JPH0825619A - インクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録装置Info
- Publication number
- JPH0825619A JPH0825619A JP16112594A JP16112594A JPH0825619A JP H0825619 A JPH0825619 A JP H0825619A JP 16112594 A JP16112594 A JP 16112594A JP 16112594 A JP16112594 A JP 16112594A JP H0825619 A JPH0825619 A JP H0825619A
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- JP
- Japan
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- intermediate transfer
- ink
- transfer body
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 記録媒体侵入時の中間転写体の回転速度の変
動による画像欠陥を回避するとともに、熱溶融インクの
転写性の向上をはかり、高品質の記録画像を得ることの
できるインクジェット記録装置を提供する。 【構成】 室温で塑性流動する熱溶融性インク1を記録
ヘッド2に保持し、熱溶融性インク1を画像情報に応じ
て加熱して、記録ヘッド2に対向配置された中間転写体
3へ溶融飛翔させる。さらに、中間転写体3に付着した
熱溶融性インク1を加圧ロール6により記録媒体5へ加
圧転写する。中間転写体3の表面及び加圧ロール6の表
面には、弾性層4,7が設けられている。この弾性層
4,7の圧縮弾性率は5N/mm2 〜200N/mm2
である。これにより、記録媒体5の先端が中間転写体3
と加圧ロール6の間に侵入する際の中間転写体3の回転
速度の変動を抑え、また、転写性を向上させて、高画質
の記録画像を得る。
動による画像欠陥を回避するとともに、熱溶融インクの
転写性の向上をはかり、高品質の記録画像を得ることの
できるインクジェット記録装置を提供する。 【構成】 室温で塑性流動する熱溶融性インク1を記録
ヘッド2に保持し、熱溶融性インク1を画像情報に応じ
て加熱して、記録ヘッド2に対向配置された中間転写体
3へ溶融飛翔させる。さらに、中間転写体3に付着した
熱溶融性インク1を加圧ロール6により記録媒体5へ加
圧転写する。中間転写体3の表面及び加圧ロール6の表
面には、弾性層4,7が設けられている。この弾性層
4,7の圧縮弾性率は5N/mm2 〜200N/mm2
である。これにより、記録媒体5の先端が中間転写体3
と加圧ロール6の間に侵入する際の中間転写体3の回転
速度の変動を抑え、また、転写性を向上させて、高画質
の記録画像を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱溶融性インクを中間
転写体に溶融飛翔させて記録媒体に転写記録を行なうイ
ンクジェット記録装置に関するものである。
転写体に溶融飛翔させて記録媒体に転写記録を行なうイ
ンクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、特開昭56−113
462号公報や、特開昭60−90775号公報等に記
載されているような、固体状のインクを熱溶融させて、
記録ヘッドからインク滴を飛翔させ、記録媒体に記録す
る方式のインクジェット記録装置が知られている。この
ようなインクジェット記録装置によれば、普通紙に記録
する際のインクのにじみや、記録ヘッドでのインクの乾
燥、固化という問題が回避できるという長所がある。し
かしその一方で、熱溶融性インクが記録媒体に飛翔した
後、直ちに凝固するため、記録媒体に対しての定着性が
悪いという問題点があった。
462号公報や、特開昭60−90775号公報等に記
載されているような、固体状のインクを熱溶融させて、
記録ヘッドからインク滴を飛翔させ、記録媒体に記録す
る方式のインクジェット記録装置が知られている。この
ようなインクジェット記録装置によれば、普通紙に記録
する際のインクのにじみや、記録ヘッドでのインクの乾
燥、固化という問題が回避できるという長所がある。し
かしその一方で、熱溶融性インクが記録媒体に飛翔した
後、直ちに凝固するため、記録媒体に対しての定着性が
悪いという問題点があった。
【0003】この問題を解決するため、例えば、特願平
4−314398号に示されているように、中間転写体
を用い、この中間転写体に熱溶融性インクを溶融飛翔さ
せた後、記録媒体に圧力転写するインクジェット記録装
置が開発されている。しかしながら、中間転写体を利用
した熱溶融性インクジェット記録装置においては、中間
転写体上に固化したインクを記録媒体に転写するために
は、線圧で10〜20N/mmという大きな加圧力が必
要であった。そのため、中間転写体とその中間転写体に
対向する加圧ロールとの間に、搬送されてきた記録媒体
の先端が進入する時点で、駆動装置に急激な負荷変動が
発生し、中間転写体の回転速度が瞬時的に大きく変化し
ていた。記録媒体の先端が進入する時点では、記録ヘッ
ドにより中間転写体に画像が形成されている途中であ
り、回転速度の変化により形成される画像が中間転写体
回転方向に局所的に伸縮するという重大な画像欠陥が発
生していた。
4−314398号に示されているように、中間転写体
を用い、この中間転写体に熱溶融性インクを溶融飛翔さ
せた後、記録媒体に圧力転写するインクジェット記録装
置が開発されている。しかしながら、中間転写体を利用
した熱溶融性インクジェット記録装置においては、中間
転写体上に固化したインクを記録媒体に転写するために
は、線圧で10〜20N/mmという大きな加圧力が必
要であった。そのため、中間転写体とその中間転写体に
対向する加圧ロールとの間に、搬送されてきた記録媒体
の先端が進入する時点で、駆動装置に急激な負荷変動が
発生し、中間転写体の回転速度が瞬時的に大きく変化し
ていた。記録媒体の先端が進入する時点では、記録ヘッ
ドにより中間転写体に画像が形成されている途中であ
り、回転速度の変化により形成される画像が中間転写体
回転方向に局所的に伸縮するという重大な画像欠陥が発
生していた。
【0004】また、階調記録や多色記録を行なうインク
ジェット記録装置においては、溶融飛翔させたインク滴
の大きさや重ね合わせにより所望の濃度、色彩を得てい
るため、中間転写体で固化した後のインクの高さが記録
画素ごとに異なり、圧力転写の際にインクの高さの低い
画素が記録媒体に転写されず、像ヌケや所望の色が得ら
れなかったり、逆にインクの高さの高い記録画素ではド
ットがつぶされて広がってしまい、像のにじみや色の濁
りが発生する等の欠点もあった。
ジェット記録装置においては、溶融飛翔させたインク滴
の大きさや重ね合わせにより所望の濃度、色彩を得てい
るため、中間転写体で固化した後のインクの高さが記録
画素ごとに異なり、圧力転写の際にインクの高さの低い
画素が記録媒体に転写されず、像ヌケや所望の色が得ら
れなかったり、逆にインクの高さの高い記録画素ではド
ットがつぶされて広がってしまい、像のにじみや色の濁
りが発生する等の欠点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題に鑑みてなされたものであり、記録媒体の先端が中
間転写体と加圧ロールとの間に進入する際の回転速度の
変動による画像欠陥を回避するとともに、階調記録、多
色記録時においても記録媒体全域にわたり、熱溶融イン
クの転写性の向上をはかり、高い品質のインクジェット
記録装置を提供することを目的とするものである。
問題に鑑みてなされたものであり、記録媒体の先端が中
間転写体と加圧ロールとの間に進入する際の回転速度の
変動による画像欠陥を回避するとともに、階調記録、多
色記録時においても記録媒体全域にわたり、熱溶融イン
クの転写性の向上をはかり、高い品質のインクジェット
記録装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載の発明においては、室温で塑性流動する熱溶融性イン
クを用い、記録ヘッドで前記インクを画情報に応じて加
熱溶融させ、前記記録ヘッドに対向配置された中間転写
体へ溶融飛翔させて付着させ、さらに、前記中間転写体
と対向する加圧ロールとの間に記録媒体を搬送し、前記
中間転写体に付着したインクを記録媒体に加圧転写する
インクジェット記録装置において、前記中間転写体と上
記加圧ロールの少なくとも一方の表面部に、圧縮弾性係
数が5N/mm2 以上200N/mm2 以下である弾性
層を配置したことを特徴とするものである。
載の発明においては、室温で塑性流動する熱溶融性イン
クを用い、記録ヘッドで前記インクを画情報に応じて加
熱溶融させ、前記記録ヘッドに対向配置された中間転写
体へ溶融飛翔させて付着させ、さらに、前記中間転写体
と対向する加圧ロールとの間に記録媒体を搬送し、前記
中間転写体に付着したインクを記録媒体に加圧転写する
インクジェット記録装置において、前記中間転写体と上
記加圧ロールの少なくとも一方の表面部に、圧縮弾性係
数が5N/mm2 以上200N/mm2 以下である弾性
層を配置したことを特徴とするものである。
【0007】請求項2に記載の発明においては、室温で
塑性流動する熱溶融性のインクを用い、記録ヘッドで前
記インクを画情報に応じて加熱溶融させ、前記記録ヘッ
ドに対向配置された中間転写体フィルムへ溶融飛翔させ
て付着させ、さらに、前記中間転写体フィルムを挟んで
相対向する一対のロール対の間に記録媒体を搬送し、中
間転写体フィルムに付着したインクを記録媒体に加圧転
写するインクジェット記録装置において、前記ロール対
の少なくとも一方のロールの表面部に、圧縮弾性係数
が、5N/mm2 以上200N/mm2 以下である弾性
層を配置したことを特徴とするものである。
塑性流動する熱溶融性のインクを用い、記録ヘッドで前
記インクを画情報に応じて加熱溶融させ、前記記録ヘッ
ドに対向配置された中間転写体フィルムへ溶融飛翔させ
て付着させ、さらに、前記中間転写体フィルムを挟んで
相対向する一対のロール対の間に記録媒体を搬送し、中
間転写体フィルムに付着したインクを記録媒体に加圧転
写するインクジェット記録装置において、前記ロール対
の少なくとも一方のロールの表面部に、圧縮弾性係数
が、5N/mm2 以上200N/mm2 以下である弾性
層を配置したことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明によれば、中間転写体と加圧ロールの少
なくとも一方の表面、あるいは、中間転写体フィルムを
挟んで相対向するロール対の少なくとも一方の表面部
に、圧縮弾性係数が5N/mm2 以上200N/mm2
以下である弾性層を配置したので、記録媒体の先端が中
間転写体と加圧ロール、あるいは中間転写体フィルムと
ロール対とで形成される転写部位に搬送され進入する際
に、中間転写体、加圧ロールの少なくとも一方、あるい
はロール対の少なくとも一方の表面部に配置された弾性
層が緩衝部材として働き、中間転写体あるいは中間転写
体フィルムの駆動系に作用する急激な負荷変動を和らげ
ることができ、中間転写体あるいは中間転写体フィルム
を安定して回転させることができるので、画像が中間転
写体の回転方向に局所的に伸縮するという重大な欠陥を
回避することができる。
なくとも一方の表面、あるいは、中間転写体フィルムを
挟んで相対向するロール対の少なくとも一方の表面部
に、圧縮弾性係数が5N/mm2 以上200N/mm2
以下である弾性層を配置したので、記録媒体の先端が中
間転写体と加圧ロール、あるいは中間転写体フィルムと
ロール対とで形成される転写部位に搬送され進入する際
に、中間転写体、加圧ロールの少なくとも一方、あるい
はロール対の少なくとも一方の表面部に配置された弾性
層が緩衝部材として働き、中間転写体あるいは中間転写
体フィルムの駆動系に作用する急激な負荷変動を和らげ
ることができ、中間転写体あるいは中間転写体フィルム
を安定して回転させることができるので、画像が中間転
写体の回転方向に局所的に伸縮するという重大な欠陥を
回避することができる。
【0009】また、弾性層が存在することで、階調記録
や多色記録により高さの異なるインクドットが中間転写
体に形成されている場合においても、弾性層の変形によ
りインクドットの高さの差が吸収され、高さの低いイン
クドットにも十分な加圧力が作用して記録媒体との結合
力が向上し、また、高さの高いインクドットの場合にも
ドットの広がりを抑えることができ、良好に転写を行な
うことができ、画質を向上させることができる。
や多色記録により高さの異なるインクドットが中間転写
体に形成されている場合においても、弾性層の変形によ
りインクドットの高さの差が吸収され、高さの低いイン
クドットにも十分な加圧力が作用して記録媒体との結合
力が向上し、また、高さの高いインクドットの場合にも
ドットの広がりを抑えることができ、良好に転写を行な
うことができ、画質を向上させることができる。
【0010】
【実施例】図1は、本発明のインクジェット記録装置の
第1の実施例を示す概略構成図である。図中、1は熱溶
融性インク、2は記録ヘッド、3は中間転写体、4は弾
性層、5は記録媒体、6は加圧ロール、7は弾性層であ
る。熱溶融性インク1は、室温では適当な固さの固体で
あって、記録ヘッド2において加熱されることにより溶
融し、液状となるインクである。この熱溶融性インク1
としては、記録媒体5上で擦りや折り曲げに耐えるこ
と、室温では塑性流動を示して外力によって割れを生じ
ないこと、所定の融点で溶融すること等を考慮の上、適
宜選択して用いられる。
第1の実施例を示す概略構成図である。図中、1は熱溶
融性インク、2は記録ヘッド、3は中間転写体、4は弾
性層、5は記録媒体、6は加圧ロール、7は弾性層であ
る。熱溶融性インク1は、室温では適当な固さの固体で
あって、記録ヘッド2において加熱されることにより溶
融し、液状となるインクである。この熱溶融性インク1
としては、記録媒体5上で擦りや折り曲げに耐えるこ
と、室温では塑性流動を示して外力によって割れを生じ
ないこと、所定の融点で溶融すること等を考慮の上、適
宜選択して用いられる。
【0011】記録ヘッド2は、室温で塑性流動する熱溶
融性インク1を保持し、この熱溶融性インク1を画情報
に応じて加熱して溶融させ、記録ヘッド2に対向配置さ
れた中間転写体3へ飛翔させる。記録ヘッド2として
は、圧電素子を用いたパルスオンデマンド方式や、静電
誘引力によってを飛翔させる静電誘引方式や、静電誘引
力と熱エネルギーとの組み合わせによってインクを飛翔
させる熱静電誘引方式や、静電誘引力等でインクを隆起
させ、空気流によって隆起インクを飛翔させる空電制御
方式等、各種の方式のものを用いることができる。ただ
し、記録ヘッド2としては、少なくとも、インク飛翔時
において、熱溶融性インクが溶融温度以上に加熱される
ヘッド加熱手段を具備することが必要である。
融性インク1を保持し、この熱溶融性インク1を画情報
に応じて加熱して溶融させ、記録ヘッド2に対向配置さ
れた中間転写体3へ飛翔させる。記録ヘッド2として
は、圧電素子を用いたパルスオンデマンド方式や、静電
誘引力によってを飛翔させる静電誘引方式や、静電誘引
力と熱エネルギーとの組み合わせによってインクを飛翔
させる熱静電誘引方式や、静電誘引力等でインクを隆起
させ、空気流によって隆起インクを飛翔させる空電制御
方式等、各種の方式のものを用いることができる。ただ
し、記録ヘッド2としては、少なくとも、インク飛翔時
において、熱溶融性インクが溶融温度以上に加熱される
ヘッド加熱手段を具備することが必要である。
【0012】中間転写体3は、その表面が弾性層4で構
成されており、記録ヘッド2と所定間隔をおいて対向配
置されているとともに、加圧ロール6と対向配置されて
いる。中間転写体3の表面の弾性層4は、圧縮弾性係数
が5N/mm2 以上200N/mm2 以下の物質により
形成されている。
成されており、記録ヘッド2と所定間隔をおいて対向配
置されているとともに、加圧ロール6と対向配置されて
いる。中間転写体3の表面の弾性層4は、圧縮弾性係数
が5N/mm2 以上200N/mm2 以下の物質により
形成されている。
【0013】加圧ロール6は、中間転写体3と圧接配置
されており、その表面が弾性層7で構成されている。こ
の弾性層7も、圧縮弾性係数が5N/mm2 以上200
N/mm2 以下の物質により形成されている。
されており、その表面が弾性層7で構成されている。こ
の弾性層7も、圧縮弾性係数が5N/mm2 以上200
N/mm2 以下の物質により形成されている。
【0014】記録媒体5は、中間転写体3と加圧ロール
6との間に給送され、中間転写体3と加圧ロール6の回
転とともに搬送される。中間転写体3と加圧ロール6の
圧接部に記録媒体5の先端が挿入される際には、中間転
写体3の表面の弾性層4及び加圧ロール6の表面の弾性
層7が弾性変形する。そのため、中間転写体3の駆動系
にかかる負荷変動を減少させることができ、中間転写体
3の回転変動を抑えることができる。この弾性変形によ
り、例えば、種々の記録媒体5の厚みに対応できるとと
もに、封筒などのように部分的に厚みの異なる記録媒体
に対しても、中間転写体3の回転変動を抑えて搬送する
ことが可能である。また、中間転写体3と加圧ロール6
とは圧接することになるので、その圧接部では弾性層
4,7は弾性変形することになる。そのため、中間転写
体3と加圧ロール6との交差角を、剛体を用いたときに
比べて精度をゆるめることができる。さらに、熱溶融性
インク1としてワックス系のインクを用いている場合、
中間転写体3にわずかなインクが残っていると、剛体で
構成された中間転写体では摩擦率が低下して記録媒体が
取り込まれないことがあったが、弾性層4,7により滑
りもなく、徐々に記録媒体に圧力をかけながら取り込む
ことができる。そのため、確実に記録媒体5を加圧部に
取り込み、転写を行なうことができる。
6との間に給送され、中間転写体3と加圧ロール6の回
転とともに搬送される。中間転写体3と加圧ロール6の
圧接部に記録媒体5の先端が挿入される際には、中間転
写体3の表面の弾性層4及び加圧ロール6の表面の弾性
層7が弾性変形する。そのため、中間転写体3の駆動系
にかかる負荷変動を減少させることができ、中間転写体
3の回転変動を抑えることができる。この弾性変形によ
り、例えば、種々の記録媒体5の厚みに対応できるとと
もに、封筒などのように部分的に厚みの異なる記録媒体
に対しても、中間転写体3の回転変動を抑えて搬送する
ことが可能である。また、中間転写体3と加圧ロール6
とは圧接することになるので、その圧接部では弾性層
4,7は弾性変形することになる。そのため、中間転写
体3と加圧ロール6との交差角を、剛体を用いたときに
比べて精度をゆるめることができる。さらに、熱溶融性
インク1としてワックス系のインクを用いている場合、
中間転写体3にわずかなインクが残っていると、剛体で
構成された中間転写体では摩擦率が低下して記録媒体が
取り込まれないことがあったが、弾性層4,7により滑
りもなく、徐々に記録媒体に圧力をかけながら取り込む
ことができる。そのため、確実に記録媒体5を加圧部に
取り込み、転写を行なうことができる。
【0015】一方、記録ヘッド2では、記録画像に応じ
て熱溶融性インク1を加熱溶融し、中間転写体3に向か
って飛翔させる。記録ヘッド2から吐出された熱溶融性
インク1は、中間転写体3の表面に付着する。中間転写
体3の回転とともに記録画像に応じた画像が中間転写体
3の表面に形成される。さらに中間転写体3が回転する
ことにより、中間転写体3に付着した熱溶融性インク1
は加圧ロール6との圧接部へ向かう。そして、圧接部に
おいて、熱溶融性インク1は記録媒体5に圧接され、転
写される。このとき、中間転写体3の表面に付着した熱
溶融性インク1は微少な高さを有しているが、弾性層
4,7は弾性変形することによってこのインクの高さを
適度に吸収し、適度な圧力により熱溶融性インク1を記
録媒体5に圧接することができる。また、弾性層4,7
により、中間転写体3と加圧ロール6の圧接部は、ある
幅を有する面であり、記録媒体5と中間転写体3の表面
が離れる熱溶融性インク1の剥離点においては、中間転
写体3の表面の円周方向と記録媒体5の搬送方向との角
度が急峻となり、熱溶融性インク1の剥離を良好に行な
って転写性を向上させることができる。
て熱溶融性インク1を加熱溶融し、中間転写体3に向か
って飛翔させる。記録ヘッド2から吐出された熱溶融性
インク1は、中間転写体3の表面に付着する。中間転写
体3の回転とともに記録画像に応じた画像が中間転写体
3の表面に形成される。さらに中間転写体3が回転する
ことにより、中間転写体3に付着した熱溶融性インク1
は加圧ロール6との圧接部へ向かう。そして、圧接部に
おいて、熱溶融性インク1は記録媒体5に圧接され、転
写される。このとき、中間転写体3の表面に付着した熱
溶融性インク1は微少な高さを有しているが、弾性層
4,7は弾性変形することによってこのインクの高さを
適度に吸収し、適度な圧力により熱溶融性インク1を記
録媒体5に圧接することができる。また、弾性層4,7
により、中間転写体3と加圧ロール6の圧接部は、ある
幅を有する面であり、記録媒体5と中間転写体3の表面
が離れる熱溶融性インク1の剥離点においては、中間転
写体3の表面の円周方向と記録媒体5の搬送方向との角
度が急峻となり、熱溶融性インク1の剥離を良好に行な
って転写性を向上させることができる。
【0016】上述の実施例において、弾性層を中間転写
体3及び加圧ロール6の両方に設けたが、中間転写体
3、加圧ロール5の少なくとも一方の表面を弾性層で形
成すれば、同様の効果を得ることができるが、記録媒体
5の直進性を考慮すると、両方に設ける方が望ましい。
体3及び加圧ロール6の両方に設けたが、中間転写体
3、加圧ロール5の少なくとも一方の表面を弾性層で形
成すれば、同様の効果を得ることができるが、記録媒体
5の直進性を考慮すると、両方に設ける方が望ましい。
【0017】図2は、本発明のインクジェット記録装置
の第1の実施例における変形例を示す概略構成図であ
る。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明
を省略する。2a,2b,2c,2dは記録ヘッド、8
はクリーナである。図2に示した例では、複数色のイン
クをそれぞれの記録ヘッドから飛翔させてフルカラーの
記録を行なうことのできるカラーインクジェット記録装
置の構成を示している。図2においては、カラー印字の
ために4色を用い、それぞれの色を飛翔させる4つの記
録ヘッドを備えている。具体的には、ブラック用記録ヘ
ッド2a、イエロー用記録ヘッド2b、マゼンタ用記録
ヘッド2c、シアン用記録ヘッド2dが中間転写体3に
対向して並設されている。そして、4色の記録ヘッド2
a,2b,2c,2dは、図示しないホストコンピュー
タからの画像信号に応じてそれぞれの色成分のインクを
中間転写体3上に出力する。同じドットに記録されるべ
き各色の熱溶融性インク1は、重なって中間転写体3に
付着する。
の第1の実施例における変形例を示す概略構成図であ
る。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明
を省略する。2a,2b,2c,2dは記録ヘッド、8
はクリーナである。図2に示した例では、複数色のイン
クをそれぞれの記録ヘッドから飛翔させてフルカラーの
記録を行なうことのできるカラーインクジェット記録装
置の構成を示している。図2においては、カラー印字の
ために4色を用い、それぞれの色を飛翔させる4つの記
録ヘッドを備えている。具体的には、ブラック用記録ヘ
ッド2a、イエロー用記録ヘッド2b、マゼンタ用記録
ヘッド2c、シアン用記録ヘッド2dが中間転写体3に
対向して並設されている。そして、4色の記録ヘッド2
a,2b,2c,2dは、図示しないホストコンピュー
タからの画像信号に応じてそれぞれの色成分のインクを
中間転写体3上に出力する。同じドットに記録されるべ
き各色の熱溶融性インク1は、重なって中間転写体3に
付着する。
【0018】この例では、中間転写体3には弾性層4を
設けず、加圧ロール6の表面にのみ弾性層7を設けてい
る。また、中間転写体3の加圧部の後段には、クリーナ
8が設けられている。このクリーナ8は、中間転写体3
の表面の残留インクや紙粉、異物、ゴミ等を除去する。
設けず、加圧ロール6の表面にのみ弾性層7を設けてい
る。また、中間転写体3の加圧部の後段には、クリーナ
8が設けられている。このクリーナ8は、中間転写体3
の表面の残留インクや紙粉、異物、ゴミ等を除去する。
【0019】図3は、記録ヘッド2の一例を示す構成
図、図4は、図3に示した記録ヘッド2の一例における
印字状態の説明図である。図中、11は粉体インク、1
2は溶融インク、13はインク曳糸、14はインクドッ
ト、21はインク室、22はヘッドヒータ、23はフレ
キシブル基板、24はオリフィス、25は制御電極、2
6は画素駆動ボードである。
図、図4は、図3に示した記録ヘッド2の一例における
印字状態の説明図である。図中、11は粉体インク、1
2は溶融インク、13はインク曳糸、14はインクドッ
ト、21はインク室、22はヘッドヒータ、23はフレ
キシブル基板、24はオリフィス、25は制御電極、2
6は画素駆動ボードである。
【0020】図3、図4に示した例では、図示しない粉
体インク供給器によって粉体インク11が記録ヘッド2
内のインク室21に供給される。粉体インク11として
は、例えば、直鎖ポリエチレンを主成分とし、着色剤と
して各色染料、酸化防止剤、粘度調整剤等を添加して作
成することができる。示差熱分析(DTA)の結果、こ
のインクの融点は100℃から104℃にかけて吸熱が
あり、ピークは102℃であった。また、溶融時の表面
張力は26dyne/cm(120℃)であった。以下
にこの実施例に使用したインクの物性を示す。 酸化ポリエチレンワックス 98重量% 黒染料PEW BLACK(三井東圧株式会社製) 2重量% このインクの大きな特徴としては、室温で凝固してから
も塑性流動する性質を備え、加圧することによって記録
媒体等の上に一旦形成したインクドットを破壊すること
なく押しつぶすことができる。なお、インクの主成分と
しては、ポリエチレンの他、脂肪酸金属塩、カルナバワ
ックス、および、木蝋等を使用することができる。
体インク供給器によって粉体インク11が記録ヘッド2
内のインク室21に供給される。粉体インク11として
は、例えば、直鎖ポリエチレンを主成分とし、着色剤と
して各色染料、酸化防止剤、粘度調整剤等を添加して作
成することができる。示差熱分析(DTA)の結果、こ
のインクの融点は100℃から104℃にかけて吸熱が
あり、ピークは102℃であった。また、溶融時の表面
張力は26dyne/cm(120℃)であった。以下
にこの実施例に使用したインクの物性を示す。 酸化ポリエチレンワックス 98重量% 黒染料PEW BLACK(三井東圧株式会社製) 2重量% このインクの大きな特徴としては、室温で凝固してから
も塑性流動する性質を備え、加圧することによって記録
媒体等の上に一旦形成したインクドットを破壊すること
なく押しつぶすことができる。なお、インクの主成分と
しては、ポリエチレンの他、脂肪酸金属塩、カルナバワ
ックス、および、木蝋等を使用することができる。
【0021】ヘッドヒータ22は、ポリイミドで形成さ
れたフレキシブル基板23上に形成された厚膜抵抗体で
あって、図示しないヘッドヒータ駆動回路によって、記
録装置のスタンバイ中及びプリント動作中を通じて通電
され、粉体インク11をその融点以上に加熱し、溶融イ
ンク12を作る。
れたフレキシブル基板23上に形成された厚膜抵抗体で
あって、図示しないヘッドヒータ駆動回路によって、記
録装置のスタンバイ中及びプリント動作中を通じて通電
され、粉体インク11をその融点以上に加熱し、溶融イ
ンク12を作る。
【0022】一方、フレキシブル基板23にはオリフィ
ス24が形成されている。フレキシブル基板23は、例
えば、感光性のポリイミドで作成することができ、オリ
フィス24は感光性ポリイミドの現像工程で形成するこ
とができる。そして、フレキシブル基板23の中間転写
体3に対向する面には、図示しない溌液性層が形成され
ており、溶融インク12の表面張力等によって、溶融イ
ンク12が記録ヘッド2外に流失するのを防止してい
る。溌液層は、例えば、フッ素樹脂薄膜等で形成するこ
とができ、接触角測定により求められる臨界表面エネル
ギーは、15dyne/cmであった。
ス24が形成されている。フレキシブル基板23は、例
えば、感光性のポリイミドで作成することができ、オリ
フィス24は感光性ポリイミドの現像工程で形成するこ
とができる。そして、フレキシブル基板23の中間転写
体3に対向する面には、図示しない溌液性層が形成され
ており、溶融インク12の表面張力等によって、溶融イ
ンク12が記録ヘッド2外に流失するのを防止してい
る。溌液層は、例えば、フッ素樹脂薄膜等で形成するこ
とができ、接触角測定により求められる臨界表面エネル
ギーは、15dyne/cmであった。
【0023】また、フレキシブル基板23の反対側の面
(記録ヘッド2の内部側の面)には、制御電極25が設
けられている。上述のオリフィス24と制御電極25と
は、記録装置の所望のドット間隔で、記録媒体の最大幅
にわたって多数並んでおり、並列的に動作して、印字速
度を向上させている。また、制御電極25は、一個のオ
リフィス24に連通して一本設けられており、円形のオ
リフィス24を取り囲む形状に加工されている。この制
御電極25は、例えば、フレキシブル基板23に銅箔を
エポキシ樹脂系の接着剤で接着し、フォトエッチングプ
ロセスを施すことによって作成することができる。
(記録ヘッド2の内部側の面)には、制御電極25が設
けられている。上述のオリフィス24と制御電極25と
は、記録装置の所望のドット間隔で、記録媒体の最大幅
にわたって多数並んでおり、並列的に動作して、印字速
度を向上させている。また、制御電極25は、一個のオ
リフィス24に連通して一本設けられており、円形のオ
リフィス24を取り囲む形状に加工されている。この制
御電極25は、例えば、フレキシブル基板23に銅箔を
エポキシ樹脂系の接着剤で接着し、フォトエッチングプ
ロセスを施すことによって作成することができる。
【0024】さらに、制御電極25は画素駆動ボード2
6に異方導電性膜を介して圧接されている。ここで、画
素駆動ボード26は、多数の制御電極25を高電圧(例
えば、400V程度の電圧)にて駆動するものである。
画素駆動ボード26は、例えば、ガラス基板上に、薄膜
トランジスタ(TFT)技術で、高耐圧駆動素子アレイ
および画像データのシリアルパラレル変換のためのシフ
トレジスタ等を形成したものである。
6に異方導電性膜を介して圧接されている。ここで、画
素駆動ボード26は、多数の制御電極25を高電圧(例
えば、400V程度の電圧)にて駆動するものである。
画素駆動ボード26は、例えば、ガラス基板上に、薄膜
トランジスタ(TFT)技術で、高耐圧駆動素子アレイ
および画像データのシリアルパラレル変換のためのシフ
トレジスタ等を形成したものである。
【0025】一方、中間転写体3は、例えば、アルミニ
ウム金属ロールから形成することができ、その臨界表面
エネルギーは接触角測定で50dyne/cm以上であ
った。また、この中間転写体3には、−1KV程度のバ
イアスパルスが印加されている。
ウム金属ロールから形成することができ、その臨界表面
エネルギーは接触角測定で50dyne/cm以上であ
った。また、この中間転写体3には、−1KV程度のバ
イアスパルスが印加されている。
【0026】このような構成のもとで、画情報に応じた
+400Vのパルス信号が画素駆動ボート26によって
制御電極25に印加されると、オリフィス24に面した
溶融インク12はクーロン力を受けてオリフィス24か
ら吐出され、インク曳糸13を形成しながら中間転写体
ドラム3に向かって飛翔する。そして、インク曳糸13
によって中間転写体3に付着した溶融インク12は、直
ちに凝固するので、中間転写体ドラム上には盛り上がっ
たインクドット14が形成される。
+400Vのパルス信号が画素駆動ボート26によって
制御電極25に印加されると、オリフィス24に面した
溶融インク12はクーロン力を受けてオリフィス24か
ら吐出され、インク曳糸13を形成しながら中間転写体
ドラム3に向かって飛翔する。そして、インク曳糸13
によって中間転写体3に付着した溶融インク12は、直
ちに凝固するので、中間転写体ドラム上には盛り上がっ
たインクドット14が形成される。
【0027】また、図2に示したようにカラーの記録を
行なう場合には、それぞれの記録ヘッドから各色のイン
クが中間転写体3に付着する。このとき、減法混色は中
間転写体3上で行なわれる。中間転写体3は、送り量が
正確で、しかも、加圧手段により一定の環境設定がなさ
れているので、紙等に比べて環境の変化による伸び縮み
等の外乱による寸法の変化が少ない。そのため、カラー
画像を形成する場合、各色の位置合わせ(レジストレー
ション)は、紙上で減法混色する場合に比べて格段に容
易であり、しかも、高い精度で行なうことができる。
行なう場合には、それぞれの記録ヘッドから各色のイン
クが中間転写体3に付着する。このとき、減法混色は中
間転写体3上で行なわれる。中間転写体3は、送り量が
正確で、しかも、加圧手段により一定の環境設定がなさ
れているので、紙等に比べて環境の変化による伸び縮み
等の外乱による寸法の変化が少ない。そのため、カラー
画像を形成する場合、各色の位置合わせ(レジストレー
ション)は、紙上で減法混色する場合に比べて格段に容
易であり、しかも、高い精度で行なうことができる。
【0028】図5は、中間転写体3から記録媒体5への
転写定着の一例の説明図である。図中、15はインクド
ット、27は鋼製ロールである。例えば、普通紙等の記
録媒体5は、図示しない紙送り装置によって中間転写体
3と加圧ロール6との間に送り込まれる。加圧ロール6
は、鋼製ロール27の表面に弾性体よりなる弾性層7を
形成したものであり、記録媒体5を裏面側から図示しな
い加圧装置により中間転写体3に押し付けている。
転写定着の一例の説明図である。図中、15はインクド
ット、27は鋼製ロールである。例えば、普通紙等の記
録媒体5は、図示しない紙送り装置によって中間転写体
3と加圧ロール6との間に送り込まれる。加圧ロール6
は、鋼製ロール27の表面に弾性体よりなる弾性層7を
形成したものであり、記録媒体5を裏面側から図示しな
い加圧装置により中間転写体3に押し付けている。
【0029】記録ヘッド2によって中間転写体3の表面
に形成された画像は、中間転写体3から記録媒体5へ転
移する。このとき、中間転写体3上で凝固しているイン
クドット14は、加圧ロール6の加圧力によって押し潰
されて拡がり、記録媒体5上には、実質上、偏平なイン
クドット15が形成される。
に形成された画像は、中間転写体3から記録媒体5へ転
移する。このとき、中間転写体3上で凝固しているイン
クドット14は、加圧ロール6の加圧力によって押し潰
されて拡がり、記録媒体5上には、実質上、偏平なイン
クドット15が形成される。
【0030】上述のように、中間転写体3の臨界表面エ
ネルギーが50dyen/cm以上であるとき、同程度
の臨界表面エネルギーを有する記録媒体5に画像を転写
することができるのは、次のような理由によるものと考
えられる。すなわち、転写時の加圧力によって塑性流動
を生じたインクドット15は、記録媒体の繊維の間にそ
の一部が入り込み、記録媒体5と機械的に強固に結合す
る一方、直鎖ポリエチレンインクは離型性が高いので、
画像受容面の平滑な中間転写体3の上にはインクドット
が実質的に残留しない。
ネルギーが50dyen/cm以上であるとき、同程度
の臨界表面エネルギーを有する記録媒体5に画像を転写
することができるのは、次のような理由によるものと考
えられる。すなわち、転写時の加圧力によって塑性流動
を生じたインクドット15は、記録媒体の繊維の間にそ
の一部が入り込み、記録媒体5と機械的に強固に結合す
る一方、直鎖ポリエチレンインクは離型性が高いので、
画像受容面の平滑な中間転写体3の上にはインクドット
が実質的に残留しない。
【0031】このようなインクの転写定着において、イ
ンクドット15の潰れ度合いはインクのレオロジー特性
と加圧力とによって決定される。この実施例で使用した
インクは、室温において塑性流動を示すものの、一旦溶
融され、中間転写体3に転写された時点では室温に戻
り、既に凝固している。そのため、加熱時の軟化状態に
比較して変形し難い。したがって、中間転写体3から記
録媒体5へインクを転写定着するためには、比較的大き
な加圧力が必要である。一方、中間転写体3上に形成さ
れる盛り上がったインクドット14は、記録画素の違い
により、単色の印字では10〜50μm、多色の印字で
は10〜100μm程度の高さのばらつきが発生する。
このような高さの異なるインクドットに対し、均等に加
圧力がかからないと、高さの低いインクドットが記録媒
体5へ転写定着しないという事態が発生し、記録品質が
大きく劣化してしまう。また、いくつかの色が重ねて記
録されたインクドットのように、高さの高いインクドッ
トの場合には、インクドットに大きな加圧力がかかり、
インクドットのつぶれが激しく、にじみや濁りとなり、
やはり記録品質が低下する。
ンクドット15の潰れ度合いはインクのレオロジー特性
と加圧力とによって決定される。この実施例で使用した
インクは、室温において塑性流動を示すものの、一旦溶
融され、中間転写体3に転写された時点では室温に戻
り、既に凝固している。そのため、加熱時の軟化状態に
比較して変形し難い。したがって、中間転写体3から記
録媒体5へインクを転写定着するためには、比較的大き
な加圧力が必要である。一方、中間転写体3上に形成さ
れる盛り上がったインクドット14は、記録画素の違い
により、単色の印字では10〜50μm、多色の印字で
は10〜100μm程度の高さのばらつきが発生する。
このような高さの異なるインクドットに対し、均等に加
圧力がかからないと、高さの低いインクドットが記録媒
体5へ転写定着しないという事態が発生し、記録品質が
大きく劣化してしまう。また、いくつかの色が重ねて記
録されたインクドットのように、高さの高いインクドッ
トの場合には、インクドットに大きな加圧力がかかり、
インクドットのつぶれが激しく、にじみや濁りとなり、
やはり記録品質が低下する。
【0032】図6は、加圧ロール6に形成した弾性層7
の圧縮弾性率と、加圧ロール6に作用させる線圧の変化
に伴う画像の転写状態の説明図である。図中、○は良好
な転写が行なわれたことを、△はやや良好な転写が行な
われたことを、×は転写不良を起こしたことをそれぞれ
示している。図6から明らかなように、弾性層7の圧縮
弾性率が大きすぎる場合には、線圧を十分大きくしない
と高さの低いインクドットにおいて転写不良を生じる。
しかし、その線圧においては、高さの高いインクドット
が過度に潰れて画質不良を生じ、また記録媒体5にも不
自然な光沢が発生してしまう。一方、圧縮弾性率が小さ
すぎる場合には、線圧を十分大きくしても塑性流動を起
こす圧力とはならず、やはり転写不良を生じてしまう。
圧縮弾性率で2〜1000N/mm2 の範囲の弾性体を
用いた場合には、線圧を大きくするなど、条件を整える
ことによって、インクドットの高さによらず転写するこ
とは可能であった。しかし、不自然な光沢などが発生せ
ず、良好な画質を得ることのできる線圧、すなわち、1
〜20N/mmにおいては、圧縮弾性率が5〜200N
/mm2 であることが望ましい。したがって、加圧ロー
ル6に形成する弾性層7としては、圧縮弾性率で5〜2
00N/mm2 であることが望ましい。弾性層7とし
て、例えば、圧縮弾性率10N/mm2 のEPDMゴム
を用い、加圧ロール6を形成して用いたところ、線圧が
5N/mmの加圧力で記録媒体全域で良好にインクドッ
トを転写定着することができた。
の圧縮弾性率と、加圧ロール6に作用させる線圧の変化
に伴う画像の転写状態の説明図である。図中、○は良好
な転写が行なわれたことを、△はやや良好な転写が行な
われたことを、×は転写不良を起こしたことをそれぞれ
示している。図6から明らかなように、弾性層7の圧縮
弾性率が大きすぎる場合には、線圧を十分大きくしない
と高さの低いインクドットにおいて転写不良を生じる。
しかし、その線圧においては、高さの高いインクドット
が過度に潰れて画質不良を生じ、また記録媒体5にも不
自然な光沢が発生してしまう。一方、圧縮弾性率が小さ
すぎる場合には、線圧を十分大きくしても塑性流動を起
こす圧力とはならず、やはり転写不良を生じてしまう。
圧縮弾性率で2〜1000N/mm2 の範囲の弾性体を
用いた場合には、線圧を大きくするなど、条件を整える
ことによって、インクドットの高さによらず転写するこ
とは可能であった。しかし、不自然な光沢などが発生せ
ず、良好な画質を得ることのできる線圧、すなわち、1
〜20N/mmにおいては、圧縮弾性率が5〜200N
/mm2 であることが望ましい。したがって、加圧ロー
ル6に形成する弾性層7としては、圧縮弾性率で5〜2
00N/mm2 であることが望ましい。弾性層7とし
て、例えば、圧縮弾性率10N/mm2 のEPDMゴム
を用い、加圧ロール6を形成して用いたところ、線圧が
5N/mmの加圧力で記録媒体全域で良好にインクドッ
トを転写定着することができた。
【0033】一方、このようなインクジェット記録装置
においては、記録媒体5は中間転写体3と加圧ロール6
との間に送り込まれるが、既に述べたように加圧ロール
6は比較的高い加圧力で中間転写体3に押し付けられて
いる。通常、駆動装置により中間転写体3が駆動されて
いるが、記録媒体5の先端が中間転写体3と加圧ロール
6との間に進入する際に、急激な負荷が駆動装置に影響
することは避けられない。これは、加圧力に逆らって記
録媒体6が通過するだけのすき間を広げる仕事が微少な
時間に発生し、それが駆動装置の負荷となるからであ
る。駆動装置が急激な負荷を受けると、中間転写体3の
回転速度が瞬時的に変動する。一方、記録ヘッド2は、
一定時間間隔で中間転写体3にインク画像を形成してい
るため、この回転速度の変動が大きくなると、画像が中
間転写体の回転方向に伸縮し、その画質欠陥が許容でき
なくなる。
においては、記録媒体5は中間転写体3と加圧ロール6
との間に送り込まれるが、既に述べたように加圧ロール
6は比較的高い加圧力で中間転写体3に押し付けられて
いる。通常、駆動装置により中間転写体3が駆動されて
いるが、記録媒体5の先端が中間転写体3と加圧ロール
6との間に進入する際に、急激な負荷が駆動装置に影響
することは避けられない。これは、加圧力に逆らって記
録媒体6が通過するだけのすき間を広げる仕事が微少な
時間に発生し、それが駆動装置の負荷となるからであ
る。駆動装置が急激な負荷を受けると、中間転写体3の
回転速度が瞬時的に変動する。一方、記録ヘッド2は、
一定時間間隔で中間転写体3にインク画像を形成してい
るため、この回転速度の変動が大きくなると、画像が中
間転写体の回転方向に伸縮し、その画質欠陥が許容でき
なくなる。
【0034】図7は、加圧ロール6に形成した弾性層7
の圧縮弾性率と、加圧ロール6に作用させる線圧の変化
に伴う記録媒体5の挿入時の画像欠陥の状態の説明図で
ある。図中、○は画像欠陥が認識できなかったことを、
△は画像欠陥が認識できるが許容できる範囲であること
を、×は許容できない程度の画像欠陥が発生したことを
それぞれ示している。図7から明らかなように、弾性層
7の圧縮弾性率が大きすぎる場合には、線圧が小さくて
も画像の伸縮が発生してしまい、画質を満足していな
い。圧縮弾性率で200N/mm2 以下の弾性体を用い
た場合には、比較的低い線圧であれば画像の伸縮が認識
できないレベルまで低減できた。この理由としては、加
圧ロール6に弾性層7を形成したことにより、加圧ロー
ル6と中間転写体3の接触している部分の幅が増加し、
また弾性層7の衝撃吸収作用により、駆動装置に影響す
る負荷変動が時間に対し滑らかになり、中間転写体3の
回転が安定したためと考えられる。
の圧縮弾性率と、加圧ロール6に作用させる線圧の変化
に伴う記録媒体5の挿入時の画像欠陥の状態の説明図で
ある。図中、○は画像欠陥が認識できなかったことを、
△は画像欠陥が認識できるが許容できる範囲であること
を、×は許容できない程度の画像欠陥が発生したことを
それぞれ示している。図7から明らかなように、弾性層
7の圧縮弾性率が大きすぎる場合には、線圧が小さくて
も画像の伸縮が発生してしまい、画質を満足していな
い。圧縮弾性率で200N/mm2 以下の弾性体を用い
た場合には、比較的低い線圧であれば画像の伸縮が認識
できないレベルまで低減できた。この理由としては、加
圧ロール6に弾性層7を形成したことにより、加圧ロー
ル6と中間転写体3の接触している部分の幅が増加し、
また弾性層7の衝撃吸収作用により、駆動装置に影響す
る負荷変動が時間に対し滑らかになり、中間転写体3の
回転が安定したためと考えられる。
【0035】図6、図7からも分かるように、加圧ロー
ル6に弾性層7を設け、この弾性層7の圧縮弾性率を5
〜200N/mm2 とすることにより、中間転写体から
記録媒体への転写性が改善し、かつ転写媒体5の先端が
中間転写体3と加圧ロール6の間に進入する際に発生す
る画像欠陥を回避することができ、高品質なインク画像
を記録媒体上に形成することができた。
ル6に弾性層7を設け、この弾性層7の圧縮弾性率を5
〜200N/mm2 とすることにより、中間転写体から
記録媒体への転写性が改善し、かつ転写媒体5の先端が
中間転写体3と加圧ロール6の間に進入する際に発生す
る画像欠陥を回避することができ、高品質なインク画像
を記録媒体上に形成することができた。
【0036】この実施例では、室温で塑性流動するイン
クを用い、中間転写体3の上で凝固させたインクドット
14を加圧力で押し潰すようにして記録媒体5に転写定
着している。そのため、インクドット15の表面が実質
的に偏平になるばかりか、記録媒体5が普通紙であれ
ば、潰れたインクドット15が紙の繊維の間に流動して
根をおろす。したがって、摩擦に対するインクドット1
5の剥離が少なくなり、しかも、インク部分の光学濃度
は十分に高いものとして確保される。
クを用い、中間転写体3の上で凝固させたインクドット
14を加圧力で押し潰すようにして記録媒体5に転写定
着している。そのため、インクドット15の表面が実質
的に偏平になるばかりか、記録媒体5が普通紙であれ
ば、潰れたインクドット15が紙の繊維の間に流動して
根をおろす。したがって、摩擦に対するインクドット1
5の剥離が少なくなり、しかも、インク部分の光学濃度
は十分に高いものとして確保される。
【0037】また、中間転写体3から記録媒体5への転
写率は、実質的にほぼ100%であるので、転写残りの
インクをクリーニングする必要はない。しかし、記録媒
体5は、しばしば繊維、埃等を中間転写体3へ付着させ
るおそれがある。記録ヘッド2と中間転写体3との間の
間隙は数10μm〜数100μm程度であるので、中間
転写体3に比較的大きなゴミを付着させたまま印字位置
に送ることは好ましくない。そのため、図2に示した構
成では、これらの数10μm以上の大きなゴミをトラッ
プするクリーナを設けている。
写率は、実質的にほぼ100%であるので、転写残りの
インクをクリーニングする必要はない。しかし、記録媒
体5は、しばしば繊維、埃等を中間転写体3へ付着させ
るおそれがある。記録ヘッド2と中間転写体3との間の
間隙は数10μm〜数100μm程度であるので、中間
転写体3に比較的大きなゴミを付着させたまま印字位置
に送ることは好ましくない。そのため、図2に示した構
成では、これらの数10μm以上の大きなゴミをトラッ
プするクリーナを設けている。
【0038】上述の図2以降の説明においては、弾性層
を加圧ロール6側に構成したものについて述べたが、弾
性層が所望の特性を示すものであれば、中間転写体3側
に形成することが可能であり、また、図1に示したよう
に、その両方に形成することも可能である。図8は、中
間転写体3の変形例を示す概略構成図である。図中、9
は表面層である。図1に示した中間転写体3では、熱溶
融性インク1が付着する表面に弾性層4を設けたが、こ
の弾性層4は表面に限らず、表面が弾性変形しやすいよ
うに表面部に形成すればよい。例えば、図8に示すよう
に、中間転写体3の表面部として弾性層4と表面層9で
構成することができる。表面層9は、軟化状態の熱溶融
性インク1を浸透させず、表面近傍に保持するような性
質、あるいは、軟化状態の熱溶融性インク1を静電吸引
するための電界を印加可能な導電性を有する非常に薄い
層で構成することができる。このような表面層9を弾性
層4の上に形成しても、上述のような弾性層による効果
を得ることができる。このように、中間転写体3あるい
は加圧ロール5の表面が弾性変形しやすいように構成さ
れていればよく、弾性体の上にその弾性を損なわない程
度の非常に薄い表面層を形成したものであってもよい。
を加圧ロール6側に構成したものについて述べたが、弾
性層が所望の特性を示すものであれば、中間転写体3側
に形成することが可能であり、また、図1に示したよう
に、その両方に形成することも可能である。図8は、中
間転写体3の変形例を示す概略構成図である。図中、9
は表面層である。図1に示した中間転写体3では、熱溶
融性インク1が付着する表面に弾性層4を設けたが、こ
の弾性層4は表面に限らず、表面が弾性変形しやすいよ
うに表面部に形成すればよい。例えば、図8に示すよう
に、中間転写体3の表面部として弾性層4と表面層9で
構成することができる。表面層9は、軟化状態の熱溶融
性インク1を浸透させず、表面近傍に保持するような性
質、あるいは、軟化状態の熱溶融性インク1を静電吸引
するための電界を印加可能な導電性を有する非常に薄い
層で構成することができる。このような表面層9を弾性
層4の上に形成しても、上述のような弾性層による効果
を得ることができる。このように、中間転写体3あるい
は加圧ロール5の表面が弾性変形しやすいように構成さ
れていればよく、弾性体の上にその弾性を損なわない程
度の非常に薄い表面層を形成したものであってもよい。
【0039】加圧ロール表面、あるいは中間転写体表面
に形成する弾性層として、上述の説明ではEPDMを用
いたが、圧縮弾性率が所望の範囲にある弾性体であれば
これに限られたものでない。例えば、天然ゴム,ブチル
ゴム,インプレン,ネオプレン,スチレンブタジエンゴ
ム,エチレンプロピレンゴム,フッ素ゴムシリコーンゴ
ム等のゴム材料、フェノール,エポキシ,ポリエステ
ル,ポリアセタール,ポリウレタン,ポリスチレン,ナ
イロン等の材料の中から選択して用いることができる。
さらには、これらの中から複数のものを選択し、それら
を多層に形成することも可能である。
に形成する弾性層として、上述の説明ではEPDMを用
いたが、圧縮弾性率が所望の範囲にある弾性体であれば
これに限られたものでない。例えば、天然ゴム,ブチル
ゴム,インプレン,ネオプレン,スチレンブタジエンゴ
ム,エチレンプロピレンゴム,フッ素ゴムシリコーンゴ
ム等のゴム材料、フェノール,エポキシ,ポリエステ
ル,ポリアセタール,ポリウレタン,ポリスチレン,ナ
イロン等の材料の中から選択して用いることができる。
さらには、これらの中から複数のものを選択し、それら
を多層に形成することも可能である。
【0040】以下、インクの組成を変えた場合のいくつ
かの例を示す。例えば、 ステアリン酸 77重量% カルナバワックス 20重量% C.I.ソルベントブラック23 3重量% の組成のインクを用いて画像形成を行なった。このイン
クの融点が約70℃であることから印字時の記録ヘッド
2の温度は95℃とし、中間転写体3から記録媒体5へ
の記録画像の転写は、室温(25℃)下で加圧ロール6
を線圧5N/mmに加圧して行なった。その結果、上述
の例と同様に、良好な画質および定着性を有する画像を
記録媒体5上に得ることができた。
かの例を示す。例えば、 ステアリン酸 77重量% カルナバワックス 20重量% C.I.ソルベントブラック23 3重量% の組成のインクを用いて画像形成を行なった。このイン
クの融点が約70℃であることから印字時の記録ヘッド
2の温度は95℃とし、中間転写体3から記録媒体5へ
の記録画像の転写は、室温(25℃)下で加圧ロール6
を線圧5N/mmに加圧して行なった。その結果、上述
の例と同様に、良好な画質および定着性を有する画像を
記録媒体5上に得ることができた。
【0041】別の例として、 αオレフィン/無水マレイン酸共重合体 95重量% カーボンブラック 5重量% の組成のインクを用いて画像形成を行なった。このイン
クの融点が約77℃であることから、印字時の記録ヘッ
ド2の温度は98℃とし、中間転写体3から記録媒体5
への記録画像の転写は、室温(25℃)下で加圧ロール
6を線圧5N/mmに加圧して行なった。その結果、上
述の各例と同様、良好な画質および定着性を有する画像
を記録媒体5上に得ることができた。
クの融点が約77℃であることから、印字時の記録ヘッ
ド2の温度は98℃とし、中間転写体3から記録媒体5
への記録画像の転写は、室温(25℃)下で加圧ロール
6を線圧5N/mmに加圧して行なった。その結果、上
述の各例と同様、良好な画質および定着性を有する画像
を記録媒体5上に得ることができた。
【0042】さらに別の例として、 ステアリン酸アミド 98重量% 染料PEW101(三井東圧株式会社製) 2重量% の組成のインクを用いて画像形成を行なった。このイン
クの融点が約110℃であることから印字時の記録ヘッ
ド2の温度は130℃とし、中間転写体3から記録媒体
5への記録画像の転写は、室温(25℃)下で加圧ロー
ル6を線圧5N/mmに加圧して行なった。その結果、
上述の各例と同様、良好な画質および定着性を有する画
像を記録媒体5上に得ることができた。
クの融点が約110℃であることから印字時の記録ヘッ
ド2の温度は130℃とし、中間転写体3から記録媒体
5への記録画像の転写は、室温(25℃)下で加圧ロー
ル6を線圧5N/mmに加圧して行なった。その結果、
上述の各例と同様、良好な画質および定着性を有する画
像を記録媒体5上に得ることができた。
【0043】図9は、本発明のインクジェット記録装置
の第2の実施例を示す概略構成図である。図中、図1と
同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。31
は中間転写体フィルム、32,33は背面ロール、34
は弾性層である。この実施例では、中間転写体としてフ
ィルム状のものを使用した例を示している。中間転写体
フィルム31としては、例えば、ステンレスフィルムか
ら形成することができ、例えば、−1KVのバイアスパ
ルスが印加されている。中間転写体フィルム31は、背
面ロール32,33にベルト状に巻かれている。中間転
写体フィルム31の記録ヘッド2に対向した部分には、
背面ロール32が配設されており、記録ヘッド2と中間
転写体フィルム31との距離を適正に保つ役割を果たし
ている。また、背面ロール33と加圧ロール6は対向し
て圧接配置されており、この2つのロールの間に中間転
写体フィルム31が挟まれている。さらに、中間転写体
フィルム31と加圧ロール6の間に記録媒体5が搬送さ
れる。この例では、背面ロール33の表面に弾性層34
が設けられている。また、加圧ロール6の表面にも弾性
層7が設けられている。この弾性層34、弾性層7の圧
縮弾性率は、5〜200N/mm2 であることが望まし
い。
の第2の実施例を示す概略構成図である。図中、図1と
同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。31
は中間転写体フィルム、32,33は背面ロール、34
は弾性層である。この実施例では、中間転写体としてフ
ィルム状のものを使用した例を示している。中間転写体
フィルム31としては、例えば、ステンレスフィルムか
ら形成することができ、例えば、−1KVのバイアスパ
ルスが印加されている。中間転写体フィルム31は、背
面ロール32,33にベルト状に巻かれている。中間転
写体フィルム31の記録ヘッド2に対向した部分には、
背面ロール32が配設されており、記録ヘッド2と中間
転写体フィルム31との距離を適正に保つ役割を果たし
ている。また、背面ロール33と加圧ロール6は対向し
て圧接配置されており、この2つのロールの間に中間転
写体フィルム31が挟まれている。さらに、中間転写体
フィルム31と加圧ロール6の間に記録媒体5が搬送さ
れる。この例では、背面ロール33の表面に弾性層34
が設けられている。また、加圧ロール6の表面にも弾性
層7が設けられている。この弾性層34、弾性層7の圧
縮弾性率は、5〜200N/mm2 であることが望まし
い。
【0044】室温で塑性流動する熱溶融性インク1を記
録ヘッド2に保持し、熱溶融性インク1を画情報に応じ
て加熱して、記録ヘッド2に対向配置された中間転写体
フィルム31へ溶融飛翔させる。さらに、この中間転写
体フィルム31に付着した熱溶融性インク1を、相対向
する背面ロール33と加圧ロール6により記録媒体5へ
加圧転写する。
録ヘッド2に保持し、熱溶融性インク1を画情報に応じ
て加熱して、記録ヘッド2に対向配置された中間転写体
フィルム31へ溶融飛翔させる。さらに、この中間転写
体フィルム31に付着した熱溶融性インク1を、相対向
する背面ロール33と加圧ロール6により記録媒体5へ
加圧転写する。
【0045】この実施例においては、弾性層を背面ロー
ル33及び加圧ロール6に設けた構成を示したが、背面
ロール33側のみ、加圧ロール6側のみに形成すること
も可能である。
ル33及び加圧ロール6に設けた構成を示したが、背面
ロール33側のみ、加圧ロール6側のみに形成すること
も可能である。
【0046】図10は、本発明のインクジェット記録装
置の第2の実施例における変形例を示す概略構成図であ
る。図中、図2、図9と同様の部分には同じ符号を付し
てある。図10に示した例では、図9に示した構成を用
いて、図2と同様に複数色のインクをそれぞれの記録ヘ
ッドから飛翔させてフルカラーの記録を行なうことので
きるカラーインクジェット記録装置の構成を示してい
る。図10において、ブラック、イエロー、マゼンタ、
シアンの4色を用い、それぞれの色のインクを飛翔させ
るブラック用記録ヘッド2a、イエロー用記録ヘッド2
b、マゼンタ用記録ヘッド2c、シアン用記録ヘッド2
dが中間転写体3に対向して並設されている。そして、
4色の記録ヘッド2a,2b,2c,2dは、図示しな
いホストコンピュータからの画像信号に応じてそれぞれ
の色成分のインクを中間転写体フィルム31上に飛翔さ
せ、付着させる。この例では、背面ローラ33には弾性
層を記録媒体上に形成することができた。
置の第2の実施例における変形例を示す概略構成図であ
る。図中、図2、図9と同様の部分には同じ符号を付し
てある。図10に示した例では、図9に示した構成を用
いて、図2と同様に複数色のインクをそれぞれの記録ヘ
ッドから飛翔させてフルカラーの記録を行なうことので
きるカラーインクジェット記録装置の構成を示してい
る。図10において、ブラック、イエロー、マゼンタ、
シアンの4色を用い、それぞれの色のインクを飛翔させ
るブラック用記録ヘッド2a、イエロー用記録ヘッド2
b、マゼンタ用記録ヘッド2c、シアン用記録ヘッド2
dが中間転写体3に対向して並設されている。そして、
4色の記録ヘッド2a,2b,2c,2dは、図示しな
いホストコンピュータからの画像信号に応じてそれぞれ
の色成分のインクを中間転写体フィルム31上に飛翔さ
せ、付着させる。この例では、背面ローラ33には弾性
層を記録媒体上に形成することができた。
【0047】この第2の実施例においても、第1の実施
例と同様、弾性層によって記録媒体5の先端が加圧部に
侵入する際には、そのときの負荷を弾性体が弾性変形す
ることにより緩和し、駆動装置に対する影響を軽減す
る。さらに、熱溶融性インク1の高さの違いにも対応
し、安定した転写性を確保して、良好な画質を得ること
ができる。例えば、加圧ロール6の弾性層7の圧縮弾性
率を10N/mm2 とし、加圧力を5N/mmとしたと
ころ、中間転写体フィルム31から記録媒体5への記録
画像の転写は全域にわたり良好であり、かつ、記録媒体
5の先端が中間転写体フィルム31と加圧ロール6の間
に進入する際に発生する画像欠陥は認識できず、高品質
なインク画像を設けず、加圧ローラ6にのみ弾性層7を
設けている。
例と同様、弾性層によって記録媒体5の先端が加圧部に
侵入する際には、そのときの負荷を弾性体が弾性変形す
ることにより緩和し、駆動装置に対する影響を軽減す
る。さらに、熱溶融性インク1の高さの違いにも対応
し、安定した転写性を確保して、良好な画質を得ること
ができる。例えば、加圧ロール6の弾性層7の圧縮弾性
率を10N/mm2 とし、加圧力を5N/mmとしたと
ころ、中間転写体フィルム31から記録媒体5への記録
画像の転写は全域にわたり良好であり、かつ、記録媒体
5の先端が中間転写体フィルム31と加圧ロール6の間
に進入する際に発生する画像欠陥は認識できず、高品質
なインク画像を設けず、加圧ローラ6にのみ弾性層7を
設けている。
【0048】上述の第1及び第2の実施例において、例
えば、図1や図9に示した構成で階調記録を行なう場合
や、例えば、図2や図10に示した構成でフルカラーの
記録を行なう際の各色の階調制御を行なうには、例え
ば、記録ヘッド2に加える静電誘引力や熱エネルギーの
大きさを変化させ、飛翔する熱溶融性インクの量を制御
することによって実現することが可能である。
えば、図1や図9に示した構成で階調記録を行なう場合
や、例えば、図2や図10に示した構成でフルカラーの
記録を行なう際の各色の階調制御を行なうには、例え
ば、記録ヘッド2に加える静電誘引力や熱エネルギーの
大きさを変化させ、飛翔する熱溶融性インクの量を制御
することによって実現することが可能である。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、室温で塑性流動する熱溶融性インクを記録ヘ
ッドで保持し、上記インクを加熱溶融させ画情報に応じ
て上記記録ヘッドに対向配置された中間転写体へ溶融飛
翔させ、さらにこの中間転写体と対向する加圧ロールと
の間に記録媒体を搬送し、中間転写体に付着したインク
を記録媒体に加圧転写するインクジェット記録装置にお
いて、中間転写体と加圧ロール、あるいは、中間転写体
を保持する背面ロールと加圧ロールの少なくとも一方の
表面を弾性層で形成しているので、記録媒体の先端が中
間転写体と加圧ロールの間に進入するときの中間転写体
の速度変動が少なく、欠陥のない高品位な熱溶融性イン
クによる画像を形成することができる。また、圧力ロー
ルに加える加圧力も低くすることができ、装置の小型化
軽量化にもつながる。さらに、階調記録や多色記録を行
なうときにも、中間転写体上のインク滴の高さによら
ず、記録媒体全域にわたり転写性の高いインク画像を得
ることができるという効果がある。
によれば、室温で塑性流動する熱溶融性インクを記録ヘ
ッドで保持し、上記インクを加熱溶融させ画情報に応じ
て上記記録ヘッドに対向配置された中間転写体へ溶融飛
翔させ、さらにこの中間転写体と対向する加圧ロールと
の間に記録媒体を搬送し、中間転写体に付着したインク
を記録媒体に加圧転写するインクジェット記録装置にお
いて、中間転写体と加圧ロール、あるいは、中間転写体
を保持する背面ロールと加圧ロールの少なくとも一方の
表面を弾性層で形成しているので、記録媒体の先端が中
間転写体と加圧ロールの間に進入するときの中間転写体
の速度変動が少なく、欠陥のない高品位な熱溶融性イン
クによる画像を形成することができる。また、圧力ロー
ルに加える加圧力も低くすることができ、装置の小型化
軽量化にもつながる。さらに、階調記録や多色記録を行
なうときにも、中間転写体上のインク滴の高さによら
ず、記録媒体全域にわたり転写性の高いインク画像を得
ることができるという効果がある。
【図1】 本発明のインクジェット記録装置の第1の実
施例を示す概略構成図である。
施例を示す概略構成図である。
【図2】 本発明のインクジェット記録装置の第1の実
施例における変形例を示す概略構成図である。
施例における変形例を示す概略構成図である。
【図3】 記録ヘッド2の一例を示す構成図である。
【図4】 図3に示した記録ヘッド2の一例における印
字状態の説明図である。
字状態の説明図である。
【図5】 中間転写体3から記録媒体5への転写定着状
態の一例の説明図である。
態の一例の説明図である。
【図6】 加圧ロール6に形成した弾性層7の圧縮弾性
率と、加圧ロール6に作用させる線圧の変化に伴う画像
の転写状態の説明図である。
率と、加圧ロール6に作用させる線圧の変化に伴う画像
の転写状態の説明図である。
【図7】 加圧ロール6に形成した弾性層7の圧縮弾性
率と、加圧ロール6に作用させる線圧の変化に伴う記録
媒体5の挿入時の画像欠陥の状態の説明図である。
率と、加圧ロール6に作用させる線圧の変化に伴う記録
媒体5の挿入時の画像欠陥の状態の説明図である。
【図8】 本発明のインクジェット記録装置の第1の実
施例における中間転写体3の変形例を示す概略構成図で
ある。
施例における中間転写体3の変形例を示す概略構成図で
ある。
【図9】 本発明のインクジェット記録装置の第2の実
施例を示す概略構成図である。
施例を示す概略構成図である。
【図10】 本発明のインクジェット記録装置の第2の
実施例における変形例を示す概略構成図である。
実施例における変形例を示す概略構成図である。
1…熱溶融性インク、2,2a,2b,2c,2d…記
録ヘッド、3…中間転写体、4…弾性層、5…記録媒
体、6…加圧ロール、7…弾性層、8…クリーナ、9…
表面層、11…粉体インク、12…溶融インク、13…
インク曳糸、14…インクドット、15…インクドッ
ト、21…インク室、22…ヘッドヒータ、23…フレ
キシブル基板、24…オリフィス、25…制御電極、2
6…画素駆動ボード、27…鋼製ロール、31…中間転
写体フィルム、32,33…背面ロール、34…弾性
層。
録ヘッド、3…中間転写体、4…弾性層、5…記録媒
体、6…加圧ロール、7…弾性層、8…クリーナ、9…
表面層、11…粉体インク、12…溶融インク、13…
インク曳糸、14…インクドット、15…インクドッ
ト、21…インク室、22…ヘッドヒータ、23…フレ
キシブル基板、24…オリフィス、25…制御電極、2
6…画素駆動ボード、27…鋼製ロール、31…中間転
写体フィルム、32,33…背面ロール、34…弾性
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安東 滋仁 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 岡本 徹 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 足立 康二 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 阿部 敬三 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 丸山 和雄 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 室温で塑性流動する熱溶融性のインクを
用い、記録ヘッドで前記インクを画情報に応じて加熱溶
融させ、前記記録ヘッドに対向配置された中間転写体へ
溶融飛翔させて付着させ、さらに、前記中間転写体と対
向する加圧ロールとの間に記録媒体を搬送し、前記中間
転写体に付着したインクを記録媒体に加圧転写するイン
クジェット記録装置において、前記中間転写体と上記加
圧ロールの少なくとも一方の表面部に、圧縮弾性係数が
5N/mm2 以上200N/mm2 以下である弾性層を
配置したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項2】 室温で塑性流動する熱溶融性のインクを
用い、記録ヘッドで前記インクを画情報に応じて加熱溶
融させ、前記記録ヘッドに対向配置された中間転写体フ
ィルムへ溶融飛翔させて付着させ、さらに、前記中間転
写体フィルムを挟んで相対向する一対のロール対の間に
記録媒体を搬送し、中間転写体フィルムに付着したイン
クを記録媒体に加圧転写するインクジェット記録装置に
おいて、前記ロール対の少なくとも一方のロールの表面
部に、圧縮弾性係数が5N/mm2 以上200N/mm
2 以下である弾性層を配置したことを特徴とするインク
ジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16112594A JPH0825619A (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16112594A JPH0825619A (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0825619A true JPH0825619A (ja) | 1996-01-30 |
Family
ID=15729083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16112594A Pending JPH0825619A (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0825619A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6030512A (en) * | 1997-03-31 | 2000-02-29 | Shinko Electric Industries, Co. Ltd. | Device for forming bumps by metal plating |
US20110234729A1 (en) * | 2010-03-24 | 2011-09-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Intermediate transfer body for transfer inkjet printing and transfer inkjet printing apparatus |
JP2013059890A (ja) * | 2011-09-12 | 2013-04-04 | Mimaki Engineering Co Ltd | 印刷方法及び印刷システム |
-
1994
- 1994-07-13 JP JP16112594A patent/JPH0825619A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6030512A (en) * | 1997-03-31 | 2000-02-29 | Shinko Electric Industries, Co. Ltd. | Device for forming bumps by metal plating |
US6413404B1 (en) | 1997-03-31 | 2002-07-02 | Shinko Electric Industries Co., Ltd. | Method of forming bumps by electroplating |
US20110234729A1 (en) * | 2010-03-24 | 2011-09-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Intermediate transfer body for transfer inkjet printing and transfer inkjet printing apparatus |
US8783852B2 (en) * | 2010-03-24 | 2014-07-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Intermediate transfer body for transfer inkjet printing and transfer inkjet printing apparatus |
JP2013059890A (ja) * | 2011-09-12 | 2013-04-04 | Mimaki Engineering Co Ltd | 印刷方法及び印刷システム |
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