JPH08244891A - 漏 斗 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造でありながらその内部の液体の量
を外部から見ることができない容器への液体の過注入を
確実に防ぐことができる漏斗を提供すること。 【構成】 流下筒状部の下端から貯溜部の上端よりやや
上方に突出した空気抜き管が設けられており、その内部
の液体の量を外部から見ることができない容器上部の液
体の注入排出口の周辺に設けられている鍔状体の内周面
のネジに螺合するネジが流下筒状部の外周に設けられて
おり、容器内に注入される液体の液面が流下筒状部の下
端より上に上昇したときに、容器内の空気が前記２つの
ネジの螺合部の間隙を通って容器の外に流出しないよう
に空気を密封して貯溜部からの液体の流下を止める弾性
シール部材が流下筒状部の外周に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、その内部の液体の量を
外部から見ることができない容器への液体の過注入を防
ぐことができる漏斗に関するものである。

【従来の技術】

【０００２】従来、廃油や廃液等の液体をドラム缶等の
その内部の液体の量を外部から見ることができない容器
に漏斗を介して注入するとき、漏斗と注入ゲージとを容
器の天板にそれぞれ別々にセットし、注入ゲージを見な
がら注入しており、満杯近くまで入れようとしてついそ
の注入状況が見えないために、注入し過ぎて溢れさせた
り、漏斗を外したときに容器の上面に溢れさせていま
い、時には容器の外にこぼし、容器の上面や床等を汚し
てしまい清掃作業が必要になつたり、特に油の場合、床
面への垂れ流しにより滑って転ぶとか、火災予防の面と
かの安全性の確保の面からも好ましいことではない。

【０００３】また、上記のような問題を生じさせないた
めには、その都度漏斗を外してドラム缶等の容器の中に
入っている液体の量を確認しなければならないという作
業を必要としている。

【０００４】ところで、特開平４ー２１５９９３公報に
は、ウイスキー等の自動注液装置に用いられるじょうご
の計量精度の向上のために、じようごに鍔を突設すると
ともにエア抜きを設けたものが記載されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載されて
いるものは、「じょうごの筒部をボトルの口に挿入する
と、じょうごは鍔でボトルの口に安定して載置されるの
で、液がコーン部の内面に偏心して流下しても、じょう
ごが揺れ動くことがないので計測精度が向上する。ま
た、液がじょうごの当たり板に当った時点でロードセル
に液の重量が計測されるので計測精度が向上する。また
ボトル内部の空気は、エア抜きから排出されるので、液
とボトル内部の空気との置換がスムーズに行われ、液が
泡となって流出するのが防止される。」というものであ
る。

【０００６】そして、上記公報に記載されているものに
おけるエアを抜くということは、液とボトル内部の空気
との置換がスムーズに行われ、液が泡となって流出する
のが防止されるというものであり、その内部の液体の量
を外部から見ることができない容器への液体の過注入を
防ぐことができるというものではない。

【０００７】本発明は上記の従来技術が有する問題を解
決し、簡単な構造でありながらその内部の液体の量を外
部から見ることができない容器への液体の過注入を確実
に防ぐことができる漏斗を提供することを目的とするも
のである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る漏斗は、液
体の貯溜部と流下筒状部とからなり、流下筒状部の下端
から貯溜部の上端よりやや上方に突出して空気抜き管が
設けられており、その内部の液体の量を外部から見るこ
とができない容器上部の液体の注入排出口の周辺に設け
られている鍔状体の内周面のネジに螺合するネジが流下
筒状部の外周に設けられており、容器内に注入される液
体の液面が流下筒状部の下端より上に上昇したときに、
容器内の空気が前記２つのネジの螺合部の間隙を通って
容器の外に流出しないように空気を密封して貯溜部から
の液体の流下を止める弾性シール部材が流下筒状部の外
周に設けられているというものである。

【０００９】

【作用】漏斗本体から容器に注入された液体が、流下筒
状体の下端より上方の液面まで上昇すると、漏斗本体の
液体は貯溜部の液面まで貯留していても、容器内の上方
の空気は弾性シール部材によって密封されているので、
空気抜き管は液体によって液面まで満たされており、容
器の中の空気は容器の外に出ることができず、大気とバ
ランスし、漏斗本体内に貯留した液体は容器内に流下す
ることができない。

【００１０】したがって、容器内には空気によって液面
までしか液体が注入されないので、漏斗本体を容器から
外したときに、液体が容器の外に溢れることはない。

【００１１】取付け回動部を手またはレンチ等の工具を
介して弾性シール部材を緩める方向に回動すると、漏斗
本体は上昇し、弾性シール部材による２つのネジの螺合
部の密封状態が解消し、容器内の空気は２つのネジとの
螺合部の隙間を通り大気中に流出する。

【００１２】容器内の空気の流出に伴い漏斗本体内の液
体は、容器内に流下し、漏斗本体の貯溜部の容積よりも
容器内の空気の容積が多くなるように液体の流下筒状部
の長さを設定しておけば、容器内の液体の量が外部から
見ることができないものにおいて、容器内に注入される
液体の過注入ということはなく、従って液体の注入によ
る容器からのオーバーフローは生じない。

【００１３】

【実施例】図１から図５はいずれも本発明に係る漏斗の
一実施例を説明するためのもので、図１は容器の一部と
容器の上部に取り付けられている漏斗の断面図、図２は
容器が液体で満たされた状態を示す容器の一部と容器の
上部に取り付けられている漏斗の断面図、図３は図１の
Ａ−Ａで切断した断面図、図４は図２の二点鎖線の円内
の拡大図である。

【００１４】以下図１から図４を参照して、本発明に係
る漏斗の一実施例を説明すると、漏斗本体１は、液体の
貯溜部２と液体の流下筒状部３とからなり、流下筒状部
３の下端４から流下筒状部３の内壁面を経て貯溜部２の
上端よりやや上方に突出するように空気抜き管５が、前
記流下筒状部３の内周壁に溶接１６等により取り付け固
定されている。なお、６は空気抜き管５の上端開口部で
先端部はほぼ水平に曲げられており、その上部は漏斗本
体１の上端より上に位置している。

【００１５】液体の流下筒上部３の上部であって、液体
の貯溜部２の下方部の円錐状の壁部１５の下部には、人
の手或いはレンチ等の工具によって漏斗本体１をドラム
缶等の容器８の天板９に設けられている液体の注入排出
口の周辺に設けられている鍔状体１０の内周面のネジ１
１に螺合するための外周面が多角形の取付け回動部１２
が設けられている。鍔状体１０のネジ１１は注入排出口
にキヤップ（図示せず）を螺合するためのものである。

【００１６】流下筒状部３の取付け回動部１２の下部の
溝１４には、Ｏリング等の弾性シール部材７が嵌合され
ており、流下筒状部３の外周には鍔状体１０のネジ１１
と螺合するネジ１３が設けられており、弾性シール部材
７はネジ１１とネジ１３との螺合部から容器８内の空気
１９の流出を防ぐためのものである。なお、２０は液体
の流下部である。

【００１７】図１において、漏斗本体１から容器８に注
入された液体が、例えば、流下筒状体３の下端４より上
方の液面１７まで上昇すると、漏斗本体１の液体は貯溜
部２の液面１８まで貯留していても、容器８内の上方の
空気１９は弾性シール部材７によって密封されているた
めに、空気抜き管５が液体によって液面１８まで満たさ
れているので、空気１９は容器８の外に出ることができ
ず、図１に示す状態で大気とバランスし、漏斗本体１内
に貯留した液体は容器８内に流下することができない。

【００１８】図１の状態では容器８内には空気１９によ
って液面１７までしか液体が注入されず、漏斗本体１を
容器８から外したときに、液体が容器８の外に溢れるこ
とはない。

【００１９】図１の状態になったとき、図２に示す状態
すなわち把手２１または取付け回動部１２を手またはレ
ンチ等の工具を介して弾性シール部材７の圧着状態を緩
める方向に回動すると、図４に示すように漏斗本体１は
上昇し、弾性シール部材７によるネジ１１とネジ１３と
の螺合部の密封状態が解消し、容器８内の空気１９はネ
ジ１１とネジ１３との螺合部の隙間を通り大気中に流出
する。

【００２０】容器８内の空気１９の流出に伴い漏斗本体
１内の液体は、容器８内に流下し、図２に示す状態にな
る。そして、漏斗本体１の貯溜部２の容積よりも容器８
内の空気１９の容積が多くなるように液体の流下筒状部
３の長さを設定しておけば、容器８内の液体の量が外部
から見ることができないものにおいて、容器８内に注入
される液体のか注入ということはなく、従って液体の注
入による容器からのオーバーフローは生じない。

【００２１】

【発明の効果】本発明に係る漏斗は、簡単な構造であり
ながらその内部の液体の量を外部から見ることができな
い容器への液体の過注入を確実に防ぐことができる漏斗
を提供することができるという効果を有する。

【００２２】本発明に係る漏斗は、廃油や廃液等の液体
をドラム缶等のその内部の液体の量を外部から見ること
ができない容器に漏斗を介して注入するとき、漏斗と注
入ゲージとをドラム缶の天板にそれぞれ別々にセット
し、注入ゲージを見ながら注入するという作業を駆逐
し、満杯近くまで入れようとしてついその注入状況が見
えないために、入れすぎて溢れさせたり、漏斗を外した
ときに、容器の上面に溢れさせるということもなく、容
器の外にこぼすこともなくなり、従って容器の上面や床
等の清掃作業もなくなり、特に油の場合の安全性の確保
も確実にできるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図１から図４はいずれも本発明に係る漏斗の一実施例を
説明するためのものである。

【図１】容器の一部と容器の上部に取り付けられている
漏斗の断面図である。

【図２】容器が液体で満たされた状態を示す容器の一部
と容器の上部に取り付けられている漏斗の断面図であ
る。

【図３】図１のＡ−Ａで切断した断面図である。

【図４】図２の二点鎖線の円内の拡大図である。

【符号の説明】

１ 漏斗本体 ２ 液体の貯溜部 ３ 液体の流下筒状部 ４ 流下部の下端 ５ 空気抜き管 ６ 空気抜き管５の上端開口部 ７ 弾性シール部材 ８ ドラム缶等の容器 １０液体注入排出口の鍔状体 １１鍔状体１０の内壁面に設けられたネジ １３液体の流下筒状部３の外周部に設けられたネジ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体の貯溜部と流下筒状部とからなり、
   流下筒状部の下端から貯溜部の上端よりやや上方に突出
   して空気抜き管が設けられており、その内部の液体の量
   を外部から見ることができない容器上部の液体の注入排
   出口の周辺に設けられている鍔状体の内周面のネジに螺
   合するネジが流下筒状部の外周に設けられており、容器
   内に注入される液体の液面が流下筒状部の下端より上に
   上昇したときに、容器内の空気が前記２つのネジの螺合
   部の間隙を通って容器の外に流出しないように空気を密
   封して貯溜部からの液体の流下を止める弾性シール部材
   が流下筒状部の外周に設けられていることを特徴とする
   漏斗。