JPH08248146A - 地表と海・湖底における断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法 - Google Patents
地表と海・湖底における断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法Info
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- JPH08248146A JPH08248146A JP7246595A JP7246595A JPH08248146A JP H08248146 A JPH08248146 A JP H08248146A JP 7246595 A JP7246595 A JP 7246595A JP 7246595 A JP7246595 A JP 7246595A JP H08248146 A JPH08248146 A JP H08248146A
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Abstract
割れ目等の分布状態を、表層のより正確かつ詳細な諸条
件を見出すことによって検出する方法を提示すること。 【構成】 水深約20〜30m の海底で平行する3本の測線
各 200mごとに、2m間隔で測定した値からP0値の分布
を描く。しきい値Ptを±9%にしたときの断層破砕帯
を黒三角印で、その破砕度を数字で示し、開口性割れ目
を黒丸印で、その開口度を数字で示した。○印はしきい
値以下の一般の表層地質の値である。3測線のP0値の
分布状態から、断層破砕帯と開口性割れ目並びに表層地
質が変化したP0の絶対値が比較的大きな部分を測線間
で点線に結んだ。測線の幅で測線の両端までの平面にお
けるそれらの分布状態をみると、構造運動による変形を
よく示している。
Description
における断層を含む地質境界,断層破砕帯,開口性割れ
目等の位置,並びに後二者の破砕度と開口度,そして特
徴をもつ表層地質を含めたそれらの平面的連続状態を、
表層に含まれた三種の自然放射性核種から放出される表
層上のガンマ線量の分布状態から求める方法に関するも
のである。
ガンマ線放出核種カリ−40,タリウム−208 ,ビスマス
−214 それぞれは地質ごとに固有な含有率をもち、それ
らは各核種それぞれに1.463Mev,2.614Mev,1.764Mevのエ
ネルギーで放出される一次ガンマ線量に比例し、それは
地表に置いたNal 検出器で上述のエネルギー範囲に得た
光電ピーク計数率と原則的に比例するので、この測定方
法で各核種の表層含有率は同時にかつ簡便・迅速に評価
できる。
は地表の幾何学的条件で大幅に変化し、各核種の表層含
有率の部分的ゆらぎは解析を妨げ、加えて検出器1個の
測定量の少なさによる測定誤差は大きい。そこで、上述
の方法による表層地質の解析では、幾何学的条件の消去
に対地距離を30〜100mと高くし、ゆらぎの消去に測定速
度を100Km /hとして短時間に広域を測定し、対地距離
の多さによるガンマ線検出能の低下に、検出器を20〜40
本も用いている。しかし、解析水準は広域の表層地質の
概略な区分に止まっている。
年1月29日に特許された特許第1,420,920 号(以下、
特許1という。)にかかる方法では、地層に存在する間
隙が下方に深く開く開口性割れ目の位置を地層に含むラ
ジウム−226 の放射性崩壊で発生する気体のラドン−22
2 の一部が、深層からこの割れ目を上昇して表層に蓄え
られ、表層でのこのラドン−222 の放射性崩壊で発生す
るビスマス−214 の部分的急増現象で指摘できるとする
原理に基づく調査方法を提示した。この地表での僅か数
m以内の変化という詳細な表層地質条件を解析するた
め、上述した地表の任意地点でのカリ−40,タリウム−
208 ,ビスマス−214 の各一次ガンマ線量をK,T,B
0 とすると、まず解析指標をB0 /K=R01,B0 /T
=R02, T/K=R3 とする核比にすることで、地表の
幾何学的条件による一次ガンマ線量の乱れを消去した。
測定値がもつ3核種それぞれの核比の平均値バーR01,
バーR02, バーR3 を求め、解析指標をR01/バーR01
=P01, R02/バーR02=P03, R3 /バーR3 =P5
とする3つの核比変化率に変えることで、表層での各核
種含有率のゆらぎや測定値のもつ誤差も含めた同じ地質
内での変動を著しく少なくした。その結果、地表上又は
地表近くでの測定を可能にし、測定対象範囲を著しく狭
めた詳しい表層地質が解析でき、かつより数少ない検出
器で短時間に満足な測定結果を得ることになった。解析
では同じ表層地質でのP値がもつ最大のゆらぎを解析下
限のしきい値Pt にし、P01とP03が共にPt 値以上の
正の値となり、かつP5 が正,ゼロ,負の各条件に応じ
た開口性割れ目の指摘基準を示した。
測線上の開口性割れ目地点で表層地質が変化するとき
に、その解析が妨げられる欠点が見出された。その対処
に昭和58年3月31日に出願し、平成2年11月30
日に特許された特許第1,589,540 号(以下,特許2とい
う。)にかかる方法を提示した。
たR01とR02の値を求め、任意の進行方向でその直前か
ら戻るn個の測点での両核比の平均値それぞれバーR
F01 とバーRF02 、並びに対象地点の直後から進むn個
の測点での両核比の平均値それぞれバーRB01 とバーR
B02 とを求め、R01/バーRF01 =P01とR01/バーR
B01 =P02又はR02/RF02 =P03とR02/RF02 =P
04という2つのペアそれぞれで2つのP値が共にしきい
値Pt を越えた高い値のとき、その地点を開口性割れ目
地点とし、ペアの内の小さい値のP値が開口度を示すと
いう方法で表層地質の違いによる影響を取除き、開口度
を数値表示できるようにした、これに自動車が一方向を
走行中に両方向のP値を自動解析する測定装置を加え
た。
主指標となるビスマス−214 の一次ガンマ線量が他の2
核種の一次ガンマ線量より少ないことが測定誤差を大き
くし、解析水準を低めた。また、ビスマス−214 とタリ
ウム−208 の一次ガンマ線量が日周期的と経日的に変化
し、調査地域内の解析規準の統一性を乱した。さらに、
実用問題の対処にはこの方法で地質境界や断層破砕体の
位置を検出することも望まれた。それらの対処方法を平
成元年4月18日に特許出願し、平成2年11月9日に
公開(特開平2−275389号)された。(以下、出
願中特許という。)
特許1で述べたB0 値に1.120Mevの光電ピーク計数率B
1 と、この測定エネルギー範囲に入射する1.155Mevから
2.448Mevまでのエネルギー範囲から放出されるビスマス
−214 の一次ガンマ線によるコンプトン散乱計数率B2
とを加え、ビスマス−214 の計数率をB0 +B1 +B2
=Bとし、B値をB0 値より約2倍以上多くした。ま
た、2.614Mevのタリウム−208 と1.764Mevのビスマス−
214 それぞれの光電ピーク計数率を測定するエネルギー
範囲の間に挟まれたエネルギー範囲に入射するタリウム
−208 のコンプトン散乱計数率Tc を測定し、Tc /T
の日周期的と経日的な変化を求め、これを指標に特許1
で定義したT値と上述したB値の日周期的と経日的な変
化を補正した。さらに、B/K=R1 ,B/T=R2 ,
T/K=R3 としたとき、地表が平面にみなせる条件
で、いずれかのR値が急変する地点を断層を含む地層境
界の位置とし、また特許1で定義したTとKの値が測線
上で急減する範囲を断層破砕体とする解析方法を提示し
た。
出願中特許の方法は海・湖底上の測定にも有効なことが
立証された反面、測定装置やその運搬装置を構成する諸
材質等に含まれた放射性核種からのガンマ線量の混入が
解析を大きく妨げることが明らかになった。また、開口
割れ目の設定基準に上述した特許1,特許2,出願中特
許のいずれもがB/Tを指標とする方法とB/Kを指標
とする方法の両方向を示したが、そのいずれを用いた方
が良いかは指摘できなかった。さらに出願中特許で示し
た断層を含む地層境界の指摘方法は指摘個所数が実態以
上に多くなり、加えて断層破砕帯の指摘方法は解析洩れ
が生じやすい上に、提示した指摘条件の野外検出が困難
などの問題点が見出された。
で指摘できた地質境界,開口性割れ目,断層破砕帯等の
位置は各測線上に点在したものに止まり、それらの分布
状態から実用上で重要な測線間の地質境界,断層破砕
帯,開口割れ目系等の表層での連続状態を解析すること
は困難であった。
確・詳細な表層の諸条件を見出し、指摘する方法を提供
するものである。
然の放射性核種のうち、地表上又は海・湖底上の任意地
点に設けたガンマ線検出器に入射するカリウム−40,タ
リウム−208 ,ビスマス214 の3核種から放出される、
カリ40は1.460Mev,タリウム208 は2.614Mev,ビスマス
−214 は1.120Mevと1.764Mevのエネルギーの一次ガンマ
線で生じた光電ピーク計数率(以下、それぞれをK,
T,B0 ,B1 という。)、並にビスマス−214 の1.12
0Mevと1.764Mevの光電ピーク計数率の測定エネルギー範
囲に入射するビスマス−214 の1.155Mevから2.448Mevま
での範囲にあって、前述した2種のエネルギーのものを
除く一次ガンマ線による光電ピーク計数率とコンプトン
散乱計数率(以下、B2 という。)を測定し、B0 +B
1 +B2 =B,B/K=R1,B/T=R2 ,T/K=
R3 を3種の核比とし、測線上の任意な測点に対し、任
意の進行方向にその直前までのn個の測点で得た各核比
の算術平均値をバーRF ,直後からn個までの測点で得
た各核比の算術平均値をバーRB とし、それらにRに対
応する核比ごとのサフィックスをつけたとき、(R1 /
バーRF1−1)×100=P1 ,(R1 /バーRB1−
1)×100=P2 ,(R2 /バーRF2−1)×100
=P3 ,(R2 /バーRB2−1)×100=P4 ,(R
3 /バーRF3−1)×100=P5 ,(R3 /RB3−
1)×100=P6 とする6つの核比変化率によって、
下記の方法で断層を含む地質境界,断層破砕帯,開口性
割れ目それぞれの位置を検出し、断層破砕帯の破砕度と
開口性割れ目の開口度を数値評価し、さらに表層の核比
変化率に特徴をもつ地質を含めた上述の各解析対象ごと
の平面的連続状態を評価する方法である。
ンネルに入射するガンマ線量には、指標とする表層に含
まれた3核種以外からの妨害ガンマ線量を含む。それは
宇宙線のうちのガンマ線、大気又は海・湖水に含まれた
放射性核種からのガンマ線、検出器とそれを運搬する装
置の諸材質に含まれた放射性核種からのガンマ線、そし
て検出器の光電子増倍管で発生する熱雑音等である。
測定チャンネルに入射するバックグランド計数率とする
と、その測定方法は対象地域が陸上の場合、水深が5m
以上になる海面又は湖面上に検出器を含む測定装置を置
いて求め、対象地域が海・湖底の場合は、測定する海・
湖底から5m 以上の高さに検出器を含む測定装置を置い
て求める。各測点での測定値から上述の測定条件に応じ
たバックグランド計数率を差引いた値を指標核種からの
ガンマ線量B,K,To とする。以上の測定方法で得た
タリウム−208 の2.614Mevの光電ピーク計数率To には
エネルギー2.4478Mev で崩壊率1.512 %のビスマス−21
4 のガンマ線による光電ピーク計数率が含まれるので、
表層中のタリウム−208 とビスマス−214 の存在比を
1:3.1 と仮定し、タリウム計数率TはT0 ×0.98とす
る。以上の方法で各解析指標の変化率は従来法の値より
も約20%以上高くなり、また実態をより忠実に反映す
る。
のガンマ線量が急変する地点で示されるが、測定される
ガンマ線量は数多い変動要因の影響が大きく現れて、実
用の解析への利用はむずかしい。そこで出願中特許では
地表の幾何学的条件による変動を消去し、地質境界を示
し易くしたR2 とR3 を用い、その急変地点を地質境界
としたが、実用上の誤差は未だ多かった。このため、こ
こでは変動要因が最小になる核比変化率P1 〜P6 を使
った。
線量又は各核比の状態を模式的にみると、図1の上段の
ようになり、この状態をP1 とP2 ,P3 とP4 そして
P5とP6 というペアの値からみると、ペアごとに測線
上の進行方向とその逆方向での状態はそれぞれ図1の中
段と下段のようになる。そこで1つのペアでは片方の地
点のP値が正のしきい値+Pを越え、隣りの地点の違う
P値が負のしきい値−Pt を越えた負の値でかつその絶
対値が前者とほぼ同じになる条件がこの2測点に一つ以
上のペアで存在する場合には、両測点の間が断層を含む
地質境界の位置とした。
の破砕度をK又はT値の急減する範囲とその急減率とに
よって示したが、その解析対象は測点の地表が平面にあ
る測定値のみに限られるので、実用化が困難であった。
そこで汎用性が高く、より確実・詳細に指摘する次の解
析基準にした。
R2 で値の急減として示されるが、測定値がもつ誤差の
多さがこの方法による解析を妨げる。これで誤差がR値
より小さくなるP値でみると、進行方向には図の中段に
示すPF 値のようになり、その逆方向では図2の下段の
PB 値のように示される。これらのP値は測定値に含む
誤差的変動が未だ大きいので、各測点でのP1 〜P4 の
うちで絶対値が最小のP0 値を解析指標とした。それは
P1 〜P4 のうちで、諸誤差要因による変動量が最小に
なる。P0 値の測線分布上で一測点又は続く数測点で−
Pt 値を越える値が存在したとき、その範囲を断層破砕
帯とし、破砕度はその範囲の両端部で小さい値のP0 値
で示されるとした。
R1 又はR2 では、図3の上段に示す値の凸状部にな
り、PF とPB 値では図の中・下段の変化になる。そこ
でP1 とP2 又はP3 とP4 という2つのペアのいずれ
かで、ペアのP値が共にPt 値を越えた範囲を開口性割
れ目の位置とし、その小さい値が開口度を示すとした。
しかし、2つのペアでの開口度は誤差的変動で異なる場
合が多かった。
析基準をP0 とし、P0 値が1測点又は続く数測点でP
t 値を越えた値になったとき、その範囲を開口性割れ目
とし、開口度は両端部での小さい値のP0 値で示される
とした。
上の開口性割れ目,地質境界,断層破砕帯等を指摘でき
ても、実用に重要な測線間でのそれらの連続性の想定は
むずかしかった。しかし、測定値がもつ誤差的変動を大
幅に消去したP0 値の分布を各測定間で比較すると、各
地質の詳細な変化は測定間のP0 値の変化パターンの類
似性を指標に良く対比できることが見出され、測線間で
の詳細な地質の連続状態が解析できた。そこでここでは
測線間で断続又は消失しやすい開口性割れ目や断層破砕
帯、そしてP0 値の変化で区分できる表層地質を含め
て、それらの連続方向や連続状態を測線間のP0 値の分
布状態を指標に求めた。
置した直径約0.9m,高さ約0.7m,厚さ約3cmの円筒状鉄
製容器内に、直径と高さが12.7cmのNal 結晶をもつ検出
器12本を納めたとき、3測点でそれぞれ約30分の測定を
した結果、表1のように、各測定チャンネルでの毎分あ
たりの妨害ガンマ線量は表層の指標核種からのガンマ線
量の19〜34%を占めるという大きな値が得られ、かつ各
測定チャンネルごとの混入計数率は大幅に違っていた。
妨害ガンマ線量がKのチャンネルに多い理由は、鉄材に
含まれたコバルト−60と検出器の光電子増倍管に含まれ
たカリ−40とによると思われる。
定根拠]任意の測点で得たP1 とP2 ,P3 とP4 ,P
5 とP6 という3つのペアそれぞれでの小さい値をP0u
とし、その1%区切りでの発生確率を1地域の約 300測
点のデータから求めると、図4の下段左,下段右,上段
中央のようになった。P5 とP6 のペアではP0uの値が
鋭いピークとなってほとんどがゼロに集中し、表層地質
の違いによる影響が少なかった。P1 とP2 のペアでは
前者よりP0u値のピークが著しく鈍って+5%にこぶが
認められたことは、それは表層地質の差異がB値の上昇
に基づく条件の多さを示した。P3 とP4 のペアでは前
者と同様にP0u値のピークが著しく鈍って−5%にこぶ
が認められたことは、それは表層地質の差異がB値の低
下に基づく条件の多さを示した。さらに、以上の表層地
質の違いによるB値の変動で、P0u値がしきい値より絶
対値で大きい断層破砕帯と開口性割れ目ではそれらが発
生する確率を違うパターンにした。
う方法では、一般の地質条件での変動がP5 とP6 の関
係にほぼ一致した鋭いピークとなり、一般の地質条件の
解析に妥当なことを裏付けた。また、P1 とP2 ,並び
にP3 とP4 でそれぞれ片方に認められたこぶの現象
は、図中に点線で描いた一般の地質条件がもつ値の標準
曲線値を差引いた図の下部に示すパターンのように、P
0 値の+5%と−5%の部分に明瞭に指摘され、それぞ
れの地層境界ではこのいずれかのタイプが発生すること
を裏付けた。さらにしきい値±Pt を絶対値で越えた断
層破砕帯と開口割れ目の出現状態は、P1 とP2 ,P3
とP4 のパターンからみて納得できる分布となった。以
上から、解析指標をP0 値とすることで、地質境界,断
層破砕帯,開口割れ目を指摘する方法は、特許1,特許
2,出願中特許のいずれよりも妥当性の高い方法になる
と思われる。
解析例]水深約20〜30m の海底で平行する3本の測線各
200m ごとに、2m 間隔で測定した値からP0 値の分布
を描くと、図5のようになった。しきい値Pt を±9%
にしたときの断層破砕帯を黒三角印で、その破砕度を数
字で示し、開口性割れ目を黒丸印で、その開口度を数字
で示した。○印はしきい値以下の一般の表層地質の値で
ある。
帯と開口性割れ目並びに表層地質が変化したP0 の絶対
値が比較的大きな部分を測線間で点線に結んだ。測線の
幅で測線の両端までの平面におけるそれらの分布状態を
みると、図左部の大規模な断層破砕帯を境として、図の
左側と右側で点線の走行が著しく異なり、また右側の走
行は図の下に向かうほど縮まっていく状態が良く示され
ている。そして破砕度や開口度をみると上述した破砕帯
の左では図の上部ほど大きな値になり、図の中央部では
それらが消失し、破砕帯の右では図の下部ほど大きな値
になるという構造運動による変形をよく示している。
で検出さえも困難な地質境界、断層破砕帯,開口性割れ
目等の位置の検出並びに後二者の破砕度と開口度を数量
評価し、特徴をもつ表層地質も含めたそれらの平面的連
続状態を解析する本法は、さきに提示した特許1,特許
2,出願中特許による解析水準を大幅に向上させた。
知を含めた地域の地盤変動機構の解析,トンネルや切土
等の土木工事における落盤・崩壊・出水の予知等をより
正確に行なえるようになる。
泉水,地熱の開発適地探査,ウラン・石油・天然ガス等
の鉱床探査,地すべり対策等を従来法よりも迅速・簡便
・低コストでより正確詳細に行なえるようになる。
主指標となるビスマス−214の一次ガンマ線量が他の
2核種の一次ガンマ線量より少ないことが測定誤差を大
きくし、解析水準を低めた。また、ビスマス−214と
タリウム−208の一次ガンマ線量が日周期的と経日的
に変化し、調査地域内の解析規準の統一性を乱した。さ
らに、実用問題の対処にはこの方法で地質境界や断層破
砕帯の位置を検出することも望まれた。それらの対処方
法を平成元年4月18日に特許出願し、平成2年11月
9日に公開(特開平2−275389号)された。(以
下、出願中特許という。)
に特許1で述べたB0値に1.120Mevの光電ピー
ク計数率B1と、この測定エネルギー範囲に入射する
1.155Mevから2.448Mevまでのエネルギ
ー範囲から放出されるビスマス−214の一次ガンマ線
によるコンプトン散乱計数率B2とを加え、ビスマス−
214の計数率をB0+B1+B2=Bとし、B値をB
0値より約2倍以上多くした。また、2.614Mev
のタリウム−208と1.764Mevのビスマス−2
14それぞれの光電ピーク計数率を測定するエネルギー
範囲の間に挟まれたエネルギー範囲に入射するタリウム
−208のコンプトン散乱計数率TCを測定し、TC/
Tの日周期的と経日的な変化を求め、これを指標に特許
1で定義したT値と上述したB値の日周期的と経日的な
変化を補正した。さらに、B/K=R1,B/T=
R2,T/K=R3としたとき、地表が平面にみなせる
条件で、いずれかのR値が急変する地点を断層を含む地
層境界の位置とし、また特許1で定義したTとKの値が
測線上で急減する範囲を断層破砕帯とする解析方法を提
示した。
然の放射性核種のうち、地表上又は海・湖底上の任意地
点に設けたガンマ線検出器に入射するカリウム−40,
タリウム−208,ビスマス214の3核種から放出さ
れる、カリ40は1.460Mev,タリウム208は
2.614Mev,ビスマス−214は1.120Me
vと1.764Mevのエネルギーの一次ガンマ線で生
じた光電ピーク計数率(以下、それぞれをK,T,
B0,B1という。)、並にビスマス−214の1.1
20Mevと1.764Mevの光電ピーク計数率の測
定エネルギー範囲に入射するビスマス−214の1.1
55Mevから2.448Mevまでの範囲にあって、
前述した2種のエネルギーのものを除く一次ガンマ線に
よる光電ピーク計数率とコンプトン散乱計数率(以下、
B2という。)を測定し、B0+B1+B2=B,B/
K=R1,B/T=R2,T/K=R3を3種の核比と
し、測線上の任意な測点に対し、任意の進行方向にその
直前までのn個の測点で得た各核比の算術平均値をバー
RF,直後からn個までの測点で得た各核比の算術平均
値をバーRBとし、それらにRに対応する核比ごとのサ
フィックスをつけたとき、(R1/バーRF1−1)×
100=P1,(R1/バーRB1−1)×100=P
2,(R2/バーRF2−1)×100=P3,(R2
/バーRB2−1)×100=P4,(R3/バーR
F3−1)×100=P5,(R3/バーRB3−1)
×100=P6とする6つの核比変化率によって、下記
の方法で断層を含む地質境界,断層破砕帯,開口性割れ
目それぞれの位置を検出し、断層破砕帯の破砕度と開口
性割れ目の開口度を数値評価し、さらに表層の核比変化
率に特徴をもつ地質を含めた上述の各解析対象ごとの平
面的連続状態を評価する方法である。
線上の開口性割れ目,地質境界,断層破砕帯等を指摘で
きても、実用に重要な測線間でのそれらの連続性の想定
はむずかしかった。しかし、測定値がもつ誤差的変動を
大幅に消去したP0値の分布を各測線間で比較すると、
各地質の詳細な変化は測線間のP0値の変化パターンの
類似性を指標に良く対比できることが見出され、測線間
での詳細な地質の連続状態が解析できた。そこでここで
は測線間で断続又は消失しやすい開口性割れ目や断層破
砕帯、そしてP0値の変化で区分できる表層地質を含め
て、それらの連続方向や連続状態を測線間のP0値の分
布状態を指標に求めた。
定根拠]任意の測点で得たP1とP2,P3とP4,P
5とP6という3つのペアそれぞれでの小さい値をP
ouとし、その1%区切りでの発生確率を1地域の約3
00測点のデータから求めると、図4の下段左,下段
右,上段中央のようになった。P5とP6のペアではP
ouの値が鋭いピークとなってほとんどがゼロに集中
し、表層地質の違いによる影響が少なかった。P1とP
2のベアでは前者よりPou値のピークが著しく鈍って
+5%にこぶが認められたことは、表層地質の差異がB
値の上昇に基づく条件の多さを示した。P3とP4のペ
アでは前者と同様にPou値のピークが著しく鈍って−
5%にこぶが認められたことは、表層地質の差異がB値
の低下に基づく条件の多さを示した。さらに、以上の表
層地質の違いによるB値の変動で、Pou値がしきい値
より絶対値で大きい断層破砕帯と開口性割れ目ではそれ
らが発生する確率を違うパターンにした。
Claims (1)
- 【請求項1】 表層に含む天然の放射性核種のうち、地
表上又は海・湖底上の任意地点に設けたガンマ線検出器
に入射するカリウム−40,タリウム208 及びビスマス−
214 の3核種から放出される、カリ−40は1.460Mev, タ
リウム−208は2.614Mev, ビスマス−214 は1.120Mevと
1.764Mevのエネルギーの一次ガンマ線で生じた光電ピー
ク計数率(以下、それぞれをK,T,Bo ,B1 とい
う。)、並びにビスマス−214 の1.120Mevと1.764Mevの
光電ピーク計数率の測定エネルギー範囲に入射するビス
マス−214 の1.155Mevから2.448Mevまでの範囲にあって
上述した2種のエネルギーのものを除く一次ガンマ線に
よる光電ピーク計数率とコンプトン散乱計数率(以下、
B2 という。)を測定し、B0 +B1 +B2 =B,B/
K=R1 ,B/T=R2 ,T/K=R3 を三種の核比と
し、測線上の任意の測点に対し、任意の進行方向にその
直前までのn個の測点で得た各核比の算術平均値をバー
RF ,直後からn個までの測点で得た各核比の算術平均
値をバーRBとし、それらにRに対応する核比ごとのサ
フィックスをつけたとき、(R1 /バーRF1−1)×1
00=P1 ,(R1 /バーRB1−1)×100=P2 ,
(R2/バーRF2−1)×100=P3 ,(R2 /バー
RB2−1)×100=P4 ,(R3 /バーRF3−1)×
100=P5 ,(R3 /バーRB3−1)×100=P6
とする6つの核比変化率によって、下記の方法で断層を
含む地質境界、断層破砕帯、開口性割れ目それぞれの位
置を検出し、断層破砕帯の破砕度と開口性割れ目の開口
度を数値評価し、さらに表層の核比変化率に特徴をもつ
地質を含めた上述の各解析対象ごとの平面的連続状態を
評価する地表と海・湖底における断層破砕帯,開口性割
れ目等の分布状態の検出方法。 記 (1) 表層上の任意な測点で設けたガンマ線検出器による
各測定チャンネルに入射する表層に含む指標核種以外か
らの妨害ガンマ線による計数率を、陸上の測定用には検
出器とその運搬装置を水深5m 以上の海又は湖の水面上
に置いた測定値で求め、海・湖底上の測定用には検出器
とその運搬装置を海又は湖の底面から5m以上離した水
中の測定値で求める。各測点での表層に含む指標核種か
らのガンマ線計数率は、測定された計数率から上述した
いずれかの妨害ガンマ線計数率を差引いた値とする。 (2) 測線上の任意な測点とその隣りの測点でのP1 とP
2 ,P3 とP4 ,P5 とP6 という3つのペアにおい
て、一つのペアで片方の測点のP値が正のしきい値+P
t を越え、隣の測点の違うP値が負のしきい値−Pt を
越えた負の値でかつその絶対値が前者とほぼ同じ値にな
る条件がこの2測点のペアに1つ以上存在する場合、両
測点の間は断層を含む地質境界の位置になる。 (3) 測点ごとにP1 〜P4 のうちで絶対値が最小なもの
をP0 とし、任意な測線上のP0 値の分布で、P0 値が
−Pt を越えて負の値になる条件が一測点又は数測点に
並ぶ範囲は断層破砕帯の存在範囲になり、その範囲の両
端部のP0 値のうちで小さい方の値は破砕度に比例す
る。同様にP0 値が+Pt を越えて正の値になる条件が
一測点又は数測点に並ぶ範囲は開口性割れ目の存在範囲
になり、その範囲の両端部のP0 値のうちで小さい方の
値は開口度に比例する。 (4) 対象地域とその周辺の構造運動の状態から想定され
る断層や開口性割れ目の走行方向を横切る測線を数本設
けて測線ごとにP0 値の分布を描き、上述した方法で得
た地質境界,断層破砕帯,開口性割れ目,及びその測線
上でのP0 値の特徴的変化パターンそれぞれの測線間に
おける位置的関係、そして破砕度又は開口度の測線間の
変化を比較することから、地質境界,断層破砕帯,開口
性割れ目,そして特徴をもつ各表層地質の平面的位置の
連続状態、並びに破砕度と開口度の平面的変化を定め
る。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7246595A JP2819097B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 地表と海・湖底の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7246595A JP2819097B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 地表と海・湖底の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08248146A true JPH08248146A (ja) | 1996-09-27 |
JP2819097B2 JP2819097B2 (ja) | 1998-10-30 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2819097B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5671184B1 (ja) * | 2013-11-06 | 2015-02-18 | アジア航測株式会社 | 断層図作成装置及び断層図作成方法並びに断層図作成プログラム |
US9916539B2 (en) | 2012-06-18 | 2018-03-13 | The University Of Sydney | Systems and methods for processing geophysical data |
-
1995
- 1995-03-07 JP JP7246595A patent/JP2819097B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP5671184B1 (ja) * | 2013-11-06 | 2015-02-18 | アジア航測株式会社 | 断層図作成装置及び断層図作成方法並びに断層図作成プログラム |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2819097B2 (ja) | 1998-10-30 |
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