JPH08304349A - 磁気センサシステム - Google Patents

磁気センサシステム

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JPH08304349A
JPH08304349A JP11486795A JP11486795A JPH08304349A JP H08304349 A JPH08304349 A JP H08304349A JP 11486795 A JP11486795 A JP 11486795A JP 11486795 A JP11486795 A JP 11486795A JP H08304349 A JPH08304349 A JP H08304349A
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JP
Japan
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magnetic sensor
magnetic
phase
amplitude
sensor system
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Application number
JP11486795A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Kohama
博明 小濱
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TAWARA TAKAKO
Original Assignee
TAWARA TAKAKO
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミ缶の欠陥、材質、寸法の変化などを検
査する場合、表面だけでなく内部についても正確に、か
つ、精度高く検査することができ、これをスピーディに
実施できる磁気センサシステムを提供することを目的と
する。 【構成】 アルミ缶Sを載置するとともに回転駆動する
スピナ60と、交流電流によって交流磁場を形成して電
磁誘導により生じる誘導電流の変化量を電気信号として
検出する磁気センサプローブ10と、この磁気センサプ
ローブ10に交流電流を供給するとともに磁気センサプ
ローブ10で検出された電気信号(誘導電流)を増幅す
る磁気センサアンプ20と、アルミ缶Sをスピナ60に
より一定速度で回転させた状態で磁気センサアンプ20
からの電気信号に基づいて信号波形を形成し表示する波
形表示用コンピュータ30とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気センサシステムに関
し、特に、導電性の被検査物のひとつであるアルミ缶を
検査する際、ネック部位に生じたシワやキズ、あるい
は、缶形状の変形等の欠陥を電磁誘導を用いて信号波形
として検出する磁気センサシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】アルミ缶検査の一般例として、ネック部
位に生じたシワやキズ、あるいは、缶形状の変形を肉眼
により確認するという方法があり、これを流れ作業で効
率よく実施するには、経験の積み重ねが必要であった。
【0003】上記欠陥は、例えば、アルミ缶内の内容物
を密閉することに何ら支障をきたすものではないが、こ
の品質の低下が商品としての見栄えを損なう結果となっ
て売上げに悪影響を及ぼしてしまう等の危惧がある。
【0004】そこで、アルミ缶検査を検査機器により自
動化するという方法が考えられる。例えば、電磁誘導を
用いた非破壊試験があり、これは、測定対象である導電
性の被検査物に渦電流を発生させて、その渦電流の変化
を測定する磁気センサシステムが使用される。この磁気
センサシステムは、探傷試験、材質試験、形状寸法試験
等の電磁誘導試験に好適である。
【0005】上記磁気センサシステムの構成について説
明する。図9は従来の磁気センサシステムの内部構成を
示すブロック図である。同図に示された磁気センサシス
テム90は、交流電流を発生する発振部91と、交流磁
場を形成する励磁コイルと交流磁場から誘導電流を検知
する誘導コイルとを備えたセンサ92と、定常に対する
誘導電流の変化量を検出する平衡部93と、変化量を示
す信号の増幅を行う増幅部84と、特定の位相角の信号
を検出する同期検波部95と、励磁、誘導のコイル間の
位相差を調整する移相部96と、オシロスコープ、メー
タや記録計等の表示部97とを備えている。
【0006】次に動作について説明する。上記磁気セン
サシステム90では、発振部91により発振させた交流
がセンサ92の励磁コイルに流されて交流磁場が形成さ
れる。これにより交流磁場に位置する被検査物であるア
ルミ缶Sには渦電流が流れる。この渦電流はセンサ92
の誘導コイルにより検知されると、平衡部93に出力さ
れて、渦電流の変化量(電気信号)が検出される。
【0007】さらに後段の増幅部94では、入力された
電気信号が増幅され、同期検波器95に出力される。こ
の同期検波部95では、移相部96により雑音を除去す
るようにして特定の位相角をもつ電気信号が検出され
る。この電気信号は、検査目的に応じた情報(欠陥、材
質、形状寸法等)をもち、表示部97によって表示され
る。
【0008】上記磁気センサシステム90では、渦電流
が交流であることから渦電流はアルミ缶Sの表面に多く
流れ、その内部に向かうに従い減少するという測定結果
が得られる。従って、センサ92では、アルミ缶Sの表
面から検出される誘導電流が最も強くなり、検査上、表
面の欠陥や材質、寸法の変化等の態様を検出する場合に
適している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の磁気センサシステム90では、アルミ缶Sの内
部に向かって渦電流の強さが減少していく特性があるの
で、例えば、アルミ缶Sの内部に金属破片等の異物が混
入していても渦電流の微妙な変化を検出できない場合が
ある。これでは、検査そのものがアルミ缶Sの表面検査
に限定され、検査中途半端となって正確性に欠けるの
で、精度の低い検査結果しか得られないという問題が生
じる。
【0010】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、アルミ缶の欠陥、材質、寸法の
変化などを検査する場合、表面だけでなく内部の欠陥に
ついても正確に、かつ、精度高く検査することができ、
かつ、この検査をスピーディに実施できる磁気センサシ
ステムを提供することを目的とする。
【0011】また、他の発明は、被検査物の材質、透磁
率、表面の状態、物理的な大きさや被検査物を検査する
際の移動速度、距離に関係なく、同様の検査精度を得る
ことができる磁気センサシステムを提供することを目的
とする。
【0012】さらに、他の発明は、交流磁場の検出感度
を向上させることができるとともに外来ノイズを除去す
ることができる磁気センサシステムを提供することを目
的とする。
【0013】そして、他の発明は、位相から透磁率を取
得し、振幅から電気抵抗率を取得することができる磁気
センサシステムを提供することを目的とする。
【0014】また、他の発明は、位相と振幅を波形や数
字等の任意の表示形式で表示させることができる磁気セ
ンサシステムを提供することを目的とする。
【0015】さらに、他の発明は、被検査物から欠陥の
ある位置を容易に認識することができる磁気センサシス
テムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る磁
気センサシステムは、アルミ缶等の導電性の被検査物を
回転させる回転台と、交流電流によって交流磁場を形成
するとともに該交流磁場の電磁誘導により生じる誘導電
流を電気信号として検出する磁気センサプローブと、該
磁気センサプローブに交流電流を供給するとともに前記
磁気センサプローブで検出された電気信号を増幅する磁
気センサアンプと、前記被検査物を前記回転台により一
定速度で回転させ、その状態で前記磁気センサアンプで
増幅された電気信号に基づいて信号波形を形成する波形
形成手段とを備えるものである。
【0017】請求項2の発明に係る磁気センサシステム
は、請求項1の発明において、前記磁気センサプローブ
は、交流電流により同等の磁力線をもつ一対の交流磁場
を形成し、該一対の交流磁場の内の一方に前記被検査物
を配置させ、前記一対の交流磁場間で生じる誘導電流の
変化量を示す電気信号をセンシングするセンシング手段
と、前記センシング手段によりセンシングされた電気信
号から透磁率を示す電気信号と電気抵抗率を示す電気信
号とを検出する検出手段と、これら2種の電気信号を合
成する合成手段とを備えることを特徴とするものであ
る。
【0018】請求項3の発明に係る磁気センサシステム
は、請求項2の発明において、前記センシング手段が、
交流電流を印加させ励磁により交流磁場を形成する第1
励磁コイルと、該第1励磁コイルにより形成された交流
磁場の大きさに応じた誘導電流をセンシングする第1誘
導コイルとを有する第1センサと、前記第1励磁コイル
と同様の構成を有するとともに前記第1励磁コイルと同
様の大きさの交流磁場を形成する第2励磁コイルと、前
記第1誘導コイルと同様の構成を有するとともに前記第
2励磁コイルにより形成された交流磁場の大きさに応じ
た誘導電流をセンシングする第2センサと、前記第1、
第2センサ間を、前記第1励磁コイルと前記第2励磁コ
イルとを同相に、前記第1誘導コイルと前記第2誘導コ
イルとを逆相にして結線させた信号線とを有することを
特徴とするものである。
【0019】請求項4の発明に係る磁気センサシステム
は、請求項3の発明において、前記第1センサが前記第
1励磁コイルと前記第1誘導コイルとを同軸に設けた構
成を有し、前記第2センサが前記第2励磁コイルと前記
第2誘導コイルとを同軸に設けた構成を有することを特
徴とするものである。
【0020】請求項5の発明に係る磁気センサシステム
は、請求項2の発明において、前記透磁率を示す電気信
号と前記電気抵抗率を示す電気信号とはそれぞれ位相と
振幅のどちらか一方に対応し、前記検出手段は、前記セ
ンシング手段によりセンシングされた電気信号から位相
信号を検出する位相検出手段と、前記センシング手段に
よりセンシングされた電気信号から振幅信号を検出する
振幅検出手段とを有することを特徴とするものである。
【0021】請求項6の発明に係る磁気センサシステム
は、請求項5の発明において、前記波形形成手段は前記
検出手段により検出された位相信号と振幅信号とを任意
の表示形式で表示することを特徴とするものである。
【0022】請求項7の発明に係る磁気センサシステム
は、請求項2の発明において、前記磁気センサアンプは
交流磁場を形成するための交流電流の周波数を調整する
調整手段を有するものである。
【0023】
【作用】請求項1の発明における磁気センサシステム
は、磁気センサプローブにより交流磁場を形成するの
で、そこで被検査物を一定速度で回転させたとき、交流
磁場に電磁誘導が働き、誘導電流を電気信号として検出
することができ、これを磁気センサアンプにより増幅す
れば、波形形成手段により被検査物の回転に応じた信号
波形を形成することができる。
【0024】請求項2の発明における磁気センサシステ
ムは、請求項1の発明において、センシング手段が交流
電流により同等の磁力線をもつ対の交流磁場を形成し、
対の交流磁場の内の一方に導電性の被検査物を配置さ
せ、対の交流磁場間で電磁誘導により生じる誘導電流の
変化量を示す電気信号をセンシングし、検出手段がセン
シング手段によりセンシングされた電気信号から透磁率
を示す電気信号と電気抵抗率を示す電気信号とを検出
し、合成手段が検出手段により検出された2つの電気信
号を合成する。
【0025】また、請求項3の発明に係る磁気センサシ
ステムは、請求項2の発明において、センシング手段の
第1センサにて、第1励磁コイルの励磁により交流磁場
を形成し、第1誘導コイルにより交流磁場の大きさに応
じた誘導電流をセンシングする。同様に、第2センサで
も、第2励磁コイルにより交流磁場を形成し、第2誘導
コイルにより交流磁場の大きさに応じた誘導電流をセン
シングする。そして、第1センサと第2センサとの間
は、信号線により、第1励磁コイルと第2励磁コイルと
を同相に、第1誘導コイルと第2誘導コイルとを逆相に
して結線させる構成なので、各センサにより形成される
交流磁場に被検査物を配置しない場合、各誘導コイルに
生じる誘導電流は逆相関係により打ち消し合ってバラン
スが保持される。また一方の交流磁場に被検査物を配置
した場合、上記のバランスが崩れて、各誘導コイルに生
じる誘導電流の間で差分が生じる。この差分が被検査物
を検査する際の透磁率、電気抵抗率を得るための情報と
して活用される。
【0026】さらに、請求項4の発明に係る磁気センサ
システムは、請求項3の発明において、第1センサの第
1励磁コイルと第1誘導コイルとを同軸に設け、第2セ
ンサの第2励磁コイルと第2誘導コイルとを同軸に設け
た構成なので、各誘導コイルでは対応する励磁コイルに
より励起された磁束の全てが鎖交して高い効率で相互イ
ンダクタンスが起こり、大きい誘導電流が生じる。
【0027】そして、請求項5の発明に係る磁気センサ
システムは、請求項2の発明において、透磁率を示す電
気信号と電気抵抗率を示す電気信号をそれぞれ位相と振
幅のどちらか一方に対応させ、位相検出手段がセンシン
グ手段によりセンシングされた電気信号から位相信号を
検出し、振幅検出手段がセンシング手段によりセンシン
グされた電気信号から振幅信号を検出する構成なので、
合成手段により位相信号と振幅信号とを合成した電気信
号が得られる。
【0028】また、請求項6の発明に係る磁気センサシ
ステムは、請求項5の発明において、検出手段により検
出された位相信号と振幅信号とを任意の表示形式で表示
する構成なので、波形、数値のいづれの表示形式でも表
示が行われる。
【0029】さらに、請求項7に発明に係る磁気センサ
システムは、請求項2の発明において、調整手段にて交
流磁場を形成するための交流電流の周波数を調整する構
成なので、被検査物の内部に対して磁力線が到達する深
さが調整される。
【0030】
【実施例】以下に、添付図面を参照して、本発明に係る
好適な一実施例を詳細に説明する。電磁誘導型検査にお
いて、渦電流方式では、検査による交流磁場の変化を振
幅、すなわち、電気抵抗でみており、位相についてはノ
イズ信号の除去に使用される。本発明に係る一実施例で
は、検査による交流磁場の変化を透磁率(位相)と電気
抵抗率(振幅)とでみる処理が行われる。なお、透磁率
が振幅で、電気抵抗率が位相に対応しても良い。マック
スウェルの電磁方程式では、導電性をもつ被検査物に交
流磁場を加えると、その被検査物の物性(電気抵抗率、
透磁率、誘電率)を示す3種類の電気信号を取得するこ
とができる。この3種類の電気信号のうち、特に、電気
抵抗率、透磁率を示す電気信号を導く方法として、周波
数、振幅、位相の3つの信号を処理する必要がある。
【0031】本実施例による磁気センサシステムでは、
静磁束、交流磁束が金属を透過する性質をもつことか
ら、交流磁場に導電性の被検査物を配置させて電磁誘導
による交流磁場の変化を測定する。そして交流磁束が周
波数に依存する性質に着目して、交流磁場を形成するた
めの交流電流の周波数が調整される。
【0032】そこで、本実施例による磁気センサシステ
ムは、周波数を調整した交流電流により同等の磁力をも
つ一対の交流磁場を形成して、この一対の交流磁場の内
の一方に導電性の被検査物を配置させ、一対の交流磁場
間で電磁誘導により生じる誘導電流(誘導起電圧でもよ
い)の変化量を示す電気信号をセンシングし、そのセン
シングされた電気信号から透磁率を示す電気信号と電気
抵抗率を示す電気信号とを検出して、波形等の出力形式
に置き換えて表示処理を行うという原理からなる。
【0033】以上の原理に基づき、全体構成の一例につ
いて説明する。図1は本発明に係る磁気センサシステム
の一実施例を示す概略構成図である。図1に示した磁気
センサシステム1は、電磁誘導型の磁気センサプローブ
(以下にプローブと称する)10と、このプローブ10
で検出された検出信号を処理して位相と振幅とを取り出
すとともに位相と振幅とを合成させた波形等の合成信号
を得る磁気センサアンプ(以下にアンプと称する)20
と、アンプ20からの合成信号に基づいて信号波形を形
成するとともに表示する波形表示用コンピュータ(以下
にコンピュータと称する)30と、プローブ10とアン
プ20とを電気的に接続するケーブル40と、アルミ缶
等の導電性の被検査物を載置するとともに不図示の動力
源により回転駆動するスピナ60と、複数のスピナを載
置して順番に測定位置に移動させるターレット70とを
備えている。
【0034】次に、磁気センサシステム1の内部構成に
ついて説明する。図2は図1に示した磁気センサシステ
ムの内部構成を示すブロック図であり、図3は本実施例
によるセンサ間の結線関係を示す概略構成図である。
【0035】上記プローブ10は、図2に示した如く、
ダミー用のセンサをひとつ使用することから第1センサ
11と第2センサ12とを備えている。第1センサ11
は、図3に示した如く、交流電流を印加させ励磁により
交流磁場を形成する励磁コイル111と、この励磁コイ
ル111により形成された交流磁場の大きさに応じた誘
導電流をセンシングする誘導コイル112とを有し、第
2センサ12は第1センサ11と同様の構成、機能をも
つ励磁コイル121と誘導コイル122とを有する。
【0036】受信コイル112、122間の結線は、図
3に示した如く、相互に逆相を形成するように、同一の
巻回方向にして、受信コイル112の巻き始め112a
と受信コイル122の巻き始め122aとをアンプ20
内を介して接続し、受信コイル112の巻き終わり11
2bと受信コイル122の巻き終わり122bとを接続
した構成である。なお、発信コイル111、121は、
相互に同相で励磁可能に接続された構成である。また受
信コイル112、122を結線する信号線13はアンプ
20の増幅部22に接続される。
【0037】このように、発信コイル111、121間
は同相に、受信コイル112、122間は逆相となる結
線関係を構成することで、各センサの磁界中に被検査物
を入れない状態では、生成される誘導電流間のバランス
が保持され、相殺される誘導電流から生じる差分電流
(差分電圧も同様)は“0”となる。また一方のセンサ
による磁界中に被検査物を入れると、上記バランスは崩
れて、差分電流も有効な値を示すことになる。
【0038】各センサは、アンプ20の発振部21から
交流電流が出力されているとき、発信コイルによって交
流磁界を生成し、受信コイルによってこの交流磁界の大
きさに応じた誘導電流を生成するとともに、このように
して生じた誘導電流同士を逆相で加算し、相殺により差
分電流を生成し、これを検出信号として信号線13を介
してアンプ20に供給する。
【0039】アンプ20は、図2に示した如く、交流電
流を発生させこれをプローブ10の各発信コイルに流す
とともに発振の周波数を可変に設定できる発振部21
と、プローブ10から信号線13を介して送られる検出
信号を増幅する増幅部22と、増幅された検出信号から
位相(位相信号)と振幅(振幅信号)とを検出するとと
もに位相と振幅を合成させた波形等の情報(合成信号)
を得る位相・振幅検出/合成部23と、処理全体のリセ
ット、出力情報(位相、振幅、その両方、波形等の情
報)の出力切替えのセット、出力先の指示、発振部21
により発生させる交流電流の周波数を所定の範囲内での
セットを行うためのスイッチやツマミを具備したスイッ
チ部24と、マイクロコンピュータを備えてスイッチ部
24からの指示に従って出力先とのインターフェースを
とるとともに出力される位相、振幅、波形等の情報の各
信号をアナログ信号からディジタル信号に変換するA/
D変換機能をもつ出力設定部25とを備えている。
【0040】また、アンプ20は、主な信号線として、
発振部21で生成する交流電流に同期した同期信号を位
相・振幅検出/合成部23に伝える信号線26と、スイ
ッチ部24からの位相、振幅の出力切替信号を位相・振
幅検出/合成部23に伝える信号線27と、スイッチ部
24から指示される出力先の指示信号を出力設定部25
に伝える信号線28と、スイッチ部24でセットされる
周波数のレベルを発振部22に指示する信号線29とを
接続している。
【0041】コンピュータ30では、導電性をもつ被検
査物の位相と振幅をそれぞれ表示したり、位相や振幅に
基づいてデータ処理を実行したり、その処理結果を磁気
テープ、磁気ディスク、光磁気ディスク等の記録媒体に
保存したりする処理が実行される。
【0042】上記磁気センサシステム1では、位相と振
幅とを得ることで、被検査物の態様を知ることができ
る。そのために被検査物について異常のない状態での周
波数、位相、振幅間の特性を予め既知とする。この特性
に基づいて、コンピュータ30に表示される位相、振
幅、波形等の情報あるいは外部装置40で処理された結
果を得て、比較、分析を行うことで、被検査物の内部深
くに生じた欠陥やその種類、大きさ、位置を正確に認識
することができる。
【0043】図4は図2に示した位相・振幅検出/合成
部の回路構成を示すブロック図である。位相・振幅検出
/合成部23は、図4に示した如く、増幅部22により
増幅された検出信号を取り込んでこれを発振部21から
の同期信号に基づいて同期整流して振幅信号を検出する
振幅検出回路51と、同様に上記検出信号から自動レベ
ル調整などをした後に位相信号を検出する位相検出回路
52と、振幅信号、位相信号をそれぞれ増幅する増幅回
路53,54と、増幅された位相信号と振幅信号とを加
算により合成して合成信号を得る合成回路55と、この
合成回路55から出力される合成信号、振幅信号、位相
信号、振幅信号と位相信号の両方をスイッチ部24から
の出力切替信号に従って切替え出力するセレクタ回路5
6とを備えている。
【0044】次に磁気センサシステム1の動作について
説明する。発振部21は、交流電流を生成してプローブ
10に送り、第1センサ11の発信コイル111および
第2センサ12の発信コイル121を各々同相で励磁さ
せるとともに、交流電流に同期した同期信号を生成し
て、これを信号線26を介して位相・振幅検出/合成部
23に供給する。
【0045】第1センサ11と第2センサ12のいずれ
か一方の交流磁場内に被検査物が配置されたると、誘導
コイル112,122間で検出される誘導電流のバラン
スが崩れて、差分電流が有効値となる。この差分電流
は、検出信号として、信号線13を介してアンプ20に
出力される。なお、本実施例では、電流をもとに説明す
るが、電圧や電力をもとにして検査結果を得るようにし
ても良い。
【0046】アンプ20では、入力された検出信号は増
幅部22により前置増幅される。次の位相・振幅検出/
合成部23では、振幅検出部51、位相検出部52のい
ずれにおいても、増幅部22より増幅された検出信号が
発振部21から入力される同期信号に従い同期整流さ
れ、その検出信号から振幅信号または位相信号が検出さ
れる。ここで検出される振幅信号、位相信号の各感度
は、発振部20で調整された周波数に依存しており、ス
イッチ部24で周波数が変更されると、検出される位相
も変化する。
【0047】この発振される周波数は、低くなるに従っ
て被検査物の内部深くに磁力線を到達させるものであ
り、周波数を変動させる場合には、どの位置に欠陥があ
るのかを検査する場合に適している。
【0048】ここで、発振される周波数、透磁率、電気
抵抗率との関係について原理を説明する。発振部21か
らプローブ10の励磁コイル111,121に流す電流
をiとし、励磁コイル111と誘導コイル112との
間、励磁コイル121と誘導コイル122との間の各相
互インダクタンスをMとする。また欠陥の無い被検査物
を標準試料、欠陥のある被検査物を検査試料とすると、
各々の複素帯磁率をそれぞれ(x1 +jx2 )、
(X1 ’+jx2 ’)とする。
【0049】このとき、誘導コイル112,122にそ
れぞれ発生する誘導起電圧(ここでは電圧により説明を
行う)をv,v’とすると、誘導起電圧v,v’は次の
ようになる。すなわち、 v=jωiM(x1 ’+jx2 ’)=jωiMx1 ’−ωiMx2 ’ v’=jωiM(x1 +jx2 )=jωiMx1 −ωiMx2 となる。なお、ω=2πf(f:周波数)とする。誘導
起電圧v,v’は、互いに打ち消し合うように誘導コイ
ル112,122を直列に接続してあると、差分電圧を
0 として、この差分電圧v0 は、 v0 =v’−v=jωiM(x1 −x1 ’)−ωiM(x2 −x2 ’) となる。
【0050】ここで、v0 は励磁コイル側の電流iに対
して位相が90°ずれた成分ωiM(x1 −x1 ’)と
同位相の成分ωiM(x2 −x2 ’)との2つよりな
り、これら2つの成分は、図4に示した振幅検出回路5
1と位相検出回路52とにより別々に取り出される。す
なわち、振幅検出回路51では振幅が取り出され、位相
検出回路52では位相が取り出される。
【0051】そして、x1 とx1 ’はアルミ缶である試
料の磁気特性、すなわち、透磁率を示し、x2 とx2
は電気特性、すなわち、電気抵抗率を示す。このように
して求めた透磁率、電気抵抗率をもとに欠陥のない標準
試料と欠陥のある検査試料との比較を行うことができ
る。
【0052】再び説明に戻り、図4に示した振幅検出回
路51、位相検出回路52にそれぞれ検出された振幅信
号、位相信号はそれぞれ増幅回路53、54で増幅され
る。このようにして増幅された振幅信号、位相信号はど
ちらも合成回路55とセレクタ回路56とに出力され
る。合成回路55では、入力された振幅信号と位相信号
とを加算して合成し、これを合成信号としてセレクタ回
路56に出力する処理が行われる。セレクタ回路54の
出力は、スイッチ部24からの出力切替信号に従って切
り換えられる。出力切替信号が位相か振幅を指示する信
号であれば、セレクタ回路56から位相信号か振幅が出
力され、出力I/F25に送られる。
【0053】また、出力切替信号が振幅と位相の両方を
指示する信号であれば、セレクタ回路56から振幅信号
と位相信号との両方が出力され、出力I/F25に送ら
れる。さらに出力切替信号が位相、振幅を合成した波形
等の情報を指示する信号であれば、セレクタ回路56か
ら波形信号が出力され、出力I/F25に送られる。
【0054】出力I/F25では、適宜スイッチ部24
から出力先を指示する指示信号を受け付けており、指示
信号がコンピュータ30を指示している場合には、コン
ピュータ30に、位相、振幅、あるいは、波形等の情報
が表示される。また指示信号が外部装置40を指示して
いる場合には、外部装置40に、位相、振幅、その両
方、あるいは、波形等の情報が送出され、外部装置40
により各種の処理が施される。
【0055】ここで、被検査物の欠陥を検査する一実験
例について説明する。図5は本実施例による一実験例に
おいて周波数変動に対する振幅と位相の特性グラフを示
す図である。この実験は図1に示した検査方法でアルミ
缶Sの表面及び内部の検査の一例である。この実験で
は、図5と図6とに欠陥のない正常なアルミ缶Sを測定
したときの波形を示し、図7と図8とに欠陥のある異常
なアルミ缶Sを測定したときの波形を示す。以上の図5
から図8において、横軸は電圧で示される振幅(mV)
であり、縦軸は位相(°)である。
【0056】測定の際には、ターレット70のスピナ6
0に標準試料を載せ、スピナ60を例えば1〜2Hzで
回転させる。標準試料を載せる場合には、スピナ60の
回転軸と標準試料の中心軸とを合致させる。
【0057】なお、標準試料も検査試料も交流磁場に入
れずに測定を行った場合には、交流磁場に乱れはなく、
第1センサ11と第2センサ12がそれぞれ検出する誘
導電流はお互いに等しい値をとってバランスが保持され
る。
【0058】そして、第1センサ11と第2センサ12
の何れか一方の交流磁場に欠陥の無い標準試料を配置さ
せた測定では、図5に示した如く、周波数の変化に応じ
た振幅によって電気的特性である電気抵抗率が得られ
る。なお、被検査物の材質等の条件により相違するもの
である。標準試料の位相については、欠陥を有する検査
試料との比較を容易にするために、ゼロ調整されてい
る。標準試料からは等しい位相が得られ、この位相によ
って磁気的特性である透磁率を得ることができる。
【0059】図5に示したケースでは、正の電圧をかけ
ていたが、図6に示した如く、負の電圧をかけても図5
と同様に振幅の小さい信号波形を得ることができる。こ
のように、標準試料では、シワやキズ、あるいは、形状
の変形等の欠陥がないために、振幅の小さい信号波形を
得ることができる。
【0060】次に、第1センサ11と第2センサ12の
いずれか一方の交流磁場に楕円状に変形した検査試料を
配置させた測定では、図7に示した如く、周波数毎に位
相が乱れ、振幅も標準試料とは異なる大きな値をとる。
これにより、標準試料と検査試料との間で、検出された
差分電流(検出信号)に判別可能な差が生じたことを確
認することができる。すなわち、正常なアルミ缶(標準
試料)と欠陥をもつ異常なアルミ缶(検査試料)との間
で振幅に大きな開きが確認され、特に、異常なアルミ缶
は振幅に大きな値をとることが判明した。これは、欠陥
が波形中の振幅の大きさに対応することを示す。
【0061】さらに、第1センサ11と第2センサ12
のいずれか一方の交流磁場にシワをもつ検査試料を配置
させた測定では、形状が変形している場合と同様、図8
に示した如く、周波数毎に位相が乱れ、振幅も標準試料
とは異なる大きな値をとる。これにより、標準試料と検
査試料との間で、検出された差分電流(検出信号)に判
別可能な差が生じたことを確認することができる。ここ
でも欠陥が波形中の振幅の大きさに対応することがわか
る。
【0062】コンピュータ30において、周波数の変動
に応じて得られる位相と振幅との特性が被検査物の物性
及び構造的な条件によって異なるパターンを呈すること
を利用して、位相と振幅の大きさや位置を、シワ、キ
ズ、変形形状、材質等の欠陥要件に対応させたデータベ
ースを予め構築しておけば、あらゆる欠陥を識別するこ
とが可能である。
【0063】以上説明したように本実施例によれば、磁
気センサプローブにより交流磁場を形成するので、そこ
で被検査物を一定速度で回転させたとき、交流磁場に電
磁誘導が働き、誘導電流を電気信号として検出すること
ができ、これを磁気センサアンプにより増幅すれば、波
形形成手段により被検査物の回転に応じた信号波形を形
成することができる。これにより、信号波形で欠陥のあ
る被検査物と欠陥のない被検査物とを確認できるように
表すことができるので、波形のパターンから欠陥の種類
を識別すれば、肉眼で確認するよりも正確かつ高い精度
が得られ、その検査スピードも格段に向上するととも
に、渦電流タイプの磁気センサシステムでは発見が困難
であったアルミ缶内部の混入物も確実に検出できる。
【0064】また、プローブ10により対の交流磁場を
形成して、一方の交流磁場に被検査物を配置させて、誘
導電流の変化量をセンシングし、アンプ20により変化
量から透磁率と電気抵抗率とを検出して合成し波形等の
情報を得るようにした構成なので、被検査物の磁気的な
特性と電気的な特性とが電気信号として取得されるとと
もにこれらはひとつの波形等の情報として得られる。従
って、導電性の被検査物について欠陥、材質、寸法の変
化などを検査する場合、磁気的な特性と電気的な特性を
含む波形等の情報により表面だけでなく内部についても
正確に、かつ、精度高く検査することができる。
【0065】さらに、第1センサ11と第2センサ12
との間は、信号線により、励磁コイル111と励磁コイ
ル121とを同相に、誘導コイル112と誘導コイル1
22とを逆相にして結線される構成なので、物を配置し
ない場合、各誘導コイルに生じる誘導電流は逆相関係に
より打ち消し合ってバランスが保持される。また一方の
交流磁場に被検査物を配置した場合、上記のバランスが
崩れて、各誘導コイルに生じる誘導電流の間で差分が生
じる。この差分が被検査物を検査する際の透磁率、電気
抵抗率を得るための情報として活用される。従って、被
検査物の材質、透磁率、表面の状態、物理的な大きさや
被検査物を検査する際の移動速度、距離に関係なく、ど
の被検査物も同様の検査精度を得ることができる。
【0066】そして、プローブ10について、各センサ
の励磁コイルと誘導コイルとを同軸に設けても良く、こ
の場合、各誘導コイルでは対応する励磁コイルにより励
起された磁束の全てが鎖交して高い効率で相互インダク
タンスが起こり、大きい誘導電流が生じる。従って、交
流磁場の検出感度を向上させることができるとともに外
来ノイズを除去することができる。
【0067】また、透磁率を示す電気信号と電気抵抗率
を示す電気信号をそれぞれ位相と振幅のどちらか一方に
対応させ、検出された誘導電流の変化量から位相と振幅
とを検出する構成なので、波形等の情報には位相と振幅
との合成による特性が付加される。従って、位相から透
磁率を取得し、振幅から電気抵抗率を取得することがで
きるとともに位相と振幅の各変化量を含む波形等の情報
から被検査物の態様を目視することができる。
【0068】さらに、位相と振幅を任意の表示形式で自
由に表示させる構成なので、位相と振幅は視覚的に表現
される。従って、位相と振幅を波形や数字等の任意の表
示形式で表示させることができる。
【0069】そして、交流磁場を形成するための交流電
流の周波数を調整する構成なので、被検査物の内部に対
して磁力線が到達する深さが調整される。従って、被検
査物から欠陥のある位置を容易に認識することができ
る。さらに、周波数が磁力線が到達する深さを調整でき
ることで、プローブ10と被検査物との距離に依存され
ずに検査を実施できる。これは、被検査物の形状、サイ
ズあるいは検査位置等がどのような条件下であっても検
査が可能であることを示す。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、磁気センサプローブにより交流磁場を形成するの
で、そこで被検査物を一定速度で回転させたとき、交流
磁場に電磁誘導が働き、誘導電流を電気信号として検出
することができ、これを磁気センサアンプにより増幅す
れば、波形形成手段により被検査物の回転に応じた信号
波形を形成することができる。これにより、信号波形で
欠陥のある被検査物と欠陥のない被検査物とを確認でき
るように表すことができるので、波形のパターンから欠
陥の種類を識別すれば、肉眼で確認するよりも正確かつ
高い精度が得られ、その検査スピードも格段に向上する
とともに、渦電流タイプの磁気センサシステムでは発見
が困難であったアルミ缶内部の混入物も確実に検出で
き、よって、欠陥の見逃しを最大限防止することができ
る有益性の高い磁気センサシステムを得られる効果があ
る。
【0071】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
において、一対の交流磁場を形成して、一方の交流磁場
に被検査物を配置させて、誘導電流の変化量をセンシン
グし、この変化量から透磁率と電気抵抗率とを検出する
構成なので、被検査物の磁気的な特性と電気的な特性と
が電気信号として取得されるとともにこれらはひとつの
波形等の情報として得られる。従って、導電性の被検査
物について欠陥、材質、寸法の変化などを検査する場
合、磁気的な特性と電気的な特性を含む波形等の情報に
より表面だけでなく内部についても正確に、かつ、精度
高く検査することができる磁気センサシステムを得られ
る効果がある。
【0072】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
において、第1センサにて、第1励磁コイルの励磁によ
り交流磁場を形成し、第1誘導コイルにより交流磁場の
大きさに応じた誘導電流をセンシングする。同様に、第
2センサでも、第2励磁コイルにより交流磁場を形成
し、第2誘導コイルにより交流磁場の大きさに応じた誘
導電流をセンシングする。そして、第1センサと第2セ
ンサとの間は、信号線により、第1励磁コイルと第2励
磁コイルとを同相に、第1誘導コイルと第2誘導コイル
とを逆相にして結線させる構成なので、各センサにより
形成される交流磁場に被検査物を配置しない場合、各誘
導コイルに生じる誘導電流は逆相関係により打ち消し合
ってバランスが保持される。また一方の交流磁場に被検
査物を配置した場合、上記のバランスが崩れて、各誘導
コイルに生じる誘導電流の間で差分が生じる。この差分
が被検査物を検査する際の透磁率、電気抵抗率を得るた
めの情報として活用される。従って、被検査物の材質、
透磁率、表面の状態、物理的な大きさや被検査物を検査
する際の移動速度、距離に関係なく、どの被検査物も同
様の検査精度を得ることができる磁気センサシステムを
得られる効果がある。
【0073】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
において、第1センサの第1励磁コイルと第1誘導コイ
ルとを同軸に設け、第2センサの第2励磁コイルと第2
誘導コイルとを同軸に設けた構成なので、各誘導コイル
では対応する励磁コイルにより励起された磁束の全てが
鎖交して高い効率で相互インダクタンスが起こり、大き
い誘導電流が生じる。従って、交流磁場の検出感度を向
上させることができるとともに外来ノイズを除去するこ
とができる磁気センサシステムを得られる効果がある。
【0074】請求項5の発明によれば、請求項2の発明
において、透磁率を示す電気信号と電気抵抗率を示す電
気信号をそれぞれ位相と振幅のどちらか一方に対応さ
せ、検出された誘導電流の変化量から位相と振幅とを検
出する構成なので、波形等の情報には位相と振幅との合
成による特性が付加される。従って、請求項1の発明の
効果に加え、位相から透磁率を取得し、振幅から電気抵
抗率を取得することができるとともに位相と振幅の各変
化量を含む波形等の情報から被検査物の態様を目視する
ことができる磁気センサシステムを得られる効果があ
る。
【0075】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
において、位相と振幅を任意の表示形式で表示させる構
成なので、位相と振幅は視覚的に表現される。従って、
位相と振幅を波形や数字等の任意の表示形式で表示させ
ることができる磁気センサシステムを得られる効果があ
る。
【0076】請求項7に発明によれば、請求項2の発明
において、交流磁場を形成するための交流電流の周波数
を調整する構成なので、被検査物の内部に対して磁力線
が到達する深さが調整される。従って、被検査物から欠
陥のある位置を容易に認識することができる磁気センサ
システムを得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気センサシステムの一実施例を
示す概略構成図である。
【図2】図1の磁気センサシステムの内部構成を示すブ
ロック図である。
【図3】本実施例によるセンサ間の結線関係を示す概略
構成図である。
【図4】図2に示した位相・振幅検出/合成部の回路構
成を示すブロック図である。
【図5】本実施例の良品検査における振幅と位相の一特
性グラフを示す図である。
【図6】本実施例の良品検査における振幅と位相の他の
特性グラフを示す図である。
【図7】本実施例の不良品検査における振幅と位相の一
特性グラフを示す図である。
【図8】本実施例の不良品検査における振幅と位相の他
の特性グラフを示す図である。
【図9】従来の磁気センサシステムの内部構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 磁気センサシステム 10 プローブ(センシング手段) 11 第1センサ 12 第2センサ 20 アンプ 21 発振部(調整手段) 22 増幅部 23 位相・振幅検出/合成部(検知手段,合成手段) 24 スイッチ部(調整手段) 25 出力I/F 30 コンピュータ(波形表示手段) 40 ケーブル 51 振幅検出回路(振幅検出手段) 52 位相検出回路(位相検出手段) 55 合成回路(合成手段) 60 スピナ(回転台) 70 ターレット S アルミ缶(被検査物)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミ缶等の導電性の被検査物を回転さ
    せる回転台と、交流電流によって交流磁場を形成すると
    ともに該交流磁場の電磁誘導により生じる誘導電流を電
    気信号として検出する磁気センサプローブと、該磁気セ
    ンサプローブに交流電流を供給するとともに前記磁気セ
    ンサプローブで検出された電気信号を増幅する磁気セン
    サアンプと、前記被検査物を前記回転台により一定速度
    で回転させ、その状態で前記磁気センサアンプで増幅さ
    れた電気信号に基づいて信号波形を形成する波形形成手
    段とを備える磁気センサシステム。
  2. 【請求項2】 前記磁気センサプローブは、交流電流に
    より同等の磁力線をもつ一対の交流磁場を形成し、該一
    対の交流磁場の内の一方に前記被検査物を配置させ、前
    記一対の交流磁場間で生じる誘導電流の変化量を示す電
    気信号をセンシングするセンシング手段と、前記センシ
    ング手段によりセンシングされた電気信号から透磁率を
    示す電気信号と電気抵抗率を示す電気信号とを検出する
    検出手段と、これら2種の電気信号を合成する合成手段
    とを備えることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ
    システム。
  3. 【請求項3】 前記センシング手段は、交流電流を印加
    させ励磁により交流磁場を形成する第1励磁コイルと、
    該第1励磁コイルにより形成された交流磁場の大きさに
    応じた誘導電流をセンシングする第1誘導コイルとを有
    する第1センサと、前記第1励磁コイルと同様の構成を
    有するとともに前記第1励磁コイルと同様の大きさの交
    流磁場を形成する第2励磁コイルと、前記第1誘導コイ
    ルと同様の構成を有するとともに前記第2励磁コイルに
    より形成された交流磁場の大きさに応じた誘導電流をセ
    ンシングする第2センサと、前記第1、第2センサ間
    を、前記第1励磁コイルと前記第2励磁コイルとを同相
    に、前記第1誘導コイルと前記第2誘導コイルとを逆相
    にして結線させた信号線とを有することを特徴とする請
    求項2記載の磁気センサシステム。
  4. 【請求項4】 前記第1センサは前記第1励磁コイルと
    前記第1誘導コイルとを同軸に設けた構成を有し、前記
    第2センサは前記第2励磁コイルと前記第2誘導コイル
    とを同軸に設けた構成を有することを特徴とする請求項
    3記載の磁気センサシステム。
  5. 【請求項5】 前記透磁率を示す電気信号と前記電気抵
    抗率を示す電気信号とはそれぞれ位相と振幅のどちらか
    一方に対応し、前記検出手段は、前記センシング手段に
    よりセンシングされた電気信号から位相信号を検出する
    位相検出手段と、前記センシング手段によりセンシング
    された電気信号から振幅信号を検出する振幅検出手段と
    を有することを特徴とする請求項2記載の磁気センサシ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記波形形成手段は前記検出手段により
    検出された位相信号と振幅信号とを任意の表示形式で表
    示することを特徴とする請求項5記載の磁気センサシス
    テム。
  7. 【請求項7】 前記磁気センサアンプは交流磁場を形成
    するための交流電流の周波数を調整する調整手段を有す
    ることを特徴とする請求項2記載の磁気センサシステ
    ム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10273095B2 (en) 2014-10-29 2019-04-30 Laitram, L.L.C. Electromagnetic conveyor
CN113325066A (zh) * 2020-02-28 2021-08-31 株式会社日立大厦系统 线检查系统以及线检查装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10273095B2 (en) 2014-10-29 2019-04-30 Laitram, L.L.C. Electromagnetic conveyor
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Effective date: 20040224

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