JPH08276585A - インク噴射装置及びその製造方法 - Google Patents

インク噴射装置及びその製造方法

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JPH08276585A
JPH08276585A JP8220995A JP8220995A JPH08276585A JP H08276585 A JPH08276585 A JP H08276585A JP 8220995 A JP8220995 A JP 8220995A JP 8220995 A JP8220995 A JP 8220995A JP H08276585 A JPH08276585 A JP H08276585A
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JP
Japan
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ink
electrode
wall
liquid chamber
ink liquid
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JP8220995A
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English (en)
Inventor
Hiroto Sugawara
宏人 菅原
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い駆動電圧で文字や画像を形成するのに十
分な速度及び体積のインク液滴を噴射することが可能
で、電気的結合の信頼性を高くすること。 【構成】 圧電材料からなるアクチュエータプレート1
02及び103で構成された側壁111及び116を有
するインク液室112と、側壁111及び116に電界
を発生させる電極213及び214とを有し、電極21
3及び214への電圧の印加により前記側壁111及び
116を変位させ、前記インク液室112内のインクに
圧力を与えてインクを噴射するインク噴射装置201で
あって、少なくとも一部が電極213及び214を覆う
ように導電層215が形成される。この導電層215に
より電極213と電極214とが確実に電気的に接続さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】今日、これまでのインパクト方式の印字
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置の中で、原理が最も単純
で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとして、
インクジェット方式の印字装置が上げられる。中でも印
字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・オン・
デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコストの安
さなどから急速に普及している。
【0003】ドロップ・オン・デマンド型として特公昭
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
【0004】以上のような欠陥を同時に解決する新たな
方式として提案されたのが、特開昭63−247051
号公報、特開昭63−252750号公報及び特開平2
−150355号公報に開示されているせん断モード型
である。図3、図4、図5、図6及び図7に、それら従
来例の概略図を示す。
【0005】以下、インク噴射装置の断面図を示す図3
によって、従来例の構成を具体的に説明する。インク噴
射装置1は、アクチュエータプレート2とカバープレー
ト3とノズルプレート31(図5)とから構成されてい
る。アクチュエータプレート2は、強誘電性を有する圧
電材料、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセ
ラミックス材料等で形成され、矢印5方向に分極処理が
施されており、複数の溝15及び該溝15を隔てる側壁
11を有する。カバープレート3はセラミックス材料ま
たは樹脂材料等で形成される。前記アクチュエータプレ
ート2とカバープレート3とを、接着剤、例えばエポキ
シ系接着剤等からなる接合層4を介して接合すること
で、溝15は横方向に互いに間隔を有する複数のインク
液室12となる。インク液室12は長方形断面の細長い
形状であり、側壁11はインク液室12の全長にわたっ
て伸びている。側壁11の接合層4付近の側壁11上部
から側壁11中央部までの両表面には、駆動電圧印加用
の電極13が形成されている。インク液室12には、イ
ンク供給口21(図5)からマニホールド22(図5)
を通してインク81が導入される。
【0006】次に、インク噴射装置1の断面図を示す図
4によって、従来例の動作を説明する。該インク噴射装
置1において、所望の印字データに従って例えばインク
液室12bが選択されると、電極13cと13dに急速
に正の駆動電圧が印加され、電極13bと13eは接地
される。これにより側壁11aには矢印14aの方向の
駆動電界が、側壁11bには矢印14bの方向の駆動電
界が作用する。このとき駆動電界方向14a及び14b
と分極方向5とが直交しているため、側壁11a及び1
1bは、圧電厚みすべり効果によってインク液室12b
の内部方向に急速に変形する。この変形によってインク
液室12bの容積が減少してインク液室12b内部のイ
ンク81の圧力が急速に増大し、圧力波が発生して、イ
ンク液室12bに連通するノズル32(図5)からイン
ク81の一部がインク液滴となって噴射される。また、
駆動電圧の印加を停止すると、側壁11a及び11bが
変形前の位置(図3参照)に戻るため、インク液室12
b内部のインク81の圧力が低下し、インク供給口21
(図5)からマニホールド22(図5)を通してインク
液室12b内にインク81が供給される。
【0007】但し、上記の動作は従来例の基本動作に過
ぎず、製品として具体化される場合には、まず駆動電圧
をインク液室12bの容積が増加する方向に印加し、先
にインク液室12bにインクを供給させた後に駆動電圧
の印加を停止して、側壁11a及び11bを変形前の位
置(図3参照)に戻してインクを噴射させることもあ
る。
【0008】該インク噴射装置1では、隣接する2つの
インク液室に連通する2つのノズルから同時にインク液
滴を噴射することができないため、例えば、インク液室
12b及び12dに連通するノズルからインク液滴を噴
射した後、インク液室12cに連通するノズルからイン
ク液滴を噴射し、次に再びインク液室12b及び12d
に連通するノズルからインク液滴を噴射するというよう
に、インク液室12及びノズル32を複数のグループに
分割してインク液滴の噴射を行う。
【0009】次に、インク噴射装置1の斜視図を示す図
5によって、従来例の構成及び製造法を説明する。分極
処理を施したアクチュエータプレート2に、薄い円板状
のダイヤモンドブレードを使用した研削加工等によっ
て、前記の形状のインク液室12を形成する平行な溝1
5を作製する。溝15はアクチュエータプレート2のほ
ぼ全域で同じ深さの平行な溝であるが、端面17に近づ
くにつれて徐々に浅くなり、端面17付近では浅く平行
な浅溝18となるよう作製される。この溝15及び浅溝
18の内面には、電極が真空蒸着やスパッタリング等に
よって形成される。この電極形成時には、側壁11の天
頂部にも電極が形成されるため、側壁11の両側の電極
を分離する必要があり、そのために側壁11の天頂部の
電極をラッピング等により除去している。それにより、
溝15の内面にはその側面の上半分のみに電極13が形
成され、浅溝18の内面にはその側面及び底面全体に電
極19が形成される。この電極19によって、溝15の
両側の側壁11に形成された電極13は電気的に接続さ
れている。
【0010】また、セラミックス材料または樹脂材料等
からなるカバープレート3に、研削または切削加工等に
よって、インク導入口21及びマニホールド22を作成
する。
【0011】次に、アクチュエータプレート2の溝15
加工側の面とカバープレート3のマニホールド22加工
側の面とを、エポキシ系接着剤等からなる接合層4(図
3)によって、各々の溝15が前記の形状のインク液室
12を形成するように接着する。次に、アクチュエータ
プレート2及びカバープレート3の端面16に、各イン
ク液室12の位置に対応した位置にノズル32が設けら
れたノズルプレート31を接着する。アクチュエータプ
レート2の溝15加工側と反対側の面には、各浅溝18
の位置に対応した位置に導電層のパターン42が設けら
れた基板41を、エポキシ系接着剤等によって接着す
る。
【0012】そして、浅溝18の底面の電極19と導電
層のパターン42とを導線43で接続する。通常、この
ような接続には、周知のワイヤボンディングという手法
が用いられている。この導線43の直径は通常非常に小
さく機械的強度が小さいため、隣接する導線43どうし
の接触や断線、また大気中の水分や粉塵による腐食を防
ぐために、一般的にはエポキシ系などの樹脂を用いて保
護膜(図示せず)の形成(ポッティング)を行なう。そ
の保護膜は加熱硬化される。
【0013】次に、制御部のブロック図を示す図6によ
って、従来例の制御部の構成を説明する。基板41に設
けられた導電層のパターン42は各々個々にLSIチッ
プ51に接続され、クロックライン52、データライン
53、電圧ライン54及びアースライン55もLSIチ
ップ51に接続されている。LSIチップ51は、クロ
ックライン52から供給された連続するクロックパルス
に基づいて、データライン53上に現れるデータから、
どのノズル32からインク液滴の噴射を行うべきかを判
断する。そして、LSIチップ51は、インクを噴射す
るインク液室12内の電極13に導通する導電層のパタ
ーン42に、電圧ライン54の電圧Vを印加する。ま
た、LSIチップ51は、前記インク液室12以外の電
極13に導通する導電層のパターン42にアースライン
55を接続する。
【0014】次に、プリンタの斜視図を示す図7によっ
て、従来例の構成及び動作を説明する。インク噴射装置
1及びノズルプレート31は、図3、図4、図5及び図
6で説明した構成、動作をもつものである。インク噴射
装置1はキャリッジ62上に固定され、インク供給チュ
ーブ63はインク供給口21(図5)に連通し、LSI
チップ51(図6)はキャリッジ62に内蔵され、フレ
キシブルケーブル64は図6に示したクロックライン5
2、データライン53、電圧ライン54及びアースライ
ン55に対応している。キャリッジ62はスライダ66
に沿って矢印65方向に記録紙71の全幅にわたって往
復移動し、インク噴射装置61はキャリッジ62が移動
している時にプラテンローラ72に保持された記録紙7
1に対して、ノズルプレート31に設けられたノズル3
2(図5)からインク液滴を噴射し、記録紙71上にイ
ンク液滴を付着させる。
【0015】また、記録紙71はインク噴射装置1がイ
ンク液滴を噴射しているときは静止しているが、キャリ
ッジ62が所定動作を行う度に紙送りローラ73及び7
4によって矢印75方向に一定量ずつ移送される。これ
によって、インク噴射装置1は記録紙71の全面に所望
の文字や画像を形成することが可能となる。
【0016】次に、特開平5−92561号公報に開示
されている他の従来例のインク噴射装置を図8及び図9
を用いて説明する。インク噴射装置101は、アクチュ
エータプレート102及び103とノズルプレート(図
示せず)とから構成されている。アクチュエータプレー
ト102は、強誘電性を有する圧電材料で形成され、矢
印105方向に分極処理が施されており、複数の溝11
5及び該溝115を隔てる側壁111を有する。側壁1
11の両側面及び天頂部の一部には、駆動電圧印加用の
電極113が形成されている。また、アクチュエータプ
レート103は、強誘電性を有する圧電材料で形成さ
れ、矢印106方向に分極処理が施されており、複数の
溝117及び該溝117を隔てる側壁116を有する。
側壁116の両側面及び天頂部の一部には、駆動電圧印
加用の電極114が形成されている。
【0017】前記アクチュエータプレート102の側壁
111の天頂部とアクチュエータプレート103の側壁
116の天頂部とを、接着剤からなる接合層104を介
して接合することで、溝115及び117は横方向に互
いに間隔を有する複数のインク液室112となる。また
側壁111の天頂部に形成された電極113と側壁11
6の天頂部に形成された電極114とが接触し、導電関
係を形成する。インク液室112は長方形断面の細長い
形状であり、側壁111及び116はインク液室112
の全長にわたって伸びている。インク液室112には、
インク供給口(図示せず)からマニホールド(図示せ
ず)を通してインク181が導入される。電極113及
び114と駆動回路との電気的接続については説明を省
略する。
【0018】該インク噴射装置101において、噴射す
るインク液室112の両側の側壁111及び116の表
面の電極113及び114に駆動電圧を印加することに
より、側壁111及び116に駆動電界が作用する。こ
のとき駆動電界方向と分極方向105及び106とが直
交しているため、側壁111及び116は、圧電厚みす
べり効果によってインク液室112の内部方向に急速に
変形する。この変形によってインク液室112の容積が
減少してインク液室112内部のインク181の圧力が
急速に増大し、圧力波が発生して、インク液室112に
連通するノズル(図示せず)からインク181の一部が
インク液滴となって噴射される。また、駆動電圧の印加
を停止すると、側壁111及び116が変形前の位置に
戻るため、インク液室112内部のインク181の圧力
が低下し、インク供給口(図示せず)からマニホールド
(図示せず)を通してインク液室112内にインク18
1が供給される。
【0019】但し、上記の動作は従来例の基本動作に過
ぎず、製品として具体化される場合には、まず駆動電圧
をインク液室112の容積が増加する方向に印加し、先
にインク液室112にインクを供給させた後に駆動電圧
の印加を停止して、側壁111及び116を変形前の位
置に戻してインクを噴射させることもある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のインク噴射装置1では、電極13に印加さ
れた駆動電圧により側壁11の上半分のみが圧電厚みす
べり変形し、下半分は上半分の変形により変位されるの
で、電極13に印加された電気エネルギーと比較して側
壁11の変形量が小さく、インク液室12の容積の減少
量が少ない。このため、噴射されるインク液滴の速度及
び体積がインク噴射装置1と対向する紙面上等に文字や
画像を形成するには、駆動電圧を高くしなければならな
かった。このため、駆動回路が複雑化、大型化するた
め、装置の低コスト化、小型化に限界があった。
【0021】そして、上記のような従来のインク噴射装
置101では、電極113に印加された駆動電圧により
側壁111及び116の両方が駆動されるので、インク
噴射装置1の半分の駆動電圧でインク噴射装置1と同じ
インクの圧力を発生することができる。よって、駆動電
圧を噴射装置1より低くすることができる。
【0022】しかしながら、インク噴射装置101で
は、側壁111に形成された電極113と側壁116に
形成された電極114との電気的接続が、側壁111の
天頂部と側壁116の天頂部とを接合することによって
行なわれているので、この接触による電気的接続では、
側壁111及び116の天頂部の表面粗さやうねりが大
きいと確実に接続されないなど、信頼性が低いという問
題点があった。さらに、側壁111の天頂部と側壁11
6の天頂部とを接着する接着剤のはみ出しによって、電
極113と電極114とが接続しないといった問題があ
った。また、電極113と114との接触面にインク1
81が入り込んで電気的接続を阻害したり、側壁111
及び116の駆動による振動により電極113と114
との接触面に摩耗が生じ、電気的接続が切れたりして、
インク液滴の噴射が使用途中で停止し、信頼性が低いと
いう問題点があった。
【0023】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、低い駆動電圧で文字や画像を形
成するのに十分な速度及び体積のインク液滴を噴射する
ことが可能で、電気的接続の信頼性が高いインク噴射装
置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1では、複数の第一溝と、前記第一溝
を隔て、少なくとも一部が圧電材料で構成された第一壁
とを有する第一アクチュエータプレートと、複数の第二
溝と、前記第二溝を隔て、少なくとも一部が圧電材料で
構成された第二壁とを有する第二アクチュエータプレー
トと、前記第一壁の側面に形成された第一電極と、 前
記第二壁の側面に形成された第二電極とを備え、前記第
一アクチュエータプレートの第一壁の天頂部と前記第二
アクチュエータプレートの第二壁の天頂部とを接合し
て、前記第一溝及び第二溝からなるインク液室を構成す
るインク噴射装置において、前記インク液室内に形成さ
れ、前記第一電極及び前記第二電極に接続する第三電極
を有する。
【0025】請求項2では、前記第三電極は、前記イン
ク液室が開口された前記第一及び第二アクチュエータプ
レートの端面側から蒸着法によって形成されたことを特
徴とする。
【0026】請求項3では、前記第三電極は、前記イン
ク液室が開口された前記第一及び第二アクチュエータプ
レートの端面側からスパッタリング蒸着法によって形成
されたことを特徴とする。
【0027】請求項4では、複数の第一溝と、前記第一
溝を隔て、少なくとも一部が圧電材料で構成された第一
壁とを有する第一アクチュエータプレートと、前記第一
溝に対応して設けられた複数の第二溝と、前記第二溝を
隔て、少なくとも一部が圧電材料で構成された第二壁と
を有する第二アクチュエータプレートと、前記第一壁の
側面に形成された第一電極と、前記第二壁の側面に形成
された第二電極とを備えたインク噴射装置の製造方法に
おいて、前記第一アクチュエータプレートの第一壁の天
頂部と前記第二アクチュエータプレートの第二壁の天頂
部とを接合して、前記第一溝及び第二溝からなるインク
液室を形成する工程と、前記インク液室が開口された前
記第一及び第二アクチュエータプレートの端面側から金
属物質を出射して、前記インク液室内に、前記第一電極
及び前記第二電極に接続する第三電極を形成する工程と
からなることを特徴とする。
【0028】請求項5では、前記第三電極は、前記金属
物質の蒸着法によって形成されることを特徴とする。
【0029】請求項6では、前記第三電極は、前記金属
物質のスパッタリング蒸着法によって形成されることを
特徴とする。
【0030】
【作用】上記の構成を有する本発明のインク噴射装置で
は、前記インク液室内に形成される第三電極が、前記第
一電極及び前記第二電極上に形成されて、前記第一電極
と前記第二電極とが電気的に接続される。
【0031】また、本発明のインク噴射装置の製造方法
では、まず、前記第一アクチュエータプレートの第一壁
の天頂部と前記第二アクチュエータプレートの第二壁の
天頂部とを接合して、前記第一溝及び第二溝からなるイ
ンク液室を形成し、次に、前記インク液室が開口された
前記第一及び第二アクチュエータプレートの端面側から
金属物質を出射することによって、前記インク液室内の
前記第一電極及び前記第二電極上に第三電極が形成さ
れ、前記第一電極と前記第二電極とが電気的に接続され
る。
【0032】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。尚、従来技術と同一の部材には同一
の符号を付し、その説明を一部省略する。
【0033】まず、インク噴射装置の斜視図を示す図1
によって、本発明の一実施例の構成を具体的に説明す
る。インク噴射装置201は、アクチュエータプレート
102及び103とノズルプレート(図示せず)とから
構成されている。アクチュエータプレート102は、強
誘電性を有する圧電材料で形成され、矢印105(図
8)方向に分極されており、複数の溝115及び該溝1
15を隔てる側壁111を有する。側壁111の両側面
には、駆動電圧印加用の電極213が形成されている。
また、アクチュエータプレート103は、強誘電性を有
する圧電材料で形成され、矢印106(図8)方向に分
極されており、複数の溝117及び該溝117を隔てる
側壁116を有する。側壁116の両側面には、駆動電
圧印加用の電極214が形成されている。
【0034】前記アクチュエータプレート102とアク
チュエータプレート103とを、接着剤からなる接合層
104を介して接合することで、溝115及び117は
横方向に互いに間隔を有する複数のインク液室112と
なる。インク液室112は長方形断面の細長い形状であ
り、側壁111及び116はインク液室112の全長に
わたって伸びている。次に、インク液室112の長手方
向を基準として接合層104を含む面内にαの角度をな
す方向291及び292から、蒸着法、スパッタリング
蒸着法、溶射法等の方法により、ニッケル、金、銅、カ
ーボン等の導電材料の分子、分子クラスタまたは粒子
を、アクチュエータプレート102及び103に衝突さ
せる。これによって、インク噴射装置の一部の断面図を
示す図2に示すように、端面293付近の電極213及
び214の上に導電層215が形成される。角度αは0
〜90゜の範囲ならばいくらでもよいが、導電層215
の厚みと、端面293からインク液室112の内部方向
に導電層215が形成される範囲を適切に保つために
は、蒸着法または溶射法により導電層を形成する場合で
10〜80゜、スパッタリング蒸着法により導電層を形
成する場合で0〜70゜が最適である。このとき、端面
293にも導電層215が形成されるが、後で端面29
3を研磨加工することにより除去する。
【0035】本実施例のインク噴射装置201では、電
極213と電極214とが、それぞれを覆うように形成
された導電層215によって導電関係を形成しているの
で、側壁111及び116の天頂部の表面粗さやうね
り、接合層104の接着剤のはみ出しに関係なく確実な
電気的接続が得られ、インク液室112内に導入された
インクにより電気的接続が阻害されたり、側壁111及
び116の駆動による振動による摩耗で電気的接続が切
れたりすることがなく、電気的接続の信頼性が著しく高
くなる。
【0036】また、側壁111及び側壁116の変形に
よってインクを噴射するので、低い駆動電圧で文字や画
像を形成するのに十分な速度及び体積のインク液滴を噴
射することが可能である。
【0037】尚、本実施例では、インク液室112が隣
接していたが、各インク液室の間に空気が充填された空
気室を設けてもよい。この場合、全てのインク液室に連
通する2つのノズルから同時にインク液滴を噴射するこ
とができる。
【0038】また、本実施例では、インク液室112の
長手方向を基準として接合層104を含む面内にαの角
度をなす方向291及び292の2方向から、蒸着法、
スパッタリング蒸着法、溶射法等の方法により、導電材
料の分子、分子クラスタまたは粒子を衝突させていた
が、方向291と292はインク液室112の長手方向
を基準として同じ角度αでなくてもよい。また、蒸着
法、スパッタリング蒸着法、溶射法等の方向は2方向で
なくてもよく、1方向、4方向など何方向でもよい。ま
た、これらの方向は、インク液室112の長手方向を基
準として接合層104を含む面内になくてもよい。
【0039】また、本実施例では、端面293に形成さ
れた導電層215を全て除去していたが、導電層215
の一部を端面293に残して、駆動回路との接続に用い
てもよい。
【0040】また、本実施例では、端面293を研磨加
工することにより端面293に形成された導電層215
を除去していたが、端面293にレジスト層等を形成し
ておいてから導電層215を形成し、その後機械的に剥
離したり、化学的に溶解したりすることによって、導電
層215をレジスト層等と同時に除去してもよい。
【0041】また、本実施例では、側壁111及び11
6がそれぞれ1つの圧電材料の部材(アクチュエータプ
レート102及び103)で形成されていたが、分極方
向に平行に積層された複数の圧電材料の部材や、非圧電
材料と圧電材料とが分極方向に平行に積層された部材で
形成されていてもよい。
【0042】また、本実施例では、インク液室112を
3個示していたが、50個、100個等いくつであって
もよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明によれば、前記第一アクチュエータプレートの第一壁
の天頂部と前記第二アクチュエータプレートの第二壁の
天頂部とを接合してインク液室を形成した後に、前記イ
ンク液室内に第三電極が形成されるので、前記第一電極
と前記第二電極とが電気的に接続される。よって、第一
壁及び第二壁の天頂部の表面粗さやうねり、接合のため
の接着剤等のはみ出しに関係なく確実な電気的接続が得
られ、インク液室内に導入されたインクにより電気的接
続が阻害されたり、第一壁及び第二壁の駆動による振動
による摩耗で電気的接続が切れたりすることがなく、電
気的接続の信頼性が著しく高くなる。また、第一壁及び
第二壁の変形によってインクを噴射するので、低い駆動
電圧で文字や画像を形成するのに十分な速度及び体積の
インク液滴を噴射することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインク噴射装置を示す斜視
図である。
【図2】本発明の一実施例のインク噴射装置の一部を示
す断面図である。
【図3】従来例のインク噴射装置を示す断面図である。
【図4】従来例のインク噴射装置の動作を示す説明図で
ある。
【図5】従来例のインク噴射装置を示す斜視図である。
【図6】従来例の制御部を示すブロック図である。
【図7】従来例のプリンタを示す斜視図である。
【図8】従来例のインク噴射装置を示す断面図である。
【図9】従来例のインク噴射装置を一部を拡大して示す
説明図である。
【符号の説明】
201 インク噴射装置 102 アクチュエータプレート 103 アクチュエータプレート 111 側壁 116 側壁 112 インク液室 213 電極 214 電極 215 導電層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の第一溝と、前記第一溝を隔て、少
    なくとも一部が圧電材料で構成された第一壁とを有する
    第一アクチュエータプレートと、 前記第一溝に対応して設けられた複数の第二溝と、前記
    第二溝を隔て、少なくとも一部が圧電材料で構成された
    第二壁とを有する第二アクチュエータプレートと、 前記第一壁の側面に形成された第一電極と、 前記第二壁の側面に形成された第二電極と、を備え、前
    記第一アクチュエータプレートの第一壁の天頂部と前記
    第二アクチュエータプレートの第二壁の天頂部とを接合
    して、前記第一溝及び第二溝からなるインク液室を構成
    するインク噴射装置において、 前記インク液室内に形成され、前記第一電極及び前記第
    二電極に接続する第三電極を有することを特徴とするイ
    ンク噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記第三電極は、前記インク液室が開口
    された前記第一及び第二アクチュエータプレートの端面
    側から蒸着法によって形成されたことを特徴とする請求
    項1に記載のインク噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記第三電極は、前記インク液室が開口
    された前記第一及び第二アクチュエータプレートの端面
    側からスパッタリング蒸着法によって形成されたことを
    特徴とする請求項1に記載のインク噴射装置。
  4. 【請求項4】 複数の第一溝と、前記第一溝を隔て、少
    なくとも一部が圧電材料で構成された第一壁とを有する
    第一アクチュエータプレートと、 前記第一溝に対応して設けられた複数の第二溝と、前記
    第二溝を隔て、少なくとも一部が圧電材料で構成された
    第二壁とを有する第二アクチュエータプレートと、 前記第一壁の側面に形成された第一電極と、 前記第二壁の側面に形成された第二電極と、を備えたイ
    ンク噴射装置の製造方法において、 前記第一アクチュエータプレートの第一壁の天頂部と前
    記第二アクチュエータプレートの第二壁の天頂部とを接
    合して、前記第一溝及び第二溝からなるインク液室を形
    成する工程と、 前記インク液室が開口された前記第一及び第二アクチュ
    エータプレートの端面側から金属物質を出射して、前記
    インク液室内に、前記第一電極及び前記第二電極に接続
    する第三電極を形成する工程とからなることを特徴とす
    るインク噴射装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第三電極は、前記金属物質の蒸着法
    によって形成されることを特徴とする請求項4に記載の
    インク噴射装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第三電極は、前記金属物質のスパッ
    タリング蒸着法によって形成されることを特徴とする請
    求項4に記載のインク噴射装置の製造方法。
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