JPH08286006A - プリズムシート及びそれを利用した集光レンズ、光源装置、液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】液晶表示用光源装置に使用される集光レンズと
して使用した場合、正面輝度の向上と視角方向での輝度
ムラを解消できるプリズムシートを提供する。 【構成】平行配列した複数のプリズムを有するユニット
が複数存在し、隣接するユニット間のプリズム配列方向
交差角θが３０〜９０度であることを特徴とするプリズ
ムシート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プリズムシート及びそ
れを利用した集光レンズ、光源装置、液晶表示装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】液晶表示装置は、その軽量化や高精細化
等に伴って、ＯＡ機器やパーソナルコンピュター等に広
く使用されている。しかし、液晶表示は非発光表示のた
め、外光状態の悪い場所では照明が必要である。このた
め、後方から液晶表示面を均一に照明する面光源を備
え、輝度を確保している。バックライトは光源と光拡散
部材で構成され、白熱電球などの点光源または蛍光灯な
どの線光源を光拡散部材で面光源としている。近年、カ
ラー液晶テレビ等を始め、液晶表示装置のカラー化が進
んでおり、従来の単色液晶表示装置に使用された面光源
手段では十分な輝度を確保することが出来なくなってい
る。このため、バックライトを備えた液晶表示装置での
輝度改良のために、種々のものが提案されている。例え
ば、特開平２−７７７２６号公報のものは、輝度ムラを
改善するために拡散板と液晶パネルの間に非球面フレネ
ルレンズの集光レンズを設けたものである。また、特開
昭６１−１５１０４号公報のものは、線光源と拡散板と
の間に階段部を形成する複数の光伝導体からなる光拡散
器を設け、前記拡散板に三角柱状のプリズムを板状に配
列させたものである。また、実開平２−６２４１７号公
報のものは、光源と拡散板との間に透明板を設け、該透
明板の前記光源に対応する部分にプリズム作用を有する
複数の溝を設けたものである。特開平５−３３３３４号
公報のものは、面光源と液晶セルとの間に頭頂角の異な
るプリズム部を持つプリズムレンズ設けたものである。
このように、従来の液晶表示装置等の光源装置において
は、表示光の輝度を上げる手段として、バックライトの
拡散光をプリズムレンズで集光することにより、表示光
の特定方向の輝度を上げる方法が採用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のプリズ
ムレンズでは溝が一方向に配列されており、溝の方向
と、それと直交する方向とで視角による輝度分布が均一
でなく、ディスプレー全体の視角特性に悪影響を与えて
いた。また、このことを改善するため、光源とプリズム
レンズとの間に拡散シートを用いているが効果は十分で
なく、特に薄型化やコスト低減を狙ったエッジライト型
のバックライトシステムではこの輝度分布の不均一性は
顕著である。本発明はこうした状況に鑑み、拡散シート
を使用することなく、上下、水平のいずれの方向に対し
ても均一な輝度分布の集光が可能であり、ユニットの薄
型化やコストの低減化を図った光源装置に使用される集
光レンズを提供することを目的としている。

【０００４】

【問題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために、バックライトの光を集光するプリズ
ムレンズにおいて、平行配列されたプリズムを一定の単
位長さ毎にプリズム配列方向交差角θを任意の角度で配
置し、繰り返したものを使用することにより、液晶表示
装置の正面輝度向上と視角方向による輝度ムラが減少す
ることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、
（１）平行配列した複数のプリズムを有するユニットが
複数存在し、隣接するユニット間のプリズム配列方向交
差角θが３０〜９０度であることを特徴とするプリズム
シート、（２）プリズムの断面が三角形であり、その頂
角が７０〜１２０度である上記（１）のプリズムシー
ト、（３）三角形が二等辺三角形である上記（２）のプ
リズムシート、（４）三角形の底辺の長さが２０〜１５
０μｍである上記（２）または（３）のプリズムシー
ト、（５）ユニットの形状が多角形であり、その大きさ
は一辺が０．１〜２０ｍｍである上記（１）ないし
（４）のプリズムシート、（６）上記（１）ないし
（５）のプリズムシートからなる集光レンズ、（７）上
記（１）ないし（５）のプリズムシートを上下の配列が
上下の配列が同一方向にならないように２枚重ねたこと
を特徴とする集光レンズ、（８）上記（１）ないし
（５）のプリズムシートを組み込んだ光源装置、（９）
上記（１）ないし（５）のプリズムシートを組み込んだ
液晶表示装置、に関する。

【０００５】本発明のプリズムシートは複数のプリズム
部を有するユニットが複数存在している。プリズム部
は、断面が三角形であればよいが、二等辺三角形である
ことが好ましく、その頂角は好ましくは７０〜１２０
度、より好ましくは８０〜１００度、さらに好ましくは
８５〜９５°（度）程度がよい。また、その大きさは底
辺の長さが好ましくは２０〜１５０μｍ、より好ましく
は３０〜１００μｍ、さらに好ましくは３５〜６０μｍ
程度がよい。

【０００６】ユニットはプリズム部と支持体部に大別さ
れる。プリズム部と支持体部は同一の材質でも、異なる
材質でもよい。ユニット中の複数のプリズムは平行に配
列されている。一つのプリズムは直線状であることが好
ましい。ユニットの形状は特に制限なく、例えば三角
形、四角形（正方形、長方形、菱形）、五角形、六角
形、八角形、十二角形等の多角形等があげられるが、三
角形、四角形が好ましい。その大きさは、モアレ縞の発
生、製造上の困難さ及び液晶表示装置の正面輝度と視角
方向による輝度ムラの軽減を考慮すると、一辺が好まし
くは０．１〜２０ｍｍ、より好ましくは０．５〜１５ｍ
ｍ、さらに好ましくは１〜１０ｍｍ程度で、面積が好ま
しくは０．００５〜４００ｍｍ² 、より好ましくは０．
１２５〜２２５ｍｍ² 、さらに好ましくは０．５〜１０
０ｍｍ² 程度がよい。また、隣接するユニット間のプリ
ズムの配列方向の交差角θは好ましくは３０〜９０度、
より好ましくは４５〜９０度、さらに好ましくは７５〜
９０度程度がよい。

【０００７】このような本発明のプリズムシートの構造
の一例を図１に示す。この図では、正方形のユニットが
４つ見え、隣接するユニット間のプリズム配列方向交差
角θが９０度のものである。尚、本発明のプリズムシー
トには単一の大きさや形状のユニットのみならず、種々
の大きさや形状のユニットが存在していてもよい。

【０００８】本発明のプリズムシートは、光を通過させ
るものであれば、硬い板状のものでも、柔軟なフィルム
状のものでもよいが、集光レンズとして液晶表示装置に
使用する場合は、軽量化が要求されるため、柔軟なフィ
ルム状のものが好ましい。その厚さは使用目的に応じ異
なるが、集光レンズとして液晶表示装置に使用する場合
は好ましくは１００〜５００μｍ、より好ましくは１２
０〜３００μｍ、さらに好ましくは１５０〜２５０μｍ
程度がよい。

【０００９】また、その材質は、透明なものがよく、例
えばプラスチック等があげられるが、特に制限はない。
プラスチックとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
紫外線等のエネルギー線硬化性樹脂等が使用でき、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹
脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹
脂、ポリスチレン、ポリウレタン、塩化ビニル、アクリ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリレート樹脂等が
あげられる。集光レンズとして液晶表示装置に使用する
場合は、光学的に均質で等方性である透明なプラスチッ
クが好ましく、またその屈折率は好ましくは１．５〜
１．６５、より好ましくは１．５５〜１．６程度のもの
がよい。このようなプラスチックとしては、例えばアク
リル樹脂、ポリカーボネート等のプラスチックレンズに
使用されるものがあげられるが、製造上の容易さを考慮
すると、紫外線等のエネルギー線硬化性のプラスチック
（樹脂）が好ましい。エネルギー線硬化性樹脂として
は、例えばポリエステル系アクリレート、ウレタン系ア
クリレート、エポキシ系アクリレート等のアクリレート
樹脂があげられる。

【００１０】本発明のプリズムシートは一体成型法、ツ
ーピース法のいずれでも製造可能である。一体成型法に
より得られるプリズムシートは一層のシートになってお
り、ツーピース法により得られるプリズムシートは二層
になっている。一体成型法は上記の樹脂製のフィルムを
金型に押し当てるか、または軟化もしくは溶融した上記
の樹脂を金型に入れて成型する方法で、例えば鋳造、溶
剤キャスティング法、押出成型しながらのロールエンボ
ス法、平板への熱プレス法、モノマーキャスティング
法、射出成型法等があげられる。ツーピース法はベース
フィルム上にプリズムを形成する方法で、具体的はに上
記の樹脂の溶液を金型に入れ、ついでその上を上記の樹
脂製のベースフィルムで覆い、樹脂溶液を硬化させて成
型する方法である。このツーピース法で使用する樹脂と
しては熱硬化性樹脂も使用できるが、硬化性の点から紫
外線等のエネルギー線硬化性樹脂が好ましい。このよう
な種々の製造法のうち、特に製造上の容易さを考慮する
と、上記のエネルギー線硬化性樹脂等を使用しベースフ
ィルム上にプリズムを形成するツーピース法が好まし
い。具体的には、例えばレーザー加工等により製作した
プリズムの金型に上記のエネルギー線硬化性樹脂を塗布
し、ついでその上にベースフィルムを重ね、紫外線等の
エネルギー線を照射し硬化させ、その後、金型から硬化
物を取り出せばよい。又、連続的にはロールエンボス法
等が採用されるが、製造方法は特に限定されない。

【００１１】本発明のプリズムシートを集光レンズとし
て使用する場合は、単独で使用してもよく、また、２枚
重ねて使用してもよい。２枚重ねて使用する場合、上下
の配列が同一方向にならないように使用するほうが好ま
しい。

【００１２】図２は、本発明のプリズムシートを集光レ
ンズとして使用した光源装置及び液晶表示装置の一実施
例の部分断面図である。本発明の光源装置は、バックラ
イト１の上に集光レンズ２が設置されたものである（所
望により、バックライト１と集光レンズ２の間に拡散板
を使用してもよい）。本発明の液晶表示装置は、この光
源装置の集光レンズ２の上に液晶表示素子３が設置され
たものである。液晶表示素子３は、例えば、スペーサー
により一定の間隔を隔てて設けられた２枚のガラス基板
の間に液晶が充填され、さらに、この２枚の上下ガラス
基板のそれぞれの外面には偏光板が設けられており、上
部ガラス基板の内側と下部のガラス基板の内面にはそれ
ぞれ内部電極が設けられている。内部電極は、微小な画
素電極が多数縦横に配列されて構成されている。液晶表
示素子３がカラー液晶表示素子である場合には、上部ガ
ラス基板の内側にはカラーフィルター層と、このカラー
フィルター層の外面に内部電極が設けられ、下部のガラ
ス基板の内面には内部電極が設けられている。また、カ
ラーフィルター層は、赤、緑、青の３色の色フィルター
を画素電極に対応して配列して、各々の画素を形成して
いる。

【００１３】バックライト１は、導光板４とその反対面
に反射シート５、その一端に蛍光灯等の線状光源６を配
置して構成されている。そして、導光板４の一側端面か
ら入射した線状光源６からの入射光が、導光板４を通し
て、一部は反射シート５に反射して出射面から出射して
集光レンズ２に入射する。バックライト１は図−２に示
した構造のものに限らず、通常使用されている種々のも
のが使用できる。

【００１４】以下、実施例と比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。 実施例１ 平行配列した複数の直線プリズム（プリズム部断面が頂
角９５度、底辺５０μｍの二等辺三角形である）を有す
る一辺が５ｍｍの正方形のユニットを、隣接するユニッ
ト間のプリズム配列方向交差角θが９０度となるように
多数接着配置して、本発明のプリズムシートを得た。こ
のプリズムシート（集光レンズ）１枚を、拡散シートを
使用せず、図２のバックライトの上に設置し、正面輝度
および上下方向（中心軸は線状光源６の縦軸と同一方
向）、水平方向（中心軸は線状光源６の縦軸と直行方
向）に傾斜させ視角方向による輝度ムラを測定した。結
果を図３に示した（水平方向の輝度は＋方向と−方向と
も同一なので＋方向のみを示した）。

【００１５】比較例１ プリズムの頂角が９５度で平行配列したプリズムレンズ
を１枚、線状光源（蛍光灯）と配列が直角になるように
図２のバックライトの上に設置し、実施例１と同様な測
定を実施し、結果を図４に示した。

【００１６】比較例２ 線状光源（蛍光灯）との配列が平行になるようにした以
外は、比較例１と同様に実施し、結果は図５に示した。

【００１７】実施例２ 実施例１で使用した本発明のプリズムシート（集光レン
ズ）２枚を上下の配列が同一方向にならないように重ね
て、図２のバックライトの上に設置し、実施例１と同様
な測定を実施し、結果を図６に示した。

【００１８】比較例３ 平行配列したプリズムレンズ２枚を直交するように重
ね、図２のバックライトの上に設置し、実施例１と同様
な測定を実施し、結果を図７に示した。

【００１９】図３（本発明のプリズムシート）と図４
（平行配列したプリズムレンズを線状光源と配列が直角
になるように設置したもの）の対比から明らかなよう
に、水平方向４０度、５０度における輝度比において本
発明のプリズムシートがすぐれ、また図３（本発明のプ
リズムシート）と図５（平行配列したプリズムレンズを
線状光源と配列が平行になるように設置したもの）の対
比から明らかなように、上下方向４０度、−４０度、５
０度、−５０度における輝度比において本発明のプリズ
ムシートがすぐれている。また、図６（本発明のプリズ
ムシートを２枚を上下の配列が交互になるように重ねた
もの）と図７（平行配列したプリズムレンズ２枚を直交
するように重ねたもの）の対比から明らかなように、水
平方向４０度、５０度、上下方向４０度、−４０度、５
０度、−５０度における輝度比において本発明のプリズ
ムシートがすぐれている。この結果から、本発明のプリ
ズムシートは水平方向、上下方向の高角度の部分におい
て、平行配列したプリズムレンズよりも輝度比が高く、
視角方向による輝度ムラが少ないという特徴がある。

【００２０】

【発明の効果】本発明のプリズムシートは、例えば平行
配列したプリズムを一定単位長さ毎にプリズム配列方向
交差角θを任意の角度で配置し、繰り返したもので、こ
のプリズムシートを集光レンズとして使用した光源装置
は、従来のように拡散シートを使用することなく、視角
方向の変化による輝度ムラを減少させることができ、こ
の光源装置を液晶表示装置に使用することにより、ユニ
ットの薄型化、及びコストの低減をはかることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の集光レンズの構造図の一例。

【図２】本発明の集光レンズを使用した液晶表示装置の
一例の断面図。

【図３】実施例１の上下方向、水平方向の輝度分布図。

【図４】比較例１の上下方向、水平方向の輝度分布図。

【図５】比較例２の上下方向、水平方向の輝度分布図。

【図６】実施例２の上下方向、水平方向の輝度分布図。

【図７】比較例３の上下方向、水平方向の輝度分布図。

【符号の説明】

図１ θ：プリズム配列方向交差角 １：ユニット ２：プリズム部 ３：支持体部 図２ １：バックライト ２：集光レンズ ３：液晶表示素子 ４：導光板 ５：反射シート ６：蛍光灯

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】平行配列した複数のプリズムを有するユニ
   ットが複数存在し、隣接するユニット間のプリズム配列
   方向交差角θが３０〜９０度であることを特徴とするプ
   リズムシート。
2. 【請求項２】プリズムの断面が三角形であり、その頂角
   が７０〜１２０度である請求項１のプリズムシート。
3. 【請求項３】三角形が二等辺三角形である請求項２のプ
   リズムシート、
4. 【請求項４】三角形の底辺の長さが２０〜１５０μｍで
   ある請求項２または３のプリズムシート。
5. 【請求項５】ユニットの形状が多角形であり、その大き
   さは一辺が０．１〜２０ｍｍである請求項１ないし請求
   項４のいずれかの請求項のプリズムシート。
6. 【請求項６】請求項１ないし請求項５のプリズムシート
   からなる集光レンズ。
7. 【請求項７】請求項１ないし請求項５のプリズムシート
   を上下の配列が同一方向にならないように２枚重ねたこ
   とを特徴とする集光レンズ。
8. 【請求項８】請求項１ないし請求項５のプリズムシート
   を組み込んだ光源装置。
9. 【請求項９】請求項１ないし請求項５のプリズムシート
   を組み込んだ液晶表示装置。