JPH08292910A - 資源管理装置および資源管理方法 - Google Patents

資源管理装置および資源管理方法

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JPH08292910A
JPH08292910A JP7228265A JP22826595A JPH08292910A JP H08292910 A JPH08292910 A JP H08292910A JP 7228265 A JP7228265 A JP 7228265A JP 22826595 A JP22826595 A JP 22826595A JP H08292910 A JPH08292910 A JP H08292910A
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和典 堀切
Shigehisa Kawabe
惠久 川邉
Sunao Hashimoto
直 橋元
Ichiro Yamashita
一郎 山下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 個々のユーザのアクセス方法の嗜好や意図を
反映した、ユーザごとに局所的な資源アクセスのための
名前空間を提供する柔軟性の高い分散システムを具現化
することのできる資源管理装置および資源管理方法を提
供する。 【構成】 あるコンテキスト保持部1−iに資源の名前
が入力されると、名前解析部2−iが名前を解析し、名
前変換部3−iで第1または第2の資源実現表現に変換
する。名前解決部4は、各コンテキスト保持部からの第
1または第2の資源実現表現を受け取り、それが第2の
資源実現表現の場合、それに含まれる第2の資源要素列
の資源名を、対応するコンテキスト保持部に出力する。
この動作が連鎖的に行なわれ、名前が解決される。資源
実現部5は、名前の解決結果に対応する資源のハンドル
を出力する。ユーザは、このハンドルを用いて入力した
名前に対応する仮想的な資源に対してアクセスが可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理を行なう
複数の計算機システムがネットワークで結ばれたネット
ワーク情報システムにおいて、前記計算機システムが取
り扱う資源の管理方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の資源管理方式の一つとして、例え
ば、上谷晃弘,「ローカルエリアネットワーク イーサ
ネット概説」,改訂2版,丸善株式会社には、米国ゼロ
ックス社のクリアリングハウスサービスの資源管理方式
について述べられている。このクリアリングハウスサー
ビスは、分散システムにおける資源の名前に対して、任
意個の属性を対応させて管理する資源管理方式による分
散データベースである。
【0003】このクリアリングハウスサービスでは、属
性として、資源の種類、パスワード、別名、ファイルサ
ーバの名前、メールボックスの名前、プリンターの名
前、グループ、配付先リスト等を扱うことができる。し
かし、分散システムの資源に対して、大域的な名前の他
に、ユーザ個々に用途やニーズに応じた複数の局所的な
名前付けルールに基づく名前を付与して取り扱うことが
できる機能を提供していない。
【0004】また、別の資源管理方式として、例えば、
清水 謙多郎,前川 守,芦原 評著,「分散オペレー
ティングシステム UNIXの次にくるもの」,共立出
版,pp.243−264と、「コンピュータソフトウ
ェア」,Vol.6、No.3(1989),pp.1
9−34等に示されているGALAXYオペレーティン
グシステムの資源管理方式がある。これは、名前を解釈
する環境であるコンテキストを複数設け、コンテキスト
を外部名と変換名と属性リストからなるディレクトリの
集合として構成する方式である。
【0005】この資源管理方式は、ハッシュ表やB−t
ree等を用いた表により外部名から変換名への対応を
保持管理する。そのため、分散システム中の資源に統一
的な外部名を付与して取り扱うことが可能となり、操作
性が高まる。さらに、同一の資源に対して、コンテキス
トごとに異なる外部名を付与することができるので、分
散システムの資源に対して、用途やニーズに応じた複数
の局所的な名前を付与して取り扱うことができる局所的
な名前空間を提供することが可能である。しかし、名前
付け規則や名前解釈の規則はすべてのコンテキストで同
じであるので、個々のユーザごとに、異なる名前付け規
則を規定して、資源の用途やニーズに応じた柔軟な局所
名を付与して分散システムの資源を取り扱うことはでき
ない。
【0006】さらに別の資源管理方式として、Doug
las E. Comer,Larry L. Pet
erson著,“A Model of Name R
esolution in Distributed
Systems”,Proceedings The
6th International Confere
nce on Distributed Comput
ing Systems,(1986),pp.523
−530で示される分散システムにおける名前解決機構
がある。この名前解決機構は、所定の資源に対応する名
前の解決をクライアント・プロセスが要求すると、クラ
イアント・プロセスが動作している初期コンテキストか
らスタートして、別のコンテキストとそこで定まる名前
に変換する名前変換を繰り返し行なう。この繰り返しに
よって、コンテキストを次々に移動しながら、最終的に
は、クライアント・プロセスで要求した名前に対応して
定まる資源を実際に管理する最終的なコンテキストと、
そのコンテキストで解釈可能な資源識別子に変換する。
【0007】この名前解決機構を用いると、資源と名前
とその名前を解釈可能なコンテキストを管理すること
で、分散システムの資源について、コンテキストごとに
局所的である局所名を付与して取り扱う資源管理方式を
実現することができる。このとき、資源管理方式は名前
をコンテキストに作用させて名前の解決を行ない、か
つ、解決を再帰的に行なって、最終的なコンテキストと
資源識別子に変換するための、システム全体で唯一の名
前解決関数を有する。この名前解決関数の機構は、第一
の名前を解析して第二の名前を取り出す名前解析と、第
二の名前をキーにして表を引き、第二のコンテキストと
第三の名前との組を取り出し、第二のコンテキストにプ
ロセスを移動させる名前変換の機能を有するコンテキス
トによって実現される。
【0008】上述の資源管理方式では、コンテキストご
とに固有の名前解析機能と名前変換機能を持つため、シ
ステムに複数の名前付け規則を導入することができる。
したがって用途やニーズに応じた複数のコンテキストを
用意して、コンテキストごとに局所的でかつ柔軟な名前
空間を提供することが可能である。しかし、この資源管
理方式の名前変換機能は、一つの名前を一つの名前また
は複数の名前の組に変換するにとどまるため、第三の名
前と第二のコンテキストが表わす資源への操作に対して
なされる動作をコンテキストごとに変える方法について
は言及されていない。このような資源への操作に対して
なされる動作をコンテキストごとに変えるには、名前解
決機構をコンテキストごとに変えればよいが、この資源
管理方式の名前解決機構は、システム全体で共通の名前
解決関数を用いているため、コンテキストごとに資源の
動作を変えることはできない。
【0009】また、この文献では、名前解決機構が第1
の名前を複数の識別子からなる集合に解決するように拡
張することに言及している。この名前解決機構では、第
1の名前が別のコンテキストの複数の名前のグループに
対応し、例えば、放送型通信を用いて、同じ操作が複数
の識別子に適用されるように働くよう説明されている。
しかしながらこの名前解決機構では、第1の名前に対す
る操作が、名前解決機構で解決された複数の識別子に対
する異なる操作の合成によって実現することができない
し、このような機構を具現化する仕組みについて言及し
ていない。
【0010】特開平5−216799号公報に開示され
る名前管理方式は、ある名前空間の名前を別の名前空間
の名前に、名前の重複を避けつつ自動的に変換する名前
の対応つけの管理方式である。この名前管理方式は、基
本的には、上述のDouglas E. Comer,
Larry L. Petersonの名前解決機構と
同じ機構に基づくもので、同様の問題点を有する。
【0011】特開平5−189389号公報に開示され
る階層構造をなす大規模分散計算機システムの接続方法
は、階層構造をなす局所的な名前空間のオブジェクトの
識別子から、他の局所的な名前空間における前記オブジ
ェクトの識別子を構成するオブジェクトの識別子の管理
方式について言及している。このオブジェクトの識別子
の管理方式も、基本的には、上述のDouglas
E. Comer,Larry L. Peterso
nの名前解決機構と同じ機構に基づくもので、同じ問題
点を有している。
【0012】特開平5−274274号公報に開示され
る数種の異種命名システムによる名前で構成された複合
名を分解できる連合命名システムのための装置と方法
は、複数の異種の命名システムが連合して名前を解決す
る装置と方法について言及している。この装置と方法
は、基本的には、上述のDouglas E. Com
er,Larry L. Petersonの名前解決
機構と同じ機構に基づき、単に、異種の命名システムが
連合して名前を分割する方法とインタフェースについて
説明しているに過ぎないので、同じ問題点を有してい
る。
【0013】特開平5−342134号公報に開示され
る名前解決装置は、信頼性を規定するパラメータ設定手
段と、パラメータによって指定された信頼性の程度に依
存して、名前の解決した結果として定まるディレクトリ
の複製を自動的に作成または消去し、かつ、複製が存在
するときには、複製されたディレクトリに名前を解決す
るように動作する名前解決装置について言及している。
この装置と方法は、基本的にはDouglas E.
Comer,Larry L. Petersonの名
前解決機構と同じ機構に基づき、単に、利用者が与えた
パラメータによって自動的にディレクトリの複製を作成
し、複製が存在するときには、他のコンテキストに解決
を依頼せずに、自ノード内で名前解決を行なうように動
作する名前解決装置を説明しているに過ぎないので、同
じ問題点を有している。
【0014】また、上述のいずれの資源管理方式も、コ
ンテキストについて、そのコンテキストが解決可能な名
前の一部または全部がメンバであるグループを表わす資
源として提供する機構について言及していない。この機
構がないため、ユーザが意図するメンバを解決可能な名
前とするコンテキストを定めることで、所望のメンバを
有するグループ資源を局所的に実現することができな
い。
【0015】さらに、上述した名前サービスシステムや
名前解決機構を用いた資源管理システムまたは資源管理
方式は、いずれも、コンテキストごとに異なる名前付け
規則にもとづくユーザの意図を反映させた資源の名前付
けを行ない、加えて、コンテキストごとに資源の動作が
異なる実現規則に基づく局所的な資源を提供すること
で、個々のユーザが所望する性質を有する資源や資源グ
ループの実現を規定する局所的な名前を有する局所的な
資源の実現を可能とする資源管理方式についてはなんら
言及していない。
【0016】加えて、コンテキストごとに資源の動作が
複数の資源の動作から定まる実現規則に基づく局所的な
資源を提供することで、個々のユーザが所望する性質を
有する資源や資源グループを高い自由度で定めることが
可能な局所的な名前を有する局所的な資源の実現を可能
とする資源管理方式についてはなんら言及していない。
【0017】以上に説明した従来の資源管理方式または
従来の資源管理方式を採用したシステムは、(a) 資
源の名前と資源の物理的な位置情報を資源管理表または
資源管理データベースで管理し、入力された資源の名前
から対応する資源の物理的な位置情報を出力する資源管
理方式または資源管理方式を採用したシステム、(b)
資源の名前を解釈し、資源の変換名を出力する複数の
コンテキストと、複数のコンテキストにまたがって、一
回以上繰り返して名前を単一の変換名に変換すること
で、変換名を取り扱う単一のコンテキストに到達するた
めの、唯一の名前解決機構を有する資源管理方式を採用
したシステム、(c) 前記(b)に加えて、資源の名
前を解釈し、資源の変換名を出力する複数のコンテキス
トと、複数のコンテキストにまたがって一回以上繰り返
して名前を複数の変換名に変換する唯一の名前解決機構
を有する資源管理方式を採用したシステムのいずれかに
分類される。
【0018】上記(a)のシステムでは、第1の資源の
名前である第1の名前に対して、第1の資源を実現する
システムでの識別子、または、第1の資源を実現するコ
ンテキストでの識別子と考えられる第1の位置を対応づ
けて管理する。しかし、分散システム全体で唯一の名前
付け規則または名前を解釈する文法と名前解析手段を有
するのみである。したがって、第1の資源に対して大域
的に定まる第1の名前の他に、第1の資源の利用の用途
や利用者のニーズや利用時期に応じて、相異なる複数の
コンテキストを用意して、それぞれのコンテキストごと
に異なる名前付け規則に加えて、コンテキストごとに動
作が異なる局所的な資源を提供する局所的な名前空間を
提供することができない。そのため、さまざまな利用者
の意図や利用局面に合致した柔軟な分散システムを提供
するには、不都合である。
【0019】上記(b)のシステムでは、各コンテキス
トごとに独立した名前解析手段を有するため、分散シス
テムに第1の資源に付与する名前について複数の名前付
け規則または複数の名前解釈の文法を導入することがで
きるため、第1の資源に対して第1の名前だけでなく、
それぞれの名前付け規則または名前解釈文法に従って、
相異なるコンテキストごとに独立した第2、第3の名前
を付与して取り扱うことができる。したがって、第1の
資源の利用用途や利用者のニーズや利用時期に応じて、
相異なる複数のコンテキストを用意して、それぞれのコ
ンテキストで有効な複数の局所的な名前を提供すること
ができる。
【0020】しかし、この資源管理方式では、名前を変
換した結果である変換名を処理する名前解決機構は、分
散システムに対して唯一であり、かつ、コンテキストご
とに変換名の処理方法を変えて、第1の名前に対応する
第1の資源に加えて所定の性質を有する局所的な第2の
資源をコンテキストごとに実現する方法を提供しない。
【0021】例えば、第1のコンテキストでは、第1の
名前に対して第1の変換名と第2のコンテキストが出力
されるとする。次に、第1の変換名と第2のコンテキス
トで提供される第1の資源に対して、第1のコンテキス
トで定められる所定の処理を施して、第1の名前に対し
て、利用者が所望する性質を有する第1の資源から導出
される第2の資源を局所的に実現するように、第1の名
前を定めることが考えられる。しかし、この資源管理方
式では、このような機能を提供することはできない。ま
た、例えば、第3のコンテキストでは、第2の名前に対
して第1の変換名と第2のコンテキストが出力されると
する。次に、第1の変換名と第2のコンテキストで提供
される第1の資源に対して、第3のコンテキストで定め
られる第2の所定の処理を施して、第2の名前に対し
て、利用者が所望する第2の性質を有する第1の資源か
ら導出される第3の資源を局所的に実現するように、第
3の名前を定めることも考えられる。しかし、このよう
な機能も提供されない。
【0022】すなわち この(b)のシステムでは、第
1のコンテキストや第3のコンテキストを用意すること
によって、第1の資源に対して第1の名前や第3の名前
としてコンテキストに局所的な名前を与えることはでき
るが、第1の資源から導かれ、かつ、個々のユーザが所
望する性質を有する第2、第3の資源のような資源の局
所的な実現を与える機能は提供していない。
【0023】(c)のシステムでは、(b)に加えて第
1の資源に付与する名前について、名前解決の結果とし
て、別の複数の資源に対応付けられるが、第1の資源に
対する操作は、解決結果の複数の資源に対するマルチキ
ャスト通信に代表される放送型通信によって、複数の同
じ操作に対応づけることが可能である。したがって、第
1の資源に対する操作は、解決結果である複数の資源に
対して同じ操作が複製されて適用する機能を提供する。
【0024】しかし、この資源管理方式では、第1の名
前に対応する資源が複数の資源であって、かつ、第1の
名前が表現する資源に対して適用される処理が、名前解
決の結果として、複数のコンテキストの複数の資源に対
して、それぞれ異なった所定の処理を施し、その結果を
集積してえられるような性質を有する局所的な資源を実
現することができない。
【0025】例えば、(c)のシステムでは、第1の名
前は、複数のコンテキストと複数の変換名X,Y,Z
と、複数の資源に対してそれぞれ適用される所定の手続
きx,y,zによって展開される。第1の名前に対する
操作は、手続きx,y,zを用いて、変換名X,Y,Z
にそれぞれ対応する資源に対して操作を施し、その結果
を集積して実現されるような名前解決機構と資源の実現
機構の提供が望まれる。しかし、このような名前解決機
構や資源の実現機構は提供されていない。したがって、
第1の名前が表わす第4の資源が、複数の資源から実現
され、かつ複数の資源に対して所定の処理を施すことで
所望の性質を有するように、第4の局所的な名前を有す
る局所的な資源を個々のユーザが自由に実現することが
できない。
【0026】また、(a)、(b)、(c)いずれのシ
ステムについても、コンテキスト自身が、コンテキスト
が解決可能な名前の集合の一部または全部をメンバに有
するグループ資源として動作するような機構を提供しな
いので、ユーザが、コンテキストが解決可能な名前の集
合を規定することで、ユーザの意図を反映したコンテキ
ストを実現しても、集合の一部または全部をメンバに有
するグループ資源は構成できない。
【0027】以上をまとめていえば、従来知られる資源
管理方式では、局所的に管理される資源に対して、大域
的な名前を付与して大域的に取り扱うことができ、ま
た、所定の資源やグループに対して、コンテキストごと
に定まる複数の名前を与え、コンテキストごとに局所的
な名前として取り扱う機能を提供している。しかし、大
域的な資源に対して、所定の処理を施すことでなされる
ような、コンテキストごとに異なる動作を有する資源を
規定し、かつ、コンテキストごとに異なる名前付け規則
に基づく局所名を付与する機能を提供することはできな
い。また、複数の資源にそれぞれ異なる処理を施して、
その結果を集積することによって、あたかも、個々のユ
ーザが所望する性質を有する単一の局所的な名前を持つ
局所的な資源が実在するかのように取り扱う機能を提供
することはできない。加えて、コンテキストが解決可能
な名前の集合の一部または全部をメンバに有するグルー
プ資源として動作するような機構を提供できない。その
結果、個々のユーザのアクセス方法の嗜好や意図を反映
したユーザごとに局所的な資源アクセスのための名前空
間を提供する柔軟性の高い分散システムを具現化するに
は、不都合である。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、個々のユー
ザのアクセス方法の嗜好や意図を反映した、ユーザごと
に局所的な資源アクセスのための名前空間を提供する柔
軟性の高い分散システムを具現化することのできる資源
管理装置および資源管理方法を提供することを目的とす
るものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載の発明においては、情報処理を行なう複数の計算機シ
ステムがネットワークで結ばれたネットワーク情報シス
テムで使用される資源管理装置において、コンテキスト
識別子を持つコンテキスト保持手段と、名前解決手段を
有し、前記コンテキスト保持手段は、資源に付けられた
名前である資源名を入力とし該資源名の名前の解析を行
なう名前解析手段と、該名前解析手段による解析結果を
前記計算機システム内にあらかじめ実現されている実資
源が固有に持つ資源識別子を要素とする第1の資源要素
列と該第1の資源要素列を処理するための手続き情報で
ある第1の実現要素列との組からなる第1の資源実現表
現またはコンテキスト識別子と資源名の組を要素とする
第2の資源要素列と該第2の資源要素列を処理するため
の手続き情報である第2の実現要素列との組からなる第
2の資源実現表現に変換する名前変換手段を有し、前記
名前解決手段は、前記コンテキスト保持手段内の前記名
前変換手段により変換された第2の資源実現表現に含ま
れる第2の資源要素列の資源名を対応するコンテキスト
識別子が示す前記コンテキスト保持手段に対して出力す
ることを特徴とするものである。
【0030】請求項2に記載の発明においては、情報処
理を行なう複数の計算機システムがネットワークで結ば
れたネットワーク情報システムで使用される資源管理装
置において、コンテキスト識別子を持つコンテキスト保
持手段と、名前解決手段と、資源実現手段を有し、前記
コンテキスト保持手段は、資源に付けられた名前である
資源名を入力とし該資源名の名前の解析を行なう名前解
析手段と、該名前解析手段による解析結果を前記計算機
システム内にあらかじめ実現されている実資源が固有に
持つ資源識別子のみを要素とする第1の資源要素列と該
第1の資源要素列を処理するための手続き情報である第
1の実現要素列との組からなる第1の資源実現表現また
はコンテキスト識別子と資源名の組を要素とする第2の
資源要素列と該第2の資源要素列を処理するための手続
き情報である第2の実現要素列との組からなる第2の資
源実現表現に変換する名前変換手段を有し、前記名前解
決手段は、前記コンテキスト保持手段内の前記名前変換
手段により変換された第2の資源実現表現に含まれる第
2の資源要素列の資源名を対応するコンテキスト識別子
が示す前記コンテキスト保持手段に対して出力しまたは
前記コンテキスト保持手段内の名前変換手段により変換
された第1の資源実現表現を出力し、前記資源実現手段
は、前記名前解決手段により出力された第1の資源実現
表現に含まれる第1の実現要素列を解釈しその解釈結果
を前記第1の資源要素列に対応するあらかじめ実現され
ている実資源に対して実行して資源を生成することを特
徴とするものである。
【0031】請求項3に記載の発明においては、情報処
理を行なう複数の計算機システムがネットワークで結ば
れたネットワーク情報システムで使用される資源管理装
置において、コンテキスト識別子を持つ第1のコンテキ
スト保持手段および第2のコンテキスト保持手段を有
し、前記第1のコンテキスト保持手段は、資源に付けら
れた名前である資源名を入力とし該資源名の名前の解析
を行なう第1の名前解析手段と、該第1の名前解析手段
による解析結果を前記計算機システム内にあらかじめ実
現されている実資源が固有に持つ資源識別子のみを要素
とする第1の資源要素列に変換する第1の名前変換手段
と、該第1の名前変換手段により変換された第1の資源
要素列と該第1の資源要素列を処理するための手続き情
報の組である第1の名前解決結果に変換する第1の名前
解決手段と、該第1の名前解決手段により変換された第
1の名前解決結果に含まれる手続き情報を解釈しその解
釈結果を前記第1の資源要素列に対応する実資源に対し
て実行して資源を生成し該資源を操作するためのハンド
ル情報を出力する第1の資源実現手段を有し、前記第2
のコンテキスト保持手段は、資源名を入力とし該資源名
の名前の解析を行なう第2の名前解析手段と、該第2の
名前解析手段による解析結果をコンテキスト識別子と資
源名の組を要素とする第2の資源要素列に変換する第2
の名前変換手段と、該第2の名前変換手段により変換さ
れた第2の資源要素列の資源名をコンテキスト識別子に
対応する前記第1のコンテキスト保持手段に対して出力
し前記第1のコンテキスト保持手段より得られるハンド
ル情報と該ハンドル情報に対応する資源を処理するため
の手続き情報の組である第2の名前解決結果に変換する
第2の名前解決手段と、該第2の名前解決手段により変
換された第2の名前解決結果に含まれる手続き情報を解
釈しその解釈結果を前記ハンドル情報に対応する資源に
対して実行して資源を生成する第2の資源実現手段を有
することを特徴とするものである。
【0032】請求項4に記載の発明においては、情報処
理を行なう複数の計算機システムがネットワークで結ば
れたネットワーク情報システムで使用される資源管理装
置において、コンテキスト識別子を持つ第1のコンテキ
スト保持手段および第2のコンテキスト保持手段を有
し、前記第1のコンテキスト保持手段は、資源に付けら
れた名前である資源名を入力とし該資源名の名前の解析
を行なう第1の名前解析手段と、該第1の名前解析手段
による解析結果を前記計算機システム内にあらかじめ実
現されている実資源が固有に持つ資源識別子を要素とす
る第1の資源要素列に変換する第1の名前変換手段と、
該第1の名前変換手段により変換された第1の資源要素
列と該第1の資源要素列を処理するための手続き情報の
組である名前解決結果を出力する第1の名前解決手段を
有し、前記第2のコンテキスト保持手段は、資源名を入
力とし該資源名の名前の解析を行なう第2の名前解析手
段と、該第2の名前解析手段による解析結果をコンテキ
スト識別子と資源名の組を要素とする第2の資源要素列
に変換する第2の名前変換手段と、該第2の名前変換手
段により変換された第2の資源要素列の資源名を対応す
るコンテキスト識別子の示す前記第1のコンテキスト保
持手段に対して出力し前記第1のコンテキスト保持手段
より名前解決結果を受け取る第2の名前解決手段を有す
ることを特徴とするものである。
【0033】請求項5に記載の発明においては、情報処
理を行なう複数の計算機システムがネットワークで結ば
れたネットワーク情報システムで使用される資源管理装
置において、コンテキスト識別子を持つ第1のコンテキ
スト保持手段および第2のコンテキスト保持手段と、資
源実現手段を有し、前記第1のコンテキスト保持手段
は、資源に付けられた名前である資源名を入力とし該資
源名の名前の解析を行なう第1の名前解析手段と、該第
1の名前解析手段による解析結果を前記計算機システム
内にあらかじめ実現されている実資源が固有に持つ資源
識別子のみを要素とする第1の資源要素列に変換する第
1の名前変換手段と、該第1の名前変換手段により変換
された第1の資源要素列と該第1の資源要素列を処理す
るための手続き情報の組である第1の名前解決結果を出
力する第1の名前解決手段を有し、前記第2のコンテキ
スト保持手段は、資源名を入力とし該資源名の名前の解
析を行なう第2の名前解析手段と、該第2の名前解析手
段による解析結果をコンテキスト識別子と資源名の組を
要素とする第2の資源要素列に変換する第2の名前変換
手段と、該第2の名前変換手段により変換された第2の
資源要素列の資源名を対応するコンテキスト識別子の示
す前記第1のコンテキスト保持手段に対して出力し前記
第1のコンテキスト保持手段より受け取った第1の名前
解決結果を用いて資源識別子と該資源識別子に対応する
実資源を処理するための手続き情報の組である第2の名
前解決結果を出力する第2の名前解決手段を有し、前記
資源実現手段は、前記第2のコンテキスト保持手段内の
第2の名前解決手段により出力された第2の名前解決結
果に含まれる手続き情報を解釈しその解釈結果を前記資
源識別子に対応するあらかじめ実現されている実資源に
対して実行して資源を生成することを特徴とするもので
ある。
【0034】請求項6に記載の発明においては、資源管
理方法において、資源に付けられた名前である資源名を
入力し、該資源名の名前の解析を行ない、名前の解析結
果を資源名を要素とする第1の資源要素列に変換し、変
換された第1の資源要素列に含まれる資源名の名前の解
析を行ない、該解析結果を計算機システム内にあらかじ
め実現されている実資源が固有に持つ資源識別子のみか
らなる第2の資源要素列に変換し、変換された第2の資
源要素列を処理するための手続き情報を求め、該手続き
情報を解釈し、該解釈結果により前記第2の資源要素列
に対応する実資源に適用して資源を生成し、生成された
資源を操作するためのハンドル情報を求め、このハンド
ル情報に対応する資源を処理するための手続き情報を求
め、該手続き情報を解釈し、該解釈結果を前記ハンドル
情報に対応する資源に適用して別の資源を生成すること
を特徴とするものである。
【0035】請求項7に記載の発明は、情報処理を行な
う計算機システムにおいて用いられる資源管理装置にお
いて、属性と対応づけられ資源に付けられた名前である
資源名を入力とし該資源名の名前の解析を行なう1以上
の名前解析手段と、属性と対応づけられ前記名前解析手
段による解析結果を前記計算機システム内にあらかじめ
実現されている実資源が固有に持つ資源識別子を要素と
する第1の資源要素列と該第1の資源要素列を処理する
ための手続き情報である第1の実現要素列との組からな
る第1の資源実現表現または前記属性を直接的または間
接的に指定する検索式と資源名の組を要素とする第2の
資源要素列と該第2の資源要素列から求められる資源を
処理するための手続き情報である第2の実現要素列との
組からなる第2の資源実現表現に変換する1以上の名前
変換手段と、前記名前変換手段により変換された第2の
資源実現表現に含まれる前記検索式あるいは入力された
前記検索式に基づいて名前解析手段および該名前解析手
段より名前解析結果を受け取る名前変換手段を選択する
選択手段と、前記名前変換手段により変換された第2の
資源実現表現に含まれる第2の資源要素列の資源名ある
いは入力された資源名を前記選択手段により選択された
名前解析手段に受け渡す名前解決手段を有することを特
徴とするものである。
【0036】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の資源管理装置において、前記名前変換手段は、前記属
性と対応づけられた1以上の名前変換情報から構成され
てなり、前記選択手段は、1以上の前記名前変換情報を
特定することにより前記名前変換手段を選択し、さら
に、前記選択手段が特定した1以上の前記名前変換情報
に基づいて名前変換手段を構成する名前変換構成手段を
有し、前記選択手段により選択された名前解析手段は前
記名前変換構成手段により構成された名前変換手段に名
前解析結果を受け渡すことを特徴とするものである。
【0037】請求項9に記載の発明は、請求項7に記載
の資源管理装置において、前記名前解決手段は、前記属
性と対応づけられて複数存在し、前記選択手段はさらに
前記名前解決手段も選択するものであり、前記選択手段
により選択された名前変換手段は前記選択手段により選
択された名前解決手段に対して前記第1の資源実現表現
あるいは前記第2の資源実現表現を受け渡すことを特徴
とするものである。
【0038】請求項10に記載の発明は、請求項7ない
し9のいずれか1項に記載の資源管理装置において、前
記名前変換手段により得られる第1の資源実現表現の第
1の実現要素列を解釈しその解釈結果から前記第1の資
源要素列に対応するあらかじめ実現されている実資源を
基に資源を生成する資源実現手段を有することを特徴と
するものである。
【0039】請求項11に記載の発明は、請求項9に記
載の資源管理装置において、前記資源実現手段は前記属
性と対応づけられて複数存在し、前記選択手段はさらに
前記資源実現手段も選択するものであり、前記名前解決
手段は前記選択手段により選択された資源実現手段に対
して前記第1の資源実現表現を受け渡すことを特徴とす
るものである。
【0040】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、それぞれコン
テキスト識別子を有する複数のコンテキスト保持手段を
有している。あるコンテキスト保持手段に資源名が入力
されると、名前解析手段で入力された資源名の名前の解
析を行なった後、名前変換手段に入力される。名前変換
手段では、名前解析手段による解析結果を、資源識別子
を要素とする第1の資源要素列と、その第1の資源要素
列を処理するための手続き情報である第1の実現要素列
との組からなる第1の資源実現表現に変換するか、ある
いは、コンテキスト識別子と資源名の組を要素とする第
2の資源要素列と、その第2の資源要素列を処理するた
めの手続き情報である第2の実現要素列との組からなる
第2の資源実現表現に変換し、出力する。名前解決手段
は、名前変換手段からの出力が第2の資源実現表現の
時、その中に含まれる第2の資源要素列の資源名を、対
応するコンテキスト識別子が示すコンテキスト保持手段
に対して出力する。このようにして、連鎖的にコンテキ
スト保持手段による名前の解析及び変換が行なわれて行
く。
【0041】加えて、請求項2に記載の発明では、資源
実現手段が、名前解決手段により出力された第1の資源
実現表現に含まれる第1の実現要素列を解釈し、その解
釈結果を第1の資源要素列に対応する実資源に対して実
行して資源を生成する。
【0042】請求項3に記載の発明では、第2のコンテ
キスト保持手段に入力された資源名は第2の名前解析手
段で解析され、解析結果は第2の名前変換手段でコンテ
キスト識別子と資源名の組を要素とする第2の資源要素
列に変換される。そして、第2の名前解決手段は、第2
の資源要素列の資源名を、コンテキスト識別子に対応す
る第1のコンテキスト保持手段に対して出力する。第1
のコンテキスト保持手段では、受け取った資源名を第1
の名前解析手段で解析し、解析結果は第1の名前変換手
段で資源識別子のみを要素とする第1の資源要素列に変
換される。そして、第1の名前解決手段において、第1
の資源要素列と、その第1の資源要素列を処理するため
の手続き情報の組である第1の名前解決結果に変換さ
れ、さらに、第1の資源実現手段において、第1の名前
解決結果に含まれる手続き情報を解釈し、その解釈結果
を第1の資源要素列に対応する実資源に対して実行して
資源を生成し、生成した資源を操作するためのハンドル
情報を返す。第2のコンテキスト保持手段内の第2の名
前解決手段は、このようにして第1のコンテキスト保持
手段から返されるハンドル情報と、そのハンドル情報に
対応する資源を処理するための手続き情報の組である第
2の名前解決結果に変換し、資源実現手段は第2の名前
解決結果に含まれる手続き情報を解釈し、その解釈結果
をハンドル情報に対応する資源に対して実行して資源を
生成する。
【0043】請求項4に記載の発明では、第2のコンテ
キスト保持手段に入力された資源名は第2の名前解析手
段で解析され、解析結果は第2の名前変換手段でコンテ
キスト識別子と資源名の組を要素とする第2の資源要素
列に変換される。そして、第2の名前解決手段は、第2
の資源要素列の資源名を、対応するコンテキスト識別子
の示す第1のコンテキスト保持手段に対して出力する。
第1のコンテキスト保持手段では、受け取った資源名を
第1の名前解析手段で解析し、解析結果は第1の名前変
換手段で資源識別子を要素とする第1の資源要素列に変
換される。そして、第1の名前解決手段において、第1
の資源要素列と、その第1の資源要素列を処理するため
の手続き情報の組である名前解決結果に変換され、第2
のコンテキスト保持手段内の第2の名前解決手段に返さ
れ、第2の名前解決手段から名前解決結果が出力され
る。
【0044】さらに、請求項5に記載の発明では、資源
実現手段を有しており、第2のコンテキスト保持手段内
の第2の名前解決手段から出力された第2の名前解決結
果に含まれている手続き情報を解釈し、その解釈結果を
資源識別子に対応する実資源に対して実行して、資源を
生成する。
【0045】上述のような構成によれば、それぞれのコ
ンテキストで有効な局所的な資源名を提供することがで
きるとともに、各コンテキストごとに資源名やコンテキ
スト識別子に対して手続き情報を対応づけているので、
複数の資源に対してそれぞれの処理を施して得られる資
源を、局所的な資源名によって取り扱うことが可能とな
る。これにより、個々のユーザがそれぞれ所望する性質
を有する局所的な名前を持つ局所的な資源を取り扱う機
能を提供することができる。加えて、資源実現手段を有
する構成では、複数の資源にそれぞれ異なる処理を施し
て、その結果を例えば集積することで、あたかも、個々
のユーザが所望する性質を有する単一の局所的な名前を
持つ局所的な資源が実在するかのように取り扱う機能を
提供することができる。これらの機能によって、例えば
個々のユーザやグループ、あるいはジョブごとに相違す
るアクセス方法の嗜好や意図を反映した局所的な資源ア
クセスのための名前空間を提供し、柔軟性の高い分散シ
ステムを具現化する資源管理装置を提供することができ
る。
【0046】また、このような資源管理装置における資
源管理方法として、請求項6に記載の発明のように、入
力された資源名の名前の解析を行ない、名前の解析結果
を資源名を要素とする第1の資源要素列に変換する。さ
らに、変換された第1の資源要素列に含まれる資源名の
名前の解析を行ない、解析結果を計算機システム内にあ
らかじめ実現されている実資源が固有に持つ資源識別子
のみからなる第2の資源要素列に変換する。変換された
第2の資源要素列をもとに、この第2の資源要素列を処
理するための手続き情報を求め、求めた手続き情報を解
釈し、解釈結果により第2の資源要素列に対応する実資
源に適用して資源を生成する。さらに、生成された資源
を操作するためのハンドル情報を求め、このハンドル情
報に対応する資源を処理するための手続き情報を求め、
求めた手続き情報を解釈し、解釈結果をハンドル情報に
対応する資源に適用して、別の資源を生成する。個々の
ユーザは、固有の局所的な名前によって、複数の実資源
にそれぞれの手続き情報を適用して仮想的な資源を得る
ことができ、また、対応するハンドル情報に従ってその
仮想的な資源に対してアクセスし、また、仮想的な資源
に対する処理を行なうことができる。
【0047】請求項7に記載の発明によれば、それぞれ
属性と対応づけられた名前解析手段と名前変換手段を有
している。属性を直接的または間接的に指定する検索式
が選択手段に与えられると、検索式に基づいて、名前解
析手段と、その名前解析手段から名前解析結果を受け取
る名前変換手段を選択する。これにより、例えば属性が
コンテキスト識別子であれば、請求項1におけるコンテ
キスト保持手段の選択と同様に動作する。属性はコンテ
キスト識別子に限らないので、種々の検索式によって名
前解析手段、名前変換手段を選択することができる。以
降の作用は請求項1と同様であり、選択された名前解析
手段で入力された資源名の名前の解析を行なった後、選
択された名前変換手段に入力される。名前変換手段で
は、名前解析手段による解析結果を、資源識別子を要素
とする第1の資源要素列と、その第1の資源要素列を処
理するための手続き情報である第1の実現要素列との組
からなる第1の資源実現表現に変換するか、あるいは、
検索式と資源名の組を要素とする第2の資源要素列と、
その第2の資源要素列を処理するための手続き情報であ
る第2の実現要素列との組からなる第2の資源実現表現
に変換し、出力する。名前解決手段は、名前変換手段か
らの出力が第2の資源実現表現の時、その中に含まれる
第2の資源要素列の資源名を、第2の資源実現表現中の
検索式によって選択手段が選択した名前解析手段に対し
て出力する。このようにして、連鎖的に名前の解析及び
変換が行なわれて行く。
【0048】請求項8に記載の発明では、名前変換手段
は、属性と対応づけられた1以上の名前変換情報から構
成される。選択手段は、検索式をもとに名前変換情報を
特定し、特定された名前変換情報に基づいて名前変換構
成手段が名前変換手段を構成する。これによって選択手
段による名前変換手段の選択を行なう。このような構成
とすることによって、より柔軟性のある名前の変換処理
を実現することができる。また、類似の名前変換手段を
複数用意しなくても、属性から名前変換構成手段で名前
変換手段を構成できるので、よりコンパクトなシステム
を構成することができる。
【0049】請求項9に記載の発明では、名前解決手段
も属性と対応づけられて複数存在する。そして、選択手
段は検索式に基づき、名前解析手段、名前変換手段とと
もに、名前解決手段も選択する。選択手段により選択さ
れた名前変換手段は、やはり選択手段により選択された
名前解決手段に対して第1の資源実現表現または第2の
資源実現表現を受け渡す。選択された名前解決手段は、
第2の資源実現表現を受け取ると、その中に含まれる第
2の資源要素列の資源名を、第2の資源実現表現中の検
索式によって選択手段が選択した名前解析手段に対して
出力する。このようにして、連鎖的に名前の解析、変換
及び資源名の受渡しが行なわれて行く。
【0050】請求項10に記載の発明では、請求項7な
いし9のいずれか1項に記載の資源管理装置の構成に加
え、資源実現手段を有しており、名前変換手段で得られ
た第1の資源実現表現から、実資源を基に資源を生成す
る。
【0051】請求項11に記載の発明では、請求項9に
記載の資源管理装置において、名前解析手段、名前変換
手段、名前解決手段とともに、資源実現手段が属性と対
応づけられて複数存在している。選択手段は、名前解析
手段、名前変換手段、名前解決手段とともに、さらに資
源実現手段も選択する。選択手段で選択された名前解決
手段は、第1の資源実現表現を受け取ったとき、これを
選択手段により選択された資源実現手段に受け渡す。こ
れにより資源が生成される。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、説明する各実施の形態で
は、情報処理を行なう複数の計算機システムがネットワ
ーク上に分散配置され、前記個々の計算機システムごと
に局所的または大域的に管理する計算機システムで扱う
資源に関して、個々のユーザが所望する性質を有する資
源を、個々のユーザに局所的な資源として取り扱うこと
が可能な資源の管理方式について示している。各実施の
形態は、資源としてファイルシステム、特に、ディレク
トリに代表されるグループやファイルを、ユーザごとに
局所化する場合の動作について解説するものを含む。資
源としては、ファイルシステムのファイルやグループに
限らない。例えば、資源はSGML(ISO8879:
Standard Generalized Mark
up Language)を拡張したHTML(Hyp
er Text Markup Language)と
してよく知られる文法で表現されるハイパーテキスト文
書であってもよい。
【0053】一般的には、この発明の資源の管理方式
は、ホストやメモリやファイルやグループやポートやプ
ロセスやユーザやデータベースなど、計算機システムに
おいて、名前を付与して、その名前に対して、名前が示
す資源への操作が適用できるハンドルが得られる資源を
取り扱うように実現してもよい。例えば、ファイル資源
に対する操作は、ファイル操作であるオープンやリード
やライトやクローズが適用可能であるとするが、これに
限定するものではない。これらの一部であってもよい
し、シークが可能であってもよい。
【0054】グループ資源に対する操作はメンバ表示で
あるとするが、これに限定するものではない。メンバ追
加やメンバ削除ができてよい。また、HTMLに対する
操作はHTTP(Hyper Text Transf
er Protocol)としてよく知られるプロトコ
ルで規定されているいずれかの操作が可能であってよ
い。
【0055】ハンドルは、例えば、ファイル資源の場合
にはファイルをオープンして得られるファイルIDであ
るとするが、オープンしたファイルの属性を格納したフ
ァイル構造体に対するポインタであってもよい。また、
ファイルに対する操作が適用可能なソケットIDまたは
ソケット構造体に対するポインタであってもよい。一般
的には、資源に対する操作を適用するための口であれ
ば、何でもよい。
【0056】以下の実施の形態は、単一の計算機システ
ムの単一プロセスとして実現する資源の管理方式につい
て解説するものを含むが、単一プロセスとして実現する
ことは必須ではない。一般的には、この発明の資源の管
理方式は、単一または複数の計算機システム上で互いに
通信を行なって動作する複数のプロセスとして実現して
もよい。
【0057】また、以下の実施の形態は、手続き指向に
よる資源の管理方式を含むが、手続き指向によって実現
することは必須ではない。オブジェクト指向によって実
現してもよい。一般的には、この発明の資源の管理方式
は、手続き指向、オブジェクト指向を含むいかなる実現
方式を用いてもよい。
【0058】さらに、以下の実施の形態では、通信はポ
ートを用いたメッセージ通信として実現する資源の管理
方式を含むが、ポートを用いたメッセージ通信として実
現することは必須ではない。一般的には、この発明の資
源の管理方式は、リモートプログラム、リモートプロシ
ージャ、ソケット、シェアードメモリを含むいかなるプ
ロセス間の通信を用いて実現してもよい。
【0059】さらに、以下の実施の形態では、資源への
アクセスに対してキャッシュを有する資源の管理方式を
含むが、キャッシュを有することは必須ではない。
【0060】図1は、本発明の資源管理装置の第1の実
施の形態を示すブロック図である。図中、1−1〜1−
nはコンテキスト保持部、2−1〜2−nは名前解析
部、3−1〜3−nは名前変換部、4は名前解決部、5
は資源実現部、6−1〜6−n,7−1〜7−n,8〜
12は端子である。この第1の実施の形態では、コンテ
キスト保持部1−1からコンテキスト保持部1−nまで
のn個のコンテキスト保持部と、1個の名前解決部4
と、1個の資源実現部5から構成されている。コンテキ
スト保持部は1個でもよく、一般的には任意個のコンテ
キスト保持部から構成してよい。同様に、名前解決部は
1個以上でよく、一般的には任意個の名前解決部から構
成してよい。同様に、資源実現部は1個以上でよく、一
般的には任意個の資源実現部から構成してよい。
【0061】コンテキスト保持部1−1〜1−nは、そ
れぞれ固有のコンテキスト識別子を有しており、それぞ
れ、端子6−1〜6−nおよび端子7−1〜7−nを有
している。端子6−1〜6−nは、それぞれ、コンテキ
スト保持部1−1〜1−nの入力端子である。端子6−
1〜6−nには、資源の名前が入力される。また、端子
7−1〜7−nは、それぞれ、コンテキスト保持部1−
1〜1−nの出力端子である。端子7−1〜7−nは、
それぞれ、端子6−1〜6−nに入力された資源の名前
に対応する資源実現表現を出力する。
【0062】また、コンテキスト保持部1−1〜1−n
は、名前解析部2−1〜2−nと、名前変換部3−1〜
3−nがそれぞれ設けられている。名前解析部2−1〜
2−nは、それぞれ、端子6−1〜6−nから入力され
る資源の名前を解析する。また、名前変換部3−1〜3
−nは、それぞれ、名前解析部2−1〜2−nで解析さ
れた結果を受け、解析結果を第1または第2の資源実現
表現に変換する。第1の資源実現表現は、資源識別子を
要素とする第1の資源要素列と、その第1の資源要素列
を処理するための手続き情報である第1の実現要素列と
の組から構成される。ここで、資源識別子は、計算機シ
ステム内にあらかじめ実現されている実資源が固有に持
つ識別子である。また、第2の資源実現表現は、コンテ
キスト識別子と資源名の組を要素とする第2の資源要素
列と、その第2の資源要素列を処理するための手続き情
報である第2の実現要素列との組から構成される。変換
された第1または第2の資源実現表現は、端子7−1〜
7−nから名前解決部4に出力される。
【0063】名前解決部4は、端子8〜10を有してい
る。端子8は、名前解決部4の出力端子であり、コンテ
キスト保持部1−1〜1−nのいずれかに資源の名前を
出力する。端子9は、名前解決部4の入力端子であり、
端子8からコンテキスト保持部1−1〜1−nに出力し
た資源の名前に対応する第1または第2の資源実現表現
を入力する。端子10は、名前解決部4の出力端子であ
る。端子10は、端子9に入力された第1の資源実現表
現のいずれかに対応する名前解決結果を出力する。すな
わち、名前解決部4は、各コンテキスト保持部1−1〜
1−nの端子7−1〜7−nから出力される第1または
第2の資源実現表現を端子9から受け取る。このとき、
第2の資源実現表現を受け取った場合には、第2の資源
実現表現に含まれる第2の資源要素列の資源名を、その
資源名に対応するコンテキスト識別子が示すコンテキス
ト保持部に対して端子8から出力する。資源名を出力し
たコンテキスト保持部からは、第1または第2の資源実
現表現が端子9に返される。このようにして、連鎖的に
コンテキスト保持部を適用することによって、第1の資
源実現表現が得られる。得られた第1の資源実現表現の
すべてあるいはいずれかに対応する名前解決結果が端子
10から出力される。
【0064】資源実現部5は、端子11,12を有して
いる。端子11は入力端子であり、名前解決部4から出
力された名前解決結果を入力する。端子12は出力端子
であり、名前解決部4から出力された名前解決結果に対
応する資源のハンドルを出力する。ユーザは、資源実現
部5の端子12から出力されるハンドルを用いることに
よって、入力した局所的な資源名に対応する仮想的な資
源に対してアクセス及び処理を行なうことが可能であ
る。
【0065】図2は、本発明の資源管理装置の第1の実
施の形態における第1の具体例を示す構成図である。図
中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略
する。21−1〜21−nは資源保持部、22は資源管
理部、23は通信部、24はコンテキスト管理部であ
る。この具体例で説明する資源管理装置は、M個の資源
保持部21−1〜21−M、資源管理部22、通信部2
3、コンテキスト管理部24、N個のコンテキスト保持
部1−1〜1−N、名前解決部4、資源実現部5により
構成される。
【0066】資源保持部21−1〜21−nは、それぞ
れ、実資源を保持するとともに、資源識別子res−1
〜res−Mが付与されている。資源管理部22は、資
源保持部21−1〜21−Mが保持している資源を、大
域的に、または特定の計算機システムに局所的に管理し
ている。通信部23は、資源管理部22とコンテキスト
管理部24との間の通信、および、その他の計算機シス
テムとの通信を行なう。
【0067】コンテキスト管理部24は、コンテキスト
保持部1−1〜1−Nを管理するとともに、名前解決部
4、資源実現部5を用いて名前の解決およびハンドルの
取得を行なう。この具体例では、コンテキスト保持部1
−1〜1−Nのコンテキスト識別子ctxt−1〜ct
xt−Nと、コンテキスト保持部1−1〜1−Nに通信
を行なうハンドルであるポートの番号を組にして、表で
管理するように構成している。検索を行なう際には、表
をすべて走査して、検索すべきコンテキスト保持部のコ
ンテキスト識別子と一致する表のエントリを捜し、その
コンテキスト保持部のコンテキスト識別子を有するコン
テキスト保持部と通信を行なうハンドルを返すように実
現する。検索は単純な表でなくハッシュ表を用いたハッ
シュ検索として知られる検索方法を用いてもよい。ここ
では、コンテキスト管理部24は、コンテキスト識別子
からコンテキスト保持部に通信を行なうハンドルが得ら
れればよいので、例えば、コンテキスト識別子として文
字列または番号と、ハンドルの識別子として番号を対応
づけて管理し、コンテキスト識別子による検索機能を提
供するデータベースであれば、どのように実現してもよ
い。
【0068】コンテキスト保持部1−1〜1−Nも、そ
れぞれコンテキスト識別子ctxt−1〜ctxt−N
を保持しており、名前解析部2−1〜2−Nと名前変換
部3−1〜3−Nから構成される。
【0069】名前解析部2−1〜2−Nは、例えば、名
前の字句解析や構文解析を行ない、解析木を名前解析結
果として、出力するように構成することができる。字句
解析や構文解析のアルゴリズムは、例えば、A.V.A
ho,R.Sethi,J.D.Ullman著,“C
ompilers”,Addison−WesleyP
ublishing社,1986の第1章から第4章ま
でに説明されている。あるいは、入力された全ての名前
を名前解析結果として、そのまま名前変換部に出力する
ように構成することもできる。以下の具体的な動作の説
明では、後者の構成を有するものとして説明する。
【0070】名前変換部3−1〜3−Nは、入力された
名前に対して資源要素列と実現要素列のペアである資源
実現表現を出力する。名前変換部3−1〜3−Nの構成
としては、例えば、名前と資源要素列と実現要素列の組
を表として管理し、入力された名前から表を引くことに
よって資源要素列と実現要素列を得て、組にして資源実
現表現を生成し、出力するように構成することができ
る。
【0071】資源実現表現の実現要素列の要素は、所定
の種類の資源のハンドルを生成することと、その資源の
ハンドルから所定の操作の指示を受けることと、その資
源のハンドルからデータを入力または出力をすることと
ができる手続きである。さらに、手続きの入力に資源実
現表現で与えられた資源識別子を与え、その資源識別子
で定まる資源に対して所定の操作を施すこと、資源識別
子で与えられる資源に対してデータを入力または出力す
ること、所定のメモリの内容を参照すること、所定のメ
モリの内容を変更すること、任意のデータの処理のいず
れかまたは複数を組み合わせて実現される手続きの名前
または識別子であってよい。
【0072】図3は、本発明の第1の実施の形態の第1
の具体例における名前変換部で用いられる資源要素列と
資源実現表現の対応表の一例の説明図である。図3で
は、name1,name2,name3,name4
の4つの名前を表のエントリとする対応表を示してい
る。この表では、名前name1は、資源識別子res
−1の資源と資源識別子res−2の資源と手続きco
ncatで実現されることを表わしている。同様に、名
前name2は、資源識別子res−1の資源と資源識
別子res−3の資源と手続きconcatで実現さ
れ、名前name3は、資源識別子res−1の資源と
手続きarchiveと手続きunarchiveで実
現され、名前name4は、資源識別子がres−2の
資源と手続きcryptと手続きdecryptで実現
されることを表わしている。
【0073】以下の説明では、名前変換部3−1は、入
力された名前name1に対して、資源要素列{res
−1,res−2}と実現要素列{concat}のペ
アである資源実現表現<{concat},{res−
1,res−2}>を出力し、入力された名前が名前n
ame1以外であったら空の資源実現表現{}を返すも
のとする。ここで、concatは連結を行なう手続の
名前である。
【0074】上述の資源実現表現<{concat},
{res−1,res−2}>は、名前name1に対
する資源が、資源識別子res−1と資源識別子res
−2でそれぞれ与えられる資源を、手続きconcat
の第1の引数と第2の引数として与えて得られる資源を
意味する。
【0075】例えば、資源識別子res−1と資源識別
子res−2が示す資源は通常のファイルであって、ハ
ンドルはUNIXオペレーティングシステムのソケット
であって、手続きconcatは2つのファイルを読み
書きしたデータを前記ソケットを使って、やりとりする
プロセスとして実現できる。この例では、手続きcon
catは、ソケットを、名前name1を有する資源に
対応するハンドルとして生成するように実現する。ま
た、名前name1の資源に対するオープン指示を契機
として、名前の解決が行なわれた結果、手続きconc
atでハンドルが生成される。
【0076】加えて、手続きconcatが生成したハ
ンドルに対して、例えば、読み出しの操作を適用する
と、手続きconcatは、第1の引数に与えられたフ
ァイルの内容と第2のファイルの内容を連結した内容を
読み出すように働く。また、手続きconcatは、ハ
ンドルに対して、例えば、書込みの操作を適用すると、
先頭から所定のバイト数だけのデータを資源識別子re
s−1を有する資源に書き込み、残りは資源識別子re
s−2を有する資源に書き込むように動作する。この例
では、単純に引数の2つのファイルの内容を前半部分と
後半部分として連結するものとしているが、複数のファ
イルを、如何なる形で連結するように実現してもよい。
【0077】図4ないし図6は、手続きconcatの
動作の一例を示すフローチャートである。まず、S31
において、引数のファイルをすべてオープンし、オープ
ンが成功したらソケットを一つ生成する。S32におい
て、第1の引数のファイルから順にすべてのファイルに
ついてデータをキャッシュである配列Rに読み込む。S
33において、配列Rの要素をアクセスするためのポイ
ンタPを配列Rの第1の要素を指すように初期化する。
また、S34において、ポインタQを配列Rの最後の要
素を示すように初期化する。
【0078】S35において、ソケットに対する操作を
待つ。操作が行なわれたとき、S36において、行なわ
れた操作を判定し、それぞれの処理を行なう。ソケット
に対する操作が読み出しであれば、S37において、読
み出し処理を行なう。この読み出し処理は、図5に示し
ている。図5のS51において、ポインタPがファイル
の終末を指しているか否かを判定し、ファイルの終末を
指していれば、S52で読み出すべきデータがない旨を
ソケットに出力する。S51においてポインタPがファ
イルの終末でなければ、S53でポインタPが示す配列
Rの要素のデータをソケットに出力する。そして、図4
のS41へ進む。
【0079】ソケットに対する操作が書込みであれば、
S38において、書き込み処理を行なう。この書き込み
処理は、図6に示している。図6のS54において、ポ
インタPがファイルの終末を指しているか否かをさらに
判定する。ポインタPがファイルの終末を指していれ
ば、S55において、配列Rの最後の要素の次に空の要
素を設け、ポインタPとポインタQが新たに設けた最後
の要素を指すようにする。そして、S56において、ポ
インタPが示す配列の要素にソケットから書き込まれた
データを書き込む。S54においてポインタPがファイ
ルの終末でないと判定された時には、S57において、
ポインタPが示す配列の要素にソケットから書き込まれ
たデータを書き込む。そして、図4のS41へ進む。
【0080】ソケットに対する操作が終了(クローズ)
であれば、S39において配列Rの最初の要素から順
に、データを、所定の量ごとに第1の引数のファイルか
ら始まって、引数に現れる順に書込みを行なうことで、
キャッシュをフラッシュする。そして、S40におい
て、すべてのファイルをクローズし、処理を終了する。
【0081】S41において、ポインタPがポインタQ
と等しいか否かを判定し、等しければS42においてポ
インタPにファイルの終末を示す値を設定する。等しく
なければ、S43においてポインタPが次の要素を示す
ように設定する。そして、S35へ戻り、処理を繰り返
す。
【0082】この実施の形態では、concatで生成
されるハンドルは、読み出しと書込みの両方の操作が可
能であるように説明したが、いずれか片方のみ可能であ
るように実現してもよい。また読み出しと書込み以外の
ファイル操作が可能であるようにしてもよい。例えば、
オープン処理やクローズ処理のほかに、シーク処理が可
能であるように実現してもよい。
【0083】名前解決部4は、資源実現表現を入力し
て、入力した資源実現表現にコンテキスト保持手段識別
子と名前の組が含まれていれば、その組を構成するコン
テキスト保持手段の識別子で定まるコンテキスト保持部
に、組を構成する名前を出力して、組を構成する名前に
対する第2の資源実現表現を得る。次に、得られた第2
の資源実現表現で、組を置き換える。このようにして、
資源実現表現にいかなるコンテキスト保持手段識別子も
含まれなくなるまで繰り返し、または再帰的に資源実現
表現に含まれるコンテキスト保持部の識別子と名前の組
について、第2の組を第3の資源実現表現で置き換え、
さらに第3の組を第4の資源実現表現・・・第n−1の
組を第nの資源実現表現というように、順に置き換えて
最終的にコンテキスト保持手段の識別子と名前の組を含
まない名前解決結果を得る。
【0084】図7は、本発明の第1の実施の形態の第1
の具体例における名前解決部4の動作の一例を示すフロ
ーチャートである。まず、S61において、引数の資源
実現表現にコンテキスト識別子Cと名前Nの組<C;N
>が含まれているか否かを判定し、含まれていれば、次
のS62ないしS66の処理を行なう。S62におい
て、コンテキスト管理部24にコンテキスト識別子Cを
入力して、識別子CのハンドルHCを得る。そして、S
63において、得られたハンドルHCに名前Nを入力
し、S64において、ハンドルHCから名前Nに対応す
る資源実現表現RNを得る。得られた資源実現表現RN
について、S65でこの名前解決部4の処理を再帰的に
実行する。S66において、組<C;N>をS65で得
られた名前解決結果Iで置き換える。
【0085】S67において、S66で置換えを行なっ
た結果得られた資源実現表現を名前解決結果として返
す。S61で組<C;N>が含まれていなかった場合、
すなわち置換えがなかった場合は、引数の資源実現表現
をそのまま名前解決結果として返す。
【0086】以下、第1の実施の形態における第1の具
体例の動作の一例について説明する。ここでは、通信部
23に対して、コンテキスト識別子ctxt−1を指定
して名前name1に対する解決要求を行なう場合の動
作を示す。通信部23は、コンテキスト識別子ctxt
−1での名前name1の解決要求を受け取ると、コン
テキスト管理部24に対して、コンテキスト管理部24
が保持管理するコンテキスト保持部1−1〜1−Nの中
から、コンテキスト識別子がctxt−1であるコンテ
キスト保持部を検索するように要求する。
【0087】コンテキスト管理部24は、コンテキスト
識別子としてctxt−1を保持しているコンテキスト
保持部を検索する。上述のように、コンテキスト管理部
24は、コンテキスト保持部のコンテキスト識別子とコ
ンテキスト保持部に通信を行なうハンドルであるポート
の番号を組にして、表で管理している。この表を参照す
ることによって、ここではコンテキスト識別子ctxt
−1に対応して保持されているコンテキスト保持部1−
1に通信を行なうハンドルであるポートの番号が得られ
る。以下の説明では、得られたポートの番号をハンドル
と呼ぶことがある。
【0088】このようにして、通信部23はコンテキス
ト管理部24に名前name1を入力し、コンテキスト
保持部1−1に対するハンドルを得る。次に、得られた
ハンドルを用いて、コンテキスト保持部1−1に名前解
決処理を要求する。コンテキスト保持部1−1は、名前
解析部2−1に対して名前name1を入力し、解析す
るよう要求する。名前解析部2−1に入力された名前n
ame1は、そのまま名前変換部3−1に出力される。
【0089】名前変換部3−1は、入力された名前na
me1に対して資源要素列{res−1,res−2}
と、実現要素列{concat}のペアである資源実現
表現<{concat},{res−1,res−2}
>を出力し、コンテキスト管理部24に返す。
【0090】コンテキスト管理部24は名前変換部3−
1から返された資源実現表現<{concat},{r
es−1,res−2}>を名前解決部4に入力する。
この例では、資源実現表現<{concat},{re
s−1,res−2}>の中にコンテキスト識別子が含
まれていないため、名前解決部4は入力された資源実現
表現をそのまま名前解決結果として返す。
【0091】資源実現部5は、名前解決結果<{con
cat},{res−1,res−2}>を入力し、手
続きconcatをプロセスとして起動し、手続きco
ncatで生成したハンドルに対してハンドル識別子h
1を割り当て、ハンドル識別子h1をコンテキスト管理
部24に出力する。コンテキスト管理部24は、通信部
23を通じて名前name1とハンドルh1を対応付け
て、名前name1の解決要求を発行したクライアント
にハンドルh1を返す。クライアントは、ハンドルh1
を用いてデータの読み込みの操作や書込み等の操作を行
なう。
【0092】上述のように、ユーザは名前name1に
対して、ファイルres−1とファイルres−2を結
合して得られるような架空のファイルと同等の性質を有
する局所的な資源に対して、名前name1という局所
名を与えて、名前name1があたかも実在する単一の
ファイルであるかのように取り扱うことができる。
【0093】上述のように、第1の実施の形態の資源管
理装置は、名前変換部が実現要素列を含む資源実現表現
を出力するように構成しているので、ユーザは局所的な
資源として、例えば、コンテキスト保持部1に「nam
e1 はres−1とres−2 を手続きconca
t で連結して得られる資源」として設定できる。この
ように、ユーザが望む性質を有する資源を局所的に実現
することができるので、この第1の実施の形態における
資源管理装置は、前述した問題点を解決するものとなっ
ている。
【0094】次に本発明の第1の実施の形態における第
2の具体例について説明する。この第2の具体例の構成
は、第1の具体例に加えて、第2のコンテキスト保持部
を有していることを除いて第1の具体例と同じである。
第2のコンテキスト保持部は、図2に示した構成のう
ち、コンテキスト保持部1−1〜1−Nと同様の構成で
あり、コンテキスト管理部24によって管理される。す
なわち、図2に示したコンテキスト保持部1−1〜1−
Nのうちの一部のコンテキスト保持部を第2のコンテキ
スト保持部とすればよい。ここでは、コンテキスト保持
部1−2が第2のコンテキスト保持部であるものとして
説明する。また、具体的に、名前name2が“nam
e1.Z”の文字列であって、“name1.Z”で読
み出しアクセスすると、名前name1の資源が所定の
圧縮伸張方式で伸張された結果が読み出され、また、
“name1.Z”の名前で書込みアクセスすると所定
の圧縮伸張方式で圧縮された結果が名前name1の資
源に書き込まれるように動作する例について説明する。
【0095】第2のコンテキスト保持部であるコンテキ
スト保持部1−2の名前解析部2−2は、入力された第
2の名前name2を字句解析または構文解析によって
解析し、記号“.”で名前“Z”と名前“name1”
に分割する。そして、名前“Z”と名前“name1”
を名前変換部3−2に出力する。
【0096】図8は、本発明の第1の実施の形態の第2
の具体例における第2のコンテキスト保持部の名前変換
部で用いられる対応表の一例の説明図である。名前変換
部2−2は、図8に示すような対応表を有している。図
8に示す対応表には、名前“Z”と、手続きcompr
essからなる資源実現要素{compress}と、
コンテキスト識別子ctxt−1が対応づけられてい
る。
【0097】名前変換部3−2は、名前解析部2−2か
ら入力された名前“Z”で図8に示す対応表を引いて、
資源実現要素{compress}と、コンテキスト識
別子cntx−1を得て、資源実現表現<{compr
ess},{<ctxt−1,name1>}>を出力
する。この資源実現表現によって、名前“name1.
Z”は、コンテキスト識別子cntx−1の局所名na
me1で表わされる資源と手続きcompressによ
って実現される、局所的な資源を示すことができる。
【0098】資源実現表現<{compress},
{<ctxt−1,name1>}>は、名前解決部4
に渡される。名前解決部4は、第1の具体例と同様に動
作する。すなわち、図7に示すフローチャートに従って
動作する。この場合、資源実現表現の中にコンテキスト
識別子と名前の組を有している。そのため、図7のS6
2〜S66の処理が実行される。この処理において、コ
ンテキスト識別子ctxt−1を有するコンテキスト保
持部1−1が呼び出され、名前name1の解決が行な
われる。例えば、コンテキスト保持部1−1が上述の第
1の具体例のように資源実現表現<{concat},
{res−1,res−2}>を返すとすれば、資源実
現表現中の{<ctxt−1,name1>}がこの資
源実現表現で置き換えられ、名前解決部4の名前解決結
果として<{compress},{<{conca
t},{res−1,res−2}>}>が出力され
る。また、資源実現部5は、この名前解決結果を受け、
手続きcompressを起動する。資源実現部5の動
作は、上述の第1の具体例における手続きconcat
に代えて手続きcompressを起動する以外は、第
1の具体例と同様である。
【0099】以上のように、ユーザは名前name2に
対して、読み出し時には名前name1が表わす資源の
データに対して所定の方式で伸張されたデータが読みだ
され、書込み時には書き込んだデータを所定の方式で圧
縮して、名前name1が表わす資源のデータに書込む
ような性質を有する局所的な資源に対して、名前nam
e2という局所名を与えて、名前name2があたかも
実在する単一のファイルであるかのように取り扱うこと
ができる。
【0100】このように、第1の実施の形態の資源管理
装置では、コンテキスト保持部を複数有することができ
るので、名前name1を含む文字列である名前nam
e2を解決可能なコンテキスト保持部が、名前name
1を含まない部分を解決し、残りを名前name1を解
決可能なコンテキスト保持部が解決するように構成する
ことで、階層的に名前解決が行なわれるよう構成するこ
とができる。これにより、例えば、コンテキスト保持部
2に「名前name2はコンテキスト識別子cntx−
1の名前name1を手続きcompressで圧縮し
て得られる資源」として設定することができる。このよ
うにして、ユーザが望む性質を有する資源を階層的に設
計を行ない、局所的に実現することができるので、前述
のような資源管理方式の問題点を解決することができ
る。また、この構成では、名前解決のデザインが階層的
にできるので名前空間の設計が容易となり、既存のコン
テキスト保持部を用いるように新しいコンテキスト保持
部を構成でき、名前空間の再利用が容易である。
【0101】次に、本発明の第1の実施の形態における
第3の具体例について説明する。この第3の具体例にお
ける構成および動作は、第1の具体例とほぼ同様であ
る。この具体例では、内挿外挿の処理を行なう手続きを
組み合わせて名前の解決を行なう例を説明する。ここで
は、名前は“データ名−解像度”で表わされているもの
とする。解像度は任意の正の実数を表わす文字列である
とする。
【0102】以下の説明では、データ名はname3で
あって、画像データを表わすものとする。この画像デー
タの解像度は175.1とする。すなわち、入力する資
源名は、“name3−175.1”である。また、資
源res−1は画像データであって、解像度が1インチ
(=25.4mm。以下同じ)あたり400ピクセルで
スキャン入力されたものとする。さらに、資源res−
2も画像データであって、解像度が1インチあたり10
0ピクセルでスキャン入力されたものとする。
【0103】この第3の具体例においては、コンテキス
ト保持部1−3が呼び出されるものとする。コンテキス
ト保持部1−3内の名前解析部2−3は、上述の第2の
具体例と同様に、入力された名前を字句解析または構文
解析によって解析する。ここでは、区切り記号“.”に
変えて記号“−”より左側の文字列と右側の文字列に分
離する。
【0104】図9は、本発明の第1の実施の形態の第3
の具体例における名前変換部で用いる対応表の一例の説
明図である。名前変換部3−3は、例えば、図9に示す
ような対応表を有している。図9に示す対応表では、名
前name1に対応して資源実現要素列interpo
late_300_100および資源要素列res3,
res2が、名前name2に対応して資源実現要素列
interpolate_800_100および資源要
素列res4,res2が、名前name3に対応して
資源実現要素列interpolate_400_10
0および資源要素列res1,res2が、それぞれ登
録されている。
【0105】名前変換部3−3は、名前name3と実
数を表わす文字列“175.1”の組を受け取って、図
9に示すような対応表を用い、名前name3から、手
続きinterpolate_400_100と、資源
識別子res−1と、資源識別子res−2を得る。結
果として、名前変換部3−3は、資源識別表現<{in
terpolate_400_100(175.
1)},res−1,res−2>が出力される。ここ
でinterpolate_400_100(175.
1)は、1インチあたり400ピクセルと1インチあた
り100ピクセルの画像から内挿処理によって、1イン
チあたり175.1ピクセルの解像度の画像を内挿処理
によって構成する手続きであるとする。解像度を表わす
文字列“175.1”は、入力された名前から定まる文
字列であるので、手続きinterpolate_40
0_100の引数として手続きinterpolate
_400_100に入力するように構成するものとす
る。また、手続き名の中の“400”や“100”等の
解像度を表わす文字列も、手続きinterpolat
eの引数として手続きinterpolateに入力す
るように構成してもよい。
【0106】名前解決部4は、第1の具体例と同様に動
作する。また、資源実現部5は、手続きinterpo
late_400_10を起動する際に、引数として1
75.1を入力することを除いて、第1の具体例の資源
実現部5と同様に動作する。
【0107】このように、この第3の具体例では、名前
の一部を引数として手続きに与えるので、コンテキスト
保持部は、無限個の数のそれぞれ相異なる名前を解決す
ることができる。したがって、無限個のメンバを有する
グループや、コンピュータにおけるデータの表現精度が
許す限り、実数に対応するような連続性を有する名前を
近似的にメンバとして取り扱うグループを構成すること
ができる。ここで、連続性を有する名前をメンバに持つ
とは、例えば、A−100.1とA−100.2の間の
100.1<x<100.2を満たす解像度xによって
構成される名前A−100.xをもメンバに持ち、解決
可能であることを意味する。
【0108】その結果、名前と手続きを組み合わせて管
理する際に、無限個のメンバを有するグループを実現で
きないという従来の問題点を解決している。加えて、連
続性を有する名前の中から個々のユーザに必要な性質を
持つ名前を選んで解決できるように構成することで、個
々のユーザのアクセス方法の嗜好や意図を反映したユー
ザごとに局所的なグループ資源を含む、資源アクセスの
ための名前空間を提供する柔軟性の高い分散システムを
具現化するものとなっている。
【0109】第3の具体例の最後に、手続きinter
polate_400_100の処理の一例を示す。図
10は、手続きinterpolate_400_10
0の処理の一例を示すフローチャートである。ここで、
手続きinterpolate_400_100は、
“interpolate_400_100(Para
m1)(ARG1,ARG2)”の形式を取るものとす
る。
【0110】S71において、引数のファイルARG
1,ARG2をすべてオープンし、オープンが成功した
らソケットを一つ生成する。S72において、第1の引
数のファイルから順にすべてのファイルについてデータ
をキャッシュである2次元配列R400[x][y]と
R100[X][Y]に読み込む。
【0111】S73〜S76において、配列D[u]
[v]を生成する。まず、S73において、u=0,v
=0とし、uとvについて、Param1ステップごと
に、int(u*100/Param1)+1がXの最
大値を越えないすべてのuおよびint(v*100/
Param1)+1がYの最大値を越えないすべてのv
の組み合わせについて、Param1の値に従ってS7
4〜S76におけるD[u][v]の計算を選択する。
ここで、int(x)はxの整数部分、frac(x)
はxの小数部分であるとする。
【0112】100<Param1<400であると
き、S74において、 D[u][v]=(1−(Param1−100)/
(400−100)){(1−frac(u*100/
Param1))*(1−frac(v*100/Pa
ram1))*R100[int(u*100/Par
am1)][int(v*100/Param1)+
1]+frac(u*100/Param1)*(1−
frac(v*100/Param1))*R100
[int(u*100/Param1)+1][int
(v*100/Param1)]+(1−frac(u
*100/Param1)*frac(v*100/P
aram1)*R100[int(u*100/Par
am1)][int(v*100/Param1)+
1]+frac(u*100/Param1)*fra
c(v*100/Param1)*R100[int
(u*100/Param1)+1][int(v*1
00/Param1)+1]+(Param1−10
0)/(400−100)*{(1−frac(u*4
00/Param1))*(1−frac(v*400
/Param1))*R400[int(u*400/
Param1)][int(v*400/Param
1)+1]+frac(u*400/Param1)*
(1−frac(v*400/Param1))*R4
00[int(u*400/Param1)+1][i
nt(v*400/Param1)]+(1−frac
(u*400/Param1))*frac(v*40
0/Param1)*R400[int(u*400/
Param1)][int(v*400/Param
1)+1]+frac(u*400/Param1)*
frac(v*400/Param1)*R400[i
nt(u*400/Param1)+1][int(v
*400/Param1)+1] を計算する。
【0113】Param1≧400のとき、S75にお
いて、 D[u][v]=(1−frac(u*400/Par
am1))*(1−frac(v*400/Param
1))*R400[int(u*400/Param
1)][int(v*400/Param1)+1]+
frac(u*400/Param1)*(1−fra
c(v*400/Param1))*R400[int
(u*400/Param1)+1][int(v*4
00/Param1)]+(1−frac(u*400
/Param1))*frac(v*400/Para
m1)*R400[int(u*400/Param
1)][int(v*400/Param1)+1]+
frac(u*400/Param1)*frac(v
*400/Param1)*R400[int(u*4
00/Param1)+1][int(v*400/P
aram1)+1] を計算する。
【0114】0<Param1≦100のとき、S76
において、 D[u][v]=(1−frac(u*100/Par
am1))*(1−frac(v*100/Param
1))*R100[int(u*100/Param
1)][int(v*100/Param1)+1]+
frac(u*100/Param1)*(1−fra
c(v*100/Param1)*R100[int
(u*100/Param1)+1][int(v*1
00/Param1)]+(1−frac(u*100
/Param1))*frac(v*100/Para
m1)*R100[int(u*100/Param
1)][int(v*100/Param1)+1]+
frac(u*100/Param1)*frac(v
*100/Param1)*R100[int(u*1
00/Param1)+1][int(v*100/P
aram1)+1] を計算する。
【0115】S77において、u=0,v=0とし、S
78において、ソケットに対する操作を待つ。S79に
おいて、ソケットに対する操作が何かを判定する。ソケ
ットに対する操作が読み出しであれば、S80におい
て、uがuの最大値を越えていたらu=0として、vを
1進める。また、S81において、vがvの最大値を越
えていたらEOF(end of file)を発生
し、S78へ戻って処理を繰り返す。さらに、S82に
おいて、D[u][v]をソケットに出力して、uを1
進める。そして、S78へ戻って処理を繰り返す。
【0116】ソケットに対する操作が書込みであれば、
S83において、書込不可のエラーを出力して終了す
る。ソケットに対する操作が終了(クローズ)であれ
ば、そのまま終了する。
【0117】図11は、本発明の資源管理装置の第2の
実施の形態を示すブロック図である。図中、図1と同様
の部分には同じ符号を付して説明を省略する。4−1〜
4−nは名前解決部、5−1〜5−nは資源実現部、8
−1〜8−n,9−1〜9−nは端子である。この第2
の実施の形態では、第1の実施の形態における名前解決
部4および資源実現部5を、それぞれのコンテキスト保
持手段に設けている。この第2の実施の形態では、コン
テキスト保持部1−1からコンテキスト保持部1−nま
でのn個のコンテキスト保持部から構成されている。コ
ンテキスト保持部は1個でもよく、一般的には任意個の
コンテキスト保持部から構成してよい。
【0118】コンテキスト保持部1−1〜1−nは、そ
れぞれ固有のコンテキスト識別子を有しており、それぞ
れ、端子6−1〜6−nおよび端子7−1〜7−nを有
している。端子6−1〜6−nは、それぞれ、コンテキ
スト保持部1−1〜1−nの入力端子である。端子6−
1〜6−nには、資源の名前が入力される。また、端子
7−1〜7−nは、それぞれ、コンテキスト保持部1−
1〜1−nの出力端子である。端子7−1〜7−nに
は、この第2の実施の形態では、それぞれ、端子6−1
〜6−nに入力された資源の名前に対応する資源のハン
ドルが出力される。
【0119】また、この第2の実施の形態におけるコン
テキスト保持部1−1〜1−nは、名前解析部2−1〜
2−nと、名前変換部3−1〜3−nと、名前解決部4
−1〜4−nと、資源実現部5−1〜5−nがそれぞれ
設けられている。名前解析部2−1〜2−nおよび名前
変換部3−1〜3−nは、第1の実施の形態と同様であ
る。
【0120】名前解決部4−1〜4−nは、端子8−1
〜8−nおよび端子9−1〜9−nを有している。端子
8−1〜8−nは、それぞれ名前解決部4−1〜4−n
の出力端子であり、コンテキスト保持部1−1〜1−n
のいずれかに資源の名前を出力する。端子9−1〜9−
nは、それぞれ名前解決部4−1〜4−nの入力端子で
あり、それぞれ出力端子8−1〜8−nからコンテキス
ト保持部1−1〜1−nに出力した資源の名前に対応す
る資源のハンドルを入力する。すなわち、各名前解決部
4−1〜4−nは、各名前変換部3−1〜3−nから受
け取った資源実現表現中にコンテキスト識別子が含まれ
ているとき、そのコンテキスト識別子が示すコンテキス
ト保持部に対して、出力端子8−1〜8−nから資源名
を出力し、対応するハンドルを端子9−1〜9−nから
受け取る。このようにして、資源実現表現中にコンテキ
スト識別子が含まれなくなるまで、連鎖的にコンテキス
ト保持部を適用する。得られた資源実現表現のすべてあ
るいはいずれかに対応する名前解決結果が資源実現部5
−1〜5−nに出力される。
【0121】資源実現部5−1〜5−nは、名前解決部
4−1〜4−nから出力された名前解決結果を入力し、
入力した名前解決結果に対応する資源のハンドルを端子
7−1〜7−nから出力する。ユーザは、端子7−1〜
7−nから出力されるハンドルを用いることによって、
入力した局所的な資源名に対応する仮想的な資源に対し
てアクセス及び処理を行なうことが可能である。
【0122】図12は、本発明の第2の実施の形態にお
ける第1の具体例を示す構成図である。図中、図11と
同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。91
は資源管理部、92−1〜92−nは資源属性保持部、
93はグループ管理部、94−1〜94−mはグループ
属性保持部である。この具体例では、局所的な名前を付
与した局所的なグループを、個々のユーザが定めた対応
表に従って提供することによって、ユーザの指向や意図
を反映した局所的なファイルシステムを実現する例につ
いて説明する。
【0123】この具体例で説明する局所的なグループ
は、局所的なディレクトリである。局所的なディレクト
リを有するファイルシステムは、資源管理部91とグル
ープ管理部93によって構成される。また、この実施の
形態では、資源はファイルとディレクトリである。ファ
イルは資源属性保持部92−1〜92−nで提供されて
いる。各資源属性保持部92−1〜92−nは、それぞ
れ一意に識別できる資源識別子と、ファイルの内容であ
る資源データを保持する。資源識別子は、資源に対する
操作が適用できるハンドルである。資源属性保持部92
−1〜92−nで提供される資源はファイルであるか
ら、ファイルのハンドルには、例えば、ファイルのオー
プンやリードやライトやクローズの操作が提供できる。
【0124】この具体例では、資源は大域的にまたは特
定の計算機システムに局所的に資源管理部91で管理さ
れる。資源管理部91は、n個の資源属性保持部92−
1〜92−nと、図示しない手続き適用部を有し、外部
やグループ管理部93との通信を行なう。
【0125】m個のグループ属性保持部94−1〜94
−mは、図11におけるコンテキスト保持部1−1〜1
−nに対応するものであり、それぞれ、グループ識別子
−1〜m、名前解析部2−1〜2−m、名前変換部3−
1〜3−m、名前解決部4−1〜4−m、資源実現部5
−1〜5−mを有している。グループ識別子−1〜m
は、コンテキスト識別子に対応するものである。各グル
ープ属性保持部94−1〜94−nは、それぞれグルー
プ管理部93で一意に識別される。グループ管理部93
は、グループ属性保持部94−1〜94−mを識別し、
保持し、管理する。
【0126】グループ識別子−1〜nは、これらのグル
ープ識別子からコンテキストが解決可能な名前の部分集
合をメンバとするグループを生成し、局所的なグループ
を実現するように構成されることを示している。ここで
は、グループに操作を適用するハンドルによって、グル
ープとして振る舞うための手続きを含んで構成してい
る。これに限らず、グループ識別子がグループに操作を
適用するハンドルを兼ねるように実現してもよい。グル
ープ識別子が表わすハンドルに適用されるリストメンバ
に対して、名前変換表のエントリから名前を取り出し
て、解決可能な名前のリストを出力するか、解決可能な
名前の集合を表わす言語にもとづく文字列を出力するよ
うに、グループ属性保持手段を実現すればよい。
【0127】以下、具体的な動作の一例を説明する。こ
こでは、木構造を構成するファイルシステムにおいて、
局所的な名前を有する局所的な木構造を、個々のユーザ
ごとに生成して提供する場合の動作を説明する。
【0128】図13は、局所的なファイルシステムの説
明図である。いま、図13(A)に示すような木構造を
有するディレクトリを考える。例えば、“/G別/1G
/月報”というパス名でストアされている資源と、“/
G別/2G/月報”というパス名でストアされている資
源とは、通常、明確に区別されており、従来のファイル
システムでは、1つの資源として扱うことはできない。
しかし、場合によっては、これらの複数の資源をあたか
も1つの資源として取り扱いたい場合もある。この第1
の具体例では、このような場合に、資源をグループ化し
て取り扱う例を示す。
【0129】図14は、本発明の第2の実施の形態の第
1の具体例における資源管理部の一例を示す構成図であ
る。図13に示した例に対応した資源管理部91を図1
4に示している。資源属性保持部92−1〜92−4
は、それぞれ、資源識別子「1G月報」、「1G計
画」、「2G月報」、「2G特許」と、資源データDA
TA1G月報、DATA1G計画、DATA2G月報、
DATA2G特許を保持している。
【0130】図15は、本発明の第2の実施の形態の第
1の具体例におけるグループ管理部の一例を示す構成
図、図16は、同じく名前変換部に保有される対応表の
一例の説明図である。図13に示した例に対応したグル
ープ管理部93を図15に示している。グループ管理部
93は、グループ属性保持部94−0〜94−3を有し
ている。グループ属性保持部94−0〜94−3は、そ
れぞれ、グループ識別子−1〜3である「/」、「G
別」、「1G」、「2G」と、名前解決部2−0〜2−
3、名前変換部3−0〜3−3、名前解決部4−0〜4
−3、資源実現部5−0〜5−3を保持する。
【0131】名前解析部2−0〜2−3は、記号“/”
を含む文字列の名前が入力された場合に、適当な記号
“/”より左側の文字列と、記号“/”を含む右側の文
字列に分解するように動作する。
【0132】名前変換部3−1は、図16(A)に示す
ような対応表を保持している。そして、この対応表を参
照することによって、名前の変換を行なう。この対応表
は、“1G”という名前が入力されると、グループ識別
子「1G」を出力し、“2G”という名前が入力される
と、グループ識別子「2G」を出力する。
【0133】同様に、名前変換部3−2は、図16
(B)に示すような対応表を保持しており、この対応表
を参照することによって名前の変換を行なう。この対応
表は、“月報”という名前が入力されると、グループ識
別子「1G月報」を出力し、“計画”という名前が入力
されると、グループ識別子「1G計画」を出力する。
【0134】名前変換部3−3は、図16(C)に示す
ような対応表を保持しており、この対応表を参照するこ
とによって名前の変換を行なう。この対応表は、“月
報”という名前が入力されると、グループ識別子「2G
月報」を出力し、“特許”という名前が入力されると、
グループ識別子「2G特許」を出力する。
【0135】名前変換部3−0は、図16(D)に示す
ような対応表を保持しており、この対応表を参照するこ
とによって名前変換を行なう。この対応表は、“G別”
という名前が入力されると、グループ識別子「G別」を
出力する。
【0136】この具体例における名前変換部は、対応表
を参照して名前解決表現を出力するように実現したが、
ハッシュ表や、連想配列やリンクドリストやリレーショ
ナルデータベースを用いて名前変換を行なってもよい。
一般的には文字列と番号の対応関係を保持し、検索が可
能ないずれの実現手段を用いて実現してよい。
【0137】ユーザが“/G別/1G/月報”というパ
ス名で指定される資源にアクセスする時、グループ属性
保持部94−0を示すグループ識別子“/”と名前“/
G別/1G/月報”から生成される組<“/”,“/G
別/1G/月報”>を、グループ属性保持部94−0に
入力するようグループ管理部93に依頼する。
【0138】グループ属性保持部94−0の名前解析部
2−0は、名前“/G別/1G/月報”を解析して、名
前“G別”と残りの変換名“/1G/月報”に分ける。
名前の解析は、名前付けルールに依存して行なわれる。
ここでは、パス名は記号“/”で区切った要素名の列で
あるとする。従って、名前の解析は次の区切り記号
“/”が現れるまでの文字列を調べることで実現でき
る。一般的には、名前の解析は、例えば、上述のA.
V.Aho,R.Sethi,J.D.Ullman
著,“Compilers”,Addison−Wes
ley Publishing 社,1986の第1章
から第4章までで説明される字句解析や構文解析によっ
て実現してよい。
【0139】名前変換部3−0は、名前“G別”を変換
し、グループ識別子「G別」を得る。加えて名前解析部
2−0から出力される変換名“/1G/月報”をグルー
プ識別子と組にして、一つの要素からなる資源要素列
{<「G別」,“/1G/月報”>}を出力する。
【0140】名前解決部4−0は、資源要素列{<「G
別」,“/1G/月報”>}にグループ識別子と名前の
組<「G別」,“/1G/月報”> が含まれているた
め、グループ識別子「G別」を有するグループ属性保持
部94−1に対して、名前“/1G/月報”の解決を依
頼する。
【0141】グループ属性保持部94−1は、名前解析
部2−1と名前変換部3−1と名前解決部4−1とを名
前解析部2−0と名前変換部3−0と名前解決部4−0
と同様に動作させる。その結果、名前解決部4−1は、
第2の資源要素列{<「1G」,“/月報”>}を得
る。この第2の資源要素列には、グループ識別子と名前
の組<「1G」,“/月報”>が含まれているため、グ
ループ識別子「1G」を有するグループ属性保持部94
−2に対して、名前“/月報”の解決を依頼する。
【0142】グループ属性保持部94−2は、名前解析
部2−2と名前変換部3−2と名前解決部4−2とを、
名前解析部2−0と名前変換部3−0と名前解決部4−
0と同様に動作させる。その結果、名前解決部4−2
は、一つの資源識別子「1G月報」からなる資源要素列
{「1G月報」}を得る。この資源要素列には、グルー
プ識別子と名前の組は含まれないので、これ以上他のグ
ループ属性保持部に解決を依頼することはない。
【0143】上述の動作において、資源識別子とグルー
プ識別子は区別可能であるものとしている。例えば、資
源識別子を区別するための特別な列を表に含めてもよい
し、識別子が番号や文字列であれば、特定の数より大き
な番号や、特定のアルファベットから始まる文字列は資
源識別子として、区別するように実現してもよい。
【0144】名前解決部4−2は、ファイル資源のハン
ドルである資源識別子「1G月報」を名前解決表現とし
て資源実現手段5−2に出力する。この場合は、手続き
が空であるので、名前解決表現における手続きを省略し
て説明している。
【0145】資源実現手段5−2は名前解決部4−2が
手続きを含む名前解決表現を入力した場合は、その手続
きを施した結果がファイル資源のハンドルに適用される
ような、新たなハンドルを生成する。この場合は、手続
きが空である名前解決表現が入力されるので、資源識別
子「1G月報」をそのまま出力している。
【0146】名前解決部4−1は、グループ識別子「1
G」を有するグループ属性保持部94−2に対して、名
前“/月報”の解決を依頼した。その依頼の結果とし
て、名前解決部4−1は、資源のハンドルである資源識
別子「1G月報」を受け取る。名前解決部4−1は、グ
ループ識別子と名前の組<「1G」,“/月報”>を資
源識別子「1G月報」に置き換えて、グループ識別子と
名前の組を一つも含まない名前解決表現{「1G月
報」}を得る。資源実現手段5−1は、資源実現手段5
−2と同様に、名前解決表現{「1G月報」}を入力し
て、資源識別子「1G月報」をそのまま出力する。
【0147】同様に、名前解決部4−0は、グループ識
別子「G別」であるグループ属性保持部94−1に対し
て、名前“1G/月報”の解決を依頼した。その結果と
して、資源のハンドルである資源識別子「1G月報」を
受け取る。名前解決部4−0は、グループ識別子と名前
の組<「G別」,“/1G/月報”>を資源識別子「1
G月報」に置き換えて、グループ識別子と名前の組を一
つも含まない名前解決表現{「1G月報」}を得る。資
源実現手段5−0は、資源実現手段5−2と同様に、名
前解決表現{「1G月報」}を入力して、資源識別子
「1G月報」をそのまま出力する。
【0148】その結果、ユーザは、グループ属性保持部
94−0から、名前“/G別/1G/月報”を解決した
結果として、資源識別子「1G月報」を得る。資源識別
子「1G月報」は、ファイルのハンドルであるので、ユ
ーザは、資源識別子「1G月報」によって、資源データ
DATA1G月報に対するファイルの操作が可能とな
る。
【0149】次に、名前“/G別/1G”が解決される
過程を説明する。グループ属性保持部94−0の名前解
析部2−0は、名前“/G別/1G”を解析して、名前
“G別”と残りの変換名“/1G”に分ける。名前変換
部3−0は、資源要素列{<「G別」,“/1G”>}
を出力する。名前解決部4−0は、グループ識別子「G
別」を有するグループ属性保持部94−1に対して、名
前“/1G”の解決を依頼する。
【0150】グループ属性保持部94−1の名前解析部
2−1は、名前“1G”とし、変換名を“”とする。名
前変換部3−1は、資源要素列{<「1G」,“”>}
を出力する。名前解決部4−1は、グループ識別子「1
G」を有するグループ属性保持部94−2に対して、名
前“”の解決を依頼する。
【0151】グループ属性保持部94−2の名前解析部
2−2は、空文字列の名前と空文字列の変換名“”を設
定する。名前変換部3−2は、空文字列の名前に対して
は、空の資源要素列を出力する。名前解決部4−2は、
名前解決表現{group}を得る。
【0152】ここで手続きgroupは、グループ資源
の操作を適用可能にする手続きである。ここでは、グル
ープ属性保持部の識別子を引数として、引数で指定され
たグループ属性保持部が解決可能な名前をメンバとす
る。そして、操作リストメンバが適用された時に、メン
バのリストを出力するグループ資源のハンドルを生成す
る。例えば、手続きgroupは、ディレクトリとして
取り扱う事ができる資源グループのハンドルとして、ソ
ケットを一つ生成する。次に、引数に示されたグループ
属性保持部の名前変換部が管理する、名前と資源要素列
の対応表のすべての行の名前の項目から名前リストを計
算する。手続きgroupは、コンテキストごとに異な
るものとしてもよいし、共通したメンバの管理方式の場
合には、複数のコンテキストで同じものを使うようにし
てもよい。ソケットに対して操作リストメンバが適用さ
れると、名前リストを出力する。
【0153】以上のように、この具体例では、コンテキ
ストがグループ資源として振る舞うことを実現する手続
きを、グループ資源を表わす局所的な名前と組にして名
前変換部の変換表として実現しておき、名前を解決して
いる。これにより、個々のユーザは名前変換部において
変換可能な名前を規定することで、ユーザが所望する資
源をメンバに有する局所的なグループを構成することが
できる。
【0154】したがって、上述の具体例は、既存のファ
イリングのグループの構造を変えられないという問題点
を解決し、個々のユーザのアクセス方法の嗜好や意図を
反映したユーザごとに局所的なグループ資源を有する資
源アクセスのための名前空間を提供する柔軟性の高い分
散システムを具現化するものとなっている。
【0155】次に、本発明の第2の具体例について説明
する。上述の図13に示した木構造のディレクトリを考
える。いま、図13(A)に示すような木構造を有する
ディレクトリにおいて、例えば、“/G別/1G/月
報”というパス名でストアされている資源データDAT
A1G月報に対して、図13(B)に示すような木構造
を有するディレクトリを考え、“/文書別/月報/1
G”という局所的なパス名でアクセスすることが考えら
れる。この場合、あるユーザが“/G別/1G/月報”
というパス名でアクセスした資源と、別のユーザが“/
文書別/月報/1G”という局所的なパス名でアクセス
した資源は、同一の資源であり、単にディレクトリの構
造が異なるのみである。この具体例では、このように個
々のユーザごとに局所的な木構造を有するディレクトリ
を生成する。
【0156】ここでは、第1のユーザと第2のユーザが
同じ資源を別のパス名でアクセスする。例えば、図13
に示した例では、第2のユーザは、第1のユーザの“/
G別/1G/月報”というパス名で指定される資源を、
“\文書別\月報\1G”というパス名でアクセスす
る。同様に、“/G別/1G/計画”というパス名で指
定される資源は“\文書別\計画\1G”で、“/G別
/2G/月報”というパス名で指定される資源は“\文
書別\月報\2G”で、“/G別/2G/特許”という
パス名で指定される資源は“\文書別\特許\2G”
で、それぞれアクセスする。そのために、第2のユーザ
に局所的な名前を持つ局所的なディレクトリである
“\”と“\文書別”と“\文書別\計画”と“\文書
別\月報”と“\文書別\特許”を実現する。具体的に
は、グループ属性保持部として“\”と“文書別”と
“計画”と“特許”と“月報”を用意すればよい。
【0157】図17は、本発明の第2の実施の形態の第
2の具体例におけるグループ管理部の一例を示す構成
図、図18は、同じく名前変換部に保有される対応表の
一例の説明図である。図15に示したグループ属性保持
部に加え、グループ属性保持部94−4〜94−8が追
加されている。これらのグループ属性保持部94−4〜
94−8は、それぞれ、グループ識別子として「\」、
「文書別」、「月報」、「計画」、「特許」を有してい
る。それぞれの名前変換部3−0〜3−8が保持する対
応表を図18に示している。なお、図17の名前変換部
3−0〜3−8に示している(A)〜(I)は、図18
(A)〜(I)に対応している。
【0158】名前解析部2−4〜2−8は、記号“\”
を含む文字列の名前が入力された場合に、適当な“\”
より左側の文字列と“\”を含んで右側の文字列に分解
するように動作する。
【0159】この具体例では、最初に名前を与えるグル
ープ属性保持部は、第1のユーザと第2のユーザとで異
なるものとして実現したが、最初に名前を与えるグルー
プ属性保持部を共有し、別の名前で同一の資源をアクセ
スするように実現してもよい。例えば、“/”を共有し
て、それぞれ、“/G別/1G/月報”というパス名と
“/文書別/月報/1G”というパス名でアクセスされ
る資源を同一とし、同様に、“/G別/1G/計画”と
いうパス名と“/文書別/計画/1G”というパス名で
アクセスされる資源を同一とし、“/G別/2G/月
報”というパス名と“/文書別/月報/2G”というパ
ス名でアクセスされる資源を同一とし、“/G別/2G
/特許”というパス名と“/文書別/特許/2G”とい
うパス名でアクセスされる資源を同一とするように構成
してもよい。
【0160】以下、第2のユーザが“\文書別\月報\
1G”というパス名でアクセスする場合の動作を、図1
7及び図18を用いながら説明する。まず、第2のユー
ザがグループ管理部93に対して、新しいグループ属性
保持部を作るように要求する。グループ管理部93は、
新しくグループ属性保持部94−4を作り、そのグルー
プ識別子を「\」に設定し、グループ識別子「\」を返
す。次に、グループ管理部93は、新しくグループ属性
保持部94−5を作り、そのグループ識別子を「文書
別」に設定し、グループ識別子「文書別」を返す。加え
て、グループ識別子「文書別」を“文書別”という名前
で登録するように、グループ識別子「\」をもつグルー
プ属性保持部94−4に要求する。これにより、図18
(B)に示す対応表がグループ属性保持部94−4の名
前変換部3−4に作成される。同様な処理を繰り返し、
新たなグループ属性保持部94−6〜94−8を構成す
る。
【0161】グループ識別子「文書別」を持つグループ
属性保持部94−5の名前解決部4−5は、グループ属
性保持部94−1によって解決されるグループ識別子
「1G」、「2G」を持つグループ属性保持部94−
2、94−3が解決可能な名前の和集合の要素を計算す
る。要素に新たに作成したグループ属性保持部94−6
〜94−8の識別子を対応づけて、グループ属性保持部
94−5の名前変換部3−5の対応表に格納する。ここ
では、計算された名前は、“月報”、“計画”、“特
許”であって、対応づけたグループ属性保持部94−6
〜94−8の識別子は、それぞれ、「月報」、「計
画」、「特許」である。このようにして作成された対応
表を図18(C)に示している。同様な処理を行ない、
グループ属性保持部94−6〜94−8の名前変換部の
対応表を作成する。これらの対応表を図18(G)〜
(I)に示している。
【0162】対応表は、名前の解決に先だって、あらか
じめ次の手順で作成する。図19、図20は、本発明の
第2の実施の形態の第2の具体例における対応表の作成
手順の一例を示すフローチャートである。まず、グルー
プ属性保持部94−5については、図19に示す手順に
よって対応表が作成される。S101において、“/G
別”のすべてのメンバのメンバ(名前)をリストアップ
し、S102において、リストアップした名前の重複を
取り除く。そして、S103において、名前の数と等し
い数のエントリを有する表を作成し、それぞれの行の第
1のフィールドに名前を入れる。最後に、S104にお
いて、すべてのエントリの第1のフィールドの名前につ
いて新しいグループを作って、その識別子を第2のフィ
ールドに入れる。このようにして、グループ属性保持部
94−5の名前変換部3−5に対応表が作成される。
【0163】グループ属性保持部94−6〜94−8に
ついては、図20に示す手順によって対応表が作成され
る。この場合、名前がARG1に渡される。ARG1と
しては、この具体例では、“月報”、“計画”、“特
許”のいづれかである。
【0164】S111において、“/G別”のメンバの
いずれかであって、かつ、ARG1をメンバにもつすべ
てのグループを探索して、“/G別”での名前をリスト
(この実施の形態では“1G”または“2G”を含むリ
スト)にする。そして、S112において、名前の数と
等しい数のエントリを有する表を作成し、それぞれの行
の第1のフィールドに名前を入れる。最後に、S113
において、すべてのエントリの第1のフィールドの名前
NAMEついて、“/G別/NAME/ARG1”を
“/”で解決して得られる識別子を、表の対応する第2
フィールドにそれぞれ格納する。
【0165】このような処理の結果として、グループ属
性保持部94−6の名前変換部3−6には、名前“1
G”と“2G”をそれぞれ「1G月報」、「2G月報」
に解決するための対応表が作成される。同様に、グルー
プ属性保持部94−7の名前変換部3−7には、名前
“1G”を「1G計画」に解決するための対応表が作成
され、グループ属性保持部94−8の名前変換部3−8
には、名前“2G”を「2G特許」に解決するための対
応表が作成される。このようにして、図18(G)〜
(I)に示した対応表が作成される。
【0166】このようにして、図17、図18に示した
ような、グループ属性保持部94−4〜94−8が作成
され、さらに、これらの名前変換部3−4〜3−8に保
持される対応表が作成される。
【0167】このように構成されたグループ管理部93
で提供される局所的なファイリングは、ディレクトリ
“\”、と“\文書別”と“\文書別\計画”と“\文
書別\月報”と“\文書別\特許”を局所的に実現す
る。これは、第1のユーザがグループ別の階層で月報と
計画と特許のファイルを分類しているファイリングに対
して、第2のユーザは文書種類別に分類した局所的なフ
ァイリングによる局所的なグループを実現している。
【0168】第2のユーザは、第1のユーザが“/G別
/1G/月報”というパス名で指定される資源を、グル
ープ属性保持部94−4〜94−8を用いて、“\文書
別\月報\1G”というパス名でアクセスすることがで
きる。このように、この第2の具体例では、第1のユー
ザがグループ別によって定めた月報と計画と特許のファ
イルを分類しているのに対して、第2のユーザは文書種
類別に分類した局所的なグループを有するファイリング
にてファイルを分類することができる。
【0169】さらに加えて説明すると、この具体例にお
ける“\文書別\月報”というディレクトリは、ディレ
クトリ“/G別”の子のディレクトリのすべてのメンバ
のうち、特定の条件を有するものの和集合をメンバとす
るように構成されている。この場合、あらかじめ複数の
コンテキストで与えられるグループのメンバの和集合を
計算するような手続きや、所定の条件を満足しないメン
バを取り除く手続きを用意して、これらの手続きを組み
合わせることで、グループ属性保持部6の名前変換表を
簡単に生成できるようにしてもよい。あるいは、名前の
解決時にこれらの手続きを実行して、オンデマンドに解
決結果を得るようにしてもよい。この実施の形態では、
和集合を計算するようにして説明したが、和集合を計算
する手続きには限らない。一般的には、差集合や交差集
合や直和や直積など、集合に対するいずれの操作でもよ
い。
【0170】このように、第2の具体例では、ファイル
の名前付け規則が固定的であり、かつシステム設計者や
システム管理者やファイルを格納した者が定めた名前付
けとグループの階層構造に基づいているので、ユーザご
とに個々に定めた名前付け規則や、個々の分類基準に基
づくグループ構造に従ったアクセスができないという従
来の問題点を解決し、個々のユーザのアクセス方法の嗜
好や意図を反映したユーザごとに局所的なグループ資源
を含む、資源アクセスのための名前空間を提供する柔軟
性の高い分散システムを具現化するものとなっている。
【0171】次に、本発明の第2の実施の形態の第3の
具体例について説明する。この第3の具体例では、局所
的なディレクトリに含まれるメンバが、所定の性質を有
する資源であるように構成した場合について説明する。
所定の性質は、この具体例では、所定の圧縮方式で圧縮
されて格納されているファイルが、圧縮されていないよ
うに振る舞うことであるとする。ここでは、資源データ
DATA1G月報、DATA1G計画、DATA2G月
報、DATA2G特許は、それぞれ所定の圧縮方式で圧
縮されて、格納されているものとする。
【0172】図21は、本発明の第2の実施の形態の第
3の具体例におけるグループ管理部の一例を示す構成
図、図22は、同じく名前変換部に保有される対応表の
一例の説明図である。この第3の具体例では、上述の第
1の具体例におけるグループ属性保持部94−2,94
−3の名前解決部4−2,4−3と資源実現部5−2,
5−3を変えて構成している。図21では、新たにグル
ープ属性保持部94−10〜94−13を用いて、局所
的なファイルシステムを構成している。グループ属性保
持部94−10およびグループ属性保持部94−11
は、第1の具体例におけるグループ属性保持部94−0
およびグループ属性保持部94−1とそれぞれ同様であ
る。
【0173】グループ属性保持部94−12の有する名
前変換部3−12は、名前解析部2−12が出力する名
前“月報”を得て、資源要素列{「1G月報」}と手続
き「圧縮伸張」との組である資源実現表現<「圧縮伸
張」,「1G月報」>を出力し、さらに名前解決部4−
12は同様の名前解決結果を出力する。同様に、名前変
換部3−12は、名前“計画”を得て、資源要素列
{「1G計画」}と手続き「圧縮伸張」との組である資
源実現表現<「圧縮伸張」,「1G計画」>を出力し、
さらに名前解決部4−12は同様の名前解決結果を出力
する。また、グループ属性保持部94−13の有する名
前変換部3−13は、名前解析部2−13が出力する名
前“月報”に対して、資源要素列{「2G月報」}と手
続き「圧縮伸張」の組である資源実現表現<「圧縮伸
張」,「2G月報」>を出力し、名前“特許”に対し
て、資源要素列{「2G計特許」}と手続き「圧縮伸
張」と資源識別子「2G特許」の組である資源実現表現
<「圧縮伸張」,「2G特許」>を出力し、名前解決部
4−13は同様の名前解決結果を出力する。
【0174】名前解決部4−12が手続きを含む名前解
決結果<「圧縮伸張」,「1G月報」>を資源実現部5
−12に入力すると、新たな資源識別子「圧縮伸張1G
月報」を生成する。資源識別子「圧縮伸張1G月報」
は、ファイル操作が可能なハンドルである。資源実現部
5−12は、このハンドルに書き込みが行なわれた場合
には、書込データを圧縮し、圧縮処理されたデータを資
源識別子「1G月報」に書き込むように設定する。ま
た、このハンドルから読み込みが行なわれた場合には、
資源識別子「1G月報」からデータを読み込んで、伸張
処理を行なった上で、ハンドルから読み込みデータとし
て返すように設定する。このような設定は、例えば、ハ
ンドルをUNIX OSのパイプラインとして実現し、
一方のパイプラインから入力したデータを圧縮または伸
張して他方のパイプラインに出力するプロセスとして実
現することで可能となる。一般的には、パイプラインだ
けでなく、RPC(リモートプロシージャコール)やM
ach OSのポートなどの任意のプロセス間通信で実
現することができる。
【0175】上述の資源識別子「圧縮伸張1G月報」の
場合と同様に、資源実現部5−12は、名前解決表現<
「圧縮伸張」,「1G計画」>から資源識別子「圧縮伸
張1G計画」を生成し、資源実現部5−13は、名前解
決表現<「圧縮伸張」,「2G月報」>から資源識別子
「圧縮伸張2G月報」を生成し、名前解決表現<「圧縮
伸張」,「2G特許」>から資源識別子「圧縮伸張2G
特許」を生成する。
【0176】上述の第1の具体例において、各資源デー
タが圧縮されて格納されている場合、第1のユーザが、
“/G別/1G/月報”と“/G別/1G/計画”と
“/G別/2G/月報”と“/G別/2G/特許”とに
アクセスする際には、読み出し時に伸張処理を個別に行
なう必要がある。また、格納する場合には、圧縮処理を
施して格納する必要がある。これに対して、図21及び
図22に示したように、グループ属性保持部94−10
〜94−13を構成することで、第3のユーザは局所的
な資源として、第2の“/G別/1G/月報”と第2の
“/G別/1G/計画”と第2の“/G別/2G/月
報”と第2の“/G別/2G/特許”とにアクセスでき
る。このとき、資源データDATA1G月報、DATA
1G計画、DATA2G月報、DATA2G特許は、そ
れぞれ圧縮されているにもかかわらず、それぞれ圧縮さ
れていない資源データDATA1G月報、DATA1G
計画、DATA2G月報、DATA2G特許であるかの
ように取り扱うことができる。
【0177】この具体例では、資源データDATA1G
月報、DATA1G計画、DATA2G月報、DATA
2G特許は、すべて同じ圧縮方式で圧縮されているもの
としたが、必ずしも同じ方式で圧縮しなくてもよい。圧
縮伸張にかかわる手続きは、名前変換部4−12,4−
13においてそれぞれの対応表で個別に管理することが
できるので、グループ属性保持部94−12,94−1
3でそれぞれ解決可能な個々の資源ごとに異なる圧縮伸
張方式の資源データであっても、所定の圧縮伸張方式が
適用され、資源を取り扱うことができる。
【0178】また、圧縮伸張処理を行なう手続きは、名
前変換部3−12,3−13で管理して、資源実現部5
−12,5−13で実際に起動するものとして説明した
が、名前変換部3−12,3−13と資源実現部5−1
2,5−13で取り扱う代わりに、グループ属性保持部
94−10またはグループ属性保持部94−11のいず
れかで取り扱ってもよい。
【0179】図23は、本発明の第2の実施の形態の第
3の具体例におけるグループ管理部の別の例を示す構成
図、図24は、同じく名前変換部に保有される対応表の
別の例の説明図である。この例では、グループ属性保持
部94−11で手続きを取り扱う例を示している。この
場合、名前変換部3−11が保持している対応表に、手
続きとして「圧縮伸張」を登録しておけばよい。する
と、グループ属性保持部94−11の子のグループ属性
保持部94−12またはグループ属性保持部94−13
から返される資源のハンドルを用いた操作に対して、圧
縮伸張処理を施すことができる。すなわち、“/G別/
1G”以下の部分ディレクトリ、および、“/G別/2
G”以下の部分ディレクトリに含まれるすべての資源に
対して、手続き「圧縮伸張」が適用されることになる。
【0180】図25は、本発明の第2の実施の形態の第
3の具体例におけるグループ管理部のさらに別の例を示
す構成図、図26は、同じく名前変換部に保有される対
応表のさらに別の例の説明図である。この例では、グル
ープ属性保持部94−10で手続きを取り扱う場合の例
を示している。この場合、名前変換部3−10が保持し
ている対応表に、手続きとして「圧縮伸張」を登録して
おけばよい。すると、グループ属性保持部94−10の
子のグループ属性保持部94−11から返される資源の
ハンドル操作に対して、圧縮伸張処理を施すことができ
る。すなわち、“/G別”以下のディレクトリに含まれ
るすべての資源に対して、手続き「圧縮伸張」を適用す
ることができる。
【0181】このように、一般的には、木構造の親子関
係にあるグループ属性保持部で取り扱う手続きの処理
は、直列にカスケード接続されて親から子へ、または子
から親へ順に処理されるように構成できる。
【0182】この具体例では、圧縮伸張処理を用いて説
明したが、適用する手続きは圧縮伸張処理に限らない。
例えば、画像データを格納するファイルに対して、この
資源管理方式は階調や解像度や色空間を変換する手続き
を組み合わせて実現できるように、局所的な資源に局所
的な名前を付与して取り扱う機能を提供することもでき
る。文書であれば、文書フォーマットを変換する手続き
と組み合わせて、所望の文書エディタのフォーマットの
局所資源を提供することができる。
【0183】また、音声や映像の格納や取り出しにおい
ては、一定の時間間隔で読み出すことや書き込むことが
保障されるという性質を有する資源が望まれる。しか
し、既存のファイリングがそのような性質を有していな
いため、一定の時間間隔で読み出すことや書き込むこと
が保障されない。このような場合には、この具体例にお
いて、書込みや読み出し周期の変換や、データのサンプ
リング品質である一画面または一音素のデータサイズの
変換等に加えて、データの先読みや遅延書込を可能にす
るバッファ機能を取り扱う手続きを組み合わせれば、前
述した音声や映像の書込みや取り出しにおいて、一定の
時間間隔で読み書きできることを保障する機能を提供で
きる。例えば、既存のファイリングの読み書きが滞った
時に、バッファ機能で蓄積されるバッファデータの空き
容量と連動して、適応的にデータの品質を変えることで
データ量を増減して、常に一定の時間間隔による読み書
きを保障するように構成することも可能である。
【0184】上述のようにこの第3の具体例では、第1
のユーザが圧縮して格納したファイリングを取り扱う場
合、従来は利用時の伸張処理や格納時の圧縮処理を個々
に行なわなければならないのに対して、第3のユーザは
あたかも圧縮伸張が自動的に行なわれるようなファイリ
ングを局所的に実現して取り扱うことができる。加え
て、個別に圧縮伸張などの任意の処理を行なうような性
質を有する局所的なディレクトリを構成することが可能
であるだけでなく、所定のディレクトリのメンバや、そ
のディレクトリの階層を木構造やグラフ構造に見立てた
場合における子孫にあたるファイルは、すべて同一の処
理を施して読み書きができるような性質を有する局所的
なディレクトリを構成することが可能である。また、複
数の処理を異なるディレクトリに設定して、ディレクト
リの階層構造の積み上げによって、これらの複数の処理
をカスケード接続して自動的に行なうような性質をもっ
たファイルシステムも構成可能である。
【0185】従来のファイリングでは、システム提供者
やシステム管理者やファイルの格納者が定めたファイル
の性質は利用者が個別に変えられないという問題点があ
り、個々のユーザは、アクセスした後、必要に応じて性
質を変えるための処理を個別に行なう必要があった。し
かし、この具体例によれば、性質を変える機能を含んだ
形で局所的なファイリングを提供できるので、上述した
ように名前と手続きを組み合わせて管理する複数のグル
ープ属性保持部で構成した資源の管理方式によって、個
々のユーザのアクセス方法の嗜好や意図を反映したユー
ザごとに局所的な資源アクセスのための名前空間を提供
することで、従来の問題点を解決し、柔軟性の高い分散
システムを具現化するものとなっている。
【0186】特に複数のグループ属性保持部で階層的に
名前空間を設計し、構成することが可能なので、名前空
間の設計が容易で、かつ再利用が容易となり、その意味
でも柔軟性の高い分散システムを具現化するものとなっ
ている。
【0187】次に、本発明の第2の実施の形態における
第4の具体例について説明する。第2の具体例では、グ
ループ属性保持部94−4〜94−8の名前変換部3−
4〜3−8は、所定のアルゴリズムによってあらかじめ
作成された対応表を検索することで、名前から資源要素
列を生成するように実現した。この第4の実施の形態で
は、あらかじめ作成された対応表を用いるのではなく、
名前変換を実行する時に、第2の実施の形態で説明し
た、グループ属性保持部94−4〜94−8の名前変換
部3−4〜3−8の対応表の作り方に従って対応表を作
った後に、名前変換を行なって資源要素列を生成するよ
うに構成している。
【0188】図27は、本発明の第2の実施の形態の第
4の具体例におけるグループ管理部の一例を示す構成図
である。図中、グループ属性保持部94−10〜94−
13は、図21と同様である。また、これらの名前変換
部3−10〜3−13が保有する対応表も図22に示し
たものと同様である。
【0189】グループ属性保持部94−15の名前変換
部3−15は、第2の具体例において図18(C)に示
したグループ属性保持部94−5の名前変換部−5が有
する対応表と、同様の対応表を作成するプログラムを有
している。名前変換部3−15は、このプログラムを起
動した結果、得られる対応表に基づいて、名前の変換を
行なう。このプログラムは、例えば、図19に示したア
ルゴリズムと同様である。
【0190】同様に、グループ属性保持部94−16の
名前変換部3−16、グループ属性保持部94−17の
名前変換部3−17、グループ属性保持部94−18の
名前変換部3−18は、それぞれ、例えば、図20に示
したようなアルゴリズムを実行するプログラムを有して
おり、そのプログラムを起動した結果、得られる対応表
にそれぞれ基づいて、名前の変換を行なう。
【0191】対応表は、ここではすべてのエントリにつ
いて生成するが、解決に必要なエントリに関する部分だ
けを動的に生成するように名前変換部を構成してもよ
い。
【0192】このようにして、グループ属性保持部94
−14〜94−18を構成することによって、例えば、
第4のユーザは、第2の具体例で説明した第2のユーザ
と同様に、文書種類別に分類した局所的なファイリング
による局所的なグループを実現できる。それとともに、
局所的なグループは、第1のユーザが取り扱うファイリ
ングによるグループの階層的な構造の変化が、動的に反
映される性質を有する局所的なグループを実現できる。
【0193】例えば、第1のユーザが“/G別/1G/
週報”というパス名で指定される資源を格納すると、第
4のユーザは、新たにグループ属性保持部94−14の
対応表を作成しなおさなくても、“\文書別\週報\1
G”というパス名によって同じ文書を読み書きすること
ができる。
【0194】従来の資源管理方式では、ファイリングが
提供するグループは静的でかつ固定的であるので、グル
ープのメンバやファイルの内容が所定の計算結果にもと
づいて動的に定まるようにするためには、何らかの手段
で、個々のユーザが定期的に計算を行ない、計算結果を
グループまたはファイルに反映させなくてはならないと
いう問題点があった。
【0195】上述したようにこの第4の具体例では、動
的にメンバを構成する手続きによって規定される局所的
なグループや、動的に内容を計算する手続きによって規
定される局所的なファイルに名前を付与して取り扱うこ
とができ、かつ、定期的にまたはアクセスのたびに、手
続きが起動された結果に基づいてアクセスが行なわれる
ようにシステムを構築できるので、ユーザは個々のアク
セス方法の嗜好や意図を反映したユーザごとに局所的な
資源アクセスのための名前空間を構成でき、従来の問題
点を解決して、柔軟性の高い分散システムを具現化する
ものとなっている。
【0196】特に、この第4の具体例では、グループ属
性保持部が解決する名前の集合が動的に定まるように名
前変換部を構成し、かつ、グループ属性保持部をグルー
プ資源として取り扱う手続きを、動的に定まるメンバを
取り扱うように構成することで、動的なメンバを有する
グループ資源を提供することが可能である。これによ
り、柔軟性の高い分散システムを具現化するものとなっ
ている。
【0197】図28は、本発明の資源管理装置の第3の
実施の形態を示すブロック図である。図中の記号は、図
1あるいは図11と同様である。この第3の実施の形態
は、第1の実施の形態において共通に設けていた名前解
決部4を各コンテキスト保持部に配置した例である。逆
に、第2の実施の形態において各コンテキスト保持部に
配置していた名前解決部4−1〜4−nを共通の名前解
決部4として設けた例である。
【0198】この第3の実施の形態は、コンテキスト保
持部1−1からコンテキスト保持部1−nまでのn個の
コンテキスト保持部と、1個の資源実現部5から構成さ
れている。コンテキスト保持部は1個でもよく、一般的
には任意個のコンテキスト保持部から構成してよい。同
様に、資源実現部は1個以上でよく、一般的には任意個
の資源実現部から構成してよい。
【0199】コンテキスト保持部1−1〜1−nは、そ
れぞれ固有のコンテキスト識別子を有しており、それぞ
れ、端子6−1〜6−nおよび端子7−1〜7−nを有
している。端子6−1〜6−nは、それぞれ、コンテキ
スト保持部1−1〜1−nの入力端子である。端子6−
1〜6−nには、資源の名前が入力される。また、端子
7−1〜7−nは、それぞれ、コンテキスト保持部1−
1〜1−nの出力端子である。端子7−1〜7−nは、
それぞれ、端子6−1〜6−nに入力された資源の名前
に対応する資源の名前解決結果を出力する。
【0200】また、コンテキスト保持部1−1〜1−n
は、名前解析部2−1〜2−nと、名前変換部3−1〜
3−nと、名前解決部4−1〜4−nがそれぞれ設けら
れている。名前解析部2−1〜2−nおよび名前変換部
3−1〜3−nは、第1及び第2の実施の形態と同様で
ある。
【0201】名前変換部3−1〜3−nは、ほぼ第2の
実施の形態と同様であるが、その入力端子9−1〜9−
nには、それぞれ出力端子8−1〜8−nからコンテキ
スト保持部1−1〜1−nに出力した資源の名前に対応
する資源の名前解決結果を入力する。すなわち、各名前
解決部4−1〜4−nは、各名前変換部3−1〜3−n
から受け取った資源実現表現中にコンテキスト識別子が
含まれているとき、そのコンテキスト識別子が示すコン
テキスト保持部に対して、出力端子8−1〜8−nから
資源名を出力し、対応する名前解決結果を端子9−1〜
9−nから受け取る。このようにして、資源実現表現中
にコンテキスト識別子が含まれなくなるまで、連鎖的に
コンテキスト保持部を適用する。得られた資源実現表現
のすべてあるいはいずれかに対応する名前解決結果がコ
ンテキスト保持部1−1〜1−nの出力端子7−1〜7
−nから出力される。
【0202】さらに、資源実現部5は、第1の実施の形
態と同様である。資源実現部5は端子11及び端子12
を有している。端子11は、コンテキスト保持部1−1
〜1−nの出力端子7−1〜7−nから出力される、名
前に対応する資源の名前解決結果を入力する。端子12
は、資源実現部5の出力端子であり、コンテキスト保持
部1−1〜1−nから出力された名前解決結果に対応す
る資源のハンドルを出力する。
【0203】この第3の実施の形態に示すように構成す
ることで、上述の第1の実施の形態や第2の実施の形態
と同じように、従来の問題点を解決し、柔軟性の高い分
散システムを具現化することができる。
【0204】図29は、本発明の第3の実施の形態にお
ける第1の具体例を示す構成図である。図中の符号は図
12と同様である。この第1の具体例において、図28
のコンテキスト保持部はグループ属性保持部に対応す
る。この第1の具体例は、上述の第2の実施の形態の第
1の具体例と比べて、グループ属性保持部に資源実現部
を有していない。この具体例の名前解決部4−1〜4−
mは、入力された資源実現表現中の資源要素列に、グル
ープ属性保持部の識別子と名前の組が含まれる場合に
は、そのグループ属性保持部の識別子で表わされるグル
ープ属性保持部に名前の解決を要求し、名前が表わす資
源のハンドルを得るかわりに、名前が表わす名前解決結
果として、名前解決木を得る。これにより、グループ属
性保持部94−1〜94−mは、名前を入力すると名前
解決木を出力する。資源実現部5は、グループ属性保持
部94−1〜94−mから出力される名前解決木を入力
し、これを解釈し、名前が表わす資源のハンドルを出力
する。
【0205】図30は、名前解決木の一例の説明図であ
る。図30は、グループ属性保持部の識別子C1を指定
して、名前N1を解決した結果、得られる名前解決結果
<C1;N1>の解決木を表わす。ノードはグループ属
性保持部を表わしており、アークは、ハンドルのつなが
りを表わしている。ノードに付与された<Cx;Nx>
(ただしxは1から20までの整数)は、ノードに対応
する資源を与えるコンテキストであるグループ属性保持
部の識別子と名前の組である。Cxがコンテキストであ
るグループ属性保持部の識別子であり、NxがCxで定
まるコンテキストでの局所的な名前である。ノード中の
黒丸は、あらかじめ実現されている資源を表わす資源識
別子であり、一つのハンドルを親に提供する。黒丸に付
与されたラベルrx(ただしxは2、4、5、9、1
1、12、16、17、18、19のいずれか)は資源
識別子である。白丸はこの具体例で局所的に与えられた
資源を表わす。白丸はそのノードのコンテキストによっ
て与えられた手続きによって与えられる。白丸に付与さ
れたラベルpx(ただしxは1、3、6、7、8、1
0、13、14、15のいずれか)は手続きの識別子で
ある。
【0206】中に黒丸または白丸が示されている四角
は、コンテキストを表わす。解析木のノードに位置する
コンテキストは、そのノードを表わす名前を入力する
と、そのノードを根とする解決木を出力する。
【0207】この具体例では、名前解決表現は解析木で
あるとしたが、必ずしも解析木でなくてもよい。例え
ば、項を表わす文字列でもよい。手続きや資源の識別子
とハンドルのつながり方を表現できるものならいずれで
もよい。例えば、図30の<C1;N1>の解決木を項
で表現すると、 <C1;N1>の解決木=p1(r2;p3(p7(r
11;r12);p8(p13(r16;r17));
r9);r4;r5;p6(p10(p14(r1
8);p15(r19;r20)))) となる。以下の例では、解決木を項で表現する。
【0208】上述の第2の実施の形態の第2の具体例で
説明した例をもとに、この第3の実施の形態の第1の具
体例において、それぞれのグループ属性保持部が出力す
る名前解決木の項表現を示し、名前を解決する過程を説
明する。図31は、本発明の第3の実施の形態の第1の
具体例におけるグループ管理部の一例を示す構成図であ
る。この図31に示したグループ管理部93は、図17
に示したものとほぼ同様である。しかし、この具体例で
は、各グループ属性保持部94−0〜94−8は、資源
実現部5−0〜5−8を有していない。なお、以下の説
明において、1・は引数のハンドルをそのまま何ら処理
をすることなく、親のコンテキストに受け渡すことを表
わす手続きであるとする。
【0209】図32は、本発明の第3の実施の形態の第
1の具体例における名前“/G別/G1/月報”の解決
の過程の一例の説明図である。名前“/G別/G1/月
報”がグループ属性保持部94−0に入力されると、名
前解決部4−0からグループ属性保持部94−1に対し
て名前“/G1/月報”の解決が依頼される。さらに、
グループ属性保持部94−1の名前解決部4−1は、グ
ループ属性保持部94−2に対して、名前“/月報”の
解決を依頼する。グループ属性保持部94−2は、名前
“/月報”を解決し、名前解決結果1・(「G1月
報」)をグループ属性保持部94−1の名前解決部4−
1に返す。名前解決部4−1は、この名前解決結果を受
け、グループ属性保持部94−0に対して、名前解決結
果1・(1・(「G1月報」))を返す。グループ属性
保持部94−0の名前解決部4−0は、この名前解決結
果を受け取り、資源実現部5に対して、名前解決結果1
・(1・(1・(「G1月報」)))を出力する。資源
実現部5は、この名前解決結果に対応する資源のハンド
ルを出力する。
【0210】図33は、本発明の第3の実施の形態の第
1の具体例における名前“/G別/G1”の解決の過程
の一例の説明図である。この場合も、名前“/G別/G
1”がグループ属性保持部94−0に入力されると、名
前解決部4−0からグループ属性保持部94−1に対し
て名前“/G1”の解決が依頼され、さらに、グループ
属性保持部94−2に対して、名前“”の解決が依頼さ
れる。このとき、グループ属性保持部94−2の名前解
決部4−2では、名前が空の文字列であるので、手続き
group(G1)を返す。名前解決部4−1はこれを
受けて名前解決結果1・(froup(G1))を出力
し、名前解決部4−0は1・(1・(group(G
1)))を資源実現部5に出力する。
【0211】図34は、本発明の第3の実施の形態の第
1の具体例における名前“\文書別\月報\G1”の解
決の過程の一例の説明図である。この場合も、上述の例
と同様であるが、名前“\文書別\月報\G1”はグル
ープ属性保持部94−4に入力される。すると、名前解
決部4−4からグループ属性保持部94−5に対して名
前“\月報\G1”の解決が依頼され、さらに、グルー
プ属性保持部94−6に対して、名前“\G1”の解決
が依頼される。グループ属性保持部94−6は、名前
“\G1”を解決し、名前解決結果1・(「G1月
報」)をグループ属性保持部94−5の名前解決部4−
5に返す。名前解決部4−5は、この名前解決結果を受
け、グループ属性保持部94−4に対して、名前解決結
果1・(1・(「G1月報」))を返す。グループ属性
保持部94−4の名前解決部4−4は、この名前解決結
果を受け取り、資源実現部5に対して、名前解決結果1
・(1・(1・(「G1月報」)))を出力する。この
ようにして、図32に示した場合と同一の名前解決結果
を資源実現部5に出力することができる。
【0212】また、上述の第2の実施の形態の第3の具
体例で説明した例についても、この第3の実施の形態の
第1の具体例において、同様に名前の解決を行なうこと
ができる。ここでは、この具体例におけるグループ管理
部の構成図を示さないが、図21において資源実現部5
−10〜5−13を除いた構成であるものとする。以
下、いくつかの例について、名前を解決する過程を説明
する。
【0213】図35は、本発明の第3の実施の形態の第
1の具体例における名前“/G別/G1/月報”の解決
の過程の別の例の説明図である。名前“/G別/G1/
月報”がグループ属性保持部94−10に入力される
と、名前解決部4−10からグループ属性保持部94−
11に対して名前“/G1/月報”の解決が依頼され、
さらに、グループ属性保持部94−12に対して、名前
“/月報”の解決を依頼する。グループ属性保持部94
−12は、名前“/月報”を解決する。このとき、手続
き「圧縮伸張」が指定されているので、名前解決結果と
して圧縮伸張(「G1月報」)をグループ属性保持部9
4−1の名前解決部4−1に返す。名前解決部4−1
は、この名前解決結果を受け、グループ属性保持部94
−0に対して、名前解決結果1・(圧縮伸張(「G1月
報」))を返す。さらに、グループ属性保持部94−0
の名前解決部4−0は、この名前解決結果を受け取り、
資源実現部5に対して、名前解決結果1・(1・(圧縮
伸張(「G1月報」)))を出力する。
【0214】さらに、上述の第2の実施の形態の第3の
具体例の変形例として、図23を用いて説明した例につ
いても、この第3の実施の形態の第1の具体例におい
て、同様に名前の解決を行なうことができる。図36
は、本発明の第3の実施の形態の第1の具体例における
名前“/G別/G1/月報”の解決の過程のさらに別の
例の説明図である。上述の場合と同様に、名前“/G別
/G1/月報”がグループ属性保持部94−10に入力
されると、名前解決部4−10からグループ属性保持部
94−11に対して名前“/G1/月報”の解決が依頼
され、さらに、グループ属性保持部94−12に対し
て、名前“/月報”の解決を依頼する。グループ属性保
持部94−12は、名前“/月報”を解決し、名前解決
結果として1・(「G1月報」)をグループ属性保持部
94−1の名前解決部4−1に返す。名前解決部4−1
は、この名前解決結果を受け、グループ属性保持部94
−0に対して、名前の解決を行なう。このとき、手続き
「圧縮伸張」が指定されているので、名前解決結果とし
て、圧縮伸張(1・(「G1月報」))を返す。さら
に、グループ属性保持部94−0の名前解決部4−0
は、この名前解決結果を受け取り、資源実現部5に対し
て、名前解決結果1・(圧縮伸張(1・(「G1月
報」)))を出力する。
【0215】資源実現表現5は、コンテキストに名前を
与えて得られる名前解決結果である名前解決木を受け取
る。次に解決木を探索し、ノードがあらかじめ実現され
ている資源を表わすリーフノードであれば、その資源に
操作を適用するハンドルを、資源の識別子から得る。資
源のハンドルはあらかじめ実現されているので、識別子
から得ることができる。例えば、資源がファイルであれ
ば、識別子を指定してオープン処理を行なった結果とし
て、識別子に対応するポートが得られる。UNIXファ
イルシステムでは、資源の識別子はファイル名でよい
し、iノード番号でもよい。HTTPで得られる資源の
場合は、資源の識別子はURL(Universal
Resource Locator)でよい。
【0216】ノードが中間ノードであれば、子のノード
のハンドルを引数ポートに接続し、引数ポートと通信を
行なって所定の処理をする手続きを起動する。手続きの
種類は解決木のノードに付与されたラベルで定まる。引
数ポートは、中間ノードに与えられたラベルで定まる手
続きの引数として与えられる資源ハンドルを接続するた
めのポートである。手続きは、引数ポートに接続された
ハンドルに対して所定の操作を適用する。加えて、手続
きは新たなハンドルを生成するので、このノードが根以
外のノードの場合は、新たなハンドルを解決木の親のノ
ードの引数ポートに接続する。ノードが根の場合は、与
えられた名前に対する資源のハンドルとしてクライアン
トにハンドルを返す。
【0217】名前解決木のノードを順に走査して、ノー
ドに対応する手続きを起動する方法は、例えば、コンパ
イラを構成する際に、構文解析を行なった結果の構文木
を解析して、構文木のそれぞれのノードに対応したオブ
ジェクトコードを生成する方法と同じ方法で実現可能で
ある。構文木を解析して、構文木のそれぞれのノードに
対応したアクションを実行する方法としては、例えば、
A.V.Aho,R.Sethi,J.D.Ullma
n著,“Compilers”,Addison−We
sley Publishing社,1986の第5章
から第9章までの部分で説明されているSyntax−
directed Translationの方法やC
ode Generationの方法等を用いて実現す
ることができる。
【0218】図37は、本発明の第3の実施の形態にお
ける第2の具体例を示す構成図である。図中、図2と同
様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。121
−1〜121−4は名前解析部、122−1〜122−
4は名前解決部、123−1〜123−4は名前変更
部、124−1〜124−4はメンバ出力部、125−
1〜125−4はメンバ追加部、126−1〜126−
4はメンバ削除部、127−1〜127−4は資源実現
部である。
【0219】各コンテキスト保持部1−1〜1−4は、
コンテキスト識別子ctxt−1〜4を有し、また、名
前解析部121−1〜121−4、名前解決部122−
1〜122−4、名前変更部123−1〜123−4、
メンバ出力部124−1〜124−4、メンバ追加部1
25−1〜125−4、メンバ削除部126−1〜12
6−4、資源実現部127−1〜127−4により構成
されている。
【0220】この具体例における名前解析部121−1
〜121−4は、上述の各実施の形態、具体例における
名前解析部2と同様の機能を有し、機能的に全て等価で
あり、ここでは入力された名前をそのまま出力するもの
とする。また、名前解決部122−1〜122−4は、
上述の各実施の形態、具体例における名前変換部3と名
前解決部4の機能を合わせ持っている。
【0221】コンテキスト保持部1−1に関して、名前
解決部122−1は、名前と、資源識別子と手続きの組
である資源実現表現とを表で管理している。ここでは、
名前name1を資源実現表現<圧縮,res−1>
に、また、名前name2を資源実現表現<伸長,re
s−2>に解決するものとする。名前変更部123−1
は、名前と第2の名前を入力とし、名前解決部122−
1が持つ表の、名前と資源実現表現の対応関係を変更す
る。メンバ出力部124−1は、名前解決部122−1
が管理する名前と資源実現表現の組からなる表から、名
前の部分を取り出すことにより解決可能な名前のリスト
<name1,name2>を返す。メンバ追加部12
5−1は、名前と資源実現表現の組を入力し、入力され
た名前を名前解決部122−1が資源実現表現に解決で
きるように、表に組を追加する。メンバ削除部126−
1は、名前を入力し、名前解決部122−1が持つ名前
と資源実現表現の対応関係から、入力された名前を含む
組を削除する。資源実現部127−1は、名前解決部1
22−1が出力する資源識別子を資源管理部22に入力
し、ファイルの出力を行なうように要求し、その出力結
果に名前解決部122−1が出力する手続きを適用した
結果を返す。
【0222】コンテキスト保持部1−2に関して、名前
解決部122−2は、名前と、資源識別子と手続の組で
ある資源実現表現を表で管理し、名前name2を資源
実現表現<圧縮,res−3>に、また、名前name
3を資源実現表現<伸長,res−4>に解決するもの
とする。名前変更部123−2は、名前と第2の名前を
入力とし、名前解決部122−2が持つ表の名前と資源
実現表現の対応関係を変更する。メンバ出力部124−
2は、名前解決部122−2が管理する名前と資源実現
表現の組からなる表から、名前の部分を取り出すことに
より、解決可能な名前のリスト<name2,name
3>を返す。メンバ追加部125−2は、名前と資源識
別子の組を入力し、名前解決部122−2が入力された
名前を資源識別子に解決できるように、表に対応関係を
追加する。メンバ削除部126−2は、名前を入力し、
名前解決部122−2が持つ名前と資源実現表現の対応
関係から、入力された名前を含む組を削除する。資源実
現部127−2は、名前解決部122−2が出力する資
源識別子を資源管理部22に入力し、ファイルの出力を
行なうように要求し、その出力結果に名前解決部122
−2が出力する手続きを適用した結果を返す。
【0223】コンテキスト保持部3に関して、名前解決
部122−3は、名前を入力し、以下のような手続きを
実行する。まず、コンテキスト保持部1−1に入力され
た名前を渡してファイルの出力を要求し、もし空でない
結果が返された場合は、その結果をそのまま返し、終了
する。空の結果が返された場合は、コンテキスト保持部
1−2に対して、入力された名前を渡してファイルの出
力を要求し、もし空でない結果が返された場合は、その
結果をそのまま返して終了する。もし、空の結果が返さ
れた場合は、空の結果を返す。
【0224】名前変更部123−3は、名前と第2の名
前を入力とし、以下のような手続きを実行する。まず、
コンテキスト保持部1−1に入力された名前と第2の名
前を渡して名前の変更を要求する。さらに、コンテキス
ト保持部1−2に対しても、入力された名前と第2の名
前を渡し、名前の変更を要求する。
【0225】メンバ出力部124−3は、以下のような
手続きを実行する。まず、コンテキスト保持部1−1に
対してメンバの出力を要求し、結果をAとする。また、
コンテキスト保持部1−2にメンバの出力を要求し、結
果をBとする。得られた結果Aと結果Bを連結した結果
をCとし、Cを返す。
【0226】メンバ追加部125−3は、名前と資源実
現表現の組を入力し、以下のような手続きを実行する。
まず、コンテキスト保持部1−1に入力された名前と資
源実現表現の組を渡し、表にメンバを追加するように要
求する。要求が成功すれば終了する。失敗の場合は、さ
らにコンテキスト保持部1−2に入力された名前と資源
実現表現の組を渡し、表にメンバを追加するように要求
する。
【0227】メンバ削除部126−3は、名前を入力
し、以下のような手続きを実行する。まず、コンテキス
ト保持部1−1に対して入力された名前を渡し、メンバ
を削除するように要求する。さらに、コンテキスト保持
部1−2に対して入力された名前を渡し、メンバを削除
するように要求する。
【0228】資源実現部127−3は、名前解決部12
2−3の出力結果をそのまま返す。
【0229】次に、本発明の第3の実施の形態における
第2の具体例の動作の一例を説明する。ここでは、通信
部23に対してコンテキスト識別子ctxt−3を指定
して、名前name1で表わされるファイルの出力を要
求する場合の動作を示す。
【0230】コンテキスト管理部24は、コンテキスト
識別子ctxt−3を持つコンテキスト保持部1−3を
検索し、コンテキスト保持部1−3に対して名前nam
e1を入力し、ファイルを出力するように要求する。コ
ンテキスト保持部1−3は、名前name1を名前解析
部121−3に対して入力し、名前name1を得る。
次に、コンテキスト保持部1−3は、名前解決部122
−3に対して名前name1を入力し、名前を解決する
よう要求する。
【0231】名前解決部122−3は、上述の手続きを
実行する。すなわち、まずコンテキスト保持部1−1に
名前name1のファイル出力を要求する。コンテキス
ト保持部1−1は、名前name1を名前解析部121
−1に入力し、名前name1を得る。次に、コンテキ
スト保持部1−1は、名前name1をコンテキスト保
持部1−1の名前解決部122−1に対して入力する。
コンテキスト保持部1−1の名前解決部122−1は、
入力されたname1に対して<圧縮,res−1>を
返す。
【0232】次に、コンテキスト保持部1−1は、資源
管理部22に対して、資源識別子res−1を持つ資源
保持部に対してファイル出力を行なうように要求する。
資源管理部22は、資源識別子がres−1に等しい資
源保持部21−1を検索し、ファイル出力を行なうよう
に要求する。資源保持部21−1は、ファイルの出力を
行ない、資源管理部22に返す。
【0233】資源管理部22からファイルの出力結果を
受け取ったコンテキスト保持部1−1は、出力結果と手
続き「圧縮」を資源実現部127−1に入力し、手続き
を適用するように要求する。資源実現部127−1は、
手続き「圧縮」の定義に従い、入力されたファイルの出
力結果を圧縮し、コンテキスト保持部1−1に返す。
【0234】コンテキスト保持部1−1は、資源実現部
127−1の出力結果を名前解決部122−3に返し
て、処理を終了する。名前解決部122−3は、入力を
そのまま通信部23に返す。
【0235】このようにして、名前name1が解決さ
れて、資源res−1に圧縮処理を施した資源を得るこ
とができる。このとき、ユーザは名前name1を有す
る仮想的な資源は、所定の圧縮処理が施されている資源
であるものとして取り扱うことができる。また、この具
体例では、コンテキスト保持部に含まれる各部が手続き
を有している。このように、名前との対応関係によって
コンテキスト保持部を連鎖的に用いて名前の解決を行な
うほか、所定の手続きによって解決を行なうように構成
することができる。
【0236】上述の第1の実施の形態における各具体例
は、第2の実施の形態における各具体例で、グループ属
性保持部が名前解決部と資源実現部を含んで構成したよ
うに、第1の実施の形態における各具体例においても名
前解決部や資源実現部をコンテキスト保持部に含むよう
に構成することで、第2の実施の形態や第3の実施の形
態と同様の構成とすることができる。この場合、名前解
決部と資源実現部の動作は、第2の実施の形態における
各具体例の名前解決部と資源実現部、または、第3の実
施の形態における各具体例の名前解決部と資源実現部と
同様である。このように、第1の実施の形態における各
具体例で示した機能を、第2および第3の実施の形態の
構成によって実現することができる。
【0237】同様に、第2の実施の形態における各具体
例は、第1の実施の形態の各具体例においてコンテキス
ト保持部が名前解決部と資源実現部を含まずに構成し、
また、第3の実施の形態の各具体例においてグループ属
性保持部が資源実現部を含まずに構成したように、第2
の実施の形態における各具体例において、名前解決部や
資源実現部をグループ属性保持部に含まずに構成するこ
とで、第1の実施の形態や第3の実施の形態と同様に構
成することができる。この場合、名前解決部と資源実現
部の動作は、第1の実施の形態における各具体例あるい
は第3の実施の形態における各具体例の名前解決部、資
源実現部と同様である。このように、第2の実施の形態
における各具体例で示した機能を、第1および第3の実
施の形態の構成によって実現することができる。
【0238】さらに、第3の実施の形態における各具体
例は、第1の実施の形態の各具体例においてコンテキス
ト保持部が名前解決部を含まずに構成し、また、第2の
実施の形態の各具体例においてグループ属性保持部が資
源実現部を含んで構成したように、第2の実施の形態に
おける各具体例において、名前解決部をグループ属性保
持部に含まずに構成することで、第1の実施の形態と同
様に構成し、また、資源実現部をグループ属性保持部に
含んで構成することで、第2の実施の形態と同様に構成
することができる。名前解決部をグループ属性保持部に
含まずに構成した場合、名前解決部の動作は第1の実施
の形態のおける各具体例の名前解決部と同様である。ま
た、資源実現部をグループ属性保持部に含んで構成した
場合、資源実現部の動作は、第2の実施の形態における
各具体例の資源実現部と同様である。このように、第3
の実施の形態における各具体例で示した機能を、第1お
よび第2の実施の形態の構成によって実現することがで
きる。
【0239】次に、本発明の資源管理装置の第4の実施
の形態について説明する。上述の各実施の形態では、名
前解析部2や名前変換部3、第3の実施例ではさらに名
前解決部4、第2の実施例ではさらに資源実現部5が、
コンテキスト識別子に対応づけられて、各コンテキスト
保持部を構成していた。しかし、このコンテキスト識別
子は、名前解析部2や名前変換部3、さらには名前解決
部4、さらに資源実現部5を特定するための1つの属性
に過ぎない。これらの名前解析部2や名前変換部3、名
前解決部4、資源実現部5は、他の種々の属性に対応づ
けておくことが可能であり、属性に応じて、それぞれを
選択して用いることが可能である。
【0240】この第4の実施の形態の構成は、基本的に
は、上述の第1ないし第3の実施の形態の構成と同様で
ある。この第4の実施の形態では、第1ないし第3の実
施の形態の各具体例において、各コンテキスト保持部
は、コンテキスト識別子の代わりに属性を保持する。も
ちろん、属性の一つとしてコンテキスト識別子を有して
いてもよい。なお、以下の各実施の形態の各具体例にお
いては、一例として上述の第1の実施の形態の第1の具
体例の変形例として示すが、第1の実施の形態の他の具
体例および第2、第3の実施の形態の各具体例につい
て、同様の変形を行なうことが可能である。
【0241】図38は、本発明の第4の実施の形態にお
ける一具体例を示す構成図である。図中、図2と同様の
部分には同じ符号を付して説明を省略する。131はコ
ンテキストデータベース部、132はコンテキストデー
タベース検索部、133はコンテキスト集合、134−
1〜134−Nはコンテキスト保持部、135−1〜1
35−Nは属性保持部である。ここで、コンテキスト集
合は集合“Context”とする。
【0242】コンテキストデータベース部131は、N
個のコンテキスト保持部134−1〜134−Nをコン
テキスト集合133として管理している。コンテキスト
データベース部131は、一般には任意個の集合を管理
し、集合に対して名前を付与しておき、集合の名前を用
いて参照するが、集合が1個のみである場合は名前を付
与せずにこれを参照してもよい。
【0243】また、コンテキストデータベース部131
には、コンテキスト集合133を検索するためのコンテ
キストデータベース検索部132が設けられている。コ
ンテキストデータベース検索部132は、属性を用いて
記述されている資源検索式を受け取り、その資源検索式
を満足する属性を有しているコンテキスト保持部をコン
テキスト集合133から探し出す。
【0244】各コンテキスト保持部134−1〜134
−Nは、それぞれ、属性保持部135−1〜135−N
と名前解析部2−1〜2−Nと名前変換部3−1〜3−
Nにより構成されている。属性保持部135−1〜13
5−Nには任意個の属性が、その属性名と属性値のペア
のリストとして保持されている。もちろん属性としてコ
ンテキスト識別子を有していてもよく、属性がコンテキ
スト識別子のみの場合、上述の第1の実施の形態の第1
の具体例と同様の構成となる。
【0245】本発明の第4の実施の形態の一具体例にお
ける具体的な動作の一例を説明する。ここで、属性保持
部135−1〜135−Nには、所有者を表わす属性
“owner”、変更日時を表わす“mdate”、カ
テゴリを表わす“category”の3つの属性が、
属性名と属性値のペアのリストとして保持されている。
属性値は、それぞれ、property.owner、
property.mdate、property.c
ategoryとして参照することができる。属性保持
部135−1のproperty.ownerの値は
“Smith”、property.mdateの値は
95.3.18、property.category
の値は“picture”であり、属性保持部135−
2から属性保持部135−Nまでの全てのproper
ty.ownerの値は“Bill”、propert
y.mdateの値は95.3.3、propert
y.categoryの値は“sound”であるとす
る。
【0246】また、名前解析部2−1は入力された全て
の名前をそのまま出力する。名前変換部3−1は名前n
ame1に対して資源実現表現<{},{res−1}
>を出力する。この資源実現表現は、実現要素列が空
で、資源要素列が資源識別子res−1から構成されて
いる。すなわち、資源識別子res−1を有する資源を
そのまま用いることを意味し、この資源実現表現は資源
識別子res−1のみと同等である。そのため、ここで
は名前変換部3−1は名前name1に対して資源識別
子res−1が出力されるものとする。さらに、名前解
決部4は、入力された資源検索式および資源実現表現中
の資源検索式を全てそのままコンテキストデータベース
検索部132へ出力するものとする。
【0247】いま、所有者を表わす属性値が“Smit
h”に等しく、かつ、変更日時を表わす属性値が95年
3月16日よりも新しく、かつ、カテゴリを表わす属性
値が“画像”であるようなコンテキストを指定し、名前
name1に対する問い合わせを行なう場合を考える。
【0248】図39は、本発明の第4の実施の態様の一
具体例における資源検索式の一例の説明図である。上述
のような問い合わせを行なう場合、例えば、図39に示
すような資源検索式OQL−1を入力すればよい。この
資源検索式OQL−1は、Object Databa
se Management Group(ODMG)
の提案するObject Query Languag
e:OQLに準拠して記述されている。この資源検索式
OQL−1の意味は、コンテキスト集合133の中か
ら、所有者を表わす属性property.owner
の値が“Smith”に等しく、かつ、変更日時を表わ
す属性property.mdateの値が95.3.
16よりも大きく、かつ、カテゴリを表わす属性pro
p−erty.categoryの値が“pictur
e”に等しいコンテキスト保持部を検索するものであ
る。検索の結果、該当するコンテキスト保持部が1個存
在する場合は該当するコンテキスト保持部を返し、それ
以外の場合はエラーを返す。
【0249】通信部23は、資源検索式OQL−1を指
定した名前name1の問い合わせ要求を受け取ると、
コンテキストデータベース部131に対してコンテキス
ト保持部134−1〜134−Nの属性保持部135−
1〜135−Nの中から資源検索式OQL−1を満たす
ものを検索するよう要求する。
【0250】コンテキストデータベース部131は、コ
ンテキストデータベース検索部132に資源検索式OQ
L−1を渡し、資源検索式OQL−1を満足するコンテ
キスト属性保持部を検索する。ここでは、属性保持部1
35−1のみが資源検索式OQL−1の条件を満たすの
で、資源検索式OQL−1の検索結果として、コンテキ
ストデータベース部131はコンテキスト保持部135
−1を返す。
【0251】通信部は、コンテキスト保持部135−1
に名前name1を入力し、名前解決処理を要求する。
コンテキスト保持部135−1は、名前解析部2−1に
対して名前name1を入力し、名前の解析を行なうよ
うに要求する。名前解析部2−1に入力された名前na
me1は、そのまま名前name1として出力され、名
前name1が名前変換部3−1の入力となる。名前変
換部3−1は、入力された名前name1に対して資源
識別子res−1を出力する。
【0252】名前解決部4に入力された資源識別子re
s−1はそのまま出力され、通信部23に資源検索式O
QL−1を指定した名前name1の解決の結果とし
て、資源識別子res−1が得られる。この資源実現表
現から、資源実現部5によって資源識別子res−1を
有する資源が得られる。
【0253】次に、本発明の資源管理装置の第5の実施
の形態について説明する。上述の各実施の形態では、コ
ンテキスト保持部を単位として、コンテキスト識別子あ
るいは属性によってコンテキスト保持部を特定し、解決
すべき名前を入力していた。しかし、あるコンテキスト
保持部内の各部品は、他のコンテキスト保持部内の対応
する部品とまったく同じである場合もある。このように
いくつかのコンテキスト保持部に共通の部品を各コンテ
キスト保持部に配置することは無駄である。また、ある
共通の部品を有する複数のコンテキスト保持部が存在す
るとき、あるコンテキスト保持部において、その共通の
部品を修正した場合、上述の各実施の形態では他のコン
テキスト保持部には反映されないという不都合があっ
た。
【0254】この第5の実施の形態では、コンテキスト
保持部内に存在していた名前解析部2や名前変換部3、
さらには名前解決部4や資源実現部5は、それぞれが属
性を有しており、また、これらの各部品ごとに集合を形
成している。各集合から資源検索式を満足する部品を選
択し、選択した部品を用いることによって、コンテキス
ト保持部を選択した場合と同様の動作を行なわせること
ができる。以下の具体例では、上述の第1の実施の形態
と同様に、名前解決部4および資源実現部5が1つだけ
存在する場合について説明する。しかし、これに限ら
ず、第3の実施の形態のように名前解決部4が複数存在
する場合や、第2の実施の形態のように、名前解決部4
および資源実現部5も複数存在する場合であっても、同
様に構成することが可能である。
【0255】図40は、本発明の第5の実施の形態にお
ける一具体例を示す構成図である。図中、図2、図38
と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。1
41は名前解析部集合、142は名前変換部集合、14
3−1〜143−Nは名前解析部保持部、144−1〜
144−Nは属性保持部、145−1〜145−Lは名
前変換部保持部、146−1〜146−Lは属性保持部
である。
【0256】コンテキストデータベース部131は、コ
ンテキストデータベース検索部132、N個の名前解析
部保持部143−1〜143−N、L個の名前変換部保
持部145−1〜145−Lにより構成されている。コ
ンテキストデータベース部131は、N個の名前解析部
保持部143−1〜143−Nを名前解析部集合141
として、また、L個の名前変換部保持部145−1〜1
45−Lを名前変換部集合142として管理している。
【0257】名前解析部保持部143−1〜143−N
は、属性を保持する属性保持部144−1〜144−N
と、名前解析部2−1〜2−Nにより構成されている。
また、名前変換部保持部145−1〜145−Lは、属
性を保持する属性保持部146−1〜146−Lと名前
変換部3−1〜3−Lにより構成されている。属性保持
部144−1〜144−Nおよび属性保持部146−1
〜146−Lには、任意個の属性が、その属性名と属性
値のペアのリストとして保持されている。
【0258】本発明の第5の実施の形態の一具体例にお
ける具体的な動作の一例を説明する。ここで、名前解析
部集合141は集合“Parser”、名前変換部集合
142は集合“Trans”とする。
【0259】また、名前解析部保持部143−1〜14
3−Nを構成する属性保持部144−1〜144−Nに
は、名前を表わす属性“name”が、属性名と属性値
のペアのリストとして保持されている。属性保持部14
4−1〜144−Nの名前を表わす属性値は、prop
erty.nameとして参照することができる。属性
保持部144−1のproperty.nameの値は
“path_expression”であり、属性保持
部144−2〜144−Nまでの、property.
nameの値は“dot_notation”であるも
のとする。
【0260】さらに、名前変換部保持部145−1〜1
45−Nを構成する属性保持部146−1〜146−L
には、所有者を表わす属性“owner”およびカテゴ
リを表わす属性“category”の2つの属性が、
属性名と属性値のペアのリストとして保持されている。
属性保持部146−1〜146−Lの属性値は、それぞ
れ、property.owner、propert
y.categoryとして参照することができる。属
性保持部146−1の、property.owner
の値は“Smith”、property.categ
oryの値は“picture”であり、属性保持部1
46−2〜146−Lまでのproperty.own
erの値は“Bill”、property.cate
goryの値は“sound”であるとする。
【0261】名前解析部保持部143−1の名前解析部
2−1は、入力された名前に対して、名前の先頭から文
字“/”を含まないで連続する最も長い文字列を出力す
るものとする。また、名前変換部保持部145−1の名
前変換部3−1は、名前name1に対して資源識別子
res−1を出力するものとする。さらに、名前解決部
4は、入力された資源検索式を全てそのまま出力するも
のとする。
【0262】いま、名前を表わす属性値が“path_
expression”に等しい名前解析部と、所有者
を表わす属性値が“Smith”に等しくかつカテゴリ
を表わす属性値が“画像”に等しい名前変換部を有する
ようなコンテキストを検索し、検索されたコンテキスト
に対して名前“name1/name2/name3”
の名前解決を要求する場合の動作例について説明する。
【0263】図41は、本発明の第5の実施の態様の一
具体例における資源検索式の一例の説明図である。上述
のような要求を行なう場合、例えば、資源検索式とし
て、図41に示すような資源検索式OQL−2を入力す
ればよい。この資源検索式OQL−2は、上述の第4の
実施の態様と同様、Object DatabaseM
anagement Group(ODMG)の提案す
るObject Query Language:OQ
Lに準拠するものである。資源検索式OQL−2の意味
は、集合Parserの中から、名前を表わす属性pr
operty.nameの値が“path_expre
ssion”に等しい名前解析部保持部を検索し、該当
する名前解析部保持部が1個存在する場合は該当する名
前解析部保持部の名前解析部を検索結果のコンテキスト
の名前解析部とし、それ以外の場合はエラーを返す。さ
らに、集合Transの中から、所有者を表わす属性p
roperty.ownerの値が“Smith”に等
しく、かつ、カテゴリを表わす属性property.
categoryの値が“picture”に等しい名
前変換部保持部を検索し、該当する名前変換部保持部が
1個であった場合は該当する名前変換部保持部の名前変
換部を検索結果のコンテキストの名前変換部とし、それ
以外の場合はエラーを返すように要求するものである。
【0264】通信部23は資源検索式OQL−2ととも
に名前“name1/name2/name3”の問い
合わせ要求を受け取ると、コンテキストデータベース部
131に対して資源検索式OQL−2を満たすコンテキ
ストを得るように要求する。コンテキストデータベース
部131は、コンテキストデータベース検索部132に
資源検索式OQL−2を渡し、資源検索式OQL−2を
満足する名前解析部保持部および名前変換部保持部を検
索してコンテキストを生成する。
【0265】図42は、本発明の第5の実施の態様の一
具体例における名前解析部、名前変換部の検索の動作の
一例を示すフローチャートである。まず、S151にお
いて、資源検索式の条件を満足する名前解析部保持部を
検索し、集合1とする。ここでは、集合Parserの
要素であるN個の名前解析部保持部143−1〜143
−Nに対して、各名前解析部保持部143−1〜143
−Nの構成要素である属性保持部144−1〜144−
Nに保持される名前を表わす属性“property.
name”の値を“path_expression”
と比較する。結果が真であるのは名前解析部保持部14
3−1であるので、名前解析部保持部143−1のみを
要素とする集合を集合1とする。
【0266】S152において、S151で得られた集
合1の要素の数が1か否かを判断し、1以外の時はエラ
ーを返して終了する。それ以外の場合は次のステップへ
進む。この場合にはS153へ進む。
【0267】S153において、集合1の要素である名
前解析部保持部143−iから名前解析部2−iを取り
出す。取り出した名前解析部2−iを資源検索式の検索
結果であるコンテキストの名前解析部とする。ここで
は、名前解析部2−1が取り出される。
【0268】次に、S154において、資源検索式の条
件を満足する名前変換部保持部を検索し、集合2とす
る。ここでは、集合Transの要素であるL個の名前
変換部保持部145−1〜145−Lに対して、名前変
換部保持部145−1〜145−Lの構成要素である属
性保持部146−1〜146−Lに保持される所有者を
表わす属性“property.owner”の値を
“Smith”と比較し、結果が真であり、かつ、カテ
ゴリを表わす属性“property.categor
y”の値を“picture”と比較する。結果が真で
あるのは名前変換部保持部145−1であるので、名前
変換部保持部145−1のみを要素とする集合を集合2
とする。
【0269】S155において、S154で得られた集
合2の要素の数が1か否かを判断し、1以外の時はエラ
ーを返して終了する。それ以外の場合は次のステップへ
進む。ここでは、S156へ進む。
【0270】S156において、集合2の要素である名
前変換部保持部145−jから名前変換部3−jを取り
出す。取り出した名前変換部3−jを資源検索式の検索
結果であるコンテキストの名前変換部とする。ここで
は、名前変換部3−1が取り出される。
【0271】S157において、S153で得られた名
前解析部と、S156で得られた名前変換部を構成要素
とするコンテキストを生成し、結果として返す。ここで
は、名前解析部2−1と名前変換部3−1が取り出され
るので、これらから構成されるコンテキストが生成さ
れ、検索結果として返される。
【0272】通信部23は、生成されたコンテキストに
対して、名前“name1/name2/name3”
を入力し、名前の解決を要求する。この名前“name
1/name2/name3”は、検索によって取り出
された名前解析部2−1に対して入力される。名前解析
部2−1は、入力された名前“name1/name2
/name3”から、先頭から文字“/”の前までの文
字列“name1”を出力する。この文字列“name
1”が名前変換部3−1の入力となる。
【0273】名前変換部3−1は、入力された文字列
“name1”に対して資源識別子res−1を出力す
る。名前解決部4に入力された資源識別子res−1は
そのまま出力され、通信部23に資源検索式OQL−2
を指定した名前“name1/name2/name
3”の解決の結果として資源識別子res−1が返され
る。
【0274】次に、本発明の資源管理装置の第6の実施
の形態について説明する。上述の第5の実施の形態で
は、コンテキストを構成する各部を資源検索式によって
検索し、コンテキストを生成する例を示した。この第6
の実施の形態では、コンテキストを構成する各部、すな
わち、名前解析部、名前変換部、さらには名前解決部、
さらには資源実現部が、それぞれ名前解析情報、名前変
換情報、名前解決情報、資源実現情報によって構成され
ており、それぞれ名前解析情報、名前変換情報、名前解
決情報、資源実現情報を検索することによって、各部が
生成される。もちろん、コンテキストを構成する各部す
べてがこのように生成される必要はなく、そのうちの一
部のみが生成される構成であってよい。また、上述の第
1〜第4の実施の形態で示した各具体例のように、コン
テキスト保持部が存在する構成であっても、第5の実施
の形態で示した具体例のように、コンテキストを構成す
る各部が検索される構成であっても適用可能である。
【0275】以下の具体例では、このような構成の一例
として、コンテキストが名前解析部および名前変換部に
より構成され、名前解析部は上述の第5の実施例と同様
に名前解析部保持部の集合から検索され、名前変換部は
名前変換情報を有する複数の集合から検索された名前変
換情報によって生成されるものとする。しかし、これに
限らず、第3の実施の形態のようにコンテキスト中に名
前解決部4が存在する場合や、第2の実施の形態のよう
に、コンテキスト中に名前解決部4および資源実現部5
も存在する場合であっても、同様に構成することが可能
である。また、名前変換部のほかに、名前解析部や、名
前解決部、資源実現部も、それぞれ名前解析情報、名前
解決情報、資源実現情報を検索し、生成する構成であっ
てもよい。
【0276】図43は、本発明の第6の実施の形態にお
ける一具体例を示す構成図である。図中、図40と同様
の部分には同じ符号を付して説明を省略する。161〜
163は名前変換情報集合である。コンテキストデータ
ベース部131は、コンテキストデータベース検索部1
32と、N個の名前解析部保持部143−1〜143−
Nを有する名前解析部集合141と、3つの名前変換情
報集合161〜163を有している。
【0277】名前変換情報集合161〜163は、それ
ぞれ、名前変換情報がコンテキストデータベース検索部
132によって検索可能に構成されている。名前変換情
報は、名前の変換が可能な情報であればよく、例えば、
関係表や関数等でよい。また、項書換えルールや、属性
文法のルール、Syntax Directed Tr
anslationの変換規則等であってもよい。さら
に、論理プログラミングにおける節集合、オートマトン
の合成(遷移規則の合成)や、チューリングマシンの遷
移規則等であってもよい。さらには、オブジェクト指向
プログラミングにおけるオブジェクトのインスタンスで
あってもよい。
【0278】以下の説明では、一例として名前変換情報
が関係表であるものとする。ここでは、名前解析部集合
141を集合Parser、名前変換情報集合161を
集合Parts、名前変換集合162を集合Suppl
y、名前変換集合163を集合Companiesとす
る。図44は、本発明の第6の実施の態様の一具体例に
おける名前変換情報集合の一例の説明図である。図44
に集合Partsの内容の一例を示す。集合Parts
には部品に関するデータが格納されている。集合Par
tsは2項組を要素とする集合であり、2項組の第1の
項はname、第2の項はpriceとして参照され
る。第1の項のnameは部品の名前を、第2の項のp
riceは部品の価格を表わす。例えば、<part
1,1500>の2項組は、名前が“part1”であ
る部品の価格が1500であることを表わす。
【0279】図45は、本発明の第6の実施の態様の一
具体例における名前変換情報集合の別の例の説明図であ
る。図45に集合Supplyを示す。集合Suppl
yには部品の納入状況に関するデータが格納されてい
る。集合Supplyも2項組を要素とする集合であ
り、2項組の第1の項はname、第2の項はsupp
lierとして参照される。第1の項のnameは部品
の名前を、第2の項のsupplierは部品の納入者
を表わす。例えば、<part1,com1>の2項組
は、名前が“part1”である部品の納入者が“co
m1”であることを表わす。
【0280】図46は、本発明の第6の実施の態様の一
具体例における名前変換情報集合のさらに別の例の説明
図である。図46に集合Companiesを示す。集
合Companiesは、納入者に関するデータが格納
されている。集合Companiesは3項組を要素と
する集合であり、3項組の第1の項はname、第2の
項はtel、第3の項はoutlineとして参照され
る。第1の項のnameは納入者の名前を、第2の項の
telは納入者の電話番号を、第3の項のoutlin
eは納入者の概要を記述したファイル資源の資源識別子
を表わす。例えば、<com1,tel,res−5>
の3項組は、名前が“com1”である部品の納入者の
電話番号が“11−111−1111”であり、納入者
の概要を記述したファイル資源の資源識別子が“res
−5”であることを表わす。
【0281】本発明の第6の実施の形態の一具体例にお
ける具体的な動作の一例を説明する。ここで、名前解析
部保持部143−1〜143−Nは、属性を保持する属
性保持部144−1〜144−Nと名前解析部2−1〜
2−Nにより構成されている。属性保持部144−1〜
144−Nには、名前を表わす属性“name”が、属
性名と属性値のペアのリストとして保持されており、p
roperty.nameにより名前を表わす属性値を
参照することができる。名前解析部保持部143−1を
構成する属性保持部144−1のproperty.n
ameの値は“path_expression”であ
り、属性保持部144−2〜144−Nまでのprop
erty.nameの値は“dot_notatio
n”であるものとする。また、名前解析部4は入力され
た名前に対して、名前の先頭から文字“/”を含まずに
連続する最も長い文字列を出力するものとする。さら
に、名前解決部5は、入力された資源検索式を全てその
まま出力するものとする。
【0282】図47は、本発明の第6の実施の態様の一
具体例における資源検索式の一例の説明図である。い
ま、資源検索式として、例えば、図47に示すような資
源検索式OQL−3が入力されるものとする。図47に
示した資源検索式OQL−3は、上述の第5、第6の実
施の態様と同様、Object Database M
anagement Group(ODMG)の提案す
るObject Query Language:OQ
Lに準拠するものである。この資源検索式OQL−3
は、次のような意味を有している。まず、集合Pars
erの中から、名前を表わす属性property.n
ameの値が“path_expression”に等
しい名前解析部保持部を検索し、該当する名前解析部保
持部が1個存在する場合は該当する名前解析部保持部の
名前解析部を検索結果のコンテキストの名前解析部と
し、それ以外の場合はエラーを返す。さらに、集合Pa
rtsと集合Supplyと集合Companiesの
デカルト積を求め、これを集合1とし、集合1から、集
合Partsのpriceに相当する項の値が1000
よりも大きく、集合Partsのnameに相当する項
の値と集合Supplyのnameに相当する項の値が
等しく、集合Supplyのsupplierに相当す
る項の値と集合Companyのnameに相当する項
の値が等しい要素を選択して集合2とする。集合2の各
要素に対して、集合Companyのnameに相当す
る項と集合Companyのoutlineに相当する
項からなる2項組を要素とする集合を生成し、検索結果
の名前変換部とする。
【0283】上述の資源検索式OQL−3が指定され、
名前“com1/name2/name3”の問い合わ
せ要求を行なう場合、通信部23はこれらを受け取り、
コンテキストデータベース部131に対して資源検索式
OQL−3を満たす名前解析部と名前変換部からなるコ
ンテキストを要求する。コンテキストデータベース部1
31は、コンテキストデータベース検索部132に資源
検索式OQL−3を渡し、資源検索式OQL−3を満足
する名前解析部を検索するとともに、資源検索式OQL
−3を満足する名前変換情報から名前変換部を生成し
て、コンテキストを構成する。
【0284】図48は、本発明の第6の実施の態様の一
具体例における名前解析部の検索および名前変換情報の
検索の動作の一例を示すフローチャートである。ここ
で、S171〜S173は、上述の図42におけるS1
51〜S153と同様である。この例では、集合Par
serの要素であるN個の名前解析部保持部143−1
〜143−Nに対して名前解析部保持部143−1〜1
43−Nの構成要素である属性保持部144−1〜14
4−Nに保持される名前を表わす属性“propert
y.name”の値を“path_expressio
n”と比較し、結果が真である名前解析部保持部143
−1のみからなる集合1を得る。そして、集合1の要素
である名前解析部保持部143−1から名前解析部2−
1を取り出し、コンテキストの名前解析部とする。
【0285】次に、S174において、資源検索式の条
件を満たす名前変換情報を取り出し、名前変換部を生成
する。上述の資源検索式OQL−3の場合には、まず、
集合Partsと集合Supplyと集合Compan
yのデカルト積を求め、これを集合2−1とする。集合
2−1の要素のうち、集合Partsのpriceに相
当する項の値が1000よりも大きいものを選択し、こ
の集合を集合2−2とする。集合2−2の要素のうち、
集合Partsのnameに相当する項の値と集合Su
pplyのnameに相当する項の値が等しいものを選
択し、この集合を集合2−3とする。さらに、集合2−
3の要素のうち、集合Supplyのsupplier
に相当する項の値と集合Companyのnameに相
当する項の値が等しいものを選択し、この集合を集合2
−4とする。
【0286】図49は、本発明の第6の実施の態様の一
具体例における資源検索式の条件を満たす名前変換情報
の具体例の説明図である。図44〜図46に示した集合
Parts、集合Supply、集合Companyか
ら、上述のようにして集合2−4を求めると、図49に
示すようになる。
【0287】さらに、資源検索式OQL−3に基づい
て、集合2−4の各要素に対して、集合Company
のnameに相当する項を第1項fromとし、集合C
ompanyのoutlineに相当する項を第2項t
oとする2項組を構成し、これらの2項組を要素とする
集合を生成し、これを集合2−5とする。
【0288】図50は、本発明の第6の実施の態様の一
具体例において生成された名前変換部の具体例の説明図
である。このようにして生成された集合2−5は、第1
項のfromの名前を第2項のtoの資源識別子へ変換
するための情報である。このように、図50に示した集
合2−5によって、名前変換部を構成することができ
る。
【0289】図48に戻り、S175において、S17
3で取り出した名前解析部と、S174で生成した名前
変換部によって、コンテキストを生成する。ここでは、
名前解析部2−1と、生成された名前変換部によって、
コンテキストが生成される。
【0290】コンテキストデータベース部131は、資
源検索式OQL−3の検索結果として、名前解析部2−
1と集合2−5により生成された名前変換部を構成要素
とするコンテキストを結果として返す。
【0291】通信部23は、このようにして生成された
コンテキストに要求された名前“com1/name2
/name3”を入力し、名前解決操作を要求する。名
前解析部2−1に名前“com1/name2/nam
e3”が入力され、名前の先頭から文字“/”を含まず
に連続する最も長い文字列“com1”が出力される。
名前変換部は、図50に示す情報を有しているので、f
romの項がcom1である要素のtoの項“res−
5”を出力する。
【0292】名前解決部4に入力されたres−5はそ
のまま出力され、通信部23にOQL−3を指定し、名
前“com1/name2/name3”の解決を要求
した結果として、資源識別子res−5が返される。
【0293】なお、上述の第4ないし第6の実施の態様
の具体例における各例では、1回の名前解決の手続で資
源識別子が得られたが、場合によっては名前と資源検索
式が得られることもある。その場合には、通信部23は
得られた資源検索式を再度コンテキストデータベース部
131に送り、コンテキストを検索し、検索されたコン
テキストに名前の解決を要求する。このように、上述の
第1〜第3の実施の態様の各具体例と同様に、名前解決
の処理を繰り返し行なうことによって、資源を得ること
ができる。
【0294】また、上述の第4ないし第6の実施の態様
の具体例では、資源実現部5を設けた構成を示している
が、資源実現部5を設けずに構成することも可能であ
る。特に、上述の各例のように、名前解決部から資源識
別子が出力されるような場合では、資源実現部5は不要
である。
【0295】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、大域的な資源に対して、所定の処理を施すこ
とでなされる、個々のユーザがそれぞれ所望する性質を
有する局所的な名前を持つ局所的な資源を取り扱う機能
を提供することができる。加えて、複数の資源にそれぞ
れ異なる処理を施して、その結果を集積することで、あ
たかも、個々のユーザが所望する性質を有する単一の局
所的な名前を持つ局所的な資源が実在するかのように取
り扱う機能を提供することができる。さらに、名前の解
析や名前の変換、さらには名前の解決や資源の実現等の
手段を検索式によって適宜組み合わせ、また、これらの
各手段を検索式によって構成することができる。これら
により、個々のユーザのアクセス方法の嗜好や意図を反
映したユーザごとに局所的な資源アクセスのための名前
空間を提供する柔軟性の高い分散システムを具現化する
資源管理装置および資源管理方法を提供することができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の資源管理装置の第1の実施の形態を
示すブロック図である。
【図2】 本発明の資源管理装置の第1の実施の形態に
おける第1の具体例を示す構成図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態の第1の具体例に
おける名前変換部で用いられる資源要素列と資源実現表
現の対応表の一例の説明図である。
【図4】 手続きconcatの動作の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図5】 手続きconcatの動作の一例のうちの読
み出し処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】 手続きconcatの動作の一例のうちの書
き込み処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の第1の実施の形態の第1の具体例に
おける名前解決部4の動作の一例を示すフローチャート
である。
【図8】 本発明の第1の実施の形態の第2の具体例に
おける第2のコンテキスト保持部の名前変換部で用いら
れる対応表の一例の説明図である。
【図9】 本発明の第1の実施の形態の第3の具体例に
おける名前変換部で用いる対応表の一例の説明図であ
る。
【図10】 手続きinterpolate_400_
100の処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】 本発明の資源管理装置の第2の実施の形態
を示すブロック図である。
【図12】 本発明の第2の実施の形態における第1の
具体例を示す構成図である。
【図13】 局所的なファイルシステムの説明図であ
る。
【図14】 本発明の第2の実施の形態の第1の具体例
における資源管理部の一例を示す構成図である。
【図15】 本発明の第2の実施の形態の第1の具体例
におけるグループ管理部の一例を示す構成図である。
【図16】 本発明の第2の実施の形態の第1の具体例
における名前変換部に保有される対応表の一例の説明図
である。
【図17】 本発明の第2の実施の形態の第2の具体例
におけるグループ管理部の一例を示す構成図である。
【図18】 本発明の第2の実施の形態の第2の具体例
における名前変換部に保有される対応表の一例の説明図
である。
【図19】 本発明の第2の実施の形態の第2の具体例
における対応表の作成手順の一例を示すフローチャート
である。
【図20】 本発明の第2の実施の形態の第2の具体例
における対応表の作成手順の別の例を示すフローチャー
トである。
【図21】 本発明の第2の実施の形態の第3の具体例
におけるグループ管理部の一例を示す構成図である。
【図22】 本発明の第2の実施の形態の第3の具体例
における名前変換部に保有される対応表の一例の説明図
である。
【図23】 本発明の第2の実施の形態の第3の具体例
におけるグループ管理部の別の例を示す構成図である。
【図24】 本発明の第2の実施の形態の第3の具体例
における名前変換部に保有される対応表の別の例の説明
図である。
【図25】 本発明の第2の実施の形態の第3の具体例
におけるグループ管理部のさらに別の例を示す構成図で
ある。
【図26】 本発明の第2の実施の形態の第3の具体例
における名前変換部に保有される対応表のさらに別の例
の説明図である。
【図27】 本発明の第2の実施の形態の第4の具体例
におけるグループ管理部の一例を示す構成図である。
【図28】 本発明の資源管理装置の第3の実施の形態
を示すブロック図である。
【図29】 本発明の第3の実施の形態における第1の
具体例を示す構成図である。
【図30】 名前解決木の一例の説明図である。
【図31】 本発明の第3の実施の形態の第1の具体例
におけるグループ管理部の一例を示す構成図である。
【図32】 本発明の第3の実施の形態の第1の具体例
における名前“/G別/G1/月報”の解決の過程の一
例の説明図である。
【図33】 本発明の第3の実施の形態の第1の具体例
における名前“/G別/G1”の解決の過程の一例の説
明図である。
【図34】 本発明の第3の実施の形態の第1の具体例
における名前“\文書別\月報\G1”の解決の過程の
一例の説明図である。
【図35】 本発明の第3の実施の形態の第1の具体例
における名前“/G別/G1/月報”の解決の過程の別
の例の説明図である。
【図36】 本発明の第3の実施の形態の第1の具体例
における名前“/G別/G1/月報”の解決の過程のさ
らに別の例の説明図である。
【図37】 本発明の第3の実施の形態における第2の
具体例を示す構成図である。
【図38】 本発明の第4の実施の形態における一具体
例を示す構成図である。
【図39】 本発明の第4の実施の態様の一具体例にお
ける資源検索式の一例の説明図である。
【図40】 本発明の第5の実施の形態における一具体
例を示す構成図である。
【図41】 本発明の第5の実施の態様の一具体例にお
ける資源検索式の一例の説明図である。
【図42】 本発明の第5の実施の態様の一具体例にお
ける名前解析部、名前変換部の検索の動作の一例を示す
フローチャートである。
【図43】 本発明の第6の実施の形態における一具体
例を示す構成図である。
【図44】 本発明の第6の実施の態様の一具体例にお
ける名前変換情報集合の一例の説明図である。
【図45】 本発明の第6の実施の態様の一具体例にお
ける名前変換情報集合の別の例の説明図である。
【図46】 本発明の第6の実施の態様の一具体例にお
ける名前変換情報集合のさらに別の例の説明図である。
【図47】 本発明の第6の実施の態様の一具体例にお
ける資源検索式の一例の説明図である。
【図48】 本発明の第6の実施の態様の一具体例にお
ける名前解析部の検索および名前変換情報の検索の動作
の一例を示すフローチャートである。
【図49】 本発明の第6の実施の態様の一具体例にお
ける資源検索式の条件を満たす名前変換情報の具体例の
説明図である。
【図50】 本発明の第6の実施の態様の一具体例にお
いて生成された名前変換部の具体例の説明図である。
【符号の説明】
1−1〜1−n…コンテキスト保持部、2−1〜2−n
…名前解析部、3−1〜3−n…名前変換部、4,4−
1〜4−n…名前解決部、5,5−1〜5−n…資源実
現部、6−1〜6−n,7−1〜7−n,8,8−1〜
8−n,9,9−1〜9−n、10〜12…端子、21
−1〜21−n…資源保持部、22…資源管理部、23
…通信部、24…コンテキスト管理部、91…資源管理
部、92−1〜92−n…資源属性保持部、93…グル
ープ管理部、94−1〜94−m…グループ属性保持
部、131…コンテキストデータベース部、132…コ
ンテキストデータベース検索部、133…コンテキスト
集合、134−1〜134−N…コンテキスト保持部、
135−1〜135−N…属性保持部、141…名前解
析部集合、142…名前変換部集合、143−1〜14
3−N…名前解析部保持部、144−1〜144−N…
属性保持部、145−1〜145−L…名前変換部保持
部、146−1〜146−L…属性保持部、161〜1
63…名前変換情報集合。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 一郎 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報処理を行なう複数の計算機システム
    がネットワークで結ばれたネットワーク情報システムで
    使用される資源管理装置において、コンテキスト識別子
    を持つコンテキスト保持手段と、名前解決手段を有し、
    前記コンテキスト保持手段は、資源に付けられた名前で
    ある資源名を入力とし該資源名の名前の解析を行なう名
    前解析手段と、該名前解析手段による解析結果を前記計
    算機システム内にあらかじめ実現されている実資源が固
    有に持つ資源識別子を要素とする第1の資源要素列と該
    第1の資源要素列を処理するための手続き情報である第
    1の実現要素列との組からなる第1の資源実現表現また
    はコンテキスト識別子と資源名の組を要素とする第2の
    資源要素列と該第2の資源要素列を処理するための手続
    き情報である第2の実現要素列との組からなる第2の資
    源実現表現に変換する名前変換手段を有し、前記名前解
    決手段は、前記コンテキスト保持手段内の前記名前変換
    手段により変換された第2の資源実現表現に含まれる第
    2の資源要素列の資源名を対応するコンテキスト識別子
    が示す前記コンテキスト保持手段に対して出力すること
    を特徴とする資源管理装置。
  2. 【請求項2】 情報処理を行なう複数の計算機システム
    がネットワークで結ばれたネットワーク情報システムで
    使用される資源管理装置において、コンテキスト識別子
    を持つコンテキスト保持手段と、名前解決手段と、資源
    実現手段を有し、前記コンテキスト保持手段は、資源に
    付けられた名前である資源名を入力とし該資源名の名前
    の解析を行なう名前解析手段と、該名前解析手段による
    解析結果を前記計算機システム内にあらかじめ実現され
    ている実資源が固有に持つ資源識別子のみを要素とする
    第1の資源要素列と該第1の資源要素列を処理するため
    の手続き情報である第1の実現要素列との組からなる第
    1の資源実現表現またはコンテキスト識別子と資源名の
    組を要素とする第2の資源要素列と該第2の資源要素列
    を処理するための手続き情報である第2の実現要素列と
    の組からなる第2の資源実現表現に変換する名前変換手
    段を有し、前記名前解決手段は、前記コンテキスト保持
    手段内の前記名前変換手段により変換された第2の資源
    実現表現に含まれる第2の資源要素列の資源名を対応す
    るコンテキスト識別子が示す前記コンテキスト保持手段
    に対して出力しまたは前記コンテキスト保持手段内の名
    前変換手段により変換された第1の資源実現表現を出力
    し、前記資源実現手段は、前記名前解決手段により出力
    された第1の資源実現表現に含まれる第1の実現要素列
    を解釈しその解釈結果を前記第1の資源要素列に対応す
    るあらかじめ実現されている実資源に対して実行して資
    源を生成することを特徴とする資源管理装置。
  3. 【請求項3】 情報処理を行なう複数の計算機システム
    がネットワークで結ばれたネットワーク情報システムで
    使用される資源管理装置において、コンテキスト識別子
    を持つ第1のコンテキスト保持手段および第2のコンテ
    キスト保持手段を有し、前記第1のコンテキスト保持手
    段は、資源に付けられた名前である資源名を入力とし該
    資源名の名前の解析を行なう第1の名前解析手段と、該
    第1の名前解析手段による解析結果を前記計算機システ
    ム内にあらかじめ実現されている実資源が固有に持つ資
    源識別子のみを要素とする第1の資源要素列に変換する
    第1の名前変換手段と、該第1の名前変換手段により変
    換された第1の資源要素列と該第1の資源要素列を処理
    するための手続き情報の組である第1の名前解決結果に
    変換する第1の名前解決手段と、該第1の名前解決手段
    により変換された第1の名前解決結果に含まれる手続き
    情報を解釈しその解釈結果を前記第1の資源要素列に対
    応する実資源に対して実行して資源を生成し該資源を操
    作するためのハンドル情報を出力する第1の資源実現手
    段を有し、前記第2のコンテキスト保持手段は、資源名
    を入力とし該資源名の名前の解析を行なう第2の名前解
    析手段と、該第2の名前解析手段による解析結果をコン
    テキスト識別子と資源名の組を要素とする第2の資源要
    素列に変換する第2の名前変換手段と、該第2の名前変
    換手段により変換された第2の資源要素列の資源名をコ
    ンテキスト識別子に対応する前記第1のコンテキスト保
    持手段に対して出力し前記第1のコンテキスト保持手段
    より得られるハンドル情報と該ハンドル情報に対応する
    資源を処理するための手続き情報の組である第2の名前
    解決結果に変換する第2の名前解決手段と、該第2の名
    前解決手段により変換された第2の名前解決結果に含ま
    れる手続き情報を解釈しその解釈結果を前記ハンドル情
    報に対応する資源に対して実行して資源を生成する第2
    の資源実現手段を有することを特徴とする資源管理装
    置。
  4. 【請求項4】 情報処理を行なう複数の計算機システム
    がネットワークで結ばれたネットワーク情報システムで
    使用される資源管理装置において、コンテキスト識別子
    を持つ第1のコンテキスト保持手段および第2のコンテ
    キスト保持手段を有し、前記第1のコンテキスト保持手
    段は、資源に付けられた名前である資源名を入力とし該
    資源名の名前の解析を行なう第1の名前解析手段と、該
    第1の名前解析手段による解析結果を前記計算機システ
    ム内にあらかじめ実現されている実資源が固有に持つ資
    源識別子を要素とする第1の資源要素列に変換する第1
    の名前変換手段と、該第1の名前変換手段により変換さ
    れた第1の資源要素列と該第1の資源要素列を処理する
    ための手続き情報の組である名前解決結果を出力する第
    1の名前解決手段を有し、前記第2のコンテキスト保持
    手段は、資源名を入力とし該資源名の名前の解析を行な
    う第2の名前解析手段と、該第2の名前解析手段による
    解析結果をコンテキスト識別子と資源名の組を要素とす
    る第2の資源要素列に変換する第2の名前変換手段と、
    該第2の名前変換手段により変換された第2の資源要素
    列の資源名を対応するコンテキスト識別子の示す前記第
    1のコンテキスト保持手段に対して出力し前記第1のコ
    ンテキスト保持手段より名前解決結果を受け取る第2の
    名前解決手段を有することを特徴とする資源管理装置。
  5. 【請求項5】 情報処理を行なう複数の計算機システム
    がネットワークで結ばれたネットワーク情報システムで
    使用される資源管理装置において、コンテキスト識別子
    を持つ第1のコンテキスト保持手段および第2のコンテ
    キスト保持手段と、資源実現手段を有し、前記第1のコ
    ンテキスト保持手段は、資源に付けられた名前である資
    源名を入力とし該資源名の名前の解析を行なう第1の名
    前解析手段と、該第1の名前解析手段による解析結果を
    前記計算機システム内にあらかじめ実現されている実資
    源が固有に持つ資源識別子のみを要素とする第1の資源
    要素列に変換する第1の名前変換手段と、該第1の名前
    変換手段により変換された第1の資源要素列と該第1の
    資源要素列を処理するための手続き情報の組である第1
    の名前解決結果を出力する第1の名前解決手段を有し、
    前記第2のコンテキスト保持手段は、資源名を入力とし
    該資源名の名前の解析を行なう第2の名前解析手段と、
    該第2の名前解析手段による解析結果をコンテキスト識
    別子と資源名の組を要素とする第2の資源要素列に変換
    する第2の名前変換手段と、該第2の名前変換手段によ
    り変換された第2の資源要素列の資源名を対応するコン
    テキスト識別子の示す前記第1のコンテキスト保持手段
    に対して出力し前記第1のコンテキスト保持手段より受
    け取った第1の名前解決結果を用いて資源識別子と該資
    源識別子に対応する実資源を処理するための手続き情報
    の組である第2の名前解決結果を出力する第2の名前解
    決手段を有し、前記資源実現手段は、前記第2のコンテ
    キスト保持手段内の第2の名前解決手段により出力され
    た第2の名前解決結果に含まれる手続き情報を解釈しそ
    の解釈結果を前記資源識別子に対応するあらかじめ実現
    されている実資源に対して実行して資源を生成すること
    を特徴とする資源管理装置。
  6. 【請求項6】 資源に付けられた名前である資源名を入
    力し、該資源名の名前の解析を行ない、名前の解析結果
    を資源名を要素とする第1の資源要素列に変換し、変換
    された第1の資源要素列に含まれる資源名の名前の解析
    を行ない、該解析結果を計算機システム内にあらかじめ
    実現されている実資源が固有に持つ資源識別子のみから
    なる第2の資源要素列に変換し、変換された第2の資源
    要素列を処理するための手続き情報を求め、該手続き情
    報を解釈し、該解釈結果により前記第2の資源要素列に
    対応する実資源に適用して資源を生成し、生成された資
    源を操作するためのハンドル情報を求め、このハンドル
    情報に対応する資源を処理するための手続き情報を求
    め、該手続き情報を解釈し、該解釈結果を前記ハンドル
    情報に対応する資源に適用して別の資源を生成すること
    を特徴とする資源管理方法。
  7. 【請求項7】 情報処理を行なう計算機システムにおい
    て用いられる資源管理装置において、属性と対応づけら
    れ資源に付けられた名前である資源名を入力とし該資源
    名の名前の解析を行なう1以上の名前解析手段と、属性
    と対応づけられ前記名前解析手段による解析結果を前記
    計算機システム内にあらかじめ実現されている実資源が
    固有に持つ資源識別子を要素とする第1の資源要素列と
    該第1の資源要素列を処理するための手続き情報である
    第1の実現要素列との組からなる第1の資源実現表現ま
    たは前記属性を直接的または間接的に指定する検索式と
    資源名の組を要素とする第2の資源要素列と該第2の資
    源要素列から求められる資源を処理するための手続き情
    報である第2の実現要素列との組からなる第2の資源実
    現表現に変換する1以上の名前変換手段と、前記名前変
    換手段により変換された第2の資源実現表現に含まれる
    前記検索式あるいは入力された前記検索式に基づいて名
    前解析手段および該名前解析手段より名前解析結果を受
    け取る名前変換手段を選択する選択手段と、前記名前変
    換手段により変換された第2の資源実現表現に含まれる
    第2の資源要素列の資源名あるいは入力された資源名を
    前記選択手段により選択された名前解析手段に受け渡す
    名前解決手段を有することを特徴とする資源管理装置。
  8. 【請求項8】 前記名前変換手段は、前記属性と対応づ
    けられた1以上の名前変換情報から構成されてなり、前
    記選択手段は、1以上の前記名前変換情報を特定するこ
    とにより前記名前変換手段を選択し、さらに、前記選択
    手段が特定した1以上の前記名前変換情報に基づいて名
    前変換手段を構成する名前変換構成手段を有し、前記選
    択手段により選択された名前解析手段は前記名前変換構
    成手段により構成された名前変換手段に名前解析結果を
    受け渡すことを特徴とする請求項7に記載の資源管理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記名前解決手段は、前記属性と対応づ
    けられて複数存在し、前記選択手段はさらに前記名前解
    決手段も選択するものであり、前記選択手段により選択
    された名前変換手段は前記選択手段により選択された名
    前解決手段に対して前記第1の資源実現表現あるいは前
    記第2の資源実現表現を受け渡すことを特徴とする請求
    項7に記載の資源管理装置。
  10. 【請求項10】 前記名前変換手段により得られる第1
    の資源実現表現の第1の実現要素列を解釈しその解釈結
    果から前記第1の資源要素列に対応するあらかじめ実現
    されている実資源を基に資源を生成する資源実現手段を
    有することを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1
    項に記載の資源管理装置。
  11. 【請求項11】 前記資源実現手段は前記属性と対応づ
    けられて複数存在し、前記選択手段はさらに前記資源実
    現手段も選択するものであり、前記名前解決手段は前記
    選択手段により選択された資源実現手段に対して前記第
    1の資源実現表現を受け渡すことを特徴とする請求項9
    に記載の資源管理装置。
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