JPH0830947A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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Publication number
JPH0830947A
JPH0830947A JP16018294A JP16018294A JPH0830947A JP H0830947 A JPH0830947 A JP H0830947A JP 16018294 A JP16018294 A JP 16018294A JP 16018294 A JP16018294 A JP 16018294A JP H0830947 A JPH0830947 A JP H0830947A
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JP
Japan
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recording medium
head
medium
magnetic
magnetic recording
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Application number
JP16018294A
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English (en)
Inventor
Satoru Kikitsu
哲 喜々津
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドと記録媒体との間の低スペーシン
グ状態を安定に維持することができ、ヘッドや媒体の摩
耗・損傷の少ない磁気記録再生装置を提供する。 【構成】 磁気記録媒体1に対向して、素子部3と子ス
ライダ4とカンチレバー5と親スライダ6およびジンバ
ル7等からなる磁気ヘッド2が配置され、親スライダ6
には子スライダ4の媒体対向面に表面弾性波を誘起させ
るための圧電素子8が装着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスクや磁気テ
ープ等の磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクなどの磁気記録媒体、特に
ハードディスクと呼ばれる硬質の磁気ディスクに対して
情報を記録し、また記録された情報を再生するための磁
気ヘッドは、基本的には、記録/再生を行う素子部と、
この素子部を支持しかつ素子部に記録媒体に対する浮上
力を与えるスライダと、このスライダを支持しかつスラ
イダに記録媒体に対する押圧力を与えるジンバルから構
成される。従来は、記録媒体および磁気ヘッドの摩耗を
避け、安定したヘッド・媒体間隔を保つために、磁気ヘ
ッドは記録媒体に対して浮上するように設計されてい
る。
【0003】ところで、高密度記録と再生信号強度の大
きい高感度の再生を行うためには、磁気ヘッドの素子部
と記録媒体中の記録層との間隔であるスペーシングを小
さくする必要があるが、その際、磁気ヘッドの浮上量を
0.1μmよりはるかに小さくすることが要求される。
このように小さな浮上量を磁気ヘッドを記録媒体に接触
させることなく維持することは困難であり、また外乱に
よる接触の頻度も増えるので、記録媒体および磁気ヘッ
ドの損傷の可能性も高くなる。
【0004】このような問題点を解決する方策として、
記録媒体あるいは磁気ヘッドに保護膜を設けることが考
えられるが、スペーシングを小さく抑えるために保護膜
の厚さの分だけ磁気ヘッドの浮上量を下げなければなら
ず、本質的な解決にはならない。また、低スペーシング
を実現するためには、保護膜を例えば10nm以下とい
う厚さでかつ十分な硬度を持つようにすること必要とな
るが、そのような保護膜を形成することは非常に困難で
ある。さらに、磁気ヘッドの低浮上の状態を精度良く実
現するには、スライダやジンバルの作製・組立に高度の
技術を要し、安定して大量に安価な装置を供給すること
が難しいという問題も生じる。
【0005】一方、ハードディスクに対して磁気ヘッド
を浮上させることの困難さの問題を回避するために、フ
ロッピーディスクの場合と同様に磁気ヘッドと記録媒体
を直接接触させることも考えられるが、その際には記録
媒体や磁気ヘッドが摩耗し、長時間の安定した記録/再
生が保証できないという問題が生じる。
【0006】さらに、これらの問題に鑑み、ハードディ
スクに対して磁気ヘッドの準接触状態を実現する技術が
特開平4−345928に示されている。この公知例に
開示されている技術は、圧電体膜、弾性体膜および電極
膜をスライダの媒体対向面に設置し、圧電体膜に電極膜
を介して交流電圧を印加して圧電体膜全体を厚み方向に
伸縮させることにより、スライダの媒体対向面に縦波の
定在波を発生させるものである。しかし、この技術では
準接触状態を実現することによってヘッド・媒体間のス
ペーシングを一体に保つことは可能となるものの、上記
の低スペーシング化に伴うヘッドや媒体の摩耗・損傷の
問題に関しては何ら解決することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の技術では高密度記録を達成すべくヘッド・媒体間のス
ペーシングを小さくするために両者を接触させると、ヘ
ッドおよび媒体の摩耗・損傷の問題があり、また従来の
圧電素子を用いてヘッド・媒体間の準接触状態を実現す
る方法においては、低スペーシングが実現できてもヘッ
ド、媒体の摩耗・損傷を防ぐことはできないという問題
があった。
【0008】本発明は、磁気ヘッドと記録媒体との間の
低スペーシング状態を安定に維持することができ、しか
もヘッドや媒体の摩耗・損傷の少ない磁気記録再生装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気記録媒体
に対し磁気ヘッドを用いて情報の記録および記録された
情報の再生を行う磁気記録再生装置において、磁気ヘッ
ドの媒体対向面と磁気記録媒体の少なくとも一方に表面
弾性波を誘起させる手段を有することを基本的な特徴と
する。表面弾性波の磁気ヘッド側への誘起は狭い範囲に
限定すればよいので制御が容易であり、記録媒体側への
誘起は磁気ヘッドへのダメージが少ないという点でそれ
ぞれ好ましい。
【0010】また、本発明は磁気ヘッドの媒体対向面以
外の部位および該磁気ヘッドを支持するヘッド支持機構
の一部並びに磁気記録媒体間記録領域以外の部位および
媒体支持機構の少なくともいずれかに設置された圧電素
子と、この圧電素子に交流電圧を印加する手段とを有す
ることを特徴とする。ここで、圧電素子はヘッドの媒体
対向面と記録媒体の少なくとも一方に表面弾性波を誘起
するためのものであり、このように表面弾性波を誘起す
べきヘッドと記録媒体との対向部以外の部分に該圧電素
子が設けられている場合は、圧電素子により発生する弾
性波がヘッドあるいはヘッド支持機構や記録媒体あるい
は媒体支持機構を進行することによって、ヘッドの媒体
対向面や記録媒体のヘッドその対向部上で表面波に変換
される。
【0011】さらに、本発明は磁気ヘッドの媒体対向面
に設置された圧電素子と、この圧電素子に交流電圧を印
加する手段とを有し、圧電素子により磁気記録媒体の媒
体対向面に表面弾性波を誘起させることを特徴とする。
このようにヘッドの媒体対向面に圧電素子を設置する場
合には、圧電素子自身が表面弾性波を発生する必要があ
るが、そのためには例えば圧電素子に対し櫛歯状電極を
設置する等の構成とすればよい。
【0012】本発明においては、磁気ヘッドを用いた磁
気記録媒体への情報の記録および記録された情報の再生
に際し、磁気記録媒体と磁気ヘッドの媒体対向面が接触
していてもよいし、磁気ヘッドが磁気記録媒体に対して
浮上していてもよい。
【0013】磁気ヘッドや記録媒体に誘起される表面弾
性波は、進行波であっても定在波であっても構わない。
進行波が誘起される場合、表面弾性波の進行方向が相対
する磁気ヘッドまたは記録媒体の進行方向と同じである
ことが動摩擦を低下させる上で好ましい。定在波は制御
しやすいという点で好ましい。
【0014】表面弾性波の波長は、磁気ヘッドと記録媒
体とが接触動作を行う場合には両者の接触部分に、また
磁気ヘッドが記録媒体に対して浮上動作する場合には外
乱により接触する部分にそれぞれ1波長以上が存在する
程度であればよい。
【0015】表面弾性波の振幅は、波の山と谷の部分が
存在することによる磁気ヘッドと記録媒体の記録層との
距離の変動がノイズとなって再生信号に影響を与える程
度以下であればよく、その許容値は波長との関係によっ
て決まる。さらに磁気ヘッドに機械的振動を与えず、ま
たスペーシングによる信号損失(スペーシングロス)を
増加させないためには、表面弾性波の振幅は20nm以
下が好ましい。
【0016】
【作用】このような本発明の構成によると、ヘッドの媒
体対向面と記録媒体の一方あるいは両方に表面弾性波が
誘起されることにより、ヘッドと記録媒体の界面に表面
弾性波が存在するため、ヘッドと記録媒体が接触状態を
保つ場合、両者は表面弾性波の振幅によって決まる最大
振幅以下のある間隔を保つことになる。従って、ヘッド
と記録媒体の記録層との間の距離、つまりスペーシング
を一定かつ微小な値に保つことができる。これにより高
密度記録において記録レベルや再生信号強度が安定する
ばかりでなく、表面弾性波の制御によって空気中の浮上
では実現が困難な、超低浮上状態と等価な状態を作り出
すことも可能となる。
【0017】また、本発明の構成によると記録媒体に対
する磁気ヘッドの動摩擦が効果的に低下する。すなわ
ち、表面弾性波がヘッドの媒体対向面と記録媒体の一方
あるいは両方に誘起されている場合、ヘッドと記録媒体
との接触面において接触部位が時間的に変化するため
に、ヘッドと記録媒体を構成する物質が物理的に吸着し
噛み合う現象が起こりにくくなり、動摩擦が低下する。
表面弾性波がヘッドの媒体対向面と記録媒体の両方に誘
起されている場合には、両者の接触がより点に近くなる
ため、このような物理的吸着による物質の噛み合いが起
こる可能性はさらに小さくなり、動摩擦はより一層低下
する。表面弾性波が存在することは、ヘッドと記録媒体
との接触面が平滑ではなく両者の間に常に空気が存在す
ることであるため、従来の磁気記録再生装置における記
録媒体のテクスチャと同じ原理でヘッドと記録媒体との
吸着が起こりにくくなり、この点からも動摩擦が低下す
る。またヘッドや記録媒体の表面形状が表面弾性波の誘
起により波状になるため、記録媒体の表面に潤滑材が塗
布されている場合には、潤滑材の表面張力が低下して、
やはり動摩擦を低下させる作用を持つ。さらに表面弾性
波が進行波の場合には、トラック方向について対向する
磁気ヘッドまたは記録媒体と同じ方向に進行させること
により、これらの相対速度が低下するので、動摩擦はよ
り一層低下する。
【0018】このように動摩擦が低下することにより、
上述のようなヘッドの記録媒体に対する接触動作が可能
となる。これによりヘッドの素子部と記録媒体の記録層
が近づくので、再生信号強度が増大し、また記録・再生
分解能の向上、すなわち記録密度の向上を実現できる。
【0019】また、動摩擦が低下することによって、ヘ
ッドや記録媒体に保護膜を形成する場合、その保護膜の
強度に対する要求が小さくなり、場合によっては保護膜
がないヘッドや媒体を用いることができるようになる。
また、ヘッドや記録媒体の寿命も向上する。浮上動作を
させる場合にはヘッドの衝突の頻度や強度の許容量が増
加するので、より容易に浮上制御を行うことができる。
【0020】さらに、本発明では表面弾性波により記録
媒体やヘッドの媒体対向面の表面に存在する凸凹が時間
的に変化するため、表面弾性波が存在しない場合には凹
となっていた部分も時として凸となる。従って、接触動
作時あるいはヘッドクラッシュ時には、本来は摩擦され
ない凹の部分も摩耗されることになり、表面弾性波が存
在しないと凸の部分のみが選択的に摩耗していくのに比
べて、記録媒体やヘッドの媒体対向面が均一に摩耗する
ことになる。
【0021】このようにヘッドや記録媒体の表面の摩耗
が均一になるということは、ヘッドの加重が同じである
ならば、ヘッドや記録媒体の削れる深さが小さくなるこ
とを意味する。これによってヘッドや記録媒体に与えら
れるダメージが小さくなり、ヘッドや記録媒体の寿命が
増加し、さらに局所的な破損による信号エラーの発生も
小さくなる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。 (実施例1)図1に、本実施例の構成を示す。同図にお
いて、磁気記録媒体(以下、記録媒体という)1は例え
ばハードディスクであり、この記録媒体1に対向して磁
気ヘッド2が設けられている。磁気ヘッド2は、以下の
ように構成される。
【0023】素子部3は情報の記録/再生を行うヘッド
素子の部分であり、例えば共通の誘導型ヘッドにより記
録/再生の両方を行うものや、誘導型ヘッドで記録を行
い、MRヘッドで再生を行う複合ヘッドなどが用いられ
る。素子部3は摺動子である子スライダ4の側面、つま
り記録媒体1の相対的進行方向における側面に取り付け
られ、子スライダ4はカンチレバー5を介して親スライ
ダ6に支持されている。親スライダ6はジンバル7に支
持されている。なお、子スライダ4は表面加工が容易で
かつ硬度の高いセラミクスなどの材料、例えばAlTi
C片により形成される。
【0024】また記録媒体1は、トラック幅方向につい
ては磁気ヘッド2に対し矢印A方向に相対的に移動す
る。これに伴い矢印B方向に生じる空気流による浮力に
よって親スライダ6は浮上し、子スライダ4に対して所
望の微小な押圧力を付与する。
【0025】ここで、親スライダ6には圧電素子8が取
り付けられている。この圧電素子8は磁気ヘッド2の記
録媒体1に対向する面(以下、媒体対向面という)に表
面弾性波を誘起させるためのもので、圧電体層9とその
厚み方向両面に被着された電極10a,10bからな
る。圧電体層9は例えばLiNbO3 、LiTaO3
水晶などの圧電材料からなる。圧電体層9および電極1
0a,10bはスパッタ等の薄膜形成プロセスで作製し
てもよいし、またそれぞれ別個に作製したものを接着剤
等で貼り付けてもよい。
【0026】このような構成で、交流電圧源11により
圧電素子8の電極10a,10b間に例えば数10MH
z以上の周波数の高電圧の交流電圧を印加すると、圧電
体層9が厚み方向に振動する。この振動により生じる弾
性波は、親スライダ6、カンチレバー5を介して子スラ
イダ4を進行する間に表面波へと変換され、磁気ヘッド
2の媒体対向面(この例では子スライダ4の媒体対向
面)に表面弾性波が誘起される。その様子を図2および
図3に示す。図2は磁気ヘッド2の子スライダ4を記録
媒体1に対して接触させた例であり、図3は子スライダ
4を記録媒体1に対し浮上させた例である。図3のよう
に子スライダ4を浮上させる場合、所望の一定した浮上
力が得られるように子スライダ4の媒体対向面にレール
加工を施すことが望ましい。
【0027】本実施例によれば、磁気ヘッド2の媒体対
向面に表面弾性波が誘起されることにより、記録媒体1
と磁気ヘッド2間の動摩擦抵抗が大きく低減される。ま
た、本実施例によれば表面弾性波を誘起するための圧電
素子8が親スライダ6に取り付けられていることによっ
て、圧電素子8の重量が子スライダ4の記録媒体1に対
する押圧力や接触状態に及ぼす影響を最小限にすること
ができる。
【0028】本実施例において、図2に示す接触型の構
成で磁気ヘッドの摺動特性評価に通常用いられるCSS
(Contact-Start-Stop)試験を行ったところ、表面弾性
波を誘起しない場合、ヘッドあるいは媒体の破壊が起こ
らないCSS回数が8万回の特性をもつヘッド/媒体系
において、表面弾性波を誘起することによって50万回
まで向上した。また、図3に示した浮上型の構成におい
ても、同様にCSS試験で10倍程度の向上が見られ
た。
【0029】さらに、磁気ヘッド2を記録媒体1に接触
させたまま摺動させるドラッグテストを行った結果、図
2の接触型、図3の浮上型のいずれの構成においても、
耐久性が約10倍向上した。
【0030】なお、弾性波はジンバル7を伝搬すること
もできるので、圧電素子8をジンバル7の支持部(図示
せず)に取り付けてもよい。 (実施例2)図4に、本実施例の構成を示す。実施例1
と異なる点は、図1の親スライダ6を固定端12に置き
換え、この固定端12を図示しないバネで支持すること
によって、子スライダ4に対して所望の微小な押圧力を
付与したことである。この場合も固定端12に図1と同
様に圧電素子8を取り付けることにより、実施例1と同
様の効果が得られる。
【0031】(実施例3)図5に、本実施例の構成を示
す。本実施例では、子スライダ4の素子部3が取り付け
られた側面と反対側の側面上に、実施例1、2における
と同様の圧電素子8を取り付けている。この場合、圧電
素子8の圧電体層9の厚み方向の振動が子スライダ4に
直接伝達されることにより、子スライダ4の媒体対向面
に表面弾性波が誘起される。
【0032】(実施例4)図6に、本実施例の構成を示
す。本実施例では、実施例3と同様に子スライダ4の素
子部3が取り付けられた側面と反対側の側面上に圧電素
子20が取り付けられている。この圧電素子20は実施
例1〜3と異なり、圧電体層21と、この圧電体層21
の表面上に被着された平行な複数本の電極22からな
り、この複数の電極22間に交流電圧を印加することに
より、子スライダ4の媒体対向面に表面弾性波が誘起さ
れる。
【0033】(実施例5)図7に、本実施例の構成を示
す。本実施例では、子スライダ4の媒体対向面上に圧電
素子30を取り付けている。この圧電素子30は、互い
に非接触で噛み合うようにスパッタ等の薄膜プロセスに
より子スライダ4上に被着された一対の櫛歯状電極(イ
ンターディジタル電極)31a,31bと、この上に形
成された圧電体層32からなる。電極31a,31bは
圧電体層32の表面に形成されていてもよいが、図のよ
うに子スライダ4上に形成されている方が媒体対向面を
平滑にすることができるため有利である。
【0034】この場合、電極31a,31b間に交流電
圧を印加すると、圧電体層32の媒体対向面に横波の表
面弾性波が誘起される。本実施例の構成で、圧電素子3
0の圧電体層32をLiNbO3 により形成して表面弾
性波を誘起したところ、誘起された表面弾性波の波長は
10μm、振幅は10nmであった。また、この圧電素
子30の媒体対向面に表面弾性波を誘起し、AlTiC
からなる子スライダ4と記録媒体との動摩擦抵抗を測定
したところ、表面弾性波を誘起しない場合の1/5と、
大きく低減された。
【0035】(実施例6)図8に、本実施例の構成を示
す。本実施例は、記録媒体1の表面に表面弾性波を誘起
する例であり、記録媒体(ここでは、ハードディスクな
どの磁気ディスクとする)1の固定機構であるハブ41
上に圧電素子8を取り付けている。この場合、圧電素子
8の振動はハブ41を介して記録媒体1に伝達され、記
録媒体1の表面に表面弾性波が誘起される。さらに、圧
電素子8の振動はスピンドル(回転軸)42を経由して
も記録媒体1に表面弾性波として伝達される。このよう
にスピンドル42を介して表面弾性波を伝達させる場
合、複数枚の磁気ディスクを同じスピンドル軸に支持し
て駆動する装置では、複数枚の磁気ディスクの表面に一
括して表面弾性波を誘起させることができ、効率的であ
る。
【0036】本実施例において、記録媒体1に対して実
施例1で述べたと同様のCSSテストを行った。この場
合、磁気ヘッドには表面弾性波を誘起しなかった。記録
媒体1側に表面弾性波を誘起しない場合、磁気ヘッドあ
るいは記録媒体1の破壊が起こらないCSS回数が8万
回の特性を持つヘッド/媒体系において、本実施例のよ
うに記録媒体1の表面に表面弾性波を誘起することによ
って、耐久性は50万回まで向上した。
【0037】さらに、磁気ヘッドを記録媒体1に接触さ
せたまま摺動させるドラッグテストを行った結果、実施
例1と同様に接触型、浮上型いずれの構成においても耐
久性が約10倍向上した。
【0038】なお、このように圧電素子8を記録媒体1
側に設置する場合、記録媒体1におけるCSS領域等記
録領域以外の部位に圧電素子8を取り付ければ、圧電素
子8が表面弾性波を発生しなくとも圧電素子8の振動が
記録媒体1を伝搬するので、少なくとも記録媒体1の磁
気ヘッドとの対向部で表面弾性波を誘起させることが可
能となる。
【0039】(実施例7)実施例1と実施例6の構成を
組み合わせたヘッド・媒体系を用いて、ヘッド側および
媒体側の両方に表面弾性波を誘起させて、CSSテスト
およびドラッグテストを行った。その結果、表面弾性波
を誘起しない場合に比べて、10倍以上の耐久性がある
ことが確認された。
【0040】(実施例8)図9に本実施例の構成を示
す。一般に、弾性波がバルク中を伝搬する際には、異種
材料の境界面に弾性波のエネルギーが集中する場合があ
る。磁気ヘッド2の素子部3は、一般に種々の厚さの薄
膜が複雑に積層されているので、このような異種材料の
境界面が多く、この現象が素子部3の破壊につながりか
ねない。そこで、本実施例では弾性波のエネルギーが素
子部3で小さくなるように、子スライダ4よりも弾性波
の減衰定数が大きい材料からなる減衰層50を素子部3
と子スライダ4との間に挿入している。
【0041】減衰定数の観点から考えると、子スライダ
4の材料としては例えば誘電体や半導体が好ましく、減
衰層50の材料としては例えば半導体や金属が好まし
い。なお、減衰層50の音響インピーダンスを調整して
表面弾性波が反射するようにしても良い。
【0042】ここでは、子スライダ4としてAlTiC
を、減衰層50としてAlを用いて図9に示す構成の磁
気ヘッド2を作製した。実施例1と同様の手法で、この
磁気ヘッド2に表面弾性波を誘起させ、240時間連続
して動作させたところ、素子部3の破壊は全く見られな
かった。
【0043】(実施例9)本実施例では、表面弾性波の
励起により静止最大摩擦係数が減少することの確認実験
を行った。図10にその実験に用いた構成を示す。同図
に示すように、幅10mm、長さ30cmの鉄製のレー
ル61に圧電素子を貼りつけ、その圧電素子の圧電体層
に周波数40kHzの交流電圧を印加することにより、
波長2cmの表面弾性波を発生させた。レール61の先
端には、子スライダ4に相当する直径10mmの真鍮の
摺動体62を取り付ける。この状態でレール61の一端
を固定し、他端を持ち上げて摺動体62が滑り出す高さ
hを測定し、この高さhから静止最大摩擦係数μを求め
た。
【0044】この結果、表面弾性波が存在しないときに
はμ=0.21であったのに対して、圧電素子の圧電体
層に25Vrms、50Vrmsの電圧を印加したとこ
ろ、μがそれぞれ0.11、0.09と低下し、表面弾
性波の誘起による静止最大摩擦係数の低下の効果がある
ことが実証された。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればヘ
ッドの媒体対向面や記録媒体に表面弾性波を誘起させる
ことによって、低スペーシング状態を安定に維持できる
ため、再生信号強度が大きく高密度記録が可能な接触動
作の記録・再生を安定にかつ小ダメージで実現すること
が可能となる。
【0046】また、ヘッドを浮上動作させる場合でもヘ
ッドクラッシュ時の損傷を小さくでき、浮上制御を容易
に行うことができる。さらに、記録/再生方式によらず
ヘッドや記録媒体の作製を容易にし、摩耗によるヘッド
や記録媒体の損傷を小さくして高寿命化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る磁気記録再生装置の要部の構成
を示す図
【図2】同実施例の構成においてヘッドを媒体に接触さ
せた状態で表面弾性波を誘起した場合の状態を示す図
【図3】同実施例の構成においてヘッドを媒体上で浮上
させた状態で表面弾性波を誘起した場合の状態を示す図
【図4】実施例2に係る磁気記録再生装置の要部の構成
を示す図
【図5】実施例3に係る磁気記録再生装置の要部の構成
を示す図
【図6】実施例4に係る磁気記録再生装置の要部の構成
を示す図
【図7】実施例5に係る磁気記録再生装置の要部の構成
を示す図
【図8】実施例6に係る磁気記録再生装置の要部の構成
を示す図
【図9】実施例8に係る磁気記録再生装置の要部の構成
を示す図
【図10】表面弾性波による静止最大摩擦係数の減少を
確認するために行った実験を説明するための図
【符号の説明】
1…磁気記録媒体 2…磁気ヘッド 3…素子部 4…子スライダ(摺
動子) 5…カンチレバー 6…親スライダ 7…ジンバル 8…圧電素子 9…圧電体層 10a,10b…電極 11…交流電圧源 12…固定端 20…圧電素子 21…圧電体層 22…電極 30…圧電素子 31a,31b…電極 32…圧電体層 41…ハブ 42…スピンドル 50…減衰層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体に対し磁気ヘッドを用いて情
    報の記録および記録された情報の再生を行う磁気記録再
    生装置において、 前記磁気ヘッドの前記磁気記録媒体に対向する媒体対向
    面と、前記磁気記録媒体の少なくとも一方に表面弾性波
    を誘起させる手段を有することを特徴とする磁気記録再
    生装置。
  2. 【請求項2】磁気記録媒体に対し磁気ヘッドを用いて情
    報の記録および記録された情報の再生を行う磁気記録再
    生装置において、 前記磁気ヘッドの前記磁気記録媒体に対向する媒体対向
    面以外の部位および該磁気ヘッドを支持するヘッド支持
    機構並びに前記磁気記録媒体の記録領域以外の部位およ
    び該磁気記録媒体を支持する媒体支持機構の少なくとも
    いずれかに設置された圧電素子と、この圧電素子に交流
    電圧を印加する手段とを有することを特徴とする磁気記
    録再生装置。
  3. 【請求項3】磁気記録媒体に対し磁気ヘッドを用いて情
    報の記録および記録された情報の再生を行う磁気記録再
    生装置において、 前記磁気ヘッドの前記磁気記録媒体に対向する媒体対向
    面に設置された圧電素子と、この圧電素子に交流電圧を
    印加する手段とを有し、前記圧電素子により前記磁気記
    録媒体の前記媒体対向面に表面弾性波を誘起させること
    を特徴とする磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】前記磁気記録媒体と前記磁気ヘッドの前記
    媒体対向面とが接触して情報の記録および記録された情
    報の再生の少なくとも一方が行われることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気記録再生装
    置。
  5. 【請求項5】前記磁気記録媒体に対して前記磁気ヘッド
    が浮上して情報の記録および記録された情報の再生の少
    なくとも一方が行われることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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