JPH08264187A - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents

固体電解質型燃料電池

Info

Publication number
JPH08264187A
JPH08264187A JP7062262A JP6226295A JPH08264187A JP H08264187 A JPH08264187 A JP H08264187A JP 7062262 A JP7062262 A JP 7062262A JP 6226295 A JP6226295 A JP 6226295A JP H08264187 A JPH08264187 A JP H08264187A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
electrode
fuel electrode
solid electrolyte
fuel cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7062262A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Tanaka
信夫 田中
Yusaku Shimoda
有作 下田
Toshiyuki Shirakawa
敏行 白川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Idemitsu Kosan Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Petroleum Energy Center PEC
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER, Petroleum Energy Center PEC, Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Priority to JP7062262A priority Critical patent/JPH08264187A/ja
Publication of JPH08264187A publication Critical patent/JPH08264187A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料電極の電極反応場である三相界面への酸
素イオンの供給を促進し、電極反応を活性化することに
よって燃料電極の分極抵抗を低減し、発電性能に優れた
SOFCを提供することである。 【構成】 固体電解質の一方の面に燃料電極、他方の面
に空気電極を設けてなる固体電解質型燃料電池であっ
て、該固体電解質と燃料電極との間に、周期律表第8,
9,10族の金属及びこれらの合金のうち少なくとも一
種と、1000℃における酸素イオン導電率が0.2S/
cm以上である酸素イオン導電性酸化物との混合物から
なる界面層を形成してなることを特徴とする固体電解質
型燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解質型燃料電池
(以下「SOFC」と言うことがある。)に関し、さら
に詳しくは、発電性能に優れた固体電解質型燃料電池に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ジルコニア系酸化物などの酸素イオン導
電体を電解質として用いる固体電解質型燃料電池の燃料
電極には、高い電子導電性、ガス透過性(多孔性)、電
気化学的触媒活性、高温還元雰囲気での化学的安定性、
及び電解質やその他の構成材料と熱膨張率が近いこと等
の性能が要求される。これらの性能を満足するものとし
て、Niなどの周期律表第8族の金属と、電解質として
主に用いられるイットリア安定化ジルコニア(YSZ)
などの酸素イオン導電性の酸化物との混合物(サーメッ
ト)があるが、価格が安定なことあるいは入手しやすい
材料であることから、NiとYSZとのサーメットを用
いるのが一般的である。このNi/YSZサーメットを
用いた燃料電極では、電解質を通過した酸素イオンと、
気相を拡散してきた水素,一酸化炭素などの燃料との反
応が起こり、水や二酸化炭素が生成する。このような電
極反応は、通常Ni/YSZ/気相の三相が接した界面
(三相界面)近傍で起こるとされており、この電極反応
場への燃料や酸素イオンの拡散や電極反応場での電荷移
動過程が、電極反応の活性を支配するということが知ら
れている。
【0003】燃料電極の電極反応を活性化し、分極抵抗
を低減するためには、電極反応場である三相界面長を増
やすと共に、電極反応場への燃料や酸素イオンの拡散を
スムーズに行わせる必要がある。そこで、燃料電極を構
成するNiとYSZとの粒径比を制御して三相界面長を
増やすこと、あるいは燃料電極の気孔率や細孔径を制御
して電極反応場への燃料の拡散を促進することによる改
良によって、分極抵抗を低減するという技術が提案され
ている(特開平5−151981号公報,特開平6−5
2863号公報等)。
【0004】しかしながら、電極反応の活性を支配する
もう1つの要素である電極反応場への酸素イオンの拡散
を促進するという視点での改良は、これまで特に行われ
ていなかった。従って、従来用いられているNi/YS
Zサーメットでは、燃料電極中のYSZの酸素イオン導
電率が、通常のSOFCの作動温度である1000℃で
は0.1S/cm程度と高くないため、三相界面への酸素
イオンの供給が十分に速く行われているとは言い難く、
特に高電流を流した場合には、三相界面への酸素イオン
の供給が律速となり、分極抵抗が大きくなるという問題
点があった。
【0005】また、YSZに比べて酸素イオン導電性の
高い電解材料として、酸化スカンジウム(Sc23)で
安定化したジルコニア(ScSZ)が知られており、こ
れを電解質材料として用いるというSOFCが提案され
ている(特開平7−6774号公報)。しかしながら、
この材料は結晶相が不安定であるために、SOFCの作
動温度である1000℃まで加熱する際には、大きな体
積変化を生じ、それによってセルやスタックに割れが生
じるという問題点がある。同様に、酸化イッテルビウム
(Yb23)や酸化ガドリニウム(Gd23)で安定化
したジルコニアにおいても、酸素イオン導電性は高いも
のの、結晶相が不安定であるため、SOFCの構成要素
として用いるには、問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、燃料
電極の電極反応場である三相界面への酸素イオンの供給
を促進し、電極反応を活性化することによって燃料電極
の分極抵抗を低減し、発電性能に優れたSOFCを開発
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、固体電
解質と燃料電極との間に、酸素イオン導電率の高い酸化
物と、燃料電極反応の触媒活性の高い周期律表第8,
9,10族金属との混合物からなる界面層を導入するこ
とにより、電極反応場への酸素イオンの供給が活性化さ
れ、燃料電極の分極抵抗を低減することができ、発電性
能に優れたSOFCが得られることを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて完成された。
【0008】即ち、本発明は、固体電解質の一方の面に
燃料電極、他方の面に空気電極を設けてなる固体電解質
型燃料電池であって、該固体電解質と燃料電極との間
に、周期律表第8,9,10族の金属及びこれらの合金
のうち少なくとも一種と、1000℃における酸素イオ
ン導電率が0.2S/cm以上である酸素イオン導電性酸
化物との混合物からなる界面層を形成してなる固体電解
質型燃料電池を提供するものである。ここで、上記界面
層の膜厚は、10〜50μmであることが好ましく、上
記混合物において、周期律表第8,9,10族の金属及
びこれらの合金の含有量は、30〜70重量%であるこ
とが好ましい。また、上記酸素イオン導電性酸化物は、
酸化スカンジウム,酸化イッテルビウム及び酸化ガドリ
ニウムのうち少なくとも一種で安定化された酸化ジルコ
ニウムであることが好ましい。以下、本発明に係る固体
電解質型燃料電池について、さらに詳細に説明する。
【0009】SOFCには、円筒型,平板型,モノリシ
ック型などの幾つかのタイプが提案されている。本発明
は、いずれのタイプのSOFCについても適用可能であ
る。以下に、多孔質基体管上に本発明のSOFCの構成
要素である燃料電極,界面層,固体電解質,空気電極を
順次積層し、基体管の内側に燃料、外側に酸素又は空気
を流すタイプの円筒型SOFCを例にとって説明する。
このタイプの本発明のSOFC単セルの基本構造を第1
図に示す。
【0010】先ず、基体管1には、市販されている多孔
質なCSZ(カルシア安定化ジルコニア)やアルミナの
チューブ等を使用するすることができる。
【0011】また、燃料電極2は、基体管1上に多孔質
膜を製膜して設けられる。その材料としては、燃料電極
2として一般的に用いられているNi/YSZサーメッ
トなどを用いることができるが、サーメット中のNiの
含有量は、通常30〜70重量%、好ましくは40〜6
0重量%である。サーメット中のNiの含有量が、少な
過ぎると燃料電極の導電率が低くなるので好ましくな
く、多過ぎると固体電解質との熱膨張率の差が大きくな
り、運転時のヒートサイクルによる割れや剥離が生じる
おそれがあるので好ましくない。なお、YSZ(イット
リアで安定化したジルコニア)を含むサーメットを用い
る場合、イットリアのドープ量は、YSZが充分な酸素
イオン導電性を持つ範囲である6〜10モル%程度とす
るのが好ましい。燃料電極2の製膜方法としては、多孔
質膜が得られる方法であれば特に限定されないが、代表
的なものとしては溶射法,スラリーコート法,スリップ
キャスト法などが用いられる。なお、製膜時には、酸化
物でもSOFC運転時では燃料ガスにより金属に還元さ
れることから、Ni/YSZの代わりにNiO/YSZ
を原料粉末として用いることもできる。そして、燃料電
極2の層の膜厚は、50〜100μmの範囲であること
が好ましい。薄過ぎると燃料電極2中の膜に平行な方向
の電気抵抗が大きくなるので好ましくなく、厚過ぎると
ガスの拡散に不利であり好ましくない。
【0012】次に、界面層3の材料としては、酸素イオ
ン導電性酸化物と周期律表第8,9,10族の金属及び
これらの合金のうち少なくとも1種との混合物が用いら
れる。酸素イオン導電性酸化物としては、酸素イオン導
電率が高い程電極反応場への酸素イオンの供給が活性化
されるので好ましく、1000℃での値が0.2S/cm
以上であることが好ましい。具体的には、例えば酸化ス
カンジウム,酸化イッテルビウム又は酸化ガドリニウム
で安定化された酸化ジルコニウム、あるいは酸化スカン
ジウム,酸化イッテルビウム及び酸化ガドリニウムのう
ち2種以上で安定化された酸化ジルコニウムなどが挙げ
られる。このような材料は、一般的には市販されていな
いことが多いので、上記それぞれの酸化物あるいはその
前駆体を用いて作製する。使用可能な前駆体として具体
的には、例えばそれぞれの金属の硝酸塩や塩化物等があ
る。作製方法としては、セラミックスの粉末合成に用い
られる一般的な方法を用いることができ、例えば粉末混
合−焼成法や共沈法,ゾル−ゲル法,噴霧熱分解法など
が好ましく用いられる。中でも、できるだけ均一な粉末
を得るためには、共沈法やゾル−ゲル法などの液相から
の合成法を用いることが特に好ましい。このようにして
得られた材料の酸素イオン導電率は、焼結体を作製する
か、あるいは基板上に膜を作製し、それぞれ白金線など
のリード線を4本取り出した試料を用いて、交流4端子
法などによって測定することができる。
【0013】周期律表第8,9,10族の金属及びこれ
らの合金としては、Ni,Pd又はPtのいずれを用い
ることもできるが、触媒活性の高さやコストとの兼ね合
いから、Niが特に好ましく用いられる。中でも、本発
明では、ニッケル又は酸化ニッケルの粉末と安定化した
ジルコニア粉末とを混合・造粒したものが特に好まし
い。この場合に、酸化ニッケルとはニッケルの酸化物を
意味し、各種のニッケル酸化物及びその混合物を含む
が、通常は酸化ニッケルとして、NiO又はNiOを主
成分とする各種ニッケル酸化物の混合物が用いられる。
また、ニッケル又は酸化ニッケルの粉末として、ニッケ
ル粉末と酸化ニッケル粉末の混合物を用いても差し支え
ない。なお、上記原料としては、市販の金属粉末の他、
これらの金属の酸化物でもよく、酸化物を用いる場合に
は、酸化物はSOFC運転時に燃料ガスにより金属に還
元される。
【0014】上記酸素イオン導電性酸化物と、上記周期
律表第8,9,10族の金属及びこれらの合金のうち少
なくとも1種との混合物は、それぞれの粉末を混合して
混合粉末として作製する。具体的に混合方法としては、
湿式法と乾式法のどちらを採用してもよいが、より均一
に混合する観点から湿式法を採用するのが好ましい。湿
式混合としては、従来から知られているものを採用する
ことができ、例えば、原料粉末に水又はメタノールやエ
タノール等の有機溶媒を加え、乳鉢やボールミル、遊星
型ボールミルあるいは各種の混練機等を用いて混合する
方法などがある。上記金属又は金属酸化物と酸素イオン
導電性酸化物との混合比は、金属又は金属酸化物の含有
率が金属換算で好ましくは30〜70重量%、さらに好
ましくは40〜60重量%である。金属又は金属酸化物
の含有率が多い程、一般には燃料電極の導電性が高くな
るので好ましいが、一方において、多過ぎると電解質と
の熱膨張率の差が大きくなり、運転時のヒートサイクル
により電解質との剥離が生じやすいので好ましくない。
【0015】このような混合物からなる界面層3は、上
記混合粉末を用いて燃料電極2上に製膜して作製され
る。この界面層3は燃料電極2と同様に、多孔質に製膜
する必要があるが、その製膜方法としては、溶射法,ス
ラリーコート法,スリップキャスト法などの通常SOF
Cの燃料電極作製に用いられる各種の方法を用いること
ができる。この界面層3の膜厚は、好ましくは10〜5
0μm、さらに好ましくは20〜30μmである。膜厚
が薄過ぎると高酸素イオン導電性酸化物による三相界面
への酸素イオンの供給促進の効果が小さいので好ましく
なく、膜厚が厚過ぎると酸化物の使用量が増加するた
め、運転時のヒートサイクルによる電解質との剥離が生
じることがあり好ましくない。
【0016】次に、上記のようにして作製した界面層3
の上に、緻密な固体電解質4が製膜される。固体電解質
4の材料としては、一般的な酸素イオン導電性酸化物が
用いられ、例えばYSZなどが挙げられる。製膜方法と
しては、緻密な膜が得られる方法であれば特に限定され
ないが具体的には、例えば溶射法,スラリーコート法,
スリップキャスト法などが挙げられる。この固体電解質
4の膜厚は、好ましくは100〜500μm、さらに好
ましくは200〜400μmである。膜厚が薄過ぎると
電解質4を介しての燃料ガスと酸化剤ガスとのクロスリ
ークが起こるため、セルの開回路電圧(OCV)や出力
密度の低下し好ましくない。一方、膜厚が厚過ぎると電
解質4の電気抵抗増加に伴うセルの内部抵抗の増加を招
くため、出力密度の低下が生じて好ましくない。
【0017】最後に、上記のようにして得られる固体電
解質4の上に、多孔質な空気電極5が製膜され、本発明
のSOFC単セルが形成される。空気電極5の材料とし
ては、一般的な空気電極の材料が用いられるが、例えば
LaMnO3系酸化物やLaCoO3系酸化物が挙げられ
る。製膜方法としては、多孔質な膜が得られる方法であ
れば特に限定されないが具体的には、例えば溶射法,ス
ラリーコート法,スリップキャスト法などが挙げられ
る。この空気電極5の膜厚は、好ましくは50〜100
μmである。
【0018】以上のような基本構造を有する複数個の単
セルの燃料電極と、空気電極とをインターコネクターを
介して直列に接続することにより、スタックが形成され
る。ここで用いられる燃料電極、空気電極及びインター
コネクター等の材料や単セル及びスタックの形成方法は
特に限定されるものではない。なお、自立膜方式の平板
型単セル等の固体電解質膜の両面に燃料電極2及び空気
電極5を製膜する工程で作製するタイプの単セルの場
合、電解質4と燃料電極2との間に、前記混合物からな
る界面層3を設けるためには、先ず、電解質4上に界面
層3を製膜し、次いで、燃料電極2を製膜することで作
製する。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこの具体例によって何ら限定されるも
のではない。
【0020】実施例1 (1)NiO/スカンジア安定化ジルコニア(ScS
Z)原料粉末の作製 オキシ硝酸ジルコニウム(2水和物)237.9グラム及
び塩化スカンジウム33.3グラムを、蒸留水200ミリ
リットルに溶解し、濃硝酸30ミリリットルを加えて攪
拌する。この溶液を100℃に加熱し、ポリエチレング
リコール(分子量400)300ミリリットルを添加し
て水がなくなるまで攪拌した後、室温までゆっくりと冷
却した。得られた樹脂状物を電気炉にて800℃、10
時間仮焼し、11モル%Sc23ドープZrO2(Sc
SZ)粉末を得た。得られた粉末をXRDで同定したと
ころ、ScSZ単相であることが確認された。また、こ
の材料の酸素イオン導電率を測定するために、得られた
粉末を直方体に成形し、電気炉にて1600℃で10時
間焼結することにより、焼結体を作製した。この焼結体
の酸素イオン導電率は、1000℃で0.30S/cmで
あった。尚、酸素イオン導電率は、インピーダンス/ゲ
インフェイズアナライザー(Solartron 1260型)及
びポテンショ/ガルパノスタット(Solartron 1286
型)を用いて、交流4端子法により測定した。さらに、
作製したScSZ粉末を乳鉢にて粉砕し、これに酸化ニ
ッケル粉末をNiO/ScSZの重量比が、5/5とな
るように加えて、遊星型ボールミルにて1時間乾式混合
し、原料粉末を得た。
【0021】(2)円筒型単セルの作製 本発明の燃料電極の性能は、第2図に示すような円筒型
単セルを作製し、この単セルの発電性能を測定すること
により評価した。この円筒型単セルは、多孔質なAl2
3基体管1(外径21φ,内径15φ,長さ420m
m)の中央部に有効発電長15mmの単セルを作製した
もので、燃料電極2からの集電は、NiAl系合金のリ
ード膜6を介して基体管の端部で行い、空気電極5から
の集電は、白金メッシュ、白金線を巻き付け、白金ペー
ストで焼き付けることによって作製したリード線7を介
して行った。また、リード膜6の酸化防止あるいはセル
以外の箇所でのガス漏れ防止のため、有効発電長以外の
部分には、アルミナの保護膜8を製膜した。ここで、燃
料電極,電解質,リード膜及び保護膜の製膜には、直流
プラズマ溶射装置(メテコ社製9MB型)を用い、空気
電極の製膜にはアセチレンフレーム溶射装置(メテコ社
製6P型)を用いた。それぞれ膜の製膜時の溶射条件を
第1表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】以下、この円筒型単セルの作製方法を説明
する。Al23基体管1の中央部50mm以外の部分
に、NiAl系合金の粉末を用いてプラズマ溶射を行
い、リード膜6を製膜した。得られたリード膜6の膜厚
をノギスで測定したところ約100μmであった。な
お、単セルの両側にリード膜6を設けたのは、一方の側
を電流印可用とし、他方の側を電圧読み取り用として分
けることにより、リード膜6の抵抗を除去した性能を評
価するためである。次に、基体管1の中央部100mm
の範囲に、NiO/YSZの重量比が5/5の粉末を用
いてプラズマ溶射を行い、燃料電極2を作製した。ノギ
スで測定した燃料電極2の膜厚は、約80μmであっ
た。この燃料電極上に、上記(1)で得られた原料粉末
を用いてプラズマ溶射を行い、NiO/ScSZ界面層
3を作製した。ノギスで測定した界面層3の膜厚は、約
20μmであった。次に、基体管1の中央部50mmの
範囲の界面層3の上に、8モル%Y23ドープZrO2
(8YSZ)粉末を用いてプラズマ溶射を行い、固体電
解質4を製膜した。ノギスで測定した固体電解質4の膜
厚は、約300μmであった。更に、基体管1の中央部
30mmの範囲の固体電解質4の上に、La0.6Sr0.4
MnO3粉末を用いてアセチレンフレーム溶射を行い、
空気電極5を製膜した。ノギスで測定した空気電極5の
膜厚は、約50μmであった。
【0024】最後に、基体管1の中央部15mmの範囲
の空気電極5の上、及び基体管1の両端10mmの範囲
のリード膜6の上をそれぞれ除いた部分に、Al23
末を用いてプラズマ溶射を行い、保護膜8を製膜した。
ノギスで測定した保護膜8の膜厚は、約300μmであ
った。得られた単セルについて空気電極5の露出部分1
5mmの範囲に、白金メッシュを白金線で巻き付け、白
金ペーストを塗布して150℃で1時間乾燥することに
より、白金リード線7を取り付けた。なお、白金リード
線の抵抗を除去した性能を評価するために、電流印加用
と電圧読み取り用のリード線をそれぞれ分けて設けた。
【0025】(3)発電性能の測定 上記(2)のようにして作製した円筒型単セルを、発電
性能評価用の電気炉にセットした。この時、セルの両端
のリード膜が露出した部分に、内側ガスの出入口兼ねた
集電用のキャップを設けた。次に、この円筒型単セルの
内外側に窒素を流しながら、100℃/hの速度で10
00℃まで昇温した。1000℃において、先ず、空気
電極側(外側)の窒素を酸素に切り換えた後、燃料電極
側(内側)の窒素を徐々に水素に切り換えた。ガスの切
り換え終了後、電流印加用の燃料電極側集電用キャップ
と空気電極側白金リード線との間に、直流安定化電源
(スタビライザー社製NC−110M)を用いて一定電
流を印加し、その時の電圧読み取り用の集電用キャップ
と白金リード線との間の電圧を、デジタルマルチメータ
(アドバンテスト社製TR6848)を用いて読み取る
ことにより、電流−電圧特性を測定した。この時のガス
流量は、水素2リットル/分、酸素1.5リットル/分で
あった。得られた電流値と電圧値とを掛け合わせること
により、出力を計算し、これを有効発電面積である9.9
cm2で割ることにより、出力密度を算出した。この単
セルの電流密度500mA/cm2における出力密度
は、0.41W/cm2であった。発電性能の測定結果を
第2表に示す。
【0026】実施例2 実施例1において、界面層3として、NiO/ScSZ
の重量比が5/5の原料粉末の代わりに、NiO/Sc
SZの重量比が7/3の原料粉末を用いて製膜した以外
は、実施例1と同様にして、円筒型単セルを作製し、同
じ測定条件で発電性能を測定したところ、電流密度50
0mA/cm2における出力密度は、0.40W/cm2
あった。発電性能の測定結果を第2表に示す。
【0027】比較例1 実施例1において、燃料電極の電解質側の界面に、Ni
O/ScSZの重量比が5/5の原料粉末を製膜せずに
用いた以外は、実施例1と同様にして、円筒型単セルを
作製し、同じ測定条件で発電性能を測定したところ、電
流密度500mA/cm2における出力密度は、0.29
W/cm2であった。発電性能の測定結果を第2表に示
す。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明の固体電解質型燃料電池は、酸素
イオン導電率の高い酸化物と燃料電極反応の活性の高い
周期律表第8,9,10族の金属との混合物からなる界
面層を、固体電解質と燃料電極との間に形成することに
より、電極反応場への酸素イオンの供給が活性化され、
燃料電極の分極抵抗を低減することができる。従って、
本発明の固体電解質型燃料電池は、優れた発電性能を有
し、各種の利用分野において好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解質型燃料電池の内、円筒型S
OFC単セルの基本構造を示す断面図である。
【図2】本発明の固体電解質型燃料電池の内、実施例で
用いた円筒型SOFC単セルの基本構造を示す長さ方向
の断面図である。
【符号の説明】
1 基体管 2 燃料電極 3 界面層 4 固体電解質 5 空気電極 6 リード膜 7 白金リード線 8 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白川 敏行 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地 出光興産株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質の一方の面に燃料電極、他方
    の面に空気電極を設けてなる固体電解質型燃料電池であ
    って、該固体電解質と燃料電極との間に、周期律表第
    8,9,10族の金属及びこれらの合金のうち少なくと
    も一種と、1000℃における酸素イオン導電率が0.2
    S/cm以上である酸素イオン導電性酸化物との混合物
    からなる界面層を形成してなることを特徴とする固体電
    解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記界面層の膜厚が、10〜50μmで
    あることを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃料
    電池。
  3. 【請求項3】 前記混合物において、周期律表第8,
    9,10族の金属及びこれらの合金の含有量が、30〜
    70重量%であることを特徴とする請求項1記載の固体
    電解質型燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記酸素イオン導電性酸化物が、酸化ス
    カンジウム,酸化イッテルビウム及び酸化ガドリニウム
    のうち少なくとも一種で安定化された酸化ジルコニウム
    であることを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃
    料電池。
JP7062262A 1995-03-22 1995-03-22 固体電解質型燃料電池 Pending JPH08264187A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7062262A JPH08264187A (ja) 1995-03-22 1995-03-22 固体電解質型燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7062262A JPH08264187A (ja) 1995-03-22 1995-03-22 固体電解質型燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08264187A true JPH08264187A (ja) 1996-10-11

Family

ID=13195066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7062262A Pending JPH08264187A (ja) 1995-03-22 1995-03-22 固体電解質型燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08264187A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1202370A1 (en) * 2000-10-23 2002-05-02 Toho Gas Co., Ltd. Solid oxide fuel cell
US6515254B2 (en) 1998-09-03 2003-02-04 Daimlerchrysler Ag Method for the surface treatment of a tribological coating
JP2016122545A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 三菱日立パワーシステムズ株式会社 固体酸化物形燃料電池及び固体酸化物形燃料電池の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6515254B2 (en) 1998-09-03 2003-02-04 Daimlerchrysler Ag Method for the surface treatment of a tribological coating
EP1202370A1 (en) * 2000-10-23 2002-05-02 Toho Gas Co., Ltd. Solid oxide fuel cell
JP2016122545A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 三菱日立パワーシステムズ株式会社 固体酸化物形燃料電池及び固体酸化物形燃料電池の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7416802B2 (en) Electrode-supported solid state electrochemical cell
Jiang et al. Electrochemical characteristics of solid oxide fuel cell cathodes prepared by infiltrating (La, Sr) MnO3 nanoparticles into yttria-stabilized bismuth oxide backbones
Ruiz-Morales et al. On the simultaneous use of La0. 75Sr0. 25Cr0. 5Mn0. 5O3− δ as both anode and cathode material with improved microstructure in solid oxide fuel cells
Xia et al. Sm0. 5Sr0. 5CoO3 cathodes for low-temperature SOFCs
EP1532710B1 (en) Perovskite-based fuel cell electrode and membrane
US7740772B2 (en) Ceramic anodes and method of producing the same
US7709124B2 (en) Direct hydrocarbon fuel cells
US7670711B2 (en) Cerium-modified doped strontium titanate compositions for solid oxide fuel cell anodes and electrodes for other electrochemical devices
US6479178B2 (en) Direct hydrocarbon fuel cells
EP2748884B1 (en) Solid oxide fuel cell with composite anode with improved mechanical integrity and increased efficiency
US20070141423A1 (en) Tubular electrochemical reactor cell and electrochemical reactor system which is composed of the cell
Liu et al. Fabrication and characterization of micro-tubular cathode-supported SOFC for intermediate temperature operation
JP2513920B2 (ja) 固体電解質燃料電池の燃料電極及びその製造方法
Wang et al. Investigation of LSM1. 1–ScSZ composite cathodes for anode-supported solid oxide fuel cells
Cai et al. Anode performance of Mn-doped ceria–ScSZ for solid oxide fuel cell
Kikuta et al. Fabrication and characterization of microtubular and flattened ribbed SOFCs prepared by the multi-dip coating and co-firing
US7482077B2 (en) Direct hydrocarbon fuel cells
CN108598540A (zh) 固体氧化物燃料电池及其制备方法
JP7442071B2 (ja) 膜電極接合体、電気化学デバイスおよび電気化学システム
JPH08264187A (ja) 固体電解質型燃料電池
US7758992B2 (en) Copper-substituted perovskite compositions for solid oxide fuel cell cathodes and oxygen reduction electrodes in other electrochemical devices
JPH08264188A (ja) 固体電解質型燃料電池及びその製造方法
JP3351865B2 (ja) 固体電解質型燃料電池用燃料極及びこの燃料極を用いた自立膜平板型固体電解質型燃料電池
JP2592067B2 (ja) 固体電解質型燃料電池の酸素極
JPH05234604A (ja) 固体電解質型燃料電池