JPH08292179A - 炉内検査用超音波トランスデューサおよび炉内検査装置 - Google Patents

炉内検査用超音波トランスデューサおよび炉内検査装置

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JPH08292179A
JPH08292179A JP7119165A JP11916595A JPH08292179A JP H08292179 A JPH08292179 A JP H08292179A JP 7119165 A JP7119165 A JP 7119165A JP 11916595 A JP11916595 A JP 11916595A JP H08292179 A JPH08292179 A JP H08292179A
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JP
Japan
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signal
ultrasonic transducer
ultrasonic
inspection
furnace
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Application number
JP7119165A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroichi Karasawa
沢 博 一 唐
Tomiyoshi Yukinori
則 富 美 行
Mamoru Izumi
守 泉
Katsumi Kato
藤 克 己 加
Nobuhito Matsuhira
信 人 松日楽
Takehiko Suzuki
木 健 彦 鈴
Tsutomu Shioyama
山 勉 塩
Satoshi Nagai
井 敏 長
Masabumi Komai
舞 正 文 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波による画像を用いた炉内の目視検査を
迅速且つ正確に行うことができる炉内検査用超音波トラ
ンスデューサおよび炉内検査装置を提供する。 【構成】 炉内に超音波の送信または受信を行う金属板
101と、表面および裏面にニッケル層を含む電極層1
03,104が形成された圧電素子102と、ニッケル
層を含む金属層で表面が覆われたチタン酸アルミニウム
系セラミックによって形成されたバッキング材105と
を備えた炉内検査用超音波トランスデューサにおいて、
金属板101と圧電素子102の表面との境界面および
この圧電素子102の裏面とバッキング材105との境
界面を、導電性接合材112で接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば高速増殖炉の原
子炉容器内の目視検査などに使用する炉内検査装置およ
び炉内検査用超音波トランスデューサに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】高速増殖炉の原子炉容器内は、液体金属
ナトリウムで満たされている。したがって、原子炉容器
の内部を光学系で可視化して目視検査することは、非常
に困難である。このため、従来より、超音波を用いた画
像化によって、原子炉内を目視検査するための炉内検査
装置が検討されている。
【0003】ここで、原子炉容器内の液体金属ナトリウ
ムの温度は、原子炉の運転中は550℃程度まで上昇す
るが、定期検査時などの運転休止中は200±20℃程
度まで降温される。したがって、超音波を用いて原子炉
内を画像化するような炉内検査装置に使用される超音波
トランスデューサは、耐久温度が220℃以上であるこ
とが要求され、且つ、液体金属ナトリウムの侵入を防止
するためのシーリングが施されていることが要求され
る。
【0004】ここで、超音波を用いた画像化を行う方法
としては、例えば、開口合成法を用いたものがある。こ
の開口合成法は、比較的遠距離の領域での画像化が可能
であるという長所を有している。これは、超音波トラン
スデューサが比較的広角の超音波ビームを走査発信する
とともに、反射した超音波を他の超音波トランスデュー
サで受信し、この反射超音波のデータを用いて計算機で
画像を合成するものである。すなわち、発信用の超音波
トランスデューサから角度を変えて順次発信された超音
波信号が物体で反射して受信用の超音波トランスデュー
サに受信されるまでの経路長を計測し、この経路が同一
となる幾何学的形状である楕円体を三次元メモリ上に多
数重ねて加算することにより、炉内の画像を統計的に浮
かび上がらせることができる。
【0005】開口合成法における分解能は、方位分解能
と距離分解能とで与えられる。
【0006】方位分解能は、振動子から放射される超音
波の指向角θに依存する。例えば、平板振動子が正方形
の場合は、この平板振動子の幅をdとし、また、伝搬す
る媒体中における超音波の波長をλとすると、平板振動
子がピストン運動により超音波を送信する時の指向角θ
は、sinθ=λ/dで与えられる。
【0007】一方、距離分解能は、送受信する超音波パ
ルスの時間軸における長さに依存する。したがって、距
離分解能を高めるためには、周波数を高くし、振動子を
ダンピングさせて超音波のパルス長を短くする必要があ
る。ここで、振動子をダンピングするためには、振動子
の裏面に適切なバッキング材を設ける必要がある。
【0008】図30は、従来の超音波トランスデューサ
の構成例を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)
は平面図である。同図において、平板振動子としての前
面板3001は、金属等で形成されている。また、圧電
素子3002の上面および下面には、電極3003,3
004が形成されている。そして、電極3003は、前
面板3001と接合されており、また、電極3004
は、バッキング材3005と接合されている。このバッ
キング材3005は、例えばチタン酸アルミニウム系の
セラミック等で形成され、所望の音響インピーダンスお
よび減衰計数を有するものが使用される。
【0009】電極3003は、グランド用信号線300
6を介して、MIケーブル3008のシールド線(図示
せず)に接続されている。また、電極3004は、信号
線3007を介してMIケーブル3008の信号線30
09に接続されている。
【0010】筐体3010は、ステンレス等の金属また
はセラミック等の耐ナトリウム材で形成されており、前
面板3001の裏面側に配設された各部3002〜30
07を密閉する。このため、この筐体3010と前面板
3001との接合面および筐体3010とMIケーブル
3008の外皮とは、溶接されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図30
に示したような従来の超音波トランスデューサには、以
下のような欠点があった。
【0012】図30に示したような従来の超音波トラン
スデューサには、電極3003,3004と信号線30
06,3007との接続を、半田付けや溶接などで行っ
ていた。このため、この接続部分が凸部を形成してしま
い、電極3003と前面板3001との接合面や、電極
3004とバッキング材3005との接合面の接合性が
悪化する原因となっていた。
【0013】これに対して、電極3003と前面板30
01との接合性の問題については、信号線3006を電
極3003に直接接続するのではなく、この信号線30
06を前面板3001に接続することにより、解決する
ことができる。すなわち、信号線3006を前面板30
01に接続することにより、電極3003と前面板30
01との良好な接合性を確保しつつ、信号線3006と
電極3003との電気的接続を得ることができる。
【0014】しかし、電極3004とバッキング材30
05との接合性の問題については、信号線3007をバ
ッキング材3005に接続することによっては解決する
ことはできない。なぜなら、一般には、良好な音響イン
ピーダンスおよび減衰係数を得るためには、バッキング
材3005としてチタン酸アルミニウム系のセラミック
等の絶縁体が使用されており、したがって、電極300
4と信号線3007とをバッキング材3005を介して
電気的に接続することはできないからである。ここで、
圧電素子3002の直径が大きい場合には、図31に示
したように、電極3004の外周部近傍に信号線300
7を接続することとし、且つ、接続部3201を避けて
圧電素子3002とバッキング材3005との接合を行
うことにより、この圧電素子3002とバッキング材3
005との接合性を良好なものにすることができる。し
かし、圧電素子3002の直径が小さい場合(例えば5
mm以下)には、接続部3201を避けて接合を行う
と、圧電素子3002とバッキング材3005との接合
面積が小さくなってしまい、バッキング材3005の特
性が悪化してしまう。このため、小型で優れた特性の超
音波トランスデューサを作製することは、非常に困難で
あった。
【0015】また、前面板3001と圧電素子3002
とは、両部材3001,3002を音響的に接合するこ
とができ且つ耐熱性が高くなるような方法で接合する必
要がある。このため、従来は、前面板3001に圧電素
子3002を機械的に押し付けて圧着する方法や、圧電
素子3002を前面板3001にロウ付けする方法が使
用されていた。しかし、圧着法は、接合面の機械的精度
を高くする必要があるためにコストが高くなること、特
性のばらつきが大きいこと等の欠点があった。また、ロ
ウ付け法には、500℃を越える熱処理が必要となるた
めに、前面板3001および圧電素子3002の形成材
料が熱膨脹率の近い材料に限定されてしまうという欠点
があった。
【0016】加えて、開口合成法を用いた炉内検査装置
では、炉内の画像を統計的に浮かび上がらせるために膨
大な量の演算処理を行う必要があり、このため、処理時
間が長くなるという欠点があった。例えば、通常のワー
クステーションを用いた炉内検査装置の場合には、1枚
の3次元画像を合成するために、数時間程度の処理時間
が必要となる。
【0017】さらに、従来の炉内検査装置では、発信用
の超音波トランスデューサが発信した超音波信号の強度
が、受信用の超音波トランスデューサに達するまでの間
に低下してしまうという欠点があった。これは、超音波
トランスデューサの前面板3001と液体金属ナトリウ
ムとの濡れ性が悪いことや、超音波トランスデューサの
シーリングに使用される筐体3010の音響インピーダ
ンスが高いために超音波の透過効率が低下すること等に
起因するものである。このため、従来の炉内検査装置で
は、受信する超音波信号のS/N比を改善するために、
超音波の発信・受信を多数回繰り返して受信した超音波
信号の平均化処理を行ったり、発信用の超音波信号とし
てM系列信号灯の非周期性の信号を使用して発信用超音
波信号と受信用超音波信号との相互相関処理を行ったり
する必要があった。そして、このことも、炉内検査装置
が要する処理時間が長くなる原因となっていた。
【0018】併せて、従来の炉内検査装置では、検査装
置に設けられた位置検出器に指示計等の計器が接続され
ており、これらの計器を使用者が直接確認することによ
って検査装置の操作を行っていた。このため、液体金属
ナトリウム中での超音波トランスデューサの位置や方向
と炉内の機器との相対関係の把握や、炉内検査装置が生
成した画像と検査対象との位置関係の把握が困難で、作
用効率が悪いという欠点もあった。
【0019】本発明は、このような従来技術の欠点に鑑
みてなされたものであり、超音波による画像を用いた炉
内の目視検査を迅速且つ正確に行うことができる炉内検
査用超音波トランスデューサおよび炉内検査装置を提供
することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
(1)第1の発明に係る炉内検査用トランスデューサ
は、炉内に超音波の送信または受信を行う金属板と、表
面および裏面にニッケル層を含む電極層が形成された圧
電素子と、ニッケル層を含む金属層で表面が覆われたチ
タン酸アルミニウム系セラミックによって形成されたバ
ッキング材とを備えた炉内検査用超音波トランスデュー
サにおいて、前記金属板と前記圧電素子の表面との境界
面およびこの圧電素子の裏面と前記バッキング材との境
界面を導電性接合材で接合したことを特徴とする。 (2)第2の発明に係る炉内検査装置は、超音波トラン
スデューサ素子がマトリクス状に配設されてなる炉内検
査用超音波トランスデューサと、前記超音波トランスデ
ューサ素子に超音波を発信させるための発信信号を出力
する信号発信器と、前記超音波トランスデューサ素子が
反射超音波を受信したときに出力するアナログ信号をデ
ジタル信号に変換するA/D変換器と、前記超音波トラ
ンスデューサ素子に超音波を発信させるときは前記信号
発信器が出力した前記発信信号を当該超音波トランスデ
ューサ素子に供給し、前記超音波トランスデューサ素子
が反射超音波を受信したときは当該超音波トランスデュ
ーサ素子が出力したアナログ信号を前記A/D変換器に
供給する信号切り換え回路と、前記A/D変換器が出力
した前記デジタル信号に基づいて、炉内の画像情報を生
成する演算処理器と、この演算処理器から入力した前記
画像情報を用いた画像表示を行う表示器とを備えた炉内
検査装置において、前記A/D変換器が出力した前記デ
ジタル信号を一時的に格納した後で前記演算処理器に入
力させるためのメモリをさらに備えたことを特徴とす
る。 (3)第3の発明に係る炉内検査装置は、M系列信号を
発生させるM系列信号発生手段と、正弦波信号を発生さ
せる正弦波信号発生手段と、前記M系列信号発生手段か
ら入力した前記M系列信号と前記正弦波信号発生手段か
ら入力した前記正弦波信号とを重畳した後に変調するこ
とにより発信信号を発生させる変調手段とを有する信号
発信器と、この信号発信器から入力した前記発信信号に
基づいて超音波を出力する超音波発信用トランスデュー
サと、検査対象物で反射した前記超音波を受信して電気
信号に変換する受信用超音波トランスデューサと、この
受信用超音波トランスデューサから入力された前記電気
信号を検波して出力する検波器と、この検波器から入力
された信号と前記M系列信号発生手段から入力された前
記M系列信号との時間相関処理を行う相関処理器と、を
備えたことを特徴とする。 (4)第4の発明に係る炉内検査装置は、検査対象物に
対する超音波の発信およびこの検査対象物で反射した前
記超音波の受信を行う超音波トランスデューサと、この
超音波トランスデューサから入力した信号を用いて画像
信号を生成する画像化手段と、前記超音波トランスデュ
ーサの位置および向きを駆動制御するための駆動制御手
段と、事前に用意された炉内の三次元仮想空間画像に対
応する画像信号のうち、超音波トランスデューサによる
検出領域に相当する画像信号を、この超音波トランスデ
ューサで実際に検出された画像信号に置き換えることに
よって、三次元仮想空間画像用の画像情報を生成するマ
ンマシン手段と、このマンマシン手段から入力された前
記画像信号を用いて三次元仮想空間画像を表示する表示
手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
【作用】 (1)第1の発明によれば、金属板と圧電素子の表面と
の境界面および圧電素子の裏面とバッキング材との境界
面を導電性接合材で接合したので、圧電素子の表裏両面
にそれぞれ形成された電極層と信号線との接続を、音響
特性に影響のない部分で行うことができる。 (2)第2の発明によれば、A/D変換器が出力したデ
ジタル信号を一時的に格納した後で演算処理器に入力さ
せるためのメモリを備えているので、マトリクス状に配
設された超音波トランスデューサ素子のそれぞれで超音
波の受信を同時に行って処理することが可能となり、し
たがって、高速処理を実現することができる。 (3)第3の発明によれば、信号発生器がM系列信号と
正弦波信号とを重畳した後に変調することによって発信
信号を発生させることとし、且つ、相関処理器が検波器
から入力された信号とM系列信号との時間相関処理を行
うこととしたので、検査対象物までの距離に対応する送
れ時間にピークを持つパルス波を得ることができる。 (4)第4の発明によれば、検査対象を三次元仮想空間
画像で表示することができるので、オペレータによる検
査箇所の目視観察や正常状態との比較を容易且つ正確に
行うことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を用い
て説明する。
【0023】(実施例1)実施例1として、本発明に係
る炉内検査用超音波トランスデューサの一実施例につい
て、高速増殖炉が運転休止中のときに液体金属ナトリウ
ム(最高温度を220℃とする)で浸された原子炉容器
内を目視観察するための炉内検査用超音波トランスデュ
ーサについて説明する。
【0024】図1は、本実施例に係る超音波トランスデ
ューサの構成例を示す図であり、(a)は正面断面図、
(b)は(a)のA−A断面図である。
【0025】同図において、平板振動子としての前面板
101は、厚さ0.1mmのステンレス板(SUS30
4)が使用され、後述する圧電素子102との接合を行
う面には、無電界メッキ等によってニッケルメッキが施
されている(図示せず)。但し、後述する圧電素子10
2との接合の際に熱膨脹係数の差が問題となるような場
合は、熱膨脹係数の低い材料、例えばインバー材やアル
ミナ等のセラミック材を使用してもよい。ここで、イン
バー材を使用するのであれば、圧電素子102の電極1
03と半田接合する際に(後述)、直接半田付けするこ
とが可能なので、表面にニッケルメッキを施す必要はな
い。
【0026】なお、この前面板101には、ニッケルメ
ッキに代えて、チタン層、ニッケル層および金層をスパ
ッタリングによって順次積層させてなる被膜を形成する
こととしてもよい。ここで、金層を設けることとしたの
は、ニッケル層の酸化を防止して、前面板101と電極
103とを半田接合する際に半田付けを容易にするため
であるが、半田のフラックスを適当に決定することや加
熱時の雰囲気を適当に制御することにより、この金層を
不要にすることも可能である。
【0027】圧電素子102としては、キュリー点が3
60℃のチタン酸鉛系の圧電セラミックで形成された、
直径3mm、共振周波数5MHzのものを使用した。そ
して、この圧電素子102の上面および下面には、それ
ぞれ、厚さ50nmのチタン層、厚さ500nmのニッ
ケル層および厚さ200nmの金層をスパッタリングに
よって順次積層することにより、電極103,104を
形成した。なお、このようにして形成した電極電極10
3,104に代えて、無電界メッキによって形成したニ
ッケル電極を用いてもよい。
【0028】バッキング材105としては、チタン酸ア
ルミニウム系のセラミック材を直径3mm、高さ5mm
の円柱状に加工して、チタン層、ニッケル層および金層
をスパッタリングによって順次積層させてなる被膜を全
表面に形成したものを使用した。なお、被膜としては、
無電界メッキによって形成したニッケル膜を用いてもよ
い。
【0029】電極103は、高温半田によって、前面板
101と接合されている。同様に、電極104も、高温
半田によって、バッキング材105と接合されている。
【0030】また、MIケーブル107のシールド線
(図示せず)は、グランド用信号線106によって、前
面板101の被膜に接続されている。これにより、この
シールド線108と電極103との電気的接続が行われ
ている。
【0031】一方、MIケーブル107の信号線109
は、接続部108で、バッキング材105の被膜に直接
接続されている。これにより、この信号線109と電極
104との電気的接続が行われている。
【0032】筐体110としては、円筒状のステンレス
ケースが使用されている。また、この筐体110は、ス
テンレス製の蓋111を有している。筐体110と蓋1
11との接合部、蓋111とMIケーブル107との接
合部および筐体110と前面板101との接合部はそれ
ぞれ溶接で接合されており、これによって、前面板10
1、蓋111および筐体110で囲まれた空間が密閉さ
れている。
【0033】次に、図1に示したような超音波トランス
デューサを組み立てる手順について、説明する。
【0034】まず、前面板101の表面のニッケルメッ
キ(またはチタン層、ニッケル層、および金層からなる
膜)上および圧電素子102の電極103上に、スクリ
ーン印刷により、融点が300℃前後の鉛を主成分とす
る高温半田を印刷する。
【0035】次に、前面板101、圧電素子102、バ
ッキング材105の順に積層する。このとき、前面板1
01と圧電素子102との接合面および圧電素子102
とバッキング材105との接合面に、それぞれ、導電性
接合材112としての、融点が300℃前後の高温半田
を挟み込む。なお、圧電素子102の電極103,10
4としてニッケルを使用する場合には、フラックス入り
の半田を用いる。
【0036】そして、これらの各部材101,112,
102,112,105を、ホットプレート或いは電気
炉等で加熱し、導電性接合材112を溶融させる。これ
により、前面板101、圧電素子102およびバッキン
グ材105が接合される。
【0037】続いて、圧電素子102を分極条件にした
がって分極した後、前面板101を筐体110に密閉溶
接する。このとき、圧電素子102との接合面に影響を
与えないようにするためには、レーザ溶接やイオンビー
ム溶接を使用することが望ましい。
【0038】その後、筐体110の上側の開口部から、
シールド線と前面板101の被膜との接続、および、信
号線109とバッキング材105の被膜との接続を、半
田付けによって行う。ここで、信号線109とバッキン
グ材105の被膜との接続位置は、超音波トランスデュ
ーサの音響特性の劣化を防止するためには、バッキング
材105の上面とすることが望ましい。また、半田付け
に代えて、レーザ溶接等を使用してもよい。
【0039】最後に、筐体110と蓋111との溶接お
よび蓋111とMIケーブル107との溶接を行う。
【0040】このようにして作製した超音波トランスデ
ューサについて、パルスエコー特性を調べたところ、ダ
ンピングされた短パルス特性を示し、また、220℃で
長時間放置しても特性の変動は認められなかった。
【0041】このように、本実施例に係る超音波トラン
スデューサによれば、信号線109を電極104に直接
接続するのではなく、バッキング材105の被膜に接続
することによって電極104との電気的接続を得る構成
としたので、バッキング材105を電極104の前面と
接合させることが可能となる。したがって、優れた音響
特性を得ることが可能となる。
【0042】また、圧電素子102とバッキング材10
5との間には、これらの各部材102,105の表面被
膜および導電性接合材112が介在することとなるが、
これらは非常に薄く形成することが可能であるので、音
響特性を劣化させることはない。
【0043】さらに、前面板101、圧電素子102お
よびバッキング材105の各接合面にニッケル薄膜(ニ
ッケルメッキ層またはニッケルスパッタ層)を設けたの
で、各接合面の半田に対する濡れ性を向上することがで
き、半田による接合が可能となる。そして、このように
して半田接合を可能にしたことにより、前面板101、
圧電素子102およびバッキング材105の熱膨脹係数
の差による応力を小さくすることができるので、音響特
性を劣化させることなく強固な機械的結合を得ることが
できる。
【0044】なお、本実施例では、圧電素子102をチ
タン酸鉛系セラミックで形成した場合を例にとって説明
したが、キュリー点が高いニオブ酸鉛系セラミックや、
ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどの単結晶を
用いてもよい。
【0045】また、この圧電素子102としては、チタ
ン酸ジルコン酸鉛系セラミックを用いることも可能であ
る。チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックは、温度による
特性の変動が激しいが、キュリー点以下の温度では超音
波センサとして機能するので、キュリー点が220℃以
上のものを使用すれば、優れた結合係数Ktを得ること
も可能である。さらには、チタン酸ジルコン酸鉛系セラ
ミックには比誘電率が大きいものもあり、このため、超
音波トランスデューサの電気インピーダンスを小さくし
て、送受信回路とのインピーダンス整合を向上させた
り、超音波トランスデューサと送受信回路との間のMI
ケーブル107の影響を小さくしたりすることができ
る。
【0046】加えて、本実施例では、導電性接合材11
2として、融点が300℃前後の高温半田を使用した
が、これに代えて、融点がさらに高いロウ材とニオブ酸
リチウムとを用いることにより、550℃以上の温度で
使用できる超音波トランスデューサを作製することが可
能となる。そして、このような超音波トランスデューサ
によれば、高速増殖炉が運転中のときに原子炉容器内を
目視観察することも可能となる。
【0047】図2は、本実施例に係る超音波トランスデ
ューサの変形例を示す図であり、(a)は全体の構造を
示す正面断面図、(b)は前面板の形状を示す平面図、
(c)は前面板の形状を示す正面断面図である。なお、
同図において、図1と同じ符号を付した構成部は、それ
ぞれ図1と同じものを示している。
【0048】図2に示した超音波トランスデューサで
は、振動子201として、図1に示した前面板101に
代えて、肉厚の円筒部202を備えたものを使用してい
る(同図(b)および(c)参照)。この振動子201
は、例えば、ステンレス(SUS304等)を切削加工
することによって作製することができる。ここでは、振
動面203の厚さは薄い方が望ましいので0.1mmと
し、また、円筒部202は厚み、高さともに大きい方が
望ましいので厚さ1mm、高さ3mmとした。
【0049】図3は、図2に示した振動子201の作製
方法の一例を説明するための断面工程図である。まず、
円筒部202と振動面203とを別々に作製し、図3
(a)に示したように、溶接により一体化する。このと
き、図3(b)に示したように、振動面203に反りが
生じる場合があるが、このような場合には、図3(c)
に示したように、プレス成型等で振動面203を平坦化
すればよい。このような方法によれば、円筒部が厚く且
つ振動面の厚さ精度が高い振動子201を、容易に作製
することできる。
【0050】このようにして作製した振動子201を用
いて超音波トランスデューサを組み立てる方法は、図1
の場合とほぼ同様であり、まず、振動面203上に圧電
素子102およびバッキング材105を接合し、次に、
シールド線108と振動子201の被膜との接続および
信号線109とバッキング材105の被膜との接続を行
い、さらに、円筒部202と筐体204との溶接を行
う。
【0051】このような構成の超音波トランスデューサ
によれば、振動面203を直接溶接するのではなく、円
筒部202を溶接することによって、振動子201を筐
体204に接合することができる。したがって、溶接後
の残留応力によって振動面203が反るという不都合を
なくすことができ、これにより、超音波トランスデュー
サの超音波センサとしての信頼性を向上させることがで
きる。
【0052】図4は、本実施例に係る超音波トランスデ
ューサの他の変形例を示す図であり、(a)は全体の構
造を示す正面断面図、(b)は前面板の形状を示す平面
図、(c)は前面板の形状を示す正面断面図である。な
お、同図において、図1と同じ符号を付した構成部は、
それぞれ図1と同じものを示している。
【0053】図4に示した超音波トランスデューサで
は、振動子401として、図1に示した前面板101に
代えて、ステンレス等で形成したカップ状の金属薄板4
01を使用している。このような形状は、例えば、絞り
加工によって、得ることができる。このような形状の前
面板401を使用することによっても、筐体110と前
面板401とを溶接した後の残留応力の影響を低減させ
ることができ、したがって、超音波トランスデューサの
超音波センサとしての信頼性を向上させることができ
る。
【0054】また、前面板の形状としては、図5に示し
たようなものを採用してもよい。図5において、(a)
は全体の構造を示す正面断面図、(b)は前面板の形状
を示す平面図、(c)は前面板の形状を示す正面断面図
である。このような形状を採用することにより、筐体1
10と前面板501とを溶接した後の残留応力の影響を
よりいっそう低減させることができ、超音波トランスデ
ューサの超音波センサとしての信頼性を向上させること
ができる。
【0055】(実施例2)実施例2として、マトリクス
アレイ型の超音波トランスデューサを用いた炉内検査装
置について説明する。
【0056】まず、本実施例に係る炉内検査装置で使用
するマトリクスアレイ型超音波トランスデューサについ
て説明する。
【0057】図6は、かかるマトリクスアレイ型超音波
トランスデューサの構成例を示す図であり、(a)は正
面断面図、(b)は支持板601の平面図である。
【0058】同図において、支持板601としては、ス
テンレスケース板が使用されている。そして、この支持
板601には、超音波トランスデューサ素子604を配
設するため貫通穴602が、マトリクス状に、10個×
10個形成されている。また、支持板601の下面に
は、貫通穴602ごとに、前面板602と同じ形状のザ
グリが形成されている。
【0059】前面板603としては、実施例1の場合と
同様、ステンレス板等が使用され、圧電素子102との
接合を行う面には、無電界メッキ等によるニッケルメッ
キ等が施されている(図示せず)。
【0060】超音波トランスデューサ素子604は、そ
れぞれ、圧電素子とバッキング材とによって構成されて
いる。ここで、圧電素子およびバッキング材の形成材料
や表面被膜は、実施例1の場合と同様である。また、圧
電素子の上下両面に電極が形成されている点も、実施例
1と同様である。
【0061】圧電素子、バッキング材および前面板60
3は、実施例1と同様、相互に高温半田によって接合さ
れている。また、支持板601と前面板603とは、溶
接によって密封接合されている。
【0062】超音波トランスデューサ素子604には、
それぞれ、高温用耐放射線同軸ケーブル605が接続さ
れている。高温用耐放射線同軸ケーブル605のシール
ド線(図示せず)は、グランド用信号線606によっ
て、支持板601に接続されている。これにより、この
シールド線と前面板603側の電極(図示せず)との電
気的接続が行われている。一方、高温用耐放射線同軸ケ
ーブル605の信号線607は、バッキング材の被膜
(図示せず)に直接接続されている。これにより、この
信号線607とバッキング材側の電極(図示せず)との
電気的接続が行われている。
【0063】支持板601の裏面は、筐体608で密封
溶接されている。この筐体608は、保護パイプ609
を備えており、この保護パイプ609から超音波トラン
スデューサ内に高温用耐放射線同軸ケーブル605が導
入されている。
【0064】このように、10個×10個の超音波トラ
ンスデューサ素子604を備えたマトリクスアレイ型超
音波トランスデューサを用いることにより、1個の超音
波トランスデューサ素子から超音波を放射し、このとき
の反射超音波信号をすべての超音波トランスデューサ素
子で受信することができるので、100か所の観測点の
データを同時に得ることができる。したがって、原子炉
容器内の目視観察に要する処理時間を短縮することが可
能となる。
【0065】図7は、本実施例で使用するマトリクスア
レイ型超音波トランスデューサの変形例を示す図であ
り、(a)は正面断面図、(b)は(a)の一部(符号
Aで示す領域)を拡大した図、(c)は支持板701の
平面図である。
【0066】図7に示した超音波トランスデューサで
は、図2に示した振動子201と同様の構成の振動子7
02を使用している。ここで、この振動子702は、溶
接点704で、支持板701に密閉溶接されている。
【0067】図7に示した超音波トランスデューサを組
み立てる際には、まず、振動子702を支持板701に
密閉溶接し、次に、振動子702の振動面703上に圧
電素子102およびバッキング材105を接合し、続い
て、高温用耐放射線同軸ケーブル605のシールド線6
06と支持板701との接続および信号線607とバッ
キング材105の被膜との接続を行い、最後に、支持板
701と筐体608との密閉溶接を行う。
【0068】ここで、図7に示した超音波トランスデュ
ーサでは、原子炉容器内の液体金属ナトリウムに対する
濡れ性を向上させるために、振動子702の先端部を支
持板701から突出させることとしたが、かかる濡れ性
が問題とならない場合は突出させなくてもよい。
【0069】このような構成の超音波トランスデューサ
によれば、振動面703を直接溶接するのではなく、円
筒部704を溶接することによって、振動子702を筐
体608に接合することができる。したがって、溶接後
の残留応力によって振動面703が反るという不都合を
なくすことができ、これにより、超音波トランスデュー
サの超音波センサとしての信頼性を向上させることがで
きる。
【0070】図8は、本実施例で使用するマトリクスア
レイ型超音波トランスデューサのさらなる変形例を説明
するための図であり、かかる超音波トランスデューサの
一部を拡大した正面断面図である。
【0071】図8に示した超音波トランスデューサで
は、図7に示したものと同様、各超音波トランスデュー
サ素子802の振動子803が円筒部804と振動面8
05を有しているが、この円筒部804の外周が段差を
有している点で図7の場合と異なる。また、支持板80
1の貫通穴806の形状も、円筒部804の段差に対応
させて、一定の段差が設けられている。さらに、支持板
801の上面には、貫通穴806の開口部に沿って凸部
807が設けられており、この凸部807の上端と円筒
部804の上端とが一致するように、円筒部804およ
び凸部807の寸法が設定されている。
【0072】図8に示した超音波トランスデューサを組
み立てる際には、振動子803を貫通穴806に嵌め込
み、段差で位置あわせを行う。そして、この振動子80
3と支持板801とを、溶接点808で密閉溶接する。
【0073】このような構成によれば、振動子803と
支持板801との溶接部(溶接点808)を切削するこ
とによって、超音波トランスデューサ素子を取り外すこ
とができる。この取り外しは、切削により凸部807が
なくなるまでは、何回でも行うことができる。
【0074】マトリクスアレイ型の超音波トランスデュ
ーサでは、超音波トランスデューサ素子の数が多いほ
ど、一部の素子のみが故障する可能性が高くなる。この
とき、一部の素子が故障しても、原子炉容器内の液体金
属ナトリウムを目視観察することは可能であるものの、
分解能が低下する。これに対して、図8に示したような
超音波トランスデューサでは、超音波トランスデューサ
素子が故障した時に、故障した素子のみを取り換えるこ
とができるので、素子の故障による分解能の低下を防止
することができる。
【0075】次に、本実施例に係る炉内検査装置で使用
する信号処理システムについて説明する。
【0076】図9は、かかる信号処理システムの一構成
例を示す概念図である。
【0077】同図において、信号発振器901は、高圧
電気パルス信号を発信する。
【0078】また、信号切換器902は、信号発振器9
01から入力した高圧電気パルス信号を超音波トランス
デューサ903に送るか、或いは、超音波トランスデュ
ーサ903から入力したアナログ信号データをメモリ内
蔵A/D変換器904に送るかの切換を行う。
【0079】超音波トランスデューサ903は、信号切
換器902から入力した高圧電気パルス信号を超音波ト
ランスデューサ素子T(1,1) に印加して、この超音波ト
ランスデューサ素子T(1,1) から超音波エコー信号を発
信させる。また、すべての超音波トランスデューサ素子
T(1,1) 〜T(10,10) は、反射した超音波エコー信号受
信し、アナログ信号データに変換して信号切換器902
に分配・送信する。
【0080】メモリ内蔵A/D変換器904は、信号切
換器902から入力したアナログ信号データを、A/D
変換回路904aでデジタル信号データに変換した後、
高速メモリ904bにシリーズに格納する。
【0081】並列CPU回路906は、高速メモリ90
4bに格納されたデジタル信号データを、高速バス90
5を介して取り込み、このデジタル信号データを処理し
て目視用の画像信号を生成する。そして、生成した画像
信号を、表示装置907に送信する。
【0082】表示装置907は、並列CPU回路906
から入力された画像信号を用いて、三次元画像信号を表
示する。
【0083】次に、図9に示した信号処理システムの動
作について説明する。
【0084】まず、信号発振器901が高圧電気パルス
信号を発信すると、この高圧電気パルス信号は信号切換
器902によって超音波トランスデューサ903に送ら
れ、超音波トランスデューサ素子T(1,1) に印加され
る。これにより、この超音波トランスデューサ素子T
(1,1) が、超音波エコー信号を発信させる。そして、原
子炉内の液体金属ナトリウム中の対象物で反射した超音
波エコー信号を各超音波トランスデューサ素子T(1,1)
〜T(10,10) で受信し、アナログ信号データに変換し
て、信号切換器902に送信する。
【0085】信号切換器902は、信号の送信方向を切
り換える。そして、この信号切換器902によって、超
音波トランスデューサ903から入力されたアナログ信
号データが、複数のメモリ内蔵A/D変換器904に分
配される。分配の方法は、超音波トランスデューサ素子
Tの個数とメモリ内蔵A/D変換器904の個数との大
小関係によって異なるが、超音波トランスデューサ素子
Tの個数がメモリ内蔵A/D変換器904の個数よりも
多い場合は、例えば、アナログ信号データを信号切換器
902からメモリ内蔵A/D変換器904に複数回に分
けて送信することとすればよい。メモリ内蔵A/D変換
器904は、受信したアナログ信号データを、A/D変
換回路904aでデジタル信号データに変換した後、高
速メモリ904bに順次に格納する。ここで、信号切換
器902はすべての超音波トランスデューサ素子Tの信
号を転送する必要はなく、生成する画像のパターンに応
じて選択的に信号転送を行うこととしてもよい。
【0086】その後、高速メモリ904bに格納された
信号データが、高速バス905を介して、並列CPU回
路906に取り込まれる。そして、並列CPU回路90
6は、かかる信号データに開口合成処理等を施して目視
用の画像信号を生成し、生成した画像信号を表示装置9
07に送信する。表示装置907は、この画像信号を用
いて三次元画像信号を表示する。
【0087】図10は、本実施例に係る信号処理システ
ムの変形例を示す概念図である。同図において、図9と
同じ符号を付した構成部は、それぞれ、図9の場合と同
じものを示している。
【0088】図10に示した信号処理システムは、高速
バス905を用いずに、高速メモリ904bから並列C
PU回路906に直接デジタル信号データを送信してい
る点で、図9のシステムと異なる。すなわち、並列CP
U回路906内の各CPU906aにはデジタル信号デ
ータが直接入力される。そして、各CPU906aが信
号データを用いて開口合成処理を行った後、これらの処
理結果が画像加算回路906bで加算することにより、
画像信号が生成される。
【0089】なお、図10に示したシステムは、メモリ
内蔵A/D変換器904の個数が少なく、画像化する領
域の面積が比較的小さい場合に適している。
【0090】次に、図9および図10に示した信号処理
システムにおける開口合成処理について、図11を用い
て説明する。本実施例における信号処理システムでは、
並列CPU回路906内の各演算素子906bでの並列
処理を可能とすることにより、処理の高速化を図ってい
る。
【0091】図11は、画像化する三次元領域1101
を画素1102に分割した状態を示している。これらの
画素1102は、X,Y,Zの各軸の座標で表される。
【0092】このシステムには、画素の総数と同数の記
憶素子(図示せず)と、Z軸方向の画素数Nと同数の演
算素子906bが設けられている。また、この並列CP
U回路906内には、超音波トランスデューサの超音波
発信用トランスデューサ素子1102から出力された超
音波が超音波受信用トランスデューサ素子1103に達
するまで到達時間を記憶する記憶部(図示せず)も設け
られている。ここで、この到達時間は、超音波発信用ト
ランスデューサ素子1102から出力された超音波が超
音波受信用トランスデューサ素子1103に達するまで
の経路L1 ,L2 の経路長と超音波の進行速度によって
決定される。
【0093】画像化を行う際には、まず、マトリクス型
超音波トランスデューサにより、最初のY−Z平面(x
=0で与えられる)に対して、各画素についての超音波
の反射強度を検出する。このとき、Y軸方向の画素列ご
とに、1個の演算素子906bが、演算処理を行う。こ
れにより、N個の演算素子906bによる並列処理が可
能となる。この演算処理では、まず、超音波受信用トラ
ンスデューサ素子1103が受信した超音波の到達時間
から、その超音波が検出を行う画素に対応するものであ
るか否かを判断する。そして、この画素に対応する記憶
素子に、受信した当該超音波の強度に応じた数値を加算
する。
【0094】このようにして最初のY−Z平面について
の処理が終了すると、次に第2のY−Z平面(x=1で
与えられる)について同様の処理を行い、以下同様にし
て各Y−Z平面についての処理を順次行う。
【0095】このように、本実施例では、1つのY−Z
平面内の各画素の処理を同時に行うことができるので、
従来の方法で1つの平面の処理に要する時間と同等の時
間で三次元空間の処理を行うことができ、したがって処
理の高速化が可能となる。なお、ここではY−Z平面ご
とに処理を行ったが、X−Y平面やZ−X平面ごとに処
理を行うこととしてもよいことはもちろんである。
【0096】図12は、本実施例に係る信号処理システ
ムの第2の変形例を示す概念図である。同図において
も、図9と同じ符号を付した構成部は、それぞれ、図9
の場合と同じものを示している。また、各メモリ内蔵A
/D変換器904内に、CPU904cを備えている。
【0097】図12に示した信号処理システムは、S/
N比を改善を図っている点で、図9或いは図10に示し
たシステムと異なる。
【0098】図12に示した信号処理システムにおい
て、信号発振器901は、M系列信号(信号値「0」と
「1」とをランダムに発生させてなる信号)に一定周期
の正弦波を重畳した連続信号を出力する。この連続信号
は、信号切換器902によって超音波トランスデューサ
903に送られ、超音波トランスデューサ素子T(1,1)
に印加される。これにより、この超音波トランスデュー
サ素子T(1,1) が、超音波エコー信号を発信させる。そ
して、原子炉内の液体金属ナトリウム中の対象物で反射
した超音波エコー信号を各超音波トランスデューサ素子
T(1,1) 〜T(10,10) で同時に受信し、アナログ信号デ
ータに変換して、信号切換器902に送信する。そし
て、信号切換器902が、アナログ信号データを、各メ
モリ内蔵A/D変換器904に分配する。分配の方法
は、図9に示したシステムの場合と同様である。
【0099】メモリ内蔵A/D変換器904は、受信し
たアナログ信号データを、A/D変換回路904aでデ
ジタル信号データに変換する。続いて、CPU906c
が、このデジタル信号データに対し、比較データとして
のM系列信号を用いた相関処理を施す。相関処理後のデ
ータは、高速メモリ904bに、順次格納される。
【0100】その後、高速メモリ904bに格納された
信号データが、高速バス905を介して、並列CPU回
路906に取り込まれる。そして、並列CPU回路90
6は、かかる信号データに開口合成処理等を施して目視
用の画像信号を生成し、生成した画像信号を表示装置9
07に送信する。表示装置907は、この画像信号を用
いて三次元画像信号を表示する。
【0101】このように、図12に示したシステムで
は、M系列信号を用いた相関処理を行うことにより、良
好なS/N比を有するパルス波を得ることができた。ま
た、このようなS/N比改善処理は、複数のメモリ内蔵
A/D変換器904内の各CPU906cで並列に実行
されるため、高速で実現することが可能である。
【0102】次に、M系列信号を用いた相関処理の原理
について、より詳細に説明する。図13は、かかる原理
を説明するための概念図である。
【0103】同図において、M系列信号発生器1301
は、例えば図14に示したようなM系列信号を出力す
る。また、正弦波信号発生器1302は、例えば図15
に示したような正弦波信号を出力する。振幅変調器13
03は、M系列信号発生器1301から入力されたM系
列信号と正弦波信号発生器1302から入力された正弦
波信号とを重畳した後に振幅変調する。これにより、図
16に示したような信号を得ることができる。この信号
は、超音波発信用トランスデューサ素子1304に印加
される。そして、この信号に応じて、超音波発信用トラ
ンスデューサ素子1304が、超音波を出力する。出力
された超音波は、上述のように、原子炉容器内の目視観
察対象物1305で反射して、超音波受信用トランスデ
ューサ素子1306に受信される。
【0104】超音波受信用トランスデューサ素子130
6は、受信した超音波をアナログの電気信号に変換して
出力する。このアナログ信号の波形の一例を図17に示
す。このアナログ信号は、検波器1307によって検波
される。これにより、検波器1307からは、図18に
示したような波形の信号が出力される。この信号は、相
関処理器1308に送られて、M系列信号発生器130
1から出力されたM系列信号(図14参照)との相関が
とられる。この結果、図19に示したように、目視観察
対象物1305までの距離に対応する送れ時間(0.2
5ミリ秒)にピークを持つパルス波を得ることができ
る。
【0105】なお、ここでは、M系列信号および正弦波
信号として図14および図15に示したようなものを使
用した場合を例にとって説明したが、他の波形のM系列
信号や他の周波数の正弦波信号等を使用してもよいこと
はもちろんである。
【0106】次に、M系列信号を用いた相関処理を行う
信号処理システムの他の例について説明する。
【0107】図20は、かかる信号処理システムの原理
を説明するための概念図である。
【0108】同図において、M系列信号発生器2001
a,2001bはそれぞれ互いに相関のないM系列信号
を出力し、また、正弦波信号発生器2002a,200
2bはそれぞれ正弦波信号を出力する。そして、振幅変
調器2003aはM系列信号発生器2001aから入力
されたM系列信号と正弦波信号発生器2002aから入
力された正弦波信号とを重畳した後に変調し、同様に、
振幅変調器2003bはM系列信号発生器2001bか
ら入力されたM系列信号と正弦波信号発生器2002b
から入力された正弦波信号とを重畳した後に変調する。
これらの変調信号は超音波発信用トランスデューサ素子
2004a,2004bにそれぞれ印加され、これによ
り、超音波発信用トランスデューサ素子2004a,2
004bが超音波を出力する。出力された超音波は、そ
れぞれ、原子炉容器内の目視観察対象物2005a,2
005bで反射して、超音波受信用トランスデューサ素
子2006に受信される。
【0109】超音波受信用トランスデューサ素子200
6は、受信した超音波をアナログの電気信号に変換して
出力する。そして、このアナログ信号は、検波器200
7によって検波されたのち、相関処理器2008に送ら
れて、M系列信号発生器2001a,2001bから出
力されたM系列信号との相関がとられる。この結果、超
音波発信用トランスデューサ素子2004aから目視観
察対象物2005aまでの距離に対応するピークと、超
音波発信用トランスデューサ素子2004bから目視観
察対象物2005bまでの距離に対応するピークとを持
つパルス波を得ることができる。
【0110】このような信号処理システムによれば、複
数の超音波発信用トランスデューサ素子から超音波を同
時に出力することができるので、処理時間を大幅に短縮
することができる。
【0111】なお、図20では、超音波発信用トランス
デューサ素子を2個使用する場合を例にとって説明した
が、3個以上であってもよいことはもちろんである。
【0112】図21は、変調器として位相変調器を使用
した信号処理システムを説明するための概念図である。
【0113】同図において、M系列信号発生器2101
は、例えば図22に示したようなM系列信号を出力す
る。また、正弦波信号発生器2102は、例えば図23
に示したような正弦波信号を出力する。そして、位相変
調器2103は、M系列信号発生器2101から入力さ
れたM系列信号と正弦波信号発生器2102から入力さ
れた正弦波信号とを乗算した後で位相変調する。これに
より、図24に示したような信号を得ることができる。
この信号は、超音波発信用トランスデューサ素子210
4に印加される。そして、この信号に応じて、超音波発
信用トランスデューサ素子2104が、超音波を出力す
る。出力された超音波は、上述のように、原子炉容器内
の目視観察対象物2105で反射して、超音波受信用ト
ランスデューサ素子2106に受信される。
【0114】超音波受信用トランスデューサ素子210
6は、受信した超音波を電気信号に変換して出力する。
これにより、図25に示したような波形のアナログ信号
が得られる。このアナログ信号を相関処理器2107で
相関処理することにより、図26に示したような、目視
観察対象物2105までの距離に対応する送れ時間
(0.25ミリ秒)にピークを持つパルス波を得ること
ができる。
【0115】このように、変調器として位相変調器を使
用した場合にも、振幅変調器を使用した場合と同様、M
系列信号を用いた相関処理を行うことができる。また、
複数の超音波発信用トランスデューサ素子から同時に出
力した超音波を1個の超音波受信用トランスデューサ素
子で処理するようにシステムを構成することができるこ
とも、振幅変調器を使用した場合と同様である。
【0116】本実施例に係る炉内検査装置で原子炉内を
目視観察する場合には、三次元仮想空間画像を用いるこ
とが可能である。以下、このためのマンマシンシステム
の一構成例について、図27〜図29を用いて説明す
る。
【0117】ここで、図27はマンマシンシステムの全
体構成を概略的に示す概念図、図28はこのシステムで
生成された画像を示す概念図、図29は操作用コンソー
ルの操作パネルの画像を概念的に示す斜視図である。
【0118】図において、原子炉容器2701内の構造
物2702および検査装置2706(マトリックスアレ
イ型超音波トランスデューサ2704および検査装置駆
動部2705を備えている)は、液体金属ナトリウム2
703に浸されている。マトリックスアレイ型超音波ト
ランスデューサ2704は、検査装置駆動部2705に
よって位置および方向を変更することができ、これによ
って、画像化領域2720の変更が行われる。
【0119】マトリックスアレイ型超音波トランスデュ
ーサ2704の位置および方向を変更する際には、ま
ず、三次元位置検出器2713がオペレータ2711の
頭の位置および向きを検出すると、この検出内容を示す
データがVR(virtual reality) マンマシン装置270
9に送られる。そして、VRマンマシン装置2709
が、駆動制御装置2707に、検査装置駆動部2705
の駆動を制御させることにおり、超音波トランスデュー
サ2704の位置および方向が変更される。これによ
り、オペレータの動きに同期させてマトリックスアレイ
型超音波トランスデューサ2704の位置および方向を
変更することができる。このとき、オペレータ2711
は、三次元位置検出器2713と併せて操作用コンソー
ル2710も用いて、駆動制御装置2707を操作する
ことができる。
【0120】また、超音波トランスデューサ2704に
よって得られた信号データは超音波画像化システム27
08に送られて、画像信号が生成される。そして、この
画像信号は、VRマンマシン装置2709に送られて、
三次元仮想空間画像の画像情報が生成される。ここで、
この画像情報は、事前に用意された原子炉内の三次元仮
想空間画像に対応する画像信号のうち、画像化領域27
20に相当する画像信号を、超音波トランスデューサ2
704で得られた画像信号に置き換えることによって、
生成される。このようにして生成された画像情報は、ア
イフォン2712に送信される。そして、このアイフォ
ン2712に三次元仮想空間画像が表示されることによ
り、オペレータ2711が原子炉容器内を目視観察する
ことができる。
【0121】なお、このとき、操作用コンソール271
0の操作にあたっては、アイフォン2712によって表
示される三次元仮想空間画像内に、図29に示したよう
な操作用コンソールの操作パネルの画像を合成して表示
することも可能である。図29に示したように、この合
成画像としては、例えば、オン状態のPB画像2901
とオフ状態のPB画像2902とが表示される。これに
より、オペレータ2711は、原子炉容器内で直接操作
を行っているような臨場感を伴って目視観察を行うこと
が可能となる。
【0122】また、このようなシステムにおいては、炉
内構造物2702と検査装置2706との干渉を防止す
ることも可能である。この場合には、図28に示したよ
うに、三次元仮想空間に表された炉内構造物2702の
表面から一定距離内の空間に干渉防止検出領域2801
を設定する。そして、この干渉防止検出領域2801と
検査装置2706との干渉状態を事前に検出して、この
検出結果を駆動制御装置2707に送信する。さらに、
VRマンマシン装置2709が、操作端末2713,2
710に反力を与えることによって、干渉が生じるよう
な方向に検査装置2706を移動させるような操作をオ
ペレータ2711が行えないようにする。また、当該方
向に検査装置2706を移動させると干渉が生じること
アイフォン2712に表示することにより、オペレータ
2711に対して警告を行うこととしてもよい。さらに
は、干渉が生じるおそれがある場合には、駆動制御装置
2707の制御により、検査装置2706の移動を強制
的に停止したり、または、干渉防止検出領域2801か
ら強制的に回避させることとしてもよい。
【0123】以上説明したように、本実施例の炉内検査
装置によれば、マトリクスアレイ型の超音波トランスデ
ューサを使用したこと、および、これによって得られた
信号をメモリ内蔵A/D変換器904内の高速メモリ9
04bに格納することにより、高速処理が可能となる。
【0124】さらに、並列CPU回路906を用いて並
列処理を行うこととしたことによっても、高速処理を可
能としている。
【0125】加えて、メモリ内蔵A/D変換器904内
にCPU904cを設けたことにより、高速でS/N比
改善処理を施すことも可能となる。
【0126】また、図27に示したようなマンマシンシ
ステムを使用することにより、検査対象を三次元仮想空
間画像で表示することができるので、オペレータによる
検査箇所の目視観察や正常状態との比較を容易且つ正確
に行うことができる。
【0127】さらには、炉内構造物2702と検査装置
2706との干渉を防止することができるので、炉内検
査装置の信頼性を向上させることができる。
【0128】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、超音波による画像を用いた原子炉内の目視検査
を、迅速且つ正確に行うことができる炉内検査装置およ
び炉内検査装置用超音波トランスデューサを提供するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る超音波トランスデューサの構成
例を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は
(a)のA−A断面図である。
【図2】実施例1に係る超音波トランスデューサの変形
例を示す図であり、(a)は全体の構造を示す正面断面
図、(b)は前面板の形状を示す平面図、(c)は前面
板の形状を示す正面断面図である。
【図3】(a)〜(c)ともに、図2に示した振動子の
作製方法の一例を説明するための断面工程図である。
【図4】実施例1に係る超音波トランスデューサの他の
変形例を示す図であり、(a)は全体の構造を示す正面
断面図、(b)は前面板の形状を示す平面図、(c)は
前面板の形状を示す正面断面図である。
【図5】実施例1に係る超音波トランスデューサの前面
板の形状の変形例を示す図であり、(a)は全体の構造
を示す正面断面図、(b)は前面板の形状を示す平面
図、(c)は前面板の形状を示す正面断面図である。
【図6】実施例2に係るマトリクスアレイ型超音波トラ
ンスデューサの構成例を示す図であり、(a)は正面断
面図、(b)は支持板601の平面図である。
【図7】実施例2で使用するマトリクスアレイ型超音波
トランスデューサの変形例を示す図であり、(a)は正
面断面図、(b)は(a)の一部を拡大した図、(c)
は支持板701の平面図である。
【図8】実施例2で使用するマトリクスアレイ型超音波
トランスデューサのさらなる変形例を説明するための拡
大正面断面図である。
【図9】実施例2に係る炉内検査装置で使用する信号処
理システムの一構成例を示す概念図である。
【図10】実施例2に係る炉内検査装置で使用する信号
処理システムの変形例を示す概念図である。
【図11】図9および図10に示した信号処理システム
における開口合成処理を説明するための概念図である。
【図12】実施例2に係る炉内検査装置で使用する信号
処理システムのさらなる変形例を示す概念図である。
【図13】実施例2に係る炉内検査装置における、M系
列信号を用いた相関処理の原理を説明するための概念図
である。
【図14】図13に示したM系列信号発生器の出力波形
の一例を示す図である。
【図15】図13に示した正弦波信号発生器の波形の一
例を示す図である。
【図16】図13に示した振幅変調器の出力波形の一例
を示す図である。
【図17】図13に示した超音波受信用トランスデュー
サ素子の出力波形の一例を示す図である。
【図18】図13に示した検波器の出力波形の一例を示
す図である。
【図19】図13に示した相関処理器の出力波形の一例
を示す図である。
【図20】M系列信号を用いた相関処理を行う信号処理
システムの他の例について説明するための概念図であ
る。
【図21】変調器として位相変調器を使用した信号処理
システムを説明するための概念図である。
【図22】図21に示したM系列信号発生器の出力波形
の一例を示す図である。
【図23】図21に示した正弦波信号発生器の出力波形
の一例を示す図である。
【図24】図21に示した位相変調器の出力波形の一例
を示す図である。
【図25】図21に示した超音波受信用トランスデュー
サ素子の出力波形の一例を示す図である。
【図26】図21に示した相関処理器の出力波形の一例
を示す図である。
【図27】実施例2に係るマンマシンシステムの全体構
成を概略的に示す概念図である。
【図28】図27に示したマンマシンシステムで生成さ
れた画像を示す概念図である。
【図29】図27に示したマンマシンシステムの操作用
コンソールの操作パネルの画像を概念的に示す斜視図で
ある。
【図30】従来の超音波トランスデューサの構成例を示
す図であり、(a)は正面断面図、(b)は平面図であ
る。
【図31】従来の超音波トランスデューサの他の構成例
を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は(a)
のA−A断面図である。
【符号の説明】
101 前面板 102 圧電素子 103,104 電極 105 バッキング材 106 グランド用信号線 107 MIケーブル 108 シールド線 109 信号線 110 筐体 111 蓋 112 導電性接合材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加 藤 克 己 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 松日楽 信 人 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 鈴 木 健 彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 塩 山 勉 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 長 井 敏 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 小 舞 正 文 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉内に超音波の送信または受信を行う金属
    板と、表面および裏面にニッケル層を含む電極層が形成
    された圧電素子と、ニッケル層を含む金属層で表面が覆
    われたチタン酸アルミニウム系セラミックによって形成
    されたバッキング材とを備えた炉内検査用超音波トラン
    スデューサにおいて、 前記金属板と前記圧電素子の表面との境界面およびこの
    圧電素子の裏面と前記バッキング材との境界面を導電性
    接合材で接合したことを特徴とする炉内検査用超音波ト
    ランスデューサ。
  2. 【請求項2】前記バッキング材の表面に形成された導電
    性被膜と、この導電性被膜を介して前記圧電素子の前記
    裏面に接続された第1の信号線と、前記金属板を介して
    前記圧電素子の前記表面に接続された第2の信号線とを
    さらに備えたことを特徴とする請求項1記載の炉内検査
    用超音波トランスデューサ。
  3. 【請求項3】前記金属板の外周が前記圧電素子の外周よ
    りも大きく、且つ、この金属板と筐体とを密閉固定する
    ことによって前記圧電素子および前記バッキング材が前
    記筐体内に密閉されたことを特徴とする請求項1記載の
    炉内検査用超音波トランスデューサ。
  4. 【請求項4】超音波トランスデューサ素子がマトリクス
    状に配設されてなる炉内検査用超音波トランスデューサ
    と、前記超音波トランスデューサ素子に超音波を発信さ
    せるための発信信号を出力する信号発信器と、前記超音
    波トランスデューサ素子が反射超音波を受信したときに
    出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D
    変換器と、前記超音波トランスデューサ素子に超音波を
    発信させるときは前記信号発信器が出力した前記発信信
    号を当該超音波トランスデューサ素子に供給し、前記超
    音波トランスデューサ素子が反射超音波を受信したとき
    は当該超音波トランスデューサ素子が出力したアナログ
    信号を前記A/D変換器に供給する信号切り換え回路
    と、前記A/D変換器が出力した前記デジタル信号に基
    づいて、炉内の画像情報を生成する演算処理器と、この
    演算処理器から入力した前記画像情報を用いた画像表示
    を行う表示器とを備えた炉内検査装置において、 前記A/D変換器が出力した前記デジタル信号を一時的
    に格納した後で前記演算処理器に入力させるためのメモ
    リをさらに備えたことを特徴とする炉内検査装置。
  5. 【請求項5】前記演算処理器が、前記A/D変換器に1
    対1に接続された複数の演算回路と、これらの演算回路
    の演算結果を加算して前記表示器に送信する加算回路と
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載の炉内検査装
    置。
  6. 【請求項6】前記信号発信器が、M系列信号に正弦波信
    号を重畳させることによって前記発信信号を生成するよ
    うに構成され、且つ、前記A/D変換器が、前記M系列
    信号発生手段から入力した前記M系列信号を用いた相関
    処理を行うS/N比改善処理用演算回路を備えたことを
    特徴とする請求項4又は5に記載の炉内検査装置。
  7. 【請求項7】被検査領域となる空間を分割してなる画素
    ごとに設けられた記憶素子と、 発信用の前記超音波トランスデューサ素子によって発信
    た超音波が前記画素で反射して受信用の前記超音波トラ
    ンスデューサ素子に受信されるまでの遅れ時間を記憶す
    る遅れ時間記憶手段と、この遅れ時間記憶手段から入力
    された遅れ時間を用いて前記受信用の超音波トランスデ
    ューサ素子で受信された超音波と前記画素との対応を判
    断し、これによって得られた前記画素ごとの受信超音波
    強度を前記記憶素子の記憶データに加算する演算素子
    と、を備えたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか
    に記載の炉内検査装置。
  8. 【請求項8】M系列信号を発生させるM系列信号発生手
    段と、正弦波信号を発生させる正弦波信号発生手段と、
    前記M系列信号発生手段から入力した前記M系列信号と
    前記正弦波信号発生手段から入力した前記正弦波信号と
    を重畳した後に変調することにより発信信号を発生させ
    る変調手段とを有する信号発信器と、 この信号発信器から入力した前記発信信号に基づいて超
    音波を出力する超音波発信用トランスデューサと、 検査対象物で反射した前記超音波を受信して電気信号に
    変換する受信用超音波トランスデューサと、 この受信用超音波トランスデューサから入力された前記
    電気信号を検波して出力する検波器と、 この検波器から入力された信号と前記M系列信号発生手
    段から入力された前記M系列信号との時間相関処理を行
    う相関処理器と、 を備えたことを特徴とする炉内検査装置。
  9. 【請求項9】前記信号発生器内の前記変調器が、振幅変
    調又は位相変調を行うことを特徴とする請求項8記載の
    炉内検査装置。
  10. 【請求項10】互いに相関のない前記M系列信号を用い
    た前記受信信号をそれぞれ発生させる複数個の前記信号
    発生器を有し、 前記相関処理器が、前記検波器から入力された信号につ
    いて、前記複数の信号発生器の前記M系列信号発生手段
    から入力した前記M系列信号のそれぞれを用いた前記時
    間相関処理を行うように構成されたことを特徴とする請
    求項8又は9に記載の炉内検査装置。
  11. 【請求項11】検査対象物に対する超音波の発信および
    この検査対象物で反射した前記超音波の受信を行う超音
    波トランスデューサと、 この超音波トランスデューサから入力した信号を用いて
    画像信号を生成する画像化手段と、 前記超音波トランスデューサの位置および向きを駆動制
    御するための駆動制御手段と、 事前に用意された炉内の三次元仮想空間画像に対応する
    画像信号のうち、超音波トランスデューサによる検出領
    域に相当する画像信号を、この超音波トランスデューサ
    で実際に検出された画像信号に置き換えることによっ
    て、三次元仮想空間画像用の画像情報を生成するマンマ
    シン手段と、 このマンマシン手段から入力された前記画像信号を用い
    て三次元仮想空間画像を表示する表示手段と、 を備えたことを特徴とする炉内検査装置。
  12. 【請求項12】オペレータが操作して駆動制御手段に前
    記超音波トランスデューサの位置および向きの駆動制御
    させるための操作手段と、 この操作手段による操作内容を前記三次元仮想空間画像
    と合成して表示させるために前記マンマシン手段内に設
    けられた画像情報合成手段と、 を備えたことを特徴とする請求項11に記載の炉内検査
    装置。
  13. 【請求項13】被検査対象の表面から所定距離内の空間
    に前記超音波トランスデューサが近付いたが否かを判断
    する位置判断手段と、 この位置判断手段が、前記空間に前記超音波トランスデ
    ューサが近付いたときに前記駆動制御手段の駆動を制御
    または停止して前記被検査対象と前記超音波トランスデ
    ューサとの干渉を防止し、または、前記被検査対象と前
    記超音波トランスデューサとの干渉のおそれがあるとの
    警告をオペレータに対して発する、干渉防止手段と、 を備えたことを特徴とする請求項11に記載の炉内検査
    装置。
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