JPH0827024A - 口腔粘膜疾患治療剤 - Google Patents
口腔粘膜疾患治療剤Info
- Publication number
- JPH0827024A JPH0827024A JP6182791A JP18279194A JPH0827024A JP H0827024 A JPH0827024 A JP H0827024A JP 6182791 A JP6182791 A JP 6182791A JP 18279194 A JP18279194 A JP 18279194A JP H0827024 A JPH0827024 A JP H0827024A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- therapeutic agent
- bfgf
- ulcer
- endermosis
- oral cavity
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、癌の化学療法や放射線療法にともな
う副作用の口内炎および粘膜炎に対して、有効性を示す
口腔粘膜疾患治療剤を提供する。 【構成】塩基性線維芽細胞増殖因子を有効成分とするこ
とを特徴とする口腔粘膜疾患治療剤。
う副作用の口内炎および粘膜炎に対して、有効性を示す
口腔粘膜疾患治療剤を提供する。 【構成】塩基性線維芽細胞増殖因子を有効成分とするこ
とを特徴とする口腔粘膜疾患治療剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩基性線維芽細胞増殖
因子(Basic Fibroblast Growth Factor、以下bFGF
と略称する)を有効成分とすることを特徴とする口腔粘
膜疾患治療剤に関するものである。
因子(Basic Fibroblast Growth Factor、以下bFGF
と略称する)を有効成分とすることを特徴とする口腔粘
膜疾患治療剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌の化学療法や放射線療法にともなう副
作用の一つとして口内炎、粘膜炎があり、このために癌
治療の中断を余儀なくされることがある。また、この口
内炎により患者の食物摂取が制限され栄養状態の低下を
来すこともしばしば経験する。これに対する治療法とし
ては含嗽による口腔清掃やステロイド塗布などがある
が、いずれも対症療法でありその効果は満足のいくもの
ではない。
作用の一つとして口内炎、粘膜炎があり、このために癌
治療の中断を余儀なくされることがある。また、この口
内炎により患者の食物摂取が制限され栄養状態の低下を
来すこともしばしば経験する。これに対する治療法とし
ては含嗽による口腔清掃やステロイド塗布などがある
が、いずれも対症療法でありその効果は満足のいくもの
ではない。
【0003】一方、細胞成長因子の中には創傷治癒促進
効果を持つものがあり、特に治癒が遅延した状態に有効
であるとの報告があるが、癌の化学療法や放射線療法に
ともなう副作用の一つとして口内炎、粘膜炎に対する応
用はまだ報告されていない。
効果を持つものがあり、特に治癒が遅延した状態に有効
であるとの報告があるが、癌の化学療法や放射線療法に
ともなう副作用の一つとして口内炎、粘膜炎に対する応
用はまだ報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、bFG
Fが癌の化学療法や放射線療法にともなう副作用の一つ
として口内炎、粘膜炎に効果を示すことを見出し、本発
明を完成した。
Fが癌の化学療法や放射線療法にともなう副作用の一つ
として口内炎、粘膜炎に効果を示すことを見出し、本発
明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の口腔粘膜疾患治
療剤の有効成分であるbFGFは、脳下垂体、脳、網
膜、黄体、副腎、腎、胎盤、前立腺、胸腺などの臓器よ
り抽出されるもの、組換えDNA技術などの遺伝子工学
的手法で製造されるもの、さらにこれらの修飾体であっ
て線維芽細胞増殖因子として作用し得るものを含む。
療剤の有効成分であるbFGFは、脳下垂体、脳、網
膜、黄体、副腎、腎、胎盤、前立腺、胸腺などの臓器よ
り抽出されるもの、組換えDNA技術などの遺伝子工学
的手法で製造されるもの、さらにこれらの修飾体であっ
て線維芽細胞増殖因子として作用し得るものを含む。
【0006】bFGFの修飾体としては、例えば上記の
抽出により得られたまたは遺伝子工学的手法で得られた
bFGFのアミノ酸配列においてアミノ酸が付加された
もの、アミノ酸の一部が他のアミノ酸で置換されたも
の、またはアミノ酸の一部が欠損したものなどが挙げら
れる。本発明においては、これらのbFGFまたはその
修飾体は単独で用いてもよいし、これらの混合物として
用いてもよい。
抽出により得られたまたは遺伝子工学的手法で得られた
bFGFのアミノ酸配列においてアミノ酸が付加された
もの、アミノ酸の一部が他のアミノ酸で置換されたも
の、またはアミノ酸の一部が欠損したものなどが挙げら
れる。本発明においては、これらのbFGFまたはその
修飾体は単独で用いてもよいし、これらの混合物として
用いてもよい。
【0007】上記bFGFとしては、好ましくは、例え
ばWO87/01728(特表昭63−500843号
公報)、WO89/04832(特表平2−50446
8号公報)、WO86/07595(特表昭63−50
0036号公報)、WO87/03885(特表昭63
−501953号公報)、欧州特許出願公開第2379
66号(特開昭63−226287号公報)、欧州特許
出願公開第281822号(特開平2−193号公
報)、欧州特許出願公開第326907号(特開平2−
209894号公報)、欧州特許出願公開第39495
1号(特開平3−61494号公報)、欧州特許出願公
開第493737号(特開平5−124975号公報)
などに記載のものが挙げられる。
ばWO87/01728(特表昭63−500843号
公報)、WO89/04832(特表平2−50446
8号公報)、WO86/07595(特表昭63−50
0036号公報)、WO87/03885(特表昭63
−501953号公報)、欧州特許出願公開第2379
66号(特開昭63−226287号公報)、欧州特許
出願公開第281822号(特開平2−193号公
報)、欧州特許出願公開第326907号(特開平2−
209894号公報)、欧州特許出願公開第39495
1号(特開平3−61494号公報)、欧州特許出願公
開第493737号(特開平5−124975号公報)
などに記載のものが挙げられる。
【0008】これらのbFGFのうち、WO87/01
728に記載の遺伝子工学的手法で製造した配列表にお
ける配列番号1の154個のアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドおよび配列番号2の153個のアミノ酸配列を
有するポリペプチドが、安定性および効果の点から特に
好ましい。
728に記載の遺伝子工学的手法で製造した配列表にお
ける配列番号1の154個のアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドおよび配列番号2の153個のアミノ酸配列を
有するポリペプチドが、安定性および効果の点から特に
好ましい。
【0009】本発明の口腔粘膜疾患治療剤は上述のbF
GFを有効成分とする薬剤であり、剤型の具体例として
は、bFGFを生理食塩水またはブドウ糖、ショ糖、ゼ
ラチン、緩衝液などの常用の補助剤を含め液剤、この液
剤を用いた注射剤やスプレー剤、あるいはゲル化剤など
があげられる。その他、クリーム剤、軟膏剤、バッカル
などがあげられる。投与法としては局所投与が望まし
い。
GFを有効成分とする薬剤であり、剤型の具体例として
は、bFGFを生理食塩水またはブドウ糖、ショ糖、ゼ
ラチン、緩衝液などの常用の補助剤を含め液剤、この液
剤を用いた注射剤やスプレー剤、あるいはゲル化剤など
があげられる。その他、クリーム剤、軟膏剤、バッカル
などがあげられる。投与法としては局所投与が望まし
い。
【0010】本発明の適応症としては、癌の化学療法や
放射線療法にともなう口内炎および粘膜炎があげられ
る。本発明の口腔粘膜疾患治療剤のヒトへの投与量は、
適応症の種類、疾患の程度、患者の年齢や健康状態など
により異なるため特定することができないが、有効成分
の量が0.1μg〜1mgとなる投与量が好ましい。
放射線療法にともなう口内炎および粘膜炎があげられ
る。本発明の口腔粘膜疾患治療剤のヒトへの投与量は、
適応症の種類、疾患の程度、患者の年齢や健康状態など
により異なるため特定することができないが、有効成分
の量が0.1μg〜1mgとなる投与量が好ましい。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 動物は日本白色家兎(雌、体重約3kg)を用いた。癌
化学療法として初日にシスプラチン(以下CDDPと略
す)4mg/kgを1回と2日目、3日目に硫酸ペプロ
マイシン1mg/kgをそれぞれ1回ずつ静注した。C
DDP静注後7日目に直径6mmの円形の濾紙(Wha
tman3MM)に50%の酢酸あるいは1Nの水酸化
ナトリウムを15μl浸し、60秒間口腔粘膜に圧接す
ることにより均一な潰瘍を形成した。このようにしてで
きた潰瘍は正常の家兎に形成されたものに比較して治癒
が遅延することがわかっている。潰瘍形成後3日目より
1日1回0.1%ゼラチンを含むリン酸緩衝液に溶解し
たbFGFを1μg/100μlずつ5cm離した距離
から噴霧した。コントロールは溶媒のみを投与した。b
FGF投与開始後より潰瘍の長径を毎日計測し、コント
ロールと比較検討した。また、一部の家兎はネンブター
ルにて安楽死させた後に潰瘍部を切除しホルマリン固定
後、通法のごとく脱水し、パラフィン包埋後約5μmに
薄切しヘマトキシリン−エオジン染色を行い、光学顕微
鏡にて観察した。
化学療法として初日にシスプラチン(以下CDDPと略
す)4mg/kgを1回と2日目、3日目に硫酸ペプロ
マイシン1mg/kgをそれぞれ1回ずつ静注した。C
DDP静注後7日目に直径6mmの円形の濾紙(Wha
tman3MM)に50%の酢酸あるいは1Nの水酸化
ナトリウムを15μl浸し、60秒間口腔粘膜に圧接す
ることにより均一な潰瘍を形成した。このようにしてで
きた潰瘍は正常の家兎に形成されたものに比較して治癒
が遅延することがわかっている。潰瘍形成後3日目より
1日1回0.1%ゼラチンを含むリン酸緩衝液に溶解し
たbFGFを1μg/100μlずつ5cm離した距離
から噴霧した。コントロールは溶媒のみを投与した。b
FGF投与開始後より潰瘍の長径を毎日計測し、コント
ロールと比較検討した。また、一部の家兎はネンブター
ルにて安楽死させた後に潰瘍部を切除しホルマリン固定
後、通法のごとく脱水し、パラフィン包埋後約5μmに
薄切しヘマトキシリン−エオジン染色を行い、光学顕微
鏡にて観察した。
【0012】(1)酢酸潰瘍の治癒に及ぼすbFGFの
影響 bFGF投与群はコントロールと比較すると測定開始後
6日目あたりから差があらわれはじめ、10日目、12
日目あたりで差が最大になった。この時点で統計学的有
意差を認めた。さらに日数が経過すると差が小さくなっ
ていくが、治癒に要する時間は約7日の差を認めた。結
果を図1に示す。潰瘍形成後17日目の状態では、bF
GF投与群はコントロールと比較して潰瘍の著明な縮小
が認められ治癒促進効果が認められた。また、潰瘍形成
後15日目の組織像ではコントロールは潰瘍部が平坦な
のに対して、bFGF投与群では潰瘍底が盛り上がって
きており肉芽組織の形成が旺盛であることがうかがえ
た。
影響 bFGF投与群はコントロールと比較すると測定開始後
6日目あたりから差があらわれはじめ、10日目、12
日目あたりで差が最大になった。この時点で統計学的有
意差を認めた。さらに日数が経過すると差が小さくなっ
ていくが、治癒に要する時間は約7日の差を認めた。結
果を図1に示す。潰瘍形成後17日目の状態では、bF
GF投与群はコントロールと比較して潰瘍の著明な縮小
が認められ治癒促進効果が認められた。また、潰瘍形成
後15日目の組織像ではコントロールは潰瘍部が平坦な
のに対して、bFGF投与群では潰瘍底が盛り上がって
きており肉芽組織の形成が旺盛であることがうかがえ
た。
【0013】(2)水酸化ナトリウム潰瘍の治癒に及ぼ
すbFGFの影響 bFGF投与群はコントロール群と比較して投与開始後
4日目あたりから差がではじめ、6日目、8日目で統計
学的有意差があらわれ、そのまま10日目には治癒して
しまった。コントロールと比較してやはり治癒に要する
時間の短縮を認めた。結果を図2に示す。潰瘍形成後1
2日目の状態では、bFGF投与群ではコントロールと
比較して明らかに潰瘍の縮小が観察され、治癒促進効果
が認められた。この時点ではbFGF投与群の潰瘍はほ
ぼ治癒していた。潰瘍形成後15日目の組織像ではコン
トロールは上皮の連続性は回復していないが、bFGF
投与群では正角化をともなう連続した上皮の被覆を認め
治癒が完了していることが明らかになった。
すbFGFの影響 bFGF投与群はコントロール群と比較して投与開始後
4日目あたりから差がではじめ、6日目、8日目で統計
学的有意差があらわれ、そのまま10日目には治癒して
しまった。コントロールと比較してやはり治癒に要する
時間の短縮を認めた。結果を図2に示す。潰瘍形成後1
2日目の状態では、bFGF投与群ではコントロールと
比較して明らかに潰瘍の縮小が観察され、治癒促進効果
が認められた。この時点ではbFGF投与群の潰瘍はほ
ぼ治癒していた。潰瘍形成後15日目の組織像ではコン
トロールは上皮の連続性は回復していないが、bFGF
投与群では正角化をともなう連続した上皮の被覆を認め
治癒が完了していることが明らかになった。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、bFGFが癌の化学療
法や放射線療法にともなう副作用の口内炎および粘膜炎
に対して、有効性があることが認められた。
法や放射線療法にともなう副作用の口内炎および粘膜炎
に対して、有効性があることが認められた。
【図1】酢酸潰瘍治癒試験におけるbFGF投与群とコ
ントロールの治癒の様子を示した図である。
ントロールの治癒の様子を示した図である。
【図2】水酸化ナトリウム潰瘍治癒試験におけるbFG
F投与群とコントロールの治癒の様子を示した図であ
る。
F投与群とコントロールの治癒の様子を示した図であ
る。
【配列表1】
【配列表2】
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】水酸化ナトリウム潰瘍治癒試験におけるbFG
F投与群とコントロールの治癒の様子を示した図であ
る。
F投与群とコントロールの治癒の様子を示した図であ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩基性線維芽細胞増殖
因子(Basic Fibroblast Growth Factor、以下bFGF
と略称する)を有効成分とすることを特徴とする口腔粘
膜疾患治療剤に関するものである。
因子(Basic Fibroblast Growth Factor、以下bFGF
と略称する)を有効成分とすることを特徴とする口腔粘
膜疾患治療剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌の化学療法や放射線療法にともなう副
作用の一つとして口内炎、粘膜炎があり、このために癌
治療の中断を余儀なくされることがある。また、この口
内炎により患者の食物摂取が制限され栄養状態の低下を
来すこともしばしば経験する。これに対する治療法とし
ては含嗽による口腔清掃やステロイド塗布などがある
が、いずれも対症療法でありその効果は満足のいくもの
ではない。
作用の一つとして口内炎、粘膜炎があり、このために癌
治療の中断を余儀なくされることがある。また、この口
内炎により患者の食物摂取が制限され栄養状態の低下を
来すこともしばしば経験する。これに対する治療法とし
ては含嗽による口腔清掃やステロイド塗布などがある
が、いずれも対症療法でありその効果は満足のいくもの
ではない。
【0003】一方、細胞成長因子の中には創傷治癒促進
効果を持つものがあり、特に治癒が遅延した状態に有効
であるとの報告があるが、癌の化学療法や放射線療法に
ともなう副作用の一つとして口内炎、粘膜炎に対する応
用はまだ報告されていない。
効果を持つものがあり、特に治癒が遅延した状態に有効
であるとの報告があるが、癌の化学療法や放射線療法に
ともなう副作用の一つとして口内炎、粘膜炎に対する応
用はまだ報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、bFG
Fが癌の化学療法や放射線療法にともなう副作用の一つ
として口内炎、粘膜炎に効果を示すことを見出し、本発
明を完成した。
Fが癌の化学療法や放射線療法にともなう副作用の一つ
として口内炎、粘膜炎に効果を示すことを見出し、本発
明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の口腔粘膜疾患治
療剤の有効成分であるbFGFは、脳下垂体、脳、網
膜、黄体、副腎、腎、胎盤、前立腺、胸腺などの臓器よ
り抽出されるもの、組換えDNA技術などの遺伝子工学
的手法で製造されるもの、さらにこれらの修飾体であっ
て線維芽細胞増殖因子として作用し得るものを含む。
療剤の有効成分であるbFGFは、脳下垂体、脳、網
膜、黄体、副腎、腎、胎盤、前立腺、胸腺などの臓器よ
り抽出されるもの、組換えDNA技術などの遺伝子工学
的手法で製造されるもの、さらにこれらの修飾体であっ
て線維芽細胞増殖因子として作用し得るものを含む。
【0006】bFGFの修飾体としては、例えば上記の
抽出により得られたまたは遺伝子工学的手法で得られた
bFGFのアミノ酸配列においてアミノ酸が付加された
もの、アミノ酸の一部が他のアミノ酸で置換されたも
の、またはアミノ酸の一部が欠損したものなどが挙げら
れる。本発明においては、これらのbFGFまたはその
修飾体は単独で用いてもよいし、これらの混合物として
用いてもよい。
抽出により得られたまたは遺伝子工学的手法で得られた
bFGFのアミノ酸配列においてアミノ酸が付加された
もの、アミノ酸の一部が他のアミノ酸で置換されたも
の、またはアミノ酸の一部が欠損したものなどが挙げら
れる。本発明においては、これらのbFGFまたはその
修飾体は単独で用いてもよいし、これらの混合物として
用いてもよい。
【0007】上記bFGFとしては、好ましくは、例え
ばWO87/01728(特表昭63−500843号
公報)、WO89/04832(特表平2−50446
8号公報)、WO86/07595(特表昭63−50
0036号公報)、WO87/03885(特表昭63
−501953号公報)、欧州特許出願公開第2379
66号(特開昭63−226287号公報)、欧州特許
出願公開第281822号(特開平2−193号公
報)、欧州特許出願公開第326907号(特開平2−
209894号公報)、欧州特許出願公開第39495
1号(特開平3−61494号公報)、欧州特許出願公
開第493737号(特開平5−124975号公報)
などに記載のものが挙げられる。
ばWO87/01728(特表昭63−500843号
公報)、WO89/04832(特表平2−50446
8号公報)、WO86/07595(特表昭63−50
0036号公報)、WO87/03885(特表昭63
−501953号公報)、欧州特許出願公開第2379
66号(特開昭63−226287号公報)、欧州特許
出願公開第281822号(特開平2−193号公
報)、欧州特許出願公開第326907号(特開平2−
209894号公報)、欧州特許出願公開第39495
1号(特開平3−61494号公報)、欧州特許出願公
開第493737号(特開平5−124975号公報)
などに記載のものが挙げられる。
【0008】これらのbFGFのうち、WO87/01
728に記載の遺伝子工学的手法で製造した配列表にお
ける配列番号1の154個のアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドおよび配列番号2の153個のアミノ酸配列を
有するポリペプチドが、安定性および効果の点から特に
好ましい。
728に記載の遺伝子工学的手法で製造した配列表にお
ける配列番号1の154個のアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドおよび配列番号2の153個のアミノ酸配列を
有するポリペプチドが、安定性および効果の点から特に
好ましい。
【0009】本発明の口腔粘膜疾患治療剤は上述のbF
GFを有効成分とする薬剤であり、剤型の具体例として
は、bFGFを生理食塩水またはブドウ糖、ショ糖、ゼ
ラチン、緩衝液などの常用の補助剤を含め液剤、この液
剤を用いた注射剤やスプレー剤、あるいはゲル化剤など
があげられる。その他、クリーム剤、軟膏剤、バッカル
などがあげられる。投与法としては局所投与が望まし
い。
GFを有効成分とする薬剤であり、剤型の具体例として
は、bFGFを生理食塩水またはブドウ糖、ショ糖、ゼ
ラチン、緩衝液などの常用の補助剤を含め液剤、この液
剤を用いた注射剤やスプレー剤、あるいはゲル化剤など
があげられる。その他、クリーム剤、軟膏剤、バッカル
などがあげられる。投与法としては局所投与が望まし
い。
【0010】本発明の適応症としては、癌の化学療法や
放射線療法にともなう口内炎および粘膜炎があげられ
る。本発明の口腔粘膜疾患治療剤のヒトへの投与量は、
適応症の種類、疾患の程度、患者の年齢や健康状態など
により異なるため特定することができないが、有効成分
の量が0.1μg〜1mgとなる投与量が好ましい。
放射線療法にともなう口内炎および粘膜炎があげられ
る。本発明の口腔粘膜疾患治療剤のヒトへの投与量は、
適応症の種類、疾患の程度、患者の年齢や健康状態など
により異なるため特定することができないが、有効成分
の量が0.1μg〜1mgとなる投与量が好ましい。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 動物は日本白色家兎(雌、体重約3kg)を用いた。癌
化学療法として初日にシスプラチン(以下CDDPと略
す)4mg/kgを1回と2日目、3日目に硫酸ペプロ
マイシン1mg/kgをそれぞれ1回ずつ静注した。C
DDP静注後7日目に直径6mmの円形の濾紙(Wha
tman3MM)に50%の酢酸あるいは1Nの水酸化
ナトリウムを15μl浸し、60秒間口腔粘膜に圧接す
ることにより均一な潰瘍を形成した。このようにしてで
きた潰瘍は正常の家兎に形成されたものに比較して治癒
が遅延することがわかっている。潰瘍形成後3日目より
1日1回0.1%ゼラチンを含むリン酸緩衝液に溶解し
たbFGFを1μg/100μlずつ5cm離した距離
から噴霧した。コントロールは溶媒のみを投与した。b
FGF投与開始後より潰瘍の長径を毎日計測し、コント
ロールと比較検討した。また、一部の家兎はネンブター
ルにて安楽死させた後に潰瘍部を切除しホルマリン固定
後、通法のごとく脱水し、パラフィン包埋後約5μmに
薄切しヘマトキシリン−エオジン染色を行い、光学顕微
鏡にて観察した。
化学療法として初日にシスプラチン(以下CDDPと略
す)4mg/kgを1回と2日目、3日目に硫酸ペプロ
マイシン1mg/kgをそれぞれ1回ずつ静注した。C
DDP静注後7日目に直径6mmの円形の濾紙(Wha
tman3MM)に50%の酢酸あるいは1Nの水酸化
ナトリウムを15μl浸し、60秒間口腔粘膜に圧接す
ることにより均一な潰瘍を形成した。このようにしてで
きた潰瘍は正常の家兎に形成されたものに比較して治癒
が遅延することがわかっている。潰瘍形成後3日目より
1日1回0.1%ゼラチンを含むリン酸緩衝液に溶解し
たbFGFを1μg/100μlずつ5cm離した距離
から噴霧した。コントロールは溶媒のみを投与した。b
FGF投与開始後より潰瘍の長径を毎日計測し、コント
ロールと比較検討した。また、一部の家兎はネンブター
ルにて安楽死させた後に潰瘍部を切除しホルマリン固定
後、通法のごとく脱水し、パラフィン包埋後約5μmに
薄切しヘマトキシリン−エオジン染色を行い、光学顕微
鏡にて観察した。
【0012】(1)酢酸潰瘍の治癒に及ぼすbFGFの
影響 bFGF投与群はコントロールと比較すると測定開始後
6日目あたりから差があらわれはじめ、10日目、12
日目あたりで差が最大になった。この時点で統計学的有
意差を認めた。さらに日数が経過すると差が小さくなっ
ていくが、治癒に要する時間は約7日の差を認めた。結
果を図1に示す。潰瘍形成後17日目の状態では、bF
GF投与群はコントロールと比較して潰瘍の著明な縮小
が認められ治癒促進効果が認められた。また、潰瘍形成
後15日目の組織像ではコントロールは潰瘍部が平坦な
のに対して、bFGF投与群では潰瘍底が盛り上がって
きており肉芽組織の形成が旺盛であることがうかがえ
た。
影響 bFGF投与群はコントロールと比較すると測定開始後
6日目あたりから差があらわれはじめ、10日目、12
日目あたりで差が最大になった。この時点で統計学的有
意差を認めた。さらに日数が経過すると差が小さくなっ
ていくが、治癒に要する時間は約7日の差を認めた。結
果を図1に示す。潰瘍形成後17日目の状態では、bF
GF投与群はコントロールと比較して潰瘍の著明な縮小
が認められ治癒促進効果が認められた。また、潰瘍形成
後15日目の組織像ではコントロールは潰瘍部が平坦な
のに対して、bFGF投与群では潰瘍底が盛り上がって
きており肉芽組織の形成が旺盛であることがうかがえ
た。
【0013】(2)水酸化ナトリウム潰瘍の治癒に及ぼ
すbFGFの影響 bFGF投与群はコントロール群と比較して投与開始後
4日目あたりから差がではじめ、6日目、8日目で統計
学的有意差があらわれ、そのまま10日目には治癒して
しまった。コントロールと比較してやはり治癒に要する
時間の短縮を認めた。結果を図2に示す。潰瘍形成後1
2日目の状態では、bFGF投与群ではコントロールと
比較して明らかに潰瘍の縮小が観察され、治癒促進効果
が認められた。この時点ではbFGF投与群の潰瘍はほ
ぼ治癒していた。潰瘍形成後15日目の組織像ではコン
トロールは上皮の連続性は回復していないが、bFGF
投与群では正角化をともなう連続した上皮の被覆を認め
治癒が完了していることが明らかになった。
すbFGFの影響 bFGF投与群はコントロール群と比較して投与開始後
4日目あたりから差がではじめ、6日目、8日目で統計
学的有意差があらわれ、そのまま10日目には治癒して
しまった。コントロールと比較してやはり治癒に要する
時間の短縮を認めた。結果を図2に示す。潰瘍形成後1
2日目の状態では、bFGF投与群ではコントロールと
比較して明らかに潰瘍の縮小が観察され、治癒促進効果
が認められた。この時点ではbFGF投与群の潰瘍はほ
ぼ治癒していた。潰瘍形成後15日目の組織像ではコン
トロールは上皮の連続性は回復していないが、bFGF
投与群では正角化をともなう連続した上皮の被覆を認め
治癒が完了していることが明らかになった。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、bFGFが癌の化学療
法や放射線療法にともなう副作用の口内炎および粘膜炎
に対して、有効性があることが認められた。
法や放射線療法にともなう副作用の口内炎および粘膜炎
に対して、有効性があることが認められた。
【0015】
【配列表】
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
Claims (3)
- 【請求項1】塩基性線維芽細胞増殖因子を有効成分とす
ることを特徴とする口腔粘膜疾患治療剤。 - 【請求項2】口腔粘膜疾患が癌化学療法にともなう口内
炎または粘膜炎であることを特徴とする請求項1記載の
治療剤。 - 【請求項3】口腔粘膜疾患が放射線療法にともなう口内
炎または粘膜炎であることを特徴とする請求項1記載の
治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6182791A JPH0827024A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 口腔粘膜疾患治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6182791A JPH0827024A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 口腔粘膜疾患治療剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0827024A true JPH0827024A (ja) | 1996-01-30 |
Family
ID=16124491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6182791A Pending JPH0827024A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 口腔粘膜疾患治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0827024A (ja) |
-
1994
- 1994-07-12 JP JP6182791A patent/JPH0827024A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050719 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051213 |