JPH08320342A - 慣性力センサおよびその製造方法 - Google Patents

慣性力センサおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH08320342A
JPH08320342A JP12539395A JP12539395A JPH08320342A JP H08320342 A JPH08320342 A JP H08320342A JP 12539395 A JP12539395 A JP 12539395A JP 12539395 A JP12539395 A JP 12539395A JP H08320342 A JPH08320342 A JP H08320342A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass body
substrates
force sensor
inertial force
fixed electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12539395A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Tsugai
政広 番
Akira Okada
章 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP12539395A priority Critical patent/JPH08320342A/ja
Publication of JPH08320342A publication Critical patent/JPH08320342A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で感度が高く、製品コストが低くさらに
単純なプロセスによって製造される慣性力センサおよび
その製造方法を得ることを目的とする。 【構成】 表面および裏面が(110)面の結晶面を有
する一方、側面が(111)面の結晶面を有する単結晶
シリコンからなる梁を備えるようにするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、振動計測装置、車両
制御装置および運動制御装置などに用いられ、加速度や
角速度に対応する慣性力を検出する慣性力センサおよび
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の慣性力センサを示す平面
図と断面図であり、図において、1はガラスなどの素材
からなる2つの対向する基板、2は基板1の対向面にそ
れぞれ被着された2つの固定電極、3はZ方向に変位す
る質量体、4は質量体3を支持し、その質量体3の厚さ
よりも十分に薄い梁、60はこれら質量体3、梁4が形
成されるシリコン基板、6は2つの固定電極2の一方を
外部へ引き出すために2つの基板のうちの一方に設けら
れ、内面がメッキされたスルーホール、7は2つの固定
電極2の他方を外部へ引き出すためにシリコン基板60
に設けられたスルーホール、8はシリコン基板60上に
設けられた金属電極、8′,8″は基板1上に設けられ
た金属電極、9は質量体3、梁4を形成させるためのエ
ッチング部である。なお、図12に示す慣性力センサ
は、例えば、「キャパシティブ アクセレロメータ ウ
ィズ ハイリィ シンメトリカル デザイン,センサ
アンド アクチュエイターズ( CAPASITIVE ACCELEROME
TER WITH HIGHLY SYMMETRICAL DESIGN,SENSOR & ACTUA
TORS)A21〜A23」(第312頁〜第315頁、199
0)に示されている。
【0003】次に動作について説明する。質量体3のZ
軸方向に加速度が働くと、これを支持している梁4の剛
性が小さいため質量体3はZ方向に変位する。このと
き、質量体3が変位することによって、2つの固定電極
2の一方と質量体3によって形成されるコンデンサの静
電容量、ならびにこの2つの固定電極2の他方と質量体
3によって形成されるコンデンサの静電容量も変化する
ため、これらの静電容量の変化からこの慣性力センサが
搭載されている物体の加速度や角速度が算出できるもの
である。
【0004】質量体3の変位を加速度や角速度に変換す
る方式には、上記のような静電容量の変化を検出する容
量方式の他に、圧電方式、歪ゲージ方式、差動トランス
を用いた磁気方式などがある。近年、半導体のマイクロ
マシニング技術を応用した慣性力センサとして、機械的
外力により電気抵抗が変化するピエゾ効果を利用した加
速度センサ、ならびにコンデンサの容量変化を検出して
加速度を算出する上記加速度センサおよび角速度センサ
が特に注目されている。これらのセンサは、センサを搭
載する振動計測装置などの装置を小型化、高精度化さ
せ、かつ量産性、信頼性を向上させるのに役立ってい
る。なお、回転運動する物体の角速度をコンデンサ容量
の変化から電気的に検出する角速度センサについては、
特開昭62−93638号公報や米国特許第47503
64号などに示されている。
【0005】また、図12に示す従来の慣性力センサ
は、次のようにして製造される。まず、結晶面が(10
0)面である単結晶シリコン基板の外周部のエッチング
部9を、表面及び裏面から同時にエッチングして貫通さ
せ、エッチングする。また、隣り合う2つのエッチング
部9で挟まれた部分は、エッチング速度の大きな結晶面
をエッチング部9に対向して有している。したがって、
梁4の部分を残すには、その部分の単結晶シリコン基板
に非常に高濃度のp型不純物をドーピングしてエッチン
グされないようにする必要がある。以上のようなエッチ
ングを行って、質量体3、梁4が形成される。
【0006】次に、2つの基板1の一方にスルーホール
6を設けた後に、その基板の片面に周縁部分を残して浅
いエッチング溝を設け、このエッチング溝の中央部に2
つの固定電極の一方を被着する。同様にして、他方の基
板1の片面に、外部端子と接続できる端子を有する他方
の固定電極2を被着する。次に、シリコン基板60に上
記他方の固定電極2の端子を引き出すためのスルーホー
ル7を設ける。最後に、質量体3の表面と裏面が2つの
固定電極2と一定の間隙をもってそれぞれ対向するよう
に、2つの基板1の周縁部分とシリコン基板60とをそ
れぞれ接合し、ハーメチックシールを有する金属パッケ
ージ(図示せず)などによって全体を封止するものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の慣性力センサは
以上のように構成されているので、梁4を製造する工程
で、梁を形成する部分にp型不純物の非常に高濃度なド
ーピングを行う半導体プロセスがあり、プロセスが複雑
化する。また、p型不純物の非常に高濃度なドーピング
がされるため、梁4にはp型不純物による残留ひずみを
生じる。このため梁4の剛性が高くなり、感度(1Gあ
たりの変位量、ただしGは重力加速度)が低下し、この
残留ひずみの変動によりセンサの特性が変動し、長期信
頼性の面で問題点があった。
【0008】また、2つの基板のそれぞれに固定電極を
設ける必要があるため、製造プロセスが複雑化するなど
の問題点もあった。
【0009】さらに、ハーメチックシールを有する金属
パッケージなどでセンサを封止する必要があるため、製
品コストの低減が困難であるなどの問題点もあった。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、小型で感度が高く、製品コスト
も廉価なうえに単純なプロセスによって製造される単慣
性力センサおよびその製造方法を得ることを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る慣
性力センサは、2つの固定電極の間に間隙をもって位置
する質量体が、垂直方向の慣性力に対して垂直方向に振
動するようにその質量体を支持し、かつ、表面および裏
面が(110)面の結晶面を有する一方、側面が(11
1)面の結晶面を有する単結晶シリコンからなる梁を備
えるようにしたものである。
【0012】請求項2の発明に係る慣性力センサは、固
定電極と基板との間に間隙をもって位置する質量体が、
垂直方向の慣性力に対して垂直方向に振動するようにそ
の質量体を支持し、かつ、表面および裏面が(110)
面の結晶面を有する一方、側面が(111)面の結晶面
を有する単結晶シリコンからなる梁を備えるようにした
ものである。
【0013】請求項3の発明に係る慣性力センサは、2
つの固定電極の間に間隙をもって位置する質量体が、垂
直方向の慣性力に対して垂直方向に振動するようにその
質量体を支持し、かつ、単結晶シリコンのエピタキシャ
ル層からなる梁を備えるようにしたものである。
【0014】請求項4の発明に係る慣性力センサは、固
定電極と基板との間に間隙をもって位置する質量体が、
垂直方向の慣性力に対して垂直方向に振動するようにそ
の質量体を支持し、かつ、単結晶シリコンのエピタキシ
ャル層からなる梁を備えるようにしたものである。
【0015】請求項5の発明に係る慣性力センサは、2
つの基板に対向する中央部に梁および支柱を備える一
方、その中央部の周囲部分にその梁および支柱を取り囲
むように質量体を備えるようにしたものである。
【0016】請求項6の発明に係る慣性力センサは、支
柱と、質量体と、梁とを2つの基板との間において封止
しつつ、その2つの基板を支持する補助支持部を設ける
ようにしたものである。
【0017】請求項7の発明に係る慣性力センサは、質
量体の側面との間隙をもって、その質量体を水平方向に
おいて挟むように位置し、その質量体を励起振動させる
電圧を印加するための2つの固定電極を備えるようにし
たものである。
【0018】請求項8の発明に係る慣性力センサの製造
方法は、表面および裏面が(110)面の結晶面を有す
る単結晶シリコン基板をエッチングして、2つの固定電
極との間に間隙もって位置する質量体を形成させるとと
もに、その質量体を支持する梁を形成させるようにした
ものである。
【0019】請求項9の発明に係る慣性力センサの製造
方法は、表面および裏面が(110)面の結晶面を有す
る単結晶シリコン基板をエッチングして、固定電極と基
板との間に間隙をもって位置する質量体を形成させると
ともに、その質量体を支持する梁を形成させるようにし
たものである。
【0020】請求項10の発明に係る慣性力センサの製
造方法は、単結晶シリコンのエピタキシャル層をエッチ
ングして、2つの固定電極との間に間隙もって位置する
質量体を形成させるとともに、その質量体を支持する梁
を形成させるようにしたものである。
【0021】請求項11の発明に係る慣性力センサの製
造方法は、単結晶シリコンのエピタキシャル層をエッチ
ングして、固定電極と基板との間に間隙をもって位置す
る質量体を形成させるとともに、その質量体を支持する
梁を形成させるようにしたものである。
【0022】請求項12の発明に係る慣性力センサの製
造方法は、2つの基板に対向する中央部に位置する梁と
支柱とを取り囲むように質量体を備えるようにしたもの
である。
【0023】請求項13の発明に係る慣性力センサの製
造方法は、支柱と、質量体と、梁とを2つの基板との間
において封止する補助支持部を設けるようにしたもので
ある。
【0024】請求項14の発明に係る慣性力センサの製
造方法は、質量体の側面との間隙をもって、その質量体
を水平方向において挟むように位置し、その質量体を励
起振動させる電圧を印加するための2つの固定電極を備
えるようにしたものである。
【0025】
【作用】請求項1の発明における慣性力センサは、2つ
の固定電極の間に位置する質量体が垂直方向の慣性力に
対して垂直方向に振動するようにその質量体を支持し、
かつ、表面および裏面が(110)面の結晶面を有する
一方、側面が(111)面の結晶面を有する単結晶シリ
コンからなる梁、質量体、支柱及び固定電極を備えるよ
うにしたことにより、エッチング速度が遅い結晶面であ
る(111)面が、表面および裏面に直交する面と一致
するため、梁の幅や質量体、固定電極の形状及びこれら
の間隔を正確にコントロールすることができるようにな
る。
【0026】請求項2の発明における慣性力センサは、
固定電極と基板との間に位置する質量体が垂直方向の慣
性力に対して垂直方向に振動するようにその質量体を支
持し、かつ、表面および裏面が(110)面の結晶面を
有する一方、側面が(111)面の結晶面を有する単結
晶シリコンからなる梁、質量体、支柱及び固定電極を備
えるようにしたことにより、エッチング速度が遅い結晶
面である(111)面が、表面および裏面に直交する面
と一致するため、梁の幅や質量体、固定電極の形状及び
これらの間隔を正確にコントロールすることができるよ
うになる。
【0027】請求項3の発明における慣性力センサは、
2つの固定電極の間に位置する質量体が垂直方向の慣性
力に対して垂直方向に振動するようにその質量体を支持
し、かつ、単結晶シリコンのエピタキシャル層からなる
梁と質量体を備えるようにしたことにより、そのエピタ
キシャル層の厚さが薄いため、梁と質量体の厚さを薄く
することができるようになる。
【0028】請求項4の発明における慣性力センサは、
固定電極と基板との間に位置する質量体が垂直方向の慣
性力に対して垂直方向に振動するようにその質量体を支
持し、かつ、単結晶シリコンのエピタキシャル層からな
る梁と質量体を備えるようにしたことにより、そのエピ
タキシャル層の厚さが小さいため、梁と質量体の厚さを
薄くすることができるようになる。
【0029】請求項5の発明における慣性力センサは、
2つの基板に対向する中央部に梁および支柱を備える一
方、その中央部の周囲部分にその梁および支柱を取り囲
むように質量体を備えるようにしたことにより、温度変
化を生じても梁、質量体が支柱を中心として自由に熱膨
張・収縮することができるようになる。
【0030】請求項6の発明における慣性力センサは、
支柱と、質量体と、梁とを2つの基板との間において封
止しつつ、その2つの基板を支持する補助支持部を設け
るようにしたことにより、その補助支持部と支柱及び固
定電極がハーメチックシールを必要とするパッケージの
役割を果たすため、このようなパッケージを不要にでき
るようになる。
【0031】請求項7の発明における慣性力センサは、
質量体の側面との間隙をもって、その質量体を水平方向
において挟むように位置し、その質量体を励起振動させ
る電圧を印加するための2つの固定電極を備えるように
したことにより、その質量体に励起振動を生じさせるこ
とができるようになる。
【0032】請求項8の発明における慣性力センサの製
造方法は、表面および裏面が(110)面の結晶面を有
する単結晶シリコン基板をエッチングして、2つの固定
電極の間に位置する質量体を形成させるとともに、その
質量体を支持する梁や支柱及び固定電極を形成させるよ
うにしたことにより、エッチング速度が遅い結晶面であ
る(111)面は、表面および裏面に直交する面と一致
するため、梁の幅や支柱や質量体、固定電極の形状及び
これらの間隔を正確にコントロールすることができるよ
うになる。
【0033】請求項9の発明における慣性力センサの製
造方法は、表面および裏面が(110)面の結晶面を有
する単結晶シリコン基板をエッチングして、固定電極と
基板との間に位置する質量体を形成させるとともに、そ
の質量体を支持する梁や支柱及び固定電極を形成させる
ようにしたことにより、エッチング速度が遅い結晶面で
ある(111)面は、表面および裏面に直交する面と一
致するため、梁の幅や支柱、質量体や固定電極の形状及
びこれらの間隔を正確にコントロールすることができる
ようになる。また、一方の基板にだけ固定電極を設けれ
ばよいため、製造工程を低減できるようになる。
【0034】請求項10の発明に係る慣性力センサの製
造方法は、単結晶シリコンのエピタキシャル層をエッチ
ングして、2つの固定電極の間に位置する質量体と、そ
の質量体を支持する梁と、その梁を支持する支柱とを形
成させるようにしたことにより、エピタキシャル層の厚
さが小さいため、梁、質量体および支柱の厚さを小さく
することができるようになる。
【0035】請求項11の発明における慣性力センサの
製造方法は、単結晶シリコンのエピタキシャル層をエッ
チングして、固定電極と基板との間に位置する質量体
と、その質量体を支持する梁と、その梁を支持する支柱
とを形成させるようにしたことにより、エピタキシャル
層の厚さが薄いため、梁、質量体および支柱の厚さを小
さくすることができるようになる。また、一方の基板に
だけ固定電極を設ければよいため、製造工程を低減でき
るようになる。
【0036】請求項12の発明における慣性力センサの
製造方法は、2つの基板に対向する中央部に位置する梁
と支柱とを取り囲むように質量体を備えるようにしたこ
とにより、温度変化を生じても梁、質量体が支柱を中心
として自由に熱膨張・収縮できるようになる。
【0037】請求項13の発明における慣性力センサの
製造方法は、支柱と、質量体と、梁とを2つの基板との
間において封止する補助支持部を設けるようにしたこと
により、その補助支持部と支柱がハーメチックシールを
必要とするパッケージの役割を果たすため、このような
パッケージが不要となる。
【0038】請求項14の発明における慣性力センサの
製造方法は、質量体の側面との間隙をもって、その質量
体を水平方向において挟むように位置し、その質量体を
励起振動させる電圧を印加するための2つの固定電極を
備えるようにしたことにより、その質量体に励起振動を
生じさせることができるようになる。
【0039】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の実施例1による慣性力センサを
示す平面図と断面図である。なお、従来のものと同一符
号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。図
において、10は基板1に接合され、外部へ電気信号を
取り出すための固定電極、11は固定電極10上に設け
られた金属電極、12は金属電極11に接続するリード
線を引き出すために基板1に設けられたスルーホールで
ある。
【0040】次に動作について説明する。図1(a)に
示すように、表面と裏面が(110)面の結晶面を有す
る一方、側面が(111)面の結晶面を有する単結晶シ
リコンからなる梁4の一端が、支柱5に接続されて支柱
5によって支持されており、他の一端は質量体3に接続
されて質量体3を支持している。質量体3は2つの基板
1の対向面にそれぞれ被着された2つの固定電極2の間
に、固定電極2とは一定の間隙をもって位置する。ま
た、図1(b)に示すように、質量体3を支持する梁4
もまた、固定電極2とは一定の間隙をもって位置する
が、図1(c)に示すように、支柱5は2つの基板1の
間で接合され2つの基板1を支持している。なお、質量
体3の厚さは150〜200μm程度であり、梁4の厚
さは50μm程度である。図1(a)に示すように、固
定電極2の一方は固定電極10の一方に接続され、固定
電極2の他方も固定電極10の他方に接続されており、
それぞれ金属電極11を経て外部端子(図示せず)に接
続されている。また、支柱5の1つにも金属電極8が設
けられており、外部端子(図示せず)に接続されてい
る。
【0041】このような加速度測定用の慣性力センサに
おいて、質量体3のZ方向に加速度が働くと、質量体3
はZ方向に変位する。固定電極2の一方と質量体3との
間、ならびに固定電極2の他方と質量体3との間には、
それぞれコンデンサが形成されており、質量体3の変位
によってこれら2つのコンデンサの静電容量も変化す
る。したがって、これらの静電容量の変化から慣性力セ
ンサが搭載されている物体の加速度が測定される。
【0042】このように、この実施例1によれば、表面
と裏面が(110)面の結晶面を有する一方、側面がエ
ッチング速度が遅い結晶面である(111)面の結晶面
を有する単結晶シリコンからなる梁4、質量体3、支柱
5、固定電極10を用いているため、エッチングにおい
て平面パターン上でのそれぞれの幅を正確にコントロー
ルできるため、設計どおりの慣性力センサが実現され
る。
【0043】次に、慣性力センサによって加速度を測定
するのに使用する電気回路の一例を、図1および図2に
ついて説明する。図2において、17は固定電極2の一
方と質量体3との間に形成され静電容量C1を有するコ
ンデンサ、18は固定電極2の他方と質量体3との間に
形成され静電容量C2を有するコンデンサ、19はAC
信号源、20は反転増幅器、21はチャージアンプ、2
2は同期検波器などの復調器、23はローパスフィルタ
ーである。
【0044】慣性力センサに働く加速度により、質量体
3が図1(b)の下方に変位すると、C1は増加し記C
2は減少する。そこで、C1とC2の変化に伴うインピ
ーダンス変化を計測して、加速度を求めるものである。
以下、内容を詳述する。
【0045】AC信号源19と反転増幅器20によっ
て、図1(a)に示す2つの固定電極10にはそれぞれ
位相の反転した電圧が印加される。ここで、固定電極1
0の一方と質量体3の電極間距離と、固定電極10の他
方と質量体3の電極間距離との和を2d、質量体3の変
位を△d、C1とC2の平衡状態における値をC0 、A
C信号源19の電圧をVとすると、△dがdより十分に
小さい場合には、質量体3の変位による差動容量△C
は、 △C≒2C0 ×(△d/d) (1) で表され、質量体3に流れる電流Iは、 I=jω×△C×V (2) で表される。式(1)と式(2)から、質量体3に流れ
る電流Iは、AC信号源18の電圧Vに対して位相が9
0度進むことになる。
【0046】質量体3に流れる電流Iはチャージアンプ
21によって電圧に変換され、後段の同期検波器からな
る復調器22によって復調される。そして、ローパスフ
ィルター23を通じて差動容量△Cの変化に比例した電
圧信号が出力され、この電気信号を検出することによっ
て加速度を測定できるものである。
【0047】実施例2.上記実施例1では、2つの固定
電極2を基板1の対向面にそれぞれ被着した場合につい
て示したが、図3に示すように、2つの固定電極2を2
つの基板1の対向面の一方に被着してもよい。
【0048】図3(a)に示すように、質量体3は2種
類の梁で支持されている。即ち、一端を質量体3に接続
された梁4aと、この梁4aを介して質量体3を梁4a
の他の一端で支持する梁4bである。図3(b)に示す
ように、梁4aは厚さが薄くZ方向の剛性が小さいた
め、質量体3の変位に伴って大きくたわむ。一方、梁4
bは図3(c)に示すように、厚さが厚くZ方向の剛性
が大きいため、質量体3が変位してもほとんどたわまな
い。また、図3(b)に示すように、2つ固定電極2は
図の下側の基板1に設けられており、固定電極2の一方
は質量体3との間でコンデンサを形成し、他方は梁4b
との間でコンデンサを形成する。
【0049】このように、この実施例2によれば、実施
例1と同様に、平面パターン上での梁4の幅を正確にコ
ントロールできるため、設計通りの慣性力センサを実現
することができる。
【0050】実施例3.上記実施例1では、表面および
裏面が(110)面の結晶面を有する一方、側面が(1
11)面の結晶面を有する単結晶シリコンからなる梁
4、質量体3、支柱5、固定電極10を用いた場合につ
いて示したが、単結晶シリコンのエピタキシャル層を用
いてもよい。このように、この実施例3によれば、その
エピタキシャル層の厚さが薄いため、梁4、質量体3の
厚さを薄くすることができる。即ち、エピタキシャル層
の厚さが10μm程度であるため、質量体3や梁4の厚
さも10μm程度まで薄くすることができる。このため
上記実施例1の慣性力センサに比べて小型化が可能とな
る。
【0051】実施例4.上記実施例3では、2つの固定
電極2を基板1の対向面にそれぞれ被着した場合につい
て示したが、2つの固定電極2を2つの基板1の対向面
の一方に被着してもよく、上記実施例3と同様の効果を
奏することができる。
【0052】実施例5.上記実施例1では、質量体3の
周囲を囲むようにして、梁4と支柱5を配置した場合に
ついて示したが、図4に示すように、中央部に1つの支
柱5を設け、その支柱5の周囲を囲むようにして質量体
3を設けて、この質量体3を梁4で支持するようにして
もよい。このように、この実施例5によれば、中央部に
1つだけ支柱5を設けたことによって温度変化が生じて
も梁4と質量体3は、支柱5を中心に自由に膨張・収縮
が可能となり熱歪が梁4に生じないため、慣性力センサ
の温度特性が向上する。
【0053】実施例6.上記実施例1では、支柱と、質
量体と、梁とを2つの基板との間において封止する補助
支持部を設けなかった場合について示したが、図5に示
すように、補助支持部15を設けてもよい。図におい
て、その補助支持部15は、質量体3、梁4、支柱5お
よび固定電極10を2つの基板1の間において取り囲む
ように配置され、この補助支持部15、支柱5と固定電
極10が基板1と接合されるため、梁4と質量体3を閉
じられた環境内に封止することができる。また、16は
補助支持部15を電気的に接地するための金属電極であ
る。このように、この実施例6によれば、補助支持部1
5によって、質量体3、梁4を外部雰囲気から遮断する
ことができるため、ハーメチックシールを必要とするパ
ッケージを不要にでき、製品コストを低減できる。ま
た、電極16を設けたことによって、浮遊容量を安定化
することができる。
【0054】実施例7.上記実施例1では、加速度測定
用の慣性力センサについて示したが、図6に示すよう
に、角速度測定用の慣性力センサとしてもよく、実施例
1と同様の効果を奏することができる。
【0055】図6(a)において、13は駆動用の固定
電極(以下、駆動電極という)、14は振動モニター用
の電極(以下、振動モニター電極という)である。駆動
電極13と振動モニター電極14は基板1に接合され、
それぞれ質量体3と所定の間隙をもってその質量体3を
挟むように位置する。駆動電極13にAC電圧とDCバ
イアス電圧を印加すると、質量体3は駆動電極13との
間に生じる静電引力によって図のY方向に励起振動す
る。質量体3にX軸を中心とする角速度が加わった場合
は、この励起振動に応じたコリオリ力がZ軸方向に作用
し、質量体3にはY方向励起振動とZ方向振動が重畳し
た振動が生じる。その結果、固定電極2の一方と質量体
3との間、ならびに固定電極2の他方と質量体3との間
に形成されるコンデンサの静電容量が変化する。このよ
うな静電容量の変化から、慣性力センサが搭載されてい
る物体の角速度が測定される。
【0056】このように、この実施例7によれば、質量
体3に励起振動を生じさせることができるため角速度を
測定できる。
【0057】次に、慣性力センサによって角速度を測定
するのに使用する電気回路の一例を、図6および図7に
ついて説明する。図7において、30はAC電源、31
は駆動された質量体3の振動振幅をモニターするための
容量−電圧変換器、32は駆動振幅を一定に保ち、駆動
振動を常に質量体振動の共振点で行うための周波数調整
機能を有するオートゲインコントロール回路、33は質
量体駆動用のDCバイアス電源である。
【0058】駆動電極13に接続されたAC電源30と
DCバイアス電源33を質量体3に印加することによっ
て、質量体3と駆動電極13の間に静電引力が生じ、こ
の静電引力によって、質量体3はY方向においてAC電
源30の周波数に応じて励起振動する。一方、慣性力セ
ンサにX方向のまわりに回転運動することによって生じ
る角速度が働く場合には、質量体3にはZ方向に慣性力
としてのコリオリ力が作用する。したがって、質量体3
には、上記励起振動とこのコリオリ力による振動とが重
畳した振動が生じる。なお、励起振動とコリオリ力によ
る振動とは、振動の方向が互いに直交するものである。
【0059】質量体3のY方向の最大変位をA、質量体
3のY方向振動の角周波数をωr、時間をTとし、質量
体3の励起振動によるY方向の変位DyとY方向の速度
Uyとの間に、以下の関係が成立するとすれば、 Dy=A・sin(ωr・T) (3) Uy=A・ωr・cos(ωr・T) (4) 質量体3にはUyに比例したコリオリ力Fcが作用し、
このFcは、測定対象の角速度をΩx、質量体3の質量
をmとすると、 Fc=2Ωx・m・Uy (5) で表される。また、FcとZ方向の変位Dzとの間に
は、Z方向のばね定数をkzとして、 Fc=kz・Dz (6) なる関係が成立する。そこで、式(5)と(6)から、
以下の関係が導かれる。 Dz=(2Ωx・m・Uy)/kz (7) 式(7)より、固定電極2の一方と質量体3との間、な
らびに固定電極2の他方と質量体3との間に形成される
コンデンサの静電容量が、励起振動で変調されて変化す
ることがわかる。
【0060】実施例8.上記実施例7では、表面および
裏面が(110)面の結晶面を有する一方、側面が(1
11)面の結晶面を有する単結晶シリコンからなる梁
4、支柱5、質量体3、駆動電極13,振動モニター電
極14を用いた場合について示したが、図8に示すよう
に、単結晶シリコンのエピタキシャル層を用いてもよ
い。図8に示すように、質量体3は駆動電極13を挟む
ように2つ設けられており、この駆動電極13と2つ設
けられた振動モニター電極14とによって、2つの質量
体3を挟むように構成されている。質量体を2つ並列に
設けたのは、駆動電極13によって質量体3を逆位相で
励起振動するためである。このように、この実施例8に
よれば、そのエピタキシャル層の厚さが薄いため、梁4
の厚さを薄くすることができるとともに、それに伴って
梁4の長さも短くすることができるようになる。したが
って、上記実施例7の慣性力センサに比べて、小型化が
可能となる。
【0061】実施例9.上記実施例8では、表面、裏面
および側面の結晶方位が任意である単結晶シリコンのエ
ピタキシャル層からなる梁4を用いた場合について示し
たが、図9に示すように、表面および裏面が(110)
面の結晶面を有する一方、側面が(111)面の結晶面
を有する単結晶シリコンのエピタキシャル層からなる梁
4、支柱5、質量体3及び駆動電極13,振動モニター
電極14を用いてもよく、上記実施例8と同様の効果を
奏することができる。
【0062】実施例10.図10はこの発明の実施例1
0による慣性力センサの製造方法を示す断面図である。
なお、従来のものと同一符号は同一または相当部分を示
すので説明を省略する。図において、1Aは2つの基板
のうちの下の基板、1Bは同じく上の基板、2Aは基板
1Aに被着された固定電極、2Bは基板1Bに被着され
た固定電極、24は熱酸化法やスパッタ法によって形成
された酸化膜の絶縁膜、またはCVD法やスパッタ法に
よって形成された窒化膜などの絶縁膜、25は表面およ
び裏面が(110)面の結晶面を有する単結晶シリコン
からなるデバイスウエハ、26はデバイスウエハ25に
形成されたエッチング溝A、27はデバイスウエハ25
に形成されたエッチング溝Bである。
【0063】次に動作について説明する。まず、図10
(a)に示すように、デバイスウエハ25上に形成させ
た絶縁膜24をパターン化し、絶縁膜24をマスクとし
て、エッチングによりデバイスウエハ25の表面から2
〜3μm程度の深さのエッチング溝A26を形成させ、
その後、デバイスウエハ25の表面と裏面に絶縁膜を再
び形成させる。なお、このエッチング溝A26は、質量
体3および梁4を自由に振動させるためのものなので基
板1A,1B上に設けてもよい。
【0064】次いで、図10(b)に示すように、デバ
イスウエハ25の裏面の絶縁膜24上に質量体3、梁
4、支柱5および固定電極10の構造パターンを、RI
Eなどのドライエッチングや湿式エッチングによって形
成させ、この絶縁膜24のパターンをマスクとして梁4
の厚さを残す深さまで湿式エッチングしてエッチング溝
B27を形成させ、その後、裏面の絶縁膜24をエッチ
ングにより除去する。
【0065】なお、絶縁膜24上に構造パターンを形成
させるには、これに続く湿式エッチングにおいて、デバ
イスウエハ25の表面の結晶面が(110)面で、エッ
チングによって形成される側面の結晶面が(111)面
となるように結晶方位を考慮する必要がある。このよう
に結晶方位を規定するのは、デバイスウエハ25のエッ
チングにおいて、表面に垂直な方向である<110>方
向のエッチング速度に比べて、表面内の特に<111>
方向のエッチング速度が極めて遅いという特性を利用す
れば、慣性力センサの平面パターンを形成させるのに、
梁4、質量体3および支柱5の幅と間隔の両方を狭くす
ることができるためである。
【0066】したがって、このようなエッチング(以
下、異方性エッチングという)を行うには、表面の結晶
面が(110)面であるデバイスウエハ25の面内方向
において、2つの<111>方向を見つけておく必要が
ある。このような2つの面内方向を確認する方法として
は、デバイスウエハ25に付けられたメジャーフラット
(オリエンテーションフラット)に基づいて調べる方法
や、デバイスウエハ25の表面に一定の角度でずらせた
矩形状のパターンを形成させてこのパターンを異方性エ
ッチングし、面内方向におけるエッチングの進行速度が
最小となる(111)面を調べる方法などがある。
【0067】異方性エッチングは、KOH、TMAH、
ヒドラジンやCsOHなどのエッチング液を用いて、絶
縁膜24の裏面パターン面から行う。
【0068】次に、図10(c)に示すように、基板1
Aの一方に固定電極2Aを形成させ、この固定電極2A
とデバイスウエハ25の質量体3となる部分が対向する
ように、その基板1Aとデバイスウエハ25とを接合す
る。なお、この接合には、基板1Aがガラス(アルミノ
珪酸塩、ホウ珪酸系などシリコンの線膨脹係数に近い材
質)の場合には陽極接合法が用いられ、基板1Aがシリ
コンの場合には直接接合法が用いられる。
【0069】デバイスウエハ25に形成された支柱5と
2つの固定電極10の上に、スパッタなどによって金属
電極8と金属電極11をそれぞれ選択メタライズする
(図示せず)。なお、この金属電極8と金属電極11
は、ステンシルマスクを用いた選択メタライズ法や、パ
ターニングした絶縁膜24をレジスト上にメタライズし
てリフトオフ法よって形成させてもよい。
【0070】次に、図10(d)に示すように、上記構
造パターンとデバイスウエハ25の裏面エッチングパタ
ーンが対応するように絶縁膜24にパターンニングした
後、図10(e)に示すように、絶縁膜24をエッチン
グマスクとして梁4の厚さに相当する深さまで異方性エ
ッチングし、質量体3と梁4とを基板1Aと間隙をもっ
て形成させる。その後、絶縁膜24を除去する。このよ
うにして、デバイスウエハ25の基板1Aと反対面に施
されていた絶縁膜24は全て除去されることになるが、
この絶縁膜24のうち質量体3を被覆していた部分の一
部を残存させることにより、容量検出の際に質量体3が
固定電極2A、固定電極2Bと短絡するのを防止するこ
とができる。
【0071】次に、基板1Bに、金属電極11と接続す
るリード線を引き出すためのスルーホール12を超音波
加工などによって形成させ、基板1B上に、固定電極2
Bを被着する。そして、固定電極2Bと質量体3が対向
し、かつ、スルーホール12中に金属電極11が位置す
るように、基板1Bとデバイスウエハ25を接合する。
基板1Aの場合と同様に、基板1Bがガラスの場合には
陽極接合法が用いられ、基板1Aがシリコンの場合には
直接接合法が用いられる。一方、固定電極2Aと固定電
極2Bを、基板1Aと基板1Bにそれぞれ被着する方法
としては、基板1A、1Bがガラスの場合には金属選択
メタライズ法やリフトオフ法が用いられ、これらがシリ
コンの場合には不純物拡散法などが用いられる。
【0072】なお、図10(f)に示すように、このよ
うな接合は、慣性力センサの動的振動特性の調整や信頼
性向上のために、例えば、圧力調整下で不活性ガスを密
封した雰囲気中や、真空中で行われる。また、接合後
は、例えば、図5(a)に示すようなダイシングライン
に沿って、個々の慣性力センサに分離される。
【0073】このようにして製造された慣性力センサ
は、検出回路ICまたはデスクリート部品からなる検出
回路とともに、セラミックスや金属などからなる基板上
にマウントされ、ワイヤーボンドやはんだボールなどに
より電気的に接続されて電気的出力調整を行った後に、
簡易なプラスチックパッケージに収納したり、プラスチ
ックモールド化される。
【0074】このように、この実施例10によれば、表
面および裏面が(110)面の結晶面を有する単結晶シ
リコンからなるデバイスウエハを用いているため、エッ
チング速度が遅い結晶面である(111)面が、表面お
よび裏面に直交する形で現われる。したがって、平面パ
ターン上での梁、質量体、固定電極および支柱の幅を正
確にコントロールすることができるとともに、これらの
間隔も狭くすることができるようになる。その結果、慣
性力センサの感度を向上できるとともに、小型化でき
る。
【0075】実施例11.上記実施例10では、固定電
極2Aと固定電極2Bを、基板1Aと基板1Bの対向面
にそれぞれ被着した場合について示したが、固定電極2
Aおよび固定電極2Bをこれら2つの基板の対向面の一
方に被着してもよい。
【0076】このように、この実施例11によれば、一
方の基板にだけ固定電極2Aと固定電極2Bを設ければ
よく他方の基板に固定電極を設ける工程が省かれるた
め、上記実施例10に比べて製造プロセスを簡略化でき
る。
【0077】実施例12.上記実施例10では、表面お
よび裏面が(110)面の結晶面を有する場合について
示したが、単結晶シリコンのエピタキシャル層からなる
デバイスウエハ25を用いてもよい。
【0078】このように、この実施例12によれば、エ
ピタキシャル層からなるデバイスウエハ25の厚さが薄
いため、上記実施例10に比べて小型化できる。
【0079】実施例13.上記実施例12では、固定電
極2Aと固定電極2Bを、基板1Aと基板1Bの対向面
にそれぞれ被着した場合について示したが、固定電極2
Aおよび固定電極2Bをこれら2つの基板の対向面の一
方に被着してもよい。
【0080】このように、この実施例13によれば、一
方の基板にだけ固定電極2Aと固定電極2Bを設ければ
よく他方の基板に固定電極を設ける工程が省かれるた
め、上記実施例12に比べて製造プロセスを簡略化でき
る。
【0081】実施例14.上記実施例10では、質量体
3の周囲を囲むようにして梁4と支柱5を配置した場合
について示したが、中央部に1つの支柱5を設け、その
支柱5の周囲を囲むようにして質量体3を設けてこの質
量体3を梁4で支持するようにしてもよい。中央部に1
つだけ支柱5を設けたことによって、温度変化が生じて
も梁4と質量体3は支柱5を中心に自由に膨張・収縮が
可能となり、熱歪が梁4に生じないため、慣性力センサ
の温度特性が向上する。
【0082】実施例15.上記実施例10では、支柱
と、質量体と、梁とを2つの基板との間において封止す
る補助支持部を設けなかった場合について示したが、補
助支持部15を設けてもよい。このように、この実施例
15によれば、補助支持部15によって質量体3、梁
4、支柱5および固定電極10を外部雰囲気から遮断す
ることができ、ハーメチックシールを必要とするパッケ
ージを設ける工程が不要になるため、製造プロセスが簡
略化される。
【0083】実施例16.上記実施例10では、加速度
測定用の慣性力センサの製造方法について示したが、図
11に示すように、角速度測定用の慣性力センサも同様
にして製造される。図において、35はp型シリコンウ
エハ、34はp型シリコンウエハ35の表面に形成され
たn型エピタキシャル層、36はn型エピタキシャル層
に形成されたエッチング溝C、37はn型エピタキシャ
ル層に形成されたエッチング溝Dである。
【0084】次に動作について説明する。まず、図11
(a)に示すように、p型シリコンウエハ35の表面に
5〜10μmの厚さでn型エピタキシャル層34を形成
させ、さらに、このn型エピタキシャル層34の上に絶
縁膜24を形成させる。図11(b)に示すように、こ
の絶縁膜24をエッチングによりパターン化し、パター
ン化された絶縁膜24をマスクとしてエッチングしエッ
チング溝36を形成させた後に、絶縁膜24を除去す
る。次に、図11(c)に示すように、2つの固定電極
2Aが表面に被着された基板1Aとn型エピタキシャル
層34を、n型エピタキシャル層34のエッチング溝3
6を有する面と基板1Aとが相対するように接合する。
そして、p型シリコンウエハ35を、電気化学的エッチ
ングなどによって選択除去する。
【0085】次に、図11(d)に示すように、露出し
たn型エピタキシャル層34上に新たに絶縁膜24を形
成させ、エッチング溝C36を形成したのと同様にエッ
チング溝D37を形成させる。そして、図11(e)に
示すように、選択メタライズ法やリフトオフ法を用い
て、n型エピタキシャル層34上に金属電極11を設け
る(図示せず)。次に、絶縁膜24に質量体3、梁4、
支柱5、駆動電極13および振動モニター電極14の構
造パターンをエッチングにより形成させ、この絶縁膜2
4をマスクとして、RIEなどのドライエッチングや異
方性エッチングによってn型エピタキシャル層34の貫
通エッチングを行う。その後、図11(f)に示すよう
に、マスクとした絶縁膜24を除去し、スルーホール1
2が設けられた基板1Bとn型エピタキシャル層34を
接合し、個々のセンサに分離する。
【0086】なお、絶縁膜24の形成には、熱酸化炉、
CVD法(LPCVD法やPECVD法)、スパッタ法
などが用いられる。また、絶縁膜24のパターニングに
は、通常の半導体リソグラフィー法を用いて、フッ酸な
どによるウエットエッチングやRIEなどのドライエッ
チングが用いられる。
【0087】エッチング溝C36とエッチング溝D37
の形成には、絶縁膜24をマスクとした等方性エッチン
グ、異方性エッチングおよびレジストや金属をマスクと
したRIEなどのドライエッチングが用いられる。な
お、n型エピタキシャル層34の貫通においては、エッ
チング壁面がn型エピタキシャル層34の表面に対して
垂直であることが望ましいため、表面に(110)面の
結晶面を有するエピタキシャル層の異方性エッチングと
高アスペクト比のRIEなどのドライエッチングが好ま
しい。
【0088】このように、この実施例16によれば、駆
動電極13および振動モニター電極14によって、質量
体3に角速度を得るための励起振動を生じさせるように
できるため、角速度を測定できる慣性力センサが得られ
る。また、n型エピタキシャル層34の厚さが薄いた
め、慣性力センサを小型化できる。
【0089】実施例17.上記実施例1〜16において
は、単一方向に変位する加速度センサまたは単一軸のま
わりの角速度センサについて示したが、複数の方向の加
速度を測定できるように加速度センサを組み合わせたも
のとしたり、複数の軸のまわりの角速度を測定できるよ
うに角速度センサを組み合わせたものとしたり、さら
に、加速度センサと角速度センサとを組み合わせて加速
度と角速度をともに測定できるものとしてもよい。
【0090】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、2つの固定電極の間に間隙をもって位置する質量体
が、垂直方向の慣性力に対して垂直方向に振動するよう
にその質量体を支持し、かつ、表面および裏面が(11
0)面の結晶面を有する一方、側面が(111)面の結
晶面を有する単結晶シリコンからなる梁、質量体、支柱
及び固定電極を備えるように構成したので、エッチング
速度が遅い結晶面である(111)面が、表面および裏
面に直交する面と一致するため、梁の幅や質量体、固定
電極の形状及びこれらの間隔を正確にコントロールする
ことができる。その結果、設計どおりの慣性力センサを
高濃度不純物の拡散工程なく、エッチングにより実現す
ることができる効果がある。
【0091】請求項2の発明によれば、固定電極と基板
との間に間隙をもって位置する質量体が、垂直方向の慣
性力に対して垂直方向に振動するようにその質量体を支
持し、かつ、表面および裏面が(110)面の結晶面を
有する一方、側面が(111)面の結晶面を有する単結
晶シリコンからなる梁、質量体、支柱及び固定電極を備
えるように構成したので、エッチング速度が遅い結晶面
である(111)面が、表面および裏面に直交する面と
一致するため、梁の幅や質量体、固定電極の形状及びこ
れらの間隔を正確にコントロールすることができる。そ
の結果、設計どおりの慣性力センサを高濃度不純物の拡
散工程なく、エッチングにより実現することができる効
果がある。
【0092】請求項3の発明によれば、2つの固定電極
の間に間隙をもって位置する質量体が、垂直方向の慣性
力に対して垂直方向に振動するようにその質量体を支持
し、かつ、単結晶シリコンのエピタキシャル層からなる
梁と質量体を備えるように構成したので、そのエピタキ
シャル層の厚さが薄いため、梁と質量体の厚さを薄くす
ることができる。したがって、梁の厚さが薄くなるに伴
って平面形状も小さくすることができるため慣性力セン
サを小型化できる効果がある。
【0093】請求項4の発明によれば、固定電極と基板
との間に間隙をもって位置する質量体が、垂直方向の慣
性力に対して垂直方向に振動するようにその質量体を支
持し、かつ、単結晶シリコンのエピタキシャル層からな
る梁と質量体を備えるように構成したので、そのエピタ
キシャル層の厚さが薄いため、梁と質量体の厚さを薄く
することができるとともに、それに伴って梁の長さも短
くすることができる。したがって、梁の厚さが薄くなる
に伴なって平面形状も小さくすることができるため慣性
力センサを小型化できる効果がある。
【0094】請求項5の発明によれば、2つの基板に対
向する中央部に梁および支柱を備える一方、その中央部
の周囲部分にその梁および支柱を取り囲むように質量体
を備えるように構成したので、温度変化を生じても梁、
質量体が支柱を中心として自由に熱膨張・収縮すること
ができる。その結果、慣性力センサの温度特性を向上さ
せることができる効果がある。
【0095】請求項6の発明によれば、支柱と、質量体
と、梁とを2つの基板との間において封止しつつ、その
2つの基板を支持する補助支持部を設けるように構成し
たので、その補助支持部と支柱と固定電極がハーメチッ
クシールを必要とするパッケージの役割を果たすため、
このようなパッケージが不要となる。その結果、製造プ
ロセスを簡略化できるとともに、製品コストを低減でき
る効果がある。
【0096】請求項7の発明における慣性力センサは、
質量体の側面との間隙をもって、その質量体を水平方向
において挟むように位置し、その質量体を励起振動させ
る電圧を印加するための2つの固定電極を備えるように
構成したので、その質量体に励起振動が生じ、角速度を
測定できる効果がある。
【0097】請求項8の発明によれば、表面および裏面
が(110)面の結晶面を有する単結晶シリコン基板を
エッチングして、2つの固定電極との間に間隙もって位
置する質量体を形成させるとともに、その質量体を支持
する梁や支柱をさらに固定電極を形成させるように構成
したので、エッチング速度が遅い結晶面である(11
1)面が、表面および裏面に直交する面と一致するた
め、梁の幅や質量体、固定電極の形状及びこれらの間隔
を正確にコントロールすることができる。その結果、設
計どおりの慣性力センサをエッチングプロセスにて実現
することができる効果がある。
【0098】請求項9の発明によれば、表面および裏面
が(110)面の結晶面を有する一方、側面が9面の結
晶面を有する単結晶シリコン基板をエッチングして、固
定電極と基板との間に間隙をもって位置する質量体を形
成させるとともに、その質量体を支持する梁や支柱及び
固定電極を形成させるように構成したので、エッチング
速度が遅い結晶面である(111)面が、表面および裏
面に直交する面と一致するため、梁の幅や支柱、質量体
や固定電極の形状及びこれらの間隔を正確にコントロー
ルすることができる。その結果、設計どおりの慣性力セ
ンサをエッチングプロセスにて実現することができる。
また、一方の基板にだけ固定電極を設ければよく、他方
の基板に固定電極を設ける工程が省かれるため、製造プ
ロセスを簡略化できる効果がある。
【0099】請求項10の発明によれば、単結晶シリコ
ンのエピタキシャル層をエッチングして、2つの固定電
極との間に間隙もって位置する質量体を形成させるとと
もに、その質量体を支持する梁を形成させるように構成
したので、そのエピタキシャル層の厚さが薄いため、
梁、質量体および支柱の厚さを小さくすることができる
とともに、これらの平面形状も小さくすることができ
る。その結果、慣性力センサを小型化できる効果があ
る。
【0100】請求項11の発明によれば、単結晶シリコ
ンのエピタキシャル層をエッチングして、固定電極と基
板との間に間隙をもって位置する質量体を形成させると
ともに、その質量体を支持する梁を形成させるように構
成したので、そのエピタキシャル層の厚さが薄いため、
梁、質量体および支柱の厚さと幅の両方を小さくするこ
とができるとともに、これらの平面形状も小さくするこ
とができる。その結果、慣性力センサを小型化できる効
果がある。また、一方の基板にだけ固定電極を設ければ
よく、他方の基板に固定電極を設ける工程が省かれるた
め、製造プロセスを簡略化できる効果もある。
【0101】請求項12の発明によれば、2つの基板に
対向する中央部に梁および支柱を備える一方、その中央
部の周囲部分にその梁および支柱を取り囲むように質量
体を備えるように構成したので、温度変化を生じても
梁、質量体が支柱を中心に自由に熱膨張・収縮すること
ができる。その結果、慣性力センサの温度特性を向上で
きる効果がある。
【0102】請求項13の発明によれば、支柱と、質量
体と、梁とを2つの基板との間において封止しつつ、そ
の2つの基板を支持する補助支持部を設けるように構成
したので、その補助支持部と支柱がハーメチックシール
を必要とするパッケージの役割を果たすため、このよう
なパッケージが不要となる。その結果、製造プロセスを
簡略化できるとともに、製品コストを低減できる効果が
ある。
【0103】請求項14の発明における慣性力センサ
は、質量体の側面との間隙をもって、その質量体を水平
方向において挟むように位置し、その質量体を励起振動
させる電圧を印加するための2つの固定電極を備えるよ
うに構成したので、その質量体に励起振動が生じ、角速
度も測定できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による慣性力センサを示
す平面図と断面図である。
【図2】 この発明の実施例1による慣性力センサの測
定に用いる電気回路図である。
【図3】 この発明の実施例2による慣性力センサを示
す平面図と断面図である。
【図4】 この発明の実施例5による慣性力センサを示
す平面図である。
【図5】 この発明の実施例6による慣性力センサを示
す平面図と断面図である。
【図6】 この発明の実施例7による慣性力センサを示
す平面図と断面図である。
【図7】 この発明の実施例7による慣性力センサの測
定に用いる電気回路図である。
【図8】 この発明の実施例8による慣性力センサを示
す平面図である。
【図9】 この発明の実施例9による慣性力センサを示
す平面図と断面図である。
【図10】 この発明の実施例10による慣性力センサ
の製造方法を示す断面図である。
【図11】 この発明の実施例16による慣性力センサ
の製造方法を示す断面図である。
【図12】 従来の慣性力センサを示す平面図と断面図
である。
【符号の説明】
1 基板、2 固定電極、3 質量体、4 梁、5 支
柱、15 補助支持部。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の空隙を介して2つの基板が対向す
    るようにその2つの基板を支持し、1つ以上の(11
    1)面を側面にもつ支柱と、上記2つの基板の対向面に
    それぞれ被着された2つの固定電極と、上記2つの固定
    電極との間隙を保持しつつ当該2つの固定電極の間に位
    置し、1つ以上の(111)面を側面にもつ質量体と、
    表面および裏面が(110)面の結晶面を有する一方、
    側面が(111)面の結晶面を有し、一端が上記支柱に
    支持されて、他の一端が上記質量体を支持するととも
    に、垂直方向に慣性力を受けた場合には上記質量体が垂
    直方向に振動するように支持する単結晶シリコンからな
    る梁とを備えた慣性力センサ。
  2. 【請求項2】 所定の空隙を介して2つの基板が対向す
    るようにその2つの基板を支持し、1つ以上の(11
    1)面を側面にもつ支柱と、上記2つの基板の対向面の
    一方に被着された2つの固定電極と、上記2つの基板の
    対向面の他方と上記2つの固定電極のうちの一方との間
    隙を保持しつつ当該対向面の他方と当該固定電極の一方
    の間に位置し、1つ以上の(111)面を側面にもつ質
    量体と、表面および裏面が(110)面の結晶面を有す
    る一方、側面が(111)面の結晶面を有し、一端が上
    記支柱に支持されて、他の一端が上記質量体を支持する
    とともに、垂直方向に慣性力を受けた場合には上記質量
    体が垂直方向に振動するように支持する単結晶シリコン
    からなる梁とを備えた慣性力センサ。
  3. 【請求項3】 所定の空隙を介して2つの基板が対向す
    るようにその2つの基板を支持し、シリコンのエピタキ
    シャル層からなる支柱と、上記2つの基板の対向面にそ
    れぞれ被着された2つの固定電極と、上記2つの固定電
    極との間隙を保持しつつ当該2つの固定電極の間に位置
    し、シリコンのエピタキシャル層からなる質量体と、一
    端が上記支柱に支持されて、他の一端が上記質量体を支
    持するとともに、垂直方向に慣性力を受けた場合には上
    記質量体が垂直方向に振動するように支持する単結晶シ
    リコンのエピタキシャル層からなる梁とを備えた慣性力
    センサ。
  4. 【請求項4】 所定の空隙を介して2つの基板が対向す
    るようにその2つの基板を支持し、シリコンのエピタキ
    シャル層からなる支柱と、上記2つの基板の対向面の一
    方に被着された2つの固定電極と、上記2つの基板の対
    向面の他方と上記2つの固定電極のうちの一方との間隙
    を保持しつつ当該対向面の他方と当該固定電極の一方の
    間に位置し、シリコンのエピタキシャル層からなる質量
    体と、一端が上記支柱に支持されて、他の一端が上記質
    量体を支持するとともに、垂直方向に慣性力を受けた場
    合には上記質量体が垂直方向に振動するように支持する
    単結晶シリコンのエピタキシャル層からなる梁とを備え
    た慣性力センサ。
  5. 【請求項5】 上記2つの基板に対向する中央部に上記
    梁および上記支柱を備える一方、その中央部の周囲部分
    に上記梁および上記支柱を取り囲むように上記質量体を
    備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか
    1項記載の慣性力センサ。
  6. 【請求項6】 上記支柱と、上記質量体と、上記梁とを
    上記2つの基板との間において封止しつつ、上記2つの
    基板を支持する補助支持部を設けたことを特徴とする請
    求項1から請求項5の何れか1項記載の慣性力センサ。
  7. 【請求項7】 上記質量体の側面との間隙を保持しつ
    つ、上記質量体の相対する2つの側面を挟むように位置
    し、上記質量体を励起振動させるようにその質量体に電
    圧を印加するための2つの固定電極を備えたことを特徴
    とする請求項1から請求項6の何れか1項記載の慣性力
    センサ。
  8. 【請求項8】 表面および裏面が(110)面の結晶面
    を有する単結晶シリコン基板をエッチングして、所定の
    空隙を介して対向する2つの基板を支持する支柱を形成
    させるとともに、上記2つの基板の対向面にそれぞれ被
    着された2つの固定電極との間隙を保持しつつ上記2つ
    の固定電極の間に位置する質量体を形成させ、一端が上
    記支柱に支持されて、他の一端が上記質量体を支持する
    梁を形成させる慣性力センサの製造方法。
  9. 【請求項9】 表面および裏面が(110)面の結晶面
    を有する単結晶シリコン基板をエッチングして、所定の
    空隙を介して対向する2つの基板を支持する支柱を形成
    させるとともに、上記2つの基板の対向面の一方に被着
    された2つの固定電極のうちの一方と上記2つの基板の
    対向面の他方との間隙を保持しつつ、当該固定電極のう
    ちの一方と当該対向面の他方の間に位置する質量体を形
    成させ、かつ、一端が上記支柱に支持されて、他の一端
    が上記質量体を支持する梁を形成させる慣性力センサの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 単結晶シリコンのエピタキシャル層を
    エッチングして、所定の空隙を介して対向する2つの基
    板を支持する支柱を形成させるとともに、上記2つの基
    板の対向面にそれぞれ被着された2つの固定電極との間
    隙を保持しつつ上記2つの固定電極の間に位置する質量
    体を形成させ、一端が上記支柱に支持されて、他の一端
    が上記質量体を支持する梁を形成させる慣性力センサの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 単結晶シリコンのエピタキシャル層を
    エッチングして、所定の空隙を介して対向する2つの基
    板を支持する支柱を形成させるとともに、上記2つの基
    板の対向面の一方に被着された2つの固定電極のうちの
    一方と上記2つの基板の対向面の他方との間隙を保持し
    つつ、当該固定電極のうちの一方と当該対向面の他方の
    間に位置する質量体を形成させ、かつ、一端が上記支柱
    に支持されて、他の一端が上記質量体を支持する梁を形
    成させる慣性力センサの製造方法。
  12. 【請求項12】 上記2つの基板に対向する中央部に上
    記梁および上記支柱を備える一方、その中央部の周囲部
    分に上記梁および上記支柱を取り囲むように上記質量体
    を備えることを特徴とする請求項8から請求項11の何
    れか1項記載の慣性力センサの製造方法。
  13. 【請求項13】 上記支柱と、上記質量体と、上記梁と
    を上記2つの基板との間において封止しつつ、上記2つ
    の基板を支持する補助支持部を設けたことを特徴とする
    請求項8から請求項12の何れか1項記載の慣性力セン
    サの製造方法。
  14. 【請求項14】 上記質量体の側面との間隙を保持しつ
    つ、上記質量体の相対する2つの側面を挟むように位置
    し、上記質量体を励起振動させるようにその質量体に電
    圧を印加するための2つの固定電極を設けたことを特徴
    とする請求項8から請求項13の何れか1項記載の慣性
    力センサの製造方法。
JP12539395A 1995-05-24 1995-05-24 慣性力センサおよびその製造方法 Pending JPH08320342A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12539395A JPH08320342A (ja) 1995-05-24 1995-05-24 慣性力センサおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12539395A JPH08320342A (ja) 1995-05-24 1995-05-24 慣性力センサおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08320342A true JPH08320342A (ja) 1996-12-03

Family

ID=14909035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12539395A Pending JPH08320342A (ja) 1995-05-24 1995-05-24 慣性力センサおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08320342A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007125693A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Infineon Technologies Sensonor As マイクロメカニカルデバイス、共鳴構造、およびマイクロメカニカルデバイスの励起方法
JP2007527515A (ja) * 2003-07-08 2007-09-27 ナショナル ユニヴァーシティ オブ シンガポール 接触型圧力センサおよびその製造方法
JP2010169522A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 静電容量型検出装置及びそれを用いた加速度・角速度検出装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007527515A (ja) * 2003-07-08 2007-09-27 ナショナル ユニヴァーシティ オブ シンガポール 接触型圧力センサおよびその製造方法
JP2007125693A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Infineon Technologies Sensonor As マイクロメカニカルデバイス、共鳴構造、およびマイクロメカニカルデバイスの励起方法
JP2010169522A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 静電容量型検出装置及びそれを用いた加速度・角速度検出装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3223358B2 (ja) 定電界で駆動されるマイクロビームによる共振ゲージ
JPH0832090A (ja) 慣性力センサおよびその製造方法
US6626039B1 (en) Electrically decoupled silicon gyroscope
US6248610B1 (en) Vibrating beam accelerometer and method for manufacturing the same
GB2249174A (en) Rate of rotation sensor
US9366687B2 (en) Angular velocity detecting device
JPH10508090A (ja) 誘電的に分離した共振マイクロセンサ
JPH10308519A (ja) センサの製造方法
US6874363B1 (en) Trapped charge field bias vibrating beam accelerometer
JP2010127763A (ja) 半導体力学量検出センサ及びそれを用いた制御装置
US6125700A (en) Vibrating type angular velocity sensor
JP4362877B2 (ja) 角速度センサ
JPH06123632A (ja) 力学量センサ
JP3346379B2 (ja) 角速度センサおよびその製造方法
Kobayashi et al. Double-frame silicon gyroscope packaged under low pressure by wafer bonding
JPH09318656A (ja) 静電容量式加速度センサ
JPH08320342A (ja) 慣性力センサおよびその製造方法
Traechtler et al. Novel 3-axis gyroscope on a single chip using SOI-technology
JP3217849B2 (ja) ジャイロ装置
JP3181368B2 (ja) ジャイロ装置
JP4362739B2 (ja) 振動型角速度センサ
JPH09325032A (ja) 角速度センサ
EP1034434A1 (en) Vibrating beam accelerometer and method for manufacturing the same
CN106441260A (zh) 硅上压电薄膜多支撑梁mems陀螺及其制备方法
Bourouina et al. Preliminary results on a silicon gyrometer based on acoustic mode coupling in small cavities