JPH08269527A - スクラップ溶解炉の発生ダストの処理方法 - Google Patents
スクラップ溶解炉の発生ダストの処理方法Info
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- JPH08269527A JPH08269527A JP7682495A JP7682495A JPH08269527A JP H08269527 A JPH08269527 A JP H08269527A JP 7682495 A JP7682495 A JP 7682495A JP 7682495 A JP7682495 A JP 7682495A JP H08269527 A JPH08269527 A JP H08269527A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、スクラップ溶解に際して生成する
ダストから、亜鉛を高濃度で効率よく回収できるスクラ
ップ溶解炉の発生ダストの処理方法を提供する。 【構成】 炭材を添加すると共に酸化性ガスを供給しな
がら鋼スクラップを溶解する際に溶融スラグを出湯前の
溶湯の30〜70%とし、発生する1次ダストを回収
し、同1次ダストが鉄原料の50〜90%となるように
別チャージとして溶解し、2次ダストの回収を行い、同
2次ダストを他の別チャージとして水素ガス発生物を加
えて、加熱して3次ダストを回収することを特徴とする
スクラップ溶解炉の発生ダストの処理方法。
ダストから、亜鉛を高濃度で効率よく回収できるスクラ
ップ溶解炉の発生ダストの処理方法を提供する。 【構成】 炭材を添加すると共に酸化性ガスを供給しな
がら鋼スクラップを溶解する際に溶融スラグを出湯前の
溶湯の30〜70%とし、発生する1次ダストを回収
し、同1次ダストが鉄原料の50〜90%となるように
別チャージとして溶解し、2次ダストの回収を行い、同
2次ダストを他の別チャージとして水素ガス発生物を加
えて、加熱して3次ダストを回収することを特徴とする
スクラップ溶解炉の発生ダストの処理方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼スクラップ溶解に際
して発生するダスト中に含まれる亜鉛を回収するための
処理方法に関するものである。
して発生するダスト中に含まれる亜鉛を回収するための
処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛メッキ被覆等として亜鉛を含む鋼ス
クラップの溶解に際して発生するダストから亜鉛を除去
・回収する方法としては、特開昭52−43707号公
報、特開昭58−185733号公報、特開昭60−8
6219号公報に記載されているように通常コークス等
でZnOを還元して回収する方法が公知である。また、
特開昭60−86221号公報に記載されているように
スクラップ溶解炉から発生するダスト中のZnO微粉を
集塵・分級するか、あるいは特開昭52−111811
号公報に記載されているように鋼スクラップを事前加熱
して亜鉛をZn蒸気として揮発させる方法がある。また
このようにして得られた金属蒸気をコンデンサーにより
捕捉する技術も、特開平5−271799号公報に開示
されている。
クラップの溶解に際して発生するダストから亜鉛を除去
・回収する方法としては、特開昭52−43707号公
報、特開昭58−185733号公報、特開昭60−8
6219号公報に記載されているように通常コークス等
でZnOを還元して回収する方法が公知である。また、
特開昭60−86221号公報に記載されているように
スクラップ溶解炉から発生するダスト中のZnO微粉を
集塵・分級するか、あるいは特開昭52−111811
号公報に記載されているように鋼スクラップを事前加熱
して亜鉛をZn蒸気として揮発させる方法がある。また
このようにして得られた金属蒸気をコンデンサーにより
捕捉する技術も、特開平5−271799号公報に開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術によるよりも、安価にかつ効率よく亜鉛を回収する
ことができるスクラップ溶解炉の発生ダストからの亜鉛
の回収方法を提供することを目的とする。
技術によるよりも、安価にかつ効率よく亜鉛を回収する
ことができるスクラップ溶解炉の発生ダストからの亜鉛
の回収方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1)炭材を添加すると共に酸化性ガスを供給しながら
鋼スクラップを溶解する際に溶融スラグを出湯前の溶湯
の30〜70%とし、発生する1次ダストを回収し、同
1次ダストが鉄原料の50〜90%となるように別チャ
ージとして溶解し、2次ダストの回収を行い、同2次ダ
ストを他の別チャージとして水素ガス発生物を加えて、
加熱して3次ダストを回収することを特徴とするスクラ
ップ溶解炉の発生ダストの処理方法。
ろは下記のとおりである。 (1)炭材を添加すると共に酸化性ガスを供給しながら
鋼スクラップを溶解する際に溶融スラグを出湯前の溶湯
の30〜70%とし、発生する1次ダストを回収し、同
1次ダストが鉄原料の50〜90%となるように別チャ
ージとして溶解し、2次ダストの回収を行い、同2次ダ
ストを他の別チャージとして水素ガス発生物を加えて、
加熱して3次ダストを回収することを特徴とするスクラ
ップ溶解炉の発生ダストの処理方法。
【0005】(2)2次ダストを他の別チャージとして
水素ガス発生物を加えて加熱する温度を600〜120
0℃とすることを特徴とする前項1記載のスクラップ溶
解炉の発生ダストの処理方法。 (3)前記水素ガス発生物が揮発分含有量20〜40%
の石炭であることを特徴とする前項1または2記載のス
クラップ溶解炉の発生ダストの処理方法。
水素ガス発生物を加えて加熱する温度を600〜120
0℃とすることを特徴とする前項1記載のスクラップ溶
解炉の発生ダストの処理方法。 (3)前記水素ガス発生物が揮発分含有量20〜40%
の石炭であることを特徴とする前項1または2記載のス
クラップ溶解炉の発生ダストの処理方法。
【0006】(4)回収した2次ダストに水を加えて塩
素化合物を除去した後、他のチャージとして溶解するこ
とを特徴とする前項1〜3のいずれか1項に記載のスク
ラップ溶解炉の発生ダストの処理方法。
素化合物を除去した後、他のチャージとして溶解するこ
とを特徴とする前項1〜3のいずれか1項に記載のスク
ラップ溶解炉の発生ダストの処理方法。
【0007】
【発明の構成および作用】本発明の構成および作用につ
いて以下に詳細に説明する。本発明において使用するス
クラップ溶解炉としては、例えば慣用の電気炉や上底吹
き複合吹錬用の反応容器(以下単に上底吹き転炉とい
う)を用いることがてきるが、これに限定されるもので
はない。
いて以下に詳細に説明する。本発明において使用するス
クラップ溶解炉としては、例えば慣用の電気炉や上底吹
き複合吹錬用の反応容器(以下単に上底吹き転炉とい
う)を用いることがてきるが、これに限定されるもので
はない。
【0008】鋼スクラップの溶解方法は、炭材を添加す
ると共に、酸化性ガスを供給しながら行う。この溶解に
際して、溶融スラグを出湯前の溶湯の30〜70%とし
て、1次ダストを回収するが、溶融スラグの量を前記の
ように規定する理由は、30%未満では供給する酸化性
ガスが溶融スラグ層を透過(通過)して溶融金属に衝突
し、この時バブルバースト(泡破裂時に飛散する溶融金
属のことで、ダストとなる)が増えるためであり、他方
溶融スラグ量が70%を超えると(=スラグ層厚も増え
る)、スラグ層上面で発生する熱を溶融スラグ層の下側
に存在する溶融金属層に伝えるのが難しくなり(=伝熱
律則)、加えて溶融スラグそのものも加熱する必要があ
って、その量が増えるのは熱が無駄となるからである。
ると共に、酸化性ガスを供給しながら行う。この溶解に
際して、溶融スラグを出湯前の溶湯の30〜70%とし
て、1次ダストを回収するが、溶融スラグの量を前記の
ように規定する理由は、30%未満では供給する酸化性
ガスが溶融スラグ層を透過(通過)して溶融金属に衝突
し、この時バブルバースト(泡破裂時に飛散する溶融金
属のことで、ダストとなる)が増えるためであり、他方
溶融スラグ量が70%を超えると(=スラグ層厚も増え
る)、スラグ層上面で発生する熱を溶融スラグ層の下側
に存在する溶融金属層に伝えるのが難しくなり(=伝熱
律則)、加えて溶融スラグそのものも加熱する必要があ
って、その量が増えるのは熱が無駄となるからである。
【0009】次いで前記1次ダストを、同ダストが鉄原
料(前チャージで溶解製造した溶解直後の高温の溶融金
属)の50〜90%となるように、別チャージとして溶
解し、2次ダストを回収するが、1次ダストを鉄原料の
50〜90%となるように溶解する理由は、わざわざ別
チャージとして溶解処理するための配合割合が50%未
満では、1次ダスト発生量がチャージ溶解量の5%とし
た場合、10チャージに1回となってその1回の溶解コ
ストが10チャージにオンされると、10チャージの内
の1チャージ分の溶解コストが10%も上昇するのは好
ましくない。操業時間や手間等のコストが無駄であるか
らであり、他方同ダストの配合割合が90%を超えると
溶融金属なしに溶解することになり、この場合溶融金属
の顕熱(温度×容積×比熱)が利用できないため、溶解
熱源を炭材と酸化性ガスの燃焼熱に全て頼ることにな
り、溶解時の炭材原単位が増大(=コスト増)するから
である。従って1次ダストの配合割合の上限を90%に
規定した。
料(前チャージで溶解製造した溶解直後の高温の溶融金
属)の50〜90%となるように、別チャージとして溶
解し、2次ダストを回収するが、1次ダストを鉄原料の
50〜90%となるように溶解する理由は、わざわざ別
チャージとして溶解処理するための配合割合が50%未
満では、1次ダスト発生量がチャージ溶解量の5%とし
た場合、10チャージに1回となってその1回の溶解コ
ストが10チャージにオンされると、10チャージの内
の1チャージ分の溶解コストが10%も上昇するのは好
ましくない。操業時間や手間等のコストが無駄であるか
らであり、他方同ダストの配合割合が90%を超えると
溶融金属なしに溶解することになり、この場合溶融金属
の顕熱(温度×容積×比熱)が利用できないため、溶解
熱源を炭材と酸化性ガスの燃焼熱に全て頼ることにな
り、溶解時の炭材原単位が増大(=コスト増)するから
である。従って1次ダストの配合割合の上限を90%に
規定した。
【0010】次いで、2次ダストの回収を行い、同2次
ダストを他の別チャージとして水素ガス発生物を加え
て、600〜1200℃に加熱して3次ダストを回収す
るのであるが、この加熱は基本的には、外熱利用(容器
の中に加熱すべき物を入れ置き、容器の外側に高温媒体
を配して容器の壁から中のものを加熱する方法)が加熱
効率が最もよい。加熱温度を前記のように規定したの
は、こうした現存の容器の耐熱温度は、伝熱効率の良い
安価な材質製の容器(通常鋼製であるが)では1200
℃が上限であり、下限の600℃は実験的に確認したも
ので、ダスト中の亜鉛の濃縮が起きる温度および水素発
生物(石炭等)の水素発生温度のいずれもが300℃以
上であり、これらの温度より高めにして濃縮効率を上
げ、かつ加熱時間を2〜3時間以内として2次ダストか
ら3次ダストを収集するタップ(サイクル)に合わせる
ために好ましい範囲であるからである。
ダストを他の別チャージとして水素ガス発生物を加え
て、600〜1200℃に加熱して3次ダストを回収す
るのであるが、この加熱は基本的には、外熱利用(容器
の中に加熱すべき物を入れ置き、容器の外側に高温媒体
を配して容器の壁から中のものを加熱する方法)が加熱
効率が最もよい。加熱温度を前記のように規定したの
は、こうした現存の容器の耐熱温度は、伝熱効率の良い
安価な材質製の容器(通常鋼製であるが)では1200
℃が上限であり、下限の600℃は実験的に確認したも
ので、ダスト中の亜鉛の濃縮が起きる温度および水素発
生物(石炭等)の水素発生温度のいずれもが300℃以
上であり、これらの温度より高めにして濃縮効率を上
げ、かつ加熱時間を2〜3時間以内として2次ダストか
ら3次ダストを収集するタップ(サイクル)に合わせる
ために好ましい範囲であるからである。
【0011】回収した2次ダストを必要に応じて気孔率
30〜50%、粒径5〜20mmφのペレット状に成形
して他の別チャージとして水素ガス発生物を加えて60
0〜1200℃に加熱して3次ダストを回収する。水素
ガス発生物として揮発分含有量20〜40%の石炭を用
いるのは次の理由による。すなわち、水素発生量はダス
トの量に依存するが、揮発分含有量の2〜3割程度以下
しか水素にならないため、揮発分含有量が20%未満で
は、効率が極めて悪く、濃縮時間が長くなるか(例えば
20%×0.3=6%の水素量として、6%で100%
を処理するのに16倍分の時間、例えば16時間を必要
とする)、必要な石炭量が膨大になる(例えば100T
炉で5%の2次ダストを集めて50Tにした場合、50
T中に30%ZnOがあるとすると、ZnOが15Tあ
ることになり、これに必要な水素量に相当する石炭は、
水素量が6%だとすると6.1T必要になる)可能性が
あるので20%以上と規定する。一方、揮発分の上限
は、現存の石炭の揮発分含有量が40%であることと、
揮発分含有量が40%を超えると水素の発生量は十分で
あるが、加熱時に石炭に亀裂が入って粉化し、飛散して
環境汚染のおそれがあるので、40%と規定した。
30〜50%、粒径5〜20mmφのペレット状に成形
して他の別チャージとして水素ガス発生物を加えて60
0〜1200℃に加熱して3次ダストを回収する。水素
ガス発生物として揮発分含有量20〜40%の石炭を用
いるのは次の理由による。すなわち、水素発生量はダス
トの量に依存するが、揮発分含有量の2〜3割程度以下
しか水素にならないため、揮発分含有量が20%未満で
は、効率が極めて悪く、濃縮時間が長くなるか(例えば
20%×0.3=6%の水素量として、6%で100%
を処理するのに16倍分の時間、例えば16時間を必要
とする)、必要な石炭量が膨大になる(例えば100T
炉で5%の2次ダストを集めて50Tにした場合、50
T中に30%ZnOがあるとすると、ZnOが15Tあ
ることになり、これに必要な水素量に相当する石炭は、
水素量が6%だとすると6.1T必要になる)可能性が
あるので20%以上と規定する。一方、揮発分の上限
は、現存の石炭の揮発分含有量が40%であることと、
揮発分含有量が40%を超えると水素の発生量は十分で
あるが、加熱時に石炭に亀裂が入って粉化し、飛散して
環境汚染のおそれがあるので、40%と規定した。
【0012】2次ダストの濃縮に用いる円筒形容器は、
外熱式のものが内部の雰囲気条件制御の点から好まし
い。また外側は鉄皮が強度や維持費の観点から好ましい
が、内部温度は高い方がよいので耐火物内張りとするの
が有利である。円筒容器の断面形状は円形のほか、楕円
形あるいは多角形でもよい。また、円筒容器内はガスと
ダストとの移動方向が対向流が好ましい。対向速度は遅
いと反応が停滞し、早過ぎると粉化が大となるため、1
〜1000mm/sec程度が好ましい。2次ダストに
水素ガス発生物質を添加する理由は、発生した水素によ
りZnO(固体酸化物)を還元して亜鉛を得るためであ
る。水素発生物としては、石炭のほか、固体および液体
炭化水素系物質があるが、揮発分が多く好ましくないの
で、有利には爆発の危険性が少なく安定で取り扱いが容
易な水素発生物質として、高揮発分を20〜40%含有
する石炭が選ばれうる。
外熱式のものが内部の雰囲気条件制御の点から好まし
い。また外側は鉄皮が強度や維持費の観点から好ましい
が、内部温度は高い方がよいので耐火物内張りとするの
が有利である。円筒容器の断面形状は円形のほか、楕円
形あるいは多角形でもよい。また、円筒容器内はガスと
ダストとの移動方向が対向流が好ましい。対向速度は遅
いと反応が停滞し、早過ぎると粉化が大となるため、1
〜1000mm/sec程度が好ましい。2次ダストに
水素ガス発生物質を添加する理由は、発生した水素によ
りZnO(固体酸化物)を還元して亜鉛を得るためであ
る。水素発生物としては、石炭のほか、固体および液体
炭化水素系物質があるが、揮発分が多く好ましくないの
で、有利には爆発の危険性が少なく安定で取り扱いが容
易な水素発生物質として、高揮発分を20〜40%含有
する石炭が選ばれうる。
【0013】なお、還元剤として炭素や金属アルミニウ
ムなどの脱酸剤でもよいが、還元反応温度が高温になり
すぎて、反応容器が冷却設備を要する大型の設備になり
好ましくない。本発明の1次ダスト回収工程における実
施態様の一例を図1により説明する。図1において、1
は上吹ランス、2はスクラップ溶解炉、3はスラグ、4
は溶鉄、5はスクラップ、6は集塵機である。
ムなどの脱酸剤でもよいが、還元反応温度が高温になり
すぎて、反応容器が冷却設備を要する大型の設備になり
好ましくない。本発明の1次ダスト回収工程における実
施態様の一例を図1により説明する。図1において、1
は上吹ランス、2はスクラップ溶解炉、3はスラグ、4
は溶鉄、5はスクラップ、6は集塵機である。
【0014】スクラップ溶解炉2は酸素上吹ランス1を
有する慣用の転炉型容器であり、これにスクラップと炭
材を投入し、スラグの存在下で酸素上吹きにより溶解
し、溶鉄を得る。1次ダストはサイクロン7と集塵機6
により回収される。スクラップ溶解を複数回繰り返して
得られた1次ダストを集めて、塊成後に鉄原料の50〜
90%になるように鋼スクラップに混合して別チャージ
として溶解する。かくして回収された2次ダストにはZ
nOが30%に濃縮されている。この2次ダストをロー
タリーキルン(鋼製の円筒管)内の上側に投入し、次に
水素発生物として高VM炭を投入し、ロータタリーキル
ンの外側からの加熱、例えば水蒸気により600〜12
00℃に加熱して高亜鉛濃度の3次ダストを回収するも
のである。
有する慣用の転炉型容器であり、これにスクラップと炭
材を投入し、スラグの存在下で酸素上吹きにより溶解
し、溶鉄を得る。1次ダストはサイクロン7と集塵機6
により回収される。スクラップ溶解を複数回繰り返して
得られた1次ダストを集めて、塊成後に鉄原料の50〜
90%になるように鋼スクラップに混合して別チャージ
として溶解する。かくして回収された2次ダストにはZ
nOが30%に濃縮されている。この2次ダストをロー
タリーキルン(鋼製の円筒管)内の上側に投入し、次に
水素発生物として高VM炭を投入し、ロータタリーキル
ンの外側からの加熱、例えば水蒸気により600〜12
00℃に加熱して高亜鉛濃度の3次ダストを回収するも
のである。
【0015】なお、2次ダストを集塵機から回収した時
点で、同集塵機の下側に設けられた流水部の流水により
ダスト中の塩素を洗い流して、ロータリーキルン内に投
入することで、排ガス中の有害物質を除去した3次ダス
トを回収することができる。本発明を実施例に基づいて
説明する。
点で、同集塵機の下側に設けられた流水部の流水により
ダスト中の塩素を洗い流して、ロータリーキルン内に投
入することで、排ガス中の有害物質を除去した3次ダス
トを回収することができる。本発明を実施例に基づいて
説明する。
【0016】
実施例1 350トン転炉を用い、スクラップ溶解により溶湯量3
50トンを製造するにあたり、スラグ105トンを用意
し、スクラップ溶解を行って溶湯335トンを得た際、
亜鉛含有量が10%で鉄含有量が40%の1次ダスト約
10トンをサイクロンおよび湿式集塵装置の2段集塵プ
ロセスにより回収できた。スクラップ溶解をさらに20
回繰り返し、合計210トンの1次ダストを回収し、塊
成後、次のスクラップ溶解の際に、210トン(350
トンの60%相当)の1次ダストをスクラップに混ぜて
溶解した。この溶解で回収した2次ダストには亜鉛が2
5%にまで濃縮されており、10トン回収できた。
50トンを製造するにあたり、スラグ105トンを用意
し、スクラップ溶解を行って溶湯335トンを得た際、
亜鉛含有量が10%で鉄含有量が40%の1次ダスト約
10トンをサイクロンおよび湿式集塵装置の2段集塵プ
ロセスにより回収できた。スクラップ溶解をさらに20
回繰り返し、合計210トンの1次ダストを回収し、塊
成後、次のスクラップ溶解の際に、210トン(350
トンの60%相当)の1次ダストをスクラップに混ぜて
溶解した。この溶解で回収した2次ダストには亜鉛が2
5%にまで濃縮されており、10トン回収できた。
【0017】この10トンの2次ダストを鋼製の円筒管
(=ロータリーキルン)内の上側に投入し、次に〔H2
%〕=3.5%の揮発分36%のオプティマム炭(=高
VM炭)を1.1トンを加えて、ロータリーキルンの下
側に投入し、さらにロータリーキルンの外側から水蒸気
により1200℃で15分加熱した。これによりロータ
リーキルン内から亜鉛濃度46%、鉄濃度5%の3次ダ
ストを回収することができた。
(=ロータリーキルン)内の上側に投入し、次に〔H2
%〕=3.5%の揮発分36%のオプティマム炭(=高
VM炭)を1.1トンを加えて、ロータリーキルンの下
側に投入し、さらにロータリーキルンの外側から水蒸気
により1200℃で15分加熱した。これによりロータ
リーキルン内から亜鉛濃度46%、鉄濃度5%の3次ダ
ストを回収することができた。
【0018】実施例2 150トン転炉を用い、スクラップ溶解により溶湯量1
50トンを製造するにあたり、スラグ45トンを用意
し、スクラップ溶解を行って溶湯142.5トンを得た
ところ、亜鉛含有量が9%で鉄含有量が45%の1次ダ
スト約5.25トンを、サイクロンと湿式集塵装置によ
り回収できた。スクラップ溶解をさらに14回繰り返
し、合計79トンの1次ダストを回収した後、これを5
mmφのぺレット状に塊成した後、次のスクラップ溶解
の際に、79トン(150トンの53%相当)の1次ダ
ストをスクラップに混ぜて溶解した。この溶解で回収し
た2次ダストは亜鉛含有量15%であり、5.25トン
回収できた。
50トンを製造するにあたり、スラグ45トンを用意
し、スクラップ溶解を行って溶湯142.5トンを得た
ところ、亜鉛含有量が9%で鉄含有量が45%の1次ダ
スト約5.25トンを、サイクロンと湿式集塵装置によ
り回収できた。スクラップ溶解をさらに14回繰り返
し、合計79トンの1次ダストを回収した後、これを5
mmφのぺレット状に塊成した後、次のスクラップ溶解
の際に、79トン(150トンの53%相当)の1次ダ
ストをスクラップに混ぜて溶解した。この溶解で回収し
た2次ダストは亜鉛含有量15%であり、5.25トン
回収できた。
【0019】この5.25トンの2次ダスト全部をロー
タリーキルンの一方(=上側、スクラップの入れ口)か
ら装入し、揮発分13%の石炭(〔H2 %〕=3.5
%)700kgをロータリーキルンの下側に相当する位
置に専用の投入孔を設けて投入し、ロータリーキルンの
鉄皮外側空間外側に溶解炉の排ガスを導入して900℃
で60分加熱した。このとき、ロータリーキルン内の物
の流れを上側から下側に移動させ、ガスを排ガスを用い
て逆に流すようにした。これによりロータリーキルンか
ら亜鉛濃度が65%、鉄濃度が4%の3次ダストを回収
できた。
タリーキルンの一方(=上側、スクラップの入れ口)か
ら装入し、揮発分13%の石炭(〔H2 %〕=3.5
%)700kgをロータリーキルンの下側に相当する位
置に専用の投入孔を設けて投入し、ロータリーキルンの
鉄皮外側空間外側に溶解炉の排ガスを導入して900℃
で60分加熱した。このとき、ロータリーキルン内の物
の流れを上側から下側に移動させ、ガスを排ガスを用い
て逆に流すようにした。これによりロータリーキルンか
ら亜鉛濃度が65%、鉄濃度が4%の3次ダストを回収
できた。
【0020】実施例3 20トン転炉を用い、上吹き酸素と炭材を用いてスクラ
ップ溶解する際に、溶湯量20トンに対してスラグ6ト
ンで操業した結果、亜鉛含有量が15%で鉄含有量が4
5%の1次ダストを0.5トン、サイクロンと湿式集塵
装置により回収できた。スクラップ溶解をさらに27回
繰り返し、合計14トンの1次ダストを回収した後、次
のスクラップ溶解の際に、14トン(20トンの70%
相当)の1次ダストをスクラップに混ぜて溶解した。こ
の溶解で2次ダスト(Zn=20%)が0.5トン回収
できた。
ップ溶解する際に、溶湯量20トンに対してスラグ6ト
ンで操業した結果、亜鉛含有量が15%で鉄含有量が4
5%の1次ダストを0.5トン、サイクロンと湿式集塵
装置により回収できた。スクラップ溶解をさらに27回
繰り返し、合計14トンの1次ダストを回収した後、次
のスクラップ溶解の際に、14トン(20トンの70%
相当)の1次ダストをスクラップに混ぜて溶解した。こ
の溶解で2次ダスト(Zn=20%)が0.5トン回収
できた。
【0021】これを10mmφ以上のペレットに成形し
て、溶解炉の予熱炉として使用しているロータリーキル
ンの上側に装入し、スクラップと混合した。一方、送酸
を停止した溶解炉内に揮発分30%の石炭を50kgを
添加して、揮発分を飛散させ、この揮発分を含む排ガス
をロータリーキルンに導入して外熱した。ロータリーキ
ルン内は高温の排ガスにより600℃に保たれ、8時間
後にスクラップを溶解炉内に投入した。これによりスク
ラップと共に亜鉛濃度が72%、鉄濃度が4%の3次ダ
ストを溶解炉に投入することができた。
て、溶解炉の予熱炉として使用しているロータリーキル
ンの上側に装入し、スクラップと混合した。一方、送酸
を停止した溶解炉内に揮発分30%の石炭を50kgを
添加して、揮発分を飛散させ、この揮発分を含む排ガス
をロータリーキルンに導入して外熱した。ロータリーキ
ルン内は高温の排ガスにより600℃に保たれ、8時間
後にスクラップを溶解炉内に投入した。これによりスク
ラップと共に亜鉛濃度が72%、鉄濃度が4%の3次ダ
ストを溶解炉に投入することができた。
【0022】実施例4 前記実施例3記載の方法で回収した14トンの2次ダス
トを湿式集塵装置から取り出した時点で、流水によりダ
スト分中の塩素化合物を洗い流した後、ロータリーキル
ンに投入した。これにより、亜鉛濃度が72%、鉄濃度
が4%の3次ダストを回収でき、さらに排ガス中の有害
物質を排除できた。
トを湿式集塵装置から取り出した時点で、流水によりダ
スト分中の塩素化合物を洗い流した後、ロータリーキル
ンに投入した。これにより、亜鉛濃度が72%、鉄濃度
が4%の3次ダストを回収でき、さらに排ガス中の有害
物質を排除できた。
【0023】比較例 慣用の方法に従ったスクラップ溶解により得られた1次
ダストをペレット状にして溶解炉にリサイクルしたが、
亜鉛濃度は30%以上にならず、また、溶解炉からでる
メタル中にZnがトレース程度(<0.01%)含有さ
れていた。
ダストをペレット状にして溶解炉にリサイクルしたが、
亜鉛濃度は30%以上にならず、また、溶解炉からでる
メタル中にZnがトレース程度(<0.01%)含有さ
れていた。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、スクラップ溶解に際し
て生成するダストから、亜鉛を高濃度で効率よく回収で
きる。
て生成するダストから、亜鉛を高濃度で効率よく回収で
きる。
【図1】本発明の1次ダスト回収工程における実施態様
の一例をを示す説明図である。
の一例をを示す説明図である。
1:上吹ランス 2:溶解炉 3:スラグ 4:溶鉄 5:スクラップ 6:集塵機 7:サイクロン 8:煙突 9:煙道
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 精一 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内
Claims (4)
- 【請求項1】 炭材を添加すると共に酸化性ガスを供給
しながら鋼スクラップを溶解する際に溶融スラグを出湯
前の溶湯の30〜70%とし、発生する1次ダストを回
収し、同1次ダストが鉄原料の50〜90%となるよう
に別チャージとして溶解し、2次ダストの回収を行い、
同2次ダストを他の別チャージとして水素ガス発生物を
加えて、加熱して3次ダストを回収することを特徴とす
るスクラップ溶解炉の発生ダストの処理方法。 - 【請求項2】 2次ダストを他の別チャージとして水素
ガス発生物を加えて加熱する温度を600〜1200℃
とすることを特徴とする請求項1記載のスクラップ溶解
炉の発生ダストの処理方法。 - 【請求項3】 前記水素ガス発生物が揮発分含有量20
〜40%の石炭であることを特徴とする請求項1または
2記載のスクラップ溶解炉の発生ダストの処理方法。 - 【請求項4】 回収した2次ダストに水を加えて塩素化
合物を除去した後、他のチャージとして溶解することを
特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスクラ
ップ溶解炉の発生ダストの処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7682495A JPH08269527A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | スクラップ溶解炉の発生ダストの処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7682495A JPH08269527A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | スクラップ溶解炉の発生ダストの処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08269527A true JPH08269527A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=13616436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7682495A Withdrawn JPH08269527A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | スクラップ溶解炉の発生ダストの処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08269527A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006241574A (ja) * | 2005-03-07 | 2006-09-14 | Nippon Steel Corp | 亜鉛含有ダストからの亜鉛回収方法 |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP7682495A patent/JPH08269527A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006241574A (ja) * | 2005-03-07 | 2006-09-14 | Nippon Steel Corp | 亜鉛含有ダストからの亜鉛回収方法 |
JP4580256B2 (ja) * | 2005-03-07 | 2010-11-10 | 新日本製鐵株式会社 | 亜鉛含有ダストからの亜鉛回収方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020604 |