JPH08317843A - 立体写真立て - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 平板な写真を立体的に鑑賞でき、少ない構成
部材で容易に大量生産可能な構造を有する立体写真立て
を提供する。 【構成】 写真表示用の窓穴が穿設された前面板部の左
右両側部分から後方に延出した左右の側面板部の後端部
に、平板な写真の左右の各端部をそれぞれ係止すること
で該写真を凸面状に湾曲した状態で保持する係止手段を
設け、これら左右の係止手段は、互いに平板な写真の横
寸法より狭小に離間して配置されており、上記の前面板
部と左右の側面板部と左右の係止手段とが一体的に成形
されたものとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、平板な写真を挿入する
と凸面状に保形されて遠近差によって立体感が得られる
ようにした立体写真立てに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般の写真立ては、写真が平板状に収納
されているので立体感に乏しく、奥行きや広がりを得る
ことができなかった。そこで、本件出願人は先に実開平
５−５８０７９号公報で開示された立体写真立てを始め
として、その後にも各種の立体写真立ての提案を行って
きた。これらの立体写真立ては、平板状の写真を保形具
によって凸面状に保形させて立体感が得られるようにし
たものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明による折畳み式
立体写真立ては、上記提案と一連を成すものであるが、
特に写真を装着する際の操作が多少複雑であった点と、
構成部材の組合せが複雑で大量生産には不向きであった
点を改善し、少ない構成部材で容易に大量生産が可能な
構造にすることを目的としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、写真表示用の窓穴が穿設された前面板部の
左右両側部分から後方に延出した左右の側面板部の後端
部に、平板な写真の左右の各端部をそれぞれ係止するこ
とで該写真を凸面状に湾曲した状態で保持する係止手段
を設け、これら左右の係止手段は、互いに平板な写真の
横寸法より狭小に離間して配置されており、上記の前面
板部と左右の側面板部と左右の係止手段とが一体的に成
形されたことを特徴とする立体写真立てを提供すること
により達成される。

【０００５】

【実施例】以下に添付の図面に示された具体的な実施例
に基づいて本発明の構成を詳細に説明する。

【０００６】実施例１ 図１は、本発明に基づき構成された立体写真立ての第１
の実施例を示している。この写真立て１は、平板な写真
Ａを凸面状に湾曲した状態で収容するものであり、円状
の窓穴２ａが穿設された平板状の前面板部２と、その左
右両端から前方に一旦突出した後に角筒状に折り曲げら
れて前面板部２の端部に係止される態様で形成された左
右の筒状部３・４と、そこから斜め後方に延出して形成
された左右の側面板部５・６と、その遊端が一旦外側に
突出した後に略Ｖ字形状に折り曲げられて形成された係
止部７・８とからなっている。これら前面板部２と左右
の筒状部３・４と左右の側面板部５・６と係止部７・８
とは、１枚のアルミ板から曲げ加工によって成形された
ものである。

【０００７】前面板部２には、窓穴１より僅かに大径な
穴９ａが開設された化粧パネル９が貼付されている。こ
の化粧パネル９は、化粧紙やプラスチックフィルム等で
できており、写真を引き立てるために必要ならば表面に
所望な色彩や図柄を付したものを使用しても良い。

【０００８】左右の側面板部５・６は、写真Ａを表示す
る窓穴２ａが設けられた前面板部２と写真Ａを保持する
係止部７・８との間に、写真Ａが湾曲するスペースを形
成すると共に、写真立て１を自立させる役割も有してい
る。

【０００９】この左右の側面板部５・６を斜め後方に延
出させることで、その後端に形成される係止部７・８の
Ｖ字溝７ａ・８ａが、装着すべき写真Ａの横寸法より狭
小に離間して配置されることになる。また、このように
側面板部５・６を前面板部２に対して斜めに配置するこ
とで、後述するように、側面板部５・６に映り込んだ写
真Ａの左右周辺部の像を、窓穴２ａから鑑賞し易くなる
といった利点がある。

【００１０】写真Ａは、図２に示されるように、Ｖ字溝
７ａ・８ａの底部分に写真Ａの左右の端縁がそれぞれ衝
止されることで、写真Ａが前方に凸面状に湾曲した状態
で収容されるようになっている。このとき、写真Ａ自体
の有する弾発力でその縁端がＶ字溝７ａ・８ａの底部分
に圧着するため、容易に離脱することはないが、振動や
衝撃によるずれを防ぐため、Ｖ字溝７ａ・８ａの表面に
布片やゴム板等のすべり止めを貼着するようにしても良
い。或いは、Ｖ字溝７ａ・８ａを一部絞って写真Ａの下
方向のずれを防ぐようにしても良い。さらに同じ目的
で、新たな横方向部材の左右の各端部を左右のＶ字溝７
ａ・８ａ内に嵌挿固定するようにしても良い。このよう
にすると、左右の側面板部５・６が連結されるため剛性
が増大するといった利点もある。

【００１１】このような写真立て１に写真Ａを装着する
に際しては、写真Ａを凸面状に湾曲させた状態でその下
端をＶ字溝７ａ・８ａの上端にそれぞれ係止さた後に下
向きに押し込むだけで良い。このようにして凸面状に湾
曲した状態で収容された写真Ａは、前面板部２の窓穴２
ａを介して鑑賞することで、その被写体が湾曲面の遠近
差によって奥行きのある立体的な像に見える。さらに、
側面板部５・６の内側のアルミ面に写真Ａの左右周辺部
が反射して写し出されるので、広がりのある写真として
鑑賞し得る。

【００１２】なお、上述の筒状部３・４並びにその隣接
部分は、図３に示されるように、断面が正方形状をなす
筒状部１１・１２に置換し、側面板部５・６の基端と筒
状部１１・１２との連結部分が前面板部２に重合するよ
うに構成しても良い。このようにすると、化粧パネル９
の左右部分がその上下部分とバランス良く形成されるよ
うに、前面板部２における窓穴２ａの開口縁部と左右の
筒状部１１・１２との間に化粧パネル９の貼付面を適当
に確保した上で、側面板部５・６を窓穴２ａの左右の開
口縁部の近傍に配置できる。このため、側面板部５・６
の内面に映し出された写真Ａの左右周辺部の像が窓穴２
ａを介して鑑賞しやすくなる。

【００１３】実施例２ 図４は、本発明に基づき構成された立体写真立ての第２
の実施例を示している。この写真立て２１は、写真Ａを
収容する本体２２とその前面に貼着された表面パネル２
３とからなっている。

【００１４】本体２２は、プラスチック製であり、前面
板部２４と側面板部２５・２６と係止部２７・２８とか
らなっており、実施例１に示される写真立て１と比較し
て、筒状部３・４がない以外はほぼ同様の形状をなして
いる。また、側面板部２５・２６の内面には鏡面板が貼
付されており、ここに写真の左右周辺部が反射して写し
出されるようになっている。

【００１５】表面パネル２３は、前面板部２４に穿設さ
れた穴２４ａよりやや大径の窓穴２３ａが開設されてい
る。この表面パネル２３は、厚紙やプラスチックシート
などで形成され、実施例１に示される化粧パネル９と同
様に、正面側に所望な色彩や図柄を付したものも使用さ
れる。この表面パネル２３を撓み難い材料で形成して、
表面パネル２３で写真立て２１を自立させるようにする
と、図４に示されるように、本体２２を表面パネル２３
と同一の縦寸法にする必要はなく、窓穴２４ａを開設し
得るだけの縦寸法を有するものであれば良い。

【００１６】なお、上記の各実施例においては、左右の
側面板部の後端にＶ字形状の係止部を設けたが、本発明
はこのような形状の係止手段に限定されない。例えば、
側面板部から単にＬ字状に折れ曲がったもので良い。さ
らに、写真自体、或いは写真に重合接着した透明パネル
の左右両端部に差し込み片を形成し、これを側面板部の
後端部分に形成された上下方向のスリットに挿入するこ
とで写真の左右両端を保持するようにしても良い。

【００１７】また、本発明による写真立ての上下に蓋体
を取り付けるようにしても良い。内部の写真を鑑賞しや
すくするため、写真立てを机上等に載置したときに写真
立てが僅かに後ろ側に傾斜した状態になるように、写真
立ての上下の端部の一方或いは両方を斜めに切り落とす
ように形成しても良い。このとき、この切り落とし角を
上下で変えれば、上下を置き換えることで写真立てを２
通りの傾きに設定できるようになる。上記実施例１に示
される写真立て１においては、左右の筒状部３・４に棒
状の脚体を嵌挿して、写真立ての傾き角を調整するよう
に構成することも可能である。

【００１８】さらに、上記の実施例１においては写真立
て１を、実施例２においては写真立て２１の本体２２を
それぞれ、アルミ成形品並びにプラスチック成形品とし
たが、本発明はこのような材料によるものに限定されな
い。例えば、ステンレス板や、この他の鋼板にメッキ処
理を施したものでも良い。また、アルミ製であれば、板
材の折り曲げ加工の他に、引き抜き加工でも形成可能で
ある。

【００１９】

【発明の効果】このように本発明によれば、左右の係止
部に平板状の写真の左右の各端部を係止するだけで、遠
近差のある凸面状の写真に容易に保形され、これを窓穴
を通して見ることにより、平板状の写真では得られない
奥行きのある立体写真として鑑賞することができる。し
かも、写真の差し替えが簡単であることから利便性が向
上する。特に、上記実施例に示されるように、写真の左
右の各端部を係止手段としてのＶ字溝に係止させるよう
にすれば、取付・取り外しが極めて容易になる。

【００２０】その上、構成部材が少なく且つ製作が容易
で、しかも大量生産が可能な構造を有している。すなわ
ち、ロール成形等によって１枚の金属板を曲げ加工する
ことで成形でき、特にアルミ製であれば引き抜き加工に
よって成形可能である。しかも、横方向に延在する部材
が前面板部だけなので、成形後に窓穴を穿設するのも容
易である。したがって、容易に大量生産することがで
き、立体写真立てを安価に提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づき構成された立体写真立ての第１
の実施例を示す斜視図。

【図２】図１に示される立体写真立てを示す横断面図。

【図３】図１に示される立体写真立ての一部を変形した
例を示す図２と同様な横断面図。

【図４】本発明に基づき構成された立体写真立ての第２
の実施例を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 写真立て ２ 前面板部 ２ａ 窓穴 ３・４ 筒状部 ５・６ 側面板部 ７・８ 係止部 ７ａ・８ａ Ｖ字溝 ９ 化粧パネル ９ａ 穴 １１・１２ 筒状部 ２１ 写真立て ２２ 本体 ２３ 表面パネル ２３ａ 窓穴 ２４ 前面板部 ２４ａ 穴 ２５・２６ 側面板部 ２７・２８ 係止部 Ａ 写真

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 写真表示用の窓穴が穿設された前面板
   部の左右両側部分から後方に延出した左右の側面板部の
   後端部に、平板な写真の左右の各端部をそれぞれ係止す
   ることで該写真を凸面状に湾曲した状態で保持する係止
   手段を設け、これら左右の係止手段は、互いに平板な写
   真の横寸法より狭小に離間して配置されており、上記の
   前面板部と左右の側面板部と左右の係止手段とが一体的
   に成形されたことを特徴とする立体写真立て。