JPH08318002A - 防毒頭巾マスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 突然に発生する火災の煙りやガスから緊急に
避難するために使用する簡易の防毒頭巾マスクおよび同
型の呼吸保護器具の提供。 【構成】 所要の伸張能力を有し、耐熱性又は耐火性の
ある薄いシート素材から頭巾マスク本体を設けると共
に、底縁に頭に伸張して装着するための開口部を有し、
この開口部は収縮作用で装着者の首に圧接して内部を気
密に閉鎖し、内面は顔、頭に被着して内部の占有容積を
可及的に縮小し、かつ、眼に対応する開口部には耐火性
のある透視材をシールし、口および鼻に対応する開口部
には外面に耐火性のある柔軟層布を配し、内側に少なく
とも粒子ろ過層布と活性炭を埋め込んだ活性炭ろ過層布
を重合して具えたろ過層部材をシールしてなる防毒頭巾
マスク。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、突然に火やガスが発
生し、その煙やガスの吸入で大勢の死亡者がでることを
防ぐために使用される防毒頭巾マスクおよび同型の呼吸
保護器具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、消防隊員が火事現場に突入し、犠
牲者を救助するために使用する本格的防毒マスクは、多
数提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】事故は時と場所を限定
せず、しかも偶発的又は人為的に発生し、人は準備のな
いまま遭遇し、貴重な人命が失われ、高額な損害とな
る。

【０００４】災害発生現場に消防隊員が到着するまでに
は時間がかかり、それを待っていては犠牲者が多くなる
ので、煙、ガスから呼吸を保護し、早期に脱出をはかる
べきである。

【０００５】従来ある煙およびガスから呼吸を保護する
器具は、十分な保護機能を達成するために装置として高
価である。またそのため経済的に取引の対象になり難
く、市販もされていない。さらに市民が使用するには大
きく嵩張り、保管に困るものである。

【０００６】これら呼吸保護器具が緊急時に使用を期待
される場所はホテル・旅館である。過去において多くの
悲劇が発生している。若し、緊急時に呼吸保護器具が用
意され、使用されていたならば、多くの悲劇が避けら
た。もとより、集会施設・地下街・地下鉄など、今日的
に呼吸を阻害する危険な地域が出現している。また、列
車・自動車が転覆して火災または危険な化学物質が発生
することがある。

【０００７】この発明は、前述のような危険な場所で呼
吸を守り、安全な場所に避難するために、緊急に短時間
確実に呼吸保護効果のある簡易・安価・嵩張らない防毒
マスクを提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】約３００％又はそれ以上
伸張する能力を有し、しかも耐熱性又は耐火性のある薄
いシート素材から頭巾マスク本体を設けると共に、底縁
に頭に伸張して装着するための開口部を有し、この開口
部は収縮作用で装着者の首に圧接して内部を気密に閉鎖
し、内面は顔、頭に被着して内部の占有容積を可及的に
縮小し、かつ、すくなくとも眼に対応する部分と口およ
び鼻に対応する部分は開口すると共に、該眼に対応する
開口部には耐火性のある透視材をシールし、口および鼻
に対応する開口部には外面に耐火性のある柔軟層布を配
し、内側に少なくとも粒子ろ過層布と活性炭を埋め込ん
だ活性炭ろ過層布を重合して具えたろ過層部材をシール
してなる防毒頭巾マスクにある。

【０００９】頭巾マスク本体を構成する正面パネルと裏
面パネルは、底縁で折り返して重合し、該底縁を開口部
に、左右両側縁および上縁を縫着又は接着剤によりシー
ルし、全体を頭巾型に形成してなる、薄い伸張性、耐熱
性又は耐火性のシートから防毒頭巾マスクを設ける製造
方法にある。

【００１０】頭巾マスク本体を構成する薄い伸張性およ
び耐熱性又は耐火性のあるシート素材にネオプレーンゴ
ムを用いてもよいものである。

【００１１】頭巾マスク本体を構成する薄い伸張性およ
び耐熱性又は耐火性のあるシート素材にシリコンゴムを
用いてもよいものである。

【００１２】ろ過層部材は、外面に耐火性ろ過布を配
し、内側に粒子ろ過層布、活性炭を埋め込んだ活性炭ろ
過層布および顔面に接する柔軟な顔面接触布を重合して
構成してもよいものである。

【００１３】活性炭ろ過層布の活性炭は、ガスの吸収物
質元素で処理してもよいものである。

【００１４】重合するろ過層部材の周縁は、接着剤また
は適宜の手段により柔軟にシールしてもよいものであ
る。

【００１５】口および鼻が対応するろ過層部材の一部に
は、一方通行の一方通路弁膜を配してもよいものであ
る。

【００１６】

【作用】この発明の防毒頭巾マスクは前述のように構成
されるから、煙やガスの危険において、使用者の誰にも
適合し、軽量、柔軟性があって携帯・収納に便利であ
り、緊急的に使用することができ、人命救助に多大の効
果を奏するものである。

【００１７】

【実施例】以下、この発明の防毒頭巾マスク１を実施例
である図面により説明すると、約３００％又はそれ以上
伸張する能力を有し、しかも耐熱性又は耐火性のある薄
いシート素材２を中間より折り返し、その折返縁を底縁
３とする正面パネル４と背面パネル５を構成し、その上
縁６と左右側縁７、８を縫着または接着し、底縁３を縫
着または接着をしないで開口して開口部９を設け、この
開口部９を伸張して装着者の頭に装着し、また装着後、
装着者の首に圧接して内部を気密に閉鎖し、全体の内面
を装着者の顔、頭に被着して内部の占有容積を可及的に
縮小する頭巾マスク本体１０を設けると共に、頭巾マス
ク本体１０を構成する正面パネル３において装着者の眼
に対応する部分と口および鼻に対応する部分を開口して
眼用開口部１１とろ過用開口部１２、１３を設け、その
眼用開口部１１には耐火性のある透視材１４をシール
し、口および鼻に対応するろ過用開口部１２、１３には
外面に耐火性のある耐火ネット１５を配し、内側に少な
くとも粒子ろ過層布１６と活性炭を埋め込んだ活性炭ろ
過層布１７と柔らかい顔面接触布１８を重合して具えた
ろ過層部材１９を気密に接合部２２によりシールし、透
視材１４およびろ過層部材１９を着用者の顔面に軽く圧
接するように設ける。

【００１８】前記頭巾マスク本体１０を構成する薄いシ
ート素材２の底縁３の開口部９は、着用者の首回りに圧
接して心地よくフイットする。透視材１４は広い視界を
与え、内方を気密にカバーする。

【００１９】透視材１４およびろ過層部材１９は、強烈
な熱から着用者が安全に避難をする間、その炎やガスま
たはその他のガスに耐え、凡そ１５分またはそれを越え
る短時間、視界および呼吸の能力を維持するものであ
る。

【００２０】ろ過用開口部１２、１３は、呼吸において
空気の流れの分散を増加するため、鼻の両側に配置され
る。

【００２１】ろ過層部材１９は、前記ろ過用開口部１
２、１３に適合して、図示しないが、鼻の両側に配置さ
れる分断型でもよいが、図示の如く、左右一体型のもの
でもよいものである。

【００２２】ろ過層部材１９には、息を容易に外方には
き出すため、着用者がそれを通して呼吸を容易にするた
め、一方にのみ通過することができる弁膜をもつゴム製
の一方通路弁膜２０を配備している。

【００２３】前記粒子ろ過層布１６は、直径５ミクロン
以上の粒子を捕集する性能を有し、微粒粉塵、煙をろ過
する。また前記活性炭ろ過層布１７の炭素粒子は、その
空気からガスや酸を吸収するため、おおよそ１．２％の
濃度の銀や銅で処理したものを用いてもよいものであ
る。

【００２４】図４は、前述の耐火ネット１５、粒子ろ過
層布１６、活性炭を埋め込んだ一般活性炭ろ過層布１７
および顔面接触布１８から構成されるろ過層部材１９の
実施例と、さらに、神経ガス対応の銅の高濃度溶液で処
理した神経ガス吸収物質元素処理活性炭を埋め込んだ神
経ガス吸収物質元素処理活性炭ろ過層布２１を付加した
ろ過層部材１９ａを示すものである。この場合の銅の処
理溶液の濃度は、例えば１２％である。

【００２５】前記粒子ろ過層布１６、活性炭ろ過層布１
７、神経ガス吸収物質元素処理活性炭ろ過層布２１は、
ろ過物質を通気性ある布によってサンドイッチ状に縫製
または接着しても、またプレスを用いろ過物質層を通気
性ある熱可塑性シートの間にラミネートしてもよいもの
である。

【００２６】この実施態様において前記耐火ネット１
５、粒子ろ過層布１６、活性炭ろ過層布１７、神経ガス
吸収物質元素処理活性炭ろ過層布２１、顔面接触布１８
の数や配列は、煙やガスを吸収する個々ろ過物質、ろ過
布の微粒子捕集能力によって変化し、また対応ガスの種
類によって変化する。

【００２７】約３００％又はそれ以上伸張する能力を有
し、しかも耐熱性又は耐火性ある薄いシート素材２を中
間より折り返し、その折返縁を底縁３とする正面パネル
４と背面パネル５を重合し、該底縁３を開口部９に残し
て、上縁６および左右両側縁７、８を縫着又は接着剤に
より気密にシールし、頭巾型の防毒頭巾マスク本体１０
を設ける製造方法がある。

【００２８】正面パネル４には、予め眼用開口部１１と
ろ過用開口部１２、１３を設け、その眼用開口部１１に
は耐火性ある透視材１４をシールし、そのろ過用開口部
１２、１３には前記ろ過層部材１９またはろ過層部材１
９ａもしくはその他のろ過層部材を気密にシールして置
き、それから前記底縁３を開口部９に残して、上縁６お
よび左右両側縁７、８を縫着又は接着剤により気密にシ
ールする工程としてもよいものである。

【００２９】

【発明の効果】この発明の防毒マスクは煙やガスの危険
において、緊急的使用に効果があり、使用者の誰にも適
合し、軽量、柔軟性があって携帯・収納に便利であり、
人命救助に多大の効果を奏するものである。

【００３０】この発明の範囲は実施例に関連して具体的
に説明された前述の説明に限定されるものではなく、そ
の記述から発想される技術の全てを包含するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の防毒頭巾マスクの正面図である。

【図２】同じく、この発明の防毒頭巾マスクを頭部に装
着した状態の正面からの斜視図である。

【図３】防毒頭巾マスク本体のろ過用開口部とろ過層部
材との接合（シール）の状況を説明する部分内面図であ
る。

【図４】同じく、防毒頭巾マスク本体のろ過用開口部と
ろ過層部材の配備の態様を説明する部分内面図である。

【図５】ろ過層部材の各層部材の説明斜視図である。

【図６】ろ過層部材におけるゴム製一方通路薄膜を配備
する態様を説明する部分内面図である。

【図７】薄いシート素材から頭巾マスク本体を製造する
製造方法を説明する展開平面図である。

【符号の説明】

１ 防毒頭巾マスク ２ 薄いシート素材 ３ 底縁 ４ 正面パネル ５ 背面パネル ６ 上縁 ７ 左側縁 ８ 右側縁 ９ 開口部 １０ 頭巾マスク本体 １１ 眼用開口部 １２ ろ過用開口部 １３ ろ過用開口部 １４ 透視材 １５ 耐火ネット １６ 粒子ろ過層布 １７ 活性炭ろ過層布 １８ 顔面接触布 １９ ろ過層部材 ２０ 一方通路弁膜 ２１ 神経ガス吸収物質元素処理活性炭ろ過層布 ２２ 接合部

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 約３００％又はそれ以上伸張する能力を
   有し、しかも耐熱性又は耐火性のある薄いシート素材か
   ら頭巾マスク本体を設けると共に、底縁に頭に伸張して
   装着するための開口部を有し、この開口部は収縮作用で
   装着者の首に圧接して内部を気密に閉鎖し、内面は顔、
   頭に被着して内部の占有容積を可及的に縮小し、かつ、
   すくなくとも眼に対応する部分と口および鼻に対応する
   部分は開口すると共に、該眼に対応する開口部には耐火
   性のある透視材をシールし、口および鼻に対応する開口
   部には外面に耐火性のある柔軟層布を配し、内側に少な
   くとも粒子ろ過層布と活性炭を埋め込んだ活性炭ろ過層
   布を重合して具えたろ過層部材をシールしてなる防毒頭
   巾マスク。
2. 【請求項２】 頭巾マスク本体を構成する正面パネルと
   裏面パネルは、底縁で折り返して重合し、該底縁を開口
   部に、左右両側縁および上縁を縫着又は接着剤によりシ
   ールし、全体を頭巾型に形成してなる、薄い伸張性、耐
   熱性又は耐火性のシートから防毒頭巾マスクを設ける製
   造方法。
3. 【請求項３】 頭巾マスク本体を構成する薄い伸張性お
   よび耐熱性又は耐火性のあるシート素材にネオプレーン
   ゴムを用いることを特徴とする請求項１又は請求項２記
   載の防毒頭巾マスク。
4. 【請求項４】 頭巾マスク本体を構成する薄い伸張性お
   よび耐熱性又は耐火性のあるシート素材にシリコンゴム
   を用いることを特徴とする請求項１、請求項２又は請求
   項３記載の防毒頭巾マスク。
5. 【請求項５】 ろ過層部材は、外面に耐火性ろ過布を配
   し、内側に粒子ろ過層布、活性炭を埋め込んだ活性炭ろ
   過層布および顔面に接する柔軟な顔面接触布を重合して
   なることを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３又
   は請求項４記載の防毒頭巾マスク。
6. 【請求項６】 活性炭ろ過層布の活性炭は、ガスの吸収
   物質元素で処理してなることを特徴とする請求項１、請
   求項２、請求項３、請求項４又は請求項５記載の防毒頭
   巾マスク。
7. 【請求項７】 重合するろ過層部材の周縁は接着剤また
   は適宜の手段により柔軟にシールしてなることを特徴と
   する請求項１、請求項２、請求項３、請求項４、請求項
   ５又は請求項６記載の防毒頭巾マスク。
8. 【請求項８】 口および鼻が対応するろ過層部材の一部
   には、一方通行の一方通路弁膜を配してなることを特徴
   とする請求項１、請求項２、請求項３、請求項４、請求
   項５、請求項６又は請求項７記載の防毒頭巾マスク。