JP2819097B2 - 地表と海・湖底の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法 - Google Patents

地表と海・湖底の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法

Info

Publication number
JP2819097B2
JP2819097B2 JP7246595A JP7246595A JP2819097B2 JP 2819097 B2 JP2819097 B2 JP 2819097B2 JP 7246595 A JP7246595 A JP 7246595A JP 7246595 A JP7246595 A JP 7246595A JP 2819097 B2 JP2819097 B2 JP 2819097B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
fault
bar
values
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7246595A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08248146A (ja
Inventor
重彦 木村
Original Assignee
株式会社日さく
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社日さく filed Critical 株式会社日さく
Priority to JP7246595A priority Critical patent/JP2819097B2/ja
Publication of JPH08248146A publication Critical patent/JPH08248146A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2819097B2 publication Critical patent/JP2819097B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陸又は海・湖底の表層
における断層を含む地質境界,断層破砕帯,開口性割れ
目等の位置,並びに後二者の破砕度と開口度,そして特
徴をもつ表層地質を含めたそれらの平面的連続状態を、
表層に含まれた三種の自然放射性核種から放出される表
層上のガンマ線量の分布状態から求める方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】地球の発生起源で表層に含まれた代表的
ガンマ線放出核種カリウム−40,タリウム−208,
ビスマス−214それぞれは地質ごとに固有な含有率を
もち、それらは各核種それぞれに1.463Mev,
2.614Mev,1.764Mevのエネルギーで放
出される一次ガンマ線量に比例し、それは地表に置いた
NaI検出器で前記のエネルギー範囲に得た光電ピーク
計数率と原則的に比例するので、この測定方法で各核種
の表層含有率は同時にかつ簡便・迅速に評価できる。
【0003】しかし、各一次ガンマ線量の地質別固有性
は地表の幾何学的条件で大幅に変化し、各核種の表層含
有率の部分的ゆらぎは解析を妨げ、加えて検出器1個の
測定量の少なさによる測定誤差は大きい。そこで、上述
の方法による表層地質の解析では、幾何学的条件の消去
に対地距離を30〜100mと高くし、ゆらぎの消去に測定速
度を100Km /hとして短時間に広域を測定し、対地距離
の多さによるガンマ線検出能の低下に、検出器を20〜40
本も用いている。しかし、解析水準は広域の表層地質の
概略な区分に止まっている。
【0004】昭和57年3月13日に出願し、昭和63
年1月29日に特許された特許第1,420,920号
(以下、特許1という。)にかかる方法では、地層に存
在する間隙が下方に深く開く開口性割れ目の位置を地層
に含むラジウム−226の放射性崩壊で発生する気体の
ラドン−222の一部が、深層からこの割れ目を上昇し
て表層に蓄えられ、表層でのこのラドン−222の放射
性崩壊で発生するビスマス−214の部分的急増現象で
指摘できるとする原理に基づく調査方法を提示した。こ
の地表での僅か数m以内の変化という詳細な表層地質条
件を解析するため、前記した地表の任意地点でのカリ
−40,タリウム−208,ビスマス−214の各一
次ガンマ線量をK,T,Bとすると、まず解析指標を
/K=R01,B/T=R02,T/K=R
する核比にすることで、地表の幾何学的条件による一次
ガンマ線量の乱れを消去した。
【0005】次に対象地点の前までに測定されたn個の
測定値がもつ3核種それぞれの核比の平均値バーR
01,バーR 02,バーR を求め、解析指標を
01/バーR 01=P01,R02/バーR 02
=P03,R/バーR =Pとする3つの核比変
化率に変えることで、表層での各核種含有率のゆらぎや
測定値のもつ誤差も含めた同じ地質内での変動を著しく
少なくした。その結果、地表上又は地表近くでの測定を
可能にし、測定対象範囲を著しく狭めた詳しい表層地質
が解析でき、かつより数少ない検出器で短時間に満足な
測定結果を得ることになった。解析では同じ表層地質で
のP値がもつ最大のゆらぎを解析下限のしきい値P
し、P01とP03が共にP値以上の正の値となり、
かつPが正,ゼロ,負の各条件に応じた開口性割れ目
の指摘基準を示した。
【0006】特許1の解析法は、野外で発生確率が高い
測線上の開口性割れ目地点で表層地質が変化するとき
に、その解析が妨げられる欠点が見出された。その対処
に昭和58年3月31日に出願し、平成2年11月30
日に特許された特許第1,589,540 号(以下,特許2とい
う。)にかかる方法を提示した。
【0007】それは測線上の任意の測点で特許1に示し
たR01とR02の値を求め、任意の進行方向でその直前か
ら戻るn個の測点での両核比の平均値それぞれバーR
F01 とバーRF02 、並びに対象地点の直後から進むn個
の測点での両核比の平均値それぞれバーRB01 とバーR
B02 とを求め、R01/バーRF01 =P01とR01/バーR
B01 =P02又はR02/RF02 =P03とR02/RF02 =P
04という2つのペアそれぞれで2つのP値が共にしきい
値Pt を越えた高い値のとき、その地点を開口性割れ目
地点とし、ペアの内の小さい値のP値が開口度を示すと
いう方法で表層地質の違いによる影響を取除き、開口度
を数値表示できるようにした、これに自動車が一方向を
走行中に両方向のP値を自動解析する測定装置を加え
た。
【0008】しかし、特許2の解析法の野外測定では、
主指標となるビスマス−214の一次ガンマ線量が他の
2核種の一次ガンマ線量より少ないことが測定誤差を大
きくし、解析水準を低めた。また、ビスマス−214と
タリウム−208の一次ガンマ線量が日周期的と経日的
に変化し、調査地域内の解析規準の統一性を乱した。さ
らに、実用問題の対処にはこの方法で地質境界や断層破
の位置を検出することも望まれた。それらの対処方
法を平成元年4月18日に特許出願し、平成2年11月
9日に公開(特開平2−275389号)された。(以
下、出願中特許という。)
【0009】それはビスマス−214の一次ガンマ線量
に特許1で述べたB値に1.120Mevの光電ピー
ク計数率Bと、この測定エネルギー範囲に入射する
1.155Mevから2.448Mevまでのエネルギ
ー範囲から放出されるビスマス−214から放出ガン
マ線によるコンプトン散乱計数率Bとを加え、ビスマ
ス−214の計数率をB+B+B=Bとし、B値
をB値より約2倍以上多くした。また、2.614M
evのタリウム−208と1.764Mevのビスマス
−214それぞれの光電ピーク計数率を測定するエネル
ギー範囲の間に挟まれたエネルギー範囲に入射するタリ
ウム−208のコンプトン散乱計数率Tを測定し、T
/Tの日周期的と経日的な変化を求め、これを指標に
特許1で定義したT値と前記したB値の日周期的と経日
的な変化を補正した。さらに、B/K=R,B/T=
,T/K=Rとしたとき、地表が平面にみなせる
条件で、いずれかのR値が急変する地点を断層を含む地
層境界の位置とし、また特許1で定義したTとKの値が
測線上で急減する範囲を断層破砕帯とする解析方法を提
示した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】その後の野外測定で、
出願中特許の方法は海・湖底上の測定にも有効なことが
立証された反面、測定装置やその運搬装置を構成する諸
材質等に含まれた放射性核種からのガンマ線量の混入が
解析を大きく妨げることが明らかになった。また、開口
割れ目の設定基準に前記した特許1,特許2,出願中特
許のいずれもがB/Tを指標とする方法とB/Kを指標
とする方法の両方を示したが、そのいずれを用いた方
が良いかは指摘できなかった。さらに出願中特許で示し
た断層を含む地層境界の指摘方法は指摘個所数が実態以
上に多くなり、加えて断層破砕帯の指摘方法は解析洩れ
が生じやすい上に、提示した指摘条件の野外検出が困難
などの問題点が見出された。
【0011】また、特許1,特許2,出願中特許の三者
で指摘できた地質境界,開口性割れ目,断層破砕帯等の
位置は各測線上に点在したものに止まり、それらの分布
状態から実用上で重要な測線間の地質境界,断層破砕
帯,開口割れ目系等の表層での連続状態を解析すること
は困難であった。
【0012】本発明は、以上の諸欠点を克服し、より正
確・詳細な表層の諸条件を見出し、指摘する方法を提供
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、表層に含む天
然の放射核種のうち、地表上又は海・湖底上の任意地
点に設けたガンマ線検出器に入射するカリウム−40,
タリウム208及びビスマス−214の3核種から放
出される、カリウム−40は1.463Mev,タリウ
ム−208は2.614Mev,ビスマス−214は
1.120Mevと1.764Mevのエネルギー
もつ一次ガンマ線で生じた光電ピーク計数率(以下、そ
れぞれをK,T,B,Bという。)、並びにビスマ
ス−214の1.120Mevの光電ピーク計数率の測
定エネルギー範囲に入射するビスマス−214の1.1
55Mevから2.448Mevまでの範囲にある放出
ンマ線によるコンプトン散乱計数率(以下、Bとい
う。)を測定し、B+B+B=Bとする。B/K
=R,B/T=R,T/K=Rを三種の核比と
し、測線上の任意の測点に対し、任意の進行方向にその
直前までのn個の測点で得た各核比の算術平均値をバー
,直後からn個までの測点で得た各核比の算術平均
値をバーRとし、それらにRに対応する核比ごとのサ
フィックスをつけたとき、(R/バーRF1−1)×
100=P,(R/バーRB1−1)×100=P
,(R/バーRF2−1)×100=P,(R
/バーRB2−1)×100=P,(R/バーR
F3−1)×100=P,(RバーB3 1)
×100=Pとする6つの核比変化率によって、下記
の方法で断層を含む地質境界,断層破砕帯,開口性割れ
それぞれの位置を検出し、断層破砕帯の破砕度と開
口性割れ目の開口度を数値評価し、さらに表層の核比変
化率に特徴をもつ地質を含めた前記各解析対象ごとの平
面的連続状態を評価する方法である。
【0014】 記 (1)表層上の任意な測点で設けたガンマ線検出器によ
る各測定チャンネルに入射する表層に含む指標核種以外
からの妨害ガンマ線による計数率を、陸上の測定用には
検出器とその運搬装置を水深5m以上の海又は湖の水面
上に置いた測定値で求め、海・湖底上の測定用には検出
器とその運搬装置を海又は湖の底面から5m以上離した
水中の測定値で求め、各測点での表層に含む指標核種か
らのガンマ線計数率は、測定された計数率から前記の
ずれかの妨害ガンマ線計数率を差引いた値とする。
【0015】この妨害ガンマ線量をガンマ線検出器の各
測定チャンネルに入射するバックグランド計数率とする
と、その測定方法は対象地域が陸上の場合、水深が5m
以上になる海面又は湖面上に検出器を含む測定装置を置
いて求め、対象地域が海・湖底の場合は、測定する海・
湖底から5m 以上の高さに検出器を含む測定装置を置い
て求める。各測点での測定値から上述の測定条件に応じ
たバックグランド計数率を差引いた値を指標核種からの
ガンマ線量B,K,To とする。以上の測定方法で得た
タリウム−208 の2.614Mevの光電ピーク計数率To には
エネルギー2.4478Mev で崩壊率1.512 %のビスマス−21
4 のガンマ線による光電ピーク計数率が含まれるので、
表層中のタリウム−208 とビスマス−214 の存在比を
1:3.1 と仮定し、タリウム計数率TはT0 ×0.98とす
る。以上の方法で各解析指標の変化率は従来法の値より
も約20%以上高くなり、また実態をより忠実に反映す
る。
【0016】(2) 解析原理で地質境界は測線上に1核種
のガンマ線量が急変する地点で示されるが、測定される
ガンマ線量は数多い変動要因の影響が大きく現れて、実
用の解析への利用はむずかしい。そこで出願中特許では
地表の幾何学的条件による変動を消去し、地質境界を示
し易くしたR2 とR3 を用い、その急変地点を地質境界
としたが、実用上の誤差は未だ多かった。このため、こ
こでは変動要因が最小になる核比変化率P1 〜P6 を使
った。
【0017】測線上の地質境界付近での各核種のガンマ
線量又は各核比の状態を模式的にみると、図1の上段の
ようになり、この状態をPとP,PとPそして
とPという3つのペアの値からみると、ペアごと
に測線上の進行方向とその逆方向での状態はそれぞれ図
1の中段と下段のようになる。そこで1つのペアでは片
方の地点のP値が正のしきい値+Pを越え、隣りの地点
の違うP値が負のしきい値−Pを越えた負の値でかつ
その絶対値が前者とほぼ同じになる条件がこの2測点に
一つ以上のペアで存在する場合には、両測点の間が断層
を含む地質境界の位置とした。
【0018】(3) 出願中特許では断層破砕帯の位置とそ
の破砕度をK又はT値の急減する範囲とその急減率とに
よって示したが、その解析対象は測点の地表が平面にあ
る測定値のみに限られるので、実用化が困難であった。
そこで汎用性が高く、より確実・詳細に指摘する次の解
析基準にした。
【0019】断層破砕帯は図2に示すように、R又は
で値の急減として示されるが、測定値がもつ誤差の
多さがこの方法による解析を妨げる。これ誤差がR値
より小さくなるP値でみると、進行方向には図の中段に
示すP値のようになり、その逆方向では図2の下段の
値のように示される。これらのP値は測定値に含む
誤差的変動が未だ大きいので、各測点でのP〜P
うちで絶対値が最小のP値を解析指標とした。それは
〜Pのうちで、諸誤差要因による変動量が最小に
なる。P値の測線分布上で一測点又は続く数測点で
のしきい値である−P 越える負のP が存在した
とき、その範囲を断層破砕帯の位置とし、破砕度はその
範囲の両端部で絶対値の小さい値のPがもつ負の
度で示されるとした。
【0020】(4)開口性割れ目は特許2と出願中特許
でR又はRでは、図3の上段に示す値の凸状部にな
り、PとP値では図の中・下段の変化になる。そこ
でPとP又はPとPという2つのペアのいずれ
かで、ペアのP値が共に正のしきい値である値を越
えた範囲を開口性割れ目の位置とし、その最小のを用
いて開口度を示すとした。しかし、2つのペアでの開口
度は誤差的変動で異なる場合が多かった。
【0021】そこで、野外測定の経験から、ここでは解
析基準をPとし、P値が1測点又は続く数測点でP
値を越えた値になったとき、その範囲を開口性割れ目
とし、開口度は両端部での小さい方の値のP 値の程度
示されるとした。
【0022】(5)特許1,特許2,出願中特許等で測
線上の開口性割れ目,地質境界,断層破砕帯等を指摘で
きても、実用に重要な測線間でのそれらの連続性の想定
はむずかしかった。しかし、測定値がもつ誤差的変動を
大幅に消去したP値の分布を各測間で比較すると、
各地質の詳細な変化は測間のP値の変化パターンの
類似性を指標に良く対比できることが見出され、測線間
での詳細な地質の連続状態が解析できた。そこでここ
では測線間で断続又は消失しやすい開口性割れ目や断層
破砕帯、そしてP値の変化で区分できる表層地質を含
めて、それらの連続方向や連続状態を測線間のP値の
分布状態から求めた。
【0023】
【実施例】[妨害ガンマ線量] 水深約30mの海底から約10m上に設置した直径約
0.9m,高さ約0.7m,厚さ約3cmの円筒状鉄製
容器内に、直径と高さが12.7cmのNal結晶をも
つ検出器12本を納めたとき、3測点でそれぞれ約30
分の測定をした結果、表1のように、各測定チャンネル
で毎分あたりの妨害ガンマ線量は表層の指標核種からの
ガンマ線量の19〜34%を占めるという大きな値が得
られ、かつ各測定チャンネルごとの混入計数率は大幅に
違っていた。妨害ガンマ線量がKのチャンネルに多い理
由は、鉄材に含まれたコバルト−60と検出器の光電子
増倍管に含まれたカリウム−40とによると思われる。
【0024】海中・海底ガンマ線量測定例
【表1】
【0025】 [P値による断層破砕帯と開口割れ目の決定根拠] 任意の測点で得たPとP,PとP,PとP
という3つのペアそれぞれの小さい値をP0uとし、そ
の1%区切りでの発生確率を1地域の約300測点のデ
ータから求めると、図4の下段左,下段右,上段中央の
ようになった。PとPのペアではP0uの値が鋭い
ピークとなってほとんどがゼロに集中し、表層地質の違
いによる影響が少なかった。PとPのペアでは前者
よりP0u値のピークが著しく鈍って+5%にこぶが認
められた。それは表層地質の差異がB値の上昇に基づく
条件の多さを示した。PとPのペアでは前者と同様
にP0u値のピークが著しく鈍って−5%にこぶが認め
られた。それは表層地質の差異がB値の低下に基づく条
件の多さを示した。さらに、以上の表層地質の違いによ
るB値の変動で、P0u値がしきい値より絶対値で大き
い断層破砕帯と開口性割れ目ではそれらが発生する確率
を違うパターンにした。
【0026】しかし、図の上図に示したP値を
使う方法では、一般の地質条件での変動がPとP
関係にほぼ一致した鋭いピークとなり、一般の地質条件
の解析に妥当なことを裏付けた。また、PとP,並
びにPとPでそれぞれ片方に認められたこぶの現象
は、図中に点線で描いた一般の地質条件がもつ値の標準
曲線値を差引いた図の下部に示すパターンのように、P
値の+5%と−5%の部分に明瞭に指摘され、それぞ
れの地層境界ではこのいずれかのタイプが発生すること
を裏付けた。さらにしきい値±Pを絶対値で越えた断
層破砕帯と開口割れ目の出現状態は、PとP,P
とPのパターンからみて納得できる分布となった。以
上から、解析指標をP値とすることで、地質境界,断
層破砕帯,開口割れ目を指摘する方法は、特許1,特許
2,出願中特許のいずれよりも妥当性の高い方法になる
と思われる。
【0027】[断層破砕帯,開口性割れ目等の平面分布
解析例]水深約20〜30m の海底で平行する3本の測線各
200m ごとに、2m 間隔で測定した値からP0 値の分布
を描くと、図5のようになった。しきい値Pt を±9%
にしたときの断層破砕帯を黒三角印で、その破砕度を数
字で示し、開口性割れ目を黒丸印で、その開口度を数字
で示した。○印はしきい値以下の一般の表層地質の値で
ある。
【0028】3測線のP値の分布状態から、断層破砕
帯と開口性割れ目並びに表層地質が変化したPの絶対
値が比較的大きな部分を測線間で点線に結んだ。測線の
幅で測線の両端までの平面におけるそれらの分布状態を
みると、図の大規模な断層破砕帯を境に、図の左
側と右側で点線の走行が著しく異なり、また右側の走行
は図の下に向かうほど縮まっていく状態が良く示されて
いる。そして破砕度や開口度をみると前記の破砕帯の左
では図の上部ほど大きな値になり、図の中央部ではそれ
らが消失し、破砕帯の右では図の下部ほど大きな値にな
るという構造運動による変形をよく示している。
【0029】
【発明の効果】一般に風化堆積層や第四紀堆積層の被覆
で検出さえも困難な地質境界、断層破砕帯,開口性割れ
目等の位置の検出並びに後二者の破砕度と開口度を数量
評価し、特徴をもつ表層地質も含めたそれらの平面的連
続状態を解析する本法は、さきに提示した特許1,特許
2,出願中特許による解析水準を大幅に向上させた。
【0030】その結果、第1に表層地質の解析,地震予
知を含めた地域の地盤変動機構の解析,トンネルや切土
等の土木工事における落盤・崩壊・出水の予知等をより
正確に行なえるようになる。
【0031】第2に広域での測定から断裂系地下水や温
泉水,地熱の開発適地探査,ウラン・石油・天然ガス等
の鉱床探査,地すべり対策等を従来法よりも迅速・簡便
・低コストでより正確詳細に行なえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地質境界での諸指標の変化
【図2】断層破砕帯での諸指標の変化
【図3】開口性割れ目での諸指標の変化
【図4】Pou値とP0 値の発生確率実測例
【図5】3測線での各解析指標の連続性の検討例

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表層に含む天然の放射性核種のうち、地
    表上又は海・湖底上の任意地点に設けたガンマ線検出器
    に入射するカリウム−40,タリウム208及びビス
    マス−214の3核種から放出される、カリウム−40
    は1.463Mev,タリウム−208は2.614M
    ev,ビスマス−214は1.120Mevと1.76
    4Mevのエネルギーをもつ一次ガンマ線で生じた光
    電ピーク計数率(以下、それぞれをK,T,B,B
    という。)、並びにビスマス−214の1.120M
    vの光電ピーク計数率の測定エネルギー範囲に入射する
    ビスマス−214の1.155Mevから2.448M
    evまでの範囲にある放出ガンマ線によるコンプトン散
    乱計数率(以下、Bという。)を測定し、B+B
    +B=B,B/K=R,B/T=R,T/K=R
    を三種の核比とし、測線上の任意の測点に対し、任意
    の進行方向にその直前までのn個の測点で得た各核比の
    算術平均値をバーR,直後からn個までの測点で得た
    各核比の算術平均値をバーRとし、それらにRに対応
    する核比ごとのサフィックスをつけたとき、(R/バ
    ーRF1−1)×100=P,(R/バーRB1
    1)×100=P,(R/バーRF2−1)×10
    0=P,(R/バーRB2−1)×100=P
    (R/バーRF3−1)×100=P,(R/バ
    ーRB3 1)×100=Pとする6つの核比変化率
    によって、下記の方法で断層を含む地質境界、断層破砕
    帯、開口性割れ目それぞれの位置を検出し、断層破砕
    帯の破砕度と開口性割れ目の開口度を数値評価し、さら
    に表層の核比変化率に特徴をもつ地質を含めた前記各解
    析対象ごとの平面的連続状態を評価する地表と海・湖底
    の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態
    の検出方法。 記 (1)表層上の任意な測点で設けたガンマ線検出器によ
    る各測定チャンネルに入射する表層に含む指標核種以外
    からの妨害ガンマ線による計数率を、陸上の測定用には
    検出器とその運搬装置を水深5m以上の海又は湖の水面
    上に置いた測定値で求め、海・湖底上の測定用には検出
    器とその運搬装置を海又は湖の底面から5m以上離した
    水中の測定値で求め、各測点での表層に含む指標核種か
    らのガンマ線計数率は、測定された計数率から前記の
    ずれかの妨害ガンマ線計数率を差引いた値とする。 (2)測線上の任意な測点とその隣りの測点でのP
    ,PとP,PとPという3つのペアにおい
    て、一つのペアで片方の測点のP値が正のしきい値+P
    を越え、隣の測点の違うP値が負のしきい値−P
    越えた負の値でかつその絶対値が前者とほぼ同じ値にな
    る条件がこの2測点のペアに1つ以上存在する場合、両
    測点の間断層を含む地質境界の位置とする。 (3)測点ごとにP〜Pのうちで絶対値が最小なも
    のをPとし、任意測線上のP値の分布で、P
    が−Pを越えて負の値になる条件が一測点又は数測点
    に並ぶ範囲断層破砕帯の位置とし、その範囲の両端部
    のP値のうちで絶対値の小さい方の値から破砕度を求
    め、同様にP値が+Pを越えて正の値になる条件が
    一測点又は数測点に並ぶ範囲開口性割れ目の位置と
    、その範囲の両端部のP値のうちで小さい方の値
    開口度を求める。 (4)対象地域とその周辺の構造運動の状態から想定さ
    れる断層や開口性割れ目の走行方向を横切る測線を数本
    設けて測線ごとにP値の分布を描き、前記の方法で得
    た地質境界,断層破砕帯,開口性割れ目及びその測線上
    でのP値の特徴的変化パターンそれぞれの測線間にお
    ける位置的関係、破砕度又は開口度の測線間の変化を比
    較することから、地質境界,断層破砕帯,開口性割れ
    ,特徴をもつ各表層地質の平面的位置の連続状態、並
    びに破砕度と開口度の平面的変化を定める。
JP7246595A 1995-03-07 1995-03-07 地表と海・湖底の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法 Expired - Fee Related JP2819097B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7246595A JP2819097B2 (ja) 1995-03-07 1995-03-07 地表と海・湖底の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7246595A JP2819097B2 (ja) 1995-03-07 1995-03-07 地表と海・湖底の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08248146A JPH08248146A (ja) 1996-09-27
JP2819097B2 true JP2819097B2 (ja) 1998-10-30

Family

ID=13490092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7246595A Expired - Fee Related JP2819097B2 (ja) 1995-03-07 1995-03-07 地表と海・湖底の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2819097B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2013277928B2 (en) 2012-06-18 2017-06-15 Technological Resources Pty. Limited Systems and methods for processing geophysical data
JP5671184B1 (ja) * 2013-11-06 2015-02-18 アジア航測株式会社 断層図作成装置及び断層図作成方法並びに断層図作成プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08248146A (ja) 1996-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sukanya et al. Application of radon (222Rn) as an environmental tracer in hydrogeological and geological investigations: an overview
GB1598873A (en) Method and apparatus for measuring azimuth and speed of horizontal fluid flow by a borehole
Doll et al. Airborne geophysical surveying for hazardous waste site characterization on the Oak Ridge Reservation, Tennessee
Merceron et al. Application of Cantor's method for fractal analysis of fractures in the Toyoha Mine, Hokkaido, Japan
Asfahani Geoelectrical combined sounding-profiling configuration for characterizing the sedimentary phosphatic environment in Al-Sharquieh deposits mine in Syria
JP2819097B2 (ja) 地表と海・湖底の下に伏在する断層破砕帯,開口性割れ目等の分布状態の検出方法
Bain et al. Evaluation of the Durham Triassic basin of North Carolina and techniques used to characterize its waste-storage potential
Moxham Airborne radioactivity surveys in geologic exploration
Tyler et al. Reconstructing the abundance of Dounreay hot particles on an adjacent public beach in Northern Scotland
Al-Hilal et al. Investigation for uranium dispersion adjacent to cretaceous phosphatic outcrops in Al-Nassrieh Basin, southern Palmyrides, Syria
Muessig Correlation of airborne radiometric data and geologic sources with elevated indoor radon in New Jersey
Németh et al. In situ gamma ray survey for geological mapping of Kmetasomatized metavolcanics at Bükkszentkereszt, Bükk Mts, Hungary
US3609363A (en) Method of prospecting for mineral deposits having radioactive gaseous decay products
Fayer et al. Re-evaluation of a subsurface injection experiment for testing flow and transport models
JPH0755950A (ja) ラドン・エマネーションの測定方法及び地中探査方法
RU2724288C1 (ru) Способ выявления алмазоносных кимберлитовых трубок
Baldwin Jr Paleoseismic investigation of the San Andreas fault on the north coast segment, near Manchester, California
Geiger et al. Statistical and geostatistical study of Rn and hydrocarbon components of a soil gas monitoring system: an application to surface hydrocarbon exploration
Kušnirák et al. Physical properties of Hradište border fault (Turiec Basin, Western Carpathians, Slovakia) inferred by multidisciplinary geophysical approach
Danilov et al. DIAMOND DEPOSITS OF THE EUROPEAN ARCTIC OF RUSSIA: PROBLEMS OF THE KIMBERLITES EXPLORATION, LIMITS OF CONVENTIONAL METHODS AND NEW APPROACHES
Lauritsen et al. Proposal for a new national radon hazard map-Trøndelag test area-COOP Project
Usman et al. Investigation of relative abundance of radioelement concentration over a portion along Birnin Yauri, Northwestern Nigeria
Somogyi et al. Field macroradiography measuring radon exhalation
Johnston et al. Plutonium contamination in the Maralinga Tjarutja lands
Jones Structural, hydraulic, and geophysical properties of granite near Oracle, Arizona

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080828

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090828

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100828

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110828

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130828

Year of fee payment: 15

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees