JPH08288573A - 光ファイバ増幅器 - Google Patents

光ファイバ増幅器

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JPH08288573A
JPH08288573A JP7090893A JP9089395A JPH08288573A JP H08288573 A JPH08288573 A JP H08288573A JP 7090893 A JP7090893 A JP 7090893A JP 9089395 A JP9089395 A JP 9089395A JP H08288573 A JPH08288573 A JP H08288573A
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JP
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fiber grating
wavelength
optical fiber
reflection wavelength
photoelectric conversion
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JP7090893A
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Inventor
Mototaka Kadoi
素貴 角井
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不要な自然放出光を有効に除去する光ファイ
バ増幅器を提供する。 【構成】 半導体レーザ12,14からの双方向励起光
によりEr添加型増幅媒体6に信号光の増幅作用をもた
せ、増幅された光を光分岐カプラ16及びファイバグレ
ーティング24を通して出力させる。光分岐カプラ16
は、ファイバグレーティング24の選択反射波長と等し
い波長の反射光を分岐して光電変換素子20へ導き、帰
還制御回路22が光電変換素子20の出力に基づいてペ
ルチェ素子26の温度を制御し、ペルチェ素子26の温
度が熱伝導率の良好なケース24を介してファイバグレ
ーティング24に伝えられる。そして、光電変換素子2
0の出力信号値の増減変化の傾向が所定閾値範囲内とな
るようにファイバグレーティング24の温度を調節して
その伸縮長を制御することにより、その選択反射波長を
不要な自然放出光のピーク波長と一致させて、自然放出
光がファイバグレーティング24を通過するのを抑制す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コア部分に活性化イオ
ンとしての希土類元素を添加した光ファイバを増幅媒体
とし、所定波長の励起光により増幅作用を発揮させる光
ファイバ増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、980nm帯レーザ又は1480
nm帯レーザを励起光に用い、誘導放出により1550
nm帯の信号光を増幅する希土類元素添加型の光ファイ
バ増幅器が知られており、長距離光通信用の光ファイバ
伝送路中に適宜の間隔(スパン)を置いて配置すること
により、信号光の減衰を補償するための中継増幅器等に
適用する技術が開発されるに至っている。例えば、文献
“Gain-filtering stability in ultralong-distance l
inks, J.P.Blondal,in Conference on Optical Fiber C
ommunication/International Conference on Integrate
d Optics and Optical Fiber Communication,1993 Tech
nical Digest Series,p.38-p.39 ”に開示されている。
この文献によれば、Er元素を添加した増幅媒体に14
80nm帯レーザを励起光源に適用して、1550nm
帯の信号光を増幅する。
【0003】また、光ファイバ増幅器にあっては、信号
光の伝送帯域の両側、例えば図8に示す如く、約153
0nmの波長近傍と約1560nmの波長近傍とにおい
て自然放出光(ASE)成分が急上昇する現象(自己フ
ィルタリング現象)を生じることが知られており、かか
る自己フィルタリング現象の発生に起因する雑音成分を
抑制する技術については、文献“10-channel×10- Gbi
t/s optical FDM transmission over a 500-km dispers
ion-shifted fiber employing unequal channel spacin
g and amplifier-gain equalization,Kazuhiro Oda,in
Conference onOptic al Fiber Communication/Internat
ional Conference on Integrated Optics and Optical
Fiber Communication,1995 Technical Digest Series,
p.27-p.29 ”に開示されている。
【0004】後者の文献について更に詳述すれば、50
0kmの光ファイバ伝送路中に40km毎のスパンで光
ファイバ増幅器をカスケード接続することにより信号光
の減衰を補償することとし、各段の光ファイバ増幅器
は、Er元素添加増幅媒体の出力端に続く光ファイバの
コア中に、不要なASE成分の通過を阻止するためのフ
ァイバグレーティング(FG)が設けられている。
【0005】ここで、ファイバグレーティング(FG)
とは、増幅媒体の出力端に続く上記光ファイバ伝送路の
コア中に、信号光の伝搬方向に沿って周期的に屈折率の
変化する部分を形成したものであり、その周期(ピッチ
間隔)に応じた反射波長特性を発揮する波長選択フィル
タである。即ち、光ファイバのコアの基本屈折率を
0 、屈折率変化の周期(ピッチ間隔)をΛとすると、
反射波長λ0 は、 λ0 =2・n0 ・Λ …(1) で決まっている。
【0006】したがって、自己フィルタリング現象によ
るASE成分の波長に合わせた反射波長λ0 のファイバ
グレーティング(FG)を設けることにより、信号光の
下流側への伝搬を許容するのに対して、ASE成分の下
流側への伝搬を禁止することで、雑音成分の抑制等を実
現して伝送品質の向上を図るようにしている。
【0007】もし仮に、ファイバグレーティング(F
G)等の波長選択フィルタを備えない光ファイバ増幅器
を上記所定スパン毎に光ファイバ伝送路中に設けて信号
光の増幅を行うこととすると、図9(a)〜(d)の実
験例にて示す如く、光ファイバ増幅器の段数が増えるの
に伴って、波長約1530nm近傍でのASE成分が重
畳的に増加していくので、光ファイバ伝送路の下流側ほ
ど不要な雑音成分が急増するという問題を招来すること
となる。尚、図9は、所定波長の4チャネルの信号光C
1 〜CH4 を伝送する場合を示し、更に同図(a)は
ファイバグレーティング(FG)を備えない光ファイバ
増幅器の1段目の出力特性、同図(b)は3段目の光フ
ァイバ増幅器の出力特性、同図(c)は5段目の光ファ
イバ増幅器の出力特性、同図(d)は10段目の光ファ
イバ増幅器の出力特性を示す。
【0008】この実験例からも明らかな如く、ファイバ
グレーティング(FG)を備えない光ファイバ増幅器を
多数段カスケードに接続すると、波長約1530nm近
傍でのASE成分が重畳的に増加していくために、雑音
成分の大幅な増加をもたらし、光ファイバ伝送路の伝送
品質の低下を招くこととなる。
【0009】一方、上記ファイバーグレーティング(F
G)を備えた光ファイバ増幅器を上記所定スパン毎に設
けて信号光を増幅することとすると、図10(a)〜
(d)の実験例にて示す如く、波長約1530nm近傍
での自己フィルタリング現象による不要なASE成分の
伝送が抑制され、図9(a)〜(d)の場合に較べて伝
送品質の向上を図ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ファイ
バーグレーティング(FG)を備えた従来の光ファイバ
増幅器によっても、図10(a)〜(d)に示した如
く、自己フィルタリング現象による波長約1530nm
近傍での不要なASE成分の除去が十分に達成されたと
は言えない。
【0011】更に、不要なASE成分の増加に伴って、
本来伝送すべき信号光のパワー損失を招くという問題が
発生する。
【0012】本発明は、このような課題に鑑みて成され
たものであり、自己フィルタリング現象による不要な雑
音成分の除去をより確実に行うことによって、伝送品質
の更なる向上を実現する光ファイバ増幅器を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、コア部分に活性化イオンとしての希
土類元素を添加した光ファイバを増幅媒体とし、励起光
により増幅作用をもたせる光ファイバ増幅器において、
前記増幅媒体の出射端に設けられたファイバグレーティ
ングと、前記増幅媒体と前記ファイバグレーティングと
の間に設けられ、前記ファイバグレーティングに設定さ
れた選択反射波長と等しい波長の反射光を分岐して光電
変換素子へ伝搬する光分岐カプラと、前記光電変換素子
の出力信号値に基づいて前記増幅媒体から発生される不
要な自然放出光のピーク波長を判定し、前記ファイバグ
レーティングの選択反射波長を自然放出光の波長と等し
く帰還制御する制御手段とを具備する構成とした。
【0014】また、前記制御手段は、前記光電変換素子
の出力信号値の増減変化の傾向を調べ、該増減変化が予
め決められた閾値範囲内となるように前記ファイバグレ
ーティングの選択反射波長を帰還制御する構成とした。
【0015】また、前記制御手段は、前記ファイバグレ
ーティングの温度を調節する温度調節手段を備えると共
に、前記光電変換素子の出力信号値の増減変化の傾向が
予め決められた閾値範囲内となるように温度調節手段に
よる温度を調節して前記ファイバグレーティングの選択
反射波長を帰還制御する構成とした。
【0016】また、前記制御手段は、前記ファイバグレ
ーティングに掛かる負荷張力を調節するアクチュエータ
手段を備えると共に、前記光電変換素子の出力信号値の
増減変化の傾向が予め決められた閾値範囲内となるよう
にアクチュエータ手段による前記ファイバグレーティン
グへの負荷張力を調節して前記ファイバグレーティング
の選択反射波長を帰還制御する構成とした。
【0017】
【作用】光電変換素子の出力信号値に基づいて自然放出
光のピーク波長を判定し、ファイバグレーティングの選
択反射波長をこのピーク波長と等しくするように帰還制
御することによって、不要な自然放出光がファイバグレ
ーティングを通過することを抑制する。
【0018】また、かかる帰還制御において、ファイバ
グレーティングの選択反射波長を制御したときに得られ
る光電変換素子の出力信号値の増減傾向を調べ、この増
減傾向が予め決められた閾値範囲内に収まるようにファ
イバグレーティングの選択反射波長を帰還制御すること
により、ファイバグレーティングの選択反射波長を不要
な自然放出光のピーク波長と等しくし、不要な自然放出
光がファイバグレーティングを通過することを抑制す
る。
【0019】また、前記温度調節手段によりファイバグ
レーティングの温度を調節することにより、ファイバグ
レーティングを伸縮させて、その選択反射波長を不要な
自然放出光のピーク波長と等しくし、不要な自然放出光
がファイバグレーティングを通過することを抑制する。
【0020】また、前記アクチュエータ手段によりファ
イバグレーティングに掛かる負荷張力を制御すると、フ
ァイバグレーティングの長さをその負荷張力に応じて伸
縮調節することとなり、その選択反射波長を不要な自然
放出光のピーク波長と等しくして、不要な自然放出光が
ファイバグレーティングを通過することを抑制する。
【0021】
【実施例】以下、本発明による光ファイバ増幅器の一実
施例を図面と共に説明する。
【0022】まず、実施例を説明する前に、当該光ファ
イバ増幅器の原理を図1に基づいて説明する。本願発明
者は、従来のファイバグレーティングを備えた光ファイ
バ増幅器では不要なASE成分を十分に除去することが
できない原因を鋭意研究し、次の如き問題点を解明し
た。
【0023】図1は、コア部分にEr元素を添加した1
0mの光ファイバを増幅媒体とし、980nm帯レーザ
を励起光として1550nm帯の信号光を増幅する光フ
ァイバ増幅器を、ファイバグレーティングを設けずに複
数段カスケード接続したときの、1段目と3段目と5段
目及び10段目の各光ファイバ増幅器から出力される波
長1530nm近傍のASE成分の出力パワーを実測し
た結果を示す。尚、特性曲線S1 が1段目の光ファイバ
増幅器の特性、S3 が3段目の光ファイバ増幅器の特
性、S5 が5段目の光ファイバ増幅器の特性、S10が1
0段目の光ファイバ増幅器の特性である。
【0024】かかる特性曲線S1 ,S3 ,S5 ,S10
綿密に解析すると、光ファイバ増幅器のカスケード接続
段数が増加するに従って、夫々のASE成分が最大値
(最大パワー)となるときの波長(ピーク波長と呼ぶ)
λP1,λP3,λP5,λP10 が次第に長波長側へシフトし
ていくことが解明された。換言すれば、光ファイバ増幅
器を複数段カスケードに接続した場合には、単一の光フ
ァイバ増幅器のASE成分のピーク波長λP1を基準にし
て単純にASE成分の最大パワーが上昇していくのでは
なく、ASE成分のピーク波長λP も次第に長波長側へ
シフトしていく。したがって、従来技術の如く、カスケ
ード接続される全ての光ファイバ増幅器に、単一且つ固
定化した反射波長λ0 に設定したファイバグレーティン
グ(FG)を設けたとしても、不要なASE成分の上記
波長シフトに追従することができないために、このAS
E成分を十分に除去することができないことが解明され
た。
【0025】そこで、不要なASE成分のピーク波長λ
P を逐次自動検出し、ファイバグレーティング(FG)
の中心反射波長λ0 をこのピーク波長λP と等しくする
ように自動制御することで、不要なASE成分、特にピ
ーク波長λP におけるASE成分を確実に除去して、伝
送品質の向上を図ることとした。尚、後述する具体的な
実施例では、上記ピーク波長λP を直接検出するのでは
なく、不要なASE成分の最大パワーを逐次検出するこ
とによって、その最大パワーに対応するピーク波長λP
を知るようにした。
【0026】(実施例1)図2は、第1の実施例に係わ
る光ファイバ増幅器の構成を示す。即ち、コアにEr元
素を添加した光ファイバから成る増幅媒体6の入力側に
は、一方向性アイソレータ2と第1の光合波用カプラ4
が順に設けられ、増幅媒体6の出射側には、第2の光合
波用カプラ8と一方向性アイソレータ10が順に設けら
れている。
【0027】そして、第1の光合波用カプラ4が、一方
向性アイソレータ4を介して伝搬されてくる信号光と第
1の半導体レーザ12から供給される波長980nmの
前方励起光とを合波して増幅媒体6に供給し、第2の光
合波用カプラ8が、第2の半導体レーザ14から供給さ
れる波長980nmの後方励起光を増幅媒体6に供給す
ることにより、双方向励起型の光ファイバ増幅器を実現
している。
【0028】更に、この光ファイバ増幅器には、一方向
性アイソレータ10の出力端に続いて、光分岐用カプラ
16とファイバグレーティング18が順に設けられると
共に、光分岐用カプラ16の分岐端には、フォトダイオ
ード等の光電変換素子20が結合されている。尚、ファ
イバグレーティング18は光ファイバのコア中に周期的
に屈折率の変化する部分を備えた波長選択性を有する波
長選択フィルタであり、前記式(1) で決まる選択反射波
長(中心波長)λ0 を有している。したがって、増幅媒
体6で発生する波長λ0 のASE成分はファイバグレー
ティング18で上流側へ反射され、更に光分岐用カプラ
16を介して光電変換素子20で受光されることによ
り、光電変換素子20からはASE成分のパワーに比例
した値の電気信号VRが発生される。
【0029】更に、ファイバグレーティング18は熱伝
導性の良好な例えば銅製のケース24内に収容されてお
り、ケース24の外側壁には、帰還制御回路22からの
供給電力に応じて温度調整されるペルチェ素子26が固
着されている。尚、ペルチェ素子26には、熱交換性を
良好にするためのヒートシンク部材28が固着されてい
る。
【0030】帰還制御回路22は、マイクロコンピュー
タシステム等の演算処理機能を備え、予め決められた帰
還制御周期τに同期して電気信号VRの値を検知し、そ
の電気信号VRが最大値となるようにファイバグレーテ
ィング18の反射波長λ0 を調節すべく、ペルチェ素子
26への供給電力を帰還制御する。
【0031】更に、図3のフローチャート及び図4の原
理図に基づいて、この帰還制御を詳述する。まず、電気
信号VRの値と、ペルチェ素子26によって設定される
ファイバグレーティング18の温度と、ファイバグレー
ティング18の反射波長λ0、及び不要なASE成分の
ピーク波長λP との相互関係を述べる。ペルチェ素子2
6が熱伝導性の良好なケース18に固着されているの
で、ファイバグレーティング18はペルチェ素子26の
温度に応じた長さに圧縮又は伸長する結果、前記式(1)
中の屈折率変化の周期Λも長短調節されて、反射波長λ
0 が温度によって可変制御されることとなる。一方、こ
のように温度に応じて調節される反射波長λ0 が不要な
ASE成分のピーク波長λP と一致していれば、ASE
成分の最大パワーを光電変換素子20が受光することに
なるので、電気信号VRも最大値となり、反射波長λ0
がASE成分のピーク波長λP と一致していなければ、
電気信号VRは上記の最大パワー時よりも低レベルの値
となる。
【0032】帰還制御回路22は、かかる相互関係に着
目して構成されており、電気信号VRの現時点での検出
値と過去の履歴値とを対比して、その差分値が予め決め
られた微小閾値VREF の範囲内に収まるように、ペルチ
ェ素子26への供給電力を制御することによって、フィ
バグレーティング18の温度を設定し、実質的に反射波
長λ0 をASE成分のピーク波長λP に一致させ且つ維
持させる帰還制御を行う。
【0033】次に、図3のフローチャートに基づいて制
御動作を具体的に述べる。帰還制御を開始する前の初期
化時(ステップS2 )において、所定電力Pをペルチェ
素子26に供給してファイバグレーティング18を予め
決められた温度に設定することにより、その反射波長λ
0 を不要なASE成分の典型的なピーク波長λP0、例え
ば、1530nmと等しくする。
【0034】次に、ステップS4 において帰還制御を開
始し、続いてステップS6 において、電気信号VRの値
を検出し、更にステップS8 において、現在検出した電
気信号の値VR(t)と1帰還制御周期前に検出した電
気信号の値VR(t−τ)との差分ΔVR1 (=VR
(t)−VR(t−τ))と、1帰還制御周期前に検出
した電気信号の値VR(t−τ)と2帰還制御周期前に
検出した電気信号の値VR(t−2τ)の差分ΔVR2
(=VR(t−τ)−VR(t−2τ))を算出する。
【0035】ステップS10においては、差分ΔVR1
ΔVR2 を微小閾値VREF と対比し、ΔVR1 >VREF
及びΔVR2 >VREF のときは、ステップS12へ移行し
て、ファイバグレーティング18に設定されている反射
波長λ0 が実際のASE成分のピーク波長λP よりも短
波長側に存在していると判断する。そして、ステップS
14において、ペルチェ素子28へ供給する電力Pを微小
電力ΔPだけ増加して、ファイバグレーティング18の
温度を上昇させることにより、その反射波長λ0 をΔλ
だけ長波長側へシフトさせ、再びステップS6 からの処
理を繰り返す。
【0036】一方、ステップS10において否定される場
合には、ステップS16へ処理が移行し、差分ΔVR1
ΔVR2 を微小閾値VREF と対比する。そして、ΔVR
1 <VREF 及びΔVR2 <VREF のときは、ステップS
18へ移行して、ファイバグレーティング18に設定され
ている反射波長λ0 が実際のASE成分のピーク波長λ
P よりも長波長側に存在していると判断する。更に、ス
テップS20において、ペルチェ素子28へ供給する電力
Pを微小電力ΔPだけ減少して、ファイバグレーティン
グ18の温度を下げることにより、その反射波長λ0
Δλだけ短波長側へシフトさせ、再びステップS6 から
の処理を繰り返す。
【0037】また、ステップS16で否定されるときは、
差分ΔVR1 とΔVR2 の少なくとも一方が微小閾値V
REF の範囲内に収まり、実質的に反射波長λ0 とASE
成分のピーク波長λP と等しい状態にあるので、ペルチ
ェ素子26への供給電力Pをそのままに維持して、再び
ステップS6 からの処理を繰り返す。
【0038】かかる帰還制御を行うと、電気信号VRの
最大値を求め得るようにファイバグレーティング18の
反射波長λ0 を制御することとなり、ひいては反射波長
λ0をASE成分のピーク波長λP と一致させることが
できる。即ち、図4に示す如く、ステップS2 の初期化
時に設定されたファイバグレーティング18の反射波長
λ0 又はλ0 ’がASE成分のピーク波長λP と一致せ
ず、λ0 <λP またはλ0 ’>λP の状態にあったとし
ても、最終的にASE成分の最大パワーに対応するピー
ク波長λP に一致させることができ、一致後は常に実質
的にλ0 =λPの状態を維持することができる。よっ
て、図1に示した複数段のカスケード接続によるASE
成分のピーク波長のシフトが生じても、そのピーク波長
のシフトに追従して最大パワーの伝搬を抑制することが
できるので、伝送品質の向上等を図ることができる。
【0039】また、増幅媒体6や半導体レーザ12,1
4の経年変化等の何等かの動作状態の変化に起因してA
SE成分のピーク波長λP が変動しても、ファイバグレ
ーティング18の反射波長λ0 をそのピーク波長λP
追従させて一致させることができるので、同様に伝送品
質の維持等を図ることができる。
【0040】図5は、かかる帰還制御がなされるファイ
バグレーティングを備えた光ファイバ増幅器のASE成
分の低減特性を実験により求めた特性図であり、計測条
件は、 増幅媒体;Al−Ge共添加 Erイオン濃度900ppm 長さ10m 励起方法;25mWずつの双方向励起、 励起波長;980nm スパロン;22dB 初段入力;−21dBm/ch 信号光波長;第1チャンネル(1543nm) 第2チャンネル(1548nm) 第3チャンネル(1552nm) 第4チャンネル(1558nm) とした。
【0041】更に、図5(a)は、光ファイバ増幅器単
体でのASE成分の低減特性を示し、1530nm帯で
のASE成分が有効に低減されることを実験的に確認さ
れた。
【0042】また、図5(b)は、かかる実施例の光フ
ァイバ増幅器を所定スパンを置いて3段カスケード接続
した場合の第3段目の光ファイバ増幅器におけるASE
成分の低減特性、図5(c)は、かかる実施例の光ファ
イバ増幅器を所定スパンを置いて5段カスケード接続し
た場合の第5段目の光ファイバ増幅器におけるASE成
分の低減特性、図5(d)は、かかる実施例の光ファイ
バ増幅器を所定スパンを置いて10段カスケード接続し
た場合の第10段目の光ファイバ増幅器におけるASE
成分の低減特性を示し、これらの特性図から明らかな如
く、図1に示した複数段のカスケード接続によるASE
成分のピーク波長λP のシフトが生じても、ASE成分
の除去、特にその最大パワーの成分を効果的に除去でき
ることが実験的に確認された。更に、不要なASE成分
の除去を有効に行うことができる結果、本来伝送すべき
信号光のパワー損失を低減することができることも確認
された。
【0043】(実施例2)次に、図6に基づいて第2の
実施例を説明する。尚、図2と同一又は相当する部分を
同一符号で示すものとする。第1の実施例との相違点を
説明すると、第1の実施例ではペルチェ素子26の温度
を制御して、ファイバグレーティング18の長さを可変
制御することによって、その反射波長λ0 をASE成分
のピーク波長λP に一致させるものであるが、第2の実
施例は、ファイバグレーティング18の両端に固着され
た第1のクランプ部材30と第2のクランプ部材32の
対向間隔Lを機械的に可変制御することによって、強制
的にファイバグレーティング18に掛かる負荷張力を調
節し、ひいてはその負荷張力に応じてファイバグレーテ
ィング18の長さを調節することによって、その屈折率
変化の周期Λを可変制御するものである。より具体的に
は、第1のクランプ部材30の一端にステッピングモー
タ34の本体部分を固定し、ステッピングモータ34の
駆動軸36の先端部分が第2のクランプ部材32の一端
に形成されている雌ネジ部38に螺合している。そし
て、帰還制御回路22からステッピングモータ34に供
給される電力に応じて、駆動軸36と雌ネジ部38との
螺合量を調節することにより、第1のクランプ部材30
と第2のクランプ部材32の対向間隔Lを可変制御して
ファイバグレーティング18への負荷張力を調節し、ひ
いては前記式(1) に基づいて、ファイバグレーティング
18の反射波長λ0 を可変制御するようになっている。
【0044】次に、図8のフローチャートに基づいて制
御動作を具体的に述べる。帰還制御を開始する前の初期
化時(ステップS32) において、電力をステッピングモ
ータ34に供給し、第1,第2のクランプ部材30,3
2を所定の対向間隔Lに設定することにより、ファイバ
グレーティング18の反射波長λ0 を不要なASE成分
の典型的なピーク波長λP0、例えば1530nmと等し
くする。
【0045】次に、ステップS34において帰還制御を開
始し、続いてステップS36において、電気信号VRの値
を検出し、更にステップS38において、現在検出した電
気信号の値VR(t)と1帰還制御周期前に検出した電
気信号の値VR(t−τ)との差分ΔVR1 (=VR
(t)−VR(t−τ))と、1帰還制御周期前に検出
した電気信号の値VR(t−τ)と2帰還制御周期前に
検出した電気信号の値VR(t−2τ)の差分ΔVR2
(=VR(t−τ)−VR(t−2τ))を算出する。
【0046】ステップS40においては、差分ΔVR1
ΔVR2 を微小閾値VREF と対比し、ΔVR1 >VREF
及びΔVR2 >VREF のときは、ステップS42へ移行し
て、ファイバグレーティング18に設定されている反射
波長λ0 が実際のASE成分のピーク波長λP よりも短
波長側に存在していると判断する。そして、ステップS
44において、ステッピングモータ34に所定時間だけ電
力を供給することにより、第1,第2のクランプ部材3
0,32の対向間隔を微小量ΔLだけ拡げることによっ
て、ファイバグレーティング18への負荷張力を増加
し、同時にファイバグレーティング18も微小量ΔLだ
け伸ばす。この結果、ファイバグレーティング18の反
射波長λ0 をΔλだけ長波長側へシフトさせる。そし
て、再びステップS36からの処理を繰り返す。
【0047】一方、ステップS40において否定される場
合には、ステップS46へ処理が移行し、差分ΔVR1
ΔVR2 を微小閾値VREF と対比する。そして、ΔVR
1 <VREF 、及びΔVR2 <VREF のときは、ステップ
48へ移行して、ファイバグレーティング18に設定さ
れている反射波長λ0 が実際のASE成分のピーク波長
λP よりも長波長側に存在していると判断する。更に、
ステップS50において、ステッピングモータ34に所定
時間だけ逆極性の電力を供給することにより、第1,第
2のクランプ部材30,32の対向間隔を微小量ΔLだ
け狭めることにより、ファイバグレーティング18への
負荷張力を低減し、同時にファイバグレーティング18
も微小量ΔLだけ短くする。この結果、ファイバグレー
ティング18の反射波長λ0 をΔλだけ短波長側へシフ
トさせる。そして、再びステップS6 からの処理を繰り
返す。
【0048】また、ステップS46で否定されるときは、
差分ΔVR1 とΔVR2 の少なくとも一方が微小閾値V
REF の範囲内に収まり、実質的に反射波長λ0 とASE
成分のピーク波長λP と等しい状態にあるので、ステッ
ピングモータ34を停止させたままにして、再びステッ
プS36からの処理を繰り返す。
【0049】この実施例によれば、ファイバグレーティ
ング18の反射波長λ0 をASE成分の最大パワーに対
応するピーク波長λP に一致させるように帰還制御する
ので、図1に示した複数段のカスケード接続によるAS
E成分のピーク波長のシフトが生じても、ASE成分の
除去、特にその最大パワーの成分を効果的に除去できる
ことができる。また、増幅媒体6や半導体レーザ12,
14の経年変化等の何等かの動作状態の変化に起因して
ASE成分のピーク波長λP が変動しても、ファイバグ
レーティング18の反射波長λ0 をそのピーク波長λP
に追従させて一致させることができる。また、機械的駆
動手段によってファイバグレーティング18に掛かる負
荷張力を可変制御するので迅速な帰還制御を行うことが
できる。
【0050】また、実験的にも、図5(a)〜(d)に
示したのと同様のASE成分の低減特性が得られる。
【0051】尚、第2の実施例では、ファイバグレーテ
ィング18の長さを可変制御するための駆動手段として
ステッピングモータ34を用いたが、これに限定される
ものではなく、第1,第2のクランプ部材30,32の
対向間隔Lを可変制御する機能を備えた種々のアクチュ
エータ手段を適用することができる。
【0052】また、第1,第2の実施例では、双方向励
起型の光ファイバ増幅器を説明したが、本発明は、これ
に限定されるものではなく、上記説明したファイバグレ
ーティングの反射波長を帰還制御する手段を備えた前方
励起型または後方励起型の光ファイバ増幅器にも適用す
ることができる。
【0053】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
不要な自然放出光のピーク波長を逐次検出し、ファイバ
グレーティングの選択反射波長をこのピーク波長と等し
くするように自動的に帰還制御するようにしたので、複
数段のカスケード接続を行って各段の光ファイバ増幅器
毎に自然放出光のピーク波長が相違したとしても、各光
ファイバ増幅器毎に各ファイバグレーティングの選択反
射波長を各ピーク波長と等しくするように帰還制御する
結果、不要な自然放出光を有効に除去することができ、
光ファイバ伝送路の伝送品質の向上等を図ることができ
る。
【0054】更に、不要なASE成分を抑制する結果、
本来伝送すべき信号光のパワー損失を低減することがで
きるので、対雑音特性等の良好な光ファイバ伝送システ
ムを実現するために極めて優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ファイバ増幅器の実施例の原理
を説明するための説明図である。
【図2】第1の実施例の構成を示す構成説明図である。
【図3】第1の実施例の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図4】第1の実施例の動作原理を更に説明するための
説明図である。
【図5】第1の実施例の特性を説明するための説明図で
ある。
【図6】第2の実施例の構成を示す構成説明図である。
【図7】第2の実施例の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図8】従来技術の問題点を説明するための説明図であ
る。
【図9】従来技術の問題点を更に説明するための説明図
である。
【図10】従来技術の問題点を更に説明するための説明
図である。
【符号の説明】
2,10…アイソレータ、4,8…光合波用カプラ、6
…増幅媒体、12,14…半導体レーザ、16…分岐用
カプラ、18…ファイバグレーティング、20…光電変
換素子、22…帰還制御回路、24…ケース、26…ペ
ルチェ素子、30,32…クランプ部材、34…ステッ
ピングモータ、36…駆動軸、38…雌ネジ部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア部分に活性化イオンとしての希土類
    元素を添加した光ファイバを増幅媒体とし、励起光によ
    り増幅作用をもたせる光ファイバ増幅器において、 前記増幅媒体の出射端に設けられたファイバグレーティ
    ングと、 前記増幅媒体と前記ファイバグレーティングとの間に設
    けられ、前記ファイバグレーティングに設定された選択
    反射波長と等しい波長の反射光を分岐して光電変換素子
    へ伝搬する光分岐カプラと、 前記光電変換素子の出力信号値に基づいて前記増幅媒体
    から発生される不要な自然放出光のピーク波長を判定
    し、前記ファイバグレーティングの選択反射波長を自然
    放出光の波長と等しくさせる帰還制御を行う制御手段
    と、を具備することを特徴とする光ファイバ増幅器。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記光電変換素子の出
    力信号値の増減変化の傾向を調べ、該増減変化が予め決
    められた閾値範囲内となるように前記ファイバグレーテ
    ィングの選択反射波長を帰還制御することを特徴とする
    請求項1に記載の光ファイバ増幅器。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記ファイバグレーテ
    ィングの温度を調節する温度調節手段を備えると共に、
    前記光電変換素子の出力信号値の増減変化の傾向が予め
    決められた閾値範囲内となるように温度調節手段による
    温度を調節して前記ファイバグレーティングの選択反射
    波長を帰還制御することを特徴とする請求項1に記載の
    光ファイバ増幅器。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記ファイバグレーテ
    ィングに掛かる負荷張力を調節するアクチュエータ手段
    を備えると共に、前記光電変換素子の出力信号値の増減
    変化の傾向が予め決められた閾値範囲内となるようにア
    クチュエータ手段による前記ファイバグレーティングへ
    の負荷張力を調節して前記ファイバグレーティングの選
    択反射波長を帰還制御することを特徴とする請求項1に
    記載の光ファイバ増幅器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6134046A (en) * 1997-10-17 2000-10-17 Fujitsu Limited Optical amplifying fiber and forming method for fiber grating
JP2001264710A (ja) * 2000-01-12 2001-09-26 Alcatel 光伝送システム
JP2011249531A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Fujitsu Ltd 光増幅装置及び光増幅媒体
RU2554337C1 (ru) * 2014-01-09 2015-06-27 Российская Федерация, от имени которой выступает Государственная корпорация по атомной энергии "Росатом" (Госкорпорация "Росатом") Узкополосный кольцевой волоконный лазер

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