JPH0827414A - 塗料用硬化性樹脂組成物及び上塗り塗膜形成方法 - Google Patents

塗料用硬化性樹脂組成物及び上塗り塗膜形成方法

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JPH0827414A
JPH0827414A JP18641294A JP18641294A JPH0827414A JP H0827414 A JPH0827414 A JP H0827414A JP 18641294 A JP18641294 A JP 18641294A JP 18641294 A JP18641294 A JP 18641294A JP H0827414 A JPH0827414 A JP H0827414A
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resin composition
coating
coating film
reactive silicon
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JP18641294A
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Inventor
Minoru Tsunoda
稔 角田
Osamu Isozaki
理 磯崎
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)ポリオール、(b)ポリカルボン酸、
(c)ポリエポキシド及び(d)反応性珪素基含有物質
を必須成分として含有することを特徴とする塗料用硬化
性樹脂組成物。 【効果】 仕上り外観に優れ、かつ耐酸性、耐擦り傷性
等の性能に優れた塗膜が形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な塗料用硬化性樹
脂組成物及び上塗り塗膜形成方法、更に詳しくは、仕上
り性及び塗膜性能(耐酸性、耐擦り傷性等)に優れた塗
膜を形成し得る上塗り塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】近年、大気汚染が進み、森
林が枯れる等の酸性雨による被害が深刻な社会問題とな
っているが、自動車外板等の屋外で使用される物品に塗
装された塗膜においても塗膜がエッチングされたり、塗
膜に白化、シミ等が発生するという問題がある。従っ
て、耐酸性の良い塗膜が強く要望されている。また、上
塗り塗膜、例えば自動車外板等に塗装された上塗り塗膜
は、走行中の砂やホコリ等との衝突、洗浄ブラシ等によ
る摩擦等によって、擦り傷が付きやすく、外観低下の原
因の一つになっており、特に黒、紺、褐色等の濃彩色の
塗膜において擦り傷発生が非常に目立ち易い。従って、
上塗り塗膜の耐擦り傷性の向上の要求は非常に強い。
【0003】現在、水酸基含有樹脂及びバインダーのア
ミノ樹脂を含有するアミノ硬化型塗料組成物を上塗り塗
膜を形成する塗料組成物として用いる上塗り塗膜形成方
法が広く行なわれているが、耐酸性及び耐擦り傷性の両
者を満足する上塗り塗膜は、得られていない。
【0004】また、上記アミノ硬化型塗料組成物以外の
ものを用いる方法として、エポキシ基及び水酸基を有す
る樹脂に硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水
物等の環状酸無水物を配合した塗料組成物を上塗り塗膜
を形成する塗料組成物として用いる上塗り塗膜形成方法
が、特開昭63−84673号公報及び特開昭63−8
4674号公報に記載されている。しかしながら、これ
らの方法には、塗膜の仕上り外観、耐酸性、耐擦り傷性
等が劣るという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、上塗り
塗膜を形成する塗料として、特定の塗料用硬化性樹脂組
成物を用いると、上記従来技術の諸欠点が解消されるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、(a)ポリオール、(b)
ポリカルボン酸、(c)ポリエポキシド及び(d)反応
性珪素基含有物質の4成分の混合物を必須成分として含
有することを特徴とする塗料用硬化性樹脂組成物
(I)、(a)ポリオール、(b)ポリカルボン酸及び
(c)ポリエポキシドの3成分の混合物であって、かつ
これらの成分の1種以上のものに反応性珪素基を含有す
ることを特徴とする塗料用硬化性樹脂組成物(II)、
(e)水酸基及びエポキシ基含有物質、(b)ポリカル
ボン酸及び(d)反応性珪素基含有物質の3成分の混合
物を必須成分として含有することを特徴とする塗料用硬
化性樹脂組成物(III) 、(e)水酸基及びエポキシ基含
有物質及び(b)ポリカルボン酸の2成分の混合物であ
って、かつこれらの成分の1種以上のものに反応性珪素
基を含有することを特徴とする塗料用硬化性樹脂組成物
(IV)、及び素材に着色ベースコート及びクリアートッ
プコートを順次形成させてなる上塗り塗膜形成方法にお
いて、該着色ベースコート及び/又はクリアートップコ
ートが(I)〜(IV)の塗料用硬化性樹脂組成物で形成
されていることを特徴とする上塗り塗膜形成方法に係
る。
【0007】本発明で用いる塗料用硬化性樹脂組成物に
おいて、反応性珪素基とは、珪素原子に水酸基が直接結
合した基であるシラノール基、又は珪素原子に加水分解
性基が直接結合した基(加水分解によりシラノール基を
生じる基)を意味する。これらの基は一種又は二種以上
存在することができる。
【0008】本発明で用いる塗料用硬化性樹脂組成物に
おいて、珪素原子に直接結合する加水分解性基として
は、例えば、一般式−OR1 で表されるアルコキシル
基、一般式−OCOR2 で表されるアシロキシ基、及び
一般式−ON=C(R3)2 で表されるケトオキシム基等
が包含される。上記各一般式において、R1 はメチル、
エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜5、好ましく
は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R2 は炭素数1〜
3のアルキル基を示し、R3 は炭素数1〜5のアルキル
基を示す。
【0009】上記加水分解性基の好ましい具体例として
は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等
のアルコキシル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ
基等のアシロキシ基、アセトキシム基、プロピオニルオ
キシム基等のケトオキシム基等が挙げられる。これらの
加水分解性基の中でも、特に、貯蔵安定性及び低温硬化
性に優れた効果を持つ炭素数1〜3のアルコキシル基が
好ましい。
【0010】塗料用硬化性樹脂組成物(I) 該組成物(I)は、ポリオール(a)、ポリカルボン酸
(b)、ポリエポキシド(c)及び反応性珪素基含有物
質(d)を必須成分として含有するものである。
【0011】ポリオール(a)は、1分子中に水酸基を
2個以上有するものであり、水酸基価として約30〜
1,000、好ましくは約75〜300の範囲のもので
ある。ポリオール(a)としては、ネオペンチルグリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロ
パン、トリメチロールエタンなどの低分子量物質、アク
リルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテ
ルポリオール、ポリウレタンポリオールなどのポリマー
状ポリオール(通常、平均分子量約500〜80,00
0)が包含される。
【0012】ポリカルボン酸(b)は、1分子中にカル
ボキシル基を2個以上有するものであり、酸価として約
30〜1,000、好ましくは約70〜300の範囲の
ものである。また、該ポリカルボン酸は、無水カルボキ
シル基が水によって加水分解してカルボキシル基を生成
する無水物も包含される。
【0013】ポリカルボン酸(b)としては、テトラヒ
ドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸
などの低分子量物質、ビニル系、ポリエステル系などの
ポリカルボン酸樹脂(通常、平均分子量約500〜8
0,000)などが包含される。
【0014】上記したビニル系ポリカルボン酸樹脂とし
ては、例えば、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モ
ノマー((メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートと無水ハイミック酸との付加物)及び
必要に応じてその他のエチレン性不飽和モノマーをラジ
カル重合させてなる(共)重合体;無水カルボキシル基
含有エチレン性不飽和モノマー(無水イタコン酸、無水
マレイン酸など)及び必要に応じてその他のエチレン性
不飽和モノマーをラジカル重合させてなる(共)重合体
及びこのものをエステル化剤(アセトール、アリルアル
コール、プロパギルアルコール、メタノールなど)でハ
ーフエステル化させたもの;上記無水カルボキシル基含
有エチレン性不飽和モノマーと上記エステル化剤とをハ
ーフエステル化させてなるモノマーを必要に応じてその
他のエチレン性不飽和モノマーをラジカル重合させてな
る(共)重合体;水酸基含有エチレン性不飽和モノマー
(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート及びこれらのものとε−
カプロラクトンとの付加物など)及び必要に応じてその
他のエチレン性不飽和モノマーをラジカル(共)重合さ
せてなる水酸基含有(共)重合体を無水カルボン酸(無
水コハク酸など)でハーフエステル化させたものなどが
挙げられる。
【0015】上記したその他のエチレン性不飽和モノマ
ーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート等のC1-24のアルキル(メタ)ア
クリレート又はシクロアルキル(メタ)アクリレート
類、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロ
オクチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイ
ソノニルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロデ
シルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアル
キル基又はパーフルオロアルケニル基含有エチレン性不
飽和モノマー類、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族
ビニルモノマー類、(メタ)アクリロニトリル等のニト
リルモノマー類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド等のアミドモノマー類等が
挙げられる。
【0016】また、上記ポリエステル系ポリカルボン酸
樹脂は、主に多塩基酸と多価アルコールとのエステル化
物であって、多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル
酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキ
サヒドロ無水フタル酸等から選ばれた1種以上の二塩基
酸が主に用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン
酸、p−tert−ブチル安息香酸等の一塩基酸、無水トリ
メリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無
水ピロメリット酸等の3価以上の多塩基酸等が用いら
れ、多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、1,6−ヘキサンジオール等の二価アルコール
が主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール等の三価以上の多価アルコールを併用する
こともある。
【0017】ポリエポキシド(c)は、1分子中に少な
くとも平均約2個以上のエポキシ基を有する化合物であ
る。ポリエポキシド(c)の数平均分子量は、約120
〜200,000、好ましくは約240〜80,000
の範囲のものが好ましい。数平均分子量が約120を下
回るものは入手が困難であり、一方数平均分子量が約2
00,000を越えると高固型分濃度の塗料が得られな
いこと及び架橋間分子量が大きくなり塗膜の耐溶剤性、
耐擦り傷性等が低下するので好ましくない。
【0018】ポリエポキシド(c)の具体例としては、
例えばグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシ
ジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)ア
クリレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和モノマ
ーと、必要に応じて前記その他のエチレン性不飽和モノ
マーをラジカル重合させて得られる(共)重合体;ジグ
リシジルエーテル、2−グリシジルフェニルグリシジル
エーテル、2,6−ジグリシジルフェニルグリシジルエ
ーテル等のグリシジルエーテル化合物、ビニルシクロヘ
キセンジオキサイド、レモネンジオキサイド等のグリシ
ジル基及び脂環式エポキシ基含有化合物;ジシクロペン
タジエンジオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロ
ペンチル)エーテル、エポキシシクロヘキセンカルボン
酸エチレングリコールジエステル、ビス(3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘ
キサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキシ
基含有化合物等が包含される。
【0019】反応性珪素基含有物質(d)は、1分子中
に少なくとも1個の反応性珪素基を有するものである。
反応性珪素基含有物質(d)としては、例えばビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−
(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン
等のエチレン性不飽和基含有珪素化合物を、必要に応じ
て前記その他のエチレン性不飽和モノマーとラジカル重
合反応させて得られる重合体で、好ましくは平均分子量
約3,000〜約200,000の範囲のもの;Si
(OR4)4 (R4 は同一又は異なって水素原子又はC
1-3 のアルキル基を示す。)で表わされる珪素モノマ
ー;該珪素モノマーの低縮合物;該珪素モノマーの低縮
合物において、珪素原子に結合するR4 の一部がC4-24
(好ましくはC4-8 )の1価の炭化水素基(このものは
エーテル結合及び/又はエステル結合を含んでもよい)
で置換された変性珪素縮合物;該珪素モノマーの低縮合
物及び/又は該変性珪素縮合物と、1分子中に1個のエ
チレン性不飽和基及びSiOR4 基と反応する官能基を
含有するエチレン性不飽和モノマーとを反応させて得ら
れるエチレン性不飽和基含有珪素縮合物を、必要に応じ
て上記その他のエチレン性不飽和モノマーと共に、ラジ
カル重合反応させて得られる重合体で、好ましくは平均
分子量約3,000〜200,000の範囲のもの等が
包含される。
【0020】上記反応性珪素基含有物質(d)におい
て、珪素モノマーの低縮合物及び変性珪素縮合物は、高
固型分、低コストでかつ各種性能に優れた塗膜を形成し
得るので、有利に使用できる。また、反応性珪素基含有
物質(d)として変性珪素縮合物を又はこれに用いた重
合体を使用すると、得られる塗膜が、特に、仕上り性、
耐擦り傷性、耐酸性等に優れる点で有利である。
【0021】上記珪素モノマーの低縮合物としては、前
記珪素モノマー同士を縮合反応させて得られる約2〜1
00量体のもの、好ましくは約2〜10量体のものが好
適である。該珪素モノマーの低縮合物としては、例えば
「コルコートES40」(コルコート社製、商品名、以
下同様、テトラエチルシリケートの1〜10量体、平均
約5量体)、「コルコートMS51」(テトラメチルシ
リケートの1〜10量体、平均約4量体)等が挙げられ
る。これらのコルコート社製の低縮合物は一般的には
【0022】
【化1】 (nは1〜10)の構造を有するものと考えられる。
【0023】前記変性珪素縮合物におけるC4-24の1価
の炭化水素基としては、例えばブチル、ペンチル、ヘキ
シル、ヘプチル、オクチル、デシル、ステアリル、シク
ロアルキル等の環状又は直鎖状の分枝していてもよいア
ルキル基、フェニル、トルイル、キシリル等のアリール
基やベンジル等のアラルキル基(アリール基で置換され
たアルキル基)等が包含される。また、エーテル結合を
含む炭化水素基としては、例えば
【0024】
【化2】 (式中、mは1、2又は3を、pは1又は2を、及びR
5 はC1-8 のアルキル基を、それぞれ示す。)、
【0025】
【化3】 (式中、mは前記と同様の意味を示す。)等が包含され
る。具体的には、
【0026】
【化4】 等が挙げられる。また、エステル結合を含む炭化水素基
としては、例えば
【0027】
【化5】 (式中、R6 はC1-8 の環状又は直鎖状の分枝していて
もよいアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示
し、また、mは前記と同様の意味を示す。)等が包含さ
れる。具体的には、
【0028】
【化6】 等が挙げられる。
【0029】更に、エーテル結合及びエステル結合の両
方の結合を含む炭化水素基としては、例えば
【0030】
【化7】 (式中、qは2以上の整数、好ましくは2〜10の整数
を示し、また、m及びR6 は前記と同様の意味を示
す。)等が包含される。具体的には、
【0031】
【化8】 等が挙げられる。
【0032】前記変性珪素縮合物は、例えば前記珪素モ
ノマーにおいてR4 の一部がC4-24の1価の炭化水素基
で置換されたモノマーを出発原料とし、このものを縮合
反応させることにより、又は前記珪素モノマーの低縮合
物とC4-24のアルコール(エーテル結合、エステル結合
を含んでもよい)とを脱アルコール反応させ低縮合物の
4 の一部をC4-24の炭化水素基で置換させることによ
り製造できる。
【0033】前記エチレン性不飽和基含有珪素縮合物の
重合体は、前記珪素モノマーの低縮合物や変性珪素縮合
物に含まれるSiOR4 基と反応できる官能基(例え
ば、水酸基のような活性水素基)を1分子中に1個以
上、及びエチレン性不飽和基を1分子中に1個有するエ
チレン性不飽和モノマーを、珪素モノマーの低縮合物及
び/又は変性珪素縮合物と脱アルコール反応させ、該S
iOR4 基のR4 の一部をエチレン性不飽和モノマーで
置換させて1分子中に平均約1個のエチレン性不飽和基
を含有するエチレン性不飽和基含有珪素縮合物を製造し
た後、これを単独で又はこれと前記その他のエチレン性
不飽和モノマーとをラジカル重合反応させることによっ
て得られる。
【0034】上記SiOR4 基と反応する官能基及びエ
チレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマーと
しては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
ビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、
ヒドロキシブチルビニルエーテル、(ポリ)エチレング
リコールモノアリルエーテル、及びこれらのものとカプ
ロラクトンとの付加物等の水酸基含有エチレン性不飽和
モノマーを、好ましいものとして挙げられる。
【0035】上記反応性珪素基含有物質(d)として重
合体を用いる場合、その平均分子量が約300を下回る
と耐酸性等の塗膜性能が低下する傾向にあり、一方約2
00,000を上回ると塗料組成物の固型分が低下した
り、塗膜の仕上り外観等が低下したりする傾向にあるの
で好ましくない。
【0036】上記した(a)〜(d)成分は、下記した
割合になるように配合することが好ましい。なお、割合
は(a)〜(d)成分の総合計量に基づく値である。
【0037】(a)及び(b)成分:それぞれ約5〜9
4重量%、好ましくは約15〜75重量%の範囲であ
り、約5重量%を下回ると組成物中の基体樹脂成分が少
なくなるので塗膜の仕上り外観、性能が低下し、一方約
94重量%を上回ると樹脂組成物の固型分が低下したり
硬化性が低下したりするので好ましくない。 (c)成分:約5〜94重量%、好ましくは約10〜7
5重量%の範囲であり、該範囲をはずれると硬化性が低
下するので好ましくない。 (d)成分:約0.1〜50重量%、好ましくは約1〜
30重量%の範囲であり、該範囲をはずれると硬化性が
低下するので好ましくない。
【0038】塗料用硬化性樹脂組成物(II) 該組成物(II)は、ポリオール(a)、ポリカルボン酸
(b)及びポリエポキシド(c)の3成分の混合物であ
って、かつこれらの成分の1種以上のものに反応性珪素
基を含有してなるものである。
【0039】該組成物(II)で用いる反応性珪素基を含
有しないポリオール(a)、ポリカルボン酸(b)及び
ポリエポキシド(c)は前記と同様のものが使用でき
る。また、該組成物(II)で用いる反応性珪素基を含有
する、ポリオール(a´)、ポリカルボン酸(b´)及
びポリエポキシド(c´)は、例えば、下記したものが
使用できる。
【0040】反応性珪素基を含有するポリオール(a
´)としては、例えば、前記エチレン性不飽和基含有珪
素(化合物)縮合物、前記水酸基含有エチレン性不飽和
モノマー及び必要に応じて前記その他のエチレン性不飽
和モノマーをラジカル共重合反応させてなる共重合体が
使用できる。
【0041】反応性珪素基を含有するポリカルボン酸
(b´)としては、例えば、前記エチレン性不飽和基含
有珪素(化合物)縮合物、前記カルボキシル基含有エチ
レン性不飽和モノマー及び必要に応じて前記その他のエ
チレン性不飽和モノマーをラジカル共重合反応させてな
る共重合体が使用できる。
【0042】反応性珪素基を含有するポリエポキシド
(c´)としては、例えば、前記エチレン性不飽和基含
有珪素(化合物)縮合物、前記エポキシ基含有エチレン
性不飽和モノマー及び必要に応じて前記その他のエチレ
ン性不飽和モノマーをラジカル共重合反応させてなる共
重合体が使用できる。
【0043】上記した(a´)〜(c´)成分におい
て、(a´)としては、1分子中に、反応性珪素基を1
個以上及び水酸基を2個以上、水酸基価(約30〜1,
000、好ましくは約75〜300)のもの、(b´)
としては、1分子中に、反応性珪素基を1個以上及びカ
ルボキシル基を2個以上、酸価(約30〜1,000、
好ましくは約70〜300)のもの、(c´)として
は、1分子中に反応性珪素基を1個以上及びエポキシ基
を2個以上含有するものが好適である。また、上記した
(a´)〜(c´)は、通常、平均分子量約1,000
〜200,000の範囲のものが好適である。
【0044】組成物(II)は、(a)又は(a´)、
(b)又は(b´)、及び(c)又は(c´)の各成分
を、かつ(a´)、(b´)又は(C´)のいずれか1
種が配合されているものである。これらの成分の配合割
合は、これらの成分の総合計量で(a)又は(a´)成
分が約5〜95重量%、(b)又は(b´)成分が約5
〜95重量%及び(c)又は(c´)成分が約5〜95
重量%の範囲である。
【0045】塗料用硬化性樹脂組成物(III) 該組成物(III) は、水酸基及びエポキシ基含有物質
(e)、ポリカルボン酸(b)及び反応性珪素基含有物
質(d)を必須成分として含有するものである。
【0046】水酸基及びエポキシ基含有物質(e)は、
エポキシ基の数が1分子中に平均約1個以上、好ましく
は平均約2〜100個の範囲、水酸基価約10〜30
0、好ましくは約20〜200の範囲であって、平均分
子量約150〜200,000の範囲のものが好適であ
る。
【0047】水酸基及びエポキシ基含有物質(e)とし
ては、例えば、トリメチロールプロパンジグリシジルエ
ーテルなどの化合物;前記エポキシ基含有エチレン性不
飽和モノマー、前記水酸基含有エチレン性不飽和モノマ
ー及び必要に応じて前記その他のエチレン性不飽和モノ
マーとをラジカル重合させて得られる共重合体が挙げら
れる。
【0048】また、組成物(III) で用いるポリカルボン
酸(b)及び反応性珪素基含有物質(d)の各成分は前
記したものと同様のものが使用できる。
【0049】上記した(e)、(b)及び(d)成分
は、下記した割合になるように配合することが好まし
い。なお、割合は(e)、(b)及び(d)成分の総合
計量に基づく値である。 (e)成分:約5〜94重量%、好ましくは約15〜7
5重量%の範囲であり、約5重量%を下回ると塗膜の仕
上り外観、性能が低下し、一方約94重量%を上回ると
組成物の固型分が低下したり硬化性が低下したりするの
で好ましくない。 (b)成分:約5〜94重量%、好ましくは約10〜7
5重量%の範囲であり、該範囲をはずれると硬化性が低
下するので好ましくない。 (d)成分:約0.1〜50重量%、好ましくは約1〜
30重量%の範囲であり、該範囲をはずれると硬化性が
低下するので好ましくない。
【0050】塗料用硬化性樹脂組成物(IV) 該組成物(IV)は、水酸基及びエポキシ基含有物質
(e)、及びポリカルボン酸(b)の2成分の混合物で
あって、かつこれらの成分の1種以上のものに反応性珪
素基を含有するものである。該組成物(IV)で用いる反
応性珪素基を含有しない、水酸基及びエポキシ基含有物
質(e)及びポリカルボン酸(b)は前記と同様のもの
が使用できる。
【0051】また、該組成物(IV)で用いる反応性珪素
基を含有する、水酸基及びエポキシ基含有物質(e´)
及びポリカルボン酸(b´)としては、例えば下記した
ものが使用できる。
【0052】上記物質(e´)は、エポキシ基の数が1
分子中に平均約1個以上、好ましくは平均約2〜100
個の範囲、反応性珪素基の数が1分子中に平均約1個以
上の範囲、及び水酸基価約10〜1,000、好ましく
は約20〜300の範囲であり、平均分子量約1,00
0〜200,000の範囲のものが好適である。
【0053】上記物質(e´)としては、例えば、前記
エチレン性不飽和基含有珪素(化合物)縮合物、前記エ
ポキシ基含有エチレン性不飽和モノマー、前記水酸基含
有エチレン性不飽和モノマー及び必要に応じて前記その
他のエチレン性不飽和モノマーをラジカル共重合反応さ
せてなる共重合体が使用できる。
【0054】反応性珪素基を含有するポリカルボン酸
(b´)は、カルボキシル基を1分子中に2個以上、酸
価(約1〜300、好ましくは約2〜100)、反応性
珪素基を1分子中に約1個以上含有する平均分子量約
1,000〜200,000の範囲のものが好適であ
る。
【0055】上記ポリカルボン酸(b´)としては、例
えば、前記カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマ
ー、エチレン性不飽和基含有珪素(化合物)縮合物及び
必要に応じてその他のエチレン性不飽和モノマーをラジ
カル共重合反応させてなる共重合体が使用できる。
【0056】組成物(IV)は、(e)又は(e´)、及
び(b)又は(b´)の各成分を、かつ(a´)又は
(b´)のいずれか1種が配合されているものである。
これらの成分の配合割合は、これらの成分の総合計量で
(a)又は(a´)成分が約5〜95重量%、(b)又
は(b´)成分が約5〜95重量%及び(b)又は(b
´)成分が約5〜95重量%の範囲である。
【0057】本発明組成物において、上記した成分以外
に、必要に応じて有機溶剤、硬化触媒、着色顔料、体質
顔料、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、流動性調整剤及び
その他の塗料用添加剤等が配合できる。
【0058】有機溶剤の具体例としては、例えばトルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル
系、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコ
ール系等が挙げられる。
【0059】次に、本発明上塗り塗膜形成方法について
説明する。本発明方法は、素材に着色ベースコート及び
クリアートップコートを順次形成させてなる上塗り塗膜
形成方法であって、該着色ベースコート及びクリアート
ップコートのいずれか一方又は両者が、上塗り塗料組成
物として使用される前記塗料用硬化性樹脂組成物で形成
されるものである。特に、前記塗料用硬化性樹脂組成物
は、耐酸性、耐擦り傷性等に優れた塗膜を形成できるこ
とから、クリアートップコート用として用いることが好
ましい。また、該組成物は、低温硬化性に優れる。本発
明方法は、特に、自動車用、家電製品用、建材用等の上
塗り塗膜の形成方法として好適である。
【0060】本発明の上塗り塗膜形成方法としては、自
動車工業、家電製品工業、建材等の分野で公知の塗装
系、例えば、着色ベースコート/トップクリアーコート
を2コート1ベーク方式又は2コート1ベーク方式等で
仕上げる方法、着色ベースコート/トップクリアーコー
ト/トップクリアーコートを3コート1ベーク方式又は
3コート2ベーク方式等で仕上げる方法等が適用でき
る。
【0061】これらの方法のうち、特に2コート1ベー
ク方式で仕上げる方法が好ましい。以下、代表的な具体
例として、前記塗料用硬化性樹脂組成物をクリアートッ
プコート用として用いる2コート1ベーク方式による塗
装方法について説明する。
【0062】まず、前記素材上に、着色ベースコート用
塗料組成物を、通常スプレー塗装により塗装する。着色
ベースコート用塗料組成物としては、前記塗料用硬化性
樹脂組成物に着色顔料を配合した組成物又は自動車用等
としてそれ自体公知の着色ベースコート用塗料組成物を
使用する。
【0063】該公知の着色ベースコート用塗料組成物と
しては、例えば、アクリル樹脂/アミノ樹脂系、アルキ
ド樹脂/アミノ樹脂系、ポリエステル樹脂/アミノ樹脂
系、アクリル樹脂/ポリイソシアネート系、アルキド樹
脂/ポリイソシアネート系、ポリエステル樹脂/ポリイ
ソシアネート系等の硬化性組成物に着色顔料を配合した
塗料組成物を挙げることができる。ここで、アミノ樹脂
としては、特に、メラミン樹脂等を用いるのが好まし
い。
【0064】公知の着色ベースコート用塗料組成物の形
態としては、特に制限されず、例えば有機溶剤溶液型、
非水分散液型、水溶液型、水分散液型、ハイソリッド型
等の任意の形態のものが使用できる。
【0065】また、スプレー塗装に用いられる機器とし
ては、通常のエアースプレーガン、エアレススプレーガ
ン、エアースプレー方式静電塗装機、エアレススプレー
方式静電塗装機、回転霧化式静電塗装機等を用いること
ができる。
【0066】着色ベースコート用塗料組成物の膜厚は、
硬化後で、約10〜30μm 程度の範囲とするのが好ま
しい。着色ベースコート用塗料組成物を塗装した後、数
分間室温に放置するか、又は約50〜80℃程度の範囲
の温度で数分間強制乾燥した後、前記塗料用硬化性樹脂
組成物であるクリアートップコート用塗料組成物を塗装
する。
【0067】また、クリアートップコート用塗料組成物
の塗装方法及び塗装機器は、着色ベースコート用塗料組
成物の場合と同様で良い。クリアートップコート用塗料
組成物の膜厚は、硬化後で、約20〜80μm 程度の範
囲とするのが好ましい。次いで、着色ベースコート及び
クリアートップコートの両者を、同時に加熱硬化させ
る。加熱条件は、通常、100〜180℃程度で10分
〜2時間程度とするのが適当である。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、特定の塗料用硬化性樹
脂組成物を上塗り塗料組成物として用いたことにより、
特に、仕上り外観、耐酸性、耐擦り傷性、等に優れた塗
膜が形成できる。
【0069】
【実施例】以下、本発明を製造例、実施例及び比較例を
掲げて、更に具体的に説明する。
【0070】アクリルポリオールの製造例 2−ヒドロキシエチルアクリレート232g 、n−ブチ
ルメタクリレート618g 、スチレン150g 、アゾビ
スイソブチロニトリル20g の混合物を110℃のキシ
レン1,000g 中に滴下し、5時間反応させて平均分
子量20,000のアクリルポリオールを得た。
【0071】水酸基及びエポキシ基含有アクリル樹脂の
製造例 グリシジルメタクリレート213g 、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート232g 、2−エチルヘキシルメタク
リレート342g 、スチレン150g 及びアゾビスイソ
ブチロニトリル20g の混合物を110℃のキシレン
1,000g 中に滴下し、5時間反応させて平均分子量
20,000のアクリル樹脂を得た。
【0072】水酸基及び反応性珪素基含有アクリル樹脂
の製造例 「コルコートES40」(コルコート社製、テトラエチ
ルシリケートの平均約5量体、1分子中に平均約12個
のエトキシ基を有する、以下、同様の意味を示す。)8
50g 、2−ヒドロキシエチルメタクリレート150g
、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム0.1g
及びハイドロキノン1g の混合物を120℃、3時間
で53g 脱エタノールを行い、1分子中に平均1個のエ
チレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和基含有珪素
縮合物を得た。上記エチレン性不飽和基含有珪素縮合物
800g 、2−ヒドロキシエチルメタクリレート144
g 、スチレン56g 、アゾビスイソブチロニトリル20
g の混合物を110℃のキシレン1,000g 中に滴下
し、5時間反応させて平均分子量20,000のアクリ
ル樹脂を得た。
【0073】水酸基、エポキシ基及び反応性珪素基含有
アクリル樹脂の製造例 2−ヒドロキシエチルメタクリレート144g 、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート196
g 、前記エチレン性不飽和基含有珪素縮合物400g 、
2−エチルヘキシルメタクリレート110g 、スチレン
150g 及びアゾビスイソブチロニトリル20g の混合
物を110℃のキシレン1,000g 中に滴下し、5時
間反応させて平均分子量20,000のアクリル樹脂を
得た。
【0074】ポリカルボン酸の製造例 製造例1で得たアクリルポリオール1,000g に無水
コハク酸200g を添加し80℃で2時間ハーフエステ
ル化してポリカルボン酸を得た。
【0075】ポリエポキシドの製造例 グリシジルメタクリレート213g 、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート287g 、n−ブチルアクリレート3
00g 、スチレン200g 及びアゾビスイソブチロニト
リル20g の混合物を110℃のキシレン1,000g
中に滴下し、8時間反応させて平均分子量20,000
のポリエポキシドを得た。
【0076】反応性珪素基含有ポリエポキシドの製造例
グリシジルメタクリレート284g 、γ−メタクリロキ
シプロピルメトキシシラン243g 、n−ブチルアクリ
レート473g 及びアゾビスイソブチロニトリル20g
の混合物を110℃のキシレン1,000g 中に滴下
し、8時間反応させて平均分子量20,000の該ポリ
エポキシドを得た。
【0077】反応性珪素基含有樹脂の製造例 前記コルコートES40を530g 、ベンジルアルコー
ル470g 及びトリス(アセチルアセトナト)アルミニ
ウム0.1g の混合物を160℃、6時間で200g 脱
エタノールを行って該樹脂を得た。
【0078】反応性珪素基含有樹脂の製造例 前記コルコートES40を705g 、ヒドロキシエチル
アセテート295g 及びトリス(アセチルアセトナト)
アルミニウム0.1g の混合物を160℃、6時間で4
4g 脱エタノールを行って該樹脂を得た。
【0079】クリアートップコート用及び着色ベースコ
ート用塗料の製造 表1に記載した配合割合で製造した。なお、表1におい
て、メラミン樹脂はユーバン20SE(商標名、三井東
圧(株)製、ブチル化メラミン樹脂、固形分60重量
%)、アルミニウムペーストはアルミニウムペースト4
919(商標名、東洋アルミニウム(株)製、アルミニ
ウムフレーク、固形分65重量%)を用いた。
【0080】
【表1】
【0081】素材の調製 ダル鋼板(化成処理済)に、「エレクロンNo. 940
0」(商標名、関西ペイント(株)製、エポキシ樹脂系
カチオン電着塗料)を硬化膜厚が25μm になるように
塗装し、170℃で30分間加熱硬化させた後、中塗り
として「ESプライマーサーフェーサーTP−37」
(商標名、関西ペイント(株)製、ポリエステル樹脂/
メラミン樹脂系の自動車用中塗り塗料)を硬化膜厚が3
0μm になるように塗装し、140℃で30分間熱硬化
させた。次いで、#400サンドペーパーで塗膜を水研
し、水切り乾燥し石油ベンジンで塗面を拭いたものを素
材とした。
【0082】実施例1 以下の工程により、2コート1ベーク方式による塗装を
行った。着色ベースコート用塗料組成物(b−1)をキ
シロールで塗料粘度14秒(フォードカップNo. 4、2
0℃、以下、同様の意味を示す。)に調製した塗料を、
調製した素材に、硬化膜厚が約15μm になるようにス
プレー塗装して、素材に着色ベースコートを形成した。
次に、該着色ベースコートを3分間放置した後、クリア
ートップコート用塗料組成物(a−1)をキシロールで
塗料粘度25秒に調製した塗料を、硬化膜厚が約40μ
m になるようにスプレー塗装して、上記着色ベースコー
ト上にクリアートップコートを形成した。次いで、上記
着色ベースコート及びクリアートップコートの両塗膜
を、同時に、140℃で30分間加熱硬化して、上塗り
塗膜を形成した。
【0083】実施例2〜6及び比較例1及び2 表1に記載した着色ベースコート用塗料組成物及びクリ
アートップコート用塗料組成物を用いて、実施例1と同
様にして2コート1ベーク方式による塗装を行い、上塗
り塗膜を形成した。
【0084】次に、上記実施例及び比較例で形成した上
塗り塗膜について、仕上り性(外観、光沢、鮮映性)及
び塗膜性能試験を行った。 外観:表面状態の異常(ツヤボケ、チヂミ、ワレ、ハガ
レ、不透明性(ニゴリ))の有無を調べた。 光沢:60°鏡面反射率(%)を測定した。 鮮映性:「PGD−IV型計」(日本色彩研究所製、鮮
映性測定器)を用いて測定した。値が大きいほど、鮮映
性が良好であることを示す。 耐溶剤性:キシロールをしみこませたガーゼで塗面を1
0回払拭した後、塗面を観察し、次の基準に基づき評価
した。○は全く変化のないことを、△は塗面にキズが目
立つことを、×は塗面が膨潤し、白化傾向にあることを
それぞれ示す。
【0085】付着性:塗面にナイフを用いて約1.5mm
の幅で縦、横夫々11本の切目をゴバン目状に入れる。
次に、24mm幅のセロハン粘着テープを密着させ、強く
剥離した時の残存した付着ゴバン目の数を調べた。評価
基準は、次の通りである。○は残存数が100個を、△
は残存数が99〜95個を、×は残存数が94個以下を
それぞれ示す。 耐擦り傷性:染色物摩擦堅牢度試験機(大栄化学精器製
作所製)を用いて調べた。磨き粉(ダルマ・クレンザ
ー)を水で固練りして塗面に置き、その上を試験機端子
で押さえて、0.5kgの荷重をかけ、25往復摩擦し、
次の基準に基づき評価した。◎は初期光沢と比較して全
く変化のないことを、○は初期光沢と比較してわずかに
ツヤびけを生じたことを、△は初期光沢と比較してツヤ
びけを生じたことを、×は初期光沢と比較して著しくツ
ヤびけを生じたことをそれぞれ示す。
【0086】耐酸性:40重量%硫酸水0.4ccを塗面
に滴下し、75℃で15分間乾燥した後水洗を行い、滴
下した硫酸跡(エッチング)の深さ(μm )を測定し
た。 耐候性:ザQパネル社製のQUV式ウェザーメーター
(紫外線蛍光ランプ「No. QFS−40、UV−B」、
波長域320〜280nm)を用いて、温度40〜70℃
で照射(15分)と結露(15分)というサイクルを
2,000時間繰返した後の塗膜劣化の程度を観察し
た。 試験結果を表2に示す。
【0087】
【表2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリオール、(b)ポリカルボン
    酸、(c)ポリエポキシド及び(d)反応性珪素基含有
    物質の4成分の混合物を必須成分として含有することを
    特徴とする塗料用硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)ポリオール、(b)ポリカルボン
    酸及び(c)ポリエポキシドの3成分の混合物であっ
    て、かつこれらの成分の1種以上のものに反応性珪素基
    を含有することを特徴とする塗料用硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (e)水酸基及びエポキシ基含有物質、
    (b)ポリカルボン酸及び(d)反応性珪素基含有物質
    の3成分の混合物を必須成分として含有することを特徴
    とする塗料用硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (e)水酸基及びエポキシ基含有物質及
    び(b)ポリカルボン酸の2成分の混合物であって、か
    つこれらの成分の1種以上のものに反応性珪素基を含有
    することを特徴とする塗料用硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 素材に着色ベースコート及びクリアート
    ップコートを順次形成させてなる上塗り塗膜形成方法に
    おいて、該着色ベースコート及び/又はクリアートップ
    コートが請求項1、2、3又は4記載の塗料用硬化性樹
    脂組成物で形成されていることを特徴とする上塗り塗膜
    形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999003939A1 (fr) * 1997-07-16 1999-01-28 Kansai Paint Co., Ltd Composition de revetement thermodurcissable a teneur elevee en solides et procede de formation d'une couche de finition l'utilisant
JPH11343453A (ja) * 1998-06-01 1999-12-14 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 上塗り塗料用硬化性組成物及びそれを用いてなる塗装物

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