JPH08327471A - 残留応力測定方法 - Google Patents

残留応力測定方法

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JPH08327471A
JPH08327471A JP13391095A JP13391095A JPH08327471A JP H08327471 A JPH08327471 A JP H08327471A JP 13391095 A JP13391095 A JP 13391095A JP 13391095 A JP13391095 A JP 13391095A JP H08327471 A JPH08327471 A JP H08327471A
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JP
Japan
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diffraction
measured
neutron
residual stress
strain
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Application number
JP13391095A
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English (en)
Inventor
Makoto Hayashi
眞琴 林
Kunio Enomoto
邦夫 榎本
Masahiro Otaka
正廣 大高
Shinobu Okido
忍 大城戸
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造物内部の残留応力を精度良く測定するこ
とができるとともに、異方性の強い材料についても残留
応力の測定を行うことができる残留応力測定方法を提供
する。 【構成】 中性子回折を利用して残留応力を測定する
際、予め試験片を用いて機械的に負荷を加えたときの応
力と前記中性子回折によるひずみを測定し、試験片で測
定された応力とひずみとの関係から、測定する回折面に
対する弾性定数を求め、求められた弾性定数を用いて中
性子回折により測定された3軸方向ひずみをフックの法
則に基づいて3軸方向応力に換算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶接構造物などの残留応
力を測定する技術に係り、特に材料内部の残留応力が測
定可能な中性子回折に好適な測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の中性子回折による残留応力測定に
おいては、機械的特性試験から得られるマクロな弾性定
数を用いて、残留ひずみからフックの法則により残留応
力に変換していた。また、圧延変形などにより集合組織
が強い材料では、異方性のため方向によっては回折強度
が弱くて回折ピーク位置を決定できず、残留応力測定が
できない場合があった。
【0003】なお、中性子回折を利用してひずみを検出
するものとしては例えば特開昭64−53143号公報
記載のものが知られている。この発明は、物体を中性子
源によって生じる中性子のビームに曝し、その物体から
回折された中性子の角分布を監視してひずみを測定し、
その物体中に含まれる元素の中性子共鳴透過特性を監視
して温度をも測定するように構成されている。しかし、
ひずみと残留応力、ならびに回折面との関係について
は、特に何も触れられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、機械的特性
試験から得られるマクロな弾性定数を用いて、残留ひず
みからフックの法則により残留応力に変換すると、弾性
定数が測定する回折面毎に異なり、最大の回折面と最小
の回折面では約1.5倍も差があるため、測定精度が悪
かった。
【0005】また、圧延変形などにより集合組織が強い
材料では、異方性のため、方向によっては回折強度が弱
くて回折ピーク位置の決定が困難となり、測定精度が悪
かったり、極端に異方性が強い場合には測定できなかっ
た。
【0006】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、弾性定数の回折面依
存性を考慮して構造物内部の残留応力を精度良く測定す
ることができる残留応力の測定方向を提供することにあ
る。また、他の目的は、異方性を考慮し、異方性の強い
材料についても残留応力の測定を行うことができる残留
応力測定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】弾性定数の回折面依存性
を考慮した残留応力測定方法については、予め小型試験
片を用いて弾性定数の回折面依存性を測定した結果、弾
性定数は最大の回折面と最小の回折面では約1.5倍も
差があることが分かったが、その回折面依存性は単結晶
における回折面依存性と一致することが分かった。そこ
で、中性子回折により測定された3軸方向ひずみからフ
ックの法則に基づいて3軸方向応力に換算するとき、単
結晶における各回折面に対する弾性定数を機械的に測定
された弾性定数のランダム方位の単結晶の集合体として
求めた平均的弾性定数に対する比で補正した弾性定数を
用いることで上記の弾性定数の誤差の発生を回避するよ
うにした。
【0008】また、異方性の強い材料に対しては、予め
材料の異方性を測定しておき、3軸方向で方向密度の高
い回折面のひずみを選択して測定し、その回折面でのひ
ずみをその回折面の弾性定数の、基準とする回折面の弾
性定数に対する比で補正し、基準とする回折面のひずみ
に換算して3軸方向の応力を測定するようにした。
【0009】具体的には、上記目的は、中性子回折を利
用して残留応力を測定する残留応力測定方法において、
予め試験片を用いて機械的に負荷を加えたときの応力と
前記中性子回折によるひずみを測定し、試験片で測定さ
れた応力とひずみとの関係から、測定する回折面に対す
る弾性定数を求め、求められた弾性定数を用いて中性子
回折により測定された3軸方向ひずみをフックの法則に
基づいて3軸方向応力に換算することによって達成され
る。
【0010】この場合、前記弾性係数として、単結晶に
おける各回折面に対する弾性定数を機械的に測定された
弾性定数のランダム方位の単結晶の集合体として求めた
平均的弾性定数に対する比で補正した値を用いるとよ
い。また、前記回折面を(hhl)面、例えば(11
0)、(220)、(211)とし、機械的に測定され
た弾性定数を用いて応力に換算するとよい。
【0011】なお、中性子回折の回折強度曲線を測定す
る際、回折強度曲線のピークの半値幅の少なくとも5倍
の角度範囲を測定するだけでよい。その場合、前記回折
強度曲線のピーク位置をほぼ中心として測定するとよ
い。また、中性子回折の回折強度を測定する際、位置敏
感型中性子検出器を使用してほぼ回折強度曲線のピーク
位置を中心として回折強度曲線のピークの半値幅の2倍
の角度範囲を10分割程度で分割するようにマルチチャ
ンネルアナライザを設定し、回折ピーク位置を半値幅中
心で決定するとよい。あるいは、回折ピーク位置を半値
幅中心で決定する代わりに、回折ピークの中心位置をガ
ウス曲線近似によって決定するようにすることもでき
る。
【0012】また、中性子回折の回折強度を測定する
際、中性子回折装置の入射ビームスリット及び回折ビー
ムスリットの形状を円形または正方形として測定するこ
とが望ましく、中性子回折の回折角度2θが約90度と
なるように、中性子線の波長と回折面を選択するとよ
い。異方性が強い測定材料については予め材料の異方性
を測定しておき、3軸方向で方向密度の高い回折面のひ
ずみをそれぞれ測定する。異方性が強い場合、3軸方向
で方向密度の高い回折面のひずみをそれぞれ測定し、あ
る回折面でのひずみをその回折面の弾性定数の基準とす
る回折面の弾性定数に対する比で補正し、基準とする回
折面のひずみに換算して3軸方向の応力を測定する。な
お、測定に際し、測定材料の目的とする3軸方向で、次
数が低く、回折強度が高いと想定される少なくとも5つ
の回折面の回折強度を測定して3軸方向毎に回折強度が
高い回折面を選択するとよい。
【0013】また、このような中性子回折に代えて、X
線回折を使用することもできる。しかし、X線では材料
の深部まで浸透することはできないので、X線回折によ
る測定は材料の表面の浅い部分だけでよい場合に中性子
回折と同様にして残留応力測定に適用することができ
る。
【0014】
【作用】上記のように構成すると、機械的特性試験を行
ってマクロな弾性定数を測定すれば、解析より求められ
る単結晶における各回折面に対する弾性定数をマクロな
弾性定数のランダム方位の単結晶の集合体として求めた
平均的弾性定数に対する比で補正することにより、測定
する回折面の弾性定数が計算される。これによって、測
定の都度、弾性定数の回折面依存性を測定することな
く、弾性定数の回折面依存性を考慮した高精度な残留応
力測定が可能となる。また、従来測定困難であった異方
性の強い材料については、逆にその異方性を利用して、
3軸方向毎に回折強度の高い回折面のひずみを測定する
ことにより測定精度を向上させた残留応力測定が可能と
なる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明の一実施例につ
いて説明する。
【0016】図2は中性子回折によってひずみを測定す
る装置の全体を示す概略構成図である。同図において、
原子炉1で発生した中性子はガイドチューブ2を通っ
て、モノクロメータ3に入る。モノクロメータ3で中性
子線は回折角度Θで回折されて波長が揃えられ、いわゆ
る単色化される。単色化された中性子線はガイドチュー
ブ4を通り、さらに、カドミウム等の中性子線を吸収し
易い材料で出来た入射ビームスリット5を通って測定試
料6に入射される。入射ビームスリット5には通常1m
m×1mm程度の矩形の孔が開けてあり、これを通るこ
とにより、中性子線は細く絞られて測定試料に入射す
る。測定試料6に入射した中性子ビームはX線回折と同
様に、Braggの回折条件に従って回折する。即ち、 λ=2d・sinθ ・・・(1) が成り立つ。ここで、λは中性子の波長、dは(hk
l)面の面間隔、θは回折角度である。回折した中性子
線は回折ビームスリット7を通って中性子検出器8で検
出される。
【0017】中性子回折では侵入深さが十分に深いため
に、X線回折法によるsin2 ψ法のような方法はとれ
ない。そこで、(1)式を微分して書換えると、 ε=Δd/d=(d−d0)/d=−cotθ・Δθ ・・・(2) と表わされる。回折強度曲線の模式図を図3に示す。同
図において横軸は回折角度2θ、縦軸は回折強度であ
る。無ひずみ状態での回折強度曲線を白丸で、ひずみが
ある状態での回折強度曲線を黒丸で示した。このよう
に、ひずみがあると回折強度曲線はひずみ量に応じてシ
フトする。図3のような回折強度曲線を測定することに
より、回折面間隔の変化Δd=d−d0 、または、回折
角度の変化Δθからひずみεを測定できる。このとき、
(2)式あるいは図3から分かるように、無ひずみ状態
の格子面間隔d0 または回折角度θ0 が必要となる。従
って、中性子回折法による残留応力測定では、測定した
い材料の一部を切り出し、ひずみ取り焼鈍を施して、無
ひずみ状態の格子面間隔d0 または回折角度θ0 を測定
しなければならない。回折プロフィルのピーク位置は、
半値(価)幅中点法または図3に示したように回折プロ
フィルをガウス分布で近似し、その中心によりピーク位
置を決定するガウス分布近似法により決定する。
【0018】1軸のひずみが測定できただけでは応力は
求まらないため、図4、図5および図6に示すように、
中性子回折法では3軸方向のひずみを測定して応力を求
める。図4には半径方向ひずみεR 、図5には周方向ひ
ずみεH 、図6には軸方向ひずみεA を測定している状
況を示した。軸方向ひずみεA 、半径方向ひずみεR
周方向ひずみεH が測定されると、半径方向応力σ
R は、 σR ={E/(1+ν)}{εR +ν(εA +εR +εH )/(1−2ν)} ・・・(3) で、周方向応力σH は、 σH ={E/(1+ν)}{εH +ν(εA +εR +εH )/(1−2ν)} ・・・(4) で、軸方向応力σA は、 σA ={E/(1+ν)}{εA +ν(εA +εR +εH )/(1−2ν)} ・・・(5) でそれぞれ与えられる。主応力方向と主応力を知りたい
場合には6軸方向のひずみ測定が必要となる。
【0019】(3)ないし(5)式を用いて3軸方向ひ
ずみから応力を計算する場合、縦弾性定数Eが必要とな
る。この弾性定数には回折面依存性があり、また、応力
に対する直線性の良さが要求される。炭素鋼を用いて5
つの回折面の弾性定数を測定した結果を図7に示す。測
定した回折面は、(200)、(222)、及び(hh
l)=(110)、(220)、(211)の5つであ
る。図7において横軸は負荷応力で、縦軸は測定された
各回折面のひずみである。図7から分かるように、回折
面毎に発生するひずみは異なる。ひずみに対する応力の
変化率である弾性定数は、最も低い(200)ではE=
182GPaであり、最も高い(222)ではE=26
8GPaで、その比は約1.5である。なお、(hh
l)=(110)、(220)、(211)の弾性定数
は、それらの中間の値をとり、E=243GPaで、機
械的特性試験により測定されたバルクの弾性定数E=2
22GPaにほぼ等しい。以上のように、回折面によっ
ては、バルク材の弾性定数を用いて応力を求めると、約
20%の測定誤差を生じることになる。
【0020】図8に純鉄と炭素鋼バルク材の弾性定数
と、純鉄に対する弾性定数の回折面依存性の単結晶に対
する計算値と、それのバルク材の弾性定数による補正
値、及び中性子回折実験により求めた弾性定数の測定値
の比較を示す。純鉄に対する弾性定数の回折面依存性の
単結晶に対する計算値をバルク材の弾性定数により補正
した値は、中性子回折による測定値とよく一致すること
が分かる。従って、他の材料においても機械的特性試験
を行い、マクロな弾性定数を測定し、その材料の単結晶
に対する弾性定数を各回折面について計算して単結晶の
弾性定数のバルク材の弾性定数との比により補正すれ
ば、精度良く応力に換算することが可能となる。
【0021】図1には上記の結果を踏まえた本発明に基
づく各回折面に対する弾性定数の求め方の手順を示すフ
ローチャートを示す。この手順では、まず初めに被測定
材料の結晶系の単結晶モデルにより(hkl)面の弾性
定数E(hkl) aを計算する(ステップS101)。次
に、同じ単結晶モデルによりランダム方位の弾性定数E
aを計算する(ステップS102)。そして、被測定材
料と同じ材料、または被測定材料から切出した引張り試
験片を用いて引張り試験を行い(ステップS103)、
被測定材料の機械的弾性定数Eeを測定する(ステップ
S104)。このようにして得られた単結晶モデルによ
る(hkl)面の弾性定数E(hkl) aを被測定材料のバ
ルクの機械的弾性定数Eeの単結晶モデルによるランダ
ム方位の弾性定数Eaに対する比で補正することによ
り、被測定材料の(hkl)面の弾性定数E(hkl) eを
求める。すなわち、 E(hkl) e=E(hkl) a・Ee/Ea ・・・(6) により計算する(ステップS105)。
【0022】前述したように、(110)、(22
0)、(211)面の弾性定数はE=243GPaで、
引張り試験により測定されたバルクの弾性定数E=22
2GPaにほぼ等しい。従って、測定する回折面を(1
10)、(220)、(211)とし、機械的に測定さ
れた弾性定数を用いて応力に換算しても、精度的には1
0%以下で残留応力評価が可能である。
【0023】図3に示したような、回折強度曲線の測定
においては、効率が要求される。すなわち、前述したよ
うに、回折強度曲線のピーク位置は、半値幅中点法、ま
たは、回折プロフィルをガウス分布で近似し、その中心
によりピーク位置を決定するガウス分布近似法により決
定される。従って、いずれの方法においてもバックグラ
ウンドを決定できる最小の範囲まで中性子検出器を走査
すればよい。その範囲としては、図9に示したように、
ほぼ回折強度曲線のピーク位置を中心として、回折強度
曲線のピークの半値幅FWHMの5倍程度の角度で十分
である。なお、X線回折法では半値幅FWHMのことを
半値幅bと称しているが、X線回折法の場合も同じ範囲
で回折強度曲線を測定すれば十分である。
【0024】次に、中性子回折における回折強度曲線の
決定法に関して、回折強度を回折角度2θに沿って丁寧
に細かいピッチで測定すると、精度良い回折強度曲線が
求まるが、測定時間が長くなるという欠点がある。図3
に示したように、回折強度曲線のピーク位置の決定は半
値幅中点法、あるいはガウス分布近似法でデジタル計算
により行うため、細かいピッチで測定する必要はない。
逆に、細かいピッチで測定すると、前述のように測定時
間が長くなると共に、統計変動が大きいため、却って測
定精度が悪くなるという問題もある。そのため、例え
ば、位置敏感型中性子検出器を用いた回折強度曲線の測
定において、図10に示したように、ほぼ回折強度曲線
のピーク位置を中心として、回折強度曲線のピークの半
値幅FWHMの2倍の角度範囲を10分割程度で分割す
るように、マルチチャンネルアナライザのチャンネル幅
を設定する。このようにして得られた回折強度曲線のデ
ジタルデータを用いて、回折ピーク位置を半値幅中点
法、あるいはガウス分布近似法より決定する。
【0025】以上のようにすると、各回折角度における
回折強度を高く設定できるため、統計変動が小さく、短
時間でより精度の高い回折強度曲線が得られ、引いては
回折ピーク位置の決定精度が向上し、ひずみ測定精度が
高くなるという利点がある。
【0026】図11には中性子回折法による残留応力測
定における構造物内部の測定位置を示す。測定位置は、
入射側のCdスリット(入射ビームスリット5に相当)
5aで決まる中性子入射ビームBinと、回折側のCdス
リット(回折ビームスリット6に相当)6aで決まる中
性子回折ビームBout の交差する領域10が測定部分と
なる。図11では黒く塗り潰した部分がその測定部分に
相当する。従って、実際の測定に当っては、測定試料6
の基準となる部位を選定し、そこで回折強度を測定して
基準位置を定め、後は試料台をコンピュータ制御により
3軸方向に平行移動、あるいは回転させて測定位置を自
動的に設定する。なお、図において符号11はビームス
トップを示し、符号12は 3He検出器を示す。
【0027】図4ないし図6、および(3)ないし
(5)式に示したように中性子回折法による残留応力測
定では、3軸方向のひずみを測定しなければ、応力値を
決定出来ない。そのため、測定試料6は試料台の上で、
ある方向のひずみを測定すると、2軸廻りに90度ずつ
回転させて、他の2方向のひずみを測定する。このと
き、応力測定精度の点からは、2軸廻りに回転させても
測定領域の3次元形状が同一であることが望ましい。そ
こで、先ず、図2に示した中性子回折装置の入射ビーム
スリット5と回折ビームスリット7、または、図11に
示したCdスリット5a,7aの中性子線が通過する孔
の形状を円形にする。それと同時に、中性子線の波長と
回折面を選択して、中性子線の回折角度2θが約90度
となるようにする。このようにすると、測定領域10は
球形となり、2軸廻りに回転させても全く同じ領域を測
定することが可能となる。
【0028】もし、図12に示したように回折角度2θ
が90度でなければ、入射ビームBinと回折ビームB
out が交差する測定領域10の形状は、ハッチングで断
面を示したような回転楕円体13となる。更に、他の2
軸方向のひずみを測定するために2軸廻りに回転させる
と、回転楕円体13の長短軸が90度回転するために、
3軸方向のひずみを共通に測定している領域は、3軸方
向に配置したときに共通する中央の球の部分だけとな
り、3軸方向で測定している領域に不一致が生じる。し
かし、図13に示したように、入射ビームスリット5a
と回折ビームスリット7aの中性子線が通過する孔の形
状が円形で、且つ、回折角度2θが90度であれば、測
定領域10の形状はハッチングで断面を示したように球
形となる。この球形の測定領域10は他の2軸方向のひ
ずみを測定するために、2軸廻りに回転させても変わら
ない。
【0029】また、入射ビームスリット5aと回折ビー
ムスリット7aの中性子線が通過する孔の形状を正方形
とし、中性子線の回折角度2θを90度とすれば、図1
3に示した測定領域10の形状は立方体となり、他の2
軸方向のひずみを測定するために、2軸廻りに回転させ
ても同じ立方体となる。以上のように、3軸方向のひず
みを測定するときの測定領域10を全く同一にするため
には、中性子回折装置の入射ビームスリット5a及び回
折ビームスリット7aの中性子線が通過する孔の形状を
円形または正方形とし、更に、回折角度2θが90度と
なるように、中性子線の波長と回折面14を選択するこ
とが必要である。実際には、回折角度を正確に90度に
設定することはできないので、出来るだけ90度に近く
なるように中性子線の波長と回折面14を選択すること
が望まれる。
【0030】圧延材あるいは溶接継手における溶着金属
部のように集合組織の強い材料では、方向によっては回
折強度が弱くてひずみを測定出来ない場合がある。その
ような場合に対して、逆にその集合組織による異方性を
利用して残留応力を測定することができる。この方法
は、3軸方向で方向密度の高い回折面のひずみを測定
し、そのひずみをある特定の回折面のひずみに換算する
ことにより、その回折面の3軸方向ひずみを求め、求め
られた3軸方向ひずみから3軸方向の応力を計算すると
いう方法である。
【0031】集合組織の強い材料の一例としてZr合金
管の(100)面と(002)面の極点図を図14と図
15に示す。図の水平方向は管の周方向、垂直方向は管
の軸方向、紙面に垂直な方向が半径方向である。図14
の(100)面では軸方向での密度が高く、半径方向は
やや弱く、周方向は非常に弱い。一方、図15の(00
2)面の場合、軸方向密度が非常に高く、周方向もかな
り高いが、半径方向は非常に弱い。このように、異方性
が強い材料の残留応力測定においては、予め材料の異方
性を調べておき、3軸方向で方向密度の高い回折面のひ
ずみをそれぞれ測定し、それを用いて応力に換算する。
しかし、図7に示したように同じ応力に対して発生する
ひずみが回折面毎に異なるため、3軸方向で測定された
ひずみから応力を計算するには、非常に複雑な計算式が
必要となる。そこで、簡便的な残留応力評価方法を以下
に示す。
【0032】図16は集合組織が強い材料における残留
応力測定の測定手順を示すフローチャートである。この
測定手順では、まず最初に、図14、図15のような極
点図を測定して測定材料の異方性を調べておき(ステッ
プS201)、3軸方向で方向密度の高い回折面を選定
する(ステップS202)。次に、3軸方向で方向密度
の高い回折面のひずみをそれぞれ測定する。そして、
(3)ないし(5)式を用いて3軸方向ひずみから応力
を計算する場合、図7に示したように縦弾性定数が異な
る、言い替えれば、同じ応力に対して発生しているひず
みが異なるため、(3)ないし(5)式を用いて直接応
力値を計算することはできない。そこで、3軸方向で測
定されたひずみをどれか1つの回折面のひずみに換算し
て応力値を計算する簡易的方法を採用した。すなわち、
3軸方向で方向密度の高い回折面のひずみをそれぞれ測
定し(ステップS203)、ある回折面でのひずみをそ
の回折面の弾性定数の、基準とする回折面の弾性定数に
対する比で補正し(ステップS204)、基準とする回
折面のひずみに換算して3軸方向の応力を測定(計算)
する(ステップS205)。
【0033】例えば、管の軸方向、半径方向、周方向で
方向密度の高い回折面のひずみを、それぞれε(AAA)、
ε(RRR)、ε(HHH)とする。ここで、AAA 、RRR 、HHH
は回折面のhkl指数である。軸方向の回折面のひずみ
を基準にすると仮定すると、軸方向ひずみεA は、 εA =ε(AAA) ・・・(7) となる。図7に示したように、発生するひずみは弾性定
数分だけ異なるので、軸方向、半径方向、周方向で測定
した回折面の弾性定数をE(AAA) 、E(RRR) 、E(HHH)
とすると、半径方向ひずみεR と周方向ひずみεH は、
それぞれ、 εR =ε(RRR)・E(AAA) /E(RRR) ・・・(8) εH =ε(HHH)・E(AAA) /E(HHH) ・・・(9) となる。そこで、これらのεA 、εR 、εH と、基準と
した軸方向での回折面の弾性定数E(AAA) を(3) ない
し(5)式に代入すれば、図6のステップS205で示
したようにして3軸方向の残留応力が計算できる。
【0034】以上の方法では、集合組織を調べるため
に、極点図を作成しているが、全方位の極点図を作成す
るには時間がかかるため、簡便的には測定材料の目的と
する3軸方向で次数が低く回折強度が高いと想定される
少なくとも5つの回折面の回折強度を測定し、3軸方向
毎に回折強度が高い回折面を選択するのが望ましい。こ
れらの回折面は、例えば測定材料が面心立方晶金属であ
れば、(111)(200)(220)(311)(2
22)(400)などであり、体心立方晶金属であれ
ば、(110)(200)(211)(220)(31
0)(222)などである。このようにすれば、例え
ば、極点図を軸と周の面内で2度毎に、半径方向に向か
っては2度毎に測定する場合に比して、単純計算では2
700分の1の時間で方向密度の高い回折面を決定する
ことができる。
【0035】
【発明の効果】これまでの説明で明らかなように、本発
明によれば、中性子回折により構造物内部の残留応力を
精度良く測定できると共に、圧延などによる集合組織に
より異方性の強い材料についても残留応力が測定可能と
なる。
【0036】さらに、具体的には、請求項1記載の発明
によれば、弾性定数の回折面依存性を試験片から求め、
この求められた弾性定数を用いて3軸方向ひずみから3
軸方向応力に換算するので、構造物内部の残留応力を精
度よく測定することができる。
【0037】請求項2記載の発明によれば、弾性定数の
回折面依存性が単結晶における回折面依存性と一致する
ことから、3軸方向ひずみから3軸方向応力に換算する
とき、本請求項のような値を補正値として使用すること
により弾性定数の誤差の発生を最小限に抑え、これによ
り構造物内部の残留応力を精度よく測定することができ
る。
【0038】請求項3記載の発明によれば、機械的特性
試験によって測定されたバルク材の弾性係数が(hh
l)面を回折面としたときの弾性定数に近いので、(h
hl)面を回折面としたときにはバルク材の弾性定数を
使用することができる。
【0039】請求項4記載の発明によれば、回折強度曲
線のピークの半値幅の少なくとも5倍の角度範囲を測定
するだけでよいので、測定範囲が狭くて済み、これによ
って短時間で測定を行える。
【0040】請求項5記載の発明によれば、回折強度曲
線のピークの半値幅のピーク位置を中心とするので、測
定範囲と測定位置の設定が容易になり、短時間での測定
が可能になる。
【0041】請求項6および7記載の発明によれば、各
回折角度における回折強度を高く設定できるので、統計
変動が小さく、短時間で精度の高い回折強度曲線を得る
ことができ、これによって回折ピーク位置の決定精度が
向上し、ひずみの測定精度が高くなる。
【0042】請求項8記載の発明によれば、測定領域が
球形もしくは立方体となるので、ひずみを測定するため
に2軸回りに回転させたとき、全く同じ領域を測定する
ことが可能になり、精度のよい測定を行うことができ
る。
【0043】請求項9記載の発明によれば、測定領域が
球形もしくは立方体であって、回折角度2θが約90度
となるように中性子線の波長と回折面を選択すると、3
軸方向のひずみを測定するときに測定領域が3軸で全く
同一になる。これによって精度のよい測定を行うことが
できる。
【0044】請求項10記載の発明によれば、回折強度
が弱くてひずみを測定できない場合に、3軸方向で方向
密度の高い回折面のひずみを測定し、そのひずみをある
特定の回折面のひずみに換算することによって3軸方向
の応力を計算することができ、これによって異方性の強
い材料についても残留応力の測定を行うことが可能とな
る。
【0045】請求項11記載の発明によれば、異方性が
強く、ひずみから直接応力を計算することが難しい場合
に、3軸方向で方向密度の高い回折面のひずみをそれぞ
れ測定し、ある回折面でのひずみをその回折面の弾性定
数の基準とする回折面の弾性定数に対する比で補正する
ことによって基準とする回折面のひずみに換算し、3軸
方向の応力を測定するので、異方性の強い材料について
も残留応力の測定を比較的簡単に行うことが可能とな
る。
【0046】請求項12記載の発明によれば、残留応力
の測定を従来は角度2度ごとにほぼ2700回測定する
必要があったものを、5つの回折面についての5回の測
定だけで行えるので、短時間で簡単に精度のよい測定が
行える。
【0047】請求項13記載の発明によれば、中性子回
折に代えてX線回折を使用するので、構造物表面部の残
留応力の測定を簡単な装置で行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る弾性係数の決定の手順を
示すフローチャートである。
【図2】実施例に係る中性子回折に使用される回折装置
を示す概略構成図である。
【図3】応力による中性子回折強度曲線のシフトの状態
を示す図である。
【図4】管の半径方向ひずみを測定するときの中性子入
射ビームと回折ビームの位置関係を示す説明図である。
【図5】管の周方向ひずみを測定するときの中性子入射
ビームと回折ビームの位置関係を示す説明図である。
【図6】管の軸方向ひずみを測定するときの中性子入射
ビームと回折ビームの位置関係を示す説明図である。
【図7】炭素鋼における弾性定数の回折面依存性を示す
負荷応力とひずみの測定図である。
【図8】弾性定数の回折面依存性の単結晶に対する計算
値と、それのバルク材の弾性定数による補正値と、実験
により求めた測定値とを比較した図である。
【図9】実施例に係る中性子回折強度曲線の測定方法を
示す説明図である。
【図10】実施例に係る中性子回折強度曲線の測定方法
を示す説明図である。
【図11】中性子回折装置を使用してひずみを測定する
ときの残留応力測定領域を示す説明図である。
【図12】回折角度が90度でないときの残留応力測定
領域を示す説明図である。
【図13】回折角度が90度のときの残留応力測定領域
を示す説明図である。
【図14】ジルコニウム合金の(100)極点図であ
る。
【図15】ジルコニウム合金の(002)極点図であ
る。
【図16】集合組織(異方性)の強い材料における残留
応力の決定の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 原子炉 2 ガイドチューブ 3 モノクロメータ 4 ガイドチューブ 5 入射ビームスリット 5a Cdスリット 6 測定試料 7 回折ビームスリット 7a Cdスリット 8 中性子検出器 9 ディフラクトメータ 10 測定領域 11 ビームストップ 12 3He検出器 13 回転楕円体 14 回折面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大城戸 忍 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性子回折を利用して残留応力を測定す
    る残留応力測定方法において、 予め試験片を用いて機械的に負荷を加えたときの応力と
    前記中性子回折によるひずみを測定し、 試験片で測定された応力とひずみとの関係から、測定す
    る回折面に対する弾性定数を求め、 求められた弾性定数を用いて中性子回折により測定され
    た3軸方向ひずみをフックの法則に基づいて3軸方向応
    力に換算することを特徴とする残留応力測定方法。
  2. 【請求項2】 前記弾性係数として、単結晶における各
    回折面に対する弾性定数を機械的に測定された弾性定数
    のランダム方位の単結晶の集合体として求めた平均的弾
    性定数に対する比で補正した値を用いることを特徴とす
    る請求項1に記載の残留応力測定方法。
  3. 【請求項3】 前記回折面を(hhl)面とし、機械的
    に測定された弾性定数を用いて応力に換算することを特
    徴とする請求項1に記載の残留応力測定方法。
  4. 【請求項4】 中性子回折の回折強度曲線を測定する
    際、回折強度曲線のピークの半値幅の少なくとも5倍の
    角度範囲を測定することを特徴とする請求項1に記載の
    残留応力測定方法。
  5. 【請求項5】 前記回折強度曲線のピーク位置をほぼ中
    心として測定することを特徴とする請求項4に記載の残
    留応力測定方法。
  6. 【請求項6】 中性子回折の回折強度曲線を測定する
    際、位置敏感型中性子検出器を使用してほぼ回折強度曲
    線のピーク位置を中心として回折強度曲線のピークの半
    値幅の2倍の角度範囲を10分割程度で分割するように
    マルチチャンネルアナライザを設定し、回折ピーク位置
    を半値幅中心で決定することを特徴とする請求項4に記
    載の残留応力測定方法。
  7. 【請求項7】 中性子回折の回折強度を測定する際、位
    置敏感型中性子検出器を使用してほぼ回折強度曲線のピ
    ーク位置を中心として回折強度曲線のピークの半値幅の
    2倍の角度範囲を10分割程度で分割するようにマルチ
    チャンネルアナライザを設定し、回折ピークの中心位置
    をガウス曲線近似によって決定することを特徴とする請
    求項4に記載の残留応力測定方法。
  8. 【請求項8】 中性子回折の回折強度を測定する際、中
    性子回折装置の入射ビームスリット及び回折ビームスリ
    ットの形状を円形または正方形として測定することを特
    徴とする請求項1、4、5、6および7のいずれか1に
    記載の残留応力測定方法。
  9. 【請求項9】 中性子回折の回折角度が約90度となる
    ように、中性子線の波長と回折面を選択することを特徴
    とする請求項1に記載の残留応力測定方法。
  10. 【請求項10】 異方性が強い測定材料については予め
    材料の異方性を測定しておき、3軸方向で方向密度の高
    い回折面のひずみをそれぞれ測定することを特徴とする
    請求項1または2に記載の残留応力測定方法。
  11. 【請求項11】 3軸方向で方向密度の高い回折面のひ
    ずみをそれぞれ測定し、ある回折面でのひずみをその回
    折面の弾性定数の基準とする回折面の弾性定数に対する
    比で補正し、基準とする回折面のひずみに換算して3軸
    方向の応力を測定することを特徴とする請求項10に記
    載の残留応力測定方法。
  12. 【請求項12】 測定材料の目的とする3軸方向で次数
    が低く回折強度が高いと想定される少なくとも5つの回
    折面の回折強度を測定して、3軸方向毎に回折強度が高
    い回折面を選択することを特徴とする請求項10または
    11に記載の残留応力測定方法。
  13. 【請求項13】 前記中性子回折に代えて、X線回折を
    使用することを特徴とする請求項1ないし12のいずれ
    か1に記載の残留応力測定方法。
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