必要でなくなる。さらに衝撃吸収部材13を
既設の停弾部材9(図10〜図13)の外表面に設置す
ることで衝撃吸収部材13に衝突した弾丸6は殆ど変形
せずに落下する。従ってこの防弾装置を使用することで
弾丸6は粉砕または飛散することがなく、変形も殆どな
いので鉛害も発生しないで弾丸6は殆ど原型のまま防弾
装置直下の床8や弾丸回収用溝8a(図4参照)に落下
するので容易に回収できる。さらに、弾粘性部材11に
よって跳弾も効果的に防止できるので、射撃手1の安全
性を確保できる。
【0045】また、通常の射撃時には射撃手1は標的2
を狙って撃つのであるからほとんどの弾丸6は標的2を
貫通して後方に通り過ぎ、誤射した弾丸6だけが防弾装
置に衝突する。従って標的2の下部の装置、例えば隠顕
動作駆動装置4と着弾位置計測装置7の保護に関して
は、実際には誤射の頻度は高くない。従って、メンテナ
ンス性がそれほど重要ではない場合は弾粘性部材11の
枚数は1枚あればよい。
【0046】本実施例の防弾装置を用いると、従来技術
の図12に示す標的2の前方に停弾堤5を設ける必要が
無くなり、標的2が見やすくなる。また、図12に示す
標的2の前方にあった停弾堤5のような防弾装置は標的
2の下部の隠顕動作駆動装置4の防弾は行えるが、その
上方の着弾位置計測装置7の防弾は行えなかった。すな
わち着弾位置計測装置7の防弾を行おうとすれば、停弾
堤5を高くする必要があり、そうした場合には射撃手1
から標的2が見えにくくなるという問題点があるため実
用的でなかった。
【0047】さらに、本実施例によれば、従来の固定式
で重量物である停弾堤5(図12)や土のう10(図1
3)が不要となり、簡単な構成の防弾装置で標的2の周
辺に設けられる各種装置の防弾ができるようになる。
【0048】実施例2 図2に示す本実施例は図1に示す実施例1の防弾装置を
備えた標的2を台車に乗せて移動させる装置にも適用さ
せたものである。
【0049】標的駆動装置は前後走行レール21などの
移動装置上を走る台車を有する装置であり、その他の本
実施例の防弾装置の構造は実施例1に示すものと同一で
ある。
【0050】本実施例により従来の固定式で重量物であ
る停弾堤5(図12)や土のう10(図13)が不要と
なり、簡単な構成の防弾装置で標的2の下方に設置する
各装置の防弾ができるようになる。
【0051】なお、実施例1、2で記載した隠顕動作駆
動装置4と着弾位置計測装置7と標的駆動装置(図示せ
ず)を有する標的2に関する発明は、本出願人により既
に出願している(特願平6−63543号)。
【0052】実施例3 本発明の実施例3の模式図を図3に示す。本実施例は実
施例1に記載した標的2とその防弾装置を用い、その後
方背面に高張力繊維、化学繊維または金属繊維を複数層
織込んだラバー(商品名:多層式普通ベルト、三ツ星ベ
ルト(株)製)からなる弾粘性部材11を一枚(図3
(a))または2枚(図3(b))を天井15より吊り
下げた状態で設置し、この弾粘性部材11の背面に少し
隙間を設けて、7mmのガラス強化繊維を凝固硬化させ
た部材(商品名:G1ass ReinforcedPrastics Board、英
国MEGGIT COMPOSITES社製)からなる衝撃吸収部材13
を天井15より吊り下げた状態で設置した構成からな
る。標的2の後方にそれぞれ隙間をあけて天井15より
吊り下げる弾粘性部材11の数は一枚以上、何枚でも用
いることができる。
【0053】天井15より吊り下げる弾粘性部材11と
衝撃吸収部材13の天井15への固定は図3(a)の円
A内の拡大図である図3(c)に示すように天井15に
設けられた梁18に固定金具19で固定して行う。
【0054】拳銃から発砲された弾丸6がこの標的2を
貫通して1枚以上の弾粘性部材11を直撃して通過する
ことで大幅に運動エネルギーが奪われると共に、1枚以
上の弾粘性部材11間の隙間または弾粘性部材11と衝
撃吸収部材13間の隙間で弾丸6の進行方向が変わり、
さらに残った運動エネルギーは衝撃吸収部材13に当た
ることで、その内部に拡散、吸収され、弾丸6自身を衝
撃吸収部材13の内部に止めるなどして停弾できる。
【0055】こうして、天井15から吊り下げられた1
枚以上の弾粘性部材11と衝撃吸収部材13は射撃場の
壁面を弾丸6の衝撃から保護するのみならず、弾丸6も
粉砕または飛散することがなく、破片などの跳びがな
く、鉛害の発生原因とならない。
【0056】また天井15から吊り下げられた衝撃吸収
部材13もわずかな運動エネルギーを持った弾丸6が当
たるだけなので耐久性を有することになり、従来問題で
あった射撃場の壁面の耐久性が劣る問題がなくなった。
さらに、天井15から吊り下げられた弾粘性部材11に
よって跳弾も効果的に防止できるので、射撃手1の安全
性を確保できると同時に、1人の射撃手1が複数の標的
2を同時に射撃するといったような応用射撃訓練も実施
可能となる。
【0057】これらに加えて、従来では鋼板等を用いて
弾丸6の粉砕を行うことでしか停弾できなかった高性能
拳銃の弾丸6についても、弾粘性部材11を通過するこ
とで弾丸6の進行速度が落ちて、かなりの運動エネルギ
ーを奪い、衝撃吸収部材13によって弾丸6自身を内部
に吸収してしまうので、射撃場の壁面を高性能拳銃の弾
丸6の衝撃から保護するのに加えて弾丸6も粉砕または
飛散することがなく、鉛害も発生しない。
【0058】実施例4 図4には図3に示す射撃場の後壁が傾斜している場合の
実施例を示し、射撃場の後壁の前面に天井15から吊り
さげる実施例1で説明した弾粘性部材11と衝撃吸収部
材13も後壁に沿って傾斜させ、その下部の床との接触
面を固定金具にて固定した。天井15から吊りさげる弾
粘性部材11が複数枚ある場合はそれぞれの隙間にスペ
ーサ24を入れ、隙間22を確保する。
【0059】また、床8に弾丸6の回収用の溝8aを設
けた例を示す。当然ながら前記実施例3の場合にも天井
15から吊り下げる弾粘性部材11と衝撃吸収部材13
の間の床8に弾丸回収溝を設けても良い。
【0060】図4には射撃場の後壁に既設の停弾部材9
がある場合を図示しているが、衝撃吸収部材13はその
前方に隙間22を設けずに停弾部材9に密着して配置し
てもよい。この場合でも衝撃吸収部材13の効果の妨げ
にはならない。本実施例のように後壁の前方に隙間を設
けずに衝撃吸収部材13を配置する場合、ほとんどの弾
丸6がこの衝撃吸収部材13に衝突するため、弾粘性部
材11は複数枚を使用した方が良い。その理由は衝撃吸
収部材13が比較的重量が大であるため、その耐久性を
向上させて交換期間のインターバルを延長させるためで
ある。
【0061】本実施例により一枚以上の弾粘性部材11
とその後方の衝撃吸収部材13とをそれぞれ上方(天井
15)から吊り下げて配置したので、標的2を貫通した
弾丸6は弾粘性部材11で段階的に大幅に運動エネルギ
を奪われると共に隙間22で方向が変わるので最終的に
衝撃吸収部材13で緩やかに残りの運動エネルギを奪わ
れ、変形も殆どない状態で停弾させることができる。ま
た後方からの跳弾も発生しない。また弾丸6の損傷によ
る飛散や鉛害も発生しなく、射撃手1の安全性も確保で
きる。
【0062】実施例5 図5に示す本実施例は図示しない標的に防弾装置を設け
るかどうかにかかわらず、射撃場の保護すべき側壁面1
6の前方に隙間をあけて実施例1で説明した弾粘性部材
11を射撃場の上方(天井または側壁)から梁18で吊
り下げて配置したものである。また、弾粘性部材11の
後方であって保護すべき射撃場の側壁面16に上方(天
井または側壁)から実施例1と同一の衝撃吸収部材13
を吊り下げて配置した。本実施例により側壁面16に誤
射された弾丸は弾粘性部材11で大幅に運動エネルギを
奪われ、隙間部で方向が変わるので、最終的に衝撃吸収
部材13で残りの運動エネルギを奪われ、衝撃が発生す
ることなく停弾させることができる。また後方(側壁面
16)からの跳弾も発生しない。また弾丸の損傷による
飛散や鉛の害も発生しない。また衝撃吸収部材13の耐
久性が向上し、室内での前記応用射撃訓練を行うことも
できる。
【0063】また、弾粘性部材11と隙間を介して設け
られる衝撃吸収部材13の組み合わせを射撃場の側壁面
16のみならず、天井にも設けることで、側壁面16お
よび天井の防弾性能が向上し、室内での応用射撃訓練を
行うことができる。
【0064】次に、弾粘性部材11と高張力部材と衝撃
吸収部材13との組み合わせからなる本発明の防弾装置
の実施例6〜10を説明する。
【0065】実施例6 本実施例の防弾装置の斜視図を図6(a)に示し、断面
図を図6(b)(図1(a)のB−B線またはC−C線
断面図)を示す。本実施例の防弾装置の図1に示す実施
例1との違いは弾粘性部材11と衝撃吸収部材13の間
の衝撃吸収部材13の表面に高張力部材12を設けたこ
とである。弾粘性部材11と衝撃吸収部材13の材質は
実施例1と同一のものであるが、高張力部材12は4層
のポリアミド繊維(商品名:ケプラー、デポン社製)か
らなる。
【0066】標的2を通過した弾丸6が弾粘性部材11
を通過することで相当の運動エネルギーを奪われ、弾粘
性部材11を貫通する間に弾丸6の方向を変えることが
できる。また、この間に弾丸6の進行速度がかなり落ち
るので、後方の高張力部材12と衝撃吸収部材13に弾
丸6が衝突した際には衝撃を発生する運動エネルギーは
拡散、吸収され、隠顕動作駆動装置4または着弾位置計
測装置7などを弾丸6の衝撃から保護できる。また、弾
丸6も粉砕または飛散することがなく、変形も殆どない
ので鉛害も発生しないで弾丸6は殆ど原型のまま防弾装
置直下の床8や図示していない弾丸回収用ピットに落下
するので容易に回収できる。さらに、弾粘性部材11に
よって跳弾も効果的に防止できるので、射撃手1の安全
性を確保できる。また、高張力部材12と衝撃吸収部材
13も弾丸6による損傷は殆どなく、かなり耐久性を有
するものとなる。
【0067】本実施例の防弾装置を用いると、実施例1
で述べたと同様に、従来の固定式で重量物である停弾堤
5(図12)や土のう10(図13)が不要となり、簡
単な構成の防弾装置で標的2の周辺に設けられる各種装
置の防弾ができると同時に、標的2が見やすくなる。従
来技術のように図12に示す標的2の前方に停弾堤5を
設けるなどの必要が無くなり、標的2が見やすくなる。
【0068】実施例7 本実施例は図示していないが、図2に示す防弾装置と同
様に実施例6の防弾装置を備えた標的を台車に乗せて移
動させる装置にも適用させたものである。
【0069】実施例8 本実施例の模式図を図7に示す。本実施例は実施例6に
記載した標的2とその防弾装置を用い、その後方背面に
高張力繊維、化学繊維または金属繊維を複数層織込んだ
ラバー(商品名:多層式普通ベルト、三ツ星ベルト
(株)製)からなる弾粘性部材11を一枚を天井15よ
り吊り下げた状態で設置し、この弾粘性部材11の背面
に少し隙間を設けて、4層のポリアミド繊維(商品名:
ケブラー、デポン社製)からなる高張力部材12と7m
mのガラス強化繊維を凝固硬化させた部材(商品名:G1
ass Reinforced Prastics Board、英国MEGGIT COMPOSITE
S社製)からなる衝撃吸収部材13を貼り合わせて天井
15より吊り下げた状態で設置した構成からなる。
【0070】標的2の後方にそれぞれ隙間をあけて天井
15より吊り下げる弾粘性部材11の数は一枚以上、何
枚でも用いることができる。
【0071】天井15より吊り下げる高張力部材12と
衝撃吸収部材13の天井15への固定は図7(a)の円
A内の拡大図である図7(b)に示すように天井15に
設けられた梁18に固定金具19を固定して行う。図示
していないが、弾粘性部材11の天井15への固定も同
様に固定金具を天井15に設けられた梁に固定して行
う。
【0072】拳銃から発砲された弾丸6がこの標的2を
貫通して1枚以上の弾粘性部材11を直撃して通過する
ことで大幅に運動エネルギーが奪われると共に、1枚以
上の弾粘性部材11間の隙間または弾粘性部材11と高
張力部材12と衝撃吸収部材13貼り合わせ体間の隙間
で弾丸6の進行方向が変わり、さらに残った運動エネル
ギーは高張力部材12と衝撃吸収部材13に当たること
で、その内部に拡散、吸収され、弾丸6自身を高張力部
材12と衝撃吸収部材13の内部に止めるなどして停弾
できる。
【0073】こうして、天井15から吊り下げられた1
枚以上の弾粘性部材11と高張力部材12と衝撃吸収部
材13は射撃場の側壁面を弾丸6の衝撃から保護するの
みならず、弾丸6も粉砕または飛散することがなく、破
片などの跳びがなく、鉛害の発生原因とならない。
【0074】また天井15から吊り下げられた高張力部
材12と衝撃吸収部材13も弾丸6での損傷が少なく、
耐久性を有することになり、弾粘性部材11によって跳
弾も効果的に防止できるので、射撃手の安全性を確保で
きると同時に応用射撃訓練、高性能拳銃の弾丸6を用い
る射撃訓練も実施可能となる。
【0075】また、床面に弾丸6の回収用の溝(図示せ
ず)を設けても良い。天井15から吊り下げる弾粘性部
材11と衝撃吸収部材13の間の床面に弾丸回収溝を設
けると弾丸6の回収作業が容易となる。
【0076】実施例9 本実施例は図7で示す天井15から吊り下げられた1枚
以上の弾粘性部材11と高張力部材12と衝撃吸収部材
13を射撃場の後壁が傾斜している場合に適用した実施
例であり、高張力部材12を用いることを除き、図4に
示す実施例と場合とほぼ同一の構成であるので、図示と
その詳細な説明は省略する。また、射撃場の後壁に既設
の停弾部材9(図10、図11参照)がある場合は、衝
撃吸収部材13はその前方に隙間を設けずに停弾部材に
密着して配置してもよい。
【0077】実施例10 図8に示す本実施例は図示しない標的に防弾装置を設け
るかどうかにかかわらず、射撃場の保護すべき側壁面の
前方に隙間をあけて実施例1で説明した弾粘性部材11
を射撃場の上方(天井または側壁)から梁18で吊り下
げて配置したものである。また、弾粘性部材11の後方
であって保護すべき側壁面16に実施例6と同一の高張
力部材12と衝撃吸収部材13を密着して上方(天井ま
たは側壁)から梁18で吊り下げて配置した。弾丸6は
弾粘性部材11で大幅に運動エネルギを奪われ、隙間部
で方向が変わり、最終的に高張力部材12と衝撃吸収部
材13を組合せて使用することで弾丸6の運動エネルギ
の拡散、吸収を効果的に行うことができる。
【0078】また後方(側壁面16)からの跳弾も発生
しない。また弾丸6の損傷による飛散や鉛の害も発生し
ない。また高張力部材12と衝撃吸収部材13の耐久性
が向上し、室内での前記応用射撃訓練を行うこともでき
る。
【0079】また、弾粘性部材11と隙間を介して設け
られる高張力部材12と衝撃吸収部材13の積層体を射
撃場の側壁のみならず、天井15にも設けることで、側
壁のみならず天井15の防弾性能が向上し、室内での前
記応用射撃訓練を行うことができる。
【0080】また、実施例6〜10の防弾装置は実施例
1〜5の防弾装置と違って高張力部材12を衝撃吸収部
材13の前方に積層させて置いたので、これらに弾丸6
が突入した際に保護すべき各隠顕動作装置、着弾位置計
測装置などの装置または射撃場の後壁または側壁の前表
面方向へのたわみが発生するためそれらの間に逃げ空間
としての隙間を取る必要があり、そのためには数多くの
スペーサを設置する必要があるものの、設置が容易でな
いことや、軽量であることが望ましい標的下部への使用
には不向きである。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明の防弾装置と
それを備えた射撃訓練装置によれば、効果的に射撃場壁
面を効果的に弾丸から保護できるとともに、鉛毒の発生
を防止して弾丸を効率良く回収できる。さらに、跳弾も
効果的に防止できるので、射撃手の安全性を確保できる
ので高性能拳銃による応用射撃訓練も実施可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の防弾装置の模式図と断面
図である。
【図2】 本発明の実施例2を示す模式図である。
【図3】 本発明の実施例3の防弾装置を用いる射撃訓
練場の配置図である。
【図4】 本発明の実施例4の防弾装置を用いる射撃訓
練場の配置図である。
【図5】 本発明の実施例5の防弾装置を射撃訓練場の
側壁面に配置した図である。
【図6】 本発明の実施例6の防弾装置の模式図と断面
図である。
【図7】 本発明の実施例8の防弾装置を射撃訓練場の
側壁面に配置した図である。
【図8】 本発明の実施例10の防弾装置を用いる射撃
訓練場の配置図である。
【図9】 従来から用いられている標的装置の斜視図で
ある。
【図10】 従来の射撃訓練場の配置図である。
【図11】 従来の射撃訓練場の配置図である。
【図12】 従来の防弾装置の模式図である。
【図13】 従来の防弾装置の模式図である。
【符号の説明】
1 射撃手 2 標的 3 拳銃 4 隠顕動作装置 5 停弾堤 6 弾丸 7 着弾位置計測装置 8 床 11 弾粘性部材 12 高張力部材 13 衝撃吸収部材 15 天井 16 側壁面 18 梁

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射撃手側である前面に少なくとも一つの
    弾粘性部材を具備し、該弾粘性部材の背面に隙間をあけ
    て衝撃吸収部材を配置した構成を備えたことを特徴とす
    る防弾装置。
  2. 【請求項2】 射撃手側である前面に少なくとも一つの
    弾粘性部材を具備し、該弾粘性部材の背面に隙間をあけ
    て射撃手側から順に高張力部材と衝撃吸収部材を積層状
    に配置した構成を備えたことを特徴とする防弾装置。
  3. 【請求項3】 射撃手側である前面に少なくとも一つの
    弾粘性部材を具備し、該弾粘性部材の背面に隙間をあけ
    て高張力部材を配置した構成を備えたことを特徴とする
    防弾装置。
  4. 【請求項4】 弾粘性部材を隙間をあけて少なくとも2
    枚配置し、その後方に高張力部材を配置した構成を備え
    たことを特徴とする請求項3記載の防弾装置。
  5. 【請求項5】 衝撃吸収部材と弾粘性部材との隙間また
    は高張力部材と衝撃吸収部材からなる積層体と弾粘性部
    材との隙間は弾丸がその方向を変えることができるだけ
    の幅以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の防弾装置。
  6. 【請求項6】 衝撃吸収部材を保護すべき装置または射
    撃場の後壁または側壁の前方に隙間をあけて配置したこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防弾装
    置。
  7. 【請求項7】 衝撃吸収部材を保護すべき装置の表面ま
    たは射撃場の後壁または側壁の表面に隙間をあけずに配
    置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の防弾装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の防弾装
    置を備えた標的と射撃訓練用の標的付属装置を走行可能
    な構成とすることを特徴とする防弾装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の防弾装
    置を備えたことを特徴とする射撃訓練場。
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