JPH08313204A - 光スペクトル多重干渉装置、光自己相関関数測定器および光受信装置 - Google Patents

光スペクトル多重干渉装置、光自己相関関数測定器および光受信装置

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JPH08313204A
JPH08313204A JP7118581A JP11858195A JPH08313204A JP H08313204 A JPH08313204 A JP H08313204A JP 7118581 A JP7118581 A JP 7118581A JP 11858195 A JP11858195 A JP 11858195A JP H08313204 A JPH08313204 A JP H08313204A
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JP
Japan
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light
optical
frequency
separating
separated
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JP7118581A
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English (en)
Inventor
Fumihiko Ito
文彦 伊藤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間で高速かつ高精度に測定することがで
きる光スペクトル多重干渉装置、光自己相関関数測定器
および光受信装置を提供する。 【構成】 信号光を周波数空間分離手段71によってス
ペクトルに分解し、ハーフミラー31で2つに分岐し、
この分岐された一方においてミラー21で反射し、他方
において余分なミラー23およびミラー22で反射し
て、ハーフミラー32に導き、該ハーフミラー32によ
って互いに重なることなく再度合波し、レンズ81で集
光し、干渉パターンの観測面10に導いている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光波を干渉させること
によりスペクトルを空間的に分解する光スペクトル多重
干渉装置、光の自己相関関数を測定する光自己相関関数
測定器、および有限時間長を有する時間的に変調された
光信号を受信する光受信装置に関し、特に光通信の分野
に有効な光スペクトル多重干渉装置、光自己相関関数測
定器および光受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自己相関関数測定器は、例えば図
5に示すように構成され、同図に示すように、信号光は
ハーフミラー3によって分割され、各々ミラー1,2に
向かって進行する。ミラー1はその位置が可変であり、
これによってミラー1を経てハーフミラー3に戻る経路
と、ミラー2を経てハーフミラー3に戻る経路との光路
差は可変である。受光素子4は受光光強度を電気信号に
変換し、積分器5はこれを積分する。信号光の電界振幅
の複素表示をE(t)とすると、積分器5の出力I
(h)は両腕の光路長差hの関数となり以下のようにな
る。
【0003】
【数1】 ただし、*は複素共役量、Reは実部を表わす。またτ
=h/cと置いた。Γ(τ)は自己相関関数もしくはコ
ヒーレンス関数と呼ばれる。
【0004】式(2)から以下のことが判る。遅延時間
τの関数として積分器の出力I(τ)を測定すれば、そ
の結果から自己相関関数Γ(τ)の実部を求めることが
できる。こうして求められたΓ(τ)の実部は一般的に
【数2】 Re(Γ(τ))=|Γ(τ)|cos [2πf0 τ+α(τ)] (3) と表わされる。f0 は信号光の平均周波数であり、|Γ
(τ)|とα(τ)は振幅と位相である。自己相関関数
Γ(τ)の虚部は
【数3】 Im(Γ(τ))=|Γ(τ)|sin [2πf0 τ+α(τ)] によって求められるので、自己相関関数Γ(τ)を定め
ることができる。
【0005】このように求められた自己相関関数は以下
の点で有用である。第1にΓ(τ)は信号光のパワース
ペクトルG(f)と
【数4】 の関係にある。従って、測定からΓ(τ)を知ることが
できればそれをフーリエ変換することによって信号光の
スペクトルが知れる。またΓ(τ)は信号光のコヒーレ
ンス長τc と以下の関係にある。
【0006】
【数5】 従って、光源のコヒーレンス長の測定に有益である。
【0007】本発明に関連する従来の技術のもう一つと
しては、観測される信号光と、変調されそのスペクトル
が空間的に分解された局発光との干渉パターンを分析す
ることによる光受信装置(Proceedings of Japan-U.S,W
orkshop on Functional Fronts in Advanced Ceramics
(Boudaries and Defects)December 6-8,1994,Tsukuba,J
apan 参照)がある。以下、従来の光受信装置と言えば
これを指すこととする。
【0008】図6は従来の光受信装置の構成を示してい
る。9は局発光光源で、単一の周波数で発振するレーザ
である。6は局発光を変調する局発光変調手段、7は変
調によって生じた周波数成分を空間的に分離するための
周波数分離手段、8はレンズである。従来の光受信装置
においては、高速な信号光と、変調された後その周波数
成分が空間的に分離された局発光との干渉パターンが観
測され、それをフーリエ分析することによって信号光の
時間波形が決定できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の自己相関関数測
定器は、可動ミラーを挿引して遅延時間差を変更し、そ
の度に積分器の出力を測定することによって、自己相関
関数を求めることができた。しかしながらこのような方
法で自己相関関数が求められるためには、信号光は、可
動ミラーを挿引する間定常的に発生している必要があ
る。例えば物質から発生する蛍光などは、非常に早く強
度が減衰することがあり、こうした光の自己相関関数は
測定できない。
【0010】従来の光受信装置の問題点は、信号光と局
発光の干渉パターンを観測するときに、局発光の周波数
分離手段やレンズ、ミラーなどの部品に収差が存在する
と、それが干渉パターンを歪めてしまい、正確な測定が
行えないことである。信号光の時間波形を正確に決定す
るには、これらの構成部品の持つ収差の影響を小さくす
る手段を講じる必要がある。
【0011】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、短時間で高速かつ高精度に測
定することができる光スペクトル多重干渉装置、光自己
相関関数測定器および光受信装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光スペクトル多重干渉装置は、光波を干渉
させることによりスペクトルを空間的に分解する光スペ
クトル多重干渉装置であって、光波を周波数成分毎に空
間的に分離された光束を出力する周波数分離手段と、前
記周波数成分毎に空間的に分離された光束同士を交差さ
せて干渉パターンを生成する干渉パターン生成手段とを
有し、前記干渉パターン生成手段で同じ周波数成分同士
の交差角が周波数毎に異なっていることを要旨とする。
【0013】また、本発明の光スペクトル多重干渉装置
は、請求項1記載の発明において、前記干渉パターン生
成手段が、前記周波数分離手段の出力である光束構成光
それぞれを光強度的に分離する光強度分離手段と、該光
強度分離手段で分離された光路のうち1つに挿入された
像反転手段と、前記光強度分離手段で分離された光束を
同一方向にする方向付け手段と、集光する集光手段と、
該集光手段の出力方向に設置された干渉パターン投影面
とを有することを要旨とする。
【0014】更に、本発明の光スペクトル多重干渉装置
は、請求項1記載の発明において、観察される光信号
が、変調された局部発振光と偏波多重する偏波多重手段
を通過した後、前記光スペクトル多重干渉装置に入力さ
れ、前記干渉パターン生成手段が、1つの偏波成分方向
の前記信号光と前記局部発振光との干渉パターンを生成
することを要旨とする。
【0015】本発明の光スペクトル多重干渉装置は、請
求項3記載の発明において、前記偏波多重手段が、局部
発振光を発生する局部発振光発生手段と、該局部発振光
発生手段からの局部発振光を変調する局部発振光変調手
段と、前記信号光と前記変調された局部発振光の偏波を
それぞれ制御する偏波制御手段と、該偏波制御手段でそ
れぞれ偏波制御された前記信号光と前記局部発振光を偏
波多重する偏波多重手段とを有することを要旨とする。
【0016】また、本発明の光スペクトル多重干渉装置
は、請求項3記載の発明において、前記干渉パターン生
成手段が、前記周波数分離手段の出力である光束構成光
それぞれを光強度的に分離する光強度分離手段と、該光
強度分離手段で分離された光路のうち1つに挿入される
像反転手段と、前記光強度分離手段で分離された光路の
うち1つに挿入される偏波方向を回転させる偏波回転手
段と、分離された光束を同一方向にする方向付け手段
と、該方向付け手段により同一方向になった光束の偏波
成分毎に分離する分離手段と、集光する集光手段とを有
することを要旨とする。
【0017】更に、本発明の光スペクトル多重干渉装置
は、請求項3記載の発明において、前記干渉パターン生
成手段が、前記周波数分離手段の出力である光束構成光
それぞれを光強度的に分離する光強度分離手段と、該光
強度分離手段で分離された光路のうち1つに挿入される
像反転手段と、前記光強度分離手段で分離された光路の
うち1つに挿入される偏波方向を回転させる偏波回転手
段と、分離された光路すべてに挿入される偏波成分毎に
分離する分離手段と、分離された光束を同一方向にする
方向付け手段と、集光する集光手段とを有することを要
旨とする。
【0018】本発明の光スペクトル多重干渉装置は、請
求項3記載の発明において、前記干渉パターン生成手段
が、偏波成分毎に分離する分離手段と、分離された光路
のうち1つに挿入される像反転手段と、分離された光路
のうち1つに挿入される偏波方向を回転する偏波回転手
段と、分離された光束を同一方向にする方向付け手段
と、集光する集光手段とを有することを要旨とする。
【0019】また、本発明の光スペクトル多重干渉装置
は、請求項5ないし7のいずれかに記載の発明におい
て、前記偏波回転手段の回転角が90度であることを要
旨とする。
【0020】更に、本発明の光自己相関関数測定器は、
光波を周波数成分毎に空間的に分離された光束を出力す
る周波数分離手段および前記周波数成分毎に空間的に分
離された光束同士を交差させて干渉パターンを生成し、
同じ周波数成分同士の交差角が周波数毎に異なるように
する干渉パターン生成手段を有し、光波を干渉させるこ
とによりスペクトルを空間的に分解する光スペクトル多
重干渉装置と、該光スペクトル多重干渉装置で生成され
た干渉パターンを観測する干渉パターン観測手段と、前
記干渉パターン観測手段が干渉により生じた光強度パタ
ーンを電気信号に変換する変換手段と、該変換手段によ
り変換された電気信号の時間的な平均操作を行う平均化
手段とを有し、該平均化手段による時間平均後の信号強
度の空間パターンを観測することを要旨とする。
【0021】本発明の光自己相関関数測定器は、請求項
9記載の発明において、前記干渉パターン生成手段が、
前記周波数分離手段の出力である光束構成光それぞれを
光強度的に分離する光強度分離手段と、該光強度分離手
段で分離された光路のうち一方に挿入された像反転手段
と、前記光強度分離手段で分離された光束を同一方向に
する方向付け手段と、集光する集光手段と、該集光手段
の出力方向に設置された干渉パターン投影面とを有する
ことを要旨とする。
【0022】また、本発明の光受信装置は、光波を周波
数成分毎に空間的に分離された光束を出力する周波数分
離手段および前記周波数成分毎に空間的に分離された光
束同士を交差させて干渉パターンを生成し、同じ周波数
成分同士の交差角が周波数毎に異なるようにする干渉パ
ターン生成手段を有し、光波を干渉させることによりス
ペクトルを空間的に分解する光スペクトル多重干渉装置
と、該光スペクトル多重干渉装置で生成された干渉パタ
ーンを観測する干渉パターン観測手段とを有する光受信
装置であって、前記干渉パターン観測手段が、干渉によ
り生じた光強度パターンを電気信号に変換する変換手段
と、該変換手段により変換された電気信号の時間的な平
均操作を行う平均化手段とを有し、該平均化手段による
時間平均処理後の信号強度の空間パターンを観測するこ
とを要旨とする。
【0023】更に、本発明の光受信装置は、請求項11
記載の発明において、時間平均処理後の信号強度の空間
パターンに含まれる定められた周期成分の複素振幅を求
める手段と、求められた複素振幅を予め知られた局部発
振光の対応する周波数成分の複素振幅で除したものを新
しい複素振幅とする手段と、前記新しい複素振幅によっ
て構成された時間波長をもって信号光の時間波長とする
手段とを有することを要旨とする。
【0024】
【作用】本発明の光スペクトル多重干渉装置にあって
は、周波数分離手段により光波を周波数成分毎に空間的
に分離された光束を出力し、この周波数成分毎に空間的
に分離された光束同士を交差させて干渉パターンを干渉
パターン生成手段で生成し、該干渉パターン生成手段で
同じ周波数成分同士の交差角が周波数毎に異なるように
している。
【0025】また、本発明の光スペクトル多重干渉装置
にあっては、干渉パターン生成手段において、周波数分
離手段の出力である光束構成光それぞれを光強度分離手
段により光強度的に分離し、この分離された光路のうち
1つに像反転手段を挿入し、分離された光束を同一方向
にし、集光手段で集光し、該集光手段の出力方向に設置
された干渉パターン投影面上に投影している。
【0026】更に、本発明の光スペクトル多重干渉装置
にあっては、観察される光信号は変調された局部発振光
と偏波多重する偏波多重手段を通過した後、光スペクト
ル多重干渉装置に入力され、干渉パターン生成手段は1
つの偏波成分方向の信号光と局部発振光との干渉パター
ンを生成している。
【0027】本発明の光スペクトル多重干渉装置にあっ
ては、偏波多重手段においては、局部発振光を発生し、
該局部発振光を変調し、信号光と変調された局部発振光
の偏波をそれぞれ制御し、この偏波制御された信号光と
局部発振光を偏波多重している。
【0028】また、本発明の光スペクトル多重干渉装置
にあっては、干渉パターン生成手段において、周波数分
離手段の出力である光束構成光それぞれを光強度的に分
離し、この分離された光路のうち1つに像反転手段を挿
入し、分離された光路のうち1つに挿入される偏波方向
を回転させ、分離された光束を同一方向にし、同一方向
になった光束の偏波成分毎に分離し、集光手段で集光し
ている。
【0029】更に、本発明の光スペクトル多重干渉装置
にあっては、干渉パターン生成手段において、周波数分
離手段の出力である光束構成光それぞれを光強度的に分
離し、この分離された光路のうち1つに像反転手段を挿
入し、分離された光路のうち1つに挿入される偏波方向
を回転させ、分離された光路すべてに挿入される偏波成
分毎に分離し、分離された光束を同一方向にし、集光手
段で集光している。
【0030】本発明の光スペクトル多重干渉装置にあっ
ては、干渉パターン生成手段において、偏波成分毎に分
離し、分離された光路のうち1つに像反転手段を挿入
し、分離された光路のうち1つに挿入される偏波方向を
回転し、分離された光束を同一方向にし、集光手段で集
光している。
【0031】また、本発明の光スペクトル多重干渉装置
にあっては、偏波回転手段の回転角は90度である。
【0032】更に、本発明の光自己相関関数測定器にあ
っては、光スペクトル多重干渉装置で生成された干渉パ
ターンを観測し、干渉により生じた光強度パターンを電
気信号に変換し、この変換された電気信号の時間的な平
均操作を行い、時間平均後の信号強度の空間パターンを
観測している。
【0033】本発明の光自己相関関数測定器にあって
は、干渉パターン生成手段において、周波数分離手段の
出力である光束構成光それぞれを光強度的に分離し、こ
の分離された光路のうち一方に像反転手段を挿入し、分
離された光束を同一方向にし、集光手段で集光し、該集
光手段の出力方向に設置された干渉パターン投影面に投
影している。
【0034】また、本発明の光受信装置にあっては、光
スペクトル多重干渉装置で光波を干渉させることにより
スペクトルを空間的に分解し、生成された干渉パターン
を干渉パターン観測手段で観測する光受信装置の干渉パ
ターン観測手段において、干渉により生じた光強度パタ
ーンを電気信号に変換し、この変換された電気信号の時
間的な平均操作を行い、時間平均処理後の信号強度の空
間パターンを観測している。
【0035】更に、本発明の光受信装置にあっては、時
間平均処理後の信号強度の空間パターンに含まれる定め
られた周期成分の複素振幅を求め、求められた複素振幅
を予め知られた局部発振光の対応する周波数成分の複素
振幅で除したものを新しい複素振幅とし、新しい複素振
幅によって構成された時間波長をもって信号光の時間波
長としている。
【0036】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。
【0037】図1は、本発明の第1の実施例の構成を示
す図である。同図において、21,22,23はミラ
ー、31,32はハーフミラー、71は周波数空間分離
手段、81はレンズ、10は干渉パターンの観測手段
(受光素子アレイ)の測定面である。
【0038】信号光は周波数空間分離手段71によって
スペクトルに分解される。ハーフミラー31は周波数分
解された周波数空間分離手段71からの出力を2つに分
岐し、ハーフミラー32によって互いに重なることなく
再度合波して干渉パターンの観測面10に導く。レンズ
81は、周波数空間分離手段71と干渉パターンの観測
面10とのちょうど中間に置かれ、レンズ81の焦点距
離は、レンズから干渉パターンの観測面までの距離に等
しい必要がある。分岐された一方の経路には余分なミラ
ー23が挿入されている。余分なミラー23は、周波数
空間分離手段71によって分離された周波数の配置を左
右逆転させるために挿入されている。この結果干渉パタ
ーンの観測面では、図1に示すように、異なる周波数成
分は各々固有の交差角で干渉する。
【0039】本実施例で観測される干渉パターンは具体
的には以下のようになる。既述のように分岐された信号
光は図4に示す入射方向をもって観測面に入射する。こ
れらの電界振幅は以下のように記述できる。
【0040】
【数6】 m (S) ,an (S) ,φm (S) ,φn (S) は各周波数成
分の振幅と位相である。f0 は中心の周波数である。θ
m とθn は各々の周波数成分の入射角度である。また、
m =2π(f0 +m/T)/cである(ただし、cは
真空中の光速度)。これらの干渉によって観測される干
渉パターンは以下のように計算される。
【0041】
【数7】
【数8】 式(6)と(7)は、定数項I0 と exp(j2πf
0 t)と exp[jk(θ0 +θ1 )x]の違いを除き、
同じ格好をしている。従って、もしも光の中心周波数f
0 が既知であれば、式(7)の第2項から自己相関関数
を以下のように求めることができる。
【0042】
【数9】 次に、図2を参照して、本発明の第2の実施例について
説明する。図2において、9は局発光光源、6は局発光
変調手段、71は周波数空間分離手段である。また、1
1は偏波制御手段であって、これによって信号光と局発
光は互いに直交する直線偏波となって、偏光ビームスプ
リッタ12によって合波される。偏光ビームスプリッタ
12直後の偏波状態は図に示すように両光とも直線であ
って、互いに直交している。13はビームの空間強度分
布を均一にするための空間フィルタである。151,1
52はハーフミラー、141,142,143はミラー
である。ハーフミラー151は周波数分解された分離手
段7からの出力を2つに分岐し、ハーフミラー152に
よって互いに重なることなく再度合波して干渉パターン
の観測面に導く。
【0043】レンズ81は、周波数空間分離手段71と
干渉パターンの観測面とのちょうど中間に置かれ、レン
ズ81の焦点距離は、レンズから干渉パターンの観測面
までの距離に等しい必要がある。分岐された一方の経路
には半波長板16と、余分なミラー143が挿入されて
いる。これら2つの要素はどちらの経路に挿入されても
よく、また両方が同じ側に入っていても構わない。半波
長板16の機能は直線偏波の偏光方向を90度回転する
ことである。その結果図に示すように、半波長板通過後
は、一方の経路の局発光は他方の経路の信号光と同じ偏
波となり、これらを合波した後には、信号光と局発光の
干渉が生じるようになる。
【0044】余分なミラー143は、分離手段によって
分離された周波数の配置を左右逆転させるために挿入さ
れている。この結果干渉パターンの観測面では、図1に
示すように、異なる周波数成分は各々固有の交差角で干
渉する。17は一方の直線偏光のみを通過させる偏光子
であり、図に示した横方向、縦方向の組のうち、例えば
横方向のみを通過させる。偏光子が必要な理由は、図の
横方向の偏波の組と縦方向の組とでは、180度位相が
異なる干渉パターンを与えるためである。偏光子の挿入
位置は半波長板以降ならどこでもよい。
【0045】このような構成によって、信号光と局発光
は、従来の光受信装置に比べてより多く同じ経路を通過
する。従来の光受信装置では、局発光のみが周波数分離
手段およびレンズを通過し、これらの構成要素で生じる
波面収差が干渉パターンに現われてしまう。これに対し
て本実施例では、別経路に置かれた構成要素は、ミラー
類および半波長板16だけである。これらの構成要素は
表面を鏡面研磨することによって比較的容易にλ/20
程度の平坦度が得られるため、波面収差の影響は少な
い。共通の経路にある周波数分離手段などで被る波面収
差は干渉時に相殺されて観測には影響を与えないため、
極めて精度のよい測定が可能となる。
【0046】本実施例で観測される干渉パターンは具体
的には以下のようになる。既述のように信号光と局発光
は図4に示す入射方向をもって観測面に入射する。これ
らの電界振幅は以下のように記述できる。
【0047】
【数10】 m (S) ,an (LO),φm (S) ,φn (LO)は各周波数成
分の振幅と位相である。f0 は中心の周波数である。θ
m とθn は各々の周波数成分の入射角度である。また、
m =2π(f0 +m/T)/cである(ただし、cは
真空中の光速度)。これらの干渉によって観測される干
渉パターンは以下のように計算される。
【0048】
【数11】 θ0 とθ1 は各々信号光と局発光の中心周波数成分の入
射角度、Δθは隣り合う周波数成分の入射角度差、I0
は信号光と局発光の全エネルギである。式(11)の導
出には近似式
【数12】 が使われた。式(3)から、信号光の各周波数成分は、
その振幅と位相を反映した固有の周期π/k(θ0 +m
Δθ)の干渉縞を形成する。従って、観測された干渉パ
ターンをフーリエ分析することによって、従来の光受信
装置と同様にして、信号光の周波数成分の振幅am (S)
と位相φm (S) を求めることができる。
【0049】具体的な手順を示すと、 (1)観測された干渉パターンI(x)をフーリエ分析
して、周期π/k(θ0 +mΔθ)をもつ成分の振幅と
位相を求める。すなわち、周期π/k(θ0 +mΔθ)
をもつ成分の複素振幅
【数13】 を計算する。これによって信号光の時間波形が決定でき
る。
【0050】ただし、上記手続きの大部分は、次のよう
な特殊な場合により簡単になることがある。すなわち、
局発発振光がパルス状に振幅変調され、周波数変調成分
を全く含まない場合である。言い換えれば、局発発振光
が変換限界(Transform Limited )にある短パルスであ
るような場合である。このような場合には近似的に、a
m (LO)=1およびφm (LO)=0が成り立つため、式(1
1)は以下のようになる。
【0051】
【数14】 式(12),(13)を見比べれば判るように、観測さ
れる干渉パターンは、信号光の時間波形に相似となる。
従ってこのような場合には、干渉パターンを直接観測す
るだけで、信号光の時間波形を決定することができる。
【0052】次に、図3を参照して、本発明の第3の実
施例について説明する。同図に示す第3の実施例の第2
の実施例との違いは、干渉計の分岐部分に偏光ビームス
プリッタ122が使われている点だけである。本構成で
は、偏光ビームスプリッタ122によって信号光と局発
光は完全に一旦分離される。このため偏光子17は不要
である。それ以外の本実施例の動作は第2の実施例と全
く同じである。
【0053】上述したように、本実施例の自己相関関数
測定器では、信号光を一旦スペクトルに分解し、それを
重ね合わせて干渉させる手法を採っている。また、本実
施例の光受信装置では、局発光と信号光の経路を可能な
限り同一にし、共通の構成部品を通過させることによっ
て、個々の構成部品の持つ収差の影響を小さくすること
を考える。また、同一経路を通った信号光と局発光は最
終的には分離されて干渉させる必要があるため、予めこ
れらを互いに直交した偏波状態にして、後で分離できる
ようにしている。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
信号光を2つに分岐したスペクトル多重干渉計を用い
て、光信号の自己相関関数を求めることができる。これ
によって、光源のコヒーレンス長の測定やスペクトルの
分析が行える点は従来の技術と同じであるが、本発明で
は従来の技術のように機械的なミラーの挿引は必要な
く、測定に必要な時間は非常に短い。その結果、測定時
間の短縮に寄与するばかりでなく、非常に短い時間に生
じる物質の発光現象や、短パルスレーザの単一現象の解
析にも用いることができる。
【0055】また、本発明によれば、従来の光受信装置
で開示された高速信号の観測を構成部品の波面収差の影
響が極力小さい状態で行うことができる。従って大幅な
測定精度の向上が望める。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施例の構成を示す図である。
【図4】本発明の各実施例の干渉パターンの観測面にお
ける各周波数成分の入射方向を示す図である。
【図5】従来の自己相関関数測定系の構成を示す図であ
る。
【図6】従来の光受信装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
6 局発光変調手段 9 局発光光源 11 偏波制御手段 12 偏光ビームスプリッタ 13 空間フィルタ 17 偏光子 21,22,23 ミラー 31,32 ハーフミラー 71 周波数空間分離手段 81 レンズ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光波を干渉させることによりスペクトル
    を空間的に分解する光スペクトル多重干渉装置であっ
    て、 光波を周波数成分毎に空間的に分離された光束を出力す
    る周波数分離手段と、 前記周波数成分毎に空間的に分離された光束同士を交差
    させて干渉パターンを生成する干渉パターン生成手段と
    を有し、 前記干渉パターン生成手段で同じ周波数成分同士の交差
    角が周波数毎に異なっていることを特徴とする光スペク
    トル多重干渉装置。
  2. 【請求項2】 前記干渉パターン生成手段は、前記周波
    数分離手段の出力である光束構成光それぞれを光強度的
    に分離する光強度分離手段と、該光強度分離手段で分離
    された光路のうち1つに挿入された像反転手段と、前記
    光強度分離手段で分離された光束を同一方向にする方向
    付け手段と、集光する集光手段と、該集光手段の出力方
    向に設置された干渉パターン投影面とを有することを特
    徴とする請求項1記載の光スペクトル多重干渉装置。
  3. 【請求項3】 観察される光信号は、変調された局部発
    振光と偏波多重する偏波多重手段を通過した後、前記光
    スペクトル多重干渉装置に入力され、 前記干渉パターン生成手段は、1つの偏波成分方向の前
    記信号光と前記局部発振光との干渉パターンを生成する
    ことを特徴とする請求項1記載の光スペクトル多重干渉
    装置。
  4. 【請求項4】 前記偏波多重手段は、局部発振光を発生
    する局部発振光発生手段と、該局部発振光発生手段から
    の局部発振光を変調する局部発振光変調手段と、前記信
    号光と前記変調された局部発振光の偏波をそれぞれ制御
    する偏波制御手段と、該偏波制御手段でそれぞれ偏波制
    御された前記信号光と前記局部発振光を偏波多重する偏
    波多重手段とを有することを特徴とする請求項3記載の
    光スペクトル多重干渉装置。
  5. 【請求項5】 前記干渉パターン生成手段は、前記周波
    数分離手段の出力である光束構成光それぞれを光強度的
    に分離する光強度分離手段と、該光強度分離手段で分離
    された光路のうち1つに挿入される像反転手段と、前記
    光強度分離手段で分離された光路のうち1つに挿入され
    る偏波方向を回転させる偏波回転手段と、分離された光
    束を同一方向にする方向付け手段と、該方向付け手段に
    より同一方向になった光束の偏波成分毎に分離する分離
    手段と、集光する集光手段とを有することを特徴とする
    請求項3記載の光スペクトル多重干渉装置。
  6. 【請求項6】 前記干渉パターン生成手段は、前記周波
    数分離手段の出力である光束構成光それぞれを光強度的
    に分離する光強度分離手段と、該光強度分離手段で分離
    された光路のうち1つに挿入される像反転手段と、前記
    光強度分離手段で分離された光路のうち1つに挿入され
    る偏波方向を回転させる偏波回転手段と、分離された光
    路すべてに挿入される偏波成分毎に分離する分離手段
    と、分離された光束を同一方向にする方向付け手段と、
    集光する集光手段とを有することを特徴とする請求項3
    記載の光スペクトル多重干渉装置。
  7. 【請求項7】 前記干渉パターン生成手段は、偏波成分
    毎に分離する分離手段と、分離された光路のうち1つに
    挿入される像反転手段と、分離された光路のうち1つに
    挿入される偏波方向を回転する偏波回転手段と、分離さ
    れた光束を同一方向にする方向付け手段と、集光する集
    光手段とを有することを特徴とする請求項3記載の光ス
    ペクトル多重干渉装置。
  8. 【請求項8】 前記偏波回転手段の回転角は90度であ
    る請求項5ないし7のいずれかに記載の光スペクトル多
    重干渉装置。
  9. 【請求項9】 光波を周波数成分毎に空間的に分離され
    た光束を出力する周波数分離手段および前記周波数成分
    毎に空間的に分離された光束同士を交差させて干渉パタ
    ーンを生成し、同じ周波数成分同士の交差角が周波数毎
    に異なるようにする干渉パターン生成手段を有し、光波
    を干渉させることによりスペクトルを空間的に分解する
    光スペクトル多重干渉装置と、 該光スペクトル多重干渉装置で生成された干渉パターン
    を観測する干渉パターン観測手段と、 前記干渉パターン観測手段が干渉により生じた光強度パ
    ターンを電気信号に変換する変換手段と、 該変換手段により変換された電気信号の時間的な平均操
    作を行う平均化手段とを有し、 該平均化手段による時間平均後の信号強度の空間パター
    ンを観測することを特徴とする光自己相関関数測定器。
  10. 【請求項10】 前記干渉パターン生成手段は、前記周
    波数分離手段の出力である光束構成光それぞれを光強度
    的に分離する光強度分離手段と、該光強度分離手段で分
    離された光路のうち一方に挿入された像反転手段と、前
    記光強度分離手段で分離された光束を同一方向にする方
    向付け手段と、集光する集光手段と、該集光手段の出力
    方向に設置された干渉パターン投影面とを有することを
    特徴とする請求項9記載の光自己相関関数測定器。
  11. 【請求項11】 光波を周波数成分毎に空間的に分離さ
    れた光束を出力する周波数分離手段および前記周波数成
    分毎に空間的に分離された光束同士を交差させて干渉パ
    ターンを生成し、同じ周波数成分同士の交差角が周波数
    毎に異なるようにする干渉パターン生成手段を有し、光
    波を干渉させることによりスペクトルを空間的に分解す
    る光スペクトル多重干渉装置と、該光スペクトル多重干
    渉装置で生成された干渉パターンを観測する干渉パター
    ン観測手段とを有する光受信装置であって、 前記干渉パターン観測手段は、干渉により生じた光強度
    パターンを電気信号に変換する変換手段と、 該変換手段により変換された電気信号の時間的な平均操
    作を行う平均化手段とを有し、 該平均化手段による時間平均処理後の信号強度の空間パ
    ターンを観測することを特徴とする光受信装置。
  12. 【請求項12】 時間平均処理後の信号強度の空間パタ
    ーンに含まれる定められた周期成分の複素振幅を求める
    手段と、求められた複素振幅を予め知られた局部発振光
    の対応する周波数成分の複素振幅で除したものを新しい
    複素振幅とする手段と、前記新しい複素振幅によって構
    成された時間波長をもって信号光の時間波長とする手段
    とを有することを特徴とする請求項11記載の光受信装
    置。
JP7118581A 1995-05-17 1995-05-17 光スペクトル多重干渉装置、光自己相関関数測定器および光受信装置 Pending JPH08313204A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006352892A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Jds Uniphase Corp パルス光信号を特徴付ける装置および方法
JP2017161493A (ja) * 2016-03-04 2017-09-14 富士電機株式会社 分光装置及び分光方法

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