JPH08283157A - アミロイドβ蛋白産生・分泌阻害剤 - Google Patents

アミロイドβ蛋白産生・分泌阻害剤

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JPH08283157A
JPH08283157A JP2781496A JP2781496A JPH08283157A JP H08283157 A JPH08283157 A JP H08283157A JP 2781496 A JP2781496 A JP 2781496A JP 2781496 A JP2781496 A JP 2781496A JP H08283157 A JPH08283157 A JP H08283157A
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JP2781496A
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Mitsuru Kakihana
満 垣花
Takuo Kosaka
拓男 小阪
Akinobu Nagaoka
明伸 永岡
Giichi Goto
義一 後藤
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規アミロイドβ蛋白産生・分泌阻害剤の提
供。 【解決手段】 式(I): 【化1】 [式中、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を、R
はOR1、 【化2】 またはSR1(式中、R1、R2およびR3は、同一または
異なって、それぞれ、水素原子および置換されていても
よい炭化水素基から選ばれるか、またはR2およびR
3は、隣接する窒素原子と一緒になって、置換されてい
てもよい含窒素複素環を形成している。)を、Yは置換
されていてもよいアルキル基を示す。]で表される化合
物またはその薬理学的に許容しうる塩、および、所望に
より、薬理学的に許容しうる賦形剤、担体または希釈剤
を含有するアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害剤、特に、
アルツハイマー病の予防・治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、特に老年性
痴呆、アルツハイマー病、ダウン症等における神経退行
性疾患、アミロイドアンジオパシー、脳血管障害時のア
ミロイドβ蛋白による神経細胞障害などの治療に有効な
アミロイド蛋白産生・分泌阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アルツハイマー病は、神経細胞変性・脱
落と共に、老人斑の形成および神経原線維変化を特徴と
する神経変性疾患である。最も特徴的な老人斑は、βア
ミロイド前駆蛋白質(β amyloid precursor protein、
以下、βAPPと略すこともある)に由来するアミロイ
ドβ蛋白(以下、Aβと略すこともある)を主成分とし
て(Biochem. Biophys. Res. Commum.,122, 113
1(1984))、アポリポタンパクE(Brain Res.,
541,163(1991))やヘパラン硫酸プロテオ
グリカン(Am. J. Pathol.,133, 456(198
8))などの生体成分が沈着したものである。
【0003】アミノ酸40あるいは42個からなるAβ
は、神経細胞に対して毒性を示すこと(Science,25
0, 279(1990))、神経原線維変化を惹起する
こと(Proc. Natl. Acad. Sci.,90, 7789(19
93))、また、家族性アルツハイマー病患者において
はβAPP遺伝子に変異が認められ(Lancet,337,
978(1991); Nature,349, 704(199
1); Science,254, 97(1991); Nature,
353, 844(1991))、それらの変異遺伝子を
導入した細胞ではAβの産生・分泌量の増加が指摘され
ている(Nature,360, 672(1992); Scienc
e,259,514(1993); Science,264, 1
336(1994))。
【0004】さらに、脳病理学的にアルツハイマー病と
同様な変化の認められるダウン症患者(Proc. Natl. Ac
ad. Sci.,82, 4245(1985))においては、
βAPP遺伝子の存在する染色体21番が3個存在する
トリソミー(trisomy)であり、脳内でのβAPP遺伝
子およびβAPP蛋白の発現増加が報告されている(Sc
ience,235, 880(1987); N. Engl. J. Me
d.,320, 1446(1989))。これらの知見か
ら、アルツハイマー病発症へのAβ産生・分泌異常の関
与が極めて重要視されている。
【0005】βAPPはα−およびβ−セクレターゼ
(secretase)と名付けられた蛋白分解酵素によって二
経路に代謝されると考えられている(Science,248,
492(1990);Science,248, 1122(1
990);Science,255,726(1992); Scie
nce,255, 728(1992); Nature,357,5
00(1992))。α−セクレターゼによって代謝さ
れた場合にはAβの16番目で切断され、Aβは生成さ
れず、βAPPのN端側が分泌型βAPPとして細胞外
へ遊離し、神経栄養因子として働く(Neuron,10, 2
43−254(1993))。一方、β−セクレターゼ
で切断された場合には、Aβを含むβAPPのC端部分
が生成される。しかし、このC端部分あるいはAβが細
胞内のどの部位で生成されるのか、また、どのようにA
βが細胞外へ分泌されるのか、不明な点が多い。さら
に、α−およびβ−セクレターゼにしても、それらの候
補酵素は報告されているが(J. Biol. Chem.,268,
16699(1993); Biochemistry,33, 192
(1994))、まだ、決定されていない。
【0006】そこで、各種細胞を用いて、分泌型βAP
Pを増加させ、Aβ産生・分泌を抑制する方策が試み始
められている。例えば、ホルボールエステル(Proc. Na
tl.Acad. Sci.,89, 3055(1992))やM1
ムスカリニックリセプターアゴニスト、カルバコールに
よる分泌型βAPPへの誘導が報告されている(Scienc
e,258, 302(1992))。しかし、これらの
化合物は作用強度や安全性などの点から、まだ満足すべ
きものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな観点から、Aβ産生・分泌阻害剤を発掘すべく、鋭
意研究を行い、ビンポセチン(vinpocetine, CalanTM
およびその誘導体がAβ産生・分泌阻害作用を有するこ
とを見出した。ビンポセチンおよびその誘導体は、特公
昭51−32640号および特公平2−27352号に
開示される公知化合物であるが、脳血管拡張作用、全身
血管拡張作用および血圧低下作用を有する化合物として
開示されており、Aβ産生・分泌阻害作用については開
示も、示唆もない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(I):
【化5】 [式中、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を、R
はOR1
【化6】 またはSR1(式中、R1、R2およびR3は、同一または
異なって、それぞれ、水素原子および置換されていても
よい炭化水素基から選ばれるか、またはR2およびR
3は、隣接する窒素原子と一緒になって、置換されてい
てもよい含窒素複素環を形成している。)を、Yは置換
されていてもよいアルキル基を示す。]で表される化合
物またはその薬理学的に許容しうる塩、および、所望に
より、薬理学的に許容しうる賦形剤、担体または希釈剤
を含有するアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害剤、特に、
アルツハイマー病の予防・治療剤を提供するものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】上記式中、R1、R2またはR3
示される「置換されていてもよい炭化水素基」の「炭化
水素基」としては、例えば、それぞれ炭素数1ないし1
6の脂肪族炭化水素基、単環性飽和炭化水素基、芳香族
炭化水素基などが挙げられる。このうち、好ましくは、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアル
キル基、アリール基などが、より好ましくは、アルキル
基またはシクロアルキル基が挙げられる。該アルキル基
としては、好ましくは、低級アルキル基、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシ
ルなどのC1-6アルキル基が挙げられる。このうち、メ
チル、エチル、プロピルまたはイソプロピル、特にメチ
ルまたはエチルが好ましい。該アルケニル基としては、
好ましくは、低級アルケニル基、例えばビニル、1−プ
ロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブ
テニルなどのC2-6アルケニル基が挙げられる。このう
ち、ビニルが好ましい。該アルキニル基としては、好ま
しくは、低級アルキニル基、例えばエチニル、1−プロ
ピニルなどのC2-6アルキニル基が挙げられる。このう
ち、エチニルが好ましい。該シクロアルキル基として
は、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-6シクロアルキ
ル基が挙げられる。このうち、シクロプロピルが好まし
い。該アリール基としては、好ましくは、フェニル、キ
シリル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、
2−インデニル、2−アントリルなどのC6-14アリール
基が挙げられる。このうち、フェニルが好ましい。
【0010】上記R1、R2またはR3で示される「置換
されていてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」が有し
ていてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シア
ノ基、水酸基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アル
キル基(例、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチ
ル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、
2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペ
ンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオ
ロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフ
ルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5
-トリフルオリペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフ
ルオロヘキシル)、低級アルコキシ基(例、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イ
ソブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどのC
1-6アルコキシ基)、アミノ基、モノ低級アルキルアミ
ノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノなどのモノC
1-6アルキルアミノ基)、ジ低級アルキルアミノ基
(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどのジC1-6
アルキルアミノ基)、カルボキシル基、低級アルキルカ
ルボニル基(例、アセチル、プロピオニルなどのC1-6
アルキル−カルボニル基)、低級アルコキシカルボニル
基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プ
ロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルなどのC1-6
アルコキシ−カルボニル基)、カルバモイル基、モノ−
低級アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイ
ル、エチルカルバモイルなどのモノ−C1-6アルキルカ
ルバモイル基)、ジ−低級アルキルカルバモイル基
(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイルな
どのジ−C1-6アルキルカルバモイル基)、アリールカ
ルバモイル基(例、フェニルカルバモイル、ナフチルカ
ルバモイルなどのC6-10アリールカルバモイル基)、ア
リール基(例、フェニル、ナフチルなどのC6-10アリー
ル基)、アリールオキシ基(例、フェニルオキシ、ナフ
チルオキシなどのC6-10アリールオキシ基)、ハロゲン
化されていてもよい低級アルキルカルボニルアミノ基
(例、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルアミノな
どのハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カル
ボニルアミノ基)などが挙げられる。このうち、ハロゲ
ン原子(例、フッ素)が好ましい。該「置換されていて
もよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、1〜5個、好
ましくは1〜3個のこれらの置換基を有していてもよ
い。置換基が2個以上の場合、それらは同一であっても
異なっていてもよい。
【0011】R2およびR3が隣接する窒素原子と一緒に
なって形成する「含窒素複素環」としては、例えば、最
低1個の窒素原子を持ち、さらに炭素原子以外に酸素原
子、硫黄原子などを1ないし3個(好ましくは1ないし
2個)環構成原子として含有していてもよい4ないし8
員環あるいはそのベンツ縮合基が挙げられる。例えば、
1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−インドリル、1
−ピラゾリル、2−イソインドリル、1−インダゾリル
などの芳香族複素環基;モルホリノ、ピペリジノ、4位
窒素原子上に置換基を有していてもよい1−ピペラジニ
ル、1−ピロリジニル、1−ピラゾリジニル、1−アゼ
ピニルなどの環状アミノ基あるいはそのベンゾ縮合基
(例えば1−インドリニル、2−イソインドリニル、
1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、1,
2,3,4−テトラハイドロイソキノリン−2−イル、3
−ベンズアゼピン−3−イル)、フタルイミド、スクシ
ンイミド、2−ピロリドン−1−イル、2−ピリドン−
1−イル、2−キノロン−1−イルなどのラクタムある
いはイミド基などが挙げられる。
【0012】R2およびR3が隣接する窒素原子と一緒に
なって形成する「含窒素複素環」は、上記炭化水素基が
有していてもよい置換基と同様の置換基を有していても
よく、また、ベンゾ縮合基の場合にはそのベンゼン環上
の任意の位置にハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素など)、低級アルキレンジオキシ基(例え
ば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなどのC1-3
アルキレンジオキシ基)、ニトロ基、シアノ基、ハロゲ
ン化されていてもよい低級アルキル基(例、クロロメチ
ル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオ
ロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリ
フルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、
3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチ
ル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec-
ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオ
ペンチル、5,5,5-トリフルオリペンチル、ヘキシ
ル、6,6,6−トリフルオロヘキシルなどのハロゲン化
されていてもよいC1-6アルキル基)、ハロゲン化され
ていてもよい低級アルコキシ基(例、クロロメトキシ、
ジフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオ
ロメトキシ、エトキシ、2−ブロモエトキシ、2,2,2
−トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、プ
ロポキシ、3,3,3−トリフルオロプロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキ
シ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert−ブトキシ、ペ
ンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキ
シ、5,5,5-トリフルオリペンチルオキシ、ヘキシル
オキシ、6,6,6−トリフルオロヘキシルオキシなどの
ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基)、ハ
ロゲン化されていてもよい低級アルキルチオ基(例、ク
ロロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリクロロメ
チルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、2−
ブロモエチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチ
オ、ペンタフルオロエチルチオ、プロピルチオ、3,3,
3−トリフルオロプロピルチオ、イソプロピルチオ、ブ
チルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、イソブ
チルチオ、sec-ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチ
ルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、5,5,
5-トリフルオリペンチルチオ、ヘキシルチオ、6,6,
6−トリフルオロヘキシルチオなどのハロゲン化されて
いてもよいC1-6アルキルチオ基)、ヒドロキシル基、
アミノ基、モノ−低級アルキルアミノ基(例えば、メチ
ルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピ
ルアミノ、ブチルアミノなどのモノ−C1-6アルキルア
ミノ基)、ジ−低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチ
ルアミノなどのジC1-6アルキルアミノ基)、カルボキ
シル基、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、ブトキシカルボニルなどのC1-6アルコキシカル
ボニル基)、カルバモイル基から選ばれた1ないし複数
個の置換基を有していてもよい。
【0013】Yで示される「置換されていてもよいアル
キル基」の「アルキル基」としては、例えば、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、
テトラデシル、ペンタデシルなどのC1-15アルキル基な
どが挙げられる。このうち好ましい具体例としては、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの低級
(C1-6)アルキル基が挙げられる。該アルキル基は、
例えば上記「炭化水素基」が有していてもよい1ないし
3個の置換基を有していてもよい。
【0014】環Aで示される「置換されていてもよいベ
ンゼン環」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基
を有していてもよいベンゼン環を意味する。該置換基
は、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素)、置換されていてもよい炭化水素基、置換され
ていてもよい水酸基(好ましくは、メトキシ、エトキシ
プロポキシ、イソプロポキシなどの置換されていてもよ
い低級(C1-6)アルコキシ基)、置換されていてもよ
いアミノ基、アミド基(例、アセトアミドなどのC1-6
アシルアミノ基)、低級アルキレンジオキシ基(例、メ
チレンジオキシ、エチレンジオキシなどのC1-6アルキ
レンジオキシ基)などから選ばれる。
【0015】環Aで示されるベンゼン環の置換基として
の置換されていてもよい炭化水素基としては、上記
1、R2またはR3で示される「置換されていてもよい
炭化水素基」と同様のものが挙げられる。置換基の数が
2個以上の場合、それらは同一または異なっていてもよ
い。環Aで示されるベンゼン環の置換基としての置換さ
れていてもよい水酸基は、水酸基の水素原子が上記
1、R2またはR3で示される「置換されていてもよい
炭化水素基」で置換されていてもよい水酸基を意味す
る。置換されている水酸基の好ましい具体例としては、
低級アルキル基で置換されている水酸基が挙げられる。
該低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチルなどのC1-6アルキル基が挙げら
れる。該低級アルキル基が有していてもよい置換基とし
ては、例えば、上記R1、R2またはR3で示される「炭
化水素基」が有していてもよい置換基と同様のものが同
様の個数挙げられる。環Aで示されるベンゼン環の置換
基としての置換されていてもよいアミノ基は、置換基と
して例えば1ないし2個の上記R1、R2またはR3で示
される「置換されていてもよい炭化水素基」を有してい
てもよいアミノ基を意味する。該アミノ基が有していて
もよい置換基の好ましい具体例としては、置換されてい
てもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいC
6-10アリール基などが挙げられる。該C1-6アルキルま
たはC6-10アリール基の置換基としては、例えば、上記
1、R2またはR3で示される「炭化水素基」が有して
いてもよい置換基と同様のものが同様の個数が挙げられ
る。
【0016】環Aの好ましい具体例としては、非置換の
ベンゼン環のほか、置換基として、ハロゲン原子(例、
フッ素、塩素)、C1-6アルキル基(例、メチル、エチ
ル)、C6-10アリール基を有するC1-6アルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ)、水酸基およびモノ−C
1-6アルキルアミノ基から選ばれる1ないし3個の置換
基を有するベンゼン環、特に、例えば1個のC1-6アル
コキシ基(例、メトキシ)で置換されているベンゼン環
が挙げられる。なかでも、環Aとしては、非置換のベン
ゼン環、または1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ
素、塩素)で置換されているベンゼン環が好ましく、ベ
ンゼン環が特に好ましい。
【0017】Rは、好ましくは、OR1(ここでR1はア
ルキル基、好ましくはエチル)である。
【0018】Yは、好ましくは、低級(C1-6)アルキ
ル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、
より好ましくはエチルである。
【0019】式(I)で表される化合物の好ましい具体
例としては、式(II):
【0020】
【化7】
【0021】[式中、Xは水素原子またはハロゲン原子
を、R4はアルキル基を示す。]で表される化合物が挙げ
られる。式(II)におけるXで示されるハロゲンとし
ては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
4で示されるアルキルとしては、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t
−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの炭素数1〜6のも
のが挙げられるが、メチル、エチルが好ましい。特に、
Xが水素、R4がエチルであるビンポセチンが好まし
い。
【0022】式(I)の化合物の薬理学的に許容しうる
塩としては、例えば塩酸,臭化水素酸,硝酸,硫酸,リ
ン酸などの無機酸との塩、例えばギ酸,酢酸,トリフル
オロ酢酸,フマール酸,シュウ酸,酒石酸,マレイン
酸,クエン酸,コハク酸,リンゴ酸,メタンスルホン
酸,ベンゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸など
の有機酸との塩が挙げられる。式(I)の化合物および
その薬理学的に許容しうる塩は、例えば、上記の特公昭
51−32640号[対応ドイツ特許2,253,750
号、アメリカ合衆国特許4,035,370号]または上
記の特公平2−27352号[対応アメリカ合衆国特許
4,400,514号]に記載の方法など公知方法により
製造することができる。
【0023】かくして、本発明により、式(I)の化合
物またはその薬理学的に許容しうる塩を上記したような
Aβ産生・分泌阻害剤、特に、アルツハイマー病予防・
治療剤として用いるにあたっては、自体公知の方法に従
って、例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、注
射剤、坐剤など、種々の剤型で、哺乳動物(例、マウ
ス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、
ヒツジ、サル、ヒト)に経口的もしくは非経口的に投与
しうる。具体的には、錠剤の製造法は、医薬品をそのま
ま、賦形剤、結合剤、崩壊剤もしくはそのほかの適当な
添加剤を加えて均等に混和したものを、適当な方法で顆
粒とした後、滑沢剤などを加え、圧縮成型するかまた
は、医薬品をそのまま、または賦形剤、結合剤、崩壊剤
もしくはそのほかの適当な添加剤を加えて均等に混和し
たものを、直接圧縮成型して製するか、またはあらかじ
め製した顆粒にそのまま、もしくは適当な添加剤を加え
て均等に混合した後、圧縮成型しても製造することもで
きる。また、本剤は、必要に応じて着色剤、矯味剤など
を加えることができる。さらに、本剤は、適当なコーテ
ィング剤で剤皮を施すこともできる。注射剤の製造法
は、医薬品の一定量を、水性溶剤の場合は注射用水、生
理食塩水、リンゲル液など、非水性溶剤の場合は通常植
物油などに溶解、懸濁もしくは乳化して一定量とする
か、または医薬品の一定量をとり注射用の容器に密封し
て製することができる。経口用製剤担体としては、例え
ばデンプン、マンニット、結晶セルロース、カルボキシ
メチルセルロースナトリウムなどの製剤分野において常
用されている物質が用いられる。注射用担体としては、
例えば蒸留水、生理食塩水、グルコース溶液、輸液剤な
どが用いられる。その他、製剤一般に用いられる添加剤
を適宜添加することもできる。投与量は対象疾患の種
類、投与ルート、症状などにより差異はあるが、成人に
対して1日につき、0.1mg〜500mg、好ましくは1m
g〜100mg、より好ましくは1mg〜20mgである。な
お、ビンポセチンは既に医薬と使用されており、医薬と
して毒性に問題はなく、安全に投与される。
【0024】本発明のAβ産生・分泌阻害剤は人を含む
哺乳動物の脳機能障害の治療および予防に有用であり、
その対象疾患としては、例えば、老人性痴呆症、アルツ
ハイマー病、脳血管性痴呆症、アミロイドアンジオパシ
ー、ダウン症などがあげられる。
【0025】
【実施例】以下、実験例および実施例を挙げて、本発明
をさらに詳しく説明する。 実験例1 ヒト・ニューロブラストーマIMR−32細胞における
Aβ産生・分泌阻害作用 1)実験材料および方法 ヒト由来の神経細胞およびグリア細胞でのAβ産生・分
泌に関する研究は、アルツハイマー型痴呆症との関連で
極めて興味深い問題である。しかし、ヒトの初代培養神
経細胞およびグリア細胞は、実験材料としては通常の場
合、用いることができない。そこで、ヒト由来のニュー
ロブラストーマ細胞であり、かつ、培養上清中にAβを
産生・分泌するIMR−32細胞(神経化学 33, 2
32(1994))を用いた。一方、鈴木伸宏博士ら
(Science,264, 1336(1994))は、Aβ
のアミノ酸数40個(Aβ(1−40))およびアミノ
酸42個(Aβ(1−42))を区別して測定可能な酵
素免疫測定法を開発した。本方法を用いて被検化合物に
よるAβ産生・分泌阻害作用を測定した。
【0026】a)実験材料 ヒト・ニューロブラストーマIMR−32細胞は、アメ
リカン・タイプ・カルチャー・センター(ATCC)よ
り購入した。ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's
modified Eagle's medium: DMEM)は日水製薬、
牛胎児血清(Fetal calf serum:FCSと略すこともあ
る)およびペニシリン(5000U/ml)/ストレプト
マイシン(5mg/ml)混液はバイオホワイタッカー社、
リン酸/生理食塩水緩衝液(phosphate buffered salin
e:PBS)はフローラボラトリーズ社より、ブロック
エース(Block Ace)は大日本製薬より、牛血清アルブ
ミン(bovine serum albumin:BSA)はシグマ社より
購入した。培養用フラスコおよび48穴マルチウェルプ
レートは各々ファルコン社製およびコースター社製を用
いた。Aβ(1−40)およびAβ(1−42)の標準
品はバッケム社より購入した。他の試薬は市販の特級品
を用いた。
【0027】b)実験方法 IMR−32細胞の培養 IMR−32細胞は10%FCS/DMEM培養液を用
いて、10%二酸化炭素/90%空気中 、37℃で培
養した。フラスコ(Falcon,750ml)でコンフルエン
ト状態(満杯状態)になるまで培養後、2.5×105
細胞/ウェルとなるように、48穴マルチウェルプレー
トに播種し、5日間培養した。培養液を吸引除去後、薬
物を溶解したDMEM/0.5%BSA 0.5ml(A
β(1−40)測定用)あるいは0.25ml(Aβ(1
−42)測定用) を添加して、24時間さらに培養し
た。上清を採取してAβ測定用に−20℃以下で保存し
た。
【0028】Aβの酵素免疫測定法(EIA) Aβ(1−40)およびAβ(1−42)測定時の抗体
の組み合わせを図1に示した。一次抗体には、いずれの
場合もAβ(1−40)のN端部を認識するBAN−5
0抗体を用いた。BA−27はAβ(1−40)を抗原
に作製された抗体であるが、Aβ(1−40)のC末端
部を認識する。一方、BC−05 抗体はAβ(35−
43)を抗原に作製された抗体であり、Aβ(1−4
2)のC末端部を認識するが、Aβ(1−40)は認識
しない。したがって、BAN−50抗体とBA−27抗
体の組み合わせでAβ(1−40)を、また、BAN−
50抗体とBC−05抗体の組み合わせでAβ(1−4
2)を測定することが出来る。
【0029】0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)に15μ
g/mlの濃度で溶解したBAN−50抗体をポリエチレ
ンマイクロタイタープレートに100μlずつ添加し、
4℃で一晩放置した。PBSで3回洗浄後、ブロック液
(25%ブロックエース/0.1%アジ化ナトリウム/
PBS)200μl を添加した。この状態で使用時ま
で、4℃で保存した。PBSにて3回洗浄後、一次反応
用緩衝液(20mM リン酸緩衝液、pH7.0;400m
M NaCl;2mM EDTA;10%ブロックエース;
0.2%BSA;0.05%アジ化ナトリウム)50μ
l を添加した。さらに、培養上清あるいは一次反応用緩
衝液に希釈した標準品(1000、200、40および
8pg/ml)100μlを添加し、4℃ で一晩放置した。
吸引除去後、PBSにて3回洗浄し、二次反応用緩衝液
(20mM リン酸緩衝液、pH7.0;400mM NaC
l;2mM EDTA;1%BSA)に溶解した西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase:HR
P)標識二次抗体(BA−27あるいはBC−05抗
体)100μlを添加した。6時間室温にて反応させた
後、7回洗浄し、着色反応液(TMB Peroxidase Subs
trate, Kirkegaard & Perry Lab.)100μl を加え
た。室温で、8〜10分反応後、1Mリン酸溶液100
μlで反応を止め、プレ−トリ−ダ−(コロナ社、MT
P−32マイクロプレートリーダー)にて比色定量(測
定波長、450nm)した。
【0030】細胞毒性の評価 MTT法 培養上清を採取後、1.2mM MTT{3−(4,5−
ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2
H−テトラゾリウムブロマイド}を含むDMEM培養液
500μlを添加した。1時間、37 ℃で反応させた
後、同量の10%ドデシル硫酸ナトリウム 溶液を添加
した。1晩穏やかに撹拌し、生成したホルマザンを溶解
させた後、プレ−トリ−ダ−にて比色定量(測定波長、
550nm)した。 乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase;LDH)
法 Aβ(1−40)測定後の培養上清10μlをとり、細
胞から流出したLDH量をLDHアッセイキット(和光
純薬製、LDH C−II)を用いて測定した。 統計処理 薬物1用量につき、4ウェルを用い、デ−タは対照群に
対する割合(%)で表した。統計処理にはダンネットt
テスト(Dunnett's t test)を用いた。
【0031】2)結果 a)Aβ(1−40)およびAβ(1−42)の標準曲
線 Aβ(1−40)およびAβ(1−42)に対するEI
A系の標準曲線を図2に示す。測定は8pg/mlから10
00pg/mlの範囲で行った。この範囲内で吸光度はAβ
(1−40)およびAβ(1−42)の濃度に比例して
増加した。本法の検出限界は約10pg/mlであった。
【0032】b)IMR−32細胞からのAβ(1−4
0)およびAβ(1−42)産生・分泌に及ぼす式
(I)の化合物の効果 MR−32細胞は、恒常的にAβを産生・分泌してお
り、その培養上清中のAβ量を測定すると、今回用いた
培養条件下では500pg/ml 以上のAβ(1−40)
を、また、その1/10以下のAβ(1−42)の産生
・分泌が確認された。したがって、化合物添加後の上清
中のAβ量を測定することにより、産生・分泌に対する
作用を調べることが出来た。ビンポセチンのAβ産生・
分泌阻害作用を図3に示す。ビンポセチン 3×1
-6、1×10-5、3×10-5および1×10-4Mで各
々対照群の10、30、45および45%抑制した。A
β(1−42)産生・分泌は、3×10-6および1×1
-5Mで対照群に比べ減少する傾向は見られたが、有意
な変化ではなかった。このことは、一部はAβ(1−4
2)産生・分泌量が低いこと、またウェル間のバラツキ
が大きかったことに帰因していると思われた。この時、
細胞毒性の指標としてMTTからのホルマザン生成量お
よび培養上清中のLDH活性測定してみると、使用した
最高濃度の1×10-4Mで、軽度の細胞毒性が認められ
たのみであった。
【0033】実験例2 モルモット初代培養神経細胞におけるAβ産生・分泌阻
害作用 1)実験材料および方法 神経細胞の培養 妊娠28日目のモルモット(SLC-Hartley)より胎仔脳
を採取した。実体顕微鏡下に大脳皮質および海馬を取り
出した。髄膜を取り除いた後、0.25%トリプシン/
0.01%DNase Iを含むハンクス平衡塩類溶液(Han
k's Balanced Salt Solution)20ml中で10分間処理
した。FCSを添加して反応を止め、遠心した。インス
リン5μg/ml、トランスフェリン100μg/ml、プロ
ジェステロン20nM、プトレッシン100μM、 亜セ
レン酸ナトリウム30nMを含むDMEM培養液(DM
EM/N2培養液)中で細胞を分散させた。二重のレン
ズペーパーで濾過後遠心して細胞を集めた。DMEM/
N2培養液に分散後24ウェルプレートに1×106
胞/ウェルとなるように播いた。培養2日目、サイトシ
ンアラビノシド(cytosine arabinoside)1μMを含有
するDMEM/N2培養液に交換した。3日間処理後、
DMEM/N2培養液に交換し、以後、2〜3日おきに
交換した。培養12日目にビンポセチンを含有するDM
EM/N2培養液を添加し、24時間後の培養上清を採
取してAβ量測定用に−20℃以下で保存した。
【0034】Aβの酵素免疫測定法(EIA) 培養上清中のAβ(1−40)およびAβ(1−42)
の測定は実験例1の測定法に従った。 細胞毒性の評価 培養上清を採取後、1.2mM MTTを含有するDM
EM培養液300μlを添加した。1時間37℃反応さ
せた後、同量の10%ドデシル硫酸ナトリウム溶液を添
加した。以後、実験例1の方法に従った。 2)結果 図4にビンポセチンの神経細胞におけるAβ(1−4
0)産生・分泌阻害作用の結果を示す。ビンポセチンは
3×10-5Mの濃度でAβ(1−40)産生・分泌量を
細胞毒性なしに抑制した。なお、Aβ(1−42)の産
生・分泌量は少なく、化合物の作用の検討はできなかっ
た。
【0035】実施例1 (1)ビンポセチン 5.0g (2)乳糖 82.5g (3)ヒドロキシプロピルセルロース 2.8g (4)ステアリン酸マグネシウム 0.4g (5)ヒドロキシプロピル メチルセルロース2910 2.994g (6)トウモロコシデンプン 19.3g (7)マクロゴール6000 0.6g (8)酸化チタン 0.4g (9)二三酸化鉄 0.006g (1)〜(6)の成分を混合して剤型形成機で1錠当り
ビンポセチン5mgを含有する直径6.5mmの素剤を10
00錠作製した。これを、(7)〜(9)の成分で被覆
し、直径6.6mmのフィルムコーティング錠とした。
【0036】実施例2 (1)ビンポセチン 5g (2)乳糖・結晶セルロース(粒) 330g (3)Dーマンニトール 29g (4)低置換度ヒドロキシ プロピルセルロース 20g (5)タルク 25g (6)ヒドロキシプロピルセルロース 50g (7)アスパルテーム 3g (8)グリチルリチン酸二カリウム 3g (9)ヒドロキシプロピル メチルセルロース2910 30g (10)酸化チタン 3.5g (11)黄色三二酸化鉄 0.5g (12)軽質無水ケイ酸 1g (1)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)およ
び(8)の成分を自体公知の方法に従い精製水に懸濁あ
るいは溶解し、(2)の核粒にコーティングし素細粒を
作製した。この素細粒上に(9)〜(11)の成分をコ
ーティングし、コーティング細粒を作り、(12)の成
分と混合してビンポセチン細粒1%、500gを作製し
た。これを500mgずつ分包した。
【0037】
【発明の効果】本発明のアミロイドβ蛋白産生・分泌阻
害剤は、毒性が低く、安全である。有用な対象疾患名と
しては、例えば老年性痴呆症、アルツハイマー病、ダウ
ン症などがあげられ、これらの疾病の予防または治療に
用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 EIA系で用いられた抗体の組み合わせを示
す模式図。
【図2】 Aβ(1−40)およびAβ(1−42)に
対するEIA系の標準曲線。
【図3】 ビンポセチンのヒト・ニューロブラストーマ
IMR−32細胞におけるAβ産生・分泌阻害作用の結
果を示すグラフ。
【図4】 ビンポセチンのモルモット初代培養神経細胞
におけるAβ産生・分泌阻害作用の結果を示すグラフ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を、R
    はOR1、 【化2】 またはSR1(式中、R1、R2およびR3は、同一または
    異なって、それぞれ、水素原子および置換されていても
    よい炭化水素基から選ばれるか、またはR2およびR
    3は、隣接する窒素原子と一緒になって、置換されてい
    てもよい含窒素複素環を形成している。)を、Yは置換
    されていてもよいアルキル基を示す。]で表される化合
    物またはその薬理学的に許容しうる塩、および、所望に
    より、薬理学的に許容しうる賦形剤、担体または希釈剤
    を含有するアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害剤。
  2. 【請求項2】 環Aが、ハロゲンから選ばれる1ないし
    3個の置換基を有していてもよいベンゼン環、RがOR
    1(式中、R1はアルキル基を示す。)、およびYがエチ
    ルである請求項1記載のアミロイドβ蛋白産生・分泌阻
    害剤。
  3. 【請求項3】 環Aがベンゼン環、およびR1がエチル
    である請求項2記載のアミロイドβ蛋白産生・分泌阻害
    剤。
  4. 【請求項4】 式(I): 【化3】 [式中、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を、R
    はOR1、 【化4】 またはSR1(式中、R1、R2およびR3は、同一または
    異なって、それぞれ、水素原子および置換されていても
    よい炭化水素基から選ばれるか、またはR2およびR
    3は、隣接する窒素原子と一緒になって、置換されてい
    てもよい含窒素複素環を形成している。)を、Yは置換
    されていてもよいアルキル基を示す。]で表される化合
    物またはその薬理学的に許容しうる塩、および、所望に
    より、薬理学的に許容しうる賦形剤、担体または希釈剤
    を含有するアルツハイマー病の予防・治療剤。
  5. 【請求項5】 環Aが、ハロゲンから選ばれる1ないし
    3個の置換基を有していてもよいベンゼン環、RがOR
    1(式中、R1はアルキル基を示す。)、およびYがエチ
    ルである請求項4記載のアルツハイマー病の予防・治療
    剤。
  6. 【請求項6】 環Aがベンゼン環、およびR1がエチル
    である請求項5記載のアルツハイマー病の予防・治療
    剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001087293A1 (fr) * 2000-05-19 2001-11-22 Takeda Chemical Industries, Ltd. Inhibiteurs de la ?-secretase
KR20180029950A (ko) 2015-07-21 2018-03-21 웰 스톤 유겐가이샤 아밀로이드β 섬유 분해제, 아밀로이드β의 섬유화에 기인하는 질환의 치료약·예방약 및 치료용·예방용 식품조성물

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WO2001087293A1 (fr) * 2000-05-19 2001-11-22 Takeda Chemical Industries, Ltd. Inhibiteurs de la ?-secretase
KR20180029950A (ko) 2015-07-21 2018-03-21 웰 스톤 유겐가이샤 아밀로이드β 섬유 분해제, 아밀로이드β의 섬유화에 기인하는 질환의 치료약·예방약 및 치료용·예방용 식품조성물
KR20210059023A (ko) 2015-07-21 2021-05-24 웰 스톤 유겐가이샤 아밀로이드β 섬유 분해제, 아밀로이드β의 섬유화에 기인하는 질환의 치료약·예방약 및 치료용·예방용 식품조성물
KR20210114551A (ko) 2015-07-21 2021-09-23 웰 스톤 유겐가이샤 아밀로이드β 섬유 분해제, 아밀로이드β의 섬유화에 기인하는 질환의 치료약·예방약 및 치료용·예방용 식품조성물
KR20220131357A (ko) 2015-07-21 2022-09-27 웰 스톤 유겐가이샤 아밀로이드β 섬유 분해제, 아밀로이드β의 섬유화에 기인하는 질환의 치료약·예방약 및 치료용·예방용 식품조성물

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