JPH08310492A - エーロフォイルの気流剥離を示す振動性現象またはセンサ共通モード振動性故障を検知して始動コマンドを生成する方法 - Google Patents

エーロフォイルの気流剥離を示す振動性現象またはセンサ共通モード振動性故障を検知して始動コマンドを生成する方法

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JPH08310492A
JPH08310492A JP8117390A JP11739096A JPH08310492A JP H08310492 A JPH08310492 A JP H08310492A JP 8117390 A JP8117390 A JP 8117390A JP 11739096 A JP11739096 A JP 11739096A JP H08310492 A JPH08310492 A JP H08310492A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気流の剥離を表わす振動性現象またはセンサ
共通モード振動故障を検知するための方法および装置を
提供する。 【解決手段】 エーロフォイル両面の圧力差を検出する
トランスデューサの振動を帯域フィルタ処理し帯域外の
振動を取除く。帯域内でプラスマイナスのしきい値を超
える振動のピークでパルスを生成しカウントする。カウ
ンタ値は、交互のピークが最小周波数の2分の1サイク
ル内に検出されないとデクリメントされる。カウントが
しきい値を超えると、ラッチをセットする。これにより
トランスデューサからのデータに依存する動作を禁止す
るために使用できるコマンドを生成する。代替的な経路
で制御部品の位置(方向舵のペダルの位置等)を検出
し、トランスデューサの振動状態を作り出す可能性があ
る極限値に達する場合ラッチをセットする。所定の時間
振動状態が収まればラッチをリセットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術の分野】この発明は操縦システムに関し、かつよ
り詳細には航空機の操縦システムに関する。
【0002】
【発明の背景】今日まで、航空機の方向を制御する装置
(たとえば補助翼、昇降舵、および方向舵)を制御する
ためのさまざまなシステムが開発されてきた。近年、フ
ライ・バイ・ワイヤ操縦システムが開発され、民間をは
じめ他のジェット航空輸送機を含むさまざまな航空機に
おいて、ケーブルと液圧による操縦システムに取って代
わるようになった。飛行機にどのような操縦システムを
組込むかに関係なく、特に民間ジェット機の場合問題に
なるのは突風や乱気流がある際の後部客席の乗り心地で
ある。
【0003】はっきりした突風や乱気流の中で飛行して
いる場合、民間および他の輸送航空機のキャビンの後部
では、前方および中央に比べて横方向の加速が高いレベ
ルになる。横方向の加速のレベルが増大するということ
は乗客にとって乗り心地という点から不快であるのみな
らず、民間ジェット航空機は、多くの場合調理室が後部
に位置しているため、乗務員にとっても作業がしにくい
環境になる。民間ジェット航空機の場合はっきりした突
風や乱気流によって後部客席により高い横方向の加速が
発生するのは、航空機の胴体の剛体風見安定および可撓
体曲げ性によるものである。この後部客席の横方向の加
速が高くなる主な原因は航空機の垂直安定板に衝突する
突風および乱気流の横方向の成分により生じる横方向の
力である。当業者には周知のとおり、機体後部の横方向
の加速は突風および乱気流の際に航空機の垂直安定板の
効果を低減するかまたは打消すことによってかなり低減
できる。
【0004】これまで、従来のモード抑制システムが、
民間ジェット航空機の後部客席における乱気流および突
風の効果を低減するために開発されてきた。モード抑制
システムは側面の横負荷を検知するために横方向の加速
度計を採用している。こうして検知した情報を使用して
乱気流および突風に対する可撓体の反応を低減するよう
に設計された方向舵のコマンドを発生するのである。モ
ード抑制システムによって生成された信号は、フィルタ
処理されて飛行機の機体(胴体)の可撓性曲げモード周
波数、つまり2から4Hzの範囲にある第1の機体曲げ
モード周波数を外れる信号の成分を取除かれる。モード
抑制システムは、はっきりした突風および乱気流が原因
で機体が振動し始めると、機体の振動に減衰を加えるの
で、モード抑制システムは可撓性結合による動きを防止
するというよりはこういった動きを低減することにな
る。
【0005】最近、乱気流や突風が原因で起こる航空機
の後部客席の横方向への望ましくない動きを低減するた
めの方法および装置が開発されているが、この装置は垂
直安定板圧力差センサで信号を生成して、この信号を使
用して垂直安定板の負荷を軽減する方向に垂直安定板上
の方向舵を動かす。ロバート・ジェイ・ブリーグによる
「乱気流および突風により生じる航空機の負荷を低減す
る装置および方法」という名称の米国特許第5,37
5,794号(これ以降′794号特許と称す)を参
照。なおその主題についてここに引用により援用す
る。′794号特許に記載の方法および装置では航空機
のダッチロール周波数域以上の突風および乱気流に対応
するフィルタ処理された方向舵コマンドを生成する。こ
のフィルタは1rad/secに等しい角周波数fc
有する。この角周波数は突風および乱気流の際の垂直安
定板負荷軽減と航空機の良好な操作性との間で最良の均
衡をとるために選択されたものである。
【0006】′794号特許に記載の方法および装置
は、モード抑制システムを実質的に改善するものである
が、特にフライ・バイ・ワイヤ航空機操縦システムにお
いて使用する場合には改善の余地がある。′794号特
許に記載の一般型を改善した方法および装置が、本件と
同時に出願の、ウィリアム・エフ・ブライアント他によ
る、「乱気流および突風による後部座席の望ましくない
横方向の動きおよび航空機のロール・ヨー転覆を軽減す
るための方法および装置」という名称の米国特許出願
(開示BOCO18417)に記載されている。なおそ
の主題についてここに引用により援用する。
【0007】′794号特許および上に述べた特許出願
に記載の装置および方法に関する潜在的な問題の1つ
は、これらの装置および方法によって行なわれる方向舵
の修正制御によって、垂直安定板圧力差が検知された場
所で気流の剥離が発生したりすると方向舵の動きが許容
可能な構造上の限界を超えてしまう可能性がある点であ
る。本発明は、エーロフォイル気流剥離および/または
エーロフォイル気流剥離を生じさせる可能性がある他の
航空機の状態を検知するための方法および装置を提供
し、かつ′794号特許または先に述べた特許出願に記
載のタイプの操縦システムによって生成される方向舵の
修正コマンドのような選択された操縦機能を不活性化す
るのに適した制御信号を提供することを目的とする。
【0008】
【発明の要約】この発明によれば、気流剥離を表わす振
動信号を検知しかつ禁止コマンドを生成するための方法
および装置が提供される。エーロフォイル(たとえば航
空機の垂直安定板)の対向する両側に生じる圧力差を検
知する圧力差トランスデューサによって生成される信号
をモニタする。プラスとマイナスとのしきい値を交互に
超える予め定められた周波数帯域にある圧力差信号の振
動がカウントされるパルスを生成する。カウント値は最
小帯域周波数の1/2サイクルに必要な間隔の間に交互
のピークが検知されない場合ごとにデクリメントされ
る。特定の回数のサイクルにわたり許容可能なカウント
しきい値を超えた場合には、ラッチがセットされる。ラ
ッチをセットすることで、圧力差トランスデューサによ
って生成されるデータに依存するシステムの動作を禁止
するために使用することができるコマンドが生成され
る。
【0009】本発明のさらなる局面によれば、交流トラ
ンスデューサが操縦装置(航空機の方向舵ペダルなど)
の位置を検知して、その操縦装置の位置が圧力差トラン
スデューサ信号の振動が起こるような極限値に達した場
合にはラッチをセットする。
【0010】本発明の他の局面によれば、振動が収まる
と、予め定められた遅延時間の後ラッチをリセットし、
禁止された操縦機能を再許可することができる。
【0011】上に述べた要約から容易にわかるように、
本発明は、検知した信号の振動を検出しかつ検知した情
報を利用して、検知信号に依存するシステムの動作を禁
止するために使用することができるコマンドを生成する
周波数/振幅モニタを提供するものである。圧力差セン
サ信号の振動は気流の剥離を表わすものであるから、本
発明を、航空機の翼または水平および垂直安定板等の揚
力面上に気流の剥離が発生する際に航空機操縦システム
禁止コマンドを生成するために使用することができる。
より詳細には、垂直安定板等の揚力発生装置が最大揚力
に近づくと、揚力発生装置を横切る気流が交互に剥離し
たり再付着したりして、装置を横切る振動圧力差信号を
生成する可能性が生じる。この発明によれば、このよう
な情報を使用して揚力発生装置、つまり垂直安定板のた
めの操縦システムが許容構造限度を超えるような補償の
ための方向舵の動きを発生させないようにする。つま
り、振動性の動きを検知して航空機の構造的完全性に対
しマイナスの衝撃を与える可能性がある操縦機能の動作
を禁止するコマンドを生成する。さらに、この振動性の
状態が収まると、予め定められた遅延期間を経てモニタ
をリセットし、操縦機能を再び許可する。気流の剥離は
一時的な現象であり、極限の操縦状態にのみ起きるの
で、飛行のバランスに関する操縦機能を不能化すること
なしに、モニタリセット論理によって一時的禁止を可能
にする。周波数/振幅モニタはすべての揚力面上の気流
の剥離または関連のある周波数域におけるセンサ共通モ
ード振動性故障を検知する。
【0012】
【好ましい実施例の詳細な説明】以下の説明によりより
明らかになるが、本発明は「フライ・バイ・ワイヤ」航
空機操縦システムにおいて使用するために設計されてお
りかつこのシステムとの関連において説明しているが、
必要があれば他のタイプの航空機操縦システムに組込む
ことができる点を理解されたい。
【0013】さらに、従来技術と同様、本発明は特定の
機能を達成するために設計された別々のブロックを含む
制御法則の形で図示および説明されているが、さまざま
な形で実現できることを理解されたい。たとえば、ここ
に説明する制御法則のさまざまな機能は適当にプログラ
ムしたデジタルコンピュータシステムによって行なうこ
とができる。またこの機能はデジタルまたはアナログ回
路によっても実現され得る。
【0014】図面には、たとえばボーイング777等の
航空機の垂直安定板11に結合された本発明によるモニ
タを示す。以下の説明により明らかになるが、このモニ
タは2つの異なる入力に対し反応する。1つの入力は、
圧力差センサの振動が、エーロフォイルを横切る気流の
剥離が生じようとしていることを示している場合にモニ
タを始動させるものである。もう1つの入力は、航空機
の方向舵ペダル等の制御部品が、圧力差センサ振動が起
きる可能性が高い極限の位置に移動する際にモニタを始
動させる。
【0015】従来技術と同様、垂直安定板11は方向舵
13を含む。モニタは、垂直安定板11の10%翼弦線
に沿って装着された圧力差トランスデューサ15からの
信号を受ける。より詳細には、圧力差センサ15は垂直
安定板11の対向する両側の圧力を検知してΔPで示す
圧力差信号を生成する。ここで、本件と同時出願の、ウ
ィリアム・エフ・ブライアント他による「乱気流および
突風による後部客席の望ましくない横方向の動きおよび
航空機のロール・ヨー転覆を低減するための方法および
装置」という名称の米国特許を参照されたい(BOCO
18417)。なおその主題についてはここに引用によ
り援用しており、圧力差トランスデューサ15の位置に
ついてより詳細な情報については同出願を参照。
【0016】圧力差トランスデューサ信号ΔPを航空機
の空気データコンピュータ17が生成するqc で示す衝
撃圧力信号で除算する。これについてはブロック19を
参照。先に述べた特許出願にも記載のとおり、ΔPをq
c で除算することによって対気速度利得補償が得られ
る。この除算の答がΔCp で示す圧力差係数である。Δ
p はつまり現在の飛行状況についてスケーリングし
た、圧力差センサ15により生成されたΔPデータから
計算した圧力差係数である。航空機操縦システムの技術
分野の当業者には明らかだが、ΔPをスケーリングする
ことが必要なのは、空気が垂直安定板に対し負荷を与え
るため、乱気流および突風を軽減するために使用する方
向舵の変位の量が衝撃圧力変数qc および圧力トランス
デューサ15により生成される信号の実際の値の関数だ
からである。本発明を利用する他の状況では、圧力差ト
ランスデューサにより生成される信号の異なるスケーリ
ングが必要となるかもしれないことは明らかである。
【0017】圧力差係数ΔCp はブロック21により示
されるとおり帯域フィルタ処理されて関連のある帯域を
外れる振動を排除する。この帯域フィルタによってω1
を下回りかつω2 を上回る振幅は減衰される。こうし
て、ω1 からω2 の周波数域がモニタの動作帯域となり
かつこの帯域は発明の特定の応用に応じて変更される。
【0018】上の境界であるω2 は翼面操縦装置の帯域
幅に基づくものである。図に示した本発明の実施例の場
合には、ω2 は方向舵アクチュエータの帯域幅に等しく
設定されている。下の境界であるω1 は、操縦機能の通
常の動作周波数より上に選択されかつこの周波数を超え
る圧力差センサおよび/または制御装置の反応は望まし
くないまたは通常でないということを前提として選択さ
れている。図面に示す本発明の実施例については、ω1
はおよそ2.0Hzに設定されており、この周波数は予
想される乱気流および突風の周波数範囲より高いが、航
空機の第1の機体曲げモードよりも低くなっている。
【0019】帯域フィルタは本質的には2つの周波数帯
域、すなわちω1 より低い帯域とω 2 より高い帯域にあ
る振動を拒絶または除去する。ω1 を下回る周波数域で
の圧力振動は、概ねこの周波数域に周波数スペクトルを
有する乱気流および突風によるものである。′794号
特許および先に述べた特許出願に記載の方法および装置
は乱気流および突風による航空機の後部客席における望
ましくない横方向の動きを低減するように設計されてい
る。本発明は望ましくない横方向の動きを低減するため
に設計された方向舵修正コマンドの生成を禁止しないよ
うに設計されているので、乱気流および突風により生じ
るかもしれない振動は、このような振動によって禁止コ
マンドが生成されないように、拒絶する必要がある。こ
れは、ω 1 を乱気流や突風の周波数域より上に選ぶこと
によって行なわれる。
【0020】ω2 の方向舵アクチュエータの帯域は当然
ω2 を超える周波数域での圧力振動を減衰することにな
る。結果として、方向舵はω2 を超える領域での周波数
コマンドに応答しないことになる。こうして、本発明で
はω2 を超える周波数域での振動を検出したりまたこの
ような振動に応答する必要がない。
【0021】要約すれば、振動圧力差信号が許容可能な
構造上の限界を超える方向舵の動きを生じさせ得る方向
舵コマンドを作り出す可能性があるのはω2 を下回る周
波数域のみである。ω1 を下回る振動は、気流の剥離で
はなく、乱気流や突風によって生じる可能性があるもの
なので、拒絶される。ω1 を下回る振動を拒絶すること
によって、帯域フィルタは、静電バイアスについての振
動が検出されるように安定状態のオフセットを取除くこ
とができる。
【0022】ω1 とω2 の間の範囲の振動を分析するの
は、これらが潜在的な危険を表わすからである。詳細に
は、空気力学的バフェッティングおよび計算上の遅延等
によるω1 とω2 との間の範囲の振動の相対的位相関係
によって、方向舵を誤った方向に移動させ得るコマンド
が生成され、垂直安定板の負荷を低減するのではなく垂
直安定板の負荷を加える結果になる可能性があるからで
ある。モニタは、このようなコマンドを生成する可能性
がある周波数域における振動を検出し、次に述べるとお
り、航空機の後部座席に対する乱気流および突風の効果
を軽減するために設計された方向舵修正コマンドを生成
する′794号特許および先に述べた特許出願に記載さ
れるようなシステムの動作を不能化するように使用する
ことができる始動信号を生成する。
【0023】ここで図面を参照して、帯域フィルタ処理
されたΔCp 信号を分析して、関連の帯域幅の範囲にあ
りかつ予め定められたしきい値レベルを超えるΔCp
プラスおよびマイナスの偏位の回数をカウントする。帯
域フィルタ処理されたΔCp信号の分析は振動しきい値
検出器23によって行なわれる。振動しきい値検出器は
ΔCp の偏位が、一方のしきい値を超えた後に反対の方
向の予め定められたしきい値を超えるたびごとにパルス
を生成する。振動しきい値検出器23により生成される
パルスはカウンタ25によりカウントされ、このカウン
タがしきい値を超える半サイクルの回数をカウントす
る。以下の説明によりよりよく理解されるとおり、この
カウンタは、構造的な危険が生じるのに十分なサイクル
が発生する前に始動するようにセットされた限界としき
い値を含む。以下の説明によりより明らかになるが、こ
のカウンタ25は帯域フィルタ21の最小カットオフ周
波数ω1 の2分の1サイクル内で交互のピークが検出さ
れない場合ごとに1デクリメントされる。
【0024】好ましくはソフトウェアの形で実現される
が、説明をわかりやすくするため、振動しきい値検出器
23はしきい値およびヒステリシス素子27、先行値記
憶素子31および排他的ORゲート29を含むものとし
て示す。しきい値およびヒステリシス素子27はプラス
およびマイナスの検出しきい値を設定して、しきい値の
周辺でリンギングする信号が1つ以上のパルスを生成し
ないようにする。つまり、しきい値およびヒステリシス
素子は、信号が一方のしきい値を超えた後、もう一方の
しきい値を超えることが有効として受取られるまでに、
ゼロクロスがあることを必要とする。しきい値およびヒ
ステリシス素子27の出力は排他的ORゲート29の1
入力と、先行値記憶素子31の入力とに与えられる。先
行値記憶素子31の出力は排他的ORゲート29の第2
の入力に与えられる。こうして、排他的ORゲート29
は、しきい値およびヒステリシス素子27の現在の出力
をしきい値およびヒステリシス素子の直前のサイクルの
出力すなわち先行値記憶素子31と比較する。反対方向
にしきい値を超えた場合には、排他的ORゲート29は
パルスを生成する。
【0025】カウンタ25も好ましくはソフトウェア形
状で実現されるが、2つのブーリアン連続値(B/C)
変換器33および35、2入力否定NANDゲート3
7、ディレイ・オン39、3入力加算器41、2つの先
行値記憶素子43および45、およびリミッタ47を含
む素子形状で示す。
【0026】排他的ORゲート29の出力は第1のB/
C変換器33の入力と否定NANDゲート37の1入力
に与えられる。第1のB/C変換器33の出力は3入力
加算器41の正の入力の1つに与えられる。否定NAN
Dゲート37の出力はディレイ・オン39を介して第2
のB/C変換器35の入力に与えられる。第2のB/C
変換器の出力は3入力加算器41の負の入力に与えられ
る。ディレイ・オンの周期はω1 の周期の半分に等し
く、すなわち帯域フィルタ21の最小カットオフ周波数
の半分の周期である。ディレイ・オン39は偽の状態か
ら真の状態への遷移を遅延するが真から偽への遷移は即
座に起こる。
【0027】ディレイ・オン39の出力は第1の先行値
記憶素子43の入力に与えられ、第1の先行値記憶素子
43の出力は否定NANDゲート37の第2の入力に与
えられる。3入力加算器の出力はリミッタ47の入力に
与えられ、リミッタの出力は第2の先行値記憶素子45
の入力に与えられる。第2の先行値記憶素子45の出力
は3入力加算器41の第2の正の入力に与えられる。
【0028】動作において、排他的ORゲート29が生
成するパルスは第1のB/C変換器33により、ディス
クリートな真または偽の状態から数の1(1)または0
(0)へ変換される。否定NANDゲート37、ディレ
イ・オン39、第1の先行値記憶素子43、および第2
のB/C変換器35によって、ω1 の最小周波数のサイ
クルの半分の間に交互のピークが検出されない場合ごと
にカウンタは1デクリメントされる。リミッタ47はカ
ウント値の大きさを制限する。第2の先行値記憶素子4
5は第1および第2のB/C変換器33および35の出
力により増加または減少した値を記憶する。
【0029】カウンタの出力、つまりAで指すリミッタ
47の出力は比較器49においてカウンタしきい値素子
51に記憶された値と比較される。カウンタしきい値素
子の出力はBで示す。こうして、比較器49はAとBと
を比較する。AがBより大きい場合、比較器の出力がロ
ーの状態からハイの状態にスイッチする。好ましくは、
カウンタしきい値素子51が1.5サイクルに発生する
カウント以上の値を記憶する。こうして、比較器49の
出力は、許容可能なしきい値が特定の回数のサイクル、
すなわち1.5サイクル以上にわたって超えられた場合
にローの状態からハイの状態にスイッチする。カウンタ
しきい値の大きさは本件の特定の応用および余分な構造
上の負荷を生成するのに必要なサイクルの回数によって
変更される。しきい値はまたたとえばフラップが上であ
るかまたは下であるか等の飛行状態や航空機の形態の関
数として変化するよう特定されてもよい。
【0030】比較器49の出力はORゲート53の1入
力に与えられる。ORゲート53の出力はラッチ55の
設定された入力に与えられる。ラッチ55の出力はコマ
ンドで示される気流の剥離モニタ始動である。このコマ
ンドは′794号特許および上に述べかつ引用により援
用する特許出願に図示されかつ説明されるタイプの方向
舵操縦システム等の圧力差センサ15からのデータに依
存する操縦システムの一部の動作を禁止するために使用
される。
【0031】ORゲート53の出力はインバータ57を
介してディレイ・オン59にも与えられる。ディレイ・
オンの出力はラッチ55のリセット入力に与えられる。
結果として、ラッチは、モニタがディレイ・オン59に
より決定される回数のサイクル継続的にしきい値の限界
内でリターンする場合自動的にリセットされる。好まし
くは、この遅延を10回以上のω1 サイクルに設定し
て、振動が収まりかつ禁止された操縦システムのオン/
オフサイクルのわずらわしさを確実に避けるようにす
る。遅延の長さは、モニタがリセットされる前に、禁止
された操縦システムのフィルタの最初の過渡が落ちつく
ことができるように設定する必要がある。モニタリセッ
トを行なうことで、一度モニタが始動すればモニタによ
り禁止されていた飛行のバランスについての操縦機能を
不能化することなくモニタが過渡的な操縦を防止するこ
とができる。
【0032】ディレイ・オン59を備えたことで、比較
的複雑でない設計が可能になり、関連の操縦機能の禁止
を解く前に複雑なフィルタ再初期化計算をする必要がな
い。図に示す他の素子については、好ましくは、ORゲ
ート53、ラッチ55、インバータ57、およびディレ
イはソフトウェア形状で実現される。
【0033】図面に示したモニタは始動する圧力差振動
を作り出す可能性がある関連の制御素子の極度の動きを
検知する第2の制御経路を有している。たとえば、大き
な方向舵ペダルコマンドにより気流の剥離に繋がる大き
なスライドスリップアングルや急な方向舵ペダルの動き
に反応する異常な圧力差ステップなどを発生させる可能
性がある。異常な圧力差信号は、方向舵の制御ループを
通じての望ましくない過渡を生じさせる可能性がある。
いずれの場合も、圧力差振動を生じさせる可能性がある
最大揚力状態に至り、結果として許容可能な限界を超え
る方向舵の動きを生じさせる方向舵コマンドが生じると
いう状態が発生し得る。圧力差振動にのみ頼るのではな
く、モニタは制御素子の動きに対応するバックアップま
たは第2の制御経路を備える。このような追加の慎重な
手段が必要かそうでないかは発明を実際に実施する態様
による。
【0034】図に示すとおり、第2の制御経路は制御素
子(たとえば方向舵ペダル)の絶対値をモニタすること
により始まる。ブロック61を参照。方向舵ペダル位置
の絶対値を、方向舵アクチュエーション帯域と一致する
フィルタ63を用いてフィルタ処理する。フィルタ処理
された値を最大ペダル値で除算して予め定められた値を
超えた際に、しきい値およびヒステリシス素子67を始
動させるパーセント方向舵ペダル値を生成する。しきい
値およびヒステリシス素子は図では、75%で始動しか
つ65%でリセットするように示している。このヒステ
リシス帯域は操縦機能禁止の厄介なオン/オフサイクル
を避けるために特定されている。方向舵ペダルモニタ始
動しきい値は、通常のエンジンアウト方向舵トリムおよ
び横風接近要件より高く設定されている。したがって方
向舵ペダル制御経路が通常の動作に与える衝撃はほとん
どなくかつ極限状態の操縦時にも誤った方向舵入力を防
止する。
【0035】しきい値およびヒステリシス素子67の出
力はORゲート53の第2の入力に与えられる。結果と
してモニタの第2の制御経路は最大ペダルの割合によっ
て測定されるパイロット方向舵コマンド(方向舵ペダル
の手動による動きによる)を利用してモニタ始動ラッチ
55をセットする。図に示すモニタの他の素子と同様、
好ましくは絶対値61、フィルタ63、最大ペダル65
ならびにしきい値およびヒステリシス素子67はソフト
ウェアの形で実現される。
【0036】先に述べたとおり、第2の制御経路はさら
に慎重な手段として設けられるので、発明の特定の応用
については必要な場合も必要でない場合もあるかもしれ
ない。方向舵ペダル位置以外では、方向舵翼面位置、ま
たはより直接的にはΔPの絶対値も第2の制御経路用の
入力データを得るために利用してもよい。第1の制御経
路、すなわち圧力差制御経路と同様、基本的な原則は、
最大揚力状態が接近しているとき(この場合方向舵ペダ
ルを利用して意図的にそういう状況を作り出しているの
だが)関連する操縦機能を不能化することにある。
【0037】以上の説明により容易に理解されるとお
り、この発明は、制御法則ループに振動データが入力し
ないようにして航空機の制御法則を保護する周波数/振
幅モニタを提供することである。特定的に記載した発明
の実施例では、垂直安定板が最大揚力に接近すると、気
流が交互に剥離したりもとに戻ったりを繰返し、許容可
能な構造上の限界を超える可能性がある方向舵の動きを
生じさせ得る振動圧力差信号が発生する。特定の振動制
御信号が構造上許容可能な限界を潜在的に超える可能性
のある方向舵の動きを生じさせるかどうかは垂直安定板
の空力によるバフェッティングにより引起こされる振動
圧力信号の相対的位相関係に依存する。この点は、当業
者には容易に理解されるところであるが、構造上の負荷
の限界は通常関連する航空機のたとえば第1の機体曲げ
および第1の垂直安定板曲げ周波数などのある周波数に
最も限定される。発明の実施例では、気流の剥離が問題
となったのは、結果として生じる振動がおよそ2Hzか
ら10Hz以上の一定のエネルギを有しているからであ
る。この発明に従い形成される周波数/振幅モニタは、
関連の振幅しきい値を超える関連の周波数帯域の振動信
号を検出して、検出した情報を利用して関連のある操縦
機能を0にする等により修正または不能化する。エーロ
フォイルによる気流の剥離を表わす振動性現象の検知に
加えて、当業者には容易に理解されるとおり、本発明は
センサ共通モードでの振動故障も検知する。
【0038】振動状態が収まった後、モニタをリセット
し、予め定められた遅延時間を経て操縦機能を回復す
る。そうすることによって飛行のバランスをとるための
機能を不能化することなしに過渡的な操縦を防止するこ
とができる。
【0039】発明の好ましい実施例について図示しかつ
説明したが、特許請求の範囲において、発明の精神およ
び範囲を逸脱することなくさまざまな変更を行なうこと
ができる点を理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明に従い形成されたモニタを示す図である。
【符号の説明】
11 垂直安定板 13 方向舵 15 トランスデューサ 17 エアデータコンピュータ 23 振動しきい値検出器 25 カウンタ 27 しきい値およびヒステリシス素子 29 排他的ORゲート 31 先行値記憶素子 33,35 ブーリアン連続値変換器 37 2入力否定のNANDゲート 39 ディレイ・オン 41 3入力加算器 43,45 先行値記憶素子 47 リミッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム・エフ・ブライアント アメリカ合衆国、98008 ワシントン州、 べルビュー、エヌ・イー、ワンハンドレッ ドアンドシックスティーフォース・アベニ ュ、2708

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エーロフォイルの気流剥離を示す振動性
    現象またはセンサ共通モード振動性故障を検知して始動
    コマンドを生成する方法であって、 エーロフォイルの対向する両側の圧力差を検出して関連
    の圧力差データを生成するステップと、 前記圧力差データを現在の飛行状態についてスケーリン
    グしてスケーリングされた圧力差データを生成するステ
    ップと、 前記スケーリングされた圧力差データを帯域フィルタ処
    理して関連の周波数域を外れた摂動を除去し、帯域処理
    された、スケーリングされた圧力差データを生成するス
    テップと、 前記帯域処理され、スケーリングされた圧力差データを
    分析して、プラスおよびマイナス両方の方向の予め定め
    られたしきい値を超える前記帯域処理された、スケーリ
    ングされた圧力差データの偏位を見つけて、一方方向に
    しきい値を超えた後反対の方向にしきい値を超えるたび
    ごとにパルスを生成するステップと、 前記パルスをカウントして前記パルスのカウントが予め
    定められたしきい値を超えた場合に始動コマンドを生成
    するステップとを含む、方法。
  2. 【請求項2】 前記パルスのカウントが予め定められた
    しきい値を超えた場合ラッチをセットするステップを含
    み、前記ラッチの出力が前記始動コマンドを形成する、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記帯域フィルタ処理の最小周波数の半
    分のサイクル内でしきい値を超える状態が検知されない
    たびごとに、前記パルスのカウントが1デクリメントさ
    れる、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記パルスのカウントが予め定められた
    期間前記予め定められたしきい値よりも下がった場合、
    前記ラッチをリセットするステップを含む、請求項2ま
    たは3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記予め定められた期間が前記帯域フィ
    ルタ処理の周波数域の一方の端の予め定められた回数の
    サイクルに等しい、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記帯域フィルタ処理の周波数域の前記
    端が低い方の端である、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 制御素子の位置をモニタするステップ
    と、 前記制御素子の動きが予め定められた制御素子の限界を
    超える場合に前記ラッチをセットするステップとを含
    む、請求項2または6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 エーロフォイルの気流剥離を表わす振動
    性現象またはセンサ共通モードの振動性故障を検知して
    始動コマンドを生成するための装置であって、 (a) エーロフォイルの対向する両側の圧力差を検出
    して関連の圧力差信号を生成するためのセンサと、 (b) 前記センサの出力をモニタして始動コマンドを
    生成するためのモニタとを含み、前記モニタが、(i)
    前記センサの出力を現在の飛行状況についてスケーリ
    ングするためのスケーラと、(ii) 前記センサの前
    記スケーリングされた出力を帯域処理するためのフィル
    タと、(iii) 前記センサの前記帯域フィルタ処理
    され、スケーリングされた出力を分析してプラスとマイ
    ナスの方向の予め定められたしきい値を超える前記セン
    サの前記帯域フィルタ処理され、スケーリングされた出
    力の偏位を見つけて、ある方向にしきい値を超えた後に
    反対の方向にしきい値を超えるたびごとにパルスを生成
    するための振動しきい値検出器と、(iv) 前記パル
    スをカウントするためのカウンタと、(v) 前記カウ
    ンタによりカウントされるパルスの数が予め定められた
    しきい値を超えるとき始動コマンドを生成するためのラ
    ッチとを含む、装置。
  9. 【請求項9】 前記スケーラが対気速度利得補償を与え
    る係数で前記センサの出力を除算することにより前記セ
    ンサの出力をスケーリングする、請求項8に記載の装
    置。
  10. 【請求項10】 前記帯域フィルタのより低い方のカッ
    トオフ周波数が乱気流および突風により生成される可能
    性がある範囲の周波数振動を取除く、請求項8または9
    に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記エーロフォイルが垂直安定板であ
    り、かつ前記帯域フィルタの上のカットオフ周波数が前
    記垂直安定板の方向舵が周波数コマンドに応答しない帯
    域幅の下の端におよそ等しい、請求項8または10に記
    載の装置。
  12. 【請求項12】 前記振動しきい値検出器が、ゼロクロ
    ス遷移の前に1回以上1方向にしきい値を超えてパルス
    が生成されるのを防ぐためのヒステリシス素子を含む、
    請求項8または10に記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記カウンタが、前記帯域フィルタの
    下のカットオフ周波数の1.5サイクルのうちにしきい
    値を超えない場合前記カウンタにより生成されるカウン
    ト値をデクリメントするためのデクリメンタを含む、請
    求項8または12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記カウンタが前記振動しきい値検出
    器のパルス出力を連続的な値に変換するための第1のブ
    ーリアン連続値変換器と、 1入力で前記振動しきい値検出器のパルス出力を受ける
    ための2入力負のNANDゲートと、 前記2入力負のNANDゲートの出力を受けるためのデ
    ィレイと、 前記ディレイの出力を受けて前記2入力負のNANDゲ
    ートの第2の入力に出力を与えるための第1の先行値記
    憶素子と、 前記ディレイの出力を受けるための第2のブーリアン連
    続値変換器と、 2つの正の入力と1つの負の入力とを有する3入力加算
    器とを含み、前記正の入力の1つが前記第1のブーリア
    ン連続値変換器の出力を受けかつ前記第2のブーリアン
    連続値変換器の出力を受け、 前記3入力加算器の出力を受けるためのリミッタと、 前記リミッタの出力を受け前記出力を前記3入力加算器
    の前記第2の正の入力に与えるための第2の先行値記憶
    素子とを含む、請求項8または13に記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記リミッタの出力を予め定められた
    しきい値と比較するための比較器を含み、前記比較器の
    出力が前記ラッチに与えられる、請求項8または14に
    記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記比較器の出力を受けるためのイン
    バータと、前記インバータの出力を受けて出力を前記ラ
    ッチのリセット入力に与えるためのディレイとを含む、
    請求項15に記載の装置。
  17. 【請求項17】 制御素子の位置をモニタして、前記制
    御素子の動きが予め定められた制御素子の限界を超える
    場合に前記ラッチを作動させるための代替的な経路を含
    む、請求項8または16に記載の装置。
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