JPH08249596A - 基地局レーダ装置、移動局レーダ装置及び移動体識別システム - Google Patents

基地局レーダ装置、移動局レーダ装置及び移動体識別システム

Info

Publication number
JPH08249596A
JPH08249596A JP7222030A JP22203095A JPH08249596A JP H08249596 A JPH08249596 A JP H08249596A JP 7222030 A JP7222030 A JP 7222030A JP 22203095 A JP22203095 A JP 22203095A JP H08249596 A JPH08249596 A JP H08249596A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base station
output
signal
vehicle
response
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7222030A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Yamamoto
山本  和彦
Masafumi Iwamoto
雅史 岩本
Ryusaburo Usui
隆三郎 臼井
Takahiko Fujisaka
貴彦 藤坂
Tomomasa Kondo
倫正 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP7222030A priority Critical patent/JPH08249596A/ja
Publication of JPH08249596A publication Critical patent/JPH08249596A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Devices For Checking Fares Or Tickets At Control Points (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の応答に基づいて総合的に識別すること
により、簡単な構成で識別性能を高くできる自動車ID
レーダ装置を得る。 【解決手段】 基地局側レーダ部からの複数の質問信号
を得るアンテナ36と、アンテナ36の受信信号を処理
する受信機37と、受信信号から質問コードを復調する
質問コード復調器38と、質問コードを解読して、複数
の質問にそれぞれ対応する応答を複数の質問・応答デー
タベース40a〜40cから読み出す質問コード解読器
39と、応答信号を発生する応答コード発生器41と、
応答信号を変調してアンテナ36に供給する送信機34
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、基地局レーダ装
置と移動体に搭載された移動局レーダ装置とからなり、
基地局レーダ装置において各移動体の個別情報を特定す
る移動体識別システムに関するものであり、さらに、こ
のシステムに用いられる基地局レーダ装置及び移動局レ
ーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】移動体識別システムのひとつに自動車I
Dレーダ装置がある。図77は自動車IDレーダ装置の
構成を概念的に示す図である。同図において、1は道路
或いは料金所等に設置された基地局側レーダ部、3は車
両のナンバープレートに搭載された車載局側レーダ部で
ある。
【0003】図78は、図77の自動車IDレーダ装置
に用いられる従来の基地局側レーダ部1の構成図であ
る。図78の基地局側レーダ部1は、あらかじめ定めら
れた質問を発すると相手側が応答することにより相手を
識別する2次レーダを用いたものである。同図におい
て、11は送信基準信号を発生する発振器、12は質問
コード発生器13の出力に基づき送信基準信号を変調す
る変調器、14は変調器12の出力に基づき送信信号を
発生する送信機、16aは送信信号を車載局側レーダ部
3に対して放射する送信アンテナである。
【0004】16bは車載局側レーダ部3からの信号を
受信する受信アンテナ、17は車載局側レーダ部3から
受けた信号に対し受信処理を行う受信機、18は受信機
17の出力から、車載局側レーダ部3からの応答コード
を復調する応答コード復調器、19は応答コードを車両
情報データベース20に基づき解読する応答コード解読
器、21は応答コード解読器19の解読結果を表示する
表示器、22は応答コード解読器19の解読結果を外部
に伝送するための通信インタフェースである。車両情報
データベース20には、車両を識別するために用いられ
る、車両と応答コードとの関係を示すデータベースが格
納されている。
【0005】図79は、図77に示された自動車IDレ
ーダ装置における従来の車載局側レーダ部3の構成図で
ある。同図において、発振器31、変調器32、送信機
34、送信アンテナ36a、受信アンテナ36b、受信
機37は、基地局側レーダ部1の発振器11、変調器1
2、送信機14、送信アンテナ16a、受信アンテナ1
6b、受信機17にそれぞれ対応し、これらは同様の機
能を有する。
【0006】38は基地局側レーダ部1から送信された
信号に含まれる質問コードを復調する質問コード復調
器、41は復調された質問コードに基づき応答コードを
発生する応答コード発生器である。
【0007】また、図80は上記基地局側レーダ部1と
車載局側レーダ部3との間で行われる質問と応答の手順
を示す図である。従来の自動車IDレーダ装置におい
て、基地局側レーダ部1は、たとえば、有料道路の料金
所付近に設置されており、そこを通過する車両に対して
所定の質問を発するとともに、この質問に対する応答を
解読することにより車両の識別や課金処理などを行う。
また、この自動車IDレーダ装置の車載局側レーダ部3
は、基地局側レーダ装置1からの質問に対して所定の応
答を作成して基地局側に返す。この自動車IDレーダ装
置は、質問と応答についての処理を行う点から、二次レ
ーダの一種である。
【0008】まず、基地局側レーダ部1の動作につい
て、図78を用いて詳細に説明する。質問コード発生器
13は、常時、あるいは車両が接近したことを検知した
ときに、その車両に対する質問コードを生成する。この
質問コードは、変調器12において変調された後、送信
機14及び送信アンテナ16aを介して車載局側レーダ
部3に対して送信される。
【0009】送信された質問コードに対して、車載局側
レーダ部3は所定の応答コードを返してくる。車載局側
レーダ部3の動作については後述する。車載局側レーダ
部3が送信する電波は受信アンテナ16bで受信されて
受信機17に入力される。応答コード復調器18は受信
機17の出力に基づき応答コードを復調する。応答コー
ド解読器19は、復調された応答コードを解読して車両
情報データベース20を読むためのアドレス信号を生成
する。
【0010】そして、応答コード解読器19は、このア
ドレス信号に基づき対応する車両情報を読み出す。応答
コード解読器19によりなされた処理の結果は、表示器
21に表示されるとともに、他の機器との通信を行うた
めの通信インタフェース22に出力される。
【0011】次に、車載局側レーダ部3の動作につい
て、図79を用いて詳細に説明する。基地局側レーダ部
1から照射された質問コードに関する電波は受信アンテ
ナ36bで受信されて受信機37に入力される。質問コ
ード復調器38は、受信機37の出力に基づき質問コー
ドを復調する。
【0012】応答コード発生器41は、質問コード復調
器38が出力する質問コードの質問内容に対応する回答
を応答コードとして生成する。この応答コードは、変調
器32に入力され、そこで変調される。その後、送信機
34及び送信アンテナ36aを介して基地局側レーダ部
1に送信される。
【0013】上述した質問と応答のシーケンスの例を図
32に示す。同図は、質問「あなたのIDは?」の質問
に対し、たとえば、「横浜77−1234です」との応
答がなされることを示している。以上のようにして、従
来の自動車IDレーダ装置は、車両を識別することがで
きる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の自
動車IDレーダ装置において、車載局側レーダ部3から
返される応答コードはひとつであり、基地局側レーダ部
1は相手の車両から他の情報、たとえば車両の速度や位
置の情報、あるいは車両のバッテリーが機能している
か、車載局側レーダ部が正常に動作しているかどうか等
を入手することができなかった。
【0015】また、車載局側レーダ部3の応答コード発
生器41の改造がなされ、正しい応答コードが得られな
い場合が考えられる。すると、この自動車IDレーダ装
置を用いて構成される有料道路等のシステムが正常に機
能しないおそれがある。
【0016】また、基地局側レーダ部及び車載局側レー
ダ部に測速度や速度計等の車載計器の読み取り機能がな
く、速度違反のチェックや車載計器のチェックを行うこ
とができなかった。
【0017】また、基地局側レーダ部及び車載局側レー
ダ部の故障検知及び故障部分の自動修復が行えなかっ
た。
【0018】また、基地局側レーダ部で受信した信号に
干渉が生じた場合にそれを検出したり、あるいは干渉を
低減できなかった。
【0019】また、緊急車両や一般車両を最適に運用す
るための交通信号機制御を行えなかった。
【0020】また、基地局レーダ部に交通違反判定機能
がないため、駐車違反や、スピード違反等の交通違反取
り締まりに利用できなかった。
【0021】また、基地局レーダ部で駐車場等での車両
の自動検出、駐車時間の自動計測、駐車料金の自動課金
などが行えなかった。
【0022】また、ゲートや通行規制領域と通常領域の
境界等に設置された基地局レーダ部で、通行許可車の判
定をしたり自動的に通行規制を行うことができなかっ
た。
【0023】また、基地局の一次レーダのみで、その車
両の個別情報を認識することができなかった。
【0024】この発明はかかる課題を解決するためにな
されたもので、簡単な構成で機能的に優れ、信頼性が高
く、小型で経済的な基地局レーダ装置、移動局レーダ装
置及び移動体識別システムを得ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る移動体識
別システムは、予め定められた複数の質問を発生する質
問発生器と、上記質問発生器が出力する複数の質問信号
を変調して出力する基地局送信機と、上記基地局送信機
の出力を外部に放射するとともに外部からの信号を受信
する基地局アンテナと、上記基地局アンテナが受信した
信号を処理する基地局受信機と、上記複数の質問にそれ
ぞれ対応する予想応答が予め格納された移動体情報デー
タベースと、上記基地局受信機の出力に含まれる複数の
応答信号を復調して複数の応答を得る応答復調器と、上
記応答復調器による複数の応答に基づき上記移動体情報
データベースから対応する複数の予想応答を読み出すと
ともに、上記複数の応答と上記複数の予想応答とを比較
することにより移動体を識別する識別器とを備えた基地
局レーダ装置、及び、上記基地局レーダ装置からの送信
信号を受信するとともに上記基地局レーダ装置に送信信
号を放射する移動局アンテナと、上記移動局アンテナが
受信した信号を処理する移動局受信機と、上記基地局レ
ーダ装置からの複数の質問にそれぞれ対応する応答情報
が予め格納された応答データベースと、上記移動局受信
機の出力に含まれる複数の質問信号を復調する質問復調
器と、上記質問復調器による復調結果に基づき上記応答
データベースから対応する複数の応答情報を読み出して
複数の応答信号を発生する応答発生器と、上記応答発生
器が出力する複数の応答信号を変調して上記移動局アン
テナに出力する移動局送信機とを備えた移動局レーダ装
置からなるものである。
【0026】請求項2に係る基地局レーダ装置は、予め
定められた複数の質問を発生する質問発生器と、上記質
問発生器が出力する複数の質問信号を変調して出力する
基地局送信機と、上記基地局送信機の出力を外部に放射
するとともに外部からの信号を受信する基地局アンテナ
と、上記基地局アンテナが受信した信号を処理する基地
局受信機と、上記複数の質問にそれぞれ対応する予想応
答が予め格納された移動体情報データベースと、上記基
地局受信機の出力に含まれる複数の応答信号を復調して
複数の応答を得る応答復調器と、上記応答復調器による
複数の応答に基づき上記移動体情報データベースから対
応する複数の予想応答を読み出すとともに、上記複数の
応答と上記複数の予想応答とを比較することにより移動
体を識別する識別器とを備えたものである。上記識別器
が、複数の質問についての応答と予想応答とを比較する
ことにより、応答の一部の改ざんの存在を検出する。
【0027】請求項3に係る基地局レーダ装置は、さら
に、予め定められた蓄電命令を発生する蓄電命令発生器
と、上記質問発生器の出力または上記蓄電命令発生器の
出力のいずれかを選択して上記基地局送信機に対して出
力する切換器とを備え、上記基地局送信機は上記切換器
の出力信号を変調して出力するものである。基地局レー
ダ装置は、蓄電命令を発することにより相手側移動局レ
ーダ装置の蓄電器に電力を供給して動作させる。
【0028】請求項4に係る基地局レーダ装置は、さら
に、上記識別器により得られた移動体の識別結果が予め
定められた識別結果と異なるときに、警報信号を上記基
地局送信機に出力する警報発生器を備えたものである。
基地局レーダ装置は、警報信号を発することにより相手
側移動局レーダ装置の警報器を動作させて、運転手に警
告する。
【0029】請求項5に係る基地局レーダ装置は、さら
に、利用者の課金に関するデータが記憶される課金デー
タベースと、外部の計測器のデータを受信する計測器イ
ンタフェースと、上記計測器インタフェースが出力する
計測器データに基づき課金処理を行うとともに、この課
金処理結果及び上記識別器の識別結果に基づき対応する
利用者の上記課金データベースのデータを更新する課金
処理手段とを備えたものである。上記課金処理手段は、
課金データベースを更新することにより、基地局レーダ
装置で識別された利用者に対して課金処理を行う。
【0030】請求項6に係る基地局レーダ装置は、さら
に、上記基地局送信機に、質問信号を変調して出力する
第1の送信部、質問信号を変調して出力する第2の送信
部、及び、上記第1の送信部の出力または上記第2の送
信部の出力のいずれかを選択して上記基地局アンテナに
供給する送信系切換器を含むとともに、上記基地局送信
機の出力を監視する監視部を備え、上記送信系切換器は
上記監視部の出力に基づき動作するものである。上記監
視部は基地局送信機が正常に動作しているかどうか監視
するとともに、異常を発見したときに使用する送信部を
他の送信部に切り換えることにより基地局送信機の動作
を正常状態に復帰させる。ここで上記監視部は送信電
力、送信周波数、変調状態等を監視することにより基地
局送信機の動作状態を検出する。
【0031】請求項7に係る基地局レーダ装置は、さら
に、上記基地局受信機の出力の状態を検出する検出器
と、上記出力の状態が通常の状態と異なるときに移動局
レーダ装置に対する送信系切換命令を出力する切換命令
発生器とを備え、上記基地局送信機は上記送信系切換命
令が出力されたときにこの命令を変調して出力するもの
である。上記検出器は移動局送信機が正常に動作してい
るかどうか監視するとともに、異常を発見したときに、
上記切換命令発生器が移動局送信機が使用する送信部を
他の送信部に切り換えさせることにより移動局送信機の
動作を正常状態に復帰させる。ここで上記検出器は送信
電力、送信周波数、変調状態等を監視することにより基
地局送信機の動作状態を検出する。
【0032】請求項8に係る基地局レーダ装置は、さら
に、上記複数の応答に含まれる暗号化された符号を解読
する暗号解読器を備え、上記識別器は上記暗号解読器の
出力に基づき識別処理を行うものである。上記暗号解読
器は、移動局レーダ装置との間であらかじめ定められた
関数により応答符号を変換することにより解読を行う。
【0033】請求項9に係る基地局レーダ装置は、さら
に、移動体からの信号に基づき得られ、上記識別器によ
る識別結果に含まれるチェックディジットと上記識別結
果に基づき求められるチェックディジットとを照合する
チェックディジット照合器を備えたものである。ここ
で、チェックディジットとは、移動局レーダ装置との間
であらかじめ定められた、移動局の識別番号に対応して
定められる暗証番号等の付加符号であり、移動局レーダ
装置からの識別番号に付加されるものである。
【0034】請求項10に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、複数の移動体から信号を受信したときに上記基地
局受信機の出力に基づき受信信号間の干渉を検出する干
渉検出器と、上記干渉検出器の出力に基づき上記基地局
アンテナのビーム形状を変化させるビーム形状制御器と
を備えたものである。ここで、上記干渉検出器は複数の
移動体から同時に信号を受信することにより混信が生じ
て、正常に復調できなくなったときに干渉が生じている
と判断する。干渉の検出は、たとえば応答復調器の出力
符号を監視して予想されないパターンが発生しているか
どうかにより行うことができる。干渉は質問と応答との
シーケンスの始まり、途中、終わりいずれでも発生しう
る。ここで、上記ビーム形状制御器はビームを狭くした
り、方向を変えたりすることにより干渉を解消する。基
地局アンテナとしてフェーズドアレーアンテナ等の電子
走査型アンテナを用いれば、電子的にビームの形状及び
方向を変えることができる。また、電子走査型アンテナ
を用いない場合でも、機械的な操作によりビームの形状
及び方向を変えることができる。
【0035】請求項11に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、複数の移動体から信号を受信したときに上記基地
局受信機の出力に基づき受信信号間の干渉を検出する干
渉検出器と、上記干渉検出器の出力に基づき上記複数の
移動体のいずれかの送信周波数を指示する周波数切換指
示器と、上記周波数切換指示器の指示に基づき使用する
送信周波数の命令を発生する周波数命令発生器と、上記
質問発生器の出力または上記周波数命令発生器の出力の
いずれかを選択して上記基地局送信機に対して出力する
切換器とを備え、上記周波数切換指示器の出力に基づき
上記切換器は上記周波数命令発生器の出力を選択すると
ともに、上記基地局送信機及び上記基地局受信機は処理
する周波数を切り換えるものである。上記干渉検出器は
干渉が生じているかどうか監視するとともに、干渉を発
見したときに、上記周波数切換指示器が基地局レーダ装
置の送信及び受信周波数を切り換えるとともに、この周
波数に対応して上記周波数命令発生器が移動局送信機が
使用する送信部の周波数を切り換えさせることにより、
所望の移動局の信号のみを受信するようにして、干渉状
態を解消させる。
【0036】請求項12に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、上記基地局アンテナに、上記基地局送信機の出力
を外部に放射するとともに外部からの信号を受信する第
1のアンテナ、上記基地局送信機の出力を外部に放射す
るとともに外部からの信号を受信する第2のアンテナ、
及び、上記第1のアンテナまたは上記第2のアンテナの
いずれかを選択するアンテナ切換器を含むとともに、複
数の移動体から信号を受信したときに上記基地局受信機
の出力に基づき受信信号間の干渉を検出する干渉検出器
を備え、上記アンテナ切換器は上記干渉検出器の出力に
基づき切換動作を行うものである。ここで、上記第1の
アンテナ及び上記第2のアンテナは、ビームの形状ある
いはビームの方向の点でそれぞれ異なるように構成ある
いは設置されている。ビームの形状を変えるには、たと
えばアンテナの開口面積を変えたり、形状を変えたりす
ればよい。
【0037】請求項13に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、複数の移動体から信号を受信したときに上記基地
局受信機の出力に基づき受信信号間の干渉を検出する干
渉検出器と、上記干渉検出器の出力に基づき上記複数の
移動体のいずれかに対して応答許可を与える応答局決定
器と、上記応答局決定器の決定に基づき応答許可信号を
発生する応答許可発生器と、上記質問発生器の出力また
は上記応答許可発生器の出力のいずれかを選択して上記
基地局送信機に対して出力する切換器とを備え、上記切
換器は上記応答局決定器の出力に基づき切換動作を行う
ものである。上記応答許可発生器は、必要な移動局レー
ダ装置以外の移動局レーダ装置に対して応答を禁止する
ことにより不要な送信を防止して干渉状態を解消する。
【0038】請求項14に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、上記識別器により識別された移動体があらかじめ
定められた特定種類の移動体であるかどうか判定する特
定移動体判定器と、上記特定移動体判定器の出力に基づ
き交通信号を制御する交通信号制御器とを備えたもので
ある。ここで、特定種類の移動体とは、救急車、パトロ
ールカー、消防車等の緊急車両、あるいは一般の車両に
比べて優先度の高い他の種類の車両のことである。上記
交通信号制御器は、一般車両を停止させたり、あるいは
上記特定種類の移動体の通行を妨げないように交通信号
を制御して、上記特定種類の移動体がスムーズに通行で
きるようにする。
【0039】請求項15に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、予め定められた間隔でパルスを発生するパルス発
生器と、上記質問発生器の出力または上記パルス発生器
の出力のいずれかを選択して出力する切換器と、上記パ
ルス発生器が選択されているときに上記基地局受信機が
出力する移動体からの反射信号に基づき上記移動体の情
報を得る移動体測定手段と、上記応答復調器が出力する
応答及び予想応答と上記移動体測定手段が出力する移動
体の情報とを比較することにより上記移動体を識別する
識別器とを備え、上記基地局送信機は上記切換器の出力
信号を変調して出力するとともに、上記応答復調器は上
記質問発生器の出力が選択されているときに応答信号を
復調して応答を得るものである。上記パルス発生器は、
一次レーダ動作が可能なようにパルスを発生する。たと
えば、近距離の移動体を検出するときはパルス間隔を短
く、遠距離の移動体を検出するときはパルス間隔を長く
する。上記移動体測定手段は、移動体の位置情報、速度
情報及び大きさに関する情報を得る。基地局レーダ装置
は、識別情報以外の移動体の情報を得る。
【0040】請求項16に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、上記パルス発生器が選択されているときに上記基
地局受信機の出力に基づき移動体の有無を検出する移動
体検出器を備え、上記移動体測定手段は上記移動体検出
器により移動体が検出されたときに処理を行うものであ
る。上記移動体検出器は、受信信号中に一定レベル(し
きい値)以上の反射波が存在するかどうか、あるいはド
プラー効果により周波数変移を受けているかどうか監視
することにより移動体を検出する。
【0041】請求項17に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、上記移動体の画像を得る撮像手段と、上記撮像手
段の出力に基づき上記移動体の情報を得る移動体認識手
段とを備え、上記識別器は、上記応答復調器が出力する
応答及び予想応答と上記移動体認識手段が出力する移動
体の情報とを比較することにより移動体を識別するもの
である。上記移動体認識手段は、上記撮像手段による画
像から移動体に取りつけられているナンバープレートを
切り出し、これについて文字認識を行うことにより移動
体の情報を得る。切り出しは、移動体におけるナンバー
プレートの位置に基づき、あるいは移動体本体の明る
さ、色彩、形状とそのナンバープレート明るさ、色彩、
形状との相違点を検出することにより行う。文字認識は
たとえばテンプレートマッチングにより行う。
【0042】請求項18に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、上記パルス発生器が選択されているときに上記基
地局受信機が出力する移動体からの反射信号に基づき移
動体を検出する移動体検出器と、上記移動体検出器によ
り移動体が検出されたときにこの移動体に対して追尾処
理を行う移動体追尾処理器と、上記移動体追尾処理器の
出力に基づき上記基地局アンテナを上記移動体に指向さ
せるアンテナ駆動器とを備えたものである。上記移動体
検出器は、検出された移動体の方位、距離を求め、上記
移動体が上記基地局アンテナのビームで捕捉できるよう
に上記基地局アンテナを駆動させる。
【0043】請求項19に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、上記移動体測定手段により得られた移動体の情報
に基づき交通信号を制御する交通信号制御器とを備えた
ものである。上記交通信号制御器は、一般車両のうちの
一部を停止させたり、あるいは一般車両のうちの一部の
通行を妨げないように交通信号を制御して、交通の流れ
がスムーズになるようにする。
【0044】請求項20に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、警告を発生する警告発生器と、上記移動体測定手
段の出力に基づき違反を判定する違反判定器とを備え、
上記基地局送信機は上記違反判定器により違反と判定さ
れたときに上記警告発生器の出力信号を変調して出力す
るものである。上記違反判定器は一次レーダ動作におけ
る移動体からの反射信号に基づきその動きを監視し、パ
ターンに分類することにより判定を行う。
【0045】請求項21に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、上記パルス発生器が選択されているときに上記基
地局受信機の出力に基づき移動体の有無を検出する移動
体検出器と、検出された移動体の停止時間を計測するタ
イマーと、上記タイマーの出力に基づき上記識別器によ
り識別された移動体についての課金情報を生成するデー
タ生成器とを備えたものである。上記タイマーは、上記
移動体検出器により移動体が停止していると判明したと
きに、この移動体の停止時間を計測し、上記データ生成
器はこの停止時間に基づき駐車場の料金を課金する。
【0046】請求項22に係る基地局レーダ装置は、さ
らに、許可が与えられる移動体の情報があらかじめ記憶
されている許可データベースと、上記許可データベース
に基づき上記識別器により識別された移動体に許可を与
えるかどうか判定する許可判定器と、上記許可判定器の
出力に基づき許可を与える許可発生器とを備え、上記基
地局送信機は上記許可判定器により許可が与えられたと
きに上記許可発生器の出力信号を変調して出力するもの
である。ここで許可が与えられる移動体とは、一般車両
の通行が禁止されている特定の道路の通行許可が与えら
れている公的な車両等である。
【0047】請求項23に係る移動局レーダ装置は、外
部から信号を受信するとともに外部に送信信号を放射す
る移動局アンテナと、上記移動局アンテナが受信した信
号を処理する移動局受信機と、外部からの複数の質問に
それぞれ対応する応答情報が予め格納された応答データ
ベースと、上記移動局受信機の出力に含まれる複数の質
問信号を復調する質問復調器と、上記質問復調器による
復調結果に基づき上記応答データベースから対応する複
数の応答情報を読み出して複数の応答信号を発生する応
答発生器と、上記応答発生器が出力する複数の応答信号
を変調して上記移動局アンテナに出力する移動局送信機
とを備えたものである。上応答発生器が、複数の質問に
ついてそれぞれ応答を発生する。基地局レーダ装置は、
これら複数の応答がすべて正しいかどうか識別する。
【0048】請求項24に係る移動局レーダ装置は、さ
らに、上記質問復調器の出力に基づき、質問が予め定め
られたデータ更新命令であるかどうか判断するととも
に、質問がデータ更新命令であるときに上記応答データ
ベースの内容を更新するデータベース更新器を備えたも
のである。上記データベース更新器がデータベースの内
容を更新することにより最新の状態に保つ。
【0049】請求項25に係る移動局レーダ装置は、さ
らに、上記質問復調器により復調された質問が蓄電命令
であるときに、上記移動局アンテナで受信された信号を
分配する分配器と、上記分配器の出力を整流する整流器
と、上記整流器の出力により充電される装置電源として
の蓄電器とを備えたものである。移動局レーダ装置は、
蓄電命令を発せられたときに、基地局側レーダ装置から
送信される電力を上記蓄電器に蓄積し、装置電源として
用いる。
【0050】請求項26に係る移動局レーダ装置は、さ
らに、パルス信号を送信する一次レーダ送信信号処理器
と、目標からの反射信号を受信する一次レーダ受信信号
処理器と、上記応答発生器の出力または上記一次レーダ
送信信号処理器の出力のいずれかを選択する第1の切換
器と、上記第1の切換器に対応して上記移動局受信機の
出力を上記質問復調器または上記一次レーダ受信信号処
理器に分配する第2の切換器と、上記移動局アンテナの
ビーム形状を切り換えるビーム形状制御器とを備え、上
記移動局アンテナのビーム形状を、上記応答発生器の出
力が選択されているとき第1のビーム形状に制御し、上
記一次レーダ送信信号処理器の出力が選択されていると
き第2のビーム形状に制御するものである。
【0051】請求項27に係る移動局レーダ装置は、さ
らに、上記移動局受信機の出力に含まれる質問が警報で
あるかどうか判断し、警報であるときに、この警報を復
調する警報復調器と、上記警報復調器の出力に基づき警
報を出力する警報器とを備えたものである。移動局レー
ダ装置は、基地局レーダ装置からの警報信号を受信して
警報器を動作させて、運転手に警告する。
【0052】請求項28に係る移動局レーダ装置は、さ
らに、上記移動局送信機に、応答信号を変調して出力す
る第1の送信部、応答信号を変調して出力する第2の送
信部、及び、上記応答発生器の出力を上記第1の送信部
または上記第2の送信部の出力のいずれかに供給する送
信系切換器を含むとともに、上記移動局受信機の出力に
含まれる質問が切換命令であるかどうか判断し、切換命
令であるときに、この切換命令を復調する切換命令検出
器を備え、上記送信系切換器は上記切換命令検出器の出
力に基づき動作するものである。上記送信系切換器は、
送信系に異常が生じたときの基地局側レーダ装置からの
切換命令を受けて使用する送信部を他の送信部に切り換
えることにより移動局送信機の動作を正常状態に復帰さ
せる。
【0053】請求項29に係る移動局レーダ装置は、さ
らに、上記応答発生器の出力符号を暗号化する暗号化器
を備え、上記移動局送信機は上記暗号化器の出力に基づ
き変調して出力するものである。上記暗号解読器は、基
地局レーダ装置との間であらかじめ定められた関数によ
り応答符号を変換することにより暗号化を行う。
【0054】請求項30に係る移動局レーダ装置は、さ
らに、上記応答発生器の出力符号にあらかじめ定められ
たチェックディジットを付与するチェックディジット付
与器を備え、上記移動局送信機は上記チェックディジッ
ト付与器の出力に基づき変調して出力するものである。
ここでチェックディジットとは、基地局レーダ装置との
間であらかじめ定められた、移動体の識別番号に対応し
て定められる暗証番号等の付加符号である。
【0055】請求項31に係る移動局レーダ装置は、さ
らに、上記移動局受信機の出力に含まれる質問が送信周
波数の命令であるかどうか判断し、送信周波数の命令で
あるときに、この命令を復調する周波数命令解読器と、
上記周波数命令解読器の出力に基づき周波数切換指示信
号を発生する周波数切換指示器とを備え、上記周波数切
換指示器の出力に基づき上記移動局受信機及び上記移動
局送信機は使用する周波数を切り換えるものである。基
地局レーダ装置が干渉を発見したときに送信される送信
周波数命令に基づき、上記周波数切換指示器が移動局レ
ーダ装置の送信及び受信周波数を切り換えることによ
り、干渉状態を解消する。
【0056】請求項32に係る移動局レーダ装置は、さ
らに、上記移動局受信機の出力に含まれる質問が応答許
可信号であるかどうか判断し、上記応答許可信号である
ときに、この応答許可信号を復調する応答局指定解読器
と、上記周波数命令解読器の出力に基づき上記応答発生
器の出力を上記移動局送信機に供給するかどうか制御す
る応答選択スイッチとを備えたものである。基地局レー
ダ装置が干渉を発見したときに送信される応答許可信号
に基づき、上記応答選択スイッチが必要な移動局レーダ
装置以外の移動局レーダ装置に対して応答を停止させる
ことにより、不要な送信を防止して干渉状態を解消す
る。
【0057】請求項33に係る移動局レーダ装置は、さ
らに、上記移動局受信機の出力に含まれる質問が許可信
号であるかどうか判断し、許可信号であるときに、この
許可信号を復調する許可信号検出器と、上記許可信号検
出器の出力に基づき許可されたことを報知する報知器と
を備えたものである。ここで許可が与えられる移動体と
は、一般車両の通行が禁止されている特定の道路の通行
許可が与えられている公的な車両等である。
【0058】請求項34に係る基地局レーダ装置は、予
め定められた間隔で目標検出用信号を発生する第1の信
号発生器と、予め定められた変調がされた高分解能処理
用信号を発生する第2の信号発生器と、上記第1の信号
発生器の出力または上記第2の信号発生器の出力のいず
れかを選択して出力する切換器と、上記切換器が出力す
る信号を変調して出力する基地局送信機と、上記基地局
送信機の出力を外部に放射するとともに外部からの信号
を受信する基地局アンテナと、上記基地局アンテナが受
信した信号を処理する基地局受信機と、上記基地局受信
機の出力を分配する受信系切換器と、上記第1の信号発
生器が選択されているとき上記基地局受信機の出力に基
づき移動体の有無を検出する移動体検出器及び上記移動
体からの反射信号に基づき上記移動体の情報を得る移動
体測定器と、上記第2の信号発生器が選択されていると
き上記基地局受信機の出力及び上記移動体検出器の出力
に基づき上記移動体の画像を再生する画像再生器と、上
記移動体上で識別情報が表されている識別情報部の位置
を検出する位置検出器と、上記再生された画像から上記
識別情報部を取り出して情報を読み取り、上記移動体を
識別する情報読取器とを備えたものである。上記第1の
信号発生器は、一次レーダ動作のために一定間隔でパル
スを発生する。上記第2の信号発生器は、画像レーダ動
作のためにチャープ変調等の所定の変調がかかった信号
を発生する。上記画像再生器は、レンジ方向(アンテナ
のビームの方向)及びクロスレンジ方向(アンテナのビ
ームと交差する方向)について分解能を高めた移動体の
画像を再生する。上記位置検出器は、移動体における識
別情報が表された部分を検出する。上記情報読取器は、
上記識別情報部を取り出してパターンマッチング等によ
り情報を読み取る。
【0059】請求項35に係る基地局レーダ装置は、上
記移動体の識別情報部を車両のナンバープレートとした
ものである。
【0060】請求項36に係る基地局レーダ装置は、上
記移動体の識別情報部の識別情報はバーコードで表わさ
れているものである。
【0061】請求項37に係る移動体識別システムは、
外部からの信号を受信する基地局アンテナと、上記基地
局アンテナが受信した信号を処理する基地局受信機と、
上記基地局受信機の出力に含まれる識別信号を復調して
移動体を識別する識別器と、上記識別器の出力に基づき
上記移動体があらかじめ定められた特定種類の移動体で
あるかどうか判定する特定移動体判定器と、上記特定移
動体判定器の出力に基づき交通信号を制御する交通信号
制御器とを備えた基地局レーダ装置、及び、特定種類の
移動体を示す識別信号を発生する識別信号発生器と、上
記識別信号を変調して出力する移動局送信機と、上記移
動局送信機の出力を外部に放射する移動局アンテナとを
備えた移動局レーダ装置からなるものである。
【0062】請求項38に係る基地局レーダ装置は、外
部からの信号を受信する基地局アンテナと、上記基地局
アンテナが受信した信号を処理する基地局受信機と、上
記基地局受信機の出力に含まれる識別信号を復調して移
動体を識別する識別器と、上記識別器の出力に基づき上
記移動体があらかじめ定められた特定種類の移動体であ
るかどうか判定する特定移動体判定器と、上記特定移動
体判定器の出力に基づき交通信号を制御する交通信号制
御器とを備えたものである。
【0063】請求項39に係る移動局レーダ装置は、特
定種類の移動体を示す識別信号を発生する識別信号発生
器と、上記識別信号を変調して出力する移動局送信機
と、上記移動局送信機の出力を外部に放射する移動局ア
ンテナとを備えたものである。
【0064】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1に係る
自動車IDレーダ装置に用いられる基地局側レーダ部1
の構成を示すブロック図である。同図において、11は
送信基準信号を発生する発振器、12は質問コード発生
器13の出力に基づき送信基準信号を変調する変調器、
14は変調器12の出力に基づき送信信号を発生する送
信機、15は、送信時において送信機14の出力をアン
テナに供給するとともに、受信時において受信信号を受
信機17に供給する送受切換器、16は送信信号を車載
局側レーダ部3に対して放射するとともに、車載局側レ
ーダ部3からの信号を受信するアンテナである。
【0065】17は車載局側レーダ部3から受けた信号
に対し受信処理を行う受信機、18は受信機17の出力
から、車載局側レーダ部3からの応答コードを復調する
応答コード復調器、19は応答コードを車両情報データ
ベース20に基づき解読する応答コード解読器、21は
応答コード解読器19の解読結果を表示する表示器、2
2は応答コード解読器19の解読結果を外部に伝送する
ための通信インタフェースである。車両情報データベー
ス20には、車両を識別するために用いられる、車両と
応答コードとの関係を示すデータベースが格納されてい
る。
【0066】また、図2は、この発明の実施の形態1に
係る自動車IDレーダ装置に用いられる車載局側レーダ
部3の構成を示すブロック図である。同図において、発
振器31、変調器32、送信機34、送受切換器35、
アンテナ36、受信機37は、基地局側レーダ部1の発
振器11、変調器12、送信機14、送受切換器15、
アンテナ16、受信機17にそれぞれ対応し、これらは
同様の機能を有する。
【0067】38は基地局側レーダ部1から送信された
信号に含まれる質問コードを復調する質問コード復調
器、39は復調された質問コードを解読する質問コード
解読器、40a、40b、40cは質問コード解読器3
9により解読された質問コードに基づき、それぞれ対応
する応答データを出力する質問・応答データベース1〜
3、41は解読された質問コード及び質問・応答データ
ベース40a〜40cが出力する応答データに基づき応
答コードを発生する応答コード発生器である。
【0068】また、図3は上記基地局側レーダ部1と車
載局側レーダ部3との間で行われる質問と応答の手順を
示すフローチャートである。
【0069】次に、この実施の形態1に係る自動車ID
レーダ装置の動作について説明する。この実施の形態1
の自動車IDレーダ装置は、図29に示されるように基
地局側レーダ部1及び車載局側レーダ部3とからなる。
基地局側レーダ部1は、たとえば、有料道路の料金所付
近に設置されており、そこを通過する車両に対して所定
の質問を発するとともに、この質問に対する応答を解読
することにより車両の識別や課金処理などを行う。ま
た、この自動車IDレーダ装置の車載局側レーダ部3
は、基地局側レーダ装置1からの質問に対して所定の応
答を作成して基地局側に返す。この自動車IDレーダ装
置は、質問と応答についての処理を行う点から、二次レ
ーダの一種である。
【0070】まず、基地局側レーダ部1の動作につい
て、図1及び図3を用いて詳細に説明する。質問コード
発生器13は、車両が接近したことを検知すると、その
車両に対する質問コードを生成する。この質問コード
は、変調器12において変調された後、送信機14、送
受切換器15及びアンテナ16を介して車載局側レーダ
部3に対して送信される(図3のST10)。
【0071】送信された質問コードに対して、車載局側
レーダ部3は所定の応答コードを返してくる。車載局側
レーダ部3の動作については後述する。車載局側レーダ
部3が送信する電波はアンテナ16で受信され、送受切
換器15を介して受信機17に入力される。応答コード
復調器18は受信機17の出力に基づき応答コードを復
調する(図3のST11)。
【0072】応答コード解読器19は復調された応答コ
ードを解読して車両情報データベース20を読むための
アドレス信号を生成する(図3のST12)。
【0073】そして、応答コード解読器19は、このア
ドレス信号に基づき対応する車両情報を読み出す(図3
のST13)。たとえば、応答コードは、車両番号、車
種、所有者、車検時期、点検時期、事故歴等の車両の個
別情報に変換される。また、応答コード解読器19は、
解読結果である個別情報に基づき、応答コードを返して
きた車両が違反車あるいは盗難車であるかチェックする
とともに、有料道路料金の課金等のデータ処理を行う
(図3のST14)。他に質問があれば最初のステップ
ST10に戻り、質問を繰り返す。他に質問がなければ
終了する。
【0074】応答コード解読器19によりなされたこれ
らの処理の結果は、表示器21に表示されるとともに、
他の機器との通信を行うための通信インタフェース22
に出力される。
【0075】次に、車載局側レーダ部3の動作につい
て、図2及び図3を用いて詳細に説明する。基地局側レ
ーダ部1から照射された質問コードに関する電波はアン
テナ36で受信され、送受切換器35を介して受信機3
7に入力される。質問コード復調器38は、受信機37
の出力に基づき質問コードを復調する(図3のST5
0)。質問コード解読器39は復調された質問コードを
解読するとともに、質問・応答データベース1〜3(4
0a〜40c)から対応するデータを読み出すためのア
ドレス信号を生成する(図3のST51)。これら解読
結果及びアドレス信号は、質問・応答データベース40
a〜40c及び応答コード発生器41に対して出力され
る。
【0076】質問・応答データベース40a〜40cに
は、車載局側レーダ部3が搭載されている車両に関する
車両番号,車種,所有者、車検時期、点検時期、事故歴
等の車両の個別情報が予め記憶されている。たとえば、
質問・応答データベース40aには車両番号に関するデ
ータが、質問・応答データベース40bには車種(乗用
車、バス、トラック等の種別等)に関するデータが、質
問・応答データベース40cにはその車両の所有者に関
するデータが、それぞれ格納されている。
【0077】質問・応答データベース40a〜40c
は、質問コード解読器39からの質問コードが自己のデ
ータベースに対応するものであるときは、自己のデータ
を読み出し、データを応答コード発生器41に対して出
力する(図3のST52)。
【0078】応答コード発生器41は、質問コード解読
器39が出力する質問コードと質問・応答データベース
40a〜40cのいずれかが出力した応答データとに基
づき質問コードの質問内容に対応する回答を応答コード
として生成する(図3のST53)。
【0079】この応答コードは、変調器32に入力さ
れ、そこで変調される。その後、送信機34、送受切換
器35及びアンテナ36を介して基地局側レーダ部1に
送信される(図3のST54)。
【0080】上述した質問と応答のシーケンスの例を図
4に示す。同図は、最初の質問「あなたの車番は?」の
質問に対し、たとえば、質問・応答データベース40a
に基づき「横浜77−1234です」との応答がなさ
れ、また、次の質問「あなたの名前は?」の質問に対
し、たとえば、質問・応答データベース40cに基づき
「山田太郎です」との応答がなされることを示してい
る。
【0081】このように、複数の質問を行い、これら質
問に対する応答をそれぞれチェックすることにより、車
載局のデータベースの一部が改ざんされた場合でも、改
ざんされなかった他のデータベースと比較することによ
り、基地局側レーダ部1で不正使用であることを検出で
きる。
【0082】たとえば、正しい車番及び所有者が、それ
ぞれ「横浜77−1234」、「山田太郎」である場合
において、車番が「横浜11−1111」に改ざんされ
たとする。基地局側レーダ部1は、図3に示された処理
を行うことにより、所有者と車番とが一致しないことを
検出できる。このようにして、不正使用が防止できる。
【0083】なお、質問・応答データベースのユニット
数は、図2に示される3に限らず、2、4、5、・・・
でもよいのは言うまでもない。また、これらユニットを
別個のメモリにより構成するばかりでなく、1つのメモ
リのメモリ空間を論理的に分割するようにしてもよい。
【0084】実施の形態2.上記実施の形態1におい
て、車載局側レーダ部3における質問・応答データベー
ス40a〜40cの内容はあらかじめ与えられたもので
あり、内容は更新されなかった。これに対し、車載局側
レーダ部3に、これら質問・応答データベースの内容を
更新するデータベース更新器を設けるようにしてもよ
い。
【0085】この実施の形態2に係る車載局側レーダ部
の構成を図5に示す。同図は、図2に示された実施の形
態1の車載局側レーダ部にデータベース更新器42を追
加したものである。図3のデータベース更新器42は、
質問コード解読器39により解読された質問コードに基
づき、質問・応答データベース40a〜40cを更新す
る。他の構成要素は、実施の形態1の場合と同じもので
ある。また、処理のフローチャートを図6に示す。
【0086】次に、この実施の形態2の車載局側レーダ
部3の動作について説明するが、基本的な動作は実施の
形態1の場合と同様であるから、相違点であるデータベ
ース更新器43を中心に説明する。以下の説明におい
て、データの副番(同一のデータについてA版、B版、
C版・・・というように管理するための番号または記
号)を変更することによりデータベースの内容を更新す
る場合を例にとり説明する。
【0087】データベースを更新しようとするとき、基
地局側レーダ部1は、データベースを更新させるための
予め定められた質問コードを送信する(図6のST1
6)。車載局側レーダ部3の受信機37及び質問コード
復調器38は、質問コードを受信して復調する(図6の
ST55)。質問コード解読器39は、質問コードを解
読して内容を変更すべきデータベースのアドレスを生成
する(図6のST56)。
【0088】データベース更新器42は、質問コード解
読器39により指定されたアドレスのデータベースの内
容を読み出す(図6のST57)。データベース更新器
42は、読み出した内容から、その副番を抽出する(図
6のST58)。データベース更新器42は、質問コー
ド解読器39により解読された質問コードに基づき、副
番を更新し、データベースにその変更内容を書き込む
(図6のST59)。質問コードにより指定されたすべ
ての内容が更新されたときには、次のステップST61
に処理が移される。そうでないときはステップST57
に処理が移され、ステップST57〜ST59の処理が
繰り返される。
【0089】データベースの内容の更新が完了したと
き、質問コード解読器39はデータベース更新終了のフ
ラグを応答コードとして生成し、応答コード発生器41
に対し出力する(図6のST61)。この応答コード
は、変調されて基地局側レーダ部1に対して送信される
(図6のST62)。基地局側レーダ部1において、応
答コードが受信・復調される(図6のST17)。
【0090】更新前の質問と応答のシーケンスの例及び
更新後の質問と応答のシーケンスの例を、それぞれ図7
(a)(b)に示す。図7(a)は、第1の質問「あな
たの車番は?」に対し、たとえば、質問・応答データベ
ース40aに基づき「横浜77−1234(A)です」
との応答がなされ、また、第2の質問「あなたの名前は
?」に対し、たとえば、質問・応答データベース40b
に基づき「山田太郎(A)です」との応答がなされるこ
とを示している。さらに、第3の質問「あなたの副番は
?」に対し、たとえば、質問・応答データベース40c
に基づき「Aです」との応答がなされることが示されて
いる。
【0091】そして、第4の質問(命令)として「デー
タベースを更新せよ」が発っせされ、更新処理が終了し
た後に「データベース更新終了」の応答が返される。
【0092】図7(b)は、更新処理後において、第1
の質問「あなたの車番は?」に対し、たとえば、質問・
応答データベース40aに基づき「横浜77−1234
(B)です」との応答がなされ、また、第2の質問「あ
なたの名前は?」に対し、たとえば、質問・応答データ
ベース40bに基づき「山田太郎(B)です」との応答
がなされることを示している。さらに、第3の質問「あ
なたの副番は?」に対し、たとえば、質問・応答データ
ベース40cに基づき「Bです」との応答がなされるこ
とが示されている。
【0093】以上の説明からわかるように、更新処理は
一部のデータベースについてではなく、すべてのデータ
ベースについて行われる。したがって、車載局側レーダ
部1が正しく使用されている限り、応答の副番は必ず一
致する。
【0094】したがって、実施の形態1の場合と同様
に、複数の質問を行い、これら質問に対する応答をそれ
ぞれチェックすることにより、車載局のデータベースの
一部が改ざんされた場合でも、改ざんされなかった他の
データベースと比較することにより、基地局側レーダ部
1で不正使用であることを検出できる。たとえば、正し
い車番及び所有者が、それぞれ「横浜77−1234
(B)」、「山田太郎(B)」である場合において、車
番が「横浜11−1111(B)」あるいは「横浜77
−1234(A)」に改ざんされたとする。前者の場
合、副番が一致しているが車番の本体部が一致せず、後
者の場合、車番の本体部が一致しているが副番が一致し
ない。このように、いずれの場合も、基地局側レーダ部
1は、複数の応答データ間の不一致を検出できるから、
不正使用を防止できる。
【0095】さらに、この実施の形態2によれば、すべ
てのデータベース(たとえば、図5の質問・応答データ
ベース40a〜40c)が改ざんされた場合にも、不正
使用を防止することができる。たとえば、すべてのデー
タベースの内容が改ざんされた後に、真の所有者の車両
のデータベースが更新されたときには、改ざんされたデ
ータベースの副番は、基地局側レーダ部1に格納された
最新のデータベースの副番と一致しない。このことによ
り、基地局側レーダ部1は改ざんを検出することができ
る。これは、一般ユーザーに対していずれかのデータベ
ースに対するアクセスを厳しく制限するという条件が緩
和されることを意味し、車載局側レーダ部3のデータベ
ースについての構成が簡単になるという効果も生じる。
【0096】なお、上記の説明において、データベース
の更新処理を、データ本体と別に設けられた副番の更新
を例にとり説明してきたが、これに限らず、データ本体
を更新するようにしてもよい。もっとも、副番は基地局
において比較的自由に変更できるから、変更の時間間隔
を短くする(たとえば副番を通過回数とし、車載局が基
地局付近を通過するごとに更新する)ことにより、不正
使用を行う者が正確な副番を容易に知れないようにする
ことができる。この点、更新処理を副番について行う方
が、データ本体について行うよりも、より確実に不正使
用を防止できるといえる。
【0097】実施の形態3.上記実施の形態1及び2に
おいて、二次レーダを用いて質問コードに対する応答コ
ードを受け、車両の情報を得ていたが、基地局側レーダ
部にさらに一次レーダ機能を備えて車両との距離や車両
の速度、さらに車両のRCS(Radar Cross Section) を
求めるようにしてもよい。また、車載局側レーダ部に車
載機器(たとえば速度計)の情報を取り入れる車載計器
インタフェースを備えて、車載機器の情報も送信するよ
うにしてもよい。
【0098】この実施の形態3に係る基地局側レーダ部
1の構成を図8に示す。図1に示された実施の形態1の
基地局側レーダ部に、一次レーダとして動作するための
パルスを発生する測距・測速度用パルス発生器23、一
次レーダ動作のためのパルスまたは二次レーダ動作のた
めの質問コードのいずれかを選択して変調器12に供給
する切換器24、車載局側レーダ部3からの受信信号を
一次レーダ動作のための測距器26a、測速度器26
b、RCS算出器26cまたは二次レーダ動作のための
応答コード復調器18のいずれかに供給する分波器2
5、車両との間の距離を測定する測距器26a、車両の
速度を測定する測速度器26b、レーダの受信信号から
車両の大きさに対応するRCSを測定するRCS算出器
26c、応答コード解読器19により解読された車両の
情報と測距器26a、測速度器26b、RCS算出器2
6cにより得られた車両の情報とを比較することにより
車両の識別や車載計器の精度及び車載計器が正常に動作
しているかどうか判定する判定器27を備えたものであ
る。
【0099】なお、分波器25は受信信号を一次レーダ
のためのブロックあるいは二次レーダのためのブロック
のいずれかに選択的に供給したが、これに限らず、同時
に両者に供給するようにしてもよい。
【0100】また、発振器11、変調器12、質問コー
ド発生器13、送信機14、送受切換器15、アンテナ
16、受信機17、応答コード復調器18、応答コード
解読器19、車両情報データベース20、表示器21、
通信インタフェース22は、図1に示されたものと同じ
ものである。
【0101】また、この実施の形態3にかかる車載局側
レーダ部3の構成を図9に示す。同図は、図2に示され
た実施の形態1の車載局側レーダ部に車載計器インタフ
ェース44を追加したものである。
【0102】車載計器インターフェース44は、図示し
ない車載計器(たとえば速度計、距離計、タコメータ
等)からデータを受けて応答コード発生器41に供給す
る。応答コード発生器41は質問に対する応答コードと
ともにこれら情報も送信する。また、処理のフローチャ
ートを図10に示す。
【0103】次に動作について説明する。この実施の形
態3の自動車IDレーダ装置は、一次レーダ動作と二次
レーダ動作とを交互に繰り返す。この動作のタイミング
チャートの一例を図11に示す。
【0104】図11は、車両が検出されるまでは測距モ
ード動作(一次レーダ動作)を行い、車両が検出される
と質問モード動作(二次レーダ動作)を行うことを示し
ている。そして、質問・応答が完了すると再び測距モー
ド動作に戻る。この動作の切換は、切換器24及び分波
器25においてなされる。また、車両の検出は一次レー
ダ動作を行う測距・測速度用パルス発生器23、測距器
26a、測速度器26b、RCS算出器26cにおいて
なされる。切換器24は一次レーダの出力を受けた判定
器27の出力により切り換えられる。
【0105】この実施の形態3における二次レーダ動作
は、応答コードに車載局自身の車両のRCSや速度計の
データが含まれる点を除き、実施の形態1及び2の場合
と同様であるので、その説明は省略する。次に、一次レ
ーダ動作により、車両の検出、車両の測距及び測速度を
行う場合の動作について説明する。切換器24は測距・
測速度用パルス発生器23で生成された測距・測速度用
パルスを選択している。変調器12は、発振器11の出
力信号をこの測距・測速度用パルスにより変調した後、
送信機14に対して出力する。送信機14は送受切換器
15を介して変調した電波をアンテナ16から車両に向
けて照射する。この動作が一次レーダを用いた測距モー
ド(図10のST18)である。車両が検出されるまで
この測距モードが継続される(図10のST19)。以
下の基地局側レーダ部1の動作(図10のST10〜1
5)及び車載局側レーダ部3の動作(図10のST50
〜54)は実施の形態1の場合と同じである。
【0106】車両で反射された電波はアンテナ16で受
信され、送受切換器15を介して受信機17に入力され
る。受信信号は分波器25を通って、1次レーダ側の測
距器26a、測速度器26b、RCS算出器26cに入
力される。測距器26aは車両との距離を求める。送信
信号を送信してから反射波が受信されるまでの時間をΔ
t、光速度(3×108 m/s)をcとすると、車両ま
での距離Rはc・Δt/2で与えられる。
【0107】測速度器26bは車両の速度を求める。送
信波長をλ、車両のドップラ周波数をfdとすると、車
両の速度vはλ・fd/2で与えられる。RCS算出器
26cは受信信号のレベルを測定し、この測定値に所定
の係数を演算することにより、車両の大きさに対応する
RCSを求める。ここで、所定の係数は、アンテナの利
得、送信電力、受信機の利得、車両との間の距離等に基
づくレーダ方程式により定められる。
【0108】判定器27は、RCS算出器26cにより
得られた車両のRCSと、応答コード解読器19により
得られた車両のRCSとを比較する。これらRCSが一
致すれば、車両番号の車両と実際の車両とが同一である
と判断できて、車両の識別が正常になされたことが確認
できる。他方、これらRCSが不一致(たとえば、車両
情報データベース20によれば普通乗用車であるのに、
測定されたRCSがバス等の大型車両のものである場合
等)であれば、車両の識別が正常になされたとはいえな
い。このことにより、車載局側レーダ部3の盗用、改ざ
んが行われた可能性があると判定される。
【0109】また、判定器27は、1次レーダ側で測定
された車両速度と基地局側レーダ部1の設置されている
道路の法定速度を比較することにより、車両の速度が法
定速度を越えているかどうか判定する。具体的には、測
速度器26bが出力する速度とあらかじめ車両情報デー
タベース20等に格納されている法定速度とを比較す
る。
【0110】さらに、判定器27は、2次レーダ側で得
られた車載計器の値と1次レーダ側で測定された車両速
度を比較することにより、車載計器の精度及び車載計器
が正しく動作しているかどうかを判定する。これは、車
載局側レーダ部3に、車載速度計のデータ等を応答コー
ドに含ませるための車載計器インタフェース44を設け
たことにより可能になる。車載計器インタフェース44
の動作については後述する。
【0111】さらに、判定器27は、一次レーダ側の結
果及び二次レーダ側の応答とを比較することにより車載
局側レーダ部3の故障を判定することができる。たとえ
ば、一次レーダ側で車両を検出しているにもかかわら
ず、車番の問い合わせや所有者の名前の問い合わせに対
して車両側から応答がない場合、車載局側レーダ部3は
故障であると判定される。判定器27によるこれらの判
定結果は、表示器21に表示されるとともに通信インタ
フェース22を介して他の機器へ送られる。
【0112】次に、この実施の形態3の車載局側レーダ
部3の動作について説明するが、基本的な動作は実施の
形態1の場合と同様であるから、相違点である車載計器
インタフェース44を中心に説明する。
【0113】基地局側レーダ部1から速度計等の車載計
器の値を読み取る質問コードが入力された場合、応答コ
ード発生器41は、車載計器インタフェース44を介し
て入力される車載計器の値に基づき応答コードを生成す
る。なお、基地局側レーダ部1から車載計器に所定の表
示(たとえば「法定速度を越えている」あるいは「車載
計器が故障している」等)を行う質問コードが入力され
た場合、応答コード発生器41は車載計器インタフェー
ス44を介して車載計器に所定の表示を行うこともでき
る。
【0114】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、実施の形態1の不正使用を防止できる効果に加え、
以下の効果を奏する。この実施の形態1の基地局側レー
ダ部に一次レーダを備えたので、車両までの距離及び車
両の速度を求めることができる。さらに、一次レーダに
より車両のRCSを求め、これと予め記憶された車両の
RCSとを比較するので、基地局側レーダ部で不正使用
の有無を判定できる。
【0115】さらに、一次レーダにより求められた車両
の速度と予め記憶された法定速度とを比較することによ
り車両の速度違反を検知できる。さらに、車載局側レー
ダ部からの応答コードに車載計器のデータを含ませるよ
うにし、この車載計器のデータと一次レーダにより得ら
れた車両の実際の速度とを比較することにより、車載計
器のチェックができるとともに、その旨を車載計器に表
示することができる。また、速度が法定速度を越えてい
ることを車載計器に表示して警告することもできる。
【0116】さらに、車載局側レーダ部からの応答の有
無を検出することにより、車載局側レーダ部の故障チェ
ックができる。
【0117】実施の形態4.上記実施の形態3におい
て、一次レーダを構成する測距器26a、測速度器26
b、RCS算出器26cは、一次レーダが動作する測距
モードの間は常時動作していた。これに対して、車両が
検出されたときのみ一次レーダの信号処理を行うように
して処理負荷が軽減されるようにしてもよい。
【0118】この実施の形態4に係る基地局側レーダ部
1の構成を図12に示す。同図は、図8に示された実施
の形態3の基地局側レーダ部1に目標検出器26dを追
加したものである。この目標検出器26dは、測距モー
ド動作時において、車両が存在するかどうかを検出す
る。
【0119】次に、この実施の形態4の基地局側レーダ
部1の動作について説明するが、基本的な動作は実施の
形態3の場合と同様であるから、相違点である目標検出
器26dを中心に説明する。
【0120】測距モードにおいて一次レーダ動作が行わ
れる。このとき、受信機17からの受信信号は、分波器
25を介して目標検出器26dに入力されるが、測距器
26a、測速度器26b、RCS算出器26cには直接
入力されない。目標検出器26dが車両を検出していな
いとき、目標検出器26dは測距器26a等に対し受信
信号を出力しない。したがって、測距器26a等はなん
の処理も行わない。
【0121】他方、目標検出器26dが車両を検出した
とき、目標検出器26dは測距器26a等に対し受信信
号を出力する。このとき、測距器26a等は処理を開始
する。このように、車両が存在するときのみ一次レーダ
の処理が行われる。
【0122】この実施の形態4によれば、目標検出器2
6dが車両を検出したときに、一次レーダ処理、つまり
車両との間の距離、車両の速度、車両のRCSを算出す
るようにしたので、これらの処理のための負荷を軽減で
きるという効果を奏する。処理負荷が小さくなることに
より装置の小型化、簡略化が可能になる。
【0123】実施の形態5.上記実施の形態3は、電波
を送受信する一次レーダ及び二次レーダを用いたもので
あるが、さらに、レーダ以外のセンサを備え、これらの
データを融合して判定するように構成してもよい。
【0124】この実施の形態5に係る基地局側レーダ部
1の構成を図13に示す。同図は、図8に示された実施
の形態3の基地局側レーダ部にTVカメラ28を追加し
たものである。図13のTVカメラ28は、車両のナン
バープレートの画像を捕らえ、このデータを判定器27
に対して出力する。
【0125】次に、この実施の形態5の基地局側レーダ
部1の動作について説明するが、基本的な動作は実施の
形態4の場合と同様であるから、相違点であるTVカメ
ラ28を中心に説明する。TVカメラ28は車両のナン
バープレートを撮影し、その画像データを判定器27へ
出力する。
【0126】実施の形態3で説明したように、判定器2
7は二次レーダにより得られた車両のRCSとRCS算
出器26cにより得られた車両のRCSとを比較するこ
とにより車両を識別する。この実施の形態5の基地局側
レーダ部1において、判定器27は、さらに、二次レー
ダにより得られた車両番号とTVカメラ28で読み取ら
れたナンバープレートの画像に基づき抽出された車両番
号とを比較することにより、車両を識別する。このこと
により、ナンバープレートの盗用または改ざんが行われ
ているかどうかが判定される。
【0127】たとえば、応答コード解読器19が解読し
た車両番号が「横浜77−1234」であり、TVカメ
ラ28の画像データから抽出された車両番号が「横浜7
7−1234」であって両者が一致するとき、判定器2
7はナンバープレートの盗用または改ざんは行われてい
ないと判定する。他方、両者が一致しないとき、判定器
27はナンバープレートの盗用または改ざんが行われた
と判定する。判定器27は、この判定結果を、実施の形
態3で説明された他の判定結果とともに表示器21に表
示する。同時に、判定器27は、これら判定結果を他機
器へ送るために通信インタフェース22へ出力する。
【0128】この実施の形態5は、レーダ以外のセンサ
であるTVカメラを用いて車両を判定するので、レーダ
のみを用いて判定する場合に比べて判定の精度及び信頼
性が向上するという効果を奏する。なお、この実施の形
態5において、レーダ以外のセンサとしてTVカメラを
例にとり説明した。これに限らず、TVカメラに代えて
他のセンサ、たとえば赤外線センサあるいは超音波セン
サを用いてナンバープレートを読み取ってもよい。ま
た、レーダ以外のセンサにより得る車両情報として車両
の長さ、幅、重量等であってもよい。このとき、たとえ
ば超音波センサあるいは重量センサが用いられる。
【0129】実施の形態6.上記実施の形態1〜5にお
いて、車載局側レーダ部3の電源は、図示されないバッ
テリ等により供給されていた。車載局側レーダ部3は基
地局側レーダ部1に接近したときに動作すればよいか
ら、車載局側の電源を基地局側から供給するように構成
することができる。
【0130】この実施の形態6に係る基地局側レーダ部
1の構成を図14に示す。同図に示された基地局側レー
ダ部1は、図1に示された実施の形態1の車載局側レー
ダ部に切換器29a及び電力供給コード発生器29bが
追加されたものである。切換器29aは、電力供給モー
ドにおいて電力供給コード発生器29bの出力を選択
し、この出力を変調器12に供給する。電力供給コード
発生器29bは、車載局側レーダ部3に対して電力を蓄
電器に蓄えるように指令する電力供給コードを発生す
る。
【0131】また、この実施の形態6に係る車載局側レ
ーダ部3の構成を図15に示す。同図に示された車載局
側レーダ部3は、図2に示された車載局側レーダ部に電
力切換器45、整流器46、蓄電器47が追加されたも
のである。電力切換器45は、車載局側レーダ部3が電
力供給コードを受けたとき、質問コード解読器39の出
力に基づき、アンテナ36により受信された信号を整流
器46に供給する。整流器46は受信信号を整流して直
流信号に変換する。蓄電器47は整流器46が出力する
信号により電力を蓄える。また、図16はこの実施の形
態6に係る自動車IDレーダ装置の処理のフローチャー
トを示す。
【0132】次に、動作について、図14〜16を用い
て説明する。自動車IDレーダ装置は、基地局と車載局
とが接近したときのみ動作する。したがって、自動車I
Dレーダ装置はごく短時間動作すればよく、用いられる
電源は小さな容量で十分である。そこで、車載局側レー
ダ部が必要とする電力を基地局側レーダ部から供給する
ことが可能になる。
【0133】この実施の形態6の自動車IDレーダ装置
は、電源に電力を蓄えるための電力供給モードと質問の
ための質問モードの2つのモードを有する。図17は、
これらのモードの切換タイミングの一例を示している。
車両が基地局から比較的遠方にあるとき電力供給モード
が選択される。車両が接近したとき、質問モードが選択
される。
【0134】電力供給モードにおいて、基地局側レーダ
部1の切換器29aは電力供給コード発生器29bを選
択し、この出力を変調器12に入力する。変調器12は
電力供給コードを変調し、送受切換器15及びアンテナ
16を介して車載局側レーダ部3に送信する(図16の
ST20)。
【0135】車載局側レーダ部3が受信した電力供給コ
ードは、質問コード復調器38より復調され、さらに、
質問コード解読器39により解読される(図16のST
63)。質問コード解読器39は、受信されたコードが
電力供給コードであると判断したとき、電力切換器45
を切り換えて、アンテナ36により受信された信号が整
流器46に入力されるように制御する。整流器46は、
受信された信号を交流から直流に変換して、蓄電器47
に供給する(図16のST64)。このように、電力供
給モードにおいて、蓄電器47は基地局側レーダ部1の
送信信号により充電される。
【0136】車両が基地局側レーダ部にさらに接近する
と蓄電器47が十分に充電されるから、図17に示され
るように、自動車IDレーダ装置は二次レーダによる質
問・応答モードになる。具体的な動作は図16に示され
ている。車載局側レーダ部3は蓄電器47が十分に充電
されたと判断すると、蓄電終了のフラグを応答コードと
して生成する(図16のST65)。そして、車載局側
レーダ部3は、この応答コードを変調して送信する(図
16のST66)。
【0137】基地局側レーダ部1は、この応答コードを
受信すると通常の質問モードに移る(図16のST2
1)。これ以降の動作(図16のST10〜15、ST
50〜54)は前述の実施の形態の場合と同じであるか
ら、その説明は省略する。なお、図17に示される電力
供給終了タイミングを固定にしたいときは、図16に示
されたステップST21、ST65及びST66は不要
である。
【0138】この実施の形態6によれば、車載局側レー
ダ部に基地局側レーダ部の送信信号により充電される蓄
電器を備え、この蓄電器が車載局側レーダ部が動作する
ための電源を供給するようにしたので、車両のバッテリ
等からの電力供給が不要となり、バッテリ等の負荷が小
さくなる。また、バッテリがあがった場合に車載局側レ
ーダ部が動作しなくなるという不具合がなくなる。さら
に、車載局側レーダ部とバッテリとの接続が不要とな
り、車載局側レーダ部の取り付けが容易になる。
【0139】なお、基地局側レーダ部の送信電力が非常
に大きく、質問モードのときの受信信号が蓄電器47の
充電と受信機37の受信処理の両方に使用できるなら、
電力切換器45を、受信信号を所定の電力比で受信器3
7と整流器46の両方に供給する電力分配器で置き換え
ることが可能である。
【0140】実施の形態7.上記実施の形態1〜6にお
いて、アンテナのビームパターンは固定されたものであ
ったが、必要に応じてビームパターンを変化させるよう
にしてもよい。
【0141】図18は、この実施の形態7に係る車載局
側レーダ部3の構成を示す。同図において、車載一次レ
ーダ用送信信号処理器48は、車載局側レーダ部3が一
次レーダとして動作するための送信信号を発生する。こ
の処理器48は、たとえば図8の測距・測速度用パルス
発生器23に相当する。車載一次レーダ用受信信号処理
器52は、車載局側レーダ部3が一次レーダとして動作
するための受信信号処理を行う。この処理器52は、た
とえば図8の測距器26a、測速度器26b、RCS算
出器26cに相当する。車載一次レーダは、たとえば、
前の車両に対する追突を防止するための衝突防止レーダ
である。
【0142】自動車IDレーダ用送信信号処理器49
は、車載局側レーダ部3が二次レーダとして動作するた
めの送信信号を発生する。自動車IDレーダ用受信信号
処理器53は、車載局側レーダ部3が二次レーダとして
動作するための受信信号を発生する。これら処理器49
及び処理器53は、図9の質問コード復調器38、質問
コード解読器39、質問・応答データベース40a〜4
0c、応答コード発生器41に相当する。
【0143】セレクタ50は、車載局側レーダ部3の動
作モードに応じて車載一次レーダ用送信信号処理器48
の出力または自動車IDレーダ用送信信号処理器49の
出力のいずれかを選択して送信機34に対して出力す
る。セレクタ51は、同じく動作モードに応じて受信信
号を車載一次レーダ用受信信号処理器52または自動車
IDレーダ用受信信号処理器53のいずれかに出力す
る。
【0144】コントローラ54は時分割でセレクタ5
0、51を制御するとともに、ビーム形状制御器55を
制御する。図20はこの制御タイミングを示す。ビーム
形状制御器55は、コントローラ54の制御に基づきア
ンテナ36が形成するビームの形状を、車載一次レーダ
用ビーム形状または自動車IDレーダ用ビーム形状のい
ずれかに形成する。図19は、アンテナ36及びビーム
形状制御器55の具体例を示す。
【0145】次に、この実施の形態7の車載局側レーダ
部3の動作について説明する。この実施の形態7の動作
の特徴は、動作モードに応じてアンテナのビーム形状を
制御する点にある。以下、この点について説明する。
【0146】この実施の形態7において、図20に示さ
れるように、車載局側レーダ部3は、基地局と離れてい
るときは車載一次レーダモードである。基地局に接近す
ると、車載局側レーダ部3は自動車IDレーダモードに
なる。このときに、アンテナ36のビーム形状を変化さ
せる。ビーム形状をどのように変化させるかを説明する
前に、図19に示された具体的なビーム形状変化手段に
ついて説明する。
【0147】図19(a)はフェーズドアレー方式を示
す。給電回路102は、ビーム形状制御器55が出力す
るビーム形状制御信号に基づき、アレーアンテナ101
に供給する送信信号あるいはアレーアンテナ101から
の受信信号の位相を調整する。このことによりアンテナ
のビームの指向方向及び形状が調整される。なお、アレ
ーアンテナ101は多数の素子アンテナからなる。
【0148】また、図19(b)はDBF(Digital Bea
m Forming)方式を示す。アレーアンテナ103からの受
信信号は、まずAD変換器104によりデジタル信号に
変換される。DFT105は、これらデジタル信号に対
してDFT(離散的フーリエ変換:Discrete Fourier T
ransform) を行う。この変換の際のパラメータを調整す
ることによりアンテナのビームの指向方向及び形状が調
整される。このDBF方式は同時に多数のビームを形成
できるという特徴がある。
【0149】図21(a)は、フェーズドアレー方式が
用いられた車載一次レーダのアンテナのビームパターン
の例を示している。車両108が必ず検出できるよう
に、このビームパターン107は比較的広い。また、ビ
ームパターン107は、車両を捜索するために、同図の
点線のように左右にスキャンする。図21(b)は、D
BF方式が用いられた車載一次レーダのアンテナのビー
ムパターンの例を示している。マルチビームである点を
除き、図21(b)のビームパターンは図21(a)の
ビームパターンと同じである。
【0150】図22(a)は、図21(a)と同様にフ
ェーズドアレー方式が用いられた車載一次レーダのアン
テナのビームパターンの例を示している。図22(a)
は車両108を追尾するためのビームパターンを示して
いる。このビームパターンの幅は、車両108がカバー
される範囲において、狭くなる。図22(b)は、図2
1(b)と同様にDBF方式が用いられた一次レーダの
アンテナのビームパターンの例を示している。マルチビ
ームである点を除き、図22(b)のビームパターンは
図22(a)のビームパターンと同じである。
【0151】図23(a)は、フェーズドアレー方式が
用いられた自動車IDレーダのアンテナのビームパター
ンの例を示している。ひとつの車線に1台の車両が走行
しているなら、1台の車両108がカバーできるよう
に、このビームパターン107は車線幅と同程度であ
る。このビームパターン107の幅の条件は、他のすべ
ての車線に適用可能である。図23(b)は、DBF方
式が用いられた自動車IDレーダのアンテナのビームパ
ターンの例を示している。マルチビームである点を除
き、図23(b)のビームパターンは図23(a)のビ
ームパターンと同じである。
【0152】図24(a)は、車両が大型車両108a
であるときに必要とされる自動車IDレーダのアンテナ
のビームパターンの例を示している。また、図24
(b)は、車両が小型車両108bであるときに必要と
される自動車IDレーダのアンテナのビームパターンの
例を示している。車両がバスやトラック等の大型車両の
とき、図24(a)に示されるようにビーム幅は広くな
る。車両がバイクや軽自動車当の小型車両のとき、図2
4(b)に示されるようにビーム幅は狭くなる。
【0153】図18のコントローラ54は、車載一次レ
ーダモードのときに、セレクタ50、51が車載一次レ
ーダ用の処理器48、52を選択するように制御する。
同時に、コントローラ54は、ビーム形状制御器55
を、アンテナ36のビームパターンが図21または図2
2のパターンになるように制御する。
【0154】他方、自動車IDレーダモードのときに、
コントローラ54は、セレクタ50、51が自動車ID
レーダ用の処理器49、53を選択するように制御す
る。同時に、コントローラ54は、ビーム形状制御器5
5を、アンテナ36のビームパターンが図23のパター
ンになるように制御する。このとき、コントローラ54
は、車載一次レーダモードのときに得られた目標のRC
Sから目標の大きさを判断し、図24(a)または
(b)のいずれかのパターンを選択することがある。な
お、この実施の形態7において、相手側の基地局側レー
ダ部は固定されていてもよいし、車両に搭載されていて
もよい。
【0155】この実施の形態7によれば、車載局側レー
ダ部のアンテナのビーム形状が、動作モードに応じて適
宜変更されるので、車載局側レーダ部が誤って他の基地
局側レーダ部へ応答を返すことがなくなる。また、車載
局側レーダ部が時分割で動作する車載一次レーダを備え
たので、独立して一次レーダを備える場合に比べ、アン
テナ、送信機、受信機等を共用できる。このことはレー
ダ装置の費用及び取り付けのためのスペースを軽減す
る。なお、この実施の形態7は、車載局側レーダ部に関
するものであったが、この実施の形態7の特徴部分は、
基地局側レーダ部にも適用可能である。
【0156】実施の形態8.基地局側レーダ部1が、さ
らに一次レーダの目標追尾機能を持つようになってもよ
い。図25は、この実施の形態8に係る基地局側レーダ
部1の構成を示す。この基地局側レーダ部1は、図1の
基地局側レーダ部に、以下の6つの要素が追加されたも
のである。これらは、レーダの動作モードに応じて変調
器12の入力信号を切り換える切換器81、一次レーダ
動作のための変調信号を発生する検出・追尾コード発生
器82、一次レーダ動作のときに受信信号を目標検出器
84に対し出力するとともに、二次レーダ動作のときに
受信信号を応答コード復調器18に対し出力する分波器
83、受信信号から目標を検出する目標検出器84、目
標検出器84の出力に基づき追尾処理を行う目標追尾処
理器85、目標追尾処理器85の出力に基づきアンテナ
16を駆動するアンテナ駆動器86である。
【0157】次に、この実施の形態8の基地局側レーダ
部1の動作について説明する。以下において、一次レー
ダの目標追尾機能を中心に説明する。一次レーダ動作に
おいて、受信信号は目標検出器84に入力される。目標
検出器84が道路上に車両を検出したとき、目標追尾処
理器85はこの車両を追尾する。アンテナ駆動器86
は、目標追尾処理器85で得られた追尾情報に基づきア
ンテナ16を特定車両の方向に駆動する。この追尾動作
において、アンテナビームパターンの幅は、図22に示
されるように狭くなる。
【0158】この実施の形態8によれば、基地局側レー
ダ部1が目標追尾機能を備えたので、必要とする車両の
移動に伴いアンテナビームが移動する。これにより、他
の車両からの応答を誤って処理することがなく、装置の
信頼性が向上する。このことは、追尾の際にアンテナビ
ームの幅が狭くなることにより、より確実に達成され
る。したがって、この実施の形態8は、複数の車両から
同時に応答コードが送られたときでも、正しい処理を行
うことができる。
【0159】実施の形態9.なお、実施の形態1の自動
車IDレーダ装置に、さらに、不正車両であると判断さ
れたときに、車両を運転する者に対しその旨の警告を行
うための警告機能を設けてもよい。
【0160】図26は、この実施の形態9に係る基地局
側レーダ部1の構成を示す。この実施の形態9に係る基
地局側レーダ部1は、実施の形態1の基地局側レーダ部
に切換器81及び警報コード発生器87が追加されたも
のである。切換器81は応答コード解読器19の解読結
果に基づき質問コード発生器13の出力または警報コー
ド発生器87のいずれかを選択して変調器に出力する。
この切換動作は時分割で行われる。すなわち、この実施
の形態9の自動車IDレーダ装置は、まず質問モードで
動作し、次に警報モードで動作する。警報コード発生器
87は、応答コード解読器19が不正車両であると判断
したとき、所定の警報コードを発生する。この警報コー
ドは、アンテナ16を介して車載局側レーダ装置3に対
して送信される。
【0161】図27は、この実施の形態9に係る車載局
側レーダ部3の構成を示す。この実施の形態9に係る車
載局側レーダ部3は、実施の形態1の車載局側レーダ部
に分波器56、警報コード復調器57及び警告器インタ
フェース58が追加されたものである。分波器56は、
警報モードのとき、受信機37が出力する受信信号を警
報コード復調器57に出力する。警報コード復調器57
は受信信号から所定の警報コードを復調する。警告器イ
ンタフェース58は、警報コード復調器57が出力する
警報コードを図示されない車載警報表示器に表示させる
(あるいは、音で報知する)。
【0162】この実施の形態9の自動車IDレーダ装置
は、通常、実施の形態1に説明された質問モードで動作
する。しかし、応答内容に基づきレーダ装置が不正使用
されていると判断されたとき、この自動車IDレーダ装
置は警報モードに移行する。基地局側レーダ部1は所定
の警報コードを送信し、車載局側レーダ部3はこの警報
コードを復調して警告する。このことにより、車両の運
転者(あるいは第三者でもよい)は自分の車両が不正な
ものであることがわかり、その後適切な対応をとること
ができる。
【0163】実施の形態10.なお、実施の形態1の自
動車IDレーダ装置がガソリンスタンドや有料駐車場等
に設置される場合、さらに、課金の対象となる給油量や
駐車時間に基づき課金処理を行う機能を持つようにして
もよい。
【0164】図28は、この実施の形態10に係る基地
局側レーダ部1の構成を示す。この実施の形態10に係
るの基地局側レーダ部1は、実施の形態1の基地局側レ
ーダ部に計測器インタフェース88、データ入力器8
9、データベース更新器90、課金データベース91及
び顧客データベース92が追加されたものである。計測
器インタフェース88は、ガソリンスタンドにおける給
油量計測や有料駐車場における駐車時間計測等を行う、
図示されない外部計測器からの給油量や駐車時間等の計
測器データを受信する。データ入力器89は、計測器イ
ンタフェース88から入力される計測器データに基づき
給油料金や駐車料金等の利用料金を計算する。そして、
データ入力器89は、応答コード解読器19から入力さ
れる車両情報データに基づいて、これらの利用料金と利
用者の車両番号,車種等の識別情報とを対応づける。デ
ータベース更新器90は、データ入力器89により求め
られた利用料金及び利用者との対応データに基づき、利
用者の課金に関する情報が記憶されている課金データベ
ース91と顧客に関する情報が記憶されている顧客デー
タベース92の内容を更新する。このとき、利用料金等
の情報は表示器21に表示されるとともに、他機器との
通信を行う通信インタフェース22へ出力される。
【0165】この実施の形態10の自動車IDレーダ装
置によれば、基地局側レーダ部がガソリンスタンドや有
料駐車場等に設置された場合、外部から入力される課金
に関する情報(たとえば、給油量や駐車時間等)に基づ
き課金処理を行うので、有料道路の料金に加えて給油料
金及び駐車場料金等も自動的に課金処理が可能になる。
したがって、さらなる省力化及び合理化が可能になる。
さらに、この自動車IDレーダ装置は、課金データベー
スや顧客データベースを作成及び更新するので、管理者
は、これらデータベースに基づき経営管理及び顧客管理
を容易に行うことができる。
【0166】実施の形態11.信頼性をより高めるため
に、基地局側レーダ部の送信系を二重にして、一方に異
常が発生したときに他方に切り替えるようにしてもよ
い。この実施の形態11に係る基地局側レーダ部1の構
成を図29に示す。201aは送信系A、201bは送
信系Bである。送信系Aは、発振器11a、変調器12
a、質問コード発生器13a、送信機14aからなる。
送信系Bは、発振器11b、変調器12b、質問コード
発生器13b、送信機14bからなる。202は後述の
異常検出器208の出力に基づき動作し、使用中の送信
系に異常が発生したときに他方の送信系を選択する送信
系切換器である。
【0167】203は基地局側レーダ部1のアンテナ1
6から電波が正常に送信されているかどうかを監視する
モニタ系である。モニタ系203は、アンテナ16の出
力の一部を受信するアンテナ204、アンテナ204の
出力に対し受信処理を行う受信機205、受信信号に含
まれる質問コードを復調する質問コード復調器206、
復調した質問コードを解読する質問コード解読器20
7、質問コードの解読結果に基づき現在使用中の送信系
が正常に動作しているかどうか判定するとともに、送信
系切換器202に対し送信系の切換信号を出力する異常
検出器208とからなる。異常検出結果は表示器21及
び通信インタフェース22に対しても出力される。な
お、図29中の発振器11〜通信インタフェース22は
実施の形態1等で示されたものと同一あるいは相当部分
である。
【0168】次に動作について説明する。実施の形態1
等の車載局側レーダ部に対して質問信号を送信するのは
実施の形態1の場合と同じである。モニタ系203は送
信アンテナ16からの電波のうちの一部(たとえばサイ
ドローブによる放射)を受信し、これに含まれる質問コ
ードを解読する。解読された質問コードは、異常検出器
208により異常がないかどうか検査される。ここで質
問信号の異常とは、たとえば次のいずれかの状態をい
う。 (1) 質問コード発生器が故障して正しいコードが送信さ
れない場合 (2) 変調器が故障して正しい変調がされない場合 (3) 送信機が故障して送信されない場合 (4) アンテナが故障して利得が著しく低下した場合 (5) その他、送信系切換器、送受切換器、図示しない導
波管等が故障した場合異常検出器208は上記(1) 〜
(5) いずれの状態も検出できる。
【0169】この動作を図30のフローチャートに基づ
き説明する。 [ST101]異常検出器208は、はじめに質問信号
が受信できたかどうか調べる。送信中であるにもかかわ
らず質問信号が適切に受信できなかった場合は、送信器
の異常と判断し、その結果を表示器21、通信インタフ
ェース22、送信系切換器202に対し送る。 [ST102]次に、解読された質問コードが送られた
コードと一致するかどうか調べる。一致しなかった場合
は変調器の異常と判断し、その結果を、表示器21、通
信インタフェース22、送信系切換器202に対し送
る。一方、一致した場合は送信系は正常に動作している
と判断し、なにもせずに動作を終了する。
【0170】異常検出器208から異常信号を受けたと
き、表示器21はこれを表示し、通信インタフェース2
2は外部へ出力し、送信系切換器202は現在使用して
いない他の送信系の出力を選択する。
【0171】以上のように、この実施の態様11によれ
ば、基地局側レーダ部の送信系を二重にするとともにモ
ニタ系により送信異常を判定して送信系を切り替えるの
で、一方の送信系に異常が生じた場合でも基地局の動作
が停止することがなく、信頼性の高いシステムが得られ
る。
【0172】なお、この実施の形態において、モニタ系
のアンテナにより実際に送信された電波を捕らえてモニ
タした。しかし、アンテナを用いずに送信系切換器20
2あるいは送受切換器15の出力を一部取り出してモニ
タするようにしてもよい。このように構成すればアンテ
ナ204が不要になる。また、モニタ系を複数用いて複
数の箇所(たとえば、アンテナの出力、送信系Aの出
力、送信系Bの出力)をモニタすることにより、故障発
生箇所を具体的に特定することができる。このように構
成すれば、修理を迅速に行うことができて信頼性及び稼
働率が向上する。
【0173】実施の形態12.また、信頼性をより高め
るために車載局側レーダ部の送信系を二重にして、基地
局側レーダ部からの指令に基づき、一方の送信系に異常
が発生したときに他方に切り替えるようにしてもよい。
この実施の形態12に係る基地局側レーダ部1の構成を
図31に示す。209は異常が生じた車両に対して故障
を警告するための異常コードを発生する異常コード発生
器、210は切換器24に対し切換信号を出力する異常
検出器である。正常時は切換器24は質問コード発生器
13の出力を変調器12に供給し、車載局側レーダ部に
異常が生じた場合は切換器24は異常コード発生器20
9の出力を変調器12に供給する。なお、図31中の発
振器11〜切換器24は実施の形態1等で示されたもの
と同一あるいは相当部分である。
【0174】また、この実施の形態12に係る車載局側
レーダ部3の構成を図32に示す。251は解読された
質問コードに基づき異常コードを検出する異常コード検
出器、252は異常コード検出器251の出力に基づき
動作し、使用中の送信系に異常が発生したときに他方の
送信系に切り替える送信系切換器、254aは送信系
A、254bは送信系Bである。送信系Aは、発振器3
1a、変調器32a、送信機34aからなる。送信系B
は、発振器31b、変調器32b、送信機34bからな
る。異常検出結果は表示器253及び応答コード発生器
41に対しても出力される。なお、図32中の発振器3
1〜応答コード発生器41は実施の形態1等で示された
ものと同一あるいは相当部分である。
【0175】次に動作について説明する。車載局側レー
ダ部に対して質問信号を送信するとともに、車載局側レ
ーダ部から応答信号を受信するのは実施の形態1の場合
と同じである。応答コード解読器19により復調された
応答コードは、異常検出器210により異常がないかど
うか検査される。ここで質問信号の異常とは、たとえば
基地局側で質問をしたにもかかわらず、車載局側からの
応答がない状態、あるいはあらかじめ定められたコード
以外のコードを受信する状態をさす。したがって、一定
時間間隔ごとにある設定エリア内に質問を送信するよう
に運用する場合、そのエリア内に車両が存在しない場合
には、基地局側レーダ部1は、質問コードと異常コード
を交互に繰り返して送信することになる。
【0176】異常検出器210の動作を図33のフロー
チャートに基づき説明する。 [ST111]異常検出器210は、はじめに応答信号
が受信できたかどうか調べる。送信中であるにもかかわ
らず応答信号が受信できなかった場合は、送信器の異常
と判断しその結果を表示器21、通信インタフェース2
2、切換器24に対し送る。なお、先に述べたように設
定エリア内に車両が存在しないときも、異常検出器21
0は異常と判断する。 [ST112]次に、応答コードの解読が正常に行われ
たかどうか調べる。正常に行われなかった場合は車載局
側レーダ部の変調器の異常と判断し、その結果を、表示
器21、通信インタフェース22、切換器24に対し送
る。一方、一致した場合は送信系は正常に動作している
と判断し、なにもせずに動作を終了する。
【0177】異常検出器210から異常信号を受けたと
き、表示器21はこれを表示し、通信インタフェース2
2は外部へ出力し、切換器24は異常コード発生器20
9の出力を変調器12に供給する。
【0178】この異常コードを受けて、車載局側レーダ
部3は次のように動作する。異常コード検出器251に
より異常コードが検出されると、異常コード検出信号が
応答コード発生器41、送信系切換器252及び表示器
253に対して出力される。送信系切換器252は応答
コードの出力先を他方の送信系に変えることにより送信
系を切り替える。すなわち、現在使用中の送信系が送信
系Aであれば送信系Bに、現在使用中の送信系が送信系
Bであれば送信系Aに切り換える。同時に、表示器25
3は異常コードを受信したことを表示する。応答コード
発生器41は質問・応答データベース40に基づき対応
するコードを生成する。
【0179】前述したように、エリア内に車両が存在し
ない場合には、基地局側レーダ部1は、質問コードと異
常コードとを交互に繰り返して送信することになる。し
たがって、そのエリア内に入ってきた車両が最初に受け
るコードは、質問コードの場合と異常コードの場合の2
通りある。
【0180】車載局側レーダ部3が最初に質問コードを
受けた場合、現在使用中の送信系が正常なら交信はその
まま続行され、現在使用中の送信系に故障が生じている
なら、次に受信する異常コードに従い送信系が切り替わ
る。一方、車載局側レーダ部3が最初に異常コードを受
けた場合、現在使用中の送信系が正常であろうと故障し
ていようと送信系が切り替わる。次の質問コードに対し
て送信系が正常に動作し、応答した応答コードが基地局
側レーダ部1に到達した場合には交信はこれで完了す
る。しかし、切り替えられた送信系が故障していて応答
コードが基地局側レーダ部1に到達しなかった場合に
は、再度、送信系が切り替わる。
【0181】以上のように、この実施の態様12によれ
ば、車載局側レーダ部の送信系を二重にするとともに、
基地局側レーダ部で送信異常を判定して車載局側レーダ
部に対し送信系を切り替えさせるので、一方の送信系に
異常が生じた場合でも基地局の動作が停止することがな
く、信頼性の高いシステムが得られる。
【0182】実施の形態13.さらに、基地局側レーダ
部に目標検出機能を設けることにより、車両が存在する
場合のみ異常判定を行うようにしてもよい。この実施の
形態13に係る基地局側レーダ部1の構成を図34に示
す。同図に示されたレーダ部は、図31に示されたもの
に、測距・測速度コード発生器23、目標検出器26
d、受信系切換器211を加えたものである。測距・測
速度コード発生器23は切換器24に接続されている。
切換器24は、目標検出器26dの出力及び異常検出器
210の出力に基づき動作する。受信系切換器211
は、切換器24と同期して切り替わり、応答コード復調
器18あるいは目標検出器26dのいずれかに受信信号
を供給する。
【0183】次に動作について説明する。動作の開始時
及び車両が存在しないとき、基地局側レーダ部1は一次
レーダとして動作する。一次レーダにより車両を検出す
る場合、切換器24は測距・測速度コード発生器23の
出力を選択して変調器12に供給する。一方、受信系切
換器211は受信信号を目標検出器26dに供給する。
目標検出器26dにより車両が検出された場合には、基
地局側レーダ部2は二次レーダとして動作する。すなわ
ち、切換器24は質問コード発生器13の出力を選択す
るとともに、受信系切換器211は受信信号を応答コー
ド復調器18に供給する。以下、上記実施の形態12の
場合と同様の処理がなされる。
【0184】以上のように、この実施の態様13によれ
ば、まず一次レーダにより目標を検出してから二次レー
ダによる応答信号の確認を行うので、車両が存在しない
にもかかわらず基地局側レーダ部が異常コードを送信す
ることがなくなる。したがって、車載局側に無駄な切換
動作をさせることはなく、安定したシステムを構成する
ことができる。
【0185】実施の形態14.さらに、基地局側レーダ
部にTVカメラを設けることにより、異常と判定された
ときに車両のイメージ情報を収集するようにしてもよ
い。この実施の形態14に係る基地局側レーダ部1の構
成を図35に示す。同図に示されたレーダ部は、図34
に示されたものに、TVカメラ28及び通信インタフェ
ース22を加えたものである。TVカメラ28は異常検
出器210の検出結果に基づき、相手の車両が応答しな
い、応答内容に異常が認められた場合等に動作し、車両
の形状、ナンバー等を撮影する。通信インタフェース2
2はTVカメラ28により得られたイメージデータを外
部に出力する。
【0186】次に動作について図36のフローチャート
を用いて説明する。 [ST121]異常検出器210は、はじめに応答信号
が受信できたかどうか調べる。受信できたときはST1
22に進み、受信できなかったときは、ST123に進
む。 [ST122]次に、解読された応答コードの解読が正
常に行われたかどうか調べる。正常に行われなかった場
合はST123に進む。一方、正常に解読できた場合は
送信系は正常に動作していると判断し、なにもせずに動
作を終了する。
【0187】[ST123]ST123に処理が進むの
は、応答信号が受信できなかったり、正常に解読できな
かったりして問題が発生している可能性がある場合であ
る。そこで、このステップでは、すでに異常コードを送
信したのかどうか調べ、もしまだ送信していないのであ
れば表示器21、切換器24へ信号を送って異常コード
の送信を開始させる。一方、すでに異常コードを送信し
ているのであれば、TVカメラ28に信号を送り、当該
車両を撮影させる。撮影された画像データは通信インタ
フェース22を介して外部に送信され、図示しないモニ
タテレビ等に表示される。監視者は、このモニタ画像を
見てナンバーを読み取ったり、形状及び色彩等から当該
車両を識別することができる。あるいは画像から直接ナ
ンバーを読み取るようにしてもよい。すなわち、画像か
らナンバプレートを切り出し、切り出されたナンバープ
レートの文字についてテンプレートマッチング等の手法
により識別を行う(詳細は実施の形態27を参照)。な
お、異常検出、切換動作等のTVカメラ28以外の動作
は、上記実施の形態13の場合と同様である。
【0188】以上のように、この実施の態様14によれ
ば、異常コードを送信して車載局側レーダ部の送信系を
切り替えても、なお応答に異常が認められる場合にTV
カメラによってその車両を撮影し、この画像もしくは画
像から得られた登録番号を通信インタフェースを介して
外部に出力することができる。そして、このデータに基
づき外部で当該車両を監視することができる。したがっ
て、信頼性の高いシステムが得られる。
【0189】実施の形態15.上記実施の形態1の基地
局側レーダ部及び車載局側レーダ部にさらに暗号化機
能、暗号解読機能を付加し、通信の秘密を高めるように
してもよい。
【0190】図37は、この実施の形態15に係る基地
局側レーダ部1の構成を示す。同図において、212は
応答コード復調器18が復調した暗号化された応答コー
ドを解読する暗号解読器である。発振器11〜通信イン
タフェース22は実施の形態1で示された構成要素と同
一あるいは相当部分である。
【0191】図38は、この実施の形態15に係る車載
局側レーダ部3の構成を示す。同図において、255は
応答コード発生器41が発生した応答コードを暗号化し
て変調器32に供給する暗号化器である。発振器31〜
応答コード発生器41は実施の形態1で示された構成要
素と同一あるいは相当部分である。
【0192】次に、この実施の形態15の移動体識別シ
ステムの動作について説明する。基地局側レーダ部1は
質問コードで変調した信号をアンテナ16を介して車載
局側レーダ部3に対し送信する。このとき質問コードは
暗号化されていない。質問コードは車両を識別するため
の個別情報とは異なり、一般的な内容であるから暗号化
しなくても問題はない。車載局側レーダ部3では、質問
コードを解読して所定の応答コードを生成した後、暗号
化器255がこの応答コードを暗号化する。車載局側レ
ーダ部3はこの暗号化された応答コードで変調した信号
をアンテナ36を介して基地局側レーダ部1に対し送信
する。基地局側レーダ部1では、応答コードを復調した
後、暗号解読器212が暗号化された応答コードを解読
する。このように車両からの応答コードを暗号化するこ
とにより秘話性が高まり、システムの信頼性が向上す
る。
【0193】次に、暗号化器255及び暗号解読器21
2について説明する。まず暗号化器255であるが、こ
れは応答コード発生器16において生成された応答コー
ドを暗号化するものである。この暗号化は、たとえば応
答コードで生成された車両番号「1234」に2をかけ
て「2468」にするというように、何らかの関数を用
いて入力コードを変換することにより行われる。暗号解
読器212は、暗号化器255で行われた処理の逆を行
うことにより暗号化される前のデータを得る。たとえば
暗号コードが「2468」のとき、これを2で割って
「1234」を得る。
【0194】ここで、暗号化・解読のアルゴリズムはす
べての車両について共通とするが、非公開とする。ま
た、たとえば暗号化前のデータが10ビットに対し、暗
号化後のデータが16ビットとなるようにデータ構成桁
数を増加すれば、万一、暗号化器255を備えない車両
が適当な回路で適当な数字を答えた場合に、それが他人
の車両番号に一致しない確率を増加させることができ
る。すなわち信頼性が向上する。また、応答コード発生
器41で、でたらめな車両番号を生成して、それを暗号
化器255に入力するという不正使用も考えられるが、
これは、質問・応答データベース40、応答コード発生
器41、暗号会器255を一体化して構成し、ブラック
ボックス化することにより防止することができる。
【0195】この実施の形態15によれば、応答コード
を暗号化することにより第三者による不正使用を防止す
ることができて、システムの信頼性が向上する。したが
って、駐車場の自動課金や交通違反の自動取り締まりな
どにおいて、他人の個別情報の不正使用を防止すること
ができる。
【0196】実施の形態16.上記実施の形態1の基地
局側レーダ部及び車載局側レーダ部にさらにチェックデ
ィジット照合機能を付加し、通信の秘密を高めるように
してもよい。
【0197】図39は、この実施の形態16に係る基地
局側レーダ部1の構成を示す。同図において、213は
応答コード解読器19が解読した応答コードを照合する
チェックディジット照合器である。ここで、チェックデ
ィジットとは車両のナンバープレートに明記された車両
番号に対してあとから付加される番号である。発振器1
1〜通信インタフェース22は実施の形態1で示された
構成要素と同一あるいは相当部分である。
【0198】図40は、この実施の形態16に係る車載
局側レーダ部3の構成を示す。同図において、256は
応答コード発生器41が発生した応答コードにチェック
ディジットを付加して変調器32に供給するチェックデ
ィジット付与器である。発振器31〜応答コード発生器
41は実施の形態1で示された構成要素と同一あるいは
相当部分である。
【0199】次に、この実施の形態16の移動体識別シ
ステムの動作について説明する。基地局側レーダ部1は
質問コードで変調した信号をアンテナ16を介して車載
局側レーダ部3に対し送信する。車載局側レーダ部3で
は、質問コードを解読して所定の応答コードを生成した
後、チェックディジット付与器256がこの応答コード
をチェックディジットが付加されたコードに変換する。
車載局側レーダ部3はこのチェックディジットが付加さ
れた応答コードで変調した信号をアンテナ36を介して
基地局側レーダ部1に対し送信する。基地局側レーダ部
1では、応答コードを復調した後、チェックディジット
照合器213がチェックディジットをチェックし、応答
コード解読器19が車両情報データベース20を用いて
応答コードを解読する。このように車両からの応答コー
ドにチェックディジットを付加することにより悪意の第
三者が正規の車載局を装って通信することを抑制でき
て、システムの信頼性が向上する。
【0200】チェックディジットは、たとえば次のよう
なものである。公開された「1234」という車両番号
に対して付加される非公開の「5」という数値である。
このつけかたは、たとえば暗証番号制(登録時に暗証番
号を設定する)にしてもよいし、所定の官庁(たとえば
陸運局)で車両番号からチェックディジットを計算する
ある関数を決定して、使用者に番号を与える際に計算さ
れたチェックディジットを車両に付加するようにしても
よい。
【0201】次にチェックディジット付与器256及び
チェックディジット照合器213の動作について図4
1、図42のフローチャートを用いて説明する。図41
に示されるように、チェックディジット付与器256
は、登録番号のデータ(ST134)及びあらかじめ所
定の官庁等に登録された暗証番号であるチェックディジ
ットのデータ(ST133)を備え、これらを合成して
出力する(ST132)。そして、この出力を応答コー
ドに付加して変調器32に対し出力する(ST13
1)。
【0202】また、図42に示されるように、チェック
ディジット照合器213は、応答コードに含まれる登録
番号とそのチェックディジットとを分離して取り出し
(ST141)、この登録番号に基づきチェックディジ
ットデータベースを検索して対応するチェックディジッ
トを取り出す(ST143)。このチェックディジット
データベースには、たとえば、所定の官庁に登録された
車両の番号それぞれに対応してあらかじめ登録されたチ
ェックディジットが記録されている。そして、車載局側
レーダ部3から得られたチェックディジットとデータベ
ースから得られたチェックディジットとを照合するとと
もに、その照合結果を表示器21、通信インタフェース
22、質問コード発生器13に対し出力する(ST14
2)。
【0203】また、チェックディジット付与器256及
びチェックディジット照合器213の他の動作について
図43、図44のフローチャートを用いて説明する。図
43に示されるように、チェックディジット付与器25
6は、あらかじめ所定の官庁から与えられた計算手段
(ST153)を用いて、登録番号(ST154)から
チェックディジットを求め、登録番号に付与する(ST
152)。そして、この出力を応答コードに付加して変
調器32に対し出力する(ST151)。
【0204】また、図44に示されるように、チェック
ディジット照合器213は、応答コードに含まれる登録
番号とそのチェックディジットとを分離して取り出し
(ST161)、この登録番号に基づきチェックディジ
ット計算手段データベース(ST163)を検索して対
応する関数を取り出す。そして、この関数により登録番
号及び質問コードを計算する(ST164)。車載局側
レーダ部3から得られたチェックディジットとチェック
ディジット計算手段により得られたチェックディジット
とを照合するとともに、その照合結果を表示器21、通
信インタフェース22、質問コード発生器13に対し出
力する(ST162)。ここで関数は、たとえば実施の
形態16に示されたものである。
【0205】この実施の形態16によれば、応答コード
にチェックディジットを付与することにより第三者によ
る不正使用を防止することができて、システムの信頼性
が向上する。したがって、駐車場の自動課金や交通違反
の自動取り締まりなどにおいて、他人のナンバープレー
ト登録番号等の個別情報の不正使用を防止することがで
きる。さらに、質問内容などに応じてチェックディジッ
トを変化させることができるので、不正使用をより確実
に防止することができる。
【0206】実施の形態17.上記実施の形態1の基地
局側レーダ部にさらに干渉防止機能を付加し、安定に動
作するようにしてもよい。
【0207】図45は、この実施の形態17に係る基地
局側レーダ部1の構成を示す。同図において、214は
複数の車載局側レーダ部から信号を受信することにより
干渉が生じているかどうかを検出する干渉検出器、21
5は干渉検出器214の出力に基づきアンテナ16のビ
ーム形状を制御して干渉を低減するビーム形状制御器で
ある。
【0208】次に、図45のように構成された基地局側
レーダ部1の動作について説明する。基地局側レーダ部
1の基本的な動作は前述の実施の形態の場合と同様であ
る。干渉検出器214は、応答コード復調器18により
復調された応答コードに基づき、受信波に干渉が生じて
いるかどうか判定する。ここで干渉とは次のような状態
をいう。 (1) アンテナのビーム覆域内に複数の車両が存在し、こ
れらの車両が同じ周波数で同時にメッセージを送信する
場合(図46(a)あるいは図47(a)の場合) (2) アンテナのビーム覆域内に車両は1台しか存在しな
いが、建物、道路等において電波が反射されることによ
り生じるマルチパスにより、基地局側レーダ部のアンテ
ナに同じ信号が2つに別れて時間的にずれて入射する場
【0209】干渉検出器214は次のような方法により
干渉の有無を検出する。 (1) 復調されたコードが規定された形式になっているか
どうか たとえば、2台の車両から同種の信号が同時に送信され
たときは2つのコードの内容が混在しているから、あら
かじめ定められたパターンであるかどうか、あるいはパ
リティが正しいかを調べる。また、2台の車両から同種
の信号が少し時間をあけて送信されたときは、コード
(送信信号)の長さはあらかじめ決められた長さを越え
ているかどうかを調べる。なお、マルチパスによる干渉
の場合も同様である。 (2) 復調されたコードにあらかじめ定められたコードが
含まれているかどうか たとえば、通信コードの最初に、ある決められたコード
を必ず挿入するように取り決められているとする。干渉
検出器214は復調されたコードの最初の部分を調べ、
これが前述の決められたコードであるかどうか判定す
る。 (3) その他、一定強度の電波を受信しているのに正常に
復調できるかどうか あるレベル以上の電波を受信できるのだから車載局側レ
ーダ部3の送信系及び基地局側レーダ部1の受信系は正
常だと考えられる。にもかかわらず正常に復調できない
とき(正常なコードが得られないとき)は干渉が発生し
ている可能性がある。
【0210】干渉検出器214は、以上の(1) 〜(3) い
ずれかの方法で干渉の有無を判断する。決められたコー
ドを受信できる場合には干渉は発生しておらず、正常に
受信できたと判定し、そうでない場合は干渉が発生して
いると判定する。干渉が発生していると判定したとき
に、干渉検出器214はビーム形状制御器215に対し
て制御信号を出力する。
【0211】ビーム形状制御器215は、干渉検出器2
14の出力に基づき、アンテナ16のビーム形状を制御
する。ビーム形状の状態はいくつかあらかじめ設定され
ており、ビーム形状制御器215はこれらの状態のうち
のいずれかを選択する。このとき、ビームがどのような
状態であれば干渉を防止できるか、あらかじめ知るのは
困難である。そこで、ビーム形状制御器215は複数の
ビーム形状を一定の順番で、あるいはランダムに変え続
けることにより結果として干渉を防止する。
【0212】この動作について図46及び図47に基づ
き説明する。上から見た図46(a)は、干渉が発生し
ている状態を示している。すなわち、アンテナ16の覆
域内に2台の車両CAR1とCAR2が存在し、それぞ
れ同時に応答信号を送信している。ところで、同図は、
2車線以上の広い道路で2台の車両が横に並んでいる状
態を示しているから、干渉を防止するにはアンテナ16
のビームを水平方向に狭く絞り、その覆域内に車両が1
台しか存在しないようにすればよい。この状態を図46
(b)に示す。狭いビームBEAM1は車両CAR1の
みを捕らえ、一方、他の狭いビームBEAM2は車両C
AR2のみを捕らえている。したがって干渉を防止でき
る。
【0213】横から見た図47(a)は、干渉が発生し
ている状態を示している。すなわち、アンテナ16の覆
域内に2台の車両CAR1とCAR2が存在し、それぞ
れ同時に応答信号を送信している。ところで、同図は、
2台の車両が続行している状態を示しているから、干渉
を防止するにはアンテナ16のビームを垂直方向に狭く
絞り、その覆域内に車両が1台しか存在しないようにす
ればよい。この状態を図47(b)に示す。狭いビーム
BEAM1は車両CAR1のみを捕らえ、一方、他の狭
いビームBEAM2は車両CAR2のみを捕らえてい
る。したがって干渉を防止できる。
【0214】ビーム形状制御器215は、干渉がなくな
るまで、図46(b)及び図47(b)のBEAM1、
BEAM2のすべてあるいは一部のビームを、順々にあ
るいはランダムに形成していく。
【0215】なお、BEAM1とBEAM2とを交互に
形成してもよいし、同時に形成してもよい。このときに
用いるアンテナ16はフェーズドアレーアンテナのよう
な電子走査アンテナが望ましい。また、デジタルビーム
フォーミング(DBF)アンテナを用いれば複数のビー
ムを同時に形成できるので干渉を除去するまでの時間の
点でさらに有利になる。
【0216】以上の制御の結果、干渉がなくなれば干渉
検出器214の出力は停止し、アンテナ16のビーム形
状はその状態のまま保持される。一方、なお干渉が発生
するようであれば、干渉検出器214は制御信号を出力
しつづけるからビーム形状は変化する。これを繰り返す
ことによりアンテナ16のビーム形状は干渉が生じなく
なるまで繰り返し修正されて、基地局側レーダ部1にお
ける干渉を防止することができる。
【0217】この実施の形態17によれば、干渉防止機
能を備えるので、複数の車載局側レーダ部から同時に信
号を受信する場合でも干渉を防止できて、システムの動
作が安定し信頼性が向上する。
【0218】実施の形態18.上記実施の形態17はア
ンテナのビーム形状を制御することにより干渉を防止し
たが、周波数を制御することにより干渉を防止するよう
にしてもよい。
【0219】図48は、この実施の形態18に係る基地
局側レーダ部1の構成を示す。同図において、216は
干渉検出器214の出力に基づき基地局側レーダ部1と
車載局側レーダ部3との間の通信の周波数を発振器1
1、受信機17及び周波数コード発生器217に対して
指示する周波数切換指示器、217は周波数切換指示器
216の出力に基づき、車載局側レーダ部3に対して所
定の周波数を選択させる周波数コードを発生する周波数
コード発生器である。
【0220】図49は、この実施の形態18に係る車載
局側レーダ部3の構成を示す。同図において、257は
送られてきた周波数コードを解読する基地局周波数コー
ド解読器、258は解読された周波数コードに基づき発
振器31の発振周波数を制御するとともに、受信器37
の受信周波数を制御する周波数切換指示器である。
【0221】次に、図48のように構成された基地局側
レーダ部1、及び図49のように構成された車載局側レ
ーダ部3の動作について説明する。基地局側レーダ部1
及び車載局側レーダ部3の基本的な動作は前述の実施の
形態の場合と同様である。
【0222】基地局側レーダ部1の干渉検出器214
は、応答コード復調器18により復調された応答コード
に基づき、受信波に干渉が生じているかどうか判定す
る。干渉が生じていると判定された場合には、周波数切
換指示器216で切換周波数を決定し、それを周波数コ
ード発生器217に送るとともに、切換器24の入力を
周波数コード発生器217側に切り替える。これにより
符号化された設定周波数の信号が変調器12において変
調されてアンテナ16を介して車載局側レーダ部3に照
射される。
【0223】ここで質問・応答に用いられる周波数がf
1 、f2 、・・・、fn であるとする。干渉が発生して
いないときは、通常、周波数f1 で通信が行われる。し
かし、干渉が発生したときは周波数f2 に移る。それで
も干渉が解消しないときはさらに次の周波数f3 に移
る。周波数fn まで同様の処理が順次繰り返される。2
台までの車両に対応するのであれば最低限の周波数はf
1 、f2 の2つでよい。3台までの車両に対応するので
あれば最低限の周波数はf1 、f2 、f3 の3つでよ
い。
【0224】このとき、複数の車載局のうち必要な方の
み周波数を変更させなければならない。したがって、相
手方の車両を特定するために、設定周波数のコードは車
両番号とともに送信される。この後、周波数切換指示器
216は、発振器11及び受信器17の周波数を上記設
定周波数に合わせる。この周波数設定コードはたとえば
次のようなものである。 (周波数を変更すべき車両の識別番号、周波数切換命
令、変更後の周波数)
【0225】車載局側レーダ部3の周波数コード解読器
257は、質問コード復調器38により復調された復調
信号を検査し、周波数変更指示コードを受信したかどう
か検査する。前述のように周波数変更指示コードは車両
番号コードとともに送られてくるから、周波数コード解
読器257はこの車両番号コードが自身の車両番号と一
致したときのみこの周波数コードを解読し、周波数切換
指示器258に対して出力する。周波数切換指示器25
8は発振器31の発振周波数及び受信器37の受信周波
数を設定値に合わせる。
【0226】具体例として、周波数のチャネルが複数
(たとえば2つ、CH1,CH2)ある場合を考える。
これらチャネルは一方が主で他方が副であってもよい
し、両方が平等に扱われてもよい。いずれのチャネルも
他のチャネルと重なることがないように設定されてい
る。最初、CH1で通信を行っていたとする。この状態
で干渉が生じたら基地局側レーダ部1は、車載局側レー
ダ部3に対して通信チャネルをCH2に変えるよう命令
を出す。この命令はCH1で行う。その後に基地局側レ
ーダ部1は通信チャネルをCH2に変える。そして、車
載局側レーダ部3は、上記命令を受けて通信チャネルを
CH2に変更する。以上の処理により、基地局側レーダ
部1及び基地局側レーダ部1により特定された車載局側
レーダ部3いずれも新しく設定された周波数を用いて送
受信を行う。
【0227】この実施の形態19によれば、干渉防止機
能を備えるので、複数の車載局側レーダ部から同時に信
号を受信する場合でも干渉を防止できて、システムの動
作が安定し信頼性が向上する。
【0228】実施の形態19.上記実施の形態17の基
地局側レーダ部は、同じアンテナを用いつつ、ビーム形
状を切り替えることにより干渉を防止したが、複数のア
ンテナを備え、使用するアンテナを切り替えることによ
り干渉を防止するようにしてもよい。
【0229】図50は、この実施の形態19に係る基地
局側レーダ部1の構成を示す。同図において、218は
干渉検出器214の出力に基づき、2つのアンテナ16
aあるいは16bのいずれか一方と送受切換器15とを
接続するアンテナ切換器である。
【0230】次に、図50のように構成された基地局側
レーダ部1の動作について説明する。基地局側レーダ部
1の基本的な動作は前述の実施の形態の場合と同様であ
る。干渉検出器214は、応答コード復調器18により
復調された応答コードに基づき、受信波に干渉が生じて
いるかどうか判定する。
【0231】アンテナ切換器218は、干渉検出器21
4の出力に基づき、アンテナ16a,16bの一方を選
択する。これら2つのアンテナは、互いに異なるビーム
形状を有するから、アンテナ切換によりビーム形状を切
り替えたのと同じ効果が得られる。
【0232】この動作について図51及び図52に基づ
き説明する。上から見た図51(a)は、アンテナ16
aの覆域内に車両CAR1が、アンテナ16bの覆域に
車両CAR2が存在する状態を示す。マルチパス等によ
り干渉が発生している場合、アンテナを切り換えること
により干渉を防止できる。なお、さらにアンテナ16c
を備え、点線のように車両CAR1、CAR2の両方を
同時に含むビームを形成するようにしてもよい。このと
き、アンテナ切換器218は、アンテナ16a〜16c
を順次、あるいはランダムに選択する。ところで、図5
1(b)のようにアンテナ16a,16bの覆域どうし
が少し重なるようにしてもよい。
【0233】横から見た図52(a)は、アンテナ16
aの覆域内に車両CAR1が、アンテナ16bの覆域に
車両CAR2が存在する状態を示す。マルチパス等によ
り干渉が発生している場合、アンテナを切り換えること
により干渉を防止できる。なお、さらにアンテナ16c
を備え、点線のように車両CAR1、CAR2の両方を
同時に含むビームを形成するようにしてもよい。このと
き、アンテナ切換器218器は、アンテナ16a〜16
cを順次、あるいはランダムに選択する。ところで、図
52(b)のようにアンテナ16a,16bの覆域どう
しが少し重なるようにしてもよい。この場合、共通覆域
部分に車両があればアンテナ16a,16bを交互に切
り換えれば同一車両について質問・応答を継続できる。
【0234】アンテナ切換器218は、干渉がなくなる
まで、図51(b)及び図52(b)のBEAM1、B
EAM2のすべてあるいは一部のビームを、順々にある
いはランダムに形成していく。
【0235】この実施の形態19によれば、干渉防止機
能を備えるので、複数の車載局側レーダ部から同時に信
号を受信する場合でも干渉を防止できて、システムの動
作が安定し信頼性が向上する。
【0236】実施の形態20.上記実施の形態17〜1
9の基地局側レーダ部は、複数の車載局側レーダ部から
の信号のうち必要なもののみを受信するようにすること
により干渉を防止したが、不要な車載局側レーダ部に対
して応答を禁止することにより干渉を防止するようにし
てもよい。
【0237】図53は、この実施の形態20に係る基地
局側レーダ部1の構成を示す。同図において、219は
複数の車載局の電波により干渉が生じたときに応答コー
ド解読器19の解読結果に基づき応答させる車載局を決
定する干渉応答局決定器、220は応答局決定器219
の出力に基づき応答局の指定コードを発生する応答局指
定コード発生器である。
【0238】図54は、この実施の形態20に係る車載
局側レーダ部3の構成を示す。同図において、259は
質問コード復調器38の復調結果に基づき自局が応答局
に指定されたかどうか解読する応答局指定コード解読
器、260は応答局指定コード解読器259の出力に基
づき、自局が指定されなかったときに応答を停止させる
応答選択スイッチである。
【0239】次に、図53のように構成された基地局側
レーダ部1の動作、及び図54のように構成された車載
局側レーダ部3の動作について説明する。基地局側レー
ダ部1及び車載局側レーダ部3の基本的な動作は前述の
実施の形態の場合と同様である。干渉検出器214は、
応答コード復調器18により復調された応答コードに基
づき、受信波に干渉が生じているかどうか判定する。
【0240】複数の移動局の電波により干渉が生じてい
ると判定された場合には、応答局決定器219が応答さ
せる局を決定し、応答局指定コード発生器220で応答
局指定コードを発生させるとともに、切換器24を応答
局指定コード発生器220側に切り替える。応答局指定
コードは、発振器6の出力信号を用いて変調器12で変
調した後、アンテナ16を介して車載局側レーダ部3に
対して照射される。この応答局指定コードはたとえば次
のようなものである。(応答すべき車両(あるいは応答
を禁止する車両)の識別番号、応答許可(あるいは応答
禁止)命令)
【0241】車載局側レーダ部3の応答局指定コード解
読器259は、質問コード復調器38で復調された信号
に応答局指定コードが含まれるかどうか判定する。応答
局指定コードが検出された場合は、自分の局コードを質
問・応答データベース40に照合し、これら応答局指定
コードと自局コードとが一致するかどうか調べる。一致
しない場合には、応答選択スイッチ260を開き、応答
を禁止する。以上の動作により、基地局側から指定され
た車載局のみが応答するので、干渉を防止することがで
きる。
【0242】ここで、応答局決定器219は、たとえば
車両Aと交信している途中に未知の車両の交信割り込み
で干渉が生じたような場合に、まず、個別情報が既知の
車両Aを応答局に決定する。そこで、両方の車両の個別
情報を用いた応答局指定コードを送信し、不一致の未知
局の応答を停止させる。車両Aとの交信が終了したら、
通常の質問コードを送信し未知局との交信を開始する。
【0243】この実施の形態20によれば、干渉防止機
能を備えるので、複数の車載局側レーダ部から同時に信
号を受信する場合でも干渉を防止できて、システムの動
作が安定し信頼性が向上する。
【0244】実施の形態21.図55は、この実施の形
態21に係る基地局側レーダ部1の構成を示す。同図に
おいて、221は応答コード解読器19の解読結果を緊
急車両運用データベース222の内容と比較することに
より、応答した車両が救急車、消防車、パトロールカー
等の緊急車両であるかどうか判定する緊急車両判定器、
223は緊急車両判定器221の判定結果に基づき交通
信号を制御する交通信号制御装置である。
【0245】次に、図55のように構成された基地局側
レーダ部1の動作について説明する。基地局側レーダ部
1の基本的な動作は前述の実施の形態の場合と同様であ
る。応答コード解読器19により解読された車両の車両
番号、車種、所有者等の車両の個別情報は、緊急車両判
定器221で緊急車両運用データベース222のデータ
と比較することにより、その車両が緊急車両かどうか判
定される。緊急車両であると判定された場合は、表示器
21がその旨表示し、緊急車両が通行したことを通信イ
ンターフェース22を介して出力するとともに、交通信
号制御装置223が、緊急車両が最適に運用されるよう
に、たとえば交差点の信号をすべて赤にするように交通
信号を制御する。
【0246】以上のように、この実施の形態21によれ
ば、車両が緊急車両であるかどうか判定し、緊急車両で
あるときは交通信号を制御するので、緊急車両の最適な
運用が可能になる。
【0247】実施の形態22.上記実施の形態21は基
地局側レーダ部1に送信機能を、車載局側レーダ部3に
受信機能をそれぞれ備える場合であったが、基地局側レ
ーダ部1を受信機能のみ、車載局側レーダ部3を送信機
能のみとしてもよい。
【0248】図56は、この実施の形態22に係る基地
局側レーダ部1の構成を示す。同図において、224は
緊急車両からの信号をコードに復調する応答緊急車両コ
ード復調器である。図57は、この実施の形態22に係
る車載局側レーダ部3の構成を示す。同図において、2
61は緊急車両コードを発生する緊急車両コード発生器
である。
【0249】次に動作について説明する。図57の車載
局側レーダ部3は常時送信しているか、あるいは図示し
ないスイッチにより自動あるいは手動で送信命令が与え
られる。一方、図56の基地局側レーダ部1は常時受信
状態にある。通常車載局側レーダ部3を搭載した緊急車
両が道路等を通行する際には、緊急車両コード発生器2
61が発生した緊急車両コードが基地局側レーダ部1に
対して送信される。基地局側レーダ部1で受信・復調さ
れたコードは、緊急車両判定器221で緊急車両運用デ
ータベース222のデータと比較することにより、その
車両が緊急車両かどうか判定される。緊急車両であると
判定された場合は、表示器21がその旨表示し、緊急車
両が通行したことを通信インターフェース22を介して
出力するとともに、交通信号制御装置223が、緊急車
両が最適に運用されるように、たとえば交差点の信号を
すべて赤にするように交通信号を制御する。
【0250】以上のように、この実施の形態22によれ
ば、車両が緊急車両であるかどうか判定し、緊急車両で
あるときは交通信号を制御するので、緊急車両の最適な
運用が可能になる。また、質問・応答の手順を踏まない
ので構成が簡単になるとともに、システムの信頼性が著
しく向上する。さらに、質問・応答の手順を踏まないの
で欺瞞することは困難であり、車載局側レーダ部の管理
さえ確実に行えば、緊急車両でないのに有利な取り扱い
を受けるという不正行為を防止することができる。
【0251】実施の形態23.図58は、この実施の形
態23に係る基地局側レーダ部1の構成を示す。同図に
おいて、225は目標の位置及び速度に基づき交通信号
の表示時間を求める信号表示時間算出器である。発振器
11〜交通信号制御装置223は上記実施の形態に示さ
れたものと同一あるいは相当部分である。
【0252】次に、図58のように構成された基地局側
レーダ部1の動作について説明する。基地局側レーダ部
1の基本的な動作は前述の実施の形態の場合と同様であ
る。車両の測距、測速度を行う際には、測距、測速度コ
ード発生器23で生成された測距、測速度コードを、発
振器11の出力信号を用いて変調器12で変調した後、
送信器14及び送受切換器15を介してアンテナ16か
ら送信する。目標より反射されたエコーは、同じくアン
テナ16及び送受切換器15を介して受信機17で受信
される。目標検出器26dは目標の検出を行い、測距器
26aはこの目標までの距離を測定し、測速度器26b
はこの目標の速度を測定する。
【0253】信号表示時間算出器225は、これら目標
検出器26d、測距器26a、測速度器26bにより求
められた車両の位置(距離)、速度に基づき、車両の通
過に最適な交通信号の表示時間を算出する。信号表示時
間算出器225の出力は交通信号制御装置223に入力
され、交通信号の制御に用いられる。たとえば、交差点
で一方の道路Aに通行車両が存在せず、もう一方の道路
Bにのみ車両が存在する場合には、Bの信号の青色点灯
時間を延長したり、遠方で検出した車両までの距離と速
度から、その車両が信号を通過するまでの時間を推定
し、その車両がスムーズに信号を通過できるようなタイ
ミングで交通信号を切り替えたりする。
【0254】以上のように、この実施の形態23によれ
ば、車両の位置及び速度に基づき交通信号を制御するの
で、車両の流れがスムーズになる。
【0255】実施の形態24.図59は、この実施の形
態24に係る基地局側レーダ部1の構成を示す。同図に
おいて、226は交通法規データベース227に基づき
交通違反の有無を判定する交通違反判定器、228は違
反車両に対して警告を行うための交通違反警告コード発
生器、229は駐車違反を判定するためのタイマーであ
る。
【0256】図60は、この実施の形態24に係る車載
局側レーダ部3の構成を示す。同図において、262は
基地局側レーダ部1からの警告コードを検出する交通違
反コード検出器、263は警告を表示する表示器であ
る。
【0257】次に動作について説明する。この実施の形
態24のシステムにおける処理は、1次レーダにより車
両の交通違反を検出するステップ、交通違反の場合には
その車両の情報を入手するステップ、交通違反の車両に
対して警告するステップの3つのステップからなりたっ
ている。
【0258】[交通違反検出ステップ]車両の距離及び
速度を測定する際には、測距・測速度コード発生器23
で生成された測距・測速度コードを切換器24を介して
変調器12に送る。変調された測距・測速度コードはア
ンテナ16を介して車両に照射される。車両により反射
された電波は受信機17により検波される。検波された
信号は、受信系切換器211を介して測距・測速度の処
理を行う系統に供給される。目標検出器26dが目標を
検出し、測距器26aが目標までの距離を測定し、測速
度器26bが目標の速度を測定する。同時にタイマー2
29により車両の駐停車時間の算出を行う。これら目標
の速度、駐停車時間に基づき、交通違反判定器226は
交通法規データベースを検索し、速度違反や駐停車など
の交通違反を判定する。
【0259】[交通違反車両の個別情報入手ステップ]
ある車両が交通違反と判定された場合には、切換器24
を質問コード発生器13側に切り替えるとともに受信系
切換器211の出力を応答コードの処理を行う2次レー
ダ受信系統に切り替える。質問コード発生器13で生成
された質問コードを用いて交通違反車の個別情報を得
る。
【0260】[交通違反車への警告ステップ]次に、切
換器24を交通違反警告コード発生器228側に切り替
えて、交通違反を侵した車両に交通違反警告コードを送
信するとともに、通信インタフェース22に違反者の個
別情報及びその違反内容を出力する。
【0261】車両局側レーダ部3において、質問コード
解読器39で解読されたコードが交通違反警告コードで
あるとき、交通違反コード検出器262がこれを検出
し、表示器263にその旨を表示して、運転者に注意を
促す。交通違反警告コードは、たとえば図61に示すよ
うに、当該違反が発生した場所コード、違反内容コー
ド、当該車両の車両個別情報からなる。
【0262】図62、63のフローチャート及び図64
の説明図を用いて、違反の形態ごとにさらに具体的に説
明する。 <速度違反>速度違反の状態とは、図64(a)に示す
ように、車両がアンテナ16に向かって(反対方向に)
法定速度VT 以上(−VT 以下)で走行する状態であ
る。この状態を検出するために基地局側レーダ部1は、
図62のフローチャートに従い、次のように動作する。
【0263】[ST01]一次レーダを用いた検出モー
ドで動作し車両を検出する。すなわち、測距・測速度コ
ード発生器23、及び目標検出器26d、測距器26
a、測速度器26b、交通違反判定器226が選択され
る。 [ST02]車両が検出されたかどうか判定し、判定さ
れた場合は次のステップST03に進む。判定されない
場合はステップST01を繰り返す。 [ST03]一次レーダを用いて車両までの距離及び車
両の速度を測定する。
【0264】[ST04]交通法規データベース227
に記憶された法定速度VT と、測定された車両の速度V
とを比較する。0<V≦VT の場合は交通違反状態では
ないからこの車両に関する処理を終了する。V>VT
場合は速度違反であるからステップST10に進む。V
≦0の場合は駐車違反、あるいは進入禁止違反の可能性
があるからステップST21に進む。この場合の処理に
ついては後述する。なお、V≦0の条件をV≦VS とす
ればUターン禁止違反について処理することもできる。
【0265】[ST10]質問コードを発生・送信す
る。すなわち、質問コード発生器13、及び応答コード
復調器18、応答コード解読器19が選択される。 [ST11]車両からの応答コードを受信・復調する。 [ST12]交通違反警告コード発生器228が選択さ
れ、交通違反警告コードを発生・送信する。 [ST13]通信インタフェース22へ車両の個別情報
及び違反の状態を出力する。
【0266】<駐車違反>駐車違反の状態とは、図64
(b)に示すように、車両が一定時間TT 以上停止して
いる状態である。この状態を検出するために基地局側レ
ーダ部1は次のように動作する。ステップST01〜S
T04の処理は速度違反の場合と同じである。 [ST21]ステップST04において車両の速度V≦
0であると判定されたとき、さらにV<0であるかどう
か判定する。V<0のときステップST10に進み、進
入禁止の判定処理を行う。この処理については後述す
る。V<0でないとき、V=0であるから車両は停止し
ている可能性がある。そこでステップST22に進み、
駐車違反の判定処理を行う。
【0267】[ST22]ステップST10と同様に、
質問コードを発生・送信する。 [ST23]ステップST11と同様に、応答コードを
受信・復調する。 [ST24]応答コードから得られた車両識別番号を記
憶する。 [ST25]タイマー229をリセットし、t=0とす
る。 [ST26]一次レーダを用いた検出モードで動作し車
両を検出する。すなわち再び、測距・測速度コード発生
器23、及び目標検出器26d、測距器26a、測速度
器26b、交通違反判定器226が選択される。
【0268】[ST27]ステップST02と同様に、
車両を検出したかどうか判定する。 [ST28]ステップST03と同様に、車両までの距
離及び車両の速度を測定する。 [ST29]車両の速度Vが0であるかどうか判定す
る。V=0であれば処理を継続する。そうでなければ車
両が動きだしたことを意味するから駐車違反状態は解消
する。したがって処理を終了する。
【0269】[ST30]ステップST10と同様に、
質問コードを発生・送信する。 [ST31]ステップST11と同様に、応答コードを
受信・復調する。 [ST32]ステップST30,31で得られた車両識
別番号と、ステップST22、23で得られ、ST24
で記憶された車両識別番号とが一致するかどうか判定す
る。一致した場合は同一の車両が停止し続けた状態、す
なわち駐車状態を意味し、ステップST33に進み延べ
の駐車時間を求める。一致しない場合は車両が動きだし
たことを意味するから駐車違反状態は解消する。したが
って処理を終了する。
【0270】[ST33]ステップST26〜32に要
した時間td (あるいは所定の時間、たとえば1分なら
1分と決められた時間)を駐車時間tに加算(t←t+
d )してタイマー229にセットする。このようにし
て延べの駐車時間が求められる。 [ST34]延べの駐車時間tが許される駐車時間tT
を越えたかどうか判定する。越えている場合は当該車両
は駐車違反したことになるからステップST12,13
に進み当該車両に警告を与えるとともに、その情報を外
部に出力する。越えていない場合はステップST26に
戻り、当該車両の監視を続ける。
【0271】<進入禁止違反>進入禁止違反の状態と
は、図64(c)に示すように、一方通行道路を逆方向
(基準となる方向と反対方向)に走行する状態である。
車両の速度Vの正の方向を一方通行の方向としたとき、
V<0であれば進入禁止違反状態である。ステップST
01〜ST04の処理は速度違反の場合と同じである。 [ST21]車両の速度Vが負であるかどうか判定す
る。負であれば進入禁止違反であるからステップST1
0〜13の処理を行い、当該車両の情報を入手するとと
もに、当該車両に警告を与え、その情報を外部に出力す
る。なお、車両の速度Vが正であるときは駐車違反の可
能性があるから、前述のようにステップST22に進
む。
【0272】<Uターン禁止違反>Uターン禁止違反の
状態とは、Uターン禁止の領域であるにもかかわらず、
図64(d)に示すように、まず、車両がアンテナ16
に向かって進行し、次にアンテナ16の指向方向と直交
する方向に動き、さらに、アンテナから遠ざかる方向に
進行する(あるいはこの逆の順序で進行する)状態であ
る。すなわち、ある車両のアンテナ16に対する速度変
化を監視し、正の速度(負の速度)→0→負の速度(正
の速度)となれば当該車両はUターンしたことになる。
この状態を検出するために基地局側レーダ部1は、図6
3のフローチャートに従い、次のように動作する。
【0273】[ST01]一次レーダを用いた検出モー
ドで動作し車両を検出する。すなわち、測距・測速度コ
ード発生器23、及び目標検出器26d、測距器26
a、測速度器26b、交通違反判定器226が選択され
る。 [ST02]車両が検出されたかどうか判定し、判定さ
れた場合は次のステップST03に進む。判定されない
場合はステップST01を繰り返す。 [ST03]一次レーダを用いて車両までの距離及び車
両の速度を測定する。
【0274】[ST04]車両の速度を所定の速度VS
を基準に判定する。この速度VS はUターン判定の基準
となる速度である。一般的に、法定速度以内で巡航して
いる場合には、車両は急激な転回はできずUターンする
ことはありえない。Uターンするには、車両はまず転回
可能な速度まで減速し、その後、転回しなければならな
い。したがって、速度がVS 以下になった車両について
のみUターンするかどうか判定すればよい。所定の速度
S は以上の観点からあらかじめ定められる。
【0275】V>VS であれば当該車両は転回速度以上
であるからUターンすることはない。したがって当該車
両についてのUターンの監視を終了する。0<V≦VS
であれば当該車両が転回する可能性がある。あるいはす
でに転回中の可能性もある。したがって再度このステッ
プST04の処理を繰り返す。その後に再びV>VS
なれば当該車両が転回する可能性はないとして監視を終
了する。V>0からV<0となれば当該車両はUターン
したと判定され、ステップST10に進む。
【0276】[ST10]質問コードを発生・送信す
る。すなわち、質問コード発生器13、及び応答コード
復調器18、応答コード解読器19が選択される。 [ST11]車両からの応答コードを受信・復調する。 [ST12]交通違反警告コード発生器228が選択さ
れ、交通違反警告コードを発生・送信する。 [ST13]通信インタフェース22へ車両の個別情報
及び違反の状態を出力する。
【0277】この実施の形態24によれば、交通違反を
検出する機能を備えるので、車両を特定して自動的に交
通違反を摘発することができるのみならず、運転者に対
して交通違反を警告できるので、交通違反状態を速やか
に解消することが期待できて交通秩序を維持することが
できる。
【0278】実施の形態25.図65は、この実施の形
態25に係る基地局側レーダ部1の構成を示す。同図に
おいて、230は車両の駐車時間を計測するためのタイ
マー、231は課金情報を生成する通信データ生成器、
232は車両が駐車している駐車場のコードを発生する
駐車場コード発生器である。
【0279】次に、図65のように構成された基地局側
レーダ部1の動作について、図66のフローチャートを
用いて説明する。この基地局側レーダ部1は、駐車場を
監視し、車両が駐車している場合にその駐車時間を計測
するとともに、対応する駐車料金を計算し、課金情報を
たとえば図示しないホストコンピュータに送信する機能
を有する。
【0280】[車両検出ステップ] [ST01]一次レーダを用いた検出モードで動作し車
両を検出する。課金エリア内で車両を検出しようとする
場合、切換器24は測距・測速度コード発生器23側に
切り替えるとともに、受信系切換器211を目標検出器
26dのある一次レーダ側に切換させる。測距・測速度
コード発生器23により生成された検出コードは切換器
24を介して変調器12に送られて変調に用いられ、ア
ンテナ16を介して目標に照射される。目標により反射
された反射波は、アンテナ16を介して受信機17によ
り受信される。受信信号は受信系切換器211を介して
目標検出器26dに供給される。
【0281】[ST02]車両が検出されたかどうか判
定し、判定された場合は次のステップST03に進む。
判定されない場合はステップST01を繰り返す。
【0282】[車両情報検出ステップ] [ST03]質問コードを発生・送信する。目標検出器
26dにより目標が検出されたときは、切換器24を質
問コード発生器13側に切り替えるとともに、受信系切
換器211を応答コード復調器18、応答コード解読器
19の二次レーダ側に切り替える。
【0283】[ST04]車両からの応答コードを受信
・復調する。質問コード発生器13で発生された質問コ
ードは、測距・測速度コードの場合と同様に変調され、
アンテナ16を介して目標に照射される。車両より返さ
れた応答コードは、応答コード復調器18で復調され、
さらに、応答コード解読器19で、車両情報データベー
ス12のデータを用いて解読される。これにより、その
車両の個別情報を知ることができる。
【0284】[課金ステップ] [ST05]タイマー230の時間tを0にセットす
る。 [ST06]一次レーダを用いて車両を検出する。車両
の個別情報が確認できた場合には、再び切換器24を切
り替えて、測距・測速度コードを一定時間ごとに当該車
両に照射して検出する。 [ST07]車両が検出できたときはステップST08
に進む。車両が検出できなくなったときはステップ09
に進む。 [ST08]タイマー230の時間tにステップST0
6、07の処理に要する時間td を加算する(t←t+
d )。これらステップST06、07の処理により、当
該車両が所定のエリア内に存在しなくなるまでの経過時
間をタイマー230で計測することができる。
【0285】[ST09]タイマー230で計測した最
終的な経過時間と応答コード解読器19により得られた
当該車両の個別情報、及び駐車場コード発生器232か
らのその駐車エリアの駐車場コードを用いて、自動課金
用の通信データを通信データ生成器231で生成する。
そして、その時間を表示器21で表示する。通信データ
のフォーマットは、たとえば図67に示すようなもので
あり、駐車場コード、駐車時間コード(課金コード)及
び車両個別情報からなる。
【0286】[ST10]ステップST09で生成した
通信データを通信インタフェースへ出力する。
【0287】この実施の形態25によれば、駐車場の自
動課金機能を備えるので、人手を介することなく、それ
ぞれの車両について駐車料金を自動的に課金することが
できる。なお、この実施の形態25のシステムは駐車場
に限らず、パーキングメータにも適用できる。
【0288】実施の形態26.図68は、この実施の形
態26に係る基地局側レーダ部1の構成を示す。同図に
おいて、233は通行許可コード発生器、234は通行
許可判定器、235は通行許可車データベースである。
【0289】図69は、この実施の形態25に係る車載
局側レーダ部3の構成を示す。同図において、263は
表示器、264は通行許可コード検出器である。
【0290】次に、図68のように構成された基地局側
レーダ部1及び図69のように構成された車載局側レー
ダ部3の動作について、図70のフローチャートを用い
て説明する。この基地局側レーダ部1は、ゲート等にお
いて車両を監視し、通行許可車両を判定するとともに、
許可車両に対して通行許可を自動的に与える機能を有す
る。
【0291】[車両検出ステップ] [ST01]一次レーダを用いた検出モードで動作し車
両を検出する。ゲート等の通行許可車両の判定が必要な
場所に設置された基地局側レーダ部1で車両を検出しよ
うとする場合、切換器24は測距・測速度コード発生器
23側に切り替えるとともに、受信系切換器211を目
標検出器26dのある一次レーダ側に切換させる。測距
・測速度コード発生器23により生成された検出コード
は切換器24を介して変調器12に送られて変調に用い
られ、アンテナ16を介して目標に照射される。目標に
より反射された反射波は、アンテナ16を介して受信機
17により受信される。受信信号は受信系切換器211
を介して目標検出器26dに供給される。
【0292】[ST02]車両が検出されたかどうか判
定し、判定された場合は次のステップST03に進む。
判定されない場合はステップST01を繰り返す。
【0293】[車両情報検出ステップ] [ST03]質問コードを発生・送信する。目標検出器
26dにより目標が検出されたときは、切換器24を質
問コード発生器13側に切り替えるとともに、受信系切
換器211を応答コード復調器18、応答コード解読器
19の二次レーダ側に切り替える。質問コード発生器1
3で発生された質問コードは、測距・測速度コードの場
合と同様に変調され、アンテナ16を介して目標に照射
される。
【0294】これに対し、車載局側レーダ部3は、アン
テナ36で受信した信号を質問コード復調器38で復調
し、その後、質問・応答データベース40を用いて質問
コード解読器39で解読する。そして、応答コード発生
器41により質問コードに応じた応答コードを発生し、
変調器32で変調してアンテナ36を介して基地局側レ
ーダ部1に送信する。
【0295】[ST04]車両からの応答コードを受信
・復調する。車両より返された応答コードは、応答コー
ド復調器18で復調され、さらに、応答コード解読器1
9で、車両情報データベース12のデータを用いて解読
される。これにより、その車両の個別情報を知ることが
できる。
【0296】[許可ステップ] [ST05]通行許可車データベースを検索する。すな
わち、当該車両の個別情報に基づき、対応するデータを
検索する。具体的には次のようにする。パーソナルユー
ス、公的な使用でも通行許可あるいは通行不許可を分類
するような場合、車両IDに基づき検索する。また、大
型車が通行不可能な道路の通行許可を判定する場合に
は、大型あるいは小型等の車両種類を検索する。また、
ディーゼル車両通行不可能な地域で通行許可を判定する
場合には、ガソリン車あるいはディーゼル車等の車両種
類を検索する。
【0297】[ST06]当該車両が通行許可車データ
ベースに記載されているかどうか判定する。すなわち、
この解読されたコードは通行許可判定器234において
通行許可車データベース235と照合される。この結果
に基づき、当該車両に対して通行許可あるいは不許可の
いずれであるか判定する。そして、判定結果を表示器2
1に表示する。当該車両が許可車両であればステップS
T07に進み、そうでなければステップST08に進
む。
【0298】[ST07]当該車両に対して通行許可を
与える。切換器24を通行許可コード発生器233側に
切り替え、通行許可コードを変調器12に供給する。通
行許可コードは車載局側レーダ部3に対して照射され
る。これに対し、車載局側レーダ部3は、アンテナ36
で受信した通行許可コードを質問コード復調器38で復
調し、その後、質問・応答データベース40を用いて質
問コード解読器39で解読する。そして、通行許可コー
ド検出器264がこの通行許可コードを検出してその内
容を表示器263に表示する。このようにして運転者は
通行許可が得られたことを知ることができる。
【0299】[ST08]当該車両に対して通行許可を
与えない場合には、基地局側レーダ部1は通行許可コー
ドを送信しない。したがって、車載局側レーダ部3はい
つまでも通行許可コードを受信しないから、表示器26
3に許可を表示しない。あるいは、一定時間まって許可
が得られないときは、通行許可コード検出器264が自
動的に不許可と判断して表示器に263に不許可を表示
する。なお、基地局側レーダ部1は不許可のときになん
らコードを送信しなかったが、このとき不許可コードを
送信するようにしてもよい。
【0300】この実施の形態26によれば、車両の個別
情報に基づき通行許可を自動的に与える機能を備えるの
で、人手を介することなく、それぞれの車両について通
行許可を自動的に付与することができる。
【0301】実施の形態27.上記実施の形態26にお
いては、車載局側レーダ部3の表示部に許可あるいは不
許可のいずれかのみを表示した。しかし、さらに詳細な
情報を表示するようにしてもよい。
【0302】この実施の形態27の識別システムの動作
を図71のフローチャートに基づき説明する。ステップ
ST01〜ST05の処理は同じであるので説明を省略
する。 [ST06]通行許可車データベース235と照合す
る。すなわち、相手側の車両の個別情報から当該車両が
大型、中型、小型のいずれかであるか容易にわかるか
ら、この車両種別をキーとしてデータベースを検索し、
当該車両の照合を行う。 [ST07]上記照合結果に基づき、車載局側レーダ部
3に対して最適な通行方法を指示する。たとえば、駐車
場内での駐車場場所の指示を表示させる場合は、「大型
はこちら」「大型はただいま満車です」等のメッセージ
を表示させる。また、高速道路の料金を指示を表示させ
る場合は、「大型はXXXX円です」等のメッセージを
表示させる。
【0303】この実施の形態27によれば、車両の個別
情報に基づき任意のメッセージを自動的に与える機能を
備えるので、人手を介することなく、それぞれの車両に
ついて最適な指示を自動的に付与することができる。
【0304】実施の形態28.上記実施の形態1〜28
は、二次レーダにより種々の車両の個別情報を得るもの
であったが、一次レーダのみを用いて種々の車両の個別
情報を得るように構成することも可能である。図72は
この実施の形態28の発明の基地局側レーダ部1の構成
を示す図である。同図において、236はISAR(INV
ERSE SYNTHETIC APARTURE RADAR :逆合成開口レーダ)
処理コード発生器、237はISAR画像再生器、23
8はナンバープレート位置検出器、239はパターン認
識器、240はIDナンバー検出器、241は表示器で
ある。
【0305】次に動作について説明する。基地局レーダ
部1において目標の検出、測距、測速度を行なう際に
は、測距・測速度コード発生器23で測距・測速度コー
ドを生成し、切換器24を介して変調器12に送り、発
振器11の出力を利用して、このコードを変調し、送信
機14、送受切換器15を介してアンテナ16より移動
体に照射する。
【0306】移動体により反射された電波は、基地局レ
ーダ部1のアンテナ16、送受切換器15を介して受信
機17で受信される。この受信信号は受信系切換器21
1を介して、目標検出器26dで目標検出され、測距器
26a、測速度器26bでそれぞれ、目標までの距離測
定処理及び目標の速度測定処理が行なわれる。
【0307】目標が検出された場合には、切換器24を
ISAR処理コード発生器236側に切換え、ISAR
処理コードを変調器12に送り、発振器11の出力を利
用して変調し、送信機14、送受切換器15を介してア
ンテナ16より再び移動体に電波を照射する。
【0308】ところで、この移動体は図73に示される
ように、移動体301に設置されているナンバープレー
ト302には、通常の目視用のナンバーコード303と
ともに、ISAR画像用ナンバーコード304が設けら
れている。図73に示されるように、ISAR画像用ナ
ンバーコード304は、バーコード状にコーディングさ
れている。このコーディングは照射された電波を所定パ
ターンで反射するように、レーダ断面積(RCS:Rada
r Cross Section )の大小に対応してコーディングされ
ている。したがって、基地局側レーダ部1はISAR画
像用ナンバーコード304を識別することができる。こ
のようにバーコードを用いたのは、ISARAは夜間で
も遠距離の目標の画像を得ることができるものの、テレ
ビカメラほどの分解能を得るのは困難であること、及
び、文字を直接認識するよりもバーコードの認識の方が
容易であることが理由である。
【0309】レーダ断面積の大小は、金属材料とプラス
チック等の絶縁材料とを適宜選択することにより、ある
いは、金属から作られたナンバープレート302にフェ
ライト等の電波吸収部材を適宜配置することにより、あ
るいは、ナンバープレート302の表面を鏡面状にする
か乱反射させるように表面を荒くするか等等、その表面
の状態を適宜変化させることにより実現可能である。
【0310】移動体301から反射されたエコーは基地
局レーダ部1のアンテナ16、送受切換器15を介して
受信機17で受信され、受信系切換器211を介してI
SAR画像再生器237に入力される。ここで、画像再
生されたISAR画像から、ナンバープレート部分を切
り出すために、ナンバープレート位置検出器238によ
りその位置を検出し、ナンバープレートの画像を切り出
す。切り出されたナンバープレート画像は、ISAR画
像用ナンバーコードに依存したパターンをもっているの
で、パターン認識器239により、そのパターンを抽出
し、IDナンバー検出器240によりそのIDナンバー
を抽出する。抽出されたIDナンバーは表示器241で
表示されるとともに通信インターフェース22に出力さ
れる。
【0311】次にISAR処理コード発生器236及び
ISAR画像再生器237の処理内容について説明す
る。ISARとは、逆合成開口レーダのことであり、目
標とレーダ装置との間の相対位置関係の変化に基づく反
射信号の変化、及び送信周波数の変化に基づく反射信号
の変化を利用することにより、高い分解能の画像を得る
ことができるレーダである。ISAR画像再生器237
の処理は、レンジ圧縮処理及びクロスレンジ圧縮処理か
らなる。レンジ圧縮処理は、基地局レーダ部1と車両3
01の間の距離に関する分解能を向上する。クロスレン
ジ圧縮処理は、目標の方位に関する分解能を向上する。
【0312】次に動作について説明する。ISAR処理
コード発生器236は、図74に示される、時間ととも
に周波数が変化する信号(チャープ)を発生する。この
チャープ信号で変調された高周波パルスがアンテナ16
から照射される。目標で反射された信号(エコー)は、
アンテナ16、受信機17等を介してISAR画像再生
器237に入力される。
【0313】この復調された受信信号は、送信信号の瞬
時周波数に対し、基地局レーダ部より、車両までの電波
伝搬の往復に要する時間分遅延したものである。したが
ってレンジ圧縮処理において、送信信号s(t)を用い
て受信信号r(t)にマッチドフィルタをかけること、
すなわち式(1)に示すように送信信号s(t)の共役
信号s*(t)と受信信号r(t)とのコンボリューシ
ョンを求めることにより、遅延に相当する時刻にインパ
ルスv(t)を得ることができる。このことによりレン
ジ分解能が向上する。
【0314】
【数1】
【0315】レーダが送信を繰り返すごとにレンジ圧縮
された信号が得られるから、レーダの送信( ヒット) ご
とにレンジ圧縮された信号をまとめることにより、レン
ジrとヒットhを軸とする2次元複素信号P( h,r)
が得られる。レンジrと時間tとの間には、r=( Δr
/Δt) ・tなる関係がある。ここでΔtはA/Dコン
バータのサンプリング間隔( =1/B、Bは送信帯域)
であり、Δrはレンジ分解能( =C/2B、Cは光速)
である。
【0316】クロスレンジ圧縮処理において、複素信号
P( h,r) を式(2) にしたがってヒットhについてフ
ーリエ変換することにより、レンジ、クロスレンジの両
方について圧縮された複素信号Q( c,r) を得る。こ
こにcはクロスレンジ( 方位方向) を示す。
【0317】
【数2】
【0318】この処理は、レンジ圧縮処理がレンジ方向
の分解能を改善するのと同様の効果、すなわち、クロス
レンジ方向の分解能を改善する効果がある。以下、この
原理を説明する。
【0319】図75にアンテナ16と目標305( 同図
においては艦船) のジオメトリを示す。同図において、
306と307はそれぞれ目標の先端(艦首)と最後尾
(艦尾)を示す。いま目標305は移動することなく、
海面に垂直な軸を中心に回転運動( ヨー運動) をしてい
るとすると、目標上のある部位で反射した信号のドップ
ラー周波数fdは次の式で表される。
【0320】
【数3】
【0321】ここにλは送信波長、xは反射を生じた部
位の回転半径、ωは回転角速度、θ(h)は観測の基準
となる線LOS(Line Of Sight) を基準にした目標の角
度である。
【0322】式(3) により、回転軸からの距離xに応じ
て、目標上のそれぞれの部位からの反射信号のドップラ
ー周波数は異なることがわかる。例えば、図76に目標
の端及び最後尾からの反射信号ドップラー周波数fdを
示す。同図において308、309はそれぞれ目標の先
端306と最後尾307からの反射信号のドップラー周
波数を示す。
【0323】つまり、目標の前後方向の位置により、そ
れぞれ異なるドップラー周波数を生じるので、式(2) に
従い受信信号をフーリエ変換することにより、クロスレ
ンジ方向の分解能をアンテナの送信ビーム幅よりも改善
することができる。
【0324】レンジ圧縮処理及びクロスレンジ圧縮処理
により、レンジ方向、クロスレンジ方向の両方について
分解能が向上した複素信号Q( c,r) は、その絶対値
が目標のレーダ反射断面積に対応するから、レンジr、
クロスレンジcの2次元平面にQ( c,r) の絶対値ま
たは、その2乗に応じた輝度で表示を行なうことによ
り,レンジとクロスレンジの両方について高分解能化さ
れた目標の画像を表示することができる。
【0325】次に、ナンバープレート位置検出器238
の動作について説明する。ISARは画像レーダの一種
であるから、ISAR画像再生器237に得られた画像
は車両301についてアンテナ16から撮影した写真の
ようなものである。この画像には、ナンバープレート3
02以外にも、車両や地面等のクラッタが現れる。そこ
で、ナンバープレート位置検出器238は、画像におけ
るナンバープレート302の位置を検出して、不要な車
両やクラッタ等を除いたナンバプレート302のみの画
像を切り出す。
【0326】ナンバプレート302の位置を検出する方
法として次のような方法が考えられる。 (1) 画像を取得するときのアンテナ16と車両301と
の位置関係が一定であり、あらかじめわかっていれば、
画像上に現れるナンバプレート302の位置も一定であ
り、その位置もあらかじめ知ることができる。たとえ
ば、基地局側レーダ部1が有料道路のゲートに備えつけ
られた場合が該当する。したがって、ナンバープレート
位置検出器238は、あらかじめ定められたナンバープ
レート302が現れる位置を切り出す。
【0327】(2) ナンバープレート302の取り付け位
置は車両ごとに変わらない。したがって、ナンバープレ
ート位置検出器238は、画像上の車両301の端部を
基準として、あらかじめ定められたナンバープレート3
02の位置を切り出す。なお、車両は電波を良く反射す
るが、地面等はあまり反射しない。したがって、画像上
で車両と背景とを区別するのは、信号レベルに着目して
容易に行うことができる。
【0328】(3) ナンバープレート302は、バーコー
ドを容易に認識できるように、所定のパターンにコード
が表されているとともに、RCSの大きな材料及び構造
が採用されている。したがって、画像上のナンバープレ
ート302の信号レベルは、他の部分と比較して非常に
大きい。そこで、ナンバープレート位置検出器238
は、画像上でレベルが大きい部分(たとえば所定のしき
い値より大きい部分、あるいは他の部分と比較して大き
い部分)をナンバープレート302の位置として切り出
す。以上のように切り出されたナンバープレート302
の画像は、図73のISAR画像用ナンバーコード30
4のみが表されたものである。
【0329】パターン認識器239は、ナンバープレー
ト位置検出器238により切り出された画像に基づきナ
ンバーコード304を認識する。すなわち、ナンバーコ
ード304は図73のようにバーコード状をしているか
ら、これらバーに垂直な直線を引き、この直線に沿って
信号の強弱を測定してバーコードを「0」「1」のパル
ス列に変換する。
【0330】IDナンバー検出器240は、パターン認
識器239により得られたパルス列に基づき車両301
のナンバー等の個別情報を検出する。バーコードは、始
まりを示すスタートコード、情報を表すデータコード
(たとえば、「15−98」、及び、終わりを示すエン
ドコードからなる。したがって、得られたパルス列もこ
れらのコードからなる。IDナンバー検出器240は、
スタートコードで同期をとってから、個々のデータを解
読する。そして、エンドコードにより処理を終了する。
IDナンバー検出器240により得られた車両の個別情
報は通信インタフェース22に送られ、図示しない外部
のホストコンピュータ等に送られる。
【0331】この実施の形態28によれば、一次レーダ
として高分解能レーダを用い、車両のナンバーに関する
画像情報を得る。さらに、この画像情報についてパター
ン認識を行うことにより車両の個別情報を得る。したが
って、車両からの応答を必要とせずに車両のナンバープ
レートから直接に個別情報を得ることができるので、二
次レーダ装置を備えない車両についても対応できてシス
テムの汎用性が著しく高まる。さらに、ナンバープレー
トに直接コード情報を表すのは容易に、かつ安価に行え
るから、システムの初期費用及び運用費用は極めて低く
なる。さらに、ナンバープレートの構造は極めて簡単
で、電源等を必要としないから、信頼性が極めて高いと
いう点でも優れている。
【0332】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、基地
局レーダ装置に、予め定められた複数の質問を発生する
質問発生器と、上記複数の質問にそれぞれ対応する予想
応答が予め格納された移動体情報データベースと、移動
局レーダ装置からの受信信号に含まれる複数の応答信号
を復調して複数の応答を得る応答復調器と、上記応答復
調器による複数の応答に基づき上記移動体情報データベ
ースから対応する複数の予想応答を読み出すとともに、
上記複数の応答と上記複数の予想応答とを比較すること
により移動体を識別する識別器とを備えるとともに、移
動局レーダ装置に、基地局レーダ装置からの複数の質問
にそれぞれ対応する応答情報が予め格納された応答デー
タベースと、上記移動局受信機の出力に含まれる複数の
質問信号を復調する質問復調器と、上記質問復調器によ
る復調結果に基づき上記応答データベースから対応する
複数の応答情報を読み出して複数の応答信号を発生する
応答発生器とを備えたので、複数の質問及び応答が可能
になり、複数の個別情報を得ることができて信頼性の高
いシステムを提供することができる。
【0333】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に予め定められた蓄電命令を発生する蓄電命令発生器
と、質問発生器の出力または上記蓄電命令発生器の出力
のいずれかを選択して移動局無線機に対して出力する切
換器とを備えるとともに、移動局レーダ装置に、質問復
調器により復調された質問が蓄電命令であるときに、移
動局アンテナで受信された信号を分配する分配器と、上
記分配器の出力を整流する整流器と、上記整流器の出力
により充電される装置電源としての蓄電器とを備えたの
で、移動局側レーダ装置の電源が不要になり、構成が簡
単で、信頼性の高いシステムを提供することができる。
【0334】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、識別器により得られた移動体の識別結果が予め定
められた識別結果と異なるときに、警報信号を基地局送
信機に出力する警報発生器を備えるとともに、移動局レ
ーダ装置に、上記移動局受信機の出力に含まれる質問が
警報であるかどうか判断し、警報であるときに、この警
報を復調する警報復調器と、上記警報復調器の出力に基
づき警報を出力する警報器とを備えたので、移動体の運
転者に警告を与えることができる。
【0335】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、利用者の課金に関するデータが記憶される課金デ
ータベースと、外部の計測器のデータを受信する計測器
インタフェースと、上記計測器インタフェースが出力す
る計測器データに基づき課金処理を行うとともに、この
課金処理結果及び上記識別器の識別結果に基づき対応す
る利用者の上記課金データベースのデータを更新する課
金処理手段とを備えたので、課金処理の自動化が可能に
なり、課金処理の省力化及び合理化が可能になる。
【0336】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、上記基地局送信機に、質問信号を変調して出力す
る第1の送信部、質問信号を変調して出力する第2の送
信部、及び、上記第1の送信部の出力または上記第2の
送信部の出力のいずれかを選択して上記基地局アンテナ
に供給する送信系切換器を含むとともに、上記基地局送
信機の出力を監視する監視部を備え、上記送信系切換器
は上記監視部の出力に基づき動作するので、一方の送信
系に異常が生じても他の送信系に切り換えられて基地局
の動作は停止することがなく、信頼性の高いシステムが
得られる。
【0337】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、上記基地局受信機の出力の状態を検出する検出器
と、上記出力の状態が通常の状態と異なるときに移動局
レーダ装置に対する送信系切換命令を出力する切換命令
発生器とを備え、上記基地局送信機は上記送信系切換命
令が出力されたときにこの命令を変調して出力するとと
もに、移動局レーダ装置の移動局送信機に、応答信号を
変調して出力する第1の送信部、応答信号を変調して出
力する第2の送信部、及び、上記応答発生器の出力を上
記第1の送信部または上記第2の送信部の出力のいずれ
かに供給する送信系切換器を含むとともに、上記移動局
受信機の出力に含まれる質問が切換命令であるかどうか
判断し、切換命令であるときに、この切換命令を復調す
る切換命令検出器を備え、上記送信系切換器は上記切換
命令検出器の出力に基づき動作するので、一方の送信系
に異常が生じても他の送信系に切り換えられて移動局の
動作は停止することがなく、信頼性の高いシステムが得
られる。
【0338】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、上記複数の応答に含まれる暗号化された符号を解
読する暗号解読器を備え、上記識別器は上記暗号解読器
の出力に基づき識別処理を行うとともに、移動局レーダ
装置に、上記応答発生器の出力符号を暗号化する暗号化
器を備え、上記移動局送信機は上記暗号化器の出力に基
づき変調して出力するので、秘匿性が高まり、第三者に
よる不正使用を未然に防止することができて、システム
の信頼性が向上する。
【0339】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、移動体からの信号に基づき得られ、上記識別器に
よる識別結果に含まれるチェックディジットと上記識別
結果に基づき求められるチェックディジットとを照合す
るチェックディジット照合器を備えるとともに、移動局
レーダ装置に、上記応答発生器の出力符号にあらかじめ
定められたチェックディジットを付与するチェックディ
ジット付与器を備え、上記移動局送信機は上記チェック
ディジット付与器の出力に基づき変調して出力するの
で、照合の際の信頼性が高まり、第三者による不正使用
を未然に防止することができて、システムの信頼性が向
上する。
【0340】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、複数の移動体から信号を受信したときに上記基地
局受信機の出力に基づき受信信号間の干渉を検出する干
渉検出器と、上記干渉検出器の出力に基づき上記基地局
アンテナのビーム形状を変化させるビーム形状制御器と
を備えたので、アンテナのビームを一部の移動体に照射
することにより複数の移動体のすべてでなくこれらの一
部から信号を受信するようにして干渉を防止することが
できる。
【0341】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、複数の移動体から信号を受信したときに上記基地
局受信機の出力に基づき受信信号間の干渉を検出する干
渉検出器と、上記干渉検出器の出力に基づき上記複数の
移動体のいずれかの送信周波数を指示する周波数切換指
示器と、上記周波数切換指示器の指示に基づき使用する
送信周波数の命令を発生する周波数命令発生器と、上記
質問発生器の出力または上記周波数命令発生器の出力の
いずれかを選択して上記基地局送信機に対して出力する
切換器とを備え、上記周波数切換指示器の出力に基づき
上記切換器は上記周波数命令発生器の出力を選択すると
ともに、上記基地局送信機及び上記基地局受信機は処理
する周波数を切り換えるとともに、移動局レーダ装置
に、上記移動局受信機の出力に含まれる質問が送信周波
数の命令であるかどうか判断し、送信周波数の命令であ
るときに、この命令を復調する周波数命令解読器と、上
記周波数命令解読器の出力に基づき周波数切換指示信号
を発生する周波数切換指示器とを備え、上記周波数切換
指示器の出力に基づき上記移動局受信機及び上記移動局
送信機は使用する周波数を切り換えるので、複数の移動
体のすべてでなく、これらのうちの指定した一部からの
信号を受信するようにして干渉を防止することができ
る。
【0342】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置の上記基地局アンテナに、上記基地局送信機の出力を
外部に放射するとともに外部からの信号を受信する第1
のアンテナ、上記基地局送信機の出力を外部に放射する
とともに外部からの信号を受信する第2のアンテナ、及
び、上記第1のアンテナまたは上記第2のアンテナのい
ずれかを選択するアンテナ切換器を含むとともに、複数
の移動体から信号を受信したときに上記基地局受信機の
出力に基づき受信信号間の干渉を検出する干渉検出器を
備え、上記アンテナ切換器は上記干渉検出器の出力に基
づき切換動作を行うので、アンテナごとに異なるビーム
を一部の移動体に照射することにより複数の移動体のす
べてでなくこれらの一部から信号を受信するようにして
干渉を防止することができる。
【0343】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、複数の移動体から信号を受信したときに上記基地
局受信機の出力に基づき受信信号間の干渉を検出する干
渉検出器と、上記干渉検出器の出力に基づき上記複数の
移動体のいずれかに対して応答許可を与える応答局決定
器と、上記応答局決定器の決定に基づき応答許可信号を
発生する応答許可発生器と、上記質問発生器の出力また
は上記応答許可発生器の出力のいずれかを選択して上記
基地局送信機に対して出力する切換器とを備え、上記切
換器は上記応答局決定器の出力に基づき切換動作を行う
とともに、移動局レーダ装置に、上記移動局受信機の出
力に含まれる質問が応答許可信号であるかどうか判断
し、上記応答許可信号であるときに、この応答許可信号
を復調する応答局指定解読器と、上記周波数命令解読器
の出力に基づき上記応答発生器の出力を上記移動局送信
機に供給するかどうか制御する応答選択スイッチとを備
えたので、一部の移動体に通信を許可し、他の移動体に
通信を禁止することにより複数の移動体のすべてでな
く、これらのうちの指定した一部からの信号を受信する
ようにして干渉を防止することができる。
【0344】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、上記識別器により識別された移動体があらかじめ
定められた特定種類の移動体であるかどうか判定する特
定移動体判定器と、上記特定移動体判定器の出力に基づ
き交通信号を制御する交通信号制御器とを備えたので、
特定車両の種類に応じて適切に交通信号を制御すること
ができて特定車両の適切な運用が可能になる。
【0345】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、予め定められた間隔でパルスを発生するパルス発
生器と、上記質問発生器の出力または上記パルス発生器
の出力のいずれかを選択して出力する切換器と、上記パ
ルス発生器が選択されているときに上記基地局受信機が
出力する移動体からの反射信号に基づき上記移動体の情
報を得る移動体測定手段と、上記応答復調器が出力する
応答及び予想応答と上記移動体測定手段が出力する移動
体の情報とを比較することにより上記移動体を識別する
識別器とを備え、上記基地局送信機は上記切換器の出力
信号を変調して出力するとともに、上記応答復調器は上
記質問発生器の出力が選択されているときに応答信号を
復調して応答を得るので、移動体までの距離及び速度等
の情報を得ることができる。
【0346】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、上記パルス発生器が選択されているときに上記基
地局受信機の出力に基づき移動体の有無を検出する移動
体検出器を備え、上記移動体測定手段は上記移動体検出
器により移動体が検出されたときに処理を行うので、移
動体が存在しないときに一次レーダの処理を行わず、こ
の処理のための負荷を軽減できる。
【0347】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、上記移動体の画像を得る撮像手段と、上記撮像手
段の出力に基づき上記移動体の情報を得る移動体認識手
段とを備え、上記識別器は、上記応答復調器が出力する
応答及び予想応答と上記移動体認識手段が出力する移動
体の情報とを比較することにより移動体を識別するの
で、レーダに加えて画像からも移動体を識別するので、
レーダのみを用いて識別する場合と比べて判定の精度及
び信頼性が向上する。
【0348】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、上記パルス発生器が選択されているときに上記基
地局受信機が出力する移動体からの反射信号に基づき移
動体を検出する移動体検出器と、上記移動体検出器によ
り移動体が検出されたときにこの移動体に対して追尾処
理を行う移動体追尾処理器と、上記移動体追尾処理器の
出力に基づき上記基地局アンテナを上記移動体に指向さ
せるアンテナ駆動器とを備えたので、移動体の移動に伴
いアンテナビームを移動させることができて他の移動体
からの信号を誤って受信することが少なくなり、システ
ムの信頼性が向上する。
【0349】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、上記移動体測定手段により得られた移動体の情報
に基づき交通信号を制御する交通信号制御器とを備えた
ので、移動体の位置及び速度等に基づき交通信号を制御
できて移動体の流れをスムーズにできる。
【0350】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、警告を発生する警告発生器と、上記移動体測定手
段の出力に基づき違反を判定する違反判定器とを備え、
上記基地局送信機は上記違反判定器により違反と判定さ
れたときに上記警告発生器の出力信号を変調して出力す
るので、移動体によらず基地局レーダ装置により違反を
判定できて移動体の運転者に警告を与えることができ
る。
【0351】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、上記パルス発生器が選択されているときに上記基
地局受信機の出力に基づき移動体の有無を検出する移動
体検出器と、検出された移動体の停止時間を計測するタ
イマーと、上記タイマーの出力に基づき上記識別器によ
り識別された移動体についての課金情報を生成するデー
タ生成器とを備えたので、移動体の種類によらず基地局
レーダ装置により課金情報を生成できて課金処理の自動
化が可能になり、課金処理の省力化及び合理化が可能に
なる。
【0352】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、許可が与えられる移動体の情報があらかじめ記憶
されている許可データベースと、上記許可データベース
に基づき上記識別器により識別された移動体に許可を与
えるかどうか判定する許可判定器と、上記許可判定器の
出力に基づき許可を与える許可発生器とを備え、上記基
地局送信機は上記許可判定器により許可が与えられたと
きに上記許可発生器の出力信号を変調して出力するとと
もに、移動局レーダ装置に、上記移動局受信機の出力に
含まれる質問が許可信号であるかどうか判断し、許可信
号であるときに、この許可信号を復調する許可信号検出
器と、上記許可信号検出器の出力に基づき許可されたこ
とを報知する報知器とを備えたので、レーダによる識別
情報に基づき許可を自動的に与えることができて省力化
及び合理化が可能になる。
【0353】また、この発明によれば、移動局レーダ装
置に、上記質問復調器の出力に基づき、質問が予め定め
られたデータ更新命令であるかどうか判断するととも
に、質問がデータ更新命令であるときに上記応答データ
ベースの内容を更新するデータベース更新器を備えたの
で、更新の状態を含めて移動体の識別が行えて識別の信
頼性が向上する。
【0354】また、この発明によれば、移動局レーダ装
置に、パルス信号を送信する一次レーダ送信信号処理器
と、目標からの反射信号を受信する一次レーダ受信信号
処理器と、上記応答発生器の出力または上記一次レーダ
送信信号処理器の出力のいずれかを選択する第1の切換
器と、上記第1の切換器に対応して上記移動局受信機の
出力を上記質問復調器または上記一次レーダ受信信号処
理器に分配する第2の切換器と、上記移動局アンテナの
ビーム形状を切り換えるビーム形状制御器とを備え、上
記移動局アンテナのビーム形状を、上記応答発生器の出
力が選択されているとき第1のビーム形状に制御し、上
記一次レーダ送信信号処理器の出力が選択されていると
き第2のビーム形状に制御するので、識別処理機能に加
え衝突防止等の機能を併せ持つことができる。
【0355】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、予め定められた変調がされた高分解能処理用信号
を発生する第2の信号発生器と、上記第2の信号発生器
が選択されているとき上記基地局受信機の出力及び上記
移動体検出器の出力に基づき上記移動体の画像を再生す
る画像再生器と、上記移動体上で識別情報が表されてい
る識別情報部の位置を検出する位置検出器と、上記再生
された画像から上記識別情報部を取り出して情報を読み
取り、上記移動体を識別する情報読取器とを備えたの
で、基地局レーダ装置のみで識別することが可能にな
り、移動体によらず複数の個別情報を得ることができ
て、信頼性の高いシステムを提供することができる。
【0356】また、この発明によれば、上記情報読取器
が読み取る上記移動体の識別情報部を車両のナンバープ
レートとしたので、ほとんどの移動体について識別処理
することができて汎用性が向上する。
【0357】また、この発明によれば、上記情報読取器
が読み取る上記移動体の識別情報部の識別情報はバーコ
ードで表わされているので、識別の際の処理が簡単にな
るとともに識別の信頼性が向上する。
【0358】また、この発明によれば、基地局レーダ装
置に、外部からの信号を受信する基地局アンテナと、上
記基地局アンテナが受信した信号を処理する基地局受信
機と、上記基地局受信機の出力に含まれる識別信号を復
調して移動体を識別する識別器と、上記識別器の出力に
基づき上記移動体があらかじめ定められた特定種類の移
動体であるかどうか判定する特定移動体判定器と、上記
特定移動体判定器の出力に基づき交通信号を制御する交
通信号制御器とを備えるとともに、移動局レーダ装置
に、特定種類の移動体を示す識別信号を発生する識別信
号発生器と、上記識別信号を変調して出力する移動局送
信機と、上記移動局送信機の出力を外部に放射する移動
局アンテナとを備えたので、システム構成が簡単で、複
数の個別情報を得ることができる信頼性の高いシステム
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る基地局側レー
ダ部の構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る車載局側レー
ダ部の構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る自動車IDレ
ーダ装置の処理を示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1における質問と応答
の例を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る車載局側レー
ダ部の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に係る自動車IDレ
ーダ装置の処理を示すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態2における質問と応答
の例を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係る基地局側レー
ダ部の構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態3に係る車載局側レー
ダ部の構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態3に係る自動車ID
レーダ装置の処理を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態3に係る測距モード
と質問モードとの切換タイミングを示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態4に係る基地局側レ
ーダ部の構成図である。
【図13】 この発明の実施の形態5に係る基地局側レ
ーダ部の構成図である。
【図14】 この発明の実施の形態6に係る基地局側レ
ーダ部の構成図である。
【図15】 この発明の実施の形態6に係る車載局側レ
ーダ部の構成図である。
【図16】 この発明の実施の形態6に係る自動車ID
レーダ装置の処理を示すフローチャートである。
【図17】 この発明の実施の形態6に係る電力供給モ
ードと質問モードとの切換タイミングを示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態7に係る車載局側レ
ーダ部の構成図である。
【図19】 この発明の実施の形態7に係るアンテナの
ビーム形状を制御するための構成の一例である。
【図20】 この発明の実施の形態7に係る車載一次レ
ーダモードと自動車IDレーダ(二次レーダ)モードと
の切換タイミングを示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態7に係る車載一次レ
ーダの捜索時のビームパターンの例である。
【図22】 この発明の実施の形態7に係る車載一次レ
ーダの追尾時のビームパターンの例である。
【図23】 この発明の実施の形態7に係る二次レーダ
のビームパターンの例である。
【図24】 この発明の実施の形態7に係る二次レーダ
のビームパターンの例である。
【図25】 この発明の実施の形態8に係る基地局側レ
ーダ部の構成図である。
【図26】 この発明の実施の形態9に係る基地局側レ
ーダ部の構成図である。
【図27】 この発明の実施の形態9に係る車載局側レ
ーダ部の構成図である。
【図28】 この発明の実施の形態10に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図29】 この発明の実施の形態11に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図30】 この発明の実施の形態11に係る基地局側
レーダ部の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図31】 この発明の実施の形態12に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図32】 この発明の実施の形態12に係る車載局側
レーダ部の構成図である。
【図33】 この発明の実施の形態12に係る基地局側
レーダ部の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図34】 この発明の実施の形態13に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図35】 この発明の実施の形態14に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図36】 この発明の実施の形態14に係る基地局側
レーダ部の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図37】 この発明の実施の形態15に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図38】 この発明の実施の形態15に係る車載局側
レーダ部の構成図である。
【図39】 この発明の実施の形態16に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図40】 この発明の実施の形態16に係る車載局側
レーダ部の構成図である。
【図41】 この発明の実施の形態16に係る車載局側
レーダ部の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図42】 この発明の実施の形態16に係る基地局側
レーダ部の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図43】 この発明の実施の形態16に係る車載局側
レーダ部の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図44】 この発明の実施の形態16に係る基地局側
レーダ部の動作を他の説明するためのフローチャートで
ある。
【図45】 この発明の実施の形態17に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図46】 この発明の実施の形態17に係る二次レー
ダのビームパターンの例である。
【図47】 この発明の実施の形態17に係る二次レー
ダの他のビームパターンの例である。
【図48】 この発明の実施の形態18に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図49】 この発明の実施の形態18に係る車載局側
レーダ部の構成図である。
【図50】 この発明の実施の形態19に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図51】 この発明の実施の形態19に係る二次レー
ダのビームパターンの例である。
【図52】 この発明の実施の形態19に係る二次レー
ダの他のビームパターンの例である。
【図53】 この発明の実施の形態20に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図54】 この発明の実施の形態20に係る車載局側
レーダ部の構成図である。
【図55】 この発明の実施の形態21に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図56】 この発明の実施の形態22に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図57】 この発明の実施の形態22に係る車載局側
レーダ部の構成図である。
【図58】 この発明の実施の形態23に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図59】 この発明の実施の形態24に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図60】 この発明の実施の形態24に係る車載局側
レーダ部の構成図である。
【図61】 この発明の実施の形態24で用いられる通
信データの詳細を示す図である。
【図62】 この発明の実施の形態24に係る基地局側
レーダ部の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図63】 この発明の実施の形態24に係る基地局側
レーダ部の他の動作を説明するためのフローチャートで
ある。
【図64】 この発明の実施の形態24の移動体識別シ
ステムにおける交通違反検出を説明するための図であ
る。
【図65】 この発明の実施の形態25に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図66】 この発明の実施の形態25に係る基地局側
レーダ部の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図67】 この発明の実施の形態25で用いられる通
信データの詳細を示す図である。
【図68】 この発明の実施の形態26に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図69】 この発明の実施の形態26に係る車載局側
レーダ部の構成図である。
【図70】 この発明の実施の形態26に係る基地局側
レーダ部の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図71】 この発明の実施の形態27に係る基地局側
レーダ部の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図72】 この発明の実施の形態28に係る基地局側
レーダ部の構成図である。
【図73】 この発明の実施の形態28に係る基地局側
レーダ部が識別する車両の概念図である。
【図74】 この発明の実施の形態28に係る基地局側
レーダ部による変調の一例を示す図である。
【図75】 この発明の実施の形態28に係る基地局側
レーダ部のISARの動作原理の説明図である。
【図76】 この発明の実施の形態28に係る基地局側
レーダ部のISARの動作原理の説明図である。
【図77】 自動車IDレーダ装置の概念的構成図であ
る。
【図78】 従来の基地局側レーダ部の構成図である。
【図79】 従来の車載局側レーダ部の構成図である。
【図80】 従来の自動車IDレーダ装置における質問
と応答の例を示す図である。
【符号の説明】
1 基地局側レーダ部、3 車載局側レーダ部、11、
31 発振器、12、32 変調器、13 質問コード
発生器、14、34 送信機、15、35 送受切換
器、16、36 アンテナ、17、37 受信機、1
8、応答コード復調器、19 応答コード解読器、20
車両情報データベース、21 表示器、22 通信イ
ンタフェース、23 測距・測速度用パルス発生器、2
4 切換器、25 分波器、26a 測距器、26b
測速度器、26c RCS算出器、26d 目標検出
器、27 判定器、28 TVカメラ、29a 切換
器、29b電力供給コード発生器、38 質問コード復
調器、39 質問コード解読器、40 質問・応答デー
タベース、41 応答コード発生器、42 データベー
ス更新器、44 車載計器インタフェース、45 電力
切換器、46 整流器、47 蓄電器、48 車載一次
レーダ用送信信号処理器、49 自動車IDレーダ用送
信信号処理器、50、51 セレクタ、52 車載一次
レーダ用受信信号処理器、53 自動車IDレーダ用受
信信号処理器、54 コントローラ、55ビーム形状制
御器、56 分波器、57 警報コード復調器、58
警報器インタフェース、81 切換器、82 検出・追
尾コード発生器、83 分波器、84 目標検出器、8
5 目標追尾処理器、86 アンテナ駆動器、87 警
報コード発生器、88 計測器インタフェース、89
データ入力器、90 データベース更新器、91 課金
データベース、92 顧客データベース、201 送信
系、202 送信系切換器、203 モニタ系、204
アンテナ、205 受信機、206 質問コード復調
器、207 質問コード解読器、208 異常検出器、
209 異常コード発生器、210 異常検出器、21
1 受信系切換器、212 暗号解読器、213 チェ
ックディジット照合器、214 干渉検出器、215
ビーム形状制御器、216 周波数切換指示器、217
周波数コード発生器、218 アンテナ切換器、21
9 応答局決定器、220 応答局指定コード発生器、
221 緊急車両判定器、222 緊急車両データベー
ス、223 交通信号制御装置、224 緊急車両コー
ド復調器、225 信号表示時間算出器、226 交通
違反判定器、227 交通法規データベース、228
交通違反警告コード発生器、229 タイマー、230
タイマー、231 通信データ生成器、232 駐車
場コード発生器、233 通行許可コード発生器、23
4 通行許可判定器、235 通行許可データベース、
236 ISAR処理コード発生器、237 ISAR
画像再生器、238ナンバープレート位置検出器、23
9 パターン認識器、240 IDナンバー検出器、2
41 表示器、251 異常コード検出器、252 送
信系切換器、253 表示器、254 送信系、255
暗号化器、256 チェックディジット付与器、25
7周波数コード解読器、258 周波数切換指示器、2
59 応答局指定コード解読器、260 応答選択スイ
ッチ、261 緊急車両コード発生器、262 交通違
反コード検出器、263 表示器、264 通行許可コ
ード検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤坂 貴彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 近藤 倫正 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定められた複数の質問を発生する質
    問発生器と、上記質問発生器が出力する複数の質問信号
    を変調して出力する基地局送信機と、上記基地局送信機
    の出力を外部に放射するとともに外部からの信号を受信
    する基地局アンテナと、上記基地局アンテナが受信した
    信号を処理する基地局受信機と、上記複数の質問にそれ
    ぞれ対応する予想応答が予め格納された移動体情報デー
    タベースと、上記基地局受信機の出力に含まれる複数の
    応答信号を復調して複数の応答を得る応答復調器と、上
    記応答復調器による複数の応答に基づき上記移動体情報
    データベースから対応する複数の予想応答を読み出すと
    ともに、上記複数の応答と上記複数の予想応答とを比較
    することにより移動体を識別する識別器とを備えた基地
    局レーダ装置、及び、 上記基地局レーダ装置からの送信信号を受信するととも
    に上記基地局レーダ装置に送信信号を放射する移動局ア
    ンテナと、上記移動局アンテナが受信した信号を処理す
    る移動局受信機と、上記基地局レーダ装置からの複数の
    質問にそれぞれ対応する応答情報が予め格納された応答
    データベースと、上記移動局受信機の出力に含まれる複
    数の質問信号を復調する質問復調器と、上記質問復調器
    による復調結果に基づき上記応答データベースから対応
    する複数の応答情報を読み出して複数の応答信号を発生
    する応答発生器と、上記応答発生器が出力する複数の応
    答信号を変調して上記移動局アンテナに出力する移動局
    送信機とを備えた移動局レーダ装置からなる移動体識別
    システム。
  2. 【請求項2】 予め定められた複数の質問を発生する質
    問発生器と、上記質問発生器が出力する複数の質問信号
    を変調して出力する基地局送信機と、上記基地局送信機
    の出力を外部に放射するとともに外部からの信号を受信
    する基地局アンテナと、上記基地局アンテナが受信した
    信号を処理する基地局受信機と、上記複数の質問にそれ
    ぞれ対応する予想応答が予め格納された移動体情報デー
    タベースと、上記基地局受信機の出力に含まれる複数の
    応答信号を復調して複数の応答を得る応答復調器と、上
    記応答復調器による複数の応答に基づき上記移動体情報
    データベースから対応する複数の予想応答を読み出すと
    ともに、上記複数の応答と上記複数の予想応答とを比較
    することにより移動体を識別する識別器とを備えた基地
    局レーダ装置。
  3. 【請求項3】 予め定められた蓄電命令を発生する蓄電
    命令発生器と、上記質問発生器の出力または上記蓄電命
    令発生器の出力のいずれかを選択して上記基地局送信機
    に対して出力する切換器とを備え、上記基地局送信機は
    上記切換器の出力信号を変調して出力することを特徴と
    する請求項2記載の基地局レーダ装置。
  4. 【請求項4】 上記識別器により得られた移動体の識別
    結果が予め定められた識別結果と異なるときに、警報信
    号を上記基地局送信機に出力する警報発生器を備えたこ
    とを特徴とする請求項2記載の基地局レーダ装置。
  5. 【請求項5】 利用者の課金に関するデータが記憶され
    る課金データベースと、外部の計測器のデータを受信す
    る計測器インタフェースと、上記計測器インタフェース
    が出力する計測器データに基づき課金処理を行うととも
    に、この課金処理結果及び上記識別器の識別結果に基づ
    き対応する利用者の上記課金データベースのデータを更
    新する課金処理手段とを備えたことを特徴とする請求項
    2記載の基地局レーダ装置。
  6. 【請求項6】 上記基地局送信機に、質問信号を変調し
    て出力する第1の送信部、質問信号を変調して出力する
    第2の送信部、及び、上記第1の送信部の出力または上
    記第2の送信部の出力のいずれかを選択して上記基地局
    アンテナに供給する送信系切換器を含むとともに、上記
    基地局送信機の出力を監視する監視部を備え、上記送信
    系切換器は上記監視部の出力に基づき動作することを特
    徴とする請求項2記載の基地局レーダ装置。
  7. 【請求項7】 上記基地局受信機の出力の状態を検出す
    る検出器と、上記出力の状態が通常の状態と異なるとき
    に移動局レーダ装置に対する送信系切換命令を出力する
    切換命令発生器とを備え、上記基地局送信機は上記送信
    系切換命令が出力されたときにこの命令を変調して出力
    することを特徴とする請求項2記載の基地局レーダ装
    置。
  8. 【請求項8】 上記複数の応答に含まれる暗号化された
    符号を解読する暗号解読器を備え、上記識別器は上記暗
    号解読器の出力に基づき識別処理を行うことを特徴とす
    る請求項2記載の基地局レーダ装置。
  9. 【請求項9】 移動体からの信号に基づき得られ、上記
    識別器による識別結果に含まれるチェックディジットと
    上記識別結果に基づき求められるチェックディジットと
    を照合するチェックディジット照合器を備えたことを特
    徴とする請求項2記載の基地局レーダ装置。
  10. 【請求項10】 複数の移動体から信号を受信したとき
    に上記基地局受信機の出力に基づき受信信号間の干渉を
    検出する干渉検出器と、上記干渉検出器の出力に基づき
    上記基地局アンテナのビーム形状を変化させるビーム形
    状制御器とを備えたことを特徴とする請求項2記載の基
    地局レーダ装置。
  11. 【請求項11】 複数の移動体から信号を受信したとき
    に上記基地局受信機の出力に基づき受信信号間の干渉を
    検出する干渉検出器と、上記干渉検出器の出力に基づき
    上記複数の移動体のいずれかの送信周波数を指示する周
    波数切換指示器と、上記周波数切換指示器の指示に基づ
    き使用する送信周波数の命令を発生する周波数命令発生
    器と、上記質問発生器の出力または上記周波数命令発生
    器の出力のいずれかを選択して上記基地局送信機に対し
    て出力する切換器とを備え、上記周波数切換指示器の出
    力に基づき上記切換器は上記周波数命令発生器の出力を
    選択するとともに、上記基地局送信機及び上記基地局受
    信機は処理する周波数を切り換えることを特徴とする請
    求項2記載の基地局レーダ装置。
  12. 【請求項12】 上記基地局アンテナに、上記基地局送
    信機の出力を外部に放射するとともに外部からの信号を
    受信する第1のアンテナ、上記基地局送信機の出力を外
    部に放射するとともに外部からの信号を受信する第2の
    アンテナ、及び、上記第1のアンテナまたは上記第2の
    アンテナのいずれかを選択するアンテナ切換器を含むと
    ともに、複数の移動体から信号を受信したときに上記基
    地局受信機の出力に基づき受信信号間の干渉を検出する
    干渉検出器を備え、上記アンテナ切換器は上記干渉検出
    器の出力に基づき切換動作を行うことを特徴とする請求
    項2記載の基地局レーダ装置。
  13. 【請求項13】 複数の移動体から信号を受信したとき
    に上記基地局受信機の出力に基づき受信信号間の干渉を
    検出する干渉検出器と、上記干渉検出器の出力に基づき
    上記複数の移動体のいずれかに対して応答許可を与える
    応答局決定器と、上記応答局決定器の決定に基づき応答
    許可信号を発生する応答許可発生器と、上記質問発生器
    の出力または上記応答許可発生器の出力のいずれかを選
    択して上記基地局送信機に対して出力する切換器とを備
    え、上記切換器は上記応答局決定器の出力に基づき切換
    動作を行うことを特徴とする請求項2記載の基地局レー
    ダ装置。
  14. 【請求項14】 上記識別器により識別された移動体が
    あらかじめ定められた特定種類の移動体であるかどうか
    判定する特定移動体判定器と、上記特定移動体判定器の
    出力に基づき交通信号を制御する交通信号制御器とを備
    えたことを特徴とする請求項2記載の基地局レーダ装
    置。
  15. 【請求項15】 予め定められた間隔でパルスを発生す
    るパルス発生器と、上記質問発生器の出力または上記パ
    ルス発生器の出力のいずれかを選択して出力する切換器
    と、上記パルス発生器が選択されているときに上記基地
    局受信機が出力する移動体からの反射信号に基づき上記
    移動体の情報を得る移動体測定手段と、上記応答復調器
    が出力する応答及び予想応答と上記移動体測定手段が出
    力する移動体の情報とを比較することにより上記移動体
    を識別する識別器とを備え、上記基地局送信機は上記切
    換器の出力信号を変調して出力するとともに、上記応答
    復調器は上記質問発生器の出力が選択されているときに
    応答信号を復調して応答を得ることを特徴とする請求項
    2記載の基地局レーダ装置。
  16. 【請求項16】 上記パルス発生器が選択されていると
    きに上記基地局受信機の出力に基づき移動体の有無を検
    出する移動体検出器を備え、上記移動体測定手段は上記
    移動体検出器により移動体が検出されたときに処理を行
    うことを特徴とする請求項15記載の基地局レーダ装
    置。
  17. 【請求項17】 上記移動体の画像を得る撮像手段と、
    上記撮像手段の出力に基づき上記移動体の情報を得る移
    動体認識手段とを備え、上記識別器は、上記応答復調器
    が出力する応答及び予想応答と上記移動体認識手段が出
    力する移動体の情報とを比較することにより移動体を識
    別することを特徴とする請求項15記載の基地局レーダ
    装置。
  18. 【請求項18】 上記パルス発生器が選択されていると
    きに上記基地局受信機が出力する移動体からの反射信号
    に基づき移動体を検出する移動体検出器と、上記移動体
    検出器により移動体が検出されたときにこの移動体に対
    して追尾処理を行う移動体追尾処理器と、上記移動体追
    尾処理器の出力に基づき上記基地局アンテナを上記移動
    体に指向させるアンテナ駆動器とを備えたことを特徴と
    する請求項15記載の基地局レーダ装置。
  19. 【請求項19】 上記移動体測定手段により得られた移
    動体の情報に基づき交通信号を制御する交通信号制御器
    とを備えたことを特徴とする請求項15記載の基地局レ
    ーダ装置。
  20. 【請求項20】 警告を発生する警告発生器と、上記移
    動体測定手段の出力に基づき違反を判定する違反判定器
    とを備え、上記基地局送信機は上記違反判定器により違
    反と判定されたときに上記警告発生器の出力信号を変調
    して出力することを特徴とする請求項15記載の基地局
    レーダ装置。
  21. 【請求項21】 上記パルス発生器が選択されていると
    きに上記基地局受信機の出力に基づき移動体の有無を検
    出する移動体検出器と、検出された移動体の停止時間を
    計測するタイマーと、上記タイマーの出力に基づき上記
    識別器により識別された移動体についての課金情報を生
    成するデータ生成器とを備えたことを特徴とする請求項
    15記載の基地局レーダ装置。
  22. 【請求項22】 許可が与えられる移動体の情報があら
    かじめ記憶されている許可データベースと、上記許可デ
    ータベースに基づき上記識別器により識別された移動体
    に許可を与えるかどうか判定する許可判定器と、上記許
    可判定器の出力に基づき許可を与える許可発生器とを備
    え、上記基地局送信機は上記許可判定器により許可が与
    えられたときに上記許可発生器の出力信号を変調して出
    力することを特徴とする請求項15記載の基地局レーダ
    装置。
  23. 【請求項23】 外部から信号を受信するとともに外部
    に送信信号を放射する移動局アンテナと、上記移動局ア
    ンテナが受信した信号を処理する移動局受信機と、外部
    からの複数の質問にそれぞれ対応する応答情報が予め格
    納された応答データベースと、上記移動局受信機の出力
    に含まれる複数の質問信号を復調する質問復調器と、上
    記質問復調器による復調結果に基づき上記応答データベ
    ースから対応する複数の応答情報を読み出して複数の応
    答信号を発生する応答発生器と、上記応答発生器が出力
    する複数の応答信号を変調して上記移動局アンテナに出
    力する移動局送信機とを備えた移動局レーダ装置。
  24. 【請求項24】 上記質問復調器の出力に基づき、質問
    が予め定められたデータ更新命令であるかどうか判断す
    るとともに、質問がデータ更新命令であるときに上記応
    答データベースの内容を更新するデータベース更新器を
    備えたことを特徴とする請求項23記載の移動局レーダ
    装置。
  25. 【請求項25】 上記質問復調器により復調された質問
    が蓄電命令であるときに、上記移動局アンテナで受信さ
    れた信号を分配する分配器と、上記分配器の出力を整流
    する整流器と、上記整流器の出力により充電される装置
    電源としての蓄電器とを備えたことを特徴とする請求項
    23記載の移動局レーダ装置。
  26. 【請求項26】 パルス信号を送信する一次レーダ送信
    信号処理器と、目標からの反射信号を受信する一次レー
    ダ受信信号処理器と、上記応答発生器の出力または上記
    一次レーダ送信信号処理器の出力のいずれかを選択する
    第1の切換器と、上記第1の切換器に対応して上記移動
    局受信機の出力を上記質問復調器または上記一次レーダ
    受信信号処理器に分配する第2の切換器と、上記移動局
    アンテナのビーム形状を切り換えるビーム形状制御器と
    を備え、上記移動局アンテナのビーム形状を、上記応答
    発生器の出力が選択されているとき第1のビーム形状に
    制御し、上記一次レーダ送信信号処理器の出力が選択さ
    れているとき第2のビーム形状に制御することを特徴と
    する請求項23記載の移動局レーダ装置。
  27. 【請求項27】 上記移動局受信機の出力に含まれる質
    問が警報であるかどうか判断し、警報であるときに、こ
    の警報を復調する警報復調器と、上記警報復調器の出力
    に基づき警報を出力する警報器とを備えたことを特徴と
    する請求項23記載の移動局レーダ装置。
  28. 【請求項28】 上記移動局送信機に、応答信号を変調
    して出力する第1の送信部、応答信号を変調して出力す
    る第2の送信部、及び、上記応答発生器の出力を上記第
    1の送信部または上記第2の送信部の出力のいずれかに
    供給する送信系切換器を含むとともに、上記移動局受信
    機の出力に含まれる質問が切換命令であるかどうか判断
    し、切換命令であるときに、この切換命令を復調する切
    換命令検出器を備え、上記送信系切換器は上記切換命令
    検出器の出力に基づき動作することを特徴とする請求項
    23記載の移動局レーダ装置。
  29. 【請求項29】 上記応答発生器の出力符号を暗号化す
    る暗号化器を備え、上記移動局送信機は上記暗号化器の
    出力に基づき変調して出力することを特徴とする請求項
    23記載の移動局レーダ装置。
  30. 【請求項30】 上記応答発生器の出力符号にあらかじ
    め定められたチェックディジットを付与するチェックデ
    ィジット付与器を備え、上記移動局送信機は上記チェッ
    クディジット付与器の出力に基づき変調して出力するこ
    とを特徴とする請求項23記載の移動局レーダ装置。
  31. 【請求項31】 上記移動局受信機の出力に含まれる質
    問が送信周波数の命令であるかどうか判断し、送信周波
    数の命令であるときに、この命令を復調する周波数命令
    解読器と、上記周波数命令解読器の出力に基づき周波数
    切換指示信号を発生する周波数切換指示器とを備え、上
    記周波数切換指示器の出力に基づき上記移動局受信機及
    び上記移動局送信機は使用する周波数を切り換えること
    を特徴とする請求項23記載の移動局レーダ装置。
  32. 【請求項32】 上記移動局受信機の出力に含まれる質
    問が応答許可信号であるかどうか判断し、上記応答許可
    信号であるときに、この応答許可信号を復調する応答局
    指定解読器と、上記周波数命令解読器の出力に基づき上
    記応答発生器の出力を上記移動局送信機に供給するかど
    うか制御する応答選択スイッチとを備えたことを特徴と
    する請求項23記載の移動局レーダ装置。
  33. 【請求項33】 上記移動局受信機の出力に含まれる質
    問が許可信号であるかどうか判断し、許可信号であると
    きに、この許可信号を復調する許可信号検出器と、上記
    許可信号検出器の出力に基づき許可されたことを報知す
    る報知器とを備えたことを特徴とする請求項23記載の
    移動局レーダ装置。
  34. 【請求項34】 予め定められた間隔で目標検出用信号
    を発生する第1の信号発生器と、予め定められた変調が
    された高分解能処理用信号を発生する第2の信号発生器
    と、上記第1の信号発生器の出力または上記第2の信号
    発生器の出力のいずれかを選択して出力する切換器と、
    上記切換器が出力する信号を変調して出力する基地局送
    信機と、上記基地局送信機の出力を外部に放射するとと
    もに外部からの信号を受信する基地局アンテナと、上記
    基地局アンテナが受信した信号を処理する基地局受信機
    と、上記基地局受信機の出力を分配する受信系切換器
    と、上記第1の信号発生器が選択されているとき上記基
    地局受信機の出力に基づき移動体の有無を検出する移動
    体検出器及び上記移動体からの反射信号に基づき上記移
    動体の情報を得る移動体測定器と、上記第2の信号発生
    器が選択されているとき上記基地局受信機の出力及び上
    記移動体検出器の出力に基づき上記移動体の画像を再生
    する画像再生器と、上記移動体上で識別情報が表されて
    いる識別情報部の位置を検出する位置検出器と、上記再
    生された画像から上記識別情報部を取り出して情報を読
    み取り、上記移動体を識別する情報読取器とを備えた基
    地局レーダ装置。
  35. 【請求項35】 上記移動体の識別情報部を車両のナン
    バープレートとしたことを特徴とする請求項34記載の
    基地局レーダ装置。
  36. 【請求項36】 上記移動体の識別情報部の識別情報は
    バーコードで表わされていることを特徴とする請求項3
    4記載の基地局レーダ装置。
  37. 【請求項37】 外部からの信号を受信する基地局アン
    テナと、上記基地局アンテナが受信した信号を処理する
    基地局受信機と、上記基地局受信機の出力に含まれる識
    別信号を復調して移動体を識別する識別器と、上記識別
    器の出力に基づき上記移動体があらかじめ定められた特
    定種類の移動体であるかどうか判定する特定移動体判定
    器と、上記特定移動体判定器の出力に基づき交通信号を
    制御する交通信号制御器とを備えた基地局レーダ装置、
    及び、 特定種類の移動体を示す識別信号を発生する識別信号発
    生器と、上記識別信号を変調して出力する移動局送信機
    と、上記移動局送信機の出力を外部に放射する移動局ア
    ンテナとを備えた移動局レーダ装置からなる移動体識別
    システム。
  38. 【請求項38】 外部からの信号を受信する基地局アン
    テナと、上記基地局アンテナが受信した信号を処理する
    基地局受信機と、上記基地局受信機の出力に含まれる識
    別信号を復調して移動体を識別する識別器と、上記識別
    器の出力に基づき上記移動体があらかじめ定められた特
    定種類の移動体であるかどうか判定する特定移動体判定
    器と、上記特定移動体判定器の出力に基づき交通信号を
    制御する交通信号制御器とを備えた基地局レーダ装置。
  39. 【請求項39】 特定種類の移動体を示す識別信号を発
    生する識別信号発生器と、上記識別信号を変調して出力
    する移動局送信機と、上記移動局送信機の出力を外部に
    放射する移動局アンテナとを備えた移動局レーダ装置。
JP7222030A 1995-01-11 1995-08-30 基地局レーダ装置、移動局レーダ装置及び移動体識別システム Pending JPH08249596A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7222030A JPH08249596A (ja) 1995-01-11 1995-08-30 基地局レーダ装置、移動局レーダ装置及び移動体識別システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-2682 1995-01-11
JP268295 1995-01-11
JP7222030A JPH08249596A (ja) 1995-01-11 1995-08-30 基地局レーダ装置、移動局レーダ装置及び移動体識別システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08249596A true JPH08249596A (ja) 1996-09-27

Family

ID=26336127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7222030A Pending JPH08249596A (ja) 1995-01-11 1995-08-30 基地局レーダ装置、移動局レーダ装置及び移動体識別システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08249596A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016148616A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 沖電気工業株式会社 通信装置、通信システムおよび通信方法
JP2017033370A (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 オムロン株式会社 車載器、通信装置およびこれらを備えた車両管理システム
JP2017178285A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 本田技研工業株式会社 鞍乗型車両の走行状況報知装置および鞍乗型車両の走行状況検出装置
CN107561537A (zh) * 2016-06-30 2018-01-09 北京行易道科技有限公司 雷达系统、交通工具、无人机以及探测方法
JP2021002847A (ja) * 2020-09-14 2021-01-07 ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社 無線通信とレーダプロービングの共存

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016148616A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 沖電気工業株式会社 通信装置、通信システムおよび通信方法
JP2017033370A (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 オムロン株式会社 車載器、通信装置およびこれらを備えた車両管理システム
WO2017022267A1 (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 オムロン株式会社 車載器、通信装置およびこれらを備えた車両管理システム
JP2017178285A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 本田技研工業株式会社 鞍乗型車両の走行状況報知装置および鞍乗型車両の走行状況検出装置
CN107561537A (zh) * 2016-06-30 2018-01-09 北京行易道科技有限公司 雷达系统、交通工具、无人机以及探测方法
CN107561537B (zh) * 2016-06-30 2024-04-30 北京行易道科技有限公司 雷达系统、交通工具、无人机以及探测方法
JP2021002847A (ja) * 2020-09-14 2021-01-07 ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社 無線通信とレーダプロービングの共存

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6832156B2 (en) Methods and apparatus for stationary object detection
US6693583B2 (en) Object recognition apparatus and method thereof
US5424747A (en) Process and system for determining the position and orientation of a vehicle, and applications
JP3487346B2 (ja) 道路交通監視システム
US5003317A (en) Stolen vehicle recovery system
US6124805A (en) Remotely operable vehicle identification and disabling system
US6472978B1 (en) Traffic system to prevent from accidents
CN104035114B (zh) 车辆定位和重获系统
US20040210757A1 (en) Method and a system for unauthorized vehicle control
US5910782A (en) On-board vehicle parking space finder service
JP3195177B2 (ja) 移動体特定装置
CA2216402A1 (en) Apparatus and method for monitoring and bounding the path of a ground vehicle
US7248183B2 (en) Method and apparatus for secure traffic light interruption
US5594447A (en) Moving target identifying system in a base station radar unit for specifying information about moving targets carrying a mobile station radar unit
CN109358322A (zh) 前向目标检测雷达和方法
JPH08249596A (ja) 基地局レーダ装置、移動局レーダ装置及び移動体識別システム
RU2540816C1 (ru) Система обеспечения безопасности движения транспортных средств и пешеходов на дорогах
US5612685A (en) Combined motion detector/transmitter for a traffic information warning system
GB2585863A (en) Object detecting and monitoring
RU2401456C1 (ru) Способ контроля эксплуатации специальных транспортных средств для ремонта городских теплосетей и система для его осуществления
RU2174923C1 (ru) Система мониторинга, информационного обслуживания и охраны подвижных и неподвижных объектов от несанкционированного воздействия
EP3557280B1 (en) A device and a method for generating maps representing a surrounding environment of a vehicle
KR20050105393A (ko) 차량 위치추적 시스템
Braun et al. Vehicular location and information systems
JP2000111644A (ja) 車両検出装置