JPH08258318A - パウダージェット画像形成装置におけるダイナミックスキャン制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、各第１電極上のトナー堆積量に
偏りが生じるのを防止でき、画像むらのない画像が得ら
れるパウダージェット画像形成装置におけるダイナミッ
クスキャン制御方法を提供することを目的とする。 【構成】 パウダージェット画像形成装置におけるダイ
ナミックスキャン制御方法において、ダイナミックスキ
ャンの１周分の期間内に、隣り合う２つの第１電極間に
おいてそれらの印加電圧が連続して順次オン電圧となら
ないように、かつダイナミックスキャンの１周分の期間
内にそれぞれの第１電極が１回ずつオンとなるように各
第１電極の印加電圧をオンオフ制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、パウダージェット画
像形成装置におけるダイナミックスキャン制御方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】本出願人は、図１に示すようなパウダー
ジェット画像形成装置を既に開発している。このパウダ
ージェット画像形成装置は、所定の極性、たとえば負極
性に帯電されたトナーの通過を制御する印字ヘッド２
と、トナーを印字ヘッド２に供給するためのトナー供給
ローラ１と、印字ヘッド２を通過したトナーを記録紙Ｐ
に転写させるためのベースローラ３と、記録紙Ｐに転写
されたトナーを記録紙Ｐに定着させるための定着ローラ
４とを備えている。

【０００３】印字ヘッド２は、図２および図３に示すよ
うに、絶縁基板２０と、絶縁基板２０のトナー供給ロー
ラ１がわの表面に形成された複数の第１電極２１と、絶
縁基板２０のベースローラ３がわの表面に形成された複
数の第２電極２２とを備えている。複数の第１電極２１
および複数の第２電極２２によって、マトリクス状電極
部が構成されている。各第１電極２１と各第２電極２２
との各交点位置には、印字ヘッド２を貫通するトナー通
過孔２３が開けられている。

【０００４】各第１電極２１には、オン電圧（たとえば
−１００Ｖ）およびオフ電圧（たとえば＋３００Ｖ）と
が選択的に印加される。各第２電極２２には、オン電圧
（たとえば０Ｖ）およびオフ電圧（たとえば−２００
Ｖ）とが選択的に印加される。図９は、各第１電極２１
（Ａ〜Ｈ）の印加電圧の変化を示している。図９に示す
ように、各第１電極２１はダイミックスキャン制御さ
れ、所定単位時間間隔で印加電圧がＡ、Ｂ、Ｃ…Ｈの順
番で順次オンされる。そして、第１電極２１および第２
電極２２の両方の印加電圧がオン電圧のときのみ、それ
らの交点にあるトナー挿通孔２３をトナーが通過しドッ
ト印字が行われる。

【０００５】記録紙Ｐは、ベースローラ３によって、第
１電極２１と直交する方向（図２に矢印Ａで示す方向）
に搬送される。ベースローラ３には、たとえば、＋５０
０Ｖの電圧が印加されている。トナー供給ローラ１は接
地されており、その表面電位は０Ｖである。

【０００６】印字ヘッド２には、印字ヘッド２に超音波
振動を与えて、トナー挿通孔２３にトナーが目詰まりす
るのを防止するための超音波振動子５０が取り付けられ
ている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記のパウダージェッ
ト画像形成装置では、トナー供給ローラ１と第１電極２
１との間の電界によって、トナー供給ローラ１側から第
１電極２１上にトナーが供給される。そして、第１電極
２１と第２電極２２との間の電界によって、第１電極２
１上に溜められたトナーがトナー挿通孔２３を通過し
て、記録紙に転写される。

【０００８】図９において、第１電極Ａの印加電圧は時
点ｔ１〜ｔ２においてオン電圧（Ｌレベル）となり、そ
の隣の第１電極Ｂの印加電圧は時点ｔ３〜ｔ４において
オン電圧（Ｌレベル）となり、その隣の第１電極Ｃの印
加電圧は時点ｔ５〜ｔ６においてオン電圧（Ｌレベル）
となっている。

【０００９】第１電極Ｂの印加電圧がオン電圧（Ｌレベ
ル）に変化したときには（時点ｔ３）には、第１電極Ａ
の印加電圧はオン電圧（Ｌレベル）からオフ電圧（Ｈレ
ベル）に変化した直後である。したがって、時点ｔ３に
おいては第１電極Ａ上には少量のトナーしか堆積されて
いない。

【００１０】一方、第１電極Ｃの印加電圧は、時点ｔ３
までの所定期間の間、オフ電圧（Ｈレベル）となってい
たため、時点ｔ３においては第１電極Ｃ上には多量のト
ナーが堆積されている。

【００１１】時点ｔ３では、第１電極Ｂの両隣りの第１
電極Ａおよび第１電極Ｃの印加電圧も、オフ電圧（Ｈレ
ベル）である。しかしながら、第１電極Ａ上にはトナー
が少量しか堆積されておらず、第１電極Ｃ上にはトナー
が多量に堆積している。このため、第１電極Ａ上の堆積
トナーの電荷も加味した第１電極Ａの電位は、第１電極
Ｃ上の堆積トナーの電荷も加味した第１電極Ｃの電位よ
り高電位となっている。

【００１２】したがって、時点ｔ３においては、第１電
極Ｂ上のトナーが、その両隣の第１電極のうち、ダイナ
ミックスキャンが進む方向と逆方向にある第１電極Ａ上
に移動し易くなる。

【００１３】図１０は、ダイナミックスキャン制御によ
って、各第１電極Ａ〜ＨがＡ、Ｂ、Ｃ…の順番で順次オ
ンされていった場合に、ダイナミックスキャンが進む方
向と逆方向にある第１電極上にトナーが移動する様子を
示している。図１０において、右下がりのハッチングが
入れられている第１電極がオン電圧が印加されている電
極である。

【００１４】図１０からわかるように、８本の第１電極
Ａ〜Ｈのうち、ダイナミックスキャンの進む方向とは逆
方向にトナーが移動し易いため、各第１電極Ａ〜Ｈのう
ち、第１電極Ａに近い第１電極ほどトナー堆積量が多く
なる。このため、画像むらが生じるといった問題があ
る。

【００１５】この発明は、各第１電極上のトナー堆積量
に偏りが生じるのを防止でき、画像むらのない画像が得
られるパウダージェット画像形成装置におけるダイナミ
ックスキャン制御方法を提供することを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】この発明による第１のパ
ウダージェット画像形成装置におけるダイナミックスキ
ャン制御方法は、印字ヘッドと、印字ヘッドを挟む配置
で設けられた現像剤供給ローラおよびベース電極とを備
え、印字ヘッドは、絶縁層と、絶縁層の現像剤供給ロー
ラ側表面に形成された複数本の第１電極と、絶縁層のベ
ース電極側表面に形成された複数本の第２電極とを備
え、第１電極と第２電極とによってマトリクス状電極部
が印字ヘッドに形成されており、印字ヘッドにおける第
１電極と第２電極との各交点位置に現像剤挿通孔が開け
られており、各第１電極の印加電圧は、ダイナミックス
キャン制御により、ダイナミックスキャンの１周分の期
間内にそれぞれの第１電極が１回ずつオンとなるように
オンオフ制御され、各第２電極の印加電圧は、画像情報
に応じてオンオフ制御され、第１電極および第２電極の
印加電圧が共にオンであるときに、それらの交点位置の
現像剤挿通孔を現在剤が通過するパウダージェット画像
形成装置におけるダイナミックスキャン制御方法におい
て、ダイナミックスキャンの１周分の期間内に、隣り合
う２つの第１電極間においてそれらの印加電圧が連続し
て順次オン電圧とならないように、かつダイナミックス
キャンの１周分の期間内にそれぞれの第１電極が１回ず
つオンとなるように各第１電極の印加電圧をオンオフ制
御することを特徴とする。

【００１７】この発明による第２のパウダージェット画
像形成装置におけるダイナミックスキャン制御方法は、
印字ヘッドと、印字ヘッドを挟む配置で設けられた現像
剤供給ローラおよびベース電極とを備え、印字ヘッド
は、絶縁層と、絶縁層の現像剤供給ローラ側表面に形成
された複数本の第１電極と、絶縁層のベース電極側表面
に形成された複数本の第２電極とを備え、第１電極と第
２電極とによってマトリクス状電極部が印字ヘッドに形
成されており、印字ヘッドにおける第１電極と第２電極
との各交点位置に現像剤挿通孔が開けられており、各第
１電極の印加電圧は、ダイナミックスキャン制御によ
り、ダイナミックスキャンの１周分の期間内にそれぞれ
の第１電極が１回ずつオンとなるようにオンオフ制御さ
れ、各第２電極の印加電圧は、画像情報に応じてオンオ
フ制御され、第１電極および第２電極の印加電圧が共に
オンであるときに、それらの交点位置の現像剤挿通孔を
現在剤が通過するパウダージェット画像形成装置におけ
るダイナミックスキャン制御方法において、任意の第１
電極の印加電圧がオン電圧にされた後、当該第１電極か
ら少なくとも１つの第１電極を飛び越えた位置にある他
の第１電極の印加電圧が次にオン電圧となるように、か
つダイナミックスキャンの１周分の期間内にそれぞれの
第１電極が１回ずつオンとなるように各第１電極の印加
電圧をオンオフ制御することを特徴とする。

【００１８】

【作用】この発明による第１のパウダージェット画像形
成装置におけるダイナミックスキャン制御方法では、ダ
イナミックスキャンの１周分の期間内に、隣り合う２つ
の第１電極間においてそれらの印加電圧が連続して順次
オン電圧とならないように、かつダイナミックスキャン
の１周分の期間内にそれぞれの第１電極が１回ずつオン
となるように各第１電極の印加電圧がオンオフ制御され
る。

【００１９】この発明による第２のパウダージェット画
像形成装置におけるダイナミックスキャン制御方法で
は、任意の第１電極の印加電圧がオン電圧にされた後、
当該第１電極から少なくとも１つの第１電極を飛び越え
た位置にある他の第１電極の印加電圧が次にオン電圧と
なるように、かつダイナミックスキャンの１周分の期間
内にそれぞれの第１電極が１回ずつオンとなるように各
第１電極の印加電圧がオンオフ制御される。

【００２０】

【実施例】以下、図１〜図８を参照して、この発明の実
施例について説明する。

【００２１】パウダージェット画像形成装置の機構は、
図１〜図３に示したものと同じであるのでその説明を省
略する。このパウダージェット画像形成装置では、各第
１電極２１のダイナミックキャン制御方法が、図９に示
したものと異なっている。

【００２２】（１）第１実施例の説明 図４は、第１電極２１（Ａ〜Ｈ）のダイナミックスキャ
ン制御方法の第１実施例を示している。図４は、各第１
電極２１（Ａ〜Ｈ）への印加電圧をそれぞれ示してい
る。また、Ｔは、ダイナミックスキャンの１周分の周期
を示している。この周期Ｔ内に、全ての第１電極Ａ〜Ｈ
の印加電圧を１回ずつオン電圧にさせること、各オン電
圧の継続時間は全て同じであることは、図９のダイナミ
ックスキャン制御と同じである。

【００２３】図４の例では、各第１電極Ａ〜Ｈに、１つ
飛ばしで、順次オン電圧を印加している。つまり、Ａ、
Ｃ、Ｅ、Ｇ、Ｂ、Ｄ、Ｆ、Ｈの順番で、各第１電極Ａ〜
Ｈにオン電圧が印加されている。

【００２４】（２）第２実施例の説明 図５は、第１電極２１（Ａ〜Ｈ）のダイナミックスキャ
ン制御方法の第２実施例を示している。図５の例では、
各第１電極Ａ〜Ｈに、２つ飛ばしで、順次オン電圧を印
加している。つまり、Ａ、Ｄ、Ｇ、Ｂ、Ｅ、Ｈ、Ｃ、Ｆ
の順番で、各第１電極Ａ〜Ｈにオン電圧が印加されてい
る。

【００２５】（３）第３実施例の説明 図６は、第１電極２１（Ａ〜Ｈ）のダイナミックスキャ
ン制御方法の第３実施例を示している。図６の例では、
各第１電極Ａ〜Ｈに、３つ飛ばしで、順次オン電圧を印
加している。つまり、Ａ、Ｅ、Ｂ、Ｆ、Ｃ、Ｇ、Ｄ、Ｈ
の順番で、各第１電極Ａ〜Ｈにオン電圧が印加されてい
る。

【００２６】（４）第４実施例の説明 図７は、第１電極２１（Ａ〜Ｈ）のダイナミックスキャ
ン制御方法の第４実施例を示している。図７の例では、
各第１電極Ａ〜Ｈに、４つ飛ばしで、順次オン電圧を印
加している。つまり、Ａ、Ｆ、Ｃ、Ｈ、Ｅ、Ｂ、Ｇ、Ｄ
の順番で、各第１電極Ａ〜Ｈにオン電圧が印加されてい
る。

【００２７】（５）第５実施例の説明 図８は、第１電極２１（Ａ〜Ｈ）のダイナミックスキャ
ン制御方法の第５実施例を示している。図８の例では、
各第１電極Ａ〜Ｈに、６つ飛ばしで、順次オン電圧を印
加している。つまり、Ａ、Ｈ、Ｆ、Ｄ、Ｂ、Ｇ、Ｅ、Ｃ
の順番で、各第１電極Ａ〜Ｈにオン電圧が印加されてい
る。

【００２８】上記第１〜第５実施例によるダイナミック
スキャン制御方法では、隣り合う第１電極２１間におい
て、それらの印加電圧が連続してオン電圧となるといっ
たことがない。つまり、１以上の第１電極を挟む関係に
ある２つの第１電極間で、それらの印加電圧が連続して
オン電圧となる。

【００２９】したがって、ある第１電極２１への印加電
圧がオン電圧となったときには、その両隣の第１電極２
１の印加電圧はそれまで所定時間以上の間、オフ電圧に
保たれており、両隣の第１電極２１上にトナーが堆積さ
れている状態となっている。したがって、ある第１電極
２１への印加電圧がオン電圧となったときには、その両
隣の第１電極２１における堆積トナーの電荷も加味した
電位はほぼ同じとなる。

【００３０】このため、ある第１電極２１への印加電圧
がオンとなったときに、従来のように、両隣の第１電極
２１のうち、ダイナミックスキャンが進む方向と逆方向
の第１電極２１にトナーが移動しやすくなるといったこ
とがなくなる。この結果、各第１電極２１上のトナー堆
積量に偏りが生じるのを防止でき、画像むらのない画像
が得られる。

【００３１】

【発明の効果】この発明によれば、各第１電極上のトナ
ー堆積量に偏りが生じるのを防止できる。このため、画
像むらのない画像が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パウダージェット画像形成装置の構成を示す模
式図である。

【図２】印字ヘッドを示す平面図である。

【図３】図２のｂ−ｂ線に沿う断面図である。

【図４】第１のダイナミックスキャン制御方法を示すタ
イムチャートである。

【図５】第２のダイナミックスキャン制御方法を示すタ
イムチャートである。

【図６】第３のダイナミックスキャン制御方法を示すタ
イムチャートである。

【図７】第４のダイナミックスキャン制御方法を示すタ
イムチャートである。

【図８】第５のダイナミックスキャン制御方法を示すタ
イムチャートである。

【図９】従来のダイナミックスキャン制御方法を示すタ
イムチャートである。

【図１０】従来のダイナミックスキャン制御方法では、
第１電極上のトナー堆積量に偏りが生じることを説明す
るための説明図である。

【符号の説明】 １ トナー供給ローラ ２ 印字ヘッド ３ ベースローラ ２０ 絶縁層 ２１ 第１電極 ２２ 第２電極 ２３ トナー挿通孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字ヘッドと、印字ヘッドを挟む配置で
   設けられた現像剤供給ローラおよびベース電極とを備
   え、印字ヘッドは、絶縁層と、絶縁層の現像剤供給ロー
   ラ側表面に形成された複数本の第１電極と、絶縁層のベ
   ース電極側表面に形成された複数本の第２電極とを備
   え、第１電極と第２電極とによってマトリクス状電極部
   が印字ヘッドに形成されており、印字ヘッドにおける第
   １電極と第２電極との各交点位置に現像剤挿通孔が開け
   られており、各第１電極の印加電圧は、ダイナミックス
   キャン制御により、ダイナミックスキャンの１周分の期
   間内にそれぞれの第１電極が１回ずつオンとなるように
   オンオフ制御され、各第２電極の印加電圧は、画像情報
   に応じてオンオフ制御され、第１電極および第２電極の
   印加電圧が共にオンであるときに、それらの交点位置の
   現像剤挿通孔を現在剤が通過するパウダージェット画像
   形成装置におけるダイナミックスキャン制御方法におい
   て、 隣り合う２つの第１電極間においてそれらの印加電圧が
   連続して順次オン電圧とならないように、かつダイナミ
   ックスキャンの１周分の期間内にそれぞれの第１電極が
   １回ずつオンとなるように各第１電極の印加電圧をオン
   オフ制御することを特徴とするパウダージェット画像形
   成装置におけるダイナミックスキャン制御方法。
2. 【請求項２】 印字ヘッドと、印字ヘッドを挟む配置で
   設けられた現像剤供給ローラおよびベース電極とを備
   え、印字ヘッドは、絶縁層と、絶縁層の現像剤供給ロー
   ラ側表面に形成された複数本の第１電極と、絶縁層のベ
   ース電極側表面に形成された複数本の第２電極とを備
   え、第１電極と第２電極とによってマトリクス状電極部
   が印字ヘッドに形成されており、印字ヘッドにおける第
   １電極と第２電極との各交点位置に現像剤挿通孔が開け
   られており、各第１電極の印加電圧は、ダイナミックス
   キャン制御により、ダイナミックスキャンの１周分の期
   間内にそれぞれの第１電極が１回ずつオンとなるように
   オンオフ制御され、各第２電極の印加電圧は、画像情報
   に応じてオンオフ制御され、第１電極および第２電極の
   印加電圧が共にオンであるときに、それらの交点位置の
   現像剤挿通孔を現在剤が通過するパウダージェット画像
   形成装置におけるダイナミックスキャン制御方法におい
   て、 任意の第１電極の印加電圧がオン電圧にされた後、当該
   第１電極から少なくとも１つの第１電極を飛び越えた位
   置にある他の第１電極の印加電圧が次にオン電圧となる
   ように、かつダイナミックスキャンの１周分の期間内に
   それぞれの第１電極が１回ずつオンとなるように各第１
   電極の印加電圧をオンオフ制御することを特徴とするパ
   ウダージェット画像形成装置におけるダイナミックスキ
   ャン制御方法。