JPH08321262A - 色選別機構用マスク及びその製造方法とこれを用いたブラウン管 - Google Patents
色選別機構用マスク及びその製造方法とこれを用いたブラウン管Info
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- JPH08321262A JPH08321262A JP12777995A JP12777995A JPH08321262A JP H08321262 A JPH08321262 A JP H08321262A JP 12777995 A JP12777995 A JP 12777995A JP 12777995 A JP12777995 A JP 12777995A JP H08321262 A JPH08321262 A JP H08321262A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 色選別機構用マスクにおいて、応力付加があ
ってもパーミアンスの低下が少ないものを提供すること
を目的とする。 【構成】 鉄板若しくは鉄板の上に導電性層を形成した
板を基板として、鉄含有量が13〜21重量%、好まし
くは14〜19重量%の鉄ーニッケル合金メッキ膜を形
成したことを特徴とする。また、上記色選別機構用マス
クで、合金メッキ膜の厚さが3μm以上55μm以下、
好ましくは3μm以上50μm以下であり、基板と合金
メッキ膜の膜厚差が35%以内、好ましくは30%以内
であることを特徴とする。さらに、少なくとも鉄板から
なる基板に、電気メッキにより鉄含有量が14〜19重
量%の鉄ーニッケル合金メッキ膜を形成した後、エッチ
ングにより所望のパターンを形成する色選別機構用マス
クの製造方法を特徴とする。またこれを使用したブラウ
ン管を提供する。
ってもパーミアンスの低下が少ないものを提供すること
を目的とする。 【構成】 鉄板若しくは鉄板の上に導電性層を形成した
板を基板として、鉄含有量が13〜21重量%、好まし
くは14〜19重量%の鉄ーニッケル合金メッキ膜を形
成したことを特徴とする。また、上記色選別機構用マス
クで、合金メッキ膜の厚さが3μm以上55μm以下、
好ましくは3μm以上50μm以下であり、基板と合金
メッキ膜の膜厚差が35%以内、好ましくは30%以内
であることを特徴とする。さらに、少なくとも鉄板から
なる基板に、電気メッキにより鉄含有量が14〜19重
量%の鉄ーニッケル合金メッキ膜を形成した後、エッチ
ングにより所望のパターンを形成する色選別機構用マス
クの製造方法を特徴とする。またこれを使用したブラウ
ン管を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーブラウン管の色選
別機構用マスク及びこの製造方法とこれを用いたブラウ
ン管に関し、詳しくはブラウン管に組み込んだ状態でも
パーミアンスの低下のない色選別機構用マスク及びその
製造方法さらに、これを用いたブラウン管に関するもの
である。
別機構用マスク及びこの製造方法とこれを用いたブラウ
ン管に関し、詳しくはブラウン管に組み込んだ状態でも
パーミアンスの低下のない色選別機構用マスク及びその
製造方法さらに、これを用いたブラウン管に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラーテレビ装置はほとんど
が、表示器にカラーブラウン管を用いている。このカラ
ーブラウン管内には、テンションがかかっていないシャ
ドウマスク型、又は同義語としてのテンションがかかっ
ているアパーチャグリル型の色選別機構用マスクを備え
ている。この色選別機構用マスクとして、純鉄に近い低
炭素鋼又は低膨張率の特殊鋼の鉄板に、円形又は矩形、
スリット形等の電子ビーム通過孔部(アパーチャ)が穿
設されたものが一般的である。また、色選別機構用マス
ク型カラーブラウン管は、一般家庭用、モニター用、デ
ィスプレー用、情報機器用などの表示器として多彩に使
用されているが、家庭用の色選別機構用マスクの孔のピ
ッチは600〜700μm程度であり、高品位カラーブ
ラウン管の場合は300μm以下が要求される精細なも
ので、色選別機構用マスクの板厚としては0.1〜0.
2mm程度のものが一般に用いられている。
が、表示器にカラーブラウン管を用いている。このカラ
ーブラウン管内には、テンションがかかっていないシャ
ドウマスク型、又は同義語としてのテンションがかかっ
ているアパーチャグリル型の色選別機構用マスクを備え
ている。この色選別機構用マスクとして、純鉄に近い低
炭素鋼又は低膨張率の特殊鋼の鉄板に、円形又は矩形、
スリット形等の電子ビーム通過孔部(アパーチャ)が穿
設されたものが一般的である。また、色選別機構用マス
ク型カラーブラウン管は、一般家庭用、モニター用、デ
ィスプレー用、情報機器用などの表示器として多彩に使
用されているが、家庭用の色選別機構用マスクの孔のピ
ッチは600〜700μm程度であり、高品位カラーブ
ラウン管の場合は300μm以下が要求される精細なも
ので、色選別機構用マスクの板厚としては0.1〜0.
2mm程度のものが一般に用いられている。
【0003】また、色選別機構用マスクの一般的な製造
方法としては、室温でのパーミアンス(比透磁率×膜厚
と定義する。以下同じ)に優れている純鉄の薄板を素材
として用い、脱脂等の前処理の後、フォトレジストを塗
布乾燥し、露光工程でパターンを焼き付け、塩化第2鉄
溶液等のエッチング工程で所定の孔加工を行ない、さら
にフォトレジスト層を除去して色選別機構用マスクの原
板を作成する。つぎに、ブラウン管用のフレーム(支持
用枠)に色選別機構用マスクを溶接組立てて、更に加熱
による黒化処理を施して、色選別機構用マスク組立体を
製作している。また、該色選別機構用マスク組立体はそ
の後、ブラウン管のパネルにスラリーを塗布乾燥後、色
選別機構用マスク組立体を嵌入して、露光し、各色毎に
パネルに蛍光体を形成し、その後ファンネル部及び、電
子銃のネック部を組み合わせて、カラーブラウン管がで
きあがる。そうして、色純度調整で偏向ヨークを組み合
わせ全体的に一様な原色ラスターが得られる。こうして
できあがったブラウン管は、1個又は3個の電子銃から
発した電子流が、色選別機構用マスクのアパーチャに集
中し、3色分離して各蛍光体を照らすことでカラー表示
がなされる。
方法としては、室温でのパーミアンス(比透磁率×膜厚
と定義する。以下同じ)に優れている純鉄の薄板を素材
として用い、脱脂等の前処理の後、フォトレジストを塗
布乾燥し、露光工程でパターンを焼き付け、塩化第2鉄
溶液等のエッチング工程で所定の孔加工を行ない、さら
にフォトレジスト層を除去して色選別機構用マスクの原
板を作成する。つぎに、ブラウン管用のフレーム(支持
用枠)に色選別機構用マスクを溶接組立てて、更に加熱
による黒化処理を施して、色選別機構用マスク組立体を
製作している。また、該色選別機構用マスク組立体はそ
の後、ブラウン管のパネルにスラリーを塗布乾燥後、色
選別機構用マスク組立体を嵌入して、露光し、各色毎に
パネルに蛍光体を形成し、その後ファンネル部及び、電
子銃のネック部を組み合わせて、カラーブラウン管がで
きあがる。そうして、色純度調整で偏向ヨークを組み合
わせ全体的に一様な原色ラスターが得られる。こうして
できあがったブラウン管は、1個又は3個の電子銃から
発した電子流が、色選別機構用マスクのアパーチャに集
中し、3色分離して各蛍光体を照らすことでカラー表示
がなされる。
【0004】ここで、色選別機構用マスクの素材として
は、純鉄が多く用いられるが、その理由は価格が安い、
パーミアンスが大きい、製造方法が比較的易しい、成形
性に優れるなどの理由によるものである。しかし、加熱
による黒化処理によってパーミアンスが低下したり、テ
ンションが加わる色選別機構用マスクで応力がかかって
いない状態ではある程度のパーミアンスを有してはいる
が、ブラウン管用の鋼枠のフレームに固定する際に純鉄
のほぼ破断限界迄引っ張りながら溶接組立を行うため、
引っ張り応力が生じ、そのために純鉄のパーミアンスが
大幅な低下を引き起こし、当初のパーミアンスに対し組
立後には低下したパーミアンスで使用することとなり、
期待される磁気シールド性の劣化が生じてしまう。
は、純鉄が多く用いられるが、その理由は価格が安い、
パーミアンスが大きい、製造方法が比較的易しい、成形
性に優れるなどの理由によるものである。しかし、加熱
による黒化処理によってパーミアンスが低下したり、テ
ンションが加わる色選別機構用マスクで応力がかかって
いない状態ではある程度のパーミアンスを有してはいる
が、ブラウン管用の鋼枠のフレームに固定する際に純鉄
のほぼ破断限界迄引っ張りながら溶接組立を行うため、
引っ張り応力が生じ、そのために純鉄のパーミアンスが
大幅な低下を引き起こし、当初のパーミアンスに対し組
立後には低下したパーミアンスで使用することとなり、
期待される磁気シールド性の劣化が生じてしまう。
【0005】この磁気シールド性の劣化により電子ビー
ムのミスランディング等の現象が生じ、色ずれの問題な
どがあった。これは、カラーブラウン管が高精細になる
ほどその問題が大きくなってきている。
ムのミスランディング等の現象が生じ、色ずれの問題な
どがあった。これは、カラーブラウン管が高精細になる
ほどその問題が大きくなってきている。
【0006】一方、色選別機構用マスクの素材として、
パーミアンスに優れ、且つ引っ張り応力が掛かった状態
でも、その低下が少ないパーマロイを用いようとする試
みがある。このパーマロイは、一般には鉄ーニッケル系
合金を指す軟質磁性合金であり、高パーミアンス合金で
あり、JISC2531−1971に規定されている。
パーミアンスに優れ、且つ引っ張り応力が掛かった状態
でも、その低下が少ないパーマロイを用いようとする試
みがある。このパーマロイは、一般には鉄ーニッケル系
合金を指す軟質磁性合金であり、高パーミアンス合金で
あり、JISC2531−1971に規定されている。
【0007】しかしながら、色選別機構用マスクの全体
をパーマロイで構成すると、そのコストが純鉄と比較し
て大幅に上昇するのみならず、硬く脆いためにエッチン
グ性に劣り、また表面の粗さが大きいため、ブラウン管
パネルに蛍光体を形成する露光工程でのエッチングパタ
ーンの再現性・確実性が著しく不足するなどの問題点が
あった。
をパーマロイで構成すると、そのコストが純鉄と比較し
て大幅に上昇するのみならず、硬く脆いためにエッチン
グ性に劣り、また表面の粗さが大きいため、ブラウン管
パネルに蛍光体を形成する露光工程でのエッチングパタ
ーンの再現性・確実性が著しく不足するなどの問題点が
あった。
【0008】また、先行技術として、特開昭60−30
038号公報があり、本公報には、型形成の電鋳法で得
られる色選別機構用マスクが軟鋼、鉄ーニッケル系合
金、鉄ーニッケルーコバルト系合金の単独層、あるいは
軟鋼の層と鉄ーニッケル系合金の層の複合層であること
が開示されている。しかし、本公報では電鋳法によって
均一な合金層を形成することは困難で、均一性がないた
めに機械的強度にばらつきが生じ、色ずれの原因となっ
てしまっていた。
038号公報があり、本公報には、型形成の電鋳法で得
られる色選別機構用マスクが軟鋼、鉄ーニッケル系合
金、鉄ーニッケルーコバルト系合金の単独層、あるいは
軟鋼の層と鉄ーニッケル系合金の層の複合層であること
が開示されている。しかし、本公報では電鋳法によって
均一な合金層を形成することは困難で、均一性がないた
めに機械的強度にばらつきが生じ、色ずれの原因となっ
てしまっていた。
【0009】また、この欠点を解消すべく、特開平5−
345994号公報があり、本公報には、寸法精度を満
足し、均一な機械的強度および黒色被膜を得ることがで
き、黒色化処理の際に変形がを生じないことを目的とし
て、金属体と絶縁体で形成された基板の絶縁体をパター
ニングすることにより露出した金属面に電気ニッケルめ
っきを施し、形成されたニッケル被膜を該基板から剥離
させ、剥離した該ニッケル被膜表面に電気鉄メッキ被膜
を形成する色選別機構用マスク製造方法について開示し
ている。
345994号公報があり、本公報には、寸法精度を満
足し、均一な機械的強度および黒色被膜を得ることがで
き、黒色化処理の際に変形がを生じないことを目的とし
て、金属体と絶縁体で形成された基板の絶縁体をパター
ニングすることにより露出した金属面に電気ニッケルめ
っきを施し、形成されたニッケル被膜を該基板から剥離
させ、剥離した該ニッケル被膜表面に電気鉄メッキ被膜
を形成する色選別機構用マスク製造方法について開示し
ている。
【0010】さらに、上記公報と同一目的として、特開
平5−345995号公報には、金属体と絶縁体で形成
された基板の絶縁体をパターニングすることにより露出
した金属面に電気鉄めっきを施し、形成された該鉄めっ
き被膜上に電気ニッケルめっき被膜を形成し、更に該ニ
ッケル被膜上に電気鉄メッキ被膜を形成した後該基板か
ら積層した被膜層を剥離して、鉄ーニッケルー鉄の3層
構造とした色選別機構用マスク製造方法について開示し
ている。
平5−345995号公報には、金属体と絶縁体で形成
された基板の絶縁体をパターニングすることにより露出
した金属面に電気鉄めっきを施し、形成された該鉄めっ
き被膜上に電気ニッケルめっき被膜を形成し、更に該ニ
ッケル被膜上に電気鉄メッキ被膜を形成した後該基板か
ら積層した被膜層を剥離して、鉄ーニッケルー鉄の3層
構造とした色選別機構用マスク製造方法について開示し
ている。
【0011】しかしながら、上記各公報には、色選別機
構用マスクと応力との関係については記載されてなく、
テンションをかける方式の場合、色選別機構用マスクを
フレームに溶接組み込む際に生じる応力によって、色選
別機構用マスクのパーミアンスが低下してしまうことに
は一切着目されていない。また、黒化処理時の熱による
パーミアンスの低下についても着目されていなかった。
従って、上述の色選別機構用マスクへの応力によるパー
ミアンスの低下を防止するなんらの解決策を見いだすこ
とはできていなかった。
構用マスクと応力との関係については記載されてなく、
テンションをかける方式の場合、色選別機構用マスクを
フレームに溶接組み込む際に生じる応力によって、色選
別機構用マスクのパーミアンスが低下してしまうことに
は一切着目されていない。また、黒化処理時の熱による
パーミアンスの低下についても着目されていなかった。
従って、上述の色選別機構用マスクへの応力によるパー
ミアンスの低下を防止するなんらの解決策を見いだすこ
とはできていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の欠点を解消し、鉄ーニッケル合金であってもその平坦
性及び組成再現性に優れ、引っ張り応力下であってもパ
ーミアンスの低下が少なく、さらに黒色化処理工程での
加熱後でもパーミアンスの低下が少ない、従って、色ず
れ等の問題が生じない色選別機構用マスク及びその製造
方法又はそれを使用したブラウン管を提供することにあ
る。
の欠点を解消し、鉄ーニッケル合金であってもその平坦
性及び組成再現性に優れ、引っ張り応力下であってもパ
ーミアンスの低下が少なく、さらに黒色化処理工程での
加熱後でもパーミアンスの低下が少ない、従って、色ず
れ等の問題が生じない色選別機構用マスク及びその製造
方法又はそれを使用したブラウン管を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、鉄板若しくは鉄板の上に導電性層を形成し
た板を基板として、鉄含有量が13〜21重量%の鉄ー
ニッケル合金メッキ膜を、好ましくは14〜19重量%
の鉄ーニッケル合金メッキ膜を形成したことを特徴とす
る色選別機構用マスクを提供するものである。これによ
り黒色化処理前からフレームに溶接組み込み後における
パーミアンスの変化が極めて少ない色選別機構用マスク
を得ることができる。
成するため、鉄板若しくは鉄板の上に導電性層を形成し
た板を基板として、鉄含有量が13〜21重量%の鉄ー
ニッケル合金メッキ膜を、好ましくは14〜19重量%
の鉄ーニッケル合金メッキ膜を形成したことを特徴とす
る色選別機構用マスクを提供するものである。これによ
り黒色化処理前からフレームに溶接組み込み後における
パーミアンスの変化が極めて少ない色選別機構用マスク
を得ることができる。
【0014】また、上記色選別機構用マスクで、鉄ーニ
ッケル合金メッキ膜の厚さが3μm以上55μm以下で
あり、好ましくは3μm以上50μm以下であり、より
好ましくは10μm以上50μm以下であり、また基板
の両面の合金メッキ膜の膜厚差が35%以内であり、好
ましくは30%以内であることを特徴とする。こうし
て、めっき膜のクラックや剥がれのない色選別機構用マ
スクを得ることができる。
ッケル合金メッキ膜の厚さが3μm以上55μm以下で
あり、好ましくは3μm以上50μm以下であり、より
好ましくは10μm以上50μm以下であり、また基板
の両面の合金メッキ膜の膜厚差が35%以内であり、好
ましくは30%以内であることを特徴とする。こうし
て、めっき膜のクラックや剥がれのない色選別機構用マ
スクを得ることができる。
【0015】更に、少なくとも鉄板からなる基板に、電
気メッキにより鉄含有量が14〜19重量%の鉄ーニッ
ケル合金メッキ膜を形成した後、エッチングにより所望
のパターンを形成することを特徴とする色選別機構用マ
スクの製造方法を提起するものある。本方法によって、
黒色化処理前からフレームに溶接組み込み後におけるパ
ーミアンスの変化が極めて少ない、色ずれの少ない色選
別機構用マスクを製造できる。
気メッキにより鉄含有量が14〜19重量%の鉄ーニッ
ケル合金メッキ膜を形成した後、エッチングにより所望
のパターンを形成することを特徴とする色選別機構用マ
スクの製造方法を提起するものある。本方法によって、
黒色化処理前からフレームに溶接組み込み後におけるパ
ーミアンスの変化が極めて少ない、色ずれの少ない色選
別機構用マスクを製造できる。
【0016】また、上記色選別機構用マスクを、ブラウ
ン管内に嵌入したことを特徴とするブラウン管を提供す
るものである。このことで、パーミアンスの高い磁気シ
ールドされたブラウン管を得ることができる。
ン管内に嵌入したことを特徴とするブラウン管を提供す
るものである。このことで、パーミアンスの高い磁気シ
ールドされたブラウン管を得ることができる。
【0017】
【作用】上記手段に関し、この作用についてより詳しく
説明する。純鉄を素材とした色選別機構用マスクの黒化
処理及びフレーム取付でのパーミアンスを向上させるに
は十分高いパーミアンスを有する鉄ーニッケル合金層を
表面に形成させればよく、電気メッキ法によるめっきは
好適である。また、その膜厚は3μm以上あれば色選別
機構用マスクとして十分な磁気シールド性を付与するこ
とが可能であるが、好ましくは10μm以上であればよ
い。しかし、膜厚が50μmを越えると鉄ーニッケル合
金の高い硬度による引っ張り応力下でのクラック等が問
題となってくる。なお、「膜厚」とは、原則として平均
膜厚を示し、片面メッキの場合はその片面全体の各点の
平均値の値をいい、両面メッキの場合はその両面全体に
おける各点のめっき厚の平均値をいう。
説明する。純鉄を素材とした色選別機構用マスクの黒化
処理及びフレーム取付でのパーミアンスを向上させるに
は十分高いパーミアンスを有する鉄ーニッケル合金層を
表面に形成させればよく、電気メッキ法によるめっきは
好適である。また、その膜厚は3μm以上あれば色選別
機構用マスクとして十分な磁気シールド性を付与するこ
とが可能であるが、好ましくは10μm以上であればよ
い。しかし、膜厚が50μmを越えると鉄ーニッケル合
金の高い硬度による引っ張り応力下でのクラック等が問
題となってくる。なお、「膜厚」とは、原則として平均
膜厚を示し、片面メッキの場合はその片面全体の各点の
平均値の値をいい、両面メッキの場合はその両面全体に
おける各点のめっき厚の平均値をいう。
【0018】また、パーミアンスは高いほど望ましい
が、実用的には5000μmを下回らなければ十分であ
る。磁気シールドが低ければ、ブラウン管に画像パネル
からの電子の放出、X線の漏洩、地磁気の影響などの悪
影響を受けるからである。
が、実用的には5000μmを下回らなければ十分であ
る。磁気シールドが低ければ、ブラウン管に画像パネル
からの電子の放出、X線の漏洩、地磁気の影響などの悪
影響を受けるからである。
【0019】一方、色選別機構用マスク組立工程におい
ては、大気中400〜500度の温度で加熱し、色選別
機構用マスク表面を黒くして局部的温度上昇によるドー
ミング現象防止手段ともなるいわゆる黒化処理がある
が、その際にパーミアンスが劣化しないように鉄及びニ
ッケル組成を選択する必要がある。本発明者らは鋭意研
究した結果、下記実施例に示すように鉄の組成含有量が
13〜21重量%であれば、好ましくは14〜19重量
%であれば、更に好ましくは16〜19重量%であれ
ば、黒化処理の温度に晒してもパーミアンスの低下が小
さく、特に16〜19重量%の含有量の場合低下後のパ
ーミアンスが9000μm以上であり、色ずれ等の生じ
る問題を避けられることが判明した。
ては、大気中400〜500度の温度で加熱し、色選別
機構用マスク表面を黒くして局部的温度上昇によるドー
ミング現象防止手段ともなるいわゆる黒化処理がある
が、その際にパーミアンスが劣化しないように鉄及びニ
ッケル組成を選択する必要がある。本発明者らは鋭意研
究した結果、下記実施例に示すように鉄の組成含有量が
13〜21重量%であれば、好ましくは14〜19重量
%であれば、更に好ましくは16〜19重量%であれ
ば、黒化処理の温度に晒してもパーミアンスの低下が小
さく、特に16〜19重量%の含有量の場合低下後のパ
ーミアンスが9000μm以上であり、色ずれ等の生じ
る問題を避けられることが判明した。
【0020】さらに、鉄板に鉄ーニッケル合金を電気メ
ッキ法で形成する場合、片面に絶縁層を塗布した後に鉄
板の片面にメッキ層を形成したり、鉄板をそのままドブ
付けして両面にメッキ層を形成することができる。本発
明によればいずれであっても、応力によるパーミアンス
の低下が少なかった。ここで、片面の場合は2層、両面
の場合は3層に形成されるが、本発明に云うパーミアン
スは主に鉄ーニッケル合金層のパーミアンスに大きく左
右されている。
ッキ法で形成する場合、片面に絶縁層を塗布した後に鉄
板の片面にメッキ層を形成したり、鉄板をそのままドブ
付けして両面にメッキ層を形成することができる。本発
明によればいずれであっても、応力によるパーミアンス
の低下が少なかった。ここで、片面の場合は2層、両面
の場合は3層に形成されるが、本発明に云うパーミアン
スは主に鉄ーニッケル合金層のパーミアンスに大きく左
右されている。
【0021】また、この純鉄の板両面にめっきを施す場
合について、めっき膜の両面の膜厚差によって薄板がカ
ールする場合がある。従って、両面の膜厚差をある程度
以下に制御する必要があるが、蛍光膜形成の露光工程上
はその両面の膜厚差を35%以下に好ましくは30%以
下に設定しておけば、差し支えない。
合について、めっき膜の両面の膜厚差によって薄板がカ
ールする場合がある。従って、両面の膜厚差をある程度
以下に制御する必要があるが、蛍光膜形成の露光工程上
はその両面の膜厚差を35%以下に好ましくは30%以
下に設定しておけば、差し支えない。
【0022】また、基板としては、純鉄が好ましいが、
純鉄に密着性向上などのために、例えば鉄、ニッケル、
銅、アルミニウムなどの導電性層を形成した後に、鉄ー
ニッケル合金を電気めっきしてもよい。この場合にも、
そのパーミアンス低下が少ないという効果を得ることが
できる。また、一般に純鉄を基板とするが、純鉄にAl
が若干含まれていても良く、またMo,Cr,Cu等が
混じっていてもよく、この基板に導電性層を形成して電
気めっきしてもよい。
純鉄に密着性向上などのために、例えば鉄、ニッケル、
銅、アルミニウムなどの導電性層を形成した後に、鉄ー
ニッケル合金を電気めっきしてもよい。この場合にも、
そのパーミアンス低下が少ないという効果を得ることが
できる。また、一般に純鉄を基板とするが、純鉄にAl
が若干含まれていても良く、またMo,Cr,Cu等が
混じっていてもよく、この基板に導電性層を形成して電
気めっきしてもよい。
【0023】また、鉄ーニッケル合金層を形成した後
に、エッチングで所定のパターンを形成するが、エッチ
ング液は、塩化第二鉄などの通常のものでもよく、装着
時の蛍光体側に広がりのある散乱電子の発生を避ける形
状に形成できるが、その比重が鉄をエッチングするもの
よりも大きく、温度も鉄のエッチングの場合より高くす
ればより好ましい。
に、エッチングで所定のパターンを形成するが、エッチ
ング液は、塩化第二鉄などの通常のものでもよく、装着
時の蛍光体側に広がりのある散乱電子の発生を避ける形
状に形成できるが、その比重が鉄をエッチングするもの
よりも大きく、温度も鉄のエッチングの場合より高くす
ればより好ましい。
【0024】さらに、上記色選別機構用マスクをブラウ
ン管に嵌入装着することにより、パーミアンスが少なく
とも5000μm以上を有し、その磁気シールド効果に
よってブラウン管を搭載した表示装置内部の磁界の影響
や、装置外の外部磁界の影響を受け難くすることができ
る。
ン管に嵌入装着することにより、パーミアンスが少なく
とも5000μm以上を有し、その磁気シールド効果に
よってブラウン管を搭載した表示装置内部の磁界の影響
や、装置外の外部磁界の影響を受け難くすることができ
る。
【0025】以下に、実施例を以て、本発明の効果を詳
しく説明する。
しく説明する。
【0026】
(1)第1の実施例 厚さ80μm、幅30cm、長さ40cmの純鉄の板
に、表1に示すめっき浴組成と電気めっき条件の条件で
鉄板の両面に鉄ーニッケル合金の電気めっきを行った。
このようにして得られた色選別機構用マスク用のめっき
板に通常の露光工程によりパターンを形成し、エッチン
グを施した後に、フレームに取り付け、450℃、30
分の黒化処理を行った色選別機構用マスク構成体の特性
を測定し、その結果を表2に示す。表2に示すように、
実施例1〜10と比較例1〜3を例示するが、鉄板に電
気めっき法で鉄含有量を組成欄に示すように硫酸第一鉄
の量で加減して、鉄ーニッケル合金を形成し、その膜厚
と鉄板の両側の膜厚差とを測定し、且つ黒化処理前のパ
ーミアンス、黒化処理後、及びそれをフレームに取り付
けた後のパーミアンスをそれぞれ測定した。
に、表1に示すめっき浴組成と電気めっき条件の条件で
鉄板の両面に鉄ーニッケル合金の電気めっきを行った。
このようにして得られた色選別機構用マスク用のめっき
板に通常の露光工程によりパターンを形成し、エッチン
グを施した後に、フレームに取り付け、450℃、30
分の黒化処理を行った色選別機構用マスク構成体の特性
を測定し、その結果を表2に示す。表2に示すように、
実施例1〜10と比較例1〜3を例示するが、鉄板に電
気めっき法で鉄含有量を組成欄に示すように硫酸第一鉄
の量で加減して、鉄ーニッケル合金を形成し、その膜厚
と鉄板の両側の膜厚差とを測定し、且つ黒化処理前のパ
ーミアンス、黒化処理後、及びそれをフレームに取り付
けた後のパーミアンスをそれぞれ測定した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】 なお、鉄ーニッケル合金層の膜厚が3μm未満の場合に
は、めっき膜を構成したものは効果が少なくなる。
は、めっき膜を構成したものは効果が少なくなる。
【0029】表2から明らかなように、比較例3に示す
純鉄だけからなる色選別機構用マスクのフレーム取付後
のパーミアンスの低下が著しいことがわかる。この比較
例3と比較して、本発明によれば、鉄の含有量が13〜
21重量%の範囲の、好ましくは14〜19重量%の範
囲の鉄ーニッケル合金層を付与したものは、黒化処理前
のマスクのパーミアンスと比較して、黒化処理後及びフ
レーム取付後のパーミアンスの低下が格段に少なく、ブ
ラウン管の磁気シールド効果を十分に発揮し、その特性
において優れていることがわかる。
純鉄だけからなる色選別機構用マスクのフレーム取付後
のパーミアンスの低下が著しいことがわかる。この比較
例3と比較して、本発明によれば、鉄の含有量が13〜
21重量%の範囲の、好ましくは14〜19重量%の範
囲の鉄ーニッケル合金層を付与したものは、黒化処理前
のマスクのパーミアンスと比較して、黒化処理後及びフ
レーム取付後のパーミアンスの低下が格段に少なく、ブ
ラウン管の磁気シールド効果を十分に発揮し、その特性
において優れていることがわかる。
【0030】比較例1によれば、膜厚及び両面の膜厚差
はよいが、鉄含有量が12%と小さいため、黒化処理し
たものをフレームに取り付けた後は、パーミアンス50
00μmにも満たなくなり、また比較例2によれば、膜
厚及び両面の膜厚差はよいが、鉄含有量が22%と大き
いため、パーミアンス低下率が30%程度になり、フレ
ームに取り付けるとパーミアンス5000μmにも満た
なくなり、色選別機構用マスクの希望パーミアンスを得
られない。
はよいが、鉄含有量が12%と小さいため、黒化処理し
たものをフレームに取り付けた後は、パーミアンス50
00μmにも満たなくなり、また比較例2によれば、膜
厚及び両面の膜厚差はよいが、鉄含有量が22%と大き
いため、パーミアンス低下率が30%程度になり、フレ
ームに取り付けるとパーミアンス5000μmにも満た
なくなり、色選別機構用マスクの希望パーミアンスを得
られない。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
黒化処理及び引っ張り応力下でもパーミアンス低下が少
なく、従って、色ずれ等の問題が生じない色選別機構用
マスクが製造可能となり、またこの高パーミアンスの色
選別機構用マスクを用いたカラーブラウン管における画
像品質を高め、その効果は極めて大きい。
黒化処理及び引っ張り応力下でもパーミアンス低下が少
なく、従って、色ずれ等の問題が生じない色選別機構用
マスクが製造可能となり、またこの高パーミアンスの色
選別機構用マスクを用いたカラーブラウン管における画
像品質を高め、その効果は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺崎 隆一 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社総合研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 鉄板若しくは鉄板の上に導電性層を形成
した板を基板として、鉄含有量が13〜21重量%の鉄
ーニッケル合金メッキ膜を形成したことを特徴とする色
選別機構用マスク。 - 【請求項2】 鉄板若しくは鉄板の上に導電性層を形成
した板を基板として、鉄含有量が14〜19重量%の鉄
ーニッケル合金メッキ膜を形成したことを特徴とする色
選別機構用マスク。 - 【請求項3】 前記合金メッキ膜の厚さが3μm以上5
0μm以下であり、前記基板の両面の前記合金メッキ膜
の膜厚差が30%以内であることを特徴とする請求項1
又は2に記載の色選別機構用マスク。 - 【請求項4】 少なくとも鉄板からなる基板に、電気メ
ッキにより鉄含有量が14〜19重量%の鉄ーニッケル
合金メッキ膜を形成した後、エッチングにより所望のパ
ターンを形成することを特徴とする色選別機構用マスク
の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1,2又は3に記載の色選別機構
用マスク、又は請求項4に記載の色選別機構用マスクの
製造方法によって製造された色選別機構用マスクをガラ
ス管内に嵌入したことを特徴とするブラウン管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12777995A JPH08321262A (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 色選別機構用マスク及びその製造方法とこれを用いたブラウン管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12777995A JPH08321262A (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 色選別機構用マスク及びその製造方法とこれを用いたブラウン管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08321262A true JPH08321262A (ja) | 1996-12-03 |
Family
ID=14968483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12777995A Pending JPH08321262A (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 色選別機構用マスク及びその製造方法とこれを用いたブラウン管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08321262A (ja) |
-
1995
- 1995-05-26 JP JP12777995A patent/JPH08321262A/ja active Pending
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