JP2819097B2 - 地表と海・湖底の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法 - Google Patents
地表と海・湖底の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法Info
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における断層を含む地質境界,断層破砕帯,開口性割れ
目等の位置,並びに後二者の破砕度と開口度,そして特
徴をもつ表層地質を含めたそれらの平面的連続状態を、
表層に含まれた三種の自然放射性核種から放出される表
層上のガンマ線量の分布状態から求める方法に関するも
のである。
ガンマ線放出核種カリウム−40,タリウム−208,
ビスマス−214それぞれは地質ごとに固有な含有率を
もち、それらは各核種それぞれに1.463Mev,
2.614Mev,1.764Mevのエネルギーで放
出される一次ガンマ線量に比例し、それは地表に置いた
NaI検出器で前記のエネルギー範囲に得た光電ピーク
計数率と原則的に比例するので、この測定方法で各核種
の表層含有率は同時にかつ簡便・迅速に評価できる。
は地表の幾何学的条件で大幅に変化し、各核種の表層含
有率の部分的ゆらぎは解析を妨げ、加えて検出器1個の
測定量の少なさによる測定誤差は大きい。そこで、上述
の方法による表層地質の解析では、幾何学的条件の消去
に対地距離を30〜100mと高くし、ゆらぎの消去に測定速
度を100Km /hとして短時間に広域を測定し、対地距離
の多さによるガンマ線検出能の低下に、検出器を20〜40
本も用いている。しかし、解析水準は広域の表層地質の
概略な区分に止まっている。
年1月29日に特許された特許第1,420,920号
(以下、特許1という。)にかかる方法では、地層に存
在する間隙が下方に深く開く開口性割れ目の位置を地層
に含むラジウム−226の放射性崩壊で発生する気体の
ラドン−222の一部が、深層からこの割れ目を上昇し
て表層に蓄えられ、表層でのこのラドン−222の放射
性崩壊で発生するビスマス−214の部分的急増現象で
指摘できるとする原理に基づく調査方法を提示した。こ
の地表での僅か数m以内の変化という詳細な表層地質条
件を解析するため、前記した地表の任意地点でのカリウ
ム−40,タリウム−208,ビスマス−214の各一
次ガンマ線量をK,T,B0とすると、まず解析指標を
B0/K=R01,B0/T=R02,T/K=R3と
する核比にすることで、地表の幾何学的条件による一次
ガンマ線量の乱れを消去した。
測定値がもつ3核種それぞれの核比の平均値バーR
F01,バーR F02,バーR F3を求め、解析指標を
R01/バーR F01=P01,R02/バーR F02
=P03,R3/バーR F3=P5とする3つの核比変
化率に変えることで、表層での各核種含有率のゆらぎや
測定値のもつ誤差も含めた同じ地質内での変動を著しく
少なくした。その結果、地表上又は地表近くでの測定を
可能にし、測定対象範囲を著しく狭めた詳しい表層地質
が解析でき、かつより数少ない検出器で短時間に満足な
測定結果を得ることになった。解析では同じ表層地質で
のP値がもつ最大のゆらぎを解析下限のしきい値Ptに
し、P01とP03が共にPt値以上の正の値となり、
かつP5が正,ゼロ,負の各条件に応じた開口性割れ目
の指摘基準を示した。
測線上の開口性割れ目地点で表層地質が変化するとき
に、その解析が妨げられる欠点が見出された。その対処
に昭和58年3月31日に出願し、平成2年11月30
日に特許された特許第1,589,540 号(以下,特許2とい
う。)にかかる方法を提示した。
たR01とR02の値を求め、任意の進行方向でその直前か
ら戻るn個の測点での両核比の平均値それぞれバーR
F01 とバーRF02 、並びに対象地点の直後から進むn個
の測点での両核比の平均値それぞれバーRB01 とバーR
B02 とを求め、R01/バーRF01 =P01とR01/バーR
B01 =P02又はR02/RF02 =P03とR02/RF02 =P
04という2つのペアそれぞれで2つのP値が共にしきい
値Pt を越えた高い値のとき、その地点を開口性割れ目
地点とし、ペアの内の小さい値のP値が開口度を示すと
いう方法で表層地質の違いによる影響を取除き、開口度
を数値表示できるようにした、これに自動車が一方向を
走行中に両方向のP値を自動解析する測定装置を加え
た。
主指標となるビスマス−214の一次ガンマ線量が他の
2核種の一次ガンマ線量より少ないことが測定誤差を大
きくし、解析水準を低めた。また、ビスマス−214と
タリウム−208の一次ガンマ線量が日周期的と経日的
に変化し、調査地域内の解析規準の統一性を乱した。さ
らに、実用問題の対処にはこの方法で地質境界や断層破
砕帯の位置を検出することも望まれた。それらの対処方
法を平成元年4月18日に特許出願し、平成2年11月
9日に公開(特開平2−275389号)された。(以
下、出願中特許という。)
に特許1で述べたB0値に1.120Mevの光電ピー
ク計数率B1と、この測定エネルギー範囲に入射する
1.155Mevから2.448Mevまでのエネルギ
ー範囲から放出されるビスマス−214からの放出ガン
マ線によるコンプトン散乱計数率B2とを加え、ビスマ
ス−214の計数率をB0+B1+B2=Bとし、B値
をB0値より約2倍以上多くした。また、2.614M
evのタリウム−208と1.764Mevのビスマス
−214それぞれの光電ピーク計数率を測定するエネル
ギー範囲の間に挟まれたエネルギー範囲に入射するタリ
ウム−208のコンプトン散乱計数率Tcを測定し、T
c/Tの日周期的と経日的な変化を求め、これを指標に
特許1で定義したT値と前記したB値の日周期的と経日
的な変化を補正した。さらに、B/K=R1,B/T=
R2,T/K=R3としたとき、地表が平面にみなせる
条件で、いずれかのR値が急変する地点を断層を含む地
層境界の位置とし、また特許1で定義したTとKの値が
測線上で急減する範囲を断層破砕帯とする解析方法を提
示した。
出願中特許の方法は海・湖底上の測定にも有効なことが
立証された反面、測定装置やその運搬装置を構成する諸
材質等に含まれた放射性核種からのガンマ線量の混入が
解析を大きく妨げることが明らかになった。また、開口
割れ目の設定基準に前記した特許1,特許2,出願中特
許のいずれもがB/Tを指標とする方法とB/Kを指標
とする方法の両方法を示したが、そのいずれを用いた方
が良いかは指摘できなかった。さらに出願中特許で示し
た断層を含む地層境界の指摘方法は指摘個所数が実態以
上に多くなり、加えて断層破砕帯の指摘方法は解析洩れ
が生じやすい上に、提示した指摘条件の野外検出が困難
などの問題点が見出された。
で指摘できた地質境界,開口性割れ目,断層破砕帯等の
位置は各測線上に点在したものに止まり、それらの分布
状態から実用上で重要な測線間の地質境界,断層破砕
帯,開口割れ目系等の表層での連続状態を解析すること
は困難であった。
確・詳細な表層の諸条件を見出し、指摘する方法を提供
するものである。
然の放射性核種のうち、地表上又は海・湖底上の任意地
点に設けたガンマ線検出器に入射するカリウム−40,
タリウム−208及びビスマス−214の3核種から放
出される、カリウム−40は1.463Mev,タリウ
ム−208は2.614Mev,ビスマス−214は
1.120Mevと1.764Mevの各エネルギーを
もつ一次ガンマ線で生じた光電ピーク計数率(以下、そ
れぞれをK,T,Bo,B1という。)、並びにビスマ
ス−214の1.120Mevの光電ピーク計数率の測
定エネルギー範囲に入射するビスマス−214の1.1
55Mevから2.448Mevまでの範囲にある放出
ガンマ線によるコンプトン散乱計数率(以下、B2とい
う。)を測定し、B0+B1+B2=Bとする。B/K
=R1,B/T=R2,T/K=R3を三種の核比と
し、測線上の任意の測点に対し、任意の進行方向にその
直前までのn個の測点で得た各核比の算術平均値をバー
RF,直後からn個までの測点で得た各核比の算術平均
値をバーRBとし、それらにRに対応する核比ごとのサ
フィックスをつけたとき、(R1/バーRF1−1)×
100=P1,(R1/バーRB1−1)×100=P
2,(R2/バーRF2−1)×100=P3,(R2
/バーRB2−1)×100=P4,(R3/バーR
F3−1)×100=P5,(R3/バーRB3 −1)
×100=P6とする6つの核比変化率によって、下記
の方法で断層を含む地質境界,断層破砕帯,開口性割れ
目のそれぞれの位置を検出し、断層破砕帯の破砕度と開
口性割れ目の開口度を数値評価し、さらに表層の核比変
化率に特徴をもつ地質を含めた前記各解析対象ごとの平
面的連続状態を評価する方法である。
る各測定チャンネルに入射する表層に含む指標核種以外
からの妨害ガンマ線による計数率を、陸上の測定用には
検出器とその運搬装置を水深5m以上の海又は湖の水面
上に置いた測定値で求め、海・湖底上の測定用には検出
器とその運搬装置を海又は湖の底面から5m以上離した
水中の測定値で求め、各測点での表層に含む指標核種か
らのガンマ線計数率は、測定された計数率から前記のい
ずれかの妨害ガンマ線計数率を差引いた値とする。
測定チャンネルに入射するバックグランド計数率とする
と、その測定方法は対象地域が陸上の場合、水深が5m
以上になる海面又は湖面上に検出器を含む測定装置を置
いて求め、対象地域が海・湖底の場合は、測定する海・
湖底から5m 以上の高さに検出器を含む測定装置を置い
て求める。各測点での測定値から上述の測定条件に応じ
たバックグランド計数率を差引いた値を指標核種からの
ガンマ線量B,K,To とする。以上の測定方法で得た
タリウム−208 の2.614Mevの光電ピーク計数率To には
エネルギー2.4478Mev で崩壊率1.512 %のビスマス−21
4 のガンマ線による光電ピーク計数率が含まれるので、
表層中のタリウム−208 とビスマス−214 の存在比を
1:3.1 と仮定し、タリウム計数率TはT0 ×0.98とす
る。以上の方法で各解析指標の変化率は従来法の値より
も約20%以上高くなり、また実態をより忠実に反映す
る。
のガンマ線量が急変する地点で示されるが、測定される
ガンマ線量は数多い変動要因の影響が大きく現れて、実
用の解析への利用はむずかしい。そこで出願中特許では
地表の幾何学的条件による変動を消去し、地質境界を示
し易くしたR2 とR3 を用い、その急変地点を地質境界
としたが、実用上の誤差は未だ多かった。このため、こ
こでは変動要因が最小になる核比変化率P1 〜P6 を使
った。
線量又は各核比の状態を模式的にみると、図1の上段の
ようになり、この状態をP1とP2,P3とP4そして
P5とP6という3つのペアの値からみると、ペアごと
に測線上の進行方向とその逆方向での状態はそれぞれ図
1の中段と下段のようになる。そこで1つのペアでは片
方の地点のP値が正のしきい値+Pを越え、隣りの地点
の違うP値が負のしきい値−Ptを越えた負の値でかつ
その絶対値が前者とほぼ同じになる条件がこの2測点に
一つ以上のペアで存在する場合には、両測点の間が断層
を含む地質境界の位置とした。
の破砕度をK又はT値の急減する範囲とその急減率とに
よって示したが、その解析対象は測点の地表が平面にあ
る測定値のみに限られるので、実用化が困難であった。
そこで汎用性が高く、より確実・詳細に指摘する次の解
析基準にした。
R2で値の急減として示されるが、測定値がもつ誤差の
多さがこの方法による解析を妨げる。これを誤差がR値
より小さくなるP値でみると、進行方向には図の中段に
示すPF値のようになり、その逆方向では図2の下段の
PB値のように示される。これらのP値は測定値に含む
誤差的変動が未だ大きいので、各測点でのP1〜P4の
うちで絶対値が最小のP0値を解析指標とした。それは
P1〜P4のうちで、諸誤差要因による変動量が最小に
なる。P0値の測線分布上で一測点又は続く数測点で負
のしきい値である−Pt を越える負のP 0 値が存在した
とき、その範囲を断層破砕帯の位置とし、破砕度はその
範囲の両端部で絶対値の小さい値のP0値がもつ負の程
度で示されるとした。
でR1又はR2では、図3の上段に示す値の凸状部にな
り、PFとPB値では図の中・下段の変化になる。そこ
でP1とP2又はP3とP4という2つのペアのいずれ
かで、ペアのP値が共に正のしきい値であるPt値を越
えた範囲を開口性割れ目の位置とし、その最小の値を用
いて開口度を示すとした。しかし、2つのペアでの開口
度は誤差的変動で異なる場合が多かった。
析基準をP0とし、P0値が1測点又は続く数測点でP
t値を越えた値になったとき、その範囲を開口性割れ目
とし、開口度は両端部での小さい方の値のP 0 値の程度
で示されるとした。
線上の開口性割れ目,地質境界,断層破砕帯等を指摘で
きても、実用に重要な測線間でのそれらの連続性の想定
はむずかしかった。しかし、測定値がもつ誤差的変動を
大幅に消去したP0値の分布を各測線間で比較すると、
各地質の詳細な変化は測線間のP0値の変化パターンの
類似性を指標に良く対比できることが見出され、測線間
での詳細な地質の連続状態が解析できた。そこで、ここ
では測線間で断続又は消失しやすい開口性割れ目や断層
破砕帯、そしてP0値の変化で区分できる表層地質を含
めて、それらの連続方向や連続状態を測線間のP0値の
分布状態から求めた。
0.9m,高さ約0.7m,厚さ約3cmの円筒状鉄製
容器内に、直径と高さが12.7cmのNal結晶をも
つ検出器12本を納めたとき、3測点でそれぞれ約30
分の測定をした結果、表1のように、各測定チャンネル
で毎分あたりの妨害ガンマ線量は表層の指標核種からの
ガンマ線量の19〜34%を占めるという大きな値が得
られ、かつ各測定チャンネルごとの混入計数率は大幅に
違っていた。妨害ガンマ線量がKのチャンネルに多い理
由は、鉄材に含まれたコバルト−60と検出器の光電子
増倍管に含まれたカリウム−40とによると思われる。
という3つのペアそれぞれの小さい値をP0uとし、そ
の1%区切りでの発生確率を1地域の約300測点のデ
ータから求めると、図4の下段左,下段右,上段中央の
ようになった。P5とP6のペアではP0uの値が鋭い
ピークとなってほとんどがゼロに集中し、表層地質の違
いによる影響が少なかった。P1とP2のペアでは前者
よりP0u値のピークが著しく鈍って+5%にこぶが認
められた。それは表層地質の差異がB値の上昇に基づく
条件の多さを示した。P3とP4のペアでは前者と同様
にP0u値のピークが著しく鈍って−5%にこぶが認め
られた。それは表層地質の差異がB値の低下に基づく条
件の多さを示した。さらに、以上の表層地質の違いによ
るB値の変動で、P0u値がしきい値より絶対値で大き
い断層破砕帯と開口性割れ目ではそれらが発生する確率
を違うパターンにした。
使う方法では、一般の地質条件での変動がP5とP6の
関係にほぼ一致した鋭いピークとなり、一般の地質条件
の解析に妥当なことを裏付けた。また、P1とP2,並
びにP3とP4でそれぞれ片方に認められたこぶの現象
は、図中に点線で描いた一般の地質条件がもつ値の標準
曲線値を差引いた図の下部に示すパターンのように、P
0値の+5%と−5%の部分に明瞭に指摘され、それぞ
れの地層境界ではこのいずれかのタイプが発生すること
を裏付けた。さらにしきい値±Ptを絶対値で越えた断
層破砕帯と開口割れ目の出現状態は、P1とP2,P3
とP4のパターンからみて納得できる分布となった。以
上から、解析指標をP0値とすることで、地質境界,断
層破砕帯,開口割れ目を指摘する方法は、特許1,特許
2,出願中特許のいずれよりも妥当性の高い方法になる
と思われる。
解析例]水深約20〜30m の海底で平行する3本の測線各
200m ごとに、2m 間隔で測定した値からP0 値の分布
を描くと、図5のようになった。しきい値Pt を±9%
にしたときの断層破砕帯を黒三角印で、その破砕度を数
字で示し、開口性割れ目を黒丸印で、その開口度を数字
で示した。○印はしきい値以下の一般の表層地質の値で
ある。
帯と開口性割れ目並びに表層地質が変化したP0の絶対
値が比較的大きな部分を測線間で点線に結んだ。測線の
幅で測線の両端までの平面におけるそれらの分布状態を
みると、図の左側の大規模な断層破砕帯を境に、図の左
側と右側で点線の走行が著しく異なり、また右側の走行
は図の下に向かうほど縮まっていく状態が良く示されて
いる。そして破砕度や開口度をみると前記の破砕帯の左
では図の上部ほど大きな値になり、図の中央部ではそれ
らが消失し、破砕帯の右では図の下部ほど大きな値にな
るという構造運動による変形をよく示している。
で検出さえも困難な地質境界、断層破砕帯,開口性割れ
目等の位置の検出並びに後二者の破砕度と開口度を数量
評価し、特徴をもつ表層地質も含めたそれらの平面的連
続状態を解析する本法は、さきに提示した特許1,特許
2,出願中特許による解析水準を大幅に向上させた。
知を含めた地域の地盤変動機構の解析,トンネルや切土
等の土木工事における落盤・崩壊・出水の予知等をより
正確に行なえるようになる。
泉水,地熱の開発適地探査,ウラン・石油・天然ガス等
の鉱床探査,地すべり対策等を従来法よりも迅速・簡便
・低コストでより正確詳細に行なえるようになる。
Claims (1)
- 【請求項1】 表層に含む天然の放射性核種のうち、地
表上又は海・湖底上の任意地点に設けたガンマ線検出器
に入射するカリウム−40,タリウム−208及びビス
マス−214の3核種から放出される、カリウム−40
は1.463Mev,タリウム−208は2.614M
ev,ビスマス−214は1.120Mevと1.76
4Mevの各エネルギーをもつ一次ガンマ線で生じた光
電ピーク計数率(以下、それぞれをK,T,Bo,B1
という。)、並びにビスマス−214の1.120Me
vの光電ピーク計数率の測定エネルギー範囲に入射する
ビスマス−214の1.155Mevから2.448M
evまでの範囲にある放出ガンマ線によるコンプトン散
乱計数率(以下、B2という。)を測定し、B0+B1
+B2=B,B/K=R1,B/T=R2,T/K=R
3を三種の核比とし、測線上の任意の測点に対し、任意
の進行方向にその直前までのn個の測点で得た各核比の
算術平均値をバーRF,直後からn個までの測点で得た
各核比の算術平均値をバーRBとし、それらにRに対応
する核比ごとのサフィックスをつけたとき、(R1/バ
ーRF1−1)×100=P1,(R1/バーRB1−
1)×100=P2,(R2/バーRF2−1)×10
0=P3,(R2/バーRB2−1)×100=P4,
(R3/バーRF3−1)×100=P5,(R3/バ
ーRB3 −1)×100=P6とする6つの核比変化率
によって、下記の方法で断層を含む地質境界、断層破砕
帯、開口性割れ目のそれぞれの位置を検出し、断層破砕
帯の破砕度と開口性割れ目の開口度を数値評価し、さら
に表層の核比変化率に特徴をもつ地質を含めた前記各解
析対象ごとの平面的連続状態を評価する地表と海・湖底
の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態
の検出方法。 記 (1)表層上の任意な測点で設けたガンマ線検出器によ
る各測定チャンネルに入射する表層に含む指標核種以外
からの妨害ガンマ線による計数率を、陸上の測定用には
検出器とその運搬装置を水深5m以上の海又は湖の水面
上に置いた測定値で求め、海・湖底上の測定用には検出
器とその運搬装置を海又は湖の底面から5m以上離した
水中の測定値で求め、各測点での表層に含む指標核種か
らのガンマ線計数率は、測定された計数率から前記のい
ずれかの妨害ガンマ線計数率を差引いた値とする。 (2)測線上の任意な測点とその隣りの測点でのP1と
P2,P3とP4,P5とP6という3つのペアにおい
て、一つのペアで片方の測点のP値が正のしきい値+P
tを越え、隣の測点の違うP値が負のしきい値−Ptを
越えた負の値でかつその絶対値が前者とほぼ同じ値にな
る条件がこの2測点のペアに1つ以上存在する場合、両
測点の間を断層を含む地質境界の位置とする。 (3)測点ごとにP1〜P4のうちで絶対値が最小なも
のをP0とし、任意の測線上のP0値の分布で、P0値
が−Ptを越えて負の値になる条件が一測点又は数測点
に並ぶ範囲を断層破砕帯の位置とし、その範囲の両端部
のP0値のうちで絶対値の小さい方の値から破砕度を求
め、同様にP0値が+Ptを越えて正の値になる条件が
一測点又は数測点に並ぶ範囲を開口性割れ目の位置と
し、その範囲の両端部のP0値のうちで小さい方の値か
ら開口度を求める。 (4)対象地域とその周辺の構造運動の状態から想定さ
れる断層や開口性割れ目の走行方向を横切る測線を数本
設けて測線ごとにP0値の分布を描き、前記の方法で得
た地質境界,断層破砕帯,開口性割れ目及びその測線上
でのP0値の特徴的変化パターンそれぞれの測線間にお
ける位置的関係、破砕度又は開口度の測線間の変化を比
較することから、地質境界,断層破砕帯,開口性割れ
目,特徴をもつ各表層地質の平面的位置の連続状態、並
びに破砕度と開口度の平面的変化を定める。
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