JPH08325268A - ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン誘導体 - Google Patents

ピロロ〔3,4−d〕ピリミジン誘導体

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JPH08325268A
JPH08325268A JP14871296A JP14871296A JPH08325268A JP H08325268 A JPH08325268 A JP H08325268A JP 14871296 A JP14871296 A JP 14871296A JP 14871296 A JP14871296 A JP 14871296A JP H08325268 A JPH08325268 A JP H08325268A
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compound
group
solution
pyrimidine
carbon atoms
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JP14871296A
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Inventor
Akira Awaya
昭 粟屋
Takuo Nakano
卓雄 中野
Akira Kobayashi
昶 小林
Kenei Tan
健栄 譚
Kazutoshi Horigome
和利 堀込
Tadayuki Sasaki
忠之 佐々木
Keiichi Yokoyama
恵一 横山
Hiroyasu Ono
裕康 大野
Yukishige Katou
穂滋 加藤
Takumi Kitahara
巧 北原
Ikuo Tomino
郁夫 冨野
Shigeru Isayama
滋 諌山
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Mitsui Pharmaceuticals Inc
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Pharmaceuticals Inc
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 神経疾患用治療薬として有用な2−ピペラジ
ノ−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ[3,
4−d]ピリミジン誘導体またはその薬学的に許容され
る塩。 【解決手段】 下記式(I)で表わされる2−ピペラジ
ノ−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ[3,
4−d]ピリミジン誘導体またはその薬学的に許容され
る塩。 【化1】 (式中、R1、R2は例えば水素であり、R3は例えば低
級アルキル基である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上利用分野】本発明は動物の末梢神経系及び中枢
神経系の神経疾患の治療剤として有用な新規ピロロ
[3,4−d]ピリミジン誘導体又は医薬として許容さ
れるその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】神経疾患、即ち中枢神経系疾患及び末梢
神経系患者の治療において、中枢神経系用治療剤の研究
及び応用はさかんに行われているが、それに比べ末梢神
経系疾患、特に末梢神経障害の治療剤は世界的にわずか
しか実用に供されていないのが現状である。
【0003】特開昭52−34912号公報には、ガン
グリオシドを、媒体中に分散または溶解せしめることか
らなる、中枢神経系および末梢神経系における神経刺激
伝達障害に起因する療理に有効な医薬が開示されてい
る。この公開公報に開示された天然糖脂質であるガング
リオシド(イタリアでクロナシアル Cronassial なる製
品が発売されている。)及びビタミン類の一種であるメ
コバラミンのみがこれまで末梢神経系疾患に臨床応用さ
れているが必ずしも十分な効果が得られていない。
【0004】特公昭59−28548号公報には、下記
【0005】
【化2】
【0006】で表わされる2−イソプロピルアミノピリ
ミジンオルト燐酸塩およびそれを含有する末梢神経病治
療剤が開示されている。上記公告公報に開示された上記
化合物(一般名 Isaxonine phosphate、イサキソニンリ
ン酸塩、以下イサキソニンと略記する)は、合成品とし
ては、本発明者の知る限り、末梢神経障害の臨床研究に
供された最初の化合物である(Lanouvelle Presse Medi
cale(ラ ヌベル プレセ メディカル)第16巻、1
189〜1280頁(1982))が、現在は実際に市
販されてはいない模様であり、合成化合物で末梢神経障
害の治療に供されているものは知られていない。
【0007】生体中には神経の成長、再生に作用する因
子が知られ、神経成長因子(nervegrowth factor、NG
F)または神経栄養因子(neurotrophic factor)など
と呼ばれている。これらの因子は高分子のタンパク質で
あり、神経疾患への適応にはまだ技術的に解決する問題
が多い。
【0008】特開昭59−222424号公報には、牛
脳より抽出されたガングリオシド混合物やガングリオシ
ドの中の単一成分が神経の初代培養細胞や神経芽腫瘍細
胞の増殖や神経突起の形成および突起の伸長に促進的に
作用すること、及び神経障害の動物モデルにおいてもメ
コバラミン同様の効果を有することが開示されている。
更にまた前記のように実際にガングリオシドが臨床的に
末梢神経障害、中枢神経障害(精神病とは異なる)の治
療に使用されている。
【0009】しかしながら、ガングリオシドは異種の動
物由来の天然抽出物であり、それ自身のあるいは夾雑物
の抗原性の問題があり、また製薬上、均一な安定な物質
として規格設定することはなかなか困難であるという問
題もある。
【0010】一方特開昭59−144765号公報に
は、下記式(I)
【0011】
【化3】
【0012】式中、PおよびQのうちのいずれか一方は
水素、ヒドロキシル基または低級アルキル基であり、他
方は水素であり、Xは下記の基である。
【0013】CO−R1基(R1は低級アルキル基)、
【0014】
【化4】
【0015】(R2は水素、低級アルキル、フェニル、
p−ヒドロキシフェニル、ベンジル、p−ヒドロキシベ
ンジル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル又は
3−インドリルメチル基であり、R3は水素;低級アル
キルカルボニル;ベンゾイル;グリシン、フェニルグリ
シン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フ
ェニルアラニン、チロシン、セリン、トレオニン又はト
リプトファンから選択されたアミノ酸から誘導されたア
シル基;又は上記アミノ酸の2種から構成されるジペプ
チドから誘導されるアシル基であり、又はR2及びR3
ともにエチレン基を形成する。)、AlK−COOY基
(AlKは1〜4の炭素原子を有する直鎖又は側鎖のア
ルキレン基、Yは水素又は低級アルキル基)、AlK−
CH2OZ(AlKは上記と同じ、Zは水素、低級アル
キル、(低級アルコキシ)−低級アルキル、低級アルキ
ルカルボニル基)、AlK−CO−W(AlKは上記と
同じ、Wは低級アルキル基)。
【0016】を有する2−(1−ピペラジニル)ピリミ
ジンまたは薬学的に許容し得るその酸付加塩が開示され
ている。
【0017】同公開公報には、上記式(I)の化合物又
はその酸付加塩がドーパミン性精神治療活性を有するこ
とが記載されている。
【0018】特開昭59−144,766号公報には、
2−(1−ピペラジニル)ピリミジンのジカルボン酸と
の酸付加塩およびこの化合物がドーパミン性機構を有す
る良好な向精神活性、特に抗精神病活性、抗憂うつ症活
性および精神安定鎮静活性を有することが記載されてい
る。
【0019】特開昭59−155316号公報には、下
記式
【0020】
【化5】
【0021】ここで、R1は水素またはヒドロキシル
基、R2は水素または炭素数1〜6ケのアルキル基であ
る、で表わされる2−ピペラジノピリミジン類又はその
薬理的に許容される酸付加塩を有効成分とするドーパミ
ン作用性向精神性活性を有する薬剤が開示されている。
【0022】さらに、国際公開WO85/00168号
公報には、下記式
【0023】
【化6】
【0024】で表わされる2−(1−ピペラジニル)ピ
リミジン・2−ナフタレンスルホネートおよびこの化合
物がドーパミン向精神性作用を有することが開示されて
いる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記4
件の公開公報のどれにも、本発明のピロロ[3,4−
d]ピリミジン類が神経細胞再生の効果を有しあるいは
末梢神経障害、精神病ではない中枢神経障害等へ適用し
得ることは何んら記載も示唆もなされていない。
【0026】それ故、本発明の目的は、神経疾患用治療
薬として有用な新規化合物を提供することにある。
【0027】本発明の他の目的は、神経細胞再生、修復
の効果を有する神経疾患用治療薬として有用な化合物を
提供することにある。
【0028】本発明のさらに他の目的は、末梢神経の障
害疾患へ適用し得る神経疾患治療薬として有用な化合物
を提供することにある。
【0029】本発明のさらに他の目的は、神経伝達物質
の作用系、代謝系などの異常が第1義的関与を行ってい
るとみなされる精神病とは異なる中枢神経の障害疾患へ
適用しうる神経疾患治療薬として有用な化合物を提供す
ることにある。
【0030】本発明のさらに他の目的および利点は以下
の説明から明らかとなろう。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、下記式(I)
【0032】
【化7】
【0033】ここで、R1は水素原子、炭素数2〜4の
アシル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭
素数3〜5のアルコキシカルボニルメチル基、ベンジル
基、3,4−ジメトキシベンゾイル基又は3,4−メチレ
ンジオキシベンジル基であり;R2は水素原子、アミノ
基、炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基、炭素数1〜
5のアルコキシ基又は炭素数2〜4のアルコキシカルボ
ニル基であり;R3は水素原子、炭素数2〜4のアルコ
キシカルボニル基、各アルキル基の炭素数が1〜9のジ
アルキルアミノカルボニル基、炭素数1〜5のアルコキ
シ基又はヒドロキシエチル基であり;又はR2とR3は、
それらが結合している炭素原子と一緒になって、5〜7
員の炭素環又は異節原子がN、OもしくはSである複素
環を形成することができ;そしてR4は水素原子、炭素
数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルキルチオ
基である、で表わされるピリミジン類又はその薬学的に
許容しうる塩を活性成分として含有することを特徴とす
る神経疾患用治療薬によって達成される。
【0034】上記式(I)において、R1は水素原子、
炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜5のアルコキシカ
ルボニル基、炭素数3〜5のアルコキシカルボニルメチ
ル基、ベンジル基又は3,4−メチレンジオキシベンジ
ル基である。
【0035】炭素数2〜4のアシル基としては、例え
ば、アセチル、プロピオニル、ブチロイル、イソブチロ
イル等を挙げることができる。
【0036】炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基と
しては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル等を挙げることができる。
【0037】また炭素数3〜5のアルコキシカルボニル
メチル基としては、例えばメトキシカルボニルメチル、
エトキシカルボニルメチル等を挙げることができる。
【0038】上記式(I)において、R2は水素原子、
アミノ基、炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基、炭素
数1〜5のアルコキシ基又は炭素数2〜4のアルコキシ
カルボニル基である。
【0039】炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基とし
ては、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルア
ミノ、イソプロピルアミノ、sec−ブチルアミノを挙
げることができる。
【0040】炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例
えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、te
rt−ブトキシを挙げることができる。
【0041】炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基と
しては、R1について上記したと同じ基を例示すること
ができる。
【0042】上記式(I)において、R3は水素原子、
炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基、各アルキル基
の炭素数が1〜9のジアルキルアミノカルボニル基、炭
素数1〜5のアルコキシ基又はヒドロキシエチル基であ
る。
【0043】炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基と
しては、R1について上記したと同じ基を例示すること
ができる。
【0044】各アルキル基の炭素数が1〜9のジアルキ
ルアミノカルボニル基としては、例えばジメチルアミノ
カルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジイソプロピ
ルアミノカルボニル、ジブチルアミノカルボニル等を挙
げることができる。
【0045】炭素数1〜5のアルコキシ基としてはR2
について上記したと同じ基を例示することができる。
【0046】また、上記式(I)において、R2とR
3は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、
4〜7員の炭素環又は異節原子がN、OもしくはSであ
る複素環を形成することができる。
【0047】R2とR3が一緒になった基としては、例え
ば、
【0048】
【化8】
【0049】ここで、l1は2、3又は4の数である、
【0050】
【化9】
【0051】ここで、Xは=O又は=N−R5であり、
5はヒドロキシル基、ベンジルスルホニルオキシ基又
はトルエンスルホニルオキシ基であり、そしてl2
2、3又は4の数である、
【0052】
【化10】
【0053】ここで、R6は水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基、又は炭素数2〜4のアルキル基が炭素数1
〜4のアルコキシ基で置換されたアルコキシアルキル基
であり、R7およびR8は同一もしくは異なり、水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基であり、そしてl3は2
で且つl4は0であるか、又はl3は0で且つl4は1で
ある、
【0054】
【化11】
【0055】ここで、R9は水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基であり、そしてl5は2又は3の数であ
る、
【0056】
【化12】
【0057】ここで、R10は水素原子、炭素数1〜10
のアルキル基、炭素数1〜4のアシル基又はカルバモイ
ルメチル基であり、そしてl6は1又は2の数である、
【0058】
【化13】
【0059】ここで、R11は水素原子、ホルミル基、炭
素数1〜4のアルキル基又は炭素数7〜9のアラルキル
基であり、そしてR12は水素原子、炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数3〜4のアルケニル基、炭素数2〜4の
ヒドロキシルアルキル基、炭素数2〜4のアルキル基が
炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたアルコキシア
ルキル基、ベンジル基又は炭素数3〜6のシクロアルキ
ル基である、
【0060】
【化14】
【0061】ここで、R13及びR14は同一もしくは異な
り、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、そ
してl7は0、2又は3の数である、(h)、−E−G
− ここで、E−Gは、−OCH2CH2−,−OC(CH3)
=CH−、−CH2OCO−、−OCOCH2−、−CH
2C(CH3)OCO−、−N(CH3)CH2CH2−、−C
H=CH−CH=CH−、−CH=C(OCH3)−C(O
CH3)=CH−、又は
【0062】
【化15】
【0063】である、で表わされる基を好適なものとし
て例示できる。
【0064】上記(C)のR6の炭素数1〜4のアルキ
ル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、
tert−ブチル等を挙げることができる。
【0065】R6の炭素数2〜4のアルキル基が炭素数
1〜4のアルコキシ基で置換されたアルコキシアルキル
基としては、例えばメトキシエチル、エトキシエチル、
プロポキシエチル、ブトキシエチル、メトキシプロピ
ル、メトキシブチル等を挙げることができる。
【0066】R7およびR8の炭素数1〜4のアルキル基
としては、R6について記載したと同じものを例示でき
る。
【0067】上記(d)のR9の炭素数1〜4のアルキ
ル基としては、R6について記載したものと同じものを
例示できる。
【0068】上記(e)のR10の炭素数1〜10のアル
キル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブ
チル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、ノニル、デシル等
を挙げることができる。
【0069】R10の炭素数1〜4のアシル基としては、
例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチロイル
等を挙げることができる。
【0070】上記(f)のR11の炭素数1〜4のアルキ
ル基としては、R6について記載したと同じものを例示
できる。
【0071】また、R11の炭素数7〜9のアラルキル基
としては、例えばベンジル、4−メチルベンジル、4−
メトキシベンジル、4−ニトロベンジル、2−フェニル
エチル、3−フェニルエチル等を挙げることができる。
【0072】R12の炭素数1〜4のアルキル基として
は、R6について記載したものと同じものを例示でき
る。
【0073】R12の炭素数3〜4のアルケニル基として
は、例えばアリル、4−メチルアリル、3−メチルアリ
ルを挙げることができる。
【0074】R12の炭素数2〜4のヒドロキシアルキル
基としては、例えば2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロ
キシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ
プロピル、2−ヒドロキシブチル等を挙げることができ
る。
【0075】R12の炭素数2〜4のアルキル基が炭素数
1〜4のアルコキシ基で置換されたアルコキシアルキル
基としては、R6について上記したと同じものを例示す
ることができる。
【0076】上記(g)のR13およびR14の炭素数1〜
4のアルキル基としては、R6について例示したものと
同じものを例示することができる。
【0077】さらに、上記式(I)において、R4の炭
素数1〜4のアルキル基としても、R6について上記し
たと同じ基を例示することができる。
【0078】R4の炭素数1〜4のアルキルチオ基とし
ては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチ
オ、ブチルチオ、イソプロピルチオ、sec−ブチルチ
オ等を挙げることができる。
【0079】本発明の神経疾患用治療薬の活性成分であ
る上記式(I)で表される化合物の具体例を、便宜的
に、R2とR3の定義によって、幾つかの群に分けて、以
下に例示する。
【0080】R2およびR3が結合していない化合物、
【0081】
【化16】
【0082】
【化17】
【0083】
【化18】
【0084】
【化19】
【0085】
【化20】
【0086】
【化21】
【0087】
【化22】
【0088】
【化23】
【0089】
【化24】
【0090】
【化25】
【0091】
【化26】
【0092】
【化27】
【0093】
【化28】
【0094】
【化29】
【0095】
【化30】
【0096】
【化31】
【0097】
【化32】
【0098】
【化33】
【0099】
【化34】
【0100】
【化35】
【0101】
【化36】
【0102】
【化37】
【0103】
【化38】
【0104】
【化39】
【0105】
【化40】
【0106】本発明の活性成分として用いられる上記式
(I)の化合物は、それ自体公知の方法、とりわけ特開
昭61−140568号、特開昭61−87627号お
よび特開昭61−1040568号に記載された方法お
よびこれらの方法で得られた中間体をそれ自体公知の方
法(例えば保護基の還元的除去)で処理することによっ
て製造することができる。後述する実施例1A〜48A
には、各化合物の製造法が詳細に記載されている。
【0107】式(I)の化合物は、通常医薬組成物の形
で用いられ、経口、皮下、筋肉内、静脈内、鼻内、皮膚
透過および直腸経路といった種々の経路により投薬され
る。本発明は製薬的に許容される担体と活性成分として
の一般式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容され
る塩を含有する製薬調合物を包含する。薬学的に許容さ
れる塩には、例えば酸付加塩あるいは第4級アンモニウ
ム(又はアミン)塩が包含される。
【0108】前記化合物(1)の薬学的に許容しうる塩
類としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、
重硫酸酸、リン酸塩、酸性リン酸塩、酢酸塩、マレイン
酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安
息香酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、糖酸塩、メタン
スルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ナフタレン
スルホン酸塩などの薬学的に許容しうるアニオンを含む
非毒性酸付加塩を形成する酸から形成される塩類もしく
はそれらの水和物および第4級アンモニウム(又はアミ
ン)塩類もしくはそれらの水和物を含む。
【0109】本発明の組成物は、例えば錠剤、カプセ
ル、散剤、顆粒、トローチ、カシエー、エリキシル、乳
濁液、溶液、シロップ、懸濁液、エアロゾル、軟膏、無
菌注射器、成形パップ、テープ、軟質および硬質ゼラチ
ンカプセル、坐薬、ペレット、凍結乾燥粉末およびマイ
クロスフィアした凍結乾燥粉末、無菌包装粉末などの形
にすることができる。製薬的に許容される担体の例は、
乳糖、ぶどう糖、蔗糖、ソルビトール、マンニトール、
とうもろこし澱粉、結晶セルロース、アラビアゴム、リ
ン酸カルシウム、アルジネート、ケイ酸カルシウム、微
結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、トラガカント
ゴム、ゼラチン、シロップ、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、メチルヒドロキシ安息香酸エス
テル、プロピルヒドロキシ安息香酸エステル、タルク、
ステアリン酸マグネシウム、不活性なポリマー類、水ま
たは鉱油などである。
【0110】固体または液体組成物のいずれも、上記の
ような充填剤、結合剤、滑沢剤、湿潤剤、崩壊剤、乳濁
および懸濁剤、保存剤、甘味剤あるいは芳香剤などを含
み得る。本組成物は、また患者に投薬の後、活性成分が
急速に、持続的にまたは遅延的に放出されるように処方
することができる。
【0111】経口投与の場合、式(I)の化合物は、担
体および稀釈剤と混合され、錠剤、カプセル剤などの形
にされる。非経口投与の場合、活性成分は10%ブドウ
糖水溶液、等張食塩水、無菌水あるいは類似の液体に溶
解され、静脈内に点滴または注射により、あるいは筋肉
内注射により投与されるべくバイアルまたはアンプルに
密閉される。有利には溶解補助剤や局所麻酔剤、保存剤
および緩衝剤も媒体中に含めることもできる。安定性を
増すためには、本組成物をバイアルやアンプルに注入し
た後に、凍結乾燥することも可能である。非経口投与の
他の場合としては軟膏剤、パップ剤として経皮的に投与
された製剤がある。この場合成型パップやテープ剤が有
利である。
【0112】本組成物は単位投薬量形状あたり0.1な
いし2000mg、より一般的には0.5ないし100
0mgの活性成分を含有する。
【0113】式(I)の化合物は広い投薬量範囲にわた
って有効である。たとえば、一日あたりの投薬量は普通
0.003mg/kgないし100mg/kgの範囲に
入る。実際に投与される化合物の量は、投与される化合
物によりまた個々の患者の年令、体重、反応、患者の症
状の程度、投与経路等により、医者により決定される。
従って上記の投薬量範囲は本発明の範囲を限定するもの
ではない。一日の投薬回数は1〜6回、通常1〜4回が
適当である。
【0114】式(I)の化合物は、それ自体で有効な抹
消神経障害、中枢神経障害治療剤であるが、必要ならば
一つまたはそれ以上の他の同効薬との組合せによっても
投薬できる。そのような付加的な薬剤にガングリオシド
類、メコバラミン、イサキソニンなどがある。
【0115】本発明に用いる化合物(I)の製剤例及び
生物学的活性につき、以下に一連の実施例BおよびCに
より詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されな
い。以下に示す組成物の実施例は活性成分として本文中
に記載の化合物の一つあるいは一般式(I)に含まれる
他の医薬化合物の一つを用いている。
【0116】
【実施例】実施例1A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
6−オキソフロ[2,3−d]ピリミジン(化合物番号
920) : (1) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−4−ヒドロ
キシピリミジン−5−酢酸エチルエステル(特開昭61
−140568号の参考例70に従って製造した)20
g(56.1mmol)、85%KOH錠剤7.5g(1
14mmol)およびエタノール320mlの混合物を
1時間還流し、反応混合物を濃縮して固型物を得た。こ
れに塩酸および飽和重曹水を加えてpH4とし、再び濃
縮した。得られた粗結晶を水から再結晶して2−(4−
ベンジルピペラジノ)−4−ヒドロキシピリミジン−5
−酢酸17g(収率92%)を無色固体として得た。
【0117】1H−NMRスペクトル(CDCl3−CD
3OD溶液、δppm):2.62(4H、m)、3.3
6(2H、s)、3.65(6H、m)、7.38(5
H、m)、7.60(1H、s)。
【0118】(2) 上記(1)で得た化合物3.28
g(10mmol)を40mlのクロロホルムに溶か
し、得られた溶液にトリフルオロ酢酸無水物4.2g
(20mmol)を加えて室温で2時間撹拌した。反応
混合物を濃縮したのち、飽和重曹水および酢酸エチルを
加えて抽出した。有機層を乾燥および濃縮して得た紫色
固体を酢酸エチルでリスラリーして、表記化合物を無色
結晶(1.42g、収率46%)として得た。
【0119】融点:164.5〜166.5℃(分解)、 赤外線吸収スペクトル(CHCl3 溶液、cm-1):1
821、1631、1559。
【0120】1H−NMRスペクトル(CDCl3
液、δppm):2.52(4H、m)、3.58(2
H、s)、3.70(2H、2本のs)、3.86(4
H、m)、7.36(5H、m)、8.12(1H、
s)。
【0121】実施例2A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
6−オキソフロ[2,3−d]ピリミジンのp−トルエ
ンスルホン酸塩(化合物番号922) :実施例1Aで得
られた化合物(920)0.16g(0.5mmol)に
30mlの酢酸エチルを加えて加熱し、溶液とした。こ
の溶液にp−トルエンスルホン酸0.086g(0.5m
mol)の酢酸エチル(5ml)溶液を加え、析出した
結晶を濾過することによって表記化合物の結晶0.23
g(収率96%)を得た。
【0122】融点:214〜218℃(分解)実施例3A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
7−メチル−6−オキソ(7H)ピロロ[2,3−d]
ピリミジンの2−ナフタレンスルホン酸塩(化合物番号
434) :2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−
ジヒドロ−7−メチル−6−オキソ(7H)ピロロ
[2,3−d]ピリミジン(特開昭61−140568
号の参考例54に従って製造した)1.29g(4.0m
mol)を200mlのエタノールに溶かし、得られた
溶液に2−ナフタレンスルホン酸0.83g(4.0mm
ol)のエタノール(20ml)溶液を加え、室温で1
時間撹拌した。反応混合物を濃縮して表記化合物の無色
固体を2.1g得た。
【0123】融点:74〜82℃、1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 溶液、δpp
m):3.12(3H、s)、3.35(8H、m)、
3.52(2H、s)、4.32(2H、bs)、7.5
2(5H、m)、7.5〜8.3(8H、m)。
【0124】実施例4A 2−(4−アセチルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
7−メチル−6−オキソ(7H)ピロロ[2,3−d]
ピリミジン(化合物番号440) :2−ピペラジノ−
5,6−ジヒドロ−7−メチル−6−オキソ(7H)ピ
ロロ[2,3−d]ピリミジン(特開昭61−1405
68号の参考例55に従って製造した)1.44g(6.
18mmol)、トリエチルアミン1.01gおよびク
ロロホルム(20ml)から成る溶液に無水酢酸1.0
2g(10.0mmol)を滴下し、室温で15分間撹
拌した。反応混合物を濃縮して得た固型物に酢酸エチル
を加えて50℃でリスラリーした。放冷後、濾過するこ
とによって表記化合物1.02g(収率60%)を粗結
晶として得た。この結晶をクロロホルム/酢酸エチル=
1/10で再結晶して純品を得た。
【0125】融点:194〜195℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):2.16(3H、s)、3.20(3H、s)、
3.43(2H、2本のs)、3.5〜4.0(8H、
m)、7.92(1H、s)。
【0126】実施例5A 5,6−ジヒドロ−7−メチル−6−オキソ−2−ピペ
ラジノ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジンのリン
酸塩(化合物番号418) 5,6−ジヒドロ−7−メチル−6−オキソ−2−ピペ
ラジノ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン(特開
昭61−140568号の参考例55に従って製造し
た)1.4g(6.0mmol)のエタノール(40m
l)溶液に、リン酸0.6gのエタノール(10ml)
溶液を加えた。析出した結晶を濾取して目的物1.5g
(収率76%)を得た。
【0127】融点:286〜289℃(分解)、1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 溶液、δpp
m):3.0(4H、m)、3.09(3H、s)、3.
49(2H、s)、3.90(4H、m)、7.99(1
H、s)。
【0128】同様にして下記化合物を製造した。
【0129】 化合物番号 収率(%) 融点(℃) 1H-NMRスペクトル(DMSO-d6溶液、δppm) 410 81 254〜256 3.10(7H、m)、3.52(2H、s)、3.92(4H、m)、 8.03(1H、s)。 2.30(3H、s)、3.08(3H、s)、3.18(4H、m)、 412 80 224〜225 3.50(2H、s)、3.95(4H、m)、7.12(2H、m)、 7.52(2H、m)、8.02(1H、s)。 414 95 187〜188 2.54(4H、s)、3.10(7H、m)、3.50(2H、s)、 (分解) 3.92(4H、m)、8.02(1H、s)。 416 78 230〜232 3.08(7H、m)、3.48(2H、s)、3.88(4H、m)、 (分解) 3.94(2H、s)、7.99(1H、s)。 実施例6A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−6−(1−メチルプ
ロピル)−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロ
ロ[3,4−d]ピリミジン(化合物番号656) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−4−クロロメチルピ
リミジン−5−酢酸エチル(特開昭61−140568
号の参考例41に従って製造した)3.0g(8mmo
l)をn−ブタノール30mlに溶かし、1−メチルプ
ロピルアミン5.9g(80mmol)を加えた。60
℃で3時間、130℃で4時間撹拌した。反応終了後、
溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルと水に溶解した。水層
を分離した後、酢酸エチル層を飽和重曹水で洗浄した。
無水MgSO4で乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル)で精製して、目的物0.7g(収率23%)を
得た。
【0130】融点:131〜134℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):0.88(3H、t、J=7Hz)、1.24(3
H、d、J=7Hz)、1.52(2H、m)、2.52
(4H、m)、3.58(2H、s)、3.96(4H、
m)、4.12(2H、s)、4.30(1H、m)、
7.36(5H、m)、8.68(1H、s)。
【0131】同様にして下記化合物を製造した。
【0132】 化合物番号 収率(%) 融点(℃) 1H-NMRスペクトル(CDCl3溶液、 δppm) 0.9〜1.6(10H)、2.52(4H、m)、3.56(2H、s)、 658 29 132〜134 3.94(4H、m)、4.12(2H、s)、4.48(1H、m)、 7.34(5H、m)、8.66(1H、s)。 1.54(9H、s)、2.54(4H、m)、3.58(2H、s)、 660 20 179〜182 3.97(4H、m)、4.24(2H、s)、7.36(5H、m)、 8.86(1H、s)。 1.30(3H、t、J=7Hz)、2.53(4H、m)、3.58(2H、s)、 662 19 145〜147 3.97(4H、m)、4.23(2H、q、J=7Hz)、4.33(2H、s)、 4.36(2H、s)、7.36(5H、m)、8.70(1H、s)。 実施例7A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−6−アセチル−5−
オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ[3,4−d]
ピリミジン(化合物番号664) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5−オキソ−5,6
−ジヒドロ(7H)ピロロ[3,4−d]ピリミジン
(特開昭61−140568号の参考例42に従って製
造した)2.0g(6.5mmol)とテトラヒドロフラ
ン60mlの混合物に、60%NaH 0.3g(7.5
mmol)を20℃で加え10分間撹拌した。その後臭
化アセチル2mlを加え1時間撹拌した。反応液を飽和
重曹水溶液に注ぎ、CH2Cl2で抽出後溶媒を留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl2:MeOH=95:5)で精製して、目的物1.
0g(収率44%)を得た。
【0133】融点:176〜178℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):2.54(4H、m)、2.65(3H、s)、
3.58(2H、s)、4.02(4H、m)、4.60
(2H、s)、7.36(5H、m)、8.74(1H、
s)。
【0134】実施例8A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−6−カルバモイルメ
チル−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ
[3,4−d]ピリミジン(化合物番号666) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−6−エトキシカルボ
ニルメチル−5−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピ
ロロ[3,4−d]ピリミジン1.0g(2.5mmo
l、実施例6Aの化合物662)に28%アンモニア水
3.6g(59mmol)およびエタノール4mlを加
え、室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、水とCH2
Cl2を加えて抽出した。水層を分離した後、CH2Cl
2層を無水MgSO4で乾燥した。CH2Cl2を減圧留去
し、残渣を酢酸エチルで洗浄して、目的物0.5g(収
率57%)を得た。
【0135】融点:229〜232℃(分解)、1 H−NMRスペクトル(CDCl3−DMSO−d6
液、δppm):2.52(4H、m)、3.58(2
H、s)、3.96(4H、m)、4.22(2H、
s)、4.39(2H、s)、7.36(5H、m)、
8.65(1H、s)。
【0136】実施例9A 6−アセチル−2−ピペラジノ−5−オキソ−5,6−
ジヒドロ(7H)ピロロ[3,4−d]ピリミジン(化
合物番号648) 6−アセチル−2−(4−ベンジルピペラジノ)−5−
オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ[3,4−d]
ピリミジン0.8g(2.4mmol、実施例7Aの化合
物664)、10%Pd/C 0.2g、エタノール40
mlの混合物を水素雰囲気下70℃で4時間撹拌した。
反応終了後、Pd/Cを濾別し、エタノールを減圧下に
留去して、目的物0.56g(収率90%)を得た。
【0137】融点:164〜167℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):2.66(3H、s)、2.96(4H、m)、
3.98(4H、m)、4.62(2H、s)、8.75
(1H、s)。
【0138】同様にして下記の化合物を製造した。
【0139】 化合物番号 収率(%) 融点(℃) 1H-NMRスペクトル(CDCl3溶液、δppm) 0.90(3H、t、J=7Hz)、1.24(3H、d、J=7Hz)、 636 92 110〜115 1.56(2H、m)、2.94(4H、m)、3.94(4H、m)、 4.14(2H、s)、4.35(1H、m)、8.68(1H、s)。 0.8〜1.6(10H、m)、2.94(4H、m)、 644 99 106〜112 3.92(4H、m)、4.14(2H、s)、4.46(1H、m)、 8.68(1H、s)。 640 99 162〜164 1.54(9H、s)、2.92(4H、m)、3.90(4H、m)、 4.28(2H、s)、8.62(1H、s)。 652 87 239〜241 2.94(4H、m)、3.96(4H、m)、4.22(2H、s)、 (分解) 4.43(2H、s)、8.70(1H、s)。* *CDCl3−CD3OD溶液。
【0140】実施例10A 6−アセチル−2−ピペラジノ−5−オキソ−5,6−
ジヒドロ(7H)ピロロ[3,4−d]ピリミジンのナ
フタレン−2−スルホン酸塩(化合物番号650) 6−アセチル−2−ピペラジノ−5−オキソ−5,6−
ジヒドロ(7H)ピロロ[3,4−d]ピリミジン0.2
0g(0.77mmol実施例9Aの化合物648)の
20%塩化メチレンエタノール(25ml)溶液に、ナ
フタレン−2−スルホン酸1水和物0.17gのエタノ
ール(10ml)溶液を加えた。析出した結晶を濾取し
て、目的物0.24g(収率67%)を得た。
【0141】融点:260〜263℃(分解)、1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 溶液、δpp
m):2.68(3H、s)、3.42(4H、m)、
4.26(4H、m)、4.78(2H、s)、7.6〜
8.3(7H)、9.03(1H、s)。
【0142】同様にして下記化合物を製造した。
【0143】 化合物番号 収率(%) 融点(℃) 1H-NMRスペクトル(DMSO-d6溶液、δppm) 0.90(3H、t、J=7Hz)、1.20(3H、d、J=7Hz)、 638 68 151〜152 1.58(2H、m)、3.35(4H、m)、4.08(4H、m)、 4.32(2H、s)、6.06(2H、s)、8.72(1H、s)。 646 68 134〜136 0.8〜1.6(10H)、3.24(4H、m)、4.08(4H、m)、 4.30(3H、m)、6.05(2H、s)、8.70(1H、s)。 642 76 202〜203 1.48(9H、s)、3.22(4H、m)、4.07(4H、m)、 4.52(2H、s)、6.05(2H、s)、8.66(1H、s)。 654 72 276〜277 3.30(4H、m)、4.10(6H、m)、4.44(2H、s)、 (分解) 7.2〜8.2(7H)、8.76(1H、s)。 実施例11A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
5,7−ジメチル−6−オキソ(7H)ピロロ[2,3−
d]ピリミジン(化合物番号456) (1) 1−アミジノ−4−ベンジルピペラジン硫酸塩
2.67g(10mmol)、tert−C49OK
1.12g(10mmol)、tert−C49OH 1
2mlの混合物に2−ホルミル−3−メチルコハク酸エ
チル[Zhur. Obshchei Khim.、 30、2250(196
0)]2.16g(10mmol)のtert−C49
OH(3ml)溶液を加え、その後、6時間還流した。
冷却後、水とCHCl3を加えて抽出を行い、CHCl3
層を無水HgSO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2
2:CH 3OH=95:5)で精製して2−(4−ベン
ジルピペラジノ)−5−(1−エトキシカルボニルエチ
ル)−4−ヒドロキシピリミジン0.68g(収率23
%)を得た。
【0144】融点:145〜148℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):1.17(3H、t、J=7Hz)、1.39
(3H、d、7Hz)、2.56(4H、m)、3.56
(3H、m)、3.74(4H、m)、4.04(2H、
q、J=7Hz)、7.35(5H、m)、7.68(1
H、s)。
【0145】(2) 上記(1)と同様にして得られた
該化合物4.6g(12.4mmol)とオキシ塩化リン
35gの溶液を2時間還流した。反応溶液を水に注ぎ、
エーテルで抽出した後、エーテル層を無水MgSO4
乾燥し、溶媒を減圧留去して2−(4−ベンジルピペラ
ジノ)−5−(1−エトキシカルボニルエチル)−4−
クロロピリミジン3.2g(収率67%)を油状物とし
て得た。
【0146】1H−NMRスペクトル(CDCl3
液、δppm):1.24(3H、t、J=7Hz)、
1.48(3H、d、J=7Hz)、2.50(4H、
m)、3.56(2H、s)、3.82(5H、m)、
4.16(2H、q、J=7Hz)、7.34(5H、
m)、8.18(1H、s)。
【0147】(3) 上記(2)で得られた化合物3.
2g(8.2mmol)40%CH3NH2メタノール溶
液1.3g(16.5mmol)、エタノール7mlの混
合物を加圧容器に入れて、120℃で6時間加熱した。
その後減圧下で溶媒を除き、水を加えクロロホルムで抽
出した有機層を無水MgSO4で乾燥した後、溶媒を減
圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル)で精製して表記目的物2.1g(収率
75%)を得た。
【0148】融点142〜146℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):1.44(3H、d、J=7Hz)、2.52(4
H、m)、3.19(3H、s)、3.41(1H、q、
J=7Hz)、3.57(2H、s)、3.87(4H、
m)、7.35(5H、m)、7.90(1H、s)。
【0149】実施例12A 5,6−ジヒドロ−5,7−ジメチル−6−オキソ−2−
ピペラジノ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン
(化合物番号444) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
5,7−ジメチル−6−オキソ(7H)ピロロ[2,3−
d]ピリミジン1.9g(5.6mmol、実施例11A
の化合物456)と10%Pd−C 0.2gをエタノー
ル70mlに溶かし、水素雰囲気下70℃で4時間撹拌
した。反応終了後Pd−Cを濾別し、エタノールを減圧
下留去して目的物1.26g(収率91%)を得た。
【0150】融点:167.2〜169.2℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):1.44(3H、d、J=7Hz)、2.94(4
H、m)、3.22(3H、s)、3.42(1H、q、
J=7Hz)、3.82(4H、m)、7.92(1H、
s)。
【0151】実施例13A 5,6−ジヒドロ−5,7−ジメチル−6−オキシ−2−
ピペラジノ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジンの
マレイン酸塩(化合物番号446) 5,6−ジヒドロ−5,7−ジメチル−6−オキソ−2−
ピペラジノ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン0.
29g(1.2mmol、実施例12Aの化合物44
4)をエタノール20mlに溶かした液に、マレイン酸
0.14g(1.2mmol)のエタノール(6ml)溶
液を加えた。析出した結晶を濾取して目的物0.26g
(収率59%)を得た。
【0152】融点:181〜183℃、1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 溶液、δpp
m):1.34(3H、d、J=7Hz)、3.10(3
H、s)、3.20(4H、m)、3.55(1H、q、
J=7Hz)、3.96(4H、m)、6.05(2H、
s)、8.10(1H、s)。
【0153】実施例14A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
6−オキシ−5,5,7−トリメチル(7H)ピロロ
[2,3−d]ピリミジン(化合物番号458) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
7−メチル−6−オキソ(7H)ピロロ[2,3−d]
ピリミジン(特開昭61−140568号の参考例54
に従って製造した)4.0g(12.4mmol)を、テ
トラヒドロフラン200mlに溶解し、60%NaH
2.5g(62.5mmol)を20℃で加え10分間撹
拌した。その後ヨウ化メチル4mlを加え1時間撹拌し
た。反応液を水に注ぎ、CH2Cl2で抽出後、溶媒を留
去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製して、目的物を1.3g(収率30%)得た。
【0154】融点:76〜79℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):1.36(6H、s)、2.50(4H、m)、
3.19(3H、s)、3.54(2H、s)、3.86
(4H、m)、7.34(5H、m)、7.88(1H、
s)。
【0155】ヨウ化メチルのかわりにブロモ酢酸エチル
を用い同様にして化合物682を、2−(4−ベンジル
ピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−7−メチル−6−オ
キソ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジンとヨウ化
メチルのかわりに2−(4−ベンジルピペラジノ)−5
−オキソ−5,6−ジヒドロ(7H)ピロロ[3,4−
d]ピリミジン(特開昭61−140568号の参考例
42に従って製造した)と塩化プロピオニルを用い同様
にして化合物684を、2−(4−ベンジルピペラジ
ノ)−5,6−ジヒドロ−6−メチル−5−オキソ(7
H)ピロロ[3,4−d]ピリミジン(特開昭61−1
40568号の参考例44に従って製造した)を用い同
様にして化合物680を合成した。
【0156】 化合物番号 収率(%) 融点(℃) 1H-NMRスペクトル(CDCl3溶液、δppm) 682 26 未測定 1.24(3H、t、J=7Hz)、2.52(4H、m)、 2.75(1H、d、J=8Hz)、2.98(1H、d、J=4Hz)、 3.22(3H、s)、3.58(2H、s)、3.72(1H、dd、J=4 及び8Hz)、3.87(4H、m)、4.16(2H、q、J=7Hz)、 7.36(5H、m)、7.96(1H、s)。 684 44 174〜177℃ 1.24(3H、t、J=7Hz)、2.54(4H、m)、 3.08(2H、q、J=7Hz)、3.59(2H、s)、4.02(4H、m)、 4.62(2H、s)、7.36(5H、m)、8.74(1H、s)。 680 25 129〜132 1.46(3H、d、J=7Hz)、2.52(4H、m)、3.05(3H、s)、 3.56(2H、s)、3.96(4H、m)、4.22(1H、q、J=7Hz)、 7.34(5H、m)、8.66(1H、s)。 実施例15A 5,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−ピペラジノ−5,
5,7−トリメチル(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミ
ジン(化合物番号448) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
6−オキソ−5,5,7−トリメチル(7H)ピロロ
[2,3−d]ピリミジン1.1g(3.1mmol、実
施例14Aの化合物458)、10%Pd−C 0.1
g、エタノール40mlの混合物を水素雰囲気下70℃
で4時間撹拌した。放冷後Pd−Cを濾別し、エタノー
ルを減圧留去して、目的物を0.76g(収率94%)
得た。
【0157】融点:113〜116℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):1.38(6H、s)、2.94(4H、m)、
3.22(3H、s)、3.83(4H、m)、7.90
(1H、s)。
【0158】2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6
−ジヒドロ−6−オキソ−5,5,7−トリメチル(7
H)ピロロ[2,3−d]ピリミジンのかわりに実施例
14Aで製造した化合物682、684、680を用い
て、同様にして以下の化合物を製造した。
【0159】 化合物番号 収率(%) 融点(℃) 1H-NMRスペクトル(CDCl3溶液、δppm) 672 98 未測定 1.25(3H、t、J=7Hz)、2.80(1H、d、J=8Hz)、 3.00(1H、d、J=4Hz)、3.24((3H、s)、3.29 (4H、m)、3.74(1H、dd、J=4 および 8Hz)、 4.20(6H、m)、7.99(1H、s)。 676 95 158〜163 1.24(3H、t、J=7Hz)、2.96(4H、m)、 3.08(2H、q、J=7Hz)、3.98(4H、m)、 4.63(2H、s)、8.75(1H、s)。 668 92 152〜154 1.48(3H、d、J=7Hz)、2.96(4H、m)、 3.08(3H、s)、3.94(4H、m)、4.23(1H、q、J=7Hz)、 8.68(1H、s)。 実施例16A 5,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−ピペラジノ−5,
5,7−トリメチル(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミ
ジンのナフタレン−2−スルホン酸塩(化合物番号45
0) 5,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−ピペラジノ−5,
5,7−トリメチル(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミ
ジン0.20g(0.77mmol、実施例15Aの化合
物448)のエタノール(10ml)溶液に、ナフタレ
ン−2−スルホン酸1水和物0.17g(0.77mmo
l)のエタノール(10ml)溶液を加えて、室温で1
時間撹拌した。溶媒を減圧で留去し、残渣をエーテルで
洗浄して、目的物0.2g(収率81%)を得た。
【0160】融点:211〜212℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):1.36(6H、s)、3.15(3H、s)、
3.36(4H、m)、4.15(4H、m)、7.55
(2H、m)、7.90(5H、m)、8.44(1H、
s)。
【0161】5,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−ピペ
ラジノ−5,5,7−トリメチル(7H)ピロロ[2,3
−d]ピリミジンのかわりに実施例15Aで製造した化
合物672、676、668を用いて、同様にして以下
の化合物を製造した。
【0162】 化合物番号 収率(%) 融点(℃) 1H-NMRスペクトル(DMSO-d6 溶液、δppm) 674 80 70〜77 1.16(3H、t、7Hz)、3.18(3H、s)、3.28(6H、m)、 4.08(7H、m)、7.5〜8.2(8H)。 678 77 236〜237 1.12(3H、d、J=7Hz)、2.97(2H、q、J=7Hz)、 (分解) 3.32(4H、m)、4.13(4H、m)、4.66((2H、s)、 7.5〜8.2(7H)、8.89(1H、s)。 * 670 87 180〜184 1.43(3H、d、J=7Hz)、3.06(3H、s)、3.36(4H、m)、 4.20(5H、m)、6.75〜7.92(6H)、8.43(1H、s)、 8.66(1H、s)。 *CDCl3 溶液で測定した。
【0163】実施例17A 5,6−ジヒドロ−7−メチル−2[4−(3,4−メチ
レンジオキシフェニルメチル)ピペラジノ]−6−オキ
ソ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン(化合物番
号436) ピペロニルアルコール2.5g(16.4mmol)、S
OCl3 2.3g(19.3mmol)、CH2Cl2
00mlの溶液を1時間撹拌した。その後5,6−ジヒ
ドロ−7−メチル−6−オキソ−2−ピペラジノ(7
H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン(特開昭61−1
40568号の参考例55に従って製造した)3.8g
(16.3mmol)とトリエチルアミン2.5gを加え
て30分間撹拌後、2時間還流を行った。反応液を水中
へ注ぎCH2Cl2で抽出し、無水MgSO4で乾燥し
た。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製して、目的物0.5g(収率8
%)を得た。
【0164】融点:122〜124℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):2.47(4H、m)、3.14(3H、s)、
3.25(2H、s)、3.43(2H、s)、3.82
(4H、m)、5.91(2H、s)、6.74(2H、
s)、6.87(1H、s)、7.86(1H、s)。
【0165】実施例18A 5,6−ジヒドロ−7−メチル−2[4−(3,4−メチ
レンジオキシフェニルメチル)ピペラジノ]−6−オキ
ソ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジンのナフタレ
ン−2−スルホン酸塩(化合物番号438) 5,6−ジヒドロ−7−メチル−2[4−(3,4−メチ
レンジオキシフェニルメチル)ピペラジノ]−6−オキ
ソ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン1.0g
(2.7mmol、実施例17Aの化合物436)、ナ
フタレン−2−スルホン酸1水和物0.6g(2.7mm
ol)、CH2Cl2 50ml、エタノール50mlの
溶液を室温で1時間撹拌した。その後溶媒を減圧留去
し、残渣をエタノールで洗浄して、目的物1.4g(収
率90%)を得た。
【0166】融点:234〜239℃(分解)、1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6−CDCl3
液、δppm):3.12(3H、s)、3.36(8
H、m)、3.48(2H、s)、4.32(2H、
s)、6.05(2H、s)、6.95(2H、m)、
7.12(1H、s)、7.52(2H、m)、7.90
(5H、m)、8.25(1H、s)。
【0167】実施例19A 2−(4−エトキシカルボニルピペラジノ)−5,6−
ジヒドロ−7−メチル−6−オキソ(7H)ピロロ
[2,3−d]ピリミジン(化合物番号442) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
7−メチル−6−オキソ(7H)ピロロ[2,3−d]
ピリミジン(特開昭61−140568号の参考例54
に従って製造した)2.0g(6.2mmol)、60%
NaH 0.3g(6.8mmol)、テトラヒドロフラ
ン60mlの混合物に、クロロギ酸エチル2.0g(1
8.4mmol)を加え、2時間撹拌した。反応液を水
中に注ぎ、CH2Cl2で抽出した。有機層を無水MgS
4で乾燥した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製して目的物0.5g(収
率26%)を得た。
【0168】融点:170〜171℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):1.30(3H、t、J=7Hz)、3.23(3
H、s)、3.45(2H、s)、3.56(4H、
m)、3.84(4H、m)、4.20(2H、q、J=
7Hz)、7.94(1H、s)。
【0169】実施例20A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
7−(2−メトキシエチル)−6−オキソ(7H)ピロ
ロ[2,3−d]ピリミジン(化合物番号460) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−4−クロロピリミジ
ン−5−酢酸エチル30.0g(0.08mol、特開昭
61−140568号参考例71に従って製造した)
に、エタノール200ml、メトキシエチルアミン1
2.02g(0.16mol)を加え、オートクレーブ
中、150℃で7時間加熱した。エタノールを減圧下留
去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製することにより標記化合物19.1gを得た(収率6
5%)1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):2.51(4H、m)、3.38(3H、s)、
3.44(2H、s)、3.57(2H、s)、3.82
(8H、m)、7.36(5H、s)、7.92(1H、
s)。
【0170】実施例21A 5,6−ジヒドロ−7−(2−メトキシエチル)−6−
オキソ−2−ピペラジノ(7H)ピロロ[2,3−d]
ピリミジン(化合物番号426) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
7−(2−メトキシエチル)−6−オキソ(7H)ピロ
ロ[2,3−d]ピリミジン13.0g(35.4mmo
l、実施例20Aの化合物460)を、エタノール18
0molに溶解し、10%パラジウム−炭素1.3g存
在下、常圧70℃で1.5時間、水素添加した。触媒を
濾過後、エタノールを減圧下留去することにより標記化
合物9.82gを得た(収率〜100%)。
【0171】1H−NMRスペクトル(CDCl3
液、δppm):2.92(4H、m)、3.38(3
H、s)、3.44(2H、s)、3.80(8H、
m)、7.92(1H、s)。
【0172】実施例22A 5,6−ジヒドロ−7−(2−メトキシエチル)−6−
オキソ−2−ピペラジノ(7H)ピロロ[2,3−d]
ピリミジンのマレイン酸塩(化合物番号430) 5,6−ジヒドロ−7−(2−メトキシエチル)−6−
オキソ−2−ピペラジノ(7H)ピロロ[2,3−d]
ピリミジン3.0g(11mmol、実施例21Aの化
合物426)のエタノール(100ml)溶液に、マレ
イン酸1.3g(11mmol)のエタノール(30m
l)溶液を加えて、1時間撹拌した。析出した結晶を濾
取して目的物3.3g(収率76%)を得た。
【0173】融点:158〜160℃、1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 溶液、δpp
m):3.2〜3.8(13H)、3.95(4H、
m)、6.06(2H、s)、8.06(1H、s)。
【0174】実施例23A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,7−ジヒドロ−
5−オキソフロ[3,4−d]ピリミジン(化合物番号
924) (1) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−4−クロロ
メチルピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル5.
0g(13.3mmol、特開昭61−140568号
参考例41に従って製造した)に、エタノール80m
l、85%水酸化カリウム2.64g(40.0mmo
l)を加えて、30分間還流した。エタノールを減圧下
濃縮し、水を加え残渣を溶解し、濃塩酸でpH約4にし
た。生成した結晶を濾過し、アセトンで洗浄することに
より2−(4−ベンジルピペラジノ)−4−ヒドロキシ
メチルピリミジン−5−カルボン酸1.93gを結晶と
して得た(収率44%)。
【0175】融点:252〜253℃(分解)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 溶液、δpp
m):3.16(4H、m)、4.00(6H、m)、
4.80(2H、s)、7.54(5H、m)、8.79
(1H、s)。
【0176】(2) 上記(1)で得たカルボン酸0.
40g(1.22mmol)に、ベンゼン50ml、無
水酢酸0.15g(1.48mmol)、酢酸ナトリウム
0.12g(1.46mmol)を加えて、10.5時間
還流した。10%炭酸ナトリウム水溶液を加えて酢酸エ
チルで抽出した。酢酸エチル層を乾燥後濃縮し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することに
より標記化合物0.15gを得た(収率40%)。
【0177】1H−NMRスペクトル(CDCl3
液、δppm):2.54(4H、m)、3.58(2
H、s)、4.00(4H、m)、5.04(2H、
s)、7.36(5H、s)、8.75(1H、s)。
【0178】実施例24A 5,7−ジヒドロ−5−オキソ−2−ピペラジノフロ
[3,4−d]ピリミジン(化合物番号908) 2−(4ーベンジルピペラジノ)−5,7−ジヒドロ−
5−オキソフロ[3,4−d]ピリミジン1.5g(4.
8mmol、実施例23Aの化合物924)、10%P
d−C 0.2g、エタノール60mlの混合物を水素雰
囲気下70℃で、4時間撹拌した。反応終了後、Pd−
Cを濾別し、エタノールを減圧留去して、目的物1.0
g(収率94%)を得た。
【0179】融点:159〜160℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):2.05(1H、s)、2.95(4H、m)、
3.97(4H、m)、5.03(2H、s)、8.74
(1H、s)。
【0180】実施例25A 5,7−ジヒドロ−5−オキソ−2−ピペラジノフロ
[3,4−d]ピリミジンのマレイン酸塩(化合物番号
910) 5,7−ジヒドロ−5−オキソ−2−ピペラジノフロ
[3,4−d]ピリミジン0.22g(1.0mmol、
実施例24Aの化合物908)のエタノール(30m
l)溶液に、マレイン酸0.12g(1.0mmol)の
エタノール(15ml)溶液を加えて、室温で1時間撹
拌した。析出した結晶を濾取して、目的物0.20g
(収率60%)を得た。
【0181】融点:183〜185℃、1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 溶液、δpp
m):3.28(4H、m)、4.12(4H、m)、
5.25(2H、s)、6.03(2H、s)、8.92
(1H、s)。
【0182】実施例26A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−6,7−ジヒドロ
(5H)シクロペンタピリミジン(化合物番号208) ナトリウムメトキシド6.55g(0.121mol)の
エタノール(500ml)溶液に1−アミジノ−4−ベ
ンジルピペラジン硫酸塩32.43g(0.121mo
l)を加え、得られた懸濁液に2−ヒドロキシメチレン
シクロペンタノン13.6g[0.121mol、W.
T.Caldwell et al., J. Am. Chem. Soc.,63、21
88(1941)に記載の方法で合成]のエタノール
(90ml)の溶液を1時間で滴下した。滴下後、8時
間還流し、エタノールを留去後、濃縮しシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製することにより標記化合物
2.18gを得た(収率6%)。
【0183】融点:90〜95℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):2.04(2H、quintet、J=7Hz)、2.5
2(4H、m)、2.78(2H、t、J=7Hz)、
2.81(2H、t、J=7Hz)、3.56(2H、
s)、3.83(4H、m)、7.35(5H、s)、
8.12(1H、s)。
【0184】実施例27A 6,7−ジヒドロ−2−ピペラジノ(5H)シクロペン
タピリミジン(化合物番号200) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−6,7−ジヒドロ
(5H)シクロペンタピリミジン2.0g(6.79mm
ol、実施例26Aの化合物208)をエタノール40
mlに溶解し、10%パラジウム−炭素0.20gの存
在下常圧70℃で水素添加した。4時間後触媒を濾過
し、エタノールを留去することにより標記化合物1.3
8gを結晶として得た(収率99%)。
【0185】融点:107〜113℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):2.05(2H、quintet、J=7Hz)、2.8
0(2H、t、J=7Hz)、2.83(2H、t、J
=7Hz)、2.96(4H、m)、3.81(4H、
m)、8.13(1H、s)。
【0186】実施例28A 6,7−ジヒドロ−2−ピペラジノ(5H)シクロペン
タピリミジンの塩酸塩(化合物番号202) 6,7−ジヒドロ−2−ピペラジノ(5H)シクロペン
タピリミジン0.47g(2.30mmol、実施例27
Aの化合物200)をエタノール5mlに溶解し、濃塩
酸0.22g(2.57mmol)を加え、室温で10分
間撹拌し、アセトン40mlを加え、さらに10分間撹
拌した。析出した結晶を濾過することにより標記化合物
0.22gを得た(収率40%)。
【0187】融点:>300℃、1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 溶液、δpp
m):2.00(2H、quintet、J=7Hz)、2.7
8(4H、t、J=7Hz)、3.12(4H、m)、
3.96(4H、m)、8.24(1H、s)、9.33
(2H、br)。
【0188】実施例29A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロフ
ロ[2,3−d]ピリミジン(化合物番号926) (1) エタノール360mlに2−ヒドロキシメチレ
ンブチロラクトンナトリウム塩10.0g[73.5mm
ol、J. O. Fissekis et al., J. Org., Chem.29
2670(1964)に記載の方法で合成]、1−アミ
ジノ−4−ベンジルピペラジン硫酸塩19.6g(73.
3mmol)を加え5時間還流した。エタノールを留去
後、水を加えてクロロホルムで抽出した。クロロホルム
層を乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製することにより、2−(4−ベンジルピペラ
ジノ)−4−ヒドロキシ−5−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピリミジン6.66gを結晶として得た(収率29
%)。
【0189】融点:166〜170℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):2.56(6H、m)、3.56(2H、s)、
3.60−3.90(6H、m)、7.35(5H、
s)、7.67(1H、s)。
【0190】(2) 上記(1)で得た化合物2.0g
(6.36mmol)に、0℃で塩化チオニル40ml
を加え、0℃で4時間、室温で12時間撹拌した。過剰
の塩化チオニルを減圧下留去し、水を加えて残渣を溶解
し、2N−水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性にして
クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を乾燥後濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製するこ
とにより標記化合物1.03gを結晶として得た(収率
55%)。
【0191】融点:121〜123℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):2.48(4H、m)、3.09(2H、t、J=
7Hz)、3.55(2H、s)、3.81(4H、
m)、4.60(2H、t、J=7Hz)、7.34(5
H、s)、7.99(1H、s)。
【0192】実施例30A 5,6−ジヒドロ−2−ピペラジノフロ[2,3−d]ピ
リミジン(化合物番号900) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロフ
ロ[2,3−d]ピリミジン1.21g(4.08mmo
l、実施例29Aの化合物926)をエタノール40m
lに溶解し、10%パラジウム−炭素0.14gの存在
下常圧70℃で水素添加した。4時間後触媒を濾過し、
エタノールを留去することにより標記化合物0.81g
を結晶として得た(収率96%)。
【0193】融点:74〜78℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):2.49(1H、s)、2.92(4H、m)、
3.12(2H、dt、J=1、7Hz)、3.80(4
H、m)、4.62(2H、t、J=7Hz)、8.00
(1H、t、J=1Hz)。実施例31A 5,6−ジヒドロ−2−ピペラジノフロ[2,3−d]ピ
リミジン塩酸塩(化合物番号902) 5,6−ジヒドロ−2−ピペラジノフロ[2,3−d]ピ
リミジン0.23g(1.12mmol、実施例30Aの
化合物900)をエタノール10mlに溶解し、濃塩酸
0.12g(1.18mmol)を加えて室温で1時間撹
拌した。析出した結晶を濾過し、アセトンで洗浄するこ
とにより標記化合物0.27gを得た(収率〜100
%)。
【0194】融点:294℃(分解)、1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 溶液、δpp
m):3.16(6H、m)、3.92(4H、m)、
4.70(3H、t、J=8Hz)、8.10(1H、
s)、9.54(2H、br)。
【0195】実施例32A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−4,6−ジメチルフ
ロ[2,3−d]ピリミジン(化合物番号928) 1−アミジノ−4−ベンジルピペラジン硫酸塩14.4
5g(54.1mmol)にDMSO 15ml、85%
水酸化カリウム3.57g(54.1mmol)、3−カ
ルボメトキシ−5−ヘキシン−2−オン10.0g[6
4.9mmol、K. E. Schulte et al., Arch. Pharm.,
295、627(1962)に記載の方法で合成]を
加え、140℃で4.5時間加熱した。水を加えて、ク
ロロホルムで抽出し、クロロホルム層を水および飽和食
塩水で洗浄後、乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製することにより標記化合
物を黄色油状物として、4.84g得た(収率28
%)。
【0196】1H−NMRスペクトル(CDCl3
液、δppm):2.36(3H、d、J=1Hz)、
2.47(3H、s)、2.51(4H、m)、3.55
(2H、s)、3.87(4H、m)、6.17(1H、
q、J=1Hz)、7.34(5H、s)。
【0197】実施例33A 4,6−ジメチル−2−ピペラジノフロ[2,3−d]ピ
リミジン(化合物番号904) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−4,6−ジメチルフ
ロ[2,3−d]ピリミジン4.23g(13.1mmo
l、実施例32Aの化合物928)を、エタノール50
mlに溶解し、10%パラジウム−炭素0.40gの存
在下、常圧70℃で水素添加した。5時間後触媒を濾過
し、触媒をクロロホルムで洗浄した。エタノール層とク
ロロホルム層を合わせて濃縮し、エタノールより再結晶
することにより標記化合物1.94gを結晶として得た
(収率64%)。
【0198】融点:>300℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3−DMSO−d6
液、δppm):2.40(3H、d、J=1Hz)、
2.50(3H、s)、3.19(4H、m)、4.12
(4H、m)、6.35(1H、q、J=1Hz)。
【0199】実施例34A 4,6−ジメチル−2−ピペラジノフロ[2,3−d]ピ
リミジンの塩酸塩(化合物番号906) 4,6−ジメチル−2−ピペラジノフロ[2,3−d]ピ
リミジン0.81g(3.49mmol、実施例33Aの
化合物904)をエタノール200mlに加熱して、溶
解し、濃塩酸0.39g(3.84mmol)を加え、室
温で30分間撹拌した。エタノールを減圧下留去し、残
渣をアセトンで洗浄することにより標記化合物0.88
gを結晶として得た(収率94%)。
【0200】融点:>300℃、1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6 溶液、δpp
m):2.36(3H、d、J=1Hz)、2.50(3
H、s)、3.12(4H、m)、3.98(4H、
m)、6.57(1H、q、J=1Hz)、9.60(2
H、br)。
【0201】実施例35A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
7−メチル(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン
(化合物番号930) (1) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジ
ヒドロ−7−メチル−6−オキソ(7H)ピロロ[2,
3−d]ピリミジン(特開昭61−140568号の参
考例54に従って製造した)8.0gとエタノール40
0mlに水素化ホウ素ナトリウム2.24gを加え、1.
5時間加熱還流した。反応液を濃縮した後、残渣に水と
酢酸エチルを加えて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム=
1:10)で精製し、さらにトルエンで再結晶すること
によって、2−(4−ベンジルピペラジノ)−5−(2
−ヒドロキシエチル)−4−メチルアミノピリミジンの
無色結晶2.4gを得た。
【0202】融点119〜120℃、収率30%。
【0203】1H−NMRスペクトル(CDCl3
液、δppm):2.3〜2.7(6H、m)、2.94
(3H、d、J=4.3Hz)、3.55(2H、s)、
3.6〜3.9(6H、m)、5.50(1H、brd、
J=4.3Hz)、7.2〜7.5(5H、m)、7.61
(1H、s)。
【0204】(2) 上記(1)で得られた化合物8.
0gとピリジン80mlを−10〜0℃に冷却し、この
中にp−トルエンスルホニルクロライド5.3gのピリ
ジン100mlの溶液を滴下した。滴下後、0〜5℃で
6時間反応した。反応液に炭酸水素ナトリウム2.5g
の水30mlの溶液を徐々に加え、さらに15分間撹拌
した。これに水200mlと酢酸エチル300mlを加
え、抽出した後酢酸エチル層を水200mlで洗浄し
た。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
酢酸エチルを留去した。この残渣をテトラヒドロフラン
100mlに懸濁した中に、60%水素化ナトリウム
2.4gをヘキサンで洗浄した物を、テトラヒドロフラ
ンに懸濁して加えた。室温で5時間反応後、氷水10m
lを徐々に加え、次に溶媒を留去した。残渣に水200
mlと酢酸エチル300mlを加え、水層を分離した
後、酢酸エチル層を水200mlで洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲル
クロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:1)で
精製し目的物の茶褐色結晶1.6gを得た。収率21
%、融点:105〜107℃。
【0205】1H−NMRスペクトル(CDCl3
液、δppm):2.48(4H、m)、2.84(2
H、t、J=9Hz)、3.50(2H、t、J=9H
z)、3.55(2H、s)、3.78(4H、m)、
7.34(5H、s)、7.60(1H、s)。
【0206】実施例36A 5,6−ジヒドロ−7−メチル−2−ピペラジノ(7
H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン(化合物番号91
2) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
7−メチル(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン
(実施例35Aの化合物930)1.4gと10%pd
/c 0.14gにエタノール15mlを加え、水素雰囲
気下、60℃で8時間撹拌した。冷却後、10%、pd
/cを濾別し、溶媒を留去して、無色結晶の目的物0.
94gを得た。融点:63〜65℃、収率95%。
【0207】1H−NMRスペクトル(CDCl3
媒、δppm):2.90(2H、t、J=9Hz)、
2.92(4H、m)、3.48(2H、t、J=9H
z)、3.74(4H、m)、7.62(1H、s)。
【0208】実施例37A 5,6−ジヒドロ−7−メチル−2−ピペラジノ(7
H)ピロロ[2,3−d]ピリミジンの2−ナフタレン
スルホン酸塩(化合物番号914) 5,6−ジヒドロ−7−メチル−2−ピペラジノ(7
H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン(実施例36Aの
化合物912)0.25gのエタノール10mlの溶液
に、2−ナフタレンスルホン酸1水和物0.26gのエ
タノール10mlの溶液を加えた。溶媒を留去して、無
色結晶の目的物0.49gを得た。融点:160〜16
2℃、収率100%。
【0209】1H−NMRスペクトル(DMSO−d6
溶媒、δppm):2.88(3H、s)、2.7〜3.
7(8H、m)、7.4〜8.1(7H、m)、8.14
(1H、s)。
【0210】実施例38A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−7,8−ジヒドロ−
7−メチル−5−オキソ(5H)ピラノ[4,3−d]
ピリミジン(化合物番号932) 4,6−ジオキソ−2−メチルオキサン0.5gとオルト
ギ酸メチル2.0mlと無水酢酸50mlを130℃で
3時間撹拌した。反応後、エバポレーターで溶媒を留去
し、液体状の物質を得た。1−アミジノ−4−ベンジル
ピペラジン硫酸塩1.04gを2%KOH溶液10ml
に加え室温で30分撹拌した後、この溶液に上記液体状
の物質を加え、室温で1時間撹拌した。反応後、メタノ
ールを留去し、水30mlを加え、塩化メチレン50m
lで抽出した。塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチ
レン:酢酸エチル=2:1)を行い、白色固体状の標記
化合物0.82gを得た(収率62%)。
【0211】1H−NMRスペクトル(CDCl3
液、δppm):1.56(3H、d、J=8.6H
z)、2.56(4H、m)、2.84(2H、d、J=
7.6Hz)、3.60(2H、s)、4.00(4H、
m)、4.70(1H、m)、7.38(5H、s)、
8.86(1H、s)。
【0212】実施例39A 7,8−ジヒドロ−7−メチル−5−オキソ−2−ピペ
ラジノ(5H)ピラノ[4,3−d]ピリミジン(化合
物番号916) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−7,8−ジヒドロ−
7−メチル−5−オキソ(5H)ピラノ[4,3−d]
ピリミジン(実施例38Aの化合物932)0.15g
をエタノール30mlに溶かし、10%pd/c 30
mgを窒素雰囲気下で加え50℃で2時間撹拌した。反
応後、pd−cを濾過し、溶液を濃縮して0.12gの
固体を得た(収率99%)。
【0213】1H−NMRスペクトル(CDCl3
液、δppm):1.52(3H、d、J=6.8H
z)、2.84(2H、d、J=7.6Hz)、2.94
(4H、m)、3.96(4H、m)、4.64(1H、
m)、8.86(1H、s)。
【0214】実施例40A 7,8−ジヒドロ−7−メチル−5−オキソ−2−ピペ
ラジノ(5H)ピラノ[4,3−d]ピリミジンの塩酸
塩(化合物番号918) 7,8−ジヒドロ−7−メチル−5−オキソ−2−ピペ
ラジノ(5H)ピラノ[4,3−d]ピリミジン(実施
例39Aの化合物916)0.12gに塩酸飽和エタノ
ール溶液5mlを加え、10分間室温で撹拌した後、濃
縮して0.13gの固体状の標記化合物を得た。融点2
74〜276℃(分解)。
【0215】実施例41A 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
4,7−ジメチル−6−オキソ(7H)ピロロ[2,3−
d]ピリミジン(化合物番号462) (1) 水酸化カリウム3.1gを200mlのエタノ
ールに加え、30分撹拌した後、1−アミジノ−4−ベ
ンジルピペラジン硫酸塩12.4gを加えて10分間室
温で撹拌した。この溶液にアセチルコハク酸ジエチル1
2.4gを加え2時間還流した後、トルエン200ml
を加えて3時間還流した。反応後エタノールを留去し、
塩酸水溶液50ml中へ注いだ。この溶液にNaHCO
3を加えて中和し、析出した固体を水洗し、P25上で
乾燥したところ、2.55gの白色固体状の2−(4−
ベンジルピペラジノ)−5−エトキシカルボニルメチル
−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジンを得た(収率
15%)。
【0216】1H−NMRスペクトル(DMSO−d6
溶液、δppm):1.36(3H、t、J=7.6H
z)、2.25(3H、s)、2.57(4H、m)、
3.55(2H、s)、3.69(2H、s)、3.77
(4H、m)、4.24(4H、q、J=7.6Hz)、
7.51(5H、s)。
【0217】(2) 上記(1)で得られた化合物2.
7gとオキシ塩化リン20gを3時間還流した。減圧
下、オキシ塩化リンを留去した後、トルエン10mlを
加え、固体を濾取した。この固体を塩化メチレン50m
l、飽和重ソウ水50mlと共に約1時間撹拌した。ト
ルエン層と塩化メチレン層を合わせ無水硫酸ナトリウム
で乾燥した後、溶液を濃縮したところ2.61gの茶か
っ色固体状の2−(4−ベンジルピペラジノ)−5−エ
トキシカルボニルメチル−4−クロロ−6−メチルピリ
ミジンが得られた(収率92%)。
【0218】1H−NMRスペクトル(DMSO−d6
溶液、δppm):1.26(3H、t、J=7.6H
z)、2.35(3H、s)、2.48(4H、m)、
3.56(2H、s)、3.65(2H、s)、3.82
(4H、m)、4.18(2H、q、J=7.6Hz)、
7.34(5H、s)。
【0219】(3) 上記(2)で得られた化合物2.
61gとメチルアミン1.04gを含む40%メチルア
ミンメタノール溶液をエタノールに溶かし、50mlの
オートクレーブ中で窒素雰囲気下、120℃で18時間
撹拌した。放冷後、析出した赤色結晶を濾過し、固体を
得た。濾液を3mlまで濃縮し、2次晶を得た。1次晶
と2次晶を合わせて1.56gの赤色結晶状の標記化合
物を得た(収率62%)。
【0220】1H−NMRスペクトル(CDCl3
液、δppm):2.22(3H、s)、2.50(4
H、m)、3.18(3H、s)、3.34(2H、
s)、3.56(2H、s)、3.86(4H、m)、
7.35(5H、s)。
【0221】実施例42A 5,6−ジヒドロ−4,7−ジメチル−6−オキソ−2−
ピペラジノ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン
(化合物番号464) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5,6−ジヒドロ−
4,7−ジメチル−6−オキソ(7H)ピロロピリミジ
ン(実施例41Aの化合物462)1.56g(4.6ミ
リモル)をエタノール60mlに溶かし、10% pd
/c 500mgを窒素雰囲気下で加え、70℃で2時
間撹拌した。反応後、pd-cを濾過し溶液を濃縮した
ところ、1.04gの淡黄色固体状の標記化合物を得た
(収率91%)。
【0222】1H−NMRスペクトル(CDCl3
液、δppm):2.24(3H、s)、2.92(4
H、m)、3.20(3H、s)、3.36(2H、
s)、3.82(4H、m)。
【0223】実施例43A 5,6−ジヒドロ−4,7−ジメチル−6−オキソ−2−
ピペラジノ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジンの
塩酸塩(化合物番号466) 5,6−ジヒドロ−4,7−ジメチル−6−オキソ−2−
ピペラジノ(7H)ピロロ[2,3−d]ピリミジン0.
20gを塩酸飽和エタノール20mlに溶かし、室温で
10分間撹拌した後、濃縮したところ、0.21gの淡
黄色固体状の標記化合物を得た。融点300℃以上。
【0224】実施例44A 2−(4−エトキシカルボニルメチルピペラジノ)−4
−イソプロピルアミノピリミジン−5−カルボン酸メチ
ル(化合物番号100) 2−ピペラジノ−4−イソプロピルアミノピリミジン−
5−カルボン酸メチル(特開昭61−140568号の
参考例69に従って製造した)0.9g(3.2mmo
l)、CHCl3 10ml、トリエチルアミン0.54
g(5.3mmol)の溶液に、ブロモ酢酸エチル0.5
g(3.1mmol)を加えて、室温で6時間撹拌し
た。その後、水とCHCl3を加えて抽出し、CHCl3
層を無水MgSO4で乾燥した。減圧下CHCl3を留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル)で精製して、目的物1.0g(収率88%)を
得た。
【0225】融点:78〜79℃、1 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m):1.27(6H、d、J=7Hz)、1.31(3
H、t、J=7Hz)、2.64(4H、m)、3.27
(2H、s)、3.82(3H、s)、3.96(4H、
m)、4.22(2H、q、J=7Hz)、4.26(1
H、m)、7.94(1H、br.d、J=7Hz)、
8.59(1H、s)。
【0226】実施例45A 2−ピペラジノ−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−
メチルアミノピリミジン(化合物番号138) 2−(4−ベンジルピペラジノ)−5−(2−ヒドロキ
シエチル)−4−メチルアミノピリミジン0.8g(2.
45mmol)、10%Pd−C 0.1g、エタノール
10mlの混合物を水素雰囲気下60℃で7時間撹拌し
た。反応混合物を放冷後、濾過で触媒を除き、濾液を濃
縮して表記化合物0.56g(収率96%)を結晶とし
て得た。
【0227】融点:195〜197℃、1 H−NMR(CDCl3−DMSO−d6 溶液、δpp
m):2.50(2H、t、J=7Hz)、2.92(3
H、s)、2.98(4H、m)、3.62(2H、t、
J=7Hz)、3.84(4H、m)、6.45(1H、
br)、7.58(1H、s)。
【0228】実施例46A 2−ピペラジノ−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−
メチルアミノピリミジンの2−ナフタレンスルホン酸塩
(化合物番号140) 2−ピペラジノ−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−
メチルアミノピリミジン0.19g(0.8mmol)の
エタノール30ml溶液に、2−ナフタレンスルホン酸
0.18g(0.8mmol)のエタノール10ml溶液
を加え、室温で30分撹拌した。反応混合物を濃縮後、
析出した固体をエーテル−トルエン−エタノールの混合
溶媒でスラリーした。固体を濾過し、減圧乾燥して表記
化合物0.2g(収率54%)を無色結晶として得た。
【0229】融点:215〜217℃。
【0230】実施例47A 6,7−ジメトキシ−2−(4−(3,4−ジメトキシベ
ンゾイルピペラジノ)キナゾリン(化合物番号944) 1−(3,4−ジメトキシベンゾイル)ピペラジン(特
開昭56−150072号に記載の方法で合成した。)
125mgと2−クロロ−6,7−ジメトキシキナゾリ
ン112mgにイソアミルアルコール2mlを加え、1
20℃で5.5時間撹拌した。イソアミルアルコールを
留去後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製
し、無色結晶状の標記化合物102mgを得た(収率4
7%)。
【0231】融点188〜190。
【0232】1H−NMR(CDCl3 溶液、δpp
m):3.78(4H、brs)、3.94(3H、
s)、3.97(3H、s)、3.99(3H、s)、
4.04(3H、s)、4.1(4H、brs)、6.8
〜7.2(5H、m)、8.85(1H、s)。
【0233】実施例48A 特開昭61−140568号に記載の方法に従って、本
願発明の上記式(I)に包含される化合物すなわち化合
物番号(204)、(206)、(300)、(30
2)、(304)、(306)、(308)、(40
0)、(402)、(404)、(406)、(40
8)、(420)、(422)、(424)、(42
8)、(432)、(452)、(454)、(50
0)、(502)、(504)、(506)、(60
0)、(602)、(604)、(606)、(60
8)、(610)、(612)、(614)、(61
6)、(618)、(620)、(622)、(62
4)、(626)、(628)、(630)、(63
2)、(634)、(700)、(701)、(70
2)、(704)、(706)、(707)、(70
8)、(710)、(712)、(714)、(71
6)、(718)、(720)、(722)、(72
4)、(726)、(728)、(730)、(73
2)、(734)、(736)、(738)、(74
0)、(742)、(744)、(746)、(74
8)、(800)、(802)、(804)、(80
6)、(936)、(938)、(940)、(94
2)も同様にして製造した。
【0234】それらの中から化合物番号700番代の幾
つかの化合物の物性値を示せば以下のとおりである。
【0235】化合物734 融点:170〜172℃ 赤外線吸収スペクトル(KBr 錠剤;cm-1) 1657、1618、15781 H−核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム;pp
m) 1.33(3H、t、J=7.2)、1.66(1H、
s)、2.17(3H、d、J=1.3)、2.94(4
H、m)、3.97(6H、m)、7.10(1H、q、
J=1.3)、9.24(1H、s)。
【0236】化合物714 融点:143℃ 赤外線吸収スペクトル(KBr 錠剤;cm-1) 3325、1660、1622、15761 H−核磁気共鳴スペクトル(重ジメチルスルホキシ
ド;ppm) 0.88(3H、t、J=8Hz)、1.66(2H、
m)、2.75(4H、t、J=6Hz)、2.8(1
H、2.75と重複)、3.76〜3.91(6H、
m)、6.22(1H、d、J=8Hz)、7.73(1
H、d、J=8Hz)、9.08(1H、s)。
【0237】化合物712 融点:161℃ 赤外線吸収スペクトル(KBr 錠剤;cm-1) 3430、1652、1618、15841 H−核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム;pp
m) 1.31(6H、d、J=8Hz)、2.92(4H、b
r.s)、3.92(4H、br.s)、5.05(1H、
seq、J=8Hz)、6.2(1H、br.s)、6.
29(1H、d、J=8Hz)、7.83(1H、d、
J=8Hz)、9.08(1H、s)。
【0238】化合物700 融点:252.8℃(エタノール再結晶) mass.:231(M+1 H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm in D
MSO d−6) 2.87(4H、br.s)、3.88(4H、br.
s)、5.73(1H、d、J=7Hz)、6.98(1
H、d、J=7Hz)、9.02(1H、s)。
【0239】化合物740 融点:231.7℃ 質量スペクトル:349(分子イオンピーク) 赤外線吸収スペクトル(KBr 錠剤;cm-1) 3400、2920、1654、1617、15741 H−核磁気共鳴スペクトル(重ジメチルスルホキシ
ド;ppm) 1.24(3H、t、J=7Hz)、2.96(4H、b
r.s)、3.80〜4.12(8H、m)、7.24(5
H、s)、7.80(1H、s)、8.06(1H、
s)。
【0240】化合物708 融点:149〜152℃ 赤外線吸収スペクトル(KBr、CHCl3;cm-1) 1655、1645、1620、15751 H−核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム;pp
m) 1.34(3H、t、J=7Hz)、1.87(1H、b
r.s)、2.94(4H、t、J=6Hz)、3.96
(6H、m)、6.27(1H、d、J=8Hz)、7.
29(1H、d、J=8Hz)、9.22(1H、
s)。
【0241】化合物706 オイル状態1 H−核磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム;δpp
m) 2.93(4H、m)、3.50(3H、s)、3.94
(4H、m)、4.40(1H、br.s)、6.25
(1H、d、J=8Hz)、7.25(1H、d、J=
8Hz)、9.23(1H、s)。
【0242】化合物742 融点:300℃以上 赤外線吸収スペクトル(ヌジョール;cm-1) 3400、1688、16551 H−NMRスペクトル(CDCl3 溶液、δpp
m): 1.40(3H、t、J=7.0Hz)、2.95(4
H、m)、4.08(6H、m)、8.19(1H、s)、
9.20(1H、s)、10.55(1H、s)。
【0243】実施例1B 活性成分10mgを含有する錠剤は以下のようにして製
造される。
【0244】 錠剤当り 活性成分 10mg トウモロコシデンプン 55mg 結晶セルロース 35mg ポリビニルピロリドン 5mg (10%水溶液として) カルボキシメチルセルロース・カルシウム 10mg ステアリン酸マグネシウム 4mgタルク 1mg 合計120mg 活性成分、澱粉および結晶セルロースを80メッシュふ
るいを通し、完全に混合する。得られた粉末にポリビニ
ルピロリドン溶液を混合し造粒した後、18メッシュの
ふるいを通す。このようにして製造した顆粒を50〜6
0℃で乾燥し、再度18メッシュのふるいにより整粒す
る。前もって80メッシュのふるいにかけておいたカル
ボキシメチルセルロースカルシウムおよびステアリン酸
マグネシウムおよびタルクを顆粒に加え、混合した後、
製錠機により各々120mgの重量の錠剤を製造する。
【0245】実施例2B 活性成分200mgを含有する錠剤は以下のようにして
製造される。
【0246】 錠剤当り 活性成分 200mg トウモロコシデンプン 50mg 結晶セルロース 42mg 軽質無水ケイ酸 7mgステアリン酸マグネシウム 1mg 合計300mg 上記成分を80メッシュふるいを通し、完全に混合す
る。得られた粉末を圧縮成形し、重量300mgの錠剤
を製造する。
【0247】実施例3B 活性成分100mgを含有するカプセル剤は以下のよう
にして製造される。
【0248】 カプセル当り 活性成分 100mg トウモロコシデンプン 40mg 乳糖 5mgステアリン酸マグネシウム 5mg 合計150mg 上記成分を混ぜ合せ、80メッシュふるいを通し、完全
に混合する。得られた粉末を150mgずつカプセルに
充填する。
【0249】実施例3B−1 活性成分5mgを含有するカプセル剤は以下のようにし
て製造される。
【0250】 カプセル当り 活性成分 5mg トウモロコシデンプン 10mg 乳糖 5mgステアリン酸マグネシウム 5mg 合計25mg 上記成分を混ぜ合せ、80メッシュふるいを通し、完全
に混合する。得られた粉末を25mgずつカプセルに充
填する。
【0251】実施例4B 活性成分5mgを含有するバイアル入り用時溶解注射剤
は以下のようにして製造される。
【0252】 バイアル当り 活性成分 5mg マンニトール 50mg 用時、注射用蒸留水1mlを用いて溶解し、使用する。
【0253】実施例5B 活性成分50mgを含有するアンプル入り注射剤は以下
のようにして製造される。
【0254】 アンプル当り 活性成分 50mg 塩化ナトリウム 18mg注射用蒸留水 適量 合計2ml実施例6B 活性成分17.5mgを含有する粘着性貼付製剤は以下
のようにして製造される。
【0255】ポリアクリル酸アンモニウム10部を水6
0部に溶解する。一方グリセリンジグリシジルエーテル
2部を水10部に加熱しつつ溶解する。更にもう一方で
ポリエチレングリコール(グレード400)10部、水
10部、活性成分1部を撹拌溶解する。ついでポリアク
リル酸アンモニウムの水溶液を撹拌しつつグリセリンジ
グリシジルエーテルの水溶液及びポリエチレングリコー
ルの活性成分含有水溶液を添加混合した薬物含有含水ゲ
ル用溶液を、柔軟性のあるプラスチックフィルムに活性
成分が平方センチメートル当り0.5mgとなるように
塗布し、表面を剥離紙で覆い35平方センチメートルに
切断し、製剤とした。
【0256】実施例7B 活性成分10mgを含有する粘着性貼付剤は以下のよう
にして製造される。
【0257】ポリアクリル酸ナトリウム100部、グリ
セリン100部、水150部、トリエポキシプロピルイ
ソシアヌレート0.2部、エタノール100部、ミリス
チン酸イソプロピル25部、プロピレングリコール25
部及び活性成分15部の混合水溶ゾル液を調製した。次
にこのゾル液をレーヨン不織布とポリエチレンフィルム
とからなる複合フィルムの不織布面に100μm厚に塗
布して薬剤含有の粘着剤層を形成した。この層中に含ま
れる放出補助物質(ミリスチン酸イソプロピルとプロピ
レングリコール)の含量は約20重量%であった。その
後25℃で24時間架橋し、上記粘着剤界面に剥離フィ
ルムを貼り合せ、更にこれを35平方センチメートルに
切断し製剤とした。
【0258】実施例8B ポリ(dl−乳酸−グリコール酸)共重合体(75:2
5)(分子量約2000)を塩化メチレン:n−プロパ
ノール(4:1)200mlに溶解し、5%の溶液を調
製した。次いで活性成分100mgを塩化メチレン:n
−プロパノール(4:1)50mlに懸濁した溶液を上
記の共重合体塩化メチレン:n−プロパノール溶液に加
え、撹拌機で1,000rpmで混合し、混合溶液にし
た。この混合溶液を予め40℃に保温しておいた1%ヒ
アルロン酸水溶液1000mlに加え、500rpmの
速度で撹拌し乳化させ、活性成分を含有するマイクロス
フイアを生成させた。次いで、このマイクロスフイアを
遠心分離により集め、予め40℃に保温してある蒸溜水
で6回洗浄し、室温で減圧乾燥した。以上の工程はすべ
て無菌的に行った。
【0259】実施例9B 活性成分10mg、ポリdl乳酸(数平均分子量200
0)100mgを塩化メチレン/エタノール混合溶液
(容量混合比5:1)0.6mlに溶解し、0.5%ポリ
ビニルアルコール水溶液200ml中にホモジナイザー
で乳化分散後、約4時間撹拌してo/w型液中、乾燥を
行って、油相を固化させた。生成したマイクロスフイア
を遠心分離機で捕集し、精製水で洗浄後、水に再分散し
て凍結乾燥し粉末として得た。以上の工程はすべて無菌
的に行った。
【0260】前記式(I)の化合物の神経系細胞に対す
る生物活性を in vitro で試験した。神経系細胞として
は樹立されたヒト神経芽腫瘍細胞GOTO株(Sekiguch
i, M., Oota, T., Sakakibara, K., Inui, N. & Fujii,
G., Japan. J. Exp. Med.,49,67−83(197
9)参照)及び神経芽腫瘍細胞NB−1株(Miyake,S.,
Shimo, Y., Kitamura, T., Nojyo, Y., Nakamura, T.,
Imashuku, S. and Abe, T., The Autonomic Nervous S
ystem, 10,115〜120(1973)参照)、ま
たマウス神経芽細胞腫 neuro-2a 株(大日本製薬)、
NS−20Y株などである。前記神経細胞を37℃の5
%炭酸ガスインキュベーター内で対数増殖期まで増殖さ
せ、ついで式(I)の化合物とともに一定時間培養し
た。その結果、式(I)の化合物はコントロールの培養
と比較しては、有意差をもって顕著に、また対照薬のイ
サキソニン(特公昭59−28548記載の化合物)と
比較しても同等以上の、神経細胞増殖促進活性、神経突
起形成および神経突起伸長促進活性を持つことが明らか
になった。
【0261】また上記の神経芽腫瘍細胞の他に、ラット
副腎髄質細胞PC−12株に対する本発明の式(I)の
化合物の生物活性を試験した。PC−12細胞株はNG
Fを添加処理することにより、神経突起が伸長するが、
その際、本発明化合物(I)を加えると、PC−12細
胞へのNGFの結合及びNGFの細胞内への取込みが増
加することが示された。
【0262】更にウサギ上顎神経節細胞(superior cer
vical ganglion)へのNGFの結合に対する本発明の化
合物(I)の効果を調べたところ、NGF結合を促進さ
せることが見い出された。
【0263】また、ラット、マウスの胎児あるいは新生
仔あるいは幼若仔の脳の各神経細胞あるいは脊髄細胞を
培養し、本発明化合物(I)を加えると、各神経系細胞
の神経突起形成および神経突起伸長が促進されることが
示された。
【0264】次に末梢神経障害モデルである坐骨神経、
総腓骨神経あるいは脛骨神経を圧挫したラットを作成
し、本発明の化合物の効果を試験したところ足指の指間
距離、歩行行動のおよびヒラメ筋、長趾伸筋、脛骨筋な
どの筋質量の正常値への回復に対して、また圧挫した部
位より一定距離はなれた神経部位に達する再生神経の
数、太さ、全横断面における単位面積当りの有髄神経軸
索数(軸索密度)、有髄軸索の短径および単位面積に占
める軸索面積の割合(軸索占有率)などの改善に対し
て、本発明化合物(I)は促進効果を有することが明ら
かになった。
【0265】また坐骨神経、総腓骨神経などを切断した
マウスに本発明化合物(I)を投与したところ、再生軸
索の発芽と伸長を促進することが示された。更に坐骨神
経を切断し、糸で縫合したラット、脛骨神経を切断し縫
合したラットあるいは神経と半腱様筋とを切断し、筋肉
を縫合したラットに本発明化合物(I)を投与したとこ
ろ、神経、筋の修復・再生を本発明化合物(I)は促進
することが明らかにされた。また舌下神経、視神経など
を切断されたラット、マウスあるいは脊髄を損傷された
ラット、ネコ、ウサギ、サルなどにおいて、本発明化合
物(I)を投与したところ、各動物の神経・筋等の障害
の修復、回復が促進されることも明らかにされた。
【0266】さらに中枢神経障害モデルをラット、マウ
ス等で作製し本発明の化合物(I)の薬効を試験した。
すなわち、まずラット脳の黒質ドーパミン細胞を、6−
ヒドロキシドーパミンの微量注入により化学的に破壊
し、運動障害を起こさせた。次に2週間後ラット脳の破
壊側の尾状核に胎児脳ドーパミン細胞を移植して運動障
害の改善を計った。すなわち、移植の日より、本発明の
化合物(I)を連日2週間 ip 投与し、運動障害の改善
および移植細胞の成育に対する作用を調べた。本発明の
化合物(I)は、運動障害の改善等への促進効果を有す
ることが明らかになった。
【0267】またイボテン酸、カイニン酸などを脳内に
注入して障害を起こしたラット、マウスに本発明化合物
(I)を投与したところ、障害の修復、回復の促進が観
察された。
【0268】また水銀中毒により神経障害をおこしたラ
ット、マウス等を作製し、本発明の化合物(I)の活性
を試験したところ、各神経、脊髄の修復・再生の促進が
みられ、症状の改善、正常状態への回復に対する促進効
果、治療効果を有することが示された。
【0269】このようにして、本発明の化合物(I)
は、哺乳動物の末梢神経障害あるいは中枢神経障害など
の各種神経疾患の改善・治療剤として有用であることが
明らかにされた。
【0270】これらの神経系疾患としては、各種のニュ
ーロパチーが代表としてあげられる。例えば、外傷性あ
るいは炎症性、免疫学的原因の神経根病変を含めて、運
動原性、知覚性およびあるいは客観性の反射遅滞を伴っ
た種々の末梢神経障害、およびアルコールや薬剤性の、
また糖尿病性等の代謝性の、また特発性の末梢神経障害
などがあげられる。より具体的には、顔面神経麻痺、坐
骨神経麻痺、正中神経麻痺、橈骨神経麻痺、尺骨神経麻
痺、手根管症候群、総腓骨神経麻痺など身体各部の神経
絞扼症候群(絞扼性神経障害)、圧迫性神経障害、また
神経形成不全(neuroaplasia)、ニューラプラクシー
(neurapraxia)、脊髄性筋萎縮症、筋ジストロフィ
ー、重症筋無力症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化
症、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、ワク
チン接種後脳炎、スモン、痴呆、アルツハイマー症候
群、脊髄損傷、頭蓋損傷予後、脳虚血、脳梗塞あるいは
脳出血後遺症、リウマチなどがあげられるが、これらに
限定されない。さらに本発明化合物の毒性試験を行った
ところ、その毒性は弱く、安全な医薬品として用いうる
ことがわかった。
【0271】実施例1C 本発明にかかわる化合物の神経芽腫瘍細胞に対する効果
を以下の方法で検討した。
【0272】すなわち対数増殖期の神経芽腫瘍細胞GO
TO株を牛胎児血清(FCS)を含んだ培養液[45%
RPMI 1640培地、45% Modified Eagle′s Me
dium(MEM培地)及び10%FCSより成り、ペニシ
リンGナトリウム(100unit/ml)及び硫酸ス
トレプトマイシン(100μg/ml)を含有する]を
用い、35mmポリスチレン製デイッシュ(コーニング
社製)に、各々2〜6×104 cells/皿となるよう2
mlずつ分注し、37℃で空気中に5%の炭酸ガスを含
む炭酸ガス培養器中で1〜2日培養した。次にこの培養
液を除いた後、新しい無血清の培養液(50%RPMI
培地及び50%MEM培地より成り、ペニシリンGナト
リウム、硫酸ストレプトマイシンは前記と同量含有)を
2mlを加え、その時同時に、予め滅菌した種々の濃度
の各化合物のPBS溶液(リン酸緩衝生理食塩水)をそ
れぞれの皿に加えた。そして24時間培養後に生細胞数
を測定し、またその際写真撮影を行い、写真から細胞あ
たりの神経突起の数及び長さを測定した。生細胞数は、
3〜6皿につきエリトロシン色素染色に対する抵抗性に
より計数し、神経突起の数及び長さについては、6枚の
写真(1枚につき200個以上の細胞)について測定し
た。
【0273】また簡便な評価法として、ヒト由来GOT
O株およびマウス由来 neuro−2e株の神経突起の長さ
が細胞の長径と同じかそれ以上の突起を持つ細胞の数を
全体の細胞数で割った比率を求める方法も用いた。結果
を表1および表2に示す。
【0274】更にまた検体の効果を試験する目的で以下
の方法も採用した。
【0275】すなわち、10%のFCSを含む培地 Dul
becco′s Modified Eagle′s Medium(DMEM)中で
対数増殖期のマウス neuro−2a 株の細胞を1,000c
ells/ウエル(well)となるように、48ウエルのプレ
ートにまいた。各ウエル0.25mlの培養液で、1日
培養し、そのあと各検体及びFCSを含む培地に換え2
4時間更に培養した。次に培地と同量(0.25ml)
の4%グルタルアルデヒド溶液を添加し、室温に2時間
放置し、細胞を固定した。水洗後、0.05%メチレン
ブルー水溶液を加え、細胞を染色し、顕微鏡下で肉眼的
に神経突起伸展細胞(細胞の長径の2倍以上の長さの突
起を1本以上有する細胞とした)をカウントし、全体の
細胞数に対する割合を求めた。ウエル中央の底につけた
マークを中心として左右連続5視野以上(ウエル全表面
積の2%以上)観察し、細胞数にして200個以上につ
いてカウントした。1薬剤最高6濃度をとり、1薬剤濃
度につき3例実施し、数値は平均値±S.D.で表わし
た。結果を表3に示す。
【0276】
【表1】
【0277】
【表2】
【0278】
【表3】
【0279】
【表4】
【0280】
【表5】
【0281】
【表6】
【0282】
【表7】
【0283】
【表8】
【0284】
【表9】
【0285】
【表10】
【0286】
【表11】
【0287】
【表12】
【0288】実施例2C 坐骨神経圧挫ラットに対する治療効果:末梢神経障害モ
デルの坐骨神経圧挫ラットに対する本発明の化合物(4
08)の治療効果を(1)圧挫側後肢の行動変化および
(2)筋重量の変化を末梢神経の変性と再生過程の指標
として試験した。
【0289】実験にはウイスター系雄性ラット(6週
令)を1群7匹使用した。坐骨神経圧挫は、山津らの方
法(山津清実、金子武稔、北原晟文、大川功、日薬理
誌、72、259〜268(1976)参照)および長
谷川らの方法(長谷川和雄、三国直二、酒井豊、日薬理
誌、74、721〜734(1978)参照)に従って
行った。すなわち、ベントバルビータル麻酔下(40m
g/kg、i.p.)に左側坐骨神経を大腿部で露出し、
脛骨神経と腓骨神経の分岐部より5mm中枢部を巾2m
m、すき間0.1mmをもった改造動脈クレンメを使用
して、5分間圧挫した。術後、無作為に各試験群に振り
分けた。
【0290】薬剤としては、本発明の化合物(408)
を選び、圧挫同日より22日目まで1日1回腹腔内投与
した。対照群として、メコバラミン(Gedeon Richter L
td.製)投与群及び0.9%生理食塩水投与群をもうけ
た。各測定項目は圧挫後経時的(1、4、7、10、1
4、17、21、23日目)に測定した。
【0291】(1) 圧挫側後肢の行動変化 神経の変性と再生を機能面から示す良い指標であり、ま
た経日的にその変動を測定することができる利点を有し
ている指間距離の測定を行った。
【0292】指間距離の測定は長谷川の方法(Hasegaw
a、K.,Experientia、34、750〜751)(197
8)参照)に従って後肢の第1指と第5指の間の距離を
測定した。
【0293】圧挫側の距離の正常側の距離に対する比率
を求め%で表わし、その平均値と標準誤差(S.E.)を
表4に示す。
【0294】対照である生理食塩水投与群に対して、試
験群の測定値がスチューデントのt−検定で有意差のあ
ったものは数値の右肩に、p<0.05のものは*印
を、p<0.01のものは**印を付記した。
【0295】圧挫間の指間距離は圧挫直後より正常側の
約半分(50%)の値を示し、10日目まで下り気味の
状態が続き、各群間の差は認められなかった。14日目
及び17日目に、薬剤投与各群の回復が進んだが、生食
群との有意差は出なかった。21日目には検体投与群お
よびメコバラミン投与群は生食群よりも明らかに回復を
早める傾向が見られ、生食群に比し有意差も示された。
23日目にも回復は進んだ。
【0296】(2) 筋重量の変化 除神経あるいは神経の障害により、その支配下筋の萎縮
が起こり、それが神経の再支配により徐々に回復するこ
とが知られ、定量性の筋重量の変化を指標として選ん
だ。術後23日目にベントバルビタール麻酔下に両後肢
のヒラメ筋を摘出しその重量を測定した。圧挫側ヒラメ
筋の重量の正常側ヒラメ筋重量に対する比率を求め%で
表わした。各群の測定値の平均値をその標準誤差(S.
E.)とともに表4に示す。
【0297】別の実験の経験では、生食投与群では、筋
重量は圧挫2日目より減少し始め、正常側の約90%と
なり、10〜14日目ではそれは最低の40%程度とな
り、筋萎縮は最高に達した。その後、徐々に回復を始め
た。
【0298】本実験では21日目に用量依存的に、本発
明化合物投与群が生食投与群に比し有意差をもって、筋
重量の回復を促進していることが明らかになった。
【0299】実施例2C−1 坐骨神経切断ラットに対する修復治療効果 体重200gのウイスターラットの右坐骨神経を膝窩分
岐部より1cm近位で切断後、10−0ナイロン糸で縫
合し、術直後より本発明の化合物(604)を1mg/
kg/日(1mg群)、5mg/kg/日(5mg群)
を腹腔内投与した群と生食のみ(対照群)を投与した群
を作製した。術後1週から6週まで毎週、ラットの後足
に墨汁を塗って指間距離比率 Toe Spread Index(TS
I)[正常側の第1指と第5指の間の距離−実験側のこ
の距離/正常側のこの距離]を計測した。また、毎週各
群5匹ずつの坐骨神経を坐骨切痕で刺激して、腓腹筋に
刺入した針電極で誘発筋電図を記録した後、後脛骨神経
を足関節レベルで採取して、常法によりエポン包埋し薄
切標本を作製した。800倍の光顕写真で単位面積あた
りの有髄軸索数(軸索密度)と有髄軸索の短径および単
位面積に占める軸索面積の割合(軸索占有率)を求め
た。さらに、電顕で軸索再生過程を観察した。 [結果] Wilcoxon 検定によれば、TSIは2週で5
mg群と1mg群が対照群より小さかった(p<0.0
5)。組織学的検討で、各群とも3週より再生軸索が観
察され、6週で小さな minifascicle の形成を認めた。
軸索密度は5週で5mg群が1mg群より大きく(p<
0.05)、6週で1mg群と5mg群が対照群より大
きかった(p<0.01)。軸索短径は4週で5mg群
が1mg群に対して有意に大きかった(p<0.0
5)。また、軸索占有率は5週で5mg群が1mg群と
対照群に比べて大きく(p<0.01)、6週でも1m
g群と5mg群が対照群より大きかった(p<0.0
1)。以上より本発明の化合物(604)は神経再生に
対し促進的に働くと考えられた。
【0300】実施例2C−2 末梢神経・筋切断ラットに対する治療効果 雄性9週令SD系ラットの坐骨神経・半腱様筋枝(脛骨
側)と半腱様筋を麻痺下切断し、直ちに筋肉を縫合し
た。術後直後から本発明の化合物(604)を5mg/
kg/日腹腔内投与する群30匹と生食のみを投与する
群(対照群)30匹、更に手術をしない intact な、生
食のみを投与する群(intact 群)36匹の各ラットを
用意し、12週間連続投与した。各週ごとに神経・筋接
合部 end plates の数、筋線維型の数とその割合、密度
などを測定した。
【0301】[結果] 本発明の化合物(604)は術
後2週目の神経・筋接合部 end plates の数を対照群の
2.5倍にし、増加速度を速めた。また化合物(60
4)は、4週目に一過性に筋線維数を正常 intact 群の
1.5倍ほど増加させた(p<0.01)のに対し、対照
群は intact 群に比して10数%減少した。そして8週
目には化合物(604)投与群の筋線維数が正常値に戻
ったのに対し、対照群は12週目にも30%もの筋線維
ロスが生じた(p<0.01)。この実験系では除神経
側(脛骨側)の筋線維ロスが顕著であるが、本発明の化
合物(604)は、神経の再支配を促進し、筋線維のロ
スをほぼ完全に防止することが示され、前記の各種の神
経・筋障害疾患の改善、治療に有効な薬物であると考え
られた。
【0302】実施例2C−3 有機水銀中毒性神経障害ラットに対する治療効果 体重250〜270gのWKAラットを各群6匹ずつの
3群に分け、塩化メチル水銀(以下MMC)を1回、4
mg/kg、胃ゾンデを用いて隔日8回投与し、投与終
了1週間後より、1群には本発明の化合物(604)を
10mg/kg連日8週間腹腔内投与し、2群には mec
obalamin (以下MCB)を0.5mg/kg連日8週間
腹腔内投与し、3群には生食を同様に投与した。投与後
各群のラットを屠殺し、神経脊髄の障害を形態学的に観
察した。生食投与群では末梢神経に異常線維が多数(1
5〜20%)認められたのに対して、化合物(604)
投与群、MCB投与群では異常神経数がそれぞれ、平均
3.5%、平均5.2%と極めて少なく、これら薬剤によ
る治療効果が示された。また脊髄後索での変性について
は、生食投与群では多数の(平均12〜20線維/脊髄
後索)変性神経を認めたのに対し、MCB投与群では平
均5〜8線維/脊髄後索であり、化合物(604)投与
群では殆ど変性線維が認められず、脊髄枝変性に対して
化合物(604)の高い治療効果が明らかとなり、前記
の様々な神経系障害に本発明化合物は有効であると考え
られた。
【0303】
【表13】
【0304】実施例3C ラット脳細胞障害による運動障害の、胎児脳細胞移植に
よる改善に対する促進効果。
【0305】雌性ウイスター系4週令ラット(体重10
0g)の脳左側黒質ドーバミン細胞を6−ヒドロキシド
ーバミンの微量注入により破壊した。破壊ラットは数日
間にわたり、破壊と反対側に自発回転傾向を示したが、
その後は見かけ上、行動異常を示さなかった。破壊ラッ
トにメタンフエタミン(5mg/kg、i.p.)投与を
行うと、破壊側に回転運動を起こした。
【0306】薬剤破壊から2週間後、胎生14〜17日
のラット胎児脳の脳幹よりドーバミン細胞を含む部分
(黒質および腹側被蓋部)を切り出し、細切後、トリブ
シン処理、37℃、30分インキュベートし、その後ピ
ペッティングにより組織をサスペンジョンとした。つい
で破壊側の尾状核にこのサスペンジョンを5μlずつ2
ケ所に合計10μl(細胞として約105個)移植し
た。
【0307】移植の日から薬剤を100mg/kg i.
p.で連日2週間投与した。メタンフエタミン投与惹起
の回転運動を、移植および薬剤投与の2週間前、1週間
前、2週間後および4週間後について調べた。メタンフ
エタミン投与後10分おきに6回、最初の1分間につい
て回転運動数を数え、総計して1分間あたりの平均回転
運動数を算出した。
【0308】結果を表5にまとめて示す。
【0309】
【表14】
【0310】表5に示された結果から、薬剤投与後2週
間および4週間のラットは、生食投与ラットに比較し
て、回転運動数が減り、化合物(I)は神経修復、再生
の促進効果、運動機能の回復効果を有することが明らか
となった。
【0311】実施例4C 本発明にかかる化合物の急性毒性を以下の方法で検討し
た。
【0312】すなわち、動物は雄性ddy系5週令マウ
スおよび雄性ウイスター系8週令ラット5匹を1群とし
て使用した。化合物は生理食塩水に溶解して経口(P.
O.)投与し、投与24時間後に毒性を判定した。結果
を表6および表7に示した。
【0313】
【表15】
【0314】
【表16】
【0315】
【発明の効果】本発明の一般式(I)の化合物は前記の
ように神経系細胞の増殖や神経突起の形成および伸長に
促進的な効力を持ち、また神経障害ラット、マウス等に
おいても神経再生効果および運動機能回復効果を有し、
抹消神経障害や中枢神経障害などの神経系疾患の改善、
治療に好適に使用されうる。また、知覚・感覚機能及び
自律機能に関与する神経組織・細胞の障害に起因する神
経系疾患の回復および改善治療にも好適に使用されるこ
とが期待される。
【0316】本発明の化合物(I)は、実施例1C、表
1、表2および表3に示すように、対照のイサキソニン
同等以上の生物学的活性を持つことが明らかにされた。
また本発明の化合物(I)の毒性は、実施例4C、表6
および表7に示すように一般に弱い。本発明の化合物
(I)はこのように、一般に活性が高くまた毒性が弱
い、安全性の高い薬剤と考えられる。
【0317】尚、本発明の関連事項を列記すれば次のと
おりである。
【0318】1.下記式(I)
【0319】
【化41】
【0320】ここで、R1は水素原子、炭素数2〜4の
アシル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭
素数3〜5のアルコキシカルボニルメチル基、ベンジル
基、3,4−ジメトキシベンゾイル基又は3,4−メチレ
ンジオキシベンジル基であり;R2は水素原子、アミノ
基、炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基、炭素数1〜
5のアルコキシ基又は炭素数2〜4のアルコキシカルボ
ニル基であり;R3は水素原子、炭素数2〜4のアルコ
キシカルボニル基、各アルキル基の炭素数が1〜9のジ
アルキルアミノカルボニル基、炭素数1〜5のアルコキ
シ基又はヒドロキシエチル基であり;又はR2とR3は、
それらが結合している炭素原子と一緒になって、4〜7
員の炭素環又は異節原子がN、OもしくはSである複素
環を形成することができ、そしてR4は水素原子、炭素
数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルキルチオ
基である、で表わされるピリミジン類又はその薬学的に
許容しうる塩を活性成分として含有することを特徴とす
る神経疾患用治療薬。
【0321】2.下記式(I)−a
【0322】
【化42】
【0323】ここで、R1およびR4の定義は上記式
(I)に同じであり、そして11は2、3又は4の数で
ある、で表わされるピリミジン類又はその薬学的に許容
される塩を活性成分とする1に記載の治療薬。
【0324】3.下記式(I)−b
【0325】
【化43】
【0326】ここで、R1およびR4の定義は上記式
(I)に同じであり、Xは=O又は=N−R5であり、
5はヒドロキシル基、ベンゼンスルホニルオキシ基又
はトルエンスルホニルオキシ基であり、そして12
2、3又は4の数である、で表わされるピリミジン類又
はその薬学的に許容される塩を活性成分とする1に記載
の治療薬。
【0327】4.下記式(I)−c
【0328】
【化44】
【0329】ここで、R1およびR4の定義は上記式
(I)に同じであり、R6は水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基又は炭素数2〜4のアルキル基が炭素数1〜
4のアルコキシ基で置換されたアルコキシアルキル基で
あり;R7およびR8は、同一もしくは異なり、水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基であり、そして13は2
で且つ14は0であるか又は13は0で且つ14は1であ
る、で表わされるピリミジン類又はその薬学的に許容さ
れる塩を活性成分とする1の治療薬。
【0330】5.下記式(I)−d
【0331】
【化45】
【0332】ここで、R1およびR4の定義は上記式
(I)に同じであり、R9は水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基であり、そして15は2又は3の数であ
る、で表わされるピリミジン類又はその薬学的に許容さ
れる塩を活性成分とする1に記載の治療薬。
【0333】6.下記式(I)−e
【0334】
【化46】
【0335】ここで、R1およびR4の定義は上記式
(I)に同じであり、R10は水素原子、炭素数1〜10
のアルキル基、炭素数1〜4のアシル基又はカルバモイ
ルメチル基であり、そして16は1又は2の数である、
で表わされるピリミジン類又はその薬学的に許容される
塩を活性成分とする1に記載の治療薬。
【0336】7.下記式(I)−f
【0337】
【化47】
【0338】ここで、R1およびR4の定義は上記式
(I)に同じであり、R11は水素原子、ホルミル基、炭
素数1〜4のアルキル基又は炭素数7〜9のアラルキル
基であり、そしてR12は水素原子、炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数3〜4のアルケニル基、炭素数2〜4の
ヒドロキシアルキル基、炭素数2〜4のアルキル基が炭
素数1〜4のアルコキシ基で置換されたアルコキシアル
キル基、ベンジル基、又は炭素数3〜6のシクロアルキ
ル基である、で表わされるピリミジン類又はその薬学的
に許容される塩を活性成分とする1に記載の治療薬。
【0339】8.下記式(I)−g
【0340】
【化48】
【0341】ここで、R1およびR4の定義は上記式
(I)に同じであり、R13およびR14は、同一もしくは
異なり、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であ
り、そして17は0、2又は3の数である、で表わされ
るピリミジン類又はその薬学的に許容される塩を活性成
分とする1に記載の治療薬。
【0342】9.下記式(I)−h
【0343】
【化49】
【0344】ここで、R1およびR4の定義は上記式
(I)に同じであり、E−Gは、−OCH2CH2−、−
OC(CH3)=CH−、−CH2OCO−、−OCOCH
2−、−CH2C(CH3)OCO−、−N(CH3)CH2
2−、−CH=CH−CH=CH−、−CH=C(OC
3)−C(OCH3)=CH−、又は
【0345】
【化50】
【0346】である、で表わされるピリミジン又はその
薬学的に許容される塩を活性成分とする1に記載の治療
薬。
【0347】10.上記薬学的に許容される塩が塩酸
塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性
リン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク
酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸、クエン酸塩、グル
コン酸塩、糖酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエン
スルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩および第4級ア
ンモニウム塩より成る群から選らばれる1に記載の治療
薬。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 譚 健栄 神奈川県鎌倉市雪の下一丁目12番25号 (72)発明者 堀込 和利 千葉県茂原市萩原町一丁目103番地 (72)発明者 佐々木 忠之 千葉県茂原市東郷2142番地 (72)発明者 横山 恵一 山口県岩国市御庄二丁目103番9号 (72)発明者 大野 裕康 山口県岩国市室の木町一丁目2番6号 (72)発明者 加藤 穂滋 山口県玖珂郡和木町和木三丁目5番3号 (72)発明者 北原 巧 広島県大竹市御園一丁目3番4号 (72)発明者 冨野 郁夫 広島県大竹市御園一丁目2番7号 (72)発明者 諌山 滋 東京都渋谷区元代々木町49−20−506

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I] 【化1】 (式中、R1は水素又はベンジル基であり、R2は水素又
    は低級アルキル基であり、R3は低級アルキル基、低級
    アシル基、低級アルコキシルカルボニルメチル基又はカ
    ルバモイルメチル基である。但し、R3が低級アルキル
    基であるときはR2は低級アルキル基である。)で表わ
    される2−ピペラジノ−5−オキソ−5,6−ジヒドロ
    (7H)ピロロ[3,4−d]ピリミジン誘導体または
    その薬学的に許容される塩。
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