JPH08284942A - ネジ固定システム - Google Patents

ネジ固定システム

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Publication number
JPH08284942A
JPH08284942A JP7093280A JP9328095A JPH08284942A JP H08284942 A JPH08284942 A JP H08284942A JP 7093280 A JP7093280 A JP 7093280A JP 9328095 A JP9328095 A JP 9328095A JP H08284942 A JPH08284942 A JP H08284942A
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JP
Japan
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thread
screw
tap
male
end side
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Pending
Application number
JP7093280A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Matsumoto
淳 松本
Takaaki Osawa
孝明 大澤
Masakatsu Isozaki
匡克 磯崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Filing date
Publication date
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Priority to JP7093280A priority Critical patent/JPH08284942A/ja
Publication of JPH08284942A publication Critical patent/JPH08284942A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/56Surgical instruments or methods for treatment of bones or joints; Devices specially adapted therefor
    • A61B17/58Surgical instruments or methods for treatment of bones or joints; Devices specially adapted therefor for osteosynthesis, e.g. bone plates, screws, setting implements or the like
    • A61B17/68Internal fixation devices, including fasteners and spinal fixators, even if a part thereof projects from the skin
    • A61B17/84Fasteners therefor or fasteners being internal fixation devices
    • A61B17/86Pins or screws or threaded wires; nuts therefor
    • A61B17/8625Shanks, i.e. parts contacting bone tissue

Abstract

(57)【要約】 【構成】均一なピッチを有する雌ネジ2と、不均一なピ
ッチを有する雄ネジ1とからなり、雌ネジの山の一つ
が、雄ネジの一つの谷の間で軸方向に移動できるスペー
ス5を持つように設定されている。 【効果】二つ以上の物体を強固に固定でき、かつゆるむ
心配がない。特に、骨折部分や骨切り術、人工関節や人
工臼蓋の内固定の際使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも二つの物体
をネジを用いて固定する固定用具、特に整形外科や口腔
外科において、骨折した骨同士の内固定や、骨切り術で
の骨片の内固定に利用される固定用具に関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】従来、整形外科や口腔外科にお
いて、骨折治療や、変形関節の骨切り術の際の骨片固
定、さらには人工臼蓋や人工関節等の用具を固定する際
には、骨ネジやプレート、ワイヤー、髄内釘等の内固定
用具が一般的に用いられてきた。骨折の治療法はギプス
固定でよく知られている外固定と、骨折部を外科的に開
放する内固定に分けられるが、内固定の利点は、固定用
具によって骨折面が固定され、術後早期に運動が可能と
なる点にある。このような内固定用具の形状や使用方法
はマニュアルオブインターナルフィクセイション(エ
ム.イー.ミューラーら著、1991 第3版 シュプリ
ンガー・フェアラーク発行)や、小骨折の内固定(ユ
ー.ハイム、ケー.エム.プファイファー共著、198
9、シュプリンガー・フェアラーク東京(株)発行)や
ASTM(F564-85、F543-82、F336-
82、F453-76など)に詳しく記載されている。
一般的に金属性のこれら内固定用具は、骨折が治癒した
のちは、できうるかぎり体外に除去されねばならない。
これは金属性の内固定用具が骨組織より硬いことから、
骨に伝わる応力が内固定用具に吸収され、内固定用具周
辺の骨組織が脆弱化するという問題があるためである。
さらに場合によっては、金属アレルギーによる炎症形成
や、長期的に骨から離脱し周囲の軟組織を障害したりす
る可能性がある。内固定用具を体外に取り出す手術手技
は抜釘術とよばれるが、組織が複雑化した手術部位を再
度開けるため、手術部位によっては神経束や血管系を障
害する恐れがある。従って、抜釘術を行うか行わないか
の判断は、内固定用具による治癒障害や患者の違和感の
状況と抜釘術の困難さのかねあいにより、状況によって
判断されるのが常である。
【0003】内固定用具のうち、骨ネジは、通常、ステ
ンレス合金やチタン合金等の金属製であり、一般に用い
られるネジと同様、回転力を伝え、かつ固定力を発揮す
るためのネジ頭と、均一なピッチのネジ山とから構成さ
れる。このネジで二つの骨片を圧迫固定する場合、骨ネ
ジの貫通する側の骨片は、ネジが螺合せず、ネジ頭によ
ってネジの螺入する側の骨片に圧迫されることにより、
固定される。従ってわずかな抜き方向の回転によって圧
迫力は急激に低下するため、回転抵抗が高くなければ、
ゆるみ易いという構造となっている。また、骨片を押さ
えるためのネジ頭が大きくなるため、ネジ頭とほぼ同様
の大きさの陥没部分を骨片に新たに作製しなければ、骨
外部のネジ頭の突出は避けられない。さらに骨片間の圧
迫力は、ネジ頭と骨片の接触部に集中するため、ネジ頭
は必然的にネジの螺入する部分と比較して大きな構造体
となる。従って、ネジ頭の突出は、固定部位周囲の組織
との間で物理的な障害を起こし易く、特に腱や他の骨と
の摺動が起こる関節付近では、このようなネジによる内
固定が困難な場合があった。
【0004】このようなネジ頭による障害を避ける目的
で、従来の様な骨外部に露出するネジ頭を持たず、先行
端付近と後行端付近にピッチの異なるネジ山部を設けた
内固定用ネジが発明されている(特公昭61-10
2)。このネジでは、先行端付近のネジのピッチが後行
端付近のネジのピッチと比較して長いため、ネジを回転
させ進行させるにともない、先行端部分のネジ山が螺入
している骨片と後行端部分のネジ山が螺入している骨片
との間に圧縮力を生じることができる。したがって、関
節面からもネジを挿入できかつ強固に圧迫固定できる。
しかしながら、治癒後抜釘のためこのネジを後退させる
方向に回転させた場合には、逆に骨を離断させる方向に
力が働くため、再骨折の可能性が高いという問題があっ
た。また、このネジでは、先行端のネジピッチと後行端
のネジピッチが異なるため、タップでネジ山を骨片に切
った後骨ネジを挿入することが困難である。そのため少
なくとも後行端のネジ部分は、一般にセルフタッピング
と呼ばれるネジ山を骨に切りながら進む構造にせざるを
得ないため、柔らかい吸収性プラスチックの材料で作製
し、抜釘を不要にすることが難しいことは明かである。
さらに、タップで作製した連続した均一なネジ山の雌ネ
ジに沿って螺入したとしても、ピッチの異なるネジ部分
の間にネジ部のない軸部を有するため、後行端のネジ山
に沿った螺入は困難であることは明かである。また、捩
ることによって二つ以上の骨片を圧着する考え方は、通
常のネジと同じであるため、該ネジを後退方向に回転さ
せれば、当然ゆるむことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ゆる
みにくいネジ固定システム、及び前記ネジ固定システム
に用いる雄ネジ並びに前記雄ネジを挿入するための雌ネ
ジを切る為のタップを提供することにある。特に、骨片
同士を固定する場合、固定部周囲の組織を障害するよう
なネジ頭等の骨外部に突出する部分がなく、ゆるみにく
く、かつ圧迫固定のできるネジ固定システム、及び前記
ネジ固定システムに用いる雄ネジ並びに前記雄ネジを挿
入するための雌ネジを切るためのタップを提供すること
にある。また本発明は、抜釘術が不要なネジ固定システ
ム、及び前記ネジ固定システムに用いる雄ネジならびに
前記雄ネジを挿入するための雌ネジを切るためのタップ
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
の本発明は以下の通りである。 (1) 連続したネジ山の少なくとも一部に不均一なピ
ッチを有するネジ山を持つ雄ネジと、該ネジを挿入する
軸方向に均一なピッチのネジ山を持つ雌ネジを切るため
のタップとからなり少なくとも二つの物体を固定するネ
ジ固定システムにおいて、該タップの一つの谷の断面形
状が、該雄ネジの一部分における一つの谷の断面形状の
中で軸方向に移動できる空間を持つ形状であり、該雄ネ
ジの一つの山の後行端側のタップにより切られた雌ネジ
と接触しうる側面部分と、前記雄ネジの山より山数aだ
けネジ後行端に位置する一つの山の先行端側の前記雌ネ
ジと接触しうる側面部分との距離をbとし、さらに、前
記雄ネジと接触しうる側面部分に対応する前記タップの
山の側面部分について、山数a離れた二つのタップの山
において、タップ先行端側のタップの山の後行端側の側
面部分と、タップ後行端側のタップの山の先行端側の側
面部分の間の距離をcとした時、少なくともbよりcが
小さい値である部分が雄ネジ及びタップに形成されてい
ることを特徴とするネジ固定システムである。
【0007】(2) 均一なピッチのネジ山を持つ雌ネ
ジを有する物体に挿入するための、連続したネジ山の少
なくとも一部に不均一なピッチを有するネジ山を持つ雄
ネジにおいて、前記雌ネジの一つの山の断面形状が、前
記雄ネジの一部分における一つの谷の断面形状の中で軸
方向に移動できる空間を持つ形状であり、該雄ネジの一
つの山の後行端側の前記雌ネジと接触しうる側面部分
と、前記雄ネジの山より山数aだけネジ後行端に位置す
る一つの山の先行端側の前記雌ネジと接触しうる側面部
分との距離をbとした時、山数a−1離れた二つの雌ネ
ジのネジ山において、先行端側の雌ネジの山の先行端側
の側面部分と、後行端側の雌ネジのネジ山の後行端側の
側面部分の間の距離をcとした時、少なくともbよりc
が小さい値である部分が雄ネジに形成されていることを
特徴とする雄ネジである。
【0008】(3) 生体吸収性材料からなる上記
(2)に記載の雄ネジである。
【0009】(4) 先行端あるいは/及び後行端近傍
に、前記タップのピッチより長いピッチの部分を有する
ことを特徴とする上記(2)及び(3)に記載の雄ネジ
である。
【0010】(5) 少なくとも二つの物体を固定する
ために均一なピッチを有するネジ山を持つ雌ネジを切る
ためのタップにおいて、該タップの一つの谷の断面形状
が、該雄ネジの少なくとも一部の谷において、該雄ネジ
の一つの谷の断面形状の中で軸方向に移動できる空間を
持つ形状であり、該雄ネジにおける一つの山の後行端側
の前記雌ネジと接触しうる側面部分と、前記雄ネジの山
より山数aだけネジ後行端に位置する一つの山の先行端
側の前記雌ネジと接触しうる側面部分との距離をbと
し、さらに、前記雄ネジと接触しうる側面部分に対応す
る前記タップの山の側面部分について、山数a離れた二
つのタップの山において、タップ先行端側のタップの山
の後行端側の側面部分と、タップ後行端側のタップの山
の先行端側の側面部分の間の距離をcとした時、少なく
ともbよりcが小さい値となる部分を有することを特徴
とするタップである。
【0011】本発明において「不均一なピッチ」とは、
一本の雄ネジ軸上のネジ山同士の間隔(ピッチ)がxで
連続する範囲Xと、yで連続する範囲Yと、zで連続す
る範囲Zが連続して設けられているものや、ピッチx、
y、zが不規則に設けられているものを示す。本発明に
おいては、範囲X、範囲Y、範囲Zが連続して設けられ
ているものが好ましい。
【0012】本発明を図を用いて説明する。図1は、ピ
ッチ長さdのタップで作製した雌ネジ2と、dよりも短
いピッチ長さのネジ部分Bを中央に有し、その両端部に
dと同じピッチ長さのネジ部A及びCを有する連続した
雄ネジ1の関係を示した模式図である。本発明におい
て、雌ネジ2のネジ山と雄ネジ1のネジ谷の関係は以
下、図2に示すように設定されている。
【0013】まず、雄ネジ1と雌ネジ2を勘合した場合
の状態で、雌ネジ2の一つの山3が、雄ネジ1の一つの
谷4の中で、軸方向に移動できる空間5を持つ形状であ
る。次に、雄ネジ1のA部にある一つの山6の後行端側
の雌ネジ2と接触しうる側面部分7と、山6より山数a
個だけネジ後行端に位置する一つの山8の先行端側の側
面部分9の間の距離Dは、雄ネジ1を雌ネジ2に螺入し
た場合に雄ネジのネジ山6及びネジ山8が接触しうる山
数a−1個離れた雌ネジ2の二つのネジ山10及びネジ
山12において、先行端側の雌ネジの山10の先行端側
の側面部分11と、後行端側の雌ネジのネジ山12の後
行端側の側面部分13の間の距離Eよりも短い。ここ
で、図1中の矢印←は先行端側を示し、矢印→は後行端
側を示す。また、先行端側とは、ネジ軸に沿って骨内に
最初に導入される側の一端であり、後行端側とは、先行
端側と反対側の端で場合よってネジ頭やドライバーなど
の嵌合口が設けられる。
【0014】上記設定により、雄ネジ1を雌ネジ2に螺
入した場合、少なくとも雄ネジのネジ山6とネジ山8の
距離は引き延ばされねばならず、その反力は雌ネジのネ
ジ山10とネジ山12の間を軸方向に圧迫する力とな
り、結果として、雌ネジ2のまたがる物体14と物体1
5は圧着されることになる。さらにその圧着力は、雄ネ
ジ1を螺入させる時、雄ネジ1に加えるトルクではな
く、螺入された雄ネジ1の山形状とピッチ、雌ネジ2の
山形状とピッチで決まるため、雄ネジ1を雌ネジ2の中
に充分螺入した場合には、雄ネジ1のわずかな回転によ
ってゆるむということはない。
【0015】このような物体14と物体15にまたがる
雌ネジ2の設定は、雌ネジ2を切るためのタップのピッ
チを、雌ネジ2と同じとし、タップの谷形状を、雌ネジ
の山形状と合わせることで可能である。本発明で重要な
点は、雄ネジを雌ネジに螺入した場合、雄ネジの谷の中
で雌ネジの山の軸方向に実質的に隙間があることであ
る。これにより、雌ネジのピッチが雄ネジのピッチと異
なっていても、雄ネジの螺入を可能としかつ、雌ネジを
切った二つの物体の圧着が可能となる。また、上述した
通り本発明は、雄ネジと雌ネジのネジ山同士で物体同士
を圧着させるので、通常用いられるネジに設けられてい
るネジ頭は特に設ける必要はない。
【0016】さらに、本発明によれば、距離Dが距離E
よりも短くなる部分が、連続した雄ネジの一部に存在
し、その部分が、圧着しようとする物体14と物体15
にまたがっていればよいことは明らかであり、それ故、
雄ネジ1の部分Aと部分Cのピッチは、雌ネジのピッチ
と同じである必要がなく、雌ネジ2と雄ネジ1の強度及
び螺入のしやすさを考え、適当に設定できる。すなわ
ち、雄ネジ1の先行端のピッチを、雌ネジ2よりも若干
大きく作製し、先行端の雄ネジのネジ山6の側面部分7
が雌ネジのネジ山10の側面部分11と接しないように
すれば、圧着しようとする物体14と物体15にまたが
る雌ネジ2の位相がわずかにずれたとしても、雄ネジ1
をスムースに雌ネジ2に挿入することができる。
【0017】また、本発明の雄ネジの山及びタップによ
って作製される雌ネジの谷の断面形状、さらに雄ネジの
谷及びタップによって作製される雌ネジの山の断面形状
は、図1では単純なネジ軸に垂直な面で嵌合するネジの
形で表したが、実質的にはどのような形状であってもよ
く、例えば台形であっても三角形であっても、多角形で
も良く、雌ネジの山と雄ネジの谷がかみ合った状態で、
雌ネジの一つの山の断面形状が、雄ネジの一つの谷の断
面形状の中で軸方向に移動できるスペースを持つような
形状であればよい。
【0018】また、本発明において、雄ネジ及びタップ
の端部に回転力を与えることのできる工具接合部分が設
けられていることが好ましい。この回転力を与えること
のできる工具接合部分は、必要な回転力を与えることの
できる構造で有れば、形状はどのような形状でもよく、
例えば、従来一般的にネジあるいはタップの端部に形成
されている6角形や4角形の凸部や凹部、さらには、マ
イナスあるいはプラスドライバーの嵌合部が挙げられ
る。また、整形外科や口腔外科で用いられる骨ネジで
は、ネジの軸方向に垂直な断面が6角形の凹部である工
具接合部が骨ネジの端部に成形されているものが多い
が、これが6角形以外であっても、一般的なプラスドラ
イバーに嵌合するタイプのものであっても良い。
【0019】また、本発明において物体に雌ネジを成形
する場合、一般的に雌ネジの最小径部位と同径のドリル
等で所望の穴を開け、その穴にタップを回転させながら
挿入し、雌ネジの山を作製する。タップの山形状は、そ
のタップによって部品に形成されるネジ谷部の少なくと
も一部を成し、タップの谷形状は、そのタップによって
部品に形成されるネジ山部とほぼ同形状となる。
【0020】本発明は、特に整形外科や口腔外科に用い
る場合、雄ネジは生体内で分解吸収性の樹脂で作製した
ものが好ましい。分解吸収性の樹脂としては、例えば、
ポリ乳酸やポリジオキサノン、ポリヒドロキシ酪酸のよ
うな分解吸収性ポリエステルやキチン、キトサン等の多
糖類、さらにはそれら樹脂にヒドロキシアパタイトのよ
うな骨置換の可能な燐酸塩類等を含有させたものが利用
できる。前記の樹脂のどれを利用するかは、応力を必要
とする期間によって選択する。例えば、ポリ乳酸やポリ
ヒドロキシ酪酸は、移植前の各ポリマーの形状や分子量
などにもよるが、体内での応力保持は6カ月から1年の
間可能である。また、ポリジオキサノンは1から3カ
月、ポリグリコール酸やポリグリコール酸ポリ乳酸共重
合体は1週間前後である。この期間は、通常金属ネジを
使用した際の抜釘術を行う時期から適当に設定すべきで
ある。
【0021】さらに、本発明のネジ固定システムは、雄
ネジのネジ山によって二つ以上の物体を圧着させるた
め、雄ネジの後行端が骨外面に露出している場合でも、
基本的にネジの進行端と、骨外面付近の骨片内近傍で圧
迫力を発揮することができる。すなわち、手術手技上雄
ネジの後行端が余った場合や、雄ネジを回転させるため
のドライバーやレンチを接続するためのネジ頭等、骨か
ら露出している部分は、圧迫固定を生じせしめたまま
に、不要部分としてニッパ等切断工具で離断できる。従
って、固定部周囲のネジ頭による物理的障害を回避で
き、軟骨面等の関節摺動部からの固定アプローチも可能
である。
【0022】また、本発明の雄ネジは、分解吸収性樹脂
で作製することにより外部に突出せず圧迫固定が可能で
あり、かつ、抜釘を不要とすることができる。また、本
発明においてタップは、ステンレス、チタン、セラミッ
ク等の市販の工具鋼から作製することが好ましいが、何
ら限定されない。
【0023】さらに本発明のネジ固定システムは、雄ネ
ジ、雌ネジともに連続したネジ山を持つようにすること
ができるため、螺入が容易である。
【0024】
【実施例】本発明のネジ固定システムは、既存の成形法
で作製できる。また、タップ及びネジの大きさについて
も、固定すべき物体の大きさによって調整すべきもので
ある。したがって以下の実施例は、本発明のネジ固定シ
ステムの一部を成すものであり、数値や形状、材質は何
ら規制されない。
【0025】(実施例1)真鍮製の丸棒より、図3の外
観図に示す山径4mm、谷径2.5mmの雄ネジ30を作製
した。作製には、NC旋盤を用い、主軸の回転数とバイ
トの送り速度の比をかえることでG部のピッチを小さく
した。ピッチは、F部(長さ10mm)とH部(長さ10
mm)は1.96mmであり、G部(長さ15mm)は1.9mm
である。タップは、ステンレスよりピッチが2mm、雌ネ
ジの山が雄ネジの谷の中で軸方向に移動できる空間5
(図2)が0.6mmのものを作製した。
【0026】得られた雄ネジとタップを用いて、以下の
方法により固定試験を行った。まず、厚み17mmのアク
リル板二枚の間(ネジ固定部分は除く)に紙片をはさ
み、圧着した。次に直径3mmの孔を二枚のアクリル板を
貫通するように開け、前記タップで雌ネジを切った。タ
ップを挿入した状態では、薄い紙片は容易に二枚のアク
リル板の間から引き抜くことができた。最後に真鍮製の
雄ネジを螺入した後は、二枚のアクリル板は圧着し、紙
片を引き抜くことができなくなった。つまり、強固に固
定できた。
【0027】(実施例2)ポリ乳酸及びアクリル製の丸
棒より、図4に側面、図5に正面から見た外観図に示す
雄ネジ40を作製した。本実施例では、雄ネジを金属よ
り柔らかいプラスチックで作製したため、雄ネジを螺入
する際、ねじり力で雄ネジが破壊することも予想される
ため、ドライバーの嵌合口41が先行端から後行端まで
突き抜けた構造とした。雄ネジ及びタップの谷の断面形
状及び、山径、谷径は実施例1と同様である。雄ネジの
ピッチは、I及びK部は、2mm(全長それぞれ10m
m)、J部は1.8mm(全長10mm)とした。
【0028】得られた雄ネジとタップを用いて、以下の
方法により固定試験を行った。まず羊大腿骨遠位近傍の
海綿骨を骨軸に並行に切断し、整骨鉗子で整骨後、3mm
のドリルで下穴を開け、実施例1と同じタップで雌ネジ
を切った。その後、ネジの先行端以上ネジに挿入できる
板状ドライバーを用い、ネジを雌ネジに螺入した。整骨
鉗子をはずした後も、骨片は充分固着できた。
【0029】(実施例3)ポリ乳酸及びアクリル製の丸
棒より、図6に側面、図7に正面から見た外観図に示す
雄ネジ50を作製した。本実施例では、螺入を容易にす
るために雄ネジ50の先行端及び後行端に雌ネジより若
干ピッチの長いL部とP部を設けた。雄ネジ及びタップ
の谷の断面形状は実施例1と同様である。それぞれの部
分のピッチは、L部とP部が2.2mm(それぞれ全長5m
m)、M部とO部が2mm(それぞれ全長10mm)、N部
が1.8mm(全長10mm)とした。
【0030】得られた雄ネジとタップを用いて、以下の
方法により固定試験を行った。まず羊大腿骨遠位近傍の
海綿骨を骨軸に並行に切断し、整骨鉗子で整骨後、3mm
のドリルで下穴を開け、実施例1と同じタップで雌ネジ
を切った。その後、板状ドライバーを嵌合口51に挿入
し、雄ネジを雌ネジに螺入した。雄ネジの螺入及び雌ネ
ジからの取り外しとも実施例2よりスムースに行うこと
ができ、螺入後整骨鉗子をはずした後も、骨片は充分固
着できた。
【0031】
【発明の効果】本発明のネジ固定システムは、二つ以上
の物体同士を強固に固定することができ、また、物体が
ネジの軸に対して回転しない限りゆるむことがない。従
って、骨折治療等で被固定体同士を長期間安定して強固
に固定することができる。また、雄ネジを生体分解吸収
性の樹脂で作製することにより、抜釘が不要となり骨折
治療等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における雄ネジと、タップによって切ら
れる雌ネジのネジ山との関係を示した模式図。
【図2】本発明における雄ネジの谷の断面形状と、タッ
プによって切られる雌ネジのネジ山の断面形状との関係
を示した模式図。
【図3】本発明に係わる雄ネジの一例の側面から見た外
観図。
【図4】本発明に係わる雄ネジの一例の側面から見た外
観図。
【図5】図4の雄ネジを正面から見た外観図。
【図6】本発明に係わる雄ネジの一例の側面から見た外
観図。
【図7】図5の雄ネジを正面から見た外観図。
【符号の説明】
1,30,40,50・・・雄ネジ 2・・・雌ネジ 3,10,12・・・雌ネジの山 4・・・雄ネジの谷 5・・・雌ネジの山と雄ネジの谷により形成される空間 6,8・・・雄ネジの山 7,9・・・雄ネジの側面部分 11,13・・・雌ネジの側面部分 14,15・・・物体 41,51・・・ドライバーの嵌合口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続したネジ山の少なくとも一部に不均一
    なピッチを有するネジ山を持つ雄ネジと、該ネジを挿入
    する軸方向に均一なピッチのネジ山を持つ雌ネジを切る
    ためのタップとからなり少なくとも二つの物体を固定す
    るネジ固定システムにおいて、 該タップの一つの谷の断面形状が、該雄ネジの少なくと
    も一つの谷の断面形状の中で軸方向に移動できる空間を
    持つ形状であり、 該雄ネジの一つの山の後行端側のタップにより切られた
    雌ネジと接触しうる側面部分と、前記雄ネジの山より山
    数aだけネジ後行端に位置する一つの山の先行端側の前
    記雌ネジと接触しうる側面部分との距離をbとし、さら
    に、前記雄ネジと接触しうる側面部分に対応する前記タ
    ップの山の側面部分について、山数a離れた二つのタッ
    プの山において、タップ先行端側のタップの山の後行端
    側の側面部分と、タップ後行端側のタップの山の先行端
    側の側面部分の間の距離をcとした時、少なくともbよ
    りcが小さい値である部分が雄ネジ及びタップに形成さ
    れていることを特徴とするネジ固定システム。
  2. 【請求項2】均一なピッチのネジ山を持つ雌ネジを有す
    る物体に挿入するための、連続したネジ山の少なくとも
    一部に不均一なピッチを有するネジ山を持つ雄ネジにお
    いて、 前記雌ネジの一つの山の断面形状が、前記雄ネジの少な
    くとも一つの谷の断面形状の中で軸方向に移動できる空
    間を持つ形状であり、 該雄ネジの一つの山の後行端側の前記雌ネジと接触しう
    る側面部分と、前記雄ネジの山より山数aだけネジ後行
    端に位置する一つの山の先行端側の前記雌ネジと接触し
    うる側面部分との距離をbとした時、山数a−1離れた
    二つの雌ネジのネジ山において、先行端側の雌ネジの山
    の先行端側の側面部分と、後行端側の雌ネジのネジ山の
    後行端側の側面部分の間の距離をcとした時、少なくと
    もbよりcが小さい値である部分が雄ネジに形成されて
    いることを特徴とする雄ネジ。
  3. 【請求項3】生体吸収性材料からなる請求項2に記載の
    雄ネジ。
  4. 【請求項4】先行端あるいは/及び後行端近傍に、前記
    タップのピッチより長いピッチの部分を有することを特
    徴とする請求項2及び3に記載の雄ネジ。
  5. 【請求項5】少なくとも二つの物体を固定するために均
    一なピッチを有するネジ山を持つ雌ネジを切るためのタ
    ップにおいて、 該タップの一つの谷の断面形状が、該雄ネジの少なくと
    も一つの谷の断面形状の中で軸方向に移動できる空間を
    持つ形状であり、 該雄ネジにおける一つの山の後行端側の前記雌ネジと接
    触しうる側面部分と、前記雄ネジの山より山数aだけネ
    ジ後行端に位置する一つの山の先行端側の前記雌ネジと
    接触しうる側面部分との距離をbとし、さらに、前記雄
    ネジと接触しうる側面部分に対応する前記タップの山の
    側面部分について、山数a離れた二つのタップの山にお
    いて、タップ先行端側のタップの山の後行端側の側面部
    分と、タップ後行端側のタップの山の先行端側の側面部
    分の間の距離をcとした時、少なくともbよりcが小さ
    い値となる部分を有することを特徴とするタップ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008212709A (ja) * 1998-12-23 2008-09-18 Nenad Sesic 長骨の骨接合のための骨幹方向髄内ネジ
US8092505B2 (en) 2008-01-28 2012-01-10 Acumed Llc Bone nail
US9161793B2 (en) 1993-01-21 2015-10-20 Acumed Llc Axial tension screw
CN113485248A (zh) * 2021-07-19 2021-10-08 宁波兆盈医疗器械有限公司 一种变螺距螺钉的运算加工方法

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