JPH08326821A - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式油圧緩衝器

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JPH08326821A
JPH08326821A JP13857595A JP13857595A JPH08326821A JP H08326821 A JPH08326821 A JP H08326821A JP 13857595 A JP13857595 A JP 13857595A JP 13857595 A JP13857595 A JP 13857595A JP H08326821 A JPH08326821 A JP H08326821A
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compression
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明 柏木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減衰力調整式油圧緩衝器において、減衰力特
性の調整範囲を広くし、かつ、理想的な減衰力特性を得
る。 【構成】 シリンダ1に、ピストン2を嵌装しリザーバ
5を接続する。伸び/縮み側通路24,31に主ディスクバ
ルブ12,16を設け、これらの背面側に伸び/縮み側背圧
室30,37を設ける。伸び側背圧室30を固定オリフィス38
および副ディスクバルブ27とポート40,45とを介してシ
リンダ上下室1a,1bに連通させる。縮み側背圧室37を固
定オリフィス39および副ディスクバルブ34とポート42,
47とを介してシリンダ下室1bとリザーバ5に連通させ
る。シャッタ43により、ポート40,45と42,47の通路面
積を変化させて主ディスクバルブ12,16開弁前の特性を
調整するとともに伸び/縮み側背圧室28,33の内圧を変
化させて開弁後の特性を調整する。副ディスクバルブ2
7,34で主ディスクバルブ12,16の開弁前にバルブ特性
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両の懸架
装置等に装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両の懸架装置に装着される
油圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗り心
地や操縦安定性を向上させるために減衰力を適宜調整で
きるようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。
【0003】減衰力調整式油圧緩衝器は、一般に、油液
を封入したシリンダ内にピストンロッドを連結したピス
トンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成し、
ピストン部にシリンダ内の2室を連通させる主油液通路
およびバイパス通路を設け、主油液通路にはオリフィス
およびディスクバルブからなる減衰力発生機構を設け、
バイパス通路にはその通路面積を調整する減衰力調整弁
を設けた構成となっている。なお、シリンダ内の一方の
室には、ピストンロッドの伸縮にともなうシリンダ内の
容積変化をガスの圧縮、膨張によって補償するリザーバ
がベースバルブを介して接続されている。
【0004】そして、減衰力調整弁によってバイパス通
路を開いてシリンダ内の2室間の油液の流通抵抗を小さ
くすることにより減衰力を小さくし、また、バイパス通
路を閉じて2室間の流通抵抗を大きくすることにより減
衰力を大きくすることができる。このように、減衰力調
整弁の開閉により減衰力特性を適宜調整することができ
る。
【0005】しかしながら、上記のようにバイパス通路
の通路面積によって減衰力を調整するものでは、ピスト
ン速度の低速域においては、減衰力は油液通路のオリフ
ィス特性に依存するので減衰力特性を大きく変化させる
ことができるが、ピストン速度の中高速域においては、
減衰力が主油液通路の減衰力発生機構(ディスクバルブ
等)に依存するため、減衰力特性を大きく変化させるこ
とができない。
【0006】そこで、従来、例えば実開昭62−155
242号公報に記載されているように、ピストン部に設
けられた主油液通路の減衰力発生機構であるディスクバ
ルブの背部に圧力室を形成し、この圧力室を固定オリフ
ィスを介してディスクバルブの上流側のシリンダ室に連
通させ、また、可変オリフィスを介してディスクバルブ
の下流側のシリンダ室に連通させるようにしたものが知
られている。
【0007】この減衰力調整式油圧緩衝器によれば、可
変オリフィスを開閉することにより、シリンダ内の2室
間の通路面積を調整するとともに、圧力室の圧力を変化
させてディスクバルブの開弁初期圧力を変化させること
ができる。このようにして、オリフィス特性およびバル
ブ特性を調整することができ、減衰力特性の調整範囲を
広くすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のピストン部に減衰力発生機構および減衰力調整弁を
設けた減衰力調整式油圧緩衝器では、次のような問題が
ある。すなわち、シリンダ室とリザーバとの間に介装さ
れたベースバルブに対してピストン部の流通抵抗が大き
くなると、縮み行程時にリザーバへの油液の流出が過大
となり、一方のシリンダ室が負圧となるため、安定した
減衰力が得られなくなる。このように、縮み側の減衰力
特性がベースバルブの流通抵抗に依存するので、縮み側
の減衰力特性の調整範囲が狭くなる。
【0009】さらに、図8中に破線で示すように、ピス
トン速度の低速域すなわちディスクバルブの開弁前にお
いては、減衰力は可変および固定オリフィスの通路面積
によって決定され、ピストン速度の2乗に比例する特性
となる。このため、ピストン速度の低速域において適当
な減衰力が得られるように可変および固定オリフィスの
通路面積を設定した場合には、極低速域では充分な減衰
力を得ることができない。一方、極低速域で充分な減衰
力が得られるように可変および固定オリフィスの通路面
積を設定した場合には、ディスクバルブの開弁点B付近
の低速域では減衰力が大きくなり過ぎてしまう。このよ
うに、減衰力特性の調整範囲に制約があり、充分満足で
きる減衰力特性が得られないという問題がある。
【0010】また、減衰力発生機構がピストン部に設け
られており、ピストン部が大きくなる分、ピストンロッ
ドのストロークが短くなる。さらに、通常、減衰力調整
弁は、ピストンロッドに挿通された操作ロッドを介して
操作するため、ピストンロッドの車体側の取付部形状の
設計上の自由度が制約される。
【0011】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、減衰力特性の調整範囲を広くし、かつ、ピスト
ン速度の低速域および高速域において理想的な減衰力特
性を得ることができる減衰力調整式油圧緩衝器を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に係る減衰力調整式油圧緩衝器は、油液
が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌
装され前記シリンダ内を2つのシリンダ室に画成するピ
ストンと、一端が前記ピストンに連結され他端が前記シ
リンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記シリ
ンダに接続され前記ピストンロッドの伸縮にともなうシ
リンダの容積変化をガスの圧縮、膨張によって補償する
リザーバと、前記シリンダの外部に設けられ、前記ピス
トンロッドの伸び行程時に一方のシリンダ室から他方の
シリンダ室へ油液を流通させる伸び側通路と、縮み行程
時にシリンダ室からリザーバ室に油液を流通させる縮み
側通路と、前記伸び側通路の通路面積を調整する伸び側
主減衰弁と、該伸び側主減衰弁の弁体に閉弁方向に内圧
を作用させる伸び側背圧室と、該伸び側背圧室と前記伸
び側主減衰弁の上流側のシリンダ室とを連通させる伸び
側上流通路と、前記伸び側主減衰弁よりも低い開弁圧力
で開弁して前記伸び側上流通路の通路面積を調整する伸
び側副減衰弁と、前記伸び側背圧室と前記伸び側主減衰
弁の下流側のシリンダ室とを連通させる伸び側下流通路
と、該伸び側下流通路の通路面積を調整する伸び側可変
オリフィスと、前記縮み側通路の通路面積を調整する縮
み側主減衰弁と、該縮み側主減衰弁の弁体に閉弁方向に
内圧を作用させる縮み側背圧室と、該縮み側背圧室と前
記縮み側主減衰弁の上流側のシリンダ室とを連通させる
縮み側上流通路と、前記縮み側主減衰弁よりも低い開弁
圧力で開弁して前記縮み側上流通路の通路面積を調整す
る縮み側副減衰弁と、前記縮み側背圧室と前記縮み側減
衰弁の下流側のリザーバとを連通させる縮み側下流通路
と、該縮み側下流通路の通路面積を調整する縮み側可変
オリフィスとを備えてなることを特徴とする。
【0013】請求項2に係る減衰力調整式油圧緩衝器
は、上記に加えて、伸び側および縮み側主減衰弁は弁座
に対して進退動可能に設けられた弁体と該弁体を弁座側
へ付勢する積層された板ばねとを備えてなり、さらに、
伸び側および縮み側副減衰弁は、オリフィス通路を有す
る積層されたディスクバルブであることを特徴とする。
【0014】請求項3に係る減衰力調整式油圧緩衝器
は、上記請求項2の構成に加えて、板ばねは円板状であ
り、かつ、該板ばねとディスクバルブの外径が同一であ
ることを特徴とする。
【0015】請求項4に係る減衰力調整式油圧緩衝器
は、上記請求項2または3の構成に加えて、弁体と弁座
との間に弁座に対して進退動可能に支持された可撓性の
弁部材を介装したことを特徴とする。
【0016】また、請求項5に係る減衰力調整式油圧緩
衝器は、上記請求項4の構成に加えて、弁部材は弁体に
支持されていることを特徴とする。
【0017】
【作用】このように構成したことにより、請求項1の調
整式油圧緩衝器によれば、ピストンロッドの伸び行程時
には、油液が2つのシリンダ室間で、伸び側通路、伸び
側上流通路、伸び側背圧室および伸び側下流通路を介し
て流通し、伸び側副減衰弁、伸び側可変オリフィスおよ
び伸び側主減衰弁によって減衰力が発生し、伸び側可変
オリフィスの通路面積を変化させることにより、伸び側
主減衰弁の開弁前の伸び側副減衰弁による減衰力特性を
直接変化させるとともに、伸び側背圧室の内圧を変化さ
せて伸び側減衰弁の開弁圧および開弁後の減衰力特性を
変化させることができ、このとき、伸び側副減衰弁によ
って伸び側主減衰弁の開弁前にバルブ特性を得ることが
できる。また、縮み行程時は、油液がシリンダ室からリ
ザーバへ、縮み側通路、縮み側上流通路、縮み側背圧室
および縮み側下流通路とを介して流通し、縮み側副減衰
弁、縮み側可変オリフィスおよび縮み側主減衰弁によっ
て減衰力が発生し、縮み側可変オリフィスの通路面積を
変化させることにより、縮み側主減衰弁の開弁前の縮み
側副減衰弁による減衰力特性を直接変化させるととも
に、背圧室の内圧を変化させて縮み側減衰弁の開弁圧お
よび開弁後の減衰力特性を変化させることができ、この
とき、縮み側副減衰弁によって縮み側主減衰弁の開弁前
にバルブ特性を得ることができる。さらに、縮み行程時
にシリンダ室とリザーバ室との間の油液の流通を制御し
て減衰力を発生させているので、可変オリフィスおよび
減衰弁の流通抵抗によってシリンダ室内が負圧となるこ
とがなく、安定した減衰力を得ることができる。
【0018】請求項2に係る減衰力調整式油圧緩衝器に
よれば、上記に加えて、板ばねおよびディスクバルブ
は、積層構造となっているため、積層された部材間の摩
擦によってその振動が減衰される。
【0019】請求項3に係る減衰力調整式油圧緩衝器に
よれば、上記に加えて、板ばねとディスクバルブとを共
用とすることが可能となる。
【0020】請求項4に係る減衰力調整式油圧緩衝器に
よれば、上記に加えて、可撓性の弁部材を介装したこと
によって、閉弁時の弁体と弁座との間のシール性が向上
する。
【0021】また、請求項5に係る減衰力調整式油圧緩
衝器によれば、上記に加えて、弁部材が弁体に追従して
移動するので、閉弁時の弁体および弁座と弁部材との密
着性が向上する。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。なお、図1ないし図4に示す減衰力発生機
構は、紙面に向かって右側が伸び行程時の状態を示し、
左側が縮み行程時の状態を示している。
【0023】第1実施例について図1を用いて説明す
る。図1に示すように、第1実施例に係る減衰力調整式
油圧緩衝器は、油液が封入されたシリンダ1内にピスト
ン2が摺動可能に嵌装されており、このピストン2によ
ってシリンダ1内がシリンダ上室1aとシリンダ下室1bの
2つのシリンダ室に画成されている。ピストン2には、
ピストンロッド3の一端が連結されており、ピストンロ
ッド3の他端は、シリンダ1の端部に装着されたガイド
シール4に挿通されて外部へ延出されている。また、シ
リンダ1の外周部には油液およびガスが封入されたリザ
ーバ5が設けられており、シリンダ1の底部に設けられ
たベースバルブ6を介してシリンダ下室1bに連通されて
いる。
【0024】ピストン2には、シリンダ下室1b側からシ
リンダ上室1a側への油液の流通のみを許容する逆止弁7
が設けられており、ベースバルブ6には、リザーバ5側
からシリンダ下室1b側への油液の流通のみを許容する逆
止弁8が設けられている。また、シリンダ1の外部に
は、減衰力発生機構9が設けられている。
【0025】減衰力発生機構9は、略有底筒状のケース
10内に、底部側から順に、環状のバルブ部材11が嵌合さ
れ、その下に主ディスクバルブ12、スペーサ13およびハ
ウジング14を重ねて環状のバルブ部材15が嵌合され、さ
らに、その下に主ディスクバルブ16、スペーサ17および
ハウジング18が重ねて設けられている。これらは、ケー
ス10内に底部側から挿入された略有底筒状のガイド部材
19が挿通され先端部にナット20を螺着することにより一
体的に固定されている。
【0026】そして、ケース10内がバルブ部材11,15に
よって3つの油室10a ,10b ,10cに区画されている。
ケース10には、油室10a とシリンダ上室1aとを連通させ
る油路21、油室10b とシリンダ下室1bとを連通させる油
路22および油室10c とリザーバ5とを連通させる油路23
が設けられている。
【0027】バルブ部材11には、油室10a と油室10b と
を連通させる、すなわち油路21および油路22を介してシ
リンダ上下室1a,1b 間を連通させる伸び側通路24が設
けられている。バルブ部材11の油室10b 側の端面には、
伸び側通路24の開口部の外周側に環状の弁座25が突設さ
れており、弁座25に対向させて伸び側主減衰弁として主
ディスクバルブ12が設けられている。そして、主ディス
クバルブ12は、伸び側通路24の油室10a 側の油液の圧力
を受けて外周側が撓んで開弁し、油室10b 側への流通を
許容して開度に応じて減衰力を発生させるようになって
いる。
【0028】また、バルブ部材11には、伸び側通路24の
開口部と弁座25との間に弁座25よりも突出量の小さい環
状の弁座26が突設されており、主ディスクバルブ12の上
流側に弁座26に対向させて伸び側副減衰弁としての副デ
ィスクバルブ27が設けられている。副ディスクバルブ27
には、切欠(図示せず)が設けられて伸び側通路24の流
通を常時許容するオリフィス通路が形成されている。ま
た、副ディスクバルブ27は、複数(図示のものでは2
枚)の円板状の部材を積層して形成されており、伸び側
通路24の油室10a 側の圧力を受けて外周側が撓んで開弁
し、その開度に応じて減衰力を発生させるようになって
いる。なお、副ディスクバルブ27は、主ディスクバルブ
12よりも低い圧力で開弁するようになっている。
【0029】有底筒状に形成されたハウジング14の開口
部に、一端が主ディスクバルブ12に液密的に当接する環
状のシール部材28が摺動可能に嵌合されている。そし
て、シール部材28は、ばね29によって主ディスクバルブ
12に常時当接されており、ハウジング14およびシール部
材28によって主ディスクバルブ12の下流側(背面側)に
伸び側背圧室30が形成されている。
【0030】バルブ部材15には、油室10b と油室10c と
を連通させる、すなわち油路22および油路23を介してシ
リンダ下室1bとリザーバ5とを連通させる縮み側通路31
が設けられている。バルブ部材15の油室10c 側の端面に
は、縮み側通路31の開口部の外周側に環状の弁座32が突
設されており、弁座32に対向させて縮み側主減衰弁とし
て主ディスクバルブ16が設けられている。そして、主デ
ィスクバルブ16は、縮み側通路31の油室10b 側の油液の
圧力を受けて外周側が撓んで開弁し、油室10c側への流
通を許容して開度に応じて減衰力を発生させるようにな
っている。
【0031】また、バルブ部材15には、縮み側通路31の
開口部と弁座32との間に弁座32よりも突出量の小さい環
状の弁座33が突設されており、主ディスクバルブ16の上
流側に弁座33に対向させて縮み側副減衰弁としての副デ
ィスクバルブ34が設けられている。副ディスクバルブ34
には、切欠(図示せず)が設けられて縮み側通路31の流
通を常時許容するオリフィス通路が形成されている。ま
た、副ディスクバルブ34は、複数(図示のものでは2
枚)の円板状の部材を積層して形成さてており、縮み側
通路31の油室10b 側の圧力を受けて外周側が撓んで開弁
し、その開度に応じて減衰力を発生させるようになって
いる。なお、副ディスクバルブ34は、主ディスクバルブ
16よりも低い圧力で開弁するようになっている。
【0032】有底筒状に形成されたハウジング18の開口
部に、一端が主ディスクバルブ16に液密的に当接する環
状のシール部材35が摺動可能に嵌合されている。そし
て、シール部材35は、ばね36によって主ディスクバルブ
16に常時当接されており、ハウジング18およびシール部
材35によって主ディスクバルブ16の下流側(背面側)に
縮み側背圧室37が形成されている。
【0033】主ディスクバルブ12には、伸び側背圧室30
を副ディスクバルブ27を介して油室10a すなわちシリン
ダ上室1a側に流路抵抗をもって連通させる伸び側上流通
路としての固定オリフィス38が設けられ、主ディスクバ
ルブ16には、縮み側背圧室37を副ディスクバルブ34を介
して油室10b 側すなわちシリンダ下室1b側に流路抵抗を
もって連通させる縮み側上流通路としての固定オリフィ
ス39が設けられている。
【0034】ガイド部材19の側壁には、伸び側背圧室30
に連通するガイドポート40、油室10b に連通するガイド
ポート41および縮み側背圧室37に連通するガイドポート
42が設けられている。
【0035】ガイド部材19内には、円筒状のシャッタ43
が回転可能に嵌合されている。シャッタ43には、操作ロ
ッド44が連結されその一端が外部に延出されており、操
作ロッド44によってシャッタ43を外部から回転できるよ
うになっている。シャッタ43の側壁には、ガイドポート
40,41,42のそれぞれに対向させてシャッタポート45,
46,47が設けられている。
【0036】シャッタポート45とシャッタポート46と
は、シャッタ43の内部に形成されたシャッタ室43a を介
して互いに連通されており、シャッタ室43a 、シャッタ
ポート45,46およびガイドポート40,41によって伸び側
背圧室30の下流側通路が構成されている。また、シャッ
タポート47およびガイドポート42は、縮み側背圧室37の
下流側通路を構成しており、ガイド部材19の開口部を介
して油室10c に連通されている。
【0037】そして、ガイドポート40とシャッタポート
45とで伸び側可変オリフィスを形成し、ガイドポート42
とシャッタポート47とで縮み側可変オリフィスを形成し
ており、シャッタ43の回転によりそれぞれの連通路面積
を自由に変化させられるようになっている。また、ガイ
ドポート41とシャッタポート45とは、シャッタ43の回転
位置にかかわらず常時一定の通路面積で連通されるよう
になっている。
【0038】以上のように構成した第1実施例の作用に
ついて次に説明する。
【0039】ピストンロッド3の伸び行程時には、ピス
トン2の移動により逆止弁7が閉じてシリンダ上室1a側
の油液が加圧され、油路21、油室10a 、伸び側通路24、
副ディスクバルブ27の切欠、固定オリフィス38、伸び側
背圧室30、ガイドポート40、シャッタポート45、シャッ
タ室43a 、シャッタポート46、ガイドポート41、油室10
b および油路22を通ってシリンダ下室1b側へ流れる。ま
た、シリンダ上室1a側の圧力が主ディスクバルブ12の開
弁圧に達すると主ディスクバルブ12が開いて油液が伸び
側通路24から油室10b へ直接流れる。一方、ピストンロ
ッド3の伸長にともないシリンダ1内からのロッド退出
分の油液がガスの膨張によりリザーバ5から逆止弁8を
通ってシリンダ下室1bへ補給される。
【0040】ピストン速度が小さく主ディスクバルブ12
の開弁前においては、ガイドポート40とシャッタポート
42とからなる伸び側可変オリフィスの通路面積に応じて
減衰力が発生する。このとき、ピストン速度の極低速域
では、副ディスクバルブ27の切欠が形成するオリフィス
よってオリフィス特性の減衰力が発生し、ピストン速度
が大きくなると副ディスクバルブ27が開いて、その開度
に応じてバルブ特性の減衰力が発生する。さらに、ピス
トン速度が大きくなり、シリンダ上室1a側の圧力が上昇
して主ディスクバルブ12が開弁すると、その開度に応じ
てバルブ特性の減衰力が発生する。
【0041】よって、減衰力特性は、図8中に実線で示
すように、副ディスクバルブ27の開弁点Aまでは、副デ
ィスクバルブ27の切欠によってオリフィス特性となり、
開弁点A以降は副ディスクバルブ27の開度に応じたバル
ブ特性となり、さらに、主ディスクバルブ12の開弁点B
以降は、主ディスクバルブ12の開度に応じたバルブ特性
となる。このようにして、副ディスクバルブ27によって
低速域の減衰力特性に折曲点(開弁点A)を設けること
により、低速域の減衰力を適正化するとともに極低速域
の減衰力を充分に確保することができる。
【0042】そして、操作ロッド44によって外部からシ
ャッタ43を回転させて伸び側の可変オリフィス(ガイド
ポート40、シャッタポート45)の連通路面積を変化させ
ることにより、減衰力特性を調整することができる。こ
のとき、伸び側の可変オリフィスの連通路面積が小さい
ほど、その圧力損失が大きくなるため、上流側の伸び側
背圧室30内の圧力が高くなって、主ディスクバルブ12の
上流側の油室10a の圧力との差がなくなり、主ディスク
バルブ12の閉弁方向の付勢力が大きくなるので、主ディ
スクバルブ12の開弁圧力が高くなる。また、伸び側可変
オリフィスの連通路面積が大きいほど、伸び側背圧室30
内の圧力が低くなって、主ディスクバルブ12の上流側の
油室10a の圧力との差が大きくなり、主ディスクバルブ
12の開弁圧力が低くなる。したがって、シャッタ43を回
転させて伸び側可変オリフィスの通路面積を変化させる
ことにより、主ディスクバルブ12の開弁前後の減衰力特
性が同時に変化するので、ピストン速度の低速域から高
速域まで大きな減衰力の変化を得ることができ、減衰力
特性の調整範囲を広くすることができる。
【0043】また、縮み行程時には、ピストン2の移動
により、逆止弁7が開いてシリンダ下室1bの油液がシリ
ンダ上室1aへ直接流入するので、シリンダ上下室1a,1b
は同圧となり、減衰力発生機構9の油路21と油路22との
間では油液の流れが生じない。
【0044】一方、ベースバルブ6の逆止弁8が閉じ、
ピストンロッド3の短縮にともないシリンダ1内へのロ
ッド侵入分の油液が加圧されて、シリンダ下室1b側か
ら、油路22、油室10b 、縮み側通路31、副ディスクバル
ブ34の切欠、固定オリフィス39、縮み側背圧室37、ガイ
ドポート42、シャッタポート47、室10c および油路23を
通ってリザーバ5側へ流れガスを圧縮する。また、シリ
ンダ1内の圧力が主ディスクバルブ16の開弁圧に達する
と主ディスクバルブ16が開いて油液が縮み側通路31から
油室10c へ直接流れる。
【0045】そして、ピストン速度が小さく主ディスク
バルブ16の開弁前においては、ガイドポート42とシャッ
タポート47とからなる縮み側可変オリフィスの通路面積
に応じて特性の減衰力が発生する。このとき、ピストン
速度の極低速域では、副ディスクバルブ34の切欠が形成
するオリフィスよってオリフィス特性の減衰力が発生
し、ピストン速度が大きくなると副ディスクバルブ34が
開いて、その開度に応じたバルブ特性の減衰力が発生す
る。さらに、ピストン速度が大きくなり、シリンダ上下
室1a,1b側の圧力が上昇して主ディスクバルブ16が開弁
すると、その開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生す
る。
【0046】よって、減衰力特性は、伸び行程時と同
様、図8中に実線で示すように、副ディスクバルブ27の
開弁点Aまでは、副ディスクバルブ34の切欠によってオ
リフィス特性となり、開弁点A以降は副ディスクバルブ
34の開度に応じたバルブ特性となり、さらに、主ディス
クバルブ16の開弁点B以降は、主ディスクバルブ16の開
度に応じたバルブ特性となる。このようにして、副ディ
スクバルブ34によって低速域の減衰力特性に折曲点(開
弁点A)を設けることにより、低速域の減衰力を適正化
するとともに極低速域の減衰力を充分に確保することが
できる。
【0047】そして、操作ロッド44によって外部からシ
ャッタ43を回転させて可変オリフィスの通路面積を変化
させることにより、減衰力特性を調整することができ
る。このとき、上記伸び行程時の場合と同様に、縮み側
可変オリフィスの連通路面積に応じて縮み側背圧室37内
の圧力が変化し、主ディスクバルブ16の開弁圧力が変化
する。よって、シャッタ43を回転させて縮み側可変オリ
フィスの通路面積を変化させることにより、主ディスク
バルブ16の開弁前後の減衰力特性が同時に変化するの
で、ピストン速度の低速域から高速域まで大きな減衰力
の変化を得ることができ減衰力特性の調整範囲を広くす
ることができる。
【0048】また、シャッタ43の回転によって、ガイド
ポート40とシャッタポート45からなる伸び側可変オリフ
ィスおよびガイドポート42とシャッタポート47からなる
縮み側可変オリフィスの連通路面積をそれぞれ変化させ
ることにより、伸び側と縮み側とで独立した減衰力特性
を得ることができる。
【0049】この場合、例えば、シャッタの回転位置に
応じて、伸び側、縮み側の可変オリフィスの通路面積
が、一方が大のとき他方が小となり、一方が小のとき他
方が大となるように各ガイドポートおよびシャッタポー
トを設けることにより、伸び側と縮み側とで大小異なる
種類の減衰力特性の組合せ(例えば、伸び側ハードで縮
み側ソフト、または、伸び側ソフトで縮み側ハードの組
合せ)を設定することができる。
【0050】さらに、縮み行程時には、シリンダ下室1b
に連通する油路22とリザーバ5に連通する油路23との間
に設けられた、縮み側可変オリフィス(ガイドポート4
2、シャッタポート47)、副ディスクバルブ34および主
ディスクバルブ16の流通抵抗によって減衰力を発生させ
るようにしており、シリンダ上下室1a,1b間に流通抵抗
を作用させないようにしているため、流通抵抗によって
シリンダ内1が負圧となることがないので、安定した減
衰力を得ることができ、また、減衰力特性の設定範囲を
広くすることができる。
【0051】次に、本発明の第2実施例について、図2
を参照して説明する。なお、第2実施例は、上記第1実
施例のものに対して、減衰力発生機構のシャッタの構造
が異なることのほかは、概略同様の構成であるので、以
下、第1実施例のものと同様の部分には同一の番号を付
して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0052】図2に示すように、第2実施例に係る減衰
力発生機構65では、ガイド部材19内には、回転シャッタ
の代わりにスプール66が摺動可能に嵌装されている。ま
た、ガイド部材19の側壁には、油室10c に連通するガイ
ドポート67が追加されている。ガイドポート40,41間が
スプール66の流路68を介して連通され伸び側可変オリフ
ィスが形成され、また、ガイドポート42,67間がスプー
ル66の流路69を介して連通され縮み側可変オリフィスが
形成されており、スプール66の移動によって、それぞれ
の連通路面積を自由に変化させられるようになってい
る。
【0053】スプール66の一端側には圧縮ばね70が設け
られ、他端側には、アクチュエータ(図示せず)の作動
ロッド71が当接されており、アクチュエータによってば
ね70の弾性力に抗しスプール66を所望の位置まで移動さ
せることにより伸び側および縮み側の可変オリフィスの
通路面積を調整するようになっている。なお、図中、72
はスプール66の他端側に油室10c 内の圧油を導入してス
プール66の両端に作用する圧力をバランスさせるための
通路である。
【0054】この構成により、第1実施例と同様、主デ
ィスクバルブ12,16の開弁前は副ディスクバルブ27,34
によって減衰力を発生させ、また、アクチュエータによ
ってスプール66を移動させて伸び側および縮み側の可変
オリフィスの通路面積を調整することにより、伸び側お
よび縮み側の主ディスクバルブ12,16の開弁前の減衰力
特性を調整するとともに、伸び側背圧室30,37の圧力を
変化さて主ディスクバルブ12,16の開弁後の減衰力特性
を調整することができる。
【0055】次に、本発明の第3実施例について、図3
を参照して説明する。なお、第3実施例は、第2実施例
のものに対して、減衰力発生機構のスプールをパイロッ
ト圧によって移動させるようにした点が異なることのほ
かは、概略同様の構成であるので、以下、第2実施例の
ものと同様の部分には同一の番号を付して異なる部分に
ついてのみ詳細に説明する。
【0056】図3に示すように、第3実施例に係る減衰
力発生機構73では、ガイド部材19内のスプール66の一端
側にパイロット室74および圧力制御弁75が設けられてい
る。また、パイロット室74と油室10a とを連通させるパ
イロット通路76(オリフィス)が設けられている。
【0057】圧力制御弁75は、パイロット室74に連通路
77を介して連通するリリーフ室78内にニードル79が進退
動可能に設けられており、ニードル79の進退動により連
通路77を開閉して、所定圧力に達したパイロット室74内
の圧油をリリーフ室78へリリーフするようになってい
る。ニードル79は、比例ソレノイドのプランジャ(図示
せず)に連結されており、ソレノイドへの通電電流に応
じて開弁圧、すなわち圧力制御弁75のリリーフ圧を自由
に調整できるようになっている。リリーフ室78は、通路
72(ドレン通路)を介して油室10c に連通されている。
【0058】この構成により、伸び行程時には、ピスト
ン2の移動にともなって加圧されたのシリンダ上室2a側
の圧油が油室10a からパイロット通路76を介してパイロ
ット室74に導入される。そして、パイロット室74内の油
液の圧力(パイロット圧)とばね70の付勢力とがバラン
スする位置までスプール66が移動して可変オリフィスの
通路面積が調整される。このとき、パイロット圧が圧力
制御弁75のリリーフ圧に達すると、ニードル79が後退し
てパイロット室74内の圧油がリリーフ室78へリリーフさ
れるので、ソレノイドへの通電電流によってパイロット
圧を調整することにより、スプールの変位を制御するこ
とができる。
【0059】そして、第2実施例と同様、伸び側の主デ
ィスクバルブ12の開弁前は副ディスクバルブ27によって
減衰力を発生させ、また、スプール66の移動により、主
ディスクバルブ12の開弁前の減衰力特性を調整するとと
もに、伸び側背圧室30の圧力を変化さて主ディスクバル
ブ12,16の開弁後の減衰力特性を調整することができ
る。
【0060】一方、縮み行程時には、ピストンロッド3
のシリンダ1内への侵入にともないシリンダ上下室1a,
1bが共に加圧され、シリンダ1内の圧油が油室10a から
パイロット通路76を介してパイロット室74に導入され
る。したがって、上記伸び行程時と同様にして、縮み側
の主ディスクバルブ16の開弁前は副ディスクバルブ34に
よって減衰力を発生させ、また、ソレノイドへの通電電
流によって縮み側の主ディスクバルブ16の開弁前の減衰
力特性を調整するとともに、縮み側背圧室37の圧力を変
化さて主ディスクバルブ16の開弁後の減衰力特性を調整
することができる。
【0061】次に、本発明の第4実施例について、図4
を参照して説明する。なお、第4実施例は、第1実施例
のものに対して、減衰力発生機構の背圧室に連通する可
変オリフィスの下流側に補助バルブを設けた点が異なる
ことのほかは、概略同様の構成であるので、以下、第1
実施例のものと同様の部分には同一の番号を付して異な
る部分についてのみ詳細に説明する。
【0062】図4に示すように、第4実施例に係る減衰
力発生機構80は、ケース10内のハウジング14とバルブ部
材15の間に補助バルブ部材81が設けられ、ハウジング18
の下に補助バルブ部材82が重ねて設けられている。
【0063】補助バルブ部材81には、ガイドポート41に
連通する通路83、補助ディスクバルブ84および弁座側に
オリフィス84a が設けられており、このオリフィス84a
は、主ディスクバルブ12の固定オリフィス38よりも通路
面積が小さくなっている。
【0064】ガイド部材19の側壁には、ガイドポート85
が追加されており、ガイドポート85は、補助バルブ部材
82の通路86を介して油室10c に連通されている。また、
ガイドポート85は、シャッタ43に追加されたシャッタポ
ート87に常時連通し、さらに、シャッタ43の内部に形成
されたシャッタ室43b を介してシャッタポート47に連通
されている。補助バルブ部材82には、補助ディスクバル
ブ88およびオリフィス88a が設けられており、オリフィ
ス88a は、主ディスクバルブ16の固定オリフィス39より
も通路面積が小さくなっている。
【0065】ここで、補助ディスクバルブ84,88は、温
度変化による油液の粘度変化(流れ易さ、流れにくさ)
によって起こる減衰力特性のばらつきを防止する役割を
果たす。すなわち、油液の温度が低いとき(油液の粘度
が高いとき)、補助ディスクバルブ84,88は開弁し、油
液は流れ易くなる。一方、油液の温度が高いとき(油液
の粘度が低いとき)、補助ディスクバルブ84,88は閉弁
し、油液は流れにくくなる。
【0066】この構成により、伸び行程時に、ガイドポ
ート40およびシャッタポート45(可変オリフィス)を通
ってシャッタ室43a に流入した油液は、シャッタポート
46,ガイドポート41および補助バルブ部材81の通路83を
通って油室10b へ流れる。これにより、主ディスクバル
ブ12の開弁前において、ピストン速度の極低速域では、
副ディスクバルブ27の切欠およびオリフィス84a によっ
て減衰力が発生し、ピストン速度が大きくなると、副デ
ィスクバルブ27および油液の粘度に応じて補助ディスク
バルブ84が順次開弁して減衰力が発生する。さらに、ピ
ストン速度が大きくなり主ディスクバルブ12が開弁する
と、その開度に応じて減衰力が発生する。
【0067】そして、第1実施例と同様に、シャッタ43
を回転させてガイドポート40およびシャッタポート45
(可変オリフィス)の通路面積を変化させることによ
り、主ディスクバルブ12の開弁前の減衰力特性を直接調
整するとともに、伸び側背圧室30の圧力を変化させて主
ディスクバルブ12の開弁後の減衰力特性を調整すること
ができる。
【0068】このとき、伸び側背圧室30の圧力は、補助
ディスクバルブ84によるバルブ力特性(流通抵抗)に依
存するので、可変オリフィスのみによって背圧室圧力を
制御する場合に対して、温度変化による油液の粘度変化
の影響を受けにくく安定した減衰力を発生させることが
できる。なお、可変オリフィスのみによって背圧室の圧
力を制御した場合、高温時の油液の粘度低下による可変
オリフィスの流通抵抗の低下が大きいため主ディスクバ
ルブ12の開弁圧力が低下して減衰力が大幅に低下してし
まうことになる。
【0069】また、縮み行程時には、ガイドポート42お
よびシャッタポート47(可変オリフィス)を通ってシャ
ッタ室43b に流入した油液は、シャッタポート87、ガイ
ドポート85および補助バルブ部材82の通路86を通って油
室10c へ流れる。これにより、主ディスクバルブ16の開
弁前において、ピストン速度の極低速域では、副ディス
クバルブ34の切欠およびオリフィス88a によって減衰力
が発生し、ピストン速度が大きくなると、副ディスクバ
ルブ34および油液の粘度に応じて補助ディスクバルブ88
が順次開弁して減衰力が発生する。さらに、ピストン速
度が大きくなり主ディスクバルブ16が開弁すると、その
開度に応じて減衰力が発生する。
【0070】そして、第1実施例と同様に、シャッタ43
を回転させてガイドポート42およびシャッタポート47
(可変オリフィス)の通路面積を変化させることによ
り、主ディスクバルブ16の開弁前の減衰力特性を直接調
整するとともに、縮み側背圧室37の圧力を変化させて主
ディスクバルブ16の開弁後の減衰力特性を調整すること
ができる。
【0071】このとき、上記伸び行程時と同様に、縮み
側背圧室37の圧力が補助ディスクバルブ84のバルブ特性
に依存するので、温度による影響を受けにくく安定した
減衰力を発生させることができる。
【0072】次に、本発明の第5実施例について図5な
いし図7を用いて説明する。なお、第5実施例は、油圧
緩衝器本体部分については、上記第1実施例のものと同
様の構成(図5には、より具体的な構造を示す)となっ
ているので、以下、第1実施例のものに対応する部分に
ついては同一の番号を付して説明する。
【0073】図5に示すように、第5実施例に係る減衰
力調整式油圧緩衝器では、減衰力発生機構 100は、有底
筒状のケース 101の内部に2つのバルブ部材 102, 103
が嵌合され、開口部にリテーナ 104a を介して比例ソレ
ノイドアクチュエータ 104(以下、アクチュエータ 104
という)が螺着されており、ケース 101内がバルブ部材
102, 103によって3つの油室101a,101b,101cに区画
されている。バルブ部材 102, 103は、環状の固定部材
105, 106とともに、略円筒状のガイド部材 107が挿通
されてその先端部をアクチュエータ 104に螺着して、こ
れらと一体的に固定されている。そして、3つの油室10
1a,101b,101cは、図5中に実線矢印および破線矢印で
示すように、それぞれ油路21,22,23によってシリンダ
上室1a、シリンダ下室1bおよびリザーバ室5に連通され
ている。
【0074】バルブ部材 102には、油室101aと油室101b
とを連通させる伸び側通路 108が設けられている。バル
ブ部材 102には、伸び側通路 108の開口部の外周側に環
状の弁座 109が突設されており、さらにその外周側に弁
座 109よりも突出量の大きな環状の弁座 110が突設され
ている。そして、弁座 109には、伸び側副減衰弁である
副ディスクバルブ 111が着座されている。副ディスクバ
ルブ 111は、図6に示すように、複数(図示ものでは計
4枚)のディスク111a,111bを積層したものであり、伸
び側通路 108の油室 101a 側の油液の圧力を受けて撓ん
で開弁して開度に応じた減衰力を発生させるようになっ
ている。また、弁座 109に着座するディスク111bの外周
部には切欠 111c が設けられており、伸び側通路 108の
流通を常時許容するオリフィス通路を形成している。
【0075】固定部材 105の外周部には、円筒状のシー
ル部材 112が摺動可能に嵌合されている。シール部材 1
12は、一端部がバルブ部材 102の弁座 110に着座し、一
端部内側に形成されたフランジ部に円板状の板ばね 113
の外周部が液密的に当接されて閉弁方向すなわち弁座 1
10側へ付勢されている。そして、シール部材 112および
板ばね 113は、伸び側通路 108の油室 101a 側の油液の
圧力を受けて開弁して開度に応じた減衰力を発生させる
伸び側主減衰弁を構成している。なお、副ディスクバル
ブ 111の開弁圧力は、この伸び側主減衰弁の開弁圧力よ
りも低く設定されている。
【0076】また、固定部材 105、シール部材 112およ
び板ばね 113によって伸び側背圧室114が形成されてい
る。板ばね 113は、図7に示すように、複数(図示のも
のでは計4枚)のディスク 113a , 113b を積層したも
のであり、前記ディスクバルブ 111と外径が同一となっ
ており、シール部材 112のフランジ部に当接するディス
ク 113b の外周部には、伸び側背圧室 114を副ディスク
バルブ 111を介して伸び側通路 108に連通させる固定オ
リフィスを形成する切欠 113c が設けられている。
【0077】バルブ部材 103には、油室101bと油室101c
とを連通させる縮み側通路 115が設けられている。バル
ブ部材 103には、縮み側通路 115の開口部の外周側に環
状の弁座 116が突設されており、さらにその外周側に弁
座 116よりも突出量の大きな環状の弁座 117が突設され
ている。そして、弁座 116に副ディスクバルブ 118が着
座されている。副ディスクバルブ 118は、上記と同様、
図6に示すように、複数(図示ものでは計4枚)のディ
スク118a,118bを積層したものであり、縮み側通路 115
の油室 101b 側の油液の圧力を受けて撓んで開弁して開
度に応じた減衰力を発生させるようになっている。ま
た、弁座 116に着座するディスク118bの外周部には切欠
118c が設けられており、縮み側通路 115の流通を常時
許容するオリフィス通路を形成している。
【0078】固定部材 106の外周部には、円筒状のシー
ル部材 119が摺動可能に嵌合されている。シール部材 1
19は、一端部がバルブ部材 103の弁座 117に着座し、一
端部内側に形成されたフランジ部に円板状の板ばね 120
の外周部が液密的に当接されて閉弁方向すなわち弁座 1
17側へ付勢されている。そして、シール部材 119および
板ばね 120は、縮み側通路 115の油室 101b 側の油液の
圧力を受けて開弁して開度に応じた減衰力を発生させる
縮み側主減衰弁を構成している。なお、副ディスクバル
ブ 118の開弁圧力は、この縮み側主減衰弁の開弁圧力よ
りも低く設定されている。
【0079】また、固定部材 106、シール部材 119およ
び板ばね 120によって縮み側背圧室121が形成されてい
る。板ばね 120は、上記と同様、図7に示すように、複
数(図示のものでは計4枚)のディスク 120a , 120b
を積層したものであり、シール部材 119のフランジ部に
当接するディスク 120b の外周部には、縮み側背圧室12
1を副ディスクバルブ 118を介して縮み側通路 115に連
通させる固定オリフィスを形成する切欠 120c が設けら
れている。
【0080】伸び側背圧室 114は、ガイド部材 107の側
壁に設けられたガイドポート 122,123(伸び側可変オ
リフィス)を介して油室 101b 側に連通されている。ま
た、縮み側背圧室 121は、ガイド部材 107の側壁に設け
られたガイドポート 124, 125(縮み側可変オリフィ
ス)を介して油室 101c 側に連通されている。ガイド部
材 107には、図2に示す第2実施例と同様に、ガイドポ
ート 122, 123間 およびガイドポート 124, 125間の
連通路面積をそれぞれ調整するスプール 126が摺動可能
に嵌装されている。スプール 126は、ばね 127によって
常時一方へ付勢されており、アクチュエータ 104の作動
ロッド 128によってばね 127の付勢力に抗して移動させ
ることにより、ガイドポート 122, 123間 およびガイ
ドポート 124, 125間の連通路面積をそれぞれ調整でき
るようになっている。
【0081】以上のように構成した第5実施例の作用に
ついて次に説明する。なお、図5中の減衰力発生機構 1
00の図面に向かって左側に伸び行程時の油液の流れを実
線矢印で示し、右側に縮み行程時の油液の流れを破線矢
印で示す。
【0082】ピストンロッド3の伸び行程時には、ピス
トン2の移動により逆止弁7が閉じてシリンダ上室1a側
の油液が加圧されて、図5中に実線矢印で示すように、
油路21を通って減衰力発生機構 100の油室 101a 内へ流
れ、さらに、伸び側通路 108、副ディスクバルブ 111、
板ばね 113の切欠 113c 、伸び側背圧室 114、ガイドポ
ート 122, 123、油室 101b および油路22を通ってシリ
ンダ下室1b側へ流れる。また、シリンダ上室1a側の圧力
が開弁圧力に達して伸び側主減衰弁であるシール部材 1
12が開弁すると副ディスクバルブ 111を通った油液が油
室 101b へ直接流れる。このとき、ピストンロッド3が
伸長してシリンダ1内から退出した分の油液がガスの膨
張によってリザーバ5室から逆止弁8を開いてシリンダ
下室1bへ補給される。
【0083】そして、ピストン速度が小さく、シール部
材 112(伸び側主減衰弁)の開弁前においては、ガイド
ポート 122, 123間の連通路面積(可変オリフィスの面
積)に応じて減衰力が発生する。このとき、ピストン速
度の極低速域では、副ディスクバルブ 111の切欠 111c
が形成するオリフィス通路によってオリフィス特性の減
衰力が発生し、ピストン速度が大きくなると副ディスク
バルブ 111が開いて、その開度に応じてバルブ特性の減
衰力が発生する。さらに、ピストン速度が大きくなり、
シリンダ上室1a側の圧力が上昇してシール部材 112が開
弁すると、その開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生
する。
【0084】また、縮み行程時には、ピストン2の移動
により、逆止弁7が開いてシリンダ下室1bの油液がシリ
ンダ上室1aへ直接流入するので、シリンダ上下室1a,1b
は同圧となり、減衰力発生機構 100の油路21と油路22と
の間では油液の流れが生じない。
【0085】一方、ベースバルブ6の逆止弁8が閉じ、
ピストンロッド3の短縮にともないシリンダ1内へのロ
ッド侵入分の油液が加圧されて、図5中に破線矢印で示
すように、シリンダ下室1b側から油路22を通って油室 1
01b へ流れ、さらに、縮み側通路 115、副ディスクバル
ブ 118、板ばね 120の切欠 120c 、縮み側背圧室 121、
ガイドポート 124, 125、油室 101c および油路23を通
ってリザーバ室5側へ流れる。また、シリンダ上下室1
a,1b側の圧力が開弁圧力に達して縮み側主減衰弁であ
るシール部材 119が開弁すると副ディスクバルブ 118を
通った油液が油室101b へ直接流れる。
【0086】そして、ピストン速度が小さく、シール部
材 119(縮み側主減衰弁)の開弁前においては、ガイド
ポート 124, 125間の連通路面積(可変オリフィスの面
積)に応じて減衰力が発生する。このとき、ピストン速
度の極低速域では、副ディスクバルブ 118の切欠 118c
が形成するオリフィス通路によってオリフィス特性の減
衰力が発生し、ピストン速度が大きくなると副ディスク
バルブ 118が開いて、その開度に応じてバルブ特性の減
衰力が発生する。さらに、ピストン速度が大きくなり、
シリンダ上下室1a,1b側の圧力が上昇してシール部材 1
19が開弁すると、その開度に応じてバルブ特性の減衰力
が発生する。
【0087】したがって、伸び側および縮み側の主減衰
弁であるシール部材 112, 119の開弁前は副ディスクバ
ルブ 111, 120によって減衰力を発生させ、また、上記
第3実施例と同様、アクチュエータ 104によってスプー
ル 126を移動させて伸び側および縮み側の可変オリフィ
スであるガイドポート 122, 123間およびガイドポート
124, 125間の連通路面積を調整することにより、伸び
側および縮み側のシール部材 112, 119の開弁前の減衰
力特性を調整するとともに、伸び側背圧室 114, 121の
圧力を変化さてシール部材 112, 119の開弁圧および開
弁後の減衰力特性を調整することができる。
【0088】そして、スプール 126の位置に応じて、伸
び側、縮み側の可変オリフィスの通路面積が、一方が大
のとき他方が小となり、一方が小のとき他方が大となる
ように各ガイドポートおよびシャッタポートを設けるこ
とにより、伸び側と縮み側とで大小異なる種類の減衰力
特性の組合せ(例えば、伸び側ハードで縮み側ソフト、
または、伸び側ソフトで縮み側ハードの組合せ)を設定
することができる。
【0089】また、上述のほかの実施例と同様に、ピス
トンロッド3の縮み行程時には、シリンダ上下室1a,1b
間に流通抵抗を作用させないようにしているので、シリ
ンダ上室1a内が負圧となることがなく、安定した減衰力
を得ることができ、また、減衰力特性の設定範囲を広く
することができる。
【0090】さらに、副ディスクバルブ 111, 118およ
び板ばね 113, 120は、複数のディスクを積層した構造
となっているため、ディスク間の摩擦によって振動が減
衰されるので、自励振動による異音の発生を低減するこ
とができる。また、副ディスクバルブ 111, 118を構成
するディスク 111a , 111b , 118a , 118b と板ばね
113, 120を構成するディスク 111a , 111b , 118a
, 118b とを同径として積層枚数によって所望の可撓
性を得ることにより、これらを共通化することができ、
製造コストを低減することができる。
【0091】次に、本発明の第6実施例について図9お
よび図11を用いて説明する。なお、第6実施例は、上記
第5実施例に対して、減衰力調整機構の伸び側および縮
み側主減衰弁の構造が異なる以外は、概同様の構造とな
っているので、以下、第5実施例と同様の部分には同一
の番号を付し、異なる部分についてのみ詳細に説明す
る。
【0092】図9に示すように、第6実施例に係る減衰
力調整式油圧緩衝器の減衰力発生機構 130では、シール
部材 112, 119とバルブ部材 102, 103の弁座 110, 1
17との間に、それぞれ弁部材としてのフローティングバ
ルブ 131, 132が介装されている。フローティングバル
ブ 131, 132は、可撓性の環状部材で、ガイド部材 107
に固定された円筒状のリテーナ 133, 134の外周に摺動
可能に嵌合されており、一端面がシール部材 112, 119
に形成された環状のシール部 112a , 119a に当接し、
他端面がバルブ部材 102, 103の弁座 110, 117に当接
して、シール部材 112, 119と弁座 110, 117との間を
シールするようになっている。
【0093】図11に示すように、フローティングバルブ
131, 132は、内周部に複数(図示のものでは3つ)の
凸部 131a , 132a が形成され、これらの凸部 131a ,
132a をリテーナ 133, 134に当接させてシール部材 1
12, 119の移動方向に沿って摺動可能に案内されてお
り、フローティングバルブ 131, 132とリテーナ 133,
134との間に通路 135, 136が形成されている。そし
て、この通路 135, 136を介して伸び側および縮み側通
路 108, 115側と板ばね 113, 120の固定オリフィス
(切欠 113c , 120c )とが連通されるようになってい
る。また、シール部材112, 119のシール部 112a , 11
9a の直径は、バルブ部材 102, 103の弁座 110, 117
の直径よりも小さくなっている。
【0094】このように構成したことにより、上記第5
実施例と同様の作用、効果を奏する。また、ほぼ剛体に
近いシール部材 112, 119と弁座 110, 117との間に可
撓性を有するフローティングバルブ 131, 132を介装し
たので、シール部材 112, 119と弁座 110, 117との間
の閉弁時のシール性が向上して安定した減衰力特性を得
ることができる。特に、シール部材 112, 119と弁座 1
10, 117との間に高圧が作用するハード特性領域(図8
中に示す副ディスクバルブ 111, 118の開弁点Aからシ
ール部材 112, 119の開弁点Bに至るまでの領域)にお
いて、油液の漏れを防止して減衰力特性を安定させるこ
とができる。このとき、フローティングバルブ 131, 1
32は、その内周部がリテーナ 133, 134に沿って摺動可
能に案内されており、内周部および外周部が固定されて
いないので、シール部 112a , 119a および弁座 110,
117に密着しやすく、高いシール性を得ることができ
る。
【0095】次に、本発明の第7実施例について、図10
および図12を用いて説明する。なお、第7実施例は、上
記第6実施例に対して、フローティングバルブおよびそ
の支持手段の構造が異なる以外は、概同様の構造である
から、以下、第7実施例のものと同様の部分には同一の
番号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0096】図10に示すように、第7実施例に係る減衰
力調整式油圧緩衝器の減衰力発生機構 135では、シール
部材 112, 119のシール部 112a , 119a が設けられた
フランジ部の内周部に、その軸方向に沿ってバルブ部材
102, 103側へ伸びる円筒状のガイド部 112b , 119b
が形成されている。シール部材 112, 119のシール部11
2a , 119a とバルブ部材 102, 103の弁座 110, 117
との間に、それぞれ弁部材としてのフローティングバル
ブ 136, 137が介装されている。フローティングバルブ
136, 137は、図12に示すような可撓性の環状部材で、
ガイド部 112b, 119b の外周部に摺動可能に嵌合され
ており、一端面がシール部材 112, 119の環状のシール
部 112a , 119a に当接し、他端面がバルブ部材 102,
103の弁座 110, 117に当接して、シール部材 112, 1
19と弁座 110, 117との間をシールするようになってい
る。
【0097】このように構成したことにより、上記第6
実施例と同様に、可撓性のフローティングバルブ 136,
137を介装することによって、ほほ剛体に近いシール部
材 112, 119と弁座 110, 117との間の閉弁時のシール
性を向上させることができる。さらに、フローティング
バルブ 136, 137をシール部材 112, 119のガイド部11
2b , 119b によって支持するようにしたため、フロー
ティングバルブ 136,137はシール部材 112, 119に追
従して移動するので閉弁時の密着性がさらに向上して高
いシール性を得ることができる。
【0098】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の減衰力
調整式油圧緩衝器によれば、伸び側可変オリフィスの通
路面積を変化させることにより、伸び側主減衰弁の開弁
前の減衰力特性を直接調整するとともに、伸び側背圧室
の内圧を変化させて伸び側主減衰弁の開弁圧および開弁
後の減衰力特性を調整することができ、さらに、伸び側
副減衰弁によって伸び側主減衰弁の開弁前にバルブ特性
を得ることができる。また、縮み側可変オリフィスの通
路面積を変化させることにより、縮み側主減衰弁の開弁
前の減衰力特性を直接調整するとともに、縮み側背圧室
の内圧を変化させて縮み側主減衰弁の開弁圧および開弁
後の減衰力特性を調整することができ、さらに、縮み側
副減衰弁によって縮み側主減衰弁の開弁前にバルブ特性
を得ることができる。また、縮み行程時には、シリンダ
室とリザーバとの間の油液の流動を制御して減衰力を発
生させるようにしているので、可変オリフィスおよび減
衰弁の流通抵抗によってシリンダ室内が負圧となること
がなく、安定した減衰力を得ることができる。その結
果、減衰力特性の調整範囲を広げることができ、特にピ
ストン速度の低速域における減衰力特性の適正化を図る
ことができる。よって、車両の運転状況に応じて適切な
減衰力特性を得ることができ、乗り心地および操縦安定
性を効果的に向上させることができるという優れた効果
を奏する。
【0099】請求項2の減衰力調整式油圧緩衝器によれ
ば、主減衰弁を構成する板ばねおよび副減衰弁を構成す
るディスクバルブを積層構造としたので、積層された部
材間の摩擦によってその振動を減衰することができ、自
励振動による異音の発生を防止することができる。さら
に、ディスクバルブの積層枚数を適宜設定することによ
り、所望の可撓性を得ることができ、ピストン速度の低
速域において微妙な減衰力調整を行うことができるとい
う優れた効果を奏する。
【0100】請求項3の減衰力調整式油圧緩衝器によれ
ば、板ばねとディスクバルブとを共用化することによ
り、製造コストを低減することができる。
【0101】請求項4の減衰力調整式油圧緩衝器によれ
ば、弁部材を介装したことによって、閉弁時の弁体と弁
座との間のシール性が向上するので、安定した減衰力特
性を得ることができる。
【0102】また、請求項5の減衰力調整式油圧緩衝器
によれば、弁部材が弁体に追従して移動するので、弁体
および弁座と弁部材との密着性をさらに向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の減衰力調整式油圧緩衝器
を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例の要部である減衰力発生機
構の縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施例の要部である減衰力発生機
構の縦断面図である。
【図4】本発明の第4実施例の要部である減衰力発生機
構の縦断面図である。
【図5】本発明の第5実施例の減衰力調整式油圧緩衝器
を示す図である。
【図6】図5の装置の副ディスクバルブの分解斜視図で
ある。
【図7】図5の装置の板ばねの分解斜視図である。
【図8】本発明の減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力特性
を示す図である。
【図9】本発明の第6実施例の要部である減衰力発生機
構の縦断面図である。
【図10】本発明の第7実施例の要部である減衰力発生
機構の縦断面図である。
【図11】図9の装置のフローティングバルブおよびそ
のリテーナの平面図である。
【図12】図10の装置のフローティングバルブの斜視図
である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ピストン 3 ピストンロッド 5 リザーバ 12 ディスクバルブ(伸び側主減衰弁) 16 ディスクバルブ(縮み側主減衰弁) 24 伸び側通路 27 副ディスクバルブ(伸び側副減衰弁) 30 伸び側背圧室 31 縮み側通路 34 副ディスクバルブ(縮み側副減衰弁) 37 縮み側背圧室 38 固定オリフィス(伸び側上流通路) 39 固定オリフィス(縮み側上流通路) 40 ガイドポート(伸び側可変オリフィス) 41 ガイドポート(伸び側下流通路) 45 シャッタポート(伸び側可変オリフィス) 46 シャッタポート(伸び側下流通路) 42 ガイドポート(縮み側可変オリフィス、下流側通
路) 47 シャッタポート(縮み側可変オリフィス、下流側通
路)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液が封入されたシリンダと、該シリン
    ダ内に摺動可能に嵌装され前記シリンダ内を2つのシリ
    ンダ室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに連
    結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストン
    ロッドと、前記シリンダに接続され前記ピストンロッド
    の伸縮にともなうシリンダの容積変化をガスの圧縮、膨
    張によって補償するリザーバと、前記シリンダの外部に
    設けられ、前記ピストンロッドの伸び行程時に一方のシ
    リンダ室から他方のシリンダ室へ油液を流通させる伸び
    側通路と、縮み行程時にシリンダ室からリザーバ室に油
    液を流通させる縮み側通路と、前記伸び側通路の通路面
    積を調整する伸び側主減衰弁と、該伸び側主減衰弁の弁
    体に閉弁方向に内圧を作用させる伸び側背圧室と、該伸
    び側背圧室と前記伸び側主減衰弁の上流側のシリンダ室
    とを連通させる伸び側上流通路と、前記伸び側主減衰弁
    よりも低い開弁圧力で開弁して前記伸び側上流通路の通
    路面積を調整する伸び側副減衰弁と、前記伸び側背圧室
    と前記伸び側主減衰弁の下流側のシリンダ室とを連通さ
    せる伸び側下流通路と、該伸び側下流通路の通路面積を
    調整する伸び側可変オリフィスと、前記縮み側通路の通
    路面積を調整する縮み側主減衰弁と、該縮み側主減衰弁
    の弁体に閉弁方向に内圧を作用させる縮み側背圧室と、
    該縮み側背圧室と前記縮み側主減衰弁の上流側のシリン
    ダ室とを連通させる縮み側上流通路と、前記縮み側主減
    衰弁よりも低い開弁圧力で開弁して前記縮み側上流通路
    の通路面積を調整する縮み側副減衰弁と、前記縮み側背
    圧室と前記縮み側減衰弁の下流側のリザーバとを連通さ
    せる縮み側下流通路と、該縮み側下流通路の通路面積を
    調整する縮み側可変オリフィスとを備えてなることを特
    徴とする減衰力調整式油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 伸び側および縮み側主減衰弁は弁座に対
    して進退動可能に設けられた弁体と該弁体を弁座側へ付
    勢する積層された板ばねとを備えてなり、さらに、伸び
    側および縮み側副減衰弁は、オリフィス通路を有する積
    層されたディスクバルブであることを特徴とする請求項
    1に記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 板ばねは円板状であり、かつ、該板ばね
    とディスクバルブの外径が同一であることを特徴とする
    請求項2に記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 弁体と弁座との間に弁座に対して進退動
    可能に支持された可撓性の弁部材を介装したことを特徴
    とする請求項2または3に記載の減衰力調整式油圧緩衝
    器。
  5. 【請求項5】 弁部材は弁体に支持されていることを特
    徴とする請求項4に記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
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