JPH0826196A - テザー型人工衛星の姿勢制御装置 - Google Patents
テザー型人工衛星の姿勢制御装置Info
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- JPH0826196A JPH0826196A JP6163465A JP16346594A JPH0826196A JP H0826196 A JPH0826196 A JP H0826196A JP 6163465 A JP6163465 A JP 6163465A JP 16346594 A JP16346594 A JP 16346594A JP H0826196 A JPH0826196 A JP H0826196A
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Landscapes
- Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来のホイールを使った人工衛星の制御方式
では、姿勢制御が困難となるテザー型人工衛星におい
て、有効な姿勢制御手段を提供することを目的としてい
る。 【構成】 衛星1でのテザー取付位置においてテザーが
3本6a,6b,6cに分岐し、各々の長さを制御する
テザー制御機構7a,7b,7cと、衛星ヨー軸方向を
向いたリアクションホイール8ならびにその駆動装置9
から構成され、テザー制御機構によって衛星のロール,
ピッチ姿勢角を制御し、リアクションホイールの回転制
御によって衛星ヨー姿勢角を制御できるようにしたテザ
ー型人工衛星の姿勢制御装置。
では、姿勢制御が困難となるテザー型人工衛星におい
て、有効な姿勢制御手段を提供することを目的としてい
る。 【構成】 衛星1でのテザー取付位置においてテザーが
3本6a,6b,6cに分岐し、各々の長さを制御する
テザー制御機構7a,7b,7cと、衛星ヨー軸方向を
向いたリアクションホイール8ならびにその駆動装置9
から構成され、テザー制御機構によって衛星のロール,
ピッチ姿勢角を制御し、リアクションホイールの回転制
御によって衛星ヨー姿勢角を制御できるようにしたテザ
ー型人工衛星の姿勢制御装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つの人工衛星を地球
周回軌道上に並べて航行させ、2つの衛星から広域の地
球大気圏の観測、あるいは地球表面の同時観測などを行
うことを目的とするミッションにおいて、2つの衛星を
1本のひも(テザー)で結んだテザー型の人工衛星の姿
勢制御装置に関するものである。
周回軌道上に並べて航行させ、2つの衛星から広域の地
球大気圏の観測、あるいは地球表面の同時観測などを行
うことを目的とするミッションにおいて、2つの衛星を
1本のひも(テザー)で結んだテザー型の人工衛星の姿
勢制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2つの人工衛星をテザーで結合し、宇宙
空間を航行する宇宙機システムとして、例えば、一方の
衛星を通常の衛星高度(400〜500Km)に配置
し、他方の小さな衛星を地球大気上層部(高度約100
Kmの中間圏など)を航行するようにして、広い高度範
囲にわたっての地球大気の状態を調べる宇宙機システ
ム、あるいは2つの衛星から同時に地球表面を観測し、
精密な地表面データを取得することを可能とする宇宙機
システムなどが考えられている。テザーは、時間がたつ
につれて2つの衛星が次第に離れるのを防ぎ、両衛星の
間の距離を長期的に一定に保持する役割を持っている。
これらの宇宙機システムでのテザーの長さは1Km〜1
00Kmの範囲であり、また全長にわたってのテザー重
量を軽くするため、細く、かつ丈夫な線材が使用され
る。
空間を航行する宇宙機システムとして、例えば、一方の
衛星を通常の衛星高度(400〜500Km)に配置
し、他方の小さな衛星を地球大気上層部(高度約100
Kmの中間圏など)を航行するようにして、広い高度範
囲にわたっての地球大気の状態を調べる宇宙機システ
ム、あるいは2つの衛星から同時に地球表面を観測し、
精密な地表面データを取得することを可能とする宇宙機
システムなどが考えられている。テザーは、時間がたつ
につれて2つの衛星が次第に離れるのを防ぎ、両衛星の
間の距離を長期的に一定に保持する役割を持っている。
これらの宇宙機システムでのテザーの長さは1Km〜1
00Kmの範囲であり、また全長にわたってのテザー重
量を軽くするため、細く、かつ丈夫な線材が使用され
る。
【0003】これまで1つの面を常に地球方向に向けて
地球周回軌道上を飛翔する単一の三軸姿勢制御型の人工
衛星においては、地球中心方向をヨー軸、軌道進行方向
をロール軸、これらと直角に右手座標系をなすようにピ
ッチ軸をとった場合、衛星の姿勢の安定化を図り、この
3つの軸まわりの姿勢を制御する方式として、モーメン
タムホイールを搭載し、衛星ピッチ軸方向に角運動量を
持たせることによって姿勢の安定化を図るバイアスモー
メンタム制御方式、あるいは衛星の三軸方向にトルクが
出せるように衛星の各軸方向にリアクションホイールを
配置したゼロモーメンタム姿勢制御方式、さらにはこれ
ら2つの方式を兼ね備えた制御方式が採用されてきてい
る。
地球周回軌道上を飛翔する単一の三軸姿勢制御型の人工
衛星においては、地球中心方向をヨー軸、軌道進行方向
をロール軸、これらと直角に右手座標系をなすようにピ
ッチ軸をとった場合、衛星の姿勢の安定化を図り、この
3つの軸まわりの姿勢を制御する方式として、モーメン
タムホイールを搭載し、衛星ピッチ軸方向に角運動量を
持たせることによって姿勢の安定化を図るバイアスモー
メンタム制御方式、あるいは衛星の三軸方向にトルクが
出せるように衛星の各軸方向にリアクションホイールを
配置したゼロモーメンタム姿勢制御方式、さらにはこれ
ら2つの方式を兼ね備えた制御方式が採用されてきてい
る。
【0004】バイアスモーメンタム姿勢制御方式の一例
として、モーメンタムホイールの回転軸方向を衛星ピッ
チ方向に配置し、この方向に角運動量をもたせて姿勢の
安定化を図ったものがある。1台のホイールの故障に対
して信頼度を上げるため、一般的にはさらにもう1台の
モーメンタムホイールをピッチ軸方向に配置した構成が
とられている。図2はこのようなバイアスモーメンタム
方式の衛星上でのモーメンタムホイールの配置を示すも
ので、2台のモーメンタムホイール18とこれらをそれ
ぞれ駆動するホイール駆動装置19から構成されてい
る。なお図中、2はロール軸、3はピッチ軸、4はヨー
軸を示している。
として、モーメンタムホイールの回転軸方向を衛星ピッ
チ方向に配置し、この方向に角運動量をもたせて姿勢の
安定化を図ったものがある。1台のホイールの故障に対
して信頼度を上げるため、一般的にはさらにもう1台の
モーメンタムホイールをピッチ軸方向に配置した構成が
とられている。図2はこのようなバイアスモーメンタム
方式の衛星上でのモーメンタムホイールの配置を示すも
ので、2台のモーメンタムホイール18とこれらをそれ
ぞれ駆動するホイール駆動装置19から構成されてい
る。なお図中、2はロール軸、3はピッチ軸、4はヨー
軸を示している。
【0005】衛星の姿勢制御系としては、ホイール以外
に地球センサ,太陽センサなどの姿勢センサ、およびこ
れらセンサのデータからロール,ピッチ,ヨーの各軸ま
わりの衛星の姿勢誤差角を求め、それによってホイール
駆動装置にトルク指令信号を送る姿勢制御電子回路から
構成されるが、図2ではこれらを省略し、ホイール配置
のみ示した。
に地球センサ,太陽センサなどの姿勢センサ、およびこ
れらセンサのデータからロール,ピッチ,ヨーの各軸ま
わりの衛星の姿勢誤差角を求め、それによってホイール
駆動装置にトルク指令信号を送る姿勢制御電子回路から
構成されるが、図2ではこれらを省略し、ホイール配置
のみ示した。
【0006】ゼロモーメンタム姿勢制御方式の一例とし
ては、リアクションホイールの軌道上での故障に対処で
きるようにするためホイール台数を4台とし、1台のホ
イールの故障によっても衛星の三軸まわりの姿勢を継続
して制御できるようにピラミッド状に配置したものがあ
る。図3はこのようなゼロモーメンタム方式のリアクシ
ョンホイールの構成を示すものであり、4台のリアクシ
ョンホイール28とこれらのホイールを駆動するホイー
ル駆動装置29から構成され、リアクションホイールの
方向は衛星ピッチ軸3のまわりにピラミッド状に配置さ
れる。衛星のロール軸2、ピッチ軸3、ヨー軸4の各軸
まわりの制御は4台のリアクションホイール28にトル
クを加え、その反作用トルクのベクトル和が所望の大き
さと方向を向くようにすることによって実行される。図
2と同様に、姿勢センサ,姿勢制御電子回路など姿勢制
御系を構成する他の機器は省略している。
ては、リアクションホイールの軌道上での故障に対処で
きるようにするためホイール台数を4台とし、1台のホ
イールの故障によっても衛星の三軸まわりの姿勢を継続
して制御できるようにピラミッド状に配置したものがあ
る。図3はこのようなゼロモーメンタム方式のリアクシ
ョンホイールの構成を示すものであり、4台のリアクシ
ョンホイール28とこれらのホイールを駆動するホイー
ル駆動装置29から構成され、リアクションホイールの
方向は衛星ピッチ軸3のまわりにピラミッド状に配置さ
れる。衛星のロール軸2、ピッチ軸3、ヨー軸4の各軸
まわりの制御は4台のリアクションホイール28にトル
クを加え、その反作用トルクのベクトル和が所望の大き
さと方向を向くようにすることによって実行される。図
2と同様に、姿勢センサ,姿勢制御電子回路など姿勢制
御系を構成する他の機器は省略している。
【0007】また、上に述べたホイール構成以外に、複
数台のモーメンタムホイールとリアクションホイールを
併用して、バイアスモーメンタム方式,ゼロモーメンタ
ム方式の2つの制御方式の利点を兼ね備えた姿勢制御方
式も利用されている。
数台のモーメンタムホイールとリアクションホイールを
併用して、バイアスモーメンタム方式,ゼロモーメンタ
ム方式の2つの制御方式の利点を兼ね備えた姿勢制御方
式も利用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】テザー衛星では通常、
2つの衛星は軌道の高度方向に配置され、テザーによっ
て結合されている。テザー衛星の軌道周期は、2つの衛
星の質量中心の位置に1つの衛星があったとした場合に
その仮想的な衛星が持つ軌道周期と等しくなる。質量中
心より高い高度側にある衛星はテザーから地球中心方向
に、逆に低い高度側にある衛星はテザーより地球中心と
は反対方向の力を受け、2つの衛星は地球重力,遠心
力,テザー張力の3つの力がバランスした状態で航行す
る。
2つの衛星は軌道の高度方向に配置され、テザーによっ
て結合されている。テザー衛星の軌道周期は、2つの衛
星の質量中心の位置に1つの衛星があったとした場合に
その仮想的な衛星が持つ軌道周期と等しくなる。質量中
心より高い高度側にある衛星はテザーから地球中心方向
に、逆に低い高度側にある衛星はテザーより地球中心と
は反対方向の力を受け、2つの衛星は地球重力,遠心
力,テザー張力の3つの力がバランスした状態で航行す
る。
【0009】従来の衛星の姿勢制御ではモーメンタムホ
イール、またはリアクションホイールが衛星の姿勢制御
の主要な手段として用いられてきたことを記述したが、
テザー衛星を構成する2つの衛星の各々にこれら姿勢制
御方式を適用しようとした場合、2つの衛星を結ぶテザ
ーには常に張力が働いており、これが2つの衛星の姿勢
制御の妨げとなっている。より詳細には、テザーと平行
な軸のまわりの姿勢制御は、テザーが細くまた充分に長
い一般的な場合には捻れの剛性が低いため、ホイールを
用いた姿勢制御系にとってはテザーからの姿勢外乱は問
題とならないが、テザー軸と直交する2つの軸まわりの
姿勢制御に対しては、テザー張力に起因して発生する姿
勢外乱が大きな障害となる。場合によってはこのトルク
のレベルがホイールのトルク発生能力を上回り、また、
ホイールのトルク能力を上回らなかったとしても、定常
的にこのトルクが加わるためホイールロータの回転の飽
和をもたらし、以降、衛星の姿勢制御が不可能になるな
どの問題があった。
イール、またはリアクションホイールが衛星の姿勢制御
の主要な手段として用いられてきたことを記述したが、
テザー衛星を構成する2つの衛星の各々にこれら姿勢制
御方式を適用しようとした場合、2つの衛星を結ぶテザ
ーには常に張力が働いており、これが2つの衛星の姿勢
制御の妨げとなっている。より詳細には、テザーと平行
な軸のまわりの姿勢制御は、テザーが細くまた充分に長
い一般的な場合には捻れの剛性が低いため、ホイールを
用いた姿勢制御系にとってはテザーからの姿勢外乱は問
題とならないが、テザー軸と直交する2つの軸まわりの
姿勢制御に対しては、テザー張力に起因して発生する姿
勢外乱が大きな障害となる。場合によってはこのトルク
のレベルがホイールのトルク発生能力を上回り、また、
ホイールのトルク能力を上回らなかったとしても、定常
的にこのトルクが加わるためホイールロータの回転の飽
和をもたらし、以降、衛星の姿勢制御が不可能になるな
どの問題があった。
【0010】本発明の目的は、姿勢制御が困難となるテ
ザー型人工衛星において、有効な姿勢制御手段を提供す
ることにある。
ザー型人工衛星において、有効な姿勢制御手段を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、2つの人工衛
星とこれを結ぶテザーから構成され、2つの人工衛星が
ともに衛星の1つの面を地球に指向させるテザー型人工
衛星システムの姿勢制御装置において、1本のテザーが
両端において2つの人工衛星と結ばれる部分で3本以上
の複数のテザーに分岐し、それぞれの人工衛星側でこれ
ら複数本のテザーの長さを制御する機構を有して、衛星
のロール,ピッチ姿勢角を制御することを特徴とする。
星とこれを結ぶテザーから構成され、2つの人工衛星が
ともに衛星の1つの面を地球に指向させるテザー型人工
衛星システムの姿勢制御装置において、1本のテザーが
両端において2つの人工衛星と結ばれる部分で3本以上
の複数のテザーに分岐し、それぞれの人工衛星側でこれ
ら複数本のテザーの長さを制御する機構を有して、衛星
のロール,ピッチ姿勢角を制御することを特徴とする。
【0012】
【作用】テザー型人工衛星において、衛星質量の中心ず
れ、あるいはテザーの振動により、ロール軸,ピッチ軸
まわりの姿勢の誤差が発生した場合には、複数本のテザ
ーの長さを制御することによって、姿勢誤差を制御す
る。
れ、あるいはテザーの振動により、ロール軸,ピッチ軸
まわりの姿勢の誤差が発生した場合には、複数本のテザ
ーの長さを制御することによって、姿勢誤差を制御す
る。
【0013】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
する。
する。
【0014】図1は本発明におけるテザー型人工衛星の
姿勢制御装置の構成を示すものである。2つの人工衛星
1,20は、1本のテザー5により結ばれており、それ
ぞれに姿勢制御装置が設けられている。図では、人工衛
星1の姿勢制御装置を示してある。
姿勢制御装置の構成を示すものである。2つの人工衛星
1,20は、1本のテザー5により結ばれており、それ
ぞれに姿勢制御装置が設けられている。図では、人工衛
星1の姿勢制御装置を示してある。
【0015】図中、2は軌道進行方向であるロール軸、
3は軌道面逆垂直方向のピッチ軸、4は地球中心方向の
ヨー軸である。
3は軌道面逆垂直方向のピッチ軸、4は地球中心方向の
ヨー軸である。
【0016】テザー5は、人工衛星1との結合部分で3
本の部分6a,6b,6cに分岐している。人工衛星1
の本体内には、衛星結合部におけるテザー6a,6b,
6cの長さをそれぞれ制御する機構7a,7b,7cが
設けられている。
本の部分6a,6b,6cに分岐している。人工衛星1
の本体内には、衛星結合部におけるテザー6a,6b,
6cの長さをそれぞれ制御する機構7a,7b,7cが
設けられている。
【0017】さらに、人工衛星1の本体内には、リアク
ションホイール8とその駆動装置9、姿勢制御電子回路
10を備え、本体外部には衛星の三軸まわりの姿勢を検
出するための姿勢センサである地球センサ11と太陽セ
ンサ12が設けられている。姿勢センサ11,12から
のロール,ピッチ,およびヨー姿勢角情報を含む信号は
姿勢制御電子回路10に入力され、ノイズ除去等のフィ
ルタリング処理が実施され、その後のアクチュエータの
駆動に用いられる。
ションホイール8とその駆動装置9、姿勢制御電子回路
10を備え、本体外部には衛星の三軸まわりの姿勢を検
出するための姿勢センサである地球センサ11と太陽セ
ンサ12が設けられている。姿勢センサ11,12から
のロール,ピッチ,およびヨー姿勢角情報を含む信号は
姿勢制御電子回路10に入力され、ノイズ除去等のフィ
ルタリング処理が実施され、その後のアクチュエータの
駆動に用いられる。
【0018】以上の構成は上方にある衛星20について
も、テザー5が衛星下部につくためこれに対応してテザ
ー制御機構が下向きになる点を除けば同じである。
も、テザー5が衛星下部につくためこれに対応してテザ
ー制御機構が下向きになる点を除けば同じである。
【0019】定常的な軌道上航行の場合、2つの衛星
1,20を結ぶテザー5の方向は、全体の質量中心と地
球中心を結ぶ鉛直直線方向と平行になり、地球中心およ
び2つの衛星は一列に配列される。さらに、衛星の姿勢
が無制御の状態では、衛星の質量中心がテザーの延長線
上からずれる。
1,20を結ぶテザー5の方向は、全体の質量中心と地
球中心を結ぶ鉛直直線方向と平行になり、地球中心およ
び2つの衛星は一列に配列される。さらに、衛星の姿勢
が無制御の状態では、衛星の質量中心がテザーの延長線
上からずれる。
【0020】図4は、衛星の質量中心のずれがあった場
合にこのずれに対応した姿勢誤差が生ずることを示す図
である。衛星の質量中心13がテザー5を延長した直線
からずれた位置14にあった場合には、ロール軸2,ピ
ッチ軸3の回りに姿勢の誤差が生ずる。なお、図4にお
いて実線で示す人工衛星1は、無制御状態での衛星姿勢
を示し、点線で示す人工衛星1は、目標となる衛星姿勢
を示す。
合にこのずれに対応した姿勢誤差が生ずることを示す図
である。衛星の質量中心13がテザー5を延長した直線
からずれた位置14にあった場合には、ロール軸2,ピ
ッチ軸3の回りに姿勢の誤差が生ずる。なお、図4にお
いて実線で示す人工衛星1は、無制御状態での衛星姿勢
を示し、点線で示す人工衛星1は、目標となる衛星姿勢
を示す。
【0021】また、衛星の質量中心の位置ずれがない場
合でも、テザー5が振動している場合には、同様にこの
振動に対応してロール軸,ピッチ軸まわりに姿勢の誤差
が発生する。
合でも、テザー5が振動している場合には、同様にこの
振動に対応してロール軸,ピッチ軸まわりに姿勢の誤差
が発生する。
【0022】本発明では、これら衛星質量中心のずれ、
およびテザーの振動などで生ずるロール軸,ピッチ軸ま
わりの姿勢誤差を、テザー制御機構7a,7b,7cで
テザー6a,6b,6cの長さを調整することによって
制御する。
およびテザーの振動などで生ずるロール軸,ピッチ軸ま
わりの姿勢誤差を、テザー制御機構7a,7b,7cで
テザー6a,6b,6cの長さを調整することによって
制御する。
【0023】図5は、本発明におけるテザー型人工衛星
の姿勢制御の原理を示す図である。図5では、説明を簡
略化するため、2次元平面で示す。図に示すように、テ
ザー取付位置間の距離を2a、テザーの分岐部分6の長
さをそれぞれL、衛星質量中心のずれをΔxと定義し、
テザー制御機構7によって繰り出される分岐部分6の長
さの和が変わらないように制御したとすると、一方の側
のテザー制御機構のテザー繰り出しの長さΔL(これ
は、もう一方の側のテザー制御機構の引き込みの長さΔ
Lと等しい)は、衛星質量中心13のずれΔxが衛星上
でのテザー取付位置間の距離の半分(=a)より充分小
さい場合、 ΔL=(Δx/a)・(cos2 θ)・L とし、ただしθは一方のテザー分岐部分6が衛星となす
角度であり、また、テザー分岐点15での張力をTとし
た時の2つのテザー制御機構7での張力の増減を ΔF=(Δx/a)・(sinθ)・(T/2) とすると、衛星質量中心のずれ(Δx)による衛星の姿
勢角の誤差は除去される。
の姿勢制御の原理を示す図である。図5では、説明を簡
略化するため、2次元平面で示す。図に示すように、テ
ザー取付位置間の距離を2a、テザーの分岐部分6の長
さをそれぞれL、衛星質量中心のずれをΔxと定義し、
テザー制御機構7によって繰り出される分岐部分6の長
さの和が変わらないように制御したとすると、一方の側
のテザー制御機構のテザー繰り出しの長さΔL(これ
は、もう一方の側のテザー制御機構の引き込みの長さΔ
Lと等しい)は、衛星質量中心13のずれΔxが衛星上
でのテザー取付位置間の距離の半分(=a)より充分小
さい場合、 ΔL=(Δx/a)・(cos2 θ)・L とし、ただしθは一方のテザー分岐部分6が衛星となす
角度であり、また、テザー分岐点15での張力をTとし
た時の2つのテザー制御機構7での張力の増減を ΔF=(Δx/a)・(sinθ)・(T/2) とすると、衛星質量中心のずれ(Δx)による衛星の姿
勢角の誤差は除去される。
【0024】図5では説明を簡略化するため2次元平面
で示したが、実際の衛星ではロール,ピッチの2方向の
まわりの姿勢制御が必要であり、各軸2つのテザー制御
機構を用いるとすると全部で4個のテザー制御機構が、
また兼用を考えた場合には3個のテザー機構(この場
合、三角形状に配置)が必要である。本発明では、3個
以上の複数個のテザー機構を有する一般的配置に対して
も適用することができる。
で示したが、実際の衛星ではロール,ピッチの2方向の
まわりの姿勢制御が必要であり、各軸2つのテザー制御
機構を用いるとすると全部で4個のテザー制御機構が、
また兼用を考えた場合には3個のテザー機構(この場
合、三角形状に配置)が必要である。本発明では、3個
以上の複数個のテザー機構を有する一般的配置に対して
も適用することができる。
【0025】以上の実施例では、分岐したテザーの本数
を3本としたが3本以上の複数本であれば制御トルクの
配分をかえることによって同様の効果を得ることができ
る。
を3本としたが3本以上の複数本であれば制御トルクの
配分をかえることによって同様の効果を得ることができ
る。
【0026】なお以上の実施例において、姿勢センサの
構成、およびセンサと姿勢制御電子回路との間のインタ
ーフェイスは従来技術によるものと同一である。
構成、およびセンサと姿勢制御電子回路との間のインタ
ーフェイスは従来技術によるものと同一である。
【0027】以上は、姿勢質量中心のずれに起因する姿
勢誤差を除去する場合のテザー機構の制御方法を示した
が、テザーがゆっくりとした周期で振動運動している場
合も、姿勢センサから絶えず得られるデータにもとづき
テザー制御機構を動的に動作させることによって時々刻
々の姿勢制御を行うことができる。なお、衛星ヨー軸ま
わり(テザー軸まわり)の姿勢については、テザーの存
在が大きな姿勢擾乱とならないことから、従来の方式で
あるリアクションホイール8を使った制御を行う。
勢誤差を除去する場合のテザー機構の制御方法を示した
が、テザーがゆっくりとした周期で振動運動している場
合も、姿勢センサから絶えず得られるデータにもとづき
テザー制御機構を動的に動作させることによって時々刻
々の姿勢制御を行うことができる。なお、衛星ヨー軸ま
わり(テザー軸まわり)の姿勢については、テザーの存
在が大きな姿勢擾乱とならないことから、従来の方式で
あるリアクションホイール8を使った制御を行う。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、従来のホ
イールを使った制御方式では制御が困難となるテザー型
人工衛星において有効な姿勢制御手段を実現できる。
イールを使った制御方式では制御が困難となるテザー型
人工衛星において有効な姿勢制御手段を実現できる。
【図1】本発明におけるテザー型人工衛星の姿勢制御装
置の構成を示す図である。
置の構成を示す図である。
【図2】従来技術における単一の三軸姿勢制御型人工衛
星でのバイアスモーメンタム方式の衛星の場合のモーメ
ンタムホイールの配置を示す図である。
星でのバイアスモーメンタム方式の衛星の場合のモーメ
ンタムホイールの配置を示す図である。
【図3】従来技術における単一の三軸姿勢制御型人工衛
星でのゼロモーメンタム方式の衛星の場合のリアクショ
ンホイールの配置を示す図である。
星でのゼロモーメンタム方式の衛星の場合のリアクショ
ンホイールの配置を示す図である。
【図4】衛星の質量中心のずれがあった場合にこのずれ
に対応した姿勢誤差を生ずることを示す図である。
に対応した姿勢誤差を生ずることを示す図である。
【図5】本発明におけるテザー型人工衛星の姿勢制御の
原理を示す図である。
原理を示す図である。
1 衛星 2,3,4 それぞれ衛星のロール,ピッチ,ヨー軸 5 テザー 6a,6b,6c 衛星との結合付近において分岐した
テザー部分 7a,7b,7c 6a,6b,6cのテザーの長さを
制御するテザー制御機構 8,28 リアクションホイール 9,29 リアクションホイール駆動装置 10 姿勢制御電子回路 11 地球センサ 12 太陽センサ 13 衛星の質量中心 15 テザー分岐点 18 モーメンタムホイール 19 モーメンタムホイール駆動装置
テザー部分 7a,7b,7c 6a,6b,6cのテザーの長さを
制御するテザー制御機構 8,28 リアクションホイール 9,29 リアクションホイール駆動装置 10 姿勢制御電子回路 11 地球センサ 12 太陽センサ 13 衛星の質量中心 15 テザー分岐点 18 モーメンタムホイール 19 モーメンタムホイール駆動装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】以上は、衛星質量中心のずれに起因する姿
勢誤差を除去する場合のテザー機構の制御方法を示した
が、テザーがゆっくりとした周期で振動運動している場
合も、姿勢センサから絶えず得られるデータにもとづき
テザー制御機構を動的に動作させることによって時々刻
々の姿勢制御を行うことができる。なお、衛星ヨー軸ま
わり(テザー軸まわり)の姿勢については、テザーの存
在が大きな姿勢擾乱とならないことから、従来の方式で
あるリアクションホイール8を使った制御を行う。
勢誤差を除去する場合のテザー機構の制御方法を示した
が、テザーがゆっくりとした周期で振動運動している場
合も、姿勢センサから絶えず得られるデータにもとづき
テザー制御機構を動的に動作させることによって時々刻
々の姿勢制御を行うことができる。なお、衛星ヨー軸ま
わり(テザー軸まわり)の姿勢については、テザーの存
在が大きな姿勢擾乱とならないことから、従来の方式で
あるリアクションホイール8を使った制御を行う。
Claims (3)
- 【請求項1】2つの人工衛星とこれを結ぶテザーから構
成され、2つの人工衛星がともに衛星の1つの面を地球
に指向させるテザー型人工衛星システムの姿勢制御装置
において、 1本のテザーが両端において2つの人工衛星と結ばれる
部分で3本以上の複数のテザーに分岐し、それぞれの人
工衛星側でこれら複数本のテザーの長さを制御する機構
を有して、衛星のロール,ピッチ姿勢角を制御すること
を特徴とするテザー型人工衛星の姿勢制御装置。 - 【請求項2】前記複数本のテザーの長さの制御は、各長
さの和が一定であるように制御することを特徴とする請
求項1記載のテザー型人工衛星の姿勢制御装置。 - 【請求項3】前記2つの衛星のそれぞれが衛星ヨー軸方
向に沿ってリアクションホイールを有し、その回転制御
によって衛星本体のヨー姿勢角を制御できるようにした
ことを特徴とする請求項1または2記載のテザー型人工
衛星の姿勢制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6163465A JP2581014B2 (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | テザー型人工衛星の姿勢制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6163465A JP2581014B2 (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | テザー型人工衛星の姿勢制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0826196A true JPH0826196A (ja) | 1996-01-30 |
JP2581014B2 JP2581014B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=15774397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6163465A Expired - Lifetime JP2581014B2 (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | テザー型人工衛星の姿勢制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2581014B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005231459A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Kagawa Univ | テザーに連結された機器の姿勢制御方式 |
KR20190068183A (ko) * | 2017-12-08 | 2019-06-18 | 연세대학교 산학협력단 | 탄성메타물질을 이용한 인공위성 우주 테더 장치 |
CN116280275A (zh) * | 2023-01-19 | 2023-06-23 | 中国科学院微小卫星创新研究院 | 一种角动量自守恒机构以及卫星 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4580747A (en) | 1983-03-15 | 1986-04-08 | Jerome Pearson | Method and apparatus for orbital plane changing |
-
1994
- 1994-07-15 JP JP6163465A patent/JP2581014B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005231459A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Kagawa Univ | テザーに連結された機器の姿勢制御方式 |
KR20190068183A (ko) * | 2017-12-08 | 2019-06-18 | 연세대학교 산학협력단 | 탄성메타물질을 이용한 인공위성 우주 테더 장치 |
CN116280275A (zh) * | 2023-01-19 | 2023-06-23 | 中国科学院微小卫星创新研究院 | 一种角动量自守恒机构以及卫星 |
CN116280275B (zh) * | 2023-01-19 | 2024-03-19 | 中国科学院微小卫星创新研究院 | 一种角动量自守恒机构以及卫星 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2581014B2 (ja) | 1997-02-12 |
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