JPH08271449A - 分子配向測定装置および分子配向測定法 - Google Patents

分子配向測定装置および分子配向測定法

Info

Publication number
JPH08271449A
JPH08271449A JP9801795A JP9801795A JPH08271449A JP H08271449 A JPH08271449 A JP H08271449A JP 9801795 A JP9801795 A JP 9801795A JP 9801795 A JP9801795 A JP 9801795A JP H08271449 A JPH08271449 A JP H08271449A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microwave
waveguides
waveguide
sample
slit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9801795A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Nagata
永田紳一
Akira Kimura
晃 木村
Hiromasa Aihara
広征 粟飯原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Oji Paper Co Ltd filed Critical New Oji Paper Co Ltd
Priority to JP9801795A priority Critical patent/JPH08271449A/ja
Publication of JPH08271449A publication Critical patent/JPH08271449A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】ライン上を搬送される紙や高分子の連続シート
等の分子配向をオンラインで測定するのに適した分子配
向測定装置および分子配向測定法を提供する。 【構成】マイクロ波発振器1に減衰器4を介して少なく
とも3本の導波管3が接続される。導波管にはスリット
5が形成される。試料6がスリットを通過しつつ一定方
向に搬送される。導波管は内部を伝播するマイクロ波の
電界ベクトルが互いに異なる角度に向けられるように配
置される。各一対の導波管部分3a、3bは軸方向に相
対移動し得る。各導波管部分は内部に絞りを有する。マ
イクロ波強度検知部8からの検出出力が、増幅器11、
A/D変換器14を経て演算部15に入力される。演算
部は、検出データに基づいて、分子配向パターンを算出
し、配向角度、配向度を出力する。増幅器はポテンショ
メータ13を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子配向測定装置およ
び分子配向測定法、特に、ライン上を搬送される連続シ
ート状の試料の分子配向をオンラインで測定するのに適
した分子配向測定装置および分子配向測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の分子配向測定装置として、例え
ば、屈折率の異方性に基づく複屈折現象を利用して光学
的に異方性を測定する方式のものがある。しかし、この
装置においては、試料は可視光または近赤外光に対して
透明性を有していることが要求され、不透明な試料につ
いては測定できないという問題がある。
【0003】一方、マイクロ波共振器内においてマイク
ロ波を横切って配置した試料をマイクロ波の伝播方向に
垂直な面内で回転せしめ、透過マイクロ波強度の角度依
存性を検出し、誘電率の異方性を測定することによって
分子配向を測定する方式のものがある。この装置におい
ては、試料の光学的透明性とは無関係に分子配向を測定
することができ、より広い範囲にわたる試料について測
定が可能となる。
【0004】この装置は、図9に示したように、マイク
ロ波発振装置20およびマイクロ波検出装置21と、こ
れらの間に配置され、マイクロ波発振装置20からマイ
クロ波をマイクロ波検出装置21に導く導波管22を備
えている。そして、導波管の中間には、導波管の軸に直
角な方向に沿って一定間隔のスリット23が形成されて
いる。このスリット23内には、試料24が導波管の軸
に垂直な平面内で回転可能に配置される。
【0005】マイクロ波発振装置20から発振されたマ
イクロ波は導波管内に導入される。導波管内に導入され
たマイクロ波は、図10に示したように導波管内部にお
いて軸方向に定在波を形成し、スリット(試料24)の
位置には定在波の腹が位置するようになっている。マイ
クロ波は、試料中を透過した後、マイクロ波検出装置2
1によって検出される。こうして、試料を回転させなが
ら異なる周波数毎の透過マイクロ波強度が測定される。
【0006】測定結果は図11のグラフのようになる。
図11のグラフにおいて、試料の各回転角度毎に、周波
数−透過マイクロ波強度曲線の半値幅における高周波側
の周波数f1 が求められる。そして、その周波数f1
おける(強度,回転角度)の各値が求められ(これをグ
ラフに表すと図12に示したようになる)、求められた
(強度,回転角度)の各値が極座標にプロットされる。
このとき、試料が誘電率の異方性を有しない場合には極
座標に円が描かれるが、異方性を有する場合には、図1
3に示したように楕円が描かれる。そして、この楕円の
短軸の向きを算出することによって配向角度(配向方
向)が、長軸の長さ/短軸の長さの比を算出することに
よって配向度がそれぞれ求められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のマ
イクロ波を利用して誘電率の異方性を測定する方式の分
子配向測定装置によれば、光学的に不透明な試料に対し
ても容易に測定が行える。しかしながら、この装置では
導波管と試料を相対的に回転させねばならないので、ラ
イン上を搬送される紙や高分子の連続シート等の不良品
検査を行うべく、この装置を用いて分子配向をオンライ
ンで測定しようとすると、シートを一定長ずつ間欠搬送
しながら導波管をシートに対して回転させる必要があ
る。これを達成するための構成は非常に複雑で、装置の
調整も容易ではなく、ライン搬送速度の低下も避けられ
ない。
【0008】したがって、本発明の課題は、ライン上を
搬送される紙や高分子の連続シート等の分子配向をオン
ラインで測定するのに適した分子配向測定装置および分
子配向測定法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するた
め、本発明は、マイクロ波発振手段と、一端がマイクロ
波発振手段に接続された少なくとも3本の方形導波管
と、少なくとも3本の導波管の他端にそれぞれ接続され
たマイクロ波検出手段と、マイクロ波検出手段からの検
出データに基づいて分子配向パターンを算出し、配向角
度および配向度を出力する演算手段を備え、導波管はそ
れぞれの軸が互いに平行になるように配置され、導波管
のそれぞれの中間には各導波管をその軸に垂直な方向に
横断する平面に沿ってスリットが形成され、スリット内
には前記横断平面に沿って試料が挿入され、各導波管は
内部を伝播するマイクロ波の電界ベクトルが前記横断平
面内において互いに異なる角度に向けられるように配置
されており、さらに、スリットを挟んで対向する各一対
の導波管部分のそれぞれの内部に配置された絞り手段
と、マイクロ波発振手段と前記各導波管との間に配置さ
れ、マイクロ波の出力を調整する減衰器を備え、さら
に、マイクロ波検出手段は、マイクロ波強度検知器と、
マイクロ波強度検知器に接続された検波器と、検波器に
接続された増幅器と、増幅器からの出力信号をディジタ
ル信号に変換して演算手段に出力するアナログ/ディジ
タル変換器と、マイクロ波強度検知器の感度または増幅
器のゲインを調節するための手段を有していることを特
徴とする分子配向測定装置を構成したものである。
【0010】本発明の好ましい実施例によれば、スリッ
トを挟んで対向する各一対の導波管部分を導波管の軸方
向に相対移動せしめてスリットの間隔を調整する手段が
備えられる。本発明の別の好ましい実施例によれば、試
料は横断平面に沿って一定方向に搬送されながらスリッ
ト内に挿入され、少なくとも3本の導波管は、それらの
軸が試料の搬送方向に沿ってほぼ一直線上に互いに所定
間隔をおいて並ぶように配置されており、試料の搬送方
向における下流側のマイクロ波検出手段からの出力信号
のサンプリング時刻が隣接する上流側のマイクロ波検出
手段からの出力信号のサンプリング時刻よりも、試料が
各導波管の軸間距離だけ搬送される時間間隔だけ遅れる
ように各マイクロ波検出手段からの出力信号のサンプリ
ングのタイミングを制御する手段が備えられる。
【0011】本発明のさらに別の好ましい実施例によれ
ば、少なくとも3本の導波管は、導波管の軸に垂直な断
面が各導波管の軸に平行に配置された対称軸から放射状
にのびるように配置されている。
【0012】また、本発明は、上記の課題を解決するた
め、少なくとも3本の方形導波管をそれぞれの軸が互い
に平行になるように配置し、導波管のそれぞれの中間に
は各導波管をその軸に垂直な方向に横断する平面に沿っ
てスリットを形成し、スリットを挟んで対向する各一対
の導波管部分のそれぞれの内部に絞りを配置し、スリッ
ト内には前記横断平面に沿って試料を挿入し、導波管の
それぞれの一端から導波管内にマイクロ波を導入し、各
導波管をその内部を伝播するマイクロ波の電界ベクトル
が前記横断平面内において互いに異なる角度に向けられ
るように配置し、導波管のそれぞれの他端において試料
を透過するマイクロ波強度を検知器によって検知し、検
知信号を増幅器によって増幅し、増幅信号をディジタル
信号に変換して測定データを得るようにし、測定に先立
って、各導波管のスリットの間隔および絞りの口径を変
化させることによって各導波管の共振周波数および共振
曲線がほぼ同一となるように調整を行った後、各導波管
に導入するマイクロ波の強度を変化させることによって
透過マイクロ波強度を微調整し、その後、マイクロ波強
度検知器の感度または増幅器のゲインを調整することに
より、標準試料を各スリット内に挿入した場合の周波数
−透過マイクロ波強度曲線の半値幅の高周波側周波数に
おける透過マイクロ波強度がすべての導波管について同
一になるように微調整を行い、その後、導波管のそれぞ
れの他端において試料を透過するマイクロ波強度を測定
し、得られた測定データに基づいて分子配向パターンを
算出し、配向角度および配向度を求めることを特徴とす
る分子配向測定法を構成したものである。
【0013】
【作用】上記構成を有する装置において、測定に先立っ
て、すべての導波管の共振器系の特性(共振周波数、共
振曲線(共振の強さ、鋭さ、Q値))を一致させるべく
調整がなされる。すなわち、まず最初、各導波管のスリ
ットの間隔および絞りの口径を変化させることにより、
各導波管の共振周波数および共振曲線がほぼ同一となる
ように調整がなされ、その後、減衰器によって透過マイ
クロ波強度が微調整される。さらに、マイクロ波強度検
知器の感度または増幅器のゲインが調整されることによ
り、標準試料を各スリット内に挿入した場合の周波数−
透過マイクロ波強度曲線の半値幅における高周波側周波
数における透過マイクロ波強度がすべての導波管につい
て同一になるように微調整がなされる。
【0014】調整の後、測定が開始される。導波管のそ
れぞれについて、マイクロ波検出手段によって異なる周
波数毎に透過マクロ波強度が測定される。演算手段は、
各導波管毎にマイクロ波検出手段からの出力に基づいて
求められた周波数−透過マイクロ波強度曲線のそれぞれ
について、半値幅における高周波側周波数での透過マイ
クロ波強度Ij (j=1,2,3,・・・)を求める。
演算手段は、さらに、求めた透過マイクロ波強度Ij
それに関係する導波管の測定角度θj (導波管の内部を
伝播するマイクロ波の電界ベクトルが試料搬送方向とな
す角度をいう)の各組(Ij ,θj )を極座標にプロッ
トし、極座標上のすべての点(Ij ,θj )を通る楕円
を求めることによって配向パターンを算出し、楕円の短
軸の向きから配向角度を、楕円の長軸の長さ/短軸の長
さの比から配向度をそれぞれ算出して結果を出力する。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明の好ま
しい実施例について説明する。図1は、本発明による分
子配向測定装置の1実施例を概略的に示した図である。
図1に示すように、本発明による分子配向測定装置は、
マイクロ波発振器1と、マイクロ波発振器1に接続さ
れ、マイクロ波発振器1から発振されたマイクロ波を予
め決定される個数に等分割するパワースプリッタ2と、
一端がパワースプリッタ2に接続された同一規格の3本
の方形導波管3を備えている。この実施例では、装置は
3本の方形導波管を備えているが、導波管の本数はこれ
に限定されるものではなく、少なくとも3本以上であれ
ばよい。また、各導波管3とパワースプリッタ2との間
には、それぞれ減衰器4が接続されている。
【0016】導波管3は、上下方向に、それぞれの軸が
互いに平行になるように配置されている。また、導波管
3のそれぞれの中間には、各導波管3をその軸に垂直な
方向に横断する平面に沿ってスリット5が形成され、ス
リット5内には前記横断平面に沿って一定方向Xに搬送
される連続シート状の試料6が挿入されるようになって
いる。スリット5の間隔は、導波管の長さに比べてかな
り小さいほうが好ましいが、搬送される連続シート状試
料に対しては、例えば導波管の長さが200〜300mm
程度の場合、スリットの間隔をその1/15〜1/30
程度、絶対値で10〜15mm程度に設定することが好ま
しい。
【0017】各導波管3は内部を伝播するマイクロ波の
電界ベクトルが試料の搬送方向Xに対して互いに異なる
角度に向けられるように配置されている。これらの導波
管3の試料に対する配置としては種々の配置が可能であ
るが、この実施例では、図2に示したように、各導波管
3は、それらの軸がそれぞれ試料の搬送方向Xに沿って
ほぼ一直線上に互いに一定間隔Lをおいて並ぶように配
置される。これ以外に、例えば、図3に示したように、
3本の導波管を、導波管の軸に垂直な断面が各導波管の
軸に平行に配置された対称軸から放射状にのびるように
配置する構成としてもよい。
【0018】スリット5を挟んで対向する各一対の導波
管部分は、図示はしない適当な手段によって、導波管の
軸方向に相対移動可能に支持され、各対をなす導波管部
分の相対移動によってスリット5の間隔が調整できるよ
うになっている。導波管部分の各対のうちの上側導波管
部分3aの上端部には、管内部にアンテナ(図示せず)
が配置されたマイクロ波導入部7が設けられており、こ
のアンテナを介してマイクロ波が導波管内に導入され
る。また、導波管部分の各対のうちの下側導波管部分3
bの下端部には、管内部にアンテナ(図示せず)が配置
されたマイクロ波強度検知部8が設けられている。こう
して、マイクロ波導入部7から導波管3内に導入された
マイクロ波は、導波管内部において軸方向に定在波を形
成しつつスリット5内に配置された試料6を透過し、マ
イクロ波強度検知部8のアンテナによって受信、検出さ
れ、試料を透過したマイクロ波の電界強度に応じた出力
が取り出される。このとき、スリット5の位置には定在
波の腹が位置するようになっている。
【0019】図4に示したように、各上側導波管部分3
aおよび下側導波管部分3bの内部には、それぞれ定在
波の節の位置に絞り(アイリス)9が配置されている。
絞り9は口径を調節可能な絞り孔9aを有している。各
導波管3のマイクロ波強度検知部にはそれぞれ検波ダイ
オード10が接続され、各検波ダイオード10にはそれ
ぞれ増幅器11が接続されている。さらに、増幅器11
はそれぞれアナログ入力マルチプレクサ12に接続され
ている。また、各増幅器11にはそれぞれ、増幅器のゲ
インを調整可能なポテンショメータ13が並列接続され
ている。
【0020】アナログ入力マルチプレクサ12には、ア
ナログ/ディジタル変換器15が接続されており、各増
幅器11からの出力が、アナログ入力マルチプレクサ1
2によってアナログ/ディジタル変換器14に順次切替
え入力され、ここでディジタル信号に変換される。アナ
ログ/ディジタル変換器14から出力されたディジタル
信号は、演算部15に入力される。
【0021】演算部15には、CRTまたは液晶表示や
プリンタ等の出力装置16、およびキーボード等の入力
装置17が接続されている。
【0022】次に、上記構成を有する本発明による分子
配向測定装置の作動方法を以下に説明する。まず測定に
先立って3本の導波管3の共振器系の各特性(共振周波
数、共振曲線(共振の強さ、鋭さ、Q値))を一致させ
るべく調整がなされる。
【0023】最初、各導波管毎にスリット5の間隔およ
び絞り9の絞り孔9aの口径を調整することによって粗
調整がなされた後、減衰器4を調整することによって微
調整がなされる。これを図5を参照して説明すると、ス
リット5の間隔が変化すると周波数−透過マイクロ波強
度曲線(Q曲線)の共振周波数fc が変化し、絞り9の
口径が変化すると共振曲線(共振の強さ、鋭さ、Q値)
が変化する。こうして、スリット5の間隔および絞り9
の口径を変化させることにより、各導波管の共振周波数
およびQ値がほぼ同一となるように調整がなされる。次
に、各導波管毎に、減衰器4によってマイクロ波の出力
が調整されて共振器系が微調整される。
【0024】さらに、増幅器11に並列接続されたポテ
ンショメータ13によってゲインが調整され、各共振器
系の最終的な微調整がなされる。増幅器11のゲインが
変化すると、図6に示したようにマイクロ波透過強度が
変化する。このとき、調整のための標準シートが各導波
管毎に独立に、そのスリット内に配置される。標準シー
トは、すべての導波管について、導波管内を伝播するマ
イクロ波の電界ベクトルに対して同一方向を向くように
配置され、その時のQ曲線の半値幅の高周波側の周波数
s における透過マイクロ波強度Ps が増幅後のレベル
において同一になるようにゲインが調整される。この実
施例では、ポテンショメータによって増幅器のゲインの
調整を行うようにしたが、ポテンショメータの代わりに
(アナログまたはディジタルの)係数器を用いてゲイン
調整を行うこともできる。また、この実施例では、増幅
器のゲインの調整によって共振器系の最終的な微調整を
行うようにしたが、この微調整は、マイクロ波強度検知
部の感度を調整することによっても行うことができ、も
ちろんこの場合には、ポテンショメータを省くことがで
きる。しかしながら、ポテンショメータまたは係数器に
よるゲイン調整の方が、マイクロ波強度検知部の感度調
整よりも微調整に適している。これらの調整の結果、3
本の導波管の共振器系はすべて実質上同一の特性を有す
るようになる。
【0025】調整の後、実際の測定が開始される。図1
に示したように、連続シート状の試料6が、搬送機構
(図示せず)によって、導波管3のスリット5をすべて
通過するように一定方向Xに搬送される。図示はしない
が、搬送機構には、試料の搬送に連動するエンコーダが
設けられている。それぞれの導波管内にマイクロ波が導
入され、マイクロ波強度検知部8は、検知した透過マイ
クロ波電界強度に応じた出力を発生する。マイクロ波強
度検知部8からの出力は、検波ダイオード10並びに増
幅器11を経てアナログ入力マルチプレクサ12に入力
される。
【0026】アナログ入力マルチプレクサ12は、試料
の搬送方向における下流側のマイクロ波強度検知部8か
らの出力信号のサンプリング時刻が隣接する上流側のマ
イクロ波検知部からの出力信号のサンプリング時刻より
も、試料が各導波管の軸間距離Lだけ搬送される時間間
隔だけ(試料の搬送速度をVとすれば、t=L/Vだ
け)遅れるように各マイクロ波強度検知部からの出力信
号のサンプリングのタイミングを制御する。こうして、
演算部15には、各導波管について、試料上の同一領域
の透過マイクロ波強度信号が入力される。
【0027】なお、3本の導波管を図3に示したように
配置する構成とした場合には、各マイクロ波強度検知部
からの出力信号のサンプリングのタイミングを遅延させ
る必要はなく、各マイクロ波強度検知部からの出力信号
のサンプリングを同時に行うようにすればよい。ただ
し、この場合には、試料は一定距離ずづ間欠搬送される
か、あるいは試料が連続搬送されるとともに一定時間が
経過する毎に演算部への入力がなされるようにする必要
がある。
【0028】演算部15には、また、搬送機構のエンコ
ーダから出力される測定位置信号と、マイクロ波発振器
に設けられた周波数カウンタ(図示せず)から出力され
る測定周波数信号が入力される。さらには、各導波管の
測定角度(導波管の内部を伝播するマイクロ波の電界ベ
クトルが試料搬送方向となす角度をいう)、試料番号等
のデータが予め入力装置17を通じて演算部15に入力
される。
【0029】演算部15は、入力された測定データ(透
過マイクロ波強度、測定周波数、測定位置、各導波管の
測定角度、試料番号等のデータ)に基づいて、配向角
度、配向度、配向パターン、誘電率その他を算出し、結
果を出力装置16に出力する。この過程を以下に説明す
る。まず最初、演算部15は、各導波管毎に求められた
周波数−透過マイクロ波強度曲線のそれぞれについて、
半値幅における高周波側周波数での透過マイクロ波強度
を求める。この過程を図7に示した。図7において、曲
線A、B、Cはそれぞれ、試料搬送方向における上流側
導波管、中央導波管および下流側導波管によって求めら
れた周波数−透過マイクロ波強度曲線である。また、f
1 は半値幅における高周波側周波数を、I1 、I2 、I
3 はそれぞれA、BおよびCにおけるf1 での透過マイ
クロ波強度を表している。
【0030】演算部15は、求めたI1 、I2 、I
3 と、そのときの導波管の測定角度θ1、θ2 、θ3
それぞれの組(Ii , θi ) (i=1,2,3)を極座
標にプロットする。このとき、試料に誘電率の異方性が
あると、極座標上において各点(Ii , θi ) の軌跡は
1つの楕円を形成することが知られているから、演算部
15は、極座標上の3つの点(Ii , θi ) から、適当
な近似計算法、例えばニュートンラプソン法を用いて対
応する楕円、すなわち配向パターンを求める。そして、
演算部15は、楕円の短軸の向きφを算出することによ
って配向角度を、楕円の長軸/短軸の比から配向度を求
める。配向パターンを求める過程から容易にわかるよう
に、配置される導波管の本数が多い程、測定精度が向上
する。
【0031】配向パターン、配向角度および配向度は、
演算部15から出力装置16に出力され、例えば、CR
T画面上に表示され、あるいはプリンタによってプリン
トアウトされる。なお、演算部15は、入力された測定
データから試料の誘電率を算出し、これに基づいて誘電
率パターンおよび誘電率の配向パターンを導出すること
もできる。
【0032】こうして、本発明による分子配向測定装置
によれば、少なくとも3本以上の導波管を、それらの内
部を伝播するマイクロ波の電界ベクトルの向きが連続シ
ート状の試料の搬送方向に対して互いに異なるように配
置し、各導波管による測定データから近似計算によって
配向パターンを求めるようにしたので、ライン上を搬送
される連続シート状の試料の分子配向をオンラインで測
定することができる。さらには、測定に先立って、各導
波管の共振器系の共振周波数、共振曲線(共振の強さ、
鋭さ)等の特性を一致させることができるので、高精度
の分子配向測定が可能となる。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、ライン上を搬送される紙や高分子の連続シート等の
分子配向をオンラインで測定することができる。よっ
て、本発明を紙、高分子フィルム等の製造工程における
品質管理に適用することができる。また、本発明によれ
ば、分子配向測定装置の各導波管の共振器系の各特性が
同一となるように調整することができるので、極めて高
精度での分子配向測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による分子配向測定装置の1実施例の構
成を示す概略図である。
【図2】図1に示した分子配向測定装置の各導波管の配
置の仕方の1例を示す上面図である。
【図3】図1に示した分子配向測定装置の各導波管の配
置の仕方の別の例を示す上面図である。
【図4】図1に示した分子配向測定装置の導波管の構造
を示す斜視図である。
【図5】図1に示した分子配向測定装置の各導波管の共
振器系の各特性を一致させるための調整動作を説明する
グラフである。
【図6】図1に示した分子配向測定装置の各導波管の共
振器系の各特性を一致させるための調整動作を説明する
グラフである。
【図7】図1に示した分子配向測定装置による測定結果
を示すグラフである。
【図8】図7のグラフにおいて、各周波数−透過マイク
ロ波強度曲線の半値幅における高周波側の周波数f1
対して求められた(回転角度、強度)の各値を極座標に
プロットしたグラフである。
【図9】従来の分子配向測定装置の構成を示す概略図で
ある。
【図10】図9に示した分子配向測定装置の作動状態を
示す概略図である。
【図11】図9に示した分子配向測定装置による測定結
果を示すグラフである。
【図12】図11のグラフにおいて、試料の各回転角度
毎に周波数−透過マイクロ波強度曲線の半値幅における
高周波側の周波数f1 に対して求められた(回転角度、
強度)の各値をプロットしたグラフである。
【図13】図11のグラフにおいて、試料の各回転角度
毎に周波数−透過マイクロ波強度曲線の半値幅における
高周波側の周波数f1 に対して求められた(回転角度、
強度)の各値を極座標にプロットしたグラフである。
【符号の説明】
1 マイクロ波発振器 2 パワースプリッタ 3 導波管 4 減衰器 5 スリット 6 試料 7 マイクロ波導入部 8 マイクロ波強度検知部 9 絞り 9a 絞り孔 10 検波ダイオード 11 増幅器 12 アナログ入力マルチプレクサ 13 ポテンショメータ 14 アナログ/ディジタル変換器 15 演算部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波発振手段と、 一端が前記マイクロ波発振手段に接続された少なくとも
    3本の方形導波管と、 前記少なくとも3本の導波管の他端にそれぞれ接続され
    たマイクロ波検出手段と、 前記マイクロ波検出手段からの検出データに基づいて分
    子配向パターンを算出し、配向角度および配向度を出力
    する演算手段を備え、 前記導波管はそれぞれの軸が互いに平行になるように配
    置され、前記導波管のそれぞれの中間には前記各導波管
    をその軸に垂直な方向に横断する平面に沿ってスリット
    が形成され、前記スリット内には前記横断平面に沿って
    試料が挿入され、前記各導波管は内部を伝播するマイク
    ロ波の電界ベクトルが前記横断平面内において互いに異
    なる角度に向けられるように配置されており、さらに、 前記スリットを挟んで対向する各一対の導波管部分のそ
    れぞれの内部に配置された絞り手段と、 前記マイクロ波発振手段と前記各導波管との間に配置さ
    れ、マイクロ波の出力を調整する減衰器を備え、さら
    に、 前記マイクロ波検出手段は、マイクロ波強度検知器と、
    前記マイクロ波強度検知器に接続された検波器と、前記
    検波器に接続された増幅器と、前記増幅器からの出力信
    号をディジタル信号に変換して前記演算手段に出力する
    アナログ/ディジタル変換器と、前記マイクロ波強度検
    知器の感度または前記増幅器のゲインを調節するための
    手段を有していることを特徴とする分子配向測定装置。
  2. 【請求項2】 前記スリットを挟んで対向する各一対の
    導波管部分を導波管の軸方向に相対移動せしめて前記ス
    リットの間隔を調整する手段を備えていることを特徴と
    する請求項1に記載の分子配向測定装置。
  3. 【請求項3】 前記試料は前記横断平面に沿って一定方
    向に搬送されながら前記スリット内に挿入され、前記少
    なくとも3本の導波管は、それらの軸が前記試料の搬送
    方向に沿ってほぼ一直線上に互いに所定間隔をおいて並
    ぶように配置されており、前記試料の搬送方向における
    下流側の前記マイクロ波検出手段からの出力信号のサン
    プリング時刻が隣接する上流側の前記マイクロ波検出手
    段からの出力信号のサンプリング時刻よりも、前記試料
    が前記各導波管の軸間距離だけ搬送される時間間隔だけ
    遅れるように前記各マイクロ波検出手段からの出力信号
    のサンプリングのタイミングを制御する手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分子配
    向測定装置。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも3本の導波管は、前記導
    波管の軸に垂直な断面が前記各導波管の軸に平行に配置
    された対称軸から放射状にのびるように配置されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分子
    配向測定装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも3本の方形導波管をそれぞれ
    の軸が互いに平行になるように配置し、前記導波管のそ
    れぞれの中間には前記各導波管をその軸に垂直な方向に
    横断する平面に沿ってスリットを形成し、前記スリット
    を挟んで対向する各一対の導波管部分のそれぞれの内部
    に絞りを配置し、前記スリット内には前記横断平面に沿
    って試料を挿入し、前記導波管のそれぞれの一端から前
    記導波管内にマイクロ波を導入し、前記各導波管をその
    内部を伝播するマイクロ波の電界ベクトルが前記横断平
    面内において互いに異なる角度に向けられるように配置
    し、前記導波管のそれぞれの他端において前記試料を透
    過するマイクロ波強度を検知器によって検知し、検知信
    号を増幅器によって増幅し、増幅信号をディジタル信号
    に変換して測定データを得るようにし、測定に先立っ
    て、前記各導波管の前記スリットの間隔および前記絞り
    の口径を変化させることによって前記各導波管の共振周
    波数および共振曲線がほぼ同一となるように調整を行っ
    た後、前記各導波管に導入するマイクロ波の強度を変化
    させることによって前記透過マイクロ波強度を微調整
    し、その後、前記マイクロ波強度検知器の感度または前
    記増幅器のゲインを調整することにより、標準試料を前
    記各スリット内に挿入した場合の周波数−透過マイクロ
    波強度曲線の半値幅の高周波側周波数における透過マイ
    クロ波強度がすべての前記導波管について同一になるよ
    うに微調整を行い、その後、前記導波管のそれぞれの他
    端において前記試料を透過するマイクロ波強度を測定
    し、得られた測定データに基づいて分子配向パターンを
    算出し、配向角度および配向度を求めることを特徴とす
    る分子配向測定法。
JP9801795A 1995-03-29 1995-03-29 分子配向測定装置および分子配向測定法 Pending JPH08271449A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9801795A JPH08271449A (ja) 1995-03-29 1995-03-29 分子配向測定装置および分子配向測定法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9801795A JPH08271449A (ja) 1995-03-29 1995-03-29 分子配向測定装置および分子配向測定法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08271449A true JPH08271449A (ja) 1996-10-18

Family

ID=14208085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9801795A Pending JPH08271449A (ja) 1995-03-29 1995-03-29 分子配向測定装置および分子配向測定法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08271449A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998044340A1 (fr) * 1997-03-28 1998-10-08 Oji Paper Co., Ltd. Instrument de mesure d'orientations
JP2002350362A (ja) * 2001-05-24 2002-12-04 Oji Paper Co Ltd 配向測定装置
JP2006349425A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Oji Paper Co Ltd 坪量測定方法及び装置
JP2010237135A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 木材含水率同定装置および木材含水率同定方法
JP2011501166A (ja) * 2007-10-23 2011-01-06 ハネウェル・アスカ・インコーポレーテッド ストークスパラメータを用いて繊維材料を特徴付けるためのシステム及び方法
CN108267642A (zh) * 2017-12-18 2018-07-10 河南师范大学 一种微流体电特性微波检测装置
WO2022254853A1 (ja) * 2021-06-03 2022-12-08 コニカミノルタ株式会社 検査システム、及び検査方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998044340A1 (fr) * 1997-03-28 1998-10-08 Oji Paper Co., Ltd. Instrument de mesure d'orientations
US6396288B1 (en) 1997-03-28 2002-05-28 Oji Paper Co., Ltd Orientation measuring instrument
USRE40488E1 (en) * 1997-03-28 2008-09-09 Oji Paper Co., Ltd. Orientation measuring instrument
JP2002350362A (ja) * 2001-05-24 2002-12-04 Oji Paper Co Ltd 配向測定装置
JP2006349425A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Oji Paper Co Ltd 坪量測定方法及び装置
JP2011501166A (ja) * 2007-10-23 2011-01-06 ハネウェル・アスカ・インコーポレーテッド ストークスパラメータを用いて繊維材料を特徴付けるためのシステム及び方法
JP2010237135A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 木材含水率同定装置および木材含水率同定方法
CN108267642A (zh) * 2017-12-18 2018-07-10 河南师范大学 一种微流体电特性微波检测装置
CN108267642B (zh) * 2017-12-18 2023-06-06 河南师范大学 一种微流体电特性微波检测装置
WO2022254853A1 (ja) * 2021-06-03 2022-12-08 コニカミノルタ株式会社 検査システム、及び検査方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Truax et al. Laser Doppler velocimeter for velocity and length measurements of moving surfaces
US7837833B2 (en) Method for characterizing fibrous materials using stokes parameters
JPH02248846A (ja) 製品の湿度を測定する方法とその装置
EP0176827B1 (en) Method and apparatus for simultaneously determining gauge and orientation of polymer films
JPH0120375B2 (ja)
US6738137B2 (en) Measurement of waveplate retardation using a photoelastic modulator
US3953128A (en) Process and apparatus for filament or slit size monitoring
JPH08271449A (ja) 分子配向測定装置および分子配向測定法
JPH01163645A (ja) シート状材料の高周波特性測定装置
JPH11508047A (ja) 紙又は板紙の網状組織内の繊維の方位を定める方法及び装置
WO2020066828A1 (ja) 測定装置、および測定方法
EP0973025B1 (en) Orientation measuring instrument
JP4588601B2 (ja) 分光方法及び分光装置
JPH07270342A (ja) 分子配向測定方法及び装置
JPH09269301A (ja) マイクロ波による配向性測定装置
JPS62288556A (ja) 含水率検出器
JP2012251860A (ja) 光学測定装置、光学測定方法および同測定方法を用いた光学フィルムの製造方法
SU1753379A1 (ru) Способ измерени толщины диэлектрических покрытий металлов и устройство дл его осуществлени
JP3276033B2 (ja) 光伝送媒体の等価屈折率ならびに屈折率測定装置および測定方法
KR102568613B1 (ko) 휨 보정 기능을 갖는 필름 두께 측정시스템
JPH049467B2 (ja)
EP0701105A1 (en) Method and apparatus for controlling the cross-sectional dimensions of optical fibers during fabrication
JP3442179B2 (ja) 位相差値測定装置
JPH05293884A (ja) 高分子延伸制御装置
JPH06229912A (ja) 配向性測定装置