JPH08270894A - 二重殻タンク側壁部の保冷構造 - Google Patents

二重殻タンク側壁部の保冷構造

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JPH08270894A
JPH08270894A JP9749595A JP9749595A JPH08270894A JP H08270894 A JPH08270894 A JP H08270894A JP 9749595 A JP9749595 A JP 9749595A JP 9749595 A JP9749595 A JP 9749595A JP H08270894 A JPH08270894 A JP H08270894A
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JP
Japan
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tank
glass wool
heat insulating
insulating material
side wall
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Pending
Application number
JP9749595A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Hirose
仁志 廣瀬
Kaoru Matsuo
馨 松尾
Mikio Yoshii
幹男 吉井
Kazuaki Shimono
和昭 下野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Kanetsu KK
Meisei Industrial Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kanetsu KK
Meisei Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 厳しい下地処理が不要で、断熱材の沈降や継
ぎ目の欠陥による断熱性能の低下を起こさない二重殻タ
ンクの側面の断熱構造を提供する。 【構成】 二重殻タンクの外槽内面に高密度グラスウー
ルからなる保冷材を取り付ける。 【効果】 外槽内壁面に高密度グラスウールを取り付け
たので、施工後にタンクの内側に対する補修、メンテナ
ンスが容易に行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は天然ガス、エチレン、プ
ロパン、アンモニア、ブタン等の液化温度が常温よりも
低いガス体を、液化状態で貯蔵する低温二重殻タンクに
おける側壁部の保冷構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種二重殻タンクの側壁部を保
冷するための手段は、二重殻タンク運転時における内槽
の収縮変位を吸収するため、低密度グラスウールを、内
槽の外表面に取付け、外槽内面との残存空隙部にはパー
ライト粉粒を充填するパーライト充填工法か、外槽の内
面に硬質ポリウレタンフォームを吹き付ける工法、パネ
ル工法、注入工法、或いはそれらの併用による工法で取
り付けるウレタン工法があった。
【0003】また実用化されてはいないが、グラスウー
ルを内外槽間に充填するか、内槽外面か外槽内面の何れ
かにグラスウールを取り付け、その際グラスウール内部
のガスの対流による断熱性能の低下を防止するため、一
定高さ毎に対流防止板を取り付ける工法が特公昭56−
44320号公報、実公昭58−58−76898号公
報、実公昭58−146198号公報等の記載によって
公知となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記公知
の断熱手段のうち、パーライト充填工法は、タンクの運
転後にパーライトの沈降による空隙部が発生して断熱性
能が低下する欠点のあることが指摘され、また、一旦パ
ーライト粉粒を充填してしまうと、爾後における内、外
槽の検査、補修が全く行えないという欠点を抱えてい
る。
【0005】またウレタン工法、吹き付け工法、及び注
入工法ではパネルの継ぎ目に断熱欠陥が発生しやすいと
いう問題のあることが指摘されている。
【0006】更にまた、上記刊行物により公知となって
いる対流防止板を組合せたグラスウール工法の場合、理
論的に可能ではあるが、有効な断熱性能が現実に得られ
るとの確証が得られていない。
【0007】
【発明の背景】従来よりグラスウールのような繊維質断
熱材は、密度が軽いものほど内部対流の影響が大きく、
各種規格に従った熱伝導率の測定結果を実際のタンクの
ような大スケールには適用できないと言われており、各
種機関において多くの研究が行われてきた。
【0008】それらの結果を基に一連の実験を繰り返し
行い、グラスウールのような繊維質断熱材においても密
度をある範囲、すわなち36Kg/m3 以上にすれば、たとえ
垂直壁面に施工されても断熱性能に影響を与える対流の
発生を抑えられることが証明された。
【0009】その結果は、断熱性能に影響を与える対流
は実際はグラスウールのガス透過率と、断熱材の高さ/
厚さの比率に関係することが証明された、このガス透過
率はグラスウールの密度で決定されるものであり、結果
的には実用的なタンクのサイズを考慮すれば、グラスウ
ールの密度を36Kg/m3 以上にすれば、低温二重殻タンク
の側壁部保冷材として充分に使用できることがわかっ
た。
【0010】本発明は、内部のガス体の対流がなくなる
範囲以上の高密度グラスウール(密度36Kg/m3 以上)
を、外槽の内面に取り付けた係止用ボルトを利用する等
の手段により、外槽の内面に機械的に取り付けるように
したものであり、これにより、外槽内面の下地処理を気
にする必要がなくなり、二重殻タンク運転時の内槽の変
位による断熱材の沈降もなくなり、安定したタンク側壁
部の保冷構造を提供できかつ保冷構造をタンク内槽と隔
離することにより、緊急時の検査や補修も容易となるこ
とを発見し、本発明の完成するにいたった。
【0011】
【発明の目的】本発明は従来技術が抱える上記問題に対
応しようとするものであり、厳しい下地処理が不要であ
り、断熱材の継ぎ目の欠陥による断熱性能の低下を惹起
せず、かつ、対流防止板を使用しなくても、内部のガス
体の対流を防止することが可能なグラスウールを外槽内
面に取り付けることによって、良好な断熱性能が発揮で
き、しかも、断熱工事施工後において内槽の検査や補修
が容易に行える二重殻タンク側壁部の断熱構造を提供す
ることを目的としている。
【0012】
【発明の要旨】本発明は、外槽および内槽からなる二重
殻タンクの外槽内壁面に高密度グラスウールからなる断
熱材を取り付けた二重殻タンク側壁部の保冷構造を発明
の要旨としている。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。
【0014】図1は本発明にかかる二重殻タンクの概略
的断面図、図2は側壁部(外槽)に対する保冷材の取り
付け構造を詳細に示す断面図、図3は図2のA〜A線に
沿う拡大断面図、図4は図3における目地部を示す拡大
断面図、図はボルト固定部を示す拡大断面図である。
【0015】図において記号1は二重殻タンクの外槽で
あり、下部には底板11を、また上方には天井12を一体的
に形成している。なお、天井12は図示例示のようにコン
クリート製とする場合のほか金属製の天井とする場合も
ある。
【0016】2は内槽であり、外槽1の底板11上面に一
体的に形成した底部保冷材3及び4の上面に形成してい
る。
【0017】底部保冷材は一般的には周縁部にコンクリ
ート製品からなる保冷材3をリング状に配置し、これに
囲まれる内側に泡ガラス製品、或いはコンクリート製品
からなる保冷材4を配置している。
【0018】5は本発明の要旨をなす側壁部保冷材であ
り、パネル状に形成したものを、外槽1の内面に固定用
ボルト6…6を介して機械的に取り付けられている。
【0019】上記の側壁部保冷材5は、グラスウールの
密度を36Kg/m3 以上とした高密度グラスウールボード51
の表面にアルミガラスクロス52を貼付けることによって
パネル状に形成されており、パネル状の保冷材5,5相
互が接する部分には高密度としたグラスウールの目地材
7…7を圧縮充填している。
【0020】パネル状に形成された側壁部保冷材5…5
は、外槽1側壁部の内面に一定の間隔をもって植え立て
られた固定用ボルト6…6によって保持され、保冷材5
…5に穿設された固定用ボルト6の嵌挿孔53…53には保
冷材5,5相互が接する部分に充填した目地材7と同様
の高密度としたグラスウールの充填材54を充填してい
る。
【0021】図中8は保冷材5と外槽1との間に介在さ
せたスチールライナープレートである。
【0022】なお、高密度グラスウールボードによって
パネル状に形成する保冷パネル5は図示例示のように一
枚のボードによって形成する場合のほか、図示しない
が、二枚のグラスウールボードを層状に構成し、その一
方の表面にアルミガラスクロス52を貼り合わせる構造と
することも可能である。また、アルミガラスクロス52に
はタンク内の圧力変化に追従できるよう、表面材の一部
に開口部(図示しない)を設けている。
【0023】本発明に使用する側壁部保冷材5の密度を
36Kg/m3 以上とした根拠は以下のとおりである。
【0024】グラスウールの対流発生限界点を下記の式
により求めた。 Ra*f /A≦X ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) Ra*f =g×β×(ρc)f ×K×ΔT×d/(ν×λf )・(2) A=L/d・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) Ra*f : 修正Reyleigh 数 (−) A : グラスウールのアスペクト比 (−) X : グラスウールの対流発生限界 (−) g : 重力加速度 (m/s2) β : 内部流体の体膨張率 (K -1) ν : 内部流体の動粘度 (m2/s ) ρ : 内部流体の比重量 (Kg/m3) c : 内部流体の定圧比熱 (J/Kg・K) (ρc)f : 内部流体の熱伝導度 (J/m3・K) λf : 内部流体の熱伝導度 (W/m ・K) K : 繊維質材料の空気透過率 (m2) d : 繊維質材料の加熱面と冷却面との距離 (m) L : 繊維質材料の高さ(垂直のみ) (m) ΔT : 繊維質材料の加熱面と冷却面との温度差 (K)
【0025】実験は、グラスウールの密度を2段階、内
部気体の種類を2種類の計4ケースで実施した。
【0026】対流の発生の有無は各ケース毎に試験体を
垂直な状態(対流の影響が現れる)と、水平な状態(対
流の影響が現れない)で冷却し、保冷性能に差がなけれ
ば、対流の発生がないと判断した。
【0027】具体的には、それぞれの場合の保冷材を通
過する熱量を測定し、その通過熱量より保冷材の熱伝導
率を計算し、比較した。 Nu=λH /λν・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4) Nu : Nusselt 数 (−) λH : 垂直冷却の場合の熱伝導率 (Kcal/m.hr.°C) λν: 水平冷却の場合の熱伝導率 (Kcal/m.hr.°C) Nu(Nusselt 数)が1.0 の場合、対流の発生がないと判
断した。
【0028】上記式により測定した結果は、Ra*f /A
が1.0 となる時が対流の発生限界であり、それ以下では
対流は発生しない。
【0029】上記(1) 〜(3) 式よりグラスウールによる
保冷システムを検討する場合、内部気体の種類を限定し
(νとλf が固定される)、設計条件を決定すれば(β
ΔT、dとLが固定される)、gは一定の値であるの
で、後はグラスウールのガス透過率(K)によりRa*f
/Aの値が決まることがわかる。このKの値は、グラス
ウールの密度によって決まる要素である。
【0030】結果としてグラスウール密度を選択すれ
ば、保冷システムを対流発生限界内に維持できることな
る。
【0031】実験結果によれば、二重殻タンク内に収容
される内部気体がプロパンガスの場合、グラスウールの
密度を36Kg/m3 以上とすれば充分に対流発生限界内とす
ることができることが判明した。
【0032】
【発明の効果】上記構成とした本発明によれば、低温二
重殻タンクの外槽1の内面に保冷材5…5を固定用ボル
ト6…6を介して機械的に取り付けたので、外槽1の内
面に特別な下地処理を施す必要がなくなる利点がある。
【0033】また保冷材5に使用するグラスウールボー
ドの密度を36Kg/m3 以上として使用することによって目
的どおりの断熱効果を発揮できる優れた利点がある。
【0034】更にまた、高密度グラスウールを使用する
ので、従来構造における粒状の断熱材と異なり内外槽の
中間部分における断熱材の沈降がなく、経時的に断熱効
果が減殺されることがない。
【0035】また本発明の保冷材5は内槽表面から離れ
た外槽1の内面に取り付けられるので、緊急時に内槽2
の検査や補修が自由かつ容易に行える優れた効果を持っ
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二重殻タンクの概略的断面図
【図2】 側壁に対する保冷材の取り付け構造を詳細に
示す断面図
【図3】 図2のA〜A線に沿う拡大断面図
【図4】 図3の垂直目地部を示す拡大断面図
【図5】 保冷材をボールトで固定した部分を示す拡大
断面図
【符号の説明】
1 外槽 11 底板 12 天井 2 内槽 3 底部保冷材 4 底部保冷材 5 側壁部保冷材 51 グラスウールボード 52 アルミガラスクロス 6 固定用ボルト 7 目地材 8 スチールライナープレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉井 幹男 大阪市西区京町堀1丁目8番5号 明星工 業株式会社内 (72)発明者 下野 和昭 大阪市西区京町堀1丁目8番5号 明星工 業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外槽および内槽からなる二重殻タンクの外
    槽内壁面に、密度が36Kg/m3 以上である高密度グラスウ
    ールからなる断熱材を取り付けた二重殻タンク側壁部の
    保冷構造。
  2. 【請求項2】高密度グラスウールからなる断熱材を、外
    槽内壁面にボルト等の係止具、若しくは接着剤を介して
    取り付ける請求項1記載の二重殻タンク側壁部の保冷構
    造。
  3. 【請求項3】高密度グラスウールからなる断熱材が、グ
    ラスウールの密度を36Kg/m3 以上とした高密度グラスウ
    ールボードの表面にアルミガラスクロス等の表面材を貼
    付けることによりパネル状に形成されている請求項1又
    は2記載の二重殻タンク側壁部の保冷構造。
  4. 【請求項4】グラスウールボードに貼付けるアルミガラ
    スクロスの表面材の一部に開孔部を形成し、タンク内の
    ガス体が自由に保冷構造に出入りできるよう構成した請
    求項3記載の二重殻タンク側壁部の保冷構造。
JP9749595A 1995-03-31 1995-03-31 二重殻タンク側壁部の保冷構造 Pending JPH08270894A (ja)

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JP9749595A JPH08270894A (ja) 1995-03-31 1995-03-31 二重殻タンク側壁部の保冷構造

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012053704A1 (ko) * 2010-10-22 2012-04-26 대우조선해양 주식회사 액화천연가스의 저장 용기

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012053704A1 (ko) * 2010-10-22 2012-04-26 대우조선해양 주식회사 액화천연가스의 저장 용기

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031111