JPH08250817A - 半導体微小共振器光素子および化合物半導体多層膜のドライエッチング方法 - Google Patents
半導体微小共振器光素子および化合物半導体多層膜のドライエッチング方法Info
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- JPH08250817A JPH08250817A JP5476695A JP5476695A JPH08250817A JP H08250817 A JPH08250817 A JP H08250817A JP 5476695 A JP5476695 A JP 5476695A JP 5476695 A JP5476695 A JP 5476695A JP H08250817 A JPH08250817 A JP H08250817A
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Abstract
抑制され、且つ活性層側壁での界面再結合による注入キ
ャリアの損失も抑制された低閾値の半導体微小共振器光
素子を提供する。 【構成】 基板7と、この基板上に、第一の半導体多層
膜反射鏡、活性層4を有するスペーサー層5、及び第二
の半導体多層膜反射鏡が順次積層された半導体柱状構造
体とを有する半導体微小共振器光素子10である。柱状
構造体の側面が半導体薄膜により包囲され、かつ、活性
層の飽和利得gs 、活性層の厚さta 、及び半導体薄膜
に包囲された多層反射膜の実効反射率R´が、下記
(1)に示す関係を満たす。
Description
ネクション、光情報処理等に使用される半導体素子に係
わり、特に高密度の集積に適した低消費電力のLEDや
半導体レーザー、および受光素子、変調器に関する。
特に化合物半導体多層膜を用いた半導体レーザ、LE
D、半導体光増幅器、半導体光変調器などを再現性よく
作製するためのドライエッチング方法に関する。
ン、光情報処理等の分野では、並列処理による大容量
化、高速化への要求が高まりつつある。並列処理を実現
するためには、1次元、あるいは2次元的に集積された
LEDや半導体レーザーアレイ、受光素子、および変調
器アレイが必須となることが予想される。こうした需要
に対応し得る光源として、基板に垂直な方向に出力光を
取り出すことが可能な、いわゆる垂直共振器型の面発光
レーザーの開発が精力的に行われている。
に示すように、下部多層反射鏡62、活性層とスペーサ
ー層(クラッド層)とを含む発光層65、および上部多
層反射鏡66が基板61上に順次積層された構造を有す
る。このような面発光レーザーにおいては、横モードを
制御するため、上部反射膜66の一部または下部反射膜
62に至るまでを柱状に加工し、横方向に屈折率変化を
持たせることにより最低次モードでの安定な発振を狙っ
ている。現在、これらの素子の横方向の典型的なサイズ
は(30μm)2 から(5μm)2 であり、発振閾値は
数mWから数百μW程度である。
体の場合と比較して1素子あたりの消費電力に対する制
限は厳しくなる。例えば、前述の面発光レーザーを例に
挙げると、その消費電力は1mW程度であるので、10
0×100のアレイで10Wとなり、1000×100
0のアレイでは1000Wという非常に大きな値とな
る。このように消費電力が大きいと、省電力化の進んだ
電子デバイスとの良好な整合性が得られないばかりか、
熱的な問題により高密度の集積そのものが不可能となっ
てしまう。
新しい原理に基づくレーザーが提案されている(小林哲
朗他;応用物理学会講演予講集29a−B−6(198
2),H.Yokoyama and S.D.Bro
nson;J.Appl.Phys.66,p4801
(1989))。このレーザーは、極めて微小な共振器
構造を有することを特徴とし、具体的には、横方向のサ
イズは(発振波長)3の数倍から数十倍程度である。こ
の小さな共振器を用いることによって、活性層からの自
然放出光が発振に寄与する共振器モードに効率的に結合
するので、閾値の極めて低いレーザーを実現できること
が理論的に示されている。具体的には、半導体レーザー
に適用した場合には、発振閾値を従来に比べて2桁以上
低減することが可能であるといわれている。
面発光レーザーの断面積を小さくしていくことにより基
本的には製作可能と考えられる。しかしながら、従来構
造の面発光レーザーの断面積を単に小さくするのみで
は、共振器からの光損失や、活性層側壁での表面、界面
再結合による注入キャリアの損失が増大するので、かえ
って閾値を増大させてしまう。例えば、図14(a)の
構造では、活性層64の側壁が露出しているため、活性
層側壁での表面再結合による注入キャリアの損失が増大
する。また、図14(b)の構造では、下部反射膜62
でのモードの閉じ込め構造がないため、上部反射膜66
と下部反射膜62との接続部分(図14(b)中のBで
示されるスペーサ層63付近の領域)において、回折に
よる光損失が増大する。また、図14(c)の構造で
は、活性層64の側面には半導体が存在するので、界面
再結合はあまり問題とならないが、共振器部62と埋め
込み部72との屈折率差が小さいため、共振器モードが
埋め込み層にしみ出す割合が大きくなる。このため、反
射膜の実効的な反射率が減少する。これらの面発光レー
ザーで通常用いられる構造では、5μm径以下の共振器
サイズでは、共振器の微細化による損失の増大により閾
値が増大してしまう。
増幅器、および光変調器等のデバイスにおいて、光を閉
じ込めるための反射鏡(DBR)としては、化合物半導
体多層膜が用いられている。これらのデバイスの集積密
度を高めるためには、前記化合物半導体多層膜を直径
0.5μm〜数十μm、深さ数μm程度に加工しなけれ
ばならず、しかも、特性の劣化を防止するためには、平
滑で光散乱のないDBR側壁が要求される。特に、面発
光レーザにおいては、発振閾値電流を低減するために、
DBRにおける光学散乱損失を小さく抑えることが必須
である。
に加工するためには、例えば、反応性イオンエッチング
(RIE)、反応性イオンビームエッチング(RIB
E)、ケミカルアシステッドイオンビームエッチング
(CAIBE)などのドライエッチング法が用いられ
る。また、各化合物半導体層のエッチング速度は、構成
元素や組成によって異なるという性質がある。例えば、
塩素ガスを用いてAlAsとGaAsとの多層膜のドラ
イエッチングを行なう場合には、サイドエッチングを抑
え垂直な異方性エッチングを達成するために、通常10
0℃以下で行われる。しかしながら、この温度範囲で
は、図15に示すように多層膜のエッチング側壁にAl
As層が凸、GaAs層が凹状の凹凸が形成されてしま
う。デバイスのDBR側壁に形成された凹凸は、光散乱
損失を増大させる原因となるので、デバイス特性を著し
く低下させるという問題が生じる。なお、装置に改良を
施したり、工程数を増やすといった対策によって側壁の
凹凸を制御することが考えられるが、コスト面からも好
ましくない。
面発光レーザーを単に微細化するのみでは、共振器から
の光損失が増大するとともに、活性層側壁での表面、界
面再結合による注入キャリアの損失が増大するので、効
率を向上させることができない。また、DBR膜を形成
するために、化合物半導体多層膜をドライエッチング方
法により加工する際には、側壁での凹凸の形成が避けら
れず光学散乱損失が増大してデバイス特性の低下を引き
起こす。
損失の増大が抑制され、かつ活性層側壁での界面再結合
による注入キャリアの損失も抑制された、低閾値の半導
体微小共振器光素子を提供することを目的とする。
エッチングの際に、工程数および装置コストの増加を引
き起こすことなく、凹凸のない平滑なエッチング側壁を
形成することが可能なドライエッチング方法を提供する
ことを目的とする。
に、第1の発明(請求項1)は、基板と、この基板上に
第一の半導体多層膜反射鏡、活性層を有するスペーサー
層、および第二の半導体多層膜反射鏡が順次積層された
半導体柱状構造体とを具備し、前記柱状構造体の側面が
半導体薄膜により包囲され、かつ、前記活性層の飽和利
得gs 、活性層の厚さta 、および前記半導体薄膜に包
囲された前記多層反射膜の実効反射率R´が、下記式
(1)に示す関係を満たすことを特徴とする半導体微小
共振器発光素子を提供する。
含む第1の化合物半導体層と、屈折率およびAl含有量
が前記第1の化合物半導体層とは異なり、かつGaを含
む第2の化合物半導体層とを交互に積層した半導体多層
膜を、マスクを用いて選択的にドライエッチングする方
法において、Cl、Br、およびIのいずれか1種類の
元素を含有するエッチングガスを使用し、エッチングに
より第1の半導体層から生じた反応生成物の蒸気圧P1
と、エッチングにより第2の半導体層から生じた反応生
成物の蒸気圧P2 との比が、下記式(2)に示す関係を
満たすような温度に基板を加熱することを特徴とするド
ライエッチング方法を提供する。 0.2≦P2 /P1 ≦1.5 (2)
発光部およびこの発光部の上下に形成された多重反射鏡
の側面を十分に薄い半導体薄膜(以下、再成長膜と称す
る)により包囲している。すなわち、発光部に含まれる
活性層の側面が前記半導体再成長膜で包囲されるので、
界面再結合を低減させることができる。さらに、再成長
膜の膜厚を十分薄くしているので、多層反射膜領域への
共振器モードの十分な閉じ込めを確保し、多層反射膜の
実効反射率の低下を抑制することが可能となった。
に、多層反射膜15の側壁に凹凸があったために、活性
層からの発光16は、散乱光17として損失されていた
が、本発明のように再成長膜1で多重反射膜2の側面を
包囲することによって、図4(a)に示すように多層反
射膜2の表面が平坦化される。したがって、光散乱損失
を低減することも可能である。
は、エッチング温度を限定しているので、半導体多層膜
を構成する各半導体層のサイドエッチング速度を制御す
ることができる。これにより、垂直なエッチング側壁が
得られるとともに、各半導体層のサイドエッチング速度
を等しくすることにより、凹凸のない平滑なエッチング
側壁を達成することができる。したがって、本発明のド
ライエッチング方法を面発光レーザー等のデバイスの作
製に適用することにより、プロセス工程の増加や装置コ
ストの増加を招くことなく、光学散乱損失などのデバイ
ス特性の劣化を防ぐことができるとともに、歩留まりを
向上させることができる。
体微小共振器光素子について説明する。
の一例の構成を示す。なお、図1(a)は、半導体微小
共振器光素子の一例の要部切り欠き図を表わし、図1
(b)は、活性層を含む断面図を表わす。
器光素子10は、n−GaAsからなる基板7と、n−
GaAs/AlAs分布ブラッグ反射膜(DBR)3、
活性層4、スペーサー層5、およびp−GaAs/Al
As−DBR2が順次形成された円柱状の積層構造体と
を有する。なお、発光部において、活性層4は、i−I
n0.2 Ga0.8 As歪み量子井戸活性層(厚さ8nmが
3層)とi−GaAsバリア層とからなり、スペーサ層
5bおよび5aは、それぞれn−Al0.2 Ga0.8 A
s、およびp−Al0.2 Ga0.8 Asにより構成されて
いる。さらに、この円柱状の半導体積層構造体の側面に
は、i−Al0.5 Ga0.5 Asからなる再成長層1が形
成されている。
であり、再成長層1の厚さは50nmである。また、ス
ペーサ層5aおよび5bと活性層4とを含む発光部の厚
さは、293nmであり、発振波長λは980nmであ
る。
にはCr/Au−p電極6が蒸着されており、基板裏面
の一部にはAuGe/Au−n電極(図示せず)が蒸着
されている。
は、出力光はSiN減反射膜(図示せず)を通して基板
側から矢印方向に放射される。なお、図1(a)に示す
構造図は説明のために簡略化されたものであり、実際に
は図1(b)に示すように、側面に再成長膜1が形成さ
れた円柱状の共振器部全体が、ポリイミドまたはスピン
・オン・グラス(SOG)等の絶縁体8によって埋め込
まれている。
いては、円柱状に構成された半導体微小共振器の側面
を、十分薄い半導体の薄膜1(再成長膜と称する)で包
囲し、かつ、この再成長膜の厚さを、モードの再成長膜
への滲み出しによる損失が活性層の飽和利得を越えない
ように限定している。
ものである。まず、図2を用いて共振器モードの半導体
埋め込み領域へのモードの滲み出しを説明する。モード
の滲み出し量は断面積が小さくなるほど大きくなり、図
2(a)に示すように、断面積が(発振波長)2 の数十
倍以下となる微小共振器を同種の材料からなる半導体成
長膜中に埋め込んだ場合には、両者の屈折率差が小さい
ために、共振器モードの外側の半導体層への滲み出しが
大きくなる。その結果、多層反射膜の実効反射率が減少
して閾利得が上昇してしまう。
層膜の断面積が(発振波長)2 に比べて十分大きい通常
の面発光レーザーにおいては、共振器モードの外側の半
導体層への滲み出しは小さいので、閾利得の上昇は、ほ
とんど無視できる。これは、屈折率差が小さい場合で
も、モードが多層反射膜部分にほとんど閉じ込められて
いるためである。
(c)に示すように半導体多層膜の側面を十分に薄い半
導体膜で包囲した場合には、モードの滲み出し量は、問
題とならない程度に小さい。
結果を図3に示す。ここでモデルとして仮定した構造
は、下部GaAs/AlAs分布ブラッグ反射膜(DB
R)、GaAs/InGaAs歪み量子井戸(10nm
厚、井戸数3)、および上部GaAs/AlAs分布ブ
ラッグ反射膜(DBR)で構成された円柱共振器の側面
に、Al0.5 Ga0.5 Asからなる半導体薄膜を成長さ
せた。なお、円柱の直径をdとし、再成長膜の膜厚をt
として、以下のようにして計算した。
効屈折率nGaAs´を、DBR領域および再成長膜領域へ
のモードの横方向の閉じ込め係数γ1 およびγ2 を用い
て下記式(3)のように表す。同様にしてAlAsの有
効屈折率nAlAs´を、下記式(4)のように表す。
よび共振器部の外側の屈折率である。上式から得られる
nGaAs' およびnAlAs' を用いると、実効反射率R´
は、下記式(5)で表わされる。
および下部DBRの反射率であり、それぞれ下記式
(6)および(7)で表わされる。
られる。
(9)で表わされる。
共振器の内部損失、ta は活性層の厚さである。理想的
な場合、すなわち共振器の内部損失αi が0のとき、式
(9)の右辺は第2項のみとなり、上述の式(1)が導
かれる。
および5μmの場合のそれぞれについて、再成長膜厚t
と閾利得との関係を示している。なお、直径5μmは、
通常の面発光レーザーと呼ばれるサイズであり、図3か
ら、直径が5μmの場合には、閾利得は、再成長膜厚t
にほとんど影響されないことがわかる。
m径においては、再成長膜厚が増加するにつれて、閾利
得が急激に増大している。ここで、飽和利得gs =50
00cm-1とすると、再成長膜厚が0.21μm以上で
発振が不可能となるほどに閾利得が増大している。
サイズの領域では、共振器を包囲する埋め込み層の膜厚
を薄くすることが、低閾値発振を実現する上で本質的に
重要であることがわかる。
おいては、再成長膜の膜厚は、具体的には、もっとも厚
い部分の厚さが、活性層のバンドギャップ相当光の再成
長薄中での波長の3倍以下であることが好ましく、より
好ましくは2倍以下である。
の場合には、図3に示したグラフにおいて、飽和利得g
s =4000cm-1とすると、再成長膜の膜厚の最大値
tmax は0.47μmとなり、この値は、再成長膜1中
での波長の約1.6倍に相当する。
えば、以下のようにして製造することができる。図5
に、本実施例の光素子の製造工程を表わす断面図を示
す。
に、第1のDBR3、スペーサー層5b、活性層4、ス
ペーサー層5a、および第2のDBR2を成長させる。
各層の成長に当たっては、例えば、分子ビームエピタキ
シャル成長法(MBE)、および有機金属気相成長法
(MOCVD)等を用いることができる。さらに、第2
のDBR2の表面には、化学気相成長法(CVD)によ
り二酸化珪素膜(SiO2 )9を堆積する。
光プロセスを用いて、SiO2 膜9上に円形のレジスト
パターンを形成し、四フッ化炭素/水素混合ガスを用い
た反応性イオンエッチング(RIE)により、SiO2
膜9にレジストパターンを転写する。
後、図5(b)に示すように、エピタキシャル成長させ
た半導体層を基板7までエッチングして円柱構造を作製
する。ここでは、例えば、塩素ガスを用いた反応性イオ
ンビームエッチング(RIBE)を用いることができ
る。
いて活性層側壁を10nm程度エッチングして、RIB
Eの際に側面に生じたエッチングダメージ層を除去す
る。さらに、五硫化二燐(P2 S5 )を溶解した硫化ア
ンモニウム溶液((NH4 )2S)に一分間浸すことに
よって、側面にパッシベーション膜を形成した後、純水
で洗浄する。その後、MOCVD法を用いて、SiO2
膜9上には成長しない選択成長のモードで、円柱側壁に
Al0.5 Ga0.5 As薄膜1を成長させる。
に形成された円柱をポリイミド8で埋め込み、酸素プラ
ズマにより円柱頂部を露出させ、紫外線露光プロセスと
リフトオフによりp電極6を形成する。
電極(図示せず)を形成し、光出力部には減反射膜(図
示せず)を堆積することによって、本発明の半導体微小
共振器光素子10が得られる。
は、以下のような変更が可能である。第1の変更例を図
6に示す。図6に示す光素子の基本構造は、円柱共振器
が絶縁体に完全に埋め込まれていない以外は、図1に示
したものと同様である。すなわち、共振器の周囲を包囲
する半導体薄膜1は、さらに、SiO2 ,SiNx ,A
l2 O3 などの絶縁体12からなる薄膜によって柱状に
囲まれている。
は、絶縁体12の外側には、電極兼反射膜13が設けら
れている。このように、活性層4の周囲に絶縁体を介し
て反射膜13を配置することによって、活性層4から横
方向に放射された自然放出光が、再び活性層に吸収され
るという効果が得られるので、閾値をさらに低減するこ
とが可能となる。
する再成長膜1として、単層のAlGaAsを用いた
が、屈折率の異なる複数の再成長膜により構成した多層
膜を用いることもできる。さらに、厚さ方向の屈折率を
連続的に変化させた再成長膜を用いてもよい。
7(c)に示すように、円柱の中心軸から半径方向の距
離をrとし、再成長膜の外周面までの距離をa、再成長
膜の膜厚をtとした。
半導体薄膜により再成長膜1を構成した場合の円柱の中
心からの距離rと屈折率nとの関係を示す。この場合に
は、DBRおよび半導体薄膜の屈折率は、次の関係にあ
る。
屈折率、内側薄膜の屈折率、および外側薄膜の屈折率を
表わす。
外側に向けて徐々に小さくなっている場合の例を示す。
前述の図7(a)および(b)のいずれの構造も、単層
の再成長膜の場合に比べて、モードのDBR部分への閉
じ込め係数がより大きくなるので、単層で再成長膜を形
成する場合よりも、膜厚tを大きくすることができる。
−A´面)の形状は、何等限定されるものではなく、図
8(b)に示すような種々の形状とすることができる。
また、再成長膜1を形成した後の断面も、任意形状とす
ることができる。すなわち、共振器部の側面に形成され
る再成長膜1の膜厚は、本発明の範囲内であれば、その
形状は限定されない。
体を用いた例について示したが、もちろんp型基板を用
いることもでき、この場合には、基板上に積層される各
半導体層の導電型を反転すればよい。また、活性層の構
造は、量子井戸構造に制限されるものではなく、量子細
線、および量子箱構造を用いる事も可能である。さら
に、材料系はここで述べたAlGaAs,InGaAs
系のみならず、InGaAsP,InGaAlP系の材
料も適用することができる。
されている必要はなく、金属あるいは誘電体と半導体と
を組み合わせて構成することもできる。その他、本発明
の要旨を逸脱しない範囲内で、種々変形して実施するこ
とができる。 (実施例II)以下、第2の発明によるドライエッチング
方法について、実施例を示して具体的に説明する。
ムエッチング(RIBE)によるエッチングを例に挙げ
て説明する。使用する装置の概略図を図9に示す。図9
に示すように、エッチング装置30は、ECR(Ele
ctron Cyclotron Resonanc
e)イオン源32とエッチング室35との二室から構成
されており、二室の間にはイオン引き出し電極33が設
置されている。エッチング室35には、ヒータ39と熱
電対40が埋め込まれた基板ホルダー38が設置されて
おり、基板加熱が可能である。また、エッチング中の基
板温度は、エッチング室35の上方に配置されたパイロ
メータ36により測定し、その測定値に基づいて加熱用
ヒータ39のパワーを制御する。
をホルダー38に取り付けてエッチング室35内に設置
し、所定の圧力までエッチング室を排気する。試料基板
の温度が安定し、エッチング室の圧力が所定の値以下に
達したところで、ECRイオン源32に接続されたガス
導入管31より塩素ガスを導入し、プラズマを発生させ
る。このプラズマ中からイオン引き出し電極33によっ
てイオンを引き出す。この間、エッチング室内の圧力
は、塩素ガスの流量をマスフローコントローラで制御す
ることにより調節する。
間に設置されたシャッター34を開けることにより、イ
オンを基板に照射してエッチングを開始する。なお、イ
オンの照射の開始にともないエッチング基板温度が上昇
するため、パイロメータ36で測定した基板温度をヒー
タ電源にフィードバックして、ヒータのパワーを調節し
基板温度を一定に保持する。
中性分子は、拡散により基板表面へ到達する。エッチン
グ底面においては、イオン照射による反応性スパッタに
起因したエッチングが主に生じるが、エッチング側壁に
はイオン照射はほとんどなく、中性分子と基板との反応
によりエッチングが進行する。
D、半導体光増幅器、および半導体光変調器などのブラ
ッグ反射膜として用いられる多層膜のエッチングを行な
った。この実験結果を、以下の詳細に説明する。
ピタキシー法により成長したAlAsとGaAs15対
の多層膜の基板を用いた。この基板上に、CVD法を用
いてSiO2 膜を成膜した後、通常のフォトリソグラフ
ィ法と反応性イオンエッチング(RIE)により加工し
て、エッチングマスクとしての断面円形のSiO2 膜2
1を、図10に示すように形成した。
5×10-6torrまで真空にした後、上述の手順で基
板のエッチングを行なった。なお、本実験例では、エッ
チング条件は、マイクロ波パワー200W、イオン加速
電圧400V、塩素ガス圧0.25〜1.2mtorr
とし、基板温度を35〜230℃の範囲内で変化させ
て、エッチング温度と得られるエッチング側壁の形状と
の関係を調べた。
の場合には、サイドエッチングはほとんど生ぜず、エッ
チングマスク直下にオーバーハングは認められなかっ
た。なお、エッチング側壁には、図15に示したような
AlAs層23が凸、GaAs層22が凹となる凹凸が
生じていた。
に考察した。すなわち、この温度範囲では、揮発性のエ
ッチング反応生成物であるGaCl3 の蒸気圧がAlC
l3の蒸気圧より約一桁以上高い。エッチング側壁では
イオン照射効果が少ないものの、イオンの散乱やエッチ
ング底面からの反跳によるアシスト効果、および局所的
温度上昇などによりGaAs層のエッチングが優先的に
進行した。一方、AlAs層は極めて酸化されやすいた
め、イオン照射効果の小さいエッチング側壁ではエッチ
ングが進行しない。これらの結果としてAlAs層が
凸、GaAs層が凹の凹凸が側壁に形成された。
た場合では、サイドエッチングが発生するもののほぼ垂
直なエッチング側壁が得られた。しかし、側壁には依然
としてAlAs層が凸、GaAs層が凹となる凹凸が認
められた。
170℃の温度範囲では、サイドエッチング量がよりい
っそう大きくなり、図11に示したように、マスク21
の直下にはオーバーハング24が生じた。この場合、エ
ッチング側壁は、ほとんどの領域にわたり垂直であり、
かつAlAs層23とGaAs層22との凹凸がない平
滑なエッチング側壁が得られた。これは、このエッチン
グ温度の範囲では、AlAs層23のサイドエッチング
速度とGaAs層22のサイドエッチング速度がほぼ等
しくなったものと考えられる。
サイドエッチング量が大きくなり、AlAs層のサイド
エッチング速度がGaAs層のサイドエッチング速度を
上回って、AlAs層23が凹、GaAs層22が凸状
の凹凸が生じはじめる。しかし、エッチング側壁はまだ
ほぼ垂直であり、デバイスへの適用には支障のない程度
であった。
直なエッチング側壁は得られなかった。以上の実験結果
から、本発明者らは、エッチング側壁のサイドエッチン
グを利用して、垂直な側壁を得ることを見出だした。な
お、エッチング温度とサイドエッチング量(R1 /R
2 )との間に、図12に示すような関係が得られた。こ
こで、R1 はサイドエッチングの深さであり、R2 は垂
直方向のエッチング深さである。すなわち、サイドエッ
チング速度は、エッチング温度を上昇させるにしたがっ
て増加するという温度依存性がある。サイドエッチング
量は、実施例1で述べたマイクロキャビティ側壁への再
成長膜の膜厚tと同程度であることが好ましい。すなわ
ち、(R1 /R2 )が、t/hにほぼ等しく、かつ (t/h)<(tmax /h) の関係を満たせばよい。ここで、hは、マイクロキャビ
ティの高さである。例えば、実施例1に述べた直径2μ
mのマイクロキャビティでは、R1 /R2 は、約0.0
8以下であることが好ましい。
に、エッチング温度が170℃を越えると、AlAs層
が凹となる凹凸が生じるので、本発明の目的を達成でき
ず、一方、130℃未満では、AlAs層が凸となる凹
凸が生じてしまう。
とAlCl3 との蒸発速度の比が1であれば、平滑なエ
ッチング側壁が得られる。本発明者らは、上述のサイド
エッチング量に及ぼす温度の影響、および垂直で平滑な
エッチング側壁が得られるという理由に基づいて、基板
の温度範囲を、反応生成物の蒸気圧の比(P(GaCl
3 )/P(AlCl3 ))が0.2以上1.5以下とな
る範囲に限定した。
(AlCl3 ))の範囲が0.2以上1以下となる基板
温度においてエッチングを行なうことにより、サイドエ
ッチングを発生させエッチングマスク直下にオーバーハ
ング部を形成することができ、同時に、垂直でかつ平滑
なエッチング側壁を得ることができる。
(AlCl3 ))の範囲が1以上1.5以下となる基板
温度においてエッチングを行なった場合には、サイドエ
ッチングが大きくなるため、オーバーハング部の形成と
いうよりも、マスクサイズよりも微細なパターンサイズ
の多層膜を加工することを目的に使用することができ、
しかも平滑なエッチング側壁が同時に得られる。
グ方法をマイクロキャビティレーザの作製プロセスに適
用した。図13を参照して、このプロセスを説明する。
(a)に示すようにGaAs基板44上に、18.5対
の下部AlAs/GaAsDBR45、GaAsスペー
サ層46、および15対の上部AlAs/GaAsDB
R48をMBEにより成長させたものであり、スペーサ
層46の中央には、3層のInGaAsからなる量子井
戸活性層47が形成されている。
ングマスクとしての断面円形のSiO2 膜49が形成さ
れている。このエッチングマスクの直径は、1〜10μ
mとした。
イクロ波パワー200W、イオン加速電圧400V、エ
ッチングガスとしては塩素ガスを用い、塩素ガス圧0.
45mtorrとして、前述の装置を用いてエッチング
を行なった。なお、エッチング温度は、上述の実験例に
示した結果に基づいて150℃とした。
ッチングマスクの直下には、サイドエッチングによりオ
ーバーハング部50が形成されており、このオーバーハ
ング部より下のほとんどの領域は垂直であった。しか
も、凹凸がなく、表面が極めて平滑なエッチング側壁が
形成された。したがって、本発明の方法を用いたエッチ
ングにより得られた円柱構造マイクロキャビティの光学
的散乱損失は、従来のエッチング法により作製したもの
よりも格段に低減することができた。
いるので、本発明のドライエッチング方法を適用して得
られた円柱構造マイクロキャビティの直径は、マスクサ
イズより小さくすることができる。例えば、直径1μm
のエッチングマスクを用いた場合には、垂直な側壁を有
する部分の直径が0.8μmという微細な円柱構造のマ
イクロキャビティを作製することができた。なお、エッ
チング温度を170〜190℃の間に設定して、サイド
エッチング量を増やすことによって、さらに微細な円柱
構造を得ることができる。
法とを用いた場合では、半導体多層膜を1μm以下の直
径に加工するのは極めて困難である。本発明のエッチン
グ法では、サイドエッチングを積極的に利用し、この部
分のエッチング量をエッチング温度で制御することによ
って、1μm以下の直径の制御性、再現性を著しく向上
させることができる。
速度を低減するために、図13(c)に示すように、円
柱構造マイクロキャビティの側壁へAlGaAs薄膜5
1を再成長させた。なお薄膜の形成に当たっては、MO
CVDによる選択成長法を用いた。先に図13(b)で
説明したように、本発明のエッチング方法を用いたこと
によって、SiO2 マスク直下にオーバーハング部が形
成されている。エッチングマスクの直下にオーバーハン
グ部が形成されていない場合には、図16に示すよう
に、周囲にAlGaAs成長させる際にSiO2 マスク
端に異常成長部81が観察されることがある。本発明の
エッチング方法では、オーバーハング部50を形成して
いるので、このような異常成長を抑制し、良好な再成長
を行なうことができた。
ドエッチングを引き起こしているので、ドライエッチン
グにより導入されるダメージ層を除去するという効果も
有する。また、円柱構造マイクロキャビティの側壁に半
導体薄膜を再成長させた場合には、従来のエッチング法
により製造したマイクロキャビティと比較して、活性層
表面のキャリアの再結合速度が格段に減少した。
体多層膜のドライエッチングにおいて、サイドエッチン
グを積極的に利用しているので、多層膜の各層のサイド
エッチング速度が等しくなるよう、エッチング速度を設
定し、垂直で平滑なエッチング側壁を得ることができ
る。
レーザの作製を例に挙げて、本発明のドライエッチング
方法を説明したが、本発明のエッチング法は他のLE
D、光増幅器、光変調器など、半導体多層膜を用いた全
てのデバイスの製造プロセスにも適用することが可能で
ある。
応性イオンエッチング(RIE)、ケミカルアシステッ
ドイオンビームエッチング(CAIBE)などの他のド
ライエッチング方法にも適用できる。
は、Alを含む化合物半導体膜と、Gaを含む半導体膜
とを交互に積層した任意の構成の多層膜に適用すること
ができ、その構成は何等限定されるものではない。例え
ば、Alx Gal-xV/AlyGal-yV(0≦x<y≦
1)(V=N,As,P,Sb)、Alx Gal-xV’z
V”1-z/Aly Gal-yV’w V”1-w(0≦x<y≦
1)(V’,V”=N,As,P,Sb)を満たす組み
合わせの多層膜であれば、本発明を適用して上述と同様
の効果を得ることができる。
活性層の側面を十分に薄い半導体再成長膜で包囲してい
るので、低閾値の微小共振器半導体レーザーが得られ、
多層反射膜の反射率を下げてLEDとして用いる場合に
も、効率を向上させることができる。また、本発明の半
導体微小共振器光素子を受光素子や変調器として用いる
際にも、共振器モードに結合した入力光の活性層への吸
収効率が高くなるので、同様にして効率の向上を図るこ
とができ、かかる微小共振器光素子の工業上の利用価値
は絶大である。
ストおよび工程を増加させることなく、垂直で凹凸のな
い平滑なエッチング側壁を得ることができる。したがっ
て、デバイスの特性を大幅に向上させることが可能であ
り、かかるドライエッチング方法は、半導体レーザー、
LED、半導体光増幅器、半導体光変調器等、化合物半
導体多層膜を有する全てのデバイスの製造に有効であ
る。
略構成を示す図。
の滲み出しを説明する図。
図。
一例を示す断面図。
す断面図。
す図。
変形例を示す図。
示す図。
多層膜の断面図。
示すグラフ図。
キャビティレーザの作製工程を示す断面図。
た半導体多層膜の断面図。
ロキャビティレーザの断面図。
R) 4…i−In0.2 Ga0.8 As歪み量子井戸活性層 5a…p−Al0.2 Ga0.8 Asスペーサ層 5b…n−Al0.2 Ga0.8 Asスペーサ層 6…Cr/Au−p電極 7…n−GaAs基板,8…絶縁体,9…絶縁体 10…半導体微小共振器光素子,11…半導体微小共振
器光素子 15…多重反射膜,16…活性層からの発光,17…散
乱光 21…エッチングマスク,22…GaAs層,23…A
laAs層 24…オーバーハング部,31…反応性ガス導入管,3
2…ECRイオン源 33…イオン引出電極.34…シャッター,35…エッ
チング室 36…パイロメータ,37…半導体基板,38…基板ホ
ルダー 39…ヒータ,40…熱電対,41…ヒータ電源 43…ウエハー,44…GaAs基板 45…GaAs/AlAs下部DBR,46…GaAs
スペーサ層 47…InGaAs活性層,58…GaAs/AlAs
上部DBR 49…SiO2 マスク,50…オーバーハング部 51…AlGaAs再成長膜,60…面発光レーザ,6
1…基板,62…第1の多層反射鏡 63…スペーサー層,64…活性層,65…発光部,6
6…第2の多層反射鏡 67…電極,68…面発光レーザー,69…絶縁膜,7
0…電極 71…面発光レーザ,72…埋め込み層,73…電極,
74…基板 75…下部DBR,76…スペーサー層,77…活性
層,78…上部DBR 79…SiO2 マスク,80…再成長層,81…異常成
長部。
Claims (2)
- 【請求項1】 基板と、この基板上に第一の半導体多層
膜反射鏡、活性層を有するスペーサ層、および第二の半
導体多層膜反射鏡が順次積層された半導体柱状構造体と
を具備し、前記柱状構造体の側面が半導体薄膜により包
囲され、かつ、前記活性層の飽和利得gs 、活性層の厚
さta 、および前記半導体薄膜に包囲された前記多層反
射膜の実効反射率R´が、下記式(1)に示す関係を満
たすことを特徴とする半導体微小共振器発光素子。 【数1】 - 【請求項2】 Alを含む第1の化合物半導体層と、屈
折率およびAl含有量が前記第1の化合物半導体層とは
異なり、かつGaを含む第2の化合物半導体層とを交互
に積層した半導体多層膜を、マスクを用いて選択的にド
ライエッチングする方法において、 Cl、Br、およびIのいずれか1種類の元素を含有す
るエッチングガスを使用し、 エッチングにより第1の半導体層から生じた反応生成物
の蒸気圧P1 と、エッチングにより第2の半導体層から
生じた反応生成物の蒸気圧P2 との比が、下記式(2)
に示す関係を満たすような温度に基板を加熱することを
特徴とするドライエッチング方法。 0.2≦P2 /P1 ≦1.5 (2)
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP05476695A JP3612101B2 (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | 半導体微小共振器発光素子 |
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JP2003025906A Division JP3813932B2 (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 化合物半導体多層膜のドライエッチング方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08250817A true JPH08250817A (ja) | 1996-09-27 |
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JP05476695A Expired - Lifetime JP3612101B2 (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | 半導体微小共振器発光素子 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3612101B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6656759B1 (en) | 1999-05-19 | 2003-12-02 | Canon Kabushiki Kaisha | Method of producing semiconductor element, semiconductor element, and gyroscope |
JP2007235030A (ja) * | 2006-03-03 | 2007-09-13 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 面発光レーザ素子及びその製造方法 |
JP2010535356A (ja) * | 2007-07-30 | 2010-11-18 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. | 微小共振装置およびその製造方法 |
US9640944B2 (en) | 2015-09-08 | 2017-05-02 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Method of manufacturing optical semiconductor element |
-
1995
- 1995-03-14 JP JP05476695A patent/JP3612101B2/ja not_active Expired - Lifetime
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