JPH08244204A - 名入り版用取付具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】名入り版の取り替えがワンタッチですることが
できるとともに、名入り版の位置決めが容易となり、且
つ種々の文様を刻設した名入り版を適宜組合わせて取付
けることができる名入り版用取付具を提供することにあ
る。 【構成】生地、布、織物等の被転写基材の表面に、文
字、模様、絵柄等の所定の文様を転写箔を介して圧力と
熱とで転写し得る熱転写機の熱盤に取付けてなる名入り
版用取付具であって、鉄板材、フェライト素材等の磁性
体から作製した平板状の取付具本体１の一面に少なくと
も一側が開口した凹溝３を設けるとともに、該凹溝３内
に別途形成した装着溝４の高さと同一或いは稍低く成形
した磁石体２を装着して、その上に文字、模様、絵柄等
の所定の文様を刻設した磁性体である名入り版５を着脱
自在に磁着してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、生地、布、織物等の被
転写基材の表面に、文字、模様、絵柄等の所定の文様を
転写箔を介して圧力と熱とで転写し得る熱転写機の熱盤
に取付けてなる名入り版用取付具に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、指輪、イヤリング、ネックレ
ス、ブレスレット、ペンダント等のような装飾品を収
納、保管する為の収納具の表面或いは内面には、通常、
高級感等を演出するためにメーカー名や絵柄等の文様が
印刷されている。このような印刷は、以下のようになさ
れるのである。先ず図１１に示す平板状の鉄板材５１の
表面に、所定のパターンで文様５２が刻設された名入り
版５３を熱転写機（図示せず）の熱盤にボルト等で取付
け、そして基盤上に被転写基材を置く。そして前記熱盤
を転写箔を介して被転写基材に押し付けることにより、
その圧力と熱とで前記転写箔を被転写基材側に転写する
ものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来使
用している名入り版５３は、平板状の鉄板材５１の表面
に所定のパターンで文様５２を刻設したものであるた
め、他の文様の名入り版５３を取り替えるには、その都
度この名入り版５３を取り外さなければならず、取り替
え作業が非常に手間となり、時間がかかっていた。ま
た、名入り版と被転写基材との位置関係を決定して、固
定することが困難であるため、ずれの発生が問題となっ
ていた。更に、多種多様の名入り版５３が年々増加する
ため、収納に嵩張り、またその保管スペースもとってし
まうという問題もあった。

【０００４】そこで本発明は以上のような状況に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、名入り
版の取り替えがワンタッチですることができるととも
に、名入り版の位置決めが容易となり、且つ種々の文様
を刻設した名入り版を適宜組合わせて取付けることがで
きる名入り版用取付具を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者は前述の課題解
決のために鋭意研究を行った結果、生地、布、織物等の
被転写基材の表面に、文字、模様、絵柄等の所定の文様
を転写箔を介して圧力と熱とで転写し得る熱転写機の熱
盤に取付けてなる名入り版用取付具であって、鉄板材、
フェライト素材等の磁性体から作製した平板状の取付具
本体の一面に少なくとも一側が開口した凹溝を設けると
ともに、該凹溝内に別途形成した装着溝の高さと同一或
いは稍低く成形した磁石体を装着して、その上に文字、
模様、絵柄等の所定の文様を刻設した磁性体である名入
り版を着脱自在に磁着してなることを特徴とする名入り
版用取付具を開発し、本発明を提供するものである。

【０００６】そして鉄板材から作製した平板状の取付具
本体の一面に一側が開口した凹溝を設けるとともに、該
凹溝内に別途形成した装着溝の高さと同一或いは稍低く
成形した磁石体を装着して、その上に文字、模様、絵柄
等の所定の文様を刻設した磁性体である名入り版を着脱
自在に磁着することや、鉄板材から作製した平板状の取
付具本体の一面に一側から連続して他側まで共に開口し
た凹溝を設けるとともに、該凹溝内に別途形成した装着
溝の高さと同一或いは稍低く成形した磁石体を装着し
て、その上に文字、模様、絵柄等の所定の文様を刻設し
た磁性体である名入り版を着脱自在に磁着することが好
ましい実施例である。

【０００７】また前記装着溝の幅よりも稍短い幅の磁石
体を装着することが良い。

【０００８】更に後述する理由により、特に取付具本体
の形状を正方形とすることが望ましい。

【０００９】

【作用】以上のような構成にしてなる本発明に係る名入
り版用取付具として、請求項１に記載したものを用いた
場合は、熱転写機の熱盤にボルト等で取付け、磁性体か
ら作製された名入り版を取付具本体の凹溝に嵌め込んで
吸着させることができる。そして吸着された名入り版を
指で押圧しながら開口した一側に向けてスライドさせれ
ば、容易に取外すことができる。

【００１０】そして請求項４に記載したものを用いた場
合は、前記した作用に加え、取付具本体の一側のみに開
口を設けて他側は閉口している凹溝を形成しているの
で、名入り版を前記凹溝に嵌め込んで他側方向に吸着さ
せた場合、名入り版は他側方向の溝壁に当たり、位置固
定する。

【００１１】また請求項７に記載したものを用いた場合
は、取付具本体の一側方向のみならず、他側方向からも
名入り版を嵌め込んで吸着させることができる。

【００１２】そして請求項２、請求項５、請求項８に記
載したものを用いた場合は、磁力が磁石体の上部に集中
するとともに、また上部以外には磁力がでないようにシ
ールドされる。

【００１３】更に請求項３、請求項６、請求項９に記載
したものを用いた場合は、熱転写機の熱盤に取付具本体
を取付けた状態で、その熱盤を回転させることにより、
凹溝の位置が変化して、複数の固定位置が得られる。

【００１４】

【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の名
入り版用取付具Ａ（以下、単に取付具Ａと称する。）を
具体化した実施例について説明する。ここに図１に示し
たものは本発明の取付具Ａを示す分解斜視図であって、
取付具本体１と磁石体２で主要構成されている。

【００１５】取付具本体１は、鉄板材、フェライト素材
等の磁性体から平板状に作製されたものであり、図１に
示す如く、少なくと一側が開口した凹溝３と、該凹溝３
内に別途形成した装着溝４を設けるものである。そして
図示したものは、正方形状のものであるが、特に正方形
状でなければ使用出来ないことはなく、円形状、三角形
状、或いは５角形以上である多角形状でも使用すること
は可能である。しかしながら、後述する理由により正方
形状が好ましいのである。また、前記装着溝は、湾曲し
たものであるが、これは後記する磁石体の形状に合わせ
たものであり、直線状であっても良いということは言う
までもない。

【００１６】磁石体２は、図１に示す如く前記取付具本
体１の装着溝４に装着するものであり、前記装着溝４の
高さと同一或いは稍低く成形したものが適している。そ
してここに使用する磁石体２としては、プラスチックマ
グネットを使用するが、特に限定するものではなく、金
属製の磁石やゴム製の磁石等でも適宜使用可能である。

【００１７】そして矢印の如く、前記取付具本体１の装
着溝４に磁石体２を装着させることで、図２に示すよう
に本発明の取付具Ａが構成される。そして各々の文様が
刻設された名入り版５を前記凹溝３内に嵌め込み、磁石
体２に吸着させることで、容易に位置固定される。尚、
文様の部分は、磁性体でなく非磁性体でも使用可能であ
る。

【００１８】図３は、図２に示す名入り版５を吸着させ
た取付具Ａの使用状態を示した簡易説明図であり、名入
り版５を吸着した本願取付具Ａを熱転写機（図示せず）
の熱盤６にボルト等で取付けるのである。そして前記熱
盤６を転写箔７を介して被転写基材８に矢印の如く押し
付けることにより、その圧力と熱とで前記転写箔７を被
転写基材８側に所定の印刷パターンを転写させるのであ
る。そして所定の数量を転写し終えた場合は、前記名入
り版５だけを指等で押圧しながら凹溝３に沿って開口側
にスライドさせることで容易に取外しができ、別の文様
を刻設した名入り版５を迅速に取り替えることができる
のである。従って、本願発明の取付具Ａを採用すること
により、一旦、取付具Ａを取付けると、後は名入り版５
を交換するだけで良いので、数秒間で取り替え作業が完
了するのである。

【００１９】また図４に示したものは、図２におけるａ
−ａ断面図であり、この図から明らかなように、取付具
本体１の装着溝４に装着されている磁石体２は、この装
着溝４の幅よりも稍短い幅のものを採用して、若干の隙
間を設けている。これは磁力を一定の方向に集中させる
ために極めて重要であり、この場合は、上方に強い磁力
が集中し、名入り版５の吸着力を高めることができる。
また、上方以外の３方の磁力をシールドする効果もあ
る。

【００２０】加えて、図５に示す如く、本発明の取付具
Ａの形状を正方形状とし、且つ凹溝３を図示のように構
成すれば、矢印の如く回転させることにより、（ａ）か
ら（ｅ）までの５か所の名入り版５の固定位置が得られ
るのである。また図示したものは、右回りに回転させた
ものであるが、当然左回りでも回転可能である。従っ
て、合計１０か所の固定位置が得られるとともに、更に
名入り版５を上下逆さに置き換えることによって、その
倍の固定位置を得ることもできる。

【００２１】また図６に示したものは、他の実施例であ
り、凹溝３の形状を正面視凸形状に形成したものであ
り、便宜上、挿着溝４は省略している。そして幅広の凹
溝３がある側を開口して、更に他側も開口することによ
り、図７に示す如く、例えば、最初に「祝」等の文字を
刻設した名入り版５を縦長の凹溝３に嵌め込んでから、
横長の凹溝３に「１９９５」等を刻設した名入り版５を
嵌め込むことができる。そして、一側あるいは他側のど
ちらからでも指等で押圧しながらスライドすることによ
って、容易に取り外すことができる。

【００２２】更に図８に示したものは、他の実施例であ
り、凹溝３の形状を正面視長方形状に形成したものであ
る。そして一側のみ開口しているので、中央部に名入り
版５を吸着させた場合は、溝壁１０に当たるので、位置
ずれが絶対に起こらないのである。尚、本図も便宜上、
挿着溝４を省略している。このようにあらゆる形状の凹
溝３を設けることができ、特に一点に限定されるもので
はない。

【００２３】そして図９に示したものは、前記取付具本
体１の装着溝４に装着され得る磁石体２の形状であり、
図１に示す弓形状のみならず、（イ）〜（チ）に示すも
のが適宜採用される。

【００２４】更にこれまで説明してきたのは、熱転写機
の熱盤６に１体の取付具Ａを取付けたものであったが、
図１０に示す如く、大鉄板９上に６個の取付具Ａを位置
定着させて、このような状態で、熱盤６に取付ければ、
一度に６点の転写作業が行え、作業効率が飛躍的に向上
する。

【００２５】

【発明の効果】以上の記載より明らかなように、次に記
載する効果を奏する。請求項１記載の名入り版用取付具
によれば、熱転写機の熱盤にボルト等で取付け、磁性体
から作製された名入り版を取付具本体の凹溝に嵌め込ん
で、凹溝に別途形成された装着溝に装着された磁石体に
吸着させることができるので、従来のように名入り版を
取付けるのに、その度にボルト等で取付ける必要がなく
工数の省力化が図れるとともに、固定位置の確定が容易
となり、且つ数秒間で名入り版を取り替えることができ
て作業効率が向上する。そして前記取付具本体の一側に
形成した開口を設けることによって、指で押圧しながら
スライドすれば容易に取外すことができて便利である。
また、磁石体の高さと挿着溝の高さを同一にして名入り
版を吸着させた場合には、磁石体と名入り版との間に空
間が生じないので、被転写基材に押圧した時に中央部に
印刷むらがなくなり、美麗な製品を提供することができ
る。

【００２６】そして請求項４記載の名入り版用取付具に
よれば、前記した効果に加え、取付具本体の一側のみに
開口を設けて他側は閉口している凹溝を形成することに
より、名入り版を前記凹溝に嵌め込んで吸着させた場
合、名入り版は他側の溝壁に当たるので絶対にずれるこ
とがないのである。従って、不良品が低減される。

【００２７】また請求項７記載の名入り版用取付具によ
れば、取付具本体の一側方向のみならず、他側からも名
入り版を嵌め込んで吸着させることができるので、色々
な名入り版の組み合わせが容易に実現でき、従来のよう
に一つ一つ文様を刻設した取付具を成形する必要がな
く、コストも低減できる。

【００２８】そして請求項２、請求項５、請求項８記載
の名入り版用取付具によれば、磁力が磁石体の上部に集
中するので、より強固に名入り版が吸着され、熱転写時
に位置ずれが起こらないのである。また上部以外に磁力
がでないようにシールドされる効果も有するので、熱盤
に取付ける際にも磁力が傷害にならず、容易に熱盤に取
付けることができる。また凹溝以外は磁力が殆どないの
で、容易に吸着したい場所に吸着することができ、他の
場所に吸着したりすることがない。

【００２９】更に請求項３、請求項６、請求項９記載の
名入り版用取付具によれば、熱転写機の熱盤に取付けた
状態で、その熱盤を左右に回転させることにより、取付
具の凹溝の位置が変化して複数の名入り版の固定位置が
得られるとともに、名入り版を上下逆さに置き換えた場
合は、更にその倍の固定位置が得られるので相乗的な効
果が実現でき、実用価値が大となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る名入り版用取付具の分解斜視図

【図２】 本発明に係る名入り版用取付具の使用状態を
示す斜視図

【図３】 本発明に係る名入り版用取付具を熱転写機に
取付けた状態を示す簡易説明図

【図４】 図２におけるａ−ａ断面図

【図５】 本発明に係る名入り版用取付具の挿着溝を省
略した正面図

【図６】 名入り版用取付具の他の実施例を示す正面図

【図７】 図６における名入り版用取付具の使用状態を
示す斜視図

【図８】 名入り版用取付具の他の実施例を示す正面図

【図９】 本発明に係る名入り版用取付具に使用する磁
石体の正面図

【図10】 本発明に係る名入り版用取付具を大鉄板上に
複数取付けた状態を示す斜視図

【図11】 従来の名入り版用取付具を示す斜視図

【符号の説明】

Ａ 名入り版用取付具 １ 取付具本体 ２ 磁石体 ３ 凹溝 ４ 装着溝 ５ 名入り版 ６ 熱盤 ７ 転写箔 ８ 被転写基
材 ９ 大鉄板 １０ 溝壁 ５１ 鉄板材 ５２ 文様 ５３ 名入り版

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 生地、布、織物等の被転写基材の表面
   に、文字、模様、絵柄等の所定の文様を転写箔を介して
   圧力と熱とで転写し得る熱転写機の熱盤に取付けてなる
   名入り版用取付具であって、 鉄板材、フェライト素材等の磁性体から作製した平板状
   の取付具本体の一面に少なくとも一側が開口した凹溝を
   設けるとともに、該凹溝内に別途形成した装着溝の高さ
   と同一或いは稍低く成形した磁石体を装着して、その上
   に文字、模様、絵柄等の所定の文様を刻設した磁性体で
   ある名入り版を着脱自在に磁着してなることを特徴とす
   る名入り版用取付具。
2. 【請求項２】 前記装着溝の幅よりも稍短い幅の磁石体
   を装着してなる請求項１記載の名入り版用取付具。
3. 【請求項３】 取付具本体として、正方形のものを利用
   してなる請求項１又は２記載の名入り版用取付具。
4. 【請求項４】 生地、布、織物等の被転写基材の表面
   に、文字、模様、絵柄等の所定の文様を転写箔を介して
   圧力と熱とで転写し得る熱転写機の熱盤に取付けてなる
   名入り版用取付具であって、 鉄板材から作製した平板状の取付具本体の一面に一側が
   開口した凹溝を設けるとともに、該凹溝内に別途形成し
   た装着溝の高さと同一或いは稍低く成形した磁石体を装
   着して、その上に文字、模様、絵柄等の所定の文様を刻
   設した磁性体である名入り版を着脱自在に磁着してなる
   ことを特徴とする名入り版用取付具。
5. 【請求項５】 前記装着溝の幅よりも稍短い幅の磁石体
   を装着してなる請求項４記載の名入り版用取付具。
6. 【請求項６】 取付具本体として、正方形のものを利用
   してなる請求項４又は５記載の名入り版用取付具。
7. 【請求項７】 生地、布、織物等の被転写基材の表面
   に、文字、模様、絵柄等の所定の文様を転写箔を介して
   圧力と熱とで転写し得る熱転写機の熱盤に取付けてなる
   名入り版用取付具であって、 鉄板材から作製した平板状の取付具本体の一面に一側か
   ら連続して他側まで共に開口した凹溝を設けるととも
   に、該凹溝内に別途形成した装着溝の高さと同一或いは
   稍低く成形した磁石体を少なくとも一つ装着して、その
   上に文字、模様、絵柄等の所定の文様を刻設した磁性体
   である名入り版を着脱自在に磁着してなることを特徴と
   する名入り版用取付具。
8. 【請求項８】 前記装着溝の幅よりも稍短い幅の磁石体
   を装着してなる請求項７記載の名入り版用取付具。
9. 【請求項９】 取付具本体として、正方形のものを利用
   してなる請求項７又は８記載の名入り版用取付具。