JPH08237274A - Atmセルスイッチ及び共通バッファ型atmスイッチ - Google Patents

Atmセルスイッチ及び共通バッファ型atmスイッチ

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JPH08237274A
JPH08237274A JP9109795A JP9109795A JPH08237274A JP H08237274 A JPH08237274 A JP H08237274A JP 9109795 A JP9109795 A JP 9109795A JP 9109795 A JP9109795 A JP 9109795A JP H08237274 A JPH08237274 A JP H08237274A
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atm
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JP9109795A
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Yoshimitsu Shimojo
義満 下條
Yoshihiro Oba
義洋 大場
Tsunetaro Ise
恒太郎 伊瀬
Yukio Kamaya
幸男 釜谷
Hideaki Nakakita
英明 中北
Masahiko Motoyama
雅彦 本山
Muneyuki Suzuki
宗之 鈴木
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 出力バッファ型のバッファ拡張容易なセルス
イッチの様に大きな速度を扱わず、かつ、入力バッファ
型セルスイッチのように交換効率を落とさずに、バッフ
ァ容量の拡張容易なセルスイッチを実現する。 【構成】 複数の入力ポート夫々から入力されたATM
セルを一時蓄積するために入力ポート対応に設けられた
入力バッファ601と、複数の入力リンク及び出力ポー
トのセル転送速度より大きな速度でATMセルを出力す
る一つ又は複数の出力リンクを有するセルバッファを備
えた単位スイッチ602,603を接続して構成され入
力バッファ601が出力したATMセルを交換し出力す
るATMスイッチ網620と、スイッチ網620から出
力されたATMセルを出力ポートへ出力する場合ATM
セルを一担蓄積しその蓄積されたATMセル数に応じ入
力バッファ601へフロー制御信号を出力する出力バッ
ファ604とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ATM通信において転
送されるATMセル(以下単にセルと呼ぶ)を交換する
ATMセルスイッチ(以下単にセルスイッチと呼ぶ)及
び共通バッファ型ATMスイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】まず、第1の従来技術について述べる。
現在、ATM(Asynchronous Transfer Mode) 通信方式
に関する研究が、世界中の通信技術の研究者らによって
精力的に行なわれている。ATM通信方式は情報をセル
という固定長のパケットにより伝送交換する。ATM通
信方式ではスイッチノード内のハードウェアによるセル
スイッチにより、高速なセルの交換が可能で単位時間当
たりの情報転送能力は既存の通信網を越えるものを実現
可能である。
【0003】ATM通信方式は、セルのヘッダのVPI
(Virtual Path Identifier)とVCI(Virtual Channe
l Identifier) と呼ばれる識別情報により、ひとつの物
理伝送路に論理的に複数のコネクション(Virtual Conn
ection:VC)を設定することができる。網内においては、
各コネクションに対して予めルートが定められており、
スイッチノードはセルのコネクション識別子VPIとV
CIからセルを出力すべき出力路を求める。VPIとV
CIは、スイッチノード間の物理的伝送路で一意に割り
当てられるため、スイッチノードは、通過するセルのV
PIとVCIの値を書き換える能力を持つ。
【0004】これまで、ATM網において品質を保証さ
れたコネクションはCBR(Constant Bit Rate: 固定
ビットレート)コネクションかVBR(Variable Bit R
ate:可変ビットレート)コネクションが中心であった。
CBRコネクションは、セルの伝送速度(セルレートま
たは帯域ともいう、単位時間当たりの伝送セル数)が一
定で予めわかっているトラヒックを伝送するコネクショ
ンであり、VBRコネクションはセルの伝送速度が一定
ではないが、その最大値(ピークレート)と平均値(平
均レート)などのトラヒックの性質が予めわかっている
コネクションである。
【0005】基本的には、1本の物理伝送路に複数のコ
ネクションを十分な品質を保ちつつ多重化する場合に
は、全てのコネクションのピークレートの和が物理的伝
送路の帯域以下になっていればよい。この手法をピーク
レート割り当てと呼ぶ。CBRコネクションのみをピー
クレート割り当てした場合には、物理伝送路の十分に高
い利用効率が達成可能である。VBRコネクションの場
合には、ピークレート割り当てでは、物理伝送路の利用
効率を高くできない。そこで予め分かっているトラヒッ
クの性質より、統計的多重化効果を用いて品質を保ちつ
つ利用効果を上げる技術がさかんに検討されている。
【0006】ところが、計算機間のATM通信を考える
と、平均レートを始めとしたトラヒックの性質が予め予
測できないという性質や、瞬間的に大量のセルを送信す
るが送信しないときには全くセルを送信しないというバ
ースト性と呼ばれる性質がある。そのため、CBRやV
BRの様に品質を保証しつつ網の利用効率を上げること
は難しい。つまり計算機間で転送されるデータは、ピー
クレート割り当てなどで品質を保証しようとすると網の
利用効率が著しく低下し、VBRの様に統計的多重化効
果を用いるとトラヒックのバースト性のためにセルスイ
ッチのある出力ポートに同時に大量のセルが到着し、セ
ルスイッチのバッファ量が十分でないとバッファ溢れに
よるセル廃棄が発生してしまう。また、セル廃棄が発生
すると複数のセルで構成されているパケット単位で再送
が発生し、これにより、実効的なスループットが低下す
る。
【0007】CBR,VBRの他のサービスクラスとし
て、UBR(Unspecified Bit Rate) というサービスク
ラスが存在する。このクラスは、端末が出力するトラヒ
ック特性を詳細に網に申告することを必要としない。そ
のかわり、網はその転送品質について一切の保証をしな
い、いわゆるベストエフォート(Best Effoet)サービス
のクラスである。前述したように、計算機間のデータは
バースト性を持っているため、UBRコネクションのセ
ル廃棄率を満足できるものとするためにはセルスイッチ
に大容量のセルバッファを実装する必要があると考えら
れている。
【0008】幸いなことに計算機間のトラヒックは転送
の遅延時間、遅延揺らぎに関しての要求がCBRやVB
Rと比較して厳しくはない場合が多い。容量の大きなバ
ッファをセルスイッチに実装することによりセルの伝送
遅延時間、遅延揺らぎが増大するが、それを許容できる
アプリケーションは決して少なくないと考えられる。
【0009】ここで、複数の入力ポートから入力したセ
ルを、セルに書き込まれた情報により交換して所望の出
力ポートへ転送するセルスイッチを考える。セルの伝送
路において一つのセルを転送する時間を1セルサイクル
と呼ぶ。
【0010】以下に入力バッファ型セルスイッチについ
て説明する。バッファ容量を比較的容易に拡張可能なセ
ルスイッチのひとつに、入力バッファ型セルスイッチが
知られている。入力バッファ型セルスイッチは、各入力
ポートに対応してバッファを持つ。全ての入力バッファ
のキューの先頭にあるセルの出力ポート番号を1セルサ
イクル毎に判断して、同時に一つの出力ポートへ複数の
セルが転送されないように調停する回路が必要である。
入力バッファ型セルスイッチは、そのバッファの入出力
スループットが入出力ポートと同じ速度で良いため、バ
ッファの拡張が比較的容易であるという利点がある。し
かし前述の調停回路が複雑であるという欠点があった。
また、バッファの先頭にあるセルが、調停回路によって
出力を抑制されている場合でも、その後ろにキューイン
グされているセルは出力できる可能性がある。しかし、
入力バッファが単純なFIFOによって構成されている
場合にはキューの先頭以外のセルは先頭のセルを追い越
して出力されず、セルの交換効率を低下させる原因にな
る。この様なブロッキング現象はHOL(Head OfLin
e)ブロッキングとして知られている。
【0011】以下に出力バッファ型スイッチについて説
明する。図17は、従来知られているバッファ容量拡張
容易なセルスイッチの構成である(電子情報通信学会
信学技報 SSE93−6“バッファ容量拡張可能なA
TMスイッチ:XATOM”)。このセルスイッチは、
優先転送を行なうクラス(同文献ではCBRと呼んでい
る)と、ベストエフォート転送を行なうクラス(同文献
ではVBRと呼んでいる)の2クラスを扱う。
【0012】図17は、出力バッファ型スイッチと呼ば
れるセルスイッチに入力バッファ630を付加した構成
になっている。k本の入力ポートから入力したセルは入
力バッファ630を経由して時分割バスへ出力される。
k個の出力バッファ631は、時分割バス上の自分宛の
セルのみを取り込む。そして出力バッファ631はそれ
ぞれに対応した出力ポートへセルを出力する。
【0013】出力バッファ型セルスイッチは、その特性
を完全に発揮するためには出力バッファの入力スループ
ットをその入力ポート数(k)倍にする必要がある。つ
まり出力バッファ631は、入出力ポートの伝送速度で
の1セルサイクル時間に、kセルを時分割バスから取り
込んでバッファに書き込み、同時に1セルを出力する能
力が必要である。
【0014】図18は、図17の入力バッファ630の
ブロック図である。入力ポートから入力したセルは識別
部630aにおいてそのクラスを判定され、CBR,V
BRM,VBR(1)〜VBR(k)の各キューにキュ
ーイングされる。CBRはCBRのユニキャストとマル
チキャストと共用のキュー、VBR(1)〜VBR
(k)はVBRのユニキャストセル用のキューで、出力
ポート毎に対応しており、VBRMはVBRのマルチキ
ャストセル用のキューである。選択部630bにはフロ
ー制御信号が入力されている。フロー制御信号は、各キ
ュー別のフロー制御情報を転送し、その時点でそれぞれ
のキューからセルを出力して良いかどうかの情報を伝送
する。選択部630bはフロー制御信号により許可され
たキューの中から入力ポートの伝送速度での1セルサイ
クル時間に1セルを選択し時分割バスへ転送する。選択
の優先順位は、CBRが最も高く、次にVBRMと続
き、VBR(1)からVBR(k)が同じ優先度で最も
優先順位が低い。ただし、VBRMのキュー長がある閾
値より小さくかつ、VBR(1)からVBR(k)のど
れかのキュー長がある閾値を越えている場合は、その越
えているキューの優先順位が高くなる。
【0015】図19は、図17の出力バッファ631の
ブロック図である。時分割バスから入力したセルは識別
部631aにおいて自分宛のセルかどうかを判定され、
そうならさらに、そのクラスを判定され、CBR,VB
Rのどちらかのキューにキューイングされる。選択部6
31bは、優先クラスであるCBRを先に出力し、CB
Rのキューにセルが存在しない時にVBRのキューから
セルを出力する。フロー制御信号は、各キュー毎の空き
バッファスペースにより判断されて出力される。第i番
目の出力ポートのCBRキュー、VBRキューの空きバ
ッファスペースをそれぞれ、Xc (i)Xv (i)とす
る(1≦i≦k)。閾値k(kはセルスイッチの入出力
ポート数)、S(k≧S≧O)を定めて、全ての入力バ
ッファに対してCBRセルの出力を許可する条件を、X
c (i)≧k、VBRのマルチキャストセルの出力を許
可する条件をXv (i)≧k、その出力ポート行きのユ
ニキャストVBRセルの出力を許可する条件をX
v (i)≧k、その出力ポート行きのユニキャストVB
Rセルの出力を許可する条件をXv (i)≧k+Sとす
る。
【0016】以上の構成により、図17のセルスイッチ
は、性能の低下を最小限にすることができる。入力バッ
ファのスループットは、1セルサイクルに1セルの入力
と1セルの出力でよいため、1セルサイクルにkセル書
き込み1セル読み出すスループットが要求される出力バ
ッファとは異なり比較的容易に大規模なセルバッファを
実現することができる。
【0017】上記した図17の様な出力バッファ型セル
スイッチは、一般的に高速の入力スループットを持つ出
力バッファが“出力ポート数個”必要である。その入力
スループットは完全な性能を得るためには“入力ポート
数倍”の速度が必要である。この速度は時分割バスおよ
びそのバスにセルを乗せるための入力バッファのセル出
力回路にも要求される。ATM通信の特徴のひとつは、
高速セル交換を実現可能なことであるが、出力バッファ
型セルスイッチの場合は、上記のような特徴が、大きな
セル交換速度を持つスイッチノードを作る際のネックと
なっていた。具体的には、セルスイッチを実現する場合
に、実装が困難であるか、大きなコストが必要であっ
た。
【0018】以下に第2の従来技術について述べる。A
TMスイッチは、セルを蓄積するためのバッファをどの
位置に設置するかにより、入力バッファ型、出力バッフ
ァ型、共通バッファ型に大別される。中でも共通バッフ
ァ型のATMスイッチが最もバッファを効率的に利用す
ることが可能であることが知られている。このため、共
通バッファ型のATMスイッチはこれまでによく検討さ
れている。しかしながら、共通バッファ型を採用したと
してもバッファの容量が増大するにつれ、その管理およ
び制御が複雑になること、またATMスイッチをLSI
チップで実現する場合が近年多いが、LSI設計上実装
できるハード量の制限があることなどから、組み込むこ
とのできるバッファの容量はある限られた容量となって
しまう。
【0019】以上述べてきたことから、ATMスイッチ
を1つのLSIチップとして実現する場合、バッファ容
量はハード量として実現可能な中では最大限を目指す
が、一方、セル廃棄率などのスイッチに対する要求条件
を満足する範囲内では必要最小限に近いものになってい
るのが現状である。
【0020】一方、セルはバースト的に到着する可能性
がある。セルがバースト的に到着する場合においても、
セルがスイッチを可能な限り洩れなく通過できる、すな
わちセル廃棄をほとんど生じさせないという要求条件を
満足する必要がある。そのため、ATMスイッチに要求
されるバッファ容量はより大容量であることが望まれ
る。セルのバースト到着がどのような場合に発生するか
考察すると、コンピュータ通信において広く行なわれて
いるTCP/IPプロトコルによるデータ通信、特にT
CPによるデータ通信がATM網上で行なわれる際に生
じることが最も予想されるケースである。TCPによる
データ通信は再送制御機構を有し、この再送制御が過度
に働くと網の輻輳状態を招いてしまう。このため、TC
Pによるデータ通信をATM網上で行なう際には、AT
M網に対して、再送制御の作動を極力抑えられるよう、
遅延はあっても構わないがセルが廃棄があってはならな
いというサービス品質を要求するものと考えられる。近
年、、このサービス品質はABR(Available
Bit Rate)サービスというクラスに分類され
て、ATMフォーラムなどでその制御方法が取り沙汰さ
れている。ATMスイッチはABRサービスクラスの品
質を満足するよう設計することが要求されている。
【0021】仮に、ATMスイッチのバッファ容量が小
さくセル廃棄率が高いものとするとTCPによるデータ
通信時、OSIのプロトコルスタックにおいてATMレ
イヤおよびAALレイヤより上位のレイヤ(レイヤ3,
4)にてTCPによる先ほど述べた再送制御が働き、バ
ースト到着がバースト到着を呼び起こす可能性がある。
これをATMセル数のオーダの観点から述べると、10
4 個のオーダのセルをATMスイッチで扱わなければな
らない状況に陥る可能性があることが近年指摘されてい
る。
【0022】したがって、ATMスイッチのバッファ容
量が容易に拡張できる機能は非常に重要なものである。
【0023】従来は、こうした課題に対して、図39に
示すように、共通バッファ型ATMスイッチ100の各
入力ポート10,11,12,13に対応して巨大なバ
ッファ400a,400b,400c,400dをそれ
ぞれ配置して、バッファを拡張する方法がとられてい
る。図39中の20,21,22,23,40,41,
42,43,60,61,62,63はセルの出力を制
御する、いわゆるフロー制御を行なうための信号で、こ
れによりセル廃棄が生じないよう制御を行なう。フロー
制御により、各入力ポートに拡張したバッファと前記共
通バッファ型ATMスイッチ100内のバッファを一体
化して動作させる。
【0024】以下に、第3の従来技術について述べる。
共通バッファ型のATMスイッチは、セルバッファを複
数の出力ポート間で共有できるため、出力ポートごとに
固定サイズのバッファ容量をもつ出力バッファ型のAT
Mスイッチに比べ、同一のバッファ量で多くの呼を収容
できるという利点があるが、その反面、負荷の高い出力
ポートが存在する場合、共通バッファ内にその出力ポー
ト宛のセルの割合が多くなることにより輻輳が発生し、
負荷の低い出力ポートもこの輻輳の影響を受けてしまう
という問題点がある。
【0025】この問題を解決するために、文献「Kamoun
and Kleinrock, “Analysis ofShared Finite Storage
in a Computer Network Node Environment UnderGener
al Traffic Conditions ”,IEEE Transactions on Com
munications ,Vol.COM28,No.7,pp.992-1003,Jul 198
0.」において、共通バッファ内の出力ポートごとのFI
FOバッファのバッファ長に最大値と最小値を設ける方
式について述べられている。これにより、1つのFIF
Oバッファの輻輳が他のFIFOバッファに影響を与え
ることを抑制しつつ、出力バッファ型のスイッチと同一
のバッファ量で多くの呼を収容可能となる。
【0026】また、文献「小崎,高瀬,柳,田辺,郷
原,“帯域制御機能を有するATMスイッチングシステ
ム”,電子情報通信学会論文誌,Vol.J76−B−
I,No.11,pp.801−808,1993年1
1月」においては、スイッチにおける最大遅延時間、9
9%遅延時間、遅延揺らぎといった遅延時間に関する通
信品質の要求値が存在する場合に、共通バッファ内の出
力ポートごとのFIFOバッファのバッファ長に上限を
設けることにより、上述の1つの出力ポートの輻輳の影
響を抑制し、かつ、スイッチでのセル遅延も抑制するこ
とができることが述べられている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上記した第1の従来技
術において、従来のバッファ容量の拡張が容易なセルス
イッチは、入力バッファ型ではHOLブロッキングによ
るセルの交換効率の低下が避けられず、出力バッファ型
では出力バッファの入力スループットが非常に大きい必
要があり実現が困難であるという問題点があった。
【0028】また、上記した第2の従来技術は、ATM
スイッチLSIの他に各入力ポート用のバッファのため
のLSIが必要となるため、ATMスイッチとして必要
となるLSIの数がATMスイッチの入力ポートの数に
したがって増えることになり、バッファを拡張できる方
法に対する要望が高まっているにもかかわらず、容易に
実現できなかった。
【0029】また、上記した第3の従来技術において
は、単に、出力ポートごとのFIFOバッファのバッフ
ァ長に上限を設けても、それらがすべての出力ポートで
同一の値に設定することしかできなければ、出力ポート
間で呼の到着が不均一な場合にはスイッチのバッファリ
ソースを効率的に使用することはできない。
【0030】さらに、異なる出力ポート間でバッファを
共有する部分が存在するように上限を設定する場合に
は、呼受付制御時に共有される部分において他ポートに
よる輻輳の影響を受けることは避けられない。このた
め、他ポートの輻輳による影響を考慮してセル破棄率を
計算する必要があるが、この際、全出力ポートの呼種別
の呼接続本数を用いるため、計算量が膨大となり、高精
度で安全側にセル廃棄率を見積もることは非常に困難で
ある。
【0031】一方、異なる出力ポート間でFIFOバッ
ファを共有しないように上限を設けると、論理的に出力
バッファ型のATMスイッチと等価になるため、従来の
出力バッファに足するセル廃棄率計算手法を用いて高精
度で安全側にセル廃棄率を見積もることができる。ま
た、遅延についても上限を抑えることができるため、通
信品質の保証という観点からはこのように上限を設定す
ることが好ましいが、収容可能な呼の本数は出力バッフ
ァ型ATMスイッチと同程度に低下してしまうおそれが
ある。
【0032】第1の発明はこのような課題に着目してな
されたものであり、その目的とするところは、交換効率
を落とさず、かつ、出力バッファ方式の様な大きな速度
を扱わずに、実装が容易で低コスト、かつバッファ容量
の拡張が容易なセルスイッチを提供することにある。
【0033】また、第2の発明の目的とするところは、
ATMスイッチのバッファ容量を容易に拡張することが
可能な共通バッファ型方法を提供することにある。
【0034】また、第3の発明の目的とするところは、
ある出力ポートで発生した輻輳が他の出力ポートに影響
しないようにして、セル廃棄率やセル遅延時間の保証を
容易に行えるようにするとともに、出力バッファ型スイ
ッチより呼損率を小さく抑えることができる共通バッフ
ァ型ATMスイッチを提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、第1の発明に係るセルスイッチは、複数
の入力ポートから入力したATMセルを、このATMセ
ルに書き込まれた情報に基づいて所望の出力ポートへ交
換して出力するATMセルスイッチにおいて、前記複数
の入力ポートそれぞれから入力されたATMセルを一時
的に蓄積するために、各入力ポートに対応して設けられ
た入力バッファと、複数の入力リンク及び前記出力ポー
トのATMセル転送速度より大きな速度でATMセルを
出力する一つ又は複数の出力リンクを有するセルバッフ
ァを備えた少なくとも一つの単位スイッチを接続して構
成され、前記入力バッファが出力したATMセルをこの
ATMセルに書き込まれた情報に基づいて交換して出力
するATMスイッチ網と、このATMスイッチ網から出
力されたATMセルを出力ポートへ出力する場合、前記
ATMセルを一担蓄積して、その蓄積されたATMセル
数に応じて前記入力バッファへ所定のフロー制御信号を
出力する出力バッファとを具備する。
【0036】また、第2の発明に係る共通バッファ型A
TMスイッチは、少なくとも第1のATMスイッチと、
第2のATMスイッチとを縦続接続してなる共通バッフ
ァ型ATMスイッチにおいて、前記第1、第2のATM
スイッチの各々が、各々任意の番号が割り振られ、固定
長のATMセルを入力する複数の入力手段と、この入力
手段からのATMセルをATMセル単位ごとに記憶する
ための記憶手段と、前記入力手段に対応して各々任意の
番号が割り振られ、前記記憶手段からATMセルをAT
Mセル単位ごとに取り出して出力する複数の出力手段
と、前記記憶手段の空き容量をATMセル単位で管理
し、この管理の結果得られた情報を処理して制御情報を
出力するための管理手段とを具備して、所定のスイッチ
ング動作を行なう通常モードと、前記入力手段の特定の
番号から入力されたATMセルがこの特定の番号と同一
番号を有する前記出力手段から出力される直進モードを
含む複数の動作モードを有し、前記少なくとも第1のA
TM及び第2のATMスイッチのうち、少なくとも最終
段に接続されるATMスイッチのみを前記通常モードで
動作させ、最終段以外のATMスイッチを前記直進モー
ドで動作させる。
【0037】また、第3の発明に係る共通バッファ型A
TMスイッチは、各内部論理キューに対応した現在のバ
ッファ内ATMセル数をカウントするバッファ内ATM
セル数カウント手段と、各内部論理キューに対応したバ
ッファ内のATMセル数のしきい値を保持するしきい値
保持手段と、このしきい値保持手段に保持された前記し
きい値を、現在の、または一定期間観測した、または要
求される呼設定に関する情報に基づいて動的に設定する
動的しきい値設定手段と、前記バッファ内のATMセル
数カウント手段により保持されている前記バッファ内の
ATMセル数が、前記しきい値保持手段により保持され
ている前記しきい値以上である場合には、前記共通バッ
ファへのATMセルの入力を規制するATMセル入力規
制手段とを具備する。
【0038】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照して詳細
に用いて説明する。
【0039】まず、第1実施例を説明する。第1実施例
は、大きなセル交換速度を持つATMスイッチノードに
も適したバッファ容量拡張可能なスイッチアーキテクチ
ャである。
【0040】まず、全体構成について説明する。図1は
第1実施例に係るセルスイッチの第1の構成の実施例で
ある。図1に示すセルスイッチ610において、k本の
入力ポートから入力バッファ601に入力されたセル
は、単位スイッチ602、603を接続して構成される
スイッチ網620により交換された後、出力バッファ6
04を経て出力ポートから出力される。
【0041】入力バッファ601の出力からスイッチ網
620、出力バッファ604までの区間においては、各
リンクの速度は出力ポートの速度のn倍になっている。
【0042】第1の構成は、nがkより小さくとも、従
来の出力バッファ型のバッファ容量拡張が容易なセルス
イッチと同等の性能が得られる。nの値はスイッチ網6
20の形態によるが、例えば、8入力8出力単位スイッ
チを使用して16入力16出力のセルスイッチを構成す
る場合は、n=2でよい。
【0043】スイッチ網620はm入力m出力の単位ス
イッチを互いに接続して構成される。1段目の単位スイ
ッチ(1,i)(ただし1≦i≦h)の出力リンクしそ
れぞれ図のようにg本ずつ並列に2段目の単位スイッチ
(2,j)(ただし1≦j≦h)の入力リンクと接続さ
れる。m,g,h,kの関係は、m≧gh,k≦mhで
ある。この様な接続を2段デルタ網接続と呼ぶ。図の2
段デルタ網のマルチレートノンブロッキング条件は、n
≧m/gである(よって、n≧m/g≧h≧k/mの関
係がある)。1段目の単位スイッチと2段目の単位スイ
ッチの間の並列リンクを関連法(“並列リンクのあるス
イッチ網の検討”、1994年電子情報通信学会秋季大
会、B−439)により入力ポートと関連づける。例え
ば、ある1段目の単位スイッチの入力リンクの3番目お
よび4番目より入力したセルは、その単位スイッチと各
2段目の単位スイッチを結ぶg本の並列リンクのうちの
それぞれ2番目を通過するように経路を選ぶ、などと関
連づける。これにより、1段目の単位スイッチ内では確
率的なセルの待ち合わせは生じない。
【0044】以下に入力バッファ601について詳細に
説明する。
【0045】図2は本実施例のセルスイッチ610の入
力バッファ601の構成の一例を説明するための図であ
る。入力バッファ601はHOLブロッキングの発生を
防止するために、スイッチ網の出力ポート別に論理キュ
ーを持つ(Q(1)からQ(k))。また、マルチキャ
スト用に論理キューを持つ(QM)。
【0046】入力ポートから入力したセルは識別部60
1aで、マルチキャストかユニキャストか、ユニキャス
トならどの出力ポート行きかを識別され、それぞれ、Q
M,Q(1)〜Q(k)のキューの末尾にキューイング
される。
【0047】選択部601bは、各キューのキュー長と
出力ポート別フロー制御信号の内容の関係において予め
定められた優先順位によりキューの先頭からセルを出力
する。フロー制御信号により出力が許可されているキュ
ーのみを出力の対象とする。
【0048】出力ポート別のフロー制御信号は、マルチ
キャスト用と各出力ポート別のユニキャスト用がある。
入力バッファ内の各キューに対応しており、出力の許可
/禁止を指示する。マルチキャスト用のフロー制御信号
は全ての出力バッファからのマルチキャスト用フロー制
御信号を論理演算したものが入力される。すなわち全て
のマルチキャスト用フロー制御信号がセル出力を許可し
た時に、マルチキャストキューからのセルの出力が許可
される。ユニキャスト用のフロー制御信号は、対応した
出力ポートに接続されている出力バッファ604から入
力される。
【0049】入力バッファ601は、選択部601aか
らセルをスイッチ網へ転送する部分だけn倍速で動作す
る。すなわち、入力バッファ601の選択部601aか
らスイッチ網620へのセルの転送は入力ポートにおけ
る1セルサイクル時間にnセルを転送することが可能な
速度である。しかし入力バッファ内部のセルバッファに
必要なスループットは、入力ポートにおける1セルサイ
クル時間に1セルを書き込み、同時に1セルを読み出す
ことができればよい。これは、出力バッファ604や共
通バッファとは異なり、セルスイッチ610の入出力ポ
ート数によらないので、バッファ容量の拡張が比較的容
易である。
【0050】以下に単位スイッチ602、603につい
て説明する。
【0051】図3は第1の構成の1段目と2段目に用い
ることが可能な単位スイッチの論理的構成の一例を説明
する図である。
【0052】図は論理的な構成を示し、物理的な構成を
表しているわけではない。単位スイッチ602(60
3)に入力されたセルは、識別部602aがその出力リ
ンクを判定し、適当な出力リンクに対応したキューQ
(1)からQ(m)のいずれかにキューイングされる。
マルチキャストセルの場合には。識別部602aにおい
て複数コピーされ複数のキューにキューイングされる。
選択部602cは、キューに蓄積されているセルを、キ
ューの先頭から順に読みだし出力する。もしフロー制御
信号入力(1)〜(m)がセルの出力の抑制を示してい
るなら、そのキューからセルを出力しない。バッファ状
態管理部602bは、バッファ状態情報より入力したセ
ルをキューにキューイング可能かどうかを判断し、場合
によっては入力セルの廃棄信号を識別部602aに指示
する。また、単位スイッチ内部のバッファ状態情報よ
り、例えば、内部のバッファ領域に空きがない場合など
にフロー制御信号出力(1)〜(m)を用いて、入力リ
ンク毎にセルの入力を抑制する。
【0053】以下に単位スイッチ間のフロー制御信号に
ついて説明する。図1に示す構成では、基本的に出力バ
ッファ604からスイッチ網620、スイッチ網620
から入力バッファ601、および、2段目の単位スイッ
チ603から1段目の単位スイッチ602へのフロー制
御信号は不要である。よって、図3に示してあるフロー
制御信号入力/出力は基本的には必要ではない。しか
し、フロー制御と、単位スイッチ内のバッファ量の関係
については次のようなことがいえる。
【0054】入力バッファ601へのフロー制御により
単位スイッチ内のキュー長の和には入力トラヒックによ
らない上限値がある。単位スイッチがこの上限値以上、
セルバッファを持つことにより単位スイッチ内部のバッ
ファの空き領域が無くなることがないこの上限値を理論
上十分なバッファ容量と考える。単位スイッチ内のキュ
ー長の和が上限値に到達する確率が、現実には非常に小
さい場合が考えられる。もし、理論上十分なバッファ容
量を2段目単位スイッチ603に実装しなかったとする
と、ある確率でその単位スイッチ内の全てのバッファ容
量を使い切ってしまうことになる。この場合には、スイ
ッチ網620の2段目単位スイッチ603から1段目ス
イッチ602へフロー制御をかける。すなわち図3で説
明したフロー制御信号を用いて、図4の様な、単位スイ
ッチ間のフロー制御信号を接続しセルの廃棄を防ぐこと
ができる。
【0055】しかし図4の様な構成においてフロー制御
が2段目の単位スイッチ603から1段目の単位スイッ
チ602へ作用する場合には、図3の様な論理的構成を
持つ単位スイッチでは、1段目の単位スイッチ602に
おいてHOLブロッキングが発生しスループットが低下
する。したがって、このときのHOLブロッキングによ
るスループットの低下とセルバッファを実装することに
よるハードウェア規模およびコスト増加のトレードオフ
において、単位スイッチへの実装バッファ量を決定する
必要がある。
【0056】もしHOLブロッキングによるスループッ
トの低下が許容できる範囲内である場合には、単位スイ
ッチ間のフロー制御信号は有効に作用し、2段目単位ス
イッチ603内の実装バッファ量を減少させることがで
きる利点がある。
【0057】同様に、その他のバッファ間、例えば、出
力バッファ604とスイッチ網620の間や、スイッチ
網620と入力バッファ601の間にもフロー制御信号
を配線してもかまわない。この場合には、これらのフロ
ー制御信号により各部の実装バッファ量を減らすことが
可能であるという利点がある。
【0058】以下に出力バッファ604について説明す
る。
【0059】図5は第1の構成のセルスイッチ610の
出力バッファ604の構成の一例を説明するための図で
ある。スイッチ網620から転送されてきたセルは、キ
ューに一時的に蓄積される。スイッチ網620からのセ
ルの転送は、出力ポートでの1セルサイクル時間に最大
nセル転送されてくる可能性がある。したがって、この
キューは速度変換の役割を果たす。選択部604aは拡
張用フロー制御信号により出力が許可されている場合の
み、キューからセルを取り出し出力ポートへセルを出力
する。
【0060】以下に入力バッファ601へのフロー制御
信号について説明する。
【0061】出力バッファ604から入力バッファ60
1へ出力する出力ポート別フロー制御信号は、出力ポー
ト毎のユニキャスト用とマルチキャスト用の2種類であ
る。
【0062】フロー制御信号の決定方法は、例えば、次
のような二つの方法が考えられる。まずマルチキャスト
セルとユニキャストセルを合わせて数えたキュー長によ
って決める方法がある。そのときのキュー長と予め定め
られたふたつの閾値Qthm とQthu とを比較することに
より決定する(Qthm ≧Qthu とする)。キュー長が閾
値Qthu 以上になった場合にはその出力ポート行きのユ
ニキャストセルの転送を禁止し、キュー長がさらに大き
くなり閾値Qthm 以上になった場合にはユニキャストセ
ルとともにマルチキャストセルの転送を禁止する。別の
方法としては、マルチキャストセルとユニキャストセル
の出力バッファ内蓄積セル数を個別に計数し決める方法
がある。マルチキャストセル数とユニキャストセル数
が、それぞれ閾値Cthm ,Cthu を越えたかどうかでそ
れぞれのセルの転送の許可/禁止を決める。
【0063】以下にフロー制御について述べる。
【0064】出力バッファ604から入力バッファ60
1への出力ポート別フロー制御信号について考える。こ
こでは簡単化のため流体近似モデルを扱い、また、ユニ
キャストのセルのみが入力される状態を検討する。
【0065】第1の構成の出力バッファ604における
出力ポート別フロー制御信号の出力判断は、出力バッフ
ァ604に閾値Qthを設けることにより行なう。この閾
値Qth以上に出力バッファ604のキュー長が大きくな
った場合は、その出力ポート行きのセルの出力を禁止す
るように、各入力バッファ601へフロー制御信号を出
力する。閾値Qthよりもキュー長が小さくなった場合
は、その禁止信号を解除する。
【0066】図6は、第1の構成の単位スイッチ内のあ
る1つの出力ポート行きのキューのキュー長Qs と、対
応する出力バッファ内のキュー長Qo の時間的変化を示
したものである。
【0067】まず初期状態として、単位スイッチ内およ
び出力バッファ内にセルが蓄積されていない状態を考え
る。この状態から、最も単位スイッチ内のキュー長が大
きくなるセルの到着の仕方は、全ての入力セルがあるひ
とつの出力ポートへ向かう場合である。このとき、単位
スイッチ内のキュー長Qs の増加率は、1セルサイクル
あたりk−nである。単位スイッチ内にセルが蓄積され
始めると、1/nセルサイクルの時間差(図の(1))
をおいて出力バッファ内のキューにセルが蓄積され始め
る。出力バッファ内キュー長Qo の増加率は1セルサイ
クルあたりn−1である(時間t1 )。
【0068】出力バッファ内のキュー長Qo がQth以上
になった直後のセルサイクルにおいて、フロー制御によ
りその出力ポート行きのセルの単位スイッチへの入力が
抑制される。閾値を越えた直後のセルサイクルから単位
スイッチ内キュー長が減少し始めるまでの遅延時間をd
セルサイクルとする(時間(2))。フロー制御により
単位スイッチ内のキュー長は減少する(時間t2 ))。
単位スイッチ内のキュー長Qs の減少率は、1セルサイ
クルあたりnである。時間t2 においても出力バッファ
内キュー長は1セルサイクルあたりn−1の割合で増加
し続ける。
【0069】単位スイッチ内のキュー長がゼロになった
後、1/nセルサイクル(時間(3)遅れて出力バッフ
ァ内キュー長が減少し始める(時間t3 )。このときの
出力バッファ内キュー長Qo の減少率は1セルサイクル
あたり1である。出力バッファ内キュー長がQthより小
さくなった場合(Qth−1以下になった場合)には、フ
ロー制御信号による抑制を解除する。図中、(4)とし
て示される差はQthとQth−1の差である。
【0070】出力バッファにてフロー制御信号の抑制が
解除された後、フロー制御信号の遅延時間dの経過後
(時間(5))、単位スイッチ内のキュー長Qs が再び
増加し始める。
【0071】このような制御の結果生じる、単位スイッ
チ内のある出力ポートに対応したキュー長Qs の最大値
Qsmax、出力バッファ内のキュー長Qo の最大値Qomax
を次のように求めることができる。
【0072】
【数1】
【0073】閾値Qthの決定方法を次に示す。Qthは、
フロー制御による単位スイッチへの入力抑制を解除する
場合の条件により決定すればよい。もし、キュー長が閾
値より短くなり、フロー制御信号を解除する場合、入力
バッファにおいてキューイングされているセルが多数存
在するにも関わらず、その解除により入力バッファより
出力されたセルが出力バッファへ到着する前に、出力バ
ッファのキューが空きになり出力すべきセルが無くなる
ようであれば、出力ポートのスループットが十分有効に
活かされていないことになる。そうならないことを条件
とする。
【0074】
【数2】
【0075】(上式において、左辺の第1項の1は、図
の(4)で示されるキュー長の差に関係し、第2項のd
は、図の(5)で示される時間、第3項の1/nは図の
(1の時間である。左辺全体はQs がゼロになってから
再びゼロでなくなるまでの時間差を示しており、それが
1以下であれば出力バッファは常にセルを出力し続ける
ことが可能である。) 簡単にすると、
【数3】
【0076】上述のように、最悪到着パターンにおける
単位スイッチ内のある出力ポートに対応したキュー長Q
smaxを求めることができた。その他のいかなるセルの到
着パターンにおいてもフロー制御の抑制を解除する時刻
にはQs がゼロであるため、Qs はQsmaxを越えないこ
とは明らかである。
【0077】また、最悪到着パターンにおける出力バッ
ファのキュー長Qomaxを求めることができた。その他の
いかなるセルの到着パターンにおいてもQo はQomaxを
越えることはない。
【0078】次に、ユニキャストコネクションのみをこ
のセルスイッチに設定した場合の単位スイッチ内のキュ
ー長の和の最大値を求める。キュー長の和を最大にする
セルのルーティングパターンは、全ての入力バッファよ
り、あるひとつの出力ポート行きのセルのみが連続して
入力され、フロー制御信号によりその出力ポート行きの
セルの入力が禁止された直後、別のあるひとつの出力ポ
ート行きのセルのみが連続して入力され、ということを
繰り返す場合である。今、時刻t=0において単位スイ
ッチ内のキュー長と出力バッファ内のキュー長がともに
ゼロであり、この時点から最悪到着パターンがセルスイ
ッチに加わるとする。時刻tにおける最悪到着パータン
時の単位スイッチ内の全てのキュー長の和Qss(t)を
求める。
【0079】ところで、m=k/nの関係があるスイッ
チ網の場合は、各出力ポートに順に最悪到着パターンを
加えると、その単位スイッチのどれかの出力ポート行き
の入力抑制が解除される前に全ての出力ポート行きのセ
ル入力が抑制されることがわかる(式5よりt1 +t2
=mt1 であるから)。すべて入力抑制がかかった状態
では、単位スイッチ内部のキュー長の和は減少するか
ら、Qssの最大値は、全ての入力抑制がかった時刻であ
る。その時刻はmt1 である。Qssは次のようになる。
【0080】
【数4】
【0081】この最悪のセル到着パターンにおいて、ス
イッチ内のキュー長の和Qssmax はmQsmaxよりも小さ
いことがわかった。よって、ユニキャストコネクション
のみの場合には、単位スイッチを共通バッファ型アーキ
テクチャで構成することにより、少ないバッファ量で十
分な性能を得ることが可能である。
【0082】以下に複数のサービスクラスについて述べ
る。
【0083】複数クラスを扱う場合のスイッチノードの
構成を図7に示す。スイッチノードは、複数のセルスイ
ッチにより構成される。図7の場合は、CBR用セルス
イッチ610c、VBR用セルスイッチ610b、UB
R用セルスイッチ610aの3枚のセルスイッチを備え
る。扱うサービスクラスの数を増やしたい場合には、セ
ルスイッチの枚数を増やせば良い。
【0084】CBRトラヒック、VBRトラヒックは、
遅延に関する品質要求がUBRに比べて比較的厳しいた
め、セルスイッチに多くのセルバッファは必要ではな
い。CBR用セルスイッチ610cおよびVBR用セル
スイッチ610bは、例えば従来知られている共通バッ
ファ型多段スイッチを用いることで十分な性能を得る。
【0085】UBRトラヒックは、大容量のセルバッフ
ァが必要であり、UBR用セルスイッチ610aには、
本実施例のセルスイッチを用いる。
【0086】図7において、入力ポートから入力したセ
ルは、クラスフィルタ部622によりそのセルの属する
クラスを判定される。そして、対応するクラスのセルス
イッチのみセルが入力される。クラスフィルタ部622
は、本実施例のセルスイッチの入力バッファに実装して
もかまわない。
【0087】セルスイッチにてセルが交換された後、優
先多重化部621にて各クラスのセルが多重化される。
優先多重化部621は、CBR用セルスイッチ610c
からのセルを最も高い優先度で出力ポートへ出力し、V
BR用セルスイッチ610bからのセルが次の優先度
で、UBR用セルスイッチ610aからのセルが最も低
い優先度になる。優先多重化部621の内部のバッファ
量を少なくするためには、優先多重化部621からセル
スイッチへフロー制御信号を接続すればよい。CBR用
セルスイッチ610cからのセルに関しては、必ず最も
優先して出力されるので、優先多重化部621からCB
R用セルスイッチ610cへのフロー制御信号は不要で
ある。優先多重化部621から本実施例のセルスイッチ
(UBR用)610aへのフロー制御信号は、図1およ
び図5の拡張用フロー制御信号である。
【0088】上記した第1の構成によれば、単位スイッ
チが1段目と2段目とで同じものを使用できるため、簡
単な構造の単位スイッチを使用することができるという
利点がある。また、一つの単位スイッチは、一つのクラ
スのセルのみしか交換しないため一つのクラスあたりの
単位スイッチのバッファ量を大きくとることができると
いう利点がある。
【0089】以下に第2の構成について説明する。
【0090】まず、全体構成について説明する。
【0091】図8は、第2の構成の一実施例である。k
本の入力ポートから入力バッファ601に入力されたセ
ルは、単位スイッチ602、603を接続して構成され
るスイッチ網620により交換された後、出力ポートか
ら出力される。
【0092】第1の構成(図1)との違いは、出力バッ
ファがなく、出力ポート別フロー制御信号を2段目の単
位スイッチ603が出力するようになっていることであ
る。
【0093】入力バッファ601の出力から2段目の単
位スイッチ603までの区間においては、各リンクの速
度は出力ポートの速度のn倍になっている。
【0094】第2の構成では、nがkより小さくとも、
従来の出力バッファ型のバッファ容量拡張が容易なセル
スイッチと同等の性能が得られる。nの値はスイッチ網
の形態によるが、例えば、8入力8出力単位スイッチを
使用して16入力16出力のセルスイッチを構成する場
合は、n=2でよい。
【0095】スイッチ網620はm入力m出力の単位ス
イッチを互いに接続して構成される。1段目の単位スイ
ッチ602(1,i)(ただし1≦i≦h)の出力リン
クはそれぞれ図のようにg本ずつ並列に2段目の単位ス
イッチ603(2,j)(ただし1≦j≦h)の入力リ
ンクと接続される。m,g,h,kの関係は、m≧g
h,k≦mhである。この様な接続を2段デルタ網接続
と呼ぶ。図の2段デルタ網のマルチレートノンブロッキ
ング条件は、n≧m/gである(よって、n≧m/g≧
h≧k/mの関係がある)。1段目の単位スイッチ60
2と2段目の単位スイッチ603の間の並列リンクを関
連法(“並列リンクのあるスイッチ網の検討”、199
4年電子情報通信学会秋季大会、B−439)により入
力ポートと関連づける。例えば、ある1段目の単位スイ
ッチの入力リンクの3番目および4番目より入力したセ
ルは、その単位スイッチと各2段目の単位スイッチを結
ぶg本の並列リンクのうちのそれぞれ2番目を通過する
ように経路を選ぶ、などと関連づける。これにより、1
段目の単位スイッチ内では確率的なセルの待ち合わせは
生じない。
【0096】以下に入力バッファ601について述べ
る。
【0097】図2は本実施例のセルスイッチの入力バッ
ファ601の構成の一例を説明するための図である。入
力バッファ601はHOLブロッキングの発生を防止す
るために、スイッチ網620の出力ポート別に論理キュ
ーを持つ(Q(1)からQ(k))。また、マルチキャ
スト用に論理キューを持つ(QM)。
【0098】入力ポートから入力したセルは識別部60
1aで、マルチキャストかユニキャストか、ユニキャス
トならどの出力ポート行きかを識別され、それぞれ、Q
M,Q(1)〜Q(k)のキューの末尾にキューイング
される。
【0099】選択部601bは、各キューのキュー長と
出力ポート別フロー制御信号の内容の関係において予め
定められた優先順位によりキューの先頭からセルを出力
する。フロー制御信号により出力が許可されているキュ
ーのみを出力の対象とする。
【0100】出力ポート別フロー制御信号は、マルチキ
ャスト用と各出力ポート別のユニキャスト用がある。入
力バッファ601内の各キューに対応しており、出力の
許可/禁止を指示する。マルチキャスト用のフロー制御
信号は全ての2段目単位スイッチ603からのマルチキ
ャスト用フロー制御信号を論理演算したものが入力され
る。すなわち全てのマルチキャスト用フロー制御信号が
セル出力を許可した時に、マルチキャストキューからの
セルの出力が許可される。ユニキャスト用のフロー制御
信号は、対応した出力ポートに接続されている2段目単
位スイッチ603から入力される。
【0101】入力バッファ601は、選択部601aか
らセルをスイッチ網620へ転送する部分だけn倍速で
動作する。すなわち、入力バッファ601の選択部60
1aからスイッチ網620へのセルの転送は入力ポート
における1セルサイクル時間にnセルを転送することが
可能な速度である。しかし入力バッファ内部のセルバッ
ファに必要なスループットは、入力ポートにおける1セ
ルサイクル時間に1セルを書き込み、同時に1セルを読
み出すことができればよい。これは、出力バッファ60
4や共通バッファとは異なり、セルスイッチ610の入
出力ポート数によらないので、バッファ容量の拡張が比
較的容易である。
【0102】以下に単位スイッチについて述べる。
【0103】図3は第2の構成の1段目に用いることが
可能な単位スイッチ602の論理的構成の一例を説明す
る図である。
【0104】図は論理的な構成を示し、物理的な構成を
表しているわけではない。単位スイッチに入力されたセ
ルは、識別部602aがその出力リンクを判定し、適当
な出力リンクに対応したキューQ(1)からQ(m)の
いづれかにキューイングされる。マルチキャストセルの
場合には、識別部602aにおいて複数コピーされ複数
のキューにキューイングされる。選択部602cは、キ
ューに蓄積されているセルを、キューの先頭から順に読
みだし出力する。もしフロー制御信号入力(1)〜
(m)がセルの出力の抑制を示しているなら、そのキュ
ーからセルを出力しない。バッファ状態管理部602b
は、バッファ状態情報より入力したセルをキューにキュ
ーイング可能かどうかを判断し、場合によっては入力セ
ルの廃棄信号を識別部602aに指示する。また、単位
スイッチ内部のバッファ状態情報より、例えば、内部の
バッファ領域に空きがない場合などにフロー制御信号出
力(1)〜(m)を用いて、入力リンク毎にセルの入力
を抑制する。
【0105】図9は第2の構成の2段目単位スイッチ6
03の論理的構成の一例を説明するための図である。基
本的な構成は図3と同じであるが、単位スイッチからの
セルの出力が、出力ポートでの1セルサイクル時間に最
大でも、1出力リンクあたり1セルしか出力しない点
と、単位スイッチ内のバッファ状態管理部603bから
の入力バッファ601への出力ポート別フロー制御信号
を出力する点が異なる。
【0106】1段目単位スイッチ602から転送されて
きたセルは、キューに一時的に蓄積される。1段目から
のセルの転送は、2段目の単位スイッチ603の入力リ
ンクにおいて、出力ポートでの1セルサイクル時間に最
大kセル転送されてくる可能性がある。したがって、単
位スイッチ内のキューは、セル交換時の待ち合わせ用と
しての役割の他に、速度変換機能としての役割を持つ。
【0107】以下に入力バッファ601へのフロー制御
信号について述べる。
【0108】2段目単位スイッチ603から入力バッフ
ァ601へ出力する出力ポート別フロー制御信号は、出
力ポート毎のユニキャスト用とマルチキャスト用の2種
類である。フロー制御信号の決定方法は、例えば、次の
ような二つの方法が考えられる。
【0109】まず出力リンク毎のキュー長によって決め
る方法がある。キュー長はマルチキャストセルとユニキ
ャストセルを合わせて数えたものを用いる。そのときの
キュー長と予め定められたふたつの閾値Qthm ,Qthu
と比較することにより決定する(Qthm ≧Qthu とす
る)。キュー長が閾値Qthu 以上になった場合にはユニ
キャストセルの転送のみを禁止し、キュー長がさらに大
きくなり閾値Qthm 以上になった場合にはユニキャスト
セルとともにマルチキャストセルの転送を禁止する。単
位スイッチから出力するマルチキャストセル用のフロー
制御信号は単位スイッチ内部の全ての出力リンクのキュ
ー長がQthm 以下になった場合に、入力バッファに対し
てマルチキャストセルの出力を許可する。
【0110】別の方法としては、マルチキャストセルと
ユニキャストセルの蓄積セル数を個別に計測し決める方
法がある。単位スイッチ内の全マルチキャストセル数と
出力リンク毎に計数したユニキャストセル数をそれぞれ
計数し、それぞれ閾値CthmCthu を越えたかどうかで
それぞれのセルの転送の許可/禁止を決める。
【0111】単位スイッチ内での複数の出力ポートへ出
力されるマルチキャストセルであっても、1つの入力セ
ルにつき、1セル分のバッファ領域して占有しないアー
キテクチャの単位スイッチが知られている。その場合は
単位スイッチ内に実装するバッファ量を削減できる。さ
らに、マルチキャスト用のフロー制御信号は、第1の構
成のように出力ポートにつき1本ずつではなく、単位ス
イッチ毎に複数の出力ポート分を統合して1本出力され
るため、単位スイッチから入力バッファへのフロー制御
信号の実装も容易になるという利点がある。
【0112】以下に単位スイッチ間のフロー制御信号に
ついて述べる。
【0113】第2の構成においては、基本的にスイッチ
網620から入力バッファ601、および、2段目の単
位スイッチ603から1段目の単位スイッチ602へは
フロー制御信号は不要であるよって、図3,図9に示し
てあるフロー制御信号入力/出力は基本的には必要では
ない。しかし、フロー制御と、単位スイッチ内のバッフ
ァ量の関係については次のようなことがいえる。
【0114】入力バッファ601へのフロー制御により
単位スイッチ内のキュー長の和には入力トラヒックによ
らない上限値がある。単位スイッチがこの上限値以上セ
ルバッファを持つことにより単位スイッチ内部のバッフ
ァの空き領域が無くなることはない。この上限値を理論
上十分なバッファ容量と考える。単位スイッチ内のキュ
ー長の和が上限値に到達する確率が、現実には非常に小
さい場合が考えられる。もし、理論上十分なバッファ容
量を2段目単位スイッチ603に実装しなかったとする
と、ある確率でその単位スイッチ内の全てのバッファ容
量を使い切ってしまうことになる。この場合には、スイ
ッチ網の2段目単位スイッチ603から1段目単位スイ
ッチ602へフロー制御をかける。すなわち図3で説明
したフロー制御信号を用いて、図4の様な、単位スイッ
チ間のフロー制御信号を接続しセルの廃棄を防ぐことが
できる。
【0115】しかし図4の様な構成においてフロー制御
が2段目の単位スイッチ603から1段目の単位スイッ
チ602へ作用する場合には、図9の様な論理的構成を
持つ単位スイッチでは、1段目の単位スイッチ602に
おいてHOLブロッキングが発生しスループットが低下
する。したがって、このときのHOLブロッキングによ
るスループットの低下とセルバッファを実装することに
よるハードウェア規模およびコスト増加のトレードオフ
において、単位スイッチへの実装バッファ量を決定する
必要がある。
【0116】もしHOLブロッキングによるスループッ
トの低下が許容できる範囲内である場合には、単位スイ
ッチ間のフロー制御信号は有効に作用し、2段目単位ス
イッチ603内の実装バッファ量を減少させることがで
きる利点がある。
【0117】同様に、その他のバッファ間、すなわちス
イッチ網620と入力バッファ601の間にもフロー制
御信号を配線してもかまわない。この場合には、これら
のフロー制御信号により実装バッファ量を減らすことが
可能であるという利点がある。
【0118】以下に複数のサービスクラスについて述べ
る。
【0119】複数クラスを扱う場合のスイッチノードの
構成を図7に示す。スイッチノードは、複数のセルスイ
ッチにより構成される。図7の場合は、CBR用セルス
イッチ610c、VBR用セルスイッチ610b、UB
R用セルスイッチ610aの3枚のセルスイッチを備え
る。扱うサービスクラスの数を増やしたい場合には、セ
ルスイッチの枚数を増やせば良い。
【0120】CBRトラヒック、VBRトラヒックは、
遅延に関する品質要求がUBRに比べて比較的厳しいた
め、セルスイッチに多くのセルバッファは必要ではな
い。CBR用セルスイッチ610cおよびVBR用セル
スイッチ610bは、例えば従来知られている共通バッ
ファ型多段スイッチを用いることで十分な性能を得る。
【0121】UBRトラヒックは、大容量のセルバッフ
ァが必要であり、UBR用セルスイッチ610aには本
実施例のセルスイッチを用いる。
【0122】図7において、入力ポートから入力バッフ
ァ601入力したセルは、クラスフィルタ部622によ
りそのセルの属するクラスを判定される。そして、対応
するクラスのセルスイッチのみセルが入力される。クラ
スフィルタ部622は、本実施例のセルスイッチの入力
バッファ601に実装してもかまわない。
【0123】セルスイッチ610にてセルが交換された
後、優先多重化部621にて各クラスのセルが多重化さ
れる。優先多重化部621は、CBR用セルスイッチ6
10cからのセルを最も高い優先度で出力ポートへ出力
し、VBR用セルスイッチ610bからのセルが次の優
先度で、UBR用セルスイッチ610aからのセルが最
も低い優先度になる。優先多重化部621の内部のバッ
ファ量を少なくするためには、優先多重化部621から
セルスイッチ610へフロー制御信号を接続すればよ
い。CBR用セルスイッチ610cからのセルに関して
は、必ず最も優先して出力されるので、優先多重化部6
21からCBR用セルスイッチ610cへのフロー制御
信号は不要である。優先多重化部621から本実施例の
セルスイッチ(UBR用)610aへのフロー制御信号
は、図8および図9の拡張用フロー制御信号である。
【0124】上記した第2の構成によれば、出力バッフ
ァが不要であるため、セルスイッチの全体の大きさが小
さいという利点がある。さらに、単位スイッチ内部のバ
ッファ量に直接閾値を設定できるため、単位スイッチ内
部に必要なバッファ容量が第1の構成と比較して小さい
という利点がある。
【0125】以下に第3の構成について述べる。
【0126】まず全体構成について述べる。
【0127】図10は第3の構成の一実施例である。k
本の入力ポートから入力バッファ601に入力されたセ
ルは、単位スイッチ602、603を接続して構成され
るスイッチ網620により交換された後、出力バッファ
604を経て出力ポートから出力される。
【0128】入力バッファ601の出力からスイッチ網
620、出力バッファ604までの区間においては、各
リンクの速度は出力ポートの速度のn倍になっている。
【0129】本実施例は、nがkより小さくとも、従来
の出力バッファ型のバッファ容量拡張が容易なセルスイ
ッチと同等の性能が得られる。nの値はスイッチ網62
0の形態によるが、例えば、8入力8出力の単位スイッ
チを使用して16入力16出力のセルスイッチを構成す
る場合は、n=2でよい。
【0130】スイッチ網620はm入力m出力の単位ス
イッチを互いに接続して構成される。1段目の単位スイ
ッチ602(1,i)(ただし1≦i≦h)の出力リン
クはそれぞれ図のようにg本ずつ並列に2段目の単位ス
イッチ603(2,j)(ただし1≦j≦h)の入力リ
ンクと接続される。m,g,h,kの関係は、m≧g
h,k≦mhである。この様な接続を2段デルタ網接続
と呼ぶ。図の2段デルタ網のマルチレートノンブロッキ
ング条件は、n≧m/gである(よって、n≧m/g≧
h≧k/mの関係がある)。1段目の単位スイッチ60
2と2段目の単位スイッチ603の間の並列リンクを関
連法(“並列リンクのあるスイッチ網の検討”、199
4年電子情報通信学会秋季大会、B−439)により入
力ポートと関連づける。例えば、ある1段目の単位スイ
ッチの入力リンクの3番目および4番目より入力したセ
ルは、その単位スイッチと各2段目の単位スイッチを結
ぶg本の並列リンクのうちのそれぞれ2番目を通過する
ように経路を選ぶ、などと関連づける。これにより、1
段目の単位スイッチ内では確率的なセルの待ち合わせは
生じない。
【0131】以下に入力バッファ601について述べ
る。
【0132】図11は入力バッファ601の構成の一例
を説明するための図である。入力バッファ601はUB
Rトラヒックに対してHOLブロッキングの発生を防止
するために、スイッチ網620の出力ポート別に論理キ
ューを持つ(UBR(1)からUBR(k))。また、
CBRクラス、VBRクラス用のキューとUBRのマル
チキャスト用のキューを持つ(CBR,VBR,UBR
M)。
【0133】入力ポートから入力したセルは識別部60
1cで、CBR(ユニキャスト/マルチキャスト両方)
か、VBR(ユニキャスト/マルチキャスト両方)か、
UBRマルチキャストか、UBRユニキャストのどの出
力ポート行きかを識別され、それぞれCBR,VBR,
UBRM,UBR(1)〜UBR(k)のキューの末尾
にキューイングされる。
【0134】選択部601cは、各キューのキュー長と
出力ポート別フロー制御信号の内容の関係において予め
定められた優先順位によりキューの先頭からセルを出力
する。フロー制御信号により出力が許可されているキュ
ーのみを出力の対象とする。
【0135】出力ポート別フロー制御信号は、UBRマ
ルチキャスト用(UBRM用)、各UBRの出力ポート
別のユニキャスト用(UBR(1)用〜UBR(k)
用)がある。入力バッファ601内のキューに対応し
て、出力の許可/禁止を指示する。UBRマルチキャス
ト用のフロー制御信号は全ての出力バッファからのUB
Rマルチキャスト用フロー制御信号を論理演算したもの
が入力される。すなわち全てのUBRマルチキャスト用
フロー制御信号がセル出力を許可した時に、UBRマル
チキャスト用キューからのセルの出力が許可される。U
BRユニキャスト用のフロー制御信号は、対応した出力
ポートに接続されている出力バッファ604から入力さ
れる。
【0136】入力バッファ601は、選択部601dか
らセルをスイッチ網620へ転送する部分だけn倍速で
動作する。すなわち、入力バッファ601の選択部60
1cからセルをスイッチ網620へのセルの転送は入力
ポートにおける1セルサイクル時間にnセルを転送する
ことが可能な速度である。しかし入力バッファ内部のセ
ルバッファに必要なスループットは、入力ポートにおけ
る1セルサイクル時間に1セルを書き込み、同時に1セ
ルを読み出すことができればよい。これは、出力バッフ
ァ604や共通バッファとは異なり、セルスイッチ61
0の入出力ポート数によらないので、バッファ容量の拡
張が比較的容易である。
【0137】以下に単位スイッチについて述べる。
【0138】図12は第3の構成の1段目に用いること
が可能な単位スイッチの論理的構成の一例を説明する図
である。
【0139】図は論理的な構成を示し、物理的な構成を
表しているわけではない。単位スイッチ602に入力さ
れたセルは、識別部602aによりそのクラスおよび出
力リンクを判定され適当なクラス、出力リンクに対応し
たキューにキューイングされる。マルチキャストセルの
場合には、識別部602aにおいて複数のキューにコピ
ーされキューイングされる。選択部602cは、キュー
に蓄積されているセルを、CBRキュー、VBRキュ
ー、UBRキューの順の優先度で、各キューの先頭から
順に読みだし出力する。もしUBRフロー制御信号入力
(1)〜(m)がセルの出力の抑制を示しているならそ
の出力リンクのUBRキューからセルを出力しない。バ
ッファ状態管理部602bはバッファ状態情報より入力
したセルをキューにキューイング可能かどうかを判断
し、場合によっては入力セルの廃棄信号を識別部602
aに指示する。
【0140】図13は本実施例のセルスイッチの第3の
構成の2段目の単位スイッチの論理的構成の一例を説明
するための図である。基本的な構成は図12と同じであ
るが、出力リンクから入力するフロー制御信号がCB
R,VBR用であることと、入力リンクに対してUBR
用フロー制御信号を出力する点が異なる。選択部603
aは、キューに蓄積されているセルを、CBRキュー、
VBRキュー、UBRキューの順の優先度で、各キュー
の先頭から順に読みだし出力する。もしCBR,VBR
用フロー制御信号入力(1)〜(m)がセルの出力の抑
制を示しているなら、その出力リンクのCBRキューと
VBRキューからセルを出力しない。バッファ状態管理
部603bは、バッファ状態情報よりUBR用フロー制
御信号出力(1)〜(m)を出力し、入力リンク毎にセ
ルの入力を抑制する。
【0141】次に単位スイッチ間のフロー制御信号につ
いて述べる。
【0142】第3の構成は、基本的には出力バッファか
らスイッチ網、スイッチ網から入力バッファ、および、
2段目の単位スイッチから1段目の単位スイッチへのU
BR用フロー制御信号は不要である。よって、図12に
示してあるUBR用フロー制御信号入力と、図13に示
してあるUBR用フロー制御信号出力は基本的には必要
ではない。しかし、UBR用のフロー制御と、単位スイ
ッチ内のバッファ量の関係について次のようなことがい
える。
【0143】入力バッファへのフロー制御により単位ス
イッチ内のキュー長の和には入力トラヒックによらない
上限値がある。単位スイッチがこの上限値以上セルバッ
ファを持つことにより単位スイッチ内部のバッファの空
き領域が無くなることはない。この上限値を理論上十分
なバッファ容量と考える。単位スイッチ内のキュー長の
和が上限値に到達する確率が、現実には非常に小さい場
合が考えられる。もし、理論上十分なバッファ容量を2
段目単位スイッチに実装しなかったとすると、ある確率
でその単位スイッチ内の全てのバッファ容量を使い切っ
てしまうことになる。この場合には、スイッチ網の2段
目単位スイッチから1段目スイッチへフロー制御をかけ
る。すなわち図12で説明したフロー制御信号を用い
て、図4の様な、単位スイッチ間のフロー制御信号を接
続しセルの廃棄を防ぐことができる。
【0144】しかし図4の様な構成においてフロー制御
が2段目の単位スイッチ603から1段目の単位スイッ
チ602へ作用する場合には、図13の様な論理的構成
を持つ単位スイッチでは、1段目の単位スイッチ602
においてHOLブロッキングが発生しスループットが低
下する。したがって、このときのHOLブロッキングに
よるスループットの低下とセルバッファを実装すること
によるハードウェア規模およびコスト増加のトレードオ
フにおいて、単位スイッチへの実装バッファ量を決定す
る必要がある。
【0145】もしHOLブロッキングによるスループッ
トの低下が許容できる範囲内である場合には、単位スイ
ッチ間のフロー制御信号は有効に作用し、2段目単位ス
イッチ603内の実装バッファ量を減少させることがで
きる利点がある。
【0146】同様に、その他のバッファ間、例えば、出
力バッファとスイッチ網の間や、1段目単位スイッチと
入力バッファの間もUBR用フロー制御信号を配線して
もかまわない。この場合には、これらのフロー制御信号
により実装バッファ量を減らすことが可能であるという
利点がある。
【0147】以下に出力バッファについて述べる。
【0148】図14は第3の構成のセルスイッチの出力
バッファの構成の一例を説明するための図である。スイ
ッチ網620から転送されてきたセルは、識別部604
bにより、クラスを判定され、CBR,VBR,UBR
の中の適当なクラスのキューに一時的に蓄積される。ス
イッチ網620からのセルの転送は、出力ポートでの1
セルサイクル時間に最大nセル転送されてくる可能性が
ある。したがって、このキューは速度変換の役割を果た
す。選択部604aは、CBR,VBR,UBRの各キ
ューから、予め定められた優先度に従ってセルを読み出
す。
【0149】基本的にはCBR,VBR用のバッファは
少なくて良い。バッファからセルが溢れないように、出
力バッファ604は、スイッチ網620へCBR,VB
R用フロー制御信号を出力する。UBRセルに関しては
入力バッファ601へ出力ポート別フロー制御信号を出
力する。
【0150】以下に入力バッファ601へのフロー制御
信号について述べる。
【0151】出力バッファ604から入力バッファ60
1へ出力する出力ポート別フロー制御信号は、出力ポー
ト毎のUBRユニキャスト用とUBRマルチキャスト用
の2種類である。
【0152】UBR用フロー制御信号の決定方法は、例
えば、次のような二つの方法が考えられる。
【0153】まず、マルチキャストセルとユニキャスト
セルを合わせて数えたキュー長によって決める方法があ
る。そのときのキュー長と予め定められたふたつの閾値
Qthm ,Qthu と比較することにより決定する(Qthm
≧Qthu とする)。キュー長が閾値Qthu 以上になった
場合にはその出力ポート行きのユニキャストセルの転送
を禁止し、キュー長がさらに大きくなり閾値Qthm 以上
になった場合にはユニキャストセルとともにマルチキャ
ストセルの転送を禁止する。
【0154】別の方法としては、マルチキャストセルと
ユニキャストセルの出力バッファ内蓄積セル数を個別に
計数し決める方法がある。マルチキャストセル数とユニ
キャストセル数が、それぞれ閾値Cthm ,Cthu を越え
たかどうかでそれぞれのセルの転送の許可/禁止を決め
る。
【0155】上記した第3の構成によれば、複数のサー
ビスクラスに対応する場合に、第1の構成や第2の構成
とは異なり複数のセルスイッチが必要ではない。そのた
め、スイッチノード全体のハードウェア規模が小さいと
いう利点がある。また、第3の構成のUBRに関する出
力ポート別フロー制御は、第1の構成と同じ方式で動作
させるため、単位スイッチならびに出力バッファに必要
なUBR用のバッファ容量し、第1の構成で述べたよう
に計算できる。
【0156】以下に第4の構成について述べる。
【0157】まず、全体構成について述べる。
【0158】図15は第4の構成の一実施例である。k
本の入力ポートから入力されたセルは、単位スイッチ6
02、603を接続して構成されるスイッチ網620に
より交換された後、出力ポートから出力される。
【0159】第3の構成(図10)との違いは、出力バ
ッファがなく、出力ポート別フロー制御信号を2段目の
単位スイッチ603が出力するようになっていることで
ある。
【0160】入力バッファ601の出力から2段目の単
位スイッチ603までの区間においては、各リンクの速
度は出力ポートの速度のn倍になっている。
【0161】第4の構成は、nがkより小さくとも、従
来の出力バッファ型のバッファ容量拡張が容易なセルス
イッチと同等の性能が得られる。nの値はスイッチ網の
形態によるが、例えば、8入力8出力単位スイッチを使
用して16入力16出力のセルスイッチを構成する場合
は、n=2でよい。
【0162】スイッチ網620はm入力m出力の単位ス
イッチを互いに接続して構成される。1段目の単位スイ
ッチ602(1,i)(ただし1≦i≦h)の出力リン
クはそれぞれ図のようにg本ずつ並列に2段目の単位ス
イッチ603(2,j)(ただし1≦j≦h)の入力リ
ンクと接続される。m,g,h,kの関係は、m≧g
h,k≦mhである。この様な接続を2段デルタ網接続
と呼ぶ。図の2段デルタ網のマルチレートノンブロッキ
ング条件は、n≧m/gである(よって、n≧m/g≧
h≧k/mの関係がある)。1段目の単位スイッチ60
2と2段目の単位スイッチ603の間の並列リンクを関
連法(“並列リンクのあるスイッチ網の検討”、199
4年電子情報通信学会秋季大会、B−439)により入
力ポートと関連づける。例えば、ある1段目の単位スイ
ッチの入力リンクの3番目および4番目より入力したセ
ルは、その単位スイッチと各2段目の単位スイッチを結
ぶg本の並列リンクのうちのそれぞれ2番目を通過する
ように経路を選ぶ、などと関連づける。これにより、1
段目の単位スイッチ内では確率的なセルの待ち合わせは
生じない。
【0163】以下に入力バッファ601について述べ
る。
【0164】図11は本実施例のセルスイッチの入力バ
ッファの構成の一例を説明するための図である。入力バ
ッファ601はUBRトラヒックに対してHOLブロッ
キングの発生を防止するために、スイッチ網620の出
力ポート別に論理キューを持つ(UBR(1)からUB
R(k))。また、CBRクラス、VBRクラス用のキ
ューとUBRのマルチキャスト用のキューを持つ(CB
R,VBR,UBRM)。
【0165】入力ポートから入力したセルは識別部60
1cで、CBR(ユニキャスト/マルチキャスト両方)
か、VBR(ユニキャスト/マルチキャスト両方)か、
UBRマルチキャストか、UBRユニキャストのどの出
力ポート行きかを識別され、それぞれCBR,VBR,
UBRM,UBR(1)〜UBR(k)のキューの末尾
にキューイングされる。
【0166】選択部601dは、各キューのキュー長と
出力ポート別フロー制御信号の内容の関係において予め
定められた優先順位によりキューの先頭からセルを出力
する。フロー制御信号により出力が許可されているキュ
ーのみを出力の対象とする。
【0167】出力ポート別フロー制御信号は、UBRマ
ルチキャスト用(UBRM用)、各UBRの出力ポート
別のユニキャスト用(UBR(1)用〜UBR(k)
用)がある。入力バッファ内のキューに対応して、出力
の許可/禁止を指示する。UBRマルチキャスト用のフ
ロー制御信号は全ての2段目単位スイッチ603からの
UBRマルチキャスト用フロー制御信号を論理演算した
ものが入力される。すなわち全てのUBRマルチキャス
ト用フロー制御信号がセル出力を許可した時に、UBR
マルチキャスト用キューからのセルの出力が許可され
る。UBRユニキャスト用のフロー制御信号は、対応し
た出力ポートに接続されている2段目単位スイッチ60
3から入力される。
【0168】入力バッファ601は、選択部601cか
らセルをスイッチ網620へ転送する部分だけn倍速で
動作する。すなわち、入力バッファ601の選択部60
1cからセルをスイッチ網620へのセルの転送は入力
ポートにおける1セルサイクル時間にnセルを転送する
ことが可能な速度である。しかし入力バッファ内部のセ
ルバッファに必要なスループットは、入力ポートにおけ
る1セルサイクル時間に1セルを書き込み、同時に1セ
ルを読み出すことができればよい。これは、出力バッフ
ァ604や共通バッファとは異なり、セルスイッチ61
0の入出力ポート数によらないので、バッファ容量の拡
張が比較的容易である。
【0169】以下に単位スイッチについて述べる。
【0170】図12は第4の構成の1段目に用いること
が可能な単位スイッチの論理的構成の一例を説明する図
である。
【0171】図は論理的な構成を示し、物理的な構成を
表しているわけではない。単位スイッチ602に入力さ
れたセルは、識別部602aによりそのクラスおよび出
力リンクを判定され適当なクラス、出力リンクに対応し
たキューにキューイングされる。マルチキャストセルの
場合には、識別部602aにおいて複数のキューにコピ
ーされキューイングされる。選択部602cは、キュー
に蓄積されているセルを、CBRキュー、VBRキュ
ー、UBRキューの順の優先度で、各キューの先頭から
順に読みだし出力する。もしフロー制御信号入力(1)
〜(m)がセルの出力の抑制を示しているなら、その出
力リンクのUBRキューからセルを出力しない。バッフ
ァ状態管理部602bは、バッファ状態情報より入力し
たセルをキューにキューイング可能かどうかを判断し、
場合によっては入力セルの廃棄信号を識別部602aに
指示する。
【0172】図16は第4の構成の2段目の単位スイッ
チ603の論理的構成の一例を説明するための図であ
る。基本的な構成は図12と同じであるが、単位スイッ
チからのセルの出力が、出力ポートでの1セルサイクル
時間に最大でも、1出力リンクあたり1セルしか出力し
ない点と、単位スイッチ内のバッファ状態管理部から入
力バッファへ出力ポート別フロー制御信号を出力する点
が異なる。
【0173】1段目単位スイッチ602から転送されて
きたセルは、キューに一時的に蓄積される1段目からの
セルの転送は、2段目の単位スイッチ603の入力リン
クにおいて、出力ポートでの1セルサイクル時間に最大
kセル転送されてくる可能性がある。したがって、単位
スイッチ内のキューは、セル交換時の待ち合わせ用とし
ての役割の他に、速度変換機能としての役割を持つ。
【0174】以下に入力バッファ601へのフロー制御
信号について説明する。2段目単位スイッチから603
入力バッファ601へ出力する出力ポート別フロー制御
信号は、出力ポート毎のUBRユニキャスト用とUBR
マルチキャスト用の2種類である。
【0175】UBR用フロー制御信号の決定方法は、例
えば、次のような二つの方法が考えられる。
【0176】まず、出力リンク毎のキュー長によって決
める方法がある。キュー長はマルチキャストセルとユニ
キャストセルを合わせて数えたものを用いる。そのとき
のキュー長と予め定められたふたつの閾値Qthm ,Qth
u と比較することにより決定する(Qthm ≧Qthu とす
る)。キュー長が閾値Qthu 以上になった場合にはユニ
キャストセルの転送のみを禁止し、キュー長がさらに大
きくなり閾値Qthm 以上になった場合にはユニキャスト
セルとともにマルチキャストセルの転送を禁止する。単
位スイッチから出力するマルチキャストセル用のフロー
制御信号は単位スイッチ内部の全ての出力リンクのキュ
ー長がQthm 以下になった場合に、入力バッファに対し
てマルチキャストセルの出力を許可する。
【0177】別の方法としては、マルチキャストセルと
ユニキャストセルの蓄積セル数を個別に計数し決める方
法がある。単位スイッチ内の全マルチキャストセル数と
出力リンク事に計数したユニキャストセル数をそれぞれ
計数し、それぞれ閾値CthmCthu を越えたかどうかで
それぞれのセルの転送の許可/禁止を決める。
【0178】単位スイッチ内で複数の出力ポートへ出力
されるマルチキャストセルであっても、1つの入力セル
につき、1セル分のバッファ領域しか占有しないアーキ
テクチャの単位スイッチが知られている。その場合は単
位スイッチ内に実装するバッファ量を削減できる。さら
に、マルチキャスト用のフロー制御信号は、第1の構成
のように出力ポートにつき1本ずつではなく、単位スイ
ッチ毎に複数の出力ポート分を統合して1本出力される
ため、単位スイッチから入力バッファへのフロー制御信
号の実装も容易になるという利点がある。
【0179】以下に、単位スイッチ間のフロー制御信号
について述べる。
【0180】第4の構成では、基本的にはスイッチ網6
20から入力バッファ601、および、2段目の単位ス
イッチ603から1段目の単位スイッチ602へはフロ
ー制御信号は不要である。よって、図12,図16に示
してあるUBR用フロー制御信号入力/出力は基本的に
は必要ない。しかし、UBR用のフロー制御と、単位ス
イッチ内のバッファ量の関係について次のようなことが
いえる。
【0181】入力バッファ601へのフロー制御により
単位スイッチ内のキュー長の和には入力トラヒックによ
らない上限値がある。単位スイッチがこの上限値以上セ
ルバッファを持つことにより単位スイッチ内部のバッフ
ァの空き領域が無くなることはない。この上限値を理論
上十分なバッファ容量と考える。単位スイッチ内のキュ
ー長の和が上限値に到達する確率が、現実には非常に小
さい場合が考えられる。もし、理論上十分なバッファ容
量を2段目単位スイッチ603に実装しなかったとする
と、ある確率でその単位スイッチ内の全てのバッファ容
量を使い切ってしまうことになる。この場合には、スイ
ッチ網620の2段目単位スイッチ603から1段目ス
イッチ602へフロー制御をかける。すなわち図12で
説明したフロー制御信号を用いて、図4の様な、単位ス
イッチ間のフロー制御信号を接続しセルの廃棄を防ぐこ
とができる。
【0182】しかし図4の様な構成においてフロー制御
が2段目の単位スイッチ603から1段目の単位スイッ
チ602へ作用する場合には、図16の様な論理的構成
を持つ単位スイッチでは、1段目の単位スイッチ602
においてHOLブロッキングが発生しスループットが低
下する。したがって、このときのHOLブロッキングに
よるスループットの低下とセルバッファを実装すること
によるハードウェア規模およびコスト増加のトレードオ
フにおいて、単位スイッチへの実装バッファ量を決定す
る必要がある。
【0183】もしHOLブロッキングによるスループッ
トの低下が許容できる範囲内である場合には、単位スイ
ッチ間のフロー制御信号は有効に作用し、2段目単位ス
イッチ内603の実装バッファ量を減少させることがで
きる利点がある。
【0184】同様に、その他のバッファ間、すなわち1
段目単位スイッチ602と入力バッファ601の間もU
BR用フロー制御信号を配線してもかまわない。この場
合には、これらのフロー制御信号により実装バッファ量
を減らすことが可能であるという利点がある。
【0185】上記した第4の構成によれば、出力バッフ
ァが不要であるためセルスイッチの全体の大きさが小さ
いという利点がある。さらに、単位スイッチ内部のバッ
ファ量に直接閾値を設定できるため、単位スイッチ内部
に必要なバッファ容量が第3の構成と比較して小さいと
いう利点がある。
【0186】なお、上記した第1、第2、第3、第4の
構成例において、スイッチ網が2段デルタ網の場合は、
例えばm=8(8×8の単位スイッチ)、n=2(2倍
速)の場合には、k=16(セルスイッチの入出力ポー
ト数が16×16)を実現することができ、m=8,n
=4の場合には、k=32を実現することができる。
【0187】また、スイッチ網は、2段デルタ網ではな
く、単一の単位スイッチであってもかまわない。この場
合、単位スイッチは、上述の2段目の単位スイッチと同
様の構成になる。
【0188】本実施例のセルスイッチは、共通バッファ
型単位スイッチを使用することにより、比較的少量の単
位スイッチ内バッファで、従来の出力バッファ型セルス
イッチと同等の性能を得ることが可能となる利点があ
る。
【0189】さらに、第1、第3の構成例において、複
数の出力バッファを一つのLSIに集積して実現しても
良い。基板上の実装面積が減り、さらにバッファを出力
ポート間で共有することができ、実装バッファ量を少な
くできるという利点がある。
【0190】さらに、第3,4の構成例において、セル
スイッチで扱うサービスクラスの数を増やしたアーキテ
クチャを容易に考えることができる。具体的には、例え
ば大容量のバッファが必要なサービスクラスを増やす場
合は、各バッファにおいてUBR用のキューと並列に論
理キューの数を増やし、かつ、バッファ間のフロー制御
信号でUBR用のものがある所に、並列して新たに加わ
るサービスクラス用のフロー制御信号を配線すれば良
い。本発明は、これらの内部でいくつかのサービスクラ
スを扱っているのかに関わらず有効に作用する。
【0191】次に第2実施例について説明する。
【0192】図20は第2実施例の第1の構成を示す図
である。
【0193】フロー制御を行なえる機構を有する共通バ
ッファ型ATMスイッチを複数用いてATMスイッチの
記憶手段の記憶容量を拡張する方法は、特開平4−03
8036において開示されているが、これに対して、第
2実施例の第1の構成は、直進モードを実現する例とし
てセルのルーティングタグを利用する方法をとり、共通
バッファ型ATMスイッチの記憶手段の記憶容量を拡張
する詳細な実施例を示すものである。
【0194】100aは共通バッファ型ATMスイッチ
である。100bは前記共通バッファ型ATMスイッチ
100aと同一の共通バッファ型ATMスイッチであっ
て、前記共通バッファ型ATMスイッチ100aの出力
ポートと前記共通バッファ型ATMスイッチ100bの
入力ポートとをポート番号に基づいて同一の番号のポー
トを接続することによって、前記共通バッファ型ATM
スイッチ100aと前記共通バッファ型ATMスイッチ
100bは縦続接続される。
【0195】10,11,12,13は前記共通バッフ
ァ型ATMスイッチ100aの入力ポートである。3
0,31,32,33は前記共通バッファ型ATMスイ
ッチ100aの出力ポートであると同時に、前記共通バ
ッファ型ATMスイッチ100bの入力ポートでもあ
る。50,51,52,53は前記共通バッファ型AT
Mスイッチ100b出力ポートである。
【0196】70a,70b,70cおよび71a,7
1b,71cはスイッチ内部で取り扱われるフォーマッ
トを有するセルを表す。すなわち、701a,701
b,701cおよび711a,711b,711cは情
報部とATMスイッチ内でスイッチングのために使用さ
れるルーティングタブを除くヘッダ部とを含んだ部分で
あり、7021a,7021b,7021cおよび71
21a,7121b,7121cは前記共通バッファ型
ATMスイッチ100a内部で取り扱われるルーティン
グタグ、7022a,7022b,70022cおよび
7122a,7122b,7122cは前記共通バッフ
ァ型ATMスイッチ100b内部で取り扱われるルーテ
ィングタグを、それぞれ示す。なお、ルーティングを除
くヘッダ部にはATMセルヘッダが含まれるが、その他
に、例えば、優先制御のための情報マルチキヤストのた
めの情報などが含まれるようにしても良い。
【0197】前記共通バッファ型ATMスイッチ100
aおよび100bは、ATMスイッチを多段接続して運
用した場合にセル廃棄率を良好な状態に保つために自ス
イッチ内の共通バッファにおけるセルの蓄積状態を管理
し、これにより自スイッチの前段のスイッチからのセル
出力を制御するセル出力制御信号を、セルを出力する方
向とは逆向きに出力する。20,21,22,23は前
記共通バッファ型ATMスイッチ100aからの前記セ
ル出力制御信号、40,41,42,43は前記共通バ
ッファ型ATMスイッチ100bからの前記セル出力制
御信号である。60,61,62,63は前記共通バッ
ファ型ATMスイッチ100bよりも後段のスイッチ、
あるいは、別のスイッチポートから、送られてくる可能
性のある前記セル出力制御信号である。
【0198】以下、前記共通バッファ型ATMスイッチ
100bを例に前記セル出力制御信号について説明す
る。仮に前記共通バッファ型ATMスイッチ100b内
の共通バッファ中の“空き容量”が予め定められた水準
よりも少ないとすると、入力ポート30,31,32,
33のそれぞれに対応してセル流を抑制するセル出力制
御信号40,41,42,43を一斉に出力する。この
他の方法として、前記セル出力制御信号40,41,4
2,43を個別に出力するように制御することも可能で
ある。
【0199】また、前記セル出力制御信号は、セルを共
通バッファ内に確実に書き込んだ場合に前段のスイッチ
にセルの送信を許可する信号として、前記共通バッファ
型ATMスイッチ100aに対して個別に出力するよう
にしてもよい。
【0200】以上述べてきたセル出力制御信号によりセ
ルの送信を制御する方法は、いわゆるフロー制御と呼ば
れている。
【0201】さて、第1の構成による動作を以下に説明
する。まず、コネクション設定時にはコネクション設定
プロセスが作動して、セルの前記ルーティングタグの各
部分に情報が書き込まれる。この結果、図20では、前
記セル70aの前記ルーティングタグ7021aおよび
7022aの2つの部分には、前記共通バッファ型スイ
ッチ100aおよび前記共通バッファ型ATMスイッチ
100bにおける宛先情報としての出力ポート番号とし
て、それぞれ#0と#3が書き込まれる。
【0202】前記共通バッファ型ATMスイッチ100
aに前記セル70aが前記入力ポート10から入力され
ると、前記セル70a内の前記ルーティングタグ702
1aを参照してスイッチングを行なう。この結果、前記
セル70aは前記入力ポート10と同一のポート番号#
0を有する前記出力ポート30へ、前記セル70bとし
て出力される。前記共通バッファ型ATMスイッチ10
0bは前記セル70bを前記入力ポート30より受けと
り、前記セル70b内の前記ルーティングタグ7022
bを参照してスイッチングを行なう。この結果、前記セ
ル70bはポート番号#3を有する前記出力ポート53
へ前記セル70cとして出力される。
【0203】以上、前記セル70a,70b,70cに
着目して、前記共通バッファ型ATMスイッチ100a
および100bの動作を説明したが、前記セル71a,
71b,71cについても同様な動作により処理される
ため、ここでは説明を省略する。
【0204】コネクション設定時にセル内のルーティン
グタグを上述のようにして設定することによって、前記
共通バッファ型のATMスイッチ100aは、任意の入
力ポートから入力されたセルが前記任意の入力ポートの
ポート番号と同一の番号を持つ出力ポートから出力され
るように設定することができる。これに加えて、前記共
通バッファ型ATMスイッチ100bが上述のいずれか
の方法の前記フロー制御を前記共通バッファ型ATMス
イッチ100aに対して行なうことによって、前記共通
バッファ型ATMスイッチ100aと前記共通バッファ
型ATMスイッチ100bとは協調して動作することが
でき、この2つを合わせて1つの共通バッファ型のAT
Mスイッチと見なすことができる。
【0205】したがって、上記した第1の構成による
と、前記フロー制御を実施できる同一の共通バッファ型
ATMスイッチを2つ用意するだけで、共通バッファの
容量が2倍の共通バッファ型ATMスイッチを構成する
ことが容易に可能となる。
【0206】図21に、図1に示した第1の構成におけ
る前記共通バッファ型ATMスイッチ100aおよび1
00bのアーキテクチャを示す。図21は従来から提案
されている共通バッファ型ATMスイッチで、入出力ポ
ート数が4の場合を表している。10,11,12,1
3は入力ポートを示し、30,31,31,33は出力
ポートを示す。20,21,22,23は当該共通バッ
ファ型ATMスイッチから発せられるセル出力制御信号
で、当該共通バッファ型ATMスイッチ内の制御部30
3により、セルバッファ301の管理状況から生成され
る第1の制御信号4を基に作られる。40,41,4
2,43は、当該ATMスイッチの後段のATMスイッ
チから、もしくは、前記各出力ポートに対応する出力イ
ンタフェースから、送られてくるセル出力制御信号であ
る。7は前記セル出力制御信号40,41,42,43
より得られる第2の制御信号である。
【0207】前記制御部303は、前記入力制御部30
30、前記アドレス制御部およびアドレス管理部303
1、そして、前記出力制御部3032の3つの部分から
なる。
【0208】300は前記入力ポート10,11,1
2,13からのセルを前記入力制御部3030から切替
え制御信号3を用いて時分割多重する多重化回路で、1
には前記入力ポートの各々からのセルが多重化されて乗
せられる。
【0209】301はセルバッファ(共通バッファ)
で、前記1に乗せられたセルを、アドレスおよび制御信
号5に書き込みアドレスおよび書き込み制御信号をのせ
て、これによって記憶し、また、前記アドレスおよび制
御信号5として読み出しアドレスおよび読み出し制御信
号を乗せることにより、セルを読み出し、6へ乗せる。
前記書き込みアドレスおよび書き込み制御信号と前記読
み出しアドレスおよび読み出し制御信号とは、前記多重
化回路300より送られるヘッダ部の情報2の中のルー
ティングタグをもとにして、前記アドレス制御部および
アドレス管理部3031で作られる。
【0210】302は分離化回路で、前記6へと乗せら
れたセルを、前記制御部303内の出力制御部3032
より与えられる分離化回路制御信号8を用いて前記出力
ポート30,31,32,33の中から、前記ルーティ
ングタグを参照して得られた宛先の出力ポートへ順次出
力する。
【0211】この前記ルーティングタグの設定によっ
て、上に述べた第1の実施例の前記共通バッファ型AT
Mスイッチ100aのように、任意の入力ポートから入
力されたセルは必ず前記任意の入力ポートと同一のポー
ト番号を有する出力ポートから出力されるように共通バ
ッファ型ATMスイッチ100を動作させることが可能
である。
【0212】次に第2実施例の第2の構成について述べ
る。
【0213】図22は第2の構成を示す図である。第2
の構成では第1の構成の図20での前記共通バッファ型
ATMスイッチ100a,100bに対して、モード設
定入力を新たに設けたことに特徴がある。図中の101
aおよび101bは前記モード設定入力を有した同一の
共通バッファ型ATMスイッチである。前記共通バッフ
ァ型ATMスイッチ101aおよび101bは、前記モ
ード設定入力として、通常のスイッチング動作を行なう
通常モードと、第1の構成の図20中の前記共通バッフ
ァ型ATMスイッチ100aのように、任意の入力ポー
トから入力されたセルは前記任意の入力ポートと同一の
ポート番号を有する出力ポートから出力するように動作
する直進モードとを少なくとも具備する。この共通バッ
ファ型ATMスイッチのアーキテクチャについては、後
ほど詳しく述べる。
【0214】80aおよび80bはモード設定信号で、
前記共通バッファ型ATMスイッチを少なくとも通常モ
ードと直進モードとに設定することが可能である。前記
共通バッファ型ATMスイッチ101aを前記モード設
定信号80aを前記直進モードと設定して前段に、そし
て前記共通バッファ型ATMスイッチ101bを前記モ
ード設定信号80bを前記通常モードと設定して後段に
設置し、前記共通バッファ型ATMスイッチ101aの
出力ポートと前記共通バッファ型ATMスイッチ101
bの入力ポートとをそのポート番号に基づいて同一の番
号のポートを接続して、前記共通バッファ型ATMスイ
ッチ101aおよび101bを縦続に接続する。
【0215】10,11,12,13は前記共通バッフ
ァ型ATMスイッチ101aの入力ポート、30,3
1,32,33は前記共通バッファ型ATMスイッチ1
01aの出力ポートであると同時に、前記共通バッファ
型ATMスイッチ101bの入力ポートでもある。5
0,51,52,53は前記共通バッファ型ATMスイ
ッチ101bの出力ポートである。
【0216】20,21,22,23は前記共通バッフ
ァ型ATMスイッチ101aからのセル出力制御信号、
40,41,42,43は前記共通バッファ型ATMス
イッチ101bからのセル出力制御信号である。60,
61,62,63は前記共通バッファ型ATMスイッチ
101bの後段の共通バッファ型ATMスイッチ、ある
いは、別のスイッチボードからのセル出力制御信号であ
る。
【0217】72a,72b,72cおよび73a,7
3b,73cはスイッチ内部で取り扱われるフォーマッ
トを有するセルを表す。すなわち、721a,721
b,721cおよび731a,731b,731cはユ
ーザが自由に情報を載せられる情報部を示し、722
a,722b,722cおよび732a,732b,7
32cは、スイッチ内部で取り扱われるルーティングタ
グ、優先制御のための優先クラスの情報、マルチキャス
トのための情報、およびATMセルヘッダなどを含むヘ
ッダ部を示す。
【0218】以下、第2実施例の第2の構成を図22を
見ながら説明する。
【0219】前記共通バッファ型ATMスイッチ101
aが前記直進モードに設定されるため、前記入力ポート
10より前記共通バッファ型ATMスイッチ101aに
入力される前記セル72aは、セルに含まれる全てのデ
ータが保存された状態でそのまま前記共通バッファ型A
TMスイッチ101aを通過する。すなわち、前記入力
ポート10はポート番号が#0であり、この番号を有す
る前記出力ポート30へ、前記セル72aは前記セル7
2bとして出力され、前記セル72aの前記ヘッダ部7
22a内の宛先情報“#3”は、前記セル72bの前記
ヘッダ部722bにおいても保存されている。前記セル
72bは前記共通バッファ型ATMスイッチ101bに
入力され、その前記ヘッダ部722bに保存されている
宛先情報が#3であることから、ポート番号#3に対応
する前記出力ポート53へと出力されて、前記セル72
cとなる。
【0220】前記セル73a,73b,73cは、前記
セル72a,72b,72cと同様に処理される。前記
共通バッファ型ATMスイッチ101aが前記直進モー
ドに設定されるため、前記入力ポート12より前記共通
バッファ型ATMスイッチ101aに入力される前記セ
ル73aは、セルに含まれる全てのデータが保存された
状態でそのまま前記共通バッファ型ATMスイッチ10
1aを通過する。すなわち、前記入力ポート12はポー
ト番号が#2であり、この番号を有する前記出力ポート
32へ、前記セル73aは前記セル73bとして出力さ
れ、前記セル73aの前記ヘッダ部732a内の宛先情
報“#1”は、前記セル73bの前記ヘッダ部732b
においても保存されている。前記セル73bは前記共通
バッファ型ATMスイッチスイッチ101bに入力さ
れ、その前記ヘッダ部732bに保存されている宛先情
報が#1であることから、ポート番号#1に対応する前
記出力ポート51へと出力されて、前記セル73cとな
る。
【0221】前記共通バッファ型ATMスイッチ101
bが、第1の構成において述べたいずれかの方法の前記
フロー制御を、前記共通バッファ型ATMスイッチ10
1aに対して行なうことによって、前記共通バッファ型
ATMスイッチ101bと前記共通バッファ型ATMス
イッチ101aとは協調して動作することができる。こ
れより、前記共通バッファ型ATMスイッチ101aと
前記共通バッファ型ATMスイッチ101bとは1つの
共通バッファ型のATMスイッチと見なすことができ、
結果としてバッファ容量が2倍の共通バッファ型ATM
スイッチを容易に得ることができる。
【0222】第1の構成の図20では、前段の共通バッ
ファ型ATMスイッチ100aにおいて、任意の入力ポ
ートから入力されたセルが前記任意の入力ポートと同一
のポート番号を有する出力ポートから出力されるよう
に、コネクション設定時にコネクションプロセスにより
ルーティングタグの設定を行なう必要があった。これに
対し、本構成では前記共通バッファ型ATMスイッチ1
01aの前記モード設定信号80aを前記直進モードに
設定するだけで、前段の共通バッファ型ATMスイッチ
である前記共通バッファ型ATMスイッチ101aを、
第1の構成における前記共通バッファATMスイッチ1
00aのように設定できる。
【0223】したがって、第2の構成によると第1の構
成に比べてさらに容易に共通バッファの容量を2倍に拡
張することが可能である。
【0224】なお、第2の構成では、前記モード設定入
力はピン入力やディップスイッチなどの形態をとるもの
と考えられる。
【0225】図23は図22に示した方法を拡張して、
任意のバッファ容量の共通バッファ型ATMスイッチを
得る実施例である。すなわち、図22の前記通常モード
に設定された前記共通バッファ型ATMスイッチ101
bの前に、同じく第2の構成の図22の前記直進モード
に設定された前記共通バッファ型ATMスイッチ101
aを1つではなく、任意の自然数nに対してn−1個だ
け並べて、隣合うスイッチにおいて前段のスイッチの出
力ポートを後段の入力ポートとをそのポート番号に基づ
いて同一の番号のものを接続するようにして、縦続接続
を行なう。その上で、これら全ての前記共通バッファ型
ATMスイッチ101aおよび101bの隣合う間にお
いて前記フロー制御を行なうと、これらn個の前記共通
バッファ型ATMスイッチ全体を1つの共通バッファ型
ATMスイッチとみなすことができ、全体のバッファ容
量はn倍となる。nを任意に設定することにより、任意
のバッファ容量の共通バッファ型ATMスイッチを容易
に得ることができる。
【0226】図24は、図22における前記共通バッフ
ァ型ATMスイッチ101aおよび101bのアーキテ
クチャを示すものである。図24は入出力ポート数が4
の場合を表している。
【0227】10,11,12,13は入力ポートを示
し、30,31,32,33は出力ポートを示す。2
0,21,22,23は当該共通バッファ型ATMスイ
ッチから発せられるセル出力制御信号で、当該共通バッ
ファ型ATMスイッチ内の制御部303により、セルバ
ッファ301の管理状況から生成される第1の制御信号
4を基に作られる。40,41,42,43は、当該A
TMスイッチの後段のATMスイッチから、もしくは、
前記各出力ポートに対応する出力インタフェースから、
送られてくるセル出力制御信号である。7は前記セル出
力制御信号40,41,42,43より得られる第2の
制御信号である。
【0228】前記制御部303は、前記入力制御部30
30、前記アドレス制御部およびアドレス管理部303
1、そして、前記出力制御部3032の3つの部分から
なる。 300は前記入力ポート10,11,12,1
3からのセルを前記入力制御部3030からの切替え制
御信号3を用いて時分割多重する多重化回路で、1には
前記入力ポートの各々からのセルが多重化されて乗せら
れる。
【0229】301はセルバッファ(共通バッファ)
で、前記1に乗せられたセルを、アドレスおよび前記信
号5に書き込みアドレスおよび書き込み制御信号をのせ
て、これによって記憶し、また、前記アドレスおよび制
御信号5として読み出しアドレスおよび読み出し制御信
号を乗せることにより、セルを読み出し、6へ乗せる。
前記書き込みアドレスおよび書き込み制御信号と前記読
み出しアドレスおよび読み出し制御信号とは、前記アド
レス制御部およびアドレス管理部3031で作られる。
【0230】302は分離化回路で、前記6へと乗せら
れたセルを、前記制御部303内の出力制御部3032
より与えられる分離化回路制御信号8を用いて前記出力
ポート30,31,32,33の中から、前記ルーティ
ングタグを参照して得られた宛先の出力ポートへ順次出
力する。
【0231】80は前記モード設定信号で、少なくとも
前記通常モードおよび前記直進モードを設定できるよう
にする。
【0232】前記モード設定信号80により前記通常モ
ードに設定された場合には、セルを前記セルバッファ3
01に書き込む時に、ヘッダ部の情報2の中の前記ルー
ティングタグより解析される宛先情報を前記セルと1対
1対応させて前記アドレス制御部およびアドレス管理部
3031に記憶しておき、前記セルを前記セルバッファ
301から読み出す時に前記宛先情報を利用することに
より、前記セルは所望の出力ポートへ出力される。
【0233】前記モード設定信号80によれ前記直進モ
ードに設定された場合には、セルを前記セルバッファ3
01に書き込む時に、前記セルがどの入力ポートより入
力されたかについてそのポート番号によって記憶してお
き、この前記ポート番号を前記セルと1対1対応させて
前記アドレス制御部およびアドレス管理部3031に記
憶しておき、前記セルを前記セルバッファ301から読
み出す時に前記ポート番号を利用することにより、前記
セルは入力ポートとポート番号が同一の出力ポートから
出力されるようにすることができる。
【0234】本構成のように共通バッファ型ATMスイ
ッチに対しモード設定が行なえるようにして、少なくと
も前記通常モードと前記直進モードを具備すると、以下
のような利点がある。
【0235】図22および図23のような構成をとった
時、前記直進モードに設定された共通バッファ型ATM
スイッチ101aでは、任意の入力ポートから入力され
たセルは前記任意の入力ポートと同一ポート番号を有す
る出力ポートから出力されるが、上に述べたように所望
の出力ポートを示す宛先情報を前記通常モードと前記直
進モードとで切替えるだけであるため、セル内の、前記
通常モード時には宛先情報として使用される前記ヘッダ
部の情報2は、書き換えられることなく前記セルバッフ
ァ301内に記憶される。このため、後段の前記通常モ
ードに設定された共通バッファ型ATMスイッチ101
bにおいては、前記ヘッダ部の情報2中のルーティング
タグをそのまま用いて宛先情報を得ることができ、これ
を利用してスイッチングすることが可能である。この結
果、第1の構成の図20のようにセルのルーティングタ
グを消費することなく前記直進モードに設定することが
できる。
【0236】図25は、本構成の図24中の前記制御部
303に属するアドレス制御部およびアドレス管理部3
031の中のアドレス制御部30311において、宛先
情報を取得する部分の構成について3つの実施例を示
す。
【0237】ここでは、図22において前記直進モード
に設定された前記共通バッファ型ATMスイッチ101
aへ前記入力ポート10より入力されたセル72aに注
目する。そして、図24と図22をも参照の上、前記直
進モード時の動作について述べながら、図22の前記共
通バッファ型ATMスイッチ101aにおける前記アド
レス制御部30311の宛先情報を獲得する部分の構成
を説明する。
【0238】はじめに、3つの各構成例に共通な部分に
ついて説明する。前記セル72aのヘッダ部722a
は、ヘッダ部の情報2に乗せられて制御部303へと渡
される(図24)。前記制御部303では、前記ヘッダ
部の情報2から、前記共通バッファ型ATMスイッチ1
01aにおいて通常モード時に必要とされるルーティン
グタグが取り出される。図25ではこれが2aであっ
て、前記セル72aの場合にはポート番号#3の出力ポ
ートを示す“11”が取り出されて、通常モード用宛先
情報レジスタ30311aにセットされる。直進モード
時に必要となる、セルが入力された入力ポートのポート
番号は9に乗せられる。9に乗せられるデータの形態は
2進表示またはビットマップ表示である。
【0239】まず、図25(a)について説明する。図
25(a)では、前記9には入力ポートのポート番号を
表す2進表示のデータが乗せられる。前記セル72aは
ポート番号#0の前記入力ポート10より入力されてい
るので、前記9には“00”が乗せられている。これを
直進モード用宛先情報レジスタ30311bにセットす
るセレクタ30311cでは、前記モード設定信号80
によって、前記通常モードの時には前記通常モード用宛
先情報レジスタ30311aにセットされたデータが出
力される。また、前記直進モードの時には前記直進モー
ド用宛先レジスタ3011bにセットされたデータが出
力される。前記共通バッファ型ATMスイッチ101a
は前記直進モードに設定されているので、前記セル72
aの場合、前記直進モード用宛先レジスタ30211b
にセットされたデータ“00”が前記セレクタ3031
1cによって選択される。前記セレクタ30311cに
よって選択されたデータはデコーダ30311dに渡さ
れて、そこでビットマップ情報に変換される。前記共通
バッファ型ATMスイッチ101aの場合、入出力ポー
トの数は4であるので、2ビットデータが4ビットのビ
ットマップ情報に変換される。前記セル72aの場合、
“00”が前記デコーダ30311dに渡され、ビット
マップデータ“1000”に変換され、これが宛先情報
として扱われる。
【0240】次に、図25(b)について説明する。
(b)は(a)とほぼ同じ構成で、セレクタ30311
cとデコーダ30311dの位置が逆になっている点が
異なる。(a)と同じように、通常モード用宛先情報レ
ジスタおよび直進モード用宛先情報レジスタには2進表
示のデータがセットされ、前記セル72aに対しては
“11”と“00”がそれぞれ記憶される。デコーダ3
0311dはこれらを受け取り、“0001”と“10
00”とにそれぞれ変換される。前記モード設定信号8
0が直進モードを示すこの場合には、この2つの4ビッ
トのビットマップ情報の中から、直進モード用宛先情報
のビットマップ情報である“1000”が、セレクタ3
0311cでは選択される。
【0241】最後に、図25(c)について説明する。
(a),(b)との大きな違いは、セルが入力された入
力ポートのポート番号をビットマップ情報で前記9から
受け取る点である。前記セル72aの場合、ポート番号
#0に対応するビットマップ情報“1000”を前記9
より受け取り、直進モード用宛先情報レジスタ3031
1eにセットする。通常モード用のデータの扱いは
(b)と同様で、前記2aより2進表示で与えられ、前
記通常モード用宛先情報レジスタ30311aにセット
し、これを前記デコーダ30311dにおいてビットマ
ップ情報に展開する。通常モード用、直進モード用とも
にビットマップ情報に展開されたところで、前記モード
設定信号80によってどちらかの情報が取り出される。
前記共通バッファ型ATMスイッチ101aは前記直進
モードに設定されるので、前記セル72aの場合、前記
直進モード用宛先情報レジスタ30311eにセットさ
れたデータ“1000”が前記セレクタ30311cに
よって選択される。
【0242】以上、3つの構成例について述べたが、他
の構成例であっても構わない。例えば、前記通常モード
用宛先情報レジスタ30311aにセットされるデータ
はビットマップの情報であっても構わないし、また、前
記9からのデータを前記直進モード用宛先情報レジスタ
30311bまたは30311eに保持せずにそのまま
処理しても良いし、さらに、最終的に得られる宛先情報
はビットマップでなくて2進数で与えられるデータであ
ってもよい。
【0243】図26、27、28は、直進モード時の、
アドレス制御部の宛先情報を獲得する部分の構成として
図25(c)を用いたアドレス制御部およびアドレス管
理部におけるアドレス獲得に関する実施例1を示す。
【0244】図25と同様に前記セル72aに注目して
説明する。
【0245】図26、27、28の(a)は、前記セル
72aが前記セルバッファ301に記憶される前の状態
を示す。状態(a)では、前記セルバッファ301はア
ドレス0〜アドレス11までセルが記憶されており、ア
ドレス12〜アドレス15は“空き”であるものとす
る。(図では“空き”は“Vac”で表されている。)
前記セルバッファ301では、任意の1つのアドレス
に、セル本体と、そのセルが出力される宛先の出力ポー
トに着目して次に出力されるべきセルの前記セルバッフ
ァ内でのアドレス、すなわち、次アドレスとが記憶され
ている。このように次アドレスを記憶することにより、
前記セルバッファ301内のセルを、図27に示すよう
な管理形態で各出力ポート毎にセルを連鎖状にして管理
している。これはリンクトリストと呼ばれているもので
ある。例えば、ポート番号#3の出力ポートを宛先とす
るセルはアドレス2,3,7,9にそれぞれ記憶されて
いるものであり、この順番で前記セルバッファ301に
入力および記憶されている。一例として、アドレス3に
はCell3が記憶されていて、次のアドレスはアドレ
ス7であることが管理されている。アドレス9にはCe
ll9が記憶されているが、ポート番号#3の出力ポー
トに対応するリンクトリストの一番最後に管理されてい
るため、次アドレスは“null”である。また、出力
順序は、アドレス2に記憶されているCell2が1番
目に出力され以下、アドレス3に記憶されているCel
l3、アドレス7に記憶されているCell7、そして
アドレス9に記憶されているCell9という順番で出
力されていく。他のポート番号の出力ポートを宛先とす
るセルについても同様である。“空き”のアドレスも管
理されていて、図26、27、28ではアドレス12、
アドレス13、アドレス14、アドレス15の順に管理
されている。アドレス15は“空き”アドレスの最後で
あるので、次アドレスはやはり“null”となってい
る。
【0246】図28は、アドレス制御部の宛先情報を獲
得する部分の構成として図25(c)を用いた、アドレ
ス制御部およびアドレス管理部3031を示す。図に示
すように、前記アドレス制御部およびアドレス管理部3
031内のアドレス管理部30312aは、各出力ポー
ト毎および“空き”アドレスの、それぞれのリンクトリ
ストに対応して、最初のセルと最後のセルとのアドレス
をテーブルにより管理している。状態(a)では、ポー
ト番号#0の出力ポートを宛先とするセルはアドレス8
を獲得したCell8のみであるので、Cell8が最
初のセルおよび最後のセルとして登録されている。
【0247】前記セル72aが、前記モード設定信号8
0により前記直進モードに設定されている前記共通バッ
ファ型ATMスイッチ101aに入力されると、状態は
(a)から(b)へと変化する。この様子について説明
する。
【0248】前記セル72aはポート番号#0の入力ポ
ートより入力され、また、上に述べたように前記モード
設定信号80が前記直進モードに設定されているため、
前記セレクタ30311cは宛先情報としてビットマッ
プ“1000”を選択し、前記アドレス管理部3031
2aに与える。前記アドレス管理部30312aはテー
ブルの#0;“1000”の欄を参照し、ポート番号#
0の出力ポートに対応するリンクトリストから最後のセ
ルに対応するアドレス8を獲得する。また、前記アドレ
ス管理部30312aはテーブルの“Vac”の欄を参
照し、“空き”アドレスのリンクトリストから最初の
“空き”アドレスであるアドレス12を獲得して、ポー
ト番号#0の出力ポートに対応するリンクトリストに加
える。この結果、前記アドレス管理部30312aのテ
ーブルは状態(a)から状態(b)へ変化する。すなわ
ち、#0;“1000”の欄は最後のセルとしてアドレ
ス12を指し、“Vac”の欄は最初の“空き”アドレ
スとしてアドレス13を指すように書き換えられる。
【0249】このようにして得られたアドレス12を書
き込みアドレスとして利用して、前記セル72aは前記
セルバッファ301に記憶される。前記セル72aはポ
ート番号#0の出力ポートに対応するリンクトリストの
中で最後に位置するため、次アドレス“null”とと
もに記憶される。これにより、先ほど獲得したアドレス
8に記憶されているCell8は、ポート番号#0の出
力ポートに対応するリンクトリストの中で最後に位置す
るものではなくなり、アドレス12に記憶される前記セ
ル72aが次に来ることから、Cell8の次アドレス
は“null”からアドレス12を示すように書き換え
られる。なお、図26、27、28では前記セル72a
はCell12として示されている。図26の状態
(b)は前記Cell12が前記セルバッファ301に
記憶された様子を示しており、その管理形態が図27の
状態(b)である。
【0250】以上、前記直進モードに設定された前記共
通バッファ型ATMスイッチ101aに入力されたセル
がアドレスを獲得するまでを示した。次に、簡単にセル
の出力について述べる。
【0251】例えば、ポート番号#0の出力ポート、す
なわち、図22の出力ポート30から出力する時には、
ポート番号#0の出力ポートに対応するリンクトリスト
を検索して、最古のセルから出力していく。最古のセル
は、前記アドレス管理部30312aのテーブルにて
“最初”のセルを調査することにより得られる。前記出
力ポート30についていえば、まずアドレス8に記憶さ
れているCell8が出力され、次の前記出力ポート3
0から出力するタイミングにはアドレス12に記憶され
たセルCell12(すなわち72a)が出力されるこ
とになる。これにより、前記セル72aはポート番号#
0の入力ポート10より入力され、同一のポート番号#
0の出力ポート30より出力される。
【0252】以上に述べてきた動作により、直進モード
時に、任意の入力ポートより入力されたセルを前記任意
の入力ポートと同一のポート番号を有する出力ポートよ
り出力させることが容易に実現可能である。
【0253】図29は、直進モード時の、アドレス制御
部の宛先情報を獲得する部分の構成として図25(c)
を用いたアドレス制御部およびアドレス管理部における
アドレス獲得に関する実施例2を示す。図26、27、
28と同様に、前記モード設定信号80により前記直進
モードに設定されている前記共通バッファ型ATMスイ
ッチ101aに、前記セル72aが入力された状態に注
目して説明する。
【0254】アドレス管理部30312bはシフトレジ
スタ方式のアドレス管理部である。ここで、シフトレジ
スタ方式のアドレス管理部については特開平5−351
057に開示されている。
【0255】前記アドレス管理部30312bでは、セ
ルの入力毎にその時点での“空き”の段の中で最下段の
アドレスを、当該セルのビットマップで示された宛先情
報の出力ポートと関連づけて管理していく。
【0256】前記セル72aが入力される時点では、前
記アドレス管理部30312bにおいてアドレス0から
アドレス11までがすでに使用されていて、“空き”の
段の中で最下段に位置するアドレスは12となってい
る。すなわち、前記セルバッファ301の管理形態は次
のようになっている。ポート番号#0へ出力するべきセ
ルは、前記セルバッファ301内のアドレス8の位置に
記憶されている。同様にして、ポート番号#1へ出力す
るべきセルはアドレス0,4,5,10の位置にポート
番号#2へ出力するべきセルはアドレス1,6,11の
位置に、ポート番号#3へ出力するべきセルはアドレス
2,3,7,9の位置に、それぞれ記憶されている。
【0257】前記セル72aはポート番号#0の入力ポ
ートより入力され、また、上に述べたように前記モード
設定信号80が前記直進モードに設定されているため、
前記セレクタ30311cは宛先情報としてビットマッ
プ“1000”を選択し、前記アドレス管理部3031
2bに与える。ここで、上に述べたアドレス12をこの
ビットマップ“1000”と関連づけて、前記セル72
aはアドレス12を獲得する。このようにして得られた
アドレス12を書き込みアドレスとして利用して、前記
セル72aは前記セルバッファ301に記憶される。
【0258】以上、前進直進モードに設定された前記共
通バッファ型ATMスイッチ101aに入力されたセル
がアドレスを獲得するまでを示した。
【0259】次に、セルの出力について簡単に述べる。
#0の出力ポート、すなわち、図22の30の出力ポー
トからセルを出力する時には、前記アドレス管理部30
312bに記憶されている#0に対応する宛先情報のビ
ットを最も下の段から上の段へ順に検索していく。図2
9ではアドレス0から順にアドレス1,2,…,14,
15と検索していく。前記セル72aが前記セルバッフ
ァ301に記憶された時点では、まず、アドレス8の位
置に記憶されているセルが該当し、アドレス8を読み出
しアドレスとして用いてセルを出力する。そして、前記
出力ポート30の次の出力のタイミングには、12の位
置に記憶されているセル、すなわち前記セル72aを出
力する。
【0260】以上に述べたような動作を行なうことによ
って、直進モード時に、任意の入力ポートより入力され
たセルを前記任意の入力ポートと同一のポート番号を有
する出力ポートより出力させることが容易に実現可能で
ある。
【0261】図30は、前進モード時の、アドレス制御
部の宛先情報を獲得する部分の構成として図25(c)
を用いたアドレス制御部およびアドレス管理部における
アドレス獲得に関する実施例3を示す。
【0262】図30は、図29とは原理的に同じで、優
先制御を扱うため優先クラスの情報がセルのヘッダ部に
記述されている場合に対応している実施例である。すな
わち、図30では、前記ヘッダ部の情報2に前記優先ク
ラスの情報を2aに乗せてアドレス管理部30312c
に通知する。本実施例では、前記優先クラスの情報は1
ビットで表現され、優先クラスがAおよびBの2種類で
ある場合を示している。
【0263】以下に図29と同じく前記セル72aが入
力された場合について説明する。ただし、本実施例で
は、前記セル72aは前記優先クラスの情報“A”を有
しているものとする。
【0264】図29で述べた動作と同じ動作を行なうこ
とにより前記セル72aはアドレス12を獲得し、アド
レス12と宛先情報“1000”および前記優先クラス
の情報“A”とを関係づけて前記アドレス管理部303
12cに記憶させる。前記セル72a自体は、アドレス
12を書き込みアドレスとして用いて、前記セルバッフ
ァ301内のアドレス12の位置に記憶される。
【0265】セルの出力時には前記優先クラスの情報と
前記宛先情報とを用いて図29で述べた動作と同じ動作
により最下段から順に検索し、該当するセルを出力す
る。例えば、ポート番号#0の出力ポートから優先クラ
ス“A”のセルを出力する時にはアドレス12が読み出
してアドレスとして獲得されて、この結果、前記セル7
2aが出力されることになる。
【0266】以上に述べたように、シフトレジスタ方式
のアドレス管理部30312cによると、優先制御も容
易に実現できる上、直進モードの動作も容易に実現する
ことが可能である。
【0267】以下に第3の構成を説明する。
【0268】図31は第3の構成を示す図である。第3
の構成では第2の構成の図22での前記直進モード設定
入力と前記通常モード設定入力とをマイクロプロセッサ
により設定する点が、第2の構成とは異なる。
【0269】図中の101aおよび101bは、第2の
構成において図24に示した前記モード設定入力を有す
る同一の共通バッファ型ATMスイッチである。前記共
通バッファ型ATMスイッチ101aおよび101b
は、前記モード設定入力として通常のスイッチング動作
を行なう通常モードと、第1の構成の図20中の前記共
通バッファ型ATMスイッチ100aのように、任意の
入力ポートから入力されたセルは前記任意の入力ポート
と同一のポート番号を有する出力ポートから出力するよ
うに動作する直進モードとを少なくとも具備する。
【0270】200aおよび200bはマイクロプロセ
ッサである。80aおよび80bはモード設定信号で、
前記共通バッファ型ATMスイッチを少なくとも通常モ
ードと直進モードとに設定することが可能である。
【0271】前記共通バッファ型ATMスイッチ101
aを、前記モード設定信号80aを前記マイクロプロセ
ッサ200aにより前記直進モードと設定して前段に、
そして、前記共通バッファ型ATMスイッチ101b
を、前記モード設定信号80bを前記マイクロプロセッ
サ200bにより前記通常モードと設定して後段に設置
し、前記共通バッファ型ATMスイッチ101aの出力
ポートと前記共通バッファ型ATMスイッチ101bの
入力ポートとをそのポート番号に基づいて同一の番号の
ポートを接続して、前記共通バッファ型ATMスイッチ
101aと前記共通バッファ型ATMスイッチ101b
とを縦続に接続する。
【0272】10,11,12,13は前記共通バッフ
ァ型ATMスイッチ101aの入力ポート、30,3
1,32,33は前記共通バッファ型ATMスイッチ1
01aの出力ポートであると同時に、前記共通バッファ
型ATMスイッチ101bの入力ポートでもある。5
0,51,52,53は前記共通バッファ型ATMスイ
ッチ101bの出力ポートである。
【0273】20,21,22,23は前記共通バッフ
ァ型ATMスイッチ101aからのセル出力制御信号、
40,41,42,43は前記共通バッファ型ATMス
イッチ101bからのセル出力制御信号である。60,
61,62,63は前記共通バッファ型ATMスイッチ
101bの後段の共通バッファ型ATMスイッチ、ある
いは、別のスイッチボードからのセル出力制御信号であ
る。
【0274】72a,72b,72cおよび73a,7
3b,73cはスイッチ内部で取り扱われるフォーマッ
トを有するセルを表す。すなわち、721a,721
b,721cおよび731a,731b,731cはユ
ーザが自由に情報を載せられる情報部を示し、722
a,722b,722cおよび732a,732b,7
32cは、スイッチ内部で取り扱われるルーティングタ
グ、優先制御のための優先クラスの情報、マルチキャス
トのための情報、およびATMセルヘッダなどを含むヘ
ッダ部を示す。
【0275】以下、第3の構成を図31を見ながら説明
する。
【0276】前記共通バッファ型ATMスイッチ101
aが前記直進モードに設定されるため、前記入力ポート
10より前記共通バッファ型ATMスイッチ101aに
入力される前記セル72aは、セルに含まれる全てのデ
ータが保存された状態のまま前記共通バッファ型ATM
スイッチ101aを通過する。すなわち、前記入力ポー
ト10はポート番号が#0であり、この番号を有する前
記出力ポート30へ、前記セル72aは前記セル72b
として出力され、前記セル72aの前記ヘッダ部722
a内の宛先情報“#3”は、前記セル72bの前記ヘッ
ダ部722bにおいても保存されている。前記セル72
bは前記共通バッファ型ATMスイッチ101bに入力
され、その前記ヘッダ部722bに保存されている宛先
情報が#3であることから、ポート番号#3に対応する
前記出力ポート53へと出力されて、前記セル72cと
なる。
【0277】前記セル73a,73b,73cは、前記
セル72a,72b,72cと同様に処理される。前記
共通バッファ型ATMスイッチ101aが前記直進モー
ドに設定されるため、前記入力ポート12より前記共通
バッファ型ATMスイッチ101aに入力される前記セ
ル73aは、セルに含まれる全てのデータが保存された
状態でそのまま前記共通バッファ型ATMスイッチ10
1aを通過する。すなわち、前記入力ポート12はポー
ト番号が#2であり、この番号を有する前記出力ポート
32へ、前記セル73aは前記セル73bとして出力さ
れ、前記セル73aの前記ヘッダ部532a内の宛先情
報“#1”は、前記セル73bの前記ヘッダ部532b
においても保存されている。前記セル73bは前記共通
バッファ型ATMスイッチスイッチ101bに入力さ
れ、その前記ヘッダ部に保存されている宛先情報が#1
であることから、ポート番号#1に対応する前記出力ポ
ート51へと出力されて、前記セル73cとなる。
【0278】前記共通バッファ型ATMスイッチ101
bが、第1の構成において述べたいずれかの方法の前記
フロー制御を、前記共通バッファ型ATMスイッチ10
1aに対して行なうことによって、前記共通バッファ型
ATMスイッチ101bと前記共通バッファ型ATMス
イッチ101aとは協調して動作することができる。こ
れより、前記共通バッファ型ATMスイッチ101aと
前記共通バッファ型ATMスイッチ101bとは1つの
共通バッファ型のATMスイッチと見なすことができ、
結果としてバッファ容量が2倍の共通型ATMスイッチ
を容易に得ることができる。
【0279】本構成の図31のように前記マイクロプロ
セッサ200を使用してモード設定を行なうことの利点
は、前記共通バッファ型ATMスイッチ101を簡単に
変更して、柔軟な設定を行なうことができる可能性があ
る点である。
【0280】図32は、図24を変更して新たに入力信
号を加えた、本構成の共通バッファ型ATMスイッチの
実施例2である。すなわち、本構成の共通バッファ型A
TMスイッチの実施例1の図24では前記モード設定信
号80として通常モードと直販モードを少なくとも設定
できるが、これに対し、本構成の共通バッファ型ATM
スイッチの実施例2の図32では前記直進モードの代わ
りに特殊モードを設定できるようにし、特殊モード時の
入力ポートと出力ポートとの接続関係を示す特殊モード
設定データを新たに入力信号として加え、柔軟な設定を
行なえるようにしている。
【0281】以下、図32について説明する。図32は
入出力ポート数が4の場合を表している。10,11,
12,13は入力ポートを示し、30,31,32,3
3は出力ポートを示す。20,21,22,23は当該
共通バッファ型ATMスイッチから発せられるセル出力
制御信号で、当該共通バッファ型ATMスイッチ内の制
御部303により、セルバッファ301の管理状況から
生成される第1の制御信号4を基に作られる。40,4
1,42,43は、当該ATMスイッチの後段のATM
スイッチから、もしくは、前記各出力ポートに対応する
出力インタフェースから、送られてくるセル出力制御信
号である。7は前記セル出力制御信号40,41,4
2,43より得られる第2の制御信号である。
【0282】前記制御部303は、前記入力制御部30
30、前記アドレス制御部およびアドレス管理部303
1、そして、前記出力制御部3032の3つの部分から
なる。
【0283】300は前記入力ポート10,11,1
2,13からのセルを前記入力制御部3030からの切
替え制御信号3を用いて時分割多重する多重化回路で、
1には前記入力ポートの各々からのセルが多重化されて
乗せられる。
【0284】301はセルバッファ(共通バッファ)
で、前記1に乗せられたセルを、アドレスおよび前記信
号5に書き込みアドレスおよび書き込み制御信号をのせ
て、これによって記憶し、また、前記アドレスおよび制
御信号5として読み出しアドレスおよび読み出し制御信
号を乗せることにより、セルを読み出し、6へ乗せる。
前記書き込みアドレスおよび書き込み制御信号と前記読
み出しアドレスおよび読み出し制御信号とは、前記アド
レス制御部およびアドレス管理部3031で作られる。
【0285】302は分離化回路で、前記6へと乗せら
れたセルを、前記制御部303内の出力制御部3032
より与えられる分離化回路制御信号8を用いて前記出力
ポート30,31,32,33の中から、前記ルーティ
ングタグを参照して得られた宛先の出力ポートへ順次出
力する。
【0286】80は前記モード設定信号で、少なくとも
前記通常モードおよび前記直進モードを設定できるよう
にする。81は前記特殊モード時の入力ポートと出力ポ
ートとの接続関係を示す特殊モード設定データである。
【0287】前記モード設定信号80により前記通常モ
ードに設定された場合には、セルを前記セルバッファ3
01に書き込む時に、ヘッダ部の情報2の中の前記ルー
ティングタグより解析される宛先情報を前記セルと1対
1対応させて前記アドレス制御部およびアドレス管理部
3031に記憶しておき、前記セルを前記セルバッファ
301から読み出す時に前記宛先情報を利用することに
より、前記セルは所望の出力ポートへ出力される。
【0288】前記モード設定信号80により、前記特殊
モードに設定された場合には、セルを前記セルバッファ
301に書き込む時に、予め与えられた前記特殊モード
設定データ81を宛先情報としこれを前記セルと1対1
対応させて前記アドレス制御部およびアドレス管理部3
031に記憶しておき、前記セルを前記セルバッファ3
01から読み出す時に前記宛先情報を利用することによ
り、前記セルは所望の出力ポートへ出力される。
【0289】図32に示した本実施例の共通バッファ型
ATMスイッチの実施例2のように前記特殊モードを設
定し、かつ、前記特殊モード設定データを与えることが
可能であると、以下の幾つかの例に示すように、柔軟な
設定を行なうことができる。
【0290】図33は、図32に示した本構成の共通の
バッファ型ATMスイッチの実施例を用いたATM多重
化装置およびATM分離化装置の実施例である。
【0291】10,11,12,13は入力ポートで、
30,31,32,33は出力ポートである。80は前
記モード設定信号であり、図33では、共通バッファ型
ATMスイッチをATM多重化装置、ATM分離化装置
および直進モードのいずれかとして、またはこれらを同
時に存在させて動作するための前記特殊モードに設定さ
れている。81は、当該共通バッファ型ATMスイッチ
が前記モード設定信号80により前記特殊モードに設定
された場合に、入力ポートと出力ポートの入出力関係を
記述する前記特殊モード設定データ入力である。
【0292】前記モード設定信号80、前記特殊モード
設定データ81により入力される各信号およびデータ
を、マイクロプロセッサ200により設定すると、状況
に応じた設定が行なえる。図33では、前記入力ポート
10,11,12より入力されたセルが前記出力ポート
30に多重化されて出力され、前記入力ポート13より
入力されたセルが前記出力ポート31,32,33より
分離されて出力されるように、前記特殊モード設定デー
タ81によって記述し、前記共通バッファ型ATMスイ
ッチ102を動作させる。
【0293】図34は図33に示した実施例における共
通バッファ型ATMスイッチ102の中のアドレス制御
部およびアドレス管理部に属するアドレス制御部におい
て、宛先情報を獲得する部分の構成例である。図34
(a)は入力ポート10,1112に対するもので、図
34(b)は入力ポート13に対するものである。
(a,(b)ともにアドレス制御部30311として図
25(c)を用いた構成例である。
【0294】(a)では、入力ポート10,11,12
より入力されたセルはすべてポート番号#0の出力ポー
ト30より出力されるため、前記特殊モード設定データ
81としてポート番号#0に対応するビットマップ“1
000”が与えられ、特殊モード宛先情報レジスタ30
311eにセットされる。前記モード設定信号80が前
記特殊モードを設定されているため、セレクタ3031
1cでは宛先情報としてビットマップ“1000”が得
られる。なお、前記モード設定信号80が前記通常モー
ドに設定されている場合にはルーティングタグを参照し
てこれが宛先情報として選ばれることになる。
【0295】(b)は図25(c)に対し、以下のもの
を加えた構成をしている。前記特殊モード設定データ8
1によって与えられる3つのデータを記憶する設定デー
タ用レジスタ500a,500b,500cと、これら
3つのデータの中から1つのデータを選択するセレクタ
502aと、前記ヘッダ部の情報2の中のVPI/VC
I値2bの値により前記セレクタ502aを切替えるた
めのセレクタ切替え信号を作るためのデコーダー501
である。前記デコーダー501は何らかの形によりテー
ブル5011を有して、VPI/VCI値2bと出力ポ
ートを1対1対応させて管理する。これらの構成要素は
前記アドレス制御部30311内に含まれていてもよい
し、前記マイクロプロセッサ200とのインタフェース
として新たに構成してもよい。
【0296】(b)では、入力ポート13より入力され
たセルはポート番号#1の出力ポート31、ポート番号
#2の出力ポート32、ポート番号#3の出力ポート3
3の内、いずれかの出力ポートに出力される。このた
め、前記設定データ用レジスタ500aにはポート番号
#1に対応したビットマップ“0100”、前記設定デ
ータ用レジスタ500bにはポート番号#2に対応した
ビットマップ“0010、前記設定データ用レジスタ5
00cにはポート番号#3に対応したピットマップ“0
001”がそれぞれ設定される。セルの出力を管理する
前記デコーダー501は、コネクション設定時に前記テ
ーブル5011を設定してVPI/VCI値と出力ポー
トを1対1対応させる。図34の実施例では、VPI/
VCI値a、eのセルは出力ポート31へ出力される。
VPI/VCI値b,fのセルは出力ポート32へ出力
され、VPI/VCI値c,dのセルは出力ポート33
へ出力されるように設定がなされている。セルが入力ポ
ート13より入力されると、当該セルのVPI/VCI
値2bが前記デコーダー501に与えられて出力ポート
が決定される。図34の実施例では、VPI/VCI値
がcであるセルが入力され、前記セレクタ502aによ
りビットマップ“0001”が選択され、これが前記特
殊モード宛先情報レジスタ30311eにセットされ
る。前記モード設定信号80が前記特殊モードに設定さ
れているため、セレクタ30311cでは宛先情報とし
てビットマップ“0001”が得られる。なお、前記モ
ード設定信号80が前記通常モードに設定されている場
合にはルーティングタグを参照してこれが宛先情報とし
て選ばれるが、図34では入力されたセルのルーティン
グタグは“01”を示しているため、宛先情報としてビ
ットマップ“0100”が得られることになる。
【0297】図35は、図33に示した実施例における
共通バッファ型ATMスイッチ102の中のアドレス制
御部およびアドレス管理部に属するアドレス制御部にお
いて宛先情報を獲得する部分の構成例で、図34と異な
る実施例である。図35(a)は入力ポート10,1
1,12に対するもので、図35(b)は入力ポート1
3に対するものである。(a),(b)ともに前記アド
レス制御部30311として新たな構成を用いた例であ
る。基本的には、図25(c)を用いた構成例である
が、前記モード設定信号80にビット幅を持たせてモー
ド設定部800と特殊モード詳細設定部801とに分け
る。すなわち、前記特殊モード詳細設定部801によっ
て、前記直進モードおよび前記ATM多重化装置を実現
するモードと前記ATM分離化装置を実現するモードと
を切替え、前記モード設定部800によって、前記直進
モード、前記ATM多重化装置を実現するモード、前記
ATM分離化装置を実現するモードのいずれかを表す前
記特殊モードと、前記通常モードとを切替える。前記特
殊モードの中でも、前記直進モードおよび前記ATM多
重化装置を実現するモードの場合は、前記特殊モード設
定データ81を宛先情報として利用するが、前記ATM
分離化装置を実現するモードの場合には、ルーティング
タグを宛先情報として利用する。したがって、図35に
示す前記アドレス制御部30311では、前記通常モー
ドと前記ATM分離化装置を実現するモードの場合には
ルーティングタグを利用することになる。
【0298】(a)では、入力ポート10,11,12
より入力されたセルはすべてポート番号#0の出力ポー
ト30より出力されるため、前記特殊モード設定データ
81としてポート番号#0に対応するビットマツプ“1
000”が与えられ、特殊モード宛先情報レジスタ30
311eにセットされる。前記特殊モード詳細設定部8
01が前記ATM多重化装置を実現するモードに設定さ
れるため、前段のセレクタ30311cは30311e
にセットされたデータを選択し、後段のセレクタ303
11cでは前記モード設定部800が前記特殊モードに
設定されるため宛先情報としてビットマップ“100
0”が得られる。なお、前記モード設定部800が前記
通常モードに設定されている場合にはルーティングタグ
を参照してこれが前記デコーダー30311dにてビッ
トマップに変換されて宛先情報として選ばれることにな
る。
【0299】(b)では、入力ポート13より入力され
たセルはポート番号#1の出力ポート31、ポート番号
#2の出力ポート32、ポート番号#3の出力ポート3
3の中から、ルーティングタグに設定される情報を見
て、いずれかの出力ポートに出力される。すなわち、前
記特殊モード詳細設定部801が前記ATM分離化装置
を実現するモードを表しているため、当該セルのヘッダ
部の情報内のルーティングタグ2aをセットした前記通
常モード用宛先情報レジスタ30311aのデータ“1
1”を前記デコーダ3011dを介して利用する。これ
により、前段のセレクタ30311cで“0001”を
取り出し、さらに前記モード設定部800により前記特
殊モードに設定されていることから、後段のセレクタ3
0311cでは“0001”が宛先情報として選択され
る。この結果、前記出力ポート33より出力される。前
記出力ポート31,32からも同様にして出力される。
このようにして、コネクション設定時に入力ポート13
より入力される各セルのルーティングタグを予めVPI
/CVIと対応させて設定しておき、このルーティング
テグを参照することによって前記出力ポート31,3
2,33のいずれかよりセルを出力させることができ
る。
【0300】図35のように、ルーティングタグを設定
することにより前記ATM分離化装置を実現することの
利点は、以下の様である。ATMスイッチの出力ポート
を低速化して利用する目的で、前記ATM分離化装置は
用いられるため、前記ATMスイッチの入力ポート側の
インタフェースにおいて、図34の前記管理テーブル5
011のようなテーブルを必ず持っていて、そこで前記
ATM分離化装置におけるVPI/VCIと出力ポート
との対応づけを行ない、前記ATM分離化装置のための
ルーティングタグを得ることが容易にできる。図34で
はこのテーブルと前記管理テーブル5011の両方を参
照する必要があったが、図35ではこのテーブルだけを
参照すればよく、テーブル参照の手間が図13に比べ半
分で済むことになる。
【0301】逆に、図34に示した実施例は、図35の
実施例に比べ、前記ATM分離化装置を実現するモード
に際してルーティングタグを消費しない点と、前記特殊
モード設定データ81を利用することから前記プロセッ
サ200によって柔軟に設定が可能である点が利点であ
る。
【0302】なお、図34および図35に示した実施例
では、各入力ポートにおいて前記アドレス制御部303
11の構成を同一にしてきたが、異なる構成としてもよ
い。例えば、前記ATM分離化装置の入力ポートとなる
入力ポートの前記アドレス制御部は、前記特殊モード設
定データ81は利用しない構成、すなわち、図25にお
いて前記通常モード用宛先情報レジスタ30311aお
よび前記デコーダー30311dだけからなる構成とし
てもよい。
【0303】以上に述べた図33の実施例によると、1
つの共通バッファ型ATMスイッチでATM多重化装置
(MUX)とATM分離化装置(DEMUX)を同時に
実現することが可能であり、その結果、共通バッファ型
ATMスイッチの入力および出力ポートを1つも無駄に
することなく利用することができる。
【0304】図36は、図24に示した共通バッファ型
ATMスイッチの実施例2を用いてATM多重化装置、
ATM分離化装置、および直進モードを同時に存在させ
る実施例である。
【0305】10,11,12,13は入力ポートで、
30,31,32,33は出力ポートである。
【0306】80は前記モード設定信号であり、図36
では、共通バッファ型ATMスイッチをATM多重化装
置、ATM多重化装置および直進モードのいずれかとし
て、またはこれらを同時に存在させて動作させるための
前記特殊モードに設定されている。81は、当該共通バ
ッファ型ATMスイッチが前記モード設定信号80によ
り前記特殊モードに設定された場合に、入力ポートと出
力ポートの入出力関係を記述する前記特殊モード設定デ
ータ入力である。
【0307】前記モード設定信号80、前記特殊モード
設定データ81により入力される各信号およびデータ
を、マイクロプロセッサ200により設定すると、状況
に応じた設定が行なえる。図36では、前記入力ポート
10,11,12より入力されたセルが前記出力ポート
30に多重化されて出力され、前記入力ポートにより入
力されたセルが前記出力ポート32にそのまま出力され
(直進モード)、前記入力ポート13より入力されたセ
ルが前記出力ポート31,33より分離されて出力され
るように、前記特殊設定データ81によって記述し、前
記共通バッファ型ATMスイッチ102を動作させる。
【0308】図37は図36に示した実施例における共
通バッファ型ATMスイッチ102の中のアドレス制御
部およびアドレス管理部に属するアドレス制御部におい
て、宛先情報を獲得する部分の構成例である。図37
(a)は入力ポート10,11に対するもので、図37
(b)は入力ポート12に対するもので、図37(c)
は入力ポート13に対するものである。(a),
(b),(c)ともにアドレス制御部30311として
図25(c)を用いた構成例である。
【0309】(a)では、入力ポート10,11より入
力されたセルはすべてポート番号#0の出力ポート30
より出力されるため、前記特殊モード設定データ81と
してポート番号#0に対応するビットマップ“100
0”が与えられ、前記特殊モード宛先情報レジスタ30
311eにセットされる。前記モード設定信号80が前
記特殊モードを設定されているため、セレクタ3031
1cでは宛先情報としてビットマップ“1000”が得
られる。なお、前記モード設定信号80が前記通常モー
ドに設定されている場合にはルーティングタグを参照し
て、これが前記デコーダー30311dにてビットマッ
プに変換されて宛先情報として選ばれることになる。
【0310】(b)では、入力ポート12により入力さ
れたセルはポート番号#2の出力ポート32より出力さ
れるため、前記特殊モード設定データ81としてポート
番号#2に対応するビットマップ“0010”が与えら
れ、前記特殊モード宛先情報レジスタ30311eにセ
ットされる。前記モード設定信号80が前記特殊モード
を設定されているため、セレクタ30311cでは宛先
情報としてビットマップ“0010”が得られる。な
お、前記モード設定信号80が前記通常モードに設定さ
れている場合にはルーティングタグを参照して、これが
前記デコーター30311dにてビットマップに変換さ
れて宛先情報として選ばれることになる。
【0311】(c)は図25(c)に対し、以下のもの
を加えた構成をしている。前記特殊モード設定データ8
1によって与えられる2つのデータを記憶する設定デー
タ用レジスタ500a,500bと、これら2つのデー
タの中から1つのデータを選択するセレクタ502b
と、前記ヘッダの情報2の中のVPL/VCI値2bの
値により前記セレクタ502bを切替えるためのセレク
タ切替え信号を作るためのデコーダー501である。前
記デコーダー501は何らかの形によりテーブル501
1を有して、VPI/VCI値2bと出力ポートを1対
1対応されて管理する。これらの構成要素は前記アドレ
ス制御部30311内に含まれてもよいし、前記マイク
ロプロセッサ200とインタフェースとして新たに構成
してもよい。 (c)では、入力ポート13より入力さ
れたセルはポート番号#1の出力ポート31、ポート番
号#3の出力ポート33の内、いずれかの出力ポートに
出力される。このため、前記設定データ用レジスタ50
0aにはポート番号#1に対応したビットマップ“01
00”、前記設定データ用レジスタ500bにはポート
番号#3に対応したビットマップ“0001”がそれぞ
れ設定される。セルの出力を管理する前記デコーダー5
01は、コネクション設定時に前記テーブル5011を
設定してVPI/VCI値と出力ポートを1対1対応さ
せる。図37の実施例では、VPI/VCI値a,d,
e,fのセルは出力ポート31へ出力され、VPI/V
CI値b,cのセルは出力ポート33へ出力されるよう
に設定がなされている。セルが入力ポート13より入力
されると、当該セルのVPI/VCI値2dが前記デコ
ーダー501に与えられて出力ポートが決定される。図
37の実施例では、VPI/VCI値がaであるセルが
入力され、前記セレクタ502aによりビットマップ
“0100”が選択され、これが前記特殊モート宛先情
報レジスタ30311eににセットされる。前記モード
設定信号80が前記特殊モードに設定されているため、
セレクタ30311cでは宛先情報としてビットマップ
“0100”が得られる。なお、前記モード設定信号8
0が前記通常モードに設定されている場合にはルーティ
ングタグを参照してこれが宛先情報として選ばれるが、
図37では入力されたセルのルーティングタグは“0
0”を示しているため、宛先情報としてビットマッブ
“1000”が得られることになる。
【0312】図38は、図36に示した実施例における
共通バッファ型ATMスイッチ102の中のアドレス制
御部およびアドレス管理部に属するアドレス制御部にお
いて宛先情報を獲得する部分の構成例で、図37と異な
る実施例である。図38(aは入力ポート10,11に
対するもので、図38(b)は入力ポート12に対する
もので、図38(c)は入力ポート13に対するもので
ある。(a),(b)(c)ともに前記アドレス制御部
30311として図35と同じ構成を用いた例である。
【0313】(a)では、入力ポート10,11より入
力されたセルはすべてポート番号#0の出力ポート30
より出力されるため、前記特殊設定データ81としてポ
ート番号#0に対応するビットマップ“1000”が与
えられ、特殊モード宛先情報レジスタ30311eにセ
ットされる。前記特殊モード詳細設定部801が前記A
TM多重化装置を実現するモードに設定されるため、前
段のセレクタ30311cは30311eにセットされ
たデータを選択し、後段のセレクタ30311cでは前
記モード設定部800が前記特殊モードに設定されるた
め、宛先情報としてビットマップ“1000”が得られ
る。なお、前記モード設定部800が前記通常モードに
設定されている場合にはルーティングタグを参照し、こ
れが前記デコーダー30311dにてビットマップに変
換されて宛先情報として選ばれることになる。
【0314】(b)では、入力ポート12より入力され
たセルはポート番号#2の出力ポート32より出力され
るため、前記特殊モード設定データ81としてポート番
号#2に対応するビットマップ“0010”が与えら
れ、前記特殊モード宛先情報レジスタ30311eにセ
ットされる。前記直進モードに設定されるため、前段の
セレクタ30311cは前記特殊モード詳細設定部80
1によって30311eにセットされたデータを選択
し、後段のセレクタ30311cでは前記モード設定部
800が前記特殊モードに設定されるため、宛先情報と
してビットマップ“0010”が得られる。なお、前記
モード設定部800が前記通常モードに設定されている
場合にはルーティングタグを参照して、これが前記デコ
ーダー30311dにてビットマップに変換されて宛先
情報として選ばれることになる。
【0315】(c)では、入力ポート13より入力され
たセルはポート番号#1の出力ポート31、ポート番号
#3の出力ポート33の中から、ルーティングタグに設
定される情報を見て、いずれかの出力ポートに出力され
る。すなわち、前記特殊モード詳細設定部801が前記
ATM分離化装置を実現するモードを表しているため、
当該セルのヘッダ部の情報内のルーティングタグ2aを
セットした前記通常モード用宛先情報レジスタ3031
1aのデータ“01”を前記デコーダー3011dを介
して利用する。これにより、前段のセレクタ30311
cで“0100”を取り出し、さらに前記モード設定部
800により前記特殊モード設定されていることから、
後段のセレクタ30311cでは“0100”が宛先情
報として選択される。この結果、前記出力ポート31よ
り出力される。前記出力ポート33からも同様にして出
力される。このようにして、コネクション設定時に入力
ポート13より入力される各セルのルーティングタグを
予めVPI/VCIと対応させて設定しておき、このル
ーティングタグを参照することによって前記出力ポート
31,33のいずれかよりセルを出力させることができ
る。
【0316】図38のように、ルーティングタグを設定
することにより前記ATM分離化装置を実現することの
利点は、以下の様である。ATMスイッチの出力ポート
を低速化して利用する目的で、前記ATM分離化装置は
用いられるため、前記ATMスイッチの入力ポート側の
インタフェースにおいて、図37の前記管理テーブル5
011のようなテーブルを必ず持っていて、そこで前記
ATM分離化装置におけるVPI/VCIと出力ポート
との対応づけを行ない、前記ATM分離化装置のための
ルーティングタグを得ることが容易にできる。図38で
はこのテーブルと前記管理テーブル5011の両方を参
照する必要があったが、図17ではこのテーブルだけを
参照すればよく、テーブル参照の手間が図37に比べ半
分で済むことになる。
【0317】逆に、図37に示した実施例は、図38の
実施例に比べ、前記ATM分離化装置を実現するモード
に際してルーティングタグを消費しない点と、前記特殊
モード設定データ81を利用することから前記プロセッ
サ200によって柔軟に設定が可能である点が利点であ
る。
【0318】なお、図37および図38に示した実施例
では、各入力ポートにおいて前記アドレス制御部303
11の構成を同一にしてきたが、異なる構成としてもよ
い。例えば、前記ATM分離化装置の入力ポートとなる
入力ポートの前記アドレス制御部は、前記特殊モード設
定データ81は利用しない構成、すなわち、図25にお
いて前記通常モード用宛先情報レジスタ30311aお
よび前記デコーダー30311dだけからなる構成とし
てもよい。
【0319】図36の実施例によると、1つの共通バッ
ファ型ATMスイッチでATM多重化装置(MUX)、
ATM分離化装置(DEMUX)および直進モードを同
時に実現することが可能であり、その結果、共通バッフ
ァ型ATMスイッチの入力および出力ポートを1つも無
駄にすることなく利用することができる。
【0320】以上に述べたように前記マイクロプロセッ
サ200により前記特殊モード設定データ81のデータ
を設定するようにすると、共通バッファ型ATMスイッ
チを柔軟に設定して利用することが可能である。すなわ
ち、ATM多重化装置として利用したり、ATM分離化
装置として利用したり、直進モードと設定された場合は
バッファとして利用できる。また、前記特殊モード設定
データ81の設定によっては、図33および図36に示
した実施例のように、ATM多重化装置、ATM分離化
装置、バッファを同時に存在させる構成をとることがで
き、さらに、これらのATM多重化装置やATM分離化
装置の規模を柔軟に変更することが可能である。
【0321】上記した第2実施例によれば、共通バッフ
ァ型ATMスイッチに複数の動作モードを設けてその内
の1つに直進モードを用意し、この直進モードを利用す
ることにより、同一の共通バッファ型ATMスイッチを
さらに1つ用意するだけで、共通バッファ型ATMスイ
ッチのバッファ容量の拡張が容易に行なえるようにする
ことが可能となる。
【0322】また、動作モードを複数設けると、直進モ
ードを実現する以外にも、ATM多重化装置を実現する
ことやATM分離化装置を実現すること、あるいは、こ
れらのすべてを1つの共通バッファ型ATMスイッチ内
に同時に実現することが可能である。
【0323】以下に本発明の第3実施例について説明す
る。
【0324】まず、第3実施例におけるm入力n出力共
通バッファ型ATM交換機について説明する。
【0325】まず、第1に、動的しきい値設定部より、
各内部論理キューi(1≦i≦n)ごとのバッファ内セ
ル数のしきい値Ki を、現在の、または予測される、ま
たは要求される呼設定に関する情報に基づいて動的に設
定する。また、各内部論理キューi宛の現在のバッファ
内セル数Qi をバッファ内セル数カウント部によりカウ
ントしておき、出力ポートi宛のセルがスイッチに到着
したとき、Qi ≧Kiである場合にはセル入力規制部に
より到着セルの共通バッファへの入力を規制する。
【0326】第2に、動的しきい値設定部は、各内部論
理キューi宛のバッファ内セル数のしきい値Ki を、し
きい値の和KS =K1 +K2 +…+Kn が共通バッファ
サイズK以下となるような値に設定する。
【0327】第1の方式により、現在の、または一定期
間観測した、または要求される呼設定に関する情報に基
づいて内部論理キュー毎に異なるキュー長の上限値を柔
軟に設定できるため、出力ポート間で呼の到着が不均一
な場合にもスイッチのバッファリソースを効率的に使用
することが可能となる。
【0328】また、第2の方式により、出力バッファ型
のスイッチと等価になるため、従来の出力バッファに対
するセル廃棄計算手法を用いて高精度で安全側にセル廃
棄率を見積もることができる。また、従来の方式と同様
に遅延についてもキュー長で上限を抑えることができ
る。さらに、しきい値を動的に変えることにより、呼レ
ベルでのバッファの共有化効果が期待でき、収容可能な
呼の本数を出力バッファ型スイッチより通常の場合には
多く、最悪の場合でも出力バッファ型スイッチと同じに
することができる。
【0329】以下に第3実施例のハードウェア構成につ
いて述べる。
【0330】図40は、本発明におけるm入力n出力共
通バッファ型ATMスイッチの基本構成を示している。
なお、通常、m=nである。
【0331】図40において、911はスイッチ、90
5は共有バッファメモリ、900はマルチプレクサ、9
01はデマルチプレクサ、909は共有バッファメモリ
管理部、912はセル入力規制部、906はアドレス管
理用キュー、907はバッファ内セル数カウント部、9
08はしきい値保持部、910は動的しきい値設定部、
915,914,913はセル入力ポート、902,9
03,904はセル出力ポートを表す。
【0332】スイッチ911はスイッチの入力ポート9
15,914,913に到着したセルをポート速度のm
倍速で動作する時分割マルチプレクサで多重して共有バ
ッファメモリに一旦蓄積した後、ポート速度のn倍速で
動作する時分割デマルチプレクサで宛先出力ポート90
2,903,904に分離出力する。
【0333】共有バッファメモリ管理部909は、共通
バッファメモリ905に蓄積されるセルのメモリ内アド
レスを内部論理キュー対応のFIFOキューで管理す
る。
【0334】内部論理キューは、通常、出力ポート毎に
存在するが、VP(VirtualPath)あるいは
VC(Virtual Channel)毎に存在する
場合もある。
【0335】また、内部論理キューを階層的に設け、各
階層の内部論理キュー対応に動的に設定可能なしきい値
を設けることも可能である。この場合には、例えば、Q
OSクラス対応に内部論理キューを設け、さらに、各Q
OSクラス毎の論理キューを出力ポート毎の内部論理キ
ューに分割して使用し、QOSクラス別内部論理キュ
ー、および、各QOSクラス別内部論理キュー内の出力
ポート別内部論理キューに対して異なるしきい値を設け
ることができる。
【0336】さらに、各内部論理キューに対して、動的
に設定可能なしきい値を複数個設けることも可能であ
る。これは、例えば、ある内部論理キューに低優先セル
用のしきい値と、高優先セル用の2個のしきい値を設
け、内部論理キューのキュー長が低優先セル用のしきい
値以上となった場合には低優先セルの入力を規制し、さ
らに、高優先セル用のしきい値以上となった場合には低
優先セル、高優先セル両方の入力を規制する、といった
優先制御を行なう場合に有効である。本発明は、どのよ
うに内部論理キューを構成する場合においても有効であ
る。
【0337】共有バッファメモリ管理部909は、共有
バッファメモリに接続するアドレス出力用データ線(A
ddr),read信号線(R),write信号線
(W)を用いて、1セル周期名に最大m個のセルを共有
バッファへ書き込み、最大n個のセルを共有バッファメ
モリから取り出すことによりセルを所望の出力ポート9
02,903,904のうち少なくとも1つの出力ポー
トに交換出力する。
【0338】また、共有バッファメモリ管理部909は
CPU処理により実現してもよい。動的しきい値設定部
910は、信号線i,Ki およびwrite信号線Wを
用いて、しきい値保持部908が保持する内部論理キュ
ーiに対するバッファ内セル数のしきい値Ki を、現在
の、または一定期間観測した、または要求される呼設定
に関する情報に基づいて動的に設定する。
【0339】動的しきい値設定部910の基本ハードウ
ェア構成を図41に示す。図41において、930はプ
ロセッサ、931はメモリ、932は入出力インターフ
ェース、933はバスである。動的しきい値設定部91
0は、しきい値を計算し、入出力インターフェース93
2を通じてしきい値を外部に出力するソフトウェアをメ
モリ931内に有する。入出力インターフェース932
には、外部からの呼処理用シグナリングセル、OAMセ
ル、セル廃棄イベント等の統計情報が入力可能であり、
また、磁気ディスクなどの2次記憶装置も接続可能であ
る。
【0340】しきい値保持部908は、内部論理キュー
の数に等しい個数のレジスタから構成され、各レジスタ
に内部論理キュー対応のバッファ内セル数のしきい値を
保持する。しきい値保持部908に内部論理キューiに
対するしきい値Ki を書き込む場合には、動的しきい値
設定部910からの信号線i、Ki およびwrite信
号線Wを用い、しきい値保持部908から内部論理キュ
ーiに対するしきい値Ki を読み込む場合には、セル入
力規制部912からの信号線i、Ki およびread信
号線Rを用いる。
【0341】バッファ内セル数カウント部907は、ス
イッチの各内部論理キューi宛の現在のバッファ内セル
数Qi をカウントする内部論理キューの数に等しい個数
のアップダウンカウンタから構成される。セルが内部論
理キューに蓄積される場合にはその内部論理キューに対
するカウンタ値がインクリメントされ、セルが内部論理
キューから取り出される場合にはその内部論理キューに
対するカウンタ値がデクリメントされる。
【0342】また、しきい値保持部908が内部論理キ
ューiに対してしきい値Ki を設定する際、内部論理キ
ューiのバッファ内セル数Qi がKi 以下になるまでレ
ジスタへのしきい値Ki の書き込みを行わない構成も可
能である。この場合には、しきい値保持部908には各
内部論理キューのバッファ内セル数Qi を入力する手段
と、動的しきい値設定手段910からの設定要求しきい
値Ki を一時的に保持するバッファと、Qi とKi の値
を比較する手段とが別に必要となる。
【0343】バッファ内セル数カウント部907から内
部論理キューiに対する現在のバッファ内セル数Qi を
読み込む時には、セル入力規制部912からの信号線
i,Qi およびread信号線Rを用いる。
【0344】バッファ内セル数カウント部907が保持
する現在のバッファ内セル数Qi をインクリメントする
時には、アドレス管理用キュー906からの信号線iお
よびIncrを用いる。信号線Incrは、共有バッフ
ァメモリにセルが入力されたときにenableとなる
ようにする。
【0345】バッファ内セル数カウント部907が保持
する現在のバッファ内セル数Qi をデクリメントする時
には、アドレス管理用キュー906からの信号線iおよ
びDecrを用いる。信号線Decrは、共有バッファ
メモリ905からセルが出力されたときにenable
となるようにする。
【0346】セル入力規制部912は、マルチプレクサ
900から信号線Tによりタイミング信号とともに信号
線Cellにより入力されたセルのルーチングタグを検
索して得られたセルの宛先内部論理キュー番号を信号線
iに出力するとともに、read信号線Rをenabl
eとして、指定された内部論理キューに対するしきい値
Ki を信号線Ki から、バッファ内セル数値Qi を信号
線Qi からそれぞれ入力する。
【0347】次に、得られたQi とKi の値を比較し、
Qi ≧Ki のときにセルの入力規制を行うが、セルの入
力規制に関して以下の2つの方式がある。
【0348】第1に、Qi <Ki のときにのみに、セル
入力規制部912はアドレス管理用キューに接続するW
信号線をenableにする方式である。これにより、
内部論理キューにしきい値を越える数のセルが蓄積され
なくなる。図40は第1の方式をとった場合のスイッチ
構成である。
【0349】第2に、Qi ≧Ki のときに、セル入力ポ
ートに対して、内部論理キューiに蓄積されるべきセル
の送出を一時的に止めさせるためのフロー制御信号を送
出する方式である。この場合には、フロー制御手段およ
びフロー制御のための信号線が共有バッファメモリ管理
手段909に必要となる。図42は第2の方式をとった
場合のスイッチ構成である。図42において、941は
フロー制御信号線である。この場合には、デマルチプレ
クサ901からのタイミング信号Tが、アドレス管理用
キュー906と、バッファ内セル数カウント部907の
read enable入力と、しきい値保持部908
のread enable入力とに出力される。また、
アドレス管理用キュー906からのdecr信号は、バ
ッファ内セル数カウント部907と、セル入力規制部9
40のTf信号線に入力され、このときセル入力規制部
940において、セルが送出される内部論理キューiに
対してフロー制御信号の更新が行なわれ、その結果、フ
ロー制御信号線941からの出力のうち、内部論理キュ
ーiに対応する部分の出力が変化する。セル入力ポート
では、入力されたフロー制御信号をもとに、送出を止め
られていない内部論理キュー宛のセルを選択してスイッ
チに出力する。
【0350】また、第1および第2の方式は両方同時に
実装することも可能である。
【0351】次に、第1のセル入力規制方式をとった場
合のセル入力規制部912の構成図を図43に示す。
【0352】図43において、920は内部論理キュー
検索部(出力ポート検索部)、921は比較器である。
セル入力規制部912は信号線Tからのタイミング信号
とともに信号線Cellにより入力されたセルのルーチ
ングタグが入力されると、その内容から宛先の内部論理
キュー番号を検索し、その値を信号線iに出力するとと
もに、外部信号線Rと、比較器921に接続された信号
線Holdをenableにする。
【0353】次に、外部からの信号線Ki ,Qi から比
較器921に指定された内部論理キュー対応のしきい値
と現在のバッファ内セル数が入力され、比較結果を信号
線Resultから外部信号線Wに出力する。また、比
較器921から内部論理キュー検索部920に対してR
eset信号を出力する。内部論理キュー検索部920
では、Reset信号入力の結果、内部論理キュー検索
部920のHold信号線の出力がdisableとな
る。
【0354】アドレス管理用キュー906は、セル入力
規制部912から信号線Wからのwrite信号ととも
に信号線iにより内部論理キュー番号を受けとると、指
定された内部論理キューに対応するアドレスキューの最
後尾に未使用の共有バッファメモリアドレスを追加す
る。またこのアドレスは信号線Wからのwrite信号
とともに信号線Addrにも出力され、共有バッファメ
モリ905の入力データ線に乗っているセルの内容が共
有バッファメモリ905のこのアドレスに書き込まれ
る。また、このときIncr信号線をenableにす
る。
【0355】次に、第2のセル入力規制方式をとった場
合のセル入力規制部940の構成図を図44に示す。
【0356】図44において、950は比較器、951
はデコーダである。出力ポート検索部920と比較器9
21は図43と同じ動作となる。比較器950は、外部
信号線Ki 、Qi からそれぞれ、内部論理キューのしき
い値Ki 、Qi が、外部信号線Tfからフロー制御信号
変更のタイミングが入力されると、Ki の値とQi の値
とを比較し、比較結果を信号線Resultを用いてデ
コーダ951に出力する。デコーダ951は、外部信号
線Tfからのタイミング信号を受信すると、比較器95
0からのResult信号、外部信号線iから内部論理
キュー番号iとから、フロー制御信号線fi に対してR
esult信号を出力しHoldする。このようにし
て、内部論理キューiに対するセルの送出が起こった時
にフロー信号を更新する。
【0357】このようにして、最大m個のセルの入力を
行なった後、アドレス管理キュー906は、デマルチプ
レクサ901から信号線Tによりタイミング信号を受け
とると、現在の内部論理キューに対応するアドレスキュ
ーの先頭からアドレスを1個取りだす。このアドレスは
信号線Rからのread信号とともに信号線Addrに
出力され、共有バッファメモリ905の指定されたアド
レスからセルが読み出されてデマルチプレクサ901に
より現在の出力ポートに出力される。このとき、現在の
内部論理キュー番号を信号線iに出力し、Decr信号
線をenableにする。デマルチプレクサ901から
のタイミング信号はn回送出され、この間に各出力ポー
トから1個ずつセルを出力する。なお、内部論理キュー
が出力ポート単位に設けられていない場合には、各出力
ポートに対して現在の内部論理キューを選択するスケジ
ューラが必要となる。
【0358】次に、動的しきい値設定部910におけ
る、内部論理キュー対応のバッファ内セル数のしきい値
設定方法について述べる。
【0359】まず、しきい値設定時に用いる情報につい
て述べる。
【0360】動的しきい値設定部910がしきい値を設
定する場合に用いる呼設定に関する情報の一例として、
呼あるいは呼種毎のトラヒック特性に関するパラメータ
や呼あるいは呼種毎に要求されるセル廃棄率やセル遅延
時間、あるいは呼損率に関する通信品質、現在の、ある
いは一定期間観測した呼種毎の接続本数や呼量などが挙
げられる。
【0361】また、ABRサーブスクラスやUBRサー
ビスクラスのように遅延に関するQOSがなく、スルー
プットを保証するようなトラヒックに対しては、各内部
論理キューにiに対する目標スループットγi の値も動
的しきい値設定部910がしきい値を設定する際の情報
として用いられる。この場合には、しきい値Ki は
【数5】
【0362】と設定することにより、目標スループット
で重みづけされたしきい値設定が可能となる。ここで、
Kb はABR/UBRクラスに対して割り当てられる共
通バッファサイズである。
【0363】なお、動的しきい値設定部910がしきい
値を設定する場合には、これらの呼設定に関する情報の
うち、現在の情報に基づいてしきい値を設定する方式、
または、一定期間観測した情報に基づいてしきい値を設
定する方式、あるいはあらかじめ定められた要求値に関
する情報に基づいてしきい値を設定する方式、さらに、
これら3つの方式の2つ以上を組み合わせてしきい値を
設定する方式がある。
【0364】次に、動的しきい値設定部910が現在の
呼設定に関する情報を用いてしきい値を設定する方式の
具体例を示す。
【0365】この方式では、各出力ポートi対応のバッ
ファ内セル数のしきい値Ki の更新を、スイッチの出力
ポートiを通る呼が発生する時、あるいはスイッチの内
部論理キューiを通る呼が終了する時のいずれかの場合
に行なう。
【0366】また、ここで扱う呼はPVC(Perma
nent VC),SVC(Switched V
C),VPのいずれでもよい。通常、交換機は呼の接続
/切断処理を行なう呼処理手段を備えているが、現在の
呼設定に関する情報を用いてしきい値を設定する場合に
は、動的しきい値設定部910は呼処理手段の中に含ま
れる構成でもよい。
【0367】この場合に呼処理手段が行う呼受付制御ア
ルゴリズムの例を図45に示す。この例では、呼設定に
関する情報として、呼種毎の要求セル廃棄率と最大セル
遅延時間、および、内部論理キュー毎の現在の呼接続本
数を用いる。呼種毎のトラヒックパラメータ、および、
呼種毎の要求セル廃棄率、最大セル遅延時間は時間によ
って変化しないため、図45においては、現在の呼設定
に関する情報を現在の呼接続本数のベクトルS=(Ni-
1 Ni-2 ,…,Ni-L )で表わしている。これを呼接続
状態ベクトルと呼ぶ。ここでLはスイッチで扱う呼種数
である。
【0368】動的しきい値設定部910は、あるいは呼
接続状態ベクトルSに対して、セル廃棄率に関する通信
品質を保証可能な内部論理キューi宛のバッファ内セル
数のしきい値K(S)を呼種ごとのトラヒックパラメー
タを用いて算出する手段をもつ。しきい値K(S)の算
出手段として、以下の2つの方式がある。
【0369】第1の方式は、各呼接続状態ベクトルSに
対して、セル廃棄率を満たすために必要なしきい値K
(S)をあらかじめ算出してテーブル{K(S)}とし
てメモリに保持しておき、呼接続状態Sをインデックス
としたテーブル検索によりしきい値K(S)を得る方式
である。テーブル{K(S)}を作成する際には、出力
バッファ型のスイッチの解析またはシミュレーションも
しくは観測によって得られた結果を用いる。
【0370】L=2の場合にテーブル{K(S)}を3
次元的に表した模式図を図46に示す。この方式は、し
きい値の算出にかかる計算時間が呼処理に要する時間に
比べて大きい場合に使用する。第2の方式は、しきい値
K(S)をリアルタイムに計算する方式である。この方
式は、K(S)の計算時間が呼処理に要する時間に比べ
て小さい場合に使用する。
【0371】また、セル遅延に関する要求品質がある場
合には、動的しきい値設定部910は、内部論理キュー
iごとのセル遅延の上限値Di 、および、スイッチの共
有バッファメモリサイズKの値を保持しておく。Di が
全出力ポートで等しい場合には内部論理キューごとにD
i を持っておく必要はない。また、セル遅延の要求品質
が規定されない場合には、図45において、Ki ≦Di
の比較は行わないようにするか、あるいは、Di =Kと
おく。
【0372】内部論理キューiにセルを蓄積する呼種j
の呼の接続要求が発生した時、動的しきい値設定部91
0は、この呼を接続した場合の新しい呼接続状態ベクト
ルS′に対してしきい値K(S′)を求め、しきい値が
K(S)からK(S′)に増加した場合の各内部論理キ
ューに関するしきい値の総和がK以下のある値K′以下
で、遅延に関する要求値が存在する場合にはしきい値K
(S′)が遅延に関する要求値Di 以下である場合に呼
を接続するとともに内部論理キューiに対するしきい値
をK(S′)に設定する。なお、優先制御を行なう場合
には、K−K′セル分の領域を低優先セル用に与え、全
内部論理キューで共有して使用する。
【0373】一方、内部論理キューiにセルを蓄積する
呼種jの呼の切断要求が発生した時は、この呼を切断し
た場合の新しい呼接続状態ベクトルS′に対してしきい
値K(S′)を求め、内部論理キューiに対するしきい
値を無条件にK(S′)に設定する。
【0374】また、動的しきい値設定部910は、内部
論理キューiの状態がS=(0,0,…0)のとき、す
なわち、内部論理キューiに蓄積されるべきセルを送出
する呼が存在しない場合には、K(S)=0となるよう
にする。
【0375】次に、動的しきい値設定部910が一定期
間観測した呼設定に関する情報を用いてしきい値を設定
する方式の具体例を示す。
【0376】この方式では、呼設定に関する情報とし
て、呼種毎のトラヒック特性に関するパラメータ、呼種
毎に要求されるセル廃棄率およびセル遅延時間、一定期
間観測した内部論理キュー毎の呼種別の呼発生レートと
呼接続時間とから計算される呼量を用いる。
【0377】次に、この方式における各内部論理キュー
i宛のバッファ内セル数のしきい値の決定方法としてL
agrangeの方法を用いた例を示す。
【0378】一定期間観測した内部論理キューiに接続
される呼種jの呼量をai,j (erl),呼量の重みを
wi,j とし、呼量ベクトルを Ai =(ai,1 ,ai,2 ,…,ai,L ), 重みベクトルを Wi =(wi,1 ,wi,2 ,…,wi,L ), とする。呼種ごとの呼量の重みは、各呼種のトラヒック
パラメータ、あるいは呼種の優先度をもとに決定する。
また、バッファ内セル数のしきい値のベクトルをX=
(X1 ,X2 ,…,Xn )とする。
【0379】呼量ベクトルAi が与えられた時、関数P
Ai(Xi )を、呼量ベクトルAi に対し、しきい値がX
i のときのセル廃棄率とする。また、要求セル廃棄率を
Pmax とする。また、関数rAi(Xi )を以下のように
定義する。
【0380】
【数6】
【0381】ここで、Kはセル数で表される共有バッフ
ァメモリサイズであり、K′は定数である。スイッチで
優先制御を行なう場合には、K−K′セル分を低優先セ
ル用に与え、全内部論理キューで共有して使用する。
【0382】次に、G(X)=K′(≦K)の条件の下
で関数H(X)が最大となるようなしきい値ベクトルX
を以下のようにして求める。
【0383】関数F(X)を未定係数λを用いて以下の
ように定義する。
【0384】
【数7】
【0385】となるように各Xi と係数λを決めると、
そのときのXでH(X)は最大となる。
【0386】このようにして求めたXi と、各内部論理
キュー単位に定められたセル遅延に関する上限値Di と
を用いて、動的しきい値設定部910は内部論理キュー
i宛のバッファ内セル数のしきい値Ki を以下の値に設
定する。 Ki =min (Di ,[Xi ]) (16) また、セル遅延に関する上限値が規定されない場合に
は、式(16)においてDi =Kとおくか、あるいは、 Ki =[Xi ] とする。ここで、[Xi ]はXi を越えない最大の整数
を表す。ただし、呼量Ai =(0,0,…,0)のと
き、すなわち、内部論理キューiを使用する呼が存在し
ない場合には、式(16)は用いずにKi =0とする。
【0387】次に、呼量係数算出関数rAi(Xi )の整
数値を求めるアルゴリズムの一例を図47に示す。ま
た、呼量係数算出関数rAi(Xi )のグラフの例を図4
8に示す。
【0388】なお、この方式では、呼の接続/切断時に
は、各内部論理キューiでバッファサイズKi の出力バ
ッファ型スイッチに対する呼受付制御アルゴリズムと同
様のアルゴリズムを用いて呼受付制御を行なう。
【0389】次に、動的しきい値設定部910が呼設定
に関する情報のうち、あらかじめ定められた要求値を用
いてしきい値を設定する方式の具体例を示す。ここで
は、ある内部論理キューiに対して呼接続状態ベクトル
Sで与えられるだけの呼を収容しなければならないとい
う要求があったとする。このとき、内部論理キューiに
対しては、現在の呼接続状態ベクトル内容に関わらずし
きい値Ki をK(S)に設定する。ただし、このような
設定はK(S)≦Kの場合にのみ可能である。
【0390】さらに、このようにしきい値を設定する以
外の内部論理キューに対しては、動的しきい値設定部9
10は、呼設定に関する情報のうち、現在の情報に基づ
いてしきい値を設定する方式、または、一定期間観測し
た情報に基づいてしきい値を設定する方式を用いてしき
い値を設定することもできる。
【0391】本発明は、複数の共通バッファ型ATMス
イッチを任意に接続して構成したATM交換機に対して
も有効である。以下、多段接続構成の場合の動的しきい
値設定部の実施例を示す。図49に多段接続構成の場合
のATM交換機の構成を示す。
【0392】図49において、960はスイッチ、96
1は単位スイッチ、962は動的しきい値設定部、96
3はしきい値配分部である。
【0393】しきい値配分部963は、現在の、または
一定期間観測した、または要求される呼設定に関する情
報に基づいて、スイッチ960内の各単位スイッチの各
内部論理キューに対して動的に設定するしきい値を計算
する。その際、各単位スイッチの各内部論理キューの集
合の部分集合を構成し、これを内部論理キュー群とす
る。内部論理キュー群の構成の仕方は、単位スイッチ同
士の接続の仕方(Delta接続かマトリックス接続
か、など)や内部論理キューの単位(単位スイッチの出
力リンク毎かコネクション毎か、など)に依存して変わ
る。しきい値配分部963は、まず、各内部論理キュー
群を一つの論理キューとみなしてしきい値を割当てる。
次に、各内部論理キュー群に割り当てられたしきい値を
各内部論理キューに対して配分する。
【0394】次に、しきい値配分部963における、内
部論理キュー群の構成の仕方、およびしきい値の配分方
法の例を示す。
【0395】図50は、2×2共通バッファ単位スイッ
チを4個Delta接続して構成した4×4多段共通バ
ッファスイッチである。図50において、970はスイ
ッチ、971は単位スイッチ、972は内部論理キュー
群、973は内部論理キュー群対応しきい値、974は
内部論理キュー、975は内部論理キュー対応しきい
値、976は内部経路である。
【0396】ここでは、内部論理キュー974は単位ス
イッチ971の出力リンク対応に作られている。また、
しきい値配分部963では、内部論理キュー群972を
多段共通バッファスイッチの内部経路対応に設ける。図
50では、内部論理キューaとf、cとf、dとg、d
とhを通る4つの内部経路が存在しているため、内部論
理キュー群は(a,f)、(c,f)、(g,d)、
(d,h)となる。
【0397】いま、内部論理キューa,b,c,d,
e,f,g,hに割り当てるしきい値をそれぞれ、
a ,Tb ,Tc ,Td ,Te ,Tf ,Tg ,Th 、内
部論理キュー群(a,f),(c,f),(d,g),
(d,h)に割り当てるしきい値をそれぞれT(a,f)
(c,f) ,T(d,g) ,T(d,h) 、とする。図50では、
(a ,f) =T(c,f) =T(d,g) =T(d,h) =20となっ
ている。また、各内部経路を流れるトラヒックの使用帯
域は等しいとする。
【0398】内部論理キューfは、内部論理キュー群
(a,f)と(c,f)に共通しており、内部論理キュ
ーdは、内部論理キュー群(d,g)と(d,h)に共
通しているため、各内部論理キューに対するしきい値を
割り当てる場合に、内部論理キュー群(a,f)と
(c,f)、(b,f)と(d,h)はそれぞれ、同じ
グループとして扱う必要がある。
【0399】このとき、以下の関係式に基づいてしきい
値の配分を行なう。 Ta +Tc +2Tf =T(a,f) +T(c,f) =40 Ta :Tc :Tf =1:1:2 2Td +Tg +Th =T(d,g) =T(d,h) =40 Td :Tg :Th =2:1:1 以上より、Tb =Tc =10,Tf =20,Tg =Th
=10,Td =20と計算される。なお、これらの関係
式の係数およびしきい値の比の値は呼接続状態に基づい
て適当な値に変更することが可能である。
【0400】図51は、2×2共通バッファ単位スイッ
チを4個マトリックス接続して構成した4×4多段共通
バッファスイッチである。図51において、980はス
イッチ、981は単位スイッチ、982は内部論理キュ
ー群、983は内部論理キュー群対応しきい値、984
は内部論理キュー、985は内部論理キュー対応しき9
86は内部経路、987はアービターである。
【0401】図51において、アービター987は、異
なる単位スイッチからの2本の出力リンクからの到着セ
ルをスケジューリングして1本の出力リンクに多重す
る。ここでは、内部論理キューは単位スイッチの出力リ
ンク対応に作られている。また、しきい値配分部963
では、内部論理キュー群982をアービターの出力リン
ク対応に設ける。このとき、図51のアービタの左側2
個の内部論理キュー群(b,d)、(a,c)となる。
【0402】また、各内部論理キュー群に対するしきい
値が、T(d,f) =T(c,f) =T(d,g =T(d,h) =20
のように割り当てられているものとする。また、各内部
経路を流れるトラヒックの使用帯域は等しいとする。
【0403】このとき、以下の関係式に基づいてしきい
値の配分を行なう。 Tb +Td =T(b,d) =20 Tb :Td =1:1 Ta +Tc +T(a,c) =20 Ta :Tc =1:1 以上より、Tb =Td =Ta =Tc =10と計算され
る。なお、これらの関係式の係数およびしきい値の比の
値は呼接続状態やアービターのスケジューリングアルゴ
リズムに基づいて適当な値に変更することが可能であ
る。
【0404】一般に、複数のノードにより構成されるネ
ットワークにおいて、各ノードに対するバッファ量の割
当て、すなわち各ノードに対するしきい値配分も、同様
に階層的に実現する。
【0405】次に、図52に、動的しきい値設定手段
と、呼処理手段、観測、シミュレーションや数値解析に
よる性能評価とを組み合わせたスイッチ制御手段を有す
るATM交換機の構成を示す。
【0406】図52において、990はスイッチ、99
1はスイッチ制御部、992は呼処理部、993は動的
しきい値設定部、994はしきい値テーブル、995は
テーブル更新部、996は統計情報保持部である。
【0407】統計情報保持部996は、スイッチ990
から出力される統計情報を保持する。統計情報保持部9
96が保持する統計情報としては、コネクション毎や内
部論理キュー毎のセル廃棄率、呼損率、呼量などがあ
る。
【0408】しきい値テーブル994は、図46をテー
ブル化したもので、呼接続状態としきい値の組を1エン
トリとして、複数個のエントリがメモリまたはディスク
に記憶される。
【0409】呼処理部992は、呼設定要求、あるいは
呼切断要求のためのシグナリングセルをスイッチから入
力すると、シグナリング中に記述されているトラヒック
パタメータと、現在の呼接続状態と、呼設定要求か呼切
断要求できるかの情報を動的しきい値設定部993に渡
す。
【0410】動的しきい値設定部993は、トラヒック
パラメータと現在の呼接続状態に基づいてしきい値テー
ブル994を検索し、得られたしきい値に変更可能かど
うかを判定し、その結果を処理部992に出力すると同
時にしきい値を変更する。判定の際には、各内部論理キ
ューのしきい値の最大値、しきい値の和に関する最大値
を用いる。また、スイッチ全体の呼損率を制御するため
に、あるいは呼の保留時間のばらつきによって、特定の
出力ポートの呼によりバッファが長時間占有されてしま
い呼損率が増大する現象を防ぐために、統計情報保持部
996に保持される呼量や呼損率の統計情報も合わせて
用いる場合もある。この場合には、各論理キューiに設
定可能なしきい値の最大値Kmi を動的に変更する。K
mi の変更方法として、以下の4方式がある。
【0411】第1に、統計情報保持部996に保持され
る一定期間観測した呼量を用いて、前述したようなLa
grangeの方式に基づいて計算したしきい値をKm
i とする方式である。これにより、短時間の呼量の変動
による呼損率の劣化を防ぐことが可能になる。
【0412】第2に、Nを内部論理キュー数として、K
mi =K/Nとした場合の呼損率をP1 、Kmi =Kに
設定し、前述したような現在の呼設定に関する情報を用
いてしきい値を設定する方法を用いて、呼設定を一定期
間行なったときの呼損率をP2 とし、P1 ≦P2 の場合
には次の期間においてKmi =K/Nとし、P1 >P2
の場合にはKmi =Kとする方式である。これにより、
呼レベルでスイッチを出力バッファとして使用するか
(Kmi =K/N)共通バッファとして使用するか(K
mi =K)を呼損率の状況に応じて切り替えることが可
能となる。ここで、呼レベルでスイッチを出力バッファ
(共通バッファ)として用いている場合には、呼損率P
1 (P2 )は統計情報保持部996に保持される値を用
い、呼損率P2 (P1 )は動的しきい値設定部993に
おいて呼設定をエミュレートすることにより算出する。
【0413】第3に、現在の呼損率をPc とし、第2の
方式と同様にKmi =K/N、Kmi =Kとしたときの
呼損率P1 、P2 を求めておき、Pc <P2 の場合には
Kmi =max(K/N,Kmi −Δ- (Kmi ))と
し、P1 <Pc の場合にはKmi =min(K,Kmi
+Δ+ (Kmi ))とする方式である。ここで、Δ
-(Kmi )およびΔ+ (Kmi )は、それぞれ、現在
のしきい値の最大値Kmiから定まるしきい値の最大値
の減少値および増加値である。これにより、呼レベルで
出力バッファと共通バッファの中間的なスイッチの運用
が呼損率の状況に応じて可能となる。
【0414】第4に、統計情報保持部996に保持され
る一定期間観測した呼損率が一定値P以上になるとKm
i =K/Nに設定し、P未満の場合にはKmi =Kとす
る方式である。これにより、呼損率が大きい場合には呼
レベルで出力バッファとしてスイッチを使用することが
可能となる。
【0415】なお、第1からか第4の方式において、K
mi の変更は、基本的に、現在内部論理キューiに設定
しているしきい値Ki がKmi 以下になってから行な
う。また、内部論理キューiに対して、遅延に関する最
大値Di が規定される場合には、さらに、Kmi =mi
n(Kmi 、Di )とする。
【0416】呼処理部992は、しきい値の変更が可能
であるという判定結果が入力された場合に呼設定または
呼切断要求の受付を行なう。
【0417】テーブル更新部995は、呼処理部992
から現在の呼接続状態を、また、統計情報保持部996
からセル廃棄率の観測結果をそれぞれ入力し、それに基
づいてしきい値テーブルを適当な値に随時更新する。こ
れにより、ネットワーク運用中の性能をしきい値設定に
反映させることができる。
【0418】また、テーブルー更新部995は、計算機
シュミレーション手段、あるいは数値解析手段も合わせ
持つ構成もある。これは、ネットワーク運用中に新しい
呼種をネットワークに収容する場合統計情報が十分得ら
れない場合に有効である。この場合には、テーブル更新
部995はソフトウェアパッケージとして実装される。
【0419】さらに、動的しきい値設定部993は、統
計情報保持部996から内部論理キュー毎のセル廃棄率
を入力し、ある内部論理キューiのセル廃棄率が一定値
以上(以下)になるとしきい値Ki を増加(減少)させ
ることもできる。この場合には、更新後のしきい値の情
報が統計情報保持部996に出力される。テーブル更新
部995は、統計情報保持部996に保持される現在の
しきい値の情報をもとにしきい値テーブル994の更新
を行なう。これにより、セル廃棄率の観測値に基づいた
自律的な動的しきい値設定およびCAC判定基準の変更
が可能となる。
【0420】本発明は上述した各実施例に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形し
て実施することができる。
【0421】
【発明の効果】上記した第1の発明によれば、出力バッ
ファ型のバッファ拡張容易なセルスイッチの様に大きな
速度を扱わず、かつ、入力バッファ型セルスイッチのよ
うに交換効率を落とさずに、バッファ容量の拡張容易な
セルスイッチを実現できる。大きな速度を扱わないた
め、実装が容易になり、かつ、コストも低く実現でき
る。さらに、入力バッファフロー制御をかけることによ
り拡張が容易な入力バッファにセルを蓄積させることが
可能であるという効果がある。
【0422】また、第2の発明によれば、共通バッファ
型ATMスイッチにおいて共通バッファのバッファ長を
容易に拡張することが可能となる。また、共通バッファ
型ATMスイッチの柔軟な利用が図ることが可能とな
る。
【0423】また、第3の発明によれば、ある出力ポー
トで発生する輻輳が他の出力ポートに影響を与えること
を防ぐことができる。また、セル廃棄率の計算時には呼
が発生した出力ポートの状態のみを考慮すれば良いた
め、計算が非常に簡単になるとともに、セル遅延に関す
る上限を保証することもできる。さらに、呼接続状態に
応じてしきい値を動的に変えることにより、出力バッフ
ァ型スイッチより呼損率を小さくでき、また、呼1本当
たりの帯域が小さいほど、大群化効果により呼損率が低
下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の第1構成に係るセルスイッチの構
成を示すブロック図
【図2】第1実施例の第1、2の構成に係る入力バッフ
ァの構成を示すブロック図
【図3】第1実施例の第1、2の構成に係る入力バッフ
ァの構成を示すブロック図
【図4】スイッチ網内部の単位スイッチ間にフロー制御
信号が接続されている構成を示すブロック図
【図5】第1実施例の第1の構成に係る出力バッファの
構成を示すブロック図
【図6】第1実施例の第1、3の構成に係るフロー制御
信号によるキュー長の変化を示すブロック図
【図7】第1実施例の第1、2の構成に係るセルスイッ
チを用いた複数のサービスクラスを扱うスイッチノード
の一実施例を示す構成図
【図8】第1実施例の第2構成に係るセルスイッチの構
成を示すブロック図
【図9】第1実施例の第2の構成に係る2段目単位スイ
ッチの構成を示すブロック図
【図10】第1実施例の第3構成に係るセルスイッチの
構成を示すブロック図
【図11】第1実施例の第3、4の構成に係る入力バッ
ファの構成を示すブロック図
【図12】第1実施例の第3、4の構成に係る単位スイ
ッチの構成を示すブロック図
【図13】第1実施例の第3の構成に係る単位スイッチ
の構成を示すブロック図
【図14】第1実施例の第3の構成に係る出力バッファ
の構成を示すブロック図
【図15】第1実施例の第4構成に係るセルスイッチの
構成を示すブロック図
【図16】第1実施例の第4の構成に係る2段目の単位
スイッチの構成を示すブロック図
【図17】従来の出力バッファ型バッファ容量拡張容易
なセルスイッチの構成を示すブロック図
【図18】従来の出力バッファ型バッファ容量拡張容易
なセルスイッチの入力バッファの構成を示すブロック図
【図19】従来の出力バッファ型バッファ容量拡張容易
なセルスイッチの出力バッファの構成を示すブロック図
【図20】第2実施例の第1の構成を示す図
【図21】従来の共通バッファ型ATMスイッチの実施
例を示す図
【図22】第2実施例の第2の構成を示す図
【図23】第2の構成を拡張して任意のバッファ容量の
共通バッファ型ATMスイッチを得る実施例を示す図
【図24】第2実施例の第2の構成に係る共通バッファ
型ATMスイッチの構成を示す図
【図25】図24中のアドレス制御部およびアドレス管
理部に属するアドレス制御部において、宛先情報を獲得
する部分の構成に関する実施例を示す図
【図26】図24中のアドレス制御部およびアドレス管
理部における書き込みアドレス獲得に関する実施例1に
おいて、セルバッファの構成を示す図
【図27】図24中のアドレス制御部およびアドレス管
理部における書き込みアドレス獲得に関する実施例1に
おいて、セルバッファの管理形態を示す図
【図28】図24中のアドレス制御部およびアドレス管
理部の構成を示す図
【図29】図24中のアドレス制御部およびアドレス管
理部における書き込みアドレス獲得に関する実施例2を
示す図
【図30】図24中のアドレス制御部およびアドレス管
理部における書き込みアドレス獲得に関する実施例3を
示す図
【図31】第2実施例の第3の構成を示す図
【図32】本発明の第3の構成に係る共通バッファ型A
TMスイッチの構成を示す図
【図33】図32の構成を用いてATM多重化装置およ
びATM分離化装置を同時に存在させる実施例を示す図
【図34】図32の構成を用いてATM多重化装置およ
びATM分離化装置を同時に存在させる実施例において
アドレス制御部およびアドレス管理部に属するアドレス
制御部において、宛先情報を獲得する部分の構成に関す
る実施例1を示す図
【図35】図32の構成を用いてATM多重化装置およ
びATM分離化装置を同時に存在させる実施例において
アドレス制御部およびアドレス管理部に属するアドレス
制御部において、宛先情報を獲得する部分の構成に関す
る実施例2を示す図
【図36】図32の構成を用いてATM多重化装置AT
M分離化装置および直進モードを同時に存在させる実施
例を示す図
【図37】図32の構成を用いてATM多重化装置AT
M分離化装置および直進モードを同時に存在させる実施
例においてアドレス制御部およびアドレス管理部に属す
るアドレス制御部において、宛先情報を獲得する部分の
構成に関する実施例1を示す図
【図38】図32の構成を用いてATM多重化装置AT
M分離化装置および直進モードを同時に存在させる実施
例においてアドレス制御部およびアドレス管理部に属す
るアドレス制御部において、宛先情報を獲得する部分の
構成に関する実施例2を示す図
【図39】従来例を示す図
【図40】第3実施例の基本構成図
【図41】動的しきい値設定部の基本ハードウェア構成
を示す図
【図42】第2のセル入力規制方式をとった場合のスイ
ッチの構成を示す図
【図43】セル入力規制部の構成図
【図44】第2のセル入力規制方式をとった場合のセル
入力規制部の構成を示す図
【図45】呼処理アルリズムを示すフローチャート
【図46】しきい値決定に用いるテーブルの概念図
【図47】呼量係数算出関数を求めるアルゴリズムを示
すフローチャート
【図48】呼量係数算出関数の一例を示す図
【図49】多段接続の場合のATM交換機の構成を示す
【図50】4×4 Delta接続ATM交換機の構成
を示す図
【図51】4×4マトリックス接続ATM交換機の構成
を示す図
【図52】スイッチ制御部を有するATM交換機の構成
を示す図
【符号の説明】
601…入力バッファ、602…単位スイッチ(1段
目)、603…単位スイッチ(2段目)、604…出力
バッファ、610…セルスイッチ、620…スイッチ
網、100,100a,100b,101,101a,
101b,102…共通バッファ型ATMスイッチ、1
0,11,12,13…100,100a,10110
1a,102の入力ポート、30,31,32,33…
100,100a,101,101a,102の出力ポ
ート、および、100b,101bの入力ポート、5
0,51,52,53…100b,101bの出力ポー
ト、20,2122,23,40,41,42,43,
60,61,62,63…セル出力制御信号、80,8
0a,80b…モード設定信号、800…モード設定
部、801…特殊モード詳細設定部、81…特殊モード
設定データ、70a,70b,70c,71a,71
b,71c,72a,72b,72c,73a,73
b,73c…セル、701a,701b,701c,7
11a,711b,711c…情報部およびルーティン
グタグを除くヘッダ部、7021a,7021b,70
21c,7121a,7121b,7121c…ルーテ
ィングタグ、7022a,7022b,7022c,7
122a,7122b,7122c…ルーティングタ
グ、721a,721b,721c,731a,731
b,731c…情報部722a,722b,722c,
732a,732b,732c…ヘッダ部、200,2
00a,200b…マイクロプロセッサ、300…多重
化回路(MUX、301…セルバッファ、302…分離
化回路(DMUX)、303…制御部、3030…入力
制御部、3031…アドレス制御部およびアドレス管理
部、3032…出力制御部、30311…アドレス制御
部、30311a…通常モード用宛先情報レジスタ、3
0311b,30311e…直進モード用宛先情報レジ
スタ、または特殊モード用宛先情報レジスタ、3031
1c…セレクタ、30311d…デコーダー、3031
1…アドレス制御部、30312…アドレス管理部50
0a,500b,500c…設定データ用レジスタ、5
01…デコーダー、5011…管理テーブル、502
a,502b…セレクタ、1,6…セルデータ2…ヘッ
ダ部の情報、2a…ヘッダ部の情報内のルーティングタ
グ、2b…ヘッダ部の情報内のVPI/VCI値、3…
MUX制御信号、4…第1の制御信号、5…アドレスお
よび制御信号、7…第2の制御信号、8…DMUX制御
信号、9…入力ポート番号、400a,400b,40
0c,400d…FIFO、900…マルチプレクサ、
901…デマルチプレクサ、902、903、904…
セル出力ポート、905…共有バッファメモリ、906
…アドレス管理用キュー、907…バッファ内セル数カ
ウント部、908…しきい値保持部、909…共有バッ
ファメモリ管理部、910…動的しきい値設定部、91
1…スイッチ、912…セル入力規制部、913、91
4、915…セル入力ポート、930…プロセッサ、9
31…メモリ、932…入出力インターフェース、93
3…バス、940…セル入力規制部、941…フロー制
御信号線、950…比較器、951…デコーダ、960
…スイッチ、961…単位スイッチ、962…動的しき
い値設定部、963…しきい値配分部、970…スイッ
チ、971…単位スイッチ、972…内部論理キュー
群、973…内部論理キュー群対応しきい値、974…
内部論理キュー、975…内部論理キュー対応しきい
値、976…内部経路、980…スイッチ、981…単
位スイッチ、982…内部論理キュー群、983…内部
論理キュー群対応しきい値、984…内部論理キュー、
985…内部論理キュー対応しき986…内部経路、9
87…アービター、990…スイッチ、991…スイッ
チ制御部、992…呼処理部、993…動的しきい値設
定部、994…しきい値テーブル、995…テーブル更
新部、996…統計情報保持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釜谷 幸男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中北 英明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 本山 雅彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 鈴木 宗之 東京都日野市旭が丘3丁目1番地の1 株 式会社東芝日野工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の入力ポートから入力したATMセ
    ルを、このATMセルに書き込まれた情報に基づいて所
    望の出力ポートへ交換して出力するATMセルスイッチ
    において、 前記複数の入力ポートそれぞれから入力されたATMセ
    ルを一時的に蓄積するために、各入力ポートに対応して
    設けられた入力バッファと、 複数の入力リンク及び前記出力ポートのATMセル転送
    速度より大きな速度でATMセルを出力する一つ又は複
    数の出力リンクを有するセルバッファを備えた少なくと
    も一つの単位スイッチを接続して構成され、前記入力バ
    ッファが出力したATMセルをこのATMセルに書き込
    まれた情報に基づいて交換して出力するATMスイッチ
    網と、 このATMスイッチ網から出力されたATMセルを出力
    ポートへ出力する場合、前記ATMセルを一担蓄積し
    て、その蓄積されたATMセル数に応じて前記入力バッ
    ファへ所定のフロー制御信号を出力する出力バッファ
    と、 を具備したことを特徴とするATMセルスイッチ。
  2. 【請求項2】 複数の入力ポートから入力したATMセ
    ルを、このATMセルに書き込まれた情報に基づいて所
    望の出力ポートへ交換して出力するATMセルスイッチ
    において、 前記入力ポートから入力したATMセルを一時的に蓄積
    する入力バッファと、 複数の入力リンクと、前記出力ポートのATMセル転送
    速度より大きな速度でATMセルを出力する少なくとも
    一つの出力リンクとを有する第1の単位スイッチと、 前記出力ポートのATMセル転送速度より大きな速度で
    ATMセルを入力する複数の入力リンクと、前記出力ポ
    ートと同じ速度でATMセルを出力する少なくとも一つ
    の出力リンクとを有して、内部に設けられたセルバッフ
    ァに蓄積されるATMセル数に応じて前記入力バッファ
    へ所定のフロー制御信号を出力する第2の単位スイッチ
    とを具備するATMスイッチ網と、 を具備し、 このATMスイッチ網は、少なくとも前記第2の単位ス
    イッチを少なくとも一つを接続して構成され、前記入力
    バッファが出力したATMセルを、このATMセルに書
    き込まれた情報に基づいて交換して前記出力ポートへ出
    力することを特徴とするATMセルスイッチ。
  3. 【請求項3】 少なくとも第1のATMスイッチと、第
    2のATMスイッチとを縦続接続してなる共通バッファ
    型ATMスイッチにおいて、 前記第1、第2のATMスイッチの各々が、 各々任意の番号が割り振られ、固定長のATMセルを入
    力する複数の入力手段と、 この入力手段からのATMセルをATMセル単位ごとに
    記憶するための記憶手段と、 前記入力手段に対応して各々任意の番号が割り振られ、
    前記記憶手段からATMセルをATMセル単位ごとに取
    り出して出力する複数の出力手段と、 前記記憶手段の空き容量をATMセル単位で管理し、こ
    の管理の結果得られた情報を処理して制御情報を出力す
    るための管理手段と、 を具備して、所定のスイッチング動作を行なう通常モー
    ドと、前記入力手段の特定の番号から入力されたATM
    セルがこの特定の番号と同一番号を有する前記出力手段
    から出力される直進モードを含む複数の動作モードを有
    し、 前記少なくとも第1のATM及び第2のATMスイッチ
    のうち、少なくとも最終段に接続されるATMスイッチ
    のみを前記通常モードで動作させ、最終段以外のATM
    スイッチを前記直進モードで動作させるようにしたこと
    を特徴とする共通バッファ型ATMスイッチ。
  4. 【請求項4】 少なくとも第1のATMスイッチと、第
    2のATMスイッチとを縦続接続してなる共通バッファ
    型ATMスイッチであって、 前記第1、第2のATMスイッチの各々が、 各々任意の番号が割り振られ、固定長のATMセルを入
    力する複数の入力手段と、 この入力手段からのATMセルをATMセル単位ごとに
    記憶するための記憶手段と、 前記入力手段に対応して各々任意の番号が割り振られ、
    前記記憶手段からATMセルをATMセル単位ごとに取
    り出して出力する複数の出力手段と、 前記記憶手段の空き容量をATMセル単位で管理し、こ
    の管理の結果得られた情報を処理して制御情報を出力す
    るための管理手段と、 を具備し、 前記少なくとも第1のATM及び第2のATMスイッチ
    のうち、少なくとも最終段に接続されるATMスイッチ
    については、所定のスイッチング動作を行わせると共
    に、最終段以外のATMスイッチについては、前記入力
    手段の特定の番号から入力されたATMセルがこの特定
    の番号と同一番号を有する前記出力手段から出力される
    ように動作させることを特徴とする共通バッファ型AT
    Mスイッチ。
  5. 【請求項5】 共通バッファ型ATMスイッチであっ
    て、 各内部論理キューに対応した現在のバッファ内ATMセ
    ル数をカウントするバッファ内ATMセル数カウント手
    段と、 各内部論理キューに対応したバッファ内のATMセル数
    のしきい値を保持するしきい値保持手段と、 このしきい値保持手段に保持された前記しきい値を、現
    在の、または一定期間観測した、または要求される呼設
    定に関する情報に基づいて動的に設定する動的しきい値
    設定手段と、 前記バッファ内のATMセル数カウント手段により保持
    されている前記バッファ内のATMセル数が、前記しき
    い値保持手段により保持されている前記しきい値以上で
    ある場合には、前記共通バッファへのATMセルの入力
    を規制するATMセル入力規制手段と、を具備したこと
    を特徴とする共通バッファ型ATMスイッチ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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