JPH08333793A - 警報型排水工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 巡回等の人手間をかけることなく集水井戸内
の異常増水を検知するようにした警報型排水工法を提供
することである。 【構成】 掘削敷地１の周囲に沿って掘削された集水溝
５は、掘削敷地１の片隅に設けられた集水井戸、すなわ
ち釜場７に連通している。地下水は掘削敷地１内に滲出
し、集水溝５を通じて釜場７内に集水する。この釜場７
内には排水ポンプ１０が投入され、常時稼働している。
排水ポンプ１０の頂部に接続された配水管を通じてポン
プ１０の駆動により揚水された水を側溝１２内に連続的
に吐出する。釜場７内には水位センサー１４が配置され
ている。このセンサー１４は、釜場７内が通常水位ｗL1
から 異常水位WL2 まで上昇するとこれを検出する。セ
ンサー１４のリード線１６は、警報装置１８の入力端に
接続し、水位上昇が検出されると、警報装置１８の出力
端に接続した警告灯１９を明滅されると同時に警告ブザ
ー２０を鳴動させ、水位異常を告知する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、警報型排水工法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】掘削工事に伴って、施工場所の周囲から
流入水がある場合、排水処理を行わないと掘削作業が困
難になる場合がある。このような場合には、通常排水ポ
ンプなどを用いて場外に排水を行う。

【０００３】この排水工法には、釜場排水工法、ディー
プウエル工法、ウエルポイント工法などがある。これら
の工法のうちで施工が容易であるという観点から、釜場
排水工法が良く実施されている。

【０００４】この工法は、施工場所に溝を掘削するとと
もに、この溝に連通する釜場と称する集水井戸を掘削
し、湧水を前記溝を通じてこの釜場内部に集め、釜場内
に投入された排水ポンプを用いて場外に排水を行うもの
で、例えば場内湧水の発生が多いトンネル工事において
も側溝および釜場排水の組合せは最も一般的な排水工法
である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この釜
場排水工法にあっては、他の工法に比較して施工は容易
であるものの、流入水に混入した泥土で釜場が埋設され
てしまい、ポンプが目詰まりし、効率の低下を招き、ま
たポンプ効率の低下により流入水が釜場からオーバーフ
ローし、周辺が水浸しになる虞れがあった。また、湧水
は常時一定量とは限らず、排水ポンプの能力を超えた湧
水量となった場合にも前記と同様な現象が生ずる。

【０００６】排水ポンプは連続的に稼働されるものであ
るため、この種の溢流を防止するためには、メンテナン
スおよび清掃のための係員が、昼夜を分かたず常時定期
的に巡回監視しなければならず、人手がかかるととも
に、巡回間隔が長い場合などではその間に溢してしまう
など、不測の事態を招く原因となる。

【０００７】この発明は、以上の問題を解決するために
なされたものであり、巡回等の人手間をかけることなく
集水井戸内の異常増水を検知するようにした警報型排水
工法を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明は、施工現場の少なくとも一カ所に掘削さ
れた集水井戸に湧水を流入させるとともに、該集水井戸
内に排水ポンプを投入し、該排水ポンプの駆動により前
記流入水を場外に排水する排水工法において、前記集水
井戸内に水位上昇を検出する検出手段を設けるととも
に、該検出手段の検知出力により警報を発生する警報発
生手段を設けたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】集水井戸の水位が通常水位より上昇した場合
に、警報が発生する。この警報に基づき係員が排水ポン
プの交換、集水井戸の増設、集水井戸内の泥土除去作業
などを実施することによって、常態に復帰する。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明する。図１はこの発明にかかる釜場排水工法
を示すものである。

【００１１】図において、地盤Ｅを掘削した掘削敷地１
の周囲を囲んで土留矢板２が配置され、切梁３および腹
起こし４によって前記土留矢板２を支持している。掘削
敷地１は、その中央から周囲に向けて僅かな勾配で傾斜
しているとともに、土留矢板２の内側に沿って集水溝５
が掘削されている。この集水溝５は、掘削敷地１の片隅
に設けられた集水井戸、すなわち釜場７に連通してい
る。

【００１２】釜場７は、掘削敷地１内をさらに掘り下げ
るとともに、その周囲をコンクリート製の枠８で囲い、
さらにその底面に砂利９を敷き詰めたものであって、地
盤Ｅの地下水位ＷＬが掘削敷地１内より高いと、地下水
は土留矢板２を通じて掘削敷地１内に滲出し、滲出した
湧水は集水溝５を通じて釜場７内に集水する。なお、こ
の実施例では、釜場７としてその周囲をコンクリート製
の枠８で囲ったものを例示したが、これを木枠に代えて
もよいし、広く採用されている素堀りのものであっても
よいことはいうまでもない。

【００１３】この釜場７内には、排水ポンプ１０が投入
され常時稼働している。排水ポンプ１０は、水中ポン
プ、バーチカルポンプ、セントリフューガルポンプなど
があるが、最も一般的には水中ポンプが用いられる。排
水ポンプ１０の頂部にはホースなどの配水管１１が接続
され、この配水管１１の他端は地表部ＧＬに延長され、
その吐出端を例えば道路脇の側溝１２等に配置し、ポン
プ１０により揚水された水を側溝１２内に連続的に吐出
している。

【００１４】釜場７内には水位センサー１４が配置され
ている。このセンサー１４は、釜場７内が通常水位ｗL1
から 前述する原因によって異常水位WL2 まで上昇する
とこれを検出するものである。

【００１５】より具体的には、例えば図１の一部に拡大
して示すように、枠８の上部に掛け渡されたブラケット
１５の下部に吊下され、その先端を水中に浸積させた棒
状の本体部１４ａと、本体部１４ａの周囲に昇降可能に
連結し、水上に浮遊するリング状フロート１４ｂとから
なり、本体部１４ａに内蔵された図示しないリードスイ
ッチの位置までフロート１４ｂが上昇すると、フロート
１４ｂに内蔵された図示しないマグネットがリードスイ
ッチに接近することでスイッチオンし、水位上昇を検出
する。

【００１６】このセンサー１４のリード線１６は、地表
部ＧＬに仮設された工事管理棟１７に引き込まれ、ここ
に設けた警報装置１８の入力端に接続しており、水位上
昇が検出されると、警報装置１８の出力端に接続した警
告灯１９を明滅されると同時に警告ブザー２０を鳴動さ
せ、水位異常を告知する。なお、いずれか一方の警告手
段を選択することも出来る。

【００１７】従って、以上の警報に基づき係員に作業を
指令すれば、係員により排水ポンプ１０の交換、増設、
釜場７内の泥土除去作業などを実施することによって、
常態に復帰することになるのである。

【００１８】なお、警報装置１８の設置箇所は掘削敷地
１内にであってもよいし、複数箇所に設けることも出来
る。また、この場合に昼間時期と夜間など工事の有無に
応じて適宜接続を切り替えることも出来ることは勿論で
ある。

【００１９】さらに、水位センサー１４は排水ポンプ１
０に付属させ、ポンプ１０の上部まで水位が増加したら
これを検出するように構成することも可能である。

【００２０】

【発明の効果】以上実施例により詳細に説明したよう
に、この発明による警報型排水工法によれば、集水井戸
の水位が通常水位より上昇した場合に、警報が発生し、
この警報に基づき係員が排水ポンプの交換、集水井戸の
増設、集水井戸内の泥土除去作業などを実施することに
よって常態に復帰するようになるため、定期巡回の人手
間を省略でき、しかも警報に応じて迅速な復帰処理を行
うことが出来るため、不測の事態による作業現場内の浸
水を未然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による警報型排水工法を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 施工現場（掘削敷地） ５ 集水溝 ７ 釜場（集水井戸） １０ 排水ポンプ １４ 水位センサー（水位検出手段） １８ 警報装置（警報手段） １９ 警告灯（警報手段） ２０ 警告ブザー（警報手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 施工現場の少なくとも一カ所に掘削され
   た集水井戸に湧水を流入させるとともに、該集水井戸内
   に排水ポンプを投入し、該排水ポンプの駆動により前記
   流入水を場外に排水する排水工法において、 前記集水井戸内に、水位上昇を検出する検出手段を設け
   るとともに、該検出手段の検知出力により警報を発生す
   る警報発生手段を設けたことを特徴とする警報型排水工
   法。