JPH08306233A - 電力ケーブル用絶縁体組成物 - Google Patents

電力ケーブル用絶縁体組成物

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JPH08306233A
JPH08306233A JP10983895A JP10983895A JPH08306233A JP H08306233 A JPH08306233 A JP H08306233A JP 10983895 A JP10983895 A JP 10983895A JP 10983895 A JP10983895 A JP 10983895A JP H08306233 A JPH08306233 A JP H08306233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
mfr
power cable
molecular weight
density polyethylene
Prior art date
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Pending
Application number
JP10983895A
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English (en)
Inventor
Saeri Utsunomiya
小衣里 宇都宮
Shiyouichirou Nakamura
詳一郎 中村
Satoshi Kaneko
智 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 架橋ポリエチレン絶縁体を用いた電力ケーブ
ルのための絶縁体組成物であって、押出し加工性と電気
的特性とがともに優れたものを得る。 【構成】 メルトフローレートが0.7以上であり、分
岐数が30/1000C以下であり、数平均分子量が1
0000ないし18000の範囲内であり、かつ粘度か
ら換算した溶融時の活性化エネルギーが7.0×104
J/モルK以下の低密度ポリエチレン組成物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は架橋ポリエチレンを絶縁
体とする電力ケーブルに用いる絶縁体組成物に関するも
のであり、特に押出し加工性と電気特性とがともに優れ
た低密度ポリエチレンベースの絶縁体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】大容量の電力輸送用ケーブルとして、従
来から、ケーブルシース内に絶縁油を充填(Oil-Fill)
した、いわゆるOFケーブルが用いられている。このO
Fケーブルは、軸心に亜鉛メッキ銅スパイラルを配し、
この周囲に順次、導体、カーボン紙、絶縁紙、カーボン
紙、遮閉層などの各層が形成されてなり、この絶縁紙に
は絶縁油が含浸されている。このOFケーブルは、一定
の布設区間毎に接続された油圧調整タンクによって内部
の絶縁油の油圧を常時調整しておく必要がある。また、
絶縁油は経時的に劣化するので、定期的に劣化の程度を
測定し、劣化が激しくなれば入れ換えるなど保守に多く
の労力と経費を必要とする。また、防災上の対策も要求
される。
【0003】そこで、最近では電線または電力ケーブル
として、架橋ポリエチレンを絶縁体とするものが多用さ
れている。この架橋ポリエチレンを絶縁体とする電力ケ
ーブル(以下、単に「ケーブル」という)は普通、導体
上にジクミルパーオキサイドなどの架橋剤を含む低密度
ポリエチレンを押出して、加熱架橋して製造される。ま
たは、架橋剤を用いずに電子線照射によって架橋される
場合もある。この低密度ポリエチレンは、押出し加工性
にも優れ、架橋によって耐熱性が与えられるので、得ら
れた架橋低密度ポリエチレン(以下、「XLPE」とい
う)は高密度ポリエチレンより耐熱性が良好であり、し
かも従来の絶縁油充填型などより軽量でメンテナンスフ
リー性に優れたケーブルが得られるので絶縁体として好
適な素材である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、このX
LPEは、ケーブルの絶縁体として用いるとき押出し加
工性、電気的特性、機械的特性、および耐熱性に優れた
素材ではあるが、電力需要が増大するにつれて、より優
れた性能が要求されるようになってきた。XLPE絶縁
体の性能は、架橋前の低密度ポリエチレン(以下、「L
DPE」という)の特性に依存するところが大きい。と
ころが従来用いられているLDPEに関しては特に、押
出し加工性と電気的特性とが両立しないという問題があ
った。本発明はこの問題を解決するためになされたもの
であり、従ってその目的は、押出し加工性と電気的特性
とがともに優れたポリエチレンからなる絶縁体組成物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、メルトフ
ローレートが0.7以上であり、分岐数が30/100
0C以下であり、数平均分子量が10000ないし18
000の範囲内であり、かつ粘度から換算した溶融時の
活性化エネルギーが7.0×104J/モルK以下であ
る低密度ポリエチレン組成物からなる電力ケーブル用絶
縁体組成物を提供することによって解決できる。
【0006】ここでメルトフローレート(以下、「MF
R」という)はJIS K7210に記載された方法に
より測定される値であり、分岐数および数平均分子量
は、いずれもNMR測定値である。また溶融時の活性化
エネルギー(以下、「MAE」という)は、ASTM
D4440に記載された方法により測定された粘度(P
a)から、下記の式(1)によって計算された値であ
る。 η(T)=AeE/RT ……(1) 上式において、ηは粘度(Pa) Rは気体定数、8.314(J/モルK) EはMAE(J/モル) Tは絶対温度(K) Aは頻度因子 である。
【0007】
【作用】LDPEの押出し加工性はMFRが大きいほど
良好となる。しかし電気的特性は逆にMFRが小さいほ
ど良好となる。この相反する特性をともに向上させるに
は、MFRに加えてLDPE組成物の総合した分岐数と
数平均分子量とMAEとを好適な範囲にバランスさせる
ことが有効であることがわかった。
【0008】この観点から本発明の電力ケーブル用絶縁
体組成物は特に、MFRが0.8〜5.0の範囲内であ
り、分岐数が15/1000C〜30/1000Cの範
囲内であり、数平均分子量が12000〜17000の
範囲内であり、かつMAEが6.0×104J/モルK
〜7.0×104J/モルKの範囲内であるものが好ま
しい。
【0009】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。表中のnaMWは数平均分子量を表す。 (実施例1〜実施例4)表1に示す諸特性を有する4種
類の市販のLDPE(A〜D)を用意した。これらのL
DPEの分子量分布を図1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】次に、この4種のLDPEのうち、2種ま
たは3種を選んで配合し、実施例1〜実施例4のLDP
E組成物を得た。これらの配合の組合せ、配合割合(重
量比)、および諸特性を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】上記実施例1〜実施例4の組成物、ならび
に比較例として、表1に示したLDPE(A〜D)につ
いて、押出し加工性と、これを化学的方法または電子線
照射によってゲル分率が80%〜90%となるように架
橋して得られた絶縁体組成物の交流破壊ストレスとを測
定した。化学的架橋は、架橋剤としてジクミルパーオキ
サイドを3重量%配合した組成物を180℃に40分間
加熱して行った。押出し加工性は良好を○、やや不良を
△、不良を×で表示した。測定結果を表3に示す。
【0014】
【表3】
【0015】表3の結果から、MFRが0.7以上であ
り、分岐数が30/1000C以下であり、数平均分子
量が10000ないし18000の範囲内であり、かつ
MAEが7.0×104J/モルK以下である実施例1
〜実施例4の絶縁体組成物は、押出し加工性と電気的特
性とがともに優れていることがわかる。
【0016】
【発明の効果】本発明の電力ケーブル用絶縁体組成物
は、MFRが0.7以上であり、分岐数が30/100
0C以下であり、数平均分子量が10000ないし18
000の範囲内であり、かつMAEが7.0×104
/モルK以下の低密度ポリエチレン組成物からなるもの
であるので、製造時の未架橋組成物の押出し加工性と電
力ケーブルにおける絶縁体の電気的特性とがともに優れ
た絶縁体組成物となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の絶縁体組成物の製造に用いた低密度
ポリエチレンA〜Dの分子量分布を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリエチレンを絶縁体とする電力ケ
    ーブルに用いる絶縁体組成物であって、 メルトフローレートが0.7以上であり、 分岐数(NMR測定値)が30/1000C以下であ
    り、 数平均分子量(NMR測定値)が10000ないし18
    000の範囲内であり、かつ粘度から換算した溶融時の
    活性化エネルギーが7.0×104J/モルK(絶対温
    度)以下である低密度ポリエチレン組成物からなる電力
    ケーブル用絶縁体組成物。
JP10983895A 1995-05-08 1995-05-08 電力ケーブル用絶縁体組成物 Pending JPH08306233A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120277388A1 (en) * 2009-10-29 2012-11-01 Total Petrochemicals Research Feluy Polyethylene prepared with supported late transition metal catalyst systems

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120277388A1 (en) * 2009-10-29 2012-11-01 Total Petrochemicals Research Feluy Polyethylene prepared with supported late transition metal catalyst systems
US8822612B2 (en) * 2009-10-29 2014-09-02 Total Research & Technology Feluy Polyethylene prepared with supported late transition metal catalyst systems

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