JPH0830737B2 - 地下探査方法 - Google Patents

地下探査方法

Info

Publication number
JPH0830737B2
JPH0830737B2 JP13050890A JP13050890A JPH0830737B2 JP H0830737 B2 JPH0830737 B2 JP H0830737B2 JP 13050890 A JP13050890 A JP 13050890A JP 13050890 A JP13050890 A JP 13050890A JP H0830737 B2 JPH0830737 B2 JP H0830737B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer function
magnetic field
electric field
point
horizontal components
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP13050890A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04174390A (ja
Inventor
真司 高杉
則明 川上
茂樹 村松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chinetsu Gijutsu Kaihatsu KK
Original Assignee
Chinetsu Gijutsu Kaihatsu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chinetsu Gijutsu Kaihatsu KK filed Critical Chinetsu Gijutsu Kaihatsu KK
Priority to JP13050890A priority Critical patent/JPH0830737B2/ja
Publication of JPH04174390A publication Critical patent/JPH04174390A/ja
Publication of JPH0830737B2 publication Critical patent/JPH0830737B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、地下探査方法に関する。より詳細には、
固定点のデータを単にリモートリファレンスのためのデ
ータとするのではなく、新たなトランスファファンクシ
ョンの算出に使用する地下探査方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、地下探査の分野で、マグネトテルリック法(以
下、MT法と略記する)による地下探査が、探査深度が大
きく、分解能に優れ、かつ、フィールドにおける作業性
に優れる等の理由により、広く行なわれている。
MT法における取得データの解析技術については、Smis
and Bostick(1969);Swift(1967);Vozoff(1972);
Word,Smith and Bostick(1970)ら多くの研究により確
立された。すなわち、次式に示すような電場と磁場を関
係づけるインピーダンステンソル:Zijを算出するのが一
般的である。
ここで、 Ex、Ey:ある測点の互に直交する電場の水平成分 Hx、Hy:ある測点の互に直交する磁場の水平成分 また、リモートリファレンス処理(Gamble;1978)に
よるS/N比の飛躍的な向上が図られたことにより、MT法
の調査において、リモートリファレンス処理を前提とし
た測点配置および測定の行なわれることが多い。しかし
ながら、このリモートリファレンス処理を行なうための
リファレンス点をどのように設定するかが、現実的にリ
モートリファレンス処理効果を高めるためには課題とな
る。このような背景から、特に、精度のよい測定を目指
すときには、リファレンス点を固定して測定を行なう固
定点方式MT法が数多く行なわれ、成果を上げている。
リファレンス点で取得された互に直交する磁場の水平
成分:Hxr、Hyrを使用し、(AB)を周波数帯域平均さ
れたパワースペクトルとする時、インピーダンステンソ
ル:Zijを次式に従って算出するのがリファレンス処理で
ある。
ここで、 N:Hxr:Hyr *:共役複素数 この計算過程において、すべてのパワースペクトラム
がリモート点とのクロスパワーとなることから、リモー
ト点と独立したノイズに汚染されていたシグナルを取得
した場合でも、そのノイズによるインピーダンステンソ
ルのバイアスを避けることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕 ところが、地下構造が2次元的である時、大地の電磁
誘導は2つのモードに分けられる。一つは、走行方向の
磁場が入射した時で、これに直交した電場だけ誘導され
る。他方は、走向に直交する方向の磁場の時で、電場は
走向方向の成分だけをもつ。前者をTMモード、後者をTE
モードという。TEモードのインピーダンス関数は、その
インピーダンス計算された地点の真下の導電率をかなり
正確に表す。しかしながら、TMモードのインピーダンス
関数では充分な精度で導電率を求めることができない。
従来のMT法にあっては、これに対し、例えば一地点以上
での測定曲線を使い、TMモードのインピーダンス曲線の
観測値に最も合致する理論値が得られるまで導電率分布
を調整しながら反復計算を行なう等の面倒な対策が必要
であった。これに対し、測定地域内の一箇所において、
平行でない二方向の地球磁場の変化を測定し、同時に、
測線に沿った多数の点において測線に平行な地電場の変
化を測定し、これらの測定データから測線上の各測定点
におけるインピーダンスを周波数の関数として計算し、
位相0の重み関数を用いたインピーダンスの加重平均を
計算した結果より、測線下の地下導電率分布を計算する
方法が提案されている(米国特許第4591791号)。
しかしながら、何れにしろ、インピーダンステンソ
ル:Zを用いた解析では、各種のMTパラメータ(見掛比抵
抗等)を算出し、そのマッピング等により解析が実施さ
れている。この場合、電場または磁場の値そのものの比
較は、シグナルソースが変動しているため、データを同
時に取得した測点間でしかできないという欠点がある。
そのため、特に正確を期する場合あるいは広い範囲を調
査する場合等のように測点が多い場合に実用上の問題と
なる。特に地下探査の対象となる土地が山岳地域のよう
に高低差がある等複雑な地形であることが多いため、大
きな欠点であるといえる。これは、従来の固定点方式に
よるリモートリファレンスMT法において固定点のデータ
は、単にリファレンスのためにのみ使用されてきたこと
による問題点である。
〔問題を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上記の問題点を解決するため
鋭意研究を重ねた結果、固定点のデータを単にリファレ
ンスのためにのみ用いるのではなく、固定点のデータを
用いて、測定点と固定点間のトランスファファンクショ
ンを求め、これを解析に使用する地下探査方法を見出
し、本発明を完成させたのである。
即ち、本発明によれば、調査域内、もしくは、調査域
外の任意の地点に、常時、その地点の磁場を測定する固
定点を設ける一方、調査域内に複数の地点に、その地点
の磁場および電場を測定する測定を設け、 この固定点の磁場と、その任意の測点の磁場および電
場を同時に測定し、得られたデータから以下の式で表さ
れる磁場トランスファファンクションおよび電場トラン
スファファンクションを求め、 (Hx、Hyは、測点における互に直交する磁場の水平成
分、Hxr、Hyrは、固定点における互に直交する磁場の水
平成分、Kij(i、j=xまたはy)は、磁場トランス
ファファンクションを表す。) (Ex、Eyは、測点における互に直交する電場の水平成
分、Hxr、Hyrは、固定点における互に直交する磁場の水
平成分、Tij(i、j=xまたはy)は、電場トランス
ファファンクションを表す。) 次に、前記(1)(2)式で求められた磁場トランス
ファファンクションおよび電場トランスファファンクシ
ョンならびに固定点における所望の時刻の磁場データか
ら、以下の式で表される、その時刻における前記任意の
測点の磁場の強度および電場の強度を求め、 (Hx、Hyは、所望の時刻の任意の測点における互に直交
する磁場の水平成分、Hxr、Hyrは、同時刻の固定点にお
ける互に直交する磁場の水平成分、Kij(i、j=xま
たはy)は、磁場トランスファファンクションを表
す。) (Ex、Eyは、前記所望の時刻の前記任意の測点における
互に直交する電場の水平成分、Hxr、Hyrは、同時刻の固
定点における互に直交する磁場の水平成分、Tij(i、
j=xまたはy)は、電場トランスファファンクション
を表す。) これらの磁場の強度および電場の強度から、調査域内
の地下構造を探査し、それに基づいて、その調査域内の
比抵抗分布図、同断面図等の作成等を行うことが可能な
地下探査方法が提供されるものである。
〔作 用〕
本発明の方法においては、各測点における磁場および
電場の測定と同時に固定点における磁場または、磁場お
よび電場の測定を行ない、得られたデータから測点と固
定点の間のトランスファファンクション、即ち、磁場ト
ランスファファンクション、電場トランスファファンク
ションおよび、必要であれば、インピーダンステンソル
を算出して地下構造解析を行なう。そのため、各測点に
おけるデータ取得は、同時に行なってもよく、異なる時
間に行なってもよい。しかしながら、各測点におけるデ
ータ取得と同時に、固定点におけるデータ取得を行な
い、この両点間のトランスファファンクションを算出し
て解析を行なうため、各測定におけるデータ取得を同時
に行なわなくとも、同時に行なったと同様の効果が得ら
れるのである。
ある一つのリモートリファレンス点を使用する固定点
方式のリモートリファレンスでは、ある測定とリモート
点(固定点)との関係を新たに定義するK(磁場)トラ
ンスファファンクションを用いて次式で表すことができ
る。
ここで、 Hx、Hy:ある測点の互に直交する磁場の水平成分 Kij:K(磁場)トランスファファンクション Hxr、Hyr:固定点における互に直交する磁場の水平成分 このトランスファファンクション:Kijは、2×2のマ
トリックスとなる。
今、平面波を仮定していることから Hz=aHx+bHy ………(4式) ここで、 Hz:ある測点の磁場の垂直成分 a,b:複素数 と表せる。係数aとbは、磁場の各水平成分を垂直成分
に変換する程度を表しているので、ティッパーと呼ばれ
ており、その大きさは、T={|a|2+|b|21/2で与え
られる。
この時、リモート点(固定点)の磁場とある測点の電
場との関係はT(電場)トランスファファンクションを
用いて次式で示される。
ここで、 Ex、Ey:ある測点の互に直交する電場の水平成分 Tij:T(電場)トランスファファンクション Hxr、Hyr:固定点における互に直交する磁場の水平成分 このTトランスファファンクション:Tijは、Kトラン
スファファンクション:Kijおよびインピーダンステンソ
ル:Zijとの関係において、 と表すことができる。
今回新たに定義したKトランスファファンクションお
よびTトランスファファクションを用いることにより、
従来使用されてきたZ:インピーダンステンソルのように
電場と磁場の比を議論するのではなく、ある時点におけ
る相対的な電場の強度および磁場の強度に分離して各々
について議論することができる。更にこれらの電場およ
び磁場について各々のトランスファファンクション(テ
ンソル)を回転することにより、任意の方向に対する強
度も算出できる。以下に各トランスファファンクション
(テンソル)算出の意義についてまとめてみる。
Z:インピーダンステンソル MT法において、標準的に使用されているトランスファ
ファンクションである。測点のローカルな地下情報を与
える。この時、磁場の垂直成分を使用して解析すること
により求められるティッパーも併せて解析するのが通常
である。
K:磁場トランスファファンクション このトランスファファンクションを用いて解析をしよ
うとする場合、リモートリファレンス用の固定点が、比
抵抗異常のない場所に設定されていることが前提とな
る。
このトランスファファンクションは、磁場成分のみよ
り算出されることから、スタティックエフェクトを受け
ることがほとんどない。しかしながら、磁場を解析する
ため、大局的な比抵抗構造の把握に適していると考えら
れる。また、測定そのものは、かなり微妙な測定値の変
化を解析することになるので、ノイズの有無について常
に確認しながら使用することが大切である。
T:電場トランスファファンクション このトランスファファンクションは、電場に対応した
成分を示すことから、各測点の比抵抗構造に敏感である
と考えられる。更に、信号強度の変化も大きく、測定上
の観点からも感度が高いと言える。
また、電場を算出するために、(5)式に示されたよ
うに、ある固定した磁場成分および電場トランスファフ
ァンクション(T)を使用することから、各測点の電場
に関して絶対値の議論が可能となる。したがって、各電
場に関するダイポール長(電極間隔)を任意に設定する
ことが可能となり、適切なダイポール長を設定すること
により、スタティックエフェクトを除去することも可能
である。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳
細に説明するが、本発明は、これに限定されるものでは
ない。
実施例1 先ず、地下比抵抗モデルの作成過程の実施例方法を、
図面を用いて説明する。
第1図は、地下比抵抗モデルの作成過程の一実施例方
法を示すフローチャートである。
第1図において、1は、データ入力であり、比抵抗
(ρ)、深度(D)を設定する。2は、Kトランスファ
ファンクション、Tトランスファファンクションおよ
び、必要であれば、インピーダンステンソルのTE・TMモ
ード、(ρa,φ)、ティッパーマグニチュード、ティッ
パーフェイズ等を測点および固定点における電場および
磁場の測定データから算出過程である。3は、2の結果
よりKベクトル図、ティッパーベクトル図、K値分布
図、見掛比抵抗分布図、Tベクトル図、Zベクトル図、
T値分布図およびZ値分布図等を作成する過程である。
なお、この過程においては、2の過程を省略して、直接
3の過程に移行してもよいが、ノイズを除去するため、
算出されたKトランスファファンクション、Tトランス
ファファンクションおよびインピーダンステンソルの少
なくとも一つにスムージングを施した後3の過程に移行
することが好ましい。4は、1のデータ入力と、3で作
成したKベクトル図等とを比較検討する過程である。
ここで充分な結果が得られれば解析と終了すればよ
い。さらに、精度の高い結果を得たい場合は、1に戻
り、4の結果に基づきデータ入力1繰り返し、2、3、
4の過程を繰返せばよい。
本実施例の具体的概要は以下のとおりである。
第2図に示す通り、原野および川に挟まれた約20km2
の範囲が、試験範囲であった。
当地域には、7本の抗井が掘削されているが、地熱流
体の噴気に成功した抗井MK−2およびMK−6を中心とす
る領域において、高密度測定(ネットワーク式測定)が
実施された。このネットワーク式測定の測点の測点位置
図を第3図に示した。ネットワーク式測定においては、
各測定位置を網目状に配置し、ネットワーク式測定領域
内で電場測線が連続するように測定した。電場測線長
は、100mとした。
また、電場測線は、海岸線に平行にまたは直交するよ
うにした。
当試験地域における概略の比抵抗構造に関しては、 比抵抗分布は大局的に4層の水平多層構造を示し、比
抵抗値は、全般的傾向として、深部に向って高い、低
い、高い、より高いの変化を示す。
上位より、第1層は、地表附近の浅部(層厚100〜300
m)を占め、比抵抗値的には、全体的に見て100Ω・m以
上である。
第2層は、比抵抗値的に20Ω・m以下と低い比抵抗を
示す。深度的には、ところどころ深いものもあるが、大
局的に見て、海抜−500m以浅に分布し、層厚はおよそ40
0〜600mである。
第3層は、比抵抗値的には第2層より高く、20〜100
Ω・mであり、層厚は数100〜1000m内外である。また、
この第3層は、ネットワーク式測定域内のほぼ中央部で
深く落込んでいる。
第4層は、海抜−1000m前後になると現れる比抵抗値1
00Ω・m以上の高比抵抗層である。
また、他調査結果を総合すると、高密度測定により把
握された相対的な低比抵抗異常域が、貫入岩中に胚胎す
る断裂を示唆し、その断列をネットワーク式測定域に掘
削されている2本の抗井が捉えたものと推測され、重力
探査等の調査結果もこの推測と調和的であった。
前述の第1図に基づいて、地下比抵抗モデルを作成し
た。
次いで、各測定および固定点で同時に磁場および電場
の測定を行なって得たデータから、Kトランスファファ
ンクション、Tトランスファファンクションおよびイン
ピーダンステンソルのTE・TMモード、(ρa,φ)、ティ
ッパーマグニチュード、ティッパーフェイズを算出し、
得られた各トランスファファンクションおよびインピー
ダンステンソルにスムージングを施して2次元モデル解
析を行なった。
一般的に、現実に取得したデータは、数多くの測点に
おいて、ノイズが混入していることから、何等かの工夫
が必要である。従来は、算出したMTパラメータ(見掛比
抵抗等)をスムージングして解析に使用していたが、本
実施例ではトランスファファンクション(インピーダン
ステンソルを含む)のスムージングを試みた。
これは、各トランスファファンクション(インピーダ
ンステンソルを含む)成分に関して、実部および虚部の
それぞれについて、スプライン関数を用いたスムージン
グを実行するものである。
これらの図を検討した結果、本発明で新たに地下構造
の解析に使用されたKトランスファファンクションおよ
びTトランスファファンクションの意義が、以下のよう
に確認された。
Kトランスファファンクション: まず、ノイズによるデータの汚染がないかチェックす
ることも目的として、ポーラダイアグラムを作成した。
その結果、ほぼ良好なデータであることが確認された。
次に、Kxx成分の最大値を示す方向とその絶対値を表
すベクトル図を検討した。ネットワーク式測定域は、1.
3km×1.3kmとかなり限定された領域であることから、各
周波数のベクトルは、大局的に見て同じ傾向を示してい
る。例えば、100Hzでは、E−N−E方向を、10Hzで
は、E−W方向(第4図)を示す。これは、ティッパー
ベクトルの方向(ティッパーストライキ、第5図)と直
交する方向である。ティッパーストライキが、走行方向
を示す指標であることを考慮すれば、Kベクトルとティ
ッパーベクトルが直交することは、容易に理解できる。
よって、Kトランスファファンクションが、ティッパー
と同様に解析に使用できることが確認された。
さらに、詳細に、K値分布図(第6図)を観察する
と、1Hzのベクトル図においてネットワーク式測定域内
に推定された、断裂系(第7図)についても示唆するこ
とができる。
Tトランスファファンクション: このトランスファファンクションについても、ベクト
ル図(第8図)を作成して検討した。これらの図におい
て、各周波数毎および測点毎に大きな変化が認められ
る。これは、各測点の比抵抗構造の違いを反映している
ことによるのであろうが、同周波数のZベクトル(イン
ピーダンステンソルより算出、第9図)と比較すると、
ほぼ同様の傾向が認められる。また、ベクトルの方向な
どは、むしろZベクトルよりもばらつきが少ないとも言
える。
さらに、各ベクトルの強度をマッピングした。これら
のマッピングの結果においてもT値分布図(第10図)と
Z値分布図(第11図)は同様の結果となっている。
このことから、電場を表すTベクトルは正しく求めら
れていること、およびネットワーク式測定域内におい
て、任意の方向、たとえば2次元構造に直交する方向に
おける電場の強度を求めることが可能であることを確認
できた。
実施例2 電場のダイポール長(電極間隔)を変化させ、適切な
測線長を設定する処理を施す以外は、実施例1と同様に
して地下構造の解析を行なった。本実施例方法では、各
固定点および参照点においての磁場および電場の測定を
行ない、これらのデータからインピーダンステンソル、
KトランスファファンクションおよびTトランスファフ
ァンクションを算出して、これらのトランスファファン
クションから、地下比抵抗分布を推定する。この場合、
実施例1で行なったように、直接2次元インバージョン
を行なうことができるが、本実施例では、Tトランスフ
ァファンクションより算出された電場は、同時に測定し
たと考えられることから、加算により、任意のダイポー
ル長のデータを算出できることから、残部の不均質構造
に起因するスタティックエフェクトを除去できるダイポ
ール長を選択し、処理するものである。このダイポール
長は、必要に応じて、周波数毎に変化させても良い。
本実施例の方法を、そのフローチャートである第12図
を参照しながら説明する。
本実施例は、電場のダイポール長(電極間隔)を変化
させる処理を施した以外は実施例1と同様に行なったの
で、以下の説明は、単位ダイポール長の決定、任意の2
つ以上のダイポール長を選択、スタティックエフェクト
の除去を確認しながら、複数の周波数に関し適性ダイポ
ール長を決定の処理の過程を中心に述べる。
第12図において、第1図において使用した相当する部
分についての符号は同一の符号で示した。
1は、データ入力、2は、各測点および固定点で同時
に磁場および電場の測定を行なって得たデータから、K
トランスファファンクション、Tトランスファファンク
ションおよびインピーダンステンソルのTE・TMモード、
(ρa,φ)、ティッパーマグニチュード、ティッパーフ
ェイズを算出し、得られた各トランスファファンクショ
ンおよびインピーダンステンソルにスムージングを施し
て2次元モデル解析等を行なった。この過程の後、その
まま3のKベクトル図等の作成の過程あるいは、後に述
べる13のボスティックインバージョン解析の過程に移行
することは可能であるが、本実施例では電場に関する単
位ダイポール長の決定、任意の2つ以上のダイポール長
を選択、スタティックエフェクトの除去を確認しながら
複数の周波数に関し適性ダイポール長を決定の処理を施
す過程をとった。
以下、電場に関する単位ダイポール長の決定、任意の
2つ以上のダイポール長を選択、スタティックエフェク
トの除去を確認しながら、複数の周波数に関し適性ダイ
ポール長を決定の処理について述べる。
11は、測線長(TL)、ダイポール長(DL)を設定す
る。ダイポール長は、周波数および測線上の位置の双方
に関係して求められなければならず、かつ、測定データ
に依存している。この単位ダイポール長の決定は、現場
解析者が任意に設定しても良いが、通常は、周波数領域
で測線に沿った各ダイポール長のスパンの移動平均をと
ったものとしてパラメータ化され、それをもとに、解析
者が、最終的に前記パラメータを決定することが望まし
い。
ダイポール長が大きくなると、スタティックエフェク
ト除去の効果も大きくなるが、反面、水平方向の解像力
が低下するので、実際には可能な限り短いダイポール長
を選択しなければならない。
ついで、第12図の手順に従い、得られたTMモードデー
タに対するダイポール長変化処理12を施し、周波数
(f)、見掛比抵抗(ρ)および位相(φ)に関する
データを得た。
この処理12の終了後、13で、大地比抵抗分布の断面を
得るため、真の比抵抗分布の近似を求めた。すなわち、
ダイポール長変化処理の後、電場より算出した見掛け比
抵抗曲線に対する単純な1次元インバージョンとして結
果を算出したものである。
さらに、ダイポール長変化処理により得られたデータ
に対してボスティックインバージョン法を用いて比抵抗
−深度解析を実施した。この場合、見掛比抵抗および位
相データを使用する(9)式を用いた。
ここで、 Z:(ρa/2πμf)1/2 ρ(z):深度Zでの比抵抗 ρa:見掛比抵抗 φ:位相 μ:透磁率 f:周波数 これにより、見掛比抵抗(ρ)−周波数(f)のデ
ータを比抵抗(ρ)−深度(D)のデータに変換した。
この比抵抗−深度のデータを疑似断面あるいは曲線とし
て図面化を行ない、比抵抗断面図を作成した。なお、モ
デルの地形に起伏がある場合、比抵抗断面に関してはボ
スティック深度を地形の標高に合致させてマッピングし
た。
そして、14の過程において、これらの図面を比較しな
がらダイポール長変化処理結果の検討を行なった。第14
図(a)(b)にダイポール長変化処理を行なった場合
の周波数および深度と比抵抗の関係を表すグラフおよび
第15図(a)(b)に、ダイポール長変化処理を行なわ
なかった場合の周波数および深度と比抵抗の関係を表す
グラフを示す。第14図(a)(b)と第15図(a)
(b)を比較すると、特に地表±250mにおける周波数1H
z以下のデータのノイズが消去されているのが分る。
15の過程での検討結果が充分なものであれば解析を終
了すればよい。さらに、精度の高い結果を得たい場合に
は、ダイポール長変化処理パラメータの再設定を行なっ
た後、12以下の過程を繰返せばよい。
〔発明の効果〕
本発明の方法では、各測点における磁場および電場の
測定と同時に固定点における磁場および電場の測定を行
ない、得られたデータから測点と固定点の間のトランス
ファファンクション、即ち、磁場トランスファファンク
ション、電場トランスファファンクションおよび、必要
であれば、インピーダンステンソルを算出して地下構造
解析を行なうため、各測点におけるデータ取得は、同時
に行なってもよく異なる時間に行なってもよい。しかし
ながら、各測点におけるデータ取得と同時に、固定点に
おけるデータ取得を行ない、この両点間のトランスファ
ファンクションを算出して解析を行なうため、各測点に
おけるデータ取得を同時に行なわなくとも、同時に行な
ったと同様の効果が得られるのである。そのため、電場
又は磁場の絶対値を使用しての解析が可能となった。し
たがって、スタティックエフェクトを受けないK:磁場ト
ランスファファンクションの解析またはスタティックエ
フェクトを除去するためのダイポール長変化処理等に大
きな効果を発揮する。特に広範囲の調査を行なう場合
や、精度の高さが求められる場合等、測定を多くの地点
で行なう場合に極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、地下比抵抗モデルの作成過程の一実施例方法
を示すフローチャート、第2図、第3図は、測点位置
図、第4図は、Kベクトル図、第5図は、ティッパーベ
クトル図、第6図は、K値分布図、第7図は、見掛比抵
抗分布図、第8図は、Tベクトル図、第9図は、Zベク
トル図、第10図は、T値分布図、第11図は、Z値分布
図、第12図は、第2の実施例に係る地下探査方法のフロ
ーチャート、第13図は、地下比抵抗モデル、第14図
(a)(b)、第15図(a)(b)は、第2実施例の処
理を行なった場合と行なわない場合の図である。 第12図において、1は、データ入力、2等を測点および
固定点における電場および磁場の測定データから算出過
程、3は、2の結果よりKベクトル図、ティッパーベク
トル図、K値分布図、見掛比抵抗分布図、Tベクトル
図、Zベクトル図、T値分布図およびZ値分布図の作成
過程、4は、1のデータ入力と、3で作成した図との比
較検討過程、11は、測線長(TL)、ダイポール長(DL)
の設定、 12は、ダイポール長変化処理、13は、真の比抵抗分布の
近似算出過程、14は、処理結果の検討である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】調査域内、もしくは、調査域外の任意の地
    点に、常時、その地点の磁場を測定する固定点を設ける
    一方、調査域内に複数の地点に、その地点の磁場および
    電場を測定する測点を設け、 この固定点の磁場と、その任意の測点の磁場および電場
    を同時に測定し、得られたデータから以下の式で表され
    る磁場トランスファファンクションおよび電場トランス
    ファファンクションを求め、 (Hx、Hyは、測点における互に直交する磁場の水平成
    分、Hxr、Hyrは、固定点における互に直交する磁場の水
    平成分、Kij(i、j=xまたはy)は、磁場トランス
    ファファンクションを表す。) (Ex、Eyは、測点における互に直交する電場の水平成
    分、Hxr、Hyrは、固定点における互に直交する磁場の水
    平成分、Tij(i、j=xまたはy)は、電場トランス
    ファファンクションを表す。) 次に、前記(1)(2)式で求められた磁場トランスフ
    ァファンクションおよび電場トランスファファンクショ
    ンならびに固定点における所望の時刻の磁場データか
    ら、以下の式で表される、その時刻における前記任意の
    測点の磁場の強度および電場の強度を求め、 (Hx、Hyは、所望の時刻の任意の測点における互に直交
    する磁場の水平成分、Hxr、Hyrは、同時刻の固定点にお
    ける互に直交する磁場の水平成分、Kij(i、j=xま
    たはy)は、磁場トランスファファンクションを表
    す。) (Ex、Eyは、前記所望の時刻の前記任意の測点における
    互に直交する電場の水平成分、Hxr、Hyrは、同時刻の固
    定点における互に直交する磁場の水平成分、Tij(i、
    j=xまたはy)は、電場トランスファファンクション
    を表す。) これらの磁場の強度および電場の強度から、調査域内の
    地下構造を探査する地下探査方法。
  2. 【請求項2】更にインピーダンステンソルを以下の式 {Zijは、インピーダンステンソル;Hx、Hyは、互に直交
    する測点における磁場の水平成分;Ex、Eyは、互に直交
    する測点における電場の水平成分;(AB)は、周波数
    帯域平均されたパワースペクトル;NはHxr;MはHyr
    (*は、供役複素数;Hxr、Hyrは、互に直交する固定
    点における磁場の水平成分)} に従って算出する過程を含むことを特徴とする請求項第
    1項記載の地下探査方法。
  3. 【請求項3】更にインピーダンステンソルを以下の式 Txx=ZxxKxx+ZxyKyx Txy=ZxxKxy+ZxyKyy Tyx=ZyxKxx+ZyyKyx Tyy=ZyxKxy+ZyyKyy (Tijは、電場トランスファファンクション、Kijは、磁
    場トランスファファンクション、Zijは、インピーダン
    ステンソル)に従って算出する過程を含むことを特徴と
    する請求項第1項記載の地下探査方法。
  4. 【請求項4】電場トランスファファンクションを以下の
    式により、電場を求め、 Ex=TxxHxr+TxyHyr Ey=TyxHxr+TyyHyr (Ex、Eyは、互に直交する測点における電場の水平成
    分、Hxr、Hyrは、互に直交する固定点における磁場成
    分、Tijは、磁場トランスファファンクションを表
    す。) 電場に関する各測点間の測定間隔を任意に設定すること
    によりスタティックエフェクトの除去の処理過程を含む
    ことを特徴とする請求項第1項記載の地下探査方法。
  5. 【請求項5】前記測定間隔は、連続した単位電極間の2
    以上の電位差を加えてなることを特徴とする請求項第1
    項記載の地下探査方法。
  6. 【請求項6】磁場トランスファファンクションおよび電
    場トランスファファンクションを回転することにより、
    任意の方向の測線に関する強度の算出を行なう過程を含
    むことを特徴とする請求項第1項記載の地下探査方法。
  7. 【請求項7】固定点が調査域外に在ることを特徴とする
    請求項第1項記載の地下探査方法。
  8. 【請求項8】磁場トランスファファンクションおよび電
    場トランスファファンクションのうちの少なくとも一つ
    に関し、実部および虚部のそれぞれについて、スプライ
    ン関数を用いてスムージング施す過程を含むことを特徴
    とする請求項第1項記載の地下探査方法。
  9. 【請求項9】磁場トランスファファンクション、電場ト
    ランスファファンクションおよびインピーダンステンソ
    ルのうちの少なくとも一つに関し、実部および虚部のそ
    れぞれについて、スプライン関数を用いてスムージング
    施す過程を含むことを特徴とする請求項第2項または第
    3項記載の地下探査方法。
JP13050890A 1990-05-21 1990-05-21 地下探査方法 Expired - Lifetime JPH0830737B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13050890A JPH0830737B2 (ja) 1990-05-21 1990-05-21 地下探査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13050890A JPH0830737B2 (ja) 1990-05-21 1990-05-21 地下探査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04174390A JPH04174390A (ja) 1992-06-22
JPH0830737B2 true JPH0830737B2 (ja) 1996-03-27

Family

ID=15035962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13050890A Expired - Lifetime JPH0830737B2 (ja) 1990-05-21 1990-05-21 地下探査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0830737B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NO323889B3 (no) * 2005-11-03 2007-07-16 Advanced Hydrocarbon Mapping As Framgangsmåte for kartlegging av hydrokarbonreservoarer samt apparat for anvendelse ved gjennomføring av framgangsmåten
AU2006334987A1 (en) * 2006-01-13 2007-07-19 Anthony C.L. Fox Detection of resistivity of offshore seismic structures mainly using vertical magnetic component of earth's naturally varying electromagnetic field
JP4512790B2 (ja) * 2007-11-22 2010-07-28 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 地磁気地電流法における観測データの処理方法及び装置
TWI447422B (zh) * 2011-05-05 2014-08-01 Univ Chung Hua 應用透地雷達檢測鋼筋混凝土構件內的鋼筋腐蝕度的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04174390A (ja) 1992-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2349936C2 (ru) Электромагнитное исследование углеводородных коллекторов
US6791331B2 (en) Method and apparatus for measuring characteristics of geological formations
US7969152B2 (en) Systems and methods for measuring sea-bed resistivity
US8564296B2 (en) Systems and methods for remote electromagnetic exploration for mineral and energy resources
AU593800B2 (en) Electromagnetic array profiling survey method
RU2628000C2 (ru) Глубокая азимутальная система с применением многополюсных датчиков
US20080065330A1 (en) Electromagnetic Data Processing
WO2008070239A2 (en) Increasing the resolution of electromagnetic tools for resistivity evaluations in near borehole zones
Wang et al. 2D joint inversion of CSAMT and magnetic data based on cross-gradient theory
Müller-Petke Non-remote reference noise cancellation-using reference data in the presence of surface-NMR signals
CN112327377B (zh) 可控源电磁法过渡区和近区电阻率的计算方法
Kang et al. Pitfalls of 1D inversion of small-loop electromagnetic data for detecting man-made objects
JPH0830737B2 (ja) 地下探査方法
CN115128680B (zh) 一种磁性源多波形组合的瞬变电磁靶向测量方法
CN107329183B (zh) 一种可控源音频大地电磁测深数据采集方法和装置
Liu et al. A feasibility study of the wide-field electromagnetic method for hidden ore deposits prospecting
CN114509818A (zh) 近源区频率域电磁探测方法和装置、电子设备、存储介质
CN116050046A (zh) 一种基于聚类分析的大地电磁模糊约束反演方法
Varfinezhad et al. 3D Electromagnetic low induction number modeling using integral equations
CN114076988B (zh) 一种基于水平电偶极源的波数视电阻率的测量方法
Mohammadi Vizheh et al. Constrained 2D inversion of radio-magnetotelluric and controlled-source audio-magnetotelluric data using high-resolution reflection seismic data: An example in groundwater surveying from Heby, Sweden
Carpio et al. Adjoint fields and sensitivities for 3D electromagnetic imaging in isotropic and anisotropic media
CN117805910A (zh) 一种基于水平磁场一次场抵消策略的电偶源频率测深方法
JP3204910B2 (ja) 地下電磁探査方法
Ogawa et al. Audio-frequency magnetotelluric imaging of an active strike-slip fault

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090327

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100327

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110327

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110327

Year of fee payment: 15