JPH08327255A - 電気炉用燃焼塔 - Google Patents

電気炉用燃焼塔

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JPH08327255A
JPH08327255A JP7131278A JP13127895A JPH08327255A JP H08327255 A JPH08327255 A JP H08327255A JP 7131278 A JP7131278 A JP 7131278A JP 13127895 A JP13127895 A JP 13127895A JP H08327255 A JPH08327255 A JP H08327255A
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combustion tower
water
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tower
combustion
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Masahiro Yoshida
正弘 吉田
Tetsuo Ueda
徹雄 上田
Katsuhiro Noguchi
勝弘 野口
Hideki Azuma
英己 東
Noriaki Suga
紀明 須賀
Nobuyuki Fujikura
信幸 藤倉
Isamu Todoroki
勇 等々力
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気炉用燃焼塔の鉄皮熱変形、亀裂発生およ
び水漏れなどのトラブルを防止する。 【構成】 燃焼塔1を熱負荷に応じ、多数の水冷チュー
ブ18の相互間に幅狭フィンを介在させて円周方に連結し
てチューブ列により円筒状に形成した高熱負荷範囲のメ
ンブレーン式燃焼塔上段部2と、内筒20および外筒21を
同心に配置し、その間に配設した仕切板22により水路を
形成した中熱負荷範囲の水冷ジャケット式燃焼塔中段部
3と、円筒状鉄皮23の内面に耐火物24をライニングした
低熱負荷範囲の燃焼塔下断部4を組み合わせた構造とす
る。 【効果】 燃焼塔1が熱負荷に応じたバランスのとれた
構造となり、寿命延長が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気炉を用いて鉄スクラ
ップの溶解、精錬中に発生する高温でダストが多くかつ
COガスを多量に含有する可燃性の排ガスを燃焼させる電
気炉用燃焼塔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄スクラップの溶解、精錬中に電気炉か
ら発生する高温でダストが多くかつCOガスを多量に含有
する可燃性の排ガスは電気炉用燃焼塔で外気を流入させ
て燃焼させた後、スクラップを装入した予熱器に供給し
てその顕熱をスクラップの予熱に利用することによって
電気炉運転費の省エネルギー化を図ることが知られてい
る(たとえば特開昭56−137075号公報参照)。
【0003】すなわち図6に示すように電気炉6の炉蓋
8に設けた集塵エルボ9aは燃焼塔1における上段部2
の側壁上部に設けた入側ダクト10aに摺動管11aを介し
て接続可能になっており、側壁下部には水冷ダクト5a
が配設してある。燃焼塔1は燃焼塔上段部2、燃焼塔中
段部3および燃焼塔下段部4を組み立てた構造であり、
これら各部は図6に示すように内筒1aおよび外筒1b
を同心に配置した2重鉄皮構造とすると共に、その間に
横方向および縦方向の仕切壁1cを設けて下から上にジ
グザグに冷却水を通す水路を形成した水冷ジャケット式
にしてある。このような水冷ジャケット式の燃焼塔上段
部2内には排ガス中のダストによる摩耗から燃焼塔本体
を保護するため上段部2の全内周面に沿って図6に示す
ように水冷チューブを単純に並べたバッフルプレート2
aを配置してある。
【0004】なお図7に示すように外筒側の摺動管11a
は、燃焼塔1の側壁上部に固定配置した内筒側の入側ダ
クト10aの外面側にはまり込み長手方向に沿って摺動自
在に配設してあり、その入側フランジ14aは、集塵エル
ボ9aの出側フランジ13aと対向している。そして摺動
管11aは台車15a上に支持フレーム26aを介して搭載さ
れており、この台車15aは架構16a上に設けたガイドレ
ール17a上を車輪25aを介して進退することによって、
摺動管11aの入側フランジ14aを集塵エルボ9aの出側
フランジ13aに対して接近したり離間することにより隙
間Sを全閉から全開(一般的に0〜500mm ストローク)
に至る開度調整を行うことができるようになっている。
【0005】ここで電気炉6の排ガスを吸引する燃焼塔
1における上段部2の側壁上部に固定配置した入側ダク
トを内筒側にし、摺動管11aを外筒側にする構造にして
あるのは、機械設計上からして、外筒側の摺動管11a
を、固定配置した内筒側の入側ダクト10aに沿って摺動
自在に支持する構造にする方が、構造が簡単で設計しや
すいためである。このため、燃焼塔1はこのタイプを採
用してきた。
【0006】通常、電気炉6から発生する排ガスは、温
度が1000℃以上にもなるため、集塵エルボ9a、入側ダ
クト10aおよび摺動管11aは水冷2重管構造を採用して
いるため、厚みが50〜 100m/mくらいはある。また集
塵エルボ9aは1/4円弧状ダクトとなっているため排
ガス吸引時に遠心力によって集塵エルボ9aの上部でガ
ス流れが強くダスト分も多くなる。
【0007】電気炉6内での鉄スクラップの溶解、精錬
時に発生する高温でダストが多くかつCOガスを多量に含
有する可燃性の排ガス7は炉蓋8に設けた集塵エルボ9
aから摺動管11aを介して入側ダクト10aに導かれた
後、燃焼塔1に入る。この時、集塵エルボ9aの出側フ
ランジ13aに対して台車15aを後退させ摺動管11aの入
側フランジ14aとの隙間Sを大きくしていくと電気炉6
から発生する炉内の排ガス7を吸引する量が減少し、隙
間Sから吸引される空気量が増加する。逆に集塵エルボ
9aの出側フランジ13aと摺動管11aの入側フランジ14
aを密着して接続すると電気炉6から発生する炉内の排
ガス7を吸引して燃焼塔1に導入することができる。電
気炉6から出鋼する時などには摺動管11aを後退して集
塵エルボ9aから切り離した状態として電気炉6を傾動
可能にするのは云うまでもない。
【0008】前述のように電気炉用燃焼塔の上段部、中
段部および下段部はいずれもが全周面を水冷ジャケット
構造としており、水冷ジャケット内を流れる冷却水によ
り冷却して、可燃性の排ガスが燃焼塔内で燃焼する際に
燃焼塔本体が高温になるのを防止している。それと共に
燃焼塔上段部内に水冷チューブを横に並べたバッフルプ
レート2aにより入側ダクト10aから燃焼塔1内に導か
れた排ガス中のダストにより燃焼塔本体が摩耗するのを
防止している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】燃焼塔を水冷ジャケッ
ト構造にすると共に、摺動管を外筒側にし、入側ダクト
を内筒側にすることにより製作が容易となり、安価とな
るというメリットはあるが、次のような問題点がある。 (1)電気炉内で発生する高温の排ガス(たとえば1600
℃以上)に対して水冷ジャケット構造では、特に燃焼塔
上段部が鉄皮熱変形、亀裂、水漏れ等のトラブルが発生
しやすく、鉄皮補修などのメンテナンス作業が頻繁に必
要となり費用が嵩むことになる。一般的に電気炉工場で
の水冷ジャケット式燃焼塔本体の寿命は2〜5年程度で
更新することが多い。
【0010】(2)水冷ジャケット内に設けた仕切板に
よって形成された水路が直角に曲りくねっているため、
局部的に水冷の及ばないデッドゾーンができやすく、そ
の箇所が高熱負荷にさらされて熱変形、亀裂の起点とな
り易い。 (3)燃焼塔上段部は、水冷ジャケットとバッフルプレ
ートとで2重の冷却構造になっているが、バッフルプレ
ート背面の水冷ジャケットは排ガス冷却に対してナンセ
ンスであり、また冷却水も2重に流すことになり、設備
費も高くなる。
【0011】(4)図6および図7において、通常は集
塵エルボ9aの出側フランジ13aと摺動管11aの入側フ
ランジ14aを接近させ、両者のなす隙間Sを調整しなが
ら操業する。そして燃焼塔1に固定配置した内筒側の入
側ダクト10aの外径に対し外筒側の摺動管11aの内径を
わずかに大きくしてあると共に、入側ダクト10aが水冷
2重構造でその厚みが50〜100mm あるため段差を生じる
ことになる。
【0012】電気炉6の炉内から発生する排ガスがまず
摺動管11aに接触しさらに入側ダクトの先端に当った後
燃焼塔1内に入って行くので排ガスの流れがスムーズで
なくなる。排ガス中のダストが入側ダクト10aの先端に
衝突して引っ掛り、この部分に付着ダストを形成すると
共に摺動部に噛み込みやすく摺動管11aの摺動を不能に
する原因になる。
【0013】入側ダクト先端面へのダスト付着が入側ダ
クト内径の1/3以上にも達することがあり、ダスト付
着がひどい場合には、入側ダクト10aの先端だけでな
く、その奥側にも広がって、ついには中央部まで付着ダ
ストが堆積することがある。付着ダストの付着量が少な
いうちは操業はできるが、多くなってくると摺動管11a
が機械的に動かなくなるので付着ダストの除去作業が必
要になる。
【0014】とくに集塵エルボ9aは1/4円弧状であ
るため排ガス吸引時は遠心力によってエルボ上部のガス
流れが強く、ダスト分も多くなり、入側ダクト10aの上
側先端部に衝突したのち、内周面に沿って下方に導かれ
摺動管11aの下部内面に付着ダストDが堆積し摺動管11
aの摺動操作を不能にする。本発明は前記従来技術の問
題点を解消し、とくに電気炉の炉内から発生する高温ガ
スに晒されるため高熱負荷となると共に排ガス中のダス
トにより摩耗され易い燃焼塔の上段部の熱変形、亀裂、
水漏れなどのトラブルを防止すると共に、できるだけ設
備費を節減することを目的としてなされたものである。
【0015】また本発明の他の目的は、摺動管と燃焼塔
の入側ダクトとの摺動部における排ガスの流れをスムー
ズにすることによって当該摺動部近傍への付着ダスト形
成を防止することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】転炉の吹錬により発生す
る排ガスの温度も1600〜1800℃程度と高いが、その排ガ
ス冷却設備には熱変形、亀裂、水漏れなどのトラブルは
余り発生せず寿命が長い。これは転炉の排ガス冷却設備
には多数の厚肉のチューブ相互間に幅狭フィンを介在さ
せて円周方向に連結した水冷チューブ列により円筒状に
形成したメンブレーン式タイプを採用しているためであ
る。
【0017】メンブレーン式はボイラや熱交換器として
も使用されており、前述のように厚肉チューブと幅狭フ
ィンとを組み合わせた冷却構造であり、チューブ内を流
れる冷却水が不足して水蒸気となっても強度的には何ら
支障がないという長所を有するが高価であるので燃焼塔
の全体をメンブレーン式にするのは得策ではない。そし
て本発明では燃焼塔のうち熱負荷の最も大きい上段部に
のみメンブレーン式にすることを出発点として開発され
たものであり、その要旨とするところは下記の通りであ
る。
【0018】前記目的を達成するための請求項1記載の
本発明は、電気炉の炉蓋に設けた集塵エルボと燃焼塔上
段部の側壁上部に固定配置した入側ダクトとを摺動管を
介して接続可能とした電気炉用燃焼塔において、前記燃
焼塔を熱負荷に応じ、多数の水冷チューブ相互間に幅狭
フィンを介在させて円周方向に連結してチューブ列によ
り円筒状に形成した高熱負荷範囲のメンブレーン式燃焼
塔上段部と、内筒および外筒を同心に配置し、その間に
配設した仕切板により水路を形成した中熱負荷範囲の水
冷ジャケット式燃焼塔中段部と、円筒鉄皮の内面に耐火
物をライニングして水冷なしに形成した低熱負荷範囲の
耐火物ライニング式燃焼塔下段部とを組み合わせた構造
とすることを特徴とする電気炉用燃焼塔である。
【0019】請求項2記載の本発明は、燃焼塔中段部の
側壁下部に位置させて燃焼塔内で燃焼した排ガスを排出
する水冷ダクトを設けたことを特徴とする請求項1記載
の電気炉用燃焼塔である。請求項3記載の本発明は、燃
焼塔中段部を水冷ジャケット式にする代りに多数の水冷
チューブ相互間に幅狭フィンを介在させて円周方向に連
結した円筒状に形成したメンブレーン式にしたことを特
徴とする請求項1記載の電気炉用燃焼塔である。
【0020】請求項4記載の本発明は、燃焼塔上段部の
側壁上部に固定配置した入側ダクトを外筒側とする一
方、摺動管を内筒側として、前記入側ダクトの内面に沿
って摺動管を長手方向に摺動自在に配設したことを特徴
とする請求項1記載の電気炉用燃焼塔である。
【0021】
【作用】本発明では、燃焼塔の上段部は、電気炉から発
生するCOガスを含む高温排ガス流を最初に受け入れるエ
リアであり、燃焼塔上段部で排ガス中のCOガスが燃焼す
るので、その排ガス温度を測定すると1600℃以上に達す
る。このため熱電対が切断してしまうほどであるため16
00〜1800℃にはなっていると推定され熱的に苛酷な高熱
負荷範囲となる。
【0022】このため燃焼塔上段部は、冷却構造を転炉
の排ガスボイラ等で苛酷な熱的状態でも変形、亀裂、水
漏れ等のトラブルがないという実績のあるメンブレーン
式を選定して寿命延長を図っている。また燃焼塔中段部
は、上段部で冷却され1000〜1400℃程度の温度になった
排ガスが中段部に設けた冷却ダクトへ流れていくまでの
通過エリアであり中熱負荷範囲であるので、その冷却構
造は経済性を考慮して従来の燃焼塔に使用実績があり、
設備費の安価な水冷ジャケット式を選定する。
【0023】さらに燃焼塔下段部は、排ガス中に含まれ
るダスト、スラグ粉等を堆積させるためのエリアとして
排ガスが直接流れない雰囲気温度 500〜800 ℃の低熱負
荷領域であるので、水冷構造にする必要がなく鉄皮内面
に耐火物でライニングするだけの耐火物ライニング式を
選定するものである。なお、燃焼塔中段部の水冷構造を
水冷ジャケット式にする代りにメンブレーン式にすれ
ば、万一中段部が高熱負荷になった場合にもトラブルを
防止するようにしてもよいが、それだけ設備費が嵩むと
いうデメリットを伴うことになる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。図1に示すように燃焼塔1を熱負荷に応じて3分割
し、高熱負荷となる燃焼塔上段部2をメンブレーン式水
冷構造にするものであり、メンブレーン式水冷構造は、
図2(a)、(b)に示すように多数の肉厚な水冷チュ
ーブ18の相互間に幅狭フィン19を介在させて円周方向に
連結したチューブ列により円筒状に形成し、水冷チュー
ブ18内に冷却水を流して冷却するようにしたものであ
る。メンブレーン式水冷構造は苛酷な熱負荷に耐えるこ
とができるという長所があるので燃焼塔上段部2に採用
する。
【0025】また中熱負荷となる燃焼塔中段部3を水冷
ジャケット式水冷構造とするものであり、水冷ジャケッ
ト式水冷構造は図3(a)、(b)に示すように内筒20
および外筒21を同心に配置して二重構造とし、その間に
多数の仕切板22を水平方向に向けて配設して下から上方
へ順次連通する水路を形成する。そして水路の下端部に
接続した給水口27から水路に冷却水を供給し、燃焼塔中
段部3の下部から順次上部にかけて冷却するようにした
ものである。水冷ジャケット式水冷構造は中熱負荷に耐
えることが可能なので燃焼塔中段部3に採用する。
【0026】さらに低熱負荷となる燃焼塔下段部4を水
冷構造なしの耐火物ライニング式にするものであり、図
4に示すように燃焼塔下段部4を形成する円筒状鉄皮23
の内面側に耐火物24をライニングした構造である。燃焼
塔1内に導入された排ガスは燃焼塔中段部3の下端部に
配設した水冷ダクト5を経由して排出されるので燃焼塔
下段部4は 500〜800 ℃程度の温度雰囲気であり、鉄皮
23に耐火物24をライニングしただけの安価な構造で十分
に目的を達成することができる。
【0027】本発明では、図5に示すように従来とは逆
に燃焼塔1の側壁上部に設けた入側ダクト10を外筒側と
し、摺動管11を内筒側として摺動部を形成するものであ
る。すなわち内筒側の摺動管11は、燃焼塔1における上
段部2の側壁上部に固定配置した外筒側の入側ダクト10
の内面側にはまり込み長手方向に摺動自在に配設してあ
り、その入側フランジ14は集塵エルボ9の出側フランジ
13に対向している。
【0028】摺動管11は台車15上に支持フレーム26を介
して搭載されており、この台車15は架構16上に設けたガ
イドレール17上を車輪25を介して前進、後退することが
できるようになっている。かくして台車15を進退すると
摺動管11の入側フランジ14を集塵エルボ9の出側フラン
ジ13に対して接近したり、離間することにより隙間Sを
全閉から全開に亘り調整を行うのは従来と同様である。
【0029】次に本発明の作用について説明する。電気
炉6にスクラップを投入する際には炉蓋8を旋回して開
閉操作を行い、また電気炉6から出鋼する際には、電気
炉6の炉体を傾動する操作を行う。このような操作を行
う際には、図5においてガイドレール17上の台車15を車
輪25を介して右方向に後退させ摺動管11の入側フランジ
14を、炉蓋8に設けた集塵エルボ9の出側フランジ13か
ら切り離し、入側フランジ14と出側フランジ13との間に
隙間Sを確保した状態で行う。
【0030】電気炉6の操業開始時には摺動管11を左方
向に前進させ摺動管11の入側フランジ14を集塵エルボ9
の出側エルボ13に接近させ隙間Sを狭くしてスクラップ
の溶解や精錬を行う。この場合、電気炉6の炉内から吸
引される排ガス中のCOガス濃度が爆発条件にならない範
囲に常に保持できるようにするため、摺動管11の入側フ
ランジ14と集塵エルボ9の出側フランジ13との隙間Sを
調整しつつ、摺動管11から入側ダクト10を経て燃焼塔1
内に冷却空気を流入させて燃焼塔1内で排ガスを完全燃
焼させる。
【0031】本発明では、燃焼塔上段部2の側壁上部に
固定配置した入側ダクト10を外筒側とする一方、摺動管
11を内筒側とし、摺動管11を入側ダクト10の内面側に沿
って長手方向に摺動する構造としてあるので、集塵エル
ボ9から摺動管11を経て入側ダクト10を流れる排ガスが
衝突する段差が存在しなくなり、炉内からの排ガスがス
ムーズな流れとなって燃焼塔1内に導かれるので摺動管
部にダストが付着するのを防止できる。
【0032】その結果、従来は摺動管部に付着するダス
トが成長し管内径の1/3〜1/2にも及ぶことがあっ
たので、1〜2日に1回程度のダスト除去作業が必要で
あったのに対し、本発明によれば摺動管部へのダスト付
着が非常に少くなり、ダスト除去作業は1〜2週間に1
回程度に軽減できる。これによって摺動管11の摺動不能
に起因する炉蓋の開閉停止、電気炉本体の傾動不能とい
ったトラブルが解消され、電気炉の安定した操業を継続
できる。
【0033】燃焼塔1の上段部2に吸引された高温の排
ガスはCOガスが燃焼するため1600〜1800℃程度の高温度
になるが、燃焼塔上段部2は多数の水冷チューブ18の相
互間に幅狭フィン19を介在させて円周方向に連結した高
熱負荷に耐えるメーンブレーン式水冷構造を採用してい
るため熱的変形、亀裂、水漏れ等のトラブルを防止する
ことができる。
【0034】燃焼塔上段部2で排ガス中のCOガスを燃焼
した排ガスはメーンブレーン式冷却構造により冷却さ
れ、1000〜1400℃程度に温度が低下した状態で燃焼塔中
段部3に導かれる。このように燃焼塔中段部3には1000
〜1400℃程度の排ガスが導かれる中熱負荷領域であるの
で、内筒20および外筒21を同心に配置しその間に仕切板
22を配置して水路を形成した水冷ジャケット式冷却構造
にすることにより熱的変形、亀裂、水漏れ等のトラブル
を防止することができる。なお安全をみて燃焼筒中段部
3をメーンブレーン式水冷構造にしてもよい。
【0035】燃焼塔上段部2に導かれた後、燃焼筒中段
部3を経由してさらに冷却された排ガスは下段部3の側
壁下部に設けた水冷ダクト5から燃焼塔外に排出され
る。このため燃焼塔下部4には排ガスが直接通過しな
い。つまり燃焼塔下段部4は、燃焼塔上段部2および燃
焼塔中段部3を経由する排ガス中に含まれるダスト、ス
ラグ粉等が沈降してここに堆積する低熱負荷領域であ
り、その雰囲気温度は 500〜800 ℃程度である。
【0036】このため燃焼塔下段部4は水冷構造にしな
いで鉄皮23の内面に耐火物24をライニングした耐火物ラ
イニング構造にするだけで鉄皮23の熱変形、亀裂等のト
ラブルを防止することができる。なお燃焼塔下段部4内
に沈降して堆積したダスト類は、排出用大扉28を開いて
ショベルカあるいはフォークリフトを用いて外部へ搬出
する。
【0037】100 トンクラスの直流電気炉において本発
明の燃焼塔、すなわち上段部をメンブレーン式水冷構
造、中段部を水冷ジャケット式水冷構造とし、下段部を
水冷なしの耐火物ライニング構造とした場合と、従来の
燃焼塔全体を水冷ジャケット式水冷構造とした場合の操
業結果を表1に示す。なお、電気炉から発生する排ガス
の温度は1600〜1800℃、排ガス中のCOガス組成は15〜30
%、排ガス量は 600〜 1000Nm3/min 、摺動管からの浸
入空気量は 1500 〜 2500Nm3/min であった。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示すように高温排ガスによる同一熱
負荷条件下において従来に比較して本発明によれば鉄皮
の内面側、外面側温度を共に低下することができるので
鉄皮に加わる熱応力が低減され、結果として燃焼塔の寿
命延長を図ることができる。なお設備コストは従来より
若干上昇するが、メンテナンスコストは従来より低下す
ることができることになる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、燃
焼塔上段部を高熱負荷に適するメンブレーン式水冷構造
とし、燃焼塔中段部を中熱負荷に適する水冷ジャケット
式水冷構造とし、さらに排ガスが通過しない燃焼塔下段
部を低熱負荷に適する水冷なしの耐火物ライニング式に
したので、熱負荷に応じたバランスのよい燃焼塔構造と
することができる。
【0041】このため燃焼塔の上部から下部に亘る燃焼
塔本体の熱変形、亀裂、水漏れ等のトラブルを低減する
ことができ寿命延長が達成できる。また入側ダクトを外
筒側とし、摺動管を内筒側とすれば、電気炉の炉内で発
生する排ガスを集塵エルボから摺動管を経て入側ダクト
にスムースに排ガスを導くことができるので摺動管部へ
のダスト付着を防止することができ電気炉の安定した操
業を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る燃焼塔一部断面で示す正
面図である。
【図2】本発明の燃焼塔上段部におけるメンブレーン式
水冷構造を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)
は斜視図である。
【図3】本発明の燃焼塔中段部における水冷ジャケット
式水冷構造を示す説明図であり、(a)は縦断面図、
(b)は(a)図のA−A矢視を示す断面図である。
【図4】本発明の燃焼塔下段部における耐火物ライニン
グ構造を示す縦断面図である。
【図5】本発明の摺動管部の構造を示す部分断面図であ
る。
【図6】従来例に係る燃焼塔を一部断面で示す正面図で
ある。
【図7】従来の摺動管部の構造を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】 1 燃焼塔 2 燃焼塔上段部 3 燃焼塔中段部 4 燃焼塔下段部 5 水冷ダクト 6 電気炉 7 排ガス 8 炉蓋 9 集塵エルボ 10 入側ダクト 11 摺動管 12 電極 13 出側フランジ 14 入側フランジ 15 台車 16 架構 17 ガイドレール 18 水冷チューブ 19 幅狭フィン 20 内筒 21 外筒 22 仕切板 23 鉄皮 24 耐火物 25 車輪 26 支持フレーム 27 給水口 28 排出用大扉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 徹雄 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 野口 勝弘 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 東 英己 東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎重 工業株式会社東京設計事務所内 (72)発明者 須賀 紀明 東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎重 工業株式会社東京設計事務所内 (72)発明者 藤倉 信幸 東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎重 工業株式会社東京設計事務所内 (72)発明者 等々力 勇 東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎重 工業株式会社東京設計事務所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気炉の炉蓋に設けた集塵エルボと燃焼
    塔上段部の側壁上部に固定配置した入側ダクトとを摺動
    管を介して接続可能とした電気炉用燃焼塔において、前
    記燃焼塔を熱負荷に応じ、多数の水冷チューブ相互間に
    幅狭フィンを介在させて円周方向に連結してチューブ列
    により円筒状に形成した高熱負荷範囲のメンブレーン式
    燃焼塔上段部と、内筒および外筒を同心に配置し、その
    間に配設した仕切板により水路を形成した中熱負荷範囲
    の水冷ジャケット式燃焼塔中段部と、円筒鉄皮の内面に
    耐火物をライニングして水冷なしに形成した低熱負荷範
    囲の耐火物ライニング式燃焼塔下段部とを組み合わせた
    構造とすることを特徴とする電気炉用燃焼塔。
  2. 【請求項2】 燃焼塔中段部の側壁下部に位置させて燃
    焼塔内で燃焼した排ガスを排出する水冷ダクトを設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の電気炉用燃焼塔。
  3. 【請求項3】 燃焼塔中段部を水冷ジャケット式にする
    代りに多数の水冷チューブ相互間に幅狭フィンを介在さ
    せて円周方向に連結した円筒状に形成したメンブレーン
    式にしたことを特徴とする請求項1記載の電気炉用燃焼
    塔。
  4. 【請求項4】 燃焼塔上段部の側壁上部に固定配置した
    入側ダクトを外筒側とする一方、摺動管を内筒側とし
    て、前記入側ダクトの内面に沿って摺動管を長手方向に
    摺動自在に配設したことを特徴とする請求項1記載の電
    気炉用燃焼塔。
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