JPH08298999A - ジャガイモやせいも病ウイロイドの検出方法及び検出用プローブ - Google Patents
ジャガイモやせいも病ウイロイドの検出方法及び検出用プローブInfo
- Publication number
- JPH08298999A JPH08298999A JP7128819A JP12881995A JPH08298999A JP H08298999 A JPH08298999 A JP H08298999A JP 7128819 A JP7128819 A JP 7128819A JP 12881995 A JP12881995 A JP 12881995A JP H08298999 A JPH08298999 A JP H08298999A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pstvd
- detection
- mixture
- viroid
- cdna
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ジャガイモやせいも病ウイロイドを選択的か
つ高感度に検出する方法を提供する。 【構成】 ジャガイモやせいも病ウイロイドに対してそ
のRNAにおける配列と相補性を有する塩基配列の合成
オリゴヌクレオチドプローブ5種類を混合物として用い
て、ジャガイモやせいも病ウイロイドを検出する。
つ高感度に検出する方法を提供する。 【構成】 ジャガイモやせいも病ウイロイドに対してそ
のRNAにおける配列と相補性を有する塩基配列の合成
オリゴヌクレオチドプローブ5種類を混合物として用い
て、ジャガイモやせいも病ウイロイドを検出する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の塩基配列を有す
る合成オリゴヌクレオチドプローブを用いる、ジャガイ
モやせいも病ウイロイド(PSTVdと略す)の検出方
法及び検出用プローブに関する。
る合成オリゴヌクレオチドプローブを用いる、ジャガイ
モやせいも病ウイロイド(PSTVdと略す)の検出方
法及び検出用プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】PSTVdは環状一本鎖RNA分子から
なる病原体であり、世界各地で発生が報告されている。
PSTVdのジャガイモにおける病徴は栽培品種や環境
条件によって異なるが、感染すると、塊茎が紡錘状にな
ったり、ひび割れが生じたり、収量が低下し、外観によ
る損傷も甚大となる。現在、日本ではPSTVdの発生
は報告されていないが、その診断法を確立し、海外から
の侵入を未然に防ぐ手段を講じておかなくてはならな
い。ウイロイドを検出する方法としては、指標植物とし
てラトガース種のトマトにPSTVdを接種して被検体
の感染の有無を判定する生物検定法や、電気泳動による
検定法、ハイブリダイゼーションを用いた遺伝子診断法
などがある。
なる病原体であり、世界各地で発生が報告されている。
PSTVdのジャガイモにおける病徴は栽培品種や環境
条件によって異なるが、感染すると、塊茎が紡錘状にな
ったり、ひび割れが生じたり、収量が低下し、外観によ
る損傷も甚大となる。現在、日本ではPSTVdの発生
は報告されていないが、その診断法を確立し、海外から
の侵入を未然に防ぐ手段を講じておかなくてはならな
い。ウイロイドを検出する方法としては、指標植物とし
てラトガース種のトマトにPSTVdを接種して被検体
の感染の有無を判定する生物検定法や、電気泳動による
検定法、ハイブリダイゼーションを用いた遺伝子診断法
などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生物検
定法は感度が高いものの、1〜2か月の検定期間を要
し、特に弱毒系統では病徴が弱く、温度、日照条件によ
っては病徴判定が困難であるという問題点がある。ま
た、電気泳動による検定法は感度的に充分ではない。遺
伝子診断法としては、ウイロイドの遺伝子を鋳型として
酵素的に調製したcDNAプローブを用いる方法[平成
4年度農林水産省特別試験研究費助成金による研究報告
書:合成DNAプローブ法による植物ウイルス病及びウ
イロイド病、病原同定法に関する研究]がある。この方
法では、cDNAプローブの調製にウイロイドが必要で
あるが、日本ではPSTVdが植物防疫法に定める輸入
禁止品に該当し、クローン化cDNAも同様に輸入禁止
品に該当するため、その入手が困難であるという問題点
がある。
定法は感度が高いものの、1〜2か月の検定期間を要
し、特に弱毒系統では病徴が弱く、温度、日照条件によ
っては病徴判定が困難であるという問題点がある。ま
た、電気泳動による検定法は感度的に充分ではない。遺
伝子診断法としては、ウイロイドの遺伝子を鋳型として
酵素的に調製したcDNAプローブを用いる方法[平成
4年度農林水産省特別試験研究費助成金による研究報告
書:合成DNAプローブ法による植物ウイルス病及びウ
イロイド病、病原同定法に関する研究]がある。この方
法では、cDNAプローブの調製にウイロイドが必要で
あるが、日本ではPSTVdが植物防疫法に定める輸入
禁止品に該当し、クローン化cDNAも同様に輸入禁止
品に該当するため、その入手が困難であるという問題点
がある。
【0004】また取り扱いの容易さからは、本出願人が
先に特願昭63−23747号(特開平2−23894
号公報)として出願した合成オリゴヌクレオチドプロー
ブを用いてウイロイドを検出する方法があるが、cDN
Aプローブを用いる方法と比較すると検出感度が劣ると
いう問題点がある。更に1つのプローブでは標的とする
ウイロイドの結合部分に変異がある場合、検出感度が低
下することが懸念される。
先に特願昭63−23747号(特開平2−23894
号公報)として出願した合成オリゴヌクレオチドプロー
ブを用いてウイロイドを検出する方法があるが、cDN
Aプローブを用いる方法と比較すると検出感度が劣ると
いう問題点がある。更に1つのプローブでは標的とする
ウイロイドの結合部分に変異がある場合、検出感度が低
下することが懸念される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、複数の合成オ
リゴヌクレオチドプローブを混合物として用いることに
より、cDNAプローブと同等の検出感度でPSTVd
を選択的に検出できることを見いだし本発明を完成する
に至った。
題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、複数の合成オ
リゴヌクレオチドプローブを混合物として用いることに
より、cDNAプローブと同等の検出感度でPSTVd
を選択的に検出できることを見いだし本発明を完成する
に至った。
【0006】すなわち、本発明は、PSTVdに対し
て、そのRNAにおける配列と相補性を有する下記の塩
基配列(1)〜(5)の合成オリゴヌクレオチドプロー
ブを混合物として用いることからなるジャガイモやせい
も病ウイロイドの検出方法及びその検出用プローブを提
供するものである。 (1)5'- AGGAACCACGAGTTTAGTTC
CGAGG-3' (2)5'- GCCGCCTTCTTTTTTCTTTT
CTGCTC-3' (3)5'- CCTTTTTTGCCAGTTCGCTC
CAGGT-3' (4)5'- GCTTCAGTTGTTTCCACCGG
GTAGT-3' (5)5'- TTCCAAGGGCTAAACACCCT
CGCC-3'
て、そのRNAにおける配列と相補性を有する下記の塩
基配列(1)〜(5)の合成オリゴヌクレオチドプロー
ブを混合物として用いることからなるジャガイモやせい
も病ウイロイドの検出方法及びその検出用プローブを提
供するものである。 (1)5'- AGGAACCACGAGTTTAGTTC
CGAGG-3' (2)5'- GCCGCCTTCTTTTTTCTTTT
CTGCTC-3' (3)5'- CCTTTTTTGCCAGTTCGCTC
CAGGT-3' (4)5'- GCTTCAGTTGTTTCCACCGG
GTAGT-3' (5)5'- TTCCAAGGGCTAAACACCCT
CGCC-3'
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。一般に、
標識合成オリゴヌクレオチドプローブを用いる検出はc
DNAプローブよりも検出感度が低い。即ち合成オリゴ
ヌクレオチドプローブの標識数は1つであり、ウイロイ
ドとハイブリダイズする時にはウイロイド1分子に1つ
の標識物が対応することになる。一方、全長又は多量体
のcDNAを標識してプローブとすると、cDNA中に
複数個の標識物が取り込まれるため、全長のcDNAの
場合はウイロイド1分子に複数個の標識物が対応するこ
とになる。このため、標識物の多いcDNAプローブを
用いた方の感度が数倍優れると考えられる。そこで、本
発明者らは、複数の合成オリゴヌクレオチドプローブを
混合して用いる手法を種々検討した。
標識合成オリゴヌクレオチドプローブを用いる検出はc
DNAプローブよりも検出感度が低い。即ち合成オリゴ
ヌクレオチドプローブの標識数は1つであり、ウイロイ
ドとハイブリダイズする時にはウイロイド1分子に1つ
の標識物が対応することになる。一方、全長又は多量体
のcDNAを標識してプローブとすると、cDNA中に
複数個の標識物が取り込まれるため、全長のcDNAの
場合はウイロイド1分子に複数個の標識物が対応するこ
とになる。このため、標識物の多いcDNAプローブを
用いた方の感度が数倍優れると考えられる。そこで、本
発明者らは、複数の合成オリゴヌクレオチドプローブを
混合して用いる手法を種々検討した。
【0008】本発明における合成オリゴヌクレオチドプ
ローブの塩基配列については、次の点を考慮して選定し
た。ウイロイドは分子内相補結合を取った構造をしてお
り、ハイブリダイゼーションにおいては、標的とするウ
イロイドRNAの分子数よりも過剰のプローブ量が入っ
ているため、プローブ同士がミスアニーリングを起こす
ことも考えられるので、二次構造上で相補結合を取らな
い領域を選択した。また、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)との併用も考慮して、PCR増幅断片にハイブリダ
イゼーションする領域を設計できるようにした。その結
果、前述の塩基配列(1)〜(5)の5種類の合成オリ
ゴヌクレオチドプローブを検出用プローブとして選定し
た。
ローブの塩基配列については、次の点を考慮して選定し
た。ウイロイドは分子内相補結合を取った構造をしてお
り、ハイブリダイゼーションにおいては、標的とするウ
イロイドRNAの分子数よりも過剰のプローブ量が入っ
ているため、プローブ同士がミスアニーリングを起こす
ことも考えられるので、二次構造上で相補結合を取らな
い領域を選択した。また、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)との併用も考慮して、PCR増幅断片にハイブリダ
イゼーションする領域を設計できるようにした。その結
果、前述の塩基配列(1)〜(5)の5種類の合成オリ
ゴヌクレオチドプローブを検出用プローブとして選定し
た。
【0009】本発明におけるPSTVdの検出方法の概
略を示す。まず、PSTVdに感染した植物からウイロ
イドを含む核酸を抽出して検体を調製する。この操作
は、通常の方法により、例えば、日本植物病理学会報、
50巻、331〜338頁(1984)の方法により行
うことができる。
略を示す。まず、PSTVdに感染した植物からウイロ
イドを含む核酸を抽出して検体を調製する。この操作
は、通常の方法により、例えば、日本植物病理学会報、
50巻、331〜338頁(1984)の方法により行
うことができる。
【0010】抽出した核酸は固定化させてハイブリダイ
ゼーションを行う。例えば、ナイロン又はニトロセルロ
ース膜などの固相に核酸を直接スポットして吸着させて
ハイブリダイゼーションを行う(ドットブロットハイブ
リダイゼーションと略す)方法や、逆転写酵素でcDN
A合成後にPCR増幅した産物(RT−PCR産物と略
す)をマイクロプレートに吸着させてハイブリダイゼー
ションを行う(PCR−マイクロプレートハイブリダイ
ゼーションと略す)方法により行うことができる。
ゼーションを行う。例えば、ナイロン又はニトロセルロ
ース膜などの固相に核酸を直接スポットして吸着させて
ハイブリダイゼーションを行う(ドットブロットハイブ
リダイゼーションと略す)方法や、逆転写酵素でcDN
A合成後にPCR増幅した産物(RT−PCR産物と略
す)をマイクロプレートに吸着させてハイブリダイゼー
ションを行う(PCR−マイクロプレートハイブリダイ
ゼーションと略す)方法により行うことができる。
【0011】本発明における合成オリゴヌクレオチドプ
ローブのハイブリッドでは、ホルムアミドを含まないハ
イブリダイゼーション溶液中で計算した融解温度のTm
値が約65℃であることから、ハイブリダイゼーション
の温度条件を60℃又は55℃で行うことが好ましい。
ローブのハイブリッドでは、ホルムアミドを含まないハ
イブリダイゼーション溶液中で計算した融解温度のTm
値が約65℃であることから、ハイブリダイゼーション
の温度条件を60℃又は55℃で行うことが好ましい。
【0012】本発明で用いられる合成オリゴヌクレオチ
ドプローブは、市販のDNA合成機を用いて容易に調製
できる。例えば、DNA合成機によって、アミノ基、チ
オール基などで官能基修飾したオリゴマーを調製して、
その官能基に対応する官能基指向性の標識化剤で標識化
する方法、天然型のオリゴヌクレオチドを合成して酵素
的に標識する方法などが利用できる。
ドプローブは、市販のDNA合成機を用いて容易に調製
できる。例えば、DNA合成機によって、アミノ基、チ
オール基などで官能基修飾したオリゴマーを調製して、
その官能基に対応する官能基指向性の標識化剤で標識化
する方法、天然型のオリゴヌクレオチドを合成して酵素
的に標識する方法などが利用できる。
【0013】標識物質は、放射性同位元素、蛍光物質な
どのエネルギ−放射体、ビオチン、ジゴキシゲニンなど
の二次標識可能な物質、アルカリホスファターゼなどの
酵素が利用できる。標識物質の種類、標識位置、標識数
は、必要な検出感度及び用いる検出方法により選択する
ことができるが、検体中の妨害物質の影響を受けにくい
もの、またプローブの相補鎖形成能を損なわないものを
選ぶことが好ましい。
どのエネルギ−放射体、ビオチン、ジゴキシゲニンなど
の二次標識可能な物質、アルカリホスファターゼなどの
酵素が利用できる。標識物質の種類、標識位置、標識数
は、必要な検出感度及び用いる検出方法により選択する
ことができるが、検体中の妨害物質の影響を受けにくい
もの、またプローブの相補鎖形成能を損なわないものを
選ぶことが好ましい。
【0014】ハイブリダイゼーション後の検出方法とし
ては、オートラジオグラフィー検出、可視吸収などの吸
収エネルギー検出、蛍光、化学発光などの発光エネルギ
ー検出が利用できる。
ては、オートラジオグラフィー検出、可視吸収などの吸
収エネルギー検出、蛍光、化学発光などの発光エネルギ
ー検出が利用できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例にて本発明を更に説明する。な
お、実施例及び比較例においてPPSTV−1Mプライ
マーは5'- TGTCGGCCGCTGGGCACT-3'
を、PPSTV−1Pプライマーは5'- GCGCGGG
CGTCCTGGTG-3'の塩基配列を持つ。
お、実施例及び比較例においてPPSTV−1Mプライ
マーは5'- TGTCGGCCGCTGGGCACT-3'
を、PPSTV−1Pプライマーは5'- GCGCGGG
CGTCCTGGTG-3'の塩基配列を持つ。
【0016】実施例1および比較例1〜5 PCR−マイクロプレートハイブリダイゼーションによ
る方法 (1).検体の調製 PSTVd感染トマト(ラトガース種)及び健全トマト
(ラトガース種)の生葉0.1〜0.2gから常法に従
い、1.5ml容マイクロチューブ中で磨砕して2M−
塩化リチウム可溶性核酸を抽出し、0.1〜0.4ml
の滅菌蒸留水に溶解させ検体とした。
る方法 (1).検体の調製 PSTVd感染トマト(ラトガース種)及び健全トマト
(ラトガース種)の生葉0.1〜0.2gから常法に従
い、1.5ml容マイクロチューブ中で磨砕して2M−
塩化リチウム可溶性核酸を抽出し、0.1〜0.4ml
の滅菌蒸留水に溶解させ検体とした。
【0017】(2).RT−PCR産物 検体8μlに、cDNA合成プライマーとしてPPST
V−1Mプライマー(50pmol/μl)2μl、緩
衝液(GIBCO BRL製:5×逆転写酵素緩衝液)
8μl、滅菌蒸留水13μl、dNTP(dATP、d
CTP、dGTP及びdTTPを各5mM)4μl、
0.1M−DTT4μl、逆転写酵素(GIBCO B
RL製:M−MLV・RTase 200U/μl)1
μlを加え混合し、37℃1時間静置し、検体のcDN
Aを得た。
V−1Mプライマー(50pmol/μl)2μl、緩
衝液(GIBCO BRL製:5×逆転写酵素緩衝液)
8μl、滅菌蒸留水13μl、dNTP(dATP、d
CTP、dGTP及びdTTPを各5mM)4μl、
0.1M−DTT4μl、逆転写酵素(GIBCO B
RL製:M−MLV・RTase 200U/μl)1
μlを加え混合し、37℃1時間静置し、検体のcDN
Aを得た。
【0018】次に、cDNA2μlに緩衝液(東洋紡績
製:10×Tth緩衝液)5μl、PCRプライマーと
してPPSTV−1MプライマーとPPSTV−1Pプ
ライマーを各1μl(各50pmol/μl)、dNT
P(dATP、dCTP、dGTP及びdTTPを各5
mM)2μl、滅菌蒸留水38μl、耐熱性DNAポリ
メラーゼ(東洋紡績製:Tth Polymerase
1U/μl)1μlを加え混合し、更に、ミネラルラ
イトオイル30μlを混合液上に重層した。次いで、プ
ログラマブルインキュベータ(ASTEC製:Prog
ramableTemp Control PC−70
0)を用い、30サイクル(1サイクル目:94℃5分
→57℃1分→72℃2分、2〜29サイクル目:94
℃30秒→57℃1分→72℃2分、30サイクル目:
72℃8分→15℃)のPCRを行い、RT−PCR産
物を得た。
製:10×Tth緩衝液)5μl、PCRプライマーと
してPPSTV−1MプライマーとPPSTV−1Pプ
ライマーを各1μl(各50pmol/μl)、dNT
P(dATP、dCTP、dGTP及びdTTPを各5
mM)2μl、滅菌蒸留水38μl、耐熱性DNAポリ
メラーゼ(東洋紡績製:Tth Polymerase
1U/μl)1μlを加え混合し、更に、ミネラルラ
イトオイル30μlを混合液上に重層した。次いで、プ
ログラマブルインキュベータ(ASTEC製:Prog
ramableTemp Control PC−70
0)を用い、30サイクル(1サイクル目:94℃5分
→57℃1分→72℃2分、2〜29サイクル目:94
℃30秒→57℃1分→72℃2分、30サイクル目:
72℃8分→15℃)のPCRを行い、RT−PCR産
物を得た。
【0019】(3).RT−PCR産物のマイクロプレ
ートへの固定化 RT−PCR産物を100℃5分熱変性させた後氷冷
し、DNA固定化液(10×SSC、10mM−EDT
A[pH7.0])で25倍、125倍、625倍及び
3125倍に希釈した。この100μlをマイクロプレ
ート(Nunc社:Immunoplate II Ma
xisorp)のウエルに入れ、37℃で2時間静置し
た。
ートへの固定化 RT−PCR産物を100℃5分熱変性させた後氷冷
し、DNA固定化液(10×SSC、10mM−EDT
A[pH7.0])で25倍、125倍、625倍及び
3125倍に希釈した。この100μlをマイクロプレ
ート(Nunc社:Immunoplate II Ma
xisorp)のウエルに入れ、37℃で2時間静置し
た。
【0020】(4).ビオチン標識合成オリゴヌクレオ
チドプローブの調製 DNA合成機(ABI製:392型PCR mate)
によって1μmolスケ−ル、5’−アミノヘキシル修
飾型で合成することにより、前述の塩基配列(1)〜
(5)の5’末端にアミノヘキシル基が付いた下記の対
応するアルキルアミノオリゴマー(1)〜(5)を得
た。
チドプローブの調製 DNA合成機(ABI製:392型PCR mate)
によって1μmolスケ−ル、5’−アミノヘキシル修
飾型で合成することにより、前述の塩基配列(1)〜
(5)の5’末端にアミノヘキシル基が付いた下記の対
応するアルキルアミノオリゴマー(1)〜(5)を得
た。
【0021】<アルキルアミノオリゴマー(1)>5'-
H2 N−(CH2 )6 −O−PO3 −AGGAACCA
CGAGTTTAGTTCCGAGG-3' <アルキルアミノオリゴマー(2)>5'- H2 N−(C
H2 )6 −O−PO3 −GCCGCCTTCTTTTT
TCTTTTCTGCTC-3' <アルキルアミノオリゴマー(3)>5'- H2 N−(C
H2 )6 −O−PO3 −CCTTTTTTGCCAGT
TCGCTCCAGGT-3' <アルキルアミノオリゴマー(4)>5'- H2 N−(C
H2 )6 −O−PO3 −GCTTCAGTTGTTTC
CACCGGGTAGT-3' <アルキルアミノオリゴマー(5)>5'- H2 N−(C
H2 )6 −O−PO3 −TTCCAAGGGCTAAA
CACCCTCGCC-3'
H2 N−(CH2 )6 −O−PO3 −AGGAACCA
CGAGTTTAGTTCCGAGG-3' <アルキルアミノオリゴマー(2)>5'- H2 N−(C
H2 )6 −O−PO3 −GCCGCCTTCTTTTT
TCTTTTCTGCTC-3' <アルキルアミノオリゴマー(3)>5'- H2 N−(C
H2 )6 −O−PO3 −CCTTTTTTGCCAGT
TCGCTCCAGGT-3' <アルキルアミノオリゴマー(4)>5'- H2 N−(C
H2 )6 −O−PO3 −GCTTCAGTTGTTTC
CACCGGGTAGT-3' <アルキルアミノオリゴマー(5)>5'- H2 N−(C
H2 )6 −O−PO3 −TTCCAAGGGCTAAA
CACCCTCGCC-3'
【0022】次に、アルキルアミノオリゴマー(1)〜
(5)それぞれ1mgを1.5ml容エッペンドルフチ
ューブに取り、0.1M−炭酸水素ナトリウム300μ
l、10%ビオチニル−N−ヒドロキシスクシンイミド
エステルのジメチルホルムアミド溶液150μlを加
え、数秒混合し、室温で2時間反応させた。その後、反
応混合物を精製水1mlで希釈し、同量のn−ブタノー
ルを加え、分液し、ブタノール層を除去した。この操作
を5回繰り返すことにより、下層の水層を約0.1ml
まで濃縮した。
(5)それぞれ1mgを1.5ml容エッペンドルフチ
ューブに取り、0.1M−炭酸水素ナトリウム300μ
l、10%ビオチニル−N−ヒドロキシスクシンイミド
エステルのジメチルホルムアミド溶液150μlを加
え、数秒混合し、室温で2時間反応させた。その後、反
応混合物を精製水1mlで希釈し、同量のn−ブタノー
ルを加え、分液し、ブタノール層を除去した。この操作
を5回繰り返すことにより、下層の水層を約0.1ml
まで濃縮した。
【0023】残渣を弱アニオン交換カラムに通液した。
流速を1ml/分とし、溶離液として、A液(20mM
−トリス塩酸[pH8.0])、B液(A液+1M−塩
化ナトリウム)を用いて、B液濃度を0%から100%
まで連続的に上昇させた。カラム出口を紫外検出器で連
続的にモニターし、紫外吸収最大の溶出液を主留分とし
て得た。主留分を脱塩カラムで脱塩することにより、前
述の塩基配列(1)〜(5)の5’末端にビオチンが標
識された5種類の対応するビオチン標識合成オリゴヌク
レオチドプローブ(1)〜(5)(Bio−PS−1〜
5と略す)を得た。
流速を1ml/分とし、溶離液として、A液(20mM
−トリス塩酸[pH8.0])、B液(A液+1M−塩
化ナトリウム)を用いて、B液濃度を0%から100%
まで連続的に上昇させた。カラム出口を紫外検出器で連
続的にモニターし、紫外吸収最大の溶出液を主留分とし
て得た。主留分を脱塩カラムで脱塩することにより、前
述の塩基配列(1)〜(5)の5’末端にビオチンが標
識された5種類の対応するビオチン標識合成オリゴヌク
レオチドプローブ(1)〜(5)(Bio−PS−1〜
5と略す)を得た。
【0024】(5).Bio−PSのハイブリダイゼー
ション Bio−PS−1〜5をそれぞれ単独で、及び5種類の
Bio−PSの等量混合物をハイブリダイゼーション液
(6×SSC、5×Denhardt溶液、50mM−
リン酸ナトリウム緩衝液[pH6.7]、25μg/m
l サケ精子DNA)で10pmol/mlに希釈し、
マイクロプレートに100μl/well加え、プレー
トに専用粘着テープを張って、55℃及び60℃で12
時間静置した。
ション Bio−PS−1〜5をそれぞれ単独で、及び5種類の
Bio−PSの等量混合物をハイブリダイゼーション液
(6×SSC、5×Denhardt溶液、50mM−
リン酸ナトリウム緩衝液[pH6.7]、25μg/m
l サケ精子DNA)で10pmol/mlに希釈し、
マイクロプレートに100μl/well加え、プレー
トに専用粘着テープを張って、55℃及び60℃で12
時間静置した。
【0025】(6).アルカリホスファターゼ標識アビ
ジンとの反応 アルカリホスファターゼ標識アビジン(Tropix
製:AVIDX−AP0.25mg/ml)をPBS−
T(137mM−塩化ナトリウム、2.7mM−塩化カ
リウム、1.47mM−リン酸二水素カリウム、8.1
mM−リン酸水素二ナトリウム、0.05%Tween
20)で1,000倍希釈し、マイクロプレートに10
0μl/well加え、37℃で1時間静置した。
ジンとの反応 アルカリホスファターゼ標識アビジン(Tropix
製:AVIDX−AP0.25mg/ml)をPBS−
T(137mM−塩化ナトリウム、2.7mM−塩化カ
リウム、1.47mM−リン酸二水素カリウム、8.1
mM−リン酸水素二ナトリウム、0.05%Tween
20)で1,000倍希釈し、マイクロプレートに10
0μl/well加え、37℃で1時間静置した。
【0026】(7).発色反応 基質(10%ジエタノールアミン緩衝液[pH9.
8]、1mg/ml p−ニトロフェニルリン酸二ナト
リウム)をマイクロプレートに200μl/well加
え、室温で静置し、1時間後に415nmの吸光度を測
定して感度を評価した。結果は表1のとおりである。
8]、1mg/ml p−ニトロフェニルリン酸二ナト
リウム)をマイクロプレートに200μl/well加
え、室温で静置し、1時間後に415nmの吸光度を測
定して感度を評価した。結果は表1のとおりである。
【0027】比較例6 (1).ビオチン標識cDNAプローブの調製 0.5ml容エッペンドルフチューブに緩衝液(東洋紡
績製:10×Tth緩衝液)5μl、滅菌蒸留水30.
25μl、dNTP溶液(dATP5mM、dCTP5
mM、dGTP5mM、dTTP3.5mM)2μl、
0.3mM−ビオチン化−11−dUTP(Enzo
製、Bio−11−dUTP)8.3μl、PPSTV
−1Mプライマー及びPPSTV−1Pプライマー(各
50pmol/μl)各1μl、耐熱性DNAポリメラ
ーゼ(東洋紡績製:Tth Polymerase 4
U/μl)0.5μlを加え混合し、ミネラルライトオ
イル30μlを重層し、更に、実施例1の(2)で得た
cDNA2μlを加えて、実施例1の(2)と同様にP
CRを行うことにより、ビオチン標識cDNAプローブ
(Bio−cDNAと略す)を得た。
績製:10×Tth緩衝液)5μl、滅菌蒸留水30.
25μl、dNTP溶液(dATP5mM、dCTP5
mM、dGTP5mM、dTTP3.5mM)2μl、
0.3mM−ビオチン化−11−dUTP(Enzo
製、Bio−11−dUTP)8.3μl、PPSTV
−1Mプライマー及びPPSTV−1Pプライマー(各
50pmol/μl)各1μl、耐熱性DNAポリメラ
ーゼ(東洋紡績製:Tth Polymerase 4
U/μl)0.5μlを加え混合し、ミネラルライトオ
イル30μlを重層し、更に、実施例1の(2)で得た
cDNA2μlを加えて、実施例1の(2)と同様にP
CRを行うことにより、ビオチン標識cDNAプローブ
(Bio−cDNAと略す)を得た。
【0028】(2).Bio−cDNAのハイブリダイ
ゼーション Bio−cDNAを100℃で5分間熱変性した後、ハ
イブリダイゼイション液(5×SSC[pH7.0]、
10mM−EDTA[pH7.0]、50%ホルムアミ
ド、0.1%Tween20、25μg/ml サケ精
子DNA)で500倍又は1,000倍に希釈し、マイ
クロプレートに100μl/well加え、プレートに
専用粘着テープを張って、42℃で12時間静置した。
ゼーション Bio−cDNAを100℃で5分間熱変性した後、ハ
イブリダイゼイション液(5×SSC[pH7.0]、
10mM−EDTA[pH7.0]、50%ホルムアミ
ド、0.1%Tween20、25μg/ml サケ精
子DNA)で500倍又は1,000倍に希釈し、マイ
クロプレートに100μl/well加え、プレートに
専用粘着テープを張って、42℃で12時間静置した。
【0029】(3).アルカリフォスファターゼ標識ア
ビジンとの反応及び発色反応 実施例1と同様にアルカリフォスファターゼ標識アビジ
ンとの反応および発色反応操作を行い、415nmの吸
光度を測定して感度を評価した。結果は表1のとおりで
ある。
ビジンとの反応及び発色反応 実施例1と同様にアルカリフォスファターゼ標識アビジ
ンとの反応および発色反応操作を行い、415nmの吸
光度を測定して感度を評価した。結果は表1のとおりで
ある。
【0030】
【表1】
【0031】表1より、Bio−PS−1〜5の混合物
(実施例1)を用いた場合の吸光度は各々を単独で用い
た場合(比較例1〜5)に比べ高い値を示しており、B
io−PS−1〜5を混合物として用いることの有効性
が認められる。また、Bio−PS−1〜5の混合物
(実施例1)はcDNAプローブを用いた場合(比較例
6)に比べ実用上遜色のない値を示した。
(実施例1)を用いた場合の吸光度は各々を単独で用い
た場合(比較例1〜5)に比べ高い値を示しており、B
io−PS−1〜5を混合物として用いることの有効性
が認められる。また、Bio−PS−1〜5の混合物
(実施例1)はcDNAプローブを用いた場合(比較例
6)に比べ実用上遜色のない値を示した。
【0032】実施例2 ドットブロットハイブリダイゼーションによる方法 (1).検体の調製 PSTVd感染ジャガイモ(メイクイーン種)(PPと
略す)、健全ジャガイモ(メイクイーン種)(HPと略
す)、PSTVd感染トマト(ラトガース種)(PTと
略す)及び健全トマト(ラトガース種)(HTと略す)
の各生葉5gから実施例1と同様にして核酸を抽出して
調製し検体とした。また、PTから抽出した核酸試料を
ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離後、PSTVd
を溶出し、標品として精製PSTVdを得た。260n
mの吸光度を測定し、20ODを核酸量1mg/mlと
して各検体の核酸量を測定した。
略す)、健全ジャガイモ(メイクイーン種)(HPと略
す)、PSTVd感染トマト(ラトガース種)(PTと
略す)及び健全トマト(ラトガース種)(HTと略す)
の各生葉5gから実施例1と同様にして核酸を抽出して
調製し検体とした。また、PTから抽出した核酸試料を
ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離後、PSTVd
を溶出し、標品として精製PSTVdを得た。260n
mの吸光度を測定し、20ODを核酸量1mg/mlと
して各検体の核酸量を測定した。
【0033】(2).メンブレンフィルターへの固定化 各検体10μl(抽出核酸 0.4μg/μlまたは精
製PSTVd 0.004μg/μl)を0.5ml容
エッペンドルフチューブに取り、これに変性液(37%
ホルムアルデヒド/ホルムアミド/10×MOPS緩衝
液/滅菌蒸留水=162/500/100/238[容
量比])30μlを加え、65℃で15分熱変性し急冷
した後、40μlの20×SSCを加えた。更に、希釈
液(変性液3ml、20×SSC4ml、滅菌蒸留水1
ml)で2倍ずつ11段階(21,22 ,23 ,24 ,
25 ,26 ,27 ,28 ,29 ,210及び211倍)に希
釈し、希釈した液2μlずつを、予め10×SSCに浸
水後、風乾したメンブレンフィルター(Amersha
m製:Hybond−N nylon 4×12.5c
m)にスポットした。メンブレンフィルターにUV c
ross linker(Bio−Rad製)で150
mJの紫外線を照射した後にろ紙上で風乾した。
製PSTVd 0.004μg/μl)を0.5ml容
エッペンドルフチューブに取り、これに変性液(37%
ホルムアルデヒド/ホルムアミド/10×MOPS緩衝
液/滅菌蒸留水=162/500/100/238[容
量比])30μlを加え、65℃で15分熱変性し急冷
した後、40μlの20×SSCを加えた。更に、希釈
液(変性液3ml、20×SSC4ml、滅菌蒸留水1
ml)で2倍ずつ11段階(21,22 ,23 ,24 ,
25 ,26 ,27 ,28 ,29 ,210及び211倍)に希
釈し、希釈した液2μlずつを、予め10×SSCに浸
水後、風乾したメンブレンフィルター(Amersha
m製:Hybond−N nylon 4×12.5c
m)にスポットした。メンブレンフィルターにUV c
ross linker(Bio−Rad製)で150
mJの紫外線を照射した後にろ紙上で風乾した。
【0034】(3).Bio−PSのハイブリダイゼー
ション 検体を固定化したメンブレンフィルターをポリエチレン
バックに入れ、ハイブリダイゼーション液(6×SS
C、5×Denhardt溶液、0.1%SDS、20
mM−リン酸ナトリウム緩衝液[pH6.7]、100
μg/ml サケ精子DNA)4mlを加え、60℃で
2時間静置した。その後、実施例1の(4)で調製した
Bio−PS−1〜5の等量混合物40pmolを加
え、更に、60℃で13時間静置した。ハイブリダイゼ
ーション液を除き、メンブレンフィルターを容器(ポリ
プロピレン製)に移し、洗浄液(6×SSC)100m
lで室温5分間3回振とうし、更に、洗浄液(6×SS
C、0.1%SDS)100mlで60℃30分2回振
とうして洗浄した。
ション 検体を固定化したメンブレンフィルターをポリエチレン
バックに入れ、ハイブリダイゼーション液(6×SS
C、5×Denhardt溶液、0.1%SDS、20
mM−リン酸ナトリウム緩衝液[pH6.7]、100
μg/ml サケ精子DNA)4mlを加え、60℃で
2時間静置した。その後、実施例1の(4)で調製した
Bio−PS−1〜5の等量混合物40pmolを加
え、更に、60℃で13時間静置した。ハイブリダイゼ
ーション液を除き、メンブレンフィルターを容器(ポリ
プロピレン製)に移し、洗浄液(6×SSC)100m
lで室温5分間3回振とうし、更に、洗浄液(6×SS
C、0.1%SDS)100mlで60℃30分2回振
とうして洗浄した。
【0035】(4).検出前処理 メンブレンフィルターを容器に入れ、TBS−Twee
n20(0.1M−トリス塩酸[pH7.5]、0.1
5M−塩化ナトリウム、0.05%Tween20)2
0ml中で室温2分間振とうし、メンブレンフィルター
をポリエチレンバックに移し換え、ブロッキング液(3
%ブロッキング試薬[ベーリンガー製]のTBS−Tw
een20溶液)3mlを加え、室温で30分間静置し
た。ブロッキング液を除き、アビジン−アルカリホスフ
ァターゼ希釈液(アビジン−アルカリホスファターゼ液
[Tropix製:0.25mg/ml]をブロッキン
グ液で2,000倍に希釈した溶液)3mlを加え、室
温で10分間静置した。メンブレンフィルターを容器に
移し、100mlのTBS−Tween20で室温15
分間2回振とうし、次いで、検出用緩衝液(0.1M−
トリス塩酸、0.1M−塩化ナトリウム、50mM−塩
化マグネシウム[pH9.5])20mlを加え、室温
で5分間静置した。
n20(0.1M−トリス塩酸[pH7.5]、0.1
5M−塩化ナトリウム、0.05%Tween20)2
0ml中で室温2分間振とうし、メンブレンフィルター
をポリエチレンバックに移し換え、ブロッキング液(3
%ブロッキング試薬[ベーリンガー製]のTBS−Tw
een20溶液)3mlを加え、室温で30分間静置し
た。ブロッキング液を除き、アビジン−アルカリホスフ
ァターゼ希釈液(アビジン−アルカリホスファターゼ液
[Tropix製:0.25mg/ml]をブロッキン
グ液で2,000倍に希釈した溶液)3mlを加え、室
温で10分間静置した。メンブレンフィルターを容器に
移し、100mlのTBS−Tween20で室温15
分間2回振とうし、次いで、検出用緩衝液(0.1M−
トリス塩酸、0.1M−塩化ナトリウム、50mM−塩
化マグネシウム[pH9.5])20mlを加え、室温
で5分間静置した。
【0036】(5)−1.発光反応 メンブレンフィルターをポリエチレンバッグに移し、発
光液(PPD保存液[Lumigen製:10mg/m
l 23.5mM]を検出用緩衝液で100倍に希釈し
た溶液)3mlを加え、室温で5分間静置した。ろ紙上
で数分乾燥した後、ポリエチレンラップで包み、X線フ
ィルムに1時間露光させて発光の度合いを肉眼観察し
た。その後、同メンブレンフィルターを検出用緩衝液で
洗浄して、次の発色操作に移った。
光液(PPD保存液[Lumigen製:10mg/m
l 23.5mM]を検出用緩衝液で100倍に希釈し
た溶液)3mlを加え、室温で5分間静置した。ろ紙上
で数分乾燥した後、ポリエチレンラップで包み、X線フ
ィルムに1時間露光させて発光の度合いを肉眼観察し
た。その後、同メンブレンフィルターを検出用緩衝液で
洗浄して、次の発色操作に移った。
【0037】(5)−2.発色反応 発色液(5%NBT[Enzo製:ニトロブルーテトラ
ゾリウム]25μl、5%BCIP[Enzo製:5−
ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸塩]100
μl、検出用緩衝液10ml)3mlを加え、遮光し室
温で2時間静置した。発色液を除き、メンブレンフィル
ターを精製水で洗浄し、ろ紙上で風乾した後、発色の度
合いを肉眼観察した。
ゾリウム]25μl、5%BCIP[Enzo製:5−
ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸塩]100
μl、検出用緩衝液10ml)3mlを加え、遮光し室
温で2時間静置した。発色液を除き、メンブレンフィル
ターを精製水で洗浄し、ろ紙上で風乾した後、発色の度
合いを肉眼観察した。
【0038】検出感度は希釈倍率の増加に従い発光、発
色の度合い(シグナル)の円形が小さくなり、色も薄く
なるが、発光が発色よりも高い感度を示した。発光では
PP、PTともに210倍に希釈しても明確なシグナルが
認められ、発色ではPP、PTともに29 倍希釈までシ
グナルが確認された。精製PSTVdでは7.8pgま
で検出可能であった。なお、HP、HTはいずれも希釈
しない状態においても発光、発色ともにシグナルは全く
認められなかった。
色の度合い(シグナル)の円形が小さくなり、色も薄く
なるが、発光が発色よりも高い感度を示した。発光では
PP、PTともに210倍に希釈しても明確なシグナルが
認められ、発色ではPP、PTともに29 倍希釈までシ
グナルが確認された。精製PSTVdでは7.8pgま
で検出可能であった。なお、HP、HTはいずれも希釈
しない状態においても発光、発色ともにシグナルは全く
認められなかった。
【0039】比較例7 実施例2のBio−PS−1〜5の混合物の代りに、実
施例1の(4)で調製したBio−PS−1ないし5を
それぞれ単独で用いた他は、実施例2と同様の操作で発
光及び発色させた。希釈倍率の増加とともにシグナルの
形は小さくなり、色も薄くなる。僅かでもシグナルが認
められる希釈倍率を検出限界とし、表2に示す。なお、
Bio−PS単独使用では、HP、HTはいずれも希釈
しない状態で、発色、発光ともにシグナルは全く認めら
れなかった。
施例1の(4)で調製したBio−PS−1ないし5を
それぞれ単独で用いた他は、実施例2と同様の操作で発
光及び発色させた。希釈倍率の増加とともにシグナルの
形は小さくなり、色も薄くなる。僅かでもシグナルが認
められる希釈倍率を検出限界とし、表2に示す。なお、
Bio−PS単独使用では、HP、HTはいずれも希釈
しない状態で、発色、発光ともにシグナルは全く認めら
れなかった。
【0040】
【表2】
【0041】比較例8 (1).Bio−cDNAのハイブリダイゼーション 実施例2の(2)で得た検体を固定化したメンブレンフ
ィルターをポリエチレンバックに入れ、ハイブリダイゼ
ーション液(5×SSC、50%ホルムアミド、5×D
enhardt溶液、0.1%SDS、20mM−リン
酸ナトリウム緩衝液[pH6.7]、100μg/ml
サケ精子DNA)4mlを加え、42℃で2時間静置
し、予め100℃で5分間熱変性したBio−cDNA
(比較例6の(1)における調製物)4μlを加え、更
に、42℃で13時間静置した。次に、ハイブリダイゼ
ーション液を除き、メンブレンフィルターを容器に移
し、洗浄液(2×SSC、0.1%SDS)100ml
で室温10分間3回振とうし、更に、洗浄液(0.1×
SSC、0.1%SDS)100mlで55℃15分3
回振とうして洗浄した。
ィルターをポリエチレンバックに入れ、ハイブリダイゼ
ーション液(5×SSC、50%ホルムアミド、5×D
enhardt溶液、0.1%SDS、20mM−リン
酸ナトリウム緩衝液[pH6.7]、100μg/ml
サケ精子DNA)4mlを加え、42℃で2時間静置
し、予め100℃で5分間熱変性したBio−cDNA
(比較例6の(1)における調製物)4μlを加え、更
に、42℃で13時間静置した。次に、ハイブリダイゼ
ーション液を除き、メンブレンフィルターを容器に移
し、洗浄液(2×SSC、0.1%SDS)100ml
で室温10分間3回振とうし、更に、洗浄液(0.1×
SSC、0.1%SDS)100mlで55℃15分3
回振とうして洗浄した。
【0042】(2)検出前処理及び発色反応又は発光反
応 メンブレンフィルターを容器に入れ、実施例2と同様に
検出前処理を行ったのち、発光反応(1時間露光)及び
発色反応(室温で1時間静置)操作を行った。発光では
PP、PTともに28 倍希釈でもシグナルが認められ、
発色ではPP、PTともに27 倍までシグナルが認めら
れた。なお、HP、HTはいずれも、希釈しない状態で
も発光、発色ともにシグナルは全く認められなかった。
応 メンブレンフィルターを容器に入れ、実施例2と同様に
検出前処理を行ったのち、発光反応(1時間露光)及び
発色反応(室温で1時間静置)操作を行った。発光では
PP、PTともに28 倍希釈でもシグナルが認められ、
発色ではPP、PTともに27 倍までシグナルが認めら
れた。なお、HP、HTはいずれも、希釈しない状態で
も発光、発色ともにシグナルは全く認められなかった。
【0043】
【発明の効果】PSTVdに対してそのRNAにおける
配列と相補性を有する合成オリゴヌクレオチドプローブ
5種類を混合物として用いることにより、PSTVdを
選択的かつ高感度に検出することができる。したがっ
て、本発明は、PSTVd感染によるジャガイモやせい
も病の早期診断、ウイロイド伝染の防止、無病種いも生
産に大きな効果を発揮するものである。
配列と相補性を有する合成オリゴヌクレオチドプローブ
5種類を混合物として用いることにより、PSTVdを
選択的かつ高感度に検出することができる。したがっ
て、本発明は、PSTVd感染によるジャガイモやせい
も病の早期診断、ウイロイド伝染の防止、無病種いも生
産に大きな効果を発揮するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 宣敬 東京都千代田区平河町2丁目3番24号 有 機合成薬品工業株式会社内 (72)発明者 木村 郁夫 北海道札幌市手稲区星置1条3丁目5番 イトーピア中央2−1207号 (72)発明者 四方 英四郎 北海道札幌市白石区本通13丁目南2番22号
Claims (2)
- 【請求項1】 ジャガイモやせいも病ウイロイドに対し
て、そのRNAにおける配列と相補性を有する下記の塩
基配列(1)〜(5)の合成オリゴヌクレオチドプロー
ブを混合物として用いることを特徴とするジャガイモや
せいも病ウイロイドの検出方法。 (1)5'- AGGAACCACGAGTTTAGTTC
CGAGG-3' (2)5'- GCCGCCTTCTTTTTTCTTTT
CTGCTC-3' (3)5'- CCTTTTTTGCCAGTTCGCTC
CAGGT-3' (4)5'- GCTTCAGTTGTTTCCACCGG
GTAGT-3' (5)5'- TTCCAAGGGCTAAACACCCT
CGCC-3' - 【請求項2】 請求項1において、混合物として用いる
合成オリゴヌクレオチドプローブが、塩基配列(1)〜
(5)の合成オリゴヌクレオチドプローブであるジャガ
イモやせいも病ウイロイド検出用プローブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7128819A JPH08298999A (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | ジャガイモやせいも病ウイロイドの検出方法及び検出用プローブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7128819A JPH08298999A (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | ジャガイモやせいも病ウイロイドの検出方法及び検出用プローブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08298999A true JPH08298999A (ja) | 1996-11-19 |
Family
ID=14994206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7128819A Pending JPH08298999A (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | ジャガイモやせいも病ウイロイドの検出方法及び検出用プローブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08298999A (ja) |
-
1995
- 1995-05-01 JP JP7128819A patent/JPH08298999A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0875583B1 (en) | Primers and kits for the detection of Chlamydia trachomatis | |
Webster et al. | Diagnosis of plant viral pathogens | |
EP0408918B1 (en) | Method for detecting nucleic acid | |
EP0407789B1 (en) | Nucleic acid detection method | |
CA2240667A1 (en) | Method for nucleic acid analysis using fluorescence resonance energy transfer | |
CN102329876A (zh) | 一种测定待检测样本中疾病相关核酸分子的核苷酸序列的方法 | |
CA2019939C (en) | Hydrophobic nucleic acid probe | |
JPH07502654A (ja) | 溶液相サンドイッチハイブリダイゼーションアッセイに用いるためのhivプローブ | |
EP0436547B1 (en) | Process for rapid nucleic acid detection | |
JPH11502124A (ja) | オールインワン核酸増幅アッセイ | |
WO2002077277B1 (en) | Dna markers for assessing seed purity and a method of using dna sequences for assessing seed purity | |
JPH01501339A (ja) | 改良された核酸ハイブリダイゼーション方法及びそれに用いるキット | |
EP0514501A1 (en) | Detection of point mutations in genes encoding gtp binding proteins | |
US6316195B1 (en) | Method for differentiating between the casual agents of karnal bunt wheat fungus and ryegrass smut using PCR | |
JP3200134B2 (ja) | マラリア原虫の検出 | |
JPH08298999A (ja) | ジャガイモやせいも病ウイロイドの検出方法及び検出用プローブ | |
AU5359690A (en) | Polymerase chain reaction products incorporating reporter moieties and affinity seperation | |
JPH06261758A (ja) | マラリアの検出 | |
EP1300473B1 (en) | Method of detecting nucleotide polymorphism | |
JP3396218B2 (ja) | 核酸検出方法 | |
US6022690A (en) | Polynucleotides for detecting leishmanias and method of detection of leishmanial protozoan | |
JP2972685B2 (ja) | 核酸の検出法 | |
JPH05192198A (ja) | 核酸の検出法 | |
KR20120029733A (ko) | 유전자 변형 옥수수 mon863 및 mon810 검출용 키트 | |
Deepak et al. | Applications of Real-time Polymerase |