JPH08231510A - 新規光学活性アミノピリジン誘導体結晶、その製法および用途 - Google Patents
新規光学活性アミノピリジン誘導体結晶、その製法および用途Info
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- JPH08231510A JPH08231510A JP7041099A JP4109995A JPH08231510A JP H08231510 A JPH08231510 A JP H08231510A JP 7041099 A JP7041099 A JP 7041099A JP 4109995 A JP4109995 A JP 4109995A JP H08231510 A JPH08231510 A JP H08231510A
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Abstract
いて、回折角2θが5.8〜6.2°、8.2〜9.0
°、14.6〜16.2°、17.2〜18.2°、1
9.6〜20.3°、21.4〜22.1°の各範囲に
ピークを有し、回折角2θが9.9〜10.5°、1
3.2〜13.7°の各範囲にピークを有しないことを
特徴とする(+)−N−(6−アミノ−3−ピリジル)
−N″−シアノ−N′−〔(1S,2R,4R)−2−
ノルボルニル)グアニジン結晶。当該結晶の製造方法な
らびに該結晶を有効成分とする循環器用剤。 【効果】 新規な結晶形を有し、大量合成時にも再現性
よく得られ、また熱、光、湿度に対しても安定であるか
ら、各種製剤に製した際の安定性に優れる。
Description
循環器用剤として、特に降圧剤の医薬品として有用な光
学活性アミノピリジン誘導体結晶、その製法および用途
に関する。
種の化合物が市販され、また開発されつつある。近年、
カリウムチャンネル開口作用という新しい機序に基づく
循環器疾患の治療の可能性が示唆されており、この理論
に基づき各種研究がなされるようになってきている。本
出願人は、かかる趨勢に鑑みて、光学活性アミノピリジ
ン誘導体に関する発明について既に出願しており、これ
ら光学活性アミノピリジン誘導体が薬理効果および副作
用の軽減の点で優れた特性を有することを見出している
(特開平6−228100号公報参照)。
学活性アミノピリジン誘導体に包含される(+)−N−
(6−アミノ−3−ピリジル)−N”−シアノ−N’−
〔(1S,2R,4R)−2−ノルボルニル)グアニジ
ン(以下単に「光学活性アミノピリジン誘導体」ともい
う。)が結晶多形であることを見出すとともに、その中
の一結晶形が大量合成時にも再現性よく得られ、また
熱、光、湿度に対しても安定であることを見出して、本
発明を完成するに至った。
式:
の結晶であって、常温(26〜30℃)でのCu−Kα
波長の粉末X線回折において、回折角2θが5.8〜
6.2°、8.2〜9.0°、14.6〜16.2°、
17.2〜18.2°、19.6〜20.3°、21.
4〜22.1°の各範囲にピークを有し、回折角2θが
9.9〜10.5°、13.2〜13.7°の各範囲に
ピークを有しないことを特徴とするものである。
合物であり、例えば特開平6−228100号公報に記
載の方法に従って製造することができる。
な条件で行うことにより得られる。具体的には、以下の
方法により得られる。まず、光学活性アミノピリジン誘
導体をアルコールに溶解する。アルコールとしては、融
点が0℃以下のものを用いることができるが、取扱い
性、経済性等を考慮すれば、メタノールおよびエタノー
ルが好ましい。なお、結晶化を行う前に予め、アセトニ
トリル等の溶媒を用いて結晶化を行う方が、精製純度、
収量の点で好ましい。
活性アミノピリジン誘導体を溶解させ、結晶化を行う。
結晶化に際しては、溶解後に加熱を止め、攪拌しながら
あるいは静置して、室温(1〜30℃)まで放置する。
ことができる。追い出し溶媒としては、85℃以上の熱
水が好ましく、使用容量は、光学活性アミノピリジン誘
導体を溶解する際に用いるアルコール容量の10倍容量
以下、好ましくは2倍容量以下、さらに好ましくは1.
5倍容量以下にすることが、精製純度、収量の点で好ま
しい。また、15℃以下の冷水を追い出し溶媒として用
いることもできるが、使用容量は、光学活性アミノピリ
ジン誘導体を溶解する際に用いるアルコール容量の3倍
容量以下にする必要がある。3倍容量を越えて冷水を用
いた場合には、結晶化が急速に起こり、望むべき結晶が
得られなくなるからである。
ジン誘導体は塩基性基を有するので、公知の手段(例え
ば特開平6−228100号公報に記載の実施例1)に
より酸付加塩とすることもできる。かかる塩としては、
薬理学的に許容され得る無毒性のものであれば特に制限
されず、例えば、無機酸との塩(塩酸塩、臭化水素酸
塩、リン酸塩、硫酸塩等)、有機酸との塩(酢酸塩、コ
ハク酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、リンゴ酸塩、
酒石酸塩等)等が挙げられる。
ウサギ、イヌ、ネコ、ヒト等の哺乳動物において強力か
つ持続性の血圧下降作用、末梢血管拡張作用、冠動脈拡
張作用、脳血管拡張作用等を有し、しかも極めて低毒性
である。従って、本発明の結晶は、例えばヒトにおける
高血圧症、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞等)、脳お
よび末梢の循環器障害(脳梗塞、一過性脳虚血発作等)
等の循環器系疾病の予防および治療薬等の循環器用剤と
して有用である。
度、作用の持続性ともに優れ、例えば、高血圧症の予防
または治療薬として用いる場合、少ない投薬回数(1日
1〜2回)で安定した降圧作用が得られる。
作用を示すことから、高脂血症治療剤等の脂質代謝改善
剤としての用途を有している他、種々の平滑筋器官(胃
腸管、呼吸系、子宮等)に対する弛緩剤としても期待さ
れる。
化防止・抑制作用、抗酸化作用を有することから、糖尿
病性合併症等の予防・治療剤としても期待できる。
場合、薬理的に許容されうる添加剤(例えば、担体、賦
形剤、希釈剤等)等の製薬上必要な成分を適宜混合し、
粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、注射剤等の態様で医薬
組成物とし、経口的または非経口的に投与することがで
きる。上記製剤中には本発明の結晶の有効量が配合され
る。投与量は投与ルート、症状、患者の体重または年齢
等によっても異なるが、例えば、成人の高血圧症患者に
経口投与する場合は、0.05〜20mg/kg体重/日、
特に0.1〜4mg/kg体重/日を1日1〜数回に分けて
投与するのが望ましい。
例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実
施例によって何ら限定されない。
却管を付けた1Lのナス型フラスコに、N−シアノ−
N’−3−(6−アミノピリジル)−O−フェニルイソ
ウレア(76g,300mmol)を入れ、酢酸エチル(5
00ml)に溶解させた(−)−(1S,2R,4R)−
2−ノルボルニルアミン(36.7g,330mmol)を
加え、還流下16時間攪拌した。反応液を水で冷やして
室温まで戻し室温下放置し(反応終了後2時間経過)、
吸引濾過した。フラスコ残渣は酢酸エチル25mlにて洗
いこみ、濾過物をビーカーに移して酢酸エチル350ml
を加えよく攪拌し濾過した。ビーカー残渣は酢酸エチル
25mlにて洗いこんだ。
熱還流下溶解し、反応液が熱いうちにセライト上で素早
く吸引濾過した。フラスコ残渣および濾過物は熱いアセ
トニトリル250mlにて二回洗浄した。濾液と洗浄液と
を集め、溶媒を950ml留去し室温にて19時間静置し
た。析出した結晶を濾取し、結晶はアセトニトリル(1
00ml×2)にて洗った(68.6g)。得られた結晶
はプリズム状であるが、アセトニトリルをほぼ同モル量
含むものであり(以下「CH3 CN体」という。)、融
点は185〜186℃であった。
ブルフラスコに結晶(CH3 CN体)を移し、350ml
のメタノールを加え、加熱還流しながら溶解し、攪拌し
ながら熱水(約90℃)465mlを加え、加熱を止めて
攪拌しながら室温まで放置した(2時間)。
濾過物は水400mlにてよく洗った。濾過物をロート上
でアスピレーター吸引下に一晩放置した。水を7%含ん
だ目的物を59.58g得た(68%)。五酸化二リン
を敷いたデシケーター中で3日間乾燥させた。HPLC
による化学純度は99.5%、融点は167〜169
℃、旋光度〔α〕D は+12.0(c=0.58,エタ
ノール,23℃)であった。
載の結晶化条件にて、実施例1と同様の操作により結晶
を得た。なお、表1において、追い出し溶媒の欄のかっ
こ内は、溶解溶媒の容量に対する容量を示す。また、冷
水として約10℃の水を用いた。
について、粉末X線回折による分析を行った。粉末X線
回折装置としてRINT2000(RIGAKU社製)を用
い、以下の条件で測定した。
8mm 測角範囲:2〜60°(2θ) 走査速度:4°/min 測定温度:27〜29℃
(2θ)におけるパターンの拡大図を図2に、10.5
〜24.5°(2θ)におけるパターンの拡大図を図3
にそれぞれ示す。
少なくとも5.8〜6.2°、8.2〜9.0°、1
4.6〜16.2°、17.2〜18.2°、19.6
〜20.3°、21.4〜22.1°(2θ)の各範囲
にピークが認められるが、CH 3 CN体において9.9
〜10.5°(2θ)の範囲に認められる顕著なピー
ク、および比較例1,2において13.2〜13.7°
(2θ)の範囲に認められるピークが認められないこと
が判る。
件下での粉末X線回折による分析 上記の実施例1、比較例1およびCH3 CN体につい
て、DSC分析を行った。熱分析装置としてDSC82
30(RIGAKU社製)を用い、昇温速度10℃/分で測定
した。各DSCサーモグラムを図4(実施例1)、図5
(比較例1)および図6(CH3 CN体)にそれぞれ示
す。また、実施例1、比較例1およびCH 3 CN体につ
いて、昇温条件下での粉末X線回折による分析を行った
(図示せず)。
ち、実施例1においては、加温により常温での結晶形が
融解後に結晶形Iに変換されるのに対して、比較例1に
おいては、加温により常温での結晶形が結晶形IIおよび
結晶形III 等を経て、結晶形Iに変換された。また、C
H3 CN体においては、加温によりアセトニトリルが除
去されたと思われる結晶形Iに変換された。従って、3
種類の結晶形はいずれも加温することにより結晶形が変
換され、最終的には同一の結晶形Iに変換されたが、加
温による結晶形変換プロファイルは異なるものであっ
た。
リジン誘導体)の製剤化を考慮した場合の本発明の結晶
の有用性が明らかとなった。即ち、CH3 CN体はアセ
トニトリルを含有することから、人体への投与に際して
好ましくない。また、比較例1の結晶では加温による複
雑な結晶形への変換が予想され、製剤化に際して好まし
くない。一方、実施例1の結晶は、このような問題点を
有さず、製剤化に適した結晶であることが判明した。
試験 実施例1により得られた本発明の結晶約150mgを4ml
容スクリューガラスバイアル(透明)に秤取後、蓋をし
て60℃に設定した恒温槽中に3箇月間保存した。試験
開始時、1、2および3箇月後に、性状、溶状、類縁物
質(HPLC法)、水分含量(カールフィッシャー
法)、溶解性〔日局12溶出試験法第2法(パドル
法)〕および定量(HPLC法)に関する品質試験を行
った。その結果、試験開始3箇月後においても性状等の
経時的な変化は認められなかった。
0日間の保存安定性試験 実施例2により得られた本発明の結晶約200mgを10
0ml容ガラスビーカー(透明)に秤取後、うすく均一に
広げ、蛍光灯(2500lux)照射下、30日間保存
した。実験例3と同様に品質試験を行ったが、性状等の
経時的な変化は認められなかった。
の保存安定性試験 実施例3により得られた本発明の結晶約150mgを4ml
容スクリューガラスバイアル(透明)に秤取後、飽和硝
酸カリウム溶液で湿度調整(90%RH)したデシケー
ターに入れ、25℃の恒温室内で9箇月間保存した。実
験例3と同様に品質試験を行ったが、性状等の経時的な
変化は認められなかった。
過酷な条件(温度、光、湿度条件)での保存安定性に優
れることが判る。
0メッシュの篩に通す。この(1) 、(3) 、(4) と(2) を
それぞれ乾燥して一定含水率にまで下げた後、上記の重
量割合で混合機を用いて混合する。全質均等にした混合
末に(5) を添加して短時間(30秒間)混合し、混合末
を打錠(杵:6.3mmφ、6.0mmR)して、1錠85
mgの錠剤とした。
溶性フィルムコーティング剤(例えば、ポリビニルアセ
タールジエチルアミノアセテート)、食用性着色剤等で
コーティングしてもよい。
し、混合粉体をハードゼラチンカプセルに200mgずつ
充填した。
過後、再び徐菌ろ過を行い、そのろ過液を無菌的にバイ
アルに分注し、窒素ガスを充填して静脈内注射剤とし
た。
熱、光、湿度に対しても安定であるから、各種製剤に製
した際の安定性に優れる。また、本発明の結晶を製造す
る方法は、簡易な方法による結晶化であるから、大量合
成時にも再現性がよく、工業的に有利である。さらに、
本発明の循環器用剤は、本発明の結晶を有効成分とする
から、循環器系疾病、特に高血圧症の予防および治療薬
等として有用であるとともに、保存安定性に優れる。
(2θ)におけるパターンの拡大図である。
4.5°(2θ)におけるパターンの拡大図である。
る。
る。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 常温でのCu−Kα波長の粉末X線回折
において、回折角2θが5.8〜6.2°、8.2〜
9.0°、14.6〜16.2°、17.2〜18.2
°、19.6〜20.3°、21.4〜22.1°の各
範囲にピークを有し、回折角2θが9.9〜10.5
°、13.2〜13.7°の各範囲にピークを有しない
ことを特徴とする(+)−N−(6−アミノ−3−ピリ
ジル)−N”−シアノ−N’−〔(1S,2R,4R)
−2−ノルボルニル)グアニジン結晶。 - 【請求項2】 (+)−N−(6−アミノ−3−ピリジ
ル)−N”−シアノ−N’−〔(1S,2R,4R)−
2−ノルボルニル)グアニジンをアルコールに溶解し、
熱水を用いて結晶化を行うことを特徴とする請求項1記
載の結晶を製造する方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の結晶を有効成分とする循
環器用剤。 - 【請求項4】 降圧剤である請求項3記載の循環器用
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7041099A JPH08231510A (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 新規光学活性アミノピリジン誘導体結晶、その製法および用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7041099A JPH08231510A (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 新規光学活性アミノピリジン誘導体結晶、その製法および用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08231510A true JPH08231510A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=12599039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7041099A Pending JPH08231510A (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 新規光学活性アミノピリジン誘導体結晶、その製法および用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08231510A (ja) |
-
1995
- 1995-02-28 JP JP7041099A patent/JPH08231510A/ja active Pending
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